特許第6573784号(P6573784)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6573784
(24)【登録日】2019年8月23日
(45)【発行日】2019年9月11日
(54)【発明の名称】ガスセンサパッケージ
(51)【国際特許分類】
   G01N 27/12 20060101AFI20190902BHJP
【FI】
   G01N27/12 B
【請求項の数】20
【外国語出願】
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-115023(P2015-115023)
(22)【出願日】2015年6月5日
(65)【公開番号】特開2015-230315(P2015-230315A)
(43)【公開日】2015年12月21日
【審査請求日】2018年5月21日
(31)【優先権主張番号】14001973.8
(32)【優先日】2014年6月6日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】510014375
【氏名又は名称】センシリオン アクチエンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(72)【発明者】
【氏名】ヴェアナー フンツィカー
(72)【発明者】
【氏名】ダーフィト プスタン
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン ブラウン
【審査官】 大瀧 真理
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−337063(JP,A)
【文献】 特開平02−138858(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3173006(JP,U)
【文献】 国際公開第2010/140545(WO,A1)
【文献】 国際公開第2006/114005(WO,A1)
【文献】 特開平04−002152(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 27/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスセンサパッケージにおいて、
半導体基板、前記半導体基板に集積された処理回路、ガスに対して感応性の感応層(31)およ前記感応層(31)を加熱するためのヒータ(34)を有しているガスセンサチップ(3)と、
−前記ガスセンサパッケージの電気的な接触接続を行うための複数のコンタクトパッド(22〜27)と、
−前記ガスセンサチップ(3)を取り付けるためのダイパッド(21)と、
−前記ガスセンサチップ(3)と前記複数のコンタクトパッド(22〜27)との間の電気的な接続部と、
−前記ガスセンサチップ(3)を少なくとも部分的に包囲するモールド材料(1)と、
−前記ガスセンサチップ(3)の前記感応層(31)との接触部を提供する、前記モールド材料(1)における開口部(11)と、
を備えており、
−前記複数のコンタクトパッドのうちの一つのコンタクトパッド(26)は、前記ガスセンサチップ(3)の前記ヒータ(34)に電流を供給するためのピンとして使用されており、
−前記処理回路は、前記ヒータ(34)を制御するように構成されていることを特徴とする、
ガスセンサパッケージ。
【請求項2】
前記ガスセンサパッケージは、表面(FS)および裏面(BS)を有しており、
前記開口部(11)は、前記表面(FS)に配置されており、
前記複数のコンタクトパッド(22〜27)は、前記裏面(BS)に配置されている、
請求項1に記載のガスセンサパッケージ。
【請求項3】
前記複数のコンタクトパッド(22〜27)および前記ダイパッド(21)は、前記ガスセンサパッケージの前記裏面(BS)において、前記モールド材料(1)から露出している、
請求項2に記載のガスセンサパッケージ。
【請求項4】
前記ガスセンサパッケージは立方体の形状を有しており、
記モールド材料における前記開口部(11)は円形のフットプリントを有している、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載のガスセンサパッケージ。
【請求項5】
前記ガスセンサパッケージはl×w mm2のフットプリントを有しており、
前記ガスセンサパッケージの前記フットプリントの長さlはl∈[2.3,2.6]mmであり、且つ、幅wはw∈[2.3,2.6]mmである、
請求項4に記載のガスセンサパッケージ。
【請求項6】
前記開口部(11)の直径dは2mm未満であり、
記開口部(11)の前記直径dはd∈[1.4,1.6]mmである、
請求項4または5に記載のガスセンサパッケージ。
【請求項7】
前記開口部(11)は、前記ガスセンサパッケージの表面(FS)の中心に配置されている、
請求項4乃至6のいずれか一項に記載のガスセンサパッケージ。
【請求項8】
前記ガスセンサチップ(3)は、表面(fs)および裏面(bs)を有しており、
前記ガスセンサチップ(3)の前記裏面(bs)に凹部(32)が設けられており、
前記感応層(31)は、前記凹部(32)の上に位置する部分において、前記ガスセンサチップ(3)の前記表面(fs)に配置されており、
前記ガスセンサチップ(3)の前記裏面(bs)は前記ダイパッド(21)に取り付けられており、それによって、前記ガスセンサチップ(3)の凹んだ部分と前記ダイパッド(21)とによって規定される空所(5)が形成されている、
請求項1乃至7のいずれか一項に記載のガスセンサパッケージ。
【請求項9】
前記ダイパッド(21)は、前記空所(5)の排気用の孔(212)を有している、
請求項8に記載のガスセンサパッケージ。
【請求項10】
前記複数のコンタクトパッドのうちの別のコンタクトパッド(24)は、前記ヒータ(34)を除いて、前記ガスセンサチップ(3)を動作させる電力を供給するための給電ピンとして使用され、
複数のコンタクトパッドのうちの第3のコンタクトパッド(23)は接地ピンとして使用される、
請求項1乃至9のいずれか一項に記載のガスセンサパッケージ。
【請求項11】
前記複数のコンタクトパッドのうちの第4のコンタクトパッド(22)は、通信プロトコルに準拠して通信された、前記ガスセンサチップ(3)からの測定データを少なくとも受信するためのデータピンとして使用され、
複数のコンタクトパッドのうちの第5のコンタクトパッド(27)は、前記通信プロトコルを動作させるクロックのためのクロックピンとして使用される、
請求項1乃至10のいずれか一項に記載のガスセンサパッケージ。
【請求項12】
前記複数のコンタクトパッドのうちの第6のコンタクトパッド(25)は、前記ガスセンサチップ(3)をプログラミングするためのプログラム可能なピンとして使用される、
請求項1乃至11のいずれか一項に記載のガスセンサパッケージ。
【請求項13】
前記複数のコンタクトパッド(22〜27)は、6個であり、前記6個のコンタクトパッド(22〜27)は、前記ガスセンサパッケージの前記裏面(BS)において、3個ずつ2列になって配置されている、
請求項2,10,11および12の組み合わせによるガスセンサパッケージ。
【請求項14】
前記ダイパッド(21)は、3個ずつのコンタクトパッドから成る二つの列の間に配置されており、
記ダイパッド(21)は矩形の形状であり、
記ダイパッド(21)の前記矩形の形状は、前記ガスセンサパッケージの向きをコーディングするために変形されている、
請求項13に記載のガスセンサパッケージ。
【請求項15】
前記複数のコンタクトパッド(22〜27)は、個別の導電性のプラットフォームによって表されており、
前記ガスセンサチップ(3)と前記複数のコンタクトパッド(22〜27)との間の前記電気的な接続部はボンディングワイヤ(6’)を含む、
請求項1乃至14のいずれか一項に記載のガスセンサパッケージ。
【請求項16】
前記ガスセンサパッケージの前記表面(FS)および前記裏面(BS)は側壁(SW)によって繋がっており、
各コンタクトパッド(22〜27)の前端は前記側壁(SW)から露出している、
請求項15と組み合わされた請求項2に記載のガスセンサパッケージ。
【請求項17】
前記ガスセンサパッケージの前記表面(FS)は、少なくとも一つのマーキング(6)を有しており、
記表面(FS)は矩形の形状であり、各マーキング(6)は前記表面(FS)の一つの角に配置されている、
請求項2に記載のガスセンサパッケージ。
【請求項18】
前記ヒータ(34)を除いて前記ガスセンサチップ(3)を動作させる電力を供給するための給電ピンとして使用される前記別のコンタクトパッド(24)と、前記ヒータ(34)を動作させるためのピンとして使用される前記コンタクトパッド(26)とは、前記ガスセンサパッケージの前記裏面の異なる縁部に配置されている、
請求項10と組み合わされた請求項2に記載のガスセンサパッケージ。
【請求項19】
前記感応層(31)を加熱してガス測定を実施するための、請求項1乃至18のいずれか一項に記載のガスセンサパッケージにおける前記ヒータ(34)の使用方法
【請求項20】
前記感応層(31)を形成するための前記ガスセンサチップ(3)に供給される感応材料を熱処理するための、請求項1乃至18のいずれか一項に記載のガスセンサパッケージにおける前記ヒータ(34)の使用方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスセンサパッケージに関する。
【背景技術】
【0002】
ガスセンサが半導体チップに集積される傾向が高まっている。その種のガスセンサの仕様及びガスセンサの動作を考慮して、それらの仕様に対応するガスセンサにはパッケージが必要とされる。
【発明の概要】
【発明の効果】
【0003】
従って、本発明の第1の態様によれば、ガス又はガス内の成分に対して感応性である層及びヒータを備えているガスセンサチップを有している、ガスセンサパッケージが提供される。
【0004】
ダイとも称されるガスセンサチップは、半導体基板、例えばシリコン基板を有することができ、また半導体基板に処理回路を集積することができる。CMOS層のような層を設けて、集積処理回路を形成することができる。
【0005】
ガスセンサチップは有利には表面及び裏面を有しており、有利には表面に感応層が配置されている。感応層を半導体基板の上面に、又は、半導体基板に割り当てられている層、例えば複数のCMOS層のうちの一つの層の上面に配置することができる。集積処理回路が同一のガスセンサチップに設けられている場合には、感応層をそれに接続し、感応層からの信号を集積処理回路において予備処理することができる。集積処理回路は例えば、後述するヒータを制御することもできる。
【0006】
感応層を、一種類又は複数の検体に対して感応性である材料から形成することができる。感応層は複数の個別の層セクションを有することができ、それらの層セクションは相互に隣接して配置されており、且つ、センサセルのセットを含んでいるセンサアレイを形成するために相互に離隔されている。センサセルは個別に読み出すことができるガスセンサの構成要素であると解される。有利には、センサアレイのこの実施の形態においては、各層セクション又はそれらの層セクションのうちの少なくとも一部は複数の検体、特に異なる検体の検出に適している。検体は、例えばCO2、NOX、エタノール、CO、オゾン、アンモニア、ホルムアルデヒド、H2O又はキシレンのうちの一つ又は複数を含むことができるが、検体はそれらに限定されるものではない。
【0007】
特に、感応層は金属酸化物材料、とりわけ半導体金属酸化物材料を含むことができ、また特に、層セクション毎に組成が異なっている金属酸化物材料を含むことができる。金属酸化物材料は一般的に、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化タングステン、酸化インジウム及び酸化ガリウムのうちの一つ又は複数を含むことができる。その種の金属酸化物は、VOC、一酸化炭素、二酸化窒素、メタン、アンモニア又は硫化水素のような検体を検出するために使用することができる。金属酸化物センサは、100℃を超える範囲、特に250℃から350℃までの間の範囲に感応層の温度が上昇すると、ガス状の検体が金属酸化物層に作用するというコンセプトを基礎としている。触媒反応の結果として、感応層の導電性が変化し、この変化を測定することができる。従ってその種の化学センサは、感応層が高温になったときに検体の化学特性が電気抵抗に変換されることから、高温化学抵抗器とも称される。有利には、その種のガスセンサを用いることによって、少なくとも、そのガスセンサが感応する一種類又は複数の被検体の存在の有無に関して、ガスを検査することができる。
【0008】
別の実施の形態においては、感応層はポリマーを含むことができ、一つの実施の形態において、ポリマーはH2Oに対して感応することができるので、センサは湿度センサとなる。その種のポリマー層の容量又は抵抗を、感応層に作用する可能性があるガスに関する情報を導出するために測定することができる。
【0009】
従って、感応層を用いることによって、感応層が感応する化学物質又は化学成分は、供給されたガス内に存在するか否か、又は、感応層が感応する化学物質又は化学成分のうちのどの化学物質又は化学成分が、供給されたガス内に存在するかに関して、ガスセンサに供給されたガスを分析することができる。供給されたガスにおいて検出された検体の組み合わせは、特定の臭気又は特定のガスを示唆することができる。どれ程の数の検体にガスセンサが感応するか、及び/又は、検体のどれ程の数の特性にガスセンサが感応するかは、ガスセンサの設計においては常に問題となる。
【0010】
感応層による測定を支援するために、及び/又は、ガスセンサパッケージの製造を支援するために、例えば抵抗性ヒータのようなヒータが設けられる。一つの実施の形態においては、ガス測定の前に及び/又はガス測定中に、ヒータによって感応層を加熱することが必要になる。これは、例えば、感応層が金属酸化物材料を含んでいる場合であると考えられる。別の実施の形態においては、択一的又は代替的に、感応層を形成するための感応材料をガスセンサチップに供給した後に、感応層を熱処理するためにヒータを使用することができる。これは、感応層がポリマーを含む場合、及び/又は、感応層が金属酸化物を含んでいる材料から形成される場合である。
【0011】
一つの有利な実施の形態においては、ガスセンサチップは感応層の動作を支援するための付加的な特徴部分、例えば断熱を達成するために懸架されたダイヤフラムを含むことができる。その種の実施の形態においては、感応層及びヒータを、その種のダイヤフラム上又はダイヤフラム内に配置することができる。一つの有利な実施の形態においては、ガスセンサチップの裏面から材料を、例えばバルク基板材料をエッチング、例えばドライエッチング又はウェットエッチングによって除去するか、又は、他の方式で除去して、ガスセンサチップに凹部を形成することによって、ダイヤフラムが作製される。凹部の上方に残存するガスセンサチップの材料がダイヤフラムを形成する。ダイヤフラムをCMOS層及び/又はバルク材料基板の一部によって形成することもできる。
【0012】
ガスセンサチップはダイパッドに取り付けられる。ダイパッドは導電性且つ熱伝性の材料、例えば金属から形成することができる。一つの例においては、ガスセンサチップをダイパッドに取り付けることができ、それによってダイパッドを介してガスセンサチップの基板を接地することができる。ダイパッドは、ガスセンサチップのフットプリントにほぼ等しいフットプリントを有することができる。ガスセンサチップをダイパッドに取り付けた後に、ガスセンサチップの凹んだ部分及びダイパッドによって、ダイヤフラムの直下の空所が形成される。動作中にヒータによってダイヤフラム内に生じた熱を、空所内のガスを介して、ヒートシンクとして機能するダイパッドに伝達することができる。一つの実施の形態においては、孔又は他の種類のチャネルが設けられており、圧力均衡の関係から、そのような孔又はチャネルを介して空所の換気が行われ、また空所から湿気が除去される。そのような孔を、一般的にダイパッド及び/又は担体の材料に応じて、例えばエッチング、穴開け、レーザ穿孔、機械的な穿孔等によって作製することができる。
【0013】
別の実施の形態においては、集積処理回路を含んでいる付加的なチップ、例えばASICを付加的に、同一の担体の同一のダイパッド又は異なるダイパッドに取り付けることができる。例えばボンディングワイヤの形態の電気的な接続部は、ガスセンサチップ及び付加的なチップを電気的に接続することができる。
【0014】
ダイパッドの他にコンタクトパッドも設けられており、このコンタクトパッドによって、ガスセンサパッケージ、また特にガスセンサチップの電気的な接触接続が直接的に行われるか、又は上記において述べたような付加的なチップを介して、有利にはガスセンサチップとコンタクトパッドとの間の電気的な接続部を介して行われる。コンタクトパッドは有利には、ダイパッドと同一の材料から形成されており、また有利には、ダイパッドと同一の平面に配置されている。コンタクトパッドは導電性の材料から形成されており、また電気的な接触接続のためのピンとして周囲に対して露出されている。
【0015】
一つの実施の形態においては、複数のコンタクトパッド及びダイパッドが一つのリードフレームから作製される。それらのコンタクトパッドを、相互に電気的に絶縁されており且つ導電性である、複数のプラットフォーム又はリードによって表すことができる。そのようなリードフレームはガスセンサチップの担体として機能することができる。
【0016】
モールド材料を、担体と、その担体に取り付けられているガスセンサチップとに供給することができる。モールド材料は有利には、ガラスのような充填粒子を含むエポキシである。モールド材料は少なくとも部分的に、ガスセンサチップを包囲及び/又は封止する。測定されるべきガスがガスセンサチップの感応層に接触できるように、モールド材料には開口部が設けられている。モールド材料はガスセンサチップを封止し、また実質的に感応層を除いてガスセンサチップを覆っているので、ガスセンサチップ自体、ガスセンサチップと担体との間の接着部、又は、担体自体等からのガス放出はいずれも測定に何の影響も及ぼさない。何故ならば、それらの構成要素は、例えばガスセンサチップ、キャップ、担体及びそれらの構成要素間の接着部が共通の容積を共有しているキャップパッケージケーシングとは対照的に、感応層と共通の容積を共有しないからである。そのような共通の容積は、その種のパッケージ内のデッドボリュームを表し、またそれらの構成要素のいずれかからのガス放出は、特に感応層の動作に必要とされる加熱を考慮すると、測定に一時的に影響を及ぼすか、それどころか永続的に影響を及ぼす虞がある。しかしながら、本発明の実施の形態においては、このデッドボリュームは低減されており、また感応層に作用するあらゆるガス放出も制限されている。従って有利には、感応層と、担体、ガスセンサチップ及びそれらの間のあらゆる接着部とは、共通の容積を共有していない。
【0017】
開口部を作製するために、モールディングプロセスにおいて使用されるモールドは突出部を有することができる。その場合、ガスセンサチップをモールディング中の機械的な影響から保護することができ、また所定の感応層の領域を、有利にはその領域におけるガスセンサチップの上面に配置された弾性層によって、及び/又は、モールドの突出部又はその少なくとも一部に配置された弾性層によってシールすることができる。モールディング後は、弾性層を再び除去することができる。一つの別の実施の形態においては、感応層が配置されることが予想される領域の周囲にシーリングフレームを設けることができる。開口部を作製するためのモールドの突出部を、モールディング中にシーリングフレーム上に載置することができる。このシーリングフレームを弾性材料から形成することができる。シーリングフレームをモールディング後に除去する必要はない。別の実施の形態においては、ガスセンサチップの上面に壁エレメントが配置され、その壁エレメントによって、感応層が配置されることが予想される領域が取り囲まれる。その種の壁エレメントを、例えば、ガスセンサチップに結合させることができるか、又は、フォトリソグラフィステップによって作製することができ、またモールド材料とは異なる材料から形成することもできる。更にこの壁エレメントは、感応層のために選定された領域にモールド材料が進入することを阻止するバリアとして機能する。この実施の形態においては、モールドは突出部を必ずしも必要とせず、それどころか平坦であってもよく、またモールディング中にモールドを壁エレメントに直接載置することもできる。壁エレメントはモールディング後に除去することはできないが、モールド材料が壁エレメントに留められるので、そのモールド材料において開口部を規定し続ける。壁エレメントは有利には、モールド材料とは異なる材料から形成されている。
【0018】
従って、この実施の形態においては、ガスセンサチップはダイパッドに結合されており、またその種のデバイスを、ガスセンサチップの部分的な封止部として使用されるだけでなく、コンタクトパッド及びダイパッドのための機械的な固定部としても使用されるモールド材料によってモールディングすることができる。
【0019】
有利には、コンタクトパッドの少なくとも一部に外部から接触することができ、また特に、下から、即ちガスセンサパッケージの裏面から接触することができる。コンタクトパッドの別の部分又は同一の部分の上面は、ガスセンサチップとコンタクトパッドとの間の電気的な接続部がボンディングワイヤである場合に、例えばボンディングパッドとして機能することができる。有利には、ガスセンサチップの表面におけるボンディングパッドから、コンタクトパッドのそれらの部分に向けてボンディングが行われる。リードフレーム上のボンディングパッドの位置と外部に晒されている部分とが異なっている場合には、リードフレームから作製されたコンタクトパッドは再配線層(Redistribution Layer)としても機能する。
【0020】
リードフレームを含む別の実施の形態においては、モールド材料によるモールディングに先行して、プレモールド材料をリードフレームに供給し、平坦な担体を形成することができる。その種の担体は有利には、リードフレームを準備し、そのリードフレームをモールド内に配置し、またそのモールドをプレモールド材料で充填することによって事前に作製される。ガスセンサチップをその種の担体に取り付けた後に、モールド材料を供給することができ、それによって少なくとも部分的にプレモールド材料が覆われる。
【0021】
代替的な実施の形態においては、コンタクトパッド及びダイパッドは、プリント回路基板の一部でよい。ここでは、ダイパッドをプリント回路基板の表面の金属化部によって形成することができ、これに対し、コンタクトパッドはプリント回路基板の裏面の金属化部によって形成される。このことは、コンタクトパッドの接続のために、プリント回路基板を貫通するビアを付加的に必要とする。プリント回路基板の代わりに、別の担体、例えばセラミック基板又はガラス基板を使用することもできる。
【0022】
センサチップのための給電部として使用されるコンタクトパッドを介しては、ヒータに電力が供給されないことが想定される。その代わりに、ヒータにはヒータピンとして使用される専用のコンタクトパッドを介して電力が供給される。このコンタクトパッドを、電気的な接続部及びガスセンサチップにおける金属化部を介して、直接的にヒータに接続することができる。ヒータが10mAを上回る電流、また場合によっては100mAにまで達する電流を必要とする場合、有利には、数mAのオーダにある電流、例えば1.8mAの電流が供給されるガスセンサチップの通常の動作のための給電部を、ヒータのための給電部から切り離すことができる。そのようにして、ガスセンサパッケージの動作の総合的な信頼性が高められる。ガスの信頼性の高い測定を実施するために、ガスセンサチップに対して、また有利にはその処理回路に対して、安定した精密な給電部が必要とされる。ヒータのための電流をガスセンサチップにおいて標準給電部から得ることになるならば、その種の標準給電部は変動を示す可能性があり、これは望ましいものではない。一つの有利な実施の形態においては、ヒータを動作させるためのピンとして使用されるコンタクトパッドと、ヒータを除いてガスセンサチップを動作させる電力を供給するための給電ピンとして使用される他のコンタクトパッドとは相互に離隔されており、また例えば、ガスセンサパッケージの裏面の異なる縁部に配置されている。このようにして、ガスセンサチップ及びその周囲の加熱が異なる端部から誘導され、また、それらのコンタクトパッドが隣接して設けられるとしても、一つのホットスポットにその熱が蓄積されることはない。一つの実施の形態においては、処理回路がガスセンサチップに集積されているか、又は、別個のASICがヒータの加熱を制御することができる。
【0023】
有利には、モールド材料における開口部はガスセンサパッケージの表面に配置されており、それに対して、コンタクトパッド及びダイパッドはガスセンサパッケージの裏面に配置されている。これによって、携帯可能な電子機器、例えば携帯電話、タブレット型コンピュータ等への使用に適している簡潔で小型のパッケージが提供される。この関係において、一つの有利な実施の形態では、ガスセンサパッケージが立方体の形状を有している。モールド材料における開口部は有利には環状のフットプリントを有しており、またその開口部を、一つの実施の形態においてはガスセンサパッケージの表面の中心に配置することができ、また別の実施の形態においては表面の中心から外れた位置に配置することができる。一つの実施の形態においては、接触開口部の幾何学は主に、感応層が配置されるべきダイヤフラムの寸法サイズに依存するので、ガスセンサパッケージの全体のサイズを最小するためには、可能であれば開口部の外側におけるモールド材料のフットプリントを縮小することが所望される。しかしながら、アクセス開口部のフットプリントを可能な限り小さく維持することも所望される。何故ならば、開口部によって規定される容積は、感応層に関するデッドボリュームであると考えられ、そのデッドボリュームを規定するモールド材料の表面が小さくなるほど、感応層に影響を及ぼすモールド材料のあらゆるガス放出を低減できるからである。一般的にその種の小型のサイズのパッケージは、携帯可能な電子機器にその種のガスセンサパッケージを適用するという観点から望ましいだけでなく、既に製作されたモールド材料の開口部を介して、感応層をガスセンサチップに提供できる製造方法も可能であるという観点からも望ましい。複数のガスセンサパッケージが依然として、その製造ステップ中に一つの共通の担体上に残存する場合、感応層をガスセンサパッケージに提供する作業ツールはいずれも、隣接するガスセンサパッケージの開口部間の移動距離が短くなるほどより高速に機能する。ここで、モールド材料は、例えばインクジェット印刷によって感応層が供給される場合には、ガスセンサパッケージに関する機械的な安定性を提供する。何故ならば、ダイヤフラムを含むガスセンサチップは既にモールド材料内で固定されているからである。更に、小型のサイズのパッケージは、デッドボリュームが低減されているという点で有利であり、また感応層に作用するあらゆるガス放出も制限する。
【0024】
従って、一つの有利な実施の形態においては、立方体状のガスセンサパッケージは、長さl×幅wのフットプリント(単位mm2)を有している。特に、立方体状のガスセンサパッケージはl(但し、l∈[2.3,2.6]mm)×w(但し、w∈[2.3,2.6]mm)mm2のフットプリントを有している。有利には、開口部の直径dは2mm未満であり、特にd∈[1.4,1.6]mmである。開口部の直径がガスセンサチップに向かって変化する場合、例えば狭くなる場合、直径dはその種の開口部の最大直径である。直径が狭くなる場合には、直径dはモールド材料の上部表面における直径である。それら全ての実施の形態は、小型のガスセンサパッケージを達成することを目的としており、またそれと同時に、ガス放出の影響に関連するデッドボリュームを限定し、且つ、感応層の効果的な断熱を実現することも目的としている。
【0025】
一つの実施の形態においては、ガスセンサパッケージが6個のコンタクトパッドを有している。上記において述べたように、それらのコンタクトパッドのうちの第1のコンタクトパッドは、ヒータに電流を供給するためのピンとして使用される。コンタクトパッドのうちの第2のコンタクトパッドは、ヒータを除いてガスセンサチップを動作させる電力を供給するための給電ピンとして使用することができる。コンタクトパッドのうちの第3のコンタクトパッドは接地ピンとして使用される。コンタクトパッドのうちの第4のコンタクトパッドは、通信プロトコルに準拠して通信された、ガスセンサチップからの測定データを少なくとも受信するためのデータピンとして使用される。コンタクトパッドのうちの第5のコンタクトパッドは、通信プロトコル、例えばI2Cプロトコルを動作させるクロックのためのピンとして使用される。コンタクトパッドのうちの第6のコンタクトパッドは、ガスセンサチップをプログラミングするためのプログラム可能なピンとして使用される。
【0026】
有利には、6個のコンタクトパッドはガスセンサパッケージの裏面において、3個ずつ2列になって配置されており、またダイパッドはそれらの3個ずつのコンタクトパッドから成る二つの列の間に配置されている。これによって、特にダイパッドが矩形の形状である場合には、密な配置構成が実現される。
【0027】
一つの有利な実施の形態においては、ガスセンサパッケージの表面は少なくとも一つのマーキングを有している。ガスセンサパッケージのフットプリントが矩形の形状である場合には、各マーキングは表面の一つの角に配置されている。有利には、複数ある角のうちの一つの角にマーキングが一つだけ設けられ、それによってガスセンサパッケージの向きが規定される。
【0028】
本明細書においては、モールド材料又はプレモールド材料は、少なくとも、何らかのプラスチック材料又はドライレジストを含むべきであり、それらは何らかの形でモールディングされ、例えば射出成形又はトランスファ成形されるか、若しくは他の方式でモールディングされる。
【0029】
本発明によるガスセンサパッケージは、種々の実施の形態において、その寸法が小型であるだけでなく、それと同時に、測定に影響を及ぼす可能性があるガス放出を低減し、安定した/「完全な」給電VDDを保証し、それと同時にガスセンサチップへの給電と干渉することなく、ヒータに大電流を供給する。感応層の加熱は局所的にしか行われず、そこでは温度が200℃を超え、また時にはそれよりも遙かに高い温度に到達することも考えられる。それに対し、ヒータ及び感応層を有しているダイヤフラムの外側では、センサ信号の処理への影響を回避するために、温度は例えば85℃を超えることはない。対応する処理回路は有利にはダイヤフラムの外側に配置されており、有利には、ディジタル信号をコンタクトパッドのうちの一つに供給する。本発明によるガスセンサパッケージは有利には、外部の支持部に対してSMD実装可能である。
【0030】
ガスセンサパッケージの他の有利な実施の形態は従属請求項に記載されており、また以下においても説明する。
【0031】
本発明の種々の実施の形態、態様及び利点は、本発明の以下の詳細な説明より明らかになる。説明にあたり添付の図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】本発明の一つの実施の形態によるガスセンサパッケージの斜視図を示す。
図2図1に示したガスセンサパッケージの上面図(図2a))及び下面図(図2b))を示す。
図3】製造ステップの中間段階での、本発明の一つの実施の形態によるガスセンサパッケージの上面図を示す。
図4】本発明の一つの実施の形態によるガスセンサパッケージの断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1には、本発明の一つの実施の形態によるガスセンサパッケージが斜視図で示されている。ガスセンサパッケージは、表面FSと、その表面FSとは反対側に位置し、従ってこの斜視図においては見ることができない裏面とを備えている立方体の形状を有している。モールド材料1によってガスセンサパッケージの形状が規定されている。モールド材料1は、ガスセンサパッケージの感応層との接触部を提供する、中央の開口部11を有している。
【0034】
モールド材料の表面FSにおける各角のうちの一つの角には、例えばレーザ処理、インクジェット印刷等によってマーキング6が設けられている。このマーキングによって、ガスセンサパッケージの向き、デバイス番号、シリアル番号、製造業者等のうちの少なくとも一つを表すことができる。
【0035】
同様にモールド材料1によって形成されているガスセンサパッケージの側壁SWでは、コンタクトパッド22,23,24の前端並びにダイパッド支持部211がモールド材料1から露出している。以下では、それらの機能について説明する。
【0036】
しかしながら一つの異なる実施の形態においては、複数設けられているコンタクトパッド及び/又はダイパッド支持部211のうちの少なくとも一つを、図1に示されているようにガスセンサパッケージの下端に接するように設けるのではなく、図1の右側に切り出して示したように、下端よりも高い位置に設けることができる。ここでは、ダイパッド支持部211が下端から例えば100μmから200μmの間の距離に配置されている。
【0037】
この実施例のガスセンサパッケージは、有利には0.7mmから0.8mmの間の高さhを有している。
【0038】
図2には、図1に示したガスセンサパッケージの上面図(図2a))及び下面図(図2b))が示されている。表面FSを示す図2a)の上面図によれば、開口部11がモールド材料1によって規定されている。開口部11は円形の形状であり、また、有利には1.4mmから1.6mmの間の直径dを有している。立方体状のガスセンサパッケージは、それぞれが有利には2.3mmから2.7mmの間の範囲にある長さlと幅wとからなる、l×wのフットプリントを有している。開口部11の中を見てみると、感応層31が見て取れる。この感応層31は有利には、開口部の直径dよりも僅かに小さい直径を有しているので、従って、感応層31の外側にあるガスセンサチップ3の一部が僅かながら見て取れる。
【0039】
図2b)によれば、ガスセンサパッケージの裏面BSには、6個のコンタクトパッド22〜27が設けられている。それらのコンタクトパッド22〜27は3個ずつ2列になって、ガスセンサパッケージの対向する2つの縁部に配置されている。有利には、各コンタクトパッドは0.5mm×0.5mm未満の寸法を有しており、また各列の各コンタクトピン間のピッチは0.8mmの範囲にある。
【0040】
有利には、コンタクトパッド26はヒータを動作させるためのヒータピンとして使用される。コンタクトパッド24は、ヒータを除いてガスセンサチップ3を動作させる電力を供給するための給電ピンとして使用される。コンタクトパッド23は、ガスセンサチップの基板を接地させるための接地ピンとして使用され、またダイパッド21に接続されている。コンタクトパッド22は、I2Cプロトコルのような通信プロトコルに準拠して通信された、ガスセンサチップからの測定データを少なくとも受信するためのデータピンとして使用される。コンタクトパッド27は、通信プロトコル、例えばI2Cプロトコルを動作させるクロックのためのピンとして使用される。コンタクトパッド25は、例えば較正データを用いてガスセンサチップ3をプログラミングするためのプログラム可能なピンとして使用される。別の実施の形態においては、コンタクトパッド22〜27を同列でダイパッド21の周囲に輪状に配置することができる。
【0041】
二つの列の間にはダイパッド21が設けられており、このダイパッド21はガスセンサチップ3の支持部として使用される。以下ではこの支持部をより詳細に説明する。ダイパッド21は矩形の形状であるが、一つの角は面取りされており、その角をガスセンサパッケージの向きに関する視覚的及び/又は機械的なコーディング部として使用することができる。コンタクトパッド22〜27とダイパッド21とはモールド材料1によって機械的に繋がっている。図3には、製造ステップの中間段階での、本発明の一つの実施の形態によるガスセンサパッケージ、例えば図1及び図2に示したガスセンサパッケージの上面図が示されている。ここでは、コンタクトパッド22〜27及びダイパッド21が一つの共通のリードフレーム4に属していることがはっきりと見て取れる。このリードフレーム4は例えば水平方向のリード41を有しており、それらのリード41からコンタクトパッド22〜27が延びている。それに対し、ダイパッド21はダイパッド支持部211を介してリードフレーム4の垂直方向のリード42に接続されている。感応層31を含むガスセンサチップ3はダイパッド21の上に配置されている。最終的なモールド材料1は、この段階での装置にはまだ供給されていない。しかしながら、ガスセンサチップ3がダイパッド21に取り付けられる前に、プリモールド材料28がリードフレームに供給されていると考えられる。プリモールド材料28は破線で表された矩形によって示唆されている。このために、モールドをリードフレーム4に供給することができ、また有利には、最終的に複数のガスセンサパッケージを製造するために、図3に示されているような複数のリードフレーム構造を含む大きいリードフレーム4に供給することができる。ガスセンサパッケージ3をプレモールドリードフレーム4に配置した後に、最終的なモールドをプレモールドリードフレーム4の上面に供給することができ、また、それによって得られるガスセンサパッケージを破線に沿ってダイシングし、リード41及び42からガスセンサパッケージを個別化することができる。プレモールド材料28及びモールド材料1は有利には同一の材料から成るものなので、図1においてそれら二つのモールド材料を区別していない。
【0042】
図3においては、ヒータコンタクトパッド26とガスセンサチップ3との間にのみボンディングワイヤ6’が一つだけ概略的に示されている。他のコンタクトパッド22〜25及び27もボンディングワイヤによってガスセンサチップ3に電気的に接続されているが、それらのボンディングワイヤは図面を見やすくするために図示していない。
【0043】
図4には、本発明の一つの実施の形態によるガスセンサパッケージの断面図が示されている。開口部11の形状及びダイパッド21に設けられている通気孔212以外は、図4に示されているガスセンサパッケージは、前述の図1から図3のいずれかに示されているガスセンサパッケージであると考えられる。特に、図4におけるガスセンサパッケージは、図1のガスセンサパッケージの線A−A’に沿った断面図であると考えられる。
【0044】
この断面図においては、ガスセンサチップ3のための担体2のダイパッド21及びプレモールド材料28の一部のみが示されている。ガスセンサチップ3はダイパッド21の上面に配置されており、例えば上面に結合されている。ガスセンサチップ3は表面fs及び裏面bsを有している。一つの実施の形態において、ガスセンサチップ3は、半導体基板と、その基板の上面に配置されているCMOS層と、を有することができる。ガスセンサチップ3の裏面bsに凹部32が形成されるように、基板を裏面bsからエッチングすることができるか、又は他の方式で部分的に除去することができる。このプロセスステップを、ガスセンサチップ3をダイパッド21に結合する前に実施することができる。ガスセンサチップ3に凹部32を形成した結果、ガスセンサチップ3には薄くなった構造部、つまりダイヤフラム33と称される構造部が生じている。感応層31はダイヤフラム上又はダイヤフラム内に配置されている。
【0045】
一つの特別な実施の形態においては、感応層31が金属酸化物層を含んでおり、この金属酸化物を加熱することによって化学的な検体を検出することができる。このために、抵抗性加熱器のようなヒータ34が、感応層31を加熱するために、ダイヤフラム33内又はダイヤフラムの下に配置されている。従って、ガス感応層31及びヒータ34のいずれも、凹部の上方にあるダイヤフラム上又はダイヤフラム内に配置することができる。この配置構成は、ダイヤフラム33によってもたらされる断熱に負うものであり、また断熱によって測定の精度が改善される。
【0046】
一つの有利な実施の形態においては、ダイパッド21が、空所5と外部空間とを繋ぐための孔212を有している。空所5内のガスを介して、熱をヒートシンクとして機能するダイパッド21に伝達することができるか、又は、通気孔212を介して、空所5内のガスが受け取った熱を空所5から逃がすことができる。
【0047】
ガスセンサチップ3のガス感応層31に向けて開かれている開口部11が形成されるように、モールド材料1はガスセンサチップ3を部分的に封止している。この実施の形態においては、開口部11が円形のフットプリントを有しており、この開口部11はガス感応層31に向かうに連れ狭くなっている。
【0048】
上記においては本発明の複数の実施の形態を開示及び説明したが、本発明はそれらの実施の形態に限定されるものではなく、本発明を、添付の特許請求の範囲に記載された事項の範囲内で種々に実施及び実践できることは明らかである。
図1
図2
図3
図4