(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
携帯端末のアプリケーションプログラムによる制御により、前記携帯端末または前記アプリケーションプログラムに割り当てられた第1の識別情報、及び前記携帯端末の位置を示す第1の位置情報を前記携帯端末から受信する第1の受信手段と、
車載機に割り当てられた第2の識別情報、及び前記車載機の位置を示す第2の位置情報を前記車載機から受信する第2の受信手段と、
前記第1の位置情報及び前記第2の位置情報でそれぞれ示される位置が所定範囲内にある場合に、前記携帯端末のユーザに係る情報を前記車載機に送信する送信手段と、
前記第2の位置情報の履歴を前記第1の識別情報と対応付けた履歴情報を解析した結果であるユーザ情報を管理する手段と
を備え、
前記送信手段は、前記携帯端末のユーザにかかる前記ユーザ情報を前記車載器に送信する、情報処理システム。
前記車載機に割り当てられた前記第2の識別情報と、当該車載機を使用可能な1以上のユーザの前記携帯端末または前記アプリケーションプログラムにそれぞれ割り当てられた1以上の前記第1の識別情報とを対応付けた利用者情報を記憶する記憶手段
を更に備え、
前記送信手段は、前記第1の受信手段で受信した前記第1の識別情報と、前記第2の受信手段で受信した前記第2の識別情報とが前記利用者情報で対応付けられており、当該第1の識別情報及び第2の識別情報と共に受信した前記第1の位置情報及び前記第2の位置情報でそれぞれ示される位置が所定範囲内にある場合に、前記携帯端末のユーザに係る情報を前記車載機に送信する、
請求項1記載の情報処理システム。
携帯端末のアプリケーションプログラムによる制御により、前記携帯端末または前記アプリケーションプログラムに割り当てられた第1の識別情報、及び前記携帯端末の位置を示す第1の位置情報を前記携帯端末から受信するステップと、
車載機に割り当てられた第2の識別情報、及び前記車載機の位置を示す第2の位置情報を前記車載機から受信するステップと、
前記第1の位置情報及び前記第2の位置情報でそれぞれ示される位置が所定範囲内にある場合に、前記携帯端末のユーザに係る情報を前記車載機に送信するステップと、
前記第2の位置情報の履歴を前記第1の識別情報と対応付けた履歴情報を解析した結果であるユーザ情報を管理するステップと
を情報処理システムが行い、
前記送信するステップにおいて、前記情報処理システムは、前記携帯端末のユーザにかかる前記ユーザ情報を前記車載器に送信する、情報処理方法。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に本発明の実施形態を説明する。以下の説明及び参照する図面の記載において、同一又は類似の構成には、それぞれ同一又は類似の符号が付されている。
【0014】
(1. 第1実施形態)
図1乃至
図4は、第1実施形態を説明するための図である。以下、これらの図を参照しながら、以下の流れに沿って実施形態を説明する。まず「1.1.」で実施形態に係るシステム全体の概要を説明する。その上で、「1.2.」で当該システムに含まれる情報処理サーバの機能構成を、「1.3.」でシステムの処理の流れを説明する。「1.4.」では、情報処理サーバを実現可能なハードウェア構成の具体例を説明し、「1.5.」では本実施形態に係る効果を説明する。
【0015】
(1.1. 概要)
(1.1.1. システムの概要)
図1は、情報処理システムである情報処理サーバ100を含む通信システム1の概略構成を示す図である。
図1に示すように、通信システム1は、情報処理サーバ100、携帯端末200、車載機300、及び基地局400を含む。情報処理サーバ100、携帯端末200、及び車載機300は、それぞれ公衆網Nに接続されている。なお、公衆網Nは、情報処理サーバ100、携帯端末200、及び車載機300が相互に通信できれば、どのような方式のネットワークでも良い。より具体的には、公衆網Nは、例えばインターネットの他、携帯電話網であることが考えられる。
【0016】
ここで、
図1の例では、ユーザUが携帯端末200の使用者であるものとする。またユーザUは、車載機300の搭載された車両Vの使用者でもある。なお、
図1の例では、ユーザUは車両Vに乗車しているが、ユーザUが車両Vの近傍にいればこれに限られるものではない。
【0017】
通信システム1では、車載機300が、情報処理サーバ100による制御の下、ユーザUに対して各種情報や経路探索等のサービスが提供される。この際、情報処理サーバ100は、携帯端末200から情報処理サーバ100へ送信される位置情報を用いることにより、携帯端末200を所持し、車載機300を利用するユーザUを特定する。これにより車載機300は、ユーザUに応じた好適な機能を提供することが可能である。
【0018】
なお、
図1の例では車載機300及び携帯端末200がそれぞれ1台ずつしか図示されていないが、通信システム1には、多数の携帯端末200及び車載機300を含むことができる。つまり、通信システム1では、情報処理サーバ100が、多数の携帯端末200及び車載機300に対して情報提供サービスを提供することが可能である。情報処理サーバ100は、当該多数の携帯端末200を利用するユーザの中から、車両Vを使用するユーザUを特定する。
【0019】
ここで、本実施形態においては、ユーザUが例えば車両Vを使用する際に、携帯端末200上で所定のアプリケーションプログラム(以下、単に「アプリ」ともいう。)を起動させると、当該アプリが、情報処理サーバ100に対して位置情報の送信を開始する。また、ユーザUが車両Vを起動させると、車載機300も起動し、車載機300から情報処理サーバ100に対して位置情報を送信する。情報処理サーバ100は、両位置情報で示される位置が近接しており、ユーザU(厳密には、ユーザUが保有する携帯端末200)が車載機300の搭載された車両Vを使用している(又は近い将来使用する)と判断すれば、当該ユーザUに係るユーザ情報111を車載機300へ送信する。これにより車載機300は、当該ユーザUに係るユーザ情報111を、自装置の現在の使用者に係る情報として設定する。つまり車載機300は、ユーザUによる特別な操作なく、ユーザUに応じたユーザ情報111を用いた各種サービスをユーザUに対して提供することができる。またこのとき、車載機300と携帯端末200との間で直接通信するための通信インタフェースや接続操作等も不要である。
【0020】
なお、位置の照合やユーザ情報111の管理等の処理は、車載機300側で行うことも可能である。この場合のシステム構成等については、第2実施形態以降で説明する。
【0021】
(1.1.2. 各装置の概要)
情報処理サーバ100は、ユーザUが所持する携帯端末200から、一定時間ごと(例えば3分間隔など)で送信される位置情報(緯度経度情報)を受信することにより、当該位置情報をプローブ情報としてDB110内で管理する。また情報処理サーバ100は車載機300から送信される位置情報(緯度経度情報)を受信することにより、同様にプローブ情報をDB110内で管理する。また、本実施形態において、情報処理サーバ100は、携帯端末200から受信した位置情報と、車載機300から受信した位置情報とを照合する。この結果、携帯端末200と車載機300とが例えば所定の範囲内等の近接した位置にあると判断できる場合には、ユーザUが車載機300の搭載された車両Vに乗車している、或いは乗車しようとしていると判断し、ユーザUに係るユーザ情報111を車載機300へと送信する。
【0022】
携帯端末200は、ユーザUが持ち運び可能な可搬性の情報処理装置である。携帯端末200の具体例としては、例えば携帯電話(例えば、いわゆるスマートフォン)、ノートPC(Personal Computer)、PDA(Personal Data Assistance)等が考えられる。ユーザUが保有する携帯端末200は、アプリが立ち上げられると、例えば一定時間ごとに自装置の位置(ユーザUの位置に対応する)に係る位置情報(緯度経度情報)を、測位時刻と紐付けて情報処理サーバ100へと送信する。ここで、携帯端末200は、衛星S1乃至S4(以下、衛星S1乃至S4を総称して衛星Sという。)から発信されている時刻や軌道に関する情報が重畳された電波を受信することにより、自装置の現在位置に対応する緯度経度に関する位置情報を生成することのできるGPS(Global Positioning System)に対応している。これにより、携帯端末200は、アプリによる制御の下、自装置の位置を示す位置情報を取得するとともに、情報処理サーバ100へ当該位置情報を測位時刻と紐付けて送信することが可能である。
【0023】
なお、
図1の例では携帯端末200の位置をGPSに基づいて定めているがこれに限られるものではなく、例えば基地局400から取得した情報や、周囲にある無線LAN(Local Area Network)から得られる情報に基づいて位置を定めることも考えられる。
【0024】
車載機300は、いわゆるカーナビゲーションシステムの一部を構成し、経路案内等のサービスを車両Vに乗車するユーザUに提供する装置である。車載機300は、携帯端末200と同様に、例えば衛星Sから発信されている電波を受信することにより、自装置の現在位置に対応する緯度経度に関する位置情報を生成することができる。車載機300は、このようにして得られた自装置の位置に基づき、経路案内等のサービスをユーザUに提供する。
【0025】
ここで、車両Vを家族の複数人で使用する場合や、レンタカーやカーシェアリングサービスで不特定多数で利用することを考えると、ユーザUに応じた情報やサービスを提供するためには、どのユーザUが車両V及び車載機300を使用しているかを特定する必要がある。そこで本実施形態では、前述のとおり、ユーザUが各々個人用に所有する携帯端末200の位置と、車両Vに搭載された車載機300の位置とのマッチングを行うことで、情報処理サーバ100で車両Vを利用するユーザUを特定し、当該ユーザUに係るユーザ情報111を車両Vに搭載された車載機300に送信する。これにより、車載機300は、当該ユーザ情報111を用いて、経路案内等の各種サービスをユーザUに対して提供することができる。
【0026】
ここで、ユーザ情報111として管理される情報としては、例えばユーザUが好む(よく利用する)移動経路の情報、ユーザUがよく行くスポットやよく設定する目的地の情報、ユーザUによる運転の燃費の情報等、種々考えられる。ユーザUがよく利用する移動経路やよく行くスポット等は、例えばユーザUによる車両Vの使用時に車載機300から送信される位置情報を、ユーザUの識別情報と併せて蓄積したプローブ情報を解析することにより判断することができる。また設定された目的地等の設定情報等は、経路探索の際に用いられた設定条件や検索結果を車載機300から情報処理サーバ100にユーザUの識別情報と共に送信されることで判断できる。また、燃費などの情報は、車両Vの車載機300から送信される加速度や速度、ガソリン消費量、アクセル/ブレーキの踏み込み等の情報に基づき、算出することができる。
【0027】
なお、これらのユーザ情報111は必ずしも情報処理サーバ100側で管理される必要はなく、車載機300側で情報を管理することも考えられる。この点については、第2実施形態以降でも説明する。
【0028】
(1.2. 情報処理サーバ100の機能構成)
以下、
図2を参照しながら、本実施形態に係る情報処理サーバ100の機能構成を説明する。
図2は、本実施形態に係る情報処理サーバ100の機能構成を示すブロック図である。情報処理サーバ100は、例えばカーナビゲーションシステムにおける経路案内などの各種サービスを車載機300に対して提供するための装置である。また本実施形態において、情報処理サーバ100は車載機300の搭載された車両Vを使用するユーザUに応じたユーザ情報111を車載機300に送信する。これにより、車載機300はユーザ情報111を現在の使用者の情報として設定することができるため、ユーザUの嗜好や運転傾向等に合致した情報やサービスを車載機300は提供できる。
【0029】
情報処理サーバ100は、大きく分けて、制御部120及びデータベース(DB)110を含む。また制御部120は、位置情報受信部121、位置照合部123及びユーザ情報管理部125を含む。
【0030】
位置情報受信部121は、携帯端末200のアプリケーションプログラム210(以下、単にアプリ210ともいう。)、及び車載機300から、ユーザU及び装置の少なくとも一方の識別情報及び位置情報を受信すると共に、それらの情報をプローブ情報115としてデータベース110上に管理する。情報処理サーバ100は、当該プローブ情報115を解析することにより、例えばユーザUが車両Vの乗車時に利用した移動経路や向かった目的地等の情報を特定することができる。
【0031】
位置照合部123は、携帯端末200のアプリ210が起動後送信を開始する位置情報、及び車載機300が起動後送信を開始する位置情報を照合する。それにより位置照合部123は、車載機300の近傍(例えば所定範囲内)にある携帯端末200を特定する。これにより情報処理サーバ100は、携帯端末200の所有者であるユーザUを、車載機300の利用者と判別できる。
【0032】
ユーザ情報管理部125は、必要に応じて車載機300との間で情報をやり取りすることにより、ユーザ情報111の更新、記録及び読み出しを行う。より具体的には、例えばプローブ情報115を解析することにより、ユーザUが利用した車両Vの移動経路の情報をユーザ情報111に書き込むことができる。また、ユーザ情報管理部125は、車載機300から、ユーザUが経路探索の際に設定した条件や目的地、検索結果、及び、ユーザUの運転に係る燃費などの傾向に関する情報(例えば、速度、加速度、走行距離、消費ガソリン量、アクセル/ブレーキの踏み込み等の情報を含むことができる)等を受信し、DB110にユーザ情報111として格納することができる。また、DB110で管理するユーザ情報111は、例えば車載機300からの要求に応じて情報処理サーバ100が車載機300へ送信できる。情報処理サーバ100が経路探索サービスを車載機300に対して提供する際には、ユーザ情報111を反映させて経路を探索することも可能である。これにより、例えば情報処理サーバ100は、ユーザUがよく利用する移動経路を高い優先度で選択したり、或いはユーザUの運転による燃費傾向に応じた経路探索サービス等を提供したりすることが可能である。また、ユーザ情報管理部125は、携帯端末200のアプリ210から、ユーザUが経路探索の際に設定した条件や目的地、検索結果、施設情報等を受信し、DB110にユーザ情報111として格納することもできる。これにより、例えば情報処理サーバ100は、携帯端末200から予め情報処理サーバ100のDB110にユーザ情報111として登録した情報やその情報を用いた各種サービス等の機能を車載機300からユーザUに提供することができる。
【0033】
DB110は、ユーザ情報111、端末情報113、及びプローブ情報115を管理する。
ユーザ情報111は、各々のユーザUの識別情報に対応付けて管理される様々な情報である。例えば、ユーザUが過去に通った移動経路や設定した目的地、経路探索の条件、ユーザUの運転傾向に関する情報等を、ユーザ情報111に含むことができる。これにより、ユーザ情報111を参照すれば、情報処理サーバ100や車載機300は、ユーザUがよく利用する移動経路情報等も把握することが可能となる。
【0034】
端末情報113は、ユーザUの利用する携帯端末200、車載機300に関する情報である。例えば携帯端末200や車載機300の識別情報、ユーザUの識別情報、及びそれらの対応関係等の情報を端末情報113に含むことができる。位置照合部123は、例えば車両V近傍にある携帯端末200を特定した上で、当該携帯端末200の識別情報に対応付けられるユーザUの識別情報を、端末情報113を参照することにより把握できる。
【0035】
プローブ情報115は、携帯端末200及び車載機300が送信し、位置情報受信部121で受信する位置情報及び識別情報を蓄積することにより生成される。プローブ情報115には、携帯端末200や車載機300の識別情報、位置情報(緯度経度情報)、及び測位時刻の情報を含むことができる。識別情報毎にプローブ情報115を解析することで、例えば携帯端末200や車載機300の移動経路等を特定することが可能となる。
【0036】
(1.3. 処理の流れ)
以下、
図3を参照しながら、本実施形態に係る通信システム1の処理の流れを説明する。なお、後述の各処理ステップは、処理内容に矛盾を生じない範囲で、任意に順番を変更して若しくは並列に実行することができ、また、各処理ステップ間に他のステップを追加しても良い。更に、便宜上1つのステップとして記載されているステップは複数のステップに分けて実行することもでき、便宜上複数に分けて記載されているステップを1ステップとして実行することもできる。この点、第2実施形態以降でも同様である。
【0037】
携帯端末200を使用するユーザUは、例えば車両Vに乗車する際に、アプリ210を起動させる(S301)。アプリ210は、起動すると自装置の緯度経度に係る位置情報を、アプリ210又は携帯端末200に割り当てられた識別情報と共に定期的に送信する(S303)。なお、
図3では、位置情報の送信を1回しか図示していない。ここでアプリ210は、例えば起動直後は1分間隔等の短い間隔で位置情報を送信し、例えば起動から10分等の一定時間が経過すると、3〜5分間隔の比較的長い間隔で位置情報を送信するようにしても良い。
【0038】
一方、ユーザUが車両Vに乗車し、車両Vを起動させると、これに合わせて車載機300に通電が開始され、車載機300が起動する(S305)。車載機300は、起動すると自装置の緯度経度に係る位置情報を自装置に割り当てられた識別情報と共に送信し、また、当該位置情報に基づく位置照合を要求する(S307)。なお、車載機300は、当該要求に対する応答が情報処理サーバ100から得られなかった等の事情がある場合には、複数回にわたって同様の要求を情報処理サーバ100へ送信することができる。
【0039】
情報処理サーバ100の位置照合部123は、車載機300からの要求に応じて、車載機300の位置情報に合致する、携帯端末200の位置情報の有無を判別する。より具体的には、例えば、車載機300からの要求受信時刻から一定期間内に多数の携帯端末200から受信した位置情報の中から、その位置情報で示される位置が一定範囲内にある携帯端末200の位置情報を抽出する。これにより、車載機300の近傍にあり、かつアプリ210を起動状態としている携帯端末200を保有するユーザUを特定できる。
【0040】
情報処理サーバ100のユーザ情報管理部125は、これを受けてユーザUに係るユーザ情報111をDB110から読み出し、車載機300へと送信する(S313)。車載機300は、受信したユーザ情報111を、現在使用している、若しくはこれから使用しようとしているユーザUに係る情報として設定できる。これにより車載機300は、ユーザ情報111に含まれる情報を表示装置上に表示したり、或いは当該ユーザ情報111に含まれる情報に基づく各種サービス、例えば経路探索サービス等を提供したりすることができる。
【0041】
その後、車載機300はユーザUによる車載機300への操作や、或いは車両Vから得られる運転に係る各種情報(例えば速度や加速度、ガソリン消費量、アクセルやブレーキの踏み込みに係る情報など)を収集する(S315)。車載機300は、これらの情報を、ユーザUの識別情報と対応付けて、ユーザ情報111として情報処理サーバ100へと送信する(S317)。情報処理サーバ100のユーザ情報管理部125は、車載機300から受信したユーザ情報111を、DB110に格納する(S319)。
【0042】
(1.4. ハードウェア構成)
以下、
図4を参照しながら、上述してきた情報処理サーバ100をコンピュータにより実現する場合のハードウェア構成の一例を説明する。なお、情報処理サーバ100の機能は、相互に通信可能な複数の装置に分けて実現することも可能である。
【0043】
図4に示すように、情報処理サーバ100は、プロセッサ131、メモリ133、記憶装置135、入力インタフェース(I/F)部137、データI/F部139、通信I/F部141、及び表示装置143を含む。
【0044】
プロセッサ131は、メモリ133に記憶されているプログラムを実行することにより情報処理サーバ100における様々な処理を制御する。例えば、
図2で説明した位置情報受信部121、位置照合部123、及びユーザ情報管理部125は、メモリ133に一時記憶されたうえで、主にプロセッサ131上で動作するプログラムとして実現可能である。
【0045】
メモリ133は、例えばRAM(Random Access Memory)等の記憶媒体である。メモリ133は、プロセッサ131によって実行されるプログラムのプログラムコードや、プログラムの実行時に必要となるデータを一時的に記憶する。例えば、メモリ133の記憶領域には、DB110内に含まれるユーザ情報111、端末情報113、プローブ情報115の一部又は全部が記憶される。
【0046】
記憶装置135は、例えばハードディスクやフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体である。記憶装置135は、オペレーティングシステムや、位置情報受信部121、位置照合部123、及びユーザ情報管理部125を実現するための各種プログラム、DB110内の各種データを記憶する。記憶装置135に記憶されているプログラムやデータは、必要に応じてメモリ133にロードされることにより、プロセッサ131から参照される。
【0047】
入力I/F部137は、操作入力を受け付けるためのデバイスである。入力I/F部137の具体例としては、キーボードやマウス、タッチパネル、各種センサ等が挙げられる。入力I/F部137は、例えばUSB(Universal Serial Bus)等のインタフェースを介して情報処理サーバ100に接続されても良い。
【0048】
データI/F部139は、情報処理サーバ100の外部からデータを入力するためのデバイスである。データI/F部139の具体例としては、各種記憶媒体に記憶されているデータを読み取るためのドライブ装置等がある。データI/F部139は、情報処理サーバ100の外部に設けられることも考えられる。その場合、データI/F部139は、例えばUSB等のインタフェースを介して情報処理サーバ100へと接続される。
【0049】
通信I/F部141は、情報処理サーバ100の外部の装置、例えば携帯端末200や車載機300と有線又は無線によりデータ通信するためのデバイスである。通信I/F部141は情報処理サーバ100の外部に設けられることも考えられる。その場合、通信I/F部141は、例えばUSB等のインタフェースを介して情報処理サーバ100に接続される。
【0050】
表示装置143は、各種情報を表示するためのデバイスである。表示装置143の具体例としては、例えば液晶ディスプレイや有機EL(Electro−Luminescence)ディスプレイ等があげられる。表示装置143は、情報処理サーバ100の外部に設けられても良い。その場合、表示装置143は、例えばディスプレイケーブル等を介して情報処理サーバ100に接続される。
【0051】
(1.5. 本実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態に係る通信システム1では、ユーザUが車両Vへ乗車する際に携帯端末200のアプリ210を立ち上げると、アプリ210が自装置の位置情報を情報処理サーバ100へと送信する。また、ユーザUが車両Vを起動させると、情報処理サーバ100に対して車載機300は自装置の位置情報を送信する。情報処理サーバ100は両位置情報を照合することで、車載機300を利用するユーザUを特定することができる。これに基づき、情報処理サーバ100がユーザUに応じたユーザ情報111を車載機300に送信することにより、車載機300はユーザUに応じた情報提供や各種サービスを提供することができる。
【0052】
この際、ユーザUはアプリ210を起動させる以上の操作を行う必要が無い。よってユーザUは簡易な操作で車載機300からユーザUに応じた情報やサービスの提供を受けることができる。また、携帯端末200と車載機300とを接続するための通信インタフェースを設けたり、接続操作等を行ったりする必要もない。
【0053】
(2. 第2実施形態)
上記実施形態では、ユーザ情報111の管理を情報処理サーバ100側で行っていたが、これに限られるものではなく、車載機300側で少なくとも一部のユーザ情報の管理を行うことも考えられる。また、位置の照合も、必ずしも情報処理サーバ100側でする必要はなく、車載機300側ですることも考えられる。第2実施形態は、
図1に示した第1実施形態と同様の構成を持つ通信システム1において、車載機300側でユーザUの識別及びユーザ情報の管理を行うものである。
【0054】
なお、本実施形態において、第1実施形態と同様の機能を有する装置や構成は、同一の符号を付すと共に、第1の実施形態と同様に得られる作用効果については説明を省略する。この点、「3. その他の実施形態」においても同様である。
【0055】
(2.1. システムの概要)
図5に示すように、本実施形態に係る通信システム1は、第1実施形態と同様、情報処理サーバ100、携帯端末200、及び車載機300を含み、それぞれ公衆網Nにより接続されている。
【0056】
通信システム1では、第1実施形態と同様、車載機300が、情報処理サーバ100による制御の下、ユーザUに対して各種情報や経路探索等のサービスを提供する。この際、本実施形態の車載機300は、携帯端末200から情報処理サーバ100が受信する位置情報を用いることにより、携帯端末200を所持し、車載機300を使用するユーザUが特定される。これにより車載機300は、ユーザUに応じた好適な情報及びサービスの提供が可能となる。
【0057】
ここで、第1実施形態では携帯端末200及び車載機300の両者が情報処理サーバ100へ位置情報を送信し、情報処理サーバ100が両者の照合を行っていたが、本実施形態では、車載機300で位置情報を照合する。その為に情報処理サーバ100は、車載機300からの要求に応じて、携帯端末200の位置情報及び識別情報を車載機300に送信する。車載機300は、自装置の位置情報と、受信した携帯端末200の位置情報とを照合することにより、ユーザUを特定する。これにより、車載機300はユーザUに応じたユーザ情報を読込んだ上で、これを現在の使用者に係る情報として設定する。この結果、車載機300は、当該ユーザ情報の一部をユーザUに提示したり、或いはユーザ情報に基づく各種サービスを提供したりすることができる。
【0058】
(2.2. 車載機300の機能構成)
以下、
図6を参照しながら、本実施形態に係る車載機300の機能構成を説明する。
図6は、本実施形態に係る車載機300の機能構成を示すブロック図である。車載機300は、大きく分けて、制御部310及びDB320を含む。また制御部310は、位置取得部311、位置情報受信部313、位置照合部315、ユーザ情報管理部317、及び運転情報取得部319を含む。
【0059】
位置取得部311は、例えばGPSを構成する衛星Sから発信されている電波を受信することにより、自装置の現在位置に対応する緯度経度に関する位置情報を生成することができる。車載機300は、このようにして得られた自装置の位置に基づき、経路案内等のサービスをユーザUに提供する。また、自装置の位置情報は、例えば測位時刻等と対応付けたうえで、プローブ情報325として格納可能である。
【0060】
位置情報受信部313は、情報処理サーバ100から、携帯端末200の位置情報を携帯端末200の識別情報と共に受信する。ここで、位置情報受信部313が情報処理サーバ100から取得する位置情報は、例えば、自装置の位置情報から一定範囲内にあるものであって、現在時刻から一定時間前までに送信されたものとすることができる。或いは、位置情報の取得要求の送信時刻から一定時間前までに各携帯端末200から送信された位置情報とすることもできる。
【0061】
位置照合部315は、位置情報受信部313が受信した位置情報と、自装置の位置情報とを照合することにより、車両Vを利用するユーザUの携帯端末200を特定する。このとき、例えば情報処理サーバ100から複数の位置情報が送信されてきた場合には、例えば最も近い位置情報の携帯端末200や、或いは一定時間、車両Vの近傍の位置情報を送信している携帯端末200を、車両Vを利用するユーザUの携帯端末200として特定することができる。
【0062】
ユーザ情報管理部317は、DB320に格納される、1以上のユーザに係るユーザ情報321の更新、記録及び読出しを行う。より具体的には、例えばプローブ情報325を解析することにより、ユーザUが利用した車両Vの移動経路の情報をユーザ情報321に書き込むことができる。またユーザ情報管理部317は、ユーザUが経路探索の際に設定した条件や目的地等の情報をユーザ情報321に書き込むことが可能である。更にユーザ情報管理部317は、運転情報取得部319が車両Vから取得する、速度や加速度、ガソリン消費量、アクセルやブレーキの踏み込み等の運転傾向に関する情報を、ユーザ情報321に書き込むこともできる。このとき運転情報取得部319は、これらの情報を、例えばユーザUの運転にかかる燃費情報として加工した上で、ユーザ情報321に書き込むことも考えられる。DB320に記録されたユーザ情報321は、例えば経路探索サービスを提供する際等に参照され、現在使用中、若しくは使用しようとしているユーザUに係る情報として設定されることで、車載機300は、例えばユーザUの好みや運転傾向に合わせたサービスを提供することができる。
【0063】
DB320は、ユーザ情報321、端末情報323、及びプローブ情報325を管理する。
ユーザ情報321は、各ユーザの識別情報に対応付けて管理される様々な情報である。例えば、ユーザUが過去に通った移動経路や経路探索の際に設定した目的地、経路探索の条件、ユーザUの運転傾向に関する情報等を、ユーザ情報321に含むことができる。これにより、ユーザ情報321を参照すれば、車載機300はユーザUがよく利用する経路情報等も把握することができる。
【0064】
端末情報323は、ユーザUの利用する携帯端末200に関する情報である。例えば携帯端末200の識別情報や、当該携帯端末200を利用するユーザUの識別情報等、両者の対応、等の情報を端末情報323に含むことができる。制御部310は、位置照合部315が得た携帯端末200の識別情報を用いて端末情報323を参照することにより、車載機300の搭載された車両Vを利用するユーザUを特定することができる。
【0065】
プローブ情報325は、位置取得部311が取得する位置情報に基づいて生成される。プローブ情報325には、ユーザUの識別情報、位置情報(緯度経度情報)、及び測位時刻の情報を含むことができる。ユーザUの識別情報毎にプローブ情報325を解析することで、ユーザ情報管理部317は、ユーザUの利用する移動経路等を特定することができる。
【0066】
(2.3. 処理の流れ)
以下、
図7を参照しながら、本実施形態に係る通信システム1の処理の流れを説明する。
携帯端末200を使用するユーザUは、例えば車両Vに乗車する際に、アプリ210を起動させる(S701)。アプリ210は、起動すると携帯端末200の緯度経度に係る位置情報を、アプリ210又は携帯端末200に割り当てられた識別情報と共に定期的に送信する(S703)。なお、
図7の例では、位置情報の送信を1回しか図示していない。ここでアプリ210は、例えば起動直後は1分間隔等の短い間隔で位置情報を送信し、例えば起動から10分等の一定時間が経過すると、3〜5分間隔等の比較的長い時間間隔で位置情報を送信するようにしても良い。
【0067】
一方、ユーザUが車両Vに乗車し、車両Vを起動させると、これに合わせて車載機300に通電が開始され、車載機300が起動する(S705)。車載機300は、起動すると携帯端末200の位置情報に対する取得要求を情報処理サーバ100へ送信する(S707)。このとき車載機300は、自装置の位置情報を含めて取得要求を送信することにより、当該自装置から一定範囲内にある位置情報を受信するようにしても良い。また、当該取得要求は起動後、例えば一定間隔で複数回に渡って送信することもできる。
【0068】
携帯端末200の位置情報に対する取得要求を受信すると、情報処理サーバ100は、携帯端末200の位置情報及び識別情報を車載機300へ送信する(S709)。情報処理サーバ100が送信する位置情報は、先述の通り取得要求に含まれていた車載機300の位置から一定範囲以内のものとしてもよいし、或いは車載機300に対応付けられた1以上の携帯端末200のものとしてもよい。若しくは、取得要求の受信前一定時間内に送信された全ての携帯端末200の位置情報を情報処理サーバ100は車載機300に送信してもよい。
【0069】
車載機300の位置照合部315は、受信した1以上の位置情報と、自装置の位置情報とを照合する(S711)。その結果、車両Vを利用するユーザUの携帯端末200を特定できれば、ユーザ情報管理部317は、DB320から当該ユーザUに係るユーザ情報321を読みだし、現在使用中もしくは使用しようとしているユーザUの情報として設定する(S713)。車載機300は、当該ユーザ情報321を、例えばその一部を表示装置に表示することによりユーザUに提示してもよいし、また、例えば経路探索等の際に利用してもよい。
【0070】
その後ユーザ情報管理部317は、ユーザUが車載機300に対して行った操作や、或いは運転情報取得部319が車両Vから取得する、運転にかかる各種情報(例えば速度や加速度、ガソリン消費量やアクセル、ブレーキの踏み込み等の情報を含むことができる)を収集する(S715)。当該情報は、定期的に、或いは電源オフ時に、ユーザ情報管理部317がDB320にユーザ情報321として格納する(S717)。
【0071】
(2.4. ハードウェア構成)
以下、
図4を参照しながら、上述してきた車載機300をコンピュータにより実現する場合のハードウェア構成の一例を説明する。本実施形態の車載機300は、
図4に示すハードウェア構成で構成することができる。この場合、例えば、
図6で説明した位置取得部311、位置情報受信部313、位置照合部315、ユーザ情報管理部317及び運転情報取得部319は、メモリ133に一時記憶されたうえで、主にプロセッサ131上で動作するプログラムとして実現可能である。また、例えば、メモリ133の記憶領域には、
図6に示すDB320内に含まれるユーザ情報321、端末情報323、プローブ情報325の一部又は全部が記憶される。
【0072】
(2.5. 本実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態に係る通信システム1では、ユーザUが車両Vへ乗車する際に携帯端末200のアプリ210を立ち上げると、アプリ210が携帯端末200の位置情報及び識別情報を情報処理サーバ100へと送信する。また、ユーザUが車両Vを起動させると、車両Vに搭載された車載機300は情報処理サーバ100に対して携帯端末200の位置情報及び識別情報の取得要求を送信する。車載機300は、このようにして取得した携帯端末200の位置情報と自装置の位置情報を照合することで、車載機300を利用するユーザUを特定することができる。これに基づき、車載機300はユーザUに応じた情報提供や各種サービスを提供することができる。
【0073】
この際、ユーザUはアプリ210を起動させる以上の操作を行う必要が無い。よってユーザUは簡易な操作で車載機300からユーザUに応じた情報やサービスの提供を受けることができる。また、携帯端末200と車載機300とを接続するための通信インタフェースを設けたり、接続操作等を行ったりする必要もない。
【0074】
(3. 第3実施形態)
第1実施形態では、位置情報の照合及びユーザ情報111の管理を情報処理サーバ100で行い、第2実施形態では、位置情報の照合及びユーザ情報321の管理の双方を車載機300で行っていたが、これらに限られるものでもない。例えば位置情報の照合を車載機300で行い、ユーザ情報の管理を情報処理サーバ100で行うことも考えられる。
【0075】
この場合の通信システム1の装置構成は第1及び第2実施形態と同様である。また、ユーザ情報を情報処理サーバ100で管理する機能は第1実施形態と、位置情報を車載機300で照合する機能は第2実施形態と同様とすることができるため、ここでは説明を省略する。
以下、
図8を参照しながら、位置情報の照合を車載機300で行い、ユーザ情報の管理を情報処理サーバ100で行う場合の処理の流れを説明する。
【0076】
携帯端末200を使用するユーザUは、例えば車両Vに乗車する際に、アプリ210を起動させる(S801)。アプリ210は、起動すると携帯端末200の緯度経度に係る位置情報を、アプリ210又は携帯端末200に割り当てられた識別情報と共に定期的に送信する(S803)。なお、
図8の例では、位置情報の送信を1回しか図示していない。ここでアプリ210は、例えば起動直後は1分間隔等の短い間隔で位置情報を送信し、例えば起動から10分などの一定時間が経過すると、3〜5分間隔等の比較的長い時間間隔で位置情報を送信するようにしても良い。
【0077】
一方、ユーザUが車両Vに乗車し、車両Vを起動させると、これに合わせて車載機300に通電が開始され、車載機300が起動する(S805)。車載機300は、起動すると携帯端末200の位置情報に対する取得要求を情報処理サーバ100へ送信する(S807)。このとき車載機300は、自装置の位置情報を含めて取得要求を送信することにより、当該自装置から一定範囲内にある位置情報を受信するようにしても良い。また、当該取得要求は起動後、例えば一定間隔で複数回に渡って送信することもできる。
【0078】
携帯端末200の位置情報に対する取得要求を受信すると、情報処理サーバ100は、携帯端末200の位置情報及び識別情報を車載機300へ送信する。情報処理サーバ100が送信する位置情報は、先述の通り取得要求に含まれていた車載機300の位置から一定範囲以内もののとしてもよいし、或いは車載機300に対応付けられた1以上の携帯端末200のものとしても良い。若しくは、取得要求の受信前一定時間前にアプリ210から送信された位置情報を全て情報処理サーバ100は車載機300に送信しても良い。
【0079】
車載機300の位置照合部315は、受信した1以上の位置情報と、自装置の位置情報とを照合する(S811)。その結果、車両Vを利用するユーザUの携帯端末200を特定できれば、ユーザ情報管理部317は、当該ユーザUに係るユーザ情報の送信を情報処理サーバ100へ要求する(S813)。
【0080】
情報処理サーバ100のユーザ情報管理部125は、ユーザ情報111に対する取得要求を車載機300から受信すると、DB110からユーザ情報111を読出し(S815)、当該ユーザ情報111を車載機300へと送信する(S817)。車載機300は、当該ユーザ情報111を、自装置を現在使用しているまたは使用しようとしているユーザUの情報として設定することができる。これにより、車載機300は受信したユーザ情報111に含まれる情報を表示装置上に表示したり、或いは当該ユーザ情報111に含まれる情報に基づく各種サービス、例えば経路探索サービス等を提供したりすることができる。
【0081】
その後、車載機300はユーザUによる車載機300への操作や、或いは車両Vから得られる運転に係る情報を運転に係る各種情報(例えば速度や加速度、ガソリン消費量、アクセルやブレーキの踏み込みに係る情報など)を収集する(S819)。車載機300はこれらの情報を、ユーザUの識別情報の情報と対応付けて、ユーザ情報111として情報処理サーバ100へと送信する(S821)。情報処理サーバ100のユーザ情報管理部125は、車載機300から受信したユーザ情報111を、DB110に格納する(S823)。
このような処理を行った場合でも、車載機300はユーザUの携帯端末200を特定した上で、当該ユーザUのユーザ情報111を情報処理サーバ100から読み込むことができる。車載機300はこれに基づき、車載機300はユーザUに応じた情報提供や各種サービスを提供することができる。
【0082】
この際、ユーザUはアプリ210を起動させる以上の操作を行う必要が無い。よってユーザUは簡易な操作で車載機300からユーザUに応じた情報やサービスの提供を受けることができる。また、携帯端末200と車載機300とを接続するための通信インタフェースを設けたり、接続操作等を行ったりする必要もない。
【0083】
なお、上述した各実施形態の通信システム1において、車載機300を使用(利用)可能なユーザの識別情報と、車載機300の識別情報とを対応付けた利用者情報をDB上で管理することも考えられる。この場合、車載機300の位置情報と照合する携帯端末200の位置情報を、利用者情報において車載機300の識別情報に対応付けられたユーザの識別情報に該当する携帯端末200の位置情報だけに限定することが可能である。これにより、車載機300を使用可能なユーザの携帯端末200から取得した位置情報だけに限定して位置情報の照合を行うことができる。例えば、第1実施形態の場合は、情報処理サーバ100の位置照合部123は、車載機300からの要求に応じて、その車載機300の識別情報に利用者情報において対応付けられたユーザの識別情報に該当する携帯端末200から受信した位置情報を抽出し、その抽出した携帯端末200の位置情報と、車載機300の位置情報と、を照合し、車載機300の位置と一定範囲内に存在する携帯端末200の位置情報を抽出する。これにより、情報処理サーバ100の位置照合部123は、車載機300を使用可能なユーザの中で、車載機300の近傍に存在するユーザを特定することができる。また、第2、第3実施形態の場合は、車載機300の位置照合部315は、利用者情報において車載機300の識別情報に対応付けられたユーザの識別情報に該当する携帯端末200の位置情報を情報処理サーバ100から取得し、その取得した携帯端末200の位置情報と、車載機300の位置情報と、を照合し、車載機300の位置と一定範囲内に存在する携帯端末200を特定する。これにより、車載機300の位置照合部315は、車載機300を使用可能なユーザの中で、車載機300の近傍に存在するユーザを特定することができる。
【0084】
また、上述した各実施形態の通信システム1は、車載機300の位置情報と携帯端末200の位置情報との照合により、車載機300の搭載された車両Vを利用するユーザとして複数のユーザが該当した場合は、その複数のユーザのうち、どのユーザに係るユーザ情報を車載機300に設定するかを車載機300からユーザに促し、ユーザが車載機300から設定したユーザに係るユーザ情報を車載機300に設定するようにすることも可能である。また、車載機300の搭載された車両Vを利用するユーザとして複数のユーザが該当する場合は、その複数のユーザに係るユーザ情報を解析し、車両Vを使用する現在の時間帯で車載機300に過去多く設定されているユーザ情報のユーザを特定し、その特定したユーザに係るユーザ情報を車載機300に設定するようにすることも可能である。
【0085】
また、上述した各実施形態の通信システム1は、ユーザ情報に含まれる情報(例えば、ユーザUが過去に通った移動経路や過去に滞在した施設情報や設定した目的地等の情報)を基に、ユーザUが車両Vを使用する時間帯に頻繁に行く目的地や立ち寄り地を推定し、その推定した地点をユーザUに推奨するようにすることも可能である。なお、ユーザUに推奨する情報は、車載機300で決定せず、情報処理サーバ100で決定することも可能である。
【0086】
(5. 付記事項)
なお、前述の各実施形態の構成は、組み合わせたり或いは一部の構成部分を入れ替えたりしてもよい。また、本発明の構成は前述の実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加えてもよい。