【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成27年1月9日 本発明に係る学習支援システムの一部を、ウェブサイト(http://www.benesse.co.jp/zemi/d/chu/app03.html)に掲載
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
各生徒識別情報に、所定期間における学習履歴に関する履歴情報、志望校に関する情報及び前記志望校における合否情報を少なくとも関連付けた生徒関連情報を記憶する記憶部と、
生徒情報を用いて生徒の認証を行う認証部と、
入力された前記志望校に関する情報を受け付ける受付部と、
前記認証部により認証された生徒の履歴情報と、前記受付部により受け付けられた情報に基づく志望校を志望した過去の生徒の履歴情報とを比較する比較部と、
前記比較部による比較結果を表示する表示部と、
を備え、
前記生徒関連情報は、前記生徒識別情報に前記生徒の属性情報がさらに関連付けられており、前記属性情報は、学習に関する時間情報及び/または学校に関する情報を含み、
前記認証された生徒の属性情報に基づき、前記志望校に合格した過去の生徒の中から所定の生徒を抽出する抽出部をさらに備え、
前記比較部は、前記認証された生徒の履歴情報と、前記抽出部により抽出された生徒の履歴情報とを比較する、
学習支援システム。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をその実施の形態のみに限定する趣旨ではない。また、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな変形が可能である。さらに、当業者であれば、以下に述べる各要素を均等なものに置換した実施の形態を採用することが可能であり、かかる実施の形態も本発明の範囲に含まれる。またさらに、必要に応じて示す上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図示の表示に基づくものとする。さらにまた、図面における各種の寸法比率は、その図示の比率に限定されるものではない。また、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0010】
<学習支援システム1の概略構成>
図1は、本発明の一実施形態による学習支援システム1の概略構成図(システム構成図)である。同図に示すように、サーバ装置100と、複数の端末装置200とが、ネットワークNを介して相互に通信可能に設定されることにより、学習支援システム1が構成される。各端末装置200A、200B、200Cについて、区別する必要がない場合は端末装置200と表記する。
【0011】
サーバ装置100は、ネットワークNに接続されたサーバ用コンピュータであり、そのサーバ用コンピュータにおいて所定のサーバ用プログラムが動作することにより、サーバ機能を実現するものである。本実施形態において、サーバ装置100は、例えば、学習支援システム1により学校における協働学習や一斉学習等を支援する事業者等によって提供され得る。なお、サーバ装置100は、1又は複数の装置において、その機能を実行できるようにしてもよい。
【0012】
端末装置200は、ネットワークNに接続され、サーバ装置100にアクセス可能なコンピュータである。本実施形態では、端末装置200は、例えば、サーバ装置100からダウンロードした、問題を出題するアプリケーションを実行し、解答や学習時間、処理した問題数などをサーバ装置100に送信する。
【0013】
本実施形態の一例として、端末装置200は、貸与や購入によりユーザにより所有され、ユーザが問題を解くために使用することなどが想定されている。ユーザは、例えば受験を控える生徒として説明する。生徒は、現役生、浪人生どちらでもよい。
【0014】
本実施形態において、端末装置200は、好適にはタブレットコンピュータ(以下「タブレット端末」ともいう。)が想定される。そこで、以下においては、理解を容易にするべく、端末装置200がタブレット端末である実施形態を例にとって説明する。
【0015】
しかしながら、本発明において、端末装置200はタブレット端末に限られるものではなく、PC(パーソナルコンピュータ。ノートパソコンを含む。)や、家庭用ゲーム機器(携帯型ゲーム機を含む)、携帯電話機(いわゆるフィーチャーフォン)、スマートフォン(多機能携帯電話機)、携帯情報端末(Personal Digital Assistant;PDA)、携帯音楽プレイヤ、電子書籍リーダ、その他のコンピュータ機器を採用してもよい。
【0016】
ネットワークNは、例えばインターネットや学校内に構築するLAN(local area network)等を含む情報処理に係る通信回線又は通信網であり、その具体的な構成は、サーバ装置100と端末装置200との間でデータの送受信が可能なように構成されていれば特に制限されず、有線であるか無線であるかも問わない。
【0017】
また、ネットワークNは、複数種の通信回線や通信網及び種々のネットワーク機器を含んで構成され得る。例えば、ネットワークNは、端末装置200に無線接続される基地局や無線LANのアクセスポイント(WiFiルータ等)、基地局に接続された移動体通信網、アクセスポイントからルータやモデムを介して接続された電話回線、ケーブルテレビ回線又は光通信回線などの公衆回線、サーバ装置100に接続されたインターネット、移動体通信網や公衆回線とインターネットを接続するゲートウェイ装置を含む。
【0018】
<ハードウェア構成>
図2は、本実施形態におけるサーバ装置100のハードウェア構成の一例を示す図(システムブロック図)である。同図に示すように、サーバ装置100は、CPUやMPUといった演算処理部(プロセッサ)101、記憶装置としてのROM102及びRAM103、入力部105及び外部メモリ106が接続された外部インターフェース104、ディスプレイモニタ111が接続された画像処理部107、ディスク又はメモリデバイス等が収容又は接続されるスロットドライブ108、スピーカ装置112が接続された音声処理部109、並びに、ネットワークインターフェース110を備える。
【0019】
各部は、例えば、内部バス、外部バス、及び拡張バスを含むシステムバスといった伝送路120を介して互いに接続されて構成される。なお、入力部105、外部メモリ106、ディスプレイモニタ111、スピーカ装置112等の入出力を担うデバイス装置は、必要に応じて適宜省略してもよいし、それらを備える場合であっても、それらは伝送路120に常時接続されていなくてもよい。
【0020】
演算処理部101は、サーバ装置100全体の動作を制御し、上述した他の構成要素との間で制御信号及び情報信号(データ)の送受信を行うとともに、学習支援の実行に必要な各種の演算処理を行う。そのため、演算処理部101は、いわゆるレジスタ等の高速アクセス可能な記憶領域に対して、数値演算ユニット等を用いた加減乗除等の算術演算、論理和、論理積、論理否定等の論理演算、ビット和、ビット積、ビット反転、ビットシフト、ビット回転等のビット演算等、更に必要に応じて、飽和演算、三角関数演算、ベクトル演算等を行うことが可能なように構成されている。
【0021】
ROM102には、一般に、電源投入後、最初に実行されるIPL(Initial Program Loader)が記録されている。このIPLが実行されることにより、スロットドライブ108に収容又は接続されるディスクやメモリデバイスに記録されたサーバ用プログラムや学習支援プログラムが、演算処理部101によって一旦RAM103に読み出され、そのプログラムが演算処理部101によって実行される。さらに、ROM102には、サーバ装置100全体の動作制御に必要なオペレーティングシステムのプログラムやその他の各種データが記録されている。
【0022】
RAM103は、サーバ用プログラム、学習支援プログラム、及び、各種データを一時的に記憶するためのものである。上記の如く、読み出されたサーバ用プログラムや学習支援プログラム、その他、学習の進行や複数の端末装置200間の通信に必要なデータ等がRAM103に保持される。学習支援プログラムは、外部の記録媒体に記録されて、外部の記録媒体からRAM103にインストールされてもよい。
【0023】
さらに、演算処理部101は、RAM103に変数領域を設定し、その変数領域に格納された値に対しても数値演算ユニットを用いた直接演算を行ったり、或いは、RAM103に格納された値をレジスタに一旦複製又は移設格納してそのレジスタに対しても直接演算を行ったり、さらには、それらの演算結果をRAM103に書き戻したりといった処理を行う。
【0024】
外部インターフェース104を介して接続された入力部105は、サーバ装置100を用いて問題や教材を含む講座を提供する事業者側のユーザが行う各種の操作入力を受け付けるものであり、入力部105としては、キーボード、タッチパッド、タッチパネルの他、例えば、音声入力装置を採用することができ、種々の操作入力、決定操作、取消操作、メニュー表示等の指示入力を行うことが可能であれば、デバイスの種類は特に制限されない。
【0025】
RAM103や、外部インターフェース104を介して着脱自在に接続された外部メモリ106には、サーバ装置100の作動状況、各端末装置200のアクセス状況、各端末装置200における学習の進行状況や過去の成績等を示すデータ、端末装置200間の通信のログ(記録)のデータ等が書き換え可能に記憶される。
【0026】
画像処理部107は、スロットドライブ108から読み出された各種データを、演算処理部101により、又は、画像処理部107自体により加工処理した後、その処理後の画像情報をフレームメモリ等に記録する。このフレームメモリに記録された画像情報は、所定の同期タイミングでビデオ信号に変換され、画像処理部107に接続されるディスプレイモニタ111へ出力される。これにより、各種の画像表示が可能となる。また、学習支援に関する画像情報は、演算処理部101との協働処理等によって、画像処理部107及び/又は演算処理部101から各端末装置200へ送出される。
【0027】
また、音声処理部109は、スロットドライブ108から読み出された各種データを音声信号に変換し、音声処理部109に接続されたスピーカ装置112から出力する。また、学習支援に関する音声情報は、演算処理部101との協働処理等によって、音声処理部109及び/又は演算処理部101から各端末装置200へ送出される。
【0028】
また、ネットワークインターフェース110は、サーバ装置100をネットワークNへ接続するためのものであり、例えば、LANの構築に使用される諸規格に準拠するもの、アナログモデム、ISDNモデム、ADSLモデム、ケーブルテレビジョン回線を用いてインターネット等に接続するためのケーブルモデム等、及び、これらを、伝送路120を介して演算処理部101と接続するための通信インターフェース回路とから構成される。
【0029】
なお、サーバ装置100は、単一のコンピュータより構成されるものであっても、ネットワーク上に分散した複数のコンピュータより構成される、いわゆるクラウドコンピューティングの形態のものであってもよい。また、単一のコンピュータが複数のサーバ機能を備えるようなものでもよい。
【0030】
図3、本実施形態における端末装置200のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3に示す端末装置200は、タッチパネル14、スピーカ16、マイクロフォン18、ハードボタン20、ハードキー22、移動体通信用アンテナ30、移動体通信部32、無線LAN通信用アンテナ34、無線LAN通信部36、記憶部38、主制御部40、カメラ26、及び音声出力端子24を含む外部インターフェース42などを備える。
【0031】
タッチパネル14は、表示装置および入力装置の両方の機能を備え、表示機能を担うディスプレイ(表示画面)14Aと、入力機能を担うタッチセンサ14Bとで構成される。ディスプレイ14Aは、例えば、液晶ディスプレイや有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイなどの一般的な表示デバイスにより構成される。タッチセンサ14Bは、ディスプレイ14Aその上面に配置された接触操作を検知するための素子およびその上に積層された透明な操作面を備えて構成される。タッチセンサ14Bの接触検知方式としては、静電容量式、抵抗膜式(感圧式)、電磁誘導式など既知の方式のうちの任意の方式を採用することができる。
【0032】
タッチパネル14は、主制御部40による記憶部38に記憶されているプログラム50の実行により生成される画像を表示する。入力装置としてのタッチパネル14は、操作面に対して接触する接触物(ユーザの指やタッチペンなどを含む。以下、「指」である場合を代表例として説明する)の動作を検知することで、操作入力を受け付け、その接触位置の情報を主制御部40に与える。指の動作は、接触点の位置または領域を示す座標情報として検知され、座標情報は、例えば、タッチパネル14の短辺方向および長辺方向の二軸上の座標値として表される。
【0033】
端末装置200は、移動体通信用アンテナ30や無線LAN通信用アンテナ34を通じてネットワーク(インターネット)Nに接続され、サーバ装置100との間でデータ通信をすることが可能である。
【0034】
実施形態に係るプログラム50は、端末装置200にインストールされたものであってもよいし、オンライン上でサーバ(サーバ装置100に限らない)から問題表示機能等が提供されるものであってもよい。プログラム50が実行されることで、学習情報を比較することが可能なアプリケーションが動作する。
【0035】
<サーバ装置100の機能構成>
図4は、本実施形態におけるサーバ装置100を機能的な観点から示す概略構成図(機能構成図)である。サーバ装置100は、端末装置200からの指示等に応じて、学習を支援するためのものであり、そのための機能として、少なくともサーバ通信部131、サーバ記憶部132、及びサーバ処理部133を備える。
【0036】
サーバ通信部131は、サーバ装置100とネットワークNとの間で通信を行うものであり、端末装置200等から受信したデータを、サーバ処理部133に供給するとともに、サーバ処理部133から供給されたデータを、端末装置200へ送信する機能を有する。かかるサーバ通信部131は、具体的には、少なくとも上述した
図2に示すネットワークインターフェース110から構成される。
【0037】
また、サーバ記憶部132は、各種プログラムや各種データを記憶するためのものであり、具体的には、上述した、
図2に示すROM102、RAM103、外部メモリ106、及びスロットドライブ108の少なくとも何れか1つから構成され得る。ここで、サーバ記憶部132に記憶されるプログラムは、後述する処理手順を実行する学習支援アプリケーションのプログラムである。また、サーバ記憶部132には、かかる学習支援に関するデータや表示データや各種演算結果のデータなども記録される。
【0038】
図5は、サーバ記憶部132に記憶される生徒関連情報の一例を示す図である。
図5に示す生徒関連情報は、生徒識別情報(生徒ID)毎に関連付けられた、学習時間情報、学習量情報、志望校情報、合否情報を少なくとも含む。
【0039】
学習時間情報は、所定期間におけるその生徒の学習時間に関する推移情報を表し、例えば、4月から3月までの総学習時間の推移情報を表す。学習時間情報は、週ごとや月ごとに学習時間を集計して保持されてもよい。
【0040】
学習時間情報については、端末装置200から、例えばログオフ時に生徒IDとともに学習時間が送信されることで、サーバ装置100は集計することができる。また、学習時間情報は、端末装置200から送信される学習時間に科目情報が含まれていれば、科目ごとに学習時間情報を保持し、かつ、全科目の学習時間情報の合計を保持してもよい。
【0041】
学習量情報は、学習支援システム1が所定期間内に生徒に提供する問題の処理数に関する推移情報を表す。例えば、学習量情報は、全問題数に対する、現在の問題処理数を週ごとや月ごとに集計されてもよい。
【0042】
問題処理数については、端末装置200から、例えばログオフ時に生徒IDとともに、解答した問題情報が送信されることで、サーバ装置100は集計することができる。また、学習量情報は、端末装置200から送信される問題情報に科目情報が含まれていれば、科目ごとに学習量情報を保持し、かつ、全科目の学習量情報の合計を保持してもよい。
【0043】
上述した学習時間情報と学習量情報を含む情報は、学習に関する履歴を表す情報であるため、両方をまとめて履歴情報と称す。履歴情報は、他にも学習の履歴に関する情報を含んでもよい。
【0044】
志望校情報は、志望校又は実際に受験した学校に関する情報を表す。例えば、志望校情報は、学校名や学校ID、学校の難易度、地域、中高一貫などの学校を特定するための情報であればよい。なお、志望校情報は、
図5には1つしか表示していないが、複数あってもよい。
【0045】
合否情報は、実際に受験した学校の合否情報を表す。例えば、合否情報は、未受験の生徒であれば、ブランクを示す情報を含み、受験済みの生徒であれば、合格又は不合格を示す情報を含む。合否情報は、実際に受験した学校ごとに対応して設けられる。
【0046】
また、生徒関連情報は、生徒の属性情報をさらに関連付けてもよい。生徒の属性情報は、例えば部活や、バイト、自由に使える時間(可処分時間ともいう)のタイムスケジュールなどである。
【0047】
図4に戻り、サーバ処理部133は、
図2に示す演算処理部101から構成されており、演算処理部101による制御指令に基づいて後述の各機能モジュールによる処理が実行される。すなわち、演算処理部101が、本実施形態におけるサーバ処理部133として機能する。本実施形態における学習支援を例にして更に説明すれば、機能モジュールとして、管理部135を備える。機能モジュールは、演算処理部101のプロセッサで実行される上記各種プログラムにより実現され、或いは、ファームウェアとして演算処理部101に実装されていてもよい。
【0048】
管理部135は、学習支援アプリケーションで問題が出題される場合に、その問題に対する解答や学習時間、処理した問題数などを、生徒の生徒IDなどと関連付けて管理する。管理部135は、サーバ記憶部132に記憶される情報、例えば生徒関連情報を管理する。
【0049】
<端末装置200の概略構成>
図6は、本実施形態における端末装置200を機能的な観点から示す概略構成図(機能構成図)である。本実施形態において、端末装置200は、上述の如く、例えばタブレット端末であり、
図6に示すように、少なくとも通信部302、表示部304、操作部306、アプリ制御部308を備える。
【0050】
通信部302は、例えば移動体通信部32や無線LAN通信部36により実現されうる。そして、通信部302は、アプリ制御部308から供給されたデータをサーバ装置100に送信するとともに、サーバ装置100から受信したデータをアプリ制御部308に供給する。
【0051】
表示部304は、例えばタッチパネル14や主制御部40などにより実現され、問題や解答、その他の学習支援アプリケーションに関する画面を表示する。
【0052】
操作部306は、例えばタッチパネル14やハードボタン20、ハードキー22などにより実現され、ユーザ操作を入力する。
【0053】
アプリ制御部308は、例えば主制御部40などにより実現されうる。アプリ制御部308は、プログラム50が実行されることで、学習支援アプリケーション、例えば、学習情報を比較する各機能を有する。アプリ制御部308は、この学習情報を比較する各機能として、受付部310、認証部312、取得部314、比較部316、抽出部318、フィードバック部320を備える。
【0054】
受付部310は、タッチパネル14などにより入力されたユーザ操作に対応する情報を受け付ける。受付部310は、受け付けたユーザ操作に対応する情報を適宜各部に出力する。受付部310は、例えば、後述するように、操作部306を用いて入力された、生徒のログインに関する生徒情報や、志望校に関する情報や、生徒の属性情報や、質問に対する解答情報などを受け付け、受け付けた情報を、対応する各部に出力する。
【0055】
認証部312は、受付部310から取得した生徒情報を用いて生徒の認証を行う。認証部312は、例えば、生徒のログインIDとパスワードとを用いて認証処理を行う。なお、認証処理は、サーバ装置100や、サーバ装置100とは別の認証サーバなどが行ってもよい。また、認証方法について、入力されたパスワードによる認証や、指紋認証、虹彩認証、声紋認証などのいずれの認証手段が用いられてもよい。このとき、認証に用いられる情報は、例えば操作部306から入力される。
【0056】
取得部314は、所定のタイミングで、サーバ装置100のサーバ記憶部132に記憶された生徒関連情報のうち、受付部310により受け付けられた志望校に関する情報に基づく志望校を志望した過去の生徒が特定され、この生徒の履歴情報を取得する。所定のタイミングは、例えば、志望校に関する情報が入力された後などであり、この履歴情報は、志望校が変更されない場合は、端末装置200側で保存されてもよい。過去の生徒とは、例えば少なくとも学年が1つ上の先輩である。
【0057】
比較部316は、認証部312により認証された生徒の履歴情報と、取得部314により取得された過去の生徒(例えば先輩)の履歴情報とを比較する。例えば、比較部316は、棒グラフや折れ線グラフなどを用いて、認証された生徒の履歴情報と、先輩の履歴情報とを比較する。このとき、表示部304は、比較部316による比較結果を画面に表示する。これにより、志望校に合格した先輩と、現時点での学習状況を比較することができ、学習に対するモチベーションを向上させることができる。
【0058】
また、先輩の履歴情報は、例えば4月から3月までの1年分の情報であるが、認証された生徒の履歴情報は、例えば4月から現在までの情報であってもよい。また、先輩の履歴情報は、一の履歴情報でもよく、例えば任意の一人の先輩の履歴情報であってもよいし、複数の先輩の履歴情報の平均の履歴情報であってもよい。
【0059】
なお、比較部316は、例えば、履歴情報が、学習時間情報や学習量情報など、複数の情報を含む場合、複数の情報から1つの情報を選択して比較すればよい。この選択を行うため、比較部316は、選択部316Aを含む。
【0060】
選択部316Aは、例えばデフォルトとして学習時間情報を選択し、切替信号などに応じて学習量情報を選択するようにすればよい。例えば、切替信号は、ユーザ操作により与えられたり、属性情報に基づいて決定されたりする。属性情報が用いられる場合、例えば属性情報として予め設定された努力型、効率型などにより、選択部316Aは、努力型であれば学習時間情報を選択し、効率型であれば学習量情報を選択すればよい。
【0061】
抽出部318は、認証された生徒の属性情報が取得可能な場合、この属性情報に基づき、志望校に合格した過去の生徒の中から所定の生徒を抽出する。属性情報は、例えば学習に関する時間情報、学校に関する情報、及び生徒に関する情報の少なくとも1つを含む。学習に関する情報は、自由に使える時間(可処分時間)の時間帯などの情報であり、学校に関する情報は、部活やクラスの係などの情報であり、生徒に関する情報は、性格や、血液型、バイトなどの情報である。
【0062】
例えば、抽出部318は、認証された生徒と同じ学校で同じ部活の先輩を抽出したり、認証された生徒と同じバイトの先輩を抽出したり、認証された生徒と可処分時間の時間帯が同様の先輩を抽出したりする。
【0063】
このとき、比較部316は、抽出部318により抽出された所定の生徒の履歴情報と、認証された生徒の履歴情報とを比較すればよい。これにより、自分と同様の境遇の先輩との学習状況の比較が可能になり、志望校合格へのイメージが湧きやすくなる。
【0064】
フィードバック部320は、比較部316による履歴情報の比較結果に基づいて、フィードバックを行う。フィードバックの内容は、学習状況に関するものであり、例えば「良いペースだ」や「もう少し頑張れ」などである。また、フィードバックは、科目ごとに行われてもよい。例えば、フィードバックとして、「国語、理科は順調!算数(又は数学)の問題をもっと解いて!」などの内容でもよい。これにより、生徒に対して、先輩との比較による学習状況の良否などを知らせることができる。
【0065】
<具体例>
次に、端末装置200の画面例を用いて、履歴情報の比較に関する具体例について説明する。以下に示す各画面は、例えばアプリ制御部308により制御される。
【0066】
図7は、ログイン画面の一例を示す図である。
図7に示す画面では、生徒の識別情報である会員番号、パスワードを入力させる。会員番号及びパスワードは、タッチパネル14を用いて入力され、ログインボタンが押されると、受付部310により、入力された情報が受け付けられる。
【0067】
このとき、受け付けられた会員番号及びパスワードは、認証部312により認証処理が行われる。会員番号及びパスワードが正しいと認証が成功し、生徒は、学習支援システム1が提供するサービスを受けることが可能になる。以下では、ログインに成功した生徒を、当会員とも称す。
【0068】
図8は、志望校未登録時のダッシュボード画面の一例を示す図である。
図8に示す画面D102は、ユーザ領域AR102、履歴領域AR104、ビュー領域AR106を含む。
【0069】
ユーザ領域AR102には、例えば当会員が選択したアバター画像や、ニックネーム、学習支援システム1の当会員が所持できるコイン数が表示される。
【0070】
履歴領域AR104は、当会員である生徒の所定期間における学習時間、及び学習量を含む。学習時間は、例えば4月又は入会してから現在までの学習支援システム1を用いて学習をした総時間を表し、より具体的には、学習支援システム1が提供するドリルアプリ、解説アプリでの累計学習時間を表す。
【0071】
また、学習量は、例えば当会員の学年において学習支援システム1が提供した問題を処理した数を表し、より具体的には、学習支援システム1が提供するドリルアプリ、解説アプリでの累計取組問題数を表す。これらの履歴情報は、アプリ制御部308が保持してもよいし、サーバ装置100に送信し、サーバ記憶部132に保持されてもよい。
【0072】
ビュー領域AR106は、他のユーザ、例えば先輩との比較を行うための領域である。
図8に示すビュー領域AR106は、志望校に関する情報が登録されていないため、マスクがかけられている。ビュー領域AR106には、志望校登録ボタンB102が含まれる。ここで、志望校登録ボタンB102が選択されたとする。
【0073】
図9は、志望校登録画面の一例を示す図である。
図9に示す画面D104は、「志望校プランから設定する」ボタンB104、「志望校名から設定する」ボタンB106を含み、ボタンB106が選択された場合に、志望校設定領域AR108を含む。
【0074】
志望校設定領域AR108において、当会員は、都道府県、区分、課程などから志望校の絞りこみが可能であり、また、志望校の学校名を直接入力することが可能になっている。
【0075】
なお、ボタンB104が選択されている場合は、領域AR108において、当会員は、学校の難易度を設定することが可能なようになっている(不図示)。難易度は、例えば、最難関プラン、難関プラン、総合プランなどから選択可能である。領域AR108において設定される情報が、志望校に関する情報である。
【0076】
図10は、志望校登録後のダッシュボード画面Aの一例を示す図である。
図10に示す画面D106は、ビュー画面AR202Aを含み、その他は
図8に示すものと同様とする。
【0077】
図10に示すビュー画面AR202Aは、比較
図G202Aを含み、比較
図G202Aは、志望校領域AR204、「週別比較」ボタンB202、「教科別比較」ボタンB204、「年間予測」ボタンB206、模試領域AR206を含む。
【0078】
比較
図G202Aは、当会員と先輩との学習に関する比較を行う領域であり、選択部316Aにより、比較内容は、ボタンB202、B204、B206により切替可能である。
図10に示す例では、週別比較ボタンB202が選択されている。
【0079】
比較
図G202Aは、週別比較グラフを含み、縦軸が残り問題数であり、横軸が週を示す。比較部316は、週別比較グラフにおいて、当会員のドリルアプリの週別の取り組み数に応じた残り問題数と、当会員と同じ志望校に合格した先輩の当時の残り問題数との比較を行う。
【0080】
先輩は、例えば仮想先輩であり、残り問題数は、当会員と同じ志望校に合格した先輩又は同じプランを選択した先輩の平均の残り問題数とする。これにより、例えば合格者の平均との比較が可能になり、当会員に対して、合格までの勉強ペースの一指標を与えることができる。
【0081】
なお、抽出部318により、先輩は、当会員の属性情報に応じて絞り込みが行われてもよい。例えば、部活が同じ先輩や、勉強に使うことが可能な時間帯が同様の先輩や、バイトが同じ先輩や、血液型が同じ先輩など、当会員と同じ境遇にある先輩だけに絞り込んで、残り問題数を比較させることができる。また、比較
図G202Aが表示された領域においてスワイプされると、表示された最前の週よりも前の週、又は表示された最近の週の翌週の比較図が表示されてもよい。
【0082】
志望校領域AR204には、志望校に関する情報が表示される。例えば、
図9に示すボタンB104が選択されて、最難関プランが設定されると、
図10において、志望校領域AR204に、最難関プランであることが表示される。なお、
図9に示すボタンB106が選択され、学校名が設定されると、
図10において、志望校領域AR204に、志望校の学校名が表示される。
【0083】
模試領域AR206は、先輩の模試の点数を表示する領域である。この領域AR206は、表示が適切な時期になったら表示されるにすればよい。適切な時期とは、模試の1か月前などの予め設定された時期である。
【0084】
ボタンB202は、例えば、学習支援システム1が提供する問題において、週間の合算取り組み量を先輩と比較するためのボタンである。ボタンB204は、例えば、週間の教科別の取り組み量を先輩と比較するためのボタンである。ボタンB206は、現時点での取り組みペースを予測するためのボタンである。
【0085】
図11は、志望校登録後のダッシュボード画面Bの一例を示す図である。
図11に示す画面D108は、ビュー画面AR202Bを含み、その他は
図8に示すものと同様とする。
【0086】
図11に示すビュー画面AR202Bは、比較
図G202Bを含み、比較
図G202Bは、現在の週表示領域AR208を含み、
図10と同様に「週別比較」ボタンB202、「教科別比較」ボタンB204、「年間予測」ボタンB206を含む。
【0087】
比較
図G202Bは、教科別比較グラフを含み、縦軸が全問題数における取り組んだ問題数の割合であり、横軸が教科を示す。比較部316は、教科別比較グラフにおいて、当会員のドリルアプリの週別の取り組み数に応じた割合と、当会員と同じ志望校に合格した先輩又は同じプランの先輩の当時の割合との比較を教科別に行う。
【0088】
週表示領域AR208は、現在の週を表示する領域であり、例えば○月第△週と表示される。また、比較
図G202Bが表示された領域においてスワイプされると、前週、又は翌週の比較図が表示されてもよく、週表示領域AR208は、その週に応じた表記になる。
【0089】
図12は、志望校登録後のダッシュボード画面Cの一例を示す図である。
図12に示す画面D110は、ビュー画面AR202Cを含み、その他は
図8に示すものと同様とする。
【0090】
図12に示すビュー画面AR202Cは、比較
図G202Cを含み、
図10と同様に「週別比較」ボタンB202、「教科別比較」ボタンB204、「年間予測」ボタンB206を含む。
【0091】
比較
図G202Cは、年間予測グラフを含み、縦軸が取り組んだ問題数であり、横軸が月を示す。比較部316は、年間予測グラフにおいて、現在の取り組みペースが、3つのプラン(最難関プラン、難関プラン、総合プラン)の中でどのペースに近いのかを比較する。これにより、当会員が目標どおりのペースなのか、やや遅れをとっているのかを提示することができる。
【0092】
なお、比較部316は、現在の問題処理数に基づく取り組みペースが、その年度の3月時点での処理量を予測する。比較
図G202Cの右端には、最難関プラン、難関プラン、総合プランのマークM102が含まれる。このマークM102が表示されることで、現在の取り組みペースが年間でどのプランのペースに近いのかを提示することができる。
【0093】
図13は、メニュー表示時のダッシュボード画面の一例を示す図である。
図13に示す画面D112には、メニューM202が表示されている。メニューM202は、所定のボタンがタップされる、又は画面上部から下にスワイプされることで表示される。メニューM202には、学習履歴ボタン、志望校登録ボタンなどが含まれる。
【0094】
図14は、学習履歴画面Aの一例を示す図である。
図14に示す画面D114は、
図13に示す画面のメニューM202内の学習履歴ボタンがタップされたときに表示される画面である。
【0095】
図14に示す画面D114は、履歴表示領域AR302、タブT302、T304、履歴グラフ領域AR304Aを含む。履歴表示領域AR302には、これまでの学習時間と、学習量とが表示される。
【0096】
タブT302、T304は、学習時間又は学習量の履歴グラフを切り替えるためのタブである。
【0097】
図14に示す領域AR304Aには、学習時間のタブT302が選択されている状態のグラフが表示される。領域AR304Aには、グラフ表示される期間と、日ごとか、月ごとかを切り替えるボタン、及び学習履歴を表すグラフが表示される。領域AR304Aには、日ごとの学習時間がグラフで表示されるが、月ごとに学習時間がグラフで表示されることも可能である。
【0098】
図15は、学習履歴画面Bの一例を示す図である。
図15に示す画面D116は、履歴グラフ領域AR304Bを含み、その他は
図14に示す画面と同様である。
【0099】
図15に示す領域AR304Bには、学習量のタブT304が選択されている状態のグラフが表示される。領域AR304Bの学習履歴を表すグラフには、日ごとの学習量がグラフで表示されるが、月ごとに学習量がグラフで表示されることも可能である。
【0100】
<動作>
次に、学習支援システム1における動作について説明する。
図16は、比較結果を表示するまでの処理の一例を示すフローチャートである。
図16に示すステップS102で、受付部310は、操作部306を用いてのユーザ操作により、ログイン情報の入力を受け付けたか否かを判定する。ログイン情報は、生徒情報を含む。ログイン情報が受け付けられると(ステップS102−YES)ステップS104に進み、ログイン情報が受け付けられていないと(ステップS102−NO)ステップS102に戻る。
【0101】
ステップS104で、認証部312は、受け付けられたログイン情報を用いて認証処理を行う。認証が成功すると(ステップS104−YES)ステップS106に進み、認証が失敗すると(ステップS104−NO)ステップS102に戻る。
【0102】
ステップS106で、アプリ制御部308は、ログインした生徒のダッシュボード画面を生成し、表示部304は、ダッシュボード画面を表示する。
【0103】
ステップS108で、受付部310は、操作部306を用いてのユーザ操作により、志望校に関する情報を受け付けたか否かを判定する。志望校に関する情報は、例えば学校名又は難易度を示す情報を含む。志望校に関する情報が受け付けられると(ステップS108−YES)ステップS110に進み、志望校に関する情報が受け付けられていないと(ステップS108−NO)その他の入力を待つ状態に遷移する。
【0104】
ステップS110で、取得部314は、例えばサーバ装置100のサーバ記憶部132から、受付部310により受け付けられた情報に基づく志望校を志望した過去の生徒の履歴情報を取得する。サーバ記憶部132は、各生徒識別情報に、所定期間における学習履歴に関する履歴情報、志望校に関する情報及び志望校における合否情報を少なくとも関連付けた生徒関連情報を記憶する。なお、生徒関連情報は、端末装置200が保持するようにしてもよい。
【0105】
ステップS112で、比較部316は、認証部312により認証された生徒の履歴情報と、取得部314により取得された履歴情報とを比較する。例えば、比較部316は、生徒及び先輩の学習時間又は学習量の推移について比較する。
【0106】
ステップS114で、表示部304は、比較部316による比較結果を表示する。例えば、表示部304は、比較結果を含む
図10〜12に示す画面を表示する。
【0107】
図16に示す処理において、一旦志望校に関する情報が入力、登録されると、ログイン後のダッシュボード画面において、デフォルト設定、例えば学習時間の比較画面が表示されるようにしてもよい。
【0108】
上述した処理のフローに含まれる各処理ステップは、処理内容に矛盾を生じない範囲で、任意に順番を変更して又は並列に実行することができるとともに、各処理ステップ間に他のステップを追加してもよい。また、便宜上1ステップとして記載されているステップは、複数ステップに分けて実行することができる一方、便宜上複数ステップに分けて記載されているものは、1ステップとして把握することができる。
【0109】
以上、学習支援システム1は、ユーザの学習履歴と、他のユーザの過去の学習履歴との比較を行うことができる。よって、例えば、自分の学習のペースと、志望校に合格した先輩の学習のペースとを比較することができるようになる。
【0110】
なお、上述したとおり、本発明は、上記の実施形態、及び、既に述べた変形例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において様々な変形が可能である。すなわち、上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈されるものではない。また、上述の各処理フローは処理内容に矛盾を生じない範囲で任意に順番を変更して又は並列に実行することができる。