特許第6573671号(P6573671)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6573671医療廃棄物を処理するための装置およびそれらを使用する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6573671
(24)【登録日】2019年8月23日
(45)【発行日】2019年9月11日
(54)【発明の名称】医療廃棄物を処理するための装置およびそれらを使用する方法
(51)【国際特許分類】
   A61L 2/07 20060101AFI20190902BHJP
   B09B 3/00 20060101ALI20190902BHJP
   A61L 11/00 20060101ALI20190902BHJP
【FI】
   A61L2/07ZAB
   B09B3/00 303Z
   A61L11/00
【請求項の数】20
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-529588(P2017-529588)
(86)(22)【出願日】2015年8月13日
(65)【公表番号】特表2017-530835(P2017-530835A)
(43)【公表日】2017年10月19日
(86)【国際出願番号】US2015045017
(87)【国際公開番号】WO2016028593
(87)【国際公開日】20160225
【審査請求日】2018年5月31日
(31)【優先権主張番号】14/465,811
(32)【優先日】2014年8月21日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517215940
【氏名又は名称】スペクトラム・メディカル・レンディング・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー・ハミルトン・ベル
(72)【発明者】
【氏名】アンドレ・フィリップ・ノールト
(72)【発明者】
【氏名】ロバート・トッド・ウィンスコビッチ
(72)【発明者】
【氏名】ピーター・ベイツ
(72)【発明者】
【氏名】デュアン・デルフォス
(72)【発明者】
【氏名】ザカリー・トレイナ
【審査官】 菅野 芳男
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−070410(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0037763(US,A1)
【文献】 米国特許第05362443(US,A)
【文献】 特開2004−194912(JP,A)
【文献】 特開2005−131359(JP,A)
【文献】 特開2004−358036(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L 2/07
A61L 11/00
B09B 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングを備える医療廃棄物滅菌および処理装置であって、
a.前記ハウジングにおける少なくとも1つの入口と、
b.第1の密閉可能な区画室であって、
i.上蓋、
ii.中央チャンバ、ならびに
iii.高温かつ高圧の蒸気を前記第1の密閉可能な区画室に供給するための蒸気生成構成要素、および前記蒸気生成構成要素の上方に配置され、処理すべき医療廃棄物を支持する有孔台を備える下蓋を備え、
密閉されると、高温かつ高圧の蒸気を維持することができる、第1の密閉可能な区画室と、
c.前記第1の密閉可能な区画室の後に位置する粉砕構成要素と、
d.処理された廃棄物を、前記第1の密閉可能な区画室および前記粉砕構成要素から受け取り、前記廃棄物を前記ハウジングの少なくとも1つの出口から取り出すために前記廃棄物を捕捉するように構成された第2の区画室とを備える、装置。
【請求項2】
前記上蓋および前記下蓋が、前記中央チャンバに取り外し可能に取り付けられ、取り付けられると前記第1の密閉可能な区画室を密閉するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
過剰な水および蒸気を前記第1の密閉可能な区画室から除去して貯水槽に戻すように構成された水再生構成要素をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記第1の密閉可能な区画室の上方に配置され、上部分および下部分を備える搬送構成要素であって、前記下部分は、前記中央チャンバの内側に嵌合して、シザーズジャッキ、ピストンまたは膨張ブラダによって前記中央チャンバの内外に移動するように構成される、搬送構成要素をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記下蓋内の前記蒸気生成構成要素が、台、1つまたは複数の加熱要素、および前記加熱要素に水を供給するように構成された貯水槽に取り付けられた水流入口を備え、前記加熱要素は、水を加熱するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記貯水槽が、判断に応じて前記蒸気生成構成要素に水を供給するとともに、前記水再生構成要素から水を受け取るように構成される、請求項3に記載の装置。
【請求項7】
前記水再生構成要素が、前記第1の密閉可能な区画室から空気または蒸気のうちの少なくとも1つを除去するように構成された真空ポンプと、前記蒸気から粒子物質の少なくとも一部を除去するフィルタと、貯水槽と、任意選択で復水器とを備える、請求項3に記載の装置。
【請求項8】
前記装置が、壁コンセントから供給されるものなどの電気を用いて動作する、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記装置には、設置を必要とする固定取付け具がない、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記装置が携帯可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
ユーザを識別するとともに、前記医療廃棄物の処理のための処理時間、蒸気温度、および蒸気圧力、前記廃棄物の重量、ならびにその他のユーザ定義可能なデータを監視、測定
、記録および分析し、それらのデータを装置制御部およびログファイルに中継するためのプログラム可能論理システムをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記廃棄物の産出物に付された、少なくとも1つのRFID識別、バーコード、もしくは識別指標、または追跡装置をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
プログラム可能論理システムと連動して、適正な動作パラメータを保証する品質制御システムをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記廃棄物の産出物が、取り出される前に真空加熱密閉される、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
医療廃棄物を処理する方法であって、
a.請求項1に記載の装置を取得するステップと、
b.前記医療廃棄物を、前記第1の密閉可能な区画室に、流入口を介して導入するステップであって、前記廃棄物は前記有孔台の上に配置される、ステップと、
c.前記第1の密閉可能な区画室を密閉するステップと、
d.前記廃棄物の積載量全体を、110℃〜150℃の高温の蒸気および15psi〜60psiの圧力に少なくとも3分間晒すことにより、前記医療廃棄物を処理するステップと、
e.前記処理された廃棄物を粉砕または細断するステップと、
f.前記処理された廃棄物を、前記第2の区画室における収集領域へ移動させるステップと、
g.前記処理された廃棄物を前記装置から取り出すステップとを含む、方法。
【請求項16】
前記装置が、壁コンセントから供給されるものなどの電気を用いて動作する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記装置には、設置を必要とする固定取付け具がない、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
医療廃棄物を処理する方法であって、
a.請求項4に記載の装置を取得するステップと、
b.前記医療廃棄物を、前記第1の密閉可能な区画室に、流入口を介して導入するステップであって、前記廃棄物は前記有孔台の上に配置される、ステップと、
c.前記第1の密閉可能な区画室を密閉するステップと、
d.前記廃棄物の積載量全体を、110℃〜150℃の高温の蒸気および15psi〜60psiの圧力に少なくとも3分間晒すことにより、前記医療廃棄物を処理するステップと、
e.前記処理された廃棄物を、前記処理された廃棄物を粉砕または細断するための前記粉砕構成要素に移動させるステップであって、移動させる一方で、前記第1の密閉可能な区画室の上方に配置された前記搬送構成要素を作動させ、前記搬送構成要素において、前記中央チャンバに嵌合するように構成された下部分が、前記中央チャンバを下方に移動させ、前記処理された廃棄物のかなりの部分を前記粉砕構成要素へと押圧する、ステップと、
f.前記処理された廃棄物を、前記第2の区画室における収集領域へ移動させるステップと、
g.前記処理された廃棄物を前記装置から取り出すステップとを含む、方法。
【請求項19】
前記装置が、壁コンセントから供給されるものなどの電気を用いて動作する、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記装置には、設置を必要とする固定取付け具がない、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、医療廃棄物処理の分野であり、より詳細には、医療廃棄物を処理するための装置および方法の分野である。
【背景技術】
【0002】
医療廃棄物を処理するための現行の装置および方法は、廃棄物を収集すること、廃棄物を一定期間貯蔵すること、廃棄物を廃棄物処理センターへ運搬すること、および廃棄物を焼却などの方法によって処分することを含む。廃棄物の取り扱いに関する規則は、州法に従って異なる。結果として、医療廃棄物が貯蔵中に腐敗することがあり、このような廃棄物を収集、運搬、および処分する際、取り扱いが極めて危険となり得る。さらに、医療廃棄物をその発生場所から貯蔵領域へ移動させることにより、取扱者、設備および環境が汚染の危険性に晒される。
【0003】
これらの問題に対応して、医療廃棄物を、それが発生した設備において処理する装置および方法が説明されてきた。廃棄物は、収集され、場合によっては装置に入れられる前に貯蔵され、化学処理、蒸気オートクレーブ、マイクロ波加熱、およびオゾン酸化を含む複数の技法を独立して用いるかまたはまとめて用いて、本質的に滅菌される。消毒技法も、医療廃棄物を処理するために用いられる。こうして処理された廃棄物は、もはや生物学的に危険があるとは法律的に見なされないので、その後収集され、パッケージ化され、運搬され、そして処分される。これらの装置は一般的に大きく、高価であり、永久的に固定されたものである。これらの装置はまた、感染性廃棄物ばく露の科学において十分に訓練されていない可能性のある職員による医療廃棄物の発生場所からの収集、または流出もしくは他の事故の場合に必要となる緊急処置を必要とする。これらの装置の操作および維持にも、広範な訓練が必要とされる。
【0004】
これらの問題に対応して、より小型、かつ病院の床、緊急治療室、または処置室、医療廃棄物が発生する場所に置くためにより適した装置および方法が説明されてきた。医療廃棄物は、赤い袋または鋭利物容器が十分に一杯になるまで収集され、その後、処理領域に運搬され、処理されて、生物学的に無害にされる。しかしながら、これらの装置は一般的に、特別な配管および/または特別な電力接続を必要とする。これらの装置は、一旦設置されると、一般的に固定されたままであることを意図され、1つの必要領域から別の必要領域へと移動するのは非常に多大な作業を要する。したがって、発生場所において医療廃棄物を処理するための装置および方法についての現行の、満たされていないニーズは、医療環境内に容易に適合するようなサイズであること、および、通常の力の強さおよび技能の1人の人物によって容易に動かせること、ならびに、移動すべき装置が特別な設置を必要とすることがないように、自立型であることである。
【0005】
さらに、医療廃棄物を滅菌するために蒸気を用いる装置および方法の多くは、蒸気が処理区画室に最初に導入される際に発生する水に悩まされている。この問題に対処するための試みは、予熱用の、蒸気ジャケットを設けられた処理区画室を提供することであり、これにより、このような方法および装置の複雑性および費用が増す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第7,195,743号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、看護場所で医療廃棄物を処理するための、容易に移動可能な新規の自立型装置、およびそれらを使用する方法に関する。第1の実施形態では、本発明において開示および特許請求されるのは、ハウジングを備える医療廃棄物滅菌および処理装置であって、a)ハウジングにおける少なくとも1つの入口と、b)第1の密閉可能な区画室であって、上蓋、中央チャンバ、ならびに高温かつ高圧の蒸気を第1の密閉可能な区画室に供給するための蒸気生成構成要素、および蒸気生成構成要素の上方に配置され、処理すべき医療廃棄物を支持する有孔台を備える下蓋を備え、密閉されると、高温かつ高圧の蒸気を維持することができる、第1の密閉可能な区画室と、c)第1の密閉可能な区画室の後に位置する粉砕構成要素と、d)処理された廃棄物を、第1の密閉可能な区画室および粉砕構成要素から受け取り、廃棄物をハウジングの少なくとも1つの出口から取り出すために廃棄物を捕捉するように構成された第2の区画室とを備える、装置である。
【0008】
第2の実施形態では、本明細書において開示および特許請求されるのは、上記の実施形態の装置であって、過剰な水および蒸気を第1の密閉可能な区画室から除去して貯水槽に戻すように構成された水再生構成要素をさらに備える、装置である。
【0009】
第3の実施形態では、本発明において開示および特許請求されるのは、上記の実施形態の装置であって、上蓋および下蓋が、中央チャンバに取り外し可能に取り付けられ、取り付けられると第1の密閉可能な区画室を密閉するように構成される、装置である。
【0010】
第4の実施形態では、本発明において開示および特許請求されるのは、上記の実施形態の装置であって、第1の密閉可能な区画室の上方に配置され、上部分および下部分を備える要素であって、下部分は、中央チャンバの内側に嵌合して、シザーズジャッキ、ピストンまたは膨張ブラダによって中央チャンバの内外に移動するように構成される、要素をさらに備える、装置である。
【0011】
第5の実施形態では、本発明において開示および特許請求されるのは、上記の実施形態の装置であって、下蓋内の蒸気生成構成要素が、台、1つまたは複数の加熱要素、および加熱要素に水を供給するように構成された貯水槽に取り付けられた水流入口を備え、加熱要素は、水を加熱するように構成される、装置である。第6の実施形態では、本発明において開示および特許請求されるのは、上記の実施形態の装置であって、貯水槽が、判断に応じて蒸気生成構成要素に水を供給するとともに、水再生構成要素から水を受け取るように構成される、装置である。
【0012】
第7の実施形態では、本発明において開示および特許請求されるのは、上記の実施形態の装置であって、水再生構成要素が、第1の密閉可能な区画室から空気または蒸気のうちの少なくとも1つを除去するように構成された真空ポンプと、蒸気から粒子物質の少なくとも一部を除去するフィルタと、貯水槽と、任意選択の復水器とを備える、装置である。
【0013】
第8の実施形態では、本発明において開示および特許請求されるのは、上記の実施形態の装置であって、携帯可能であり、壁コンセントから供給されるものなどの電気を用いて動作し、設置を必要とする固定取付け具を有さず、さらに、ユーザを識別するとともに、医療廃棄物の処理のための処理時間、蒸気温度、および蒸気圧力、廃棄物の重量、ならびにその他のユーザ定義可能なデータを監視、測定、記録および分析し、それらのデータを装置制御部およびログファイルに中継するためのプログラム可能論理システムを備える、装置である。
【0014】
第9の実施形態では、本発明において開示および特許請求されるのは、上記の実施形態の装置であって、廃棄物の産出物に付された、少なくとも1つのRFID識別、バーコード、もしくは識別指標、または追跡装置、および/あるいは、プログラム可能論理システムと連動して、適正な動作パラメータを保証する品質制御システムをさらに備える、装置である。
【0015】
第10の実施形態では、本明細書において開示および特許請求されるのは、上記の実施形態の装置を用いる方法であって、a)医療廃棄物を、第1の密閉可能な区画室に、流入口を介して導入するステップであって、廃棄物は台の上に配置される、ステップと、b)第1の密閉可能な区画室を密閉するステップと、c)医療廃棄物の積載量全体を、約110℃〜約150℃の高温の蒸気および約15psi〜約60psiの圧力に少なくとも約3分間晒すことにより、医療廃棄物を処理するステップと、d)処理された廃棄物を、処理された廃棄物を粉砕または細断するための粉砕構成要素に移動させるステップと、e)処理された廃棄物を、第2の区画室における収集領域へ移動させるステップと、f)処理された廃棄物を装置から取り出すステップとを含む、方法である。
【0016】
第11の実施形態では、本明細書において開示および特許請求されるのは、上記の実施形態の装置を用いる方法であって、適切な場合には、a)医療廃棄物を、第1の密閉可能な区画室に、流入口を介して導入するステップであって、廃棄物は台の上に配置される、ステップと、b)第1の密閉可能な区画室を密閉するステップと、c)医療廃棄物の積載量全体を、約110℃〜約150℃の高温の蒸気および15psi〜約60psiの圧力に少なくとも約3分間晒すことにより、医療廃棄物を処理するステップと、d)処理された廃棄物を、処理された廃棄物を粉砕または細断するための粉砕構成要素に移動させるステップであって、移動させる一方で、第1の密閉可能な区画室の上方に配置された搬送構成要素を作動させ、搬送構成要素において、中央チャンバに嵌合するように構成された下部分が、中央チャンバを下方に移動させ、処理された廃棄物のかなりの部分を細断構成要素または粉砕構成要素内へと押圧する、ステップと、e)処理された廃棄物を、第2の区画室における収集領域へ移動させるステップと、f)処理された廃棄物を装置から取り出すステップとを含む、方法である。
【0017】
第12の実施形態では、本明細書において開示および特許請求されるのは、上記の実施形態の方法であって、装置が、壁コンセントから供給されるものなどの電気を用いて動作し、設置を必要とする固定取付け具を有さず、かつ/または携帯可能である、方法である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本明細書において開示および特許請求される、医療廃棄物処理用の装置の一実施形態の図形記述である。
図2】装置の1つの構成要素である下蓋の、より詳細な図形記述である。
図3】本明細書において開示および特許請求される方法の一実施形態のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本明細書において用いられる場合、別段の指示がない限り、接続詞「および」は、両立的であることが意図されており、接続詞「または」は、排他的であることが意図されている。例えば、「または代替的には」という語句は、排他的であることが意図されている。
【0020】
本明細書において用いられる場合、「滅菌」という用語は、細菌、有毒物質、バクテリア、ウイルスなどの感染性物質を除去または許容可能なレベルまで減少させるプロセス、または血液およびその他の体液などの潜在的に感染性を有する物質を無害にするプロセスを意味する。
【0021】
本明細書において用いられる場合、「設置」という用語は、装置を所定位置に配置すること、および接続することを必要とする、永久的または半永久的な固定を意味する。この用語は、単に電気コードのプラグを電気コンセントに抜き差しすることを意味しない。
【0022】
本明細書において用いられる場合、「医療廃棄物」という用語は、規制された医療廃棄物、生物学的に有害な廃棄物、および潜在的に感染性を有する廃棄物を意味する。これは、病理学的廃棄物、または化学療法廃棄物、化学廃棄物、もしくは有害廃棄物には関連しない。
【0023】
本明細書において用いられる場合、「蓋」という用語は、構造物の上または下のいずれかに配置された取り外し可能なカバーを意味する。
【0024】
本開示は、人および動物の糞尿、ならびに研究所または生物学的活性物質についての研究が行われる領域において見られる他の生物学的物質を含む、滅菌されて無害にされる必要のあるすべての医療廃棄物に向けて意図されている。
【0025】
本明細書において用いられる場合、「粉砕機」「細断機」、「粉砕」および「細断」という用語は、医療廃棄物を、カット、スライス、チョップ、微粉化などの行為を通して認識できない形態に変換する装置およびプロセスを意味し、互換可能に用いられる。
【0026】
本明細書において開示および特許請求されるのは、ハウジング、蓋、区画室、粉砕機、台、および他の構成要素を有する、医療廃棄物を滅菌および処理する装置である。それらは、当該技術分野において既知の、例えば耐衝撃性ポリスチレンなどの耐衝撃性プラスチック、または例えば複数の種類のステンレス鋼もしくはアルミニウムのうちのいずれかなどの金属などの任意の構造材料製であってよい。材料は、容易に洗浄可能であり、滅菌すべき物質の成長または生存を助長しないものである。
【0027】
ハウジングには、処理のための物質を装置に入れることを可能にするための入口が装着される。入口は引き戸、蓋、またはその他のカバーされた開口であってよく、ロック、物質が装置に加えられた際に測定を行うためのロギング装置、または入口を固定するための他の機構が設けられてもよい。入口は、便利な動作を提供するために、装置の上、側部または他の領域に位置してもよい。
【0028】
装置は、第1の密閉可能な区画室を含み、この区画室に入口が対応付けられ、これにより処理すべき廃棄物質が第1の区画室に入れられる。区画室は、装置の動作温度および動作圧力に耐えることができる任意の構造材料から構築されてよい。いくつかの実施形態では、廃棄物質は、このような廃棄物を保持するために特別に設計された、赤い袋と呼ばれることもある袋の中に入っている。この廃棄物袋が入れられると、廃棄物を受け入れるために下蓋が閉じられ、その後、上蓋が閉じられ、両方の蓋が固定され、第1の区画室が密閉される。これらの蓋は、ガスケット、ロック、および当該技術分野において周知の高圧密閉用の装置といった典型的な構成要素を用いる。これにより、高温の蒸気が導入された場合、滅菌動作中に、蒸気が区画室内に閉じ込められる。区画室には、滅菌プロセスの時刻、温度および継続時間を判定するためのセンサも装着され、このセンサはプログラム可能論理システムと連動してもよい。
【0029】
いくつかの実施形態では、上蓋は水平方向に摺動して開閉し、第1の区画室へのアクセスを可能にする。
【0030】
下蓋は、蓋の上部分として有孔台を有し、この有孔台は、下蓋の下部分に位置する蒸気生成構成要素の上方に配置される。有孔台は、処理すべき医療廃棄物を支持する。有孔台は、丸穴、角穴、細長い穴などを有するスクリーン、有孔金属、有孔プラスチックなどであってよい。台は、廃棄物、廃棄物を含む袋または組み合わせ、廃棄物保持部などを保持するための構造的完全性を提供し、蒸気が流れることを可能にする。
【0031】
有孔台の下方には、加熱板および加熱要素を有する蒸気生成構成要素がある。加熱板および加熱要素は、下蓋の加熱板に水が導入され、加熱要素が作動されると、蒸気を発生させることができる。場合によっては、蒸気生成の前に、第1の区画室から空気が大幅に排気される。蒸気が生成されると、蒸気は有孔台の孔を通って流れ、台の上に支持された廃棄物に浸透する。典型的な装置では、蒸気がまず第1の区画室に導入されると、第1の区画室がまず冷却され、これにより導入された蒸気が区画室の壁において液化されて、区画室の下部に、かつ処理すべき廃棄物の中および上に集まる。その後蒸気は、廃棄物を適正に滅菌するために、区画室の温度を上げるだけでなく、液化した水を、蒸気になるまで加熱しなければならない。これらのプロセスは、特定の量の廃棄物を滅菌するために通常必要とされる蒸気よりもはるかに大量の蒸気を必要とする。いくつかの装置は、区画室が、蒸気ジャケットを有することを必要とすることにより、この問題に対処する。この場合、蒸気が区画室の内壁を加熱し、これにより、区画室に導入される蒸気が液化しにくくなる。これもやはり、実現するには大量の蒸気を必要とする。一般的に、永久的に設置される廃棄物処理装置は、一連の高圧蒸気パイプを介して装置に接続される大型の専用蒸気生成器に接続されることがある。蒸気液化に対処した他の装置は、第1の区画室の壁を電気的に加熱することを必要とする。装置の大きさにもよるが、これは複雑な区画室構成を必要とするとともにエネルギー使用量が多くなり、一般的には費用のかかる解決策である。本開示は、液化した水を下蓋の加熱板に収集することにより、液化に対処する。蒸気が壁において液化して加熱板に集まると、加熱板は集まった水を再加熱して再び蒸気にし、この蒸気は区画室に再循環されて滅菌を続け、より効率的なエネルギー利用および資源利用を可能にする。このように、区画室に入った蒸気は、廃棄物を滅菌するために連続的に使用される。
【0032】
まず、水が水再生システムの貯水槽から加熱板に導入される。
【0033】
滅菌の後、第1の密閉可能な区画室は減圧され、蒸気は濾過システムを通って方向付けられ、液化されて貯水槽に戻される。加熱板に残留した水は排水され、濾過システムを通って貯水槽に戻される。貯水槽は流入口に接続されており、この流入口は、水が補充を必要とする低レベルに達すると、処理された廃棄物から除去された水を入れ替えるために用いられる。用いられる濾過システムは、気体または液体を濾過するための産業において周知のように、バイオフィルタ、チャコールフィルタ、粒子フィルタなどである。
【0034】
滅菌ならびに残留蒸気および水の除去後、下蓋は横方向に摺動し、処理された廃棄物または廃棄物袋が、第1の密閉可能な区画室の下方に配置された粉砕機に落とされる。
【0035】
台は、廃棄物を粉砕機内に落とすことを可能にするために、枢動してもよく、または台は、廃棄物を台から粉砕機内にこすり落とすスクレーパを用いてもしくは用いずに、廃棄物を区画室からすべり落としてもよい。台はまた、廃棄物が粉砕機へと進むことを可能にするために、壁の片側に取り付けられて、傾いてもよい。
【0036】
処理された廃棄物は典型的には粉砕機に重力送りされるため、いくらかの処理された廃棄物は、粉砕機内に落ちるほど十分に重くないことがある。本開示の装置は、処理された廃棄物が粉砕機へと進むのを支援する構成要素をさらに有してもよい。この構成要素は、第1の密閉可能な区画室の上蓋の上方に配置され、上部分、下部分、およびこれらの部分の間の押圧機構を備える。下部分は、第1の区画室の中央チャンバに嵌合するように構成され、チャンバを可動式に密閉可能であってよい。押圧機構は、シザーズジャッキ、膨張可能ブラダ、ピストン、または、中央チャンバを介して下部分を押圧し、処理された廃棄物を粉砕機へ搬送するのを支援することができる他の装置であってよい。
【0037】
本開示は、処理された廃棄物を小さく、認識できない小片へと粉砕し、かつ、第1の密閉可能な区画室の後に配置される粉砕機および/または細断機を有する。粉砕機には、回転カッターのクラスタを駆動する遊星ギアボックスが組み込まれてもよい。粉砕機構は2段階のプロセスであってよく、このプロセスでは、カット機構が、螺旋状の切れ刃を有する螺旋状の設計を採用する。粉砕機は、シャフトの長さに沿った複数のカッターブレードまたはブレードナイフを有する一対の二重反転シャフト、およびブレードナイフが回転する格子板を含む、任意の数の構成を採用してもよく、用いられる粉砕機もしくは細断機の種類またはタイプに限定されない。本開示の装置に適した粉砕機および細断機は、医療廃棄物を認識できない形態に粉砕するための技術分野において周知のもの、例えば、医療廃棄物の粉砕および細断のために開示されたものに限り参照により本明細書に援用される、Butlerの米国特許第7,195,743号において開示されるものを含む。
【0038】
本開示の装置の蒸気生成構成要素は、第1の密閉可能な区画室の下蓋に含まれ、動作中に、密閉可能な区画室に蒸気を提供するように構成される。蒸気生成構成要素は、壁コンセントから供給される電力により加熱される加熱台および加熱要素を有し、生成された蒸気は、有孔台の孔を通って、第1の密閉可能な区画室へと導かれる。蒸気生成構成要素は、蒸気生成器に水を供給し、水再生システムから水を受け取るように構成された貯水槽も有する。本開示のいくつかの実施形態では、水を外部から蒸気生成構成要素に供給するために、装置に接続された水供給管があることがあり、このような管および接続は、携帯性が望ましい場合に、設置および撤去を必要とする。他の実施形態では、本明細書において特許請求される装置はいかなる水供給線も有さず、完全に自立型であってよい。設置および撤去の必要性をなくすことにより、開示される装置の可動性の自由度が向上する。これは他の廃棄物処理装置では得られないことである。貯水槽は、貯水槽の流入口を開けて、所望のレベルまで補充することにより、定期的に補充されてよい。所望のレベルは、処理される医療廃棄物の量、処理された物質からの過剰な水の再循環の効率、およびパッケージ化された物質に含まれる許容可能な水の量によって決定される。
【0039】
水再生システムは、第1の密閉可能な区画室と貯水槽との間に配置されてよい。さらなるプロセスの前に、過剰な水分が、第1の密閉可能な区画室から実質的に除去されるように構成される。第1の区画室は、電力を用いて加熱されて、過剰な水分を蒸発させてよく、この水分は、収集および貯水槽への返還のために復水器へと導かれる。区画室から水分を排出すること、および/または、貯水槽から誘導され、貯水槽に戻される水によって冷却される、例えば復水器などの水再生構成要素に水を誘導することを支援するために、ファンおよび真空を用いてもよい。水再生システムは、水が貯水槽に入る前の段階に位置する浄化構成要素、例えばHEPAフィルタ、活性炭素フィルタなどをさらに有してもよい。付加的な予備措置として、ボイラに戻る水が高度に浄化されていることを確実にするために、例えばUVC光放射および/またはオゾンによる処理などの他の構成要素が存在してもよい。
【0040】
このように、蒸気生成構成要素は、蒸気を作るために連続的に水を供給される。廃棄物の滅菌用の蒸気の温度は、約110℃〜約150℃であり、圧力は約15psi〜約60psiである。処理すべき廃棄物の量および地域の法令要件にもよるが、処理時間は、廃棄積載物が132℃に達した場合、最短でも3分であり、121℃においては最短でも15分であってよい。
【0041】
装置はまた、第1の密閉可能な区画室に位置する、廃棄物の体積を縮小するための圧縮機を含んでもよい。圧縮機は、ピストン、ヒンジ板、または空気力学的、水力学的もしくは他の形態の力によって駆動される他の圧縮装置によって駆動されてよい。
【0042】
本開示の装置はまた、処理され粉砕された廃棄物を粉砕機から受け取る第2の区画室を含んでもよい。処理された廃棄物は、重力送り、または上述の、処理された廃棄物の粉砕機への搬送を支援するために設計された構成要素を含む複数の方法によって、第2の区画室に移動されてよい。
【0043】
第2の区画室は、処理された廃棄物をパッケージ化するように、さらに構成されてよい。処理された廃棄物が粉砕機から移動されると、それを受け入れる袋詰めシステムが提供されてもよい。袋は、システムの加熱プロセスに耐えるように設計され、例えば、高密度ポリエチレン、高密度ポリプロピレンまたは他のポリオレフィン、ポリスチレン、PETなどである。廃棄物が袋に入れられると、袋は任意選択で密閉、加熱密閉、または当該技術分野において周知の任意の様式で閉じられてよい。任意選択で、袋を密閉する前に、実質的にすべての空気が、真空ポンプを用いて袋から除去されてもよい。袋は、例えば廃棄物生産者、廃棄物の量、処理のレベル、発生場所、廃棄物のタイプなどの任意の数の所望の情報を付されて、袋の一意的な識別を可能にするRFIDタグを有してもよい。代替的に、袋は、袋を一意的に識別するように設計された他の指標を有してもよい。タグは、タグにおいて必要とされる所望の情報に応じて、袋に備え付けられてもよく、または、プロセス中に袋に付けられてもよい。パッケージ化された廃棄物は、所望に応じて装置の前、横または後ろに配置された出口から、取り除くことができる。
【0044】
第2の区画室、ひいては廃棄物袋は、水再生システムに接続されてよく、これにより、過剰な水分をプロセスの任意の段階で再生することができる。
【0045】
本開示のいくつかの実施形態では、装置は、壁コンセントから得られるものなどの電力で稼働し得る。例えば、北アメリカ、南アメリカ北部および日本では、電力は典型的には100V〜127Vまたは220V、50Hz〜60Hzで壁コンセントに供給される。その他の世界の大部分では、電力は200V〜240V、50Hz〜60Hzで各壁コンセントに供給される。本発明の装置は、壁に差し込まれ、容易に取り外される典型的なプラグおよびコードを用いてよい。したがって、特別な配線設計も、永久的または半永久的な設置も必要ない。他の実施形態では、装置は電源に有線接続されてもよい。
【0046】
法令によっては、廃棄物を蒸気処理する際に、より長い処理時間またはより高い蒸気温度のいずれかまたは両方が必要とされる。適正な処理を提供するために、本開示の装置には、少なくとも1つのプログラム可能論理システムが設けられる。この論理システムに、例えば蒸気温度、蒸気圧力、医療廃棄物の蒸気に対する露出時間、粉砕機/細断機のパラメータ、発生場所を含む廃棄物の一意的な識別子などを含む、必要とされるパラメータが入力されてよい。プログラム可能論理システムは、さらなる参照のためのプロセス情報も記録してよい。例えばRFIDタグ、バーコード、英数字的指標、または他の識別指標などの一意的な識別子が作成され、処理された廃棄物の産出物に付されてよい。
【0047】
放射線検知装置も、装置に含まれてよい。廃棄物処理法令は、放射性廃棄物を他の医療廃棄物とは異なるように処理することを求める。例えば、地域要件のレベルで処理される医療廃棄物は、埋立地に処分してもよいが、何らかの放射性廃棄物を含む廃棄物は、このような処分が禁止されている。したがって、装置を用いて、放射性廃棄物が「通常の」医療廃棄物と混ざるのを防止することができる。
【0048】
開示された装置の他のいくつかの実施形態では、装置は可動性を持つように構成される。上述のように、装置は自立型であり、外部接続を有しないものであってよい。装置に供給される電力は、壁コンセントに差し込まれるプラグを介する。車輪、キャスターなどの車輪構成要素が装置の下部に配置され、これにより装置を所望に応じて部屋から部屋へ、または領域から領域へ移動させることができる。車輪構成要素はブレーキレバーを含んでよく、このブレーキレバーは、レバーが後ろに跳ね上げられて車輪構成要素を解放し、装置の移動を可能にするまで、車輪構成要素の移動を防止する。これらの実施形態における装置は、平均的な力の強さおよび技能の1人の人物だけで装置を移動させることができるように設計される。したがって、装置の重さおよび寸法は、1人の平均的な人物による装置の移動が可能な重さおよび寸法未満である。
【0049】
本開示の装置はまた、装置が動作中に必要な医療廃棄物の滅菌を提供するように、装置をチェックして較正し、装置の各種の構成要素、区画室、およびシステムが適正な動作状態であること確実にする品質制御システムを有してもよい。プログラム可能論理装置は、各種の構成要素、区画室およびシステムに信号を送り、動作のフィードバックを提供することができる。論理装置はその後、操作者に、装置が適正に稼働しているという信号、または、装置に問題が存在するか否か、およびその場所を示す信号を送ることができる。
【0050】
上述の実施形態のいずれかにおいて開示された装置を用いて医療廃棄物を処理する方法が本明細書において開示され、特許請求される。方法は、こうした目的用に設計された「赤い袋」などの医療廃棄物処理袋に入れられていてもいなくてもよい医療廃棄物を、装置の第1の密閉可能な区画室に、入口を介して導入するステップと、下蓋に含まれる有孔台上で廃棄物を支持するステップと、所望の長さの時間にわたって、所望の蒸気温度および圧力において、下蓋に含まれる蒸気生成構成要素からの高温の蒸気および圧力に廃棄物を晒すことにより、医療廃棄物を処理するステップであって、これらのパラメータは、少なくとも1つのプログラム可能論理システムを用いて、装置に事前にプログラムされていてよい、ステップとを含む。第1の密閉可能な区画室は排水されてよく、かなりの量の水分を除去し、水分を液化することによって捕捉し、それを蒸気生成構成要素に戻し、任意選択で廃棄物を圧縮する。水分は1つまたは複数の濾過構成要素を通って進んでもよい。下蓋はその後、廃棄物が次のステップに進むように後退する。上蓋はその後、水平方向に摺動し、それにより第1の密閉可能な区画室の上方に位置する構成要素が作動して、その構成要素の下部分を、中央チャンバを介して押圧し、処理された廃棄物の次のステップへの搬送を支援することが可能になる。
【0051】
処理された医療廃棄物はその後、1つまたは複数の粉砕機/細断機を通り、第2の区画室へと導かれる。第2の区画室には袋が装着され、この袋の中に、処理され粉砕された廃棄物が収集される。その後、任意選択で、空気が袋から実質的に除去されてよく、袋は密閉されて、装置から除去されてよい。袋は、固形廃棄物取扱者による回収のために、RFIDタグまたは他の指標を用いて追跡され、通常の固形廃棄物として回収され得る。
【0052】
開示される方法は、プログラム可能論理システムを用いて、必要な動作パラメータを装置にプログラムするステップを含んでもよい。これらの方法はまた、医療廃棄物を処理した後に、洗浄するステップを含んでもよく、このステップにおいて、第1の密閉可能な区画室が、蒸気生成構成要素から得られる高温の蒸気によって処理される。方法はまた、論理システムが一連のチェックを実行して、プログラムされたパラメータと比較して装置が適正に動作していることを確実にする、品質制御ステップを含んでもよい。
【0053】
装置を移動させる必要がある場合、電気コードが壁から取り外され、人物が車輪を押して、装置を別の領域に移動させ、電気コードをその領域のコンセントに再び差し込む。
【0054】
図面を参照すると、図1は、本開示の一実施形態の図形記述を示す。装置は、ハウジング1と、第1の密閉可能な区画室10と、搬送構成要素12と、上蓋14と、下蓋90とを有し、下蓋のより詳細な切取図を図2に示す。流入口15により、医療廃棄物を区画室10に導入することが可能になる。図示する装置は、電気コード16を用いて電気壁コンセントから得られる電気で稼働する。水流出口18を有する貯水槽22が、下蓋90内の蒸気生成構成要素に水を供給する。排出ポンプ36が、第1の密閉可能な区画室10に接続され、空気および/または過剰な水分をチャンバから排出し、濾過機構32を介して貯水槽22に戻す。水補充流入口31が貯水槽に接続され、必要に応じて外部から水を供給する。1つまたは複数の粉砕/細断装置42が、第1の区画室10と第2の区画室44との間に提供される。廃棄物が袋の中に収集された後、袋は出口46を介して取り出される。装置は携帯可能かつ可動性であってよく、この場合、医療グレードのキャスター48が用いられる。搬送構成要素12は、上部分24、下部分26、および下部分をチャンバの内外に移動させる手段28とともに示される。図2は、下蓋90の切取図の図形記述を示す。処理すべき医療廃棄物を含む袋100が、有孔台110の上に配置される。加熱要素130の上方に位置する加熱板120上に、水(図示せず)が入る。水は加熱板上に集まるかまたは入れられ、加熱要素により蒸気に転換される。蒸気は有孔台の孔を通って流れ、袋に入れられた廃棄物を滅菌する。
【0055】
図3は、本明細書において特許請求および説明されるプロセスフローの一実施形態を示す。
【符号の説明】
【0056】
1 ハウジング
10 第1の密閉可能な区画室
12 搬送構成要素
14 上蓋
15 流入口
16 電気コード
18 水流出口
22 貯水槽
24 上部分
26 下部分
28 下部分をチャンバの内外に移動させる手段
31 水補充流入口
32 濾過機構
36 排出ポンプ
42 粉砕/細断装置
44 第2の区画室
46 出口
90 下蓋
100 袋
110 有孔台
120 加熱板
130 加熱要素
図1
図2
図3