(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御装置は、前記モニタされた位相角が前記第2の既定の位相値よりも小さいとき、前記RF増幅器に信号を送って前記RFエネルギーの供給を停止させる、請求項3又は4記載の電気外科的システム。
前記制御装置は、前記モニタされた位相角の変化率が前記第2の既定の位相値よりも小さいとき、前記RF増幅器に信号を送って前記RFエネルギーの供給を停止させる、請求項3又は4記載の電気外科的システム。
前記電気外科的発生器は、さらに、前記電気外科的器械を介して供給された高周波(RF)エネルギーから供給RF波形を受け取るように構成されたRFセンス回路、及び、前記供給RF波形の電圧及び電流の実数成分及び虚数成分を計算するよう構成された同期検波器を含む、請求項1乃至6に記載の電気外科的システム。
前記導電性ポストは、前記第2のジョーの上面から延びる上側部分及び前記第2のジョー内に設けられた絶縁材料内に封入された下側部分を有し、前記絶縁材料は、前記導電性ポストを前記第2のジョー内の導電性材料から隔てられている、請求項8記載の電気外科的システム。
前記導電性ポストは、様々な高さを有する複数の導電性ポストを含み、前記複数の導電性ポストは、最も近位側の導電性ポストの高さよりも高い高さを有する最も遠位側の導電性ポストを含む、請求項8又は9記載の電気外科的システム。
前記電気外科的器械は、さらに、近位位置から遠位位置まで長手方向軸線に沿って動くことができ、そして前記近位位置まで戻ることができるブレードを有し、前記ブレードは、前記第2のジョーの外周内に配置され、前記第2のジョーは、前記ブレードを挿通させるチャネルを有し、前記導電性ポストは、前記第2のジョーの前記チャネルに隣接して設けられ、前記ブレードは、前記導電性ポストの前記導電性材料と同一の導電性材料で作られており、前記第2のジョーに向いた前記第1のジョーの表面全体は、滑らかであり且つ平坦であり、該表面全体には凹み又はポケットがない、請求項8乃至10の何れか1項に記載の電気外科的システム。
前記電気外科的器械は、さらに、前記細長いシャフトの前記近位端部に設けられたアクチュエータを有し、前記アクチュエータは、前記アクチュエータの操作により前記第1及び前記第2のジョーが動かされ、RFエネルギーの供給が開始され又は前記ブレードの並進運動が開始された場合、ユーザにより接近可能であるよう配置されている、請求項11記載の電気外科的システム。
【発明を実施するための形態】
【0015】
種々の実施形態によれば、組織を最適に溶融させるよう構成された電気外科的発生器と電気外科的器械を含む電気外科的システムが提供される。電気外科的器械は、種々の実施形態によれば、組織を動かし、組織を把持し、組織を圧迫し、そしてRFエネルギーを送り出して組織を溶融させる能力を持った状態で腹腔鏡下手術で用いられるよう提供される。種々の実施形態によれば、電気外科的器械は、5mmトロカール中に通して挿入可能な両極性電気外科的器械であり、機械的切断ブレードの作動により組織を切断する。RFエネルギーは、電気外科的発生器によって供給され、この電気外科的発生器は、適当なRFエネルギーをもたらして組織を溶融させるよう構成されている。発生器は、種々の実施形態によれば、適当なRFエネルギー及び適当なやり方を決定して特定の連結状態の電気外科的器械のためのRFエネルギーをこの器械と接触状態にあると共に/或いは特定の外科的処置と関連した特定の組織に送り出す。種々の実施形態によれば、適当なRFエネルギー及びRFエネルギーの送り出し方の決定を助けるための情報又はデータが提供され又は発生器から外部で得られる。外部源は、種々の実施形態では、電気外科的器械内にこれとの接続部(ワイヤード又はワイヤレス)を介して又は別個のツール、アクセサリ及び/又はアダプタ及び/又はこれらとの接続部を介して且つ/或いは別個のポート又は発生器の接続部を介して組み込まれるのが良い1つ又は2つ以上のメモリモジュールである。発生器は、データを検索すると共に/或いは受け取り、そしてこのデータを利用して発生器に指令を出し又は作動させて適当なRFエネルギーを決定してこれを適当なやり方で供給する。
【0016】
一般に、種々の実施形態によれば、ジョー相互間に捕捉された組織を溶融させるよう構成された両極性電気外科的溶融器械又はツールが提供される。ジョーは、アクチュエータに結合された細長いシャフトから延びている。アクチュエータは、ユーザにより接近可能であり、それにより、ユーザは、ジョーを操作してジョーを開閉し、そしてこれらの向き又は位置を変えることができる。ユーザは、アクチュエータを介してジョーと接触状態にある組織の溶融も又開始することができる。ジョーは、種々の実施形態では、各ジョーには電極が設けられており、これら電極は、電気外科的エネルギー源、例えば電気外科的発生器に接続可能であり、それによりジョーと電気外科的発生器との間及びジョー相互間に捕捉された組織に高周波(RF)エネルギーを伝えることができる。可動ブレードも又、ジョー相互間に捕捉された組織を切断するために設けられる。種々の実施形態によれば、少なくとも1つのジョーは、ブレードとこのジョーの電極との間に位置決めされた少なくとも1つの導電性ポストを有する。導電性ポストは、ジョーの電極と同一の導電性材料で作られているが、電極とは異なり、導電性ポストと電気外科的発生器との間にRFエネルギーを伝えるよう電気外科的発生器には接続されておらず又は接続可能ではない。しかしながら、導電性ポストは、種々の実施形態によれば、ジョー相互間及びジョー相互間の組織に電気外科的エネルギーを伝えるのに関与するのが良い。
【0017】
図1及び
図2を参照すると、電気外科的システムの例示の実施形態が示されており、この電気外科的システムは、電気外科的発生器10及び取り外し可能に接続可能な電気外科的器械20を含む。電気外科的器械20は、発生器に設けられたツール又は器具ポート12へのケーブル接続部30を介して発生器に電気的に結合されるのが良い。電気外科的器械20は、器械の特定の所定の状態、例えば溶融又は切断作業の開始及び/又は終了をユーザに知らせるための聴覚、触覚及び/又は視覚指標を有するのが良い。他の実施形態では、電気外科的器械20は、再使用可能であると共に/或いは別の外科的処置のために別の電気外科的発生器に接続可能であるのが良い。幾つかの実施形態では、例えば溶融又は切断作業を開始するために器械の所定の選択的制御を可能にするよう、手動制御装置、例えばハンド又はフットスイッチが発生器及び/又は器械に連結可能であるのが良い。
【0018】
種々の実施形態によれば、電気外科的発生器10は、高周波(RF)電気外科的エネルギーを発生させ、そして発生器に電気的に結合された電気外科的器械20からデータ又は情報を受け取るよう構成されている。発生器10は、一実施形態では、RFエネルギー(375VA、350kHzにおいて150V及び5A)を出力し、一実施形態では、作動中又はRFエネルギーの供給中、RF出力電圧とRF出力電流との位相角又は差を計算するよう構成されている。発生器は、電圧、電流及び/又は電力を調整すると共にRFエネルギー出力(例えば、電圧、電流、電力及び/又は位相)をモニタする。一実施形態では、発生器10は、既定の条件下、例えば器具スイッチがディアサートされたとき(例えば、フューズボタンが解除されたとき)、時間値が満たされたとき及び/又はアクティブな位相角及び/又は位相の変化が或る位相及び/又は位相停止値の変化以上になったとき、RFエネルギー出力を停止させる。
【0019】
電気外科的発生器10は、2つの新型両極性ツールポート12、標準型両極性ツールポート16、及び電力ポート14を有する。他の実施形態では、電気外科的ユニットは、これらとは異なる数のポートを有しても良い。例えば、幾つかの実施形態では、電気外科的発生器は、3個以上又は1個以下の新型両極性ツールポート、2個以上又は0個の標準型両極性ツールポート、及び2個以上又は0個の電力ポートを有することができる。一実施形態では、電気外科的発生器は、2個の新型両極性ツールポートだけを有する。
【0020】
種々の実施形態によれば、各新型両極性ツールポート12は、取り付け状態の又は一体形メモリモジュールを備えた電気外科的器械に結合されるよう構成されている。標準型両極性ツールポート16は、新型両極性ツールポート12に接続可能な新型両極性電気外科的器械とは異なる非特定型の両極性電気外科的ツールを受け入れるよう構成されている。電力ポート14は、非特定型の両極性電気外科的ツール及び新型電気外科的器械とは異なる直流(DC)アクセサリ装置を受け入れ又はこれに接続されるよう構成されている。電力ポート14は、直流電圧を供給するよう構成されている。例えば、幾つかの実施形態では、電力ポート14は、約12ボルトDCを提供することができる。電力ポート14は、外科的アクセサリ、例えば人工呼吸器、ポンプ、灯り、又は別の外科的アクセサリに電力供給するよう構成されているのが良い。かくして、標準型又は非特定型両極性ツールのための電気外科的発生器と置き換えることに加えて、電気外科的発生器は、外科的アクセサリ用電源に置き換わることができる。幾つかの実施形態では、既存の発生器及び電源を電気外科的発生器で置き換えることにより、外科的又は手術作業空間内で必要な多くの幹線コードにおいて貯蔵ラック、カード又は棚上に必要な貯蔵空間の量を減少させることができる。
【0021】
一実施形態では、標準型両極性ポート中への非特定型両極性ツールの結合によっては、発生器は、ツールをアクティブにチェックすることがない。しかしながら、発生器は、非特定型両極性ツールの情報を表示することができるよう接続を認識する。種々の実施形態によれば、発生器は、新型ツールポート12の各々に関する器具接続状態を認識し、そして接続状態の器具を認証し、その後、RFエネルギー起動要求(例えば、器械スイッチ、例えばフューズボタンの起動)を受け取る。発生器は、一実施形態では、接続状態の器具からの認証済みデータを読み取ると共に認証され且つ接続された器具からの電気制御値(例えば、電圧レベル設定値、電流レベル設定値、電力レベル設定値、アクティブ位相角レベル設定値、RFエネルギー出力起動タイミング限度、器械短絡限度、器械開路限度、器械モデル/識別、RFエネルギー出力ラインコンフィグレーション、スイッチ状態指令コンフィグレーション及び/又はこれらの組み合わせ)を読み取る。
【0022】
種々の実施形態によれば、電気外科的発生器10は、ディスプレイ15を有するのが良い。ディスプレイは、電気外科的システムの状態を指示するよう構成されるのが良く、かかる状態としては、情報のうちでとりわけ、1つ又は2つ以上の電気外科的器械及び/又はアクセサリ、コネクタ又はこれらへの接続の状態が挙げられる。幾つかの実施形態では、ディスプレイは、テキスト及び図形情報を提供することができるマルチラインディスプレイ、例えばLCDパネルディスプレイから成るのが良く、かかるLCDパネルディスプレイは、幾つかの実施形態では、バックライト又はサイドライトを介して照明可能である。幾つかの実施形態では、ディスプレイは、マルチカラーディスプレイから成るのが良く、このマルチカラーディスプレイは、電気外科的発生器に電気的に結合された特定の器械に関する情報及び特定の外科的処置(例えば、黄色のテキスト及び図形で表示される切断作業、紫色で表示される溶融又は溶接作業、及び青色で表示される凝固作業、黄色及び青色で表示可能な無血離断作業)に対応した色を表示するよう構成されるのが良い。
【0023】
幾つかの実施形態では、ディスプレイは、電気外科的発生器に電気的に結合されると共に/或いはツールポートに対応関係をなして接続された各器械に関する状態情報を表示するよう分割されている複数の器械に関する状態データを同時に表示するよう構成されているのが良い。視覚指標、例えば状態棒グラフを用いると、作動時に両極性電気外科的器械に及ぼされるべき全有効電気エネルギーの割合を図示することができる。種々の実施形態では、組織を切断し、凝固させ、又は溶融させるよう動作可能な電気外科的器械は、3つの着色ディスプレイ又は棒グラフを有する場合がある。幾つかの実施形態では、ユーザは、多数の電気的に接続された機械の状態の提供と単一の電気的に接続された機械の状態の提供との間でディスプレイを切り換えることができる。種々の実施形態によれば、器械及び/又はアクセサリをいったん接続すると共に/或いは検出すると、ユーザインターフェースディスプレイの窓が開き、器械の接続形式及び状態を示す。
【0024】
電気外科的発生器は、種々の実施形態によれば、ユーザインターフェース、例えば複数のボタン17を有するのが良い。これらボタンにより、電気外科的発生器とのユーザ対話が可能になり、例えば、電気外科的発生器に結合された1つ又は2つ以上の器械に供給される電気エネルギーの増減の要求が可能である。他の実施形態では、ディスプレイ15は、タッチスクリーンディスプレイであるのが良く、かくして、データディスプレイ及びユーザインターフェースの機能を組み込むことができる。種々の実施形態によれば、外科医は、ユーザインターフェースを介して1〜3つのレベルの選択によって電圧設定値を設定することができる。例えば、レベル1では、電圧が110Vに設定され、レベル2では、電圧が100Vに設定され、レベル3では、電圧が90Vに設定される。3つ全てレベルに関して電圧が5アンペアに設定され、電力が300VAに設定される。他の実施形態では、電圧は、特定のレベル、例えばレベル2にあらかじめ設定され又はこれをデフォルトとする。他の実施形態では、電流及び電力設定値と同様、電圧設定値は、発生器の作動を単純化するためにユーザによる調節可能ではなく、従って、所定のデフォルト電圧設定値が利用され、例えば、電圧が100Vに設定されている。
【0025】
一実施形態では、電気外科的ツール又は器械20は、1つ又は2つ以上のメモリモジュールを更に有するのが良い。幾つかの実施形態では、メモリは、この器械及び/又は他の器械に関する動作データを含む。例えば、幾つかの実施形態では、動作データは、電極構成/再構成、器械の使用法、動作時間、電圧、電力、位相及び/又は電流設定値、及び/又は特定の動作状態、条件、スクリプト、プロセス又は手順に関する情報を含むのが良い。一実施形態では、発生器は、メモリモジュールからの読み取り及び/又はメモリモジュールへの書き込みを開始する。
【0026】
一実施形態では、各新型両極性電気外科的器械には、機器の認証、コンフィグレーション、期限満了、及びロギングを提供するメモリモジュール及び/又は一体型回路が付属している。レセプタクル又はポート中へのかかる器械の結合により、器械検証及び認証プロセスが開始する。器械認証は、一実施形態では、チャレンジレスポンス方式及び/又は発生器によっても共有される記憶シークレットキーを介して提供される。他のパラメータは、完全性チェックのためのハッシュキーを有する。使用率が発生器及び/又は器械一体形回路及び/又はメモリにログ記録される。一実施形態では、エラーの結果として、非ログ記録使用が生じる場合がある。一実施形態では、ログ記録は、2進数で設定され、オフライン器械で又は発生器を介して解釈される。
【0027】
一実施形態では、発生器は、時間測定コンポーネントを用いて器械の満了をモニタする。かかるコンポーネントは、ブート時間でコンフィグされるポーリングオシレータ又はタイマ又は実時間カレンダークロックを利用する。タイマ割込みが発生器によって取り扱われ、かかるタイマ割込みをタイムアウトイベントについてスクリプトによって使用できる。ロギングは又、タイマ又はカウンタを利用してログ記録されたイベントを時刻表示する。
【0028】
種々の実施形態によれば、発生器は、RFエネルギーがアクティブである間、接続状態の電気外科的器械に送られたRFエネルギーの電圧と電流の位相差を読み取る能力を提供する。組織が溶融されている間、位相の読みを用いて溶融プロセス中、互いに異なる状態を検出する。
【0029】
一実施形態では、発生器は、ダウンロード可能な内部ログ中の使用率に関する詳細をログ記録する。発生器は、コード及び機器性能の記憶のためのメモリを有する。発生器は、特定の器械性能に関する命令を含む際プログラム可能なメモリを有する。メモリは、例えば、シリアル番号及び器械使用パラメータを保持する。発生器は、接続されている器械の形式に関する情報を記憶する。かかる情報としては、タイムスタンプ、接続状態の器械の使用回数又は使用持続時間、各器械の電力設定値及びデフォルト設定値に対してなされた変更と共に器械の識別子、例えば接続状態の器械のシリアル番号が挙げられるが、これには限定されない。メモリは、一実施形態では、約2ヶ月間、約10,000回の器械使用数又はログ記録された最大150回までの起動に関するデータを保持し、このメモリは、必要に応じてそれ自体上書きするよう構成されている。
【0030】
発生器は、種々の実施形態によれば、電流、電力又はインピーダンスをモニタし又は制御することはない。発生器は、電圧を調整し、また電圧を合わせることができる。送り出された電気外科的電力は、印加された電圧、電流及び組織インピーダンスの関数である。発生器は、電圧の調整を通じて、送り出されている電気外科的電力に影響を及ぼすことができる。しかしながら、電圧を増減することによって、送り出される電気外科的電力は、必ずしも増減することはない。電力リアクションは、電力を供給する発生器ではなく、発生器による制御が全くない状態で、組織と相互作用する電力又は組織の状態によって引き起こされる。
【0031】
発生器は、これがいったん電気外科的電力を送り出すと、故障が起こるまで又は特定の位相パラメータに達するまで、連続的に、例えば150msごとにかかる送り出しを行う。一実施例では、電気外科的器械のジョーを開くのが良く、かくして圧迫を電気外科的電力を加える前、加えている間、及び加えた後の任意の時点で弛めることができる。発生器は又、一実施形態では、電気外科的エネルギーの停止を開始するよう特定の持続時間又は所定の時間遅延を中断することはなく、又は待機することはない。
【0032】
一実施形態では、電気外科的プロセス、例えば組織溶融プロセスが器械又はツールに設けられているスイッチを押して(51)始まり、それにより
図3に示されているような当初の測定シーケンスを開始する。ツールに設けられているスイッチを入れた状態で、発生器は、組織について当初の測定値(開路、短絡等)を取り(52)、そして当初の測定値に基づいて、RFエネルギーの供給を開始させ又は開始させない(53)。種々の実施形態によれば、発生器は、ツール及び/又は組織インピーダンス及び/又は定刻を測定すると共に/或いは位相角が許容範囲内に収まっているかどうかを判定する。一実施形態では、発生器は、心理学的効果(即ち、受動的な測定)を生じさせない低エネルギー範囲(例えば、約1〜10ボルトの電圧)でRFエネルギーを利用する発生器に接続された電気外科的器械の電極相互間の組織の測定を行う。種々の実施形態では、発生器は、器械が短絡しているかどうか、故障しているかどうか、開路しているかどうか等を判定するために当初のインピーダンス測定値を用いる。当初のチェックの肯定的な結果に基づいて、発生器は、発生器から電気外科的器械、そして最終的には組織へのRFエネルギーの供給を可能にする(54)。RF電力がターンオンされた後であって、RF電力が発生器によって連続的に供給されているとき、発生器は、供給されたRFエネルギーの電力と電圧との間の位相角又は位相角の差及び/又は変化をモニタする(55)。
【0033】
既定の時点で、既定の条件で又は既定のしきい値で(56)、RFエネルギーの供給を停止させる(57)。この場合、組織が溶融されていること(又は、エラー(例えば電極の短絡)が起こっていると共に/或いは予期せぬ状態(例えば、予期しないスイッチの解除にもかかわらず許容できる状態)が起きていること)を指示する音響信号及び/又は視覚信号が出される。種々の実施形態によれば、既定の時点、状態又はしきい値及び/又は初期化チェックを接続状態の電気外科的器械、手技又は好みについて提供された機器アルゴリズム又はスクリプトに基づいて決定する。種々の実施形態によれば、測定された組織の許容性及び導電性又は初期位相ずれの結果を利用して接続状態の器械に関するエンドポイントを求める。
【0034】
次に
図4‐1を参照すると、一実施形態では、電気外科的発生器10は、AC主入力に接続され、電源41が発生器の種々の回路に電力供給するためにAC主入力からのAC電圧をDC電圧に変換する。電源は又、DC電圧をRF増幅器42に供給し、RF増幅器42は、RFエネルギーを発生させる。一実施形態では、RF増幅器42は、電源からの100VDCを350kHzの周波数で正弦波形に変換し、この周波数は、接続状態の電気外科的器械を通って送られる。RFセンス回路43が発生器の出力のところの電圧、電流、電力及び位相を測定/計算し、発生器内のRFエネルギーが接続状態の電気外科的器械20に供給される。測定/計算された情報が制御装置44に伝送される。
【0035】
一実施形態では、RFセンスは、測定されたAC電圧及びRF増幅器からの電流を分析し、そして次の処理のために制御装置に送られる制御信号のためのDC信号を発生させ、かかる制御信号としては、電圧、電流、電力及び位相が挙げられる。一実施形態では、RFセンス回路43は、出力電圧及び電流を測定し、そして電圧及び電流の二乗平均(RMS)、RF出力エネルギーの見かけの電力及び接続状態の電気外科的器械を通って供給されているRFエネルギーの電圧と電流の位相角を計算する。特に、出力RFエネルギーの電圧及び電流をRFセンスのアナログ回路によって処理して電圧と電流の両方の実数成分及び虚数成分を発生させる。これら信号をFPGAで処理して電圧及び電流に関する互いに異なる測定値を与え、かかる測定値としては、AC信号、電圧と電流の位相ずれ、及び電力のRMS測定値が上げられる。したがって、一実施形態では、出力電圧及び電流をアナログ状態で測定し、ディジタルに変換し、FPGAによって処理してRMS電圧及び電流、見かけの電力及び電圧と電流との間の位相角を計算し、次にかかる出力電圧及び電流を制御装置のために変換してアナログに戻す。
【0036】
次に
図4‐2も又参照すると、各器具ポート45a,45bに関し、RF増幅器42から来ている電圧のための1対の信号及び電流のための1対の信号が存在する。一実施形態では、発生器は、RF増幅器上の互いに異なる場所での各器具に関する電圧及び電流を測定する2つの冗長式RFセンス回路43a,43bを有する。第1のRFセンス回路は、器具ポート1か器具ポート2かのいずれか上の接続状態の電気外科的器械を通って送り出された電流145a,145bをセンス抵抗器141,142によって検知すると共に器具ポート1か器具ポート2かのいずれか上の出力へのリターン前後で測定された電圧148a,148bを検知する。第2のRFセンス回路は、器具ポート1か器具ポート2かのいずれか上の接続状態の電気外科的器械から戻された電流147a,147bをセンス抵抗器143,144によって検知すると共に器具ポート1か器具ポート2かのいずれか上のリターンへの出力前後で測定された電圧146a,146bを検知する。電圧入力信号は、かかる信号上のDCバイヤスを除くために分圧器及び反転フィルタによって減衰されると共にAC結合される350kHzでの高電圧正弦波形である。反転フィルタが用いられる理由は、電圧及び電流入力がこれらを互いに逆の極性で測定したときに180°位相ずれがしているからである。各電圧入力信号に関し、2つの別々の反転及び非反転電圧センス信号を発生させる。一実施形態では、電圧入力信号相互間の差動電圧測定を行って2つの別々の対をなす反転及び非反転電流センス信号を発生させる。電流入力信号は、RF増幅器上の分流抵抗器前後の電圧を表し、RF増幅器内では、この電圧は、分流抵抗器を通って流れている電流に比例する。電流入力信号は、信号上のDCバイヤスを除くために非反転フィルタを用いて増幅される350kHzでの低電圧正弦波形である。RFセンスは、各電圧及び電流信号を所定の基準信号を乗算して得られた結果に類似した信号を発生させる。したがって、RFセンスは、波形が正である場合、非反転電圧及び電流センス信号を出し、波形が負である場合、反転電圧及び電流センス信号を出し、そして波形がゼロである場合にはアース信号を出す。
【0037】
RFセンスは、種々の実施形態によれば、RF増幅器を介して制御装置により供給される4つの基準同期信号を受け取る。同期信号は、同一のデューティサイクルを有するが、異なる位相ずれを持つ350kHzパルス信号であり、一実施形態では、互いに90°位相ずれしている。同期信号のうちの2つは、入力波形の実数成分を発生させるために同位相波形を生じさせるよう用いられ、2つの他の同期信号は、入力は形の虚数成分を発生させるよう直交波形を生じさせるよう用いられる。これら信号を更に処理して複数のスイッチへの制御信号を発生させる。スイッチの出力を互いに結合して信号出力を生じさせる。一実施形態では、スイッチへの制御信号は、どの入力信号が通って信号出力になるかを決定する。種々の実施形態によれば、第1の組み合わせにより、非反転電圧及び電流センス信号が通過することができ、これは、これらセンス信号に正のパルスを乗算することを表し又はこれに類似している。第2の組み合わせにより、反転電圧及び電流センス信号が通過することができ、これは、これらセンス信号に負のパルスを乗算することを表し又はこれに類似している。第3の組み合わせにより、アース信号が通過することができ、それによりセンス信号にゼロを乗算することを表し又はこれに類似したゼロ電圧出力を発生させる。各出力は、低域通過フィルタに送られ、低域通過フィルタは、検知された信号の実数又は虚数成分に対応したDC電圧を発生させる。これら信号は、ADCに供給され、ADCは、ディジタル信号をFPGAに送る。
【0038】
一実施形態では、制御装置44は、RF増幅器42を制御して出力RFエネルギーに影響を及ぼす。例えば、制御装置は、RFセンス43によって提供された情報を利用してRFエネルギーが出力されるべきかどうかを判定すると共にRFエネルギーの出力を停止させる時期を定める。一実施形態では、制御装置は、接続状態の電気外科的器具20と接触状態にある特定の組織に基づいて所定の位相しきい値を比較してRFエネルギーの出力を停止させる時期を求める。種々の実施形態では、制御装置は、以下に詳細に説明する溶融プロセスを実行し、幾つかの実施形態では、制御装置は、電気外科的器械から送られたデータから溶融プロセスを実施するための命令及び設定値又はスクリプトデータを受け取る。
【0039】
図4‐2に示されている種々の実施形態によれば、発生器は、システム電力供給源又は電源45、制御装置44、前側パネルインターフェース46、新型両極性器具インターフェース47、RF増幅器42、及びRFセンス43を含む6つの主要なサブシステム又は回路モジュールを有する。種々の実施形態によれば、回路のうちの1つ又は2つ以上は、他の回路と組み合わされるのが良く又はこれと一体化されるのが良い。電源45は、制御信号と一緒にDC電圧を他の全ての回路又はサブシステムに提供して電源出力を制御するよう構成されている。電源は、90〜264VAC、47〜63HzであるAC電力入力を受け取り、一実施形態では、電源は、AC電力入力を発生器に接続し又は発生器から切り離すよう構成されている一体形又は別個のスイッチを有する。制御装置は、前側パネルインターフェース(FPI)及び新型両極性器具インターフェース(ABDI)を介してユーザインターフェース21及び電気外科的発生器に接続された電気外科的器具1,2のための器械接続部をサポートする。
【0040】
RF増幅器42は、高電力RFエネルギーを発生させ、これを接続状態の電気外科的器械及び一実施例では組織の溶融のための電気外科的器械に通す。RF増幅器は、種々の実施形態によれば、100VDC電源を350kHzの周波数を有する高電力正弦波形に変換し、この正弦波形は、ABDI47及び最終的には接続状態の電気外科的器具中に送り出される。RFセンス43は、RF増幅器42からの測定されたAC電圧及び電流を解釈し、そして制御装置44によって解釈されるDC制御信号を発生させ、かかるDC制御信号としては、電圧、電流、電力、及び位相が挙げられる。
【0041】
発生器は、新型両極性器具、例えば以下に詳細に説明する電気外科的溶融器械への接続のためにのみ用いられる複数の専用接続レセプタクル、図示の実施形態では、器具ポート1及び器具ポート2を有する。専用レセプタクルは各々、アレイばね押しプローブ又はポゴピンを含む。発生器は、種々の実施形態では、レセプタクルでのアクティブ出力端子の付勢に先立って、新型両極性器具の存在を検出する回路を有する。
【0042】
前側パネルインターフェース(FPI)46は、ディスプレイ、制御装置からの器具信号及び前側パネルボタンのためのLEDバックライトをドライブするよう構成されている。FPIは又、調整器を介して電力絶縁をもたらすと共に前側パネルスイッチ/ボタンのための機能を提供するよう構成されている。一実施形態では、ABDI47は、FPIを介する器具への接続部となるパススルー接続部として用いられる。FPIは又、ABDIを介する制御装置44と接続状態の電気外科的器具の接続を可能にする。この器具インターフェースは、一実施形態では、FPIの残部から電気的に絶縁されている。インターフェースは、種々の実施形態では、新型両極性器具上のFRAM(登録商標)の読み取り及びこれへの書き込みを行い、トリガスイッチを読み取ると共に/或いは器具が接続状態にあることを指示する信号を読み取るラインを有する。一実施形態では、新型両極性器具のFRAM(登録商標)を読み取る及びこれへの書き込みを行うよう制御装置のSPIインターフェースを利用する器具メモリ回路が提供されている。一実施形態では、FRAM(登録商標)に代えてマイクロコントローラが用いられ、インターフェースは、割込みラインを有し、従って、全ての情報がディジタルインターフェースを介して電気外科的器具と発生器との間で伝えられる。FPIは、ABDIを介する新型両極性器具へのSPI信号及びかかる新型両極性器具からのSPI信号のための絶縁をもたらす。一実施形態では、SPI信号のための絶縁インターフェースは、2つの新型両極性器具で共有され、ポートピンは、チップセレクトとして用いられる。
【0043】
種々の実施形態によれば、発生器は、制御装置がCPLD及びRFセンスFPGAとの両方向通信関係を有することができるようにするSPI通信バスを有する。種々の実施形態では、FPIは、新型両極性器具上のFRAM(登録商標)と通信するよう、ABDIコネクタを介して制御装置と接続状態の器具との間にSPIインターフェースをもたらす。FPIは又、制御装置とABDIとの間からの低電圧信号のための電気的絶縁をもたらす。ABDI上の器具インターフェースは、SPI信号のための絶縁インターフェース通信と共にRFエネルギーを接続状態の器具に伝えるよう構成されている。一実施形態では、ABDIは、器具が接続されていることを指示する器具からの信号の接続を行う。
【0044】
FPI‐ABDIインターフェースは、発生器に接続されている器具に電力を提供し、制御装置と器具との間のSPI通信を可能にし、器具から制御装置への器具スイッチ信号を提供し、器具から制御器への器具接続信号を提供する。ABDIは、RFエネルギーを別個のポゴピンアレイを介して接続状態の各新型両極性器具に提供する。FPIは、FPI及びRF増幅器からの信号、低電圧電力及び高電圧RF電力をポゴピンアレイ経由でABDIコネクタを介して接続状態の器具に提供する。
【0045】
次に
図5も又参照すると、RF増幅器は、トランジスタHブリッジ回路を有し、かかるトランジスタHブリッジ回路内において対をなすトランジスタが故障検出回路31からのパルス幅変調信号に従ってONに切り換えられたりOFFに切り換えられたりし、それによりRF増幅器に供給されるDC電圧から正弦波信号を発生させる。RFエネルギーは、器具ポート45を経て電気外科的器械に供給される。正弦波信号は、フィルタ回路32によって濾波(又はフィルタ処理)され、そして切り換え及び組織測定回路33によって接続状態のアクティブな電気外科的器械に送られる。電圧、電流、電力、位相及び他の測定/計算情報がRFセンス43と関連して電圧及び電流センス回路34によって求められる。一実施形態では、発生器は、RFエネルギーをRF増幅器から器具ポートのうちの1つに選択的に切り換え又は方向付けるリレーマトリックスを有する。一実施形態では、切り換え及び組織測定回路33は、RF電力をターンオンする前に器械及び/又は組織インピーダンスを測定するために用いられる低電圧ネットワークアナライザー回路を有する。首尾良くいったならば、例えば、短絡又は開路が電気外科的器具について検出されなかった場合、RFエネルギーが切り換えられ、かくしてRF増幅器42がRFエネルギーを器具ポート45のうちの1つに供給する。
【0046】
RF増幅器42は、一実施形態では、RF増幅器の出力レベルを設定するためにユーザインターフェースを介してユーザにより入力された電圧及び電流設定値を受け取る。ユーザ設定値は、RF増幅器のディジタル・アナログ変換器によって動作レベルに変換される。設定値は、一実施形態では、最大電圧出力、最大電流出力、及び最大電力出力を含む。種々の実施形態によれば、RF増幅器は、これら設定値のうちの1つ又は2つ以上に基づいてRFエネルギーを提供し、例えば、設定値のうちの1つ又は2つ以上を超えることがないようにRF増幅器の出力電圧を提供する。
【0047】
RF増幅器は、種々の実施形態によれば、DC‐RF変換プロセス並びに或る特定のシステム電気的測定を管理する。切り換え及び組織測定回路は、RF変成器又は測定コンポーネントを出力電極にルーティングする。種々の実施形態によれば、ボルト・アンペア(VA)は、発生器により提供される見かけの電力について用いられる単位であり、このVAは、二乗平均(RMS)電圧とRMS電流の積に等しい。直流(DC)回路では、この積は、ワットで表された実電力(有効電力)に等しい。ボルト・アンペアは、交流電流(AC)回路(同一周波数の正弦波電圧及び正弦波電流)との関連で有用である。ボルト・アンペア及びワットは、電力の次元(エネルギーの時間速度)を有するが、これらは互いに依然として異なっている。
【0048】
制御装置FPGAは、RF出力リレーの直接制御を有する。出力リレー構成は、どの駆動信号(RF又は組織測定値)をどの器具ポート、即ち、
図5‐1及び
図5‐4に示されているように器具ポート1か器具ポート2かのいずれに送るかを定める。較正中、リレーは又、組織測定アナライザーに加わる所定の負荷、例えば設定値を備えた抵抗器に接続され、器具負荷(組織と接触状態にある接続状態の電気外科的器械の負荷)を接続する前にこの抵抗器を較正することができる。RF出力リレーは、RF増幅器42によって配置され又はこれに組み込まれている。
【0049】
種々の実施形態によれば、制御装置は、RFエネルギーバスを器具ポート1に接続するために器具1のリレー対61のために1対の器具1リレー制御信号を発生させる。これと同様に、制御器は、RFエネルギーバスを器具2ポートに接続するために器具2リレー対62のために1対の器具2リレー制御信号を発生させる。RF増幅器リレー対63は、RF増幅器出力がRFエネルギーバスに接続されるかどうかを制御し、組織測定リレー対64は、組織測定アナライザーがRFエネルギーバスに接続されるかどうかを制御する。RF増幅器及び組織測定アナライザーは、RFエネルギーバスに対する源であり、器具ポートは、選択されたエネルギーのための行き先である。組織測定較正リレー65は、RFエネルギーバスに加わる所定の較正負荷を接続する。
【0050】
したがって、種々の実施形態は、RFエネルギーの流れ又は組織測定回路の出力を器具ポートのうちの1つに差し向けるよう用いられる。4つの対をなすリレー信号は、システムを通るエネルギーの流れを変える4つの対をなすリレーを制御する。第1のリレー対により、高電力RF信号がABDI47に流れ、最終的に接続状態の器具中に流れることができる。第2のリレー対により、組織測定回路は、信号を器具からABDIを経由して送ると共にかかる信号を測定することができる。第3及び第4のリレー対により、信号は、これが高電力RF信号であれ又は組織測定信号であれいずれにせよ、ABDIを経て器具1か器具2かのいずれかに流れることができる。リレーを制御する信号が、制御装置44によって制御される。
【0051】
較正信号は、制御装置に設けられた組織測定回路が所定の負荷66を測定することができるようにする第5のリレーを制御する。リレーが開路状態にあるときに高(HIGH)であるリレー回路への入力信号が位相反転器によって反転される。位相反転器への出力は、MOSFETに接続され、MOSFETは、リレーを制御する。リレーを閉路しなければならない場合、リレー回路への入力は、低(LOW)になり、それにより、位相反転器の出力及びかくしてMOSFETへの入力がHIGHになる。MOSFETの入力がHIGHである場合、これにより、5Vがコイルを通って流れ、リレーを閉路すると共に信号が通ることができるようにする。リレーは、制御装置によって定められる或る特定の順序又はシーケンスで開閉される。
【0052】
種々の実施形態によれば、器具1アクティブ信号は、リレーが器具ポート1上のRF又は組織測定エネルギー向きに構成されている場合にアサートされ、器具2アクティブ信号は、リレーが器具ポート2上のRF又は組織測定エネルギー向きに構成されている場合にアサートされ、器具1及び器具2RF ON信号は、RF増幅器がONであり且つリレーがそれぞれ器具1構成上のRFエネルギー又は器具2構成上のRFエネルギーにある場合にのみアクティブである。
【0053】
制御装置FPGAは、マイクロコントローラによって提供された設定値に基づいてRF増幅器を制御する。一実施形態では、マイクロコントローラからの設定値は、接続状4の電気外科的器械に取り付けられているメモリから検索して取り出されたスクリプトファイルによって設定される。マイクロコントローラは、一実施形態では、所望の電圧、電流及び電力レベルを設定し、RF増幅器出力をイネーブルにする。
【0054】
一実施形態では、低電力バッファ付き電圧アウトDACは、制御ループ及びエラー増幅器への電圧、電流及び電力に関する設定値を提供する。制御ループ又はシステムが
図5‐5に示されている。電圧、電流、及び電力フィードバック電圧84,85,86は、ゲインステージ87として示されているフィルタを通る。この濾波されたフィードバックは、それぞれの設定値パラメータと合計(88)され、次に各エラーが各パラメータについて調整された回路89中に統合される。エラー出力の全ては、ダイオード80と一緒に合わさり、その結果、最も低い出力がPWM回路90を制御する。
【0055】
低域通過電圧、電流及び電力フィードバック信号並びに反転設定電圧、電流及び電力信号(VSET81、ISET82、PSET83)の各々は、抵抗器を通過して互いに組み合わさり、それにより(FVltFBT−Vset)/2、(FCurFBT−Iset)/2、及び(FPwrFBT−Pset)/2の振幅を備えた信号を生じさせ、これら信号は、各制御ループにおいてエラー信号とみなされる。次の段階は、比例積分制御装置(PI)であり、この比例積分制御装置は、この入力のところのエラー信号の変化の結果としてDC信号(VError、IError、PError)を生じさせる。VError、IError、PErrorは、電圧、電流又は電力のうちのどの1つがRF増幅器42について或る特定のPWMデューティサイクルを強制させるよう主制御ループの制御下にあるかを定めるために加算接合部で用いられる。
【0056】
次に
図6も又参照すると、RFセンス43は、電気外科的器械に送られているRFエネルギーをサンプリングする同期検出器を有する。RFセンスは、供給RFエネルギーに1つ又は複数の基準信号を乗算することによってRFエネルギーの望ましくない高調波を除く。信号の積からRMS電圧、RMS電流、見かけの電力及び位相情報を計算することができる。RFセンスは、ADC回路36、絶縁コンポーネント37、FPGA38及びDAC39を含む。生の電流及び電圧データの実数及び虚数成分は、アナログ・ディジタル回路によって求められ、そしてこれら成分は、これらコンポーネントの処理のために絶縁バリヤ又はコンポーネント37を経てFPGA38に提供される。図示の実施形態では、2つの器具チャネルが2つの新型両極性電気外科的ツールポート及び関連器械のために設けられている。故障検出データ35がFPGA38を経て送られ、測定又は計算された電圧、電流、電力及び位相のディジタル形態がDAC回路39によって提供される。一実施形態では、FPGAは、同期検出器からのフィードバック信号の信号処理を行う役割を担い、かかるFPGAは又、故障を検出する役割も担っている。
【0057】
ADC36は、同時に、同期検出器からの出力をサンプリングし、この結果は、各器具ポート上の出力信号の電圧及び電流に関する実数及び虚数値を表している。ADCがサンプリングを行った後、FPGAは、これらの値をADC制御モジュール内に記憶する。ADCエラー補正モジュールは、このデータをマルチプレクサを経てこのデータをADC制御モジュールから引き出してオフセット及びゲイン補正を適用することによってサンプルエラーを補正する。
【0058】
ADCエラー補正モジュールの出力は、アクティブ器具ポートとイナクティブ器具ポートの両方から電圧及び電流の実数及び虚数成分の表示である。ADC補正モジュールの出力は又、位相計算のためにアクティブ器具ポートからの各信号について符号ビットを出力する。別個のモジュールがアクティブ器具ポートからの電圧及び電流に関する実数値及び虚数値を受け取ってRMS電圧、RMS電流及び見かけの電力の大きさ並びに電圧と電流との間の位相をコンピュータ計算する。これらの値をいったんコンピュータ計算すると、DACエラー補正モジュールは、オフセット及びゲイン補正を各信号のスケール変更且つ符号化された表示に適用する。電圧、電流、電力、及び位相に関するDACエラー補正を順次行う。このデータをDAC制御装置モジュールに送る。DAC制御装置モジュールは、データをDACに送り出す。
【0059】
FPGA38は、電圧及び電流に関する実数値及び虚数値をモニタし、これらの値がイナクティブ器具ポート上の特定のしきい値を超えてずれている場合に故障コードを発生させる。加うるに、同期信号相互間の位相関係が失われている場合、FPGAは、故障コードを発生させることになる。同期モニタモジュールは、互いに常時180°位相がずれている4つの入力を有する。このモジュールは、信号相互間の有効な時間関係があるかどうかについてモニタし、違反がある場合にはエラーというフラグを立てる。
【0060】
種々の実施形態によれば、RFセンスFPGAは、RFフィードバック信号中にエラーがあればこれらを補正し、これら信号の振幅及び位相を計算するよう構成されている。RFセンスの同期検出器は、制御装置FPGAによって生じた同期信号を用いてRF増幅器からの電圧及び電流フィードバック信号の同位相(実数)及び直交(虚数)成分を発生させる。RFセンスFPGAは、制御装置によって生じた同期信号相互間の位相関係をモニタして位相関係が壊れている場合に故障をアサートする。
【0061】
種々の実施形態によれば、複数の同期信号がRFセンスのためのクロック入力として用いられる。同期信号は、同一のデューティサイクル及び周波数を有する。信号相互間の唯一の差は、これらの位相関係にある。例えば、一実施形態では、第1の同期信号が基準として用いられ、第2の同期信号は、第1の同期信号と同一であるが、180°だけ遅れている。第3の同期信号が第1の同期信号から90°だけ遅れ、第2の同期信号が第1の同期信号から270°だけ遅れている。これら4つの信号により提供されるクロックエッジは、RF出力信号の適正なサンプリングのためにRFセンスにより必要とされる正確なタイミングを提供する。
【0062】
種々の実施形態によれば、電気外科的発生器は、RF出力電圧及び電流を測定する。しかしながら、発生器の電気外科的性状に起因して、測定が絶縁状態の回路を用いて行われることが必要である。電圧測定は、単純であるのが良い。と言うのは、信号対雑音比が比較的高いからである。しかしながら、電流変成器を用いた電流測定は、問題である。と言うのは、回路中に存在する相当なレベルのPWM出力段階スイッチングノイズが存在すると共に典型的な電流変成器の絶縁が所望の又は所要の精度を得るには十分にこのノイズを抑制することができないからである。二次側基準(浮動)アナログ・ディジタル変換(ADC)及び分流抵抗器を用いることによって出力電圧及び電流を直接サンプリングすることは又、別の問題を引き起こす場合がある。
【0063】
PWMスイッチングノイズは、基本PWM搬送周波数に高調波的には関連しておらず、このPWMスイッチングノイズは、広い帯域幅を有する。このノイズに打ち勝つには、所望の又は必要な精度を達成するために信号を著しくオーバーサンプリングするのが良い。しかしながら、350kHzPWM搬送周波数、ナイキストサンプリング周波数の64倍及び12ビット解像度の場合、ディジタルストリームの所要の速度は、ADCチャネル1つ当たり5.376×10
8ビット/sである。この性能を備えたADC及びディジタルアイソレータは、ソースとするのは困難であって比較的高価である。
【0064】
種々の実施形態によれば、高精度アナログプリプロセッサを用いることによって、ディジタルストリームに関する周波数要件を低減することができる。アナログプリプロセッサは、RF出力電圧及び電流の時間変化が比較的ゆっくりであり、一般に、かかる信号の有用な帯域幅が狭いという事実を利用している。
【0065】
一実施形態では、アナログプリプロセッサは、搬送周波数周りに集中した領域からゼロまでのRF信号スペクトルの移送を可能にする同期検出器を有する。狭い帯域幅は、ADC及びディジタルアイソレータの複雑さを著しく単純にする。したがって、ADCサンプリング周波数は、低くても良く、しかもディジタルアイソレータスループットが減少する。ディジタルアイソレータ結合キャパシタンスも又、並列チャネルの数が減少し又は最小限に抑えられることによって減少する。一般に、処理速度に関する要件が減少し、それにより安価なコンポーネントが得られる。
【0066】
図6‐1〜
図6‐4を参照すると、種々の実施形態によれば、同期検出器は、アナログ乗算器を有し、このアナログ乗算器は、回路の全体的精度を定める。しかしながら、オフバンドPWMノイズ及び/又は350kHz搬送周波数の存在に起因して、既存のアナログ乗算器は、0.5%以上の精度要件を満たさない。
【0067】
スペクトル変換に必要な局部発振器(LO)は、非正弦波型のものであるのが良い。かかる波形中に存在するゲインレベルの数が制限されている場合、アナログ乗算器は、乗算器ではなくアナログスイッチを用いて具体化できる。
【0068】
一実施形態では、
図6‐1及び
図6‐2に示されているように、利用されるLO波形95,96は、方形波であり、ゲイン91,92は、+1か−1かのいずれかであるのが良い。スイッチの出力のところに位置する低域通過フィルタ(LPF)93,94は、加算平均のために及び高い周波数を持つ変換成分を抑制するために用いられる。同期検出器の入力信号97を次のように基本周波数として定めることができる。
上式において、Tは、基本周期として定められ、Aは、基本振幅であり、pは、基本位相である。3次高調波周波数を次のように定めることができる。
上式において、kAは、3次高調波周波数の振幅として定められ、kは、3次高調波振幅と基本振幅の比であり、qは、3次高調波周波数の位相である。同期検出器の実数(Re)及び虚数(Im)出力電圧は、以下の通りである。
【0069】
基本周波数だけが入力信号スペクトル中に存在している場合(k=0)、複素振幅を次のようにして計算することができる。
3次高調波の振幅がゼロに等しくない場合、複素振幅は、これとは異なる結果を有することができる。
【0070】
次に
図6‐3及び
図6‐4を参照すると、種々の実施形態によれば、3レベル波形局部発振器により生じる複素LO3レベル波形98,99を用いることができる。LO3レベル波形を用いることによって、実数及び虚数出力電圧は、3次高調波の存在とは独立した状態になるが、高次の高調波が存在している場合には歪められる場合がある。同期検出器の実数(Re)及び虚数(Im)出力電圧は次の通りである。
その理由として、
すると、
且つ
この場合、複素振幅は次の通りである。
【0071】
したがって、任意のレベルの3次高調波の存在に対する依存性がなくなる。種々の実施形態によれば、RF増幅器の対称性により、必然的に低いレベルの偶数高調波を有する信号が作られる。低域通過フィルタも又、一実施形態では、高周波PWM搬送成分を抑制し、5次高調波を十分に低いレベルに抑制することができる。さらに、同期検出器の動作の実施例がこれ又
図6‐5及び
図6‐6に示されているように例示の入力信号(Uin=cosωt)に関して低域通過フィルタ93による濾波に先立って、それぞれの出力(SynchDetRe及びSynchDetIm)のところの例示の信号波形によって提供される。
図6及び
図7は、入力信号が位相ずれをした状態を示す例示の信号波形(例えば、Uin=cos(ωt+π/4))を提供し、同時に、
図6‐8及び
図6‐9に示されているようにかかる入力信号のための低域通過フィルタ93による濾波に先立ってそれぞれの出力(SynchDetRe及びSynchDetIm)のところでの例示の信号波形を示している。
図6〜
図10は、著しく損なわれているが、4次高調波よりも高い高調波を含んでいない例示の入力信号を提供すると共に同様に
図6‐11及び
図6‐12に示されているようにかかる入力信号のための低域通過フィルタ93による濾波に先立ってそれぞれの出力(SynchDetRe及びSynchDetIm)のところでの例示の信号波形を提供している。したがって、図示のように、同期検出器は、種々の実施形態に従って、かかる入力信号の基本振幅及び位相を正確に回復させることができ、かくして、位相の検出及び測定又は計算及び/又は位相の変化率に関して実数(Re)及び虚数(Im)出力電圧を正確に提供することができる。
【0072】
次に、
図7及び
図8を参照すると、制御装置44は、ノイズを除くと共に/或いは出力されているRFエネルギーを表す平滑な変調DC信号(例えば、電圧、電流、電力及び/又は位相)を外挿するRFスムーザ又は平滑モジュール又は平滑回路68を有する。RFスムーザの前後の例示のRFエネルギーが
図19及び
図20に示されている。一実施形態では、データサンプラ69は、測定が行われたときにアナログ・ディジタル変換器(ADC)位相、電圧、電流、及び電力チャネルから生の等間隔を置いたデータ値を収集し、次に、RFスムーザ68は、平滑化アルゴリズムを適用して生の値を濾波して結果としての平滑化された値にする。関心のある種々の点又はイベント、例えば位相最小及び零交叉点を求めるために別の分析が実施される。関心のあるこれらの点は、状態変化をトリガするためにイベントハンドラ67に送られる。発生器は、一実施形態では、状態を変化させる前に到達されるべき関心のある特定の点又はイベントを待つ。
【0073】
一実施形態では、RFスムーザ68は、RFスムーザによって提供される平滑化位相データ中の局所最小点を検出し、この関心のある点がイベントハンドラ67に送られ、このイベントハンドラは、スクリプト動作エンジン65に知らせる。一実施形態では、RFスムーザは、例えば、最大ADCカウントの約半分に等しいADC読みによって指示された零交叉を検出し、関心のあるこの点がイベントハンドラに送られ、イベントハンドラは、動作エンジン65に知らせる。入力指令、出力指令、割り込み及びイベント検出が問い合わせ/指令インターフェース66により提供される。
【0074】
種々の実施形態によれば、動作エンジン65により、発生器は、種々の動作計画に対応するよう構成可能であり、かかる動作計画としては、互いに異なる且つ多くの電気外科的器械、外科的処置及び好みが挙げられるが、これらには限定されない。動作エンジンは、外部源からデータを受け取って解釈し、それにより受け取ったデータに基づいて発生器の動作を具体的にコンフィグする。
【0075】
動作エンジンは、器具プラグ又はキー102上のメモリデバイスから読み取られる器具データベーススクリプトファイル101からコンフィグレーションデータを受け取る。スクリプトは、発生器によって用いられる状態論理を定める。発生器によって定められた状態及び発生器によって行われる測定に基づいて、スクリプトは、出力レベル並びにシャットオフ基準を定め又は設定することができる。スクリプトは、例えば一実施形態では、測定位相が70°を超える場合に短絡条件の指示又は例えば測定位相が−50°未満である場合には開路状態の指示を含むトリガイベント又は指標を含む。
【0076】
一実施形態では、動作エンジンは、システム状態及びユーザ状態を提供する。システム状態は、発生器の特定の既定の動作又は動作条件を制御し又は管理する既定の状態であり、例えば首尾良くRFエネルギーを加え又はエラーを指示する状態である。システム状態は、一実施形態では、システムが働いているのが良く(例えば、アイドル(働いていない)に対して作動されている)、そしてその機能が電気外科的発生器中にハードコードされている(変更されないようコード化されている)既定の組をなすコンフィグレーションである。例えば、RF 実施済み(Done)(状態は、RFエネルギーサイクルがエラーなく完了したことを指示するシステム状態である。ユーザ状態は、カスタマイズされ又は特殊化された動作及び値を特定の器械、手技及び/又は好みに関する外部源からの指令によって確立することができる手段としての枠組みを提供する。
【0077】
一実施形態では、スクリプトは、システム状態及びこれらの出口条件、例えば満了時期又は別の状態への指令及びユーザ状態が始まる場所を記載している。各ユーザ状態の場合、特定の状態に関する動作パラメータ、例えば電力、電圧、及び電流設置値を定めることができ又は先の状態からキャリーオーバーする。一実施形態では、ユーザ状態は、器械、オペレータ又は手技上の特定の状態を提供することができ、一実施形態では、ユーザ状態は、試験のため又は診断学的な特定の状態のために提供されるのが良い。
【0078】
例示の2つのユーザ状態プロセスが
図10に一例として示されている。プロセスは、システム状態アイドルで始まる(71)。スイッチが押されると(アサートされると)(78)、発生器は、ユーザ状態1に移行する(72)。出口条件に基づき、発生器は、次の状態、即ち、ユーザ状態2に移行し(73)、又はシステム状態のうちの1つ(例えば、RF_実施済み(74)又はエラー(75))に移行する。ユーザ状態2の後にユーザ状態が存在しない場合、プロセスは、システム状態アイドル以外のシステム状態に移行して戻り、それにより次に、発生器をシステム状態アイドルに移行して戻す。
【0079】
各状態に関する出口基準又は条件(79)は、発生器によって行われる測定に基づいてスクリプトに関する論理経路を定め、かくして、発生器は、ユーザ状態からユーザ状態に移行する。しかしながら、出口条件が予想された論理経路にマッチしていない場合、シール又は動作サイクルは、首尾良く完了しなかったものとみなされ、システム状態エラー(75)が達成される。出口条件が予想された論理経路にマッチしている場合又は動作サイクルの完了を指示している場合、動作サイクルは、首尾良く完了したものとみなされ、システム状態RF_実施済み(74)が達成される。一実施形態では、スイッチが溶融サイクルの完了前に解除された場合、システム状態Switch_解除(release)(76)が達成される。種々の実施形態によれば、追加のシステム状態は、他の一般的システムエラー又は予想論理経路からの予期しない逸脱、例えば溶融を完了するための最大時間又は最大時間を指示し又は動作サイクルを超えたことを指示するタイムアウト状態を取り扱うようあらかじめ規定されるのが良い。加うるに、2つのユーザ状態だけが示されているが、発生器は、拡張可能であり且つ特定の又は或る範囲の電気外科的器械、手技及び/又は好みのための拡張論理経路を提供するよう追加のユーザ状態を含むようコンフィグ可能である。
【0080】
スクリプトにより、電気外科的又は溶融プロセスに関する個々のパラメータ又は条件を設定することができる。例えば、RFエネルギー起動に先立つ電気外科的器械のための許容可能なインピーダンスレベル、最大電圧、最大電流及び最大電力設定値(一実施形態では、対応の各ユーザにより調節可能なレベル設定値(例えば、レベル1‐3)のため)、スイッチは、起動又は起動解除のためのドウェル時間並びに初期接続及び動作サイクルの完了に続くスタックボタンエラー時間をアサートしたりディアサートしたりする。
【0081】
一実施形態では、動作エンジンは、動作制御パラメータ及び出力特性を提供する少なくとも30の状態、5のシステム状態及び25のユーザ状態を提供する。これら特性は、発生器の出力範囲のフルスケール又は以下の任意のレベルであるのが良い電圧、電流及び電力出力範囲を定める。各状態は、一実施形態では、RF出力をイネーブルにし又はディスエーブルにし、RF出力調節レベルを加減すると共に例えば時間、電圧、電流、電力、若しくは位相(φ)又はこれら値の組み合わせに基づいて互いに異なるイベント又は制御指標を認識してこれらに作用し、そして別のユーザ状態、エラー条件、又は完了状態に移行するような動作条件を提供する能力を有する。動作エンジンがイベントハンドラ又はRFスムーザから受け取るデータは、一実施形態では、二重指数関数平滑化アルゴリズム又は指数関数移動平均アルゴリズムに従って平滑化されている。電圧、電流、電力及び位相平滑化パラメータを装置スクリプトにおいて個々に設定することができる。
【0082】
一実施形態では、1msごとに、データサンプラは、ADCチャネル測定値、例えば電圧、電流、電力及び位相角を読み取って記憶する。ADC測定値を処理した後、データサンプラは、RFスムーザを呼び出す。RFスムーザは、ADC測定値を平滑化し又は濾波し、次にイベントハンドラに知らせる。イベントハンドラ(例えば15msごとにチェックを行う)により特定のイベント又は指標が起こったことが判明すると、イベントハンドラは、動作エンジン65に知らせる。動作エンジンがイベントを処理した後、動作エンジンは、次のシリーズをなすイベント評価のためにイベントハンドラをセットアップする。
【0083】
イベントハンドラは、一実施形態では、器具スクリプトによって定められる1組のスクリプトイベントを評価するよう構成されている。スクリプトイベントは、論理式(ブール式)を記載したポストフィックス(逆ポーランド表記法(RPN))トークンのグループ分けである。動作エンジン65は、イベントハンドラに器具スクリプトデータベースに対応したポート及びスクリプト状態68を提供する。イベントハンドラは、この状態及びこの状態中の各イベントを評価し、この状態中の各イベントは、論理式によって記載される。イベントハンドラは、論理式の値を計算する。状態中の任意のイベント評価が真であることが判明した場合、イベントハンドラは、スクリプト動作エンジンに知らせ、特定の状態中のイベントに遭遇したことを指示すると共にスクリプトが実行を続けるべき器具スクリプトデータベース中の次の場所を提供する。イベントが見つからなかった場合、イベントハンドラは、スクリプト動作エンジンには知らせない。一実施形態では、イベントハンドラは、イベントが順次評価される所与のサンプル時間当たり最高10のイベントを評価するよう構成されている。
【0084】
イベントハンドラは、システムタイマ70からタイマ値及び接続状態の器具からスイッチイベント(押す、離す)72並びに診断ポート71からシミュレートされたスイッチイベントを得る。イベントハンドラは又、時間に基づいたイベント、例えばグローバルタイムアウト又は状態タイムアウト及び他の回復可能なエラー、例えば過剰電圧又は過剰電流条件があるかどうかをチェックする。一実施形態では、このチェックは、種々のADC値を読み取ってこれらを器具スクリプトによって設定された限度と比較することによって行われる。
【0085】
動作エンジンは、一実施形態では、器具スクリプトデータベースファイルを受け取ってこれをメモリ内の既定の器具スクリプトデータベース記憶場所にインストールする。スクリプト開発の際、スクリプトコンパイラは、スクリプトソースファイルを器具スクリプトデータベース中にコンパイルし、器具スクリプトデータベースは、とりわけ、RPN表記及び状態命令中に記憶されたイベントデータを含む。インストールに先立って、動作エンジンは、エラーがあるかどうかについて器具スクリプトデータベース、即ちコンパイルされたスクリプトをチェックする。一実施形態では、動作エンジンは、ブール値が戻されると共にトークンカウントがRPNデータの終わりに位置したときにスタック上にたった1つのRPNトークンが残っている「範囲外」の値があるかどうかについてRPNデータ中の各トークンをチェックする。
【0086】
次に
図9を参照すると、種々の実施形態によれば、器具が発生器のツールポート中にプラグ接続される。動作エンジンは、この器具を認証してそれにより器具メモリ及びスクリプトの健全性が損なわれていなかったことが指示される。器具が認証を通ると、動作エンジンは、スクリプトデータベースを確認し、それによりスクリプトデータベースが正しく構築されていたことが分かる。スクリプトデータベースが有効であると確認された場合、動作エンジンは、スクリプト実行を開始する。(IDLE状態の開始セクションが実行を開始するスクリプト表中の列番号として設定される)。
【0087】
動作を説明すると、動作エンジンは、スクリプトデータベースから指令を読み取る。動作エンジンがイベントを待たなければならない場合、動作エンジンは、どのイベントが識別されるかについてイベントハンドラに命令を出し、そして待機する。イベントがイベントハンドラによって識別されたとき、即ち、イベント評価が真である場合、イベントハンドラは、その旨を動作エンジンに知らせ、イベントハンドラは、動作エンジンがイベントハンドラに再び指令を出すまで、ツールポートについてそれ以上のイベント評価ができないようにされる。一実施形態では、イベントハンドラは、20msごとに少なくとも1回タイマから又はイベントを評価しているADCデータから割り込みがかけられる。動作エンジンは、イベントがトリガされたことがイベントハンドラによって動作エンジンに知らされたときに実行を再開する。
【0088】
溶融プロセスを(a)組織のサイズと種類の両方を留意していない固定され且つ絶対的な抵抗(例えば、2kオーム)で、(b)オーム抵抗が最小限である特定の多くの時間で、(c)オーム抵抗が最初のオーム抵抗と同一である特定の多くの時間で、又は(d)オーム抵抗が最小のオーム抵抗の或る特定の係数である特定の多くの時間で停止させることができる。しかしながら、溶融状態の動脈の破裂圧力及び熱的広がりを考慮すると、溶融プロセスの終了は、インピーダンス曲線の平べったい部分にあると決定される。しかしながら、
図12〜
図20で理解できるように、この領域は、インピーダンス測定の不正確な範囲でもある。同様に、連続して並んでいる(a)から(d)までの各々は、溶融時間のエンドポイントを定める上で良好になる(その結果、最も高い所望の破裂圧力が最も少ない所望の熱的広がりをもって行われる)。オーム抵抗を終了基準としてのみ利用することにより、不完全な結果が生じる場合がある。これは、サイズが異なる組織(同一性状のものであっても)溶融する場合に顕著である場合がある。
【0089】
一観点では、溶融プロセスのエンドポイントの決定は、溶融プロセス中に電圧及び電流の位相ずれをモニタすることによって与えられる。インピーダンスとは異なり、位相ずれは、組織の溶融が完了する時点では極めて顕著に変化し、それ故、インピーダンスよりも敏感な制御値をもたらす。しかしながら、種々の組織の場合、位相範囲の高い端に達すると、過度に長い溶融時間が生じる場合がある。したがって、以下に詳細に説明するように、電気外科的発生器を開始して位相ずれの測定又はモニタと関連してRFエネルギーを加えることは、電気外科的システムの種々の実施形態に従って血管及び組織を溶融するために行われる。
【0090】
したがって、組織のシール、溶融又は結合を生じさせる器械は、結合組織に対して無外傷性接触をもたらし、しかも組織内に十分な破裂圧力、引張強度、又は破壊強度をもたらす。
【0091】
一実施形態では、発生器は、当初、初期器械インピーダンス及び/又はキャパシタンスを定め(例えば、電気外科的発生器への器械コネクタのプラグイン中)、この場合、器械特性中の許容度/変化が組織測定及びエンドポイント決定プロセスにおいて考慮に入れられる。これは、特定の電気外科的器械のオーム値及び容量性値及び/又は許容度とは独立した組織測定値を考慮に入れるのが良い。
【0092】
種々の実施形態に従って組織を溶融させるための電気外科的発生器及び関連の電気外科的器械に関する例示のRFエネルギー制御プロセスが
図11A及び
図11Bに示されている。一実施形態では、発生器によって接続状態の電気外科的器械又はツールを通ってRFエネルギーを供給する(101)。発生器は、少なくとも、供給されたRFエネルギーの位相及び/又は位相の変化をモニタする(102)。位相零交叉又は正から負への又は負から正への極性変化に直面した場合(103)、位相停止を決定する(104)。位相停止は、一実施形態では、決定された組織性質、例えばサイズ、誘電率、導電性及び/又は印加電圧、電流及び/又は電力に基づいて既定の位相角及び/又は位相角の変化を含む。発生器は、少なくとも、供給RFエネルギーの位相及び/又は位相変化をモニタし続ける(106)。位相停止(105)に達し又はこれを超えたとき、プロセスを終え、又は終了手順を開始させると共に/或いは発生器によって供給されるRFエネルギーを停止させる(107)。
【0093】
一実施形態では、プロセスの開始に先立って、インピーダンスを測定して接続状態の電気外科的器械に送り出される低電圧測定信号により短絡又は開路条件を求める。一実施形態では、受動的インピーダンス測定を用いて把持した組織が電気外科的器械の動作範囲(例えば、2〜200Ω)内にあるかどうかを判定する。初期インピーダンスチェックを通過した場合、RFエネルギーを電気外科的器械に供給する。一実施形態では、RFエネルギーの電圧をグローバル設定値の25%から多くとも80%までで始まるランピング方式で、又は一実施形態では、ユーザによって選択されたレベル(例えば、レベル1については27.5〜88V、レベル2については25.0〜80V、及びレベル3については22.5〜72V)で印加する(111)。
【0094】
印加RFエネルギーの電圧及び位相を連続的に測定する(112)。位相測定値がゼロ又は正から負への移行値に等しい場合(113)、その時点の電圧をその電圧で又は所定の電圧で一定に保つ。一実施形態では、零交叉又は極性交叉を用いて組織のサイズを求めて溶融サイクルを完了させるために適当な経路を選択する。一実施形態では、零交叉のところでのランプの電圧レベルを用いて組織のサイズを求め、次に適当な経路を求める。注目されたこととして、位相零交叉に達するのに要する時間をその時点での組織から取り出されている水又は湿気の量及び組織サイズに関連させるのが良く又はこれらと相関するようにするのが良い。
【0095】
種々の実施形態によれば、電圧レベルが位相零交叉での選択されたレベルの50%未満である場合、(例えば、レベル1:電圧<55V、レベル2:電圧<50V、レベル3:電圧<45V)、組織サイズをこれが小さいと判定する(114)。電圧レベルが零交叉での選択されたレベルの60%未満且つ50%超である場合、(例えば、レベル1:55V<電圧<66V、レベル2:50V<電圧60V、レベル3:45<電圧<54V)、組織サイズをこれが中程度であると判定する(115)。電圧レベルが零交叉での選択されたレベルの60%以上である場合、(例えば、レベル1:電圧≧66V、レベル2:電圧≧60V、レベル3:電圧≧54V)、組織サイズをこれが大きいと判定する(116)。組織サイズの判定が中ぐらいであり又は大きいことに基づき、加えられたRFエネルギーの電圧を零交叉でそのレベルに一定に保持する。種々の実施形態によれば、組織サイズの判定が小さいことに基づき、加えられたRFエネルギーの電圧を既定の電圧に設定し、一実施形態では、22Vに設定する。既定の電圧は、一実施形態では、組織サイズ判定が中ぐらいであり又は大きいことに基づき、その電圧レベル未満である。
【0096】
モニタされた位相及び/又は位相の変化が選択された所定の位相及び/又は位相変化以下である場合、電気外科的エネルギーを停止させる(121)。一実施形態では、計算された位相が設定された時間内、例えば3秒、3.25秒又は4秒内でこの位相停止に達しなかった場合、電気外科的エネルギーを停止させる。一実施形態では、組織サイズが小さいと判定された場合、位相停止及び/又は位相停止変化を位相<−7.0°及び/又は位相変化<−2.3°/sに設定する(117)。組織サイズが小さいと判定された状態で組織を首尾良く溶融させるRFエネルギーの例示のグラフ図が
図12に示されている。また、図示のように、位相12bが他の組織の読み又は指標、例えば電流12a、電力12c、インピーダンス12d、温度12e、エネルギー12f及び電圧12gに対して示されている。組織サイズが中程度であると判定された場合、位相停止及び/又は位相停止の変化を位相<−23.0°及び/又は位相変化<−7.1°/sに設定する(118)。組織サイズが小さいと判定された場合、組織を首尾良く溶融させるRFエネルギーの例示のグラフ図が
図13に示されている。また、図示のように、位相13bが他の組織の読み又は指標、例えば電流13a、電力13c、インピーダンス13d、温度13e、エネルギー13f及び電圧13gに対して示されている。組織サイズが大きいと判定された場合、位相停止及び/又は位相停止の変化を位相<−32.0°及び/又は位相変化<−8.0°/sに設定する(119)。組織サイズが小さいと判定された場合、組織を首尾良く溶融させるRFエネルギーの例示のグラフ図が
図14に示されている。また、図示のように、位相14bが他の組織の読み又は指標、例えば電流14a、電力14c、インピーダンス14d、温度14e、エネルギー14f及び電圧14gに対して示されている。加うるに、
図12〜
図14に示されているが、種々の実施形態では、発生器は、指標又は読みのうちの1つ又は2つ以上、例えば温度又はエネルギーを測定することがなく又は計算することがないよう構成されており、それにより発生器の動作及び電力部品、コスト及び消費量が減少する。追加の情報又は読みは、一般に、前後関係の説明のために提供され又は示されている。
【0097】
種々の実施形態によれば、RFエネルギーが印加されている間、及び一実施形態では、位相及び/又は位相停止変化又はエンドポイントに達して溶融について誤った指標(開路又は短絡によって引き起こされる)に達したかどうかを評価し又は判定した後、位相を開路及び短絡イベントについて電流と関連してモニタし、他方、エネルギーをモニタする。
【0098】
種々の実施形態によれば、発生器は、RFエネルギー、電圧、電流、電力及び/又は位相の出力に関連付けられた種々のパラメータ又は関数の追加の調節を提供するよう構成されており、動作エンジンは、種々のパラメータ又は関数を利用してRFエネルギーの出力を調節するよう構成されている。例示の一実施形態では、制御回路は、位相の直接的調整のための追加の調整制御を提供し、かかる制御では、電圧、電流及び/又は電力出力を調節して動作エンジンによって提供される指定された位相調整設定値を満たす。
【0099】
種々の実施形態によれば、発生器は、電圧、電力、電流及び/又は位相の測定された値、例えば制御指標を利用して動作条件を認識すると共にこれに作用し又は実行する。種々の実施形態では、RF出力調整回路に関連付けられた測定値に基づく追加の測定又は計算がスクリプト又は動作エンジンによって行われ、それにより他の測定又はしきい値に関連付けられた追加の測定又は計算に関連付けられ又はトリガされる追加の又は異なるイベントを認識すると共にこれに作用する。追加の測定は、一実施形態では、電圧、電流及び/又は電力又は他の類似の調節パラメータの出力を調節するために用いられるパルス幅変調(PWM)デューティサイクルと組み合わさったエラー信号を含む。種々の実施形態では識別されると共にトリガされる互いに異なる又は追加のイベント又は指標は、一調節制御から別の調節制御への(例えば、電流調節から電力調節への)移行であるのが良い。
【0100】
種々の実施形態によれば、発生器は、電圧、電流、電力及び/又は位相の変化率を直接測定するための計算を提供し又は行う。例えば、
図15は、RFエネルギー15bの位相変化と関連したRFエネルギーの位相15aの例示のグラフ表示である。発生器は、これらの計算又は直接測定に基づく一実施形態では、溶融サイクル中における組織のRF出力及び電気特性に関連付けられた互いに異なるイベントを認識すると共にこれに作用することができる。
【0101】
種々の実施形態によれば、所定の完了指標を動作エンジンによって変化させ又は変更することができる。一実施形態では、所与の溶融サイクル中、音(又は他の指標)が7psi(3×収縮期圧)シール161と等価であることが決定されている位相しきい値で鳴り、次に、RFエネルギーは、高い破裂圧力(例えば、20psi)163と等価であることが決定された位相しきい値まで血管に引き続き加えられ、この位相しきい値の時点では、RFエネルギーを自動的に停止させる。シール圧力決定を利用して組織を溶融させるRFエネルギーの例示のグラフ図が
図16に示されている。また、図示のように、位相16gが他の組織の読み又は指標、例えば電圧16a、電力16b、インピーダンス16c、エネルギー16d、温度16e及び電流16fに対して示されている。種々の実施形態によれば、位相角が所定の完了指標として用いられることに代えて又はこれに加えて、或いは他のしきい値に関し、時間、電圧、電流、及び電力並びにこれらの条件的組み合わせを使用することができる。
【0102】
一実施形態では、ユーザは、初めの音と終わりの音との間の任意の時点で起動ボタンを放すことができる。これにより、外科医に組織に加えられているRFエネルギーの量に関して或る程度の制御が与えられる。例えば、薄い非血管組織の場合、外科医は、次の音を待つのではなく最初の音の近くでボタンを放すことができる。同様に、大きな組織の場合、外科医は、最初の音よりも極めて後で又は次のサイクルトーン又はサイクルトーンの終わりの近くでボタンを放すことができ、それによりRFエネルギーを長く印加し続けることができる。
【0103】
一実施形態では、位相角設定値は、ユーザにより接近可能であり且つ調節可能である。位相レベル設定値パラメータを追加することによって、位相トリガしきい値を位相しきい値のパーセンテージ又は倍数(正又は負)に結合することができる。したがって、ユーザは、溶融サイクル時間を調節することができ、例えば、溶融サイクルを短くし又は長くすることができる(例えば、レベル1(171)、レベル2(172)及びレベル3(173))。
【0104】
ユーザによって調整された位相レベル171,172,173を利用した組織を溶融させるRFエネルギーの例示のグラフ図が
図17Aに示されている。また、図示のように、位相17gが他の組織の読み又は指標、例えば電圧17a、電力17b、インピーダンス17c、エネルギー17d、温度17e及び電流17fに対して示されている。
【0105】
別のエンドポイント又は別のRF出力送り出し経路を提供する追加のやり方は、出力レベル設定値に基づいて追加の又は別のスクリプト論理経路を提供することである。これは又、溶融サイクル時間を調節することができ、例えばユーザにより調節可能であるシールサイクルを短くし又は長くすることができる(例えば、レベル1(175)、レベル2(176)、レベル3(177))。追加の又はユーザによりレベル調整されたスクリプト論理経路175,176,177を利用して組織を溶融させるRFエネルギーの例示のグラフ図が
図17Bに示されている。また、図示のように、位相17g1が他の組織の読み又は指標、例えば電圧17a1、電力17b1、インピーダンス17c1、エネルギー17d1、温度17e1及び電流17f1に対して示されている。加うるに、
図16〜
図17Bに示されているが、種々の実施形態では、発生器は、指標又は読みのうちの1つ又は2つ以上、例えば温度又はエネルギーを測定することがなく又は計算することがないよう構成されており、それにより発生器の動作及び電力部品、コスト及び消費量が減少する。追加の情報又は読みは、一般に、前後関係の目的で提供され又は示されている。
【0106】
種々の実施形態で提供されるように、動作エンジンは、発生器が2つ又は3つ以上の状態18e相互間で動作することができる能力を提供する。状態移行を時間、電圧、電流、電力又は位相18a,18b,18dによってトリガすることができ、かかる状態移行も又、出口状態18cに用いることができる。一実施形態では、どれほど多くの状態をサイクル動作させたかの実行状態カウントを維持することは、特定の状態を出るための追加のトリガとなりうる。別の溶融サイクルも又、RF出力レベル及び電気外科的器械幾何学的形状に応じて例えば組織の切断を含む場合のある追加の状態又は状態カウントを用いて定めることができる。スクリプト状態を利用して組織を溶融させるRFエネルギーの例示のグラフ図が
図18に示されている。
【0107】
種々の実施形態によれば、RF増幅器は、100VDC信号を電源から350kHzの周波数を持つ高電力正弦波形に変換するよう構成されており、この正弦波形は、ABDIに送られ、最終的には接続状態の電気外科的ツールに送られる。この信号の振幅は、一実施形態では、制御装置からの複数の入力信号のデューティサイクルによって定められる。
【0108】
RF増幅器は、一実施形態では、制御装置からのPWM信号が同時に両方ONであるようにするのを阻止するためにPWM信号相互間に不動作時間が存在するようにするための回路を備えている。RF増幅器の1:2変成器がHブリッジ及び二段低域通過フィルタを駆動するPWM信号相互間に隔離を提供する。フィルタの出力は、連続350kHz正弦波形である。RF増幅器は、350kHz信号をフィルタ回路の出力からABDIの器具ポートに差し向けるよう制御装置によって設定された複数のリレーを含む。
【0109】
RF増幅器は、種々の実施形態によれば、複数の分流抵抗器、例えば器具ポートの各々について2つの分流抵抗器を有する。電圧及び電流は、抵抗器両端間で測定され、一実施形態では、2つの独立したRFセンスに提供される。RF増幅器のリレーは、組織測定信号を制御装置から器具ポートに差し向けるよう制御装置FPGAによって設定される。加うるに、変成器が組織測定信号を器具ポートから隔離するために設けられている。電源制御信号がRF増幅器を通って制御装置に至り、一実施形態では、RF増幅器は、供給された電流が特定のしきい値を超えているかどうかを判定するための過電流検出回路及び/又は供給された電圧が特定のしきい値を超えているかどうかを判定するための電圧モニタ回路を有する。PWM信号、RFエネルギーシャットダウン信号、RFセンス制御信号及びリレー制御信号が制御装置からRF増幅器に送られる。RFセンスアナログ信号、種々のRFセンス故障信号、電源制御信号、受動的測定信号及び待機電力信号がRF増幅器から制御装置に送られる。
【0110】
一実施形態では、RF増幅器は、制御装置から少なくとも2つの180°位相ずれした350kHzPWM信号を受け取るゲート駆動回路を受け取って非オーバーラップ状態のPWM信号を生じさせるゲート駆動回路を有し、かかる非オーバーラップPWM信号は、出力RF信号又はエネルギーを発生させるよう電力段階中に設けられたゲートドライバに送り込まれる。非オーバーラップ状態の信号は、電力段階中のコンポーネントへの損傷を阻止する。信号が電力段階に入る前に、これら信号は、ノイズのある電力アースをノイズのない信号アースから分離するよう隔離されている。電力段階のところのPWM信号は、ゲートドライバ中に送り込まれ、ゲートドライバは、低電力PWM信号を受け取って高電流駆動入力信号をMOSFETに送る。
【0111】
制御装置は、このRF出力に応じた或る特定のパルス幅を有する2つのPWM信号を出す。Hブリッジトポロジーは、回路内のMOSFETを駆動するために少なくとも4つのゲート駆動信号を利用する。これら4つの信号は、2つのPWM信号に関して反転対応信号を発生させることによって得られる。加うるに、RF増幅器は、1対の信号(即ち、第1のPWM信号及び反転/第2のPWM信号)が同時にHIGHであるのを阻止する。両方の信号HIGHを同時に提供することにより、潜在的に、シュートスルー条件が生じる場合があり、このシュートスルー条件は、潜在的に、発生器のコンポーネントを損傷する場合がある。
【0112】
2つのRC回路は、RF増幅器の一実施形態では、両方の信号がオフであるデッドタイムが存在するようにする。同様に、これら信号のうちの他方の対も又、デッドタイムを保証するために2つのRC回路を有する。RC回路は、伝搬遅延を考慮に入れて短い時間定数を有する。
【0113】
一実施形態では、ゲートドライバへのPWMA及びPWMB(即ち、第1のPWM信号及び反転PWM信号)の伝搬を停止させることができる信号が別個独立に提供される。例えば、一方のかかる信号は、制御装置FPGAによって生じ、他方の信号は、マイクロコントローラによって生じる。PWM信号は、アイソレータを通って伝搬し続け、アイソレータは、ノイズのあるアースをノイズのないアースから分離し、この場合、高電力スイッチング回路を参照する。これら信号は、低電力PWM信号を変換するゲートドライバを制御し、そしてMOSFETを飽和状態にするのに十分に大きな電流を持つ信号を生じさせる。ゲートドライバの出力のところに設けられた抵抗器及びダイオード回路は、所望の立ち上がり及び立ち下がり時間を達成するよう調整される。
【0114】
PWM DAC SPIラインにより、制御装置FPGAは、PWM DACと通信することができる。PWM DACは、4.452ボルト出力を生じさせるようSPIインターフェースを備えたDACを用いる。この出力は、演算増幅器バッファを通過し、次に700kHz、50%デューティサイクルで切り換えられて700kHz方形波を生じさせる。したがって、PWM DACは、DCレベルを当初、例えばパワーアップ時にDCレベルを設定し、このDCレベルは、700kHzで切り換えられて方形波出力を生じさせる。次に、この信号は、積分器段階に送られ、その結果として、出力のところに700kHz三角波が生じる。特に、積分器回路は、入力電圧に比例する勾配を生じさせる。増幅器は他方の半分である。これは、方形波を三角波に変化させる。出力は、エラー出力に比例するデューティサイクルを有する700kHz波である。この信号は、FPGA結合PWM入力になり、FPGAは、これらのパルスを交互に配置して第1及び第2のPWM出力を生じさせ、これらPWM出力は、FETをRF変成器の入力側で動作させる。
【0115】
具体的に説明すると、結果としての三角波とRF制御ループからのエラー信号を結合することによって、結果として得られた信号は、RF増幅器を駆動するために用いられるパルス幅変調信号となる。RF増幅器が全Hブリッジ出力段階を有しているので、各々他方と180°位相ずれした2つの駆動信号が用いられる。制御装置FPGA内のPWM信号制御装置は、結合PWM信号を取り入れてこれを2つの信号に分割する。350kHz出力サイクルの最初の半分の間、FPGAは、結合PWM信号を第1のPWM出力に送り、第2のPWM出力は、0Vに保持される。第2の半分の間、FPGAは、結合PWM信号を第2のPWM出力に送り、第1のPWM出力は、0Vに保持される。
【0116】
一実施形態では、RF増幅器を駆動する第1及び第2のPWM出力は、マイクロコントローラがRFエネルギーをONにするのを要求し、例えばRF増幅器出力をイネーブルにした場合にのみイネーブルにされる。RFエネルギーがアクティブであり又は供給されている間に故障が検出された場合、PWM信号を即座にディスエーブルにし、マイクロコントローラに警告するのが良い。
【0117】
マイクロコントローラは、所望の電圧、電流及び電力レベルを制御装置FPGAに送ることによってRF増幅器出力レベルを制御することができる。これらレベル又は設定値は、アナログRF制御ループ回路によって用いられ、このアナログRF制御ループ回路は、設定値に合うよう増幅器の出力電力を調節する。
【0118】
電力段階回路は、ゲート駆動回路で生じたPWM信号を受け取って連続正弦信号を生じさせるよう構成され、この連続正弦信号は、リレー回路に伝えられる。PWM信号は、Hブリッジ構成中のMOSFETを駆動する。Hブリッジの出力は、デカップリングキャパシタ及びフューズを経て1:2変成器に接続されている。変成器は、+100V電源を患者へのエネルギー出力から隔離する。この回路は、第1の状態が第2の状態に連続して続いて0Vオフセットを備えた矩形パルス列を生じさせるよう動作する。第1の状態が起こると、電流が変成器を通ってこれから出る。これにより、結果として得られる波形の正の部分が生じる。第2の状態が起こると、電流は、変成器を逆方向に通過する。これにより、結果として得られる波形の負の部分が生じる。PWMA及びPWMBが同時にHIGHかLOWかのいずれかであるとき、結果として得られる波形は、0Vになる。変成器の後、この信号は、二段LCフィルタに送られて連続正弦波形を生じさせる。
【0119】
二段LCフィルタは、350kHzで0dBゲインを生じさせるよう設計された低域通過フィルタである。負荷抵抗は、シールされている組織の抵抗である。直列キャパシタが一実施形態では神経筋刺激の可能性を最小限に抑えるよう配置されている。
【0120】
種々の実施形態では、制御装置は、一般にRFエネルギー構成及び起動並びにユーザインターフェースを監視する役割を担っているマイクロコントローラを含む。制御装置は、一般にアナログデータへのアクセスを検査して制御回路を管理することによってマイクロコントローラを支援する役割を担うフィールド書き換え可能ゲートアレイ(FPGA)を更に有する。制御装置は、一実施形態では、健康モニタのために複数の複合プログラマブル論理デバイス(CPLD)を更に有する。
【0121】
マイクロコントローラは、一実施形態では、ユーザインターフェースを提供すると共に故障条件/警報を指示するFPIへのインターフェース、故障条件が検出されたことを指示する割り込み入力及び前側パネルスイッチが状態を変化させたことを指示する割り込み入力を有する。制御装置FPGAは、アナログ及び制御データへの並列アクセス、前側パネルスイッチへのアクセス、これらの状態の変化を指示する出力、及び器具1及び2入力及び出力へのアクセスを有する。一実施形態では、制御装置FPGAは、FPGAをプログラムするためのアクティブなシリアル構成インターフェースを有し、一実施形態では、制御装置CPLD及びRFセンスFPGAへの読み取り及び書き込みアクセスを可能にするシステムSPI通信バスのためのマスタである。
【0122】
制御装置FPGAは、フィードバック電圧、電流、電力及び位相を測定し、電圧及び電流設定値並びにエラーを読み取るADC回路へのインターフェースとなる。電圧、電流、電力及び位相フィードバック電圧は、互いに異なる電圧基準によって電力供給される2つの群をなすADCによって万全を期して測定される。制御装置FPGAは、DAC回路を制御し、DAC回路は、電圧、電流及び電力に関するアナログ設定値を生じさせる。
【0123】
制御装置FPGAは、クロック、SPI DACインターフェース、三角波発生器のための700kHzスイッチ信号及びRF増幅器のドライバ回路への350kHz±350kHz出力を生じさせる700kHzPWM回路のための入力を提供する。制御装置FPGAは又、器具が接続された時点を検出する。種々の実施形態では、制御装置FPGAは、どの器具がアクティブであるかを指示する出力及び90°位相ずれ(正弦及び余弦)したPWM合成信号を検出してこれらをRFセンスに提供する。制御装置FPGAは、種々の実施形態では、故障状態が起こったことを指示するマイクロコントローラへの出力を有すると共に出力/組織測定リレーを制御するための出力を有する。
【0124】
制御装置は、一実施形態では、設定値としてDAC出力を用いると共にフィードバックとして最大電圧、電流及び電力RFセンス出力を用いてRFエネルギー出力の閉ループ制御を可能にするアナログ制御回路を有する。出力は、FPGAの結合PWM入力であろう。
【0125】
制御装置は、一実施形態では、一般にエラー条件を検出すると共にエラー条件が起こったときに出力をシャットオフする役割を担う冗長複合書き換え可能論理デバイス(CPLD)回路を有する。各CPLD回路は、RF出力をディスエーブルにする独立回路(ゲート電力制御回路)を動作させる出力を有するよう構成されている。加うるに、各CPLD回路は、RFセンスからのRFセンス1及びRFセンス2電圧、電流、電力、及び位相出力のディジタル表示(ADC)を有するよう構成されている。これら信号のうちのどれかが最小又は最大限度を超えた場合、CPLD回路は、RF出力をディスエーブルにすることになる。
【0126】
一実施形態では、制御装置CPLDは、制御装置が独立してゲートドライバへの供給電圧をターンオフし、最終的にRFエネルギーの供給をターンオフすることができるようにする負荷スイッチを制御する。
【0127】
制御装置は、故障/エラー条件を検出するために複数のCPLDを有する。CPLDは、冗長的に又は万全を期すために同一の信号をモニタする。RFセンスから来たアナログ入力は、フィルタ段階を通過した後、多重化状態になり、出力がADCに送られる。ここから、出力は、ディジタルアイソレータに至り、ディジタルアイソレータは、電圧レベルシフタとして用いられる。ディジタルアイソレータの出力は、CPLDの双方向I/Oに直接入る。
【0128】
CPLDは、複数のRFセンス回路、例えばRFセンス1及びRFセンス2から得られたRFセンス1とRFセンス2のアナログ電圧又は値(電圧、電流、電力、及び位相)相互間の差を検出する。RFセンス1とRFセンス2との差の大きさが最大エラー値よりも大きい場合、CPLDは、局部故障を生じさせる。この故障の例は、RFセンス1又はRFセンス2のための電圧フィードバック信号か電流フィードバック信号かのいずれかが所定限度を超えている場合、同期信号相互間の位相関係がRFセンス1又はRFセンス2にとって有効ではない場合である。
【0129】
制御装置は、一実施形態では、接続状態の電気外科的ツールと接触状態にある組織の絶対インピーダンス及び位相をコンピュータ処理するよう構成された受動式測定回路を有する。受動式測定回路は、一実施形態では、較正抵抗器回路を含み、この受動式測定回路は、患者から隔離された変成器である。
【0130】
制御装置は、複数の分岐回路を含む受動式測定回路、インピーダンス解析器、電圧基準、低域通過フィルタ、及び測定増幅器を有する。この回路は、変成器によって患者から電気的に絶縁されており、この回路は、較正のために値が既知の抵抗器に接続されるのが良い。
【0131】
インピーダンス変換器及びネットワーク解析器は、100kHzに設定されたAC出力を有し、この出力は、フィルタ回路を通過し、このフィルタ回路は、100kHz信号から高調波を除くと共に低インピーダンス負荷を駆動することができる電流源となる。受動式測定増幅器は、フィードバックとして組織のインピーダンスを用いて出力が組織のインピーダンスに比例するようにする。
【0132】
図9を参照すると、電気外科的器具又は器械20が接続されると、発生器10は、電気外科的器具又は器械20からスクリプト情報を受け取る。発生器は、このスクリプト情報を用いて状態の数及び状態の実行順序を定める。
【0133】
器具スクリプト作成者100によって書かれ、器械又は発生器10上には存在していないスクリプト源ファイル又はスクリプト情報は、テキスト又はユーザ可読性である。スクリプト情報は、スクリプトコンパイラ105を用いてコンパイルされて器具スクリプトデータベース又はバイナリファイル(SDB)101を生じさせる。バイナリファイルは、器具キープログラマ107によってメモリモジュールに移され、メモリモジュールは、器具キー102により電気外科的器械20に接続可能であり又はこれに組み込み可能である。電気外科的器械が電気外科的発生器に接続されると、発生器は、スクリプトバイナリファイル及び/又は器械を認証する(108)。発生器は、スクリプトバイナリファイルを検証し(109)、検証された場合、動作エンジンは、接続状態の器械による作動によって開始されるスクリプトを利用する(110)。スクリプト源ファイルは、一実施形態では、特定の電気外科的器械、発生器及び/又は外科的処置に特有の器具スクリプトを含むテキストファイルである。器具のためのスクリプト源ファイルは、一実施形態では、電気外科的発生器及び/又は電気外科的器械に関するパラメータ及びスクリプト(状態、機能、イベント)の入った情報を含む。上首尾の検証後、スクリプトコンパイラは、データをアセンブリしてバイナリ形式にし、このバイナリ形式は、電気外科的発生器によって用いられる状態機械を構成する。
図9に示されているようなスクリプトコンパイラは、一実施形態では、電気外科的発生器とは別個であり、このスクリプトコンパイラは、スクリプト源ファイルからテキストで読み取ると共にその内容を検証する役割を担っている。
【0134】
メモリモジュールが発生器中に挿入されると、発生器は、モジュール内に設けられている強磁性読み取り書き込み記憶装置(FRAM(登録商標))又はマイクロコントローラに記憶されているバイナリファイルをダウンロードする。バイナリは、上述の治療アルゴリズムを実行する論理を含む。発生器は、バイナリを処理して接続状態の器械を認証し、そして治療アルゴリズムを実施するためにバイナリを実行する役割を担うファームウェア/ソフトウェアを含む。このように、発生器は、認証済みの適合性のあるハンドツールでのみ動作するよう構成されている。
【0135】
一実施形態では、器械スクリプト又はスクリプトデータベースは、特定の又は所与の器械に関する器械プロセスを表している。器械スクリプトは、器械、制御装置又はこれらの組み合わせに接続され又はこれと一体になっているメモリ上に記憶されている。イベントハンドラは、特定のイベント、例えばスイッチ起動/起動解除、器械位置又は測定しきい値超過に応動する。所与のイベントの場合に該当する場合に検出されたイベントに基づく動作エンジンは、接続状態の器械に出力をもたらす。一実施形態では、イベントは、スイッチがアサートされ又はディアサートされているときに別個の変化である。
【0136】
スクリプト状態は、ブロック又は1組のスクリプト関数又は動作条件及びスクリプトイベント又は指標である。スクリプト関数は、発生器及び/又は器械を制御するための構成可能な命令である。スクリプトオペレータは、スクリプトイベント評価中に実施される論理的且つ比較動作である。スクリプトパラメータは、スクリプトの全ての状態及びイベントによって用いられるコンフィグレーションデータであり、一実施形態では、スクリプトファイルのこれら自体の専用区分内で宣言されている。スクリプトイベントは、電気外科的発生器測定における別個の変化である。スクリプトイベントが起こると、例えば、シーケンスをなすスクリプト関数が実行される。
【0137】
一実施形態では、制御装置は、特定の入力レセプタクルのための特定の又は所定の固定器械スクリプトを有する。したがって、特定の入力レセプタクルに接続された器械について用いられるのがこの器械スクリプトだけである。イベントハンドラは、器械イベント又は指標、例えばスイッチ起動/起動解除イベント又は測定イベント(例えば、位相しきい値超過)を受け取ってこれらを識別する。動作エンジンは、RF増幅器に対する要求又は動作を作ってRF出力、出力選択及び/又は幾つかの出力の選択を制御する。検出された他のイベント又は指標は、ハンド及びフットスイッチ、ジョースイッチ、位相オーバー及び位相アンダー‐アフター‐オーバー(under-after-over)イベント、短絡及び開路、器械スクリプト状態の検出を含む。スクリプト中のキーワードは、動作エンジンがイベントハンドラによって識別された検出イベントに基づいて器械動作のための動作指令及びデータを引き出すのを助ける。
【0138】
スクリプトは、一実施形態では、電圧及び電流出力設定値並びに電圧及び電流設定値のシーケンスを制御する。一般に、細い血管は、極めて迅速に溶融し、他方、太い血管は、数秒かかる場合がある。多量の電流を小さな血管に流すことにより、過剰の組織損傷が生じる場合があり、他方、少量の電流を用いると、溶融機能を実行するのに許容限度を超えるほどの長い時間がかかる。機器性能を改変する一実施形態では、スクリプトは、当初、少量のRF電流を指令するのが良く、そして例えば1秒未満で溶融エンドポイントに達しない場合、大きな電流を指令して太い血管の溶融を早める。器械性能を改変するための別のスクリプト使用法は、一実施形態では、一動作(溶融)から別の動作(切断)に切り換え、例えばマルチステッププロセス、例えば溶融及び切断を単純化する器械電極及びESG出力を再構成することである。臨床医がプロセスを始めると、スクリプトは最初に、溶融のためにユニットをセットアップし、溶融エンドポイントを指示する組織位相角を測定する。RF電力を送り出し、ついには、溶融エンドポイントに達するようにする。次にユニットは、RF電力をターンオフし、溶融が完了したことを指示する。ユニットは、次に、電極を切断構成に切り換え、切断のためのRF出力を設定し、そしてRF出力を再び開始する。切断作業は、切断が完了したときに臨床医によって止められる。
【0139】
一実施形態では、器械に結合されたスイッチの起動時、制御装置は、スイッチの閉成を検出し、器械又は器具を認証し、器械の満了状態をチェックすると共に/或いはレセプタクルの器械を表す内部データ構造を初期化する。器械スイッチの次の起動により、スクリプトが発生器に指図してRFエネルギーを供給するようにするイベントが開始される。制御装置は、器械と発生器の両方に対する使用法をログ記録する。器械が発生器のレセプタクルから切り離されると、制御装置は、レセプタクルと関連した情報をリセットする。制御装置は、一実施形態では、適正な動作を可能にするよう発生器を常時モニタしている。回復不能なエラー及び故障が知らされ、システムのそれ以上の動作が阻止される。全ての故障は、制御装置のメモリ及び/又は器械のメモリ内に記憶される。
【0140】
特定の手順(例えば、パワーアップからパワーダウンまで)からのデータは、各器械上に記憶される。器械は、更に、手技からのデータ、即ち器械使用の回数、電力設定値及び故障を保持する。各器械は、一実施形態では、他の全ての器械からの情報をも保持する。器械メモリは、以下のパラメータのうちの幾つか又は全てを含み、かかるパラメータとしては、発生器のシリアル番号、タイムスタンプ、各器械使用のための組織アサートメント及びエンドポイント設定値、切断、溶融、電力設定値、RFの持続時間及びエンドポイント(オートストップ、故障、手動停止等)が挙げられるが、これらには限定されない。
【0141】
種々の実施形態によれば、スクリプトエンジンは、スクリプトデータベース駆動状態機械を介してRF起動を制御する。器具が診断ポート内に又は診断ポートを経てプラグ接続されたとき、スクリプトデータベースをツールポート経由でスクリプトエンジン中に読み込むことができる。スクリプトエンジンは、スクリプトイベントハンドラによって認識されるべきイベントを待ち、次に受け取られると共に認識されたイベントと関連した機能を実行する。一実施形態では、当初、状態のセットアップ又は状態のイベントアクションを構成する機能のシーケンスを実行した後、スクリプトエンジンは、イベントハンドラに命令を出してイベントについてチェックし、次にイベントが起きたイベントハンドラからの通知を待つ。したがって、イベントハンドラは、スクリプトエンジンを現在の状態から新たな状態に移行させる任意のイベント又はイベントの組み合わせがあるかどうかをチェックする。
【0142】
スクリプトエンジンは、種々の実施形態によれば、実行スクリプトが発生器を損傷することができないようにするために実行時チェックを行う。一実施形態では、スクリプトデータベースは、スクリプトファイルのトークン化コード化を含むバイナリデータブロックである。スクリプトデータベースは、外部仕事によってFRAM(登録商標)又はSRAMメモリ(ツールポートの各々についての領域)の2つの区分のうちの1つ中にロードされる。スクリプトバイナリデータベースは、電気外科的発生器及び/又は電気外科的器械の動作を制御するようスクリプトコンパイラによってスクリプトファイルから生じると共に動作エンジンによって実行されるバイナリファイルである。
【0143】
上述すると共に本願全体を通じて説明するように、電気外科的発生器は、究極的には、RFエネルギーを接続状態の電気外科的器械に供給する。電気外科的発生器は、供給されたRFエネルギーが指定されたパラメータを超えることがないようにし、故障又はエラー条件を検出する。しかしながら、種々の実施形態では、電気外科的器械は、RFエネルギーを外科的処置のために適切に加えるために用いられる指令又は論理を提供する。電気外科的器械は、電気外科的発生器と関連して器械の動作を定める指令及びパラメータを有するメモリを含む。例えば、単純な場合、発生器は、RFエネルギーを供給することができるが、接続状態の器械は、エネルギーをどれほど加えるかを定める。しかしながら発生器は、RFエネルギーの供給が例え接続状態の器械によって定められている場合であっても設定されたしきい値を超えることができないようにし、それにより故障器械指令に対してチェック又は保証を提供する。
【0144】
概略的に上述すると共に以下に詳細に説明するように、種々の手持ち型電気外科的器械又は各種器械を本明細書において説明する電気外科的システムに用いることができる。例えば、電気外科的把持器、はさみ、ピンセット、プローブ、針、及び本明細書において説明する観点のうちの1つ、幾つか、又は全てを含む他の器械は、電気外科的システムにおいて種々の利点をもたらすことができる。種々の電気外科的器械に関する実施形態について以下に説明する。一般的に以下に説明する特徴のうちの1つ、幾つか、又は全てを以下において説明する器械の実施形態のうちの任意のものに含まれることができるということが想定される。例えば、以下に説明する器械の各々が上述した発生器との対話のためにメモリを有することが望ましい場合がある。しかしながら、他の実施形態では、以下に説明する器械は、器械メモリの対話なしで、標準型両極性電源と対話するよう構成されていても良い。ただし、更に、これら実施形態の或る特定の観点を本願の要旨の範囲内で他の電気外科的器械の或る特定の観点と組み合わせることができるということが想定される。
【0145】
図1を参照して上述したように、電気外科的器械は、メモリを有するのが良い。メモリは、コンフィグレーション器具モジュールを含むのが良い。コンフィグレーション器具モジュールは、或る特定の形式の器械データを記憶することができる。例えば、コンフィグレーション器具モジュールは、器械のための動作パラメータを記憶することができ、かかるパラメータとしては、電気外科的ユニットの上首尾の電気的接続時に電気外科的ユニットに移送されるべきソフトウェアが挙げられる。これら動作パラメータは、器械によって実施されるべき種々の電気外科的手技に関するデータ及び対応のエネルギーレベル範囲並びにこれら動作の持続時間、器械の電極構成に関するデータ、及び器械で互いに異なる電気外科的手技を実施するための電極相互間の切り換えに関するデータを含むのが良い。有利には、器械プロフィール及び定期的器械アップデートへの変更を休止時間なく電気外科的発生器に対して迅速に行うのが良い。と言うのは、機器動作のためのデータが発生器ではなく電気外科的器械それ自体内に存在する場合があるからである。したがって、アップデートは、器械製造中に行われるのが良い。
【0146】
コンフィグレーション器具モジュールは、例えば前の機械使用の各々に関する情報の記録を含むデータログを更に記憶するのが良い。例えば、幾つかの実施形態では、データログは、電気外科的ユニットを識別し、器械によって実施された電気外科的手技のログ、並びに持続時間及び器械に加えられたエネルギーのログを含むタイムスタンプデータを含むのが良い。幾つかの実施形態では、特定の器械の使用が特に電気外科的器械が滅菌及び再使用向きに構成されていない場合、最大使用期間又は手技の回数に制限されることが望ましい場合がある。したがって、幾つかの実施形態では、コンフィグレーション器具モジュールは、所定の使用又は所定の手技回数語に器械の動作を阻止するよう構成されているのが良い。幾つかの実施形態では、器械は、意図しない再使用の可能性を減少させるために、データログに加えて又はこれに代えて機械的ロックアウト、例えばブレークアウェイ1回使用コネクタを有するのが良い。
【0147】
電気外科的器械は、一実施形態では、RFエネルギー(350kHz±5kHzで375VA、150V、5A)を運ぶことができる2つの別々の電極を有する。最大出力RF電圧は、150Vrms±7.5Vrmsである。最大出力RF電流は、5Arms±0.25Armsである。最大出力RF電力は、375VA±18.75VAである。
【0148】
種々の実施形態によれば、電気外科的器械20が提供される。この器械20は、アクチュエータに対して回転可能なシャフトに結合されているアクチュエータを有する。細長いシャフトは、近位端部及び遠位端部を有し、この近位端部と遠位端部との間には中心長手方向軸線が定められている。シャフトの遠位端部のところにはジョーが設けられ、近位端部のところにはアクチュエータが設けられている。一実施形態では、アクチュエータは、拳銃の握りのようなハンドルである。シャフト及びジョーは、一実施形態では、5mm直径のトロカールカニューレ又はアクセスポート中に嵌まるよう寸法決めされると共に形作られている。
【0149】
アクチュエータは、可動ハンドル及び静止ハンドル又はハウジングを有し、可動ハンドルは、静止ハウジングに結合された状態でこれに対して動くことができる。種々の実施形態によれば、可動ハンドルは、静止ハウジングに摺動可能且つ回動可能に結合されている。動作にあたり、ユーザ、例えば外科医が可動ハンドルを操作してジョーを作動させ、例えばジョーを選択的に開閉する。種々の実施形態では、器械は、ブレードアクチュエータ、例えばアクチュエータのブレードトリガに結合されるのが良い前進可能な切断ブレードを有する。ブレード作動機構体がブレードトリガを切断ブレードに作動的に結合するのが良い。
【0150】
細長いシャフトの遠位端部にはジョーが取り付けられ、これらジョーは、第1のジョー及び第2のジョーから成る。一実施形態では、ジョーのピボットピンは、第1のジョーと第2のジョーを回動可能に結合し、それにより、第1のジョーは、第2のジョーに対して動くと共に回動することができる。種々の実施形態では、一方のジョーは、対向したジョーが開き位置と閉じ位置との間で固定ジョーに対して回動するよう細長いシャフトに対して固定されている。他の実施形態では、両方のジョーは、両方のジョーが互いに対して回動することができるよう細長いシャフトに回動可能に結合されているのが良い。
【0151】
第1のジョーには導電性パッドが取り付けられている。一実施形態では、絶縁電線が第1のジョーに設けられている導電性パッドをアクチュエータ内の配線ハーネスに電気的に結合するよう引き回されている。絶縁電線は、保護スリーブの遠位端部から延びており、保護スリーブは、第2のジョーの近位端部のところに収容されると共に第1のジョー中に延びている。第1のジョーは、絶縁電線を受け入れるよう寸法決めされたスロットを有するのが良い。絶縁電線は、次に、第1のジョーに設けられた穴を貫通して非導電性部分に設けられたスロット内に落ち込んでいる。次に、絶縁電線は、非導電性部分の遠位端部まで延び、これを通って導電性パッドまで下っている。
【0152】
次に本明細書において説明する電気外科的器械の動作上の観点のうちの幾つかを参照すると、血管又は組織の束が密封のためにいったん識別されると、第1のジョーと第2のジョーをこの組織の周りに配置する。可動ハンドルを絞って可動ハンドルを静止ハウジングに対して近位側に動かす。可動ハンドルが近位側に動くと、この可動ハンドルは、プルブロックを押す。プルブロックは、プルチューブに係合し、プルチューブが近位側に動く。プルチューブの近位側への運動により、第1のジョーが第2のジョーに向かって回動し、組織を効果的にクランプする。第1のジョーにより組織に加えられる力は、プルチューブ及びプルブロックを通って可動ハンドルに伝えられる。あらかじめ加えられた力にいったん打ち勝つと、可動ハンドルは、摺動ピンを遠位側に動かし始める。ばねに加わる予備荷重に打ち勝つと、可動ハンドルのピボット点は、摺動ピンからプルブロックの後側部分にシフトし、ここでプルブロックが可動ハンドルに接触する。摺動ピンは、トリガばねに働くあらかじめ加えられた力よりも大きいので、遠位側に前進することができる。
【0153】
可動ハンドルの操作の続行により、可動ハンドルは、可動ハンドルがラッチ機構体に係合する場所まで回動し、ラッチ機構体は、可動ハンドルを係合位置に維持すると共にハンドルが開き位置に戻るのを阻止する。電力起動ボタンを押すことによって密封高周波エネルギーを係合位置から組織に加える。組織をいったん溶融させると、ラッチ機構体が外れることができる位置まで近位側への前進を続けることによって可動ハンドルを再び開くことができる。
【0154】
力調節機構体は、極めて大きな力が組織に加えられる恐れを減少させる。大きすぎるほどの力が血管又は組織束に加えられた場合、潜在的な損傷が起こる場合がある。かくして、極めて細い血管又は細い組織の束をジョー内にクランプする場合、器械は、良好な組織の溶融を得るのに必要な最小限の大きさの力を加える。同じことは、極めて太い血管又は組織の束について当てはまる。
【0155】
組織をいったん溶融させると、ユーザは、ブレードトリガを作動させるのが良い。ブレードトリガを近位側に動かすと、ブレードレバーは、回動し、プッシュバー及び切断ブレードを遠位側に移動させる。切断ブレードは、前方に進み、そして組織の溶融部分を分断する。ユーザがブレードトリガを放すと、ブレードばねは、切断ブレードをその元の位置にリセットする。ブレードトリガをその元の又は初期位置に戻すと、ユーザは、引き続き可動ハンドルを絞って上側ジョーを開くことができる。可動ハンドルの近位側への運動の続行により、ラッチ機構体が外れて可動ハンドルを解除することができる位置に至る。
【0156】
密封面の寸法は、器具機構体が生じさせることができる潜在的な力のためにジョー相互間の組織に加えられる最適圧力に対して適切に比例するようなものである。その表面領域も又、組織に接触している表面領域に対して電気的に有意義である。表面領域のこの比例及び組織の厚さは、組織の電気的相対特性に対するその関係に関して最適化されている。ジョーは、ジョー相互間に保持された組織の厚さに対してジョー相互間の電気的に有意義な間隔を維持するよう配置されている。
【0157】
電気外科的システムに関して上述したように、幾つかの実施形態では、電気外科的溶融器械を種々の動作パラメータをモニタして位相角に基づいて高周波エンドポイントを決定するシステムで用いることができる。
【0158】
図21〜
図40を参照すると、種々の実施形態によれば、電気外科的溶融器械又は器具が提供され、かかる器械又は器具は、種々の実施形態によれば、電気外科的発生器に取り外し可能に連結可能である。図示の実施形態では、器械は、アクチュエータ224を有し、アクチュエータ224は、このアクチュエータに対して回転可能なシャフト226に結合されている。細長いシャフト226は、近位端部及び遠位端部を有し、この近位端部と遠位端部との間には中心長手方向軸線が定められている。シャフト226の遠位端部ところにはジョー222が設けられ、近位端部のところにはアクチュエータが設けられている。一実施形態では、アクチュエータは、拳銃の握りのようなハンドルである。シャフト226及びジョー222は、一実施形態では、5mm直径のトロカールカニューレ又はアクセスポート中に嵌まるよう寸法決めされると共に形作られている。
【0159】
アクチュエータ224は、可動ハンドル223及び静止ハンドル又はハウジング28を有し、可動ハンドル223は、静止ハウジングに結合された状態でこれに対して動くことができる。種々の実施形態によれば、可動ハンドル223は、静止ハウジングに摺動可能且つ回動可能に結合されている。動作にあたり、ユーザ、例えば外科医が可動ハンドル223を操作してジョーを作動させ、例えばジョーを選択的に開閉する。
【0160】
種々の実施形態によれば、アクチュエータ224は、閉じ形態ではジョー222が所定の最小力と所定の最大力との間のつかみ力を送り出すよう構成された力調節機構体を有する。
【0161】
力調節機構体の一部として、可動ハンドル223は、力調節機構体を形成するよう2つの摺動ピボット場所のところで静止ハンドルに結合されている。可動ハンドルは、つかみ面が形成された第1の端部及び第1の端部と反対側の第2の端部258を有する。可動ハンドルは、第2の端部に隣接してピン256に結合されている。幾つかの実施形態では、可動ハンドルは、ピン表面を構成するようこの可動ハンドルから延びた突出部と一体に形成されるのが良い。他の実施形態では、ピンは、可動ハンドルに設けられた孔中に圧力嵌めされるのが良い。ピンは、静止ハウジングに設けられたスロット、例えば静止ハウジングの右側及び/又は左側ハンドルフレームに形成された対応のスロット内に収容されるのが良い。幾つかの実施形態では、スロットは、作動ハンドルが開いたジョーに対応した第1の位置から閉じられたジョーに対応した第2の位置まで動かされるときに、所望の作動ハンドル経路、例えば湾曲又は山形経路を定めるよう構成されるのが良い。
【0162】
力調節機構体は、ピンを近位側の方向に付勢する付勢部材、例えば引っ張りばね257を含む。動作を説明すると、所定の力が可動ハンドル223の運動によって及ぼされると、ばねにより及ぼされる付勢力に打ち勝ち、可動ハンドルの第2の端部は、スロット内のピンによって案内されながら全体として遠位側に並進することができる。
【0163】
種々の実施形態によれば、可動ハンドルは、作動ハンドルの第1の端部と第2の端部との間に位置する場所で静止ハウジング228に摺動可能に且つ回動可能に結合されている。アクチュエータ部材、例えばプルブロック251が作動ハンドルに結合されている。可動ハンドルを近位側に動かすと、プロブロックも又、近位側の方向に且つ長手方向に動き、ジョー222を閉じ、それによりジョー相互間に組織をクランプする。プルブロック251は、種々の実施形態によれば、開放頂部及び底部フェース並びに閉じられた近位端部を有する長方形である。可動ハンドルは、プルブロックの頂部フェース及び底部フェースを貫通している。可動ハンドルの縁部は、静止ハウジングに対する可動ハンドルの運動によりプルブロックが長手方向に動くようプルブロックの近位端部に当たっている。プルブロックの遠位端部は、一実施形態では、作動シャフト、例えばプルチューブ、バー、又はロッドに結合され、かかる作動シャフトは、細長いシャフト226に沿って長手方向に延びるのが良い。かくして、動作を説明すると、第1の位置から第2の位置への可動ハンドルの運動により、プルブロック251は、静止ハウジング内で長手方向に並進し、それにより、これに対応してプルチューブが細長いシャフト226に対して長手方向軸線に沿って全体として直線状に並進する。このプルチューブの運動は、ジョー222の相対運動を制御することができる。
【0164】
種々の実施形態によれば、アクチュエータ224は、可動ハンドル223を静止ハウジング228に対して第2の位置に位置するラッチ機構体を有する。図示の実施形態では、可動ハンドルは、ラッチアーム265を有し、ラッチアーム265は、可動ハンドルを第2の位置又は閉じ位置に保持するために静止ハンドル内に収容されたマッチングラッチ267に係合する。
【0165】
種々の実施形態では、器械は、前進可能な切断ブレード271を有し、切断ブレード271は、アクチュエータ224のブレードアクチュエータ、例えばブレードトリガ225に結合されるのが良い。ブレード作動機構体は、ブレードトリガを切断ブレードに作動的に結合するのが良い。一実施形態では、ブレード作動機構体は、回動式ブレード前進リンクを含み、この回動式ブレード前進リンクは、ブレードトリガ225の近位側への運動を切断ブレードに結合されたブレード作動シャフト組立体、例えばプッシュバーに伝えたり逆に伝えたりする。動作を説明すると、ユーザは、ブレードトリガ225を金側に動かして切断ブレード271を引っ込み位置から伸長位置に前進させることができる。ブレード作動機構体は、切断ブレードを引っ込み位置に付勢する付勢部材、例えばブレード戻しばね263を含むのが良い。
【0166】
切断コンポーネントを近位側の場所と遠位側の場所との間で選択的に動かすと、ジョー組立体のジョー相互間に圧縮されている組織を切断することができる。種々の実施形態では、切断ブレード271は、ジョー相互間の組織を切断するよう寸法決めされると共に形作られた鋭利なブレード、フック、ナイフ、又は他の切断要素であるのが良い。幾つかの実施形態では、切断ブレードは、切断ブレードの近位縁部及び遠位縁部の各々に設けられた第1の尖った縁部及び第2の尖った縁部を有し、それにより切断ブレードをジョーに設けられたスロット又はチャネルに沿って近位側か遠位側かのいずれかに動かすと、組織の切断が可能になる。
【0167】
アクチュエータは、単一のシース内に納められた絶縁状態の個々の電線又はリードを含むワイヤハーネスを有する。ワイヤハーネスは、静止ハウジングからその下面のところで出ることができそしてケーブル式連結部の一部をなしている。ハーネス内の電線は、器械と電気外科的発生器及び/又はそのアクセサリ又は付属物との電気的連絡をもたらすことができる。
【0168】
種々の実施形態によれば、アクチュエータは、シャフトの無限回転を可能にするよう構成された回転結合クリップに取り付けられている1本又は2本以上のビードを有する。種々の実施形態では、スイッチがユーザにより操作される起動ボタン229に接続されていて、このスイッチは、起動ボタンを押すと、起動される。一観点では、いったん起動されると、スイッチは、少なくとも2本のリードを互いに電気的に結合することによって回路を構成する。したがって、次に電気経路がRFエネルギーを回転結合クリップに取り付けられているリードに供給するよう電気外科的発生器からアクチュエータまで確立される。
【0169】
一実施形態では、アクチュエータは、細長いシャフト226の外側カバー管上に設けられた回転ノブ227を含む回転シャフト組立体を有する。回転ノブにより外科医は、アクチュエータ224をつかんだ状態で器具のシャフトを回転させることができる。
【0170】
種々の実施形態によれば、細長いシャフト226は、ジョー222をアクチュエータに結合する作動管及びアクチュエータを切断ブレード271に結合するブレード作動シャフト組立体を有する。種々の実施形態では、ブレード作動シャフト組立体は、近位部分及び遠位部分を備えた2ピース(2部品から成る)シャフトを含む。ブレードシャフト組立体の近位部分は、インターフェースノードのところに位置する近位端部で終端している。インターフェースノードは、ブレード前進レバーに係合するようになった全体として球形の突出部分から成る。他の実施形態では、インターフェースノードは、他の幾何学的形状、例えば立方体又は直方柱状の突出部から成るのが良い。ブレードシャフトの近位部分は、ブレードシャフト組立体の遠位部分に作動的に結合されている。ブレードシャフトの遠位部分は、その遠位端部のところに設けられていて切断ブレードの取り付けのためのマウントを有するのが良い。或る特定の実施形態では、ブレードシャフトの近位部分と遠位部分の両方は、作動管の全体として管状の区分内に少なくとも部分的に位置決めされている。
【0171】
種々の実施形態では、作動管は、外側カバー管内に収容されている。作動管は、外側カバー管内に嵌め込み可能な全体として管状の部材として示されていて、この管状部材内にブレード作動シャフトを嵌め込むことができる状態で示されているが、他の実施形態では、非管状作動部材、例えばシャフト、剛性バンド、又はリンクを用いることができ、かかる非管状作動部材は、或る特定の実施形態では、外側カバー管内のブレード作動シャフトに全体として平行に位置決め可能である。
【0172】
種々の実施形態によれば、外側カバー管の遠位端部には回転シャフト組立体が取り付けられ、この回転シャフト組立体は、2つの番い関係をなすハブと導電性スリーブとを含む。ハブは、互いにスナップ嵌め関係をなした状態で外側カバー管に係合している。他の実施形態では、ハブは、一体構造のものであっても良く、これらハブは、外側カバー管上の番い関係をなす特徴とインターフェースするよう構成されている。導電性スリーブは、これらを外側カバー管に取り付けた後に組立て状態のハブの近位部分に取り付けるのが良い。導電性スリーブが組立て状態のハブの後部に取り付けられると、スリーブは、絶縁電線の露出端部を捕捉する。図示の実施形態では、絶縁電線は、導電性スリーブの下のその捕捉箇所から作動管に設けられているスロットを通り、次に保護スリーブ内に延びる。保護スリーブ及び絶縁電線は、作動管内でジョーに向かって遠位側に延びている。他の実施形態では、絶縁電線は、保護シースと一体に形成されても良く、作動管内に存在する別個の保護スリーブは存在しない。
【0173】
細長いシャフトの遠位端部にはジョー222が取り付けられており、ジョー222は、第1のジョー270及び第2のジョー280を含む。一実施形態では、ジョーピボットピンが第1のジョーと第2のジョーを互いに回動可能に結合しており、かかるジョーピボットピンにより、第1のジョーは、第2のジョーに対して動くことができ、しかもこれに対して回動することができる。種々の実施形態では、一方のジョーは、対向したジョーが開き位置と閉じ位置の間で固定ジョーに対して回動するよう細長いシャフトに対して固定されている。他の実施形態では、両方のジョーが細長いシャフトに回動可能に結合されるのが良く、その結果、両方のジョーは、互いに対して回動することができるようになっている。
【0174】
第1のジョーには導電性パッド272が取り付けられている。一実施形態では、絶縁電線273は、第1のジョーに設けられた導電性パッドをアクチュエータ内の配線ハーネスに電気的に結合するよう引き回されている。絶縁電線は、第2のジョーの近位端部のところに収容された保護スリーブの遠位端部から延び、そして第1のジョー中に延びている。第1のジョーは、絶縁電線を受け入れるよう位置決めされたスロットを有するのが良い。次に、絶縁電線は、第1のジョーに設けられた穴を貫通して非導電性部分に設けられたスロット内に落ち込んでいる。次に、絶縁電線は、非導電性部分の遠位端部まで延び、これを通って導電性パッドまで下っている。
【0175】
幾つかの実施形態では、ジョー組立体の導電性パッド上の電極幾何学的形状は、密封領域がブレード切断経路の遠位部分を完全に包囲するようにしている。実施形態では、導電性パッド272及び第2のジョー280は、ジョー相互間の組織と接触状態にある独特の密封面を維持し、望ましくない集中電流密度を減少させると共に/或いはジョー相互間の組織の切断を助けるよう縁部のところで湾曲している。幾つかの実施形態では、幾つかの外科的処置に関し、ジョーの外形は、ジョーの遠位端部が長手方向軸線に対してジョーの近位端部からオフセットしてユーザ、例えば外科医にとっての視認性を向上させるよう湾曲しているのが良い。
【0176】
種々の実施形態によれば、ジョー表面の寸法は、器具機構体が生じさせることができる潜在的な力のためにジョー相互間の組織に加えられる最適圧力に対して適切に比例するようなものである。その表面領域も又、組織に接触している表面領域に対して電気的に有意義である。表面領域のこの比例及び組織の厚さは、組織の電気的相対特性に対するその関係に関して最適化されている。
【0177】
ジョーは、ジョー相互間に保持されている組織の厚さに対してジョー相互間の電気的に有意義な間隔を維持するよう配置されている。一実施形態では、少なくとも1つのジョーは、ジョーの長手方向に対して横の方向に延びる導電性ポスト281を有する。このポストは、種々の実施形態では、第2のジョー又は下側ジョー組立体の内面を通って第1のジョーの内面又は導電性パッドに向かって突き出ている。
【0178】
導電性ポストは、一実施形態では、導電性材料、例えばステンレス鋼で作られている。一実施形態ではステンレス鋼で作られている導電性ポストは、高い圧縮強度及び/又は長柱強度を提供する。したがって、導電性ポストは、大きな動作上の摩耗及び引裂きに耐えることができ、かかる導電性ポストは、破断又は離脱の懸念が少ない状態で又はジョー上の過剰の空間を占有した状態でジョーの寸法に対して寸法的に小さいのが良い。一実施形態では、導電性ポストは、第1及び/又は第2のジョー上の導電性パッドの材料と同一の材料で作られる。
【0179】
種々の実施形態によれば、多数のポストが設けられていてこれらポストは、ジョー内のブレードチャネルに隣接しているジョーの導電性表面の内縁部を支持している。種々の実施形態によれば、ポストは又、器具のジョー内に捕捉される組織を捕捉すると共につかむのを助けるよう追加の表面テキスチャを提供している。しかしながら、導電性ポストは、ジョー相互間に把持された組織を穿刺し、穿通し又は違ったやり方で貫くような縁部又は別の無外傷性表面を備えていない。
【0180】
導電性ポストは、一実施形態では、ブレードチャネルに隣接して位置する導電性表面の内縁部を支持している。ポストは、ブレードチャネルの縁部のところに位置するよう付勢されている。ジョーを閉じてRFエネルギーを供給すると、導電性ポストは、導電性表面と同一の電位にある。導電性表面に対する導電性ポストの形態及び導電性ポストが上側導電性表面と同一の電位にあるということにより、一実施形態では、ジョーに沿って途切れていない組織処理表面が得られる。一実施形態では、かかる形態及び電位により、RFエネルギーを加えることができ、それにより導電性ポスト周りの加熱及び密封が可能であり、更にジョー相互間の組織のシール品質又は組織処理具合が高められる。
【0181】
加うるに、シール品質を高めると共に上側及び下側導電性表面の縁部のところでの高い電流密度の恐れを減少させるため、上側及び下側導電性表面は、一実施形態では、引き込み角度274及び/又は半径275,283の形態を有する。電流密度に取り組むのに加えて、半径は又、無外傷性丸み縁部をRFエネルギーの印加によって影響を受ける領域に隣接して位置する血管に与え、それによりジョーの表面の縁部のところでの切断を阻止するのを助ける。
【0182】
導電性ポストは、一実施形態では、ジョーに沿って且つ各々他方に対して異なる高さのところに設けられており、従って、導電性ポストは、同一の平面上には位置していない。したがって、一実施形態では、導電性ポストにより、第1の又は最も遠位側の導電性ポストが最初に組織に接触し、次に1つ又は2つ以上の中間導電性ポストが組織に接触し、最後に最も近位側の導電性ポストが組織に接触する。一実施形態では、最も遠位側のポストは、0.005インチ(0.127mm)であり、中間ポストは、0.004インチ(0.102mm)であり、最も近位側のポストは、0.003インチ(0.076mm)である。かかる互い違いの配置により、力を加えたときに第1及び/又は第2のジョーの偏向を補償することによって、ジョー又は内面は、組織に対して且つ互いに対して比較的平行状態のままである。ジョーに対するポストの高さの差により、一実施形態では、ブレードチャネルの近く又はこれに隣接して位置する組織の部分を持ち上げることができ又は上昇させることができ、それにより組織が切断されているときに組織のつかみが助けられ、それにより滑らかな切断が提供されると共に切断作業が容易になる。
【0183】
一実施形態では、第1のジョー又は上側ジョー組立体は、プレス加工された板金の導電性パッド272を含み、この導電性パッドは、耐熱非導電性プラスチック材料276によって、機械加工された上側金属ジョー275から距離を置いたところに保持されている。プレス加工された板金、非導電性プラスチック材料及び機械加工された上側金属ジョーは、モールド内に配置され、次にモールドに熱可塑性樹脂を充填する。プロセスの結果は、オーバーモールドされた上側機械加工又はMIM(金属射出成形)ジョー、プレス加工された導電性パッド及び耐熱プラスチックであり、これらは、第1の又は上側ジョーを製作するよう熱可塑性樹脂オーバーモールディングによって互いに固定され又は保持される。一実施形態では、上側ジョーは、耐熱非導電性プラスチック材料に代えて射出成形コンポーネントを有する。
【0184】
一実施形態では、第2のジョー又は下側ジョー組立体は、機械加工された又はMIMジョー及び機械加工された又はMIM導電性ポスト281を含む。一実施形態では、ポスト及びジョーは、同一材料で作られている。ジョー及びポストは、モールド中に配置され、次に、このモールドに熱可塑性樹脂を充填する。このプロセスの結果は、オーバーモールドされた下側ジョー、オーバーモールドされた下側ジョー及び導電性ポストであり、これらは、下側ジョーを製作するために熱可塑性樹脂オーバーモールディングによって互いに固定され又は保持される。ポストが下側ジョー組立体から延びると共にジョーの内面を通って延びることにより、導電性ポストの強度及び/又は安定性がジョー及び/又は組織に対して高められる。したがって、一実施形態では、ポストは、導電性パッドの厚さの少なくとも2倍の高さを有する。一実施形態では、ポストは、第1及び/又は第2のジョーの厚さ又は深さの約半分中に延びる底部分を有する。組立て時、ジョー隙間が取り付け具内に設定され、そしてレーザ溶接され、一実施形態では、これは、下側ジョーに設けられたスロット状穴及びドエルによって容易になる。
【0185】
図38〜
図40を参照すると、一実施形態では、戻り経路接続部285が導電性ポストを発生器に接続するために提供されている。かかる実施形態では、導電性ポストは、追加のフィードバック情報、例えば印加電圧、電流、電力及び位相又は組織特性を提供することができる。一実施形態では、戻り経路接続部は、表示器又はカットオフスイッチとなり、その結果、切断ブレードがジョーに入った場合、回路が作られ又は作為的な短絡がトリガされてRFエネルギーを停止させ、それによりブレードが作動されている間、RFエネルギーが供給されないようにする。一実施形態では、サーミスタ又は温度センサ286が導電性ポストの下に又はこれと一線をなして配置され、そして例えば温度変化により生じるサーミスタ中の変化によって温度をモニタするよう下側ジョーを介して電線又は戻り接続部に戻し状態で接続されている。一実施形態では、電気外科的発生器は、次に、組織の温度及び組織の溶融及び/又はRFエネルギーの印加を行うことができるジョーを考慮に入れることができる。一実施形態では、第2の又は下側のジョーは、プレート又は容量構造体又はセンサ287を有し、一実施形態では、この場合、電気外科的発生器は、組織の溶融及び/又はRFエネルギーの印加を行うことができる器械又は組織キャパシタンスを考慮に入れるために、導電性ポストの底面とジョーの一部分との間のキャパシタンスを測定することができる。
【0186】
種々の実施形態によれば、電気外科的システムは、電気外科的発生器及び電気外科的器械を含むのが良い。電気外科的器械は、血管及び組織束の結紮及び分割が望まれる腹腔鏡下手技で用いられる。電気外科的器械は、高周波(RF)エネルギーを器具のジョー相互間に捕捉されている組織に送り出すことによって血管を溶融させ、そして密封状態の組織をユーザ作動式ブレードで分割する。発生器は、処置されるべき組織の位相エンドポイントを求めることによって電気外科的エンドポイントを提供することができる。電気外科的システムは、互いに異なる電気外科的作業のための2つ以上の電気外科的器械を含むのが良く、そして電気外科的システムは、種々のユーザインターフェース特徴及び音声/視覚的性の表示器を含むのが良い。電気外科的システムは又、従来型両極性電気外科的器械及び直流外科的電気器具に電力を供給することができる。
【0187】
次に、電気外科的器械又は種々の実施形態に従って本明細書において説明した器械の動作上の観点のうちの幾つかを参照すると、血管又は組織の束を溶融のためにいったん識別すると、第1のジョー及び第2のジョーを組織の周りに配置する。可動ハンドル223を絞って可動ハンドルを静止ハンドル228に対して近位側に動かす。可動ハンドルが近位側に動くと、可動ハンドルは、プルブロックを押す。プルブロックは、プルチューブに係合し、それによりプルチューブが近位側に動く。プルチューブの近位側への運動により、第1のジョーが第2のジョーに向かって回動し、それにより組織を効果的にクランプする。
図27及び
図28では、アクチュエータ224は、第1の又は初期位置で示され、この初期位置では、ジョー222は、開き位置にあり、一実施形態では、第1及び第2のジョーの開きにより、約30°の角度が定められる。
【0188】
可動ハンドルの操作の続行により、可動ハンドルは、可動ハンドルがラッチ機構体と係合する場所まで回動し、ラッチ機構体は、可動ハンドルを係合位置に維持すると共にハンドルが開き位置に戻るのを阻止する。高周波エネルギーは、係合位置から、起動ボタンを押すことによって組織に加えられる。組織をいったん溶融させると、可動ハンドルは、ラッチ機構体が離脱することができる位置まで近位側への前身を続行することによって再び開かれる。
図30及び
図31では、アクチュエータ224は、係合位置で示され、この係合位置では、ジョー222が閉じられ、可動ハンドルがラッチ止めされている。
【0189】
代替的に又は追加的に、ユーザは、ブレードトリガ225を作動させることができる。ブレードトリガを近位側に動かすと、ブレードレバーが回動し、それによりプッシュバー及び切断ブレードを遠位側に動かす。切断ブレードは、前方に進み、そして組織の密封部分を分断する。ユーザがブレードトリガを放すと、ブレードばねは、切断ブレードをその元の位置にリセットする。ブレードトリガをその元の又は初期位置に戻すと、ユーザは、引き続き可動ハンドルを絞って上側ジョーを開くことができる。
図32及び
図33では、アクチュエータ224は、切断位置で示されており、この切断位置では、ジョー222が閉じ位置にあり、ブレードトリガが押され、それにより切断ブレードをその最も遠位側の位置に前進させる。可動ハンドルの近位側への運動の続行により、ラッチ機構体が外れて可動ハンドルを解除することができる位置に至る。
図29には、ジョーが閉じ位置にあり、可動ハンドルがラッチ止めされていない中間位置が示されている。一実施形態では、ブレードトリガを起動すると、ジョー相互間の組織を切断することができると共に/或いは溶融ボタン又はスイッチを起動すると、ジョー相互間の組織を溶融させることができる。
【0190】
電気外科的ユニット、器械及びこれら相互間の接続部並びにこれらの動作及び/又は機能の別の実施例が2009年4月1日に出願された米国特許出願第12/416,668号明細書(発明の名称:Electrosurgical System)、2009年4月1日に出願された同第12/416,751号明細書(発明の名称:Electrosurgical System)、2009年4月1日に出願された同第12/416,695号明細書(発明の名称:Electrosurgical System)、2009年4月1日に出願された同第12/416,765号明細書(発明の名称:Electrosurgical System)及び2009年3月31日に出願された米国特許出願第12/416,128号明細書(発明の名称:Electrosurgical System)に記載されており、これらの特許文献を参照により引用し、これらの記載内容全体を本明細書の一部とする。
【0191】
上述の説明は、当業者が手術用器械を製作して用い、そして本明細書において説明した方法を実施することができるようにするために提供されており、かかる説明は、発明を実施する本発明者によって想定される最適態様を記載している。しかしながら、種々の改造が当業者には明らかなままである。これら改造例は、本発明の範囲に含まれることが想定されている。種々の実施形態又はかかる実施形態の観点は、種々の図に示されると共に明細書全体にわたって説明されていると言える。しかしながら、注目されるべきこととして、図示され又は別々に説明されているが、各実施形態及びその観点を別段の指定がなければ、他の実施形態のうちの1つ又は2つ以上及びその観点と組み合わせることができる。本明細書の読みやすさを高めるために各組み合わせを明示的に記載していないに過ぎない。
【0192】
本発明を或る特定の観点で説明したが、多くの追加の改造及び変形が当業者には明らかであろう。したがって、本発明は、具体的に説明した形態以外の形態で実施できることが理解されるべきであり、かかる形態としては、寸法、形状及び材料における種々の偏向が挙げられ、これは本発明の精神及び範囲から逸脱しない。かくして、本発明の実施形態は、あらゆる点で例示であって本発明を限定しないと考えられるべきである。