(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施の形態におけるプラント管理装置100は、
図1に示すように、処理部10、記憶部12、入力部14、出力部16及びインターフェース部18を含んで構成される。プラント管理装置100は、センサ20(20a〜20n)に接続され、管理対象であるプラント(設備)200からプロセスデータを取得して管理する。
【0016】
処理部10は、CPU等の演算手段を含み、記憶部12に記憶されたプロセス管理プログラムを実行することによってプラント管理装置100によるプラント管理処理を実現する。記憶部12は、処理部10からアクセス可能に接続された半導体メモリやハードディスク等の記憶装置を含んで構成される。記憶部12は、プロセス管理プログラム、プロセスデータベース、コメントデータベース等を記憶する。入力部14は、キーボードやマウス等の入力装置を含んで構成される。入力部14は、プラント管理装置100によって使用される各種パラメータや指示コマンドの入力に用いられる。出力部16は、ディスプレイやプリンタ等の出力装置を含んで構成される。出力部16は、プラント管理装置100におけるプロセス管理処理に関する情報をユーザに提示する。インターフェース部18は、アナログ/デジタル変換器等を含んで構成される。インターフェース部18は、センサ20によって測定されたプロセスデータをプラント管理装置100に取り込むために用いられる。
【0017】
センサ20は、時系列的にプラント200の状態を計測した測定値をプラントデータとしてプラント管理装置100へ出力する。センサ20は、例えば、温度センサ、圧力センサ、pHセンサ等、プラント200の状態を示す何らかの物理量を測定するものであればよい。
【0018】
プラント管理装置100は、インターフェース部18を介してセンサ20で計測されたプラントデータを取得する。処理部10は、センサ20からのプロセスデータを受信すると、当該プロセスデータを受信した日時に関連付けてプロセスデータベースとして記憶させる。プロセスデータベースは、
図2の登録例に示すように、プロセスデータの種類毎に日時とその計測値とを関連付けて記憶部12に記憶される。
【0019】
プラント管理装置100は、
図3に示すように、センサ20によって取得されたプロセスデータを時系列に示したトレンドデータグラフ300を表示する機能を有する。トレンドデータグラフ300は、名称表示領域30、トレンドデータグラフ表示領域31、時刻表示領域32、トレンド状態変更領域33、ゲイン・バイアス変更領域34、トレンドデータ表示領域35及びコメントリスト表示領域36を含んで構成される。
【0020】
名称表示領域30は、表示されるトレンドデータグラフ300の名称を表示する領域である。名称表示領域30を入力部14により選択(クリック等)することにより、登録済みのトレンドグラフを選択する選択画面が表示され、入力部14によって表示させるトレンドデータグラフ300を選択することができる。
【0021】
本実施の形態では、複数のトレンドデータグラフ300を登録することができる。トレンドデータグラフ300の各々は、
図4に示すように、トレンドグラフデータベースに登録される。トレンドグラフデータベースには、現在の表示開始時刻、現在の表示時間幅、現在の縦軸(Y軸)選択、カーソル位置、グラフ毎に表示されるプロセスデータの種類・表示態様(線種、線色等)・ゲイン・バイアス・表示/非表示フラグ・単位がトレンドデータグラフ300毎に関連付けて記憶部12に登録される。これらの情報は、トレンドデータグラフ300に設けられた「設定」ボタン37を入力部14により選択(クリック等)することにより登録用画面を表示させ、当該登録画面から設定できるようにすればよい。
【0022】
トレンドデータグラフ表示領域31は、トレンドデータグラフ300を描画する領域である。トレンドデータグラフ表示領域31の横軸は日時、縦軸はセンサ20によって計測されたプロセスデータである。
【0023】
処理部10は、記憶部12に記憶されているトレンドグラフデータベースを参照し、名称表示領域30において選択されているトレンドデータグラフ300に関連付けて登録されている情報を読み出し、それらの情報に基づいて出力部16にトレンドデータグラフ300を表示する。当該処理によってトレンドグラフ表示手段が実現される。
【0024】
具体的には、処理部10は、トレンドデータグラフ300に表示される対象となっているプロセスデータの種類を読み出し、記憶部12に記憶されているプロセスデータベースを参照して、当該種類のプロセスデータを現在の表示開始時刻から現在の表示時間幅に亘って読み出す。そして、読み出されたプロセスデータを現在の表示開始時刻から現在の表示時間幅のグラフとして表示させる。このとき、グラフの縦軸(Y軸)は現在の縦軸(Y軸)選択で特定されるプロセスデータの種類に合わせる。また、プロセスデータの種類毎に登録されているゲイン分だけ増幅すると共にバイアス分だけオフセットさせて表示させる。また、各プロセスデータは、種類毎に登録されている表示態様(線種:実線、破線、点線、一点鎖線、二点鎖線等、線色:黒、赤、青、緑等)で表示させる。また、表示/非表示フラグが「非表示」とされているプロセスデータはトレンドグラフとして表示させない。
【0025】
図3の例では、プロセスデータの種類として逆洗排水槽、No.1吸着塔入口、No.2吸着塔入口、No.1吸着塔出口、No.2吸着塔出口、最終中和槽のpH値の時間的な変化がトレンドグラフとしてトレンドデータグラフ表示領域31に表示されている。
【0026】
また、トレンドデータグラフ表示領域31にはグラフカーソル42,43を表示させることが好適である。処理部10は、記憶部12のトレンドグラフデータベースを参照して、トレンドデータグラフ300に関連付けて登録されているカーソル位置を読み出し、それによって特定される日時にグラフカーソル42,43を表示させる。グラフカーソル42,43は、入力部14を用いてそれぞれトレンドグラフ上を横軸(時間軸)に沿って移動させることができる。グラフカーソル42,43が移動させられた場合、移動された位置の日時でトレンドグラフデータベースのカーソル位置を更新する。なお、グラフカーソル42,43の位置におけるプロセスデータが後述する時刻表示領域32に表示される。
【0027】
このように、プロセスデータを時系列的にトレンドグラフとして表示することによって、プロセスデータの時間的な変化を視覚的に容易に把握することが可能となる。また、複数のプロセスデータの時間的な変化を比較しつつ、それらの変化の関係性を容易に把握することができる。
【0028】
時刻表示領域32は、トレンドデータグラフ表示領域31に表示されているトレンドグラフの表示開始日時を表示する領域である。また、表示開始時刻の表示領域を入力部14により選択(クリック等)することにより、表示開始日時を変更する画面を表示させ、表示開始日時を変更できるようにしてもよい。表示開始日時が変更された場合、トレンドグラフデータベースにおいてトレンドデータグラフ表示領域31に現在表示されているトレンドグラフに関連付けて登録されている表紙時開始日時が更新される。
【0029】
また、時刻表示領域32には、グラフカーソル42,43によって指定された日時を併せて表示してもよい。処理部10は、トレンドデータグラフ表示領域31に表示されたグラフカーソル42,43のそれぞれの位置に対応する日時を時刻表示領域32に表示させる。さらに、グラフカーソル42,43の日時の表示領域を入力部14により選択(クリック等)することにより、グラフカーソル42,43の日時を変更する画面を表示させ、グラフカーソル42,43の表示位置を変更できるようにしてもよい。処理部10は、グラフカーソル42,43の日時が変更されると、トレンドデータグラフ表示領域31におけるグラフカーソル42,43を変更された日時に移動させて表示させる。また、トレンドグラフデータベースにおいてトレンドデータグラフ表示領域31に現在表示されているトレンドグラフに関連付けて登録されているカーソル位置が更新される。
【0030】
トレンド状態変更領域33は、表示日時の切り替え及び表示時間幅を選択する領域である。表示日時の切り替えは、「<<」ボタン、「<」ボタン、「>」ボタン、「>>」ボタン、「最新」ボタン、「指定」ボタンを入力部14により操作(クリック等)することにより行われる。「<<」ボタンを操作することによりトレンドデータグラフ表示領域31に表示されているトレンドグラフの時間軸を1頁分過去へ移動させて表示を更新する。「<」ボタンを操作することによりトレンドデータグラフ表示領域31に表示されているトレンドグラフの時間軸を1目盛分過去へ移動させて表示を更新する。「>」ボタンを操作することによりトレンドデータグラフ表示領域31に表示されているトレンドグラフの時間軸を1目盛分未来へ移動させて表示を更新する。「>>」ボタンを操作することによりトレンドデータグラフ表示領域31に表示されているトレンドグラフの時間軸を1頁分未来へ移動させて表示を更新する。「最新」ボタンを操作することによりトレンドデータグラフ表示領域31に表示されているトレンドグラフの表示開始時刻を現在日時にして表示を更新する。「指定」ボタンを操作することにより表示開始日時を変更する画面を表示させ、表示開始日時を変更できるようにし、トレンドデータグラフ表示領域31に表示されているトレンドグラフの表示開始時刻を指定された日時にして表示を更新する。なお、これらの処理によって表示開始時刻が変更された場合、トレンドグラフデータベースにおいてトレンドデータグラフ表示領域31に現在表示されているトレンドグラフに関連付けて登録されている表示開始時刻が更新される。
【0031】
また、表示時間幅の切り替えは、「30分」ボタン、「1時間」ボタン・・・「1年」ボタンを入力部14により操作(クリック等)することにより行われる。それぞれのボタンを入力部14により操作(クリック等)することにより、処理部10は、操作されたボタンの時間幅に合わせてトレンドデータグラフ表示領域31に表示されるトレンドグラフの時間幅を変更する。例えば、入力部14によって「1時間」ボタンが操作(クリック等)されると、処理部10は、トレンドデータグラフ表示領域31に表示されるトレンドグラフの横軸の全幅が1時間の時間幅となるようにトレンドグラフを表示させる。表示時間幅が変更された場合、トレンドグラフデータベースにおいてトレンドデータグラフ表示領域31に現在表示されているトレンドグラフに関連付けて登録されている表示時間幅が更新される。
【0032】
ゲイン・バイアス変更領域34は、トレンドグラフの全体のゲインとバイアスを選択する領域である。ゲインは、トレンドデータグラフ表示領域31に表示されるトレンドグラフの縦軸の拡大倍率である。例えば、ゲイン・バイアス変更領域34において、1倍、2倍、5倍、10倍等の倍率から入力部14により選択できるようにすることが好適である。また、ゲインは連続値で指定できるようにしてもよい。バイアスは、トレンドデータグラフ表示領域31に表示されるトレンドグラフの縦軸を上下に移動させるオフセットである。例えば、ゲイン・バイアス変更領域34において−100%〜100%の範囲で入力部14により指定可能とすることが好適である。処理部10は、表示対象として指定されているプロセスデータをゲイン・バイアス変更領域34において指定されたゲイン分だけ増幅すると共にバイアス分だけ上下にオフセットさせてトレンドデータグラフ表示領域31にトレンドグラフを表示させる。ゲイン又はバイアスが変更された場合、トレンドグラフデータベースにおいてトレンドデータグラフ表示領域31に現在表示されているトレンドグラフに関連付けて登録されているゲイン又はバイアスが更新される。
【0033】
トレンドデータ表示領域35は、トレンドデータグラフ表示領域31に表示されているトレンドグラフのプロセスデータを表示する領域である。例えば、プロセスデータの名称に関連付けてグラフカーソル42,43の位置する日時におけるプロセスデータを表示する。
【0034】
このように、トレンドデータグラフ表示領域31にグラフカーソル42,43を設け、それらによって指定された日時のプロセスデータを数値表示することによって、指定された日時におけるプロセスデータを正確に把握することができる。
【0035】
また、プロセスデータ毎にゲイン及びバイアスを表示させることが好適である。ゲイン及びバイアスの表示領域を入力部14により選択(クリック等)することによってゲイン及びバイアスを変更できるようにしてもよい。ゲイン又はバイアスが変更された場合、トレンドデータグラフ表示領域31に現在表示されているトレンドグラフのゲイン又はバイアスを変更して表示させる。また、トレンドグラフデータベースにおいてトレンドデータグラフ表示領域31に現在表示されているトレンドグラフに関連付けて登録されているゲイン又はバイアスが更新される。
【0036】
また、トレンドデータ表示領域35には、トレンドデータグラフ表示領域31に表示されるトレンドグラフの縦軸(Y軸)に表示する目盛、名称及び単位を選択するY軸選択領域を設けてもよい。入力部14によってY軸選択領域のいずれかが選択(クリック等)されると、処理部10は、その選択されたプロセスデータの単位及び目盛を適用してトレンドデータグラフ表示領域31にトレンドグラフを表示させる。縦軸(Y軸)選択が変更された場合、トレンドグラフデータベースにおいてトレンドデータグラフ表示領域31に現在表示されているトレンドグラフに関連付けて登録されている縦軸(Y軸)選択が更新される。
【0037】
また、トレンドデータ表示領域35には、グラフの表示/非表示を切り替える領域を設けてもよい。
図3のトレンドデータグラフ300の例では、各プロセスデータの前に表示/非表示を選択するボックスを設け、入力部14により選択(クリック等)する度に対応するプロセスデータの表示/非表示を切り替える。処理部10は、表示が選択されたプロセスデータはトレンドデータグラフ表示領域31にトレンドグラフとして表示させる。処理部10は、非表示が選択されたプロセスデータはトレンドデータグラフ表示領域31にトレンドグラフとして表示しないように処理する。表示/非表示が変更された場合、トレンドグラフデータベースにおいてトレンドデータグラフ表示領域31に現在表示されているトレンドグラフに関連付けて登録されている表示/非表示フラグが更新される。
【0038】
コメントリスト表示領域36は、プロセスデータに対するコメントの表示及びコメントの追加・修正・削除を行うための領域である。コメントリスト表示領域36には、トレンドデータグラフ表示領域31に表示されているトレンドグラフに対して登録されているコメントが時系列的にリスト形式で表示される。
【0039】
コメントは、プロセスデータの種類及び日時に関連付けてコメントデータベースに登録される。コメントデータベースは、
図5の登録例に示すように、プロセスデータの種類毎に日時に関連付けて記憶部12に記憶される。
【0040】
コメントは、コメントリスト表示領域36の「追加」ボタン、「修正」ボタン、「削除」ボタンを入力部14により選択(クリック等)することにより、追加、修正及び削除することができる。
【0041】
コメントの追加処理は、以下のとおり行われる。当該処理によってコメント受付手段が実現される。入力部14を用いてトレンドデータグラフ表示領域31のトレンドグラフ上においてグラフカーソル42を移動させることによって、コメントを入力する日時の設定が受け付けられる。また、入力部14を用いてトレンドデータ表示領域35のY軸選択領域においてコメントを追加するプロセスデータの種類の選択(クリック等)が受け付けられる。また、入力部14を用いてコメントリスト表示領域36の「追加」ボタンの選択(クリック等)が受け付けられる。処理部10は、これらの入力を受け付けると、出力部16に
図6に示すようなコメント追加画面400を表示させる。コメント追加画面400には、日時、プロセスデータの名称、これらに対応するプロセスデータの値が表示される。さらに、コメント追加画面400にはコメント入力領域50が設けられ、入力部14によるコメントの入力が受け付けられる。コメント入力領域50にコメントが入力された状態において「登録」ボタン60が選択(クリック等)されると、処理部10は、コメントデータベースにおいて選択されたプロセスデータに対して日時に関連付けて受け付けられたコメントを新たに登録する。また、コメントリスト表示領域36に追加されたコメントを追加表示する。
【0042】
コメントの修正処理は、以下のとおり行われる。当該処理によってコメント修正手段が実現される。入力部14を用いてコメントリスト表示領域36にリスト形式で表示されているコメントを選択(クリック等)する。これにより、修正対象となるコメントが選択される。また、入力部14を用いてコメントリスト表示領域36の「修正」ボタンの選択(クリック等)が受け付けられる。処理部10は、これらの入力を受け付けると、出力部16に
図7に示すようなコメント修正画面402を表示させる。コメント修正画面402には、日時、プロセスデータの名称、これらに対応するプロセスデータの値が表示される。さらに、コメント修正画面402にはコメント入力領域52が設けられ、入力部14によるコメントの修正が受け付けられる。ここで、コメント入力領域52には、コメントデータベースを参照してコメントリスト表示領域36において選択されているコメントの内容を表示させることが好適である。コメント入力領域52に表示されたコメントが入力部14によって修正された状態において「修正」ボタン62が選択(クリック等)されると、処理部10は、コメントデータベースにおいて選択されたプロセスデータに対して日時に関連付けて登録されているコメントを修正された内容に更新する。また、コメントリスト表示領域36に表示されているコメントも更新する。
【0043】
コメントの削除処理は、以下のとおり行われる。当該処理によってコメント削除手段が実現される。入力部14を用いてコメントリスト表示領域36にリスト形式で表示されているコメントを選択(クリック等)する。これにより、修正対象となるコメントが選択される。また、入力部14を用いてコメントリスト表示領域36の「削除」ボタンの選択(クリック等)が受け付けられる。処理部10は、これらの入力を受け付けると、出力部16に
図8に示すようなコメント削除画面404を表示させる。コメント削除画面404には、「選択したコメントを削除します。よろしいですか?」等の削除の確認を求めるメッセージを表示させる。コメント削除画面404において「OK」ボタン64が選択(クリック等)されると、コメントデータベースにおいて選択されたプロセスデータに対して日時に関連付けられて登録されている当該コメントが削除される。また、コメントリスト表示領域36に表示されているコメントも削除する。
【0044】
また、コメントの検索ができるようにしてもよい。当該処理によってコメント検索手段が実現される。コメントリスト表示領域36の「検索」ボタンを入力部14により選択(クリック等)することにより、検索処理が開始される。検索処理が開始されると、処理部10は、
図9に示すようなコメント検索画面406を表示させる。コメント検索画面406には、日時検索領域54、名称検索領域56及びコメント検索領域58が設けられる。
【0045】
日時検索領域54、名称検索領域56及びコメント検索領域58には、それぞれチェックボックスが設けられ、入力部14を用いてチェックボックスを選択することによって、選択された検索条件が有効とされる。日時検索領域54では、入力部14を用いてコメントが登録された日時(範囲)が検索条件として設定される。名称検索領域56では、入力部14を用いてコメントが付されたプロセスデータの種類が検索条件として設定される。コメント検索領域58では、入力部14を用いてコメントの内容を示すテキストデータが検索条件として設定される。コメント検索画面406の「実行」ボタン66が選択(クリック等)されると、処理部10は、コメントデータベースに登録されているコメントからコメント検索画面406において有効とされた検索条件に合致するコメントを検索及び抽出する。コメント検索領域58に入力されたテキストについては部分一致検索の条件として扱うことが好適である。また、複数の検索条件が設定されている場合には、検索条件の論理積に基づいて検索を行う。そして、処理部10は、抽出されたコメントをコメントリスト表示領域36に表示させる。
【0046】
このようにプロセスデータに対してコメントを登録できるようにすることによって、プロセスデータに変化等が生じた日時におけるプロセス管理者のコメントを把握しつつ、トレンドグラフを確認することができる。
【0047】
次に、トレンドグラフ上にコメントを表示する処理について説明する。当該処理によってコメント表示手段が実現される。トレンドデータグラフ300に表示されたコメント表示ボックス40を選択(クリック等)すると、トレンドデータグラフ表示領域31におけるコメントの表示/非表示が切り替えられる。処理部10は、コメント表示ボックス40において「表示」が選択された場合、トレンドグラフデータベースを参照して、トレンドグラフ上に表示されているプロセスデータの種類、現在の表示開始時刻及び現在の表示時間幅を読み出す。さらに、コメントデータベースを参照して、現在表示されているプロセスデータに関連付けて登録されているコメントのうち、表示開始時刻から表示時間幅に亘る期間に対して登録されているコメントを読み出す。そして、読み出されたコメントをトレンドデータグラフ表示領域31に表示されているトレンドグラフ上に表示させる。該当するコメントが複数存在する場合、該当するすべてのコメントを表示させることが好適である。また、コメントデータベースにおいて表示されるコメントに関連付けて登録されている日時に該当するトレンドグラフ上の位置にコメントを表示させることが好適である。
【0048】
例えば、
図10に示すように、トレンドデータグラフ表示領域31のトレンドグラフにコメント31aを表示させる。
図10では、コメントが登録されているプロセスデータの種類、コメントが登録されている日時と共にコメントを表示した例を示している。時間経過に応じてトレンドデータグラフ表示領域31のトレンドグラフ上における測定値の表示位置を変更することによりトレンドグラフを時間経過に伴って移動表示させる。そして、コメントは、トレンドグラフの時間経過に伴う動きに合わせて移動表示させる。このように、コメントがどのプロセスデータの種類に対して登録されているか判別できる態様で表示することが好適である。例えば、トレンドグラフにおいてコメントが登録されたプロセスデータを表示している線種と同じ線種でコメントを囲んだ態様で表示したり、プロセスデータを表示している線色と同じ線色でコメントを表示したりすることが好適である。また、コメントが登録された日時が把握できる態様で表示することが好適である。例えば、
図10に示すように、トレンドグラフにおいてコメントが登録された時刻から引き出し線31bを引き出してコメント31aを表示させることが好適である。
【0049】
また、コメント表示ボックス40において「非表示」が選択された場合、処理部10は、
図11に示すように、トレンドデータグラフ表示領域31にはコメントを表示させない。当該処理によってコメント表示切替手段が実現される。また、トレンドデータ表示領域35の「表示」において「OFF」が選択された場合、トレンドグラフの非表示と共に、関連するコメントも非表示となる。
【0050】
このようにトレンドグラフ上にコメントを表示させることによって、プロセスデータと共に、プロセスデータ及び日時に対応付けられたコメントをトレンドグラフ上において同時に把握することが可能となる。また、コメント毎に表示用のボタンを押すことなく、トレンドグラフに表示されている内容に応じたコメントを表示させることができる。
【0051】
また、コメントリスト表示領域36においてコメントを指定することによって、トレンドデータグラフ表示領域31に表示されるトレンドグラフ上に当該コメントを表示させるようにしてもよい。コメントリスト表示領域36において表示させたいコメントを選択(クリック等)し、「表示」ボタンを選択(クリック等)すると、処理部10は選択されたコメントをトレンドデータグラフ表示領域31上に表示させる。
【0052】
具体的には、処理部10は、トレンドグラフデータベースを参照して現在の表示時間幅を読み出す。また、処理部10は、コメントデータベースを参照して選択されたコメント及びその日時を読み出す。そして、当該コメントの日時をトレンドグラフの右端(表示終了時刻)に設定し、読み出された表示時間幅となるようにトレンドグラフを表示させる。これにより、選択されたコメントの日時が右端に位置するようにトレンドグラフが表示される。
【0053】
これによって、コメントリスト表示領域36に表示されたコメントからトレンドグラフを表示させ、コメントに関係するプロセスデータの時間変化を確認することが容易となる。また、コメントの日時をトレンドグラフの右端に位置させることにより、グラフカーソル42,43を移動させてコメントの日時に合わせ易くなり、コメントの日時におけるプロセスデータの値を確認することが容易になる。
【0054】
なお、本実施の形態では、コメントの日時をトレンドグラフの右端に合わせて表示させるものとしたが、トレンドグラフの左端に合わせて表示させてもよい。トレンドグラフの右端に合わせて表示させた場合、コメントの日時よりも前に測定されたプロセスデータの時間変化を把握することが容易となる。一方、トレンドグラフの左端に合わせて表示させた場合、コメントの日時よりも後に測定されたプロセスデータの時間変化を把握することが容易となる。
【0055】
また、トレンドデータグラフ300に設けられた「スクリーンショット」ボタン37を入力部14によって選択(クリック等)することで、処理部10は、トレンドデータグラフ300のスクリーンショットを記憶部12に記憶させるようにしてもよい。また、トレンドデータグラフ300に設けられた「印刷」ボタン38を入力部14によって選択(クリック等)することで、処理部10は、トレンドデータグラフ300を印刷させるようにしてもよい。
【0056】
このようにスクリーンショットや印刷を可能とすることによって、プロセスデータの時間変化を示すトレンドグラフを保存することが可能となる。また、トレンドグラフ上にコメントを表示させた状態においてもスクリーンショットや印刷が可能であり、これによって、トレンドグラフ上にコメントを改めて記入する等の作業が不要となり、プラントの管理が容易となる。