(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6573685
(24)【登録日】2019年8月23日
(45)【発行日】2019年9月11日
(54)【発明の名称】チェーン
(51)【国際特許分類】
F16G 13/06 20060101AFI20190902BHJP
【FI】
F16G13/06 B
F16G13/06 F
F16G13/06 A
【請求項の数】13
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2018-445(P2018-445)
(22)【出願日】2018年1月5日
(65)【公開番号】特開2018-112314(P2018-112314A)
(43)【公開日】2018年7月19日
【審査請求日】2018年8月31日
(31)【優先権主張番号】106101166
(32)【優先日】2017年1月13日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】507395522
【氏名又は名称】桂盟企業股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】特許業務法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】呉瑞章
【審査官】
前田 浩
(56)【参考文献】
【文献】
特開平2−41991(JP,A)
【文献】
特開2003−240062(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16G 13/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの内リンクユニットを有するチェーンであって、
前記内リンクユニットは、メイン内チェーン板と、前記メイン内チェーン板と共に係合空間を画成するように前記メイン内チェーン板に接続しているサブ内チェーン板と、を有しており、
前記メイン内チェーン板は、所定の中央延伸軸の両端にそれぞれある2つの第1の接続端部と、該2つの第1の接続端部の間にあると共に、前記サブ内チェーン板に向かって開口する第1の凹部が形成されている第1の連結部と、を有しており、
更に、各前記第1の接続端部にはそれぞれ第1の通過穴が形成されており、前記第1の凹部には、前記サブ内チェーン板に面する第1の底面と、前記第1の底面と前記2つの第1の接続端部のそれぞれとの間に介在し、且つ、互いに平行に延伸する2つの第1の壁部を有しており、
前記内リンクユニットが有する前記サブ内チェーン板には、該サブ内チェーン板の両端にそれぞれある2つの第2の接続端部と、該2つの第2の接続端部の間にあると共に、前記メイン内チェーン板に向かって開口する第2の凹部が形成されている第2の連結部と、を有しており、
前記第2の凹部には、前記メイン内チェーン板に面する第2の底面と、前記中央延伸軸の延伸方向における前記第2の底面の両端にそれぞれあって、且つ、2つの前記第1の壁部と平行に延伸する2つの第2の壁部を有している
ことを特徴とするチェーン。
【請求項2】
前記内リンクユニットが有する前記メイン内チェーン板の前記2つの第1の壁部及び前記サブ内チェーン板の前記2つの第2の壁部は、前記中央延伸軸と略直交することを特徴とする請求項1に記載のチェーン。
【請求項3】
前記内リンクユニットが有する前記メイン内チェーン板の前記2つの第1の壁部及び前記サブ内チェーン板の前記2つの第2の壁部は、前記中央延伸軸と斜交することを特徴とする請求項1に記載のチェーン。
【請求項4】
前記内リンクユニットが有する前記メイン内チェーン板の前記2つの第1の壁部は、前記中央延伸軸と交差していることを特徴とする請求項1に記載のチェーン。
【請求項5】
前記内リンクユニットが有する前記メイン内チェーン板の前記第1の連結部にある前記第1の底面は、前記中央延伸軸を稜線として互いに接する2つの斜面エリアを有していることを特徴とする請求項1に記載のチェーン。
【請求項6】
前記内リンクユニットが有する前記メイン内チェーン板の前記2つの第1の接続端部それぞれの前記サブ内チェーン板に面する側の反対側の端面には、前記第1の通過穴を内側に囲む環状の外環面が形成されており、
前記第1の連結部の前記サブ内チェーン板に面する側の反対側の端面には、前記2つの第1の接続端部にそれぞれ形成された2つの前記外環面と面一に接する外縁面が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のチェーン。
【請求項7】
前記内リンクユニットが有する前記メイン内チェーン板の前記2つの第1の接続端部それぞれの前記サブ内チェーン板に面する側の反対側の端面には、前記第1の通過穴を内側に囲む環状の外環面が形成されており、
前記第1の連結部の前記サブ内チェーン板に面する側の反対側の端面には、前記2つの第1の接続端部にそれぞれ形成された2つの前記外環面と面一とならずに突起している突起部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のチェーン。
【請求項8】
前記内リンクユニットの前記メイン内チェーン板は、更に2つの前記第1の接続端部及び前記第1の連結部を囲む案内エリアを有し、該案内エリアは前記メイン内チェーン板の周縁に沿いながら、前記中央延伸軸 から離れると共に前記第1の底面が面する側の反対側へ延伸する案内斜面が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のチェーン。
【請求項9】
前記内リンクユニットの前記メイン内チェーン板は、更に前記第1の接続端部に形成された前記第1の通過穴を囲みながら、前記サブ内チェーン板側へ突起する突管部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のチェーン。
【請求項10】
複数の歯を有するスプロケットが12個同軸に配置されてなるカセットスプロケットに適用できるチェーンであって、
少なくとも2つの前記内リンクユニットと、2つの前記内リンクユニットを繋ぐ外リンクユニットと、それぞれ前記外リンクユニット及び1つの前記内リンクユニットを一斉に貫通する複数の接続柱と、を備え、
2つの前記内リンクユニットがそれぞれ有する前記メイン内チェーン板の前記第1の接続端部に形成された前記第1の通過穴は所定の第1の中心貫通軸線を有する円柱状空間であり、
前記外リンクユニットは、互いに離間して前記第1の通過穴の延伸方向から前記内リンクユニットの1つの前記第1の接続端部を挟む一対の外チェーン板を有しており、
各前記外チェーン板には、前記第1の通過穴と同じ口径を有し、且つ、所定の第2の中心貫通軸線を有する円柱状空間である2つの第2の通過穴が互いに平行に延伸するように形成されており、
各前記接続柱は、いずれも前記第1の通過穴及び前記第2の通過穴の口径に対応する太さを有する円柱状に形成されていると共に、前記外リンクユニットが有する一対の前記外チェーン板にそれぞれ形成された1つの前記第2の通過穴及び該一対の前記外チェーン板の間に挟まれている前記内リンクユニットの1つの前記第1の接続端部に形成された前記第1の通過穴を、前記第1の中心貫通軸線と前記第2の中心貫通軸線とが重なる状態で一斉に貫通することにより、前記外リンクユニットで前記2つの前記内リンクユニットを繋ぐようになっており
更に、前記外リンクユニットが有する1つの前記外チェーン板にそれぞれ形成された2つの前記第2の通過穴のそれぞれの前記第2の中心貫通軸線の最短距離である軸穴距離が、前記外リンクユニットの前記第2の中心貫通軸線の延伸方向上の最大厚さのX倍であり、Xは2.39±0.12の範囲内にあることを特徴とする請求項1に記載のチェーン。
【請求項11】
前記内リンクユニットが有する前記メイン内チェーン板の前記2つの第1の接続端部それぞれの前記サブ内チェーン板に面する側の反対側の端面には、前記第1の通過穴を内側に囲む環状の外環面が形成されており、
前記第1の連結部の前記サブ内チェーン板に面する側の反対側の端面には、前記2つの第1の接続端部にそれぞれ形成された2つの前記外環面と面一に接する外縁面が形成されていることを特徴とする請求項10に記載のチェーン。
【請求項12】
前記内リンクユニットが有する前記メイン内チェーン板の前記2つの第1の接続端部のそれぞれの前記サブ内チェーン板に面する側の反対側の端面には、前記第1の通過穴を内側に囲む環状の外環面が形成されており、
前記第1の連結部の前記サブ内チェーン板に面する側の反対側の端面には、前記2つの第1の接続端部にそれぞれ形成された2つの前記外環面と面一とならずに突起している突起部が形成されており、
更に、前記軸穴距離が、前記内リンクユニットの前記第2の中心貫通軸線の延伸方向上の最大厚さのY倍であり、そしてYは2.39±0.12の範囲内にあることを特徴とする請求項10に記載のチェーン。
【請求項13】
前記軸穴距離が、前記メイン内チェーン板と前記サブ内チェーン板との間にある前記係合空間の最大幅のZ倍であり、そしてZは5.5±0.12の範囲内にあることを特徴とする請求項10に記載のチェーン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はチェーンに関し、特にカセットスプロケットに用いられるチェーンに関する。
【背景技術】
【0002】
歯数が異なる複数のスプロケットからなるカセットスプロケットに用いられるチェーンは、複数の内チェーンユニットと、複数の外チェーンユニットと、該複数の内チェーンユニット及び複数の外チェーンユニットを繋ぐ接続柱とを有するものであり、カセットスプロケットにおける1つのスプロケットの歯を内チェーンユニットにはめ込ませることにより、チェーンはカセットスプロケットの回転により駆動されるようになり、そしてチェーンと係合するスプロケットを変える事で、カセットスプロケットの回転数に応じてチェーンが移動するスピードを変更して変速機能を発揮することができる。
【0003】
このような従来のチェーンとして、例えば特許文献1に記載されるものが一例として挙げられる。特許文献1に記載のチェーンが有する内チェーンユニットは、互いに向かい合って組み合わされる2つの内チェーン板を有しており、各内チェーン板は、該チェーンの延伸方向における両端にそれぞれ外チェーンユニットと接続する2つ接続端部と、該2つ接続端部の間にある連結部を有し、該連結部には該内チェーンユニットが有する他の1つの内チェーン板に向かって開口し、該他の1つの内チェーン板と共にスプロケットの歯を受け入れるための係合空間を画成する凹部が形成されている。特許文献1に記載のチェーンにおいて、該凹部は円弧状の開口縁を有するように形成されているので、スプロケットの歯を受け入れるための係合空間は中央付近が比較的広い楕円形の開口を有するため、スプロケットの歯をスムーズに受け入れられる利点がある。
【0004】
また、他の従来のチェーンとして、特許文献2に記載されるものが一例として挙げられる。
【0005】
特許文献2のチェーンが有する内チェーンユニットは、互いに向かい合って組み合わされる2つの内チェーン板を有しており、各内チェーン板は、該内チェーンユニットが有する他の1つの内チェーン板に向かって開口し、該他の1つの内チェーン板と共にスプロケットの歯を受け入れるための係合空間を画成する凹部が形成されている。この特許文献2のチェーンにおいて、該凹部には前記係合空間のスプロケットに向かって開口する側が比較的広く、そして開口から離れるに連れて窄まる案内斜面が形成されている。特許文献2に記載されたチェーンは、この案内斜面でスプロケットの歯を係合空間内に案内することができる利点がある。
【0006】
更に、他の従来のチェーンとして、特許文献3に記載されるものが一例として挙げられる。
【0007】
特許文献3のチェーンが有する内チェーンユニットは、スプロケットと係合する際、スプロケットに面する側の反対側へ突起する突起部が形成されており、この構成により、外チェーンユニットの厚さを増やさずに、チェーンが係合するスプロケットを変更(変速)する際において他のスプロケットに衝突することを減らすことにより騒音を抑える利点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】台湾特許第I500555号明細書
【特許文献2】台湾実用新案登録第M338930号明細書
【特許文献3】台湾実用新案登録第M287192号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、特許文献1に記載されたチェーンは、円弧状の開口縁を有する内チェーン板には、作成される際において、金型から取り出す難易度及びコストが高い欠点がある。また、また特許文献2に記載されたチェーンは、開口自体が狭いままであり、スプロケットの歯の先端を開口にあわせることが難しい欠点がある。更に、特許文献3に記載されたチェーンは開口自体が狭いままであり、スプロケットの歯の先端を開口にあわせることが難しい欠点があることに加え、多数のスプロケットを有するカセットスプロケットに適用できない欠点もある。
【0010】
上記問題点に鑑みて、本発明は、スプロケットの歯をスムーズに受け入れられ、且つ金型から取り出す難易度及びコストが低いチェーンを提供することをを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成すべく、本発明は、少なくとも1つの内リンクユニットを有するチェーンであって、内リンクユニットは、メイン内チェーン板と、前記メイン内チェーン板と共に係合空間を画成するように前記メイン内チェーン板に接続しているサブ内チェーン板と、を有しており、前記メイン内チェーン板は、所定の中央延伸軸の両端にそれぞれある2つの第1の接続端部と、該2つの第1の接続端部の間にあると共に、前記サブ内チェーン板に向かって開口する第1の凹部が形成されている第1の連結部と、を有しており、更に、各前記第1の接続端部にはそれぞれ第1の通過穴が形成されており、前記第1の凹部(121)には、前記サブ内チェーン板に面する第1の底面と、前記第1の底面と前記2つの第1の接続端部それぞれとの間に介在し、且つ、互いに平行に延伸する2つの第1の壁部を有しており、前記内リンクユニットが有する前記サブ内チェーン板には、該サブ内チェーン板の両端にそれぞれある2つの第2の接続端部と、該2つの第2の接続端部の間にあると共に、前記メイン内チェーン板に向かって開口する第2の凹部が形成されている第2の連結部と、を有しており、前記第2の凹部には、前記メイン内チェーン板に面する第2の底面と、前記中央延伸軸の延伸方向における前記第2の底面の両端にそれぞれあって、且つ、2つの前記第1の壁部と平行に延伸する2つの第2の壁部を有していることを特徴とするチェーンを提供する。
【発明の効果】
【0012】
上記構成により、本発明のチェーンは、前記メイン内チェーン板に形成された第1の凹部(121)には、前記サブ内チェーン板に面する第1の底面と、前記第1の底面と前記2つの第1の接続端部それぞれとの間に介在し、且つ、互いに平行に延伸する2つの第1の壁部を有していることにより、スプロケットの歯を受け入れるための係合空間は第1の底面と2つの第1の壁部が存在するため中央付近が比較的に広いので、スプロケットの歯をスムーズに受け入れられる利点がある。そして第1の底面と2つの第1の壁部とを有する形状も、作成される際において、金型から取り出す難易度及びコストを抑えられる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明のチェーンの第1の実施形態が有する内リンクユニット及び外リンクユニットの構成が示されている断面図である。
【
図2】本発明のチェーンの第1の実施形態及び該第1の実施形態が適用できるカセットスプロケットが示される側面図である。
【
図3】本発明のチェーンの第1の実施形態が有する内リンクユニットのメイン内チェーン板の構成が示される斜視図である。
【
図4】本発明のチェーンの第1の実施形態が有する内リンクユニットのメイン内チェーン板の構成が示される側面図である。
【
図5】本発明のチェーンの第1の実施形態が有する内リンクユニットのメイン内チェーン板の構成が示される断面図である。
【
図6】
図4におけるVI−VIラインに沿って切った断面図である。
【
図7】本発明のチェーンの第2の実施形態が有する内リンクユニット及び外リンクユニットの構成が示されている断面図である。
【
図8】本発明のチェーンの第2の実施形態が有する内リンクユニットの構成が示される側面図である。
【
図9】本発明のチェーンの第3の実施形態が有する内リンクユニットのメイン内チェーン板の構成が示される側面図である。
【
図10】
図9におけるX−Xラインに沿って切った断面図である。
【
図11】本発明のチェーンの第4の実施形態が有する内リンクユニットのメイン内チェーン板の構成が示される側面図である。
【
図12】本発明のチェーンの第5の実施形態が有する内リンクユニットのメイン内チェーン板の構成が示される側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、各図面を用いて本発明のチェーンの好ましい実施形態について詳しく説明する。
【0015】
図1から
図6に本発明のチェーンの第1の実施形態が示されており、
図1は該第1の実施形態が有する内リンクユニット及び外リンクユニットの構成が示されている断面図であり、
図2は該第1の実施形態のチェーン及び該第1の実施形態のチェーンが適用できるカセットスプロケットが示される側面図であり、
図3は本発明のチェーンの第1の実施形態が有する内リンクユニットのメイン内チェーン板の構成が示される斜視図であり、
図4は該メイン内チェーン板の構成が示される側面図であり、
図5は該メイン内チェーン板の構成が示される断面図であり、
図6は
図4におけるVI−VIラインに沿って切った断面図である。
【0016】
図1及び
図2に示されるように、本発明のチェーンの第1の実施形態は、歯91の数が異なる複数(この実施形態では12個)のスプロケット90からなるカセットスプロケット9に用いられるものであり、それぞれ1つのスプロケット90が有する1つの歯91を受け入れて係合する複数の内リンクユニット92と、それぞれ隣り合う2つの内リンクユニット92の間に介在する複数の外リンクユニット94と、それぞれ隣り合う1つの内リンクユニット92と1つの外リンクユニット94とを繋ぐ複数の接続柱5とにより、1つの無端環状に構成されたものである。
【0017】
図1及び
図5に示されるように、本発明において、各内リンクユニット92は、それぞれメイン内チェーン板1と、メイン内チェーン板1と共に係合空間3を画成するように前記メイン内チェーン板に接続しているサブ内チェーン板2と、を有している。また、
図3、
図4に示されるように、メイン内チェーン板1は、所定の中央延伸軸10の両端にそれぞれある2つの第1の接続端部11と、該2つの第1の接続端部11の間にあると共に、サブ内チェーン板2に向かって開口する第1の凹部121が形成されている第1の連結部12と、を有している。
【0018】
更に、各第1の接続端部11にはそれぞれ外リンクユニット94と接続するための第1の通過穴113が形成されており、第1の凹部121には、サブ内チェーン板2に面する第1の底面120と、第1の底面120と2つの第1の接続端部11のそれぞれとの間に介在し、且つ、互いに平行に延伸する2つの第1の壁部123と、を有している。
【0019】
この第1の実施形態において、内リンクユニット92が有するメイン内チェーン板1の2つの第1の壁部123は、それぞれ中央延伸軸10と略直交するように交差している。
【0020】
図4及び
図6に示されるように、メイン内チェーン板1は、更に2つの第1の接続端部11及び前記第1の連結部12を囲む案内エリア13を有し、該案内エリア13はメイン内チェーン板1の周縁に沿いながら、中央延伸軸10から離れると共に第1の底面120が面する側の反対側へ延伸する案内斜面131が形成されている。また、
図1、
図3、
図5に示されるように、メイン内チェーン板1は、更に各第1の接続端部11に形成された第1の通過穴113を囲みながら、サブ内チェーン板2側へ突起する突管部112が形成されている。
【0021】
また、この実施形態において、内リンクユニット92が有するメイン内チェーン板1の2つの接続端部11のそれぞれの前記サブ内チェーン板2に面する側の反対側の端面には、第1の通過穴113を内側に囲む環状の外環面114が形成されており、第1の連結部12のサブ内チェーン板2に面する側の反対側の端面には、2つの接続端部11にそれぞれ形成された2つの外環面114と面一に接する外縁面122が形成されている。
【0022】
更に、
図1及び
図5に示されるように、この第1の実施形態において、サブ内チェーン板2はメイン内チェーン板1と略一致する構成を有している。即ち、この第1の実施形態において、サブ内チェーン板2には、該サブ内チェーン板2の両端にそれぞれある2つの第2の接続端部21と、該2つの第2の接続端部21の間にあると共に、メイン内チェーン板1に向かって開口する第2の凹部221が形成されている第2の連結部22と、を有し、第2の凹部22には、メイン内チェーン板1に面する第2の底面220と、中央延伸軸10の延伸方向における第2の底面220の両端にそれぞれあって、且つ、2つの第1の壁部123と平行に延伸する2つの第2の壁部223とを有している。
【0023】
更に、この実施形態において、各内リンクユニット92がそれぞれ有するメイン内チェーン板1の第1の接続端部11に形成された第1の通過穴113は、所定の第1の中心貫通軸線100を有する円柱状空間である。そして、外リンクユニット94は、互いに離間して第1の通過穴113の延伸方向から内リンクユニット92が有するメイン内チェーン板1及びサブ内チェーン板2と同じ側にある第1の接続端部11及び第2の接続端部21を挟む一対の外チェーン板4を有している。
【0024】
各外チェーン板4には、第1の通過穴113と同じ口径を有し、且つ、所定の第2の中心貫通軸線200を有する円柱状空間である2つの第2の通過穴41が互いに平行に延伸するように形成されている。
【0025】
各接続柱5は、いずれも第1の通過穴113及び第2の通過穴41の口径に対応する太さを有する円柱状に形成されていると共に、
図1に示されているように、1つの外リンクユニット94が有する一対の外チェーン板4にそれぞれ形成された1つの第2の通過穴41及び該一対の外チェーン板4の間に挟まれている内リンクユニット92の1つの第1の接続端部11に形成された第1の通過穴113を、第1の中心貫通軸線100と第2の中心貫通軸線200とが重なる状態で一斉に貫通することにより、外リンクユニット94で2つの内リンクユニット92を繋ぐようになっている。
【0026】
更に、この実施形態において、外リンクユニット94が有する1つの外チェーン板4にそれぞれ形成された2つの第2の通過穴41のそれぞれの第2の中心貫通軸線200の最短距離である軸穴距離Lが、外リンクユニット94の前記第2の中心貫通軸線200の延伸方向上の最大厚さW1のX倍であり、そしてXは2.39±0.12の範囲内にあるように設定されている。
【0027】
上記構成により、本発明のチェーンは、メイン内チェーン板1に形成された第1の凹部121には、サブ内チェーン板2に面する第1の底面120と、第1の底面120と2つの第1の接続端部11のそれぞれとの間に介在し、且つ、互いに平行に延伸する2つの第1の壁部123とを有していることにより、スプロケット90の歯91を受け入れるための係合空間3は第1の底面120と2つの第1の壁部123が存在するため中央付近が比較的に広いので、スプロケット90の歯91をスムーズに受け入れられる利点がある。
【0028】
そして第1の底面と2つの第1の壁部とを有する形状も、作成される際において、金型から取り出す難易度及びコストを抑えられる利点がある。更に、案内斜面131が形成されているので、係合空間3のスプロケット90に向かって開口する側が比較的広く、そして開口から離れるに連れて窄まる案内斜面131が形成されている。これら案内斜面131でスプロケットの歯を係合空間3内に案内することができる利点もある。
【0029】
図7は本発明のチェーンの第2の実施形態が有する内リンクユニット及び外リンクユニットの構成が示されている断面図であり、
図8は該第2の実施形態が有する内リンクユニットの構成が示される側面図である。
【0030】
図示のように、本発明のチェーンの第2の実施形態と第1の実施形態との相違点は、内リンクユニット92が有するメイン内チェーン板1の第1の連結部12、及びサブ内チェーン板2の第2の連結部22の形状が異なっている所にある。
【0031】
即ち、この第2の実施形態において、内リンクユニット92が有するメイン内チェーン板1の2つの接続端部11のそれぞれのサブ内チェーン板2に面する側の反対側の端面には、第1の通過穴113を内側に囲む環状の外環面114が形成されており、第1の連結部12のサブ内チェーン板2に面する側の反対側の端面には、2つの接続端部11にそれぞれ形成された2つの外環面114と面一とならずに突起している突起部125が形成されている点にある。
【0032】
そして突起部125が形成されている第1の連結部12の第1の凹部121の形状は突起部125に対応し、サブ内チェーン板2に面する第1の底面120と、第1の底面120と2つの第1の接続端部11のそれぞれとの間に介在し、且つ、突起部125に合わせて第1の底面120と鈍角を成しながら、互いに平行に延伸する2つの第1の壁部123と、を有している。
【0033】
また、この実施形態におけるサブ内チェーン板2の第2の連結部22も、メイン内チェーン板1の第1の連結部12の形状に合わせて対称となるように形成されている。
【0034】
更に、この第2の実施形態において、外リンクユニット94が有する1つの外チェーン板4にそれぞれ形成された2つの第2の通過穴41のそれぞれの第2の中心貫通軸線200の最短距離である軸穴距離Lは、内リンクユニット92の第2の中心貫通軸線200の延伸方向上の最大厚さW2(即ち、メイン内チェーン板1の第1の連結部12に形成された突起部125の先端から、サブ内チェーン板2の第2の連結部22に形成された突起部125に対称となる突起部の先端までの距離)のY倍であると共に、メイン内チェーン板1とサブ内チェーン板2との間にある係合空間3の最大幅W3のZ倍であり、Yは2.39±0.12の範囲内にあるように設定され、Zは5.5±0.12の範囲内にあるように設定されている。
【0035】
このように、本発明の第2の実施形態は、スプロケット90の歯91を受け入れるための係合空間3は第1の底面と2つの第1の壁部123が存在するため中央付近が比較的に広いので、スプロケット90の歯91をスムーズに受け入れられる利点がある上、メイン内チェーン板1に突起部125を形成すると共に、サブ内チェーン板2をも対称となるように構成することにより、外チェーンユニット94の厚さを増やさずに、チェーンが係合するスプロケットを変更(変速)する際において他のスプロケットに衝突することを減らして騒音を抑える利点もある。
【0036】
図9は本発明のチェーンの第3の実施形態が有する内リンクユニットのメイン内チェーン板の構成が示される側面図であり、
図10は
図9におけるX−Xラインに沿って切った断面図である。
【0037】
図示のように、本発明のチェーンの第3の実施形態と第1の実施形態との相違点は、内リンクユニット92が有するメイン内チェーン板1の第1の連結部12の形状が異なっている所にある。
【0038】
即ち、この第3の実施形態において、内リンクユニット92が有するメイン内チェーン板1の第1の連結部12にある第1の底面120は、中央延伸軸10を稜線として互いに接する2つの斜面エリア124を有するように形成されており、そして2つの斜面エリア124のそれぞれの外側には、第1の実施形態にある案内斜面131に該当する構成が形成されている。
【0039】
なお、この第3の実施形態におけるサブ内チェーン板2の第2の連結部22も、メイン内チェーン板1の第1の連結部12の形状に合わせて対称となるように形成されている。
【0040】
このように、本発明の第3の実施形態は、スプロケット90の歯91を受け入れるための係合空間3は第1の底面と2つの第1の壁部123が存在するため中央付近が比較的広いので、スプロケット90の歯91をスムーズに受け入れられる利点がある上、係合空間3のスプロケットに向かって開口する側が比較的広く、そして開口から離れるに連れて窄まる案内斜面131及び斜面エリア124が形成されている。これら案内斜面131及び斜面エリア124でスプロケットの歯を係合空間3内に案内することができる利点もある。
【0041】
図11は本発明のチェーンの第4の実施形態が有する内リンクユニットのメイン内チェーン板の構成が示される側面図である。
【0042】
図示のように、本発明のチェーンの第4の実施形態と第1の実施形態との相違点は、内リンクユニット92が有するメイン内チェーン板1の第1の連結部12の形状が異なっている所にある。
【0043】
即ち、この第4の実施形態において、内リンクユニット92が有するメイン内チェーン板1に形成される第1の凹部121を画成するための2つの第1の壁部123Aは、それぞれ中央延伸軸10と略直交するように延伸するが、中央延伸軸10と交差しないため、第1の凹部121は中央延伸軸10の片側にだけ形成されている。
【0044】
このように、第1の凹部121を内リンクユニット92が有するメイン内チェーン板1の片側にだけ形成しても、第1の実施形態とほぼ同等の効果を得ることができる。
【0045】
図12は本発明のチェーンの第5の実施形態が有する内リンクユニットのメイン内チェーン板の構成が示される側面図である。
【0046】
図示のように、本発明のチェーンの第5の実施形態と第4の実施形態との相違点は、内リンクユニット92が有するメイン内チェーン板1の第1の連結部12の形状が異なっている所にある。
【0047】
即ち、この第5の実施形態において、内リンクユニット92が有するメイン内チェーン板1に形成される第1の凹部121を画成するための2つの第1の壁部123Bは、それぞれ中央延伸軸10と斜交するように中央延伸軸10から延伸すると共に、第1の凹部121は中央延伸軸10の片側にだけ形成されている。
【0048】
このように、内リンクユニット92が有するメイン内チェーン板1に形成されて第1の凹部121を画成するための2つの第1の壁部123Bを、中央延伸軸10と斜交するように中央延伸軸10から延伸するように形成しても、第1、第4の実施形態とほぼ同等の効果を得ることができる。
【0049】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0050】
上記のように、本発明のチェーンは、メイン内チェーン板に形成された第1の凹部には、サブ内チェーン板に面する第1の底面と、第1の底面と2つの第1の接続端部それぞれとの間に介在し、且つ、互いに平行に延伸する2つの第1の壁部を有していることにより、スプロケットの歯を受け入れるための係合空間は第1の底面と2つの第1の壁部が存在するため中央付近が比較的広いので、スプロケットの歯をスムーズに受け入れられる利点がある。そして第1の底面と2つの第1の壁部とを有する形状も、作成される際において、金型から取り出す難易度及びコストを抑えられる利点がある。
【符号の説明】
【0051】
1 メイン内チェーン板
10 中央延伸軸
100 第1の中心貫通軸線
11 第1の接続端部
112 突管部
113 第1の通過穴
114 外環面
12 第1の連結部
120 第1の底面
121 第1の凹部
122 外縁面
123 第1の壁部
123A 第1の壁部
123B 第1の壁部
124 斜面エリア
125 突起部
13 案内エリア
131 案内斜面
200 第2の中心貫通軸線
21 第2の接続端部
22 第2の連結部
220 第2の底面
221 第2の凹部
3 係合空間
4 外チェーン板
41 第2の通過穴
5 接続柱
9 カセットスプロケット
90 スプロケット
91 歯
92 内リンクユニット
94 外リンクユニット
L 軸穴距離
W1 外リンクユニットの最大厚さ
W2 内リンクユニットの最大厚さ
W3 係合空間の最大幅