特許第6573681号(P6573681)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6573681車用窓のためのランシール、及びシール内で窓を案内するための手段とドアフレームの要素とを組み込んだシールモジュール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6573681
(24)【登録日】2019年8月23日
(45)【発行日】2019年9月11日
(54)【発明の名称】車用窓のためのランシール、及びシール内で窓を案内するための手段とドアフレームの要素とを組み込んだシールモジュール
(51)【国際特許分類】
   B60J 10/76 20160101AFI20190902BHJP
   B60J 10/27 20160101ALI20190902BHJP
   B60J 10/79 20160101ALI20190902BHJP
【FI】
   B60J10/76
   B60J10/27
   B60J10/79
【請求項の数】14
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-555811(P2017-555811)
(86)(22)【出願日】2015年4月28日
(65)【公表番号】特表2018-518406(P2018-518406A)
(43)【公表日】2018年7月12日
(86)【国際出願番号】FR2015051147
(87)【国際公開番号】WO2016174315
(87)【国際公開日】20161103
【審査請求日】2018年4月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】596090720
【氏名又は名称】ハチンソン
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブロッティオ、オリビエ
【審査官】 宮地 将斗
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭58−004079(JP,A)
【文献】 特開2006−056472(JP,A)
【文献】 特開平09−052523(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60J 10/76
B60J 10/27
B60J 10/79
B60J 1/17
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車側部ドア(P、P’)の摺動窓(V)を受けるのに適したエラストマーランシール(1、1’)であって、
前記窓は、該窓に隣接するドアのフレーム(2)の鉛直縁部要素(2A、2a)の外面と横方向に面一に取り付けられ、前記鉛直縁部要素(2A、2a)は、前記フレームの直立部(2A)と、前記フレームを備えた鉛直外側トリム(2a)との中から選択され、前記シールは、少なくとも1つの上昇ストランド(1b、1b’)と、上部ストランド(1a、1a’)とを有し、前記少なくとも1つの上昇ストランドは、前記鉛直要素及び前記窓と接触して封止可能に取り付けることができる軸方向外側枝部(12)と、前記フレームに取り付けることができる軸方向内側枝部(11、11’)と、前記軸方向外側枝部を前記軸方向内側枝部に接続する接続枝部(13)とを単一部品内に有し、前記シールは、前記窓の内面(Vi)に固定される前記窓を案内するための手段(10)を鉛直摺動によって受け入れることができる溝(12a)を含む、エラストマーランシール(1、1’)において、
前記溝は、前記軸方向外側枝部上に形成され、また同時に、前記鉛直縁部要素の真向かいに見出されるのに適していること
前記軸方向外側枝部(12)は、前記溝(12a)を過ぎたところに、前記窓(V)の鉛直縁部(V1)に対して封止接触して取り付けることができる可撓性外側端部領域(12d)を含み、それにより前記可撓性外側端部領域は、前記窓と前記鉛直要素(2A、2a)との間の取り付け遊び又は間隙を隠すこと、及び
前記溝(12a)は、前記接続枝部(13)と、前記軸方向外側枝部(12)によって構成される、前記可撓性外側端部領域(12d)の下に位置する剛性のある支持領域(12b)との間で、少なくとも1つの剛性のあるエラストマー材料から形成されて実質的に軸方向に延在し、前記剛性のある支持領域は、軸方向内側へ突出し、かつ前記案内手段(10)の軸方向外面(10e)上に封止可能に押圧できること
を特徴とする、エラストマーランシール(1、1’)。
【請求項2】
前記可撓性外側端部領域(12d)は、外側シールリップを形成することにより前記剛性のある支持領域(12b)を延長し、前記外側シールリップは、
軸方向外側を向いた、前記鉛直要素(2A、2a)の鉛直縁部(2A”、2a”)と接触して封止可能に取り付けることができる第1部分(12e)と、
軸方向内側を向いた、前記窓(V)の前記鉛直縁部(V1)と接触して封止可能に取り付けることができる第2端部(12f)と
を含むことを特徴とする請求項に記載のランシール(1、1’)。
【請求項3】
前記可撓性外側端部領域(12d)は、前記窓(V)の外面(Ve)と接触して取り付けることができないことを特徴とする請求項に記載のランシール(1、1’)。
【請求項4】
前記剛性のある支持領域は、軸方向梁部(12b)を含み、前記軸方向梁部(12b)は、これもまた軸方向である前記接続枝部(13)と共に、前記溝(12a)の縁部を形成し、前記溝(12a)は、前記案内手段(10)の端部フック(10a)を摺動するように受け入れることができ、かつ任意で耐摩耗コーティング(G)によって覆われた底部(12c)を含むことを特徴とする請求項に記載のランシール(1、1’)。
【請求項5】
前記軸方向外側枝部(12)は、前記案内手段(10)と前記自動車の長手方向(X)にオフセットするように協働し、それにより前記自動車の軸方向(Y)及び前記長手方向における前記窓(V)の摺動を同時に案内することができることを特徴とする請求項1に記載のランシール(1、1’)。
【請求項6】
前記シールは、全体的に非対称なU字形状を有し、前記軸方向内側枝部(11、11’)は、前記案内手段(10)から離れた前記窓(V)の前記内面(Vi)に封止可能に取り付けることができる可撓性内側端部領域(11f)で終端を迎え、前記内側端部領域(11f)は、前記案内手段が存在するにもかかわらず前記窓の前記内面上に連続的に封止接触して、前記少なくとも1つの上昇ストランド(1b、1b’)を前記上部ストランド(1a、1a’)に接続することを特徴とする請求項1に記載のランシール(1、1’)。
【請求項7】
前記可撓性内側端部領域は、前記ドア(P、P’)の前記フレーム(2)に取り付けることができる前記軸方向内側枝部(11、11’)の部分(11g、11g’)から、前記接続枝部(13)の方に斜めに延びる内側シールリップ(11f)を含み、前記部分は、例えば、前記ドアフレームの内側トリム(2c)に取り付けられるように意図された凹部(11g)を含み、又は前記フレームに対して直接湾曲されていることを特徴とする請求項に記載のランシール(1、1’)。
【請求項8】
自動車の側部ドア(P、P’)用のシールモジュール(M、M’)であって、
ランシール(1、1’)と、
前記シール内を摺動するように取り付けられた前記ドアの窓(V)と、
前記窓の少なくとも1つの鉛直縁部の近くの前記窓の内面(Vi)に固定される前記窓の案内手段(10)であって、前記案内手段(10)は、前記窓を前記シール内に形成された溝(12a)内で直接長手方向にオフセットする態様で摺動するように案内することができ、それによって前記窓は、前記窓に隣接する前記ドアのフレーム(2)の鉛直縁部要素(2A、2a)の外面と横方向に面一に取り付けることができ、前記鉛直縁部要素(2A、2a)は、前記フレームの直立部(2A)と、前記フレームを備えた鉛直外側トリム(2a)との中から選択される、案内手段(10)と
を含むシールモジュール(M、M’)において、
前記シールは、請求項1に規定されたものであることを特徴とするシールモジュール(M、M’)。
【請求項9】
前記案内手段(10)は、前記少なくとも1つの鉛直縁部の少なくとも1つの上部領域にわたって前記窓(V)の前記内面(Vi)から連続的又は不連続的に延びる少なくとも1つのスライドによって形成され、前記窓は、有利には前記少なくとも1つのスライドによって覆われていない鉛直縁部(V1)を含み、前記シール(1、1’)の前記軸方向外側枝部(12)は、前記鉛直縁部(V1)に対して封止可能に当てられることを特徴とする請求項に記載のシールモジュール(M、M’)。
【請求項10】
前記少なくとも1つのスライド(10)は、軸方向外側に湾曲したフック(10a)であって、少なくとも1つの剛性のあるエラストマー材料でできた前記溝(12a)内を摺動するフック(10a)で終端を迎え、それによって前記窓(V)の動作の振幅が、車の軸方向(Y)及び長手方向(X)において同時に、前記溝内の前記フックの摺動によって制御されることを特徴とする請求項に記載のシールモジュール(M、M’)。
【請求項11】
前記少なくとも1つのスライド(10)は、軸方向内側に延びる、前記少なくとも1つの鉛直縁部の下で窓(V)の前記内面(Vi)に固定されたベース(10b)を含み、前記ベース(10b)は、前記少なくとも1つの鉛直縁部を過ぎて実質的に軸方向に延びる脚部(10c)であって、前記フック(10a)で終端を迎える脚部(10c)によって延長されることを特徴とする請求項10に記載のモジュール(M、M’)。
【請求項12】
前記モジュールは、前記鉛直要素(2A、2a)を更に含み、前記フック(10a)と前記溝(12a)とは、前記前記鉛直要素(2A、2a)の真向かいで摺動することによって協働し、可撓性外側端部領域(12d)が、前記シール(1、1’)の前記軸方向外側枝部(12)によって構成され、前記鉛直要素の鉛直縁部(2A’、2a’)と前記窓(V)の前記鉛直縁部(V1)との両方に対して押圧された前記可撓性外側端部領域(12d)は、前記窓と前記鉛直要素との間の取り付け遊び又は間隙を隠すことを特徴とする請求項10に記載のシールモジュール(M、M’)。
【請求項13】
前記フック(10a)を組み込んだ前記少なくとも1つのスライド(10)は、前記少なくとも1つの鉛直縁部の実質的に全高にわたって延びていることを特徴とする請求項10に記載のシールモジュール(M、M’)。
【請求項14】
前記シール(1、1’)の前記軸方向内側枝部(11、11’)は、前記案内手段(10)から離れた前記窓(V)の前記内面(Vi)に封止可能に取り付けられる可撓性内側端部領域(11f)で終端を迎え、前記可撓性内側端部領域(11f)は、前記窓の前記内面にわたって連続的に封止接触して前記少なくとも1つの上昇ストランド(1b、1b’)を前記上部ストランド(1a、1a’)に接続することを特徴とする請求項に記載のシールモジュール(M、M’)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、前部又は後部の自動車の側部ドアの摺動(スライド)する窓を受けるのに適したエラストマーランシールに関し、またこのシールと、シール内で摺動するように取り付けられた前記窓と、窓の内面に固定され、シール内に形成された溝内で直接オフセットされて摺動するようにそれを案内することができる窓の案内手段とを含む側部ドア用のシールモジュールに関する。本発明は、フレームの直立部と、フレーム上に提供された鉛直外側トリム(例えば、車の中央ピラー)との中から選択された窓に隣接するドアのフレームの鉛直縁部要素の外面と横方向に面一のそのような窓の案内に適用される(前記鉛直要素に対する窓のこの関係は、一般的に「面一(flush)」と呼ばれ、したがって前記鉛直要素の外面と同じ横方向平面内に位置する窓の外面を有する)。
【背景技術】
【0002】
以下では、「軸方向内側」及び「軸方向外側」という記述は、定義上、車の長手水平方向X及び鉛直方向Zによって画定される平面XZに対して垂直である軸方向Yを基準にして、自動車の横方向内側及び外側へ向かうシールモジュールの要素の位置をそれぞれ指す通常の様式で使用される(本明細書に添付された図1aを参照)。
【0003】
ランシール(run seal)を自動車上に搭載することが知られており、ランシールの1つの又は各々の上昇ストランドが、軸方向の接続枝部によって互いに接続された2つの軸方向内側及び外側枝部を含む実質的にU字形の断面し、またランシールは、対応するドアのフレームの直立部分又はこのフレームを備えた鉛直トリム(場合によっては、このフレームは窓によって隠される)と横方向に面一の窓を受ける。この目的のために、ドアフレームのレール内又はランシールの溝内でオフセットした態様で窓を摺動的に案内するための手段が使用され、これらの案内手段は、典型的には、車の長手方向Xにオフセットされたピン又はラグであって、窓の鉛直縁部に近い窓の内面に固定されたピン又はラグから構成される。
【0004】
このような「面一」の窓を得るシールモジュールの一例は、米国特許出願公開第2006/0037249A1号明細書であり、これは、このようなラグを長手方向にオフセットした態様で摺動させ、前記ラグは、このストランドの軸方向内側枝部の溝内に、ランシールの上昇U字形ストランドの下端及び上端付近のみにスライドを形成するフックによって軸方向内側に湾曲されることを教示する。ガイドラグは、窓の内面及び縁部の両方を覆い、このフックが内部で摺動する上昇ストランドは、窓の外面に押し付けられたその外側枝部の端部リップによってのみ窓上にもたれる。内側枝部は、ラグの内面にのみ押し付けられる。
【0005】
米国特許出願公開第2006/0021282A1号明細書もまた、そのような「面一」の窓を得るために、ランシールの上昇U字形ストランドの内側枝部内に形成された溝の内側に向かって長手方向にオフセットされ、かつ軸方向に湾曲されたラグの軸方向フックの摺動をもたらし、このストランドの内側及び外側枝部はラグに押し付けるが、これらの枝部の窓との封止された接触は無いことを教示している。特に、外側枝部は、この縁部又は窓の外面を覆うことなく、窓の縁部からある距離を置いて終端を迎える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許出願公開第2006/0037249A1号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2006/0021282A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
これらの文献に提案されているシールモジュールの1つの主な欠点は、ランシールの上昇U字形ストランドの内側枝部内でラグのフックを摺動させることにあり、これは、このストランドの軸方向Yにおけるバルク(かさ)を増加させ、また、この縁部と隣接する鉛直外側トリムとの間の遊び又は間隙を隠し、十分な圧力を加え、したがって窓上で封止するように外側枝部の端部シールリップを窓の縁部にもたれて取り付けることを、不可能ではないにしても困難にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の1つの目的は、特にこの欠点を解消する自動車側部ドアの摺動窓を受けるのに適したエラストマーランシールを提案することであり、窓は、窓に隣接するドアのフレームの鉛直縁部要素の外面と横方向に面一に搭載され、鉛直縁部要素は、フレームの直立部と、フレームを備える鉛直外側トリムとの中から選択され、シールは、少なくとも1つの上昇ストランドと、上部ストランドとを含み、少なくとも1つの上昇ストランドは、鉛直要素及び窓と接触して封止するように取り付けることができる軸方向外側枝部と、フレームに取り付けることができる軸方向内側枝部と、軸方向外側枝部を前記軸方向内側枝部に接続する接続枝部とを単一部品内に有し、シールは、窓の内面に固定された、窓を案内するための手段を鉛直方向摺動によって受けることが可能な溝を含む。
【0009】
この目的のために、本発明に係るランシールでは、溝が前記軸方向外側枝部上に形成され、同時に、鉛直要素の真向かいに見出されるのに適している。
【0010】
窓の案内手段を摺動するように受け入れるシールの前記少なくとも1つの上昇ストランドの(具体的には、このストランドの外側枝部内での)溝の形成は、溝が内側枝部内に形成された2つの前述の文献に示された従来技術とは異なり、この外側枝部の端部リップを窓の縁部にもたれて封止可能に当てるのに十分な軸方向Yの横方向空間を維持することを可能にすることに留意されたい。
【0011】
したがって、本発明の別の構成によれば、少なくとも1つの上昇ストランド内のシールの方向Yにおける横方向バルクの減少により、軸方向外側枝部は、溝を通過して、窓の鉛直縁部にもたれて封止接触して取り付けることができる可撓性のある外側端部領域を含み、それにより可撓性のある外側端部領域は、窓と前記鉛直要素との間の取り付け遊び又は間隙を隠すことができる。
【0012】
また、単一部品内に形成された少なくとも1つの上昇ストランド内において案内手段を直接摺動させる(すなわち、この摺動を生成するためにこのシール上に取り付けられたレールがない)ことにより、同時に、
− 窓の鉛直縁部にシールを封止可能に当てることにより前記鉛直要素の前記外面に対して面一に取り付けられた窓に対するこの改善されたシールを確実にし、これは(以下で概説されるように)長手方向Xにおいて窓の対応する鉛直縁部から突出する前記手段による窓の長手方向にオフセットされた案内によって可能となり、
− 前記少なくとも1つの上昇ストランドと前記案内手段の下の窓の内面との連続的な封止接触(これもまた以下を参照)を確実にすることが可能となる
ことに留意されたい。
【0013】
本発明の別の構成によれば、溝は、実質的に軸方向に延在することができ、また同時に、接続枝部と、軸方向外側枝部によって構成された、可撓性のある外側端部領域の下に位置する剛性のある支持領域(bearing zone)との間の少なくとも1つの剛性のある(リジッドな)エラストマー材料から形成され、この剛性のある支持領域は、軸方向内側に突出し、案内手段の軸方向外面上に封止可能に押圧することができる。
【0014】
有利なことには、可撓性のある外側端部領域は、外側シールリップを形成することによって剛性のある支持領域を延長することができ、この外側シールリップは、
− 軸方向外側に向けられ、かつ鉛直要素の鉛直縁部と接触して封止可能に取り付けることができる第1部分と、
− 軸方向内側に向けられ、かつ窓の鉛直縁部と接触して封止可能に取り付けることができる第2端部と
を含む。
【0015】
更に有利なことには、可撓性のある外側端部領域は、前述の米国特許出願公開第2006/0037249号明細書とは異なり、窓の外面と接触して取り付けることができない。
【0016】
本発明に係るランシールの少なくとも1つの上昇ストランドは、ゴム及び/又は剛性がより高い又はより低い及び充填されていてもいなくてもよい熱可塑性エラストマー(TPE)のタイプとすることができるすべてのエラストマー材料(例えば、熱可塑性加硫物(TPV)又は他のTPE(例えば、非限定的な例としてTPS又はTPO))から製造することができる。以下でより詳細に説明するように、内側枝部、外側枝部及び接続枝部に対しては、(特に、内側枝部及び外側枝部を備えたシールリップ又は取り付けリップのために)それぞれ可撓性があり、(特に、内側枝部の主要部分、接続枝部及び外側枝部の前記溝のために)より剛性のある異なる領域を画定する複数のエラストマー材料が使用されることに留意されたい。
【0017】
本発明の別の好ましい構成によれば、剛性のある支持領域は、軸方向の梁部を含み、梁部はこれもまた軸方向である前記接続枝部と共に前記溝の縁部を形成し、溝は、案内手段の端部フックを摺動するように受け入れることができ、任意で耐摩耗コーティングによって覆われた底部を含む。このコーティングは、軸方向内側及び外側枝部を備えた様々なシールリップに使用されるものと同じ又は異なる、任意の既知の滑りやすい層から構成することができ、例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)又は架橋ポリエチレン(PER)が非限定的な例として挙げられる。
【0018】
有利には、軸方向外側枝部は、案内手段と共に車の長手方向にオフセットした状態で協働して、長手方向及び更には車の軸方向の窓の摺動を同時に案内することができる。
【0019】
このオフセットされた案内のために、その鉛直方向の摺動時にこれらの2つの前述の水平方向X及びYにおける窓の同時のわずかな動作の振幅を、(特に、この長手方向Xの前方及び後方へ向かう動作(すなわち、典型的にはX+及びX−と略称される動作)の制御によって)合理的かつ非等方的に制御することが可能であり、これは前述の従来技術では一般的に不可能であったことに留意されたい。
【0020】
本発明によれば、有利なことには、窓の丸い縁部と鉛直要素の外面との間に存在する遊び又は間隙を制御することが可能であり、これにより、「プールキュー」型の望ましくない形状及び/又は窓の前縁部と後縁部との間に非常に異なる寸法を有するこのような遊びを有することを回避することができる。
【0021】
本発明の別の構成によれば、シールは、全体的に非対称なU字形状を有することができ、軸方向内側枝部は、案内手段から離れた窓の内面上に封止可能に取り付けることができ、案内手段が存在するにもかかわらず、窓の内面にわたる連続的な封止接触によって少なくとも1つの上昇ストランドを上部ストランドに接続する可撓性内側端部領域で終端を迎えることができる。
【0022】
少なくとも1つの上昇ストランドと、この面に固定された窓手段の下の窓の内面上の上部ストランドとの間のシールのこの連続的な接触は、同一平面内でのこれらのストランドの間の接続を可能にし、したがって少なくとも1つの上昇ストランドのための案内手段の、及び上部ストランドのための窓自体のシールの接触に関連するわずかな空間的オフセットを管理する必要がないことに留意されたい。実際に、そのようなオフセットは、窓上のランシールの封止欠陥を構成し、したがって、これは本発明によって回避される。
【0023】
有利なことには、可撓性内側端部領域は、ドアのフレームに取り付けることができる軸方向内側枝部の部分から接続枝部に向かって斜めに延びる内側シールリップを備えることができ、前記部分は、例えば、ドアフレームの内側トリム上に取り付けることを意図した凹部を備え、又は前記フレームに対して直接湾曲している。
【0024】
自動車の側部ドア用の本発明に係るシールモジュールは、ランシールと、シール内で摺動するように取り付けられたドアの窓と、窓の少なくとも1つの鉛直縁部近くの窓の内面に固定され、かつシール内に形成された溝内で直接長手方向にオフセットさせて摺動するように窓を案内することができる窓を案内するための手段とを備え、これによって窓は、窓に隣接するドアのフレームの鉛直縁部要素の外面と横方向に面一に取り付けることができ、この鉛直縁部要素は、フレームの直立部と、フレームを備えた鉛直外側トリムとのうちから選択される。
【0025】
本発明によれば、シールモジュールは、シールが上記で画定した通りであることを特徴とする。
【0026】
本発明の別の構成によれば、案内手段は、少なくとも1つの鉛直縁部の少なくとも1つの上部領域にわたって窓の内面から連続的に又は不連続に延びる少なくとも1つのスライドによって形成することができ、窓は鉛直縁部を備え、鉛直縁部は、有利には少なくとも1つのスライドによって覆われておらず、それにもたれてシールの軸方向外側枝部は、封止可能に当てられる。
【0027】
窓に固定された上述の、又は各々のスライドは、こうして単一の部品(連続的な場合)又はいくつかの鉛直方向に分離された部品(不連続の場合)内に、窓の高さの上半分のみに、又は代替的に、窓の上述の又は各々の前部又は後部の鉛直縁部に対してその高さ全体にわたって延在することができることに留意されたい。
【0028】
この案内により、その鉛直縁部の上部領域で上向きに摺動する間の窓の傾斜を回避することが可能になることにも留意されたい。
【0029】
有利なことには、少なくとも1つのスライドは、軸方向外側に湾曲し、かつ少なくとも1つの剛性のあるエラストマー材料で作られた溝内を摺動するフックで終端を迎え、これによって窓の動作の振幅は、車の軸方向及び長手方向に同時に溝内のフックの摺動によって制御される。
【0030】
上に示したように、窓の鉛直面内の摺動時における窓の短いX+及びX−動作の振幅を十分に制御することを可能にするのは、この剛性のある溝を含む少なくとも1つの上昇ストランドの外側枝部の関連する形状と組み合わされたスライドのこの湾曲した端部形状であることに留意されたい。
【0031】
更により有利なことには、少なくとも1つのスライドは、軸方向内側に延在し、少なくとも1つの鉛直縁部を過ぎて実質的に軸方向に延在してフックで終端を迎える脚部によって延長される少なくとも1つの鉛直縁部の下方の窓の内面に固定されるベースを含むことができる。
【0032】
上述の又は各々のスライドは、少なくとも1つの金属、プラスチック(例えば、熱可塑性プラスチック(例えば、ポリアミド))、又はプラスチックマトリックス複合材料から製造することができ、スライドは、接着又はオプションとして溶接又は同時注入(窓がプラスチック材料から作られている特定の場合)によって固定することができることに留意されたい。
【0033】
本発明の別の一観点によれば、モジュールは、鉛直要素を更に備え、鉛直要素の真向かいでフックと溝が摺動することによって協働する。更に、シールの軸方向外側枝部によって構成され、鉛直要素の鉛直縁部及び窓の鉛直縁部の両方に対して押し付けられる可撓性のある外側端部領域が、有利なことには、窓と鉛直要素との間の取り付け遊び又は間隙を隠すことができる。
【0034】
本発明の1つの例示的な実施形態によれば、フックを組み込んだ少なくとも1つのスライドは、少なくとも1つの鉛直縁部の実質的に全高にわたって延びている。
【0035】
有利なことには、シールの前記軸方向内側枝部は、案内手段から離れた窓の内面に封止可能に取り付けられ、少なくとも1つの上昇ストランドを上部ストランドに窓の内面にわたる連続的な封止接触によって接続することができる可撓性のある内側端部領域で終端を迎えることができ、前述の利点を有する。
【0036】
要約すると、本発明に係るこのシールモジュールを使用すると、窓の外面及び内面の両方において、少なくとも1つの上昇ストランド及び上部ストランドに対して連続的な封止を得ることが可能である。
【0037】
本発明の他の構成、利点及び詳細は、添付の図面を参照して説明される例示としてかつ非限定的に提供される本発明の一例の実施形態の以下の説明を読むことから明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】本発明に従うことができるランシール内に摺動するように取り付けられた窓を備えたセダン型の自動車の前部ドア及び後部ドアをそれぞれ示す概略側面図。
図2】非加圧状態で前記ドアの窓及び自動車の車体の上部にもたれてドアフレームに取り付けられる、図示の発明に係るランシール用の一例の上部ストランドの図1aのII−II面に沿った断面図。
図2a】非加圧状態で前記ドアの窓及び自動車の車体の上部にもたれてドアフレームに取り付けられる、図示の発明に係るランシール用の別の一例の上部ストランドの図1aのII−II面に沿った断面図。
図2b】2つの上昇ストランドが上部ストランドによって互いに接続されている、本発明の一例に係るランシールの側面図。
図3】非加圧状態でこの窓にもたれて、かつ中央ピラーを形成する鉛直外側トリムに対して面一にドアフレームに取り付けられた、本発明の第1の実施形態に係るこの図示のシールの本発明に係る後部上昇ストランドの図2bの平面III−IIIに沿った断面図。
図3a】この窓にもたれて、かつこのトリムに対して面一にフレームに取り付けられたこの第1の実施形態に係る図3の代替例に係る後部上昇ストランドの図2bの平面III−IIIに沿った断面図。
図4】この窓にもたれてドアフレーム上にあるがドアフレーム自体の直立部と面一である、このストランドの本発明に係る第2の取り付けモードに対応する図3及び図3aの代替例に係る後部上昇ストランドの図2bの平面III−IIIに沿った断面図。
【発明を実施するための形態】
【0039】
自動車の前部ドアP及び/又は後部ドアP’のフレーム(図示せず)に取り付けられて、車の鉛直方向Zにおける窓の上方及び下方への摺動時に前部窓V又は後部窓V’を受ける、図1a、図1b及び図2bに図示される各ランシール1、1’は、通常、
− 車の長手方向Xに延在する実質的に水平の又は傾斜した上部ストランド1a、1a’と、
− (例えば(図2bに見える)短い成形コネクター1cによって)上部ストランド1a、1a’に接続された2つの上昇ストランド1b、1b’と
を含む。
【0040】
図1aはまた、図2及び図3に示されるシールモジュールMの軸方向の深さを画定する車の横方向Yを示し、このモジュールMは本質的に、
− ランシール1と、
− シール1内に摺動するように取り付けられたドアの窓Vと、
− 窓の内面Vに固定された少なくとも1つのスライドによって形成された窓Vの案内手段10であって、窓の鉛直縁部のうちの少なくとも1つ(すなわち、特に図3の例では後部鉛直縁部)に近接しており、X方向にオフセットした態様でシール1内で窓Vの摺動を案内することができる案内手段10と、
− 窓Vが横方向に面一に(すなわち、実質的に同一の鉛直な面内に)取り付けられる軸方向外面を備えた、この例では中央ピラートリム2aを形成する窓Vに隣接するドアのフレーム2の鉛直外側トリム2aと
を含む。
【0041】
図2の例では、上部ストランド1aは本質的に、既知のように、
− (例えば、金属製であり、かつまた直線状のU字形断面を有する)補強ウェブ4が内部に埋め込まれた直線状U字形断面を有する固定クランプ3と、
− クランプ3の枝部3aと実質的に90°に延び、窓Vの2つの内面Vi及び外面Veと摺動接触することができるシールリップ9a及び9bで終端を迎える軸方向内側の主脚部5及び軸方向外側の副脚部7からそれぞれ構成される2つの非対称脚部5及び7であって、クランプ3の他方の枝部3bは、車の本体と接触することができるシールリップ9cを支持している、2つの非対称脚部5及び7と
を含む。
【0042】
より具体的には、内側脚部5は、
− 2つの内側リップ9aであって、そのうちの1つは上部リップと呼ばれ、窓Vの縁部V1に封止可能に当接し、他方は下部リップと呼ばれ、窓Vの内面Viに当接する2つの内側リップ9aと、
− 窓Vの外面Veに当接する少なくとも1つの外側リップ9bと
を備える。
【0043】
図2aの代替例では、上部ストランド1aは本質的に、既知のように、
− 全体的にU字形の直線部分を有するが補強ウェブを有さない固定クランプ3’(クランプ3’は、例えばTPOと略記されるオレフィンタイプの熱可塑性エラストマーのベースを有するか、又はタルクなどの充填剤で補強された、PPと略記されるポリプロピレンなどのポリオレフィンタイプのベースを有する非常に堅い材料から作られている)と、
− 同様のシールリップ9a’及び9bで終端を迎える図2のものと同様の2つの非対称脚部5’及び7’であって、クランプ3の他の枝部3b’が、これもまた同様にシールリップ9cを支持している、2つの非対称脚部5’及び7’と
を含む。
【0044】
より具体的には、内側脚部5’は、
− (図2の2つの内側リップ9aの代わりに)3つの内側リップ9a’であって、そのうちの1つは上部リップと呼ばれ、窓Vの縁部V1に封止可能に当接し、そのうちの他の2つ9a’は、窓Vの内面Viに当接する3つの内側リップ9a’と、
− 窓Vの外面Veに当接する少なくとも1つの外側リップ9bと
を備える。
【0045】
(例えば、窓V及び中央ピラートリム2aを備えた前部ドアPの後部上昇ストランド1bのための)図3に示されたシールモジュールは、この上昇ストランド1bに対する本発明に係るランシール1の以下の特定の構造によって、特に特徴付けられる。
【0046】
シール1は、硬度の異なるエラストマー材料から完全に単一部品内に作られ、各々が断面で実質的に長手方向Xに延在し、U字形のコアを形成する軸方向接続枝部13によって互いに接続される、2つの軸方向内側枝部11及び外側枝部12を有する全体的に非対称U字形の形状にある。
【0047】
内側枝部11は、本質的に、
− 接続枝部13と内側枝部11との間の接合部で関節のように設けられて構造2bへの取り付けリップを形成する内側の変形可能な突起11bを含む軸方向内側に向いた突起11b、11c、11dによって、中央ピラートリム2aの内側構造2b(例えば、L字形状)に取り付けられた実質的にX方向に延在する(例えば、非限定的に約45のショアD硬度を有することができるベガプレン(Vegaprene)(商標名)タイプの剛性のあるTPVのベースを有する)剛性のある主部11aと、
− これもまた例えばベガプレン(商標名)タイプの可撓性のあるTPVのベースを備え、例えば架橋ポリエチレンから製造された滑りやすいコーティングGで被覆された2つの可撓性のある内側シールリップ11e及び11fとを含み、内側シールリップ11e及び11fは、
− 変形可能な突起11bから、主部11aの長さの最初の約1/3から軸方向外側に延在し、案内スライド10の内面10i上に封止可能に押圧するように設計された内側中間リップ11eと、
− 斜めに(接続枝部13に向かって傾斜して)主部11aの端部を延長し、かつ案内スライド10のかなり下の窓Vの内面Viに封止可能に押圧するように設計された内側端部リップ11fであって、主部11aと端部リップ11fとの間の接合部は、ドアフレーム2を備えた内側トリム2cの湾曲端部に取り付けられることを意図された凹部11gを形成することを特定した内側端部リップ11fと
を含む。
【0048】
本質的に剛性のある(例えば、内側枝部11の主部11aのもののようなベガプレン(商標名)タイプの剛性のあるTPVのベースを有する)接続枝部13は、内側の変形可能な突起11bから軸方向外側にこの内面の隆起部2a’を介して外側鉛直トリム2aの内面に当接するくさび形の短いリップによって形成された別の外側の変形可能な突起13aまで延在する。
【0049】
外側枝部12は、本質的に、
− 接続枝部13によって一端が形成され、軸方向内側に突出して延在する(この例では、接続枝部13に向かって僅かに傾斜している)剛性のある梁部12bによって他端が形成される軸方向溝12aであって、底部12c(この例では、梁部12bに向かって軸方向外側に傾斜している)は、スライド10の湾曲する自由端を形成する案内フック10aを摺動接触によって受けるように耐摩耗コーティングG(例えば、梁部12b及び接続枝部13を覆うコーティングGのような架橋ポリエチレン)によって覆うことができる軸方向溝12aと、
− 剛性のある梁部12bから外側枝部12の自由端を形成する(例えば、架橋ポリエチレンから作られた摺動コーティングGによって被覆されたベガプレン(商標名)などの可撓性のあるTPVのベースを有する、例えば、内側シールリップ11e及び11f及び変形可能な内側突起11b及び外側突起13aのような)可撓性のある外側シールリップ12dと
を含み、外側シールリップ12dは、
− アイドル状態にあるときに窓Vとトリム2aとの中間平面内に実質的に位置するリップ12dの丸い外側頂点Sに対して軸方向外側に湾曲しており、外側トリム2aの鉛直縁部2a”と接触して封止可能に取り付けられるように設計されている第1傾斜部12eと、
− 外側頂点Sから軸方向内側に湾曲しながら第1部分12eを延長し、窓Vの内面Viの内側かつ真向かいに向かって終端を迎えながら、窓Vの鉛直縁部V1の軸方向内側部分に接触して封止可能に傾斜して取り付けられるように設計された第2傾斜端部12fと
を含む。
【0050】
前記の又は各々のオフセット案内スライド10は、例えば、ポリアミドなどのプラスチック材料でできており、窓Vに隣接する鉛直縁部の少なくとも上部領域にわたって延在し、
− この縁部の下の窓Vの内面Viに固定され、この例では接続枝部13に向かって軸方向内側へ傾斜して延在する幅広のベース10bと、
− (脚部10cの内面10i上の)内側中間リップ11eと(脚部10cのその自由端近くの外面10e上の)梁部12bが当接し、軸方向外側に湾曲している軸方向フック10aで終端を迎える、X方向にオフセットしてベース10bを延長する軸方向脚部10cと
を含む。
【0051】
図3aの代替例では、その上昇ストランド1bの少なくとも1つによって図示されるシール1は、その軸方向内側枝部11’の幾何学的形状によって図3のものと本質的に異なり、図3において、トリムは、トリム2aが軸方向内側に延在するL字形構造2bに対して取り付けられていたが、ここでは軸方向内側枝部11’がドアフレーム2に対して実質的にその全長にわたって取り付けられ、換言すれば、そのプロファイルを実質的に結合させている。
【0052】
より具体的には、内側枝部11’は、凹部11gに代えて、接続枝部13に向かって湾曲し、かつフレーム2の縁部に当接する部分11g’で終端を迎える。更に、内側枝部11’は、この湾曲部分11g’のすぐ下で湾曲部分11g’のすぐ近くに形成され、フレーム2にもたれて取り付けられる第3の突起11d’を有する。
【0053】
図3aは、トリム2aが、接続枝部13とフレーム2aの軸方向部分との間に詰め込まれた軸方向構造2b’のみによって軸方向内側へ延在することを示している。
【0054】
図4の第2の取り付けモードでは、図3aのものと同様のシール1が、ドアフレーム2自体の縁部直立部2Aの軸方向外側の面と横方向に面一に(図3及び図3aの場合のように、外側鉛直トリムと面一ではなく)取り付けられている。図4は、シール1が、その2つの上昇ストランド1bのうちの少なくとも1つによって直立部2Aの縁部2A”及び窓Vの縁部V1の両方に対して封止可能に取り付けられていることを示している。
【0055】
前記少なくとも1つの上昇ストランド1bの外側シールリップ12d及び内側シールリップ11fは、有利なことには、上部ストランド1aの外側シールリップ9b及び内側シールリップ9aに、(例えば、成形された)アングルコネクタ1Cを介してそれぞれ接続することができ、これによって窓Vの外面Ve上及び内面Vi上の両方において前記の又は各々の上昇ストランド1b及び上部ストランド1aに対して保証された連続封止を得ることができることに留意すべきである。
【0056】
一方では、外側鉛直トリム2aの鉛直縁部2a”(図3又は図3aの第1の実施形態)又はフレーム2の縁部直立部2Aの鉛直縁部2a”(図4の第2の実施形態)、及び他方では、窓Vの鉛直縁部V1の両方に押圧される外側端部リップ12dによって、窓Vと、場合に応じてトリム2a又はフレームの直立部2Aとの間の取り付け遊び又は間隙を隠すことができることにも留意されたい。
【0057】
前述したように、剛性のある溝12aを含む外側枝部12の特定の形状と組み合わされたスライド10のフック10aは、窓Vの鉛直面内での摺動時に窓VのX+及びX−動作の振幅を十分に制御可能にする。
図1
図2
図2a
図2b
図3
図3a
図4