特許第6573665号(P6573665)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6573665航空機の空対地通信のための装置および方法
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  • 特許6573665-航空機の空対地通信のための装置および方法 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6573665
(24)【登録日】2019年8月23日
(45)【発行日】2019年9月11日
(54)【発明の名称】航空機の空対地通信のための装置および方法
(51)【国際特許分類】
   H04B 7/10 20060101AFI20190902BHJP
   B64D 47/00 20060101ALI20190902BHJP
   H04B 7/08 20060101ALI20190902BHJP
   H04B 7/06 20060101ALI20190902BHJP
   H01Q 1/28 20060101ALI20190902BHJP
   H01Q 3/34 20060101ALI20190902BHJP
【FI】
   H04B7/10 A
   B64D47/00
   H04B7/08 800
   H04B7/06 954
   H01Q1/28
   H01Q3/34
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-514796(P2017-514796)
(86)(22)【出願日】2015年5月21日
(65)【公表番号】特表2017-523742(P2017-523742A)
(43)【公表日】2017年8月17日
(86)【国際出願番号】EP2015061273
(87)【国際公開番号】WO2015181045
(87)【国際公開日】20151203
【審査請求日】2018年3月23日
(31)【優先権主張番号】102014210204.9
(32)【優先日】2014年5月28日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】516355117
【氏名又は名称】ルフトハンザ・ジステムズ・ゲゼルシャフト・ミットベシュレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニ・コマンディートゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】LUFTHANSA SYSTEMS GMBH & CO. KG
(74)【代理人】
【識別番号】100087941
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 修司
(74)【代理人】
【識別番号】100086793
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅士
(74)【代理人】
【識別番号】100112829
【弁理士】
【氏名又は名称】堤 健郎
(74)【代理人】
【識別番号】100144082
【弁理士】
【氏名又は名称】林田 久美子
(74)【代理人】
【識別番号】100142608
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 由佳
(74)【代理人】
【識別番号】100154771
【弁理士】
【氏名又は名称】中田 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100155963
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 大輔
(72)【発明者】
【氏名】ホンメル・ペーター
(72)【発明者】
【氏名】リーベ・イェルク
【審査官】 吉江 一明
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2009/0186611(US,A1)
【文献】 特表2001−522160(JP,A)
【文献】 特開昭61−147622(JP,A)
【文献】 特表2001−523906(JP,A)
【文献】 国際公開第02/050947(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/10
B64D 47/00
H01Q 1/28
H01Q 3/34
H04B 7/06
H04B 7/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
航空機(12)と地上局(20)との間の空対地通信用の装置であって、
前記航空機(12)と前記地上局(20)はそれぞれ、指向性の無線データ伝送(14)用のアンテナ(16、18)を備えており、
前記データ伝送(14)は60GHzから90GHzまでの周波数帯で実行され、前記地上局(20)のアンテナ(18)は、水平面(22)に対して上方向に少なくとも5度の角度αの範囲でのみ、データを伝送および受信することを特徴とする装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置において、前記地上局(20)のアンテナ(16)および前記航空機(12)のアンテナ(16)の指向特性が電子的ビーム形成によって可変であることを特徴とする装置。
【請求項3】
地上局(20)と航空機(12)との間でデータ伝送(14)を行う方法であって、
前記地上局(20)および前記航空機(12)はそれぞれ、互いに指向性の無線データ伝送を行うための無線アンテナを備えており、
前記地上局(20)は、水平面(22)に対して少なくとも5度の角度αを下回るとデータを放射せず、
前記地上局(20)および前記航空機(12)のアンテナ(16、18)間での前記データ伝送(14)を、60GHzから90GHzまでの周波数帯でのみ実行することを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項に記載の方法において、前記地上局(20)および前記航空機(12)は、それぞれ、Eバンドにおける前記データ伝送(14)のために設計されていることを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一機の航空機と少なくとも1つの地上局との間のデータ伝送の方法に関する。
【背景技術】
【0002】
航空機と地上局との間のデータ伝送は、特に旅客航空の分野において重要である。航空機内の旅客の通話やネットサーフィンを可能にするデータ伝送技術に対するニーズが高まっている。本明細書において、航空機とは、具体的には飛行機、ヘリコプター、宇宙船を包むものと理解される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
地上局と航空機との間のデータ通信においては、多数の旅客がデータ通信を実行できるように十分な帯域幅を確保するのは困難である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、少なくとも1つの地上局と一機の航空機との間のデータ伝送に向けた改良型装置と、対応する方法とを提供することを目的とする。
【0005】
航空機と地上局との間のデータ伝送は、60GHzから90GHzまでの周波数帯において、無線で実行される。この点に関して、地上局は、上方に最小でも5度の角度で、電波を放射および受信することが特に重要であり、5度より小さい角度では、電波の伝送および受信は不可能となる。従って、航空機は飛行中、地上局の受信範囲内にあるが、同一の周波数範囲を使用する、地上レベルに近接した潜在ユーザーは、地上局からのデータを受信することも、地上局に対するデータ接続を確立することも不可能である。その結果として、水平面に対して5度未満の角度範囲では、地上局からデータを一切受信できず、地上局に対してデータを一切伝送できない。
【0006】
本発明は、航空機と地上局との間で指向性の広帯域無線データ伝送を可能にするという基本的な発想に基づく。航空機と地上局との間の空対地通信に向けた本発明の装置は、航空機に取り付けられた航空機局と、地上局とを含み、当該航空機局と当該地上局とは互いに通信を行う。広帯域データ伝送は60GHzから90GHzまでの周波数帯で可能であり、同一の周波数範囲を使用する地上に近接したユーザーとの干渉が防止される。Eバンドとも呼ばれるこの周波数帯では、インターネットの使用に十分な帯域幅が確保され、飛行機内の多数の旅客によるデータ伝送が可能となる。従って、空対地通信において、30GHzの帯域幅範囲、すなわち、一般的な無線通信で現在使用されている0〜30GHzの周波数範囲と全く同じ大きさの帯域幅範囲が、航空機では初めて、使用可能となる。
【0007】
わずか1GHz、スペクトル効率1の空対地通信(ATG)のチャネル幅では、航空機一機当たり、1ギガビット/秒(Gbit/s)のデータ速度が使用可能となる。航空機内の旅客のうち、ユーザー数が200名であると仮定した場合、ユーザー/旅客1人当たりのデータ速度は50メガビット/秒(Mbit/s)となる。
【0008】
地上局と航空機との間ではデータ伝送が直接実行されるため、衛星通信による遅延は生じない。データ伝送は、ペンシルビーム方式(ペンシルビーム特性)で実行される。ペンシルビームの指向特性は、主放射方向の周囲+0.5度から−0.5度までの角度範囲におけるバンドル型指向特性であると理解される。これは、上記指向特性を有するメインローブがこの角度範囲に収まることを意味する。その結果として、地上局のアンテナの指向特性のメインローブは、水平面より上方に5度未満の角度では回動できない。
【0009】
地上局および/または航空機のアンテナの主伝送/受信方向への回動は、電子的ビーム形成によって可能となるのが好ましい。主伝送/受信方向は、垂直軸心を中心として望ましい態様で回動可能とすると有利である。さらに、水平軸心を中心とした回動は、地上局のアンテナでは、水平線に対して5度より小さい角度への回動を不可能とすると有利である。対応する態様において、航空機のアンテナの主伝送/受信方向は、水平軸心を中心として下方に−5度から−90度までの角度範囲でのみ可能とすると有利である。
【0010】
本発明が提案する60GHzから90GHzまでの周波数帯を使用することによる最も重要な利点とは、この周波数範囲におけるライセンスの使用性および取得可能性が、従来使用される20GHzまたは30GHz未満の周波数範囲と比較すると、より使用し易いという点にある。Eバンドを使用するためのアンテナは、従来のアンテナ、特にSatcomテクノロジーのアンテナと比較すると、簡素化と低価格化を達成し、より容易に設置できる。約20msのデータ伝送は、Satcomテクノロジーによる約600msのデータ伝送よりはるかに高速である。Eバンドの帯域幅はより大きいため、電子的ビーム形成によって、他の地上局、または地上に近接したEバンドユーザーとの干渉やクロストークを防止できる。
【0011】
Eバンド通信は、70〜80GHzの周波数帯(Eバンド)内で生じるのが好ましい。ペンシルビームはMMスペクトルにおける動作の必須条件であるため、この周波数帯には、非干渉性を本来的に備え、傍受耐性を内在し、無制限のスペクトル再利用性を有するという特徴がある。
【0012】
主な利点として、こうしたより高い周波数ではより大きな帯域幅が使用可能であるという点と、結果として提供可能なデータ速度が上昇する点が挙げられる。また、Eバンド周波数における伝送は、高度に集束された、指向性を有する、狭ペンシルビームの伝送に依存するため、干渉のリスクが非常に低い。70〜80GHzでのスペクトル配分によって、Eバンドは、周波数レビューと干渉保護を強化するペンシルビームを含め、多くの利益をもたらす。指向性アンテナによる高利得狭ビームは、干渉保護と、使用可能な、膨大なスペクトル帯域幅を活用する能力とを達成するための鍵となる。ペンシルビームの性質によって、空対地リンクの配備において高度な周波数レビューが促進され、一般人の電磁場への暴露が抑制される。これは、規制の観点からすると明らかな利点である。なぜなら、他のシステムとの共通周波数共有が可能となり、従って、規制機関による迅速な空対地承認が期待されるからである。Eバンドスペクトルは低コストであり、迅速なライセンス取得可能性を特徴とする。リンクは「ライトライセンス」プロセスでライセンス付与されるため、ライセンスを迅速に、かつ安価で取得できる。こうしたライセンスは、わずかなコストおよび出願時間で、従来のスペクトルライセンスの利益を十分に提供する。
【0013】
地上局(基地局)は、n(自然数)個の個別無線セグメントを備えてもよく、当該個別無線セグメントはそれぞれ、方位角および/または仰角において360度の1/nを占める。例えば、4個または8個の個別無線セグメントが、方位角において90度(4セグメント)または45度(8セグメント)のいずれかを占め、仰角において90度を占めてもよい。基地局は、90度または45度のいずれかのセグメント構成に対応可能である。基地局はソフトウェア制御され、構成は起動時間に読み込まれる。基地局は、無線モジュールとフェーズドアレイアンテナモジュールとを1つの組立体に収納する。基地局は、チャネル当たり約1Gbit/sに相当するEバンドチャネルを1つまたは複数管理する。同一のスペクトルが他の基地局によって再利用される。個別無線フェーズドアレイアンテナはそれぞれ、多数のアンテナ要素を有し、電子式操縦が可能なペンシルビームを形成する。4セクターまたは8セクターのいずれの基地局構成を展開するかの判断は、空域内の予想される航空機密度によって決まる。各基地局は、TDDビームの切り替えによって、最大8つまで航空機局を受け入れ可能である。これにより、8個の個別無線セグメントを備えた基地局では、1つ当たりの航空機局数が合計64となる。
【0014】
航空機局は、基本的な指向性用に、切り替え可能なアンテナセクターを4つ有してもよい。アンテナセクターは低雑音増幅器とフェーズドアレイアンテナとを収納する。電子式操縦が可能なフェーズドアレイアンテナは、方位角およびピッチにおいて90度を占める。各アンテナセクターは、64個のフェーズドアレイ要素を有してもよい。4つのアンテナアセンブリは航空機胴体の底面に設置される。
【0015】
航空機局は、全基地局の地理的座標(海面上の仰角、経度および緯度)を含む地図が記憶されたメモリを有する。この地図は起動時間中に読み込まれる。航空機局は、自局の(航空機の)座標(海抜高度、経度および緯度)を把握している。航空機局は、航空機のARINCバスに接続され、恒久的に更新される前記バスの位置データを読み取る。
【0016】
最初の目標捕捉では、航空機の慣性航法システム(INS)によって、空域内の航空機の実際の位置、加速度、減速度が判定される。INSはARINCバスに接続されて、恒久的に更新される位置データをバスに書き込む。位置データおよび加速度/減速度データを用いて、航空機局は航空機の軌道を計算する。目標捕捉は航空機局によって開始される。
【0017】
アクティブな基地局がない場合、航空機局は、30msごとに一番近い基地局に無線pingを送信し、そして特定の基地局方向からのみ受信する受信モードへと切り替わる。pingは10秒の間繰り返し送信される。10秒間のpingサイクルの間に応答を受信しなかった場合、航空機局が無線を受信する範囲内において二番目に近い基地局にpingが送信され、ある基地局が当該航空機局とのTDD接続を確立するまで同様に続く。pingは、航空機局の実際の位置と軌道とを含む。基地局は、1秒ごとに、50ms間の状態監視サイクルに切り替わる。基地局は、状態監視サイクルの間、全方向受信モードへと切り替わる。ある基地局がある航空機局の無線pingを受信し、登録すると、当該基地局は位置データと軌道データとを読み込む。当該基地局は、当該航空機局の予想される位置に向かってペンシルビームを生成することで、当該航空機局とのTDD無線接続を確立する。接続が確立されると、当該基地局と当該航空機局との間で状態監視サイクルが同期される。
【0018】
基地局の切り替えでは、全基地局が中央監視制御システム(CMCS)に接続され、CMCSが必要に応じて接続を最適化し、再編成する。CMCSは、全基地局と接続された航空機との3D地図を生成する。CMCSは、全基地局の接続と負荷分散とを基地局ごとに最適化する。切り替え手順は、CMCSによって開始される点以外は、最初の目標捕捉と同一である。
【0019】
目標追跡では、TDD接続が確立されると、航空機局が、更新された自局の位置データと軌道データとを、基地局に対して恒久的に送信する。基地局は、正確な位置合わせのために、更新された航空機局の位置データおよび軌道データに従って、ビーム位置を誘導する。基地局は更新された位置データを、航空機局が受信した状態のまま、CMCSに転送する。航空機局の軌道データにおけるファクタリングとともに、ドップラーシフト補償および回避が実行される。中央監視制御システム(CMCS)は、基地局経由で受信した、受信済みの航空機局の位置データおよび軌道データから、航空交通の三次元空域地図を算定する。CMCSは、全基地局の接続と負荷分散とを基地局ごとに最適化する。
【0020】
既定の空域内の全航空機が、本発明のEバンド空対地システムに参画している場合、全航空機とその軌道が三次元空域地図に提示され、表示可能となるため、当該地図は、航空交通管制が航空機の交通を制御するために用いられてもよい。
【0021】
さらに、本発明の空対地通信チャネルは、例えば、操縦室の乗組員が操縦不能となる、または航空機がハイジャックされるなどの緊急時には、有資格者が航空機を地上から制御するために用いられてもよい。空対地航空機無線は、ARINCバス経由で、自動操縦(AP)、または飛行管理システム(FMS)に接続されてもよい。また、不正操作を防止する直接接続を確立するために、直接ケーブル接続を用いて配線してもよい。
【0022】
以下に、本発明の例示的な一実施形態を、図を参照してより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】例示的な実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
例示的な実施形態における航空機12は、数百名の旅客が搭乗した旅客飛行機であり、旅客は各々、例えばスマートフォンやタブレットPCによって、航空機12のアンテナ16と、地上局20のアンテナ18との間の無線データ接続14を使用している。アンテナ16、18はEバンドアンテナであり、その主放射/受信方向は電子的ビーム形成によって変化する。航空機12に搭乗している間、旅客は各々の端末で、例えばWLANによって、アンテナ16が捕らえたデータを受信できる。データ伝送14は、Eバンド、すなわち60GHzから90GHzまでの周波数範囲で実行される。
【0025】
地上局20のアンテナ18は、水平面22より上方に約30度の角度αで、データ伝送14のデータを伝送および受信する。本発明によれば、角度αは、5度より小さい角度にはなりえない。角度αが5度未満(主放射方向)のとき、地上局20のアンテナ18はデータを伝送および受信しない。電子的ビーム形成によって、航空機12が移動中、アンテナ16、18間に直接接続が存在し、維持されるように、地上のアンテナ18および飛行機のアンテナ16の主放射/受信方向は互いに自動調整される。図1では、航空機12のアンテナ16が、水平面24より下方に−20度の角度β(主放射方向)で、データ伝送14のデータを伝送している。当該角度αとβは錯角として互いに一致する。航空機12が地上局20の上空を移動する間、電子ビーム制御によって、アンテナ16、18のメインローブと指向特性の自動追跡が実行されて、直接データ接続14が維持される。
なお、本発明は、実施の態様として以下の内容を含む。
[態様1]
航空機(12)と地上局(20)との間の空対地通信用の装置であって、
前記航空機(12)と前記地上局(20)はそれぞれ、指向性の無線データ伝送(14)用のアンテナ(16、18)を備えており、
前記データ伝送(14)は60GHzから90GHzまでの周波数帯で実行され、前記地上局(20)のアンテナ(18)は、水平面(22)に対して上方向に少なくとも5度の角度αの範囲でのみ、データを伝送および受信することを特徴とする装置。
[態様2]
態様1に記載の装置において、前記地上局(20)のアンテナ(16)および前記航空機(12)のアンテナ(16)の指向特性が電子的ビーム形成によって可変であることを特徴とする装置。
[態様3]
態様1から2のいずれか一つに記載の装置において、地上の前記アンテナ(18)のメインローブは、垂直軸心を中心として自在に回動可能であり、かつ、5度の前記角度αを下回らないように水平軸心を中心として回動可能であることを特徴とする装置。
[態様4]
態様1から3のいずれか一つに記載の装置において、前記航空機(12)のアンテナ(16)のメインローブは、垂直軸心を中心として任意に回動可能であることを特徴とする装置。
[態様5]
態様1から4のいずれか一つに記載の装置において、前記航空機(12)のアンテナ(16)のメインローブは、水平面に対して−5度から−90度の角度βの範囲でのみ回動可能であることを特徴とする装置。
[態様6]
態様1から5のいずれか一つに記載の装置において、前記データ伝送(14)はEバンドでのみ実行されることを特徴とする装置。
[態様7]
態様1から6のいずれか一つに記載の装置において、前記地上局(20)のアンテナおよび前記航空機(12)のアンテナ(16)は、それぞれ、ペンシルビームとして電波を放射するように設計されていることを特徴とする装置。
[態様8]
態様1から7のいずれか一つに記載の装置において、前記地上局(20)および前記航空機(12)は、前記地上局(20)および前記航空機(12)のアンテナ(16、18)間で直接の前記データ伝送(14)を行うように設計されていることを特徴とする装置。
[態様9]
態様1から8のいずれか一つに記載の装置において、前記航空機(12)および前記地上局(20)のアンテナ(16、18)はn個のセグメントに分割されており、各セグメントは、方位角および/または仰角のそれぞれにおいて360度の1/nを占める装置。
[態様10]
態様1から9のいずれか一つに記載の装置において、前記航空機(12)が、データ記憶メモリであって、複数の前記地上局(20)の地理的位置情報を含むメモリを備えることを特徴とする装置。
[態様11]
態様1から10のいずれか一つに記載の装置において、三次元地図を作成する中央監視制御システムをさらに備え、前記三次元地図は、前記中央監視制御システムと無線で通信を行う複数の前記地上局(20)および少なくとも一機の前記航空機(12)の三次元地図である装置。
[態様12]
地上局(20)と航空機(12)との間でデータ伝送(14)を行う方法であって、
前記地上局(20)および前記航空機(12)はそれぞれ、互いに指向性の無線データ伝送を行うための無線アンテナを備えており、
前記地上局(20)は、水平面(22)に対して少なくとも5度の角度αを下回るとデータを放射せず、
前記地上局(20)および前記航空機(12)のアンテナ(16、18)間での前記データ伝送(14)を、60GHzから90GHzまでの周波数帯でのみ実行することを特徴とする方法。
[態様13]
態様12に記載の方法において、前記地上局(20)および前記航空機(12)は、それぞれ、Eバンドにおける前記データ伝送(14)のために設計されていることを特徴とする方法。
[態様14]
態様12から13のいずれか一つに記載の方法において、前記地上局(20)および/または前記航空機(12)のアンテナ(16、18)の伝送方向および受信方向は、垂直軸心を中心として任意に回動可能であることを特徴とする方法。
[態様15]
態様12から14のいずれか一つに記載の方法において、前記地上局(20)のアンテナ(18)の伝送/受信方向は、5度の前記角度αを下回らないように水平軸心を中心として回動可能であることを特徴とする方法。
[態様16]
態様12から15のいずれか一つに記載の方法において、前記航空機(12)のアンテナ(16)の伝送および受信方向は、水平面に対して−5度から−90度の角度βの範囲でのみ回動可能であることを特徴とする方法。
[態様17]
態様12から16のいずれか一つに記載の方法において、前記航空機(12)のアンテナ(16)と、前記地上局(20)のアンテナ(18)との間の前記データ伝送(14)を直接実行することを特徴とする方法。
[態様18]
態様12から17のいずれか一つに記載の方法において、前記航空機(12)は、前記地上局(20)の伝送および受信範囲から離れた後、さらなる地上局であって、その伝送および受信範囲内に前記航空機(12)が位置する更なる地上局を自動的に探してコンタクトを確立することを特徴とする方法。
[態様19]
態様12から18のいずれか一つに記載の方法において、前記航空機(12)および前記地上局(20)のアンテナ(16、18)はフェーズドアレイアンテナセグメントを備え、各フェーズドアレイアンテナセグメントは、方位角および/または仰角において360度の1/nを占める方法。
[態様20]
態様12から19のいずれか一つに記載の方法において、前記航空機(12)は、複数の前記地上局(22)の地理的位置が記憶されたデータ記憶メモリを備え、前記航空機(12)内の中央監視制御システムが、前記地上局および前記航空機の位置情報を含む地図を作成する方法。
[態様21]
態様12から20のいずれか一つに記載の方法において、中央監視制御システムが、複数の前記地上局(20)および少なくとも一機の前記航空機(16)の位置を示す三次元空域地図を算定し、前記地図に表示された航空機の航空交通を制御するために前記地図を使用する方法。
[態様22]
態様12から21のいずれか一つに記載の方法であって、前記航空機(12)を地上から遠隔制御するために使用される方法。
[態様23]
態様12から22のいずれか一つに記載の方法において、
中央監視制御システムに記憶されて頻繁に更新される前記航空機(12)および前記地上局(20)の位置データおよび軌道データを利用することによって、航空機の前記アンテナ(16)および/または地上の前記アンテナ(18)のメインローブを、航空機の前記アンテナ(16)または地上の前記アンテナ(18)のそれぞれの方向に誘導する方法。
図1