特許第6573773号(P6573773)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 大日本塗料株式会社の特許一覧

<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6573773
(24)【登録日】2019年8月23日
(45)【発行日】2019年9月11日
(54)【発明の名称】車両用塗料組成物
(51)【国際特許分類】
   C09D 133/00 20060101AFI20190902BHJP
   C09D 7/20 20180101ALI20190902BHJP
【FI】
   C09D133/00
   C09D7/20
【請求項の数】3
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2015-72008(P2015-72008)
(22)【出願日】2015年3月31日
(65)【公開番号】特開2016-190958(P2016-190958A)
(43)【公開日】2016年11月10日
【審査請求日】2018年1月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003322
【氏名又は名称】大日本塗料株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166338
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 正夫
(74)【代理人】
【識別番号】100152054
【弁理士】
【氏名又は名称】仲野 孝雅
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 陽一
(72)【発明者】
【氏名】岡田 朋也
(72)【発明者】
【氏名】橋本 拓人
【審査官】 菅野 芳男
(56)【参考文献】
【文献】 特開平04−320468(JP,A)
【文献】 特開2006−152259(JP,A)
【文献】 特開2007−238694(JP,A)
【文献】 特開2002−356644(JP,A)
【文献】 特開2009−167247(JP,A)
【文献】 特開平02−292349(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09D 1/00−201/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂と有機溶剤とを含む車両用塗料組成物であって、前記樹脂は、重量平均分子量が5000〜60000である樹脂(X)を含み、樹脂全体に占める樹脂(X)の含有量が86.1〜100質量%であり、前記樹脂(X)は、酸価が3〜30のアクリル樹脂であり、前記有機溶剤がエステル系溶剤(A)と、脂環式炭化水素及び脂肪族炭化水素から選択される少なくとも一方の炭化水素(B)と、更にケトン系溶剤(C)とを含み、前記有機溶剤に占めるエステル系溶剤(A)の含有量が65.0〜99.0質量%であり、前記有機溶剤に占める炭化水素(B)の含有量が0.3〜25.0質量%であり、前記有機溶剤に占めるケトン系溶剤(C)の含有量が0.5〜15.0質量%であり、前記エステル系溶剤(A)が、酢酸エチル、酢酸(イソ)ブチル、酢酸(イソ)ペンチル、メトキシプロピルアセテート、3−エトキシプロピオン酸エチル、ブチルグリコールアセテート、及びブチルジグリコールアセテートよりなる群から選択される少なくとも1種であり、前記ケトン系溶剤(C)が、メチルペンチルケトン、メチルイソペンチルケトン、及びメチルエチルケトンよりなる群から選択される少なくとも1種であり、且つ前記有機溶剤に占める芳香族化合物の含有量が5.0質量%未満であることを特徴とする2液型の車両用塗料組成物。
【請求項2】
更に、着色剤を含むことを特徴とする請求項1に記載の車両用塗料組成物。
【請求項3】
更に、メタリック顔料を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用塗料組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用塗料組成物、好ましくは車両補修用塗料組成物に関し、特には、塗装作業性及び乾燥性に優れる車両用塗料組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車等の車両には、一般に、金属板等の基材上にプライマー、パテ及びサーフェーサーが順に塗装され、下塗り塗膜が形成され、次いで、該下塗り塗膜上にメタリック塗料又はエナメル塗料が塗装され、ベース塗膜が形成され、必要に応じてクリアー塗料が塗装され、クリアー塗膜が形成されている。そして、これら塗膜に欠陥が生じた場合には、欠陥のある部位(塗膜)を除去してから、それぞれの塗料に対応する補修用塗料を基材上に順に塗装して、車両上の塗膜を補修することになる。
【0003】
車両補修用塗料組成物においては、費用の面に加えて、その塗装作業性、乾燥性や仕上がりの観点から、キシレン、トルエン、エチルベンゼン等の芳香族化合物が溶剤として使用されているのが現状であり(例えば、特許文献1、2)、環境への負荷を軽減する目的から、これら芳香族化合物を使用しない塗料組成物が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−131015号公報
【特許文献2】特開2004−018041号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、キシレンやトルエンを含まない塗料組成物は、塗装作業性や乾燥性が十分に得られないため、補修用塗料組成物として実際に用いることは困難であった。
【0006】
そこで、本発明の目的は、上記従来技術の問題を解決し、キシレン、トルエン、エチルベンゼン等の芳香族化合物を含有しない車両用塗料組成物であって、塗装作業性及び乾燥性に優れる車両用塗料組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、エステル系溶剤と、脂環式炭化水素及び脂肪族炭化水素から選択される少なくとも一方の炭化水素とを特定の割合で用いることにより、塗装作業性及び乾燥性に優れる車両用塗料組成物を提供できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0008】
即ち、本発明の車両用塗料組成物は、樹脂と有機溶剤とを含む車両用塗料組成物であって、前記有機溶剤がエステル系溶剤(A)と、脂環式炭化水素及び脂肪族炭化水素から選択される少なくとも一方の炭化水素(B)とを含み、前記有機溶剤に占めるエステル系溶剤(A)の含有量が65.0〜99.0質量%であり、前記有機溶剤に占める炭化水素(B)の含有量が0.3〜25.0質量%であり、且つ前記有機溶剤に占める芳香族化合物の含有量が5.0質量%未満であることを特徴とする。
【0009】
本発明の車両用塗料組成物の好適例においては、前記有機溶剤が更にケトン系溶剤(C)を含み、前記有機溶剤に占めるケトン系溶剤(C)の含有量が0.5〜15.0質量%である。
【0010】
本発明の車両用塗料組成物の他の好適例においては、前記エステル系溶剤(A)が、酢酸エチル、酢酸(イソ)ブチル、酢酸(イソ)ペンチル、メトキシプロピルアセテート、3−エトキシプロピオン酸エチル、ブチルグリコールアセテート、及びブチルジグリコールアセテートよりなる群から選択される少なくとも1種である。
【0011】
本発明の車両用塗料組成物の他の好適例においては、前記ケトン系溶剤(C)が、メチルペンチルケトン、メチルイソペンチルケトン、及びメチルエチルケトンよりなる群から選択される少なくとも1種である。
【0012】
本発明の車両用塗料組成物の他の好適例において、前記樹脂は、重量平均分子量が5000〜60000である樹脂(X)を含み、樹脂全体に占める樹脂(X)の含有量が80〜100質量%である。
【0013】
本発明の車両用塗料組成物の他の好適例において、前記樹脂(X)は、酸価が3〜30である。
【0014】
本発明の車両用塗料組成物の他の好適例においては、前記樹脂(X)が、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、及びアルキド樹脂よりなる群から選択される少なくとも1種である。
【0015】
本発明の車両用塗料組成物は、2液型であることが好ましい。
【0016】
本発明の車両用塗料組成物の他の好適例においては、更に、着色剤を含む。
【0017】
本発明の車両用塗料組成物の他の好適例においては、更に、メタリック顔料を含む。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、有機溶剤に占めるエステル系溶剤の含有量を65.0〜99.0質量%、並びに脂環式炭化水素又は/及び脂肪族炭化水素の含有量を0.3〜25.0質量%に調整することで、有機溶剤に占める芳香族化合物の含有量が5.0質量%未満であっても、塗装作業性及び乾燥性に優れる車両用塗料組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、本発明の車両用塗料組成物(以下、単に本発明の塗料組成物とも称する)を詳細に説明する。本発明の車両用塗料組成物は、樹脂と有機溶剤とを含む車両用塗料組成物であって、前記有機溶剤がエステル系溶剤(A)と、脂環式炭化水素及び脂肪族炭化水素から選択される少なくとも一方の炭化水素(B)とを含み、前記有機溶剤に占めるエステル系溶剤(A)の含有量が65.0〜99.0質量%であり、前記有機溶剤に占める炭化水素(B)の含有量が0.3〜25.0質量%であり、且つ前記有機溶剤に占める芳香族化合物の含有量が5.0質量%未満であることを特徴とする。本発明の車両用塗料組成物によれば、エステル系溶剤(A)と炭化水素(B)を特定の割合で使用することで、塗装作業性及び乾燥性に優れる車両用塗料組成物を提供できるため、有機溶剤に占める芳香族化合物の含有量が5.0質量%未満であり、環境への負荷を軽減する効果も高い。
【0020】
本発明の車両用塗料組成物においては、環境への負荷を軽減する観点から、有機溶剤に占める芳香族化合物の含有量が低いほど好ましく、具体的には1.0質量%未満であることが好ましく、0.5質量%未満であることがより好ましく、0.0質量%である、即ち芳香族化合物を含まないことが特に好ましい。なお、芳香族化合物としては、例えば、キシレン、トルエン及びエチルベンゼン等が挙げられる。
【0021】
本発明の塗料組成物に用いる有機溶剤は、エステル系溶剤と、脂環式炭化水素及び脂肪族炭化水素から選択される少なくとも一方の炭化水素とを含むことを要し、更にはポットライフを調整する観点から、ケトン系溶剤を含むことが好ましい。
【0022】
ここで、エステル系溶剤は、良好な乾燥性や塗装作業性を得るために使用される。有機溶剤に占めるエステル系溶剤の含有量は65.0〜99.0質量%であり、該エステル系溶剤の含有量が65.0質量%未満では、乾燥性や塗装作業性が悪く、一方、99.0質量%を超えると、塗膜外観が悪くなる。
【0023】
本発明の塗料組成物において、有機溶剤に占めるエステル系溶剤の含有量は70.0〜98.5質量%であることが好ましい。上記エステル系溶剤は、特に限定されるものではないが、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸(イソ)プロピル、酢酸(イソ)ブチル、酢酸(イソ)ペンチル、酢酸シクロヘキシル、酢酸2−エチルブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酢酸sec-ヘキシル(1−メチルペンチルアセテート)、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸(イソ)プロピル、プロピオン酸(イソ)ブチル、プロピオン酸(イソ)ペンチル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸(イソ)プロピル、酪酸(イソ)ブチル、酪酸(イソ)プロピル、イソ酪酸イソブチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、酢酸2−メトキシエチル、酢酸2−エトキシエチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸3−エトキシブチル、メトキシプロピルアセテート(PMA)、3−エトキシプロピオン酸エチル(EEP)、ブチルグリコールアセテート、ブチルジグリコールアセテート等が挙げられ、これらの中でも、酢酸エチル、酢酸(イソ)ブチル、酢酸(イソ)ペンチル、メトキシプロピルアセテート、3−エトキシプロピオン酸エチル、ブチルグリコールアセテート、及びブチルジグリコールアセテートが好ましい。これらエステル系溶剤は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0024】
また、本発明の塗料組成物において有機溶剤として用いる炭化水素は、脂環式炭化水素及び脂肪族炭化水素から選択される少なくとも一方の炭化水素であり、肉持ち感のある良好な塗膜外観を得るために使用される。また、メタリック塗料組成物から得られる塗膜上に上記炭化水素を含む本発明の塗料組成物を塗布する場合に戻りムラが起こり難くなる。有機溶剤に占める炭化水素(脂環式炭化水素若しくは脂肪族炭化水素又は脂環式炭化水素と脂肪族炭化水素の混合物)の含有量は0.3〜25.0質量%であり、該炭化水素の含有量が0.3質量%未満では、良好な塗膜外観が得られず、一方、25.0質量%を超えると、塗装作業性が悪くなる。
【0025】
本発明の塗料組成物において、有機溶剤に占める炭化水素(脂環式炭化水素若しくは脂肪族炭化水素又は脂環式炭化水素と脂肪族炭化水素の混合物)の含有量は0.5〜20.0質量%であることが好ましい。上記脂環式炭化水素及び脂肪族炭化水素は、特に限定されるものではないが、脂環式炭化水素としては、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロブタン等の環状アルカンが好適であり、特にシクロヘキサン、アルキルシクロヘキサンが好ましい。例えば、アルキルシクロヘキサンとしては、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、1,2−ジメチルシクロヘキサン、1,3−ジメチルシクロヘキサン、1,4−ジメチルシクロヘキサン、プロピルシクロヘキサン、イソプロピルシクロヘキサン、1−メチル−2−エチルシクロヘキサン、1−メチル−3−エチルシクロヘキサン、1−メチル−4−エチルシクロヘキサン、1,2,3−トリメチルシクロヘキサン、1,2,4−トリメチルシクロヘキサン及び1,3,5−トリメチルシクロヘキサン等が挙げられる。また、脂肪族炭化水素としては、例えば、n−ブタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、イソノナン、n−デカン、n−ドデカン等のノルマルパラフィン系炭化水素やイソパラフィン系炭化水素のようなこれらノルマルパラフィン系炭化水素の異性体等の鎖式飽和炭化水素が好ましく、特にイソパラフィン系炭化水素が好ましい。イソパラフィン系炭化水素については、市販のイソパラフィン系溶剤を用いることができ、例えば、IPソルベント1016、IPソルベント1620、IPソルベント2028(出光興産社製)等が挙げられる。なお、これら炭化水素は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0026】
本発明の塗料組成物に用いる有機溶剤は、上述のように、ケトン系溶剤を含むことが好ましい。ケトン系溶剤は、塗料組成物のポットライフを長くしたり、塗装作業性を更に向上させたりする目的で使用できる。本発明の塗料組成物において、有機溶剤に占めるケトン系溶剤の含有量は、0.5〜15.0質量%であることが好ましい。有機溶剤に占めるケトン系溶剤の含有量が15.0質量%を超えると、樹脂を溶解する能力が高すぎて、戻りムラが起きやすくなる。
【0027】
本発明の塗料組成物において、有機溶剤に占めるケトン系溶剤の含有量は0.5〜12.0質量%であることが更に好ましい。上記ケトン系溶剤は、特に限定されるものではないが、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、3−ペンタノン(ジエチルケトン)、ブチルメチルケトン、メチルペンチルケトン(メチルアミルケトン)、メチルイソペンチルケトン(メチルイソアミルケトン)、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン、イソホロン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン等のモノケトンや、アセトニルアセトン、アセチルアセトン等のジケトン等が挙げられ、これらの中でも、メチルペンチルケトン、メチルイソペンチルケトン、及びメチルエチルケトンが好ましい。これらケトン系溶剤は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0028】
本発明の塗料組成物において、有機溶剤は、エステル系溶剤、脂環式炭化水素及び脂肪族炭化水素並びにケトン系溶剤以外の溶剤(以下、他の有機溶剤ともいう)を含んでもよい。有機溶剤に占める他の有機溶剤の含有量は例えば0.1〜5.0質量%である。他の有機溶剤としては、例えば、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、n−ブタノール等のアルコール系溶剤、ソルベッソ100等が挙げられる。これら他の有機溶剤は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0029】
本発明の塗料組成物中において、有機溶剤の総含有量は、35〜80質量%であることが好ましい。
【0030】
本発明の塗料組成物に用いる樹脂は、塗料業界に通常使用される樹脂が使用でき、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、フタル酸樹脂、アルキド樹脂、フッ素樹脂、尿素(ユリア)樹脂、ポリウレタン樹脂、メラミン樹脂、ポリオレフィン樹脂、塩化ビニル樹脂、セルロース樹脂の他、これら樹脂を変性させた樹脂等が挙げられるが、これらの中でも、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、及びセルロース樹脂が好ましい。なお、これら樹脂は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0031】
上記樹脂は、重量平均分子量が5000〜60000の樹脂(X)を含むことが好ましい。重量平均分子量が5000〜60000の樹脂(X)の割合は、樹脂全体の80〜100質量%であることが好ましい。本発明の塗料組成物に用いる有機溶剤の主成分であるエステル系溶剤は、重量平均分子量が5000未満の樹脂に対する溶解力が非常に高いため、本発明の塗料組成物に用いる樹脂の重量平均分子量が5000未満であると、例えば車両用メタリック塗料組成物や車両用クリアー塗料組成物として用いる場合には、戻りムラの原因となり得る。ここで、樹脂の重量平均分子量が5000以上であれば、戻りムラの発生を防ぐことができる。一方、樹脂の重量平均分子量が60000を超えると、塗料組成物の粘度が高くなり、塗装作業性が悪くなる。なお、本発明において、重量平均分子量は、ゲル濾過クロマトグラフィーで測定した値であり、標準物質にはポリスチレンが使用される。
なお、本発明の塗料組成物に用いる樹脂は、重量平均分子量が60000を超える樹脂を含んでもよいが、その場合、重量平均分子量が60000を超える樹脂の割合は、樹脂全体の20質量%以下であることが好ましい。重量平均分子量が60000を超える樹脂の割合が20質量%を超えると、重量平均分子量が5000〜60000の樹脂を含む場合であっても、塗料組成物の粘度が高くなり、塗装作業性が悪くなる恐れがある。
【0032】
また、上記樹脂(X)には、上述のように塗料業界に通常使用される樹脂が使用できるが、中でも、有機溶剤への溶解性、塗装作業性、及び塗膜の耐久性等の点から、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、及びアルキド樹脂が好ましい。
【0033】
上記樹脂(X)は、酸価が3〜30であることが好ましく、5〜15であることがより好ましい。樹脂(X)の酸価が3以上であれば、硬化剤との反応が効率よく行われるため、乾燥性を更に向上させることができる。一方、樹脂(X)の酸価が30を超えると、ポットライフが短くなる傾向があり、また樹脂が着色する傾向もあり、好ましくない。
なお、樹脂の酸価は、JIS K5601−2−1に準拠する方法で測定することができ、具体的には、樹脂1gを中和するのに要する水酸化カリウムのmg数を定量することによって測定することができる。
【0034】
本発明の塗料組成物中において、樹脂の含有量は、10〜35質量%であることが好ましい。
【0035】
本発明の車両用塗料組成物は、配合剤の種類に応じて様々な形態をとることが可能であり、例えば、車両用メタリック塗料組成物、車両用エナメル塗料組成物及び車両用クリアー塗料組成物が挙げられる。本発明の車両用塗料組成物がメタリック塗料である場合、上記樹脂及び有機溶剤の他、通常、メタリック顔料と、好ましくは顔料分散剤とを更に含み、本発明の車両用塗料組成物がエナメル塗料である場合、上記樹脂及び有機溶剤の他、通常、着色剤と、好ましくは顔料分散剤とを更に含む。
【0036】
上記メタリック顔料としては、特に制限されるものではなく、アルミニウム等の公知のメタリック顔料が挙げられ、パールマイカ等のパール調顔料も含まれ得る。また、上記着色剤としては、特に制限されるものではなく、公知の顔料、染料等を使用できる。顔料としては、アゾレーキ顔料、不溶性アゾ顔料、モノアゾ顔料、ジスアゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、アゾメチン顔料等のアゾ顔料、フタロシアニン顔料、アントラキノン顔料、ペリレン顔料、キナクリドン顔料、イソインドリン顔料、ベンズイミダゾロン顔料、チオインジゴ顔料、ジオキサジン顔料、キノフタロン顔料、ピロロピロール顔料等の多環式有機顔料、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、蛍光顔料等のその他の有機顔料;無機酸化物系顔料、水酸化物系顔料、硫化物系顔料、フェロシアン化物系顔料、クロム酸塩系顔料、炭酸塩系顔料、ケイ酸塩系顔料、リン酸塩系顔料、炭素系顔料、金属粉等の無機顔料;金属錯体顔料等が挙げられる。染料としては、例えばアゾ類、アントラキノン類、インジゴイド類、フタロシアニン類、カルボニウム類、キノンイミン類、メチン類、キサンテン類、ニトロ類、ニトロソ類のような油溶性染料、分散染料、酸性染料、反応染料、カチオン染料、直接染料等が挙げられる。本発明の塗料組成物中において、メタリック顔料又は着色剤を含む場合、その含有量は、例えば1〜28質量%であることが好ましい。
【0037】
上記顔料分散剤としては、特に制限されるものではなく、公知の顔料分散剤を使用できる。具体例としては、リン酸系顔料分散剤、アクリル系顔料分散剤、シリコーン系顔料分散剤、ワックス系顔料分散剤等が挙げられる。本発明の塗料組成物中において、顔料分散剤の含有量は、例えば0.01〜5質量%である。
【0038】
本発明の塗料組成物には、塗料業界で通常使用される添加剤、例えば、表面調整剤、消泡剤、沈降防止剤、防カビ剤、防腐剤、紫外線吸収剤、又は光安定剤等が適宜配合されてもよい。なお、本発明の塗料組成物は、1液型でも、2液型でもよい。ここで、本発明の塗料組成物が2液型である場合は、硬化剤を更に含む。
【0039】
上記硬化剤としては、特に制限されるものではなく、公知の樹脂硬化剤を使用できる。具体例としては、脂肪族ポリアミン類、脂環族ポリアミン類、芳香族ポリアミン類、ポリアミドアミン類、ジイソシアネート類、イソシアヌレート類、並びにこれらの変性物等が挙げられる。本発明の塗料組成物中において、硬化剤の含有量は、例えば5〜11質量%である。
【0040】
本発明の塗料組成物は、樹脂及び有機溶剤と、必要に応じて適宜選択される各種添加剤とを混合することにより調製できる。なお、本発明の塗料組成物が2液型である場合は、樹脂及び有機溶剤を含む主剤成分と、硬化剤及び有機溶剤を含む硬化剤成分とを予め調製し、塗装直前にこれら成分を混合することにより調製できる。また、主剤成分と硬化成分とは別に、有機溶剤を希釈剤として使用することもできる。
【0041】
本発明の塗料組成物は、車両用(例えば、自動車、鉄道、大型車両、建機等)のベースコート塗料又はクリアーコート塗料として好ましく用いられ、新設、塗り替え、部分的な補修といった様々な塗装目的に適用できる。その中でも、自動車補修用のベースコート塗料又はクリアーコート塗料としての使用がより好適である。
【0042】
本発明の塗料組成物の塗装方法は、特に限定されるものではないが、刷毛塗り塗装、スピンコーター塗装、エアレススプレー塗装、エアスプレー塗装、静電塗装等の塗装方法が可能である。また、本発明の塗料組成物の乾燥温度は、例えば0℃〜120℃であり、好ましくは5℃〜100℃である。本発明の塗料組成物の乾燥時間は、乾燥温度が0℃である場合、10時間程度が好ましく、120℃である場合、15分〜30分が好ましい。なお、塗装時においては、必要時に応じて有機溶剤を添加して希釈しても良い。
【実施例】
【0043】
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
【0044】
<アクリル樹脂溶液1〜5の調製>
(アクリル樹脂溶液1)
攪拌機、温度計、還流冷却器等が備わった反応容器に、酢酸ブチル27質量部を仕込み、加熱撹拌し、120℃に達してから、下記のモノマー混合物1を3時間かけて滴下した。滴下終了後、120℃を保持したまま、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル0.2質量部と酢酸ブチル2質量部との混合物である追加触媒溶液を1時間かけて滴下した。滴下後の溶液に対して更に120℃で1時間撹拌を続けた後、冷却した。冷却後の溶液に酢酸ブチル12質量部を加えて希釈し、固形分濃度61.1質量%のアクリル樹脂溶液1を得た。得られたアクリル樹脂溶液1中のアクリル樹脂は、重量平均分子量(Mw)が9,800であり、酸価が10.5mgKOH/gであった。
・モノマー混合物1:スチレン3質量部、メチルメタクリレート14質量部、n−ブチルメタクリレート22質量部、t−ブチルメタクリレート9質量部、メタクリル酸1質量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート7質量部、ブタンジオールモノアクリレート5質量部、及び重合開始剤として2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル3質量部
【0045】
(アクリル樹脂溶液2)
攪拌機、温度計、還流冷却器等が備わった反応容器に、酢酸ブチル27質量部を仕込み、加熱撹拌し、120℃に達してから、下記のモノマー混合物2を3時間かけて滴下した。滴下終了後、120℃を保持したまま、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル0.2質量部と酢酸ブチル2質量部との混合物である追加触媒溶液を1時間かけて滴下した。滴下後の溶液に対して更に120℃で1時間撹拌を続けた後、冷却した。冷却後の溶液に酢酸ブチル12質量部を加えて希釈し、固形分濃度61.2質量%のアクリル樹脂溶液2を得た。得られたアクリル樹脂溶液2中のアクリル樹脂は、重量平均分子量(Mw)が5,000であり、酸価が10.1mgKOH/gであった。
・モノマー混合物2:スチレン3質量部、メチルメタクリレート14質量部、n−ブチルメタクリレート22質量部、t−ブチルメタクリレート9質量部、メタクリル酸1質量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート7質量部、ブタンジオールモノアクリレート5質量部、及び重合開始剤として2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル4質量部
【0046】
(アクリル樹脂溶液3)
攪拌機、温度計、還流冷却器等が備わった反応容器に、酢酸ブチル27質量部を仕込み、加熱撹拌し、100℃に達してから、下記のモノマー混合物3を3時間かけて滴下した。滴下終了後、100℃を保持したまま、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル0.2質量部と酢酸ブチル2質量部との混合物である追加触媒溶液を1時間かけて滴下した。滴下後の溶液に対して更に100℃で1時間撹拌を続けた後、冷却した。冷却後の溶液に酢酸ブチル12質量部を加えて希釈し、固形分濃度60.0質量%のアクリル樹脂溶液3を得た。得られたアクリル樹脂溶液3中のアクリル樹脂は、重量平均分子量(Mw)が58,000であり、酸価が10.6mgKOH/gであった。
・モノマー混合物3:スチレン3質量部、メチルメタクリレート14質量部、n−ブチルメタクリレート22質量部、t−ブチルメタクリレート9質量部、メタクリル酸1質量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート7質量部、ブタンジオールモノアクリレート5質量部、及び重合開始剤として2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル0.3質量部
【0047】
(アクリル樹脂溶液4)
攪拌機、温度計、還流冷却器等が備わった反応容器に、酢酸ブチル27質量部を仕込み、加熱撹拌し、120℃に達してから、下記のモノマー混合物4を3時間かけて滴下した。滴下終了後、120℃を保持したまま、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル0.2質量部と酢酸ブチル2質量部との混合物である追加触媒溶液を1時間かけて滴下した。滴下後の溶液に対して更に100℃で1時間撹拌を続けた後、冷却した。冷却後の溶液に酢酸ブチル12質量部を加えて希釈し、固形分濃度60.0質量%のアクリル樹脂溶液4を得た。得られたアクリル樹脂溶液4中のアクリル樹脂は、重量平均分子量(Mw)が10,000であり、酸価8.2mgKOH/gであった。
・モノマー混合物4:スチレン3質量部、メチルメタクリレート14質量部、n−ブチルメタクリレート22質量部、t−ブチルメタクリレート9質量部、メタクリル酸0.8質量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート7質量部、ブタンジオールモノアクリレート5質量部、及び重合開始剤として2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル3質量部
【0048】
(アクリル樹脂溶液5)
攪拌機、温度計、還流冷却器等が備わった反応容器に、酢酸ブチル27質量部を仕込み、加熱撹拌し、120℃に達してから、下記のモノマー混合物5を3時間かけて滴下した。滴下終了後、120℃を保持したまま、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル0.2質量部と酢酸ブチル2質量部との混合物である追加触媒溶液を1時間かけて滴下した。滴下後の溶液に対して更に120℃で1時間撹拌を続けた後、冷却した。冷却後の溶液に酢酸ブチル12質量部を加えて希釈し、固形分濃度61.0質量%のアクリル樹脂溶液5を得た。得られたアクリル樹脂溶液5中のアクリル樹脂は、重量平均分子量(Mw)が10,000であり、酸価が12.2mgKOH/gであった。
・モノマー混合物5:スチレン3質量部、メチルメタクリレート14質量部、n−ブチルメタクリレート22質量部、t−ブチルメタクリレート9質量部、メタクリル酸1.2質量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート7質量部、ブタンジオールモノアクリレート5質量部、及び重合開始剤として2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル3質量部
【0049】
<エナメル塗料組成物の調製:実施例1〜17、比較例4>
主剤成分については、表1〜3及び7に示す原料を混合し、公知の手法により着色剤を分散させることにより、主剤成分を調製した。また、硬化剤成分及び希釈剤成分については、表1〜3及び7に示す原料を混合して調製した。
次に、主剤成分及び硬化剤成分を使用する直前に混合し、エナメル塗料組成物を調製した。そして、該エナメル塗料組成物に希釈剤成分を加え、塗装に適するよう粘度調整を行った。
【0050】
<メタリック塗料組成物の調製:実施例18〜27、比較例5>
主剤成分については、表4及び7に示す原料を混合し、公知の手法によりメタリック顔料を分散させることにより、主剤成分を調製した。また、硬化剤成分及び希釈剤成分については、表4及び7に示す原料を混合して調製した。
次に、主剤成分及び硬化剤成分を使用する直前に混合し、メタリック塗料組成物を調製した。そして、該メタリック塗料組成物に希釈剤成分を加え、塗装に適するよう粘度調整を行った。
【0051】
<クリアー塗料組成物の調製:実施例28〜37、比較例1〜3及び6>
表5〜7に示す原料を混合し、主剤成分、硬化剤成分及び希釈剤成分をそれぞれ調製した。次に、主剤成分及び硬化剤成分を使用する直前に混合し、クリアー塗料組成物を調製した。そして、該クリアー塗料組成物に希釈剤成分を加え、塗装に適するよう粘度調整を行った。
【0052】
表中において商品名で示された原料の詳細を以下に説明する。
・着色剤
CR−95 (酸化チタン、石原産業製)
ラーベン5000ウルトラII (カーボンブラック、コロンビアン製)
クロモファインブルー5191D (フタロシアニン系顔料、大日精化製)
・有機溶剤
IPソルベント1620 (イソパラフィン系溶剤、出光興産製)
・表面調整剤
BYK333 (シリコーン系表面調整剤、ビッグケミージャパン製)
・硬化剤
スミジュールN3300 (ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート変性体、住化バイエルウレタン製)
デュラネートTPA100 (ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート変性体、旭化成ケミカルズ製)
・メタリック顔料
7640NS (アルミニウム顔料分散液、固形分65質量%、分散溶媒:ミネラルスピリット及び芳香族系炭化水素、東洋アルミニウム製)
・セルロース樹脂
H1/2 (ニトロセルロース約70質量%、イソプロピルアルコール約30質量%、太平化学製)
【0053】
<評価>
1.基材の作製
自動車用の防錆鋼板として用いられる亜鉛系めっき鋼板表面に、カチオン電着塗膜(膜厚20μm)と、アクリル樹脂系サーフェーサー層(20〜30μm)をこの順に積層させて、基材を作製した。
【0054】
2.塗装作業性
「1.基材の作製」にて作製された基材上に、乾燥膜厚が40〜50μmとなるように塗料組成物(実施例1〜37、比較例1〜6)をエアスプレーにて塗装し、その後、塗膜を60℃にて30分乾燥させ、下記評価基準に従って塗装作業性を評価した。
〇:スプレー直後に塗料が基材上で均一に濡れ広がり、塗装作業性は良好であった。
×:スプレー直後の塗料は基材上で十分に濡れ広がらず、塗装作業性が悪かった。
【0055】
3.乾燥性
「1.基材の作製」にて作製された基材上に、乾燥膜厚が40〜50μmとなるように塗料組成物(実施例1〜37、比較例1〜6)をエアスプレーにて塗装し、塗膜を温度60℃にて10分間乾燥させ、下記評価基準に従って乾燥性を評価した。
○:塗膜を指先で軽く触れた際、指先に塗料が付着しなかった。
×:塗膜を指先で軽く触れた際、指先に塗料が付着した。
【0056】
4.塗膜外観
「1.基材の作製」にて作製された基材上に、乾燥膜厚が40〜50μmとなるように塗料組成物(実施例1〜37、比較例1〜6)をエアスプレーにて塗装し、塗膜を温度60℃にて1時間乾燥させ、塗装板を作製した。下記評価基準に従って塗装板の塗膜外観を評価した。
○:平滑な塗膜が得られた。
×:平滑な塗膜が得られなかった。
【0057】
5.ポットライフ
まず、塗料組成物(実施例1〜37、比較例1〜6)を調製後すぐに塗装に用いるのではなく40℃にて2時間放置した。次に、「1.基材の作製」にて作製された基材上に、乾燥膜厚が40〜50μmとなるように塗料組成物(実施例1〜37、比較例1〜6)をエアスプレーにて塗装し、塗膜を温度60℃にて1時間乾燥させ、塗装板を作製した。また、放置の条件を40℃×2時間30分に変更した以外は同様にして塗装板を作製した。下記評価基準に従ってポットライフを評価した。
◎:放置の条件が40℃×2時間30分であっても、スプレー直後に塗料が基材上で均一に濡れ広がり、塗装作業性は良好であり、平滑な塗膜が得られた。
○:放置の条件が40℃×2時間である場合、スプレー直後に塗料が基材上で均一に濡れ広がり、塗装作業性は良好であり、平滑な塗膜が得られた。しかしながら、放置の条件が40℃×2時間30分では、塗料の粘度が高くなり、塗装時にスプレーガンに詰まるか又は、塗装できたとしても、ブツブツ状態で塗装されて、平滑な塗膜が得られなかった。
×:どちらの放置条件においても、塗料の粘度が高く、塗装時にスプレーガンに詰まるか又は、塗装できたとしても、ブツブツ状態で塗装されて、平滑な塗膜が得られなかった。
【0058】
6.戻りムラ
(実施例38)
「1.基材の作製」にて作製された基材上に、乾燥膜厚が20〜30μmとなるように実施例18のメタリック塗料組成物をエアスプレーにて塗装し、塗膜を温度60℃にて15分乾燥させて、メタリック層を備える塗装板を作製した。次に、塗装板を室温(20〜25℃)まで冷却し、メタリック層上に、乾燥膜厚が30〜40μmとなるように実施例28のクリアー塗料組成物をエアスプレーにて塗装し、塗膜を温度60℃にて15分乾燥させて、メタリック層上にクリアー層を備える塗装板を作製した。下記評価基準に従って戻りムラを評価した。
○:良好なメタリック外観を示し、戻りムラが起こらなかった。
×:メタリック外観に顕著なむらが見られ、戻りムラが起きた。
(実施例39〜56)
メタリック塗料組成物及びクリアー塗料組成物を表8に示す組み合わせに変更した以外は、実施例38と同様の塗装方法により塗装板を作製し、実施例38と同じ評価基準に従って戻りムラを評価した。
【0059】
【表1】
【0060】
【表2】
【0061】
【表3】
【0062】
【表4】
【0063】
【表5】
【0064】
【表6】
【0065】
【表7】
【0066】
【表8】