【課題を解決するための手段】
【0008】
発明の概要
発明の第1の局面によれば、流体作動機械の作動チャンバと、第1の作動流体ラインおよび第2の作動流体ラインの双方との間の作動流体の流れを調節するためのバルブユニットが提供される。バルブユニットは、第1のバルブ部材および1つ以上の協動する第1のバルブシートを含む第1のバルブと、第2のバルブ部材および1つ以上の協動する第2のバルブシートを含む第2のバルブと、第1のバルブ部材を1つ以上の第1のバルブシートから離れる方に、または1つ以上の第1のバルブシートに向けて(すなわちそれぞれ開位置または閉位置に)付勢する力と、第2のバルブ部材を1つ以上の第2のバルブシートから離れる方に、または1つ以上の第2のバルブシートに向けて(すなわちそれぞれ開位置または閉位置に)付勢する力とをかけるように作動することができるアクチュエータと、アクチュエータと第1のバルブ部材との間の継手とを備え、継手は、少なくとも部分的に第2のバルブ部材を通って延在する(典型的には、貫通して延在する)コネクタを含む。
【0009】
アクチュエータから、第2のバルブ部材を通って延在する第1のバルブ部材への継手を設けることによって、バルブをより小型化することができる。特に、第2のバルブ部材と作動チャンバとの間に第1のバルブ部材のためのアクチュエータを収容する必要はないため、使用の際にバルブユニットが接続される作動チャンバと1つ以上の第1および第2のバルブシートとの間のバルブユニットによって規定される容積(すなわち両方のバルブが閉じられている時にバルブシートと作動チャンバとの間に存在する作動流体の死容積)を減少させることができる。典型的に、アクチュエータは第2のバルブ部材に結合される。アクチュエータは、磁気回路を介して第2のバルブ部材に結合され得る。
【0010】
バルブユニットは、第1のバルブおよび第2のバルブがそれを介して作動チャンバと連通することができる開口部をバルブユニットにさらに備え得る。第1のバルブ部材は、第1のバルブ部材が1つ以上の第1のバルブシートと封止接触している時に、第2のバルブがそれを介して開口部(およびそれにより作動チャンバ)と連通することができるアパーチャを含む。
【0011】
コネクタは典型的に、コネクティングロッドなどの機械的なコネクタである。アーマチュア(第1のアーマチュア)はコネクタと一体であり得る。いくつかの実施形態において、コネクタは(第1の)アーマチュアと第1のバルブ部材の両方を通って延在し、これにより圧力を等しくする導管を含む。
【0012】
いくつかの実施形態において、コネクタは液圧コネクタを含み得る。液圧コネクタは、たとえば、第1および第2の摺動可能部材が対応する移動を行うように、第1および第2の摺動可能部材と、それらの間に延在する液圧流体の本体を保持するチャンバとを含み得る。第1の摺動可能部材は、上記の(第1の)アーマチュアであってもよいし、(第1の)アーマチュアに接続され、かつ(第1の)アーマチュアとともに摺動する部分であってもよい。第2の摺動可能部材は、第1のバルブ部材であってもよいし、第1のバルブ部材に接続され、かつ第1のバルブ部材とともに摺動する部分であってもよい。チャンバ内へのもしくはチャンバから外への液圧流体の漏れがあり得る1つ以上のアパーチャがあってもよいが、上記のチャンバは閉空間であり得る。したがって、アーマチュア力は液圧流体のこの本体によって第1のバルブ部材に伝達され得る。第1のバルブ部材は、典型的に低圧バルブ(つまり作動チャンバと低圧流体ラインとの間の液圧流体の流れを調節するバルブ)である。第1の作動流体ラインは、典型的に低圧流体ラインである。漏れは生じ得るが、それぞれの部材上のばねは、低圧バルブの開閉のために容積が適切に設定されるように典型的に均衡される。チャンバは、既存の構成要素を介する/既存の構成要素の周りの漏れによって、または別個の流体通路によって供給され得る。そのような液圧コネクタの利点は、接続部に一定の弾性があり、疲労故障によってコネクティングロッドが分断するという故障のリスクを解消するかまたは減少させることである。
【0013】
バルブユニットの開口部は、動作の際に作動チャンバに結合される。開口部は、たとえば単純なアパーチャ、ねじが切られたアパーチャ等であり得る。
【0014】
第1のバルブ部材にアパーチャを設けることで、第1のバルブが閉じられている(つまり、第1のバルブ部材が1つ以上の第1のバルブシートと封止接触している)時でも、作動流体が第2のバルブに、または第2のバルブから流れるための経路が設けられる。これによってさらに、小型バルブの提供が可能となる。第2のバルブ部材は典型的に高圧バルブ(つまり作動チャンバと高圧流体ラインとの間の液圧流体の流れを調節するバルブ)である。第2の作動流体ラインは典型的に高圧流体ラインである。高圧および低圧とは、相対圧力を指す)。
【0015】
使用の際、1つ以上の第1のバルブシートは、第1の作動流体ラインに(典型的にバルブユニットの周りに延在する空洞によって)典型的に結合され、1つ以上の第2のバルブシートは、第2の作動流体ラインに(典型的にバルブユニットの周りに延在する空洞によって)に典型的に結合される。
【0016】
第1のバルブ部材によって作動チャンバを第2の作動流体ラインに流体結合することにより、第1の作動流体ラインは作動チャンバおよびクランクケースの最も近くに位置し得る。この近接は作動流体ラインの長さを減少させるのに役立ち、作動流体ラインが反対に配置されている例では、この配置に起因するそのような複雑な絡み合ったドリルウェイを回避する。さらに、第1および第2の作動流体ラインから第1および第2のバルブシートへの流体接続を軸方向に離間することができ、製造が単純化される。
【0017】
典型的に、第1の作動流体ラインは低圧流体ラインであり、第2の作動流体ラインは高圧流体ラインである。低圧ラインは、好ましくは、ある実施形態においてクランクケースに直接至り得るように、クランクケースにより近く配置され得る(これは、専用の低圧タンクと流体連通している低圧ラインに対する代替的な配置である)。そうすればクランクケースは、バルブユニットおよび流体作動機械のための作動流体の主な低圧タンクとなる。代りに高圧ラインが低圧ラインよりも作動チャンバに近い場合、低圧ラインをクランクケースに接続して「クランクケースの通気」を可能にすることが困難であるか、または不可能である。
【0018】
典型的に、第1のバルブ部材は、第2のバルブ部材と開口部との中間に位置する。
第2のバルブ部材は、第1のバルブ部材とアクチュエータとの中間に位置し得る。
【0019】
アクチュエータは、ソレノイドアクチュエータであり得る。ソレノイドアクチュエータは、アーマチュアに(典型的には第1のアーマチュアに、いくつかの実施形態では第2のアーマチュアにも)典型的に作用する。(第1の)アーマチュアは好ましくは、第2のバルブ部材を通って延在するコネクタによって第1のバルブ部材に(典型的に固定して)接続される。コネクタは、第2のバルブシートと典型的に共軸である。
【0020】
しかし、アクチュエータは、別の種類のアクチュエータ、たとえば圧電、液圧式、または空気式アクチュエータであり得る。
【0021】
ソレノイドアクチュエータが通電されると、ソレノイドアクチュエータからの磁束が(第1の)アーマチュアを通過し、それによって開口力または閉鎖力がコネクタを介して第1のバルブ部材に及ぼされるように、ソレノイドアクチュエータが(第1の)アーマチュアに作用し、(第1の)アーマチュアが第2のバルブ部材を通って延在するコネクタによって第1のバルブ部材に接続され、(第1の)アーマチュアがソレノイドアクチュエータに磁気結合されることになり得る。
【0022】
上記の力は典型的に、(第1の)アーマチュアおよびしたがって第1のバルブ部材を1つ以上の第1のバルブシートに向けて付勢する閉鎖力である。しかし、第1のバルブ部材を1つ以上の第1のバルブシートから離れる方に付勢する開口力であってもよい。
【0023】
ソレノイドアクチュエータによって第1のバルブ部材に及ぼされる力は典型的に、第1のバルブ部材に直接作用する磁力によってではなく、アクチュエータを介して伝送される。
【0024】
第1のバルブ部材は完全に非磁性材料で形成されてもよい。
ソレノイドアクチュエータが通電されると、ソレノイドアクチュエータからの磁束が(第2の)アーマチュアを通過し、それによって(典型的に(第1のバルブ部材に接続されている)他の(第1の)アーマチュアに及ぼされている力と同時に)開口力または閉鎖力が第2のバルブ部材に及ぼされるように、第2のバルブ部材はアーマチュア(第2のアーマチュア)を形成する磁性材料を含み、ソレノイドアクチュエータに磁気結合されることになり得る。
【0025】
(第2の)アーマチュアにぶつかり、(第2の)アーマチュアを軸方向に通過する磁束の経路が特に関心対象である。軸方向磁束は、軸方向の力をもたらす可能性を有し、軸方向の力は次いで、第2のバルブ部材を軸方向に移動させる。磁束経路は、設計によって直接に影響され、磁束を誘導する磁気回路は、磁性/非磁性構成要素/流体間隙の近接、それぞれの形状、および隣接部品の重なりによって決定される。ソレノイドコイルの通電により、ソレノイドコア9から離れる方向に環状封止片34(
図1に示す)に向けて、またはソレノイドコア9に向かう方向(
図2に示す)に、(第2の)アーマチュアが誘引され得る。
図2は、(第2の)アーマチュア部材が2つの磁性部分間の流体空隙に引込まれている実施形態を示す。この配置はより大きな「捕捉」力をもたらす。これは(第2の)アーマチュアを引き寄せる遠い引力である。
【0026】
上記の力は典型的に、(第2の)アーマチュアおよびしたがって第2のバルブ部材を1つ以上の第2のバルブシートから離れる方に付勢する開口力である。しかし、(第2の)アーマチュアおよびしたがって第2のバルブ部材を1つ以上の第2のバルブシートに向けて付勢する閉鎖力であってもよい。
【0027】
ソレノイドアクチュエータが(第1の)アーマチュアに作用し、(第1の)アーマチュアが液圧操作継手を介して液圧作動部材に結合され、液圧作動部材はコネクタによって第1のバルブ部材に結合(典型的には接続)されることになり得る。
【0028】
液圧操作継手とは、アーマチュアの移動が液圧流体の本体の圧力の変化につながり、その結果液圧作動部材の移動につながる継手を指す。これは、(第1の)アーマチュアと液圧作動部材との間の液圧流体の実質的に閉じられた本体があるため(第1の)アーマチュアおよび液圧作動部材が対応する移動を行って液圧流体の本体における容積を維持するという可能性を含み、また(第1の)アーマチュアの移動が、機構、たとえば液圧流体の本体を液圧流体の源またはシンクに接続するバルブの開口部を作動させる可能性も含み、液圧流体の本体の圧力を変化させ、それによって液圧作動部材を移動させる効果がある。
【0029】
したがって、バルブユニットは、液圧流体を含む容積を規定するチャンバと、液圧流体のシンクまたは源と、液圧流体のシンクまたは源へのチャンバの接続部を調節するバルブとを含み、アクチュエータは、バルブを開き、それによって第1のバルブ部材を1つ以上の第1のバルブシートから離れる方に、または第1のバルブシートに向けて付勢する力と、第2のバルブ部材を1つ以上の第2のバルブシートから離れる方に、または第2のバルブシートに向けて付勢する力とをかけることになり得る。アクチュエータは、摺動可能に搭載される(第1の)アーマチュアに作用し、それによってバルブを開くソレノイドアクチュエータであり得る。
【0030】
液圧流体のシンクまたは源は、第1または第2の作動流体ラインへの接続部であり得る(適宜、つまり第1および第2の作動流体ラインがそれぞれ低圧流体ラインおよび高圧流体ラインである場合、第1の作動流体ラインへの接続部が液圧流体のシンクであり得、該当する場合には、第2の作動流体ラインへの接続部が液圧流体の源であり得る)。
【0031】
いくつかの実施形態において、液圧流体のシンクまたは源は、上記の開口部への(したがって使用中の作動チャンバへの)、コネクタおよび第1のバルブ部材を通る導管である。したがって、液圧流体のシンクまたは源へのチャンバの接続部を調節するバルブはパイロットバルブであり得、(典型的にソレノイドアクチュエータがアーマチュアに作用し、チャンバを上記の導管に接続するバルブを開くことによる)その開口部は、チャンバ内の圧力を開口部における圧力(したがって使用中の作動チャンバ圧力)と平衡させる。上記のパイロットバルブは、閉じるようにバイアスされ得る。いくつかの実施形態において、パイロットバルブはチェックボールバルブなどのチェックバルブである。いくつかの実施形態において、上記の導管も(第1の)アーマチュアを通って延在する。
【0032】
バルブユニットは、液圧流体を含む容積を規定するチャンバを含み、チャンバは、液圧作動部材の表面によって部分的に規定され、液圧作動部材は摺動可能に搭載され、それによってソレノイドによる作動に応じた(第1の)アーマチュアの移動は、チャンバ内の液圧の低下(または上昇)および液圧作動部材の結果として起こる移動につながることになり得る。
【0033】
液圧作動部材は、チャンバ内の液圧の低下に応じてチャンバ内に(または上昇に応じてチャンバから外方へ)摺動し得る。液圧の低下(または上昇)は典型的に、液圧作動部材にわたる圧力差によりチャンバ内への(または外への)方向の総液圧力につながる。しかし、たとえばばねなどの弾性部材によって液圧作動部材がチャンバに向けて(または離れる方に)バイアスされ、そのためチャンバ内の液圧の低下により低下(上昇)するものの、液圧作動部材上の総液圧力はチャンバから離れる(チャンバに向かう)方向のままであるが、液圧作動部材はいずれにせよチャンバ内に(チャンバから外に)移動する実施形態があり得る。
【0034】
チャンバがバルブを介して液圧流体のためのシンク(または液圧流体の源)と連通し、(第1の)アーマチュアは、バルブを開くためにソレノイドによる作動に応じて摺動可能であり、それによって液圧流体をチャンバから離れさせ(またはチャンバに入らせ)、圧力差を液圧作動部材にわたって生じさせることになり得る。
【0035】
上記のバルブは、たとえばスプールバルブ、またはポペットバルブであり得る。上記のバルブは、チャンバと上記の液圧流体のシンク(または源)との間に封止を形成するように動作可能な封止端と、チャンバ内の作動液に接触する非封止端とを有してもよい。封止端の封止領域の断面積は、作動液に接触する非封止端の断面積と同じである(断面はバルブが移動する方向に対して垂直な面にある)。
【0036】
チャンバは、液圧作動部材と(第1の)アーマチュアとの間に形成されてもよい。チャンバは、部分的に(第1の)アーマチュアの表面、または移動可能な部材によって規定されてもよく、その移動は(第1の)アーマチュアの移動に結合される。液圧作動部材は、(第1の)アーマチュアによって当初占められていた容積に移動してもよい。第2のバルブ部材は、液圧作動部材によって当初占められていた容積に移動してもよい。
【0037】
ソレノイドアクチュエータは、アーマチュア(第1のアーマチュア)に作用し、(第1の)アーマチュアは、液圧操作継手を介して第2のバルブ部材に結合される。
【0038】
第2のバルブ部材は摺動可能に搭載され、液圧流体を含むチャンバと連通する表面を有する。(第1の)アーマチュアの移動は、(たとえば液圧流体のシンク(または液圧流体の源)へのバルブを開くことによって)チャンバ内の液圧流体の圧力の低下(または上昇)をもたらし、圧力の低下(または上昇)は、1つ以上の第2のバルブシートから離れる方への、または第2のバルブシートに向かう第2のバルブ部材の上記の付勢をもたらすことになり得る。
【0039】
第2のバルブ部材は摺動可能に搭載され、液圧流体を含むチャンバと流体連通する表面を有し、第1のバルブ部材またはコネクタの移動は、チャンバ内の液圧流体の圧力の低下(または上昇)をもたらし、圧力の低下(または上昇)は、結果として第2のバルブ部材を1つ以上の第2のバルブシートから離れる方に、または第2のバルブシートに向けて付勢することになり得る。
【0040】
第2のバルブ部材は、チャンバ内の液圧の低下に応じてチャンバ内に摺動(または上昇に応じて外方に摺動)し得る。液圧の低下(または上昇のそれぞれ)は典型的に、チャンバ内への方向の総液圧力につながる。しかし、たとえばばねなどの弾性部材によって、第2のバルブ部材がチャンバに向けて(または離れる方にそれぞれ)バイアスされ、そのためバイアスはチャンバ内の液圧の低下(または上昇のそれぞれ)により減少するものの、第2のバルブ部材上の総液圧力はチャンバから離れる(またはチャンバに向かうのそれぞれの)方向のままであるが、第2のバルブ部材はいずれにせよチャンバ内に(またはチャンバから外方にそれぞれ)移動し、液圧力だけではなく総力が重要である実施形態があり得る。
【0041】
チャンバは、バルブを介して液圧流体のためのシンク(または液圧流体の源)と連通し、(第1の)アーマチュアは、バルブを開くためにソレノイドによる作動に応じて摺動可能であり、それによって液圧流体をチャンバから離れさせ(またはチャンバに入らせ)、第2のバルブ部材にわたって圧力差を生じさせることになり得る。上記のバルブは、たとえばスプールバルブ、またはポペットバルブであり得る。上記のバルブは、チャンバと上記の液圧流体のシンク(または源)との間に封止を形成するように動作可能な封止端と、チャンバ内の作動液に接触する非封止端とを有してもよい。封止端の封止領域の断面積は、バルブが移動する方向に対して垂直に作動液に接触する非封止端の断面積と同じである。
【0042】
チャンバは、第2のバルブ部材と(第1の)アーマチュアとの間に形成されてもよい。第2のバルブ部材は、(第1の)アーマチュアによって当初占められていた容積に移動してもよい。
【0043】
チャンバと第2の作動流体ライン(典型的に高圧流体ライン)との間にスロットルを介した流体接続(つまり制限された流域)があり得る。これにより、チャンバ内の液圧流体の圧力を第2の作動流体ラインの圧力以下に低下させて、第2のバルブ部材および/または、存在する場合は液圧作動部材の移動を容易にすることができるだけでなく、加圧された液圧流体を徐々にチャンバに戻らせて機構をリセットすることを可能にする。スロットルは、第2のバルブ部材と、第2のバルブ部材がその中を摺動する通路との間の間隙、または存在する場合は液圧作動部材と、液圧作動部材がその中を摺動する通路との間の間隙を含んでもよい。
【0044】
典型的に、バルブユニットは、バルブユニットによって規定される軸方向と平行な長手軸を有する。
【0045】
1つ以上の第1のバルブシートおよび1つ以上の第2のバルブシートが共軸であり得る。1つ以上の第1のバルブシートは、1つ以上の第2のバルブシートと同心であり得る。
【0046】
第1および/または第2のバルブ部材は2つのバルブシートを有し、2つのシート間にあるポートを封止することになり得る。典型的に、第2のバルブ部材は、径方向外側領域と径方向に最も内側の領域とにおいて第2のバルブシートを軸方向に封止する。第2のバルブ部材は、ガイドの周りまたはガイド内を摺動し得る。
【0047】
第1および/または第2のバルブ部材は、環状バルブ部材であり得る。環状バルブの特性は典型的に、連続的な封止ラインが外側領域(封止ラインの径方向外側)から径方向内側領域(封止ラインの径方向内方)を分離する点である。2つの連続的な封止ラインの例では、典型的に、径方向外方領域(外側封止ラインの径方向外方)は、径方向内方領域(内側封止ラインの径方向内方)と同じ加圧された領域に結合され、(2つの封止ライン間の)中間領域から分離される。
【0048】
環状バルブの単一の封止ライン配置を有する実施形態では、バルブ本体の対応する部分は、封止ラインの径方向内方領域で終端する流体通路を含む。
【0049】
2つの封止ラインを有する環状バルブの配置を有する実施形態では、バルブ本体の対応する部分は、バルブ部材の中間領域において終端する流体通路を含む。
【0050】
流体通路、または少なくとも流体通路の入口は、単一の連続した環状空隙によって具現化され得る。当該空隙は強化スパン部材を有し、当該空隙は、流れ修正スパン部材を有し、多くの「腎臓形状の」空隙が中間スパン部材によって規定され、または中間スパン部材を有する一連のポートまたは穿孔を有する他の配置によって具現化され得る。
【0051】
封止ラインは、バルブ本体の境界における流体通路の終了によって規定される形状に正確に合致するか、または代替的に単一のまたは多数の流体通路に緩く一致するかのいずれかによって、流体通路の構成に交互に適合され得る。現在のところ、封止ラインを規定するために製造する最も安価で最も速いリッジ形状は、単一の円形、または対の円形かつ同心のリッジである。典型的には封止はフラットシートおよびリッジ状構造によって行なわれるが、多数の代替的な封止機構および構成が存在することは当業者にとっては明らかである。
【0052】
第1および第2のバルブ部材は、バルブユニット内に位置してもよい。
これは、第1のまたは第2バルブ部材がバルブユニットの外部に位置する配置と対照的である。
【0053】
第1のバルブ部材は、1つ以上の第1のバルブシートと(使用の際バルブユニットがそれを介して流体作動機械の作動チャンバに接続される)バルブユニットにおける開口部との中間に位置し得る。これは、たとえば、
図2の実施形態に見ることができる。したがって、いくつかの実施形態の第1のバルブ部材は、上記の開口部4から離れる方に(使用中の作動チャンバから離れる方に)アクチュエータに向けて移動して、封止し得る。
【0054】
この特徴を、アクチュエータコネクタが第2のバルブ部材を通って延在する特徴と組合せることは、1つ以上の第1のバルブシートをより容易に製造することができることを意味する。上記の開口部を介してアクセスすることができるからである。
【0055】
典型的に、1つ以上の第2のバルブシートは、第2のバルブ部材と開口部との中間に位置する。したがって、第2のバルブ部材は典型的に開口部に向けて(作動チャンバに向けて)、かつアクチュエータから離れる方に移動して封止する。
【0056】
バルブユニットは、1つ以上の第1のバルブシートを液圧ラインに結合するための1つ以上の径方向外方に延在する流路、および/または1つ以上の第2のバルブシートを液圧ラインに結合するための1つ以上の径方向外方に延在する流路を含んでもよい。
【0057】
径方向外方に延在する通路により、第1および第2のバルブシートを液圧ライン(典型的に、低圧ラインおよび高圧ラインそれぞれ)に接続するための小型構成がもたらされる。典型的に、径方向外方に延在する流路は、典型的にバルブユニットの周りに延在する通路によって、1つ以上の第1のバルブシートおよび/または1つ以上の第2のバルブシートを液圧ラインに結合する。
【0058】
第1のバルブ部材は環状バルブであってもよく、1つ以上の第1のバルブシートは環状バルブシートであり、環状の第1のバルブ部材および環状バルブシートは、環状の第1のバルブ部材が環状バルブシートと封止係合している時に環状の第1のバルブ部材および環状バルブシートの周縁の周りに延在する内側および外側封止ラインをともに規定するように構成される。
【0059】
たとえば、環状の第1のバルブ部材および環状バルブシートの一方は、内側封止リッジを含み得る。第1の環状のバルブ部材および第1の環状バルブシートの一方は、外側封止リッジを含み得る。第1の環状のバルブ部材が第1の環状バルブシートと封止係合している時、内側および外側封止リッジは、内側および外側封止ラインをそれぞれ規定し得る。
【0060】
アクチュエータと第1のバルブ部材との間の継手は電磁継手を含み得る。アクチュエータと第2のバルブ部材との間の継手は電磁継手を含み得る。
【0061】
バルブユニットは、アクチュエータの動作が第1のバルブを開かせるかまたは閉じさせ、その後第2のバルブを開かせるかまたは閉鎖させるように構成されてもよい。たとえば、一方のバルブの移動により他方のバルブに作用する磁気回路が変化し、したがって、その後他方のバルブが磁気的に付勢され(移動され)得る。
【0062】
バルブユニットは、第1のバルブの開口または閉鎖(つまり第1のバルブ部材が1つ以上の第1のバルブシートと封止接触を形成すること)により、アクチュエータによって第2のバルブ部材に及ぼされる力が直接的か間接的かに関わらず増大され、それによって第2のバルブのその後の開口または閉鎖を容易にするように構成されてもよい。
【0063】
発明は第2の局面において、低圧ライン、高圧ライン、作動チャンバ、および先行する請求項のうちいずれか1項に記載のバルブユニットを備える流体作動機械に及び、第1および第2のバルブは作動チャンバと流体連通し、第1および第2のバルブシートは、低圧ラインおよび高圧ラインにそれぞれ結合され、それによって作動チャンバと低圧ラインおよび高圧ラインとの間の作動流体の流れを調節する。
【0064】
バルブユニットは、第1のバルブおよび第2のバルブがそれを介して作動チャンバと連通する開口部をバルブユニットにさらに含み得る。第1のバルブ部材は、第1のバルブ部材が1つ以上の第1のバルブシートと封止接触している時でも第2のバルブがそれを介して作動チャンバと連通することができるアパーチャを含む(つまり第1のバルブ部材は、第1のバルブ部材が開いている時に第2のバルブがそれを介して作動チャンバと連通することができるアパーチャを含む)。ただし、一部の流れは、(アパーチャを回避して)第1のバルブ部材の外周の周りを追加的に通過する可能性が高い。
【0065】
作動チャンバは、たとえば、ピストンとピストンが摺動可能に搭載されるシリンダとによって規定されてもよい。
【0066】
低圧ラインは、(たとえばバルブ本体の周りに延在する低圧流体空洞を介して)1つ以上の第1のバルブシートと流体連通してもよい。高圧ラインは、(たとえばバルブ本体の周りに延在する高圧流体空洞を介して)1つ以上の第2のバルブシートと流体連通してもよい。
【0067】
流体作動機械は、たとえばEP0361927およびEP0494236の方法により、作動チャンバ容積のサイクルとの位相整合関係でアクチュエータを積極的に制御して、それによって作動チャンバ容積の各サイクルごとの作動チャンバによる作動流体の総変位を決定するコントローラを含み得る。作動チャンバ容積のサイクルは、回転可能なシャフトの回転に結合されてもよく、流体作動機械はシャフト位置センサを含み、シャフト位置センサからの信号を考慮に入れて、作動チャンバ容積のサイクルとの位相整合関係でアクチュエータを制御し得る。流体作動機械は典型的に、ポンプ、モータ、および/または代替的な動作モードにおいてポンプまたはモータとして動作可能な機械である。
【0068】
低圧バルブ部材および高圧バルブ部材は、好ましくはポペットバルブである。
発明の第2の局面のさらなる任意の特徴は、発明の第1の局面に関して上述したものに対応する。
【0069】
図面の簡単な説明
以下の図を参照して発明を例示する。