(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ユーザの視点位置から前方に見える景色、及び/又は、人物を撮影した外部映像を表示する映像画面、及び/又は、ユーザの走りの結果を表示する走りの評価結果表示画面が表示される表示装置を備えた室内用有酸素運動装置であって、
前記ユーザの運動データを検出するセンサと、前記ユーザの表情及び前記ユーザの運動姿勢である運動フォームの外観データを取得する撮影装置と、前記ユーザの自己評価データを入力する入力装置と、各データを収集し、受信解析する制御部と、前記運動データ、前記外観データ、前記自己評価データを機械学習する学習部と、前記外部映像の再生、及び/又は、拡大縮小を制御する表示制御部と、前記ユーザの表情の認識及び前記ユーザの運動姿勢である運動フォームを計測するための各種処理を行う認識部と、を備え、
少なくとも、入力値である前記運動データ、前記外観データ、前記自己評価データを教師データとし、この教師データを前記学習部において機械学習することにより、外観データ数値モデル及び運動データ数値モデルからなる数値モデルが計算され、この数値モデルが前記ユーザの走りの結果である現在の走りの評価結果の判定に用いられ、この判定に寄与した要因を抽出し、前記ユーザの走りに即したスキルアップのアドバイスを前記走りの評価結果表示画面に表示し、
前記認識部は、前記撮影装置で取得した外観データから抽出した前記ユーザの運動姿勢である運動フォームと、機械学習された前記外観データ数値モデルの良いフォームと比較して相違点を見出し、相違点が閾値以上であればその認識結果を前記制御部へ出力し、該制御部によって前記室内用有酸素運動装置の速度を抑え、また、前記撮影装置で取得した前記外観データから抽出した前記ユーザの表情と、機械学習された前記外観データ数値モデルの1つである表情認識用モデルの特徴と比較して相違点を見出し、相違点が閾値未満であればその認識結果を前記制御部へ出力し、該制御部によって前記室内用有酸素運動装置の速度を抑え、
さらに、前記外部映像の再生は、前記外部映像のGPSデータから解析された前記外部映像の撮影速度を基準として、前記ユーザの走行速度が前記外部映像の撮影速度を超える場合には、前記外部映像の再生速度を速め、前記ユーザの走行速度が前記外部映像の撮影速度を下回る場合は、前記外部映像の再生速度を遅くすることで前記ユーザの走行速度と同期するようにし、
前記外部映像の拡大縮小は、前記ユーザの走行速度が前記外部映像の撮影速度を超える場合には速度超過分に相当した分を拡大し、その後、前記ユーザYの走行速度が減少した場合には、減少分だけ縮小し、撮影サイズに到達した時点で縮小を止めるようにした、ことを特徴とした室内用有酸素運動装置。
前記室内用有酸素運動装置には、前記現在の走りの評価結果のうちのひとつである段階化された走りの評価に対応して点滅又は点灯する評価結果表示ランプを備えたことを特徴とした請求項1乃至請求項6のうちいずれか一に記載の室内用有酸素運動装置。
前記制御部が前記段階化された走りの評価に対応して前記室内用有酸素運動装置の速度を制御することを特徴とした請求項1乃至請求項7のうちいずれか一に記載の室内用有酸素運動装置。
前記室内用有酸素運動装置には、ユーザの速度に対応した走行スイッチと、前記外部映像の再生速度、前記外部映像の拡大率を微調整する映像調整手段を備えたことを特徴とした請求項1乃至請求項9のうちいずれか一に記載の室内用有酸素運動装置。
前記映像調整手段は、ユーザの運動の速度の想定範囲の上限スピードとなったときに最大拡大率となるように設定した請求項1乃至請求項10のうちいずれか一に記載の室内用有酸素運動装置。
前記外部映像の拡大率は、撮影した外部映像の解像度と映像画面の解像度との比を上限値とするよう設定した請求項1乃至請求項11のうちいずれか一に記載の室内用有酸素運動装置。
前記外部映像は、ユーザ自ら、又は他者が撮影した映像、CG映像、無人航空機による空撮映像、インターネット上で公開されている映像のいずれかを利用することができることを特徴とした請求項1乃至請求項12のうちいずれか一に記載の室内用有酸素運動装置。
前記撮影装置は、既存の携帯情報端末に備え付けのカメラを、また、前記表示装置の前記映像画面及び/又は前記走りの評価結果表示画面は、既存の携帯情報端末の表示画面を代用することができることを特徴とした請求項1乃至請求項13のうちいずれか一に記載の室内用有酸素運動装置。
請求項1乃至請求項14のうちいずれか一に記載の室内用有酸素運動装置と、前記室内用有酸素運動装置の前記表示装置と連動する運動施設内に配置した施設内表示装置と、を利用した運動システムにおいて、
前記室内用有酸素運動装置には、前記ユーザの特徴に対応させたアバターを生成するアバター生成部と、ユーザの運動に応じてそのアバターを制御する生成制御部と、を備え、前記表示制御部により前記表示装置の表示画面及び前記施設内表示装置の表示画面にアバターを表示させることとし、
前記室内用有酸素運動装置を複数個用い、複数の前記室内用有酸素運動装置同士が通信ネットワークを介して接続され、
前記各室内用有酸素運動装置同士がインターネットINを介することなく、近距離で送受信することができるアドホックモード、又は、前記各室内用有酸素運動装置同士がインターネットINを介して送受信できるインフラストラクチャーモードで通信を行うことを特徴とした運動システム。
請求項1乃至請求項14のうちいずれか一に記載の室内用有酸素運動装置と、前記室内用有酸素運動装置で運動するユーザの運動姿勢を撮影する施設内撮影装置と、を利用した運動システムにおいて、
前記施設内撮影装置で撮影したユーザの運動姿勢の外観データを前記学習部において機械学習することにより数値モデルが計算され、この数値モデルが前記ユーザの前記走りの評価結果の判定に用いられることを特徴とした運動システム。
請求項1乃至請求項14のうちいずれか一に記載の室内用有酸素運動装置と、運動イベントに参加するランナーの被装着物に搭載される外部映像撮影装置と、前記ランナーが所持する携帯情報端末と、5G基地局と、を利用した運動システムにおいて、
前記外部映像撮影装置で撮影した前記外部映像のデータが前記携帯情報端末に送信され、前記携帯情報端末に送信された前記外部映像のデータが前記5G基地局を経由して前記表示装置に送信され、
これら前記外部映像のデータ送信が5G回線を介して行われる運動システム。
前記室内用有酸素運動装置を複数個用い、前記室内用有酸素運動装置の前記表示装置と連動する運動施設内に配置した施設内表示装置と、を利用した運動システムにおいて、
前記各映像画面には、前記室内用有酸素運動装置で走行するユーザの速度に対応した速度の外部映像を表示し、
前記施設内表示画面には、運動イベントに参加する前記複数の各ランナーの前記外部映像撮影装置で撮影した外部映像を順次切替えて表示することを特徴とした請求項19に記載の運動システム。
前記室内用有酸素運動装置は、トレッドミル、ステップマシン、クロストレーナーのいずれかとして構成することを特徴とした、請求項1乃至請求項20のうちいずれか一に記載の室内用有酸素運動装置、運動システム。
【発明を実施するための形態】
【0042】
本発明は、室内用有酸素運動装置1上を走行するユーザYが装着するシューズSに備えられているセンサ100で取得した運動データ151、入力装置9から入力した自己評価データ152、撮影装置20、及び/又は、施設内撮影装置300で撮影したユーザYの表情、運動姿勢等の外観データ153がトレッドミル1Aの解析装置21に送信され、その後、解析装置21で各データ151、152、153の解析、機械学習等が行われ、機械学習した数値モデル161を使用してユーザYの現在の走りを評価した結果が表示装置5の走りの評価結果表示画面7bに表示されるものである。また、ユーザYの視点位置から前方に見える景色、及び/又は、人物を撮影した模擬走行コース等の外部映像が映像画面7aに再生表示され、この画像がトレッドミル1A上で走行するユーザYの速度に応じて拡大又は縮小されるものである。
【0043】
これにより、本発明は、フォーム改善につながるデータ(走りの評価結果)を表示するとともに、外部映像の楽しさを提供することで継続的な運動を支援することを目的とする。また、外部映像は、ユーザYの走行速度に応じて再生速度と拡大縮小を組み合わせて変化させ、ユーザYの頑張りが反映されるようにすることで、更なるモチベーションアップにつながるように制御できる。
【0044】
本発明の室内用有酸素運動装置1としては、例えば、トレッドミル1A、フィットネスバイク1Bの他、ステップマシン(不図示)、クロストレーナー(不図示)等が挙げられるが、以下の説明においては、主にトレッドミル1A、フィットネスバイク1Bに関して説明し、これらの機構等についても簡単に説明する。
【0045】
図1は、ユーザYの心肺機能及び筋力を強化させることができる室内用有酸素運動装置1の一例であるトレッドミル1Aを使用した本発明の概念図である。
【0046】
トレッドミル1Aは、ユーザYがその場でジョギングやランニンング等の走行ができるような機構を備えていれば特に機構は限定されない。この機構としては、無端ベルト2や複数のローラ(不図示)を組み合わせたものが考えられ、具体的には、例えば、モータ(不図示)と連動する2本のローラがトレッドミル1Aのフレームに支持され、この2本のローラ間に無端ベルト2が架設されている機構等が挙げられる。
【0047】
トレッドミル1Aは、ユーザYの走る速度でトレッドミル1Aの速度をコントロールすることができる自走式タイプの他、トレッドミル1Aの本体側で速度をコントロールすることができる非自走式タイプに大別することができ、どちらのタイプであってもよい。また、ローラの数や、ローラがモータと連動した機構であるか否かも問わない。なお、無端ベルト2の先端側が反り上がった機構でもよい。
【0048】
本発明ではこのような機構を備えたものを総称してトレッドミル1Aとするが、ウォーキングマシンやジョギングマシン、ランニングマシン、ルームランナー等もトレッドミル1Aに含まれる。
【0049】
次に、
図9で図示しているとおり、トレッドミル1Aの構造の概略について説明する。トレッドミル1Aの本体には、解析装置21が備えられている。この解析装置21には、主に、認識部22、制御部23、学習部24、分類管理部26、表示制御部27、切替表示部28、送信部29等が内蔵されている。また、この解析装置21には各センサ100、走りの速度(速度データ)を検出するトレッドミル1Aの本体に内蔵の速度センサ120、入力装置9、撮影装置20、評価結果表示ランプ15、表示装置5、走行スイッチ10等が有線又は無線で連結する。
【0050】
ユーザYの運動データ151を検出(取得)するセンサ100について説明する。ユーザYの運動データ151を検出するシューズSに備えたセンサ100の配置位置は、歩くときと走るとき等の運動に特徴的となる位置として、母指球の位置、踵の中心位置、比較的に望ましくない位置として足の外側などに配置して(
図1参照)、その位置にかかる荷重と、荷重発生のタイミング(3箇所のセンサ100それぞれが出力されるタイミング、順番)、荷重の発生から消滅までを接地時間とした荷重持続時間(センサ100が出力している間の時間)を測定し、着地の荷重バランス(左右の足のバランス、片方の足のバランス、3箇所のセンサ100のバランス、1箇所のセンサのバランス等)、着地の始まる順番、着地の荷重の時間的な変化(接地から接地しなくなるまで)を測定して、これを入力データとする。なお、入力データは、これらに限定されるものではない。また、運動に特徴的となる位置であれば、上記3箇所以外の場所であってもよく、センサ100の配置数も問わない。
【0051】
本発明は、片方だけでも左右バランスの寄与以外は機能するので、片方だけでも良いが、
図1のようにセンサ100を左右のシューズSに配置することで、左右のバランスが計測でき、走りの判断に効果的であるので、左右のシューズSに配置するのが望ましい。
【0052】
センサ100は、圧力センサが望ましいが、他のセンサであってもよい。例えば、加速度センサ、圧をかけることによってスイッチが接触するon/offスイッチ等考えられる。圧力センサ、加速度センサ、on/offスイッチ等のうち、本発明の効果を奏するものであればいずれであってもよい。なお、加速度センサ等は、圧力によって抵抗が変化する簡易なものでも問題なく機能し、また、ノイズに強く、消費電力も少なく、安価である等のメリットがある。
【0053】
ユーザYの自己評価データ152を入力する入力装置9について説明する。
図1等で図示したように、入力装置9には、トレッドミル1Aの電源などの各種スイッチや、トレッドミル1Aの速度をコントロールするゲイン調整ダイヤル9a、ユーザY自身の走りの評価を入力する自己評価入力ボタン9b、別のトレッドミル1Aで走っているライバルや仲間の走りに対する評価を入力する他者評価入力ボタン9c、外部映像の速度をコントロールする映像速度調整ダイヤル等が備えられている。したがって、この入力装置9を操作することでトレッドミル1A自体の電源のON/OFFや、トレッドミル1Aの速度や表示画面7に表示される外部映像の再生速度等をコントロールすることができる。
【0054】
例えば、入力装置9でトレッドミル1Aの電源をONにするとトレッドミル1Aの電源が入り、映像画面7aにはマラソンコースの映像や、実際のマラソン大会等の映像が映される。そして、入力装置9でトレッドミル1Aの速度を操作してユーザYの走るスピードを上げていくと、それに連動して映像の再生速度も上がり、さらにスピードが上がると映像の拡大が進むように設定することもできる。なお、入力装置9は、トレッドミル1Aに固定されていてもよいし、また、トレッドミル1Aから脱着自在であってもよい。
【0055】
ユーザYの表情、及び/又は、運動姿勢等の外観データ153を取得する撮影装置20について説明する。トレッドミル1AにはユーザYを撮影するための撮影装置20を備えており、この撮影装置20は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮像素子より構成され、ユーザYの正面又は斜め上方など、ユーザYの顔を撮影することができる位置に設置され、常時又は随時においてユーザYの表情を撮影する。また、正面等から顔を撮影する(
図8(a)参照)他、広角レンズを用いることによって全身を撮影することもできる。広角レンズを用いた場合、ユーザYの正面位置に設置した撮影装置20のみでユーザYの運動姿勢等を撮影することができる(
図8(b)参照)。
【0056】
また、室内の運動施設SFの壁及び/又は天井に施設内撮影装置300を設置する例もある(
図22参照)。なお、撮影装置20や施設内撮影装置300の位置、角度、数等は問わない。
【0057】
図21、
図22等で図示したように、撮影装置20を使ってユーザYの表情を撮影し、この撮影した表情の画像を他のトレッドミル1Aで走行している仲間に画像を送信し、仲間のトレッドミル1Aの表示画面7に表示することができる。
【0058】
センサ100等で取得した運動データ151、ユーザYの自己評価データ152、撮影装置20等から取得したユーザYの表情、運動姿勢等に関する外観データ153等を受け取って、この運動データ151等を解析や機械学習等を行い、映像画面7aにユーザYを支援するための走りの評価結果を表示する例について説明する。
【0059】
構成としては、
図9にあるようにユーザYの運動データ151を取得するセンサ100、ユーザYの自己評価データ152等を入力する入力装置9、ユーザYの表情、運動姿勢等を撮影する撮影装置20や、表示装置5、これらと繋がる解析装置21とからなる。
【0060】
解析装置21には、運動データ151、自己評価データ152、ユーザYの表情、運動姿勢等の外観データ153等を収集し、受信解析する制御部23と、少なくとも、制御部23で解析した運動データ151、ユーザYの自己評価データ152、ユーザYの表情、運動姿勢等の外観データ153等を機械学習する学習部24と、各種処理を行う認識部22、外部映像の再生、及び/又は、外部映像の拡大縮小を制御する表示制御部27や、分類管理部26、切替表示部28等を備えている。また、走りの評価結果を表示する表示装置5とを備えている。その他、運動データ151等を他の装置であるパソコン等に送信する送信部を備える構成であってもよい。
【0061】
制御部23は、記憶部(不図示)に記憶されているプログラムに従って、各センサ100、距離センサ200、入力装置9、学習部24、表示装置5、トレッドミル1Aのモータ等の処理、駆動制御を行う。例えば、運動データ151、自己評価データ152、外観データ153、GPSデータ等を収集し、受信解析等を行う。
【0062】
運動データ151は、主にトレッドミル1A上で走行するユーザYが履くシューズSに備えるセンサ100で検出したユーザYの運動に関する様々な値である。
【0063】
自己評価データ152は、ユーザYが走行中に自分なりの良い走りか否かという観点での1〜5段階の自己評価の値である。5から順に例えば、素晴らしい、非常に良い、良い、まあまあである、及び悪いという段階とすることが考えられる。1〜5段階に限らず、1〜10段階としてもよい。
【0064】
具体的には、トレッドミル1A上でユーザYが走りながら1〜5段階の自己評価を入力装置9等で入力する。自己評価の入力のタイミングは、例えば、1kmごとのラップと同時に自己評価を入力するか、又は、ユーザY自身走りの感じ方が変わったときに入力する。この場合は、距離は任意となり、どの距離であっても入力することができる。
【0065】
外観データ153は、撮影装置20で撮影したユーザYの表情やユーザYの運動姿勢等の映像データである。
【0066】
また、
図22で図示したものとして、フィットネスジム等の室内の運動施設SFの壁及び/又は天井に接地した施設内撮影装置300でユーザYの運動姿勢等を撮影したものを外観データ153とすることもできる。運動施設SFの全体画像から特定のユーザYを認識して個別の映像として保存することができる。運動施設SF内での運動は、外的環境に左右されずに運動に集中できるため、ユーザYの外観データ153をより正確に取得することができる。
【0067】
外観データ153ではユーザYの運動姿勢等として、(身体の傾き、左右のバランス、前傾姿勢、後傾姿勢、直立姿勢、体の振れ、頭や手の振り、脚の上がり具合や下がり具合等の挙動である運動フォーム)等を確認することができる。
【0068】
図11は、走りの評価結果の判定に用いる数値モデル161の作成方法を示し、ニューラルネットの教師あり機械学習の一例を示している。入力値としては、各センサ100で取得した運動データ151、入力装置9から入力した走りの自己評価データ152、撮影装置20で撮影した映像データ、例えば、撮影装置20で撮影したユーザYの表情や体の振れ、全身の運動姿勢(ランニングフォーム)等の外観データ153等を教師データとし、この教師データを学習部24で機械学習することによって走行判定の数値モデル161を作成(数値モデル161が計算)する。
【0069】
図11で図示したように、運動データ151の入力値としては、速度、ストライド、ピッチ、接地荷重、接地時間、左右荷重バランス等が挙げられる。また、外観データ153の入力値としては、速度、ユーザYの表情・体のブレ、全身(運動姿勢、ランニングフォーム)等が挙げられる。主に、ユーザYの表情・体の振れに関しては、撮影装置20で撮影し、全身(運動姿勢、ランニングフォーム)に関しては、撮影装置20、及び/又は、施設内撮影装置300で撮影する。なお、運動データ151の入力値や外観データ153の入力値は、上記に限定されない。
【0070】
図10では、数値モデル161の構築例を図示したものであり、(a)が一の例、(b)が他の例である。
図10(a)、(b)で図示したように、数値モデル161は、運動データ151を使った運動データ数値モデル161aと、外観データ153を使った外観データ数値モデル161bを作成して使うのを基本とするが、教師なし機械学習では、両者を組み合わせたモデルとすることもある。
【0071】
学習部24で行われる機械学習は、「ニューラルネットワーク(教師あり)」を適用したものであり、運動データ151、自己評価データ152、外観データ153等に基づいてユーザYの運動状態、気分、自己の評価等を学習計算して数値モデル161を構築し、この数値モデル161をユーザYの走りの評価モデルとして使用する。
【0072】
学習部24や、機械学習を行う装置(以下、機械学習装置とする)における機械学習は、汎用の計算機若しくはプロセッサを用いることもできるが、例えば、GPGPU(General-Purpose computing on Graphics Processing Units)や大規模PCクラスター等を適用すると、より高速処理が可能となる。
【0073】
機械学習は、SVM(Support Vector Machine)や決定木など、任意の学習手段を用いることができる。機械学習は、学習部24や、機械学習装置に入力されるデータの集合から、その中にある有用な規則や知識表現、判断基準等を解析により抽出し、その判断結果を出力すると共に、知識の学習を行うことで実現される。機械学習の手法は様々であるが、大別すれば「教師あり学習」、「教師なし学習」等に分けられる。さらに、これらの手法を実現する上で、特徴量そのものの抽出を学習する「深層学習(ディープラーニング)」と呼ばれる手法がある。
【0074】
「教師あり学習」とは、ある入力と結果(ラベル)のデータの組を大量に機械学習装置に与えることで、それらのデータセットにある特徴を学習し、入力から結果を推定するモデル、即ち、その関係性を帰納的に獲得することができる。これは
図11のニューラルネットワーク等のアルゴリズムを用いて実現することができる。
【0075】
数値モデル161を使って走りの評価値を求め、走りの結果を1〜5などのランクで表示され、結果の表示として、(1)各要素の重み、走りの結果に影響の大きい要因(要因の寄与値)表示、(2)改良の方向表示、(3)評価ランクごとの実走行データ等が走りの評価結果表示画面7bに表示される。
【0076】
学習結果としての数値モデル161が自己の現在の良い走りと悪い走りを判定するモデルとなり、運動中のスキル判定、判定に寄与した要因の抽出を行うことができる。ランニングなどの運動中に、運動の質の判定を自己の数値モデル161に照らして判定し分析した結果を随時走りの評価結果表示画面7bに示すことで、走りの修正が図れ、スキル向上につながる。
【0077】
ユーザYの過去の運動データ151等を使用して機械学習したものが数値モデル161となり、この数値モデル161を使って判定したユーザYの現在の走りの評価(1〜5等のランク)と、その評価時のパフォーマンスや荷重等の各種データによってユーザYの運動を支援する。すなわち、数値モデル161に新たな運動データ151(現在の運動データ151)を入力することによって判定され、それが走りの評価結果として表示される。ここで、走りの評価結果とは、現在の走りの評価結果(走りの評価結果表示画面7bの第1段目)や、その評価時の各種データ(同第2段目から同第4段目)を合わせたものをとする。
【0078】
ユーザYが現在の走りの評価を見て、走りの評価が悪ければ、各種データとして表示されるパフォーマンス値、要因寄与度、荷重バランス等の数値のうち、数値が悪く影響の大きいもの(左右の荷重バランスやミッドフットになっていない等)に注意することで走りの改善を図ることによりユーザYの運動を支援するものである。したがって、走りの評価結果が走りの評価結果表示画面7bに表示されることによってユーザYが視認でき、それによってユーザYの意識改革に繋がる。
【0079】
運動データ151、外観データ153に加えて、トレッドミル1A上で走行するユーザY情報(故障情報、大会結果情報等)、さらにインターネットIN上のランナー画像、ランナー情報等を教師あり機械学習、教師なし機械学習、ディープラーニング等の手法により数値モデル161を作成し、走りの診断とアドバイスに使用することができる診断機能をも合わせ持つことも可能である。
【0080】
基本的には、自己評価ランク(走行状態の1〜5段階の評価)の入力を前提とした、教師あり機械学習であるが、教師なし機械学習で数値モデル161を作成することも可能である。例えば、ユーザYの表情である外観データ153とユーザYの運動データ151を組み合わせることで、自己評価ランクの入力なしで、良い走りと悪い走りが区別でき、機械学習で走りの数値モデル161を作成できる。また、ユーザYの運動データ151とユーザYの表情を含む外観データ153から、ディープラーニングにより数値モデル161を作成することができる。
【0081】
教師なし機械学習の場合は、例えば、ランニング中に定期的に学習をし直したり、また、走りの評価値が変化して、走りに対する良い評価または悪い評価が続き、走りの評価値に片寄りが出てきて、上下限界に張り付くような傾向が出てきた時に学習をし直して新しい数値モデル161に置き換える。その処理が発生した時には、自分のランク付けがアップ、又はダウンしたことを画面で知らせると共に、終了画面である第一結果画面7fの「マイデータサマリ」でも表示する(
図26参照)。教師あり機械学習の場合に、上述した教師なし機械学習の場合と同様の片寄りが出てきた場合は、モデル更新を促す表示を
図26の「学習更新」の箇所を所定の色や模様、点滅等でハイライト表示を行い、後述する機械学習の初期と同様の作業にてモデル更新を行う。
【0082】
トレッドミル1AのユーザYの前方には、表示画面7が組み込まれた表示装置5が配置されている。この表示装置5は、一般的なディスプレイ装置であり、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、ELディスプレイなどが該当する。また、ディスプレイ装置の映像表示領域は、縦/横比が3/4のいわゆるスタンダードサイズや、9/16のいわゆるハイビジョン(ワイドクリアビジョン)サイズであってもよい。
【0083】
トレッドミル1AをインターネットINにつなぐことによって、各種映像等をダウンロードでき、表示画面7に各種映像等を表示させることができる。また、他のトレッドミル1AともインターネットINでつながることによって同じ映像等を共有することも可能である。
【0084】
表示装置5は、トレッドミル1Aの本体に備えられた送信部29から送信される速度信号を受信する有線又は無線の受信部6を備え、ユーザYが走行するトレッドミル1Aの走行速度、ユーザYが自ら設定したトレッドミル1Aの速度、自動設定されたトレッドミル1Aの速度と、外部映像の再生速度とを同期させることを可能とする。
【0085】
なお、表示装置5は載置台3に固定されていてもよく、また、載置台3から着脱自在であってもよい。また、載置台3を介さずにトレッドミル1Aの本体に直接配置する構成であってもよい。
【0086】
表示画面7には、各種映像、画像、動画等(以下、「映像」とする)を表示し、また、ユーザYの現在の走りを評価した結果を表示する。なお、便宜上、映像等を表示する画面のことを映像画面7aとし、ユーザYの現在の走りを評価した結果を表示する画面のことを走りの評価結果表示画面7bとする。
【0087】
図4、
図5では、表示画面7を図示しており、映像画面7aにはユーザYが行う運動に対応させた娯楽性ある映像、例えば、ユーザYの視点位置から前方に見える景色及び/又は人物を撮影した模擬走行コース(運動イベントであるマラソン大会等のコース)等の外部映像を表示し、走りの評価結果表示画面7bには運動データ151等の各データ151、152、153を機械学習した数値モデル161を使って現在の走りを評価した結果を表示している。
【0088】
なお、模擬走行コース等の外部映像は、ユーザY自ら撮影した映像、又は、マラソン大会等の参加者が撮影した映像、CG、ドローン等の無人航空機による空撮映像、インターネットIN上で公開されている映像のいずれかを利用することができる。これにより、外部映像表示の選択肢が増す。
【0089】
また、映像画面7aには、コースデータ、ユーザY自身又は他人(ライバルや仲間)の表情、及び/又は、ハンドルネーム(ユーザを示す名称)を表示することもできる。具体的には、ユーザY自身又は他人の表情のみの表示、ユーザY自身又は他人の表情及びハンドルネームの表示等が考えられる。
【0090】
映像画面7aでは、模擬走行コースが2次元地図として一部オーバーレイして表示され、2次元地図上に現在位置が走行距離から算出して星印Pで表示してある。すなわち、ユーザYの現在地を地図上にプロットして表示することができ、ユーザYの走行位置に合わせてプロットが移動する(
図6参照)。
【0091】
図6のフローチャートでは、ランニングのコース設定方法を示している。ここではまず、ユーザYがコースの地図を選択し、コースの地図上のスタート地点、中継点、ゴール地点をポイントして、スタートする。スタート後は走った距離に沿ってコース上を進み、現時点の位置を星印P等でマーク表示する。最終的には、ゴール地点で停止する。また、コースの地図には地図上の傾斜も読み込むことができ、これに対応してトレッドミル1Aにおいて負荷をかけることができる。具体的には、認識部22で地図上の傾斜を認識し、制御部23がモータを制御する。
【0092】
図21、
図22では、映像画面7aの隅には、通信ネットワークを介して接続されている別のトレッドミル1Aで同時に走っているライバルや仲間の顔の映像及びハンドルネームが映し出されている。これにより、一緒に頑張っている感覚を醸し出して走ることができ、モチベーションアップに繋がる。さらに
図1で図示した他者評価入力ボタン9cで「〇」(いいね)、「△」(頑張って)、「×」(ブーイング)等を入力することによって、後述する仲間のポイントに反映させることができる。
【0093】
図4、
図5で図示したように、ユーザYの現在の走りの評価結果として走りの評価結果表示画面7bに表示される内容としては、センサ100で検出した運動データ151や、入力装置9から入力した自己評価データ152、撮影装置20から取得したユーザYの各種運動、表情、運動姿勢等に関する外観データ153等を機械学習した自分(ユーザY)の走りの数値モデル161を使って、現在の走りを評価した結果である。具体的には、走りの評価結果表示画面7bには、上から順に第1段目には走りの評価(拡大表示)、第2段目にはパフォーマンス表示、第3段目には要因寄与度(要因の寄与値)及びセンサ100の位置、第4段目には荷重バランスが表示される。また、これらに限らず、センサの接地荷重、圧力微分値(着地の強さを表す接地荷重の微分値)等も表示してもよい。
【0094】
第1段目の走りの評価には、走行履歴を速度で表し、その上に自己の走りの評価を5段階の数値で示している。第2段目のパフォーマンス表示は、ユーザの各種走行パフォーマンスについて数値として示される。第3段目の要因寄与度(要因の寄与値)には、その走りに影響した運動要因の寄与値、また、センサ100の位置には、足のセンサ100の位置が示される。第4段目の荷重バランスには、センサ100位置の荷重バランスを左右に示している。
【0095】
走りの評価結果は、現在の自分の走りのデータを機械学習で得られた数値モデル161を使って判定した結果である。機械学習に使用するデータ(自分の走りのデータ)は、トレッドミル1Aで走っているときに自己評価入力ボタン9bを使って自分の評価ランクを入力すると、それがトリガーとなり、その時点の走りのデータ(運動データ151、外観データ153)が一定区間取り込まれ、評価ランクを持ったセンサーデータ値の教師あり機械学習により数値モデル161(運動データ数値モデル161a、外観データ数値モデル161b)が更新される。
【0096】
機械学習の初期には、ランニング中の自分の走りの評価を自己評価入力ボタン9bを押すことによって運動データ151、外観データ153を取り込んで学習用データとし、自己評価値を持つ教師あり機械学習により自己の走りの数値モデル161を得る。そして、走りの数値モデル161を使って現在の走りを評価した結果は、ランニング中の随時、または一定の時間間隔で更新され、常に最新の走りの評価結果を表示することで、より良い走りの追及ができる。
【0097】
数値モデル161が作成されていない初期の状態では、より多い頻度で自己評価入力ボタン9bにより自己評価の入力を繰り返すことによって数値モデル161を作り上げ、以降は気づいたときに自己評価を入力すれば、それがトリガーとなってその時点の運動データ151と外観データ153を取り込んで、機械学習によって数値モデル161を更新することとなる。
【0098】
なお、第3段目の要因寄与度(要因の寄与値)の求め方は、ユーザYのトレッドミル1A上の走りからセンサ100によって検出した「走りの特徴量」(具体的な数値、値)に、機械学習した数値モデル161から求めた「特徴量の重要度」(要因)を掛け合わせることで可能となる。
【0099】
今回の走りの要因寄与度(要因の寄与値)及びベスト状態の走りの要因寄与度(要因の寄与値)が表示されるため、ベスト状態の要因寄与度と今回の走りの要因寄与度を比べることで、どこを改善する必要があるかが分かるため、これを見ながら走りの改善に取り組むことができる。
【0100】
図4では、映像画面7aと走りの評価結果表示画面7bを別の個別のデバイス(表示装置5)で構成しているが、
図5のように、映像画面7aと走りの評価結果表示画面7bを一つの表示画面7に二分割して表示する構成であってもよい。一つの表示画面7に二分割して表示する場合、個別のデバイス(表示装置5)を使う場合に比べて設置の煩雑さがなく、固定的な使い方に向いている。
【0101】
また、トレッドミル1Aには、表示装置5に表示されるところの、外観表示画面7cと走りの評価結果表示画面7bとを切り替える切替表示部28を備えており、
図7で図示したように、ユーザYの走りの評価結果表示画面7bとユーザYの運動姿勢(ランニグフォーム)のライブ画像を表示する外観表示画面7cを切り替えて表示することができる。これによれば、ユーザYの詳細な評価結果の他、撮影装置20やフィットネスジム等の室内の運動施設SFの壁及び/又は天井に設置した施設内撮影装置300等で撮影したユーザの運動姿勢のライブ画像によって自己のランニングフォームを客観的にチェックすることができる。
【0102】
以上のように、走りの評価結果表示画面7bでは現時点での走りの状態を随時表示して、それをユーザYが確認してランニングフォームなどの改良を試みることができる。また、総合的な結果の判断は、ランニング終了後の第一結果画面7f、第二結果画面7g等で確認することができ、これらの走行状態の評価結果を見ながら自己の走り方の修正を行い、ユーザYが自分なりの良い走り方を身に着けていくことができる。なお、走りの評価結果表示画面7bの表示内容は、ランニング中に常時リフレッシュして更新を続けるのを基本とする。
【0103】
図1等で図示したように、トレッドミル1Aには、各データ151、152、153に基づく評価結果(走りの数値モデル161を使って、現在の走りを評価した結果)に対応して点滅又は点灯する評価結果表示ランプ15を備える。
【0104】
具体的には、走りの評価結果表示画面7bには、センサ付きのシューズSから得たユーザYの運動データ151等に基づく走行状態の1〜5段階の評価結果が表示されるが、この評価結果をさらにわかりやすくユーザYに伝えるために、例えば、良い走りを示す「緑」、悪い走りを示す「赤」、中間を示す「黄」のランプを点灯させる評価結果表示ランプ15を表示装置5の近傍に備えている。
【0105】
以上のように、走りの評価結果表示画面7bで表示されるユーザYの現在の走りの評価結果のうちのひとつである1から5段階に段階化された走りの評価に対応して評価結果表示ランプ15が点滅又は点灯する。
【0106】
また、運動データ151等に基づく評価結果(走りの数値モデル161を使って、現在の走りを評価した結果)に対応してトレッドミル1Aの速度を制御することもできる。具体的には、走りの評価結果表示画面7bの第1段目の走りの評価である5段階の数値である自己の評価結果を基に、評価結果が良い結果であったことに応答して、制御部23がトレッドミル1Aの速度を上げやすく(上げる)制御し、また、評価結果が悪い結果であったことに応答して、制御部23がトレッドミル1Aの速度を上げにくく(下げる)制御することができる。
【0107】
以上のように、走りの評価結果表示画面7bで表示されるユーザYの現在の走りの評価結果のうちのひとつである1から5段階に段階化された走りの評価に対応してトレッドミル1Aの速度を制御する。
【0108】
図1等で図示したように、表示装置5の近傍にはユーザYの速さのレベルに応じた「RUN」、「WALK」等の走行スイッチ10や、外部映像を調整することができる映像調整手段11も備えている。
【0109】
走行スイッチ(選択ボタン)10の設定例を
図18に沿って以下示す。「RUN」スイッチでは、ユーザYの速さを、例えばランニングを想定した5km/h〜15km/hとし、差分の10km/hの間で、後述する8K4K画像を使ってクリヤビジョン表示をする場合は、10km/hで10倍のズーム率での表示とする。また、「WALK」ボタンでは、ユーザYの速さを、例えばウォーキングを想定した2km/h〜6km/hで設定をデフォルトとし、映像調整手段11でユーザYにフィットする設定をユーザY自らが調整することができる。
【0110】
ウォーキング、競歩、ジョギング、ランニングでは、フォームがそれぞれ異なるので、走行スイッチ10は、それぞれを選択することを目的とする。例えば、速度は同じでも、歩くときには荷重が踵からつま先に順に荷重が移動し、ランニングではつま先よりに荷重がかかる傾向にあるため、この違いを走行スイッチ10によって正確にフォームへ反映する。
【0111】
走行スイッチ10は、ランニング、ウォーキング、バイク運動に応じた速度に分けて設定し、映像調整手段11は、それぞれの運動スピードの想定範囲の上限スピードとなったときにデジタルズームの最大拡大率となるように設定することができる。
【0112】
映像調整手段11は、外部映像の再生速度、外部映像の拡大率を微調整することができる。再生速度、拡大縮小は、ランニング速度に比例して実施できるが、この比例定数を調整することで、スピード感を増したり、スムーズ感を出したりして、自分なりの感覚に合わせることができる。
【0113】
以上より、走行スイッチ10と映像調整手段11との連動によって外部映像の再生をよりユーザに適合したものとすることができる。
【0114】
既存の携帯情報端末(タブレット形パソコン、スマートフォン等)70を入力装置9として使用することもできる。例えば、携帯情報端末70とトレッドミル1Aとが無線又は有線で連結されることによって、この携帯情報端末70のタッチパネルやボタン等を介して表示装置5の映像画面7aに表示された映像の再生速度等をコントロールすることができる。
【0115】
各データ151、152、153をパソコンやスマートフォン等の携帯情報端末70に送信し、携帯情報端末70で解析装置21と同様の処理を行うこともできる。
【0116】
表示装置5の映像画面7a、及び/又は、走りの評価結果表示画面7bは、既存の携帯情報端末70の表示画面を代用することができる。したがって、携帯情報端末70の表示画面を映像画面7aや走りの評価結果表示画面7bとすることもできる。
【0117】
本発明は、撮影装置20でユーザYの表情、及び/又は、運動姿勢を撮影し、その表情等に応じてトレッドミル1Aの速度を調整することができる。主な構成としては、
図9で図示したように撮影装置20、認識部22、制御部23等が挙げられる。
【0118】
撮影装置20によりトレッドミル1A上で走行するユーザYの表情を撮影し、この撮影した撮影画像(外観データ153)を認識部22に送信し、認識部22で各種処理を行う。
【0119】
なお、既存の携帯情報端末70を表示装置として使用する場合は、携帯情報端末70に内蔵されているカメラを撮影装置20として使用することができる。即ち、撮影装置20は、既存の携帯情報端末70に備え付けのカメラを代用することができる。
【0120】
認識部22は、撮影装置20で撮影された画像(外観データ153)の解析等を行い、画像に写るユーザYの表情を認識する。すなわち、認識部22がユーザYの状態を認識する。
【0121】
この認識部22には、普通の表情、辛い表情、笑顔等を構成する目、鼻、口などの各部の特徴を表す情報が表情認識用モデルとして予め格納されている。認識部22は、撮影装置20により撮影された画像からユーザYの顔を検出し、目、鼻、口などの顔の各部の特徴を抽出する。
【0122】
そして、認識部22は、撮影画像から抽出した特徴と、表情認識用モデル(数値モデル161の外観データ数値モデル161bの一つ)の特徴とを比較し、一致度が閾値以上である場合、ユーザYの表情が笑顔であると認識する。また、認識部22は、撮影画像から抽出した特徴と、表情認識用モデルの特徴との一致度が閾値未満である場合、ユーザYの表情が笑顔ではないと認識する。そして、認識部22は認識結果を表す情報を制御部23に出力する。
【0123】
表情認識用モデルは、ユーザYの表情画像を機械学習によって得られた表情分類用の数値モデルであって、普通の表情、辛い表情、笑顔等を判定する。また、インターネットIN上で利用可能な表情画像を合わせて使い、ディープラーニングで表情からユーザYの状態を推定することでも良い。なお、機械学習用のデータ(外観データ153)は、ランニング中に入力した自己評価ランク(1〜5段階)に対応して取り込まれたものである。
【0124】
制御部23は、認識部22からの情報に基づいて、ユーザYの表情が笑顔である場合、表示画面7上に文字、数値、又は、笑顔のアイコンを表示してユーザYの表情に応じたフィードバックをするとともに(
図1等参照)、トレッドミル1Aの速度をそのままの速度で維持することを指示する信号をトレッドミル1Aのモータ(不図示)に出力する。
【0125】
また、ユーザYの表情が笑顔でないと判断した認識部22の認識結果の場合、制御部23は、表示画面7上に文字、数値、又は、渋面のアイコンを表示してユーザYに表情に応じたフィードバックをするとともに、トレッドミル1Aの速度を遅くすることを指示する制御信号をトレッドミル1Aのモータ(不図示)に出力する。これによって、ユーザYの状態を推定し、能力を超える速さで走ろうとすることを防止してユーザYの安全を確保することができる。すなわち、ユーザYの状態の変動から、制御部23がユーザYの能力を超える速さで走ろうとすることを防止する。
【0126】
ユーザYの顔を撮影し、表情を認識し判断する例の他、ユーザYの運動姿勢(運動フォーム)等を撮影し、この運動姿勢等を認識し判断する例であってもよい。この場合の主な構成としては、
図9で図示したように撮影装置20、認識部22、制御部23等が挙げられる。具体的には、下記のとおりとなる。
【0127】
トレッドミル1A上で走行するユーザYの運動姿勢等を撮影装置20で撮影し、この撮影画像(外観データ153)を認識部22に送信する。
【0128】
認識部22は、ユーザYの運動姿勢等から、運動姿勢等の偏りを計測する。具体的には、認識部22は、非装着型のモーションキャプチャ等を利用して、ユーザYの動きをデータとして取り込む。非装着型モーションキャプチャシステムとしては、例えば、ステレオカメラや赤外線プロジェクタを用いて得た画像からユーザYの姿勢を計測する。
【0129】
認識部22でモニタリングし、ユーザYの体の振れ、トレッドミル1A上の位置の変動等を認識し、自己のフォームで学習した数値モデル161の良いフォーム、及び/又は、手本となる一般的なフォームと比較して相違点を見出し、この相違点が閾値以上であればフォーム改善の余地があるとする認識結果を制御部23に出力する。そして、制御部23からモータへの指示によってトレッドミル1Aの速度を調整することにより、ユーザYの能力を超える速さで走ることを防止することができる。
【0130】
その他、心拍センサ、脈拍センサ等の各種センサを用いてトレッドミル1Aの速度調整を行う例について説明する。ユーザYに心拍センサ、脈拍センサ等の各種センサを装着し、各種センサにより検出された検出信号をユーザYの生体情報を計測する認識部22に送信し、この認識部22でモニタリングし、ユーザYの体の振れ、トレッドミル1A上の位置の変動等を認識し、予め記憶されているユーザYの走りの数値モデル161の心拍数、脈拍と比較して相違点を見出し、この相違点が閾値以上であれば速度コントロールの余地があるとする認識結果を制御部23に出力する。そして、制御部23からモータへの指示によってトレッドミル1Aの速度を調整することにより、ユーザYの限界を超える速さで走ることを防止することができる。また、センサに関しては、ユーザYの体温や血圧、脈拍、脳波などの生体反応を検知する生体反応センサであってもよい。
【0131】
トレッドミル1Aの速度の調整を自動でコントロールする他の実施例について
図1−1から
図3に沿って説明する。これによれば、ユーザYの加減速意思を認識(推定)してトレッドミル1Aの速度を自動でコントロールすることができる。なお、以下の例で使用するトレッドミル1Aは、トレッドミル1Aの本体側で速度をコントロールすることができる非自走式タイプに限定される。
【0132】
図1−1〜
図1−3で図示した手段Aは、荷重センサ(センサ100)付きのシューズSから得た荷重データを活用して速度調整を行う例である。すなわち、シューズSに備えた荷重センサによって、荷重センサ値(センサ荷重検出値)を検出し、この荷重センサで測定した荷重センサ値が増加するときトレッドミル1Aの速度を速くするように制御する。逆に、荷重センサで測定した荷重センサ値が減少するときは、トレッドミル1Aの速度を遅くするように制御する。
【0133】
荷重センサ値である荷重データだけでもトレッドミル1Aの速度制御は可能であるが、踏み込みの強さが走りの加速につながる事実を忠実に再現するため、荷重の微分値を使用して判断する方法や、また、荷重の微分値、荷重センサ値の両方を使って判断する方法もある。
【0134】
以下、図に沿って手段Aによる速度コントロール方法の詳細を示す。まず、
図1−1では、着地の接地荷重(着地反力)ΔFnと接地時間Tから力積を求め、運動量変化より速度増加分ΔVを求める。そして、ΔFvを前進の力(推進力)[N]→[kg・m/s2]、Tを接地時間 [s]、ΔVを速度増分 [m/s]、m:体重を[kg]とすると次のような式が成立する。
【0135】
式4
力積 運動量増加
ΔFv[N]・T[s]=ΔV[m/s]・m[kg]
【0136】
そして、接地荷重ΔFnは接地面の上方向に掛かるので、進行方向への変換のためのゲイン(上方向から前進方向への力の変換係数)を導入し調整する次のような式が成立する。
【0137】
式5
ΔV[m/s]=G・ΔFn・T[s]/m[kg]
【0138】
また、接地荷重ΔFnと接地時間Tは、一歩の三点個別圧力センサ値で表される。次のような積分式が成立する。
【0139】
式6
ΔFn・T[s]=∫(Δfn1+Δfn2+Δfn3)dt
∴ΔV[m/s]=G・∫(Δfn1+Δfn2+Δfn3)dt/m[kg]
【0140】
図1−2はゲインGを測定値から求める場合の方法を示す。接地荷重ΔFnに着地位置と体の重心直下との差分lnの積が着地位置を中心としたモーメントMを発生させ、重心位置の推進力ΔFvが重心高さlhでモーメントMと同じになるので、Gはln/lhとなる。
【0141】
lvは、
図1−2で図示した超音波距離センサからの超音波距離センサ値より求め、lLは、荷重センサ値より求めると、次のような式で表される。Lは、ユーザの身長、lnは、重心直下から着地位置までの距離とする。
【0143】
また、lhは、無端ベルト2の上からユーザYのへその位置位の高さとし、具体的にはユーザの身長の0.6掛けした数値とする。
【0144】
lh:0.6L
0.6 = 1.6/(1+1.6)
【0145】
lLは装置前端から着地位置までの距離、Tは接地時間を表しており、その後に付されている数字は、各センサに対応する。例えば、T1であれば、センサ100の接地時間となる。
【0146】
ΔFnをセンサ毎の荷重と着地位置から求めることで、着地位置と接地荷重の違いを考慮した推進力を得ることができ、走りの評価に繋がる。センサによる接地荷重はセンサ毎にΔfn1〜Δfn3、発生位置lL1〜lL3は後述の手段Cのセンサから求め、体の中心までの距離lvをセンサ200から得る。
【0147】
図1−3は、ゲインGに加えて、走りの良さを表す係数αを追加したものを示す。αは複数の重み付きの要素の合算を基準化したものであり、以下の要素を考慮して、良い走りであるほどスムーズな加速ができるように自分で試しながら向上することを誘導するためのものになる。各要素としては、g、f1、f2、f3、f4、f5がある。これらは走りの評価結果表示画面7bの第2段目のパフォーマンス表示の評価値として活用される。
【0148】
gは自分の走りの学習値と比較した走りの評価値で、数値としては、最低評価点0から最大評価点(gmax)5の範囲内で評価される。
【0149】
f1はフォアフット又はミッドフットでの走行(着地)であれば加点とし、条件式はLe1>Le3&Le2>Le3で、数値としては、最低評価点0から最大評価点(f1max)3の範囲内で評価される。
【0150】
f2は母指球の接地荷重が高い最も良いとされる走りである場合の加点し、条件式はLe1>Le2 & Le1>Le3で、数値としては、最低評価点0から最大評価点(f2max)3の範囲内で評価される。
【0151】
f3は左右の接地荷重のバランスが良い場合の加点で、数値としては、最低評価点0から最大評価点(f3max)2の範囲内で評価される。
【0152】
f4は接地荷重の微分値が小さい滑らかな走りの場合の加点で、数値としては、最低評価点0から最大評価点(f4max)2の範囲内で評価される。
【0153】
f5は一歩ごとのバラツキが少ない場合の加点で、数値としては、最低評価点0から最大評価点(f5max)1の範囲内で評価される。
【0154】
これら重みの点数は例であり、適宜変更することができる。
【0155】
走りの良さを表す係数αを追加した場合においては、次のような式で表される。
【0156】
式8
ΔV[m/s]=α・G・∫(Δfn1+Δfn2+Δfn3)dt/m[kg]
α=Σ(fi+g) / Σ(fimax+gmax)
【0157】
以上より、速度コントロールは、荷重に関しては、荷重が増加すれば加速し、荷重が減少すれば減速することとなる。また、接地位置に関しては、前進すれば加速し、後退すれば減速することとなる。すなわち、センサ100から検出した接地荷重及び荷重の微分値の増減により、認識部22がユーザYの速度加減速意思を推定し、制御部23がトレッドミル1Aの速度を制御する。
【0158】
図2で図示した手段Bは撮影装置20を使用するものであり、撮影装置20とユーザYとの距離Dに応じてトレッドミル1Aの速度を増減させる方法を示している。この手段Bによれば、撮影装置20からユーザYまでの距離Dが近くなる場合はユーザYに加速の意志があると判断してトレッドミル1Aの速度を上げ、撮影装置20からユーザYまでの距離Dが遠くなるとユーザYに減速の意思があると判断してトレッドミル1Aの速度を落とす。
【0159】
手順としては、例えば、スタート前の時点でトレッドミル1A上に立ったユーザYの位置を撮影装置20で撮影し、そして、この位置を基準として走行中にユーザYが前にいるか後ろにいるかを認識部22が認識し、制御部23がトレッドミル1Aの速度を制御することが考えられる。したがって、撮影装置20で取得した外観データ153から判断されるユーザYとの距離の増減により、認識部22がユーザYの速度加減速意思を推定し、制御部23が室内用有酸素運動装置1の速度を制御することができる。
【0160】
また、撮影装置20でユーザYの元の状態(スタート状態)を撮影し、これを外観データ153として、この外観データ153を基にユーザYの状態の変動(元の位置を基準とした前後左右へのふらつき等)を認識部22が認識することによってユーザYの速度加減速意思を推定し、制御部23がユーザYの元の状態の変動からユーザYの能力を超える速さで走ろうとすることを防止するようにトレッドミル1Aの速度を制御することもできる。
【0161】
その他、ユーザYとの距離を測る方法として、出力信号を出力する別途センサを用いることができる。例えば、距離センサ(超音波センサ、光学式距離センサ)200、認識部22、制御部23を利用してトレッドミル1Aの速度の増減を行う構成が挙げられる。
【0162】
具体的には、スタート前の時点でトレッドミル1A上に立ったユーザYの位置を距離センサ200で測定し、この位置を基準として走行中にユーザYが前にいるか後ろにいるかを認識部22が認識することによってユーザYの速度加減速意思を推定し、制御部23がトレッドミル1Aの速度を制御する。
【0163】
なお、撮影装置20や距離センサ200にはローパスフィルターを用いることができ、このローパスフィルターの処理よってノイズや細かな変動を除去することができ、安定した値を得ることができる、映像を使うよりも簡単な方法となる等のメリットがある。
【0164】
図3で図示した手段Cはトレッドミル1Aに備えた荷重センサ16、18、19(16〜19)を使って接地荷重と接地位置を測定する方法で、荷重センサ値の増減、ユーザYの接地位置に応じてトレッドミル1Aを加減速させるものを示す。すなわち、トレッドミル1Aの四隅(簡易的には前後)に設けた荷重センサ16〜19によって測定された値のバランスからユーザY位置を割り出してトレッドミル1A上の移動を求めて使用し、認識部22がユーザYの加減速意思を認識(推定)して、制御部23が速度をコントロールできるものである。
【0165】
具体的には、
図3で図示したように、各荷重センサ16〜19の出力信号に基づいて、各荷重センサに対応した4つの領域、即ち、無端ベルト2の走行面2aを前後左右に4分割した領域A1〜A4毎に、そのシート荷重(荷重センサ値Ff1、Ff2、Fr1、Fr2)を検出する構成になっている。
【0166】
この荷重センサ16〜19としては、例えば、制御部23に接続された荷重検出手段であるロードセルを使用することができ、このロードセルが押圧力を検出し、この検出した信号が電気的に制御部23に伝達される。具体的な構成としては、トレッドミル1Aの無端ベルト2の下側にフォースプレート4を配置し、このフォースプレート4の四隅にロードセル(荷重センサ16〜19)を取付ける。そして、各ロードセル(荷重センサ16〜19)の出力部からロードセルの出力値が出力される。
【0167】
荷重センサ16〜19の荷重センサ値は、ユーザYの踏み込み強さを反映して加速の意志を示し、ユーザYの接地位置がトレッドミル1Aの前方に移動するときユーザYの加速意思があると考えて増速する。逆に、ユーザYの接地位置がトレッドミル1Aの後方に移動するときユーザYに加速意思がないと考えて減速する。この荷重センサ16〜19で検出される荷重センサ値の増減や、ユーザYの接地位置により、速度の増減がなされることとなる。
【0168】
荷重に関しては、フォースプレート4全体の荷重を「F」とすると次のような式が成立する。Ff1は、ロードセル(荷重センサ16)の荷重値、Ff2は、ロードセル(不図示の荷重センサ)の荷重値、Fr1は、ロードセル(荷重センサ18)の荷重値、Fr2は、ロードセル(荷重センサ19)の荷重値であり、接地荷重の総量はセンサ値の合計Fで求めることができる。
【0169】
式1
F=Ff1+Ff2+Fr1+Fr2
【0170】
また、接地位置に関しては、各センサ値を使って次のような式に示す方法で求めることができる。lLを長手方向の距離とし、この長手方向の距離lLを前側のlL1と後側のlL2に分けている。Wを短手方向の距離とし、この短手方向の距離を左側のW1と右側のW2に分けている。
【0171】
式2
Ff1 * lL1 = Fr1 * lL2
lL1+lL2=lL
∴ lL1 = Fr1 / (Ff1 * Fr1) * lL
【0172】
式3
Fr1*W1=Fr2*W2
W1+W2=W
∴W1=Fr2/(Fr1+Fr2)*W
【0173】
縦方向の位置lL1より接地位置が求められ、その増減によりトレッドミル1Aの速度増減に対応させることができる。また、W方向の位置は、ユーザが無端ベルト2から外れないようにモニターし、無端ベルト2上の位置から外れて転倒等の危険が迫るときに安全に停止するように制御することに活用する。
【0174】
図12で図示するように、ユーザYの走行速度に合わせて映像画面7aに表示された元の映像等(以下「元映像B」とする)を拡大縮小させることができる。
図12では、トレッドミル1Aの映像画面7aに表示されている元映像B(撮影時の速度による動画等)と、映像画面7aに表示される実際の画面の例として、ユーザYの速度が遅い場合の画面SL、ユーザYの速度が速い場合の画面L、その中間の速度の場合の画面Mを表示している。
【0175】
ユーザYの走行速度に合わせた元映像Bの拡大縮小に関しては、映像の撮影時の撮影速度を基準とするため、この撮影速度を特定する必要があるが、この映像の撮影速度の特定に関しては、GPSからのGPSデータ等を基に下記の1.〜4.に基づいて行うことができる。
【0176】
1.外部映像撮影装置400でマラソンやジョギング等のコース映像の動画を撮影し、その撮影した外部映像データの保存時に撮影時の緯度、経度等のGPSデータ(スマートフォン・GPSウォッチ等を利用する)を合わせて保存し、同時再生で速度を特定する。
2.外部映像データのコースを確認し、コースの距離とスタートからゴールまでの再生時間から平均速度を求めて代表する。また、中間ポイントを設定して同様に区間平均速度を求めて精度を上げることもできる。
3.外部映像データのGPSタグ情報(撮影画像に付随したデータ、例えばexif情報)から撮影位置座標を取り出して速度を計算し、地図表示も同時に行う。
4.マラソン大会等で設定の距離表示、給水所位置、トイレ位置を距離のマーカーとして使用し、時刻よりマーカー間の平均速度を計算する。なお、他に専用のマーカーを置いくこともできる。
【0177】
また、GPSデータのない映像を使って計算する別の方法としては、次のとおりである。
a.ディープラーニングにより映像中のターゲット像やランドマークを見つけ出す。
b.ストリートビュー(登録商標)などの既存画像からMAP上の位置を特定する。
c.画像を再生し、第1のターゲット像が画面から消えるタイミングをスタートとして第2のターゲット像が画面から消えるまでの距離と時間から速度を求める。
このようないずれかの方法で撮影速度の特定が行われ、撮影速度データとセットの外部映像をコースデータとして使用する。
【0178】
映像画面7aに表示される外部映像(元映像B等)の再生、及び/又は、拡大縮小に関しては、主に、表示制御部27により行われる。具体的には、表示制御部27は、外部映像(元映像B)を再生し、また、ユーザYの走行速度が外部映像の撮影速度より速いか遅いかを判断し、元映像Bの一部を拡大表示、又は、元映像Bの一部を縮小表示するように制御する。
【0179】
元映像Bの拡大表示や、元映像Bの中心部分の移動表示等のように、元映像Bを活用して、その範囲の中で自由に表示することができるが、この拡大表示や中心部分の移動、位置合わせ等は入力装置9にて操作することができ、または撮影装置20で撮影した画像からユーザYの向きを捉えて推定することでも操作できる。
【0180】
既述したように、トレッドミル1A上を走るユーザYの速さに応じて、速度が遅い場合は画面SL、速度が速い場合は元の動画は拡大されて画面L、その中間の速度の場合は画面Mのように切り出されて映像画面7aに表示される。速度の遅い場合の画面SLから中間の速度の場合の画面Mに拡大されると、前を走っているランナー(R1)に追いついてきて、さらに速度が速い場合の画面Lでは追い越して見え、さらに前を行くランナー(R2)に追いついて見えることがわかる。元映像Bは同じであるが、拡大して表示すると、画面をはみ出した部分は表示されず、中央部分が切り出されることによって出てくる効果である。この時、拡大による効果を補助するように再生速度も走る速さに応じて速くしている。
【0181】
映像、および撮影開始から映像とともにGPSデータから時系列の速度を計算して記録したデータを使って、ランニングの速度とその時刻の映像の速度を比較して、増減に比例した量を映像再生速度の増減と映像の拡大縮小に使うこともできる。
【0182】
図13は、動画の再生速度と拡大率の設定の例である。(a)のように、再生速度が撮影時の速度のBを基準に、走る速度が速くなれば速度を単調増加させると同時に、(b)のように走る速さに応じてオリジナルのサイズAを単調増加で最大ズーム率まで拡大していく。この(a)と図(b)を足し合わせて画面表示の映像を作り出す。図中、211は、動画再生速度変化線、210は動画ズーム率(速度変化線)である。図中、Aは、撮影した画像のサイズ(オリジナルサイズ)であり、ズームアウト(画像縮小)する場合の限界になるサイズになる。走る速度が撮影した時の速度よりも遅い場合にオリジナルサイズのAまではズームアウトできる。速度が増加すればオリジナルサイズのAをスタートとして拡大となる。従って、画像を撮影した時の速度のBに於いてはオリジナルサイズのAを拡大状態で表示し、オリジナルサイズのAからの拡大分を速度が遅くなった時のズームアウト代とする。
【0183】
図14は、外部映像等の再生速度と拡大率の設定の別の例である。撮影時の速度を超えた時点から拡大をはじめ、最大ズーム率までの調整幅を大きくすることができることを図示している。図中、220は、動画ズーム率(速度変化線)の例である。
【0184】
映像画面7aにおける外部映像の再生に関しては、外部映像のGPSデータから解析された外部映像の撮影速度を基準として、トレッドミル1A上でのユーザYの走行速度が外部映像の撮影速度を超える場合には、映像画面7aにおける外部映像の再生速度を速める。他方、トレッドミル1A上でのユーザYの走行速度が外部映像の撮影速度を下回る場合には、映像画面7aにおける外部映像の再生速度を遅くする。このようにすることで、ユーザYの走行速度と映像画面7aにおける外部映像の再生速度が同期するように設定することができる。
【0185】
外部映像等の拡大率は、撮影した外部映像の解像度と表示装置5の映像画面7aの解像度との比を上限値とするように設定する。
【0186】
外部映像の拡大縮小は、ユーザYの走行速度が外部映像等の撮影速度を超える場合には速度超過分に相当した分の拡大をするようにし、映像画面7aに表示される模擬走行コース等の外部映像をユーザYの走行速度に応じて再生速度と外部映像の拡大縮小を組み合わせて変化させることができる。
【0187】
また、
図15はズーム率を速度変化に応じて変化させることで速度増加分を誇張して見せるようにした例である。いずれも入力装置9でユーザYの感覚に合うように変えることができる。図中、230、240は、それぞれ動画ズーム率(速度変化線)別の例である。
【0188】
図16では、撮影時の速度よりも早い速度で走行を継続した場合にズーム率も継続していくように設定した例である。ズーム率は、走行速度が撮影時の速度より速いほど(V1よりV3が速い)ズーム率の時間経過の割合を大きくする設定を示す。ズーム率は最大ズーム率で止め、その拡大率での再生を維持する。縮小に向かわない限り、見える映像の範囲は変わらないため、頭打ち感は少ない。図中、305は、動画ズーム率(時間変化線)、310、320は、それぞれ動画ズーム率(時間変化線)別の例である。
【0189】
外部映像等の拡大率は、ユーザYの走行速度が映像撮影スピード(撮影速度)を超える分に設定すると同時に、持続時間とともに拡大率を大きくするように設定し、ユーザYの走行速度が減少した場合には、減少分だけ縮小するように設定し、そのスピードの継続時間とともに縮小率も大きくし、撮影サイズに到達した時点で縮小を止めるように設定することができる。
【0190】
図17は、最大ズーム率と表示画面7の画面画素数との関係の例を示している。一番上の欄の720画素×480画素前後のクリアビジョン(EDTV)を基準とすると、以下のとおりとなる。
【0191】
1280画素×720画素前後のハイビジョン(HDTV)であれば、最大ズーム率が1.8倍となる。1920画素×1080画素前後のフルハイビジョン(フルHD)あれば、最大ズーム率が2.7倍となる。3840画素×2160画素前後の4k2k規格あれば、最大ズーム率が5.3倍となる。7680画素×4320画素前後の8k4kあれば、最大ズーム率が11倍となる。10240画素×4320画素前後の10k4kあれば、最大ズーム率が14倍となる。
【0192】
したがって、撮影画像の解像度が大きいほど画像の拡大幅を大きくしても画像の粗さが目立ちにくくなる。換言すると、画素数が多くなればなるほど、画像の拡大率を上げても画像や文字をはっきりと視認することができる。
【0193】
最大ズームでも画質劣化が気にならないよう、最低でもクリヤビジョン並みの720×480画素とすると、クリヤビジョンを基準として、表の右端の最大ズーム率とすることができる。8k4k画像での録画であれば10倍以上の拡大が可能である。なお、画面の大きさも画素数にかかわるが、この表をベースに決定して画面サイズにフィットした拡大率を任意に設定できる。
【0194】
ランニングイベント等の現実の世界を仮想的に再現した表示画面7、より具体的には映像画面7a上にユーザYの分身画像(以下、単にアバターAVと呼ぶ)を表示することで、ユーザYが仮想現実空間に入っているような感覚を得ることができる。このアバターAVを表示する例について説明する。
【0195】
映像画面7a、施設内表示装置301上へのアバターAVの表示に関しては、主に、アバター生成部30、表示制御部27等により生成、表示される。具体的には、アバター生成部30は、ユーザYのアバターAVを生成し、表示制御部27は、映像画面7a、施設内表示装置301へのアバターAVの表示を制御する。
【0196】
また、表示制御部27は、複数のパラメータから分身の形態や動作を規定するアルゴリズム等を有しており、与えられたパラメータをこのアルゴリズム等に適用することにより、分身の容姿や動作特性等を決定する。表示制御部27は、ユーザYの操作等に応じてその分身を制御する。
【0197】
また、表示制御部27によって、アバターAVをユーザのスピードに対応させた大きさ及び位置とすることもできる。さらには、アバターAVは、トレッドミル1Aで走行するユーザYの特徴に対応させることができ、このアバターAVと他のユーザYのアバターAVとの間でユーザYに代わってコミュニケーションを行うことができる。
【0198】
表示するアバターAVについては、デフォルトで用意されたものに加えて、各自のオリジナルのものを登録でき、アバターAVのオリジナリティを競うことでも楽しめる。更にそれを動画用に変形させ、また計測データと撮影装置20等で撮影したユーザYの表情から、ユーザYが爽快か苦しいかを判断して、アバターAVを変形する、または登録しておいた別のものに切り替えてリアル感を出すこともできる。
【0199】
このように、現在のランニングイベントに参加しているユーザYのアバターAVを表示してレースに参加する様子が見られるようにしてモチベーションを高めることができる。
また、ユーザYのランニングやジョギング等の運動に応じて、解析装置21に備えた生成制御部50によりそのアバターAVを制御することができる。
【0200】
なお、本発明の全ての例において、映像画面7a、及び/又は、施設内表示装置301上にユーザYのアバターAVを表示させることができる。
【0201】
また、ランニングイベント等の現実の世界を仮想的に再現した外部映像を運動施設SF内のスクリーン(不図示)に表示し、このスクリーン上にアバターAVを表示させることもできる。
【0202】
構成としては、室内用有酸素運動装置1と、運動施設SF内に配置するプロジェクタ(不図示)と、このプロジェクタから出射された光が投影されるスクリーンと、を利用した運動システムが考えられる。具体的には、プロジェクタには、模擬走行コースのコース映像を投影する映像表示手段(不図示)と、ユーザを表現したアバターを投影するアバター表示手段(不図示)と、を備え、プロジェクタからスクリーンに映像やアバターを投影することもできる。
【0203】
また、
図23で図示したように、マラソン大会のライブ映像を映像画面7aに表示して、ユーザYがマラソン大会に参加しているような状況を作り出すことができる。この例について以下説明する。
【0204】
マラソン大会のライブ映像の取得については、例えば、マラソン大会の参加者にボランティアになってもらい、小型カメラ(外部映像撮影装置400)を装着したサングラス(被装着物)を掛けたり、小型カメラ(外部映像撮影装置400)を装着した帽子(被装着物)を被ってランニングしてもらい、ランニング中のコース、景色、人物等を撮影してもらうことによってライブ映像データを取得する。
【0205】
そして、その映像データは、例えば、マラソン大会の参加者の所有するスマートフォン等の携帯情報端末70に一旦転送し、その後、5G基地局5Gを経由してトレッドミル1Aに送信され、映像画面7aに表示される。この映像データの送受信が5G回線(第5世代移動通信システム)を介してリアルタイムで送信されることで、タイムラグを感じることのないライブ映像をトレッドミル1Aの映像画面7aで楽しむことができる。
【0206】
このように、外部映像撮影装置400、携帯情報端末70、これらと通信可能な5G基地局5Gとによって、通信システムを構成している。通信は、5G回線等の無線通信回線網を使用するが、5G基地局5Gの他、サーバ等を利用してもよい。すなわち、インターネットINを介して各種通信を行うことができる。
【0207】
また、複数の外部映像撮影装置400、複数のトレッドミル1Aを用いて行うこともでき、これらマラソン大会に関しては、
図23、
図24で図示しており、様々な組み合わせが考えられる。
【0208】
また、マラソン大会に参加の複数のランナーに協力してもらって撮影し、映像データを撮影時のランナーの速さごとに分類し、トレッドミル1Aでの参加者(ユーザY)には自分のランニングの速さに応じた映像を配信することもできる。
【0209】
具体的には、外部映像撮影装置400を複数個用い、複数の外部映像撮影装置400で撮影した映像データを解析装置21が受信し、分類管理部26が速度毎に分類し管理し、切替表示部28が映像画面7aへの外部映像データの表示をトレッドミル1Aで走行するユーザYの速度に応じて対応する速度の外部映像データに表示切替する構成が考えられる。すなわち、トレッドミル1AのユーザYが加速すれば、マラソン大会参加者のうち、より速いランナーの映像に画面が切り替わり、トレッドミル1AのユーザYが失速すれば、マラソン大会参加者のうち、より遅いランナーの画面に切り替わるように設定できる。
【0210】
さらには、トレッドミル1AのユーザYが複数の場合、各映像画面7aには、自己の速さに応じた外部映像を映し、施設内表示装置301には、マラソン大会に参加の複数のランナーの各外部映像を順次切り替えて表示してもよい。また、別の例として、マラソン大会の先頭ランナーの映像を映像画面7aに映し、速いランナーを重点的に映しながら、後続のランナーの映像は順位に応じた適宜長さで映像を施設内表示装置301に表示してもよい(
図24参照)。
【0211】
なお、撮影速度の特定は、動画に付属の位置情報から計算する。この仕組みは既述した録画した外部映像の場合と同じである。
【0212】
複数のトレッドミル1A同士が接続されることによって、トレッドミル1A同士が各種通信を行うこともできる。例えば、複数のトレッドミル1Aが通信ネットワークを介して接続されることによって、各トレッドミル1A同士がアドホックモード、又は、インフラストラクチャーモードで各種通信を行うことが考えられる。すなわち、インターネットINを介して送受信できる他、インターネットINを介することなく、近距離で送受信することができる。また、各トレッドミル1Aでアドホックモード、又は、インフラストラクチャーモードとの切替えを行うこと構成としてもよい。したがって、比較的近距離であれば、無線LAN(Wi−Fi等)や、ブルートゥース(登録商標)等でデータ通信を行うことができ便利である。
【0213】
図32は、コース地図データを含む数値モデル161をスマートフォンやタブレット等の携帯情報端末70に収納し、走りの評価結果表示画面7bを確認しながら、屋外での実際のランニング、又は、自転車走行を行うユーザYを支援するようにした例である。これは、屋外において携帯情報端末70で表示された運動データを活用しているもので、(a)はサイクリングで活用する例を、(b)はランニングで活用する例を図示している。
【0214】
このように、走りの評価結果を、タブレット、スマートフォン等の携帯情報端末70単独でも表示できるようにして、屋外でのサイクリング、ランニングに携帯できる。この時、センサ100付きシューズSを併用することで、シューズSのセンサ100を使って運動中の解析と表示を行うことも可能である。
【0215】
図19、
図20は室内用有酸素運動装置1の一例であるフィットネスバイク1Bの概念図である。周知のとおり、フィットネスバイク1Bは、車輪のない自転車のような機構となっており、ユーザYがペダル63を漕ぐことにより、一定の場所で、自転車漕ぎといったペダリングによって有酸素運動を行うことができる。したがって、ユーザYがその場でペダリング運動ができるような機構を備えていれば特に機構は限定されない。
【0216】
フィットネスバイク1Bにはトレッドミル1Aと同様に、表示装置5、入力装置9、映像調整手段11、撮影装置20、解析装置21、評価結果表示ランプ15等を備えている。フィットネスバイク1Bの速度のコントロールについては、ペダル速度に直結した本体からの信号を受信して行うため、ユーザY各自の速度入力を行う「RUN」ボタン、「WALK」ボタン等の走行スイッチ10は備えていない。
【0217】
図19では、表示装置5の走りの評価結果表示画面7bを拡大表示している。走りの評価結果表示画面7bには、上から順に第1段目には走りの評価、第2段目にはパフォーマンス表示、第3段目には走りの結果に影響の大きい要因の寄与度(要因の寄与値)、第4段目には左右のペダル荷重及び左右のペダルバランス等が時間的な変化、タイミング等で表示されている。ユーザYは、これを見ながらペダルリングの修正を試し、自分なりの良いペダリング運動を身に着けていくことができる。
【0218】
フィットネスバイク1Bの表示装置5の近傍には、表示画面7の拡大率を設定するための拡大スイッチ35、および拡大率の微調整のための拡大ダイヤル36が設定してある。
図20の拡大した映像画面7aには仲間とのツーリングの例が示してあり、スピードに応じて映像の再生速度が上がりつつ、前車に追い付いたり、追い抜いたりできるのはトレッドミル1Aの例と同様である。
【0219】
運動データ151は、シューズSのセンサ100から得る場合と、フィットネスバイク1Bのペダル63、サドル62、ハンドル61に設置した各センサ100から得る場合があり、その両方を示している。
【0220】
フィットネスバイク1Bの場合も同様に仮想現実空間にユーザYの分身であるアバターAVを表示することができる(
図20参照)。
【0221】
図20では、トレッドミル1Aを使用している複数のユーザYのスピードに合わせた大きさと位置にユーザYを代表するアバターAVを表示させるようにし、例えば運動施設SF内に設置した大型スクリーン(表示装置5と連動する施設内表示装置301に映し出し、お互いの走行状態を同時に眺めて競い合うことができるようにしてモチベーションを高める機能を実現できる。画面隅には参加者の顔画像とハンドルネームが表示され、相手の状況を眺めながら競うこともできる。
【0222】
このように、ユーザYがフィットネスバイク1Bに乗りペダルを漕ぐことによって、他のユーザと競争することができる。例えば、バイクレースにおいて、ユーザYが、ゲーム中にフィットネスバイク1Bのペダルを漕ぐことで、バイクのスピードをコントロールして競いあうことができる。
【0223】
なお、
図31で図示したように、チーム戦でのフィットネスバイク1Bの負荷の設定については、各フィットネスバイク1Bのペダル63に複数種類の負荷制御を行うこととし、先頭車LEが風を受けることによってペダル負荷が増加し、後続車SCはその分だけ軽くなるように設定制御するような構成が考えられる。
【0224】
具体的には、各ユーザを表現したアバターAVを表示画面7に表示し、表示画面7上で先頭車LEとなった場合、先頭車LEに相当するフィットネスバイク1Bのペダル63に負荷を掛け、後続車SCに相当するフィットネスバイク1Bのペダル63はその分だけ負荷を減らすように制御部が制御する。
【0225】
その他の構成については、トレッドミル1Aの場合と同様である。
【0226】
本発明の室内用有酸素運動装置1は、トレッドミル、フィットネスバイクの他、本発明の効果を奏することができれば、ステップマシン、クロストレーナーのいずれかとしても構成することができる。
【0227】
ステップマシンは、踏み台昇降運動のようなリズミカルな運動を行う装置であり、例えば、ベース、ベースに備えユーザYの足を載せるステップ、ステップを上下動させる上下動機構等、周知の機構を採用するものである。その他については、トレッドミル1Aの場合と同様である。
【0228】
クロストレーナー(エリプティカルトレーナー)もペダリング機構等の周知の機構を採用し、ランニング、ウォーキング、踏み台昇降運動を行う装置である。その他については、トレッドミル1Aの場合と同様である。
【0229】
トレッドミル1Aの入力画面について説明する。
図25の上のメニュー画面7dは、トレッドミル1Aの表示画面7に最初に現れるメニュー画面である。ユーザは、IDとパスワードを入力することにより、自分のデータにアクセスすることができ、走行記録や過去から現在までの各種運動データを確認することができる。
【0230】
メニュー画面7dでの入力が終わると、次にトレーニング初期画面7eに移行し、ユーザY個人で行う「個人練習」や「ジム内のコンペティッション」、インターネットIN上で行う「ネットマラソン大会」への参加のいずれかを選ぶ。「個人練習」ではコースを含む多様な映像にアクセスして選ぶことで、充実した練習を幅広く楽しむことができる他、海外で開催される各種マラソン大会の映像等により旅行気分を満喫することができる。
【0231】
また、トレーニング初期画面7eには、「コース選択」メニューと、一緒に走る仲間を選択する「仲間の選択」メニューがあり、インターネットINに登録済みのコース、ランニング仲間を選択することができる。
【0232】
「仲間の選択」メニューでは、「仲間のID・ニックネーム」で仲間を直接選択することができる。また、「ネットアイドルの指名」では、インターネットIN上で登録されている人気のアイドルランナーを選択したり、また、「ランク別自動選択」では、ユーザYのランクやスキルから自動で仲間を選択することにより、何人かの仲間と一緒に個人練習ができる。指定のランナーが、例えばユーザYのスピード、スキルレベルより一緒に走れないほど高い場合は、目標のスピード、スキルを表示することによって、ユーザYにレベルアップを促すことができる。
【0233】
アイドルランナーの選択は、自分が保有するポイントに応じて指名権が与えられ、後述するポイントが不足している場合は指名権が与えられずアイドルランナーを選択することができないため、指名権が与えられる目標ポイントを表示することによって、ユーザYに努力を促す。なお、「ジム内のコンペティッション」でも、同様の手続きで仲間を追加することができる。
【0234】
次に、走行後に確認する結果表示画面について説明する。
図26は、走行後の第一結果画面7fであり、1〜5段階で表示される走りの評価結果、各種ランニングデータ、ランニングフォーム等が表示され、ユーザY自ら確認することによって、今回の走行の良かった点、悪かった点の振り返りができると同時に、チームや個人の獲得ポイントの確認、自分のランクを確認し、次回のランニングへのモチベーション付けがなされる。
【0235】
また、第一結果画面7f内では「ランニング結果ネット登録ボタン」もあり、ランニング結果をインターネットIN上に登録することができる。登録した自己のデータが、ランニング仲間によってアクセスされると、ポイントが付与され、人気ポイントとして自分の得点になる。ポイント数は表示される。その他、「マイデータサマリ」も表示される。
【0236】
結果のデータの後に、今回の走りの評価に対するコメント画面を表示することもできる。例えば、今回の走行の良かった点、悪かった点を言葉でコメントする。具体的には、「平均スピードが以前より速く、体のぶれも少ない、爽やかな走りでした。」や、「少しだけ前傾を意識して踵からの着地を減らすとで、より良くなるでしょう。」等のコメントを表示させることが考えられる。
【0237】
図27は第二結果画面7gを図示したもので、今までのランニングの集計結果を示し、他のランナーとのデータ比較により、ランニングスキルアップのヒントを得ることができる。また、「アバター選択オプション」では、ランクに応じたアバターの再選択ができ、ランクアップすることにより選択肢が増え、レアなアバターAVの選択も可能になる。
【0238】
本発明は、個人で楽しむ他、複数人で団体戦、チーム戦等とすることができる。複数人で楽しむ場合は、運動等で取得したポイント数によって勝敗を決することができる。以下、ポイント獲得方法の一例を示す。
【0239】
1.個人戦の場合、ユーザYのレベルに合わせたランクを設定し、ランク内の参加者の中での順位でポイントを獲得する。
2.チーム戦では、a.タイムの合計での順位でチームポイントを獲得する。その場合のタイムの合計は、全員の場合、又は、上位数名の場合を設定できる(箱根駅伝予選会方式)。個人へのポイント分配は、チーム内順位で決める。b.対抗戦方式では、5名 VS 5名のようにチームを編成し、勝ち数で勝敗を決定し、勝ち数に応じたポイントを獲得(柔道団体戦方式)。個人へのポイントの分配は、タイムの差を考慮して分配する。
3.フィットネスバイク1Bでは、先頭は風圧を受けてペダル63負荷が増える設定とし、先着でチーム優勝者を決定し、順位によってチームポイントを獲得する(ツールドフランス方式)。具体的には、表示画面7上で先頭車LEとなった場合、先頭車LEに相当するフィットネスバイク1Bのペダルに負荷を掛け、後続車SCに相当するフィットネスバイク1Bのペダル63はその分だけ負荷を減らすように制御部が制御する。個人へのポイント分配はチーム内貢献度で分配する。
【0240】
因みに、ユーザY間で競うのは、タイムだけでもできるが、ランニング中の計測データから得られる評価値をポイントとしてタイムと合わせることで、スピード競争のみでなくフォーム改善を促すシステムとすることもできる。
【0241】
また、個人で行う他、駅伝のようにチームで競うこともランニングの楽しみの一つであるので、例えば5人一組でポイントの合計を競うことも可能である。
【0242】
ユーザY間のレベルの差が大きいと、同じ画面に表示されなくなったり、競争結果が変わらないなど、モチベーションを損なう要素となるため、適正なハンディを加えて画面表示、ポイント競争に反映させることも考えられる。
【0243】
スピードだけでなくランニングの評価値を加えることでレベルの差は緩和されるが、さらにハンディ制とすることで接戦状態を作り出してもよい。ハンディの与え方は、ソフト面とハード面とがあり、ポイントに反映するソフトの方法に加え、ランニングマシンの傾斜角度(負荷)でハンディを与えることが考えられる。各人のハンディは、蓄積した過去の走行データに基づいてユーザYに与える。なお、アバターAVには星マークを与えたり、色使いの自由度を増やしたり、大きさの限度を緩和する他の手段で、レベルの差をアピールできるようにしてハイレベルなユーザYにも楽しみやすいものとするのが望ましい。
【0244】
図28で図示したアドバイス表示画面7kについて説明する。第一段目であるが、コースのペースについては判断基準を設けて、判断基準を満たす場合、満たさない場合、あと少しの場合等のそれぞれの場合に対応したアドバイスを用意し、走りの結果を判断して各種アドバイスを表示する。第二段目のパフォーマンス、第三段目の要因寄与度(要因の寄与値)については、評価値が設定されているので、評価値毎のアドバイスを用意する。第四段目の着地荷重、左右のバランスについては、判断基準を設けて、ペース同様にアドバイスを用意する。これらをデータベースに持っておき、結果に基づいてアドバイスを表示する。
アドバイス表示画面7kとしては、ユーザYが静止画と動画を選択でき、静止画は今回の走りの平均値を示し、動画はコースの地点ごと、または距離ごとに走りの進行を振り返る形で表示する。
【0245】
第一診断結果画面7iでは、ランニングフォームの診断とアドバイスを表示する(
図29参照)。また、第一診断結果画面7iの静止画では全体のサマリーを、動画では走りを再生しながら、その時点での診断とアドバイスを随時表示する。診断とアドバイスの表示は、第一診断結果画面、又は、ランニング中の走りの評価結果表示画面7b、さらにはその両方でもよい。
【0246】
ユーザYのランニングデータ等の運動データ151、ランニングフォームデータ等の外観データ153に加えて、示されたアドバイス、さらにマラソン大会等での活動記録、故障情報をデータとして蓄積していき、機械学習による診断数値モデル(数値モデル161)を作成し、結果の診断を行うこともできる。
【0247】
診断数値モデルは、ランニングやウォーキング用のモデルをそれぞれ持ち、ランニングでも、距離が短くスピードの速いトラック競技の種目ごと、長距離でも、5km、10kmなどの比較的短いものとフルマラソン、100kmクラスのウルトラマラソン、クロスカントリー、トレイルランなどそれぞれの診断数値モデルを持つ。
【0248】
また、例えば、故障情報としては、膝や足首、痛めた腱の部位、故障に対してどのような対策をとったか等をデータとして蓄積していくことで、予測精度を高めることができ、特有の診断数値モデルになる。この診断数値モデルを使って、ランニングフォームの診断結果を走りの評価結果表示画面7bに表示する。
【0249】
図30で図示したように、第二診断結果画面では、注意点、総合アドバイスが表示される。
【0250】
なお、表示画面7をタッチパネルとすることによって、例えば、メニュー画面7d、トレーニング初期画面7e、第一結果画面7f、第二結果画面7g、第一診断結果画面7i、第二診断結果画面7J、アドバイス表示画面7k等の画面上で各種入力操作を行うことができることは勿論である。
【0251】
また、入力装置9の各種操作を表示画面7のタッチパネル上で行う構成としてもよい。これにより、ユーザYによる操作性を、より向上させることができ、さらには、トレッドミル1A自体がコンパクトとなり、トレッドミル1A自体の小型化が図れる。
【0252】
以上、各実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更を加えてもよいし、各実施例に記載の技術、又は、その他の公知や周知の技術を組み合わせるようにしてもよい。
【0253】
<符号の説明>
1:室内用有酸素運動装置
1A:トレッドミル
1B:フィットネスバイク
2:無端ベルト
2a:走行面
3:載置台
4:フォースプレート
5:表示装置
6:受信部
7:表示画面
7a:映像画面
7b:走りの評価結果表示画面
7c:外観表示画面
7d:メニュー画面
7e:トレーニング初期画面
7f:第一結果画面
7g:第二結果画面
7i:第一診断結果画面
7J:第二診断結果画面
7k:アドバイス表示画面
9:入力装置
9a:ゲイン調整ダイヤル
9b:自己評価入力ボタン
9c:他者評価入力ボタン
10:走行スイッチ
11:映像調整手段
15:評価結果表示ランプ
16:ロードセル
18:ロードセル
19:ロードセル
21:解析装置
20:撮影装置
22:認識部
23:制御部
24:学習部
26:分類管理部
27:表示制御部
28:切替表示部
29:送信部
30:アバター生成部
35:拡大スイッチ
36:拡大ダイヤル
50:生成制御部
61:ハンドル
62:サドル
63:ペダル
70:携帯情報端末
100:センサ
120:速度センサ
151:運動データ
152:自己評価データ
153:外観データ
161:数値モデル
161a:運動データ数値モデル
161b:外観データ数値モデル
200:距離センサ
300:施設内撮影装置
301:施設内表示装置
400:外部映像撮影装置
A1〜A4:領域
B:元映像
D:距離
P:星印
S:シューズ
Y:ユーザ
AV:アバター
IN:インターネット
LE:先頭車
SC:後続車
SF:運動施設
5G:5G基地局
【解決手段】センサ100と、撮影装置20と、ユーザの自己評価データを入力する入力装置9と、運動データ、外観データ、自己評価データを機械学習する学習部と、外部映像の再生、及び/又は、拡大縮小を制御する表示制御部と、各種処理を行う認識部を備え、少なくとも、運動データ等を教師データとし、教師データを機械学習した数値モデルがユーザの走りの結果である現在の走りの評価結果の判定に用いられ、外部映像の再生は、外部映像のGPSデータから解析された外部映像の撮影速度を基準として、外部映像の再生速度とユーザの走行速度と同期し、外部映像の拡大縮小できることを特徴とする。