(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記少なくとも1つの導波路が、前記サンプル・ウェルの中の励起領域に励起エネルギーを与え、前記励起領域の中に位置付けされているサンプルが、前記励起領域を照射する励起エネルギーに応答して、エミッション・エネルギーを放出する、請求項1に記載の集積デバイス。
励起供給源カップリング領域をさらに含み、前記励起供給源カップリング領域は、グレーチング・カップラーを有しており、前記グレーチング・カップラーは、前記少なくとも1つの励起供給源から励起エネルギーを受け取るように、及び、前記励起エネルギーを前記少なくとも1つの導波路にカップリングする、請求項4に記載の集積デバイス。
前記少なくとも1つの導波路が、前記複数のピクセルの前記一部分のそれぞれのピクセルに関して、サンプル・ウェルの付近に励起エネルギーを送達する、請求項1に記載の集積デバイス。
前記複数のピクセルのそれぞれのピクセルが、少なくとも1つの励起カップリング構造体をさらに含み、前記少なくとも1つの励起カップリング構造体は、前記少なくとも1つの導波路とカップリングするように、及び、励起エネルギーをサンプル・ウェルの付近に方向付けする、請求項1に記載の集積デバイス。
前記少なくとも1つの表面エネルギー・カップリング・エレメントが同心円状のグレーチング構造体及びナノ・アンテナ構造体のうちの少なくとも1つを含んでなる、請求項10に記載の集積デバイス。
少なくとも1つのソーティング・エレメントが、前記サンプル・ウェルと前記複数のセンサーとの間に位置付けされており、特定の波長のエミッション・エネルギーを前記複数のセンサーのうちの1つのセンサーに方向付けする、請求項14に記載の集積デバイス。
前記複数のサンプル・ウェルから分離された領域の中にグレーチング・カップラーを形成する工程をさらに含んでなり、前記グレーチング・カップラーは、前記集積デバイスの外部にある少なくとも1つの励起供給源から励起エネルギーを受け取り、及び、前記励起エネルギーを前記少なくとも1つの導波路にカップリングする、請求項17に記載の集積デバイスを形成する方法。
前記複数の表面エネルギー・カップリング・エレメントが、複数の同心円状のグレーチング構造体であり、それぞれのサンプル・ウェルが、前記複数の同心円状のグレーチング構造体のうちの1つに対して中心を合わせられている、請求項17に記載の集積デバイスを形成する方法。
複数のソーティング・エレメントを形成する工程をさらに含み、それぞれのソーティング・エレメントが、前記複数のサンプル・ウェルのうちの1つのサンプル・ウェルと前記複数のセンサーのうちの1つのセンサーとの間に位置付けされており、特定の波長のエミッション・エネルギーを前記複数のセンサー・セグメントのうちの1つのセンサー・セグメントに方向付けするように構成されている、請求項17に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【
図1-1】いくつかの実施形態による、エミッション波長スペクトルを示す図。
【
図1-2A】いくつかの実施形態による、吸収波長スペクトルを示す図。
【
図1-2B】いくつかの実施形態による、エミッション波長スペクトルを示す図。
【
図2-1A】いくつかの実施形態による、生物学的な試料及び化学的な試料の迅速なモバイル分析のために使用され得る装置のブロック・ダイアグラム図。
【
図2-1B】いくつかの実施形態による集積デバイスと装置を示すブロック図。
【
図2-2】いくつかの実施形態による、集積デバイスを示す図。
【
図3-1A】いくつかの実施形態による集積デバイスのピクセルの列を示す図。
【
図3-1B】いくつかの実施形態による、ピクセルの横列の中のサンプル・ウェルにカップリングする励起エネルギー、及び、センサーに向けて方向付けされているそれぞれのサンプル・ウェルからのエミッション・エネルギーを示す図。
【
図4-1A】いくつかの実施形態による、導波路への励起供給源のエッジ・カップリングを示す図。
【
図4-1B】いくつかの実施形態による、集積デバイスを励起供給源にカップリングするためのグレーチング・カップラーを示す図。
【
図4-2】いくつかの実施形態による、集積デバイスの中に配置されている導波路を示す図。
【
図4-3A】いくつかの実施形態による、集積デバイスの励起供給源領域の断面図を示す図。
【
図4-3B】いくつかの実施形態による、集積デバイスのピクセル・アレイ領域の断面図を示す図。
【
図4-4】いくつかの実施形態による、導波路を介して複数の励起供給源を複数のピクセルにカップリングすることを示す図。
【
図4-5A】いくつかの実施形態による、サンプル・ウェルにカップリングする導波路を通る励起放射線の数値シミュレーションを示す図。
【
図4-5B】いくつかの実施形態による、サンプル・ウェルにカップリングする導波路を通る励起放射線の数値シミュレーションを示す図。
【
図5-1】1つの実施形態による、集積デバイスのピクセル領域の中に形成されているサンプル・ウェルを示す図。
【
図5-2】いくつかの実施形態による、サンプル・ウェルへ入射する励起エネルギーを示す図。
【
図5-3】いくつかの実施形態による、ゼロ・モード導波路として形成されているサンプル・ウェルに沿う、励起エネルギーの減衰を図示する図。
【
図5-4】いくつかの実施形態において、サンプル・ウェルに関連付けられる励起領域において、励起エネルギーを増加させる、ディボットを含むサンプル・ウェルを示す図。
【
図5-5】1つの実施形態による、ディボットありとディボットなしのサンプル・ウェルに関する励起強度を比較する図。
【
図5-6】いくつかの実施形態による、突出部において形成されたサンプル・ウェル及びディボットを示す図。
【
図5-7A】いくつかの実施形態による、テーパが付けられた側壁部を有するサンプル・ウェルを示す図。
【
図5-7B】いくつかの実施形態による、湾曲している側壁部と、より小さい横断方向の寸法を備えるディボットとを有するサンプル・ウェルを示す図。
【
図5-7C】表面プラズモニック構造体から形成されたサンプル・ウェルを示す図。
【
図5-7D】表面プラズモニック構造体から形成されたサンプル・ウェルを示す図。
【
図5-7E】いくつかの実施形態による、サンプル・ウェルの側壁部に沿って形成されている励起エネルギー増強構造体を含むサンプル・ウェルを示す図。
【
図5-7F】いくつかの実施形態による、多層スタックの中に形成されたサンプル・ウェルを示す図。
【
図5-8】いくつかの実施形態による、サンプル・ウェルの表面の上に形成された表面コーティングを図示する図。
【
図5-9A】いくつかの実施形態による、サンプル・ウェルを形成するリフト・オフ・プロセスに関連付けられる構造体を示す図。
【
図5-9B】いくつかの実施形態による、サンプル・ウェルを形成するリフト・オフ・プロセスに関連付けられる構造体を示す図。
【
図5-9C】いくつかの実施形態による、サンプル・ウェルを形成するリフト・オフ・プロセスに関連付けられる構造体を示す図。
【
図5-9D】いくつかの実施形態による、サンプル・ウェルを形成するリフト・オフ・プロセスに関連付けられる構造体を示す図。
【
図5-9E】いくつかの実施形態による、サンプル・ウェルを形成するリフト・オフ・プロセスに関連付けられる構造体を示す図。
【
図5-9F】いくつかの実施形態による、サンプル・ウェルを形成する代替的なリフト・オフ・プロセスに関連付けられる構造体を示す図。
【
図5-10A】いくつかの実施形態による、サンプル・ウェルを形成するダイレクト・エッチング・プロセスに関連付けられる構造体を示す図。
【
図5-10B】いくつかの実施形態による、サンプル・ウェルを形成するダイレクト・エッチング・プロセスに関連付けられる構造体を示す図。
【
図5-10C】いくつかの実施形態による、サンプル・ウェルを形成するダイレクト・エッチング・プロセスに関連付けられる構造体を示す図。
【
図5-10D】いくつかの実施形態による、サンプル・ウェルを形成するダイレクト・エッチング・プロセスに関連付けられる構造体を示す図。
【
図5-11】いくつかの実施形態による、リフト・オフ・プロセス又はダイレクト・エッチング・プロセスを使用して、複数の層の中に形成され得るサンプル・ウェルを示す図。
【
図5-12】いくつかの実施形態による、ディボットを形成するために使用され得るエッチング・プロセスに関連付けられる構造体を示す図。
【
図5-13A】いくつかの実施形態による、ディボットを形成する代替的なプロセスに関連付けられる構造体を示す図。
【
図5-13B】いくつかの実施形態による、ディボットを形成する代替的なプロセスに関連付けられる構造体を示す図。
【
図5-13C】いくつかの実施形態による、ディボットを形成する代替的なプロセスに関連付けられる構造体を示す図。
【
図5-14A】いくつかの実施形態による、付着物質及び不動態化層を堆積させるプロセスに関連付けられる構造体を示す図。
【
図5-14B】いくつかの実施形態による、付着物質及び不動態化層を堆積させるプロセスに関連付けられる構造体を示す図。
【
図5-14C】いくつかの実施形態による、付着物質及び不動態化層を堆積させるプロセスに関連付けられる構造体を示す図。
【
図5-14D】いくつかの実施形態による、付着物質及び不動態化層を堆積させるプロセスに関連付けられる構造体を示す図。
【
図5-15】いくつかの実施形態による、サンプル・ウェルの中の中央に付着物質を堆積させるプロセスに関連付けられる構造体を示す図。
【
図6-1】いくつかの実施形態による、線形共振器を示す図。
【
図6-2】いくつかの実施形態による、リング共振器を示す図。
【
図6-3A】いくつかの実施形態による、プラズモニック・リング共振器の例を示す図。
【
図6-3B】いくつかの実施形態による、プラズモニック・リング共振器の例を示す図。
【
図6-3C】いくつかの実施形態による、プラズモニック・リング共振器の例を示す図。
【
図6-3D】いくつかの実施形態による、プラズモニック・リング共振器の例を示す図。
【
図6-3E】いくつかの実施形態による、プラズモニック・リング共振器の例を示す図。
【
図6-3F】いくつかの実施形態による、プラズモニック・リング共振器の例を示す図。
【
図6-4】いくつかの実施形態による、フォトニック結晶の中のキャビティーを示す図。
【
図7-1A】いくつかの実施形態による、バス導波路にカップリングするピクセル導波路を示す図。
【
図7-1B】いくつかの実施形態による、バス導波路にカップリングするピクセル導波路を示す図。
【
図7-1C】いくつかの実施形態による、バス導波路にカップリングするピクセル導波路を示す図。
【
図7-1D】いくつかの実施形態による、バス導波路にカップリングするピクセル導波路を示す図。
【
図7-2A】いくつかの実施形態による、複数の導波路層の設計を示す図。
【
図7-2B】いくつかの実施形態による、複数の導波路層の設計を示す図。
【
図8-1A】いくつかの実施形態による、複数のサンプル・ウェルに向けて励起光を方向付けする回折光学素子を示す図。
【
図8-1B】いくつかの実施形態による、複数のサンプル・ウェルに向けて励起光を方向付けする回折光学素子を示す図。
【
図9-1A】1つの実施形態による、表面プラズモン構造体を示す図。
【
図9-1B】1つの実施形態による、表面プラズモン構造体を示す図。
【
図9-1C】いくつかの実施形態による、サンプル・ウェルに隣接して形成されている表面プラズモン構造体を示す図。
【
図9-1D】いくつかの実施形態による、サンプル・ウェルの中に形成されている表面プラズモン構造体を示す図。
【
図9-1E】いくつかの実施形態による、サンプル・ウェルの中に形成されている表面プラズモン構造体を示す図。
【
図9-2A】いくつかの実施形態による、周期的な表面プラズモン構造体の例を示す図。
【
図9-2B】いくつかの実施形態による、周期的な表面プラズモン構造体の例を示す図。
【
図9-2C】いくつかの実施形態による、周期的な表面プラズモン構造体の例を示す図。
【
図9-2D】いくつかの実施形態による、非周期的な表面プラズモン構造体に隣接して形成されているサンプル・ウェルにおける励起放射線の数値シミュレーションを示す図。
【
図9-2E】いくつかの実施形態による、周期的な表面プラズモン構造体を示す図。
【
図9-2F】いくつかの実施形態による、周期的な表面プラズモン構造体を示す図。
【
図9-2G】いくつかの実施形態による、周期的な表面プラズモン構造体を示す図。
【
図9-2H】いくつかの実施形態による、表面プラズモン構造体からなるナノ・アンテナを示す図。
【
図9-2I】いくつかの実施形態による、表面プラズモン構造体からなるナノ・アンテナを示す図。
【
図9-3A】いくつかの実施形態による、表面プラズモン構造体を形成するためのプロセス工程に関連付けられる構造体を示す図。
【
図9-3B】いくつかの実施形態による、表面プラズモン構造体を形成するためのプロセス工程に関連付けられる構造体を示す図。
【
図9-3C】いくつかの実施形態による、表面プラズモン構造体を形成するためのプロセス工程に関連付けられる構造体を示す図。
【
図9-3D】いくつかの実施形態による、表面プラズモン構造体を形成するためのプロセス工程に関連付けられる構造体を示す図。
【
図9-3E】いくつかの実施形態による、表面プラズモン構造体を形成するためのプロセス工程に関連付けられる構造体を示す図。
【
図9-4A】いくつかの実施形態による、表面プラズモン構造体及び自己整合されるサンプル・ウェルを形成するためのプロセス工程に関連付けられる構造体を示す図。
【
図9-4B】いくつかの実施形態による、表面プラズモン構造体及び自己整合されるサンプル・ウェルを形成するためのプロセス工程に関連付けられる構造体を示す図。
【
図9-4C】いくつかの実施形態による、表面プラズモン構造体及び自己整合されるサンプル・ウェルを形成するためのプロセス工程に関連付けられる構造体を示す図。
【
図9-4D】いくつかの実施形態による、表面プラズモン構造体及び自己整合されるサンプル・ウェルを形成するためのプロセス工程に関連付けられる構造体を示す図。
【
図9-4E】いくつかの実施形態による、表面プラズモン構造体及び自己整合されるサンプル・ウェルを形成するためのプロセス工程に関連付けられる構造体を示す図。
【
図9-4F】いくつかの実施形態による、表面プラズモン構造体及び自己整合されるサンプル・ウェルを形成するためのプロセス工程に関連付けられる構造体を示す図。
【
図9-4G】いくつかの実施形態による、表面プラズモン構造体及び自己整合されるサンプル・ウェルを形成するためのプロセス工程に関連付けられる構造体を示す図。
【
図9-5A】いくつかの実施形態による、表面プラズモン構造体及び自己整合されるサンプル・ウェルを形成するためのプロセス工程に関連付けられる構造体を示す図。
【
図9-5B】いくつかの実施形態による、表面プラズモン構造体及び自己整合されるサンプル・ウェルを形成するためのプロセス工程に関連付けられる構造体を示す図。
【
図9-5C】いくつかの実施形態による、表面プラズモン構造体及び自己整合されるサンプル・ウェルを形成するためのプロセス工程に関連付けられる構造体を示す図。
【
図9-5D】いくつかの実施形態による、表面プラズモン構造体及び自己整合されるサンプル・ウェルを形成するためのプロセス工程に関連付けられる構造体を示す図。
【
図9-5E】いくつかの実施形態による、表面プラズモン構造体及び自己整合されるサンプル・ウェルを形成するためのプロセス工程に関連付けられる構造体を示す図。
【
図9-6A】いくつかの実施形態による、サンプル・ウェルに隣接して形成されている薄い損失性膜を示す図。
【
図9-6B】いくつかの実施形態による、サンプル・ウェル及び薄い損失性膜の付近の励起放射線の数値シミュレーションからの結果を示す図。
【
図9-6C】いくつかの実施形態による、サンプル・ウェル及び薄い損失性膜の付近の励起放射線の数値シミュレーションからの結果を示す図。
【
図9-6D】いくつかの実施形態による、サンプル・ウェルから間隔を置いて配置されている薄い損失性膜を示す図。
【
図9-6E】いくつかの実施形態による、サンプル・ウェルに隣接して形成された薄い損失性膜のスタックを示す図。
【
図9-7A】いくつかの実施形態による、サンプル・ウェルに隣接して共鳴キャビティーを形成するために使用され得る反射スタックを図示する図。
【
図9-7B】いくつかの実施形態による、サンプル・ウェルにおいて励起放射線を集中させるために使用され得る誘電体構造体を示す図。
【
図9-7C】いくつかの実施形態による、サンプル・ウェルに隣接してパターニングされ得るフォトニック・バンドギャップ構造体を示す図。
【
図9-7D】いくつかの実施形態による、サンプル・ウェルに隣接してパターニングされ得るフォトニック・バンドギャップ構造体を示す図。
【
図9-8A】いくつかの実施形態による、誘電体構造体及び自己整合されるサンプル・ウェルを形成するためのプロセス工程に関連付けられる構造体を示す図。
【
図9-8B】いくつかの実施形態による、誘電体構造体及び自己整合されるサンプル・ウェルを形成するためのプロセス工程に関連付けられる構造体を示す図。
【
図9-8C】いくつかの実施形態による、誘電体構造体及び自己整合されるサンプル・ウェルを形成するためのプロセス工程に関連付けられる構造体を示す図。
【
図9-8D】いくつかの実施形態による、誘電体構造体及び自己整合されるサンプル・ウェルを形成するためのプロセス工程に関連付けられる構造体を示す図。
【
図9-8E】いくつかの実施形態による、誘電体構造体及び自己整合されるサンプル・ウェルを形成するためのプロセス工程に関連付けられる構造体を示す図。
【
図9-8F】いくつかの実施形態による、誘電体構造体及び自己整合されるサンプル・ウェルを形成するためのプロセス工程に関連付けられる構造体を示す図。
【
図9-8G】いくつかの実施形態による、誘電体構造体及び自己整合されるサンプル・ウェルを形成するためのプロセス工程に関連付けられる構造体を示す図。
【
図9-9A】いくつかの実施形態による、非放射プロセスを介して励起エネルギーをサンプルにカップリングするための構造体を示す図。
【
図9-9B】いくつかの実施形態による、非放射プロセスを介して励起エネルギーをサンプルにカップリングするための構造体を示す図。
【
図9-9C】いくつかの実施形態による、複数の非放射プロセスによって励起エネルギーをサンプルにカップリングするための構造体を示す図。
【
図9-9D】いくつかの実施形態による、放射プロセス又は非放射プロセスを介して励起エネルギーをサンプルにカップリングするために、1つ又は複数のエネルギー変換粒子を組み込む構造体を示す図。
【
図9-9E】いくつかの実施形態による、サンプルへの励起エネルギーのダウン・コンバートに関連付けられるスペクトルを示す図。
【
図9-9F】いくつかの実施形態による、サンプルへの励起エネルギーのアップ・コンバートに関連付けられるスペクトルを示す図。
【
図10-1】いくつかの実施形態による、同心円状のプラズモニック円形グレーチングを示す図。
【
図10-2】いくつかの実施形態による、スパイラル・プラズモニック・グレーチングを示す図。
【
図10-3】いくつかの実施形態による、さまざまなエミッション波長に関して、同心円状のプラズモニック円形グレーチングからのエミッション空間的な分布パターンを示す図。
【
図10-4】いくつかの実施形態による、さまざまなエミッション波長に関して、同心円状のプラズモニック円形グレーチングからのエミッション空間的な分布パターンを示す図。
【
図10-5】いくつかの実施形態による、さまざまなエミッション波長に関して、同心円状のプラズモニック円形グレーチングからのエミッション空間的な分布パターンを示す図。
【
図10-6】いくつかの実施形態による、さまざまなエミッション波長に関して、同心円状のプラズモニック円形グレーチングからのエミッション空間的な分布パターンを示す図。
【
図11-1A】いくつかの実施形態による、プラズモニック・ナノ・アンテナを示す図。
【
図11-1B】いくつかの実施形態による、プラズモニック・ナノ・アンテナを示す図。
【
図11-2A】いくつかの実施形態による、プラズモニック・ナノ・アンテナを示す図。
【
図11-2B】いくつかの実施形態による、プラズモニック・ナノ・アンテナを示す図。
【
図11-3】いくつかの実施形態による、スパイラル・プラズモニック・ナノ・アンテナに関するパターンを示す図。
【
図11-4】いくつかの実施形態による、
図11−3のスパイラル・プラズモニック・ナノ・アンテナの付近の電磁界の数値シミュレーションからの結果を示す図。
【
図11-5】いくつかの実施形態による、スパイラル・プラズモニック・ナノ・アンテナのさまざまな構成を図示する図。
【
図11-6】いくつかの実施形態による、スパイラル・プラズモニック・ナノ・アンテナのさまざまな構成を図示する図。
【
図11-7】いくつかの実施形態による、スパイラル・プラズモニック・ナノ・アンテナのさまざまな構成を図示する図。
【
図11-8】いくつかの実施形態による、プラズモニック・ナノ・アンテナによって取り囲まれたサンプル・ウェルから放出する異なる波長に関連付けられる空間的な分布パターンの数値シミュレーションからの結果を示す図。
【
図11-9】いくつかの実施形態による、プラズモニック・ナノ・アンテナによって取り囲まれたサンプル・ウェルから放出する異なる波長に関連付けられる空間的な分布パターンの数値シミュレーションからの結果を示す図。
【
図11-10】いくつかの実施形態による、プラズモニック・ナノ・アンテナによって取り囲まれたサンプル・ウェルから放出する異なる波長に関連付けられる空間的な分布パターンの数値シミュレーションからの結果を示す図。
【
図11-11】いくつかの実施形態による、プラズモニック・ナノ・アンテナによって取り囲まれたサンプル・ウェルから放出する異なる波長に関連付けられる空間的な分布パターンの数値シミュレーションからの結果を示す図。
【
図12-1A】いくつかの実施形態による、遠視野スペクトル・ソーティング・オプティクスを示す図。
【
図12-1B】いくつかの実施形態による、遠視野スペクトル・ソーティング・オプティクスを示す図。
【
図12-2A】いくつかの実施形態による、遠視野スペクトル・フィルタリング・オプティクスを示す図。
【
図12-2B】いくつかの実施形態による、遠視野スペクトル・フィルタリング・オプティクスを示す図。
【
図13-1A】いくつかの実施形態による、ピクセルの中のセンサー3−260を立面図で示す図。
【
図13-1B】いくつかの実施形態による、2つの別々の及び同心円状のアクティブ領域を有するブルズ・アイ・センサーを示す図。
【
図13-1C】いくつかの実施形態による、4つの別々のアクティブ領域を有するストライプ・センサーを示す図。
【
図13-1D】いくつかの実施形態による、4つの別々のアクティブ領域を有するクワッド・センサーを示す図。
【
図13-1E】いくつかの実施形態による、4つの別々のアクティブ領域を有する円弧形セグメント・センサーを示す図。
【
図13-1F】いくつかの実施形態による、スタックされたセグメント・センサーを示す図。
【
図13-2A】いくつかの実施形態による、第1の波長で放出された放射線に関する、サンプル・ウェルからのエミッション分布を示す図。
【
図13-2B】いくつかの実施形態による、
図13−2Aに示されているエミッション分布に対応する、ブルズ・アイ・センサーによって受け取られる放射線パターンを示す図。
【
図13-2C】いくつかの実施形態による、第2の波長で放出された放射線に関する、サンプル・ウェルからのエミッション分布を示す図。
【
図13-2D】いくつかの実施形態による、
図13−2Cに示されているエミッション分布に対応する、ブルズ・アイ・センサーによって受け取られる放射線パターンを示す図。
【
図13-2E】いくつかの実施形態による、サンプルからの第1のエミッション波長に関して、2つのアクティブ領域を有するブルズ・アイ・センサーに関する信号検出の数値シミュレーションからの結果を表す図。
【
図13-2F】いくつかの実施形態による、サンプルからの第2のエミッション波長に関して、
図13−2Eに関連付けられるブルズ・アイ・センサーに関する信号検出の数値シミュレーションからの結果を表す図。
【
図13-2G】いくつかの実施形態による、サンプルからの第3のエミッション波長に関して、
図13−2Eに関連付けられるブルズ・アイ・センサーに関する信号検出の数値シミュレーションからの結果を表す図。
【
図13-2H】いくつかの実施形態による、サンプルからの第4のエミッション波長に関して、
図13−2Eに関連付けられるブルズ・アイ・センサーに関する信号検出の数値シミュレーションからの結果を表す図。
【
図13-2I】いくつかの実施形態による、サンプルからの第1のエミッション波長に関して、4つのアクティブ領域を有するブルズ・アイ・センサーに関する信号検出の数値シミュレーションからの結果を表す図。
【
図13-2J】いくつかの実施形態による、サンプルからの第2のエミッション波長に関して、
図13−2Iに関連付けられるブルズ・アイ・センサーに関する信号検出の数値シミュレーションからの結果を表す図。
【
図13-3A】いくつかの実施形態による、2つのアクティブ領域からなるセンサーからの信号を読み取るために使用され得る集積デバイスの上の回路を示す図。
【
図13-3B】いくつかの実施形態による、信号蓄積及び読み出しに関して、センサー・セグメントに含まれ得る3トランジスター回路を示す図。
【
図13-3C】いくつかの実施形態による、4つのアクティブ領域からなるセンサーからの信号を読み取るために使用され得る集積デバイスの上の回路を示す図。
【
図13-4A】いくつかの実施形態による、サンプル分析のために使用され得る2つの異なるエミッターに関する時間的なエミッション特性を示す図。
【
図13-4B】いくつかの実施形態による、励起供給源及びサンプルからの発光の時間的な進展を示す図。
【
図13-4C】いくつかの実施形態による、時間遅延サンプリングを示す図。
【
図13-4D】いくつかの実施形態による、2つの異なるエミッターに関する時間的なエミッション特性を示す図。
【
図13-4E】いくつかの実施形態による、センサーの電荷蓄積ノードにおける電圧ダイナミクスを示す図。
【
図13-4F】いくつかの実施形態による、リセットなしのセンサー・セグメントのダブルのリードを示す図。
【
図13-4G】いくつかの実施形態による、時間的に別個のエミッション特性を有する2つのエミッターに関連付けられる第1及び第2の読み取り信号レベルを図示する図。
【
図13-4H】いくつかの実施形態による、時間的に別個のエミッション特性を有する2つのエミッターに関連付けられる第1及び第2の読み取り信号レベルを図示する図。
【
図14-1】いくつかの実施形態による、生物学的な試料及び化学的な試料の迅速なモバイル分析のために使用され得るコンパクトな装置の動作の方法を示す図。
【
図14-2】いくつかの実施形態による、キャリブレーション手順を示す図。
【
図14-3】いくつかの実施形態による、データ分析手順を示す図。
【
図15-1】いくつかの実施形態によるコンピューティング・システムの実施形態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0082】
本発明の特徴及び利点は、図面と併用されたときに、以下に述べられている詳細な説明からより明らかになることとなる。
図面に関連して実施形態を説明するときに、方向参照(「上方」、「下方」、「上部」、「底部」、「左」、「右」、「水平方向」、「垂直方向」など)が使用され得る。そのような参照は、単に、通常の配向で図面を見ている読者に対する支援となることを目的としている。これらの指向性の参照は、具現化されているデバイスの、好適な又は単なる配向を説明することを意図していない。デバイスは、他の配向に具現化され得る。
【0083】
I. 発明者の課題の認識及びそれに対する解決策
本発明者は、バイオアッセイを実施するための従来の装置は、大きくて高価であり、先進的な実験技法を実施することを必要とする可能性があるということを認識及び理解した。多くのタイプのバイオアッセイは、試料の中の単一分子の検出に依存する。単一分子検出は、分子の励起のために必要とされる高い強度の光を発生させるために使用される大きくて場所を取るレーザ・システムを必要とする可能性がある。加えて、大型の光学的なコンポーネントが、レーザ光を試料に方向付けするために使用され得、追加的な光学的なコンポーネントが、試料からの発光性の光をセンサーに方向付けするために使用され得る。これらの従来の光学的なコンポーネントは、正確なアライメント及び安定化を必要とする可能性がある。従来の実験機器、及び、この従来の機器を使用するために必要とされるトレーニングは、複雑で高価なバイオアッセイを結果として生じさせる可能性がある。
【0084】
本発明者は、蘇生の部分の特性を判定するために、生物学的な及び/又は化学的な試料を簡単かつ安価に分析することができるデバイスに対する必要性が存在しているということを認識及び理解した。そのようなデバイスの用途は、核酸、又は、複数のアミノ酸を有するポリペプチド(たとえば、タンパク質)などのような、生体分子をシークエンシングするためのものであることが可能である。単一分子又は粒子の検出及び定量化を実施するためのコンパクトな高速装置は、生物学的なサンプル及び/又は化学的なサンプルの複雑で定量的な測定を実施するコストを低減させ、生化学的技術の発見の速度を急速に前進させることができた。そのうえ、容易に輸送可能なコスト効率の良いデバイスは、先進国世界においてバイオアッセイが行われる方式を変えることができただけでなく、発展途上地域の人々に、初めて、必須の診断検査への容易なアクセスを提供することができ、それは、健康及び福祉を劇的に改善することができた。たとえば、いくつかの実施形態では、バイオアッセイを実施するための装置は、血液、尿、及び/又は唾液などのような、生物学的なサンプルの診断検査を実施するために使用され、それは、個人によって家庭の中で、医者によって、又は、たとえば、田舎の医院など、発展途上国又は任意の他の場所における遠隔の診療所において、使用され得る。そのような診断検査は、核酸分子又はタンパク
質などのような、被験者の生物学的なサンプルの中の生体分子の検出を含むことが可能である。いくつかの例では、診断検査は、被験者の生物学的なサンプルの中の無細胞デオキシリボ核酸分子又は発現産物のシークエンシングなどのような、被験者の生物学的なサンプルの中の核酸分子をシークエンシングすることを含む。
【0085】
「核酸」という用語は、本明細書で使用されているように、全体的に、1つ又は複数の核酸サブユニットからなる分子を表している。核酸は、アデノシン(A)、シトシン(C)、グアニン(G)、チミン(T)、及びウラシル(U)、又は、それらの変異体から選択される1つ又は複数のサブユニットを含むことが可能である。いくつかの例では、核酸は、デオキシリボ核酸(DNA)もしくはリボ核酸(RNA)、又は、それらの誘導体である。核酸は、一本鎖又は二本鎖であることが可能である。核酸は、円形であることが可能である。
【0086】
「ヌクレオチド」という用語は、本明細書で使用されているように、全体的に、核酸サブユニットを表しており、それは、A、C、G、T、又はU、又は、それらの変異体もしくは類似体を含むことが可能である。ヌクレオチドは、成長する核酸鎖の中に組み込まれ得る任意のサブユニットを含むことが可能である。そのようなサブユニットは、A、C、G、T、もしくはUであり、又は、1つ又は複数の相補的なA、C、G、T、もしくはUに特有な、又は、プリン(すなわち、A、もしくはG、又は、それらの変異体もしくは類似体)又はピリミジン(すなわち、C、T、もしくはU、又は、それらの変異体もしくは類似体)に相補的な、任意の他のサブユニットであることが可能である。サブユニットは、個々の核酸塩基又は塩基のグループ(たとえば、AA、TA、AT、GC、CG、CT、TC、GT、TG、AC、CA、又は、それらのウラシル対応物)が分解されることを可能にする。
【0087】
ヌクレオチドは、一般的に、ヌクレオシド、及び、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又は、それ以上のホスフェート(PO
3)グループを含む。ヌクレオチドは、核酸塩基、五炭糖(リボース又はデオキシリボースのいずれか)、及び、1つ又は複数のホスフェート基を含むことが可能である。リボヌクレオチドは、糖がリボースであるヌクレオチドである。デオキシヌクレオチドは、糖がデオキシリボースであるヌクレオチドである。ヌクレオチドは、ヌクレオシド一リン酸又はヌクレオシド・ポリリン酸であることが可能である。ヌクレオチドは、たとえば、デオキシリボヌクレオシド三リン酸などのような、デオキシリボヌクレオシド・ポリリン酸であることが可能であり、それは、デオキシアデノシン三リン酸(dATP)、デオキシシチジン三リン酸(dCTP)、デオキシグアノシン三リン酸(dGTP)、デオキシウリジン三リン酸(dUTP)、及びデオキシチミジン三リン酸(dTTP)、dNTPから選択され得、それは、発光性タグ又はマーカ(たとえば、フルオロフォア)などのような、検出可能なタグを含む。
【0088】
ヌクレオシド・ポリリン酸は、「n」ホスフェート基を有することが可能であり、ここで、「n」は、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10以上の数である。ヌクレオシド・ポリリン酸の例は、ヌクレオシド二リン酸及びヌクレオシド三リン酸を含む。ヌクレオチドは、末端リン酸塩で標識されたヌクレオシド・ポリリン酸などのような、末端リン酸塩で標識されたヌクレオシドであることが可能である。そのような標識は、発光性(たとえば、蛍光又は化学発光性)標識、蛍光性標識、着色標識、発色性標識、質量タグ、静電的な標識、又は、電気化学的な標識であることが可能である。標識(又は、マーカ)は、リンカーを通して末端リン酸塩にカップリングされ得る。リンカーは、たとえば、少なくとも1つの又は複数のヒドロキシル基、スルフヒドリル基、アミノ基、又はハロアルキル基を含むことが可能であり、それは、自然の又は修飾されたヌクレオチドの末端リン酸塩において、たとえば、リン酸エステル、チオエステル、ホスホルアミデート、又はアルキルホスホネート連結を形成するのに適切である可能性がある。リンカーは、開裂可能で
あることが可能であり、たとえば、重合酵素の支援などによって、末端リン酸塩から標識を分離するようになっている。ヌクレオチド及びリンカーの例が、米国特許第7,041,812号に提供されており、それは、全体が本願明細書に援用されている。
【0089】
「ポリメラーゼ」という用語は、本明細書で使用されているように、全体的に、重合反応に触媒作用を及ぼすことができる任意の酵素(又は、重合酵素)を表している。ポリメラーゼの例は、限定なしに、核酸ポリメラーゼ、転写酵素、又はリガーゼを含む。ポリメラーゼは、重合酵素であることが可能である。
【0090】
「ゲノム」という用語は、一般的に、生物の遺伝的情報の全体を表している。ゲノムは、DNA又はRNAのいずれかにコードされ得る。ゲノムは、タンパク質をコードするコード領域、及び、非コード領域からなることが可能である。ゲノムは、生物の中に、すべての染色体の配列を一緒に含むことが可能である。たとえば、ヒト・ゲノムは、合計で46染色体を有している。これらのすべての配列が、一緒にヒト・ゲノムを構成する。
【0091】
本開示は、核酸分子などのような、生体分子又はそれらのサブユニットを検出するためのデバイス、システム、及び方法を提供する。そのような検出は、シークエンシングを含むことが可能である。生体分子は、被験者から得られる生物学的なサンプルから抽出され得る。生物学的なサンプルは、息、唾液、尿又は血液(たとえば、全血又は血漿)などのような、被験者の体液又は組織から抽出され得る。被験者は、病気(たとえば、癌)などのような、健康条件を有するということが疑われる可能性がある。いくつかの例では、1つ又は複数の核酸分子が、被験者の体液又は組織から抽出され得る。1つ又は複数の核酸が、被験者の組織の一部などのような、被験者から得られる1つ又は複数の細胞、又は、全血などのような、被験者の無細胞体液から得られる1つ又は複数の細胞から抽出され得る。
【0092】
生物学的なサンプルが、検出(たとえば、シークエンシング)の準備として処理され得る。そのようなプロセッシングは、生物学的なサンプルからの生体分子(たとえば、核酸分子)の隔離及び/又は精製、ならびに、生体分子のより多くのコピーの発生を含むことが可能である。いくつかの例では、1つ又は複数の核酸分子が、被験者の体液又は組織から隔離及び精製され、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)などのような核酸増幅を通して増幅される。次いで、1つ又は複数の核酸分子又はそのサブユニットが、シークエンシングなどを通して特定され得る。
【0093】
シークエンシングは、鋳型に相補的又は類似した別の生体分子を合成することによって、たとえば、鋳型核酸分子に相補的な核酸分子を合成すること、及び、時間によってヌクレオチドの組み込みを特定すること(すなわち、合成によるシークエンシング)などによって、鋳型生体分子(たとえば、核酸分子)の個々のサブユニットを決定することを含むことが可能である。代替例として、シークエンシングは、生体分子の個々のサブユニットの直接的な特定を含むことが可能である。
【0094】
シークエンシングの間に、生体分子の個々のサブユニットを示す信号が、メモリーの中に収集され、リアルタイムで又はより後の時点で処理され、生体分子の配列を決定することが可能である。そのようなプロセッシングは、信号と参照信号の比較を含むことが可能であり、それは、個々のサブユニットの特定を可能にし、それは、いくつかのケースではリードを生み出す。リードは、十分な長さの配列(たとえば、少なくとも約30塩基対(bp))であることが可能であり、それは、より大きい配列又は領域を特定するために使用され得、たとえば、それは、染色体又はゲノム領域又は遺伝子の上の場所に整合させられ得る。
【0095】
配列リードは、被験者のゲノムのより長い領域を再構築するために使用され得る(アライメント)。リードは、染色体領域、染色体全部、又はゲノム全部を再構築するために使用され得る。配列リード、又は、そのようなリードから発生するより大きい配列が、たとえば、変異体又は多型を特定するなど、被験者のゲノムを分析するために使用され得る。変異体の例は、それに限定されないが、タンデムSNPを含む一塩基多型(SNP)、小規模多塩基欠失又は挿入(インデル又は欠失挿入多型又はDIPとも称される)、多塩基多型(MNP)、縦列型反復配列(STR)、微小欠失を含む欠失、微小挿入を含む挿入、重複を含む構造的変異、反転、転座、増殖、複雑なマルチ・サイト変異対、コピー数変異(CNV)を含む。ゲノム配列は、多様性の組み合わせからなることが可能である。たとえば、ゲノム配列は、1つ又は複数のSNP及び1つ又は複数のCNVの組み合わせを包含することが可能である。
【0096】
生体分子の個々のサブユニットは、マーカを使用して特定され得る。いくつかの例では、発光性マーカは、生体分子の個々のサブユニットを特定するために使用されている。発光性マーカ(本明細書で「マーカ」とも称される)は、外因性の又は内因性のマーカであることが可能である。外因性のマーカは、発光性ラベリングのためのレポータ及び/又はタグとして使用される外部発光性マーカであることが可能である。外因性のマーカの例は、それに限定されないが、蛍光分子、フルオロフォア、蛍光色素、蛍光染色液、有機色素、蛍光タンパク質、酵素、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)に関与する種、酵素、及び/又は量子ドットを含むことが可能である。そのような外因性のマーカは、具体的には特定のターゲット又はコンポーネントに結合するプローブ又は官能基(たとえば、分子、イオン、及び/又はリガンド)にコンジュゲートされ得る。外因性のタグ又はレポータをプローブに取り付けることは、外因性のタグ又はレポータの存在の検出を通して、ターゲットの特定を可能にする。プローブの例は、タンパク質、核酸(たとえば、DNA、RNA)分子、脂質、及び抗体プローブを含むことが可能である。外因性のマーカ及び官能基の組み合わせは、検出のために使用される任意の適切なプローブ、タグ、及び/又はラベルを形成することが可能であり、それは、分子プローブ、標識プローブ、ハイブリダイゼーション・プローブ、抗体プローブ、タンパク質プローブ(たとえば、ビオチン結合プローブ)、酵素ラベル、蛍光プローブ、蛍光タグ、及び/又は酵素レポータを含む。
【0097】
本開示は発光性マーカを参照しているが、他のタイプのマーカが、本明細書で提供されるデバイス、システム、及び方法とともに使用され得る。そのようなマーカは、質量タグ又は静電的なタグであることが可能である。
【0098】
外因性のマーカはサンプルに追加され得るが、内因性のマーカは、すでに、サンプルの一部であることが可能である。内因性のマーカは、励起エネルギーの存在下で発光又は「自己蛍光」することができる、存在する任意の発光性マーカを含むことが可能である。内因性のフルオロフォアの自己蛍光は、外因性のフルオロフォアの導入を必要とすることなく、ラベル・フリーの及び非侵襲的なラベリングを提供することが可能である。そのような内因性のフルオロフォアの例は、例として、及び、限定としてではなく、ヘモグロビン、酸素ヘモグロビン、脂質、コラーゲン及びエラスチン・クロスリンク、還元型ニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチド(NADH)、酸化フラビン(FAD及びFMN)、リポフスチン、ケラチン、ならびに/又はポルフィリンを含むことが可能である。
【0099】
いくつかの実施形態は、試料の中の単一分子を検出することによる診断検査に関する可能性があるが、本発明者は、いくつかの実施形態が、単一分子検出能力を使用し、たとえば、遺伝子又はポリペプチドなどのような、1つ又は複数の核酸セグメントの核酸(たとえば、DNA、RNA)シークエンシングを実施することが可能であるということを認識した。核酸シークエンシングは、ターゲット核酸分子の中のヌクレオチド順序及び位置の決定を可能にする。核酸シークエンシング技術は、核酸配列を決定するために使用される
方法において変化し、また、シークエンシング・プロセスの中のレート、リード長、及びエラーの発生において変化することが可能である。たとえば、いくつかの核酸シークエンシング方法は、合成によるシークエンシングに基づいており、合成によるシークエンシングでは、ヌクレオチドが、ターゲット核酸分子に相補的な核酸の新しく合成された鎖の中へ組み込まれるときに、ヌクレオチドのアイデンティティーが決定される。合成方法によるいくつかのシークエンシングは、ターゲット核酸分子の一定数の存在(たとえば、ターゲット核酸のコピー)、又は、一定数のターゲット核酸を達成するためにターゲット核酸の増幅の工程を必要とする。
【0100】
シークエンシングの間に、重合酵素は、ターゲット核酸分子のプライミング場所にカップリングする(たとえば、取り付ける)ことが可能である。プライミング場所は、ターゲット核酸分子に相補的なプライマーであることが可能である。代替例として、プライミング場所は、ターゲット核酸分子の二本鎖セグメントの中に提供されるギャップ又はニックである。ギャップ又はニックは、長さが0から少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、又は40個のヌクレオチドであることが可能である。ニックは、二本鎖配列の1つの鎖の中に切断を提供することが可能であり、それは、たとえば、鎖置換ポリメラーゼ酵素などのような重合酵素のためのプライミング場所を提供することが可能である。
【0101】
いくつかのケースでは、シークエンシング・プライマーは、ターゲット核酸分子にアニーリングされ得、ターゲット核酸分子は、サンプル・ウェルなどのような固体支持体に固定化されていても又は固定化されていなくてもよい。いくつかの実施形態では、シークエンシング・プライマーは、固体支持体に固定化され得、また、ターゲット核酸分子のハイブリダイゼーションも、ターゲット核酸分子を固体支持体に固定化させている。ヌクレオチドをプライマーに追加又は組み込むことができる酵素(たとえば、ポリメラーゼ)の作用を介して、ヌクレオチドが、5’−3’鋳型バウンド方式でプライマーに追加され得る。プライマーへのヌクレオチドのそのような組み込み(たとえば、ポリメラーゼの作用を介する)は、一般的に、プライマー伸長反応と称され得る。それぞれのヌクレオチドは、検出可能なタグに関連付けられ得、検出可能なタグは、検出及び使用され、プライマーの中へ組み込まれるそれぞれのヌクレオチド、及び、したがって、新しく合成された核酸分子の配列を決定することが可能である。新しく合成された核酸分子の配列相補性を介して、ターゲット核酸分子の配列も決定され得る。いくつかのケースでは、ターゲット核酸分子へのシークエンシング・プライマーのアニーリング、及び、シークエンシング・プライマーへのヌクレオチドの組み込みは、同様の反応条件(たとえば、同じ又は同様の反応温度)において、又は、異なる反応条件(たとえば、異なる反応温度)において、起こることが可能である。そのうえ、合成方法によるいくつかのシークエンシングは、ターゲット核酸分子の集団(たとえば、ターゲット核酸のコピー)の存在、及び/又は、ターゲット核酸の増幅の工程を含み、ターゲット核酸の集団を実現することが可能である。
【0102】
実施形態では、高い精度及び長いリード長によって、単一の核酸分子をシークエンシングすることができる。いくつかの実施形態では、単一分子シークエンシングにおいて使用されるターゲット核酸分子は、一本鎖のターゲット核酸(たとえば、デオキシリボ核酸(DNA)、DNA誘導体、リボ核酸(RNA)、RNA誘導体)鋳型であり、それは、サンプル・ウェルに添加又は固定化されており、サンプル・ウェルは、サンプル・ウェルの底部などのような固体支持体に固定化され又は取り付けられている、シークエンシング反応(たとえば、DNAポリメラーゼ、シークエンシング・プライマーなどのようなポリメラーゼ)の少なくとも1つの追加的なコンポーネントを含有する。ターゲット核酸分子又はポリメラーゼは、たとえば、サンプル・ウェルの底部に、直接的に又はリンカーを通して、サンプル壁部に取り付けられ得る。また、サンプル・ウェルは、プライマー伸長反応を介する核酸合成に必要とされる任意の他の試薬を含有することが可能であり、それは、
たとえば適切なバッファー、補因子、酵素(たとえば、ポリメラーゼ)、ならびに、たとえば、デオキシアデノシン三リン酸(dATP)、デオキシシチジン三リン酸(dCTP)、デオキシグアノシン三リン酸(dGTP)、デオキシウリジン三リン酸(dUTP)、及びデオキシチミジン三リン酸(dTTP)、dNTPを含む、デオキシリボヌクレオシド三リン酸などのような、デオキシリボヌクレオシド・ポリリン酸などであり、それは、フルオロフォアなどのような発光性タグを含む。dNTPのそれぞれのクラス(たとえばアデニンを含有するdNTP(たとえば、dATP)、シトシンを含有するdNTP(たとえば、dCTP)、グアニンを含有するdNTP(たとえば、dGTP)、ウラシルを含有するdNTP(たとえば、dUTP)、及び、チミンを含有するdNTP(たとえば、dTTP))は、別個の発光性タグにコンジュゲートされており、タグから放出される光の検出が、新しく合成された核酸の中へ組み込まれたdNTPのアイデンティティーを示すようになっている。発光性タグから放出される光は、本明細書の他の場所で説明されている検出のためのそのようなデバイス及び方法を含む、任意の適切なデバイス及び/又は方法を介して検出され得、その適当な発光性タグに起因することが可能である(及び、したがって、dNTPに関連付けられる)。発光性タグは、任意の位置においてdNTPにコンジュゲートされ得、発光性タグの存在が、新しく合成された核酸鎖の中へのdNTPの組み込み、又は、ポリメラーゼの活動を阻止しないようになっている。いくつかの実施形態では、発光性タグは、dNTPの末端ホスフェート(ガンマ・ホスフェート)にコンジュゲートされている。
【0103】
一本鎖のターゲット核酸鋳型は、シークエンシング・プライマー、dNTP、ポリメラーゼ、及び、核酸合成に必要な他の試薬に接触させ得る。いくつかの実施形態では、すべての適当なdNTPは、一本鎖のターゲット核酸鋳型と同時に接触させ得(たとえば、すべてのdNTPが同時に存在する)、dNTPの組み込みが、連続的に起こり得るようになっている。他の実施形態では、dNTPは、一本鎖のターゲット核酸鋳型に順次接触させ得、その場合には、一本鎖のターゲット核酸鋳型が、それぞれの適当なdNTPに別々に接触し、一本鎖のターゲット核酸鋳型が異なるdNTPと接触する合間に洗浄工程を伴う。一本鎖のターゲット核酸鋳型がそれぞれのdNTPと別々に接触するそのようなサイクルは、洗浄が後に続き、識別されることとなる一本鎖のターゲット核酸鋳型のそれぞれの連続的なベース位置に関して繰り返され得る。
【0104】
シークエンシング・プライマーは、一本鎖のターゲット核酸鋳型に対してアニーリングし、ポリメラーゼは、一本鎖のターゲット核酸鋳型を介して、dNTP(又は、他のデオキシリボヌクレオシド・ポリリン酸)をプライマーに連続して組み込む。それぞれの組み込まれたdNTPに関連付けられる固有の発光性タグは、プライマーへのdNTPの組み込みの間又は後に、適当な励起光によって励起され得、そのエミッションは、本明細書の他の場所で説明されている検出のためのデバイス及び方法を含む、任意の適切なデバイス及び/又は方法を使用して、その後に検出され得る。光の特定のエミッションの検出は、組み込まれた特定のdNTPに起因することが可能である。次いで、検出された発光性タグの収集から得られる配列が使用され、配列相補性を介して、一本鎖のターゲット核酸鋳型の配列を決定することが可能である。
【0105】
本開示はdNTPを参照しているが、本明細書で提供されるデバイス、システム、及び方法は、リボヌクレオチド及びデオキシヌクレオチド(たとえば、少なくとも4、5、6、7、8、9、又は10のホスフェート基を備えるデオキシリボヌクレオシド・ポリリン酸)などのような、さまざまなタイプのヌクレオチドとともに使用され得る。そのようなリボヌクレオチド及びデオキシヌクレオチドは、さまざまなタイプのタグ(又は、マーカ)及びリンカーを含むことが可能である。
【0106】
ヌクレオシドの組み込みのときに放出される信号は、メモリーの中に保存され、より後
の時点で処理され、ターゲット核酸鋳型の配列を決定することが可能である。これは、信号を参照信号と比較し、組み込まれるヌクレオシドのアイデンティティーを時間の関数として決定することを含むことが可能である。代替的に又は加えて、ヌクレオシドの組み込みのときに放出される信号は、リアルタイムで(すなわち、ヌクレオシド組み込みのときに)収集及び処理され、ターゲット核酸鋳型の配列をリアルタイムで決定することが可能である。
【0107】
複数の一本鎖のターゲット核酸鋳型の核酸シークエンシングは、本明細書の他の場所で説明されているデバイスのケースと同様に、複数のサンプル・ウェルが利用可能である場合に完了され得る。それぞれのサンプル・ウェルは、一本鎖のターゲット核酸鋳型を提供され得、シークエンシング反応が、それぞれのサンプル・ウェルの中で完了され得る。サンプル・ウェルのそれぞれは、プライマー伸長反応の間の核酸合成に必要な適当な試薬(たとえば、dNTP、シークエンシング・プライマー、ポリメラーゼ、補因子、適当なバッファーなど)に接触させ得、シークエンシング反応が、それぞれのサンプル・ウェルの中で進行することが可能である。いくつかの実施形態では、複数のサンプル・ウェルは、すべての適当なdNTPに同時に接触させる。他の実施形態では、複数のサンプル・ウェルは、それぞれの適当なdNTPに別々に接触し、それぞれが異なるdNTPとの接触の合間に洗浄される。組み込まれたdNTPは、それぞれのサンプル・ウェルの中で検出され得、配列が、上記に説明されているように、それぞれのサンプル・ウェルの中の一本鎖のターゲット核酸に関して決定され得る。
【0108】
単一分子核酸シークエンシングに関する実施形態は、ターゲット核酸に相補的な核酸を合成することができる任意のポリメラーゼを使用することが可能である。ポリメラーゼの例は、DNAポリメラーゼ、RNAポリメラーゼ、耐熱性ポリメラーゼ、ワイルド・タイプ・ポリメラーゼ、変性ポリメラーゼ、大腸菌DNAポリメラーゼI、T7DNAポリメラーゼ、バクテリオファージT4 DNAポリメラーゼφ29(プサイ29)DNAポリメラーゼ、Taqポリメラーゼ、Tthポリメラーゼ、Tliポリメラーゼ、Pfuポリメラーゼ、Pwoポリメラーゼ、VENTポリメラーゼ、DEEPVENTポリメラーゼ、EX−Taqポリメラーゼ、LA−Taqポリメラーゼ、Ssoポリメラーゼ、Pocポリメラーゼ、Pabポリメラーゼ、Mthポリメラーゼ、ES4ポリメラーゼ、Truポリメラーゼ、Tacポリメラーゼ、Tneポリメラーゼ、Tmaポリメラーゼ、Tcaポリメラーゼ、Tihポリメラーゼ、Tfiポリメラーゼ、プラチナTaqポリメラーゼ、Tbrポリメラーゼ、Tflポリメラーゼ、Tthポリメラーゼ、Pfutuboポリメラーゼ、Pyrobestポリメラーゼ、Pwoポリメラーゼ、KODポリメラーゼ、Bstポリメラーゼ、Sacポリメラーゼ、3’から5’のエキソヌクレアーゼ活性を備えるKlenowフラグメント・ポリメラーゼ、及び変異体、改変生成物、及びそれらの誘導体を含む。いくつかの実施形態では、ポリメラーゼは、単一のサブユニット・ポリメラーゼである。いくつかの実施形態では、ポリメラーゼは、高い進行性を備えるポリメラーゼである。ポリメラーゼ進行性は、一般的に、核酸鋳型を解放することなく核酸鋳型の中へdNTPを連続して組み込む、ポリメラーゼの能力を参照している。ターゲット核酸の核酸塩基と相補的なdNTPとの間の塩基対合のときに、ポリメラーゼは、新しく合成された鎖の3’ヒドロキシル端部とdNTPのアルファ・ホスフェートとの間にリン酸ジエステル結合を形成することによって、新しく合成された核酸鎖の中へdNTPを組み込む。dNTPにコンジュゲートされた発光性タグがフルオロフォアである例では、その存在が、励起によって信号で伝えられ、エミッションのパルスが、組み込みの工程の間に検出される。dNTPの末端(ガンマ)ホスフェートにコンジュゲートされた検出標識に関して、新しく合成された鎖の中へのdNTPの組み込みは、ベータ・ホスフェート及びガンマ・ホスフェートの解放を結果として生じさせ、検出標識は、サンプル・ウェルの中に自由に拡散することができ、フルオロフォアから検出されるエミッションの減少を結果として生じさせる。
【0109】
単一分子RNAシークエンシングに関する実施形態は、RNA鋳型から相補的なDNA(cDNA)を合成することができる任意の逆転写酵素を使用することが可能である。そのような実施形態では、cDNAが、RNA鋳型にアニーリングされる逆転写プライマーへのdNTPの組み込みを介して、RNA鋳型から合成され得るという点において、逆転写酵素は、ポリメラーゼと同様の様式で機能することが可能である。次いで、cDNAは、シークエンシング反応に関与することが可能であり、その配列は、上記に説明されているように決定される。次いで、決定されたcDNAの配列は、配列相補性を介して使用され、元のRNA鋳型の配列を決定することが可能である。逆転写酵素の例は、モロニー・マウス白血病ウイルス逆転写酵素(M−MLV)、ニワトリ骨髄芽球症ウイルス(AMV)逆転写酵素、ヒト免疫不全ウイルス逆転写酵素(HIV−1)、及びテロメラーゼ逆転写酵素を含む。
【0110】
単一分子検出及び/又は核酸シークエンシングを実施するための簡単でより複雑でない装置に対する必要性を認識したので、発明者らは光学的な(たとえば、発光性)タグなどのようなタグのセットを使用して、単一分子を検出し、異なる分子に標識するための技法を考え出した。そのような単一分子は、タグを有するヌクレオチド又はアミノ酸であることが可能である。タグは、単一分子に結合される間に、単一分子からの解放の際に、又は、単一分子に結合されかつ単一分子からの解放の際に、検出され得る。いくつかの例では、タグは、発光性タグである。選択されたセットの中のそれぞれの発光性タグは、それぞれの分子に関連付けられている。たとえば、4つのタグのセットが、DNAの中に存在する核酸塩基を「標識」するために使用され得、セットのそれぞれのタグは、異なる核酸塩基に関連付けられており、たとえば、第1のタグは、アデニン(A)に関連付けられており、第2のタグは、シトシン(C)に関連付けられており、第3のタグは、グアニン(G)に関連付けられており、第4のタグは、チミン(T)に関連付けられている。そのうえ、タグのセットの中の発光性タグのそれぞれは、異なる特性を有しており、それは、セットの第1のタグをセットの中の他のタグから区別するために使用され得る。このように、それぞれのタグは、これらの区別する性質のうちの1つ又は複数を使用して、固有に特定可能である。例として、及び、限定としてではなく、1つのタグを別のタグから区別するために使用され得るタグの性質は、励起に応答してタグによって放出される光のエミッション・エネルギー及び/もしくは波長、ならびに/又は、特定のタグを励起する励起光及び/もしくは波長及び/もしくはエネルギーを含むことが可能である。
【0111】
実施形態は、タグ特性の任意の適切な組み合わせを使用し、タグのセットの中の第1のタグを同じセットの中の他のタグから区別することが可能である。たとえば、いくつかの実施形態は、タグからのエミッション光の波長だけを使用し、タグを特定することが可能である。そのような実施形態では、タグの選択されたセットの中のそれぞれのタグが、そのセットの中の他のタグとは異なるピーク・エミッション波長を有しており、発光性タグは、すべて、単一の励起供給源からの光によって励起される。
図1−1は、実施形態による4つの発光性タグからのエミッション・スペクトルを図示しており、4つのタグが、異なるエミッション波長においてそれらのそれぞれの強度ピークを示しており、それは、本明細書で、タグの「ピーク・エミッション波長」と称される。第1の発光性タグからの第1のエミッション・スペクトル1−101は、λ1においてピーク・エミッション波長を有しており、第2の発光性タグからの第2のエミッション・スペクトル1−102は、λ2においてピーク・エミッション波長を有しており、第3の発光性タグからの第3のエミッション・スペクトル1−103は、λ3においてピーク・エミッション波長を有しており、第4の発光性タグからの第4のエミッション・スペクトル1−104は、λ4においてピーク・エミッション波長を有している。この実施形態では、4つの発光性タグのエミッション・ピークは、関係式λ1<λ2<λ3<λ4を満たす任意の適切な値を有することが可能である。4つのエミッション・スペクトルは、重なり合ってもよいし、又は、重
なり合わなくてもよい。しかし、2つ以上のタグのエミッション・スペクトルが重なり合う場合には、1つのタグが、それぞれのピーク波長において、任意の他のタグよりも実質的に多い光を放出するように、発光性タグ・セットを選択することが望ましい。この実施形態では、4つのタグのそれぞれが励起供給源からの光を最大限に吸収する励起波長は、実質的に等価であるが、そうである必要はない。上記のタグ・セットを使用して、4つの異なる分子が、タグ・セットからのそれぞれのタグによって標識化され得、タグは、単一の励起供給源を使用して励起され得、タグは、光学的なシステム及びセンサーを使用してタグのエミッション波長を検出することによって、互いから区別され得る。
図1−1は、4つの異なるタグを図示しているが、任意の適切な数のタグが使用され得るということが認識されるべきである。
【0112】
他の実施形態は、タグからのエミッション光の波長、及び、タグが励起光を吸収する波長の両方を使用し、タグを特定することが可能である。そのような実施形態では、選択されたタグのセットの中のそれぞれのタグは、そのセットの中の他のタグとは、エミッション波長及び励起波長の異なる組み合わせを有している。したがって、選択されたタグ・セットの中のいくつかのタグは、同じエミッション波長を有することが可能であるが、異なる波長の光によって励起され得る。逆に、選択されたタグ・セットの中のいくつかのタグは、同じ励起波長を有することが可能であるが、異なる波長において光を放出することが可能である。
図1−2Aは、実施形態による4つの発光性タグからのエミッション・スペクトルを図示しており、タグのうちの2つが、第1のピーク・エミッション波長を有しており、他の2つのタグが、第2のピーク・エミッション波長を有している。第1の発光性タグからの第1のエミッション・スペクトル1−105は、λ1においてピーク・エミッション波長を有しており、第2の発光性タグからの第2のエミッション・スペクトル1−106も、λ1においてピーク・エミッション波長を有しており、第3の発光性タグからの第3のエミッション・スペクトル1−107は、λ2においてピーク・エミッション波長を有しており、第4の発光性タグからの第4のエミッション・スペクトル1−108も、λ2においてピーク・エミッション波長を有している。この実施形態では、4つの発光性タグのエミッション・ピークが、関係式λ1<λ2を満たす任意の適切な値を有することが可能である。
図1−2Bは、4つの発光性タグからの吸収スペクトルを図示しており、タグのうちの2つが、第1のピーク吸収波長を有しており、他の2つのタグが、第2のピーク吸収波長を有している。第1の発光性タグに関する第1の吸収スペクトル1−109は、λ3においてピーク吸収波長を有しており、第2の発光性タグに関する第2の吸収スペクトル1−110は、λ4においてピーク吸収波長を有しており、第3の発光性タグに関する第3の吸収スペクトル1−111は、λ3においてピーク吸収波長を有しており、第4の発光性タグに関する第4の吸収スペクトル1−112は、λ4においてピーク吸収波長を有している。
図1−2Aにおいてエミッション・ピーク波長を共有するタグは、
図1−2Bでは吸収ピーク波長を共有していないということに留意されたい。そのようなタグ・セットを使用することは、4つの色素に関して2つのエミッション波長しか存在しないときでも、4つのタグの間を区別することを可能にする。これは、異なる波長で放出する2つの励起供給源、又は、複数の波長で放出することができる単一の励起供給源を使用することによって可能となる。励起光の波長が、それぞれの検出されるエミッション・イベントに関して知られている場合には、どのタグが存在していたかということが決定され得る。励起供給源は、第1の励起波長と第2の励起波長を繰り返すことが可能であり、それは、インターリービングと称される。代替的に、第1の励起波長の2つ以上のパルスが使用され、その後に、第2の励起波長の2つ以上のパルスが続くことが可能である。
【0113】
図には図示されていないが、他の実施形態は、吸収周波数だけに基づいて、発光性タグのアイデンティティーを決定することが可能である。励起光が、タグ・セットの中のタグの吸収スペクトルにマッチする特定の波長にチューニングされ得る場合に、そのような実施形態が可能である。そのような実施形態では、それぞれのタグから放出される光を方向
付け及び検出するために使用される光学的なシステム及びセンサーは、放出される光の波長を検出することができる必要はない。これは、いくつかの実施形態では、有利である可能性がある。その理由は、そのような実施形態では、エミッション波長を検出することは要求されないので、それが、光学的なシステム及びセンサーの複雑さを低減させるからである。
【0114】
上記に議論されているように、本発明者は、タグのさまざまな特性を使用して異なる発光性タグを互いから区別することができることの必要性を認識及び理解した。タグのアイデンティティーを決定するために使用される特性のタイプは、この分析を行うために使用される物理的なデバイスに影響を与える。本出願は、これらの異なる実験を行うための装置、デバイス、機器、及び方法のいくつかの実施形態を開示している。
【0115】
手短に言えば、本発明者は、比較的多数のピクセル(たとえば、数百、数千、数百万、又は、それ以上)を備えるピクセル化されたセンサー・デバイスは、並行して複数の個々の分子又は粒子の検出を可能にするということを認識及び理解した。少なくともいくつかの、部分集合の、もしくはすててのピクセルが独立してアドレス駆動可能である。分子は、例として、及び、限定としてではなく、タンパク質及び/又は核酸(たとえば、DNAやRNA)であることが可能である。そのうえ、毎秒百を超えるフレームでデータを獲得することができる高速デバイスは、分析されているサンプルの中に時間をかけて起こる動的なプロセス又は変化の検出及び分析を可能にする。
【0116】
本発明者は、オプティクス及びセンサーを含む低コストの単回使用の使い捨ての集積デバイスが、励起供給源を含む機器に関連して使用され、生物学的なサンプルから放出される発光性の光を測定することが可能であるということを認識及び理解した。低コストの集積デバイスを使用することは、所与のバイオアッセイを実施するコストを低減させる。生物学的なサンプルは、集積デバイスの上に設置され、バイオアッセイが完了すると廃棄され得る。集積デバイスは、より高価なマルチ・ユースの機器にインターフェース接続し、より高価なマルチ・ユースの機器は、多くの異なる使い捨ての集積デバイスとともに繰り返して使用され得る。コンパクトなポータブル機器にインターフェース接続する低コストの集積デバイスは、サンプルを分析するために実験室専門知識を必要とする高コストの生物学的な実験室の制約なしに、世界のどこででも使用され得る。したがって、以前には生物学的なサンプルの定量的な分析を行うことができなかった世界の領域に、自動化された生物学的分析を持っていくことが可能である。たとえば、使い捨ての集積デバイスの上に血液サンプルを設置することによって、分析のための小さいポータブル機器の中へ使い捨ての集積デバイスを設置することによって、及び、ユーザによる即座の再検討のために機器に接続するコンピュータによって結果を処理することによって、幼児のための血液テストが行われ得る。また、データは、分析されるためにデータ・ネットワークを通じて遠隔の場所に送信され、及び/又は、その後の臨床分析のためにアーカイブされ得る。代替的に、機器は、集積デバイスのセンサーから得られるデータを分析するための1つ又は複数のプロセッサーを含むことが可能である。
【0117】
さまざまな実施形態が、より詳細に下記に説明されている。
II. システムの概観
システムは、集積デバイスと、集積デバイスにインターフェース接続するように構成されている機器とを含む。集積デバイスは、ピクセルのアレイを含み、それぞれのピクセルは、サンプル・ウェル及び少なくとも1つのセンサーを含む。集積デバイスの表面は、複数のサンプル・ウェルを有しており、複数のサンプル・ウェルは、集積デバイスの表面の上に設置されている試料の中からサンプルを受け入れるように構成されている開口部である。複数のサンプルは、試料の中に含まれ得、サンプル・ウェルは、1つのサンプルを受け入れるように設計され得、それぞれのサンプル・ウェルが異なるサンプルを含有するよ
うになっている。たとえば、多くの一本鎖DNA鋳型を含有する試料が、集積デバイスの表面の上に設置されており、それぞれのサンプル・ウェルは、一本鎖DNA鋳型を受け入れることが可能である。また、試料は、タグを付けられたdNTPを含有することが可能であり、それは、次いで、それがDNAの相補的な鎖の中へ組み込まれるときに、ヌクレオチドを特定するために、サンプル・ウェルの中に進入する。そのような例では、「サンプル」は、一本鎖DNA、及び、ポリメラーゼによって現在組み込まれているタグを付けられたdNTPの両方を表すことが可能である。
【0118】
励起エネルギーは、集積デバイスのピクセルから離れて位置付けされている供給源から提供される。励起エネルギーは、集積デバイスのエレメントによって、1つ又は複数のピクセルに向けて少なくとも部分的に方向付けされ、サンプル・ウェルの中の照射領域を照射する。次いで、マーカ又はタグは、照射領域の中に位置付けされているときに、及び、励起エネルギーによって照射されていることに応答して、エミッション・エネルギーを放出することが可能である。いくつかの実施形態では、1つ又は複数の励起供給源は、システムの機器の一部であり、機器及び集積デバイスのコンポーネントが、励起エネルギーを1つ又は複数のピクセルに向けて方向付けするように構成されている。他の実施形態では、1つ又は複数の励起供給源は、集積デバイスの上に位置付けされているが、ピクセルのアレイから分離された領域の中に位置付けされており、集積デバイスの中のコンポーネントが、励起供給源領域からの励起エネルギーを1つ又は複数のピクセルに方向付けするように構成されている。
【0119】
次いで、サンプルによって放出されるエミッション・エネルギーは、集積デバイスのピクセルの中の1つ又は複数のセンサーによって検出され得る。いくつかの実施形態では、複数のセンサーは、エミッション・エネルギーの空間的な分布をキャプチャーするようにサイズ決め及び配置され得る。次いで、1つ又は複数のセンサーからの出力信号は、複数のマーカの間からマーカを区別するために使用され得、ここで、複数のマーカが、試料の中のサンプルを特定するために使用され得る。
【0120】
システム2−100の図式的概観が、
図2−1A及び
図2−1Bに図示されている。システムは、両方とも、励起供給源2−106を有する機器2−104にインターフェース接続する集積デバイス2−102からなる。集積デバイスを受け入れるための、及び、励起供給源との正確な光学的アライメントの状態に集積デバイスを保持するための任意の適切なソケットを使用して、集積デバイスは、機器にインターフェース接続する。機器2−104の中の外部励起供給源2−106は、励起エネルギーを集積デバイス2−102に提供するように構成されている。励起供給源は、機器の上に位置付けされているように示されているが、励起供給源は、いくつかの場合には、ピクセルから分離された領域の中の集積デバイスの上に位置付けされ得る。
図2−1Bに概略的に図示されているように、集積デバイス2−102は、複数のピクセルを有しており、ここで、それぞれのピクセル2−112は、独立したサンプルの分析をする能力がある。ピクセルは、ピクセルから分離された供給源から励起エネルギーを受け入れ、供給源が複数のピクセルを励起するので、そのようなピクセルは、「パッシブ・ソース・ピクセル」と称され得る。それぞれのピクセル2−112は、サンプルを保持及び分析するためのサンプル・ウェル2−108と、励起供給源2−106によって提供される励起エネルギーを用いてサンプルを照射することに応答して、サンプルによって放出されるエミッション・エネルギーを検出するためのセンサー2−110を有している。いくつかの実施形態では、それぞれのセンサーは、複数のサブ・センサーを含むことが可能であり、それぞれのサブ・センサーは、サンプルからのエミッション・エネルギーの異なる波長を検出するように構成されている。
【0121】
サンプル・ウェル2−108への励起エネルギーをガイド及びカップリングするための光学エレメントは、集積デバイス2−102及び機器2−104の両方の上に位置付けさ
れている。そのような供給源・トゥー・ウェル・エレメントは、励起エネルギーを集積デバイスにカップリングするために集積デバイスの上に位置付けされているグレーチング・カップラー、励起エネルギーをそれぞれのピクセルに送達するための導波路、ならびに、機器から受け取られた励起エネルギーをサンプル・ウェルに方向付けするために集積デバイスの上に位置付けされている、レンズ、プラズモニック・エレメント、及び誘電体コーティングを含むことが可能である。追加的に、集積デバイスの上に位置付けされている光学エレメントは、サンプル・ウェルからのエミッション・エネルギーをセンサーに向けて方向付けする。そのようなウェル・トゥー・サンプル・エレメントは、エミッション・エネルギーを放射線パターンの中へ方向付けするコンポーネントを含むことが可能であり、そこでは、放射線パターンは、サンプル・ウェルの中のサンプルによって放出されるエミッション・エネルギーに依存する。サンプル・ウェル、励起供給源・トゥー・ウェル・オプティクスの一部分、及びサンプル・ウェル・トゥー・センサー・オプティクスは、集積デバイスの上に位置付けされている。励起供給源、及び、供給源・トゥー・ウェル・コンポーネントの一部分は、励起供給源2−106を含有する機器2−104の中に位置付けされている。いくつかの実施形態では、単一のコンポーネントは、励起エネルギーをサンプル・ウェルにカップリングする際、及び、サンプル・ウェルからのエミッション・エネルギーをセンサーに送達する際の両方において、役割を果たすことが可能である。
【0122】
図2−1Bに図示されているように、集積デバイスは、複数のピクセルからなり、それぞれのピクセル2−112は、それ自身の個々のサンプル・ウェル2−108及びセンサー2−110に関連付けられている。複数のピクセルが、アレイで配置され得、任意の適切な数のピクセルが存在することが可能である。たとえば、集積デバイスは、いくつかの実施形態によれば、100個から1,000個の間のピクセル、いくつかの実施形態によれば、1,000個から10,000個の間のピクセル、いくつかの実施形態によれば、10,000個から100,000個の間のピクセル、いくつかの実施形態によれば、100,000個から1,000,000個の間のピクセル、及び、さらに、いくつかの実施形態によれば、1,000,000個から10,000,000個の間のピクセルを含むことが可能である。いくつかの実施形態では、集積デバイスの上に、より少ない、又は、より多いピクセルが存在することが可能である。集積デバイス2−112及び機器2−104は、大型のピクセル・アレイ(たとえば、1000個よりも多いピクセル)に関連付けられたデータをハンドリングするためのマルチ・チャネル高速通信リンクを含むことが可能である。
【0123】
機器は、集積デバイス・インターフェース2−114を通して集積デバイスにインターフェース接続している。集積デバイス・インターフェース2−114は、集積デバイスを機器に対して位置決め及び/又は整合させるためのコンポーネントを含み、励起供給源からの励起エネルギーを集積デバイスにカップリングすることを改善することが可能である。いくつかの実施形態では、励起供給源2−106は、励起エネルギーを集積デバイス2−112に送達するために組み合わせられる複数の励起供給源を含む。複数の励起供給源は、複数の励起エネルギー又は波長を作り出すように構成され得る。集積デバイス・インターフェース2−114は、集積デバイスの上に位置付けされているピクセルの中のセンサーから読み出し信号を受け取ることが可能である。追加的に、集積デバイス・インターフェース2−114は、集積デバイスを集積デバイス・インターフェース2−114に固定することによって、集積デバイスが機器に取り付くように設計され得る。
【0124】
機器2−104は、機器の動作を制御するためのユーザ・インターフェース2−116を含む。ユーザ・インターフェース2−116は、機器の機能を制御するために使用されるコマンド及び/又はセッティングなどのような情報を、ユーザが機器の中へ入力することを可能にするように構成されている。いくつかの実施形態では、ユーザ・インターフェース2−116は、ボタン、スイッチ、ダイアル、及び、ボイス・コマンドのためのマイ
クロホンを含むことが可能である。追加的に、ユーザ・インターフェース2−116は、適正なアライメント、及び/又は、集積デバイスの上のセンサーからの読み出し信号によって得られる情報などのような、機器及び/又は集積デバイスの性能についてのフィードバックを、ユーザが受け取ることを可能にすることができる。いくつかの実施形態では、ユーザ・インターフェース2−116は、可聴フィードバックを提供するためにスピーカを使用して、ならびに/又は、視覚的フィードバックを提供するためにインジケーター光及び/もしくは表示スクリーンを使用して、フィードバックを提供することが可能である。いくつかの実施形態では、機器2−104は、コンピューティング・デバイス2−120と接続するために使用されるコンピュータ・インターフェース2−118を含む。任意の適切なコンピュータ・インターフェース2−118及びコンピューティング・デバイス2−120が使用され得る。たとえば、コンピュータ・インターフェース2−118は、USBインターフェース又はFireWire(登録商標)インターフェースであることが可能である。コンピューティング・デバイス2−120は、ラップトップ・コンピュータ又はデスクトップ・コンピュータなどのような、任意の汎用コンピュータであることが可能である。コンピュータ・インターフェース2−118は、機器2−104とコンピューティング・デバイス2−120との間の情報の通信を促進させる。機器2−104を制御及び/又は設定するための入力情報は、機器のコンピュータ・インターフェース2−118に接続されているコンピューティング・デバイス2−120を通して提供され得る。追加的に、出力情報は、コンピュータ・インターフェース2−118を通してコンピューティング・デバイス2−120によって受け取られ得る。そのような出力情報は、機器2−104及び/又は集積デバイス2−112の性能についてのフィードバック、及び、センサー2−110の読み出し信号からの情報を含むことが可能である。また、機器2−104は、センサー2−110から受け取られるデータを分析するための、及び/又は制御信号を励起供給源2−106へ送るためのプロセッシング・デバイス2−122を含むことが可能である。いくつかの実施形態では、プロセッシング・デバイス2−122は、汎用プロセッサー、特別に適合されたプロセッサー(たとえば、1つ又は複数のマイクロプロセッサーもしくはマイクロコントローラ・コアなどのような中央処理装置(CPU)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、カスタム集積回路、デジタル信号プロセッサー(DSP)、又は、それらの組み合わせ)からなることが可能である。いくつかの実施形態では、センサー2−110からのデータを処理することは、プロセッシング・デバイス2−122及び外部コンピューティング・デバイス2−120の両方によって行われ得る。他の実施形態では、コンピューティング・デバイス2−120は省略され得、また、センサー2−110からのデータを処理することは、プロセッシング・デバイス2−122だけによって行われ得る。
【0125】
ピクセルの横列を図示する集積デバイス3−102の断面概略図が、
図3−1Aに示されている。それぞれのピクセル3−112は、サンプル・ウェル3−108及びセンサー3−110を含む。センサー3−110は、サンプル・ウェル3−112に整合させられて位置決めされ得る。励起供給源が集積デバイスにカップリングされているときに、励起エネルギーが、1つ又は複数のピクセルに提供される。
図3−1Bは、励起供給源3−106を集積デバイス3−102にカップリングすることを図示する概略図である。励起供給源3−106は、集積デバイス3−102の中の励起エネルギー3−130(点線で示されている)を提供する。
図3−1Bは、励起エネルギー供給源3−106からピクセル3−112の中のサンプル・ウェル3−108への励起エネルギーの経路を図示している。集積デバイスから離れて位置付けされているコンポーネントが、励起供給源3−106を集積デバイスに位置決め及び整合させるために使用され得る。そのようなコンポーネントは、レンズ、ミラー、プリズム、アパーチャ、アッテネータ、及び/又は光ファイバーを含む、光学的なコンポーネントを含むことが可能である。1つ又は複数のアライメント・コンポーネントの制御を可能にするように構成されている追加的な機械的なコンポーネントが、機器の中に含まれ得る。そのような機械的なコンポーネントは、アクチュエータ
、ステッピング・モータ、及び/又はノブを含むことが可能である。集積デバイスは、励起エネルギー3−130を集積デバイスの中のピクセルに向けて方向付けするコンポーネントを含む。それぞれのピクセル3−112の中で、励起エネルギーは、ピクセルに関連付けられるサンプル・ウェル3−108にカップリングされている。
図3−1Bは、ピクセルの横列の中のそれぞれのサンプル・ウェルにカップリングする励起エネルギーを図示しているが、いくつかの実施形態では、励起エネルギーは、横列の中のピクセルのすべてにカップリングしなくてもよい。いくつかの実施形態では、励起エネルギーは、ピクセルの一部分、又は、集積デバイスのピクセルの横列の中のサンプル・ウェルにカップリングすることが可能である。励起エネルギーは、サンプル・ウェルの中に位置付けされているサンプルを照射することが可能である。サンプルは、励起エネルギーによって照射されていることに応答して、励起された状態に到達することが可能である。サンプルが励起された状態になっているときに、サンプルは、エミッション・エネルギーを放出することが可能であり、エミッション・エネルギーは、センサーによって検出され得る。
図3−1Bは、サンプル・ウェル3−108からピクセル3−112のセンサー3−110へのエミッション・エネルギー3−140の経路(実線として示されている)を概略的に図示している。ピクセル3−112の中のセンサー3−110は、サンプル・ウェル3−108からのエミッション・エネルギーを検出するように構成及び位置決めされ得る。いくつかの実施形態では、センサー3−110は、1つ又は複数のサブ・センサーを含むことが可能である。
【0126】
複数のサンプルを含有する試料が複数のマーカによって標識され、複数のマーカがエミッション・エネルギーによって特定可能であるときには、サンプル・ウェルとセンサーとの間のピクセルの中の経路は、エミッション・エネルギーに基づいて複数のマーカを特定することを支援する1つ又は複数のコンポーネントを含むことが可能である。コンポーネントは、センサーに向けてエミッション・エネルギーの焦点を合わせることが可能であり、また、追加的に又は代替的に、特性エネルギー又は波長を有するエミッション・エネルギーを空間的に分離することが可能である。いくつかの実施形態では、集積デバイスは、エミッション・エネルギーのスペクトル範囲に依存する放射線パターンの中へエミッション・エネルギーを方向付けするコンポーネントを含むことが可能である。センサー、又は、複数のサブ・センサーを含有するセンサー領域は、放射線パターンに依存するエミッション・エネルギーの空間的な分布を検出することが可能である。異なるエミッション・エネルギー及び/又はスペクトル範囲を放出するマーカは、異なる放射線パターンを形成することが可能である。センサー又はセンサー領域は、複数のマーカの間のマーカを特定するために使用され得るエミッション・エネルギーの空間的な分布についての情報を検出することが可能である。
【0127】
エミッション・エネルギー又はエネルギーは、センサーによって検出され、少なくとも1つの電気信号に変換され得る。
図2−1Bに示されている機器2−104の集積デバイス・インターフェース2−114などのような、集積デバイス・インターフェースを通して機器に接続されている集積デバイスの回路の中の導電性ラインに沿って、電気信号は送信され得る。電気信号は、その後に処理及び/又は分析され得る。電気信号を処理又は分析することは、機器2−104の上に位置付けされているか、又は、
図2−1Bに示されているコンピューティング・デバイス2−120などのように機器の外に位置付けされている、適切なコンピューティング・デバイスの上で起こることが可能である。
【0128】
集積デバイスは、
図2−2に示されているように出現することが可能である。電子的な構造体、光学的な構造体、及び関連の構造体は、すべて、単一の基板2−200の上へ組み込まれ得る。集積デバイスは、アクティブ・ソース・ピクセル2−205のアレイ及び集積電子回路を含むことが可能である。集積電子回路は、ピクセル・アレイのセンサーにカップリングされているドライブ及び読み出し回路2−215、ならびに、信号処理回路
を含むことが可能である。信号処理回路は、アナログ−デジタル・コンバータ2−217及び1つ又は複数のフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ、ならびに/又はデジタル信号プロセッサー2−219を含むことが可能である。いくつかの実施形態は、より多くの回路コンポーネントを有することが可能であり、いくつかの実施形態は、基板の上に集積された、より少ない回路コンポーネントを有することが可能である。集積デバイスのコンポーネントは、
図2−2では単一のレベルに示されているが、コンポーネントは、基板2−200の上の複数のレベルに製作され得る。
【0129】
いくつかの実施形態では、集積デバイスの上に位置付けされた光学エレメント(図示せず)が存在することが可能であり、それは、1つ又は複数の励起供給源からサンプル・ウェルへ励起エネルギーをガイド及びカップリングするために配置されている。そのような供給源・トゥー・ウェル・エレメントは、プラズモニック構造体、及び、サンプル・ウェルに隣接して位置付けされている他の微細加工された構造体を含むことが可能である。追加的に、いくつかの実施形態では、集積デバイスの上に位置付けされた光学エレメントが存在することが可能であり、それは、サンプル・ウェルから対応するセンサーへエミッション・エネルギーをガイドするために構成されている。そのようなウェル・トゥー・サンプル・エレメントは、サンプル・ウェルに隣接して位置付けされているプラズモニック構造体及び他の微細加工された構造体を含むことが可能である。いくつかの実施形態では、単一のコンポーネントは、励起エネルギーをサンプル・ウェルにカップリングする役割、及び、サンプル・ウェルから対応するセンサーへエミッション・エネルギーを送達する役割の両方の役割を果たすことが可能である。
【0130】
いくつかの実施形態では、集積デバイスは、サンプル・ウェルにおいてサンプルを励起するために使用される2つ以上のタイプの励起供給源を含むことが可能である。たとえば、サンプルを励起するために複数の励起エネルギー又は波長を作り出すように構成された複数の励起供給源が存在することが可能である。いくつかの実施形態では、単一の励起供給源が、サンプル・ウェルの中のサンプルを励起するために使用される複数の波長を放出するように構成され得る。いくつかの実施形態では、集積デバイスのピクセルにおいて、それぞれのセンサーが、サンプルからの異なるエミッション・エネルギー特性を検出するように構成された複数のサブ・センサーを含むことが可能である。
【0131】
動作時には、サンプル・ウェルの中のサンプルの平行分析が、励起供給源を使用してウェルの中のサンプルを励起することによって、及び、センサーによってサンプル・エミッションからの信号を検出することによって、実施される。サンプルからのエミッション・エネルギーは、対応するセンサーによって検出され、少なくとも1つの電気信号に変換され得る。結果として生じる1つ又は複数の信号は、いくつかの実施形態では、集積デバイスの上で処理され、又は、プロセッシング・デバイス及び/又はコンピューティング・デバイスによって処理するための機器へ送信され得る。サンプル・ウェルからの信号は、他のピクセルに関連付けられている信号から独立して受け取られて処理され得る。
【0132】
励起供給源が励起エネルギーをサンプル・ウェルに送達するときには、ウェルの中の少なくとも1つのサンプルが、発光することが可能であり、結果として生じるエミッションが、センサーによって検出され得る。本明細書で使用されているように、「サンプルは発光することが可能である」、又は、「サンプルは放射線を放出することが可能である」、又は、「サンプルからのエミッション」の語句は、発光性タグ、マーカ、又はレポータ、サンプル自身、又は、サンプルに関連付けられている反応生成物が放出された放射線を作り出すことが可能であるということを意味している。
【0133】
いくつかの実施形態では、サンプルは、1つ又は複数のタグによって標識化され得、タグに関連付けられているエミッションは、機器によって識別可能である。たとえば、集積
デバイスのコンポーネントは、サンプル・ウェルからのエミッションに影響を及ぼし、エミッション波長に依存する空間的なエミッション分布パターンを作り出すことが可能である。サンプル・ウェルのための対応するセンサーは、さらに詳細に下記に説明されているように、サンプル・ウェルからの空間的な分布パターンを検出し、異なるエミッション波長を見分ける信号を作り出すように構成され得る。
【0134】
III. 集積デバイス
集積デバイスは、外部励起エネルギー供給源からの励起エネルギーを受け取るように構成され得る。いくつかの実施形態では、デバイスの領域は、集積デバイスの外に位置付けされている励起エネルギー供給源にカップリングするために使用され得る。集積デバイスのコンポーネントは、励起供給源カップリング領域からの励起エネルギーを少なくとも1つのピクセルへガイドすることが可能である。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの導波路は、サンプル・ウェルを有する少なくとも1つのピクセルに励起エネルギーを送達するように構成され得る。サンプル・ウェルの中に位置付けされているサンプルは、励起エネルギーによって照射されていることに応答して、エミッション・エネルギーを放出することが可能である。ピクセルの中に位置付けされている1つ又は複数のセンサーは、エミッション・エネルギーを受け取るように構成されている。
【0135】
A. 励起供給源カップリング領域
いくつかの実施形態では、集積デバイスは、励起供給源カップリング領域を有しており、励起供給源カップリング領域は、外部励起エネルギー供給源にカップリングするように、及び、集積デバイスのピクセル領域の中の少なくとも1つのピクセルに向けて励起をガイドするように構成されている。励起エネルギーを導波路の中へカップリングするための任意の適切なメカニズムが使用され得る。外部励起供給源からの励起エネルギーは、エッジ・カップリングを通して導波路にカップリングされ得る。
図4−1Aに図示されている例として、光ファイバー4−106が、励起エネルギーを伝播するように構成されており、光ファイバー4−106は、集積デバイス4−102の上の導波路4−104とカップリングするように位置決めされている。導波路4−104への光ファイバー4−106のアライメントがモニタリングされ得、光ファイバーによって提供される励起エネルギーを導波路にカップリングすることを実現するようになっている。
【0136】
追加的に又は代替的に、励起供給源カップリング領域は、外部励起供給源とカップリングするように構成されている構造的コンポーネントを含むことが可能である。そのような構造的コンポーネントは、グレーチング・カップラー、及び、テーパ付きの領域を備える導波路を含むことが可能である。そのような実施形態では、励起供給源は、グレーチング・カップラーを介してテーパ付きの導波路に励起エネルギー・カップリングするように位置決めされ得る。サイズ、形状、及び/又はグレーチング構成などのような、グレーチング・カップラーの特徴は、励起供給源からの励起エネルギーを導波路にカップリングすることを改善するように形成され得る。追加的に、導波路の中のテーパは、導波路の中への励起エネルギーの伝播を改善するように形成され得る。グレーチング・カップラー及び導波路テーパのそのような組み合わせは、集積デバイスに対する励起供給源のアライメント及び位置決めにおいて、より多くのトレランスを許容することが可能である。
図4−1Bに図示されている例として、集積デバイス4−112は、グレーチング・カップラー4−116、及び、励起供給源カップリング領域の中に位置付けされているテーパ4−114を有する導波路を含むことが可能である。光ファイバー4−120は、励起エネルギーを導波路にカップリングするために、グレーチング・カップラー4−116に対して位置決め及び整合させられ得る。
【0137】
励起供給源は、集積デバイスの励起供給源カップリング領域の上に形成され得る。励起供給源カップリング領域は、ピクセル・アレイ領域の中の集積デバイスのピクセルから分
離され、及び/又は横方向に変位させられ得る。ピクセル・アレイ領域は、複数のピクセルからなり、それぞれのピクセルは、少なくとも1つの導波路に関連付けられており、少なくとも1つの導波路から、それぞれのピクセルが励起光を受け取ることとなる。集積デバイスの中の導波路は、励起供給源とカップリングすることが可能であり、ピクセル・アレイの中の少なくとも1つのサンプル・ウェルに励起エネルギーを送達するように構成され得る。随意的に、導波路は、第2高調波発生、第3高調波発生、又は和調波発生を実施するための周波数変換領域を含み、供給源から放出される光の波長を変換することが可能である。
図4−2に図示されているように、集積デバイス4−202は、励起供給源カップリング領域4−206及びピクセル・アレイ領域4−210を含む。複数のピクセルが、集積デバイスのピクセル・アレイ領域の中に位置付けされている。導波路4−204が、励起供給源カップリング領域4−206をピクセル・アレイ領域4−210に接続するように形成されている。励起供給源カップリング領域の上に位置決めされている励起供給源は、励起エネルギーを少なくとも1つの導波路にカップリングすることが可能であり、少なくとも1つの導波路は、ピクセル・アレイ領域の中に位置付けされている1つ又は複数のサンプル・ウェルの中へ励起エネルギーを送達するように位置決めされている。いくつかの実施形態では、周波数変換領域4−208が、励起供給源カップリング領域4−206とピクセル・アレイ領域4−210との間に位置付けされ得る。周波数変換領域4−208は、励起供給源によって放出される光の波長を別の波長に変換することが可能である。
【0138】
図4−3Aは、集積デバイス4−302aの励起供給源領域の断面概略図の例である。この例では、励起供給源4−306が、集積デバイス4−302aの中の導波路4−304aの一部分の上方に位置決めされている。導波路4−304aに対する励起供給源4−306の相対的な位置決め及びアライメントは、励起供給源によって放出される励起エネルギーを導波路にカップリングすることを可能にする。導波路は、集積デバイスの上の少なくとも1つのピクセルに向けて励起エネルギーをガイドするように構成され得る。
図4−3Aは、単一の導波路にカップリングする単一の励起供給源を図示しているが、励起供給源及び/又は導波路の任意の適切な数及び配置が、励起供給源カップリング領域の中に提供され得る。たとえば、1つの励起供給源が、複数の導波路にカップリングすることが可能である。追加的に又は代替的に、複数の励起供給源が、1つ又は複数の導波路にカップリングすることが可能である。複数の励起供給源が、1つ又は複数のマーカ又はサンプルを励起するために使用され得る。
【0139】
図4−3Bは、集積デバイス4−302bのピクセル・アレイ領域の中のピクセル領域の例示的な断面図を図示している。
図4−3Bに示されているピクセルは、サンプル・ウェル材料層4−316の中に形成されたサンプル・ウェル4−308、ならびに、センサー4−310a及び4−310bを含む。導波路4−304bは、サンプル・ウェル4−308に近接して位置決めされており、励起供給源カップリング領域の中に位置付けされている励起供給源によって提供される励起エネルギーをサンプル・ウェル4−308にカップリングする。センサー4−310b及び4−310aは、サンプル・ウェル4−308に整合されたピクセル領域の中に位置決めされており、サンプル・ウェル4−308の中に位置付けされているサンプルによって放出されるエミッション・エネルギーを受け取る。さらに議論されることとなるように、この例では2つのセンサーが示されているが、任意の適切な数及び配置のセンサーが、ピクセル領域の中に位置決めされ得る。追加的に又は代替的に、ピクセルの中のサンプル・ウェルに励起エネルギーを送達するように構成されている2つ以上の導波路が存在することが可能である。
【0140】
例として、垂直共振器面発光レーザ(VCSEL)が、励起供給源として、励起供給源カップリング領域の上に形成され得る。励起供給源領域は、対応する導波路の上方に位置決めされている複数のVCSELを含む。VCSELは、励起光を放出し、それは、次い
で、導波路にカップリングされ、導波路は、励起光をピクセル・アレイ領域に向けて方向付けし、そこで、それぞれの導波路は、導波路に関連付けられるそれぞれのピクセルに励起光の一部分をカップリングする。導波路は、少なくとも1つのサンプル・ウェルに向けて励起光を方向付けするように位置決めされている。いくつかの実施形態では、ピクセルの横列又は縦列は、単一の導波路に関連付けられている。いくつかの場合には、周波数変換領域は、VCSELから放出される光とは異なる波長の光を生成させることが可能である。たとえば、周波数変換領域は、VCSELによって放出される光をより短い波長の光に変換することが可能である。他の実施形態では、周波数変換領域は、VCSELから放出される光をより長い波長を有する光に変換することが可能である。
【0141】
複数の励起供給源が、集積デバイスの上に位置付けされているピクセルに励起エネルギーを提供するために使用され得る。いくつかの実施形態では、ピクセルのそれぞれの横列は、複数の励起供給源のうちの1つにカップリングされている導波路によって照射され得る。
図4−4に図示されているように、複数の励起供給源4−406a、4−406b、及び4−406cが、集積デバイス4−402の上に位置付けされているピクセル4−412に向けて励起エネルギーを担持するように構成されている導波路にカップリングすることが可能である。励起供給源、導波路、及びピクセルの配置に関して任意の適切な構成が使用され得る。
図4−4に示されている例示的な構成は、ピクセルのそれぞれの横列を照射するように使用される励起供給源を交互に入れ替える。たとえば、励起供給源4−406aが、導波路4−404aを通してピクセルの第1の横列にカップリングしており、同様に、追加的な導波路を通して、ピクセルの第4の横列、ピクセルの第7の横列、及び、ピクセルの第10の横列にカップリングしている。同様に、励起供給源4−406bが、たとえば、ピクセルの第11の横列に接続している導波路4−404bなどを通して、ピクセルの第2、第5、第8、及び第11の横列にカップリングしている。励起供給源4−406cは、ピクセルの第3、第6、第9、及び第12の横列にカップリングしている。いくつかの実施形態では、励起供給源4−406a、4−406b、及び4−406cは、複数の励起供給源からなることが可能である。たとえば、VCSEL光供給源を備えるいくつかの実施形態では、VCSELの複数の縦列が使用され得、それぞれのVCSELが別の縦列からの少なくとも1つのVCSELに垂直方向に重なり合うようになっている。ピクセルのそれぞれの横列は、別々のVCSELによって照射されており、VCSELの縦列は、
図4−4に示されている例示的な構成などのように、ピクセルのそれぞれの横列に関して交互に入れ替わる。
B. 導波路
導波路を備える集積デバイスの実施形態では、導波路は、励起エネルギーを1つ又は複数のサンプル・ウェルに送達するように任意の適切な方式で設計され得る。導波路は、バスとしての役割を果たし、励起エネルギーを複数のピクセルにカップリングすることが可能である。励起エネルギーが、1つ又は複数のサンプル・ウェルに関連付けられる導波路に沿って伝播するとき、励起エネルギーの一部分が、(1つ又は複数の)サンプル・ウェルに送達され得る。単一の導波路が、集積デバイスの中のピクセルの横列又は縦列に励起エネルギーを送達することが可能である。導波路は、サンプル・ウェルの中へ及び/又はサンプル・ウェルの近くの領域の中に延在するエバネッセント・テールを有する光学的なモードを担持することが可能である。サンプル・ウェルの近くに位置付けされている追加的なエネルギー・カップリング構造体が、エバネッセント・テールからのエネルギーをサンプル・ウェルの中へカップリングすることが可能である。代替的に又は追加的に、導波路からのエネルギーをサンプル・ウェルの付近に向けて方向付けするために、構造体が含まれ得る。
【0142】
集積デバイスのピクセルの中の他のコンポーネントに対する導波路の位置及び配置は、励起エネルギーをサンプル・ウェルに向けてカップリングすることを改善するように、センサーによるエミッション・エネルギーの収集を改善するように、及び/又は、励起エネ
ルギーによってもたらされる信号雑音を低減させるように構成され得る。導波路は、サンプル・ウェルから放出されるエミッション・エネルギーとの干渉を低減させるように、サンプル・ウェルに隣接してサイズ決め及び位置付けされ得る。たとえば、サンプル・ウェルからのエミッションが、それがピクセルのセンサーへ伝播するときに、同じ材料を等しく通過するように、導波路の幅が増加させられ得る。いくつかの実施形態では、サンプル・ウェルと導波路との間の距離及び導波路厚さは、導波路材料界面からの反射を最小化するように選択され得る。距離及び厚さは、導波路及び取り囲む材料の屈折率に依存することとなる。いくつかの実施形態では、導波路層は、おおよそ1.90の屈折率及びおおよそ100nmの厚さを備える窒化ケイ素から構成されており、取り囲む材料は、おおよそ1.46の屈折率を備える二酸化ケイ素である。いくつかの実施形態によれば、導波路によるエミッション・エネルギーの反射は、いくつかの実施形態では、約5%未満、いくつかの実施形態では、約2%未満、さらに、いくつかの実施形態では、約1%未満まで低減され得る。
【0143】
導波路は、ピクセルを通過することが可能であり、また、
図4−3Bの例示的な集積デバイスに示されているように、サンプル・ウェルとセンサーとの間に位置付けされ得る。しかし、いくつかの実施形態では、サンプル・ウェルは、導波路とセンサーとの間に位置付けされ得る。導波路は、たとえば、センサーと中心−中心で整合させられ得、導波路の中心が、サンプル・ウェルの中心と実質的に整合させられるようになっている。いくつかの実施形態では、導波路は、サンプル・ウェルとの中心−中心アライメントから変位させ得る。いくつかの実施形態では、2つの実質的に平行な導波路が、同じ波長又は異なる波長の励起エネルギーをピクセルに送達することが可能であり、サンプル・ウェルが、2つの導波路の間に位置付けされ得る。いくつかの実施形態では、集積デバイスの中の異なるレベルにおける複数の導波路が、集積デバイスの上に位置付けされている1つ又は複数のサンプル・ウェルの付近に向けて励起エネルギーを方向付けすることが可能である。
【0144】
導波路は、単一横断方向の放射線モードをサポートするように寸法決めされ得、又は、マルチ横断方向の放射線モードをサポートするように寸法決めされ得る。いくつかの実施形態では、導波路は、その端部に形成された高反射セクションを有することが可能であり、それが、導波路の中の長手方向のスタンディング・モードをサポートするようになっている。いくつかの実施形態では、高反射セクションは、単一の高反射表面からなる。他の実施形態では、高反射セクションは、複数の反射構造体からなり、それらは、全体として、高反射率を結果として生じさせる。導波路は、導波路ビーム・スプリッターを使用して、より高い出力強度を有する単一の励起供給源からの励起エネルギーをスプリットし、単一の励起供給源から複数の励起エネルギー・ビームを生成させるように構成され得る。そのようなビーム・スプリッターは、エバネッセント・カップリング・メカニズムを含むことが可能である。
【0145】
導波路の1つ又は複数のパラメーターは、励起エネルギーの1つ又は複数の波長を伝播するように選択され得る。導波路及び取り囲む材料の両方の材料は、導波路を通した励起エネルギーの伝播を改善するために選択され得る。導波路4−304b及び取り囲む材料4−318の例が、
図4−3Bに示されている。導波路又は取り囲む材料のいずれかのための材料が、特定の屈折率、又は、屈折率の組み合わせのために選択され得る。例示的な導波路材料は、窒化ケイ素(Si
xN
y)、酸窒化ケイ素、炭化ケイ素、酸化タンタル(TaO
2)、二酸化アルミニウムを含む。例示的な導波路を取り囲む材料は、二酸化ケイ素(SiO
2)及び酸化ケイ素を含む。材料の組み合わせは、導波路、及び/又は、導波路を取り囲む材料のいずれかのために選択され得る。いくつかの実施形態では、導波路は、二酸化ケイ素によって取り囲まれる窒化ケイ素から作製されている。
【0146】
追加的に、導波路の寸法は、励起エネルギーの伝播を改善するように選択され得る。例
示的な実施形態として、導波路は、おおよそ0.5μmの断面幅及びおおよそ0.1μmの断面高さを有することが可能であり、かつ、サンプル・ウェル層の下方おおよそ0.5μmに位置決めされ得る。いくつかの場合には、導波路は、サンプル・ウェル層の下方おおよそ0.5μmに位置決めされ得る。別の例示的な実施形態では、導波路は、おおよそ1μmの断面幅及び0.18μmの断面高さを有することが可能であり、かつ、サンプル・ウェル層の下方0.3μmに位置決めされ得る。
【0147】
C.サンプル・ウェル
いくつかの実施形態によれば、サンプル・ウェル5−210は、集積デバイスの1つ又は複数のピクセルにおいて形成され得る。サンプル・ウェルは、基板5−105の表面に形成された小さい体積又は領域からなることが可能であり、小さい体積又は領域は、
図5−1に示されているように、サンプル5−101が、基板の表面の上に堆積された試料から、サンプル・ウェルの中へ、及び、サンプル・ウェルの外へ拡散し得るように、配置されている。さまざまな実施形態では、サンプル・ウェル5−210は、励起供給源5−240からの励起エネルギーを受け取るように配置され得る。サンプル・ウェルの中へ拡散するサンプル5−101は、一時的に又は永久的に、接着性物質(adherent)5−211によってサンプル・ウェルの励起領域5−215の中に保持され得る。励起領域において、サンプルは、励起エネルギー(たとえば、励起放射線5−247)によって励起され得、その後に放射線を放出することが可能であり、放射線は、観察及び評価され、サンプルを特徴付けることが可能である。
【0148】
動作のさらなる詳細では、分析されることとなる少なくとも1つのサンプル5−101が、たとえば、サンプルの流体懸濁を含有する試料(図示せず)から、サンプル・ウェル5−210の中へ導入され得る。基板の上の励起供給源5−240からのエネルギーは、サンプル又は少なくとも1つのタグ(生物学的なマーカ、レポータ、又はプローブとも称される)を励起することが可能であり、少なくとも1つのタグは、サンプルに取り付けられており、又は、そうでなければ、それがサンプル・ウェルの中の励起領域5−215の中にある間に、サンプルに関連付けられている。いくつかの実施形態によれば、タグは、発光性分子(たとえば、発光性タグ又はプローブ)又は量子ドットであることが可能である。いくつかの実施形態では、サンプルを分析するために使用される2つ以上のタグが存在することが可能である(たとえば、ジェイ.エイド(J.Eid)らによる「単一のポリメラーゼ分子からのリアルタイムDNAシークエンシング(Real−Time DNA Sequencing from Single Polymerase Molecules)」、Science 323、p.133(2009)(それは本願明細書に援用される)に説明されているような、単一分子遺伝子シークエンシングのために使用される別個のタグ)。励起の間に及び/又は励起の後に、サンプル又はタグは、エミッション・エネルギーを放出することが可能である。複数のタグが使用されるときには、それらは、異なる特性エネルギーで放出し、及び/又は、異なる時間特性によって放出することが可能である。サンプル・ウェルからのエミッションは、センサー3−260へ放射し、又は、そうでなければ、センサー5−260へ進むことが可能であり、センサー3−260において、それらは検出され、電気信号へと変換され、電気信号は、サンプルを特徴付けるために使用され得る。
【0149】
いくつかの実施形態によれば、サンプル・ウェル5−210は、
図5−2に示されているように、部分的に囲まれた構造体であることが可能である。いくつかの実施形態では、サンプル・ウェル5−210は、材料5−230の少なくとも1つの層の中に形成されたサブミクロン・サイズのホール又は開口部(少なくとも1つの横断方向の寸法D
swによって特徴付けられる)からなる。いくつかのケースでは、ホールは、「ナノアパーチャ」と称され得る。いくつかの実施形態によれば、サンプル・ウェルの横断方向の寸法は、おおよそ20ナノメートルからおおよそ1ミクロンの間であることが可能であるが、いくつ
かの実施形態では、より大きいサイズ及びより小さいサイズが使用され得る。サンプル・ウェル5−210の体積は、いくつかの実施形態では、約10
−21リットルから約10
−15リットルの間であることが可能である。サンプル・ウェルは、導波路として形成され得、導波路は、伝播モードをサポートすることが可能であり、又は、伝播モードをサポートすることが可能ではない。いくつかの実施形態では、サンプル・ウェルは、直径(又は、最大の横断方向の寸法)D
swを備える円筒形状の形状(又は、他の形状)を有するナノアパーチャとして形成され得る。サンプル・ウェルが導波路構造であって、その導波路構造に入射する放射の選択した波長について伝播モードをサポートしないときには、サンプル・ウェルは、サンプル・ウェルであるゼロ・モード導波路(ZMW)の役割を果たすことがある。ZMWは、ナノ・スケール・ホールとして単一の金属層の中に形成され得、それは、ホールを通して伝播光学モードをサポートしない。
【0150】
サンプル・ウェル5−210は小さい体積を有しているので、サンプルが、自然環境において見出されるものと同様の濃度で、検査される試料の中に濃縮され得るとしても、それぞれのピクセルにおける単一のサンプル・イベント(たとえば、単一分子イベント)の検出が可能である可能性がある。たとえば、サンプルのマイクロモル濃度は、集積デバイスに接触して設置されている試料の中に存在することが可能であるが、ピクセル・レベルにおいて、単に約1つだけのサンプル(又は、単一分子イベント)が、任意の所与の時間においてサンプル・ウェルの中にあることが可能である。統計的に、いくつかのサンプル・ウェルは、サンプルを含有しない可能性があり、いくつかは、2つ以上のサンプルを含有する可能性がある。しかし、かなりの数のサンプル・ウェルが、単一のサンプルを含有する可能性があり、多数のピクセルに関して、単一分子分析が並行して実施され得るようになっている。集積デバイスのサンプル・ウェルが統計的に、サンプルを収容しないか1つのサンプルしか収容しない可能性があるような寸法であることによって、単一分子の分析を行い得る。しかいながら、サンプル・ウェルは1つを超えるサンプルを収容してもよい。単一分子又は単一のサンプル・イベントが、それぞれのピクセルにおいて分析され得るので、集積デバイスは、そうでなければアンサンブル平均の中に気付かれずに終わる可能性のある珍しいイベントを検出することを可能にする。
【0151】
サンプル・ウェルの横断方向の寸法D
swは、いくつかの実施形態では、約500ナノメートル(nm)から約1ミクロンの間であることが可能であり、いくつかの実施形態では、約250nmから約500nmの間であることが可能であり、いくつかの実施形態では、約100nmから約250nmの間であることが可能であり、さらに、いくつかの実施形態では、約20nmから約100nmの間であることが可能である。いくつかの実施形態によれば、サンプル・ウェルの横断方向の寸法は、おおよそ80nmからおおよそ180nmの間、又は、励起波長又はエミッション波長のおおよそ4分の1から8分の1の間であることが可能である。他の実施態様では、サンプル・ウェルの横断方向の寸法は約120nm〜約170nmである。いくつかの実施形態では、サンプル・ウェル5−210の深さ又は高さは、約50nmから約500nmの間であることが可能である。いくつかの実施形態では、サンプル・ウェル5−210の深さ又は高さは、約80nmから約250nmの間であることが可能である。
【0152】
サブ波長の横断方向の寸法を有するサンプル・ウェル5−210は、少なくとも2つの方式で、集積デバイスのピクセル5−100の動作を改善することが可能である。たとえば、試料の反対側からサンプル・ウェルへ入射する励起エネルギーは、指数関数的に減少するパワーを伴って励起領域5−215の中へカップリングすることが可能であり、サンプル・ウェルを通って試料へは伝播しない。結果として、励起エネルギーは、それが関心のサンプルを励起する励起領域の中で増加され、また、それが背景雑音に寄与し得る他のサンプルを励起するであろう試料の中で低減される。また、ウェルのベース(たとえば、センサー5−260のより近く)において保持されているサンプルからのエミッションは
、好ましくは、センサーに向けて方向付けされる。その理由は、サンプル・ウェルを通って上に伝播するエミッションが、高度に抑制されるからである。これらの効果の両方が、ピクセルにおける信号対雑音比を改善することが可能である。本発明者は、ピクセルにおける信号対雑音レベルをさらに引き上げるように改善され得るサンプル・ウェルのいくつかの態様を認識した。これらの態様は、サンプル・ウェル形状及び構造に関し、また、サンプル・ウェル、及び、サンプル・ウェルから放出された放射線と励起エネルギーをカップリングすることを支援する、隣接する光学的な及びプラズモニック構造体(下記に説明されている)に関する。
【0153】
いくつかの実施形態によれば、サンプル・ウェル5−210は、関心を持っている特定波長の伝播モードをサポートしない構成のナノアパーチャとして形成され得る。いくつかの場合には、ナノアパーチャは閾値波長よりも下にすべてのモードがある構成であり、そのアパーチャはサブ・カットオフ・ナノアパーチャ(SCN)であり得る。たとえば、サンプル・ウェル5−210は、導電層の中の円筒形状のホール又はボアからなることが可能である。サンプル・ウェルの断面は、丸形である必要はなく、いくつかの実施形態では、楕円形、正方形、長方形、又は多角形であることが可能である。励起エネルギー5−247(たとえば、可視又は近赤外の放射線)は、エントランス・アパーチャ5−212を通ってサンプル・ウェルに進入することが可能であり、エントランス・アパーチャ5−212は、
図5−2に示されているように、ウェルの第1の端部において、サンプル・ウェルの壁部5−214によって画定され得る。SCNとして形成されるときには、励起エネルギーは、ナノアパーチャの長さに沿って(たとえば、試料の方向に)指数関数的に減衰することが可能である。いくつかの実施形態では、導波路は、サンプルから放出された放射線に関するSCNからなることが可能であるが、励起エネルギーに関するSCNでなくてもよい。たとえば、サンプル・ウェルによって形成されるアパーチャ及び導波路は、励起エネルギーに関する伝播モードをサポートするのに十分に大きいことが可能である。その理由は、それが、放出される放射線よりも短い波長を有することが可能であるからである。より長い波長において、エミッションは、導波路の中の伝播モードに関するカットオフ波長を超えることが可能である。いくつかの実施形態によれば、サンプル・ウェル5−210は、励起エネルギーに関するSCNからなることが可能であり、励起エネルギーの最大強度が、サンプル・ウェル5−210へのエントランスにおいて、サンプル・ウェルの励起領域5−215に局所化されるようになっている(たとえば、図面に示されているように、層5−235と層5−230との間の界面の近くに局所化される)。そのような励起エネルギーの局所化は、サンプルからのエミッション・エネルギーの局所化を改善することが可能であり、また、観察されるエミッションを、単一のサンプル(たとえば、単一分子)から放出されたものに限定することが可能である。
【0154】
SCNのエントランスの近くの励起局所化の例が、
図5−3に示されている。数値シミュレーションが、SCNとして形成されたサンプル・ウェル5−210の中及び近くの励起放射線の強度を決定するために実施された。結果は、励起放射線の強度が、サンプル・ウェルのエントランス・アパーチャにおいて、入射エネルギーの約70%であり、サンプル・ウェルの中の約100nm以内で、入射強度の約20%まで降下するということを示している。このシミュレーションに関して、励起エネルギーの特性波長は、633nmであり、サンプル・ウェル5−210の直径は、140nmであった。サンプル・ウェル5−210は、ゴールド・メタルの層の中に形成されていた。グラフの中のそれぞれの水平方向の区分は、50nmである。グラフによって示されているように、サンプル・ウェルの中に受け取られる励起エネルギーの半分より多くが、サンプル・ウェルのエントランス・アパーチャ5−212の中の約50nmに局所化される。
【0155】
サンプル・ウェルにおいて局所化される励起エネルギーの強度を改善するために、他のサンプル・ウェル構造体が、本発明者によって開発及び検討された。
図5−4は、サンプ
ル・ウェルの励起端部においてキャビティー又はディボット5−216を含む、サンプル・ウェルの実施形態を示している。
図5−3のシミュレーション結果の中に見ることができるように、より高い励起強度の領域が、サンプル・ウェルのエントランス・アパーチャ5−212の直前に存在している。いくつかの実施形態によれば、サンプル・ウェルにディボット5−216を追加することは、サンプルがより高い励起強度の領域の中へ移動することを可能にする。いくつかの実施形態では、ディボットの形状及び構造は、(たとえば、層5−235とサンプル・ウェルの中の流体との間の屈折率の差に起因して)局所的な励起場を変更し、ディボットの中の励起エネルギーの強度をさらに増加させることが可能である。
【0156】
ディボットは、任意の適切な形状を有することが可能である。ディボットは、たとえば、丸形、楕円形、正方形、長方形、多角形など、サンプル・ウェルの横断方向の形状に実質的に均等な横断方向の形状を有することが可能である。いくつかの実施形態では、ディボットの側壁部は、サンプル・ウェルの壁部と同様に、実質的に真っ直ぐで垂直方向であることが可能である。いくつかの実施形態では、ディボットの側壁部は、図面に示されているように、傾斜及び/又は湾曲していることが可能である。ディボットの横断方向の寸法は、いくつかの実施形態では、サンプル・ウェルの横断方向の寸法とおおよそ同じサイズであることが可能であり、いくつかの実施形態では、サンプル・ウェルの横断方向の寸法よりも小さいことが可能であり、又は、いくつかの実施形態では、サンプル・ウェルの横断方向の寸法よりも大きいことが可能である。ディボット5−216は、サンプル・ウェルを越えて、おおよそ10nmからおおよそ200nmの間に延在することが可能である。いくつかの実施形態では、ディボットは、サンプル・ウェルを越えて、おおよそ50nmからおおよそ150nmの間に延在することが可能である。ディボットを形成することによって、励起領域5−215は、
図5−4に示されているように、サンプル・ウェルの外側に延在することが可能である。
【0157】
図5−5は、ディボットを含有するサンプル・ウェルに関する励起領域の励起エネルギーの改善を示している(左のシミュレーション・イメージに示されている)。比較のために、励起場が、ディボットなしのサンプル・ウェルに関してもシミュレートされ、それは、右側に示されている。場の大きさは、これらのプロットの中のカラー・レンダリングから変換されており、ディボットのベースにおける暗い領域は、サンプル・ウェルの中の光領域よりも高い強度を表している。サンプル・ウェルの上方の暗い領域は、最低の強度を表している。見ることができるように、ディボットは、サンプル5−101がより高い励起強度の領域へ移動することを可能にし、また、ディボットは、サンプル・ウェルの励起端部において、最高強度の領域の局所化を増加させる。高い強度の領域は、ディボットなしのサンプル・ウェルに関して、より多く分散されるということに留意されたい。いくつかの実施形態では、ディボット5−216は、励起領域において、2倍以上の励起エネルギーの増加を提供する。いくつかの実施形態では、2倍以上の増加は、ディボットの形状及び深さに応じて得られ得る。これらのシミュレーションでは、サンプル・ウェルを含む層はアルミニウムを含有し、約100mの厚さを有し、ディボットは約50nmの深さを有し、励起エネルギーの波長は635nmである。
【0158】
図5−6は、サンプル・ウェル5−210の別の実施形態を示しており、そこでは、サンプル・ウェルが、基板の表面における突出部5−615に形成されている。結果として生じるサンプル・ウェルに関する構造体は、
図5−1に示されているサンプル・ウェルと比較して、サンプルにおける励起エネルギーを2倍以上増加させることが可能であり、サンプル・ウェルからセンサー5−260へのエミッションを濃縮することが可能である。いくつかの実施形態によれば、突出部5−615は、材料の第1の層5−610の中でパターニングされている。いくつかの実施形態では、突出部は導波路を含んでなる。突出部は、いくつかの実施形態では、矩形の断面を有したリッジとして形成され得、材料の第2
の層5−620が、第1の層及び突出部の上方に堆積され得る。突出部において、第2の層は、示されているように、円筒形の部分5−625を近似する突出部の上方の形状を形成することが可能である。いくつかの実施形態では、導電層5−230(たとえば、反射金属)が、第2の層5−620の上方に堆積され、突出部の上方の導電層の中にサンプル・ウェル5−210を形成するようにパターニングされ得る。次いで、ディボット5−216が、第2の層の中へエッチングされ得る。ディボットは、導電層5−230の下方に、約50nmから約150nmの間に延在することが可能である。いくつかの実施形態によれば、第1の層5−610及び第2の層5−620は、光学的に透明であることが可能であり、同じ材料から形成されてもよいし、又は形成されなくてもよい。いくつかの実施形態では、第1の層5−610は、酸化物(たとえば、SiO
2)又は窒化物(たとえば、Si
3N
4)から形成され得、第2の層5−620は、酸化物又は窒化物から形成され得る。
【0159】
いくつかの実施形態によれば、突出部5−625の上方の導電層5−230は、おおよそ円筒形の反射体5−630として形状決めされている。円筒形の部分の形状は、突出部高さh、突出部の幅又は横断方向の寸法w、及び、第2の層5−620の厚さtの選択によって制御され得る。励起領域の場所及びサンプルの位置は、ディボット深さdの選択によって、円筒形の反射体の光学的な焦点に対して調節され得る。円筒形の反射体5−630は、励起領域5−215に励起エネルギーを集中させることが可能であり、また、サンプルから放出された放射線を収集し、センサー5−260に向けて放射線を反射及び集中させることが可能であるということが理解され得る。
【0160】
上述のように、サンプル・ウェルは、任意の適切な形状で形成され得、円筒形状だけに限定されない。いくつかの実施形態では、サンプル・ウェルは、円錐、4面体、5面体などであることが可能である。
図5−7A〜
図5−7Fは、いくつかの実施形態において使用され得るいくつかの例示的なサンプル・ウェル形状及び構造を図示している。サンプル・ウェル5−210は、いくつかの実施形態によれば、励起エネルギーに関する出口アパーチャ5−218よりも大きいエントランス・アパーチャ5−212を有するように形成され得る。サンプル・ウェルの側壁部は、テーパが付けられ、又は、湾曲していることが可能である。サンプル・ウェルをこのように形成することは、より多くの励起エネルギーが励起領域に入ることを許すことが可能であり、試料に向けて進む励起エネルギーをさらに目に見えて減衰させることが可能である。追加的に、サンプルによって放射されるエミッションは、より大きいアパーチャを備えるサンプル・ウェルの端部に向けて、その方向への好ましいエネルギー伝達に起因して、優先的に放射することが可能である。
【0161】
いくつかの実施形態では、ディボット5−216は、
図5−7Bに示されているように、サンプル・ウェルのベースよりも小さい横断方向の寸法を有することが可能である。より小さいディボットは、ディボットをエッチングする前に、サンプル・ウェルの側壁部を犠牲層によってコーティングし、その後に、犠牲層を除去することによって形成され得る。より小さいディボットは、サンプル・ウェルの導電性壁部からより等距離にある領域の中にサンプルを保持するように形成され得る。サンプル・ウェルの壁部から等距離にサンプルを保持することは、放射しているサンプルへの、サンプル・ウェル壁部の望ましくない効果、たとえば、エミッションの消光、及び/又は、放射線寿命時間の変更を低減させることが可能である。
【0162】
図5−7C及び
図5−7Dは、サンプル・ウェルの別の実施形態を示している。この実施形態によれば、サンプル・ウェル5−210は、励起エネルギー増強構造体5−711と、励起エネルギー増強構造体に隣接して形成された接着性物質5−211とからなることが可能である。エネルギー増強構造体5−711は、いくつかの実施形態によれば、光学的に透明な層5−235の上の導電性材料の中に形成された表面プラズモン又はナノ・
アンテナ構造体からなることが可能である。
図5−7Cは、サンプル・ウェル5−210及び直ぐ近くの構造体の立面図を示しており、
図5−7Dは、平面図を示している。励起エネルギー増強構造体5−711は、小さい局所化された領域の中に励起エネルギーを増強するように、形状決め及び配置され得る。たとえば、構造体は、サンプル・ウェルにおいて、鋭角を有する先の尖った導体を含むことが可能であり、それは、励起領域5−215の中の励起エネルギーの強度を増加させる。示されている例では、励起エネルギー増強構造体5−711は、ちょうネクタイの形態になっている。領域の中へ拡散するサンプル5−101は、接着性物質5−211によって、一時的に又は永久的に保持され、また、サンプル・ウェル5−210に隣接して位置付けされている励起供給源5−240から送達され得る励起エネルギーによって励起され得る。いくつかの実施形態によれば、励起エネルギーは、エネルギー増強構造体5−711の中の表面プラズモン電流を駆動することが可能である。結果として生じる表面プラズモン波は、構造体5−711の鋭く尖った先において高い電界を作り出すことが可能であり、これらの高い電界は、励起領域5−215の中に保持されているサンプルを励起することが可能である。いくつかの実施形態では、
図5−7Cに示されているサンプル・ウェル5−210は、ディボット5−216を含むことが可能である。
【0163】
サンプル・ウェルの別の実施形態が、
図5−7Eに示されており、サンプル・ウェル5−210の内部壁部に沿って形成された励起エネルギー増強構造体5−720を示している。励起エネルギー増強構造体5−720は、金属又は導体からなることが可能であり、角度付き(又は、シャドウ)の指向性堆積を使用して形成され得、そこでは、サンプル・ウェルがその上に形成される基板が、堆積の間に回転させられる。堆積の間に、サンプル・ウェル5−210のベースは、ウェルの上側壁部によって覆い隠されており、堆積される材料がベースに蓄積しないようになっている。結果として生じる構造体5−720は、構造体の底部において鋭角5−722を形成することが可能であり、導体のこの鋭角は、サンプル・ウェルの中の励起エネルギーを増強することが可能である。
【0164】
図5−7Eに示されている実施形態では、サンプル・ウェルがその中に形成されている材料5−232は、導体である必要はなく、任意の適切な誘電体であることが可能である。いくつかの実施形態によれば、サンプル・ウェル5−210及び励起エネルギー増強構造体5−720は、誘電体層5−235の中へエッチングされた有底のホールに形成され得、別々の層5−232が堆積させられる必要はない。
【0165】
いくつかの実施形態では、シャドウ・エバポレーションが、その後に、
図5−7Eに示されている構造体の上に行われ、サンプル・ウェルのベースにおいて、金属製の又は導電性のエネルギー増強構造体、たとえば、点線によって示されているように、台形の構造体又は先の尖った円錐を堆積させることが可能である。エネルギー増強構造体は、表面プラズモンを介して、サンプル・ウェルの中に励起エネルギーを増強することが可能である。シャドウ・エバポレーションの後に、平坦化プロセス(たとえば、化学的で機械的なポリッシング工程又はプラズマ・エッチング・プロセス)が行われ、サンプル・ウェルの上部において、エネルギー増強構造体をウェルの中に残しながら、堆積された材料を除去し、又はエッチ・バックする(etch back)ことが可能である。
【0166】
いくつかの実施形態では、サンプル・ウェル5−210は、単一の金属層よりも多くから形成され得る。
図5−7Fは、多層構造体の中に形成されたサンプル・ウェルを図示しており、異なる材料が、異なる層に関して使用され得る。いくつかの実施形態によれば、サンプル・ウェル5−210は、第1の層5−232(それは、半導体材料又は導電性材料であることが可能である)、第2の層5−234(それは、絶縁体又は誘電体であることが可能である)、及び第3の層5−230(それは、導体又は半導体であることが可能である)の中に形成され得る。いくつかの実施形態では、縮退的にドープされた半導体又
はグラフェンが、サンプル・ウェルの層に関して使用され得る。いくつかの実施形態では、サンプル・ウェルは、2つの層の中に使用され得、他の実施形態では、サンプル・ウェルは、4つ以上の層の中に形成され得る。いくつかの実施形態では、サンプル・ウェルを形成するために使用される多層材料は、サンプル・ウェルに入射する励起放射線によって生成され得る界面の励起子を増加し又は抑制するように選択され得る。いくつかの実施形態では、サンプル・ウェルを形成するために使用される多層材料は、サンプル・ウェルのベースにおいて表面プラズモン発生を増加させ、又は、ウェルの上部において、表面プラズモン放射線を抑制するように選択され得る。いくつかの実施形態では、サンプル・ウェルを形成するために使用される多層材料は、サンプル・ウェル及び多層構造体を越えてバルク試料の中へ伝播する励起放射線を抑制するように選択され得る。いくつかの実施形態では、サンプル・ウェルの形成に用いられる多層材料は、サンプル・ウェルに入射する励起放射線によって生成され得る界面の励起子を増加し又は抑制するように選択され得る。
【0167】
さまざまな材料が、先述の実施形態において説明されているサンプル・ウェルを形成するために使用され得る。いくつかの実施形態によれば、サンプル・ウェル5−210は、材料5−230の少なくとも1つの層から形成され得、材料5−230は、導電性材料、半導体、及び絶縁体のうちのいずれか1つ又はそれらの組み合わせからなることが可能である。いくつかの実施形態では、サンプル・ウェル5−210は、高度に導電性の金属製の層、たとえば、金、銀、アルミニウム、銅からなる。いくつかの実施形態では、層5−230は、金、銀、アルミニウム、銅、チタン、窒化チタン、パラジウム、プラチナ、及びクロムのうちのいずれか1つ又はそれらの組み合わせを含む多層スタックからなることが可能である。いくつかの実施形態では、他の金属は、追加的に又は代替的に使用され得る。いくつかの実施形態によれば、サンプル・ウェルは、AlCu又はAlSiなどのような、合金からなることが可能である。
【0168】
いくつかの実施形態では、異なる金属又は合金の複数の層が、サンプル・ウェルを形成するために使用され得る。いくつかの実施形態では、サンプル・ウェル3−210がその中に形成される材料は、金属及び非金属の交互層、たとえば、金属及び1つ又は複数の酸化物の交互層からなることが可能である。いくつかの実施形態では、非金属は、ポリビニルホスホン酸又はポリエチレングリコール(PEG)−チオールなどのような、ポリマーを含むことが可能である。
【0169】
サンプル・ウェルがその中に形成される層5−230は、いくつかの実施形態によれば、少なくとも1つの光学的に透明な層5−235の上に、又は、少なくとも1つの光学的に透明な層3−235に隣接して堆積され得、(光学的な放射線の形態、たとえば可視又は近赤外の放射線の)励起エネルギー及び(光学的な放射線の形態、たとえば可視又は近赤外の放射線の)エミッション・エネルギーが、ほとんど減衰なしに、サンプル・ウェル5−210へ、及び、サンプル・ウェル5−210から進むことが可能であるようになっている。たとえば、励起供給源5−240からの励起エネルギーは、少なくとも1つの光学的に透明な層5−235を通過し、励起領域5−215に至ることが可能であり、サンプルからのエミッションは、1つ又は複数の同じ層を通過し、センサー5−260に至ることが可能である。
【0170】
いくつかの実施形態では、サンプル・ウェル5−210の少なくとも1つの表面が、
図5−8に示されているように、サンプル・ウェルの中のサンプルの作用に影響を及ぼす材料の1つ又は複数の層5−211、5−280によってコーティングされ得る。たとえば、薄い誘電体層5−280(たとえば、アルミナ、窒化チタン、又はシリカ)が、サンプル・ウェルの側壁部の上に、不動態化コーティングとして堆積され得る。そのようなコーティングは、励起領域5−215の外側のサンプルのサンプル付着を低減させるように、又は、サンプルとサンプル・ウェル5−210がその中に形成されている材料5−230
との間の相互作用を低減させるように実施され得る。サンプル・ウェルの中の不動態化コーティングの厚さは、いくつかの実施形態によれば、約5nmから約50nmの間であることが可能である。
【0171】
いくつかの実施形態では、コーティング層5−280のための材料は、その材料に関する化学剤の親和性に基づいて選択され得、層5−280は、化学的な又は生物学的な物質によって処置され、層へのサンプル種の付着をさらに阻止し得るようになっている。たとえば、コーティング層5−280は、アルミナからなることが可能であり、それは、いくつかの実施形態によれば、ポリホスホネート不動態化層によって不動態化され得る。追加的な又は代替的なコーティング剤及び不動態化剤が、いくつかの実施形態では使用され得る。
【0172】
いくつかの実施形態によれば、少なくともサンプル・ウェル5−210の底部表面及び/又はディボット5−216は、化学的な又は生物学的な接着性物質5−211(たとえば、ビオチン)によって処置され、サンプルの保持を推進させることが可能である。サンプルは、たとえば、少なくとも約0.5ミリ秒から約50ミリ秒の間の時間の期間にわたって、永久的に又は一時的に保持され得る。別の実施形態では、接着性物質は、より長い期間にわたるサンプル5−101の一時的な保持を推進することが可能である。任意の適切な接着性物質は、さまざまな実施形態において使用され得、ビオチンに限定されない。
【0173】
いくつかの実施形態によれば、サンプル・ウェルに隣接する材料5−235の層は、その層の材料に関する接着性物質の親和性に基づいて選択され得る。いくつかの実施形態では、サンプル・ウェルの側壁部の不動態化は、側壁部の上の接着性物質のコーティングを阻止することが可能であり、接着性物質5−211がサンプル・ウェルのベースに優先的に堆積するようになっている。いくつかの実施形態では、接着性物質コーティングは、サンプル・ウェルの側壁部の一部分の上に延在することが可能である。いくつかの実施形態では、接着性物質は、異方性の物理的な堆積プロセス(たとえば、エバポレーション、スパッタリング)によって堆積され得、接着性物質がサンプル・ウェルのベース又はディボットに蓄積するように、及び、サンプル・ウェルの側壁部の上に目に見えて形成しないようになっている。
【0174】
さまざまな製作技法が、集積デバイスのためのサンプル・ウェル5−210を製作するために用いられ得る。いくつかの例示的なプロセスが、下記に説明されているが、しかし、本発明は、これらの例だけに限定されない。
【0175】
サンプル・ウェル5−210は、任意の適切なマイクロ・ファブリケーション又はナノ・ファブリケーション・プロセスによって形成され得、それは、それに限定されないが、フォトリソグラフィー、深紫外線フォトリソグラフィー、液浸フォトリソグラフィー、近接場光学コンタクト・フォトリソグラフィー、EUVリソグラフィー、X線リソグラフィー、ナノ・インプリント・リソグラフィー、インターフェロメトリック・リソグラフィー、工程・アンド・フラッシュ・リソグラフィー、ダイレクト・ライト・電子ビーム・リソグラフィー、イオン・ビーム・リソグラフィー、イオン・ビーム・ミリング、リフト・オフ・プロセッシング、反応性イオン・エッチングなどに関連付けられているプロセッシング工程を含むことが可能である。いくつかの実施形態によれば、サンプル・ウェル5−210は、フォトリソグラフィー及びリフト・オフ・プロセッシングを使用して形成され得る。サンプル・ウェルのリフト・オフ・プロセッシングに関連付けられている例示的な製作工程が、
図5−9に示されている。ピクセルにおいて、単一のサンプル・ウェル又は構造体だけの製作が典型的に図面に示されているが、多数のサンプル・ウェル又は構造体が、(たとえば、それぞれのピクセルにおいて)並行して基板の上に製作され得るということが理解されることとなる。
【0176】
いくつかの実施形態によれば、基板の上の層5−235(たとえば、酸化物層)は、
図5−9Aに示されているように、反射防止(ARC)層5−910及びフォトレジスト5−920によって被覆され得る。フォトレジストは、フォトリソグラフィー及びレジストの現像を使用して、露出及びパターニングされ得る。レジストは、(レジスト・タイプに応じて)露出された部分又は露出されていない部分を除去するように現像され、ピラー5−922を残すことが可能であり、ピラー5−922は、
図5−9Bに示されているように、サンプル・ウェルに関する所望の直径におおよそ等しい直径を有している。ピラーの高さは、サンプル・ウェルの所望の深さとは有意に異なっている可能性がある。たとえば、ピラーの高さはサンプル・ウェルの所望の深さよりも有意に大きいことが可能である。
【0177】
ピラー5−922のパターンは、たとえば
図5−9Cに示されているように、異方性の反応性イオン・エッチング(RIE)を介してARC層5−910に伝達され得る。次いで、領域は、サンプル・ウェルを形成するために望まれる少なくとも1つの材料5−230、たとえば、導体又は金属によってコーティングされ得る。堆積された1つ又は複数の材料の一部分は、
図5−9Dに示されているように、ピラー5−922の上方にキャップ5−232を形成している。次いで、レジスト及びARCは、選択的な除去プロセスを使用して(たとえば、少なくともレジストを溶解させ、キャップを解放又は「リフト・オフ」する、撹拌ありの又はなしの化学浴を使用して)、基板から剥がされ得る。ARCが残っている場合には、それは、選択的エッチを使用して基板から剥がされ、
図5−9Eに示されているように、サンプル・ウェル5−210を残すことが可能である。いくつかの実施形態によれば、サンプル・ウェルの側壁部5−214は、少なくとも1つの材料5−230の堆積の性質に起因して、傾斜していることが可能である。
【0178】
本明細書で使用されているように、「選択的エッチ」は、除去されることが意図されない他の材料をエッチャントがエッチングするよりも高いレート(たとえば、少なくとも2倍のレート)で除去又はエッチングされることが望まれる1つの材料を、エッチャントが選択的にエッチングする、エッチング・プロセスを意味している。
【0179】
レジスト及びARCは、典型的にポリマー・ベースのものであるので、それらは、軟質の材料であると考えられ、それは、高いアスペクト比(たとえば、高さ−対−幅に関して約2:1よりも大きいアスペクト比)を有するサンプル・ウェルを形成するのに適切でないことがある。より高いアスペクト比を有するサンプル・ウェルのために、硬質の材料が、リフト・オフ・プロセスの中に含まれ得る。たとえば、ARC及びフォトレジストを堆積させる前に、硬質の層(たとえば、無機材料)が堆積され得る。いくつかの実施形態では、チタン又は窒化ケイ素の層が堆積され得る。硬質の材料の層は、サンプル・ウェルがその中に形成される1つ又は複数の材料5−230の上方に優先的なエッチングを示すべきである。フォトレジストがパターニングされた後で、ピラーのパターンが、ARCの中へ伝達され得、下層にある硬質の材料5−930が、
図5−9Fに示されているような構造体を生み出す。次いで、フォトレジスト及びARCが剥がされ得、材料5−230が堆積され、リフト・オフ工程が行われ、サンプル・ウェルを形成する。
【0180】
いくつかの実施形態によれば、リフト・オフ・プロセスは、
図5−7C及び
図5−7Dに示されているように、エネルギー増強構造体5−711からなるサンプル・ウェルを形成するために使用され得る。
【0181】
サンプル・ウェルを形成するための代替的なプロセスが、
図5−10に示されている。このプロセスでは、サンプル・ウェルは、少なくとも1つの材料5−230の中へ直接的にエッチングされ得る。たとえば、サンプル・ウェルがその中に形成されることとなる少なくとも1つの材料5−230が、基板の上に堆積され得る。層は、
図5−10Aに図示
されているように、ARC層5−910及びフォトレジスト5−920によって被覆され得る。フォトレジストは、
図5−10Bに示されているように、サンプル・ウェルの所望の直径におおよそ等しい直径を有するホールを形成するようにパターニングされ得る。ホールのパターンは、たとえば
図5−10Cに示されているように、異方性の反応性イオン・エッチを使用して、5−230を通してARCに伝達され得る。レジスト及びARCは、剥がされ、
図5−10Dに示されているようなサンプル・ウェルを生み出すことが可能である。いくつかの実施形態によれば、エッチングによって材料5−230の層の中へ形成されるサンプル・ウェルの側壁部は、リフト・オフ・プロセスから結果として生じる側壁部よりも垂直になっていることが可能である。
【0182】
いくつかの実施形態では、フォトレジスト及びARCは、材料5−230の上にハード・マスク(たとえば、窒化ケイ素又は酸化物層。図示せず)をパターニングするために使用され得る。次いで、パターニングされたホールは、ハード・マスクに伝達され得、ハード・マスクは、次いで、材料5−230の層の中へパターンを伝達するために使用される。ハード・マスクは、材料5−230の層の中へのより大きいエッチング深さを可能にすることができ、より高いアスペクト比のサンプル・ウェルを形成するようになっている。
【0183】
サンプル・ウェルがその中に形成される材料5−230のスタックを形成するために、異なる材料の複数の層が使用されるときに、上記に説明されているリフト・オフ・プロセス及びダイレクト・エッチング製作技法が、サンプル・ウェルを形成するために使用され得るということが認識されることとなる。例示的なスタックが、
図5−11に示されている。いくつかの実施形態によれば、サンプル・ウェルの励起領域への励起エネルギーのカップリングを改善するために、又は、バルク試料の中への励起エネルギーの伝送又は再放射を低減させるために、材料のスタックがサンプル・ウェルを形成するために使用され得る。たとえば、吸収層5−942が、第1の層5−940の上に堆積させられ得る。第1の層は、金属又は金属合金からなることが可能であり、吸収層は、表面プラズモンを阻止する材料、たとえば、アモルファス・シリコン、TaN、TiN、又はCrからなることが可能である。また、いくつかの実施形態では、表面層5−944は、サンプル・ウェルを取り囲む表面を不動態化させる(たとえば、分子の付着を阻止する)ために堆積され得る。
【0184】
ディボット5−216を含んでなるサンプル・ウェルの形成は、任意の適切な様式で行われ得る。いくつかの実施形態では、ディボットは、サンプル・ウェルに隣接して、エッチングによって、さらに、隣接する層5−235、及び/又は任意の1つ又は複数の介在層の中へ形成され得る。たとえば、材料5−230の層の中にサンプル・ウェルを形成した後に、その層5−230は、
図5−12に示されているように、ディボットをパターニングするためのエッチ・マスクとして使用され得る。たとえば、基板は、選択的な異方性の反応性イオン・エッチを受けることが可能であり、ディボット5−216が、隣接する層5−235の中へエッチングされ得るようになっている。たとえば、材料5−230が金属製であり、隣接する層5−235が酸化ケイ素である実施形態では、CHF
3又はCF
4からなるフィード・ガスを有する反応性イオン・プラズマ・エッチが使用され、サンプル・ウェルの下方の露出された酸化ケイ素を優先的に除去し、ディボット5−216を形成することが可能である。本明細書で使用されているように、「酸化ケイ素」は、一般的に、SiO
xを表しており、たとえば、二酸化ケイ素を含むことが可能である。
【0185】
いくつかの実施形態では、エッチの間のプラズマの中の条件(たとえば、基板に対するバイアス及び圧力)は、ディボットのエッチ・プロファイルを決定するように制御され得る。たとえば、低い圧力(たとえば、約100mTorr未満)及び高いDCバイアス(たとえば、約20Vより大きい)において、エッチングは、高度に異方性であり、図面に示されているように、実質的に真っ直ぐで垂直になっているディボットの側壁部を形成す
ることが可能である。より高い圧力及びより低いバイアスにおいて、エッチングは、より等方性であり、テーパが付けられ及び/又は湾曲しているディボットの側壁部を生み出すことが可能である。いくつかの実施形態では、ウェット・エッチが、ディボットを形成するために使用され得、それは、実質的に等方性であり、サンプル・ウェルの側壁部まで、又は、サンプル・ウェルの側壁部を越えて、材料3−230の下に横方向に延在し得るおおよそ球形のディボットを形成することが可能である。
【0186】
図5−13Aから
図5−13Cは、サンプル・ウェル5−210よりも小さい横断方向の寸法を有するディボット5−216(たとえば、
図5−7Bに示されているもののようなディボット)を形成するために使用され得るプロセス工程を示している。いくつかの実施形態では、サンプル・ウェルを形成した後に、コンフォーマルな犠牲層5−960が、サンプル・ウェルを含む領域の上に堆積され得る。いくつかの実施形態によれば、犠牲層5−960は、たとえば、化学蒸着(CVD)、プラズマ強化CVD、又は原子層堆積(ALD)など、蒸着プロセスによって堆積させられ得る。次いで、犠牲層は、犠牲層5−960に対して選択的な第1の異方性エッチを使用してエッチ・バックされ、水平方向の表面から層を除去し、
図5−13Bに示されているように、サンプル・ウェルの壁部の上に側壁部コーティング5−962を残すことが可能である。エッチ・バックは、選択的であり、いくつかの実施形態では、材料5−230及び隣接する層5−235の上で止まることが可能であり、又は、いくつかの実施形態では、タイミングを選んで行われる非選択的なエッチであることが可能である。
【0187】
隣接する層5−235に対して選択的な第2の異方性エッチが、
図5−13Cに示されているように、隣接する層の中へディボット5−216をエッチングするために実行され得る。次いで、犠牲側壁部コーティング5−962が、随意的に、選択的なウェット・エッチ又はドライ・エッチによって除去され得る。側壁部コーティングの除去は、ディボット5−216よりも大きい横断方向の寸法を有するようにサンプル・ウェルを開口する。
【0188】
いくつかの実施形態によれば、犠牲層5−960は、隣接する層5−235と同じ材料からなることが可能である。そのような実施形態では、第2のエッチは、ディボットが隣接する層5−235の中へエッチングされるときに、側壁部コーティング5−962のうちの少なくともいくつかを除去することが可能である。側壁部コーティングのこのエッチ・バックは、いくつかの実施形態では、テーパが付けられているディボットの側壁部を形成することが可能である。
【0189】
いくつかの実施形態では、犠牲層5−960は、サンプル・ウェルの側壁部を不動態化する(たとえば、サンプル・ウェルの側壁部におけるサンプルの付着を低減させる)ために使用される材料から形成され得、又は、その材料の層を含むことが可能である。次いで、層5−960のうちの少なくともいくつかは、ディボットの形成の後に、サンプル・ウェルの壁部の上に残され得る。
【0190】
いくつかの実施形態によれば、側壁部コーティング3−962の形成は、ディボットの形成の後に起こる。そのような実施形態では、層3−960が、ディボットの側壁部をコーティングしている。そのようなプロセスは、ディボットの側壁部を不動態化するために、及び、ディボットの中心領域内にサンプルを局所化するために使用され得る。
【0191】
サンプル・ウェル5−210のベース、及び、不動態化層5−280に、接着性物質5−211を堆積させることに関連付けられるプロセス工程が、
図5−15に示されている。いくつかの実施形態によれば、サンプル・ウェルは、サンプル・ウェルの壁部の上に第1の不動態化層5−280を含むことが可能である。第1の不動態化層は、たとえば、
図5−13B又は
図5−8に関連して上記に説明されているように形成され得る。いくつか
の実施形態では、第1の不動態化層5−280は、任意の適切な堆積プロセス及びエッチ・バックによって形成され得る。いくつかの実施形態では、第1の不動態化層は、サンプル・ウェルがその中に形成される材料5−230を酸化させることによって形成され得る。たとえば、サンプル・ウェルは、アルミニウムから形成され得、アルミニウムは酸化させられ、サンプル・ウェルの側壁部の上にアルミナのコーティングを生成させることが可能である。
【0192】
接着性物質5−980又は接着性物質前駆体(たとえば、接着性物質に優先的に結合する材料)は、
図5−14Aに示されているように、異方性の物理的な堆積プロセス、たとえば、蒸着を使用して、基板の上に堆積され得る。接着性物質又は接着性物質前駆体は、
図5−14Bに示されているように、サンプル・ウェルのベースに接着性物質層5−211を形成することが可能であり、サンプル・ウェルがその中に形成される材料5−230の上側表面をコーティングすることが可能である。
図5−14Cに示されている、その後の角度付きの指向性堆積(シャドウ堆積又はシャドウ・エバポレーション・プロセスと称される場合もある)が、接着性物質層5−211を被覆することなく、材料5−230の上側表面の上に第2の不動態化層5−280を堆積させるために使用され得る。シャドウ堆積プロセスの間に、基板が、基板に対して垂直の軸線の周りに回転させられ得、第2の不動態化層5−280が、サンプル・ウェルの上側リムの周りにより均一に堆積するようになっている。結果として生じる構造体が、いくつかの実施形態によれば、
図5−14Dに示されている。第2の不動態化層を堆積させることの代替として、平坦化エッチ(たとえば、CMP工程)が、材料5−230の上側表面から接着性物質を除去するために使用され得る。
【0193】
いくつかの実施形態によれば、接着性物質層5−211は、
図5−15に示されているように、テーパが付けられているサンプル・ウェルのベースにおいて、中央に堆積させられ得る。たとえば、接着性物質又は接着性物質前駆体は、
図3−14Aに示されているように、上記に説明されているように形成された、テーパが付けられているサンプル・ウェルの中に、一方向に堆積させられ得る。サンプル・ウェルの壁部は、接着性物質層5−211の堆積の前又は後の酸化プロセスによって不動態化され得る。材料5−230の表面の上に残っている接着性物質又は前駆体は、
図5−14Dに関連して説明されているように不動態化され得る。いくつかの実施形態では、材料5−230の上側表面の上の接着性物質は、化学的で機械的なポリッシング工程によって除去され得る。サンプル・ウェルのベースにおいて、接着性物質層又は接着性物質層前駆体を中央に形成することによって、サンプルからのエミッションに対する有害な効果(たとえば、サンプル壁部からのサンプル放射線の抑制又は消光、サンプル・ウェルの周りに形成されたエネルギー・カップリング構造体に対してサンプルが中央に位置付けされていないことに起因する、サンプルからの好ましくない放射線分布、サンプルに関する発光寿命時間に対する悪影響)が低減され得る。
【0194】
いくつかの実施形態では、サンプル・ウェル及びディボットを形成するために使用されるリフト・オフ・パターニング、エッチング、及び堆積プロセスは、集積デバイスの上に集積されたCMOS回路を形成するために使用されるCMOSプロセスと互換性があることが可能である。したがって、集積デバイスは、従来のCMOS設備及び製作技法を使用して製作され得るが、いくつかの実施形態では、特注の又は専門の製作設備も使用され得る。
【0195】
上記に説明されているプロセス工程の変形例が、サンプル・ウェルの代替的な実施形態を形成するために使用され得る。たとえば、
図5−7A又は
図5−7Bに示されているものなどのような、テーパが付けられているサンプル・ウェルが、
図5−14Cに示されている角度付きの堆積プロセスを使用して形成され得る。
図5−7Bのサンプル・ウェルに
関して、堆積の角度は、堆積プロセスの間に変化させられ得る。そのような実施形態に関して、実質的に真っ直ぐで垂直になっている側壁部を有するサンプル・ウェルが最初に形成され、次いで、追加的な材料5−230が、角度付きの堆積によって堆積され、サンプル・ウェルの側壁部にテーパを付けることが可能である。
【0196】
いくつかの実施形態では、サンプル・ウェル5−210は、励起供給源が形成された後に、ピクセルに形成され得る。たとえば、ピクセルに関する励起供給源は、ピクセルの中又は外側において、集積デバイスの上の別の領域及び/又は別のレベルにおいて形成され得る。励起供給源のタイプは、サンプル・ウェル5−210を製作するために使用される工程に、プロセッシング制約を加えることが可能である。たとえば、励起供給源が有機発光ダイオード(OLED)からなる場合には、サンプル・ウェル5−210を製作するために使用されるプロセッシング工程は、約100℃よりも高い温度を超えなくてもよい。さらに、プロセッシング工程は、過酷な化学的環境又は酸化環境にOLEDを曝さなくてもよい。
【0197】
D. サンプル・ウェルへの励起エネルギーのカップリング
集積デバイスの1つ又は複数のサンプル・ウェルへの励起エネルギーのカップリングは、1つ又は複数の技法によって起こることが可能である。先に議論されているように、いくつかの実施形態では、導波路は、励起供給源とともに、1つ又は複数のサンプル・ウェルにカップリングするように位置決めされている。励起エネルギーが導波路に沿って伝播するときに、励起エネルギーの一部分は、さまざまな光カップリング技法によって、1つ又は複数のサンプル・ウェルにカップリングすることが可能である。たとえば、導波路は、励起エネルギーを実質的に1つの方向にガイドすることが可能であり、エバネッセント波又はエバネッセント・テールは、この1つの方向に対して垂直に形成することが可能であり、いくつかの場合には、導波路構造体の外側に位置付けされ得る。そのようなエバネッセント・テールは、励起エネルギーの一部分を1つ又は複数のサンプル・ウェルに向けて方向付けすることが可能である。いくつかの実施形態では、サンプル・ウェル層は、サンプル・ウェルの中の局所化された領域に励起エネルギーを方向付けするように設計及び構成され得る。サンプル・ウェルは、サンプル・ウェルの局所化された領域の中にサンプルを保持するように構成され得、励起エネルギーがサンプルに向けて方向付けされるようになっている。
【0198】
図4−5A及び
図4−5Bは、集積デバイスの断面図であり、励起エネルギーをサンプル・ウェルの中へカップリングするために導波路を使用することの例示的な説明図を提供している。
図4−5Aは、サンプル・ウェル層4−516の中のサンプル・ウェル4−508に近接して位置決めされている導波路4−5Aを示す断面概略図である。励起エネルギーは、導波路に沿って
図4−5Aの視野に対して垂直の方向に伝播する。導波路にサンプル・ウェルが近接していることは、励起エネルギーがサンプル・ウェルの中へカップリングすることを可能にする。
図4−5Bは、サンプル・ウェル4−508及びサンプル・ウェル層4−516の領域の接近した図を図示しており、サンプル・ウェル4−508の中に位置付けされている励起エネルギーを示している。
【0199】
1つ又は複数のサンプル・ウェルの中へ励起エネルギーをカップリングすることを改善又は増強するために、コンポーネントが、追加的に集積デバイスの中に形成され得る。これらの追加的なコンポーネントは、それぞれのピクセルの中に形成され得、それは、導波路からの励起エネルギーをピクセルの中へ及びサンプル・ウェルに向けてカップリングする。ピクセルの中に位置付けされている1つ又は複数のコンポーネントは、導波路からの励起エネルギーの一部分をピクセルの中へタップする役割を果たすことが可能である。そのようなコンポーネントは、グレーチング構造体、散乱構造体、及び/又はナノ・アンテナなどのような、光学的な構造体を含むことが可能である。これらのコンポーネントのう
ちの1つ又は複数の特徴又は構成は、特定の量の励起エネルギーをサンプル・ウェルの横列の中のそれぞれのサンプル・ウェルにカップリングするために選択され得る。励起エネルギーをピクセルの横列に提供するように構成されている導波路は、それぞれのピクセルの中のコンポーネントにカップリングすることが可能であり、励起エネルギーの一部分をピクセルの横列の中のそれぞれのピクセルに提供するようになっている。導波路が、励起供給源からの励起エネルギーを1つ又は複数のピクセルに向けて方向付けするように構成されているときには、導波路は、バス導波路と称され得る。
【0200】
いくつかの実施形態では、1つ又は複数のピクセルは、ピクセル領域の中に位置付けされている少なくとも1つの導波路を含む。そのようなピクセル導波路は、励起エネルギーをピクセルのサンプル・ウェルに向けて方向付けするように構成され得る。ピクセル導波路は、バス導波路に、及び、ピクセルの中のサンプル・ウェルにカップリングするように構成され得る。励起エネルギーがバス導波路に沿って伝播するときには、励起エネルギーの一部分が、ピクセル導波路を介して、ピクセル及び/又はサンプル・ウェルに向けて方向付けされ得る。バス導波路は、エバネッセント導波路カップラーなどのような任意の適切なカップラーを使用して、ピクセル導波路にカップリングすることが可能である。いくつかの実施形態では、複数のカップラーが、励起光の1つ又は複数の波長をピクセル導波路にカップリングするために使用され得る。ピクセル導波路の一部分は、バス導波路へのカップラーとしての役割を果たすように構成され得る。いくつかの実施形態では、カップラー、又は、ピクセル導波路の一部分は、特定の励起エネルギー、波長、及び/又はスペクトル範囲をカップリングするように設計され得る。ピクセル導波路のカップリング部分を光の特定の波長に設定することによって、バス導波路とピクセル導波路との間のカップリングの方向性が、制御及び/又はチューニングされ得る。たとえば、第1のカップラー又はピクセル導波路の一部分は、バス導波路を通って伝播する第1の波長を有する励起光の一部分にカップリングすることが可能であり、一方、第2のカップラー又はピクセル導波路の一部分は、第2の波長を有する励起光の一部分をピクセル導波路にカップリングすることが可能である。第1のカップラー又はピクセル導波路の一部分は、第2の波長における無視できるほどの量の励起光をピクセル導波路からバス導波路へカップリングすることが可能である。そのような構成は、第2の波長における励起光がピクセル導波路の中に残ることを可能にし得る。同様に、第2のカップラー又はピクセル導波路の一部分は、第1の波長における無視できるほどの量の励起光をピクセル導波路からバス導波路へカップリングすることが可能であり、第1の波長における励起光が、ピクセル導波路の中に残ることできるようになっている。
【0201】
追加的に、1つ又は複数の共鳴構造体が、ピクセル領域の中に形成され、励起エネルギーをサンプル・ウェルに向けてカップリングすることが可能である。光学バスとしての役割を果たす第1の導波路は、励起エネルギーが第2の導波路を通して共鳴構造体にカップリングすることを可能にし得る。共鳴構造体は、バス導波路及び/又はピクセル導波路にカップリングすることによって、励起エネルギーを受け取るように構成され得る。共鳴構造体は、サンプル・ウェルの励起領域の中へ励起エネルギーを方向付け及び/又は増強することが可能である。共鳴構造体は、局所化された領域の中に励起エネルギーを集中させることが可能であり、また、局所化された領域に近接してサンプル・ウェルを位置決めすることによって、共鳴構造体は、サンプル・ウェルにカップリングする励起エネルギーの量を増強する役割を果たすことが可能である。共鳴構造体を形成することによって、励起エネルギーは、サンプル・ウェルの中のサンプルと相互作用する複数の機会を有することが可能である。共鳴構造体の全体構成は、共鳴構造体の中の特定の場の増強及び/又はクオリティー・ファクターのために構成され得る。導波路及び共振器は、それらがその中に埋め込まれている取り囲む誘電材料よりも高い屈折率を備える誘電材料から作製されている。たとえば、導波路及び/又は共振器は、窒化ケイ素、酸化ケイ素、炭化ケイ素、又は、それらの任意の組み合わせから作製され得る。導波路及び/又は共振器は、可視スペク
トル範囲及び/又は赤外線スペクトル範囲の中の励起波長を伝播するように設計され得る。
【0202】
共鳴構造体は、ピクセル導波路の中に、及び/又は、ピクセル導波路の付近に位置付けされ得る。バス導波路などのような、励起エネルギーをピクセルに向けて方向付けする導波路は、ピクセル導波路を通して共鳴構造体とカップリングすることが可能であり、共鳴構造体は、ピクセルの中のサンプル・ウェルに励起エネルギーを方向付けすることが可能である。サンプル・ウェルは、共鳴構造体とサンプル・ウェルとの間の相互作用を制御するように調節され得る高さに、共鳴構造体の上方に位置付けされ得る。いくつかの実施形態では、複数の励起エネルギーは、1つ又は複数のピクセルに提供され得、また、複数の励起エネルギー又は波長において共鳴する共鳴構造体とカップリングすることが可能である。導波路リング共振器、フォトニック結晶キャビティー共振器、及び導波路線形共振器などのような、任意の適切な共鳴構造体が使用され得る。導波路線形共振器の例は、ピクセル導波路の中にBragg反射体の対を含み、それは、反射体の対の間に共鳴キャビティーを形成する。いくつかの実施形態では、共鳴構造体は、プラズモニック・リング共振器又はフォトニック結晶キャビティーなどのような、プラズモニック共鳴構造体であることが可能である。
【0203】
いくつかの実施形態では、共鳴構造体は、集積デバイスのピクセルに関連付けられるピクセル導波路の中に含まれ得る。そのような共鳴構造体は、ピクセル導波路の中の複数の反射体からなることが可能であり、また、励起エネルギーがピクセル導波路の局所化された領域の中で共鳴することを可能にし得る。共鳴構造体によって形成される局所化された領域に近接してサンプル・ウェルを位置決めすることによって、励起エネルギーは、サンプル・ウェルの中へ方向付けされ得る。いくつかの実施形態では、層が、共鳴構造体をサンプル・ウェルから分離することが可能である。たとえば、誘電体層は、サンプル・ウェル層と共鳴構造体との間の集積デバイスの中に形成され得る。追加的に又は代替的に、リング共振器が、ピクセル導波路に近接して形成され得、バス導波路からの励起エネルギーが、ピクセル導波路を通してリング共振器にカップリングすることが可能である。サンプル・ウェルは、リング共振器に近接して位置決めされ得、リング共振器からの励起エネルギーがサンプル・ウェルにカップリングするようになっている。いくつかの実施形態では、導波路リング共振器は、サンプル・ウェルの近くに構成されており、集中させられた励起エネルギーが、サンプル・ウェルのベースに直接的に隣接して位置決めされるようになっている。
【0204】
共鳴構造体の例が、
図6−1から
図6−4に図示されている。線形の導波路共振器の例が、
図6−1に図示されており、
図6−1では、導波路6−104が、励起光を伝播するように構成されており、反射体が、共鳴キャビティー6−136を形成する導波路の領域を生成させるように位置決めされている。反射体は、反射体6−132及び6−134などのような、1つ又は複数の対で位置決めされており、共鳴キャビティー6−136が1つ又は複数の対の間に形成するようになっている。
図6−1は、共鳴キャビティー6−136に対して、サンプル・ウェル6−108の例示的な場所を図示している。サンプル・ウェルは、導波路6−104ならびに反射体6−132及び6−134を含有する層から分離されている別の層の中に位置決めされ得る。リング共振器の例が、
図6−2を参照して示されており、
図6−2では、導波路6−204が、リング共振器6−226に近接して位置決めされている。
図6−2に示されている矢印によって示されているように、励起エネルギーが導波路6−204を通って伝播するときには、励起エネルギーの一部分が、リング共振器6−226によって受け取られ得る。導波路とリング共振器との間の距離は、特定の励起波長及び/又は特定の量の励起エネルギーをリング共振器の中へカップリングするように設計され得る。リング共振器がサンプル・ウェルにカップリングし、サンプル・ウェルの励起領域の中へ励起エネルギーを提供するように、サンプル・ウェルがリン
グ共振器に対して位置決めされ得る。
図6−2は、領域6−208におけるサンプル・ウェルの例示的な位置を図示しており、サンプル・ウェルは、集積デバイスの別々の層の中に位置付けされている。いくつかの実施形態では、プラズモニック・リング共振器は、集積デバイスの中に形成され、1つ又は複数のサンプル・ウェルに励起エネルギーをカップリングすることが可能である。そのようなプラズモニック・リング共振器は、バス導波路及び/又はピクセル導波路とカップリングするように位置決めされ得る。サンプル・ウェルは、プラズモニック・リング共振器の一部分の直接的に上方に位置決めされ、又は、プラズモニック・リング共振器に隣接した場所に位置決めされ得る。プラズモニック・リング共振器の非限定的な例が、
図6−3A〜Fに関して示されている。プラズモニック・リング共振器構造体に隣接するサンプル・ウェル6−308の例示的な位置が、
図6−3Cに示されている。いくつかの実施形態では、共振器構造体は、フォトニック結晶の中にキャビティーを含むことが可能である。
図6−4は、キャビティーを備える例示的なフォトニック結晶6−400を図示しており、キャビティーが、励起エネルギーのための共振器としての役割を果たすようになっている。サンプル・ウェルは、フォトニック結晶の中のキャビティーに対して、たとえば場所6−408などに位置決めされ、励起エネルギーを受け取ることが可能である。
【0205】
ピクセルの例示的な部分が、
図7−1Aに示されている集積デバイス7−102の断面図に図示されている。集積デバイス7−102は、少なくとも1つのサンプル・ウェル7−108を含有するサンプル・ウェル層7−116及び導波路層7−114を含む。サンプル・ウェル層は、金属、半導体、高度に縮退的にドープされた半導体、絶縁体、又はグラフェンから形成され得る。導波路層は、取り囲む材料よりも高い屈折率から形成された構造体を含むことが可能である。例として、導波路構造体は、窒化物材料から構成されることが可能であり、取り囲む材料は、誘電体又は酸化物材料から構成されることが可能である。随意的に、サンプル・ウェル層7−116と導波路層7−114との間の層7−118が形成され得る。たとえば、層7−118は、誘電材料又は酸化物材料又は窒化物材料から形成され得る。導波路層は、バス導波路及びピクセル導波路の両方を含有することが可能である。ピクセル導波路は、バス導波路に隣接して形成され得、バス導波路から励起エネルギーを受け取るように構成され得る。
図7−1Bは、
図7−1Aの中の線A−A’に沿うピクセル7−112bの例示的な平面図を図示しおり、バス導波路7−104b及びピクセル導波路7−120bを示している。バス導波路は、1つ又は複数の励起エネルギーを受け取り、方向付けするように構成され得る。
図7−1Bに示されている例示的な構成では、バス導波路7−104bは、一方の端部において第1の波長λ
1の励起エネルギーを受け取り、別の端部において第2の波長λ
2の励起エネルギーを受け取るように構成されている。
【0206】
ピクセル導波路7−120bは、バス導波路7−104bとカップリングし、かつ、励起エネルギーを受け取るように構成されている部分又はカップラー7−128b及び7−130bを含むことが可能である。サンプル・ウェル層の中に位置付けされているサンプル・ウェルは、ピクセル導波路7−120bから励起エネルギーを受け取るために、共鳴構造体7−126bに近接して位置決めされ得る。サンプル・ウェルは、線形共振器とサンプル・ウェルとの間の相互作用を制御するように調節され得る高さにおいて、線形共振器の上方に位置付けされ得る。たとえば、
図7−1Bは、導波路層の特徴に対して、サンプル・ウェル層の中の7−108bにおけるサンプル・ウェル位置を図示している。励起光がバス導波路7−104bに沿って伝播するときに、励起エネルギーの一部分が、ピクセル導波路7−120bにカップリングすることが可能である。いくつかの場合には、カップラーは、励起光の特定の波長のために構成され得る。2つの励起エネルギーが使用されるときには、それぞれのカップラーが、2つの励起エネルギーのうちの1つとカップリングするように構成され得る。例として、
図7−1Bに示されている実施形態では、ピクセル導波路の上に位置付けされている2つのカップラーのそれぞれが、異なる励起光波長
を受け取るように構成され得、ここでは、カップラー7−128bが、第1の波長λ
1の励起エネルギーを実質的に受け取り、一方、カップラー7−130bが、第2の波長λ
2の励起エネルギーを実質的に受け取る。
【0207】
共鳴構造体は、ピクセル導波路7−120bの中の共鳴構造体7−126bなどのように、ピクセル導波路の中に位置付けされ得る。そのような共鳴構造体は、1つ又は複数の波長を反射するように構成されている複数の空間的に分離された反射体からなることが可能である。反射体は、少なくとも2つの反射体の間の領域の中の励起エネルギーの強度を増強する役割を果たすことが可能である。たとえば、反射体は、
図7−1に図示されているような導波路の中の分布Bragg反射体の1つ又は複数の対を含む導波路線形共振器としての役割を果たすことが可能である。反射体の対は、反射体の対の間に共鳴キャビティーを形成することが可能であり、共鳴キャビティーは、線形共振器のための共鳴キャビティーの境界を画定している。2つの励起波長が使用される実施形態では、共鳴構造体7−126bが、励起エネルギーの両方の波長、両方の波長の組み合わせ、及び/又は、複数のいずれかの波長において、共鳴することが可能である。たとえば、共鳴構造体7−126bは、波長λ
1及びλ
2の両方において共鳴するように構成され得る。波長λ
1及びλ
2における励起エネルギーが、サンプル・ウェルに伝達することが可能である。
【0208】
ビーム・ダンプ7−122b及び7−124bが、励起光を吸収するように、ならびに/又は、ピクセル7−112b、1つ又は複数のセンサー、及び/もしくは集積デバイスからの励起光を方向付けし直すように、ピクセル導波路7−120bに対して位置決めされている。ビーム・ブロッカーが、センサーによって受け取られるエミッション・エネルギーの検出を増強するために、1つ又は複数の波長の励起エネルギーがセンサーへ伝播することを低減させるように構成され得る。ビーム・ダンプの非限定的な例は、ピクセル導波路の端部を通して送信される光を吸収するように構成されているアモルファス・シリコンプラグである。励起光を吸収する任意の適切な材料が、ビーム・ブロッカーとして使用され得る。導波路からの励起光を吸収するためにピクセルの中に位置付けされている導波路のそれぞれの端部に設置されている少なくとも1つのビーム・ブロッカーが存在することが可能である。いくつかの実施形態では、ビーム・ダンプは、特定の波長の励起光を方向付けし直し、又は吸収するように構成され得る。2つの励起エネルギーが使用されるときには、一方のビーム・ダンプが、一方の波長の励起エネルギーを吸収し、及び/又は方向付けし直すように構成され得、一方、他のビーム・ダンプが、他の波長の励起エネルギーを吸収し、及び/又は方向付けし直すように構成され得る。
図7−1Bに示されている例では、ビーム・ダンプ7−122bが、第1の波長λ
1の励起光を実質的に吸収し、又は方向付けし直すように構成され得、一方、ビーム・ダンプ7−124bは、第2の波長λ
2の励起光を実質的に吸収し、又は方向付けし直す。
【0209】
いくつかの実施形態では、共鳴構造体は、ピクセル導波路から分離されており、ピクセル導波路とカップリングするように構成されている。そのような共鳴構造体の例は、導波路層の中にピクセル導波路から分離されて位置付けされているリング共振器を含むことが可能である。リング共振器は、バス導波路の近くに位置決めされているピクセル導波路の隣に位置決めされている。ピクセル導波路は、導波路カップラーと称され得、ピクセル導波路は、励起エネルギーをリング共振器にカップリングする。リング共振器は、1つ又は複数の波長に共鳴し、これらの波長における励起エネルギーをサンプル・ウェルに伝達する。サンプル・ウェルは、サンプル・ウェル層の中に、及び、リング共振器に近接して位置決めされ得、リング共振器が励起エネルギーをサンプル・ウェルの中へカップリングすることができるようになっている。サンプル・ウェルは、共振器とサンプル・ウェルとの間の相互作用を制御するように調節される高さにおいて、リング共振器の上方に、及び、リング共振器の上部に直接的に形成され得る。
【0210】
図7−1Cは、ピクセル導波路7−120c及びリング共振器7−126cを有するピクセル7−112cの例示的な実施形態を図示している。ピクセル導波路7−120cは、バス導波路7−104cへのカップラーとしての役割を果たす2つの部分7−128c及び7−130cを有している。励起光がバス導波路7−104cに沿って伝播するときに、励起エネルギーの一部分が、ピクセル導波路7−120cにカップリングすることが可能であり、リング共振器は、ピクセル導波路にカップリングし、励起エネルギーを受け取る。サンプル・ウェル層の中に位置付けされており、かつ、導波路層の中の他の特徴に対して場所7−108cに位置決めされているサンプル・ウェルは、リング共振器7−126cから励起エネルギーを受け取るように構成され得る。励起光を吸収し及び/又は方向付けし直すように構成されているビーム・ダンプは、ピクセル導波路の端部に位置付けされ得る。たとえば、ピクセル7−112cは、ピクセル導波路7−120cの両方の端部にビーム・ダンプ7−122c及び7−124cを含む。いくつかの実施形態では、バス導波路7−104cは、一方の端部において第1の波長λ
1の励起エネルギーを受け取り、別の端部において第2の波長λ
2の励起エネルギーを受け取るように構成され得る。カップラー7−128cが、第1の波長λ
1の励起エネルギーをカップリングするように構成され得、一方、カップラー7−130cが、第2の波長λ
2の励起をカップリングするように構成されている。2つの励起エネルギーは、リング共振器7−126cにカップリングすることが可能である。リング共振器は、両方の励起波長、2つの波長の組み合わせ、及び/又は、複数のいずれかの波長において、共鳴するように構成され得る。
【0211】
いくつかの実施形態では、追加的な導波路が、ピクセル領域の中に位置付けされ得、サンプル・ウェルに方向付けされていない励起光に関する経路が、サンプル・ウェルに方向付けし直されることを可能にする。追加的な導波路は、リング共振器とカップリングするように位置決めされており、複数の励起波長を伝播させることが可能であり得る。そのような実施形態では、サンプル・ウェルが、バス導波路にカップリングする導波路と追加的な導波路との間のリング共振器の上方に位置決めされ得る。センサーなどのような、集積デバイスの他の領域に方向付けされているものから励起エネルギーを吸収するために、少なくとも1つのビーム・ブロッカーが、この追加的な導波路のいずれかの端部に位置決めされている。そのような導波路は、他の導波路及び共振器構造体のように、任意の適切な材料から作製され得る。
図7−1Dは、リング共振器7−126dにカップリングする第2の導波路7−134dを有するピクセル領域7−112dの例示的な配置を図示している。励起エネルギーは、バス導波路7−104dに沿って伝播することによって、ピクセル領域7−112dに送達され、ピクセル導波路7−120dにカップリングする。リング共振器7−126dは、ピクセル導波路7−120dから励起エネルギーを受け取り、サンプル・ウェルは、位置7−108dにおいてサンプル・ウェル層の中に位置付けされ、リング共振器7−126dから励起エネルギーを受け取る。励起エネルギーの一部分は、リング共振器の中に残ったままであり、導波路7−134dにカップリングすることが可能であり、導波路7−134dは、リング共振器に向けて励起エネルギーを方向付けし直すように構成されている。導波路7−134dは、1つ又は複数のビーム・ダンプに向けて励起エネルギーを方向付けすることによって、ピクセルから離れるように励起エネルギーに伝達することが可能である。
図7−1Dに示されている例では、ビーム・ダンプ7−132d及び7−136dが、導波路7−134dのそれぞれの側部に位置付けされており、励起エネルギーを吸収し、及び/又は方向付けし直すように構成されている。
【0212】
集積デバイスは、集積デバイスの中の異なるレベルにおいて複数の導波路を含むことが可能である。集積デバイスの中の異なるレベルにおける複数の導波路は、ピクセルの中に位置付けされているサンプル・ウェルの付近に1つ又は複数の波長の励起光を方向付けするように構成され得る。第1の導波路は、励起供給源とカップリングし、バス導波路としての役割を果たし、励起光を複数のピクセルに運ぶことが可能である。ピクセル領域の中に位置付けされている1つ又は複数の導波路が、第1の導波路とカップリングし、ピクセ
ルの中のサンプル・ウェルに向けて励起エネルギーの一部分を方向付けすることが可能である。導波路は、エバネッセントに(evanescently)互いにカップリングすることが可能であり、又は、他のカップリング技法によって、たとえば、マルチモードの干渉カップラーを使用することによって、カップリングすることが可能である。第1の導波路からの励起エネルギーの一部分が、追加的な導波路を通してピクセルに方向付けされ得、一方、第1の導波路の中の励起エネルギーは、第1の導波路に沿って伝播し、他のピクセルの中の他のコンポーネントにカップリングすることが可能である。
【0213】
第1の導波路からの励起光の一部分が、ピクセルの中に位置付けされている第2の導波路にカップリングすることが可能である。第2の導波路は、第1の導波路とは別々の層の中に位置付けされ得る。たとえば、第2の導波路は、第1の導波路と1つ又は複数のサンプル・ウェルを含有するサンプル・ウェル層との間に位置付けされ得る。いくつかの実施形態では、ピクセルの中に位置付けされている第3の導波路が、第2の導波路とカップリングし、第2の導波路からの励起エネルギーの一部分をピクセルの中のサンプル・ウェルに向けて方向付けすることが可能である。いくつかの層の中に複数の導波路を備える構成が、それぞれのエレメントに関する導波路プロファイルの中のフレキシビリティー、及び、別々の層の隔離を提供することが可能である。導波路同士の間のカップリングは、エバネッセント・カップラーを通して起こることが可能であり、導波路は、非直交で非平行の角度で重なり合っている。導波路の位置決め、及び導波路同士の間の重ね合わせは、導波路の位置決めからのわずかなシフト又は偏差が存在するときに、導波路の間のカップリングの中にトレランスを提供することが可能である。
【0214】
複数の層の導波路構成の例が、
図7−2Aに示されている断面図に図示されている。サンプル・ウェル層7−216は、サンプル・ウェル7−208を含む。第1の導波路又は光学バス7−204が、サンプル・ウェル7−208を含有するピクセル領域に向けて励起エネルギーを送達するように構成されている。第1の導波路7−204とサンプル・ウェル層7−216との間に位置付けされている第2の導波路7−242が、第1の導波路7−204からの励起エネルギーの一部分を第2の導波路7−242にカップリングするように、及び、励起エネルギーをサンプル・ウェル7−208に向けて方向付けする役割を果たすように位置決めされている。追加的に、
図7−2Aの中の7−244などのように、第2の導波路7−242とサンプル・ウェル層7−216との間に位置決めされている第3の導波路が、励起エネルギーをサンプル・ウェル7−208に向けてカップリングすることが可能である。
【0215】
いくつかの実施形態では、複数の層の導波路構成は、ピクセル領域の中に位置付けされている導波路のうちの1つ又は複数の上の線形の導波路共振器などのような、共振器を含むことが可能である。
図7−2Bの平面図に示されているように、線形の導波路共振器は、バス導波路7−204からの励起エネルギーを位置7−208の上方に位置付けされているサンプル・ウェルに方向付けする導波路のうちの1つの中に含まれ得る。そのような例では、導波路7−242a及び7−242bが、バス導波路7−204からの励起エネルギーを導波路7−244a及び7−244bにカップリングしており、導波路7−242aが、導波路7−244aにカップリングし、導波路7−242bが、導波路7−244bにカップリングする。導波路7−244a及び7−244bの両方が、導波路7−244aの反射体7−232などのような、反射体の少なくとも1つの対から構成される線形の導波路共振器を有している。導波路7−244a及び7−244bの線形の導波路共振器は重なり合っている。いくつかの実施形態では、2つの線形の導波路共振器は、直交して重なり合っており、空間的に直交する共鳴を可能にするデュアル共振器を形成することが可能である。そのようなデュアル共振器は、キャビティーのサイズを限定する2つの導波路の間の重なりの領域の中に励起エネルギーの増強された場を備えるデュアル共鳴キャビティーを形成することが可能である。別々のサンプル・ウェル層の中に位置付けされ
ているサンプル・ウェル7−208の位置は、2つの線形共振器の間に位置付けされており、そこでは、デュアル共振器からの励起エネルギーをサンプル・ウェルにカップリングするために、励起エネルギーが局所化され得る。
【0216】
いくつかの実施形態では、回折光学素子が、励起供給源からの励起光をサンプル・ウェルのサブ・アレイに方向付けするために使用され得、それぞれのサンプル・ウェルは、サブ・アレイの中のピクセルに関連付けられている。このように、励起供給源は、ピクセルのアレイの全体を通して周期的に位置付けされ得る。たとえば、ピクセルのアレイの「単位セル」は、1つの励起供給源、回折光学素子、及び、複数のサンプル・ウェルを含むことが可能である。単位セルは、ピクセル化されたアレイを形成するためにタイル張りにされ得る(tiled)。いくつかの実施形態では、励起供給源は、1つ又は複数のセンサーの方向に励起光を放出することが可能であり、回折光学素子は、反射型に励起光を回折して励起供給源に向けて戻すことが可能であるが、異なる横方向の軌跡を備える。このように、励起光は、複数の励起光ビームへと変換され、複数の励起光ビームのそれぞれが、それぞれのサンプル・ウェルに関連付けられている。
【0217】
図8−1A及び
図8−1Bは、励起光を複数のサンプル・ウェルに向けて方向付けするために回折光学素子を使用することの非限定的な例示的な実施形態を図示している。
図8−1Aは、単位セルの中の複数のピクセルに励起光を提供する励起供給源8−106を示す断面概略図である。サンプル・ウェル8−108などのようなサンプル・ウェルが、サンプル・ウェル層8−116の中に位置付けされている。回折光学素子8−150は、励起供給源から励起光を受け取るように、及び、矢印によって示されているように、単位セルの中のサンプル・ウェルに励起光を方向付けし直すように構成されている。
図8−1Bは、上面図を示しており、励起供給源8−106の下に位置付けされている回折光学素子によって方向付けし直された励起供給源8−106からの励起光を受け取るように位置決めされているサンプル・ウェル8−108を含む、単位セルの中のサンプル・ウェルの様子を示している。
【0218】
励起供給源からサンプル・ウェルへのエネルギーのカップリングは、サンプル・ウェルの中に、及び/又は、サンプル・ウェルに隣接して、励起カップリング構造体を形成することによって改善され、又は、影響を及ぼされ得る。励起カップリング構造体は、いくつかの実施形態では、サンプル・ウェルの周りに製作されるマイクロ・スケール構造体もしくはナノ・スケール構造体からなることが可能であり、又は、いくつかの実施形態では、サンプル・ウェルにおいて形成される構造体もしくは粒子からなることが可能である。励起カップリング構造体は、いくつかの実施形態では、サンプルの放射励起に影響を及ぼすことが可能であり、いくつかの実施形態では、サンプルの非放射励起に影響を及ぼすことが可能である。さまざまな実施形態では、放射励起カップリング構造体は、サンプル・ウェルの励起領域の中の励起エネルギーの強度を増加させることが可能である。非放射励起カップリング構造体は、励起供給源(それは、放射又は非放射であることが可能である)からサンプルへの非放射エネルギー伝達経路を改善及び/又は変更することが可能である。
【0219】
E. 放射プラズモニック励起カップリング構造体
複数の異なるタイプの放射励起カップリング構造体が存在しており、それは、励起供給源からサンプル・ウェルの中の励起領域への励起エネルギーのカップリングに影響を及ぼすために使用され得る。いくつかの放射カップリング構造体は、導体(たとえば、金属層を含む)から形成され得、また、励起エネルギーに局所的に影響を及ぼす(たとえば、電磁界を局所的に変更する)表面プラズモン振動をサポートする。いくつかのケースでは、表面プラズモン構造体が、サンプル・ウェルの励起領域の中の励起エネルギーを2倍以上増強することが可能である。いくつかの放射カップリング構造体は、励起場の位相及び/
又は振幅を変更し、サンプル・ウェルの中の励起エネルギーを増強することが可能である。放射励起カップリング構造体のさまざまな実施形態が、この章において説明されている。
【0220】
図9−1Aは、サンプル・ウェルの中への励起エネルギーのカップリングを増強するために使用され得る表面プラズモン構造体9−120の単に1つの例を示している。図面は、表面プラズモン構造体9−120の周りの領域の平面図を示しており、構造体の周りの電界強度の数値シミュレーションの結果を表している。図面は、サンプル・ウェル(図示せず)に極めて接近して位置付けされている鋭い頂点を有する、3つの三角形の特徴からなる表面プラズモン構造体を示している。いくつかの実施形態によれば、表面プラズモン構造体は、金属又は導体(たとえば、以下の金属又は金属合金:Al、Au、Ag、Ti、TiNのうちのいずれか1つ又はそれらの組み合わせのパターニングされた薄い膜)からなることが可能である。膜の厚さは、いくつかの実施形態では、おおよそ10nmからおおよそ100nmの間であることが可能であるが、他の実施形態では、他の厚さも使用され得る。いくつかの実施形態では、表面プラズモン構造体は、サンプル・ウェルに極めて接近して位置付けされている鋭い特徴9−110を含むことが可能である(たとえば、約100nm以内)。
【0221】
図9−1Bは、点線において取られた、
図9−1Aの表面プラズモン構造体の断面立面図を示している。シミュレーションは、表面プラズモン構造体の三角形の頂点に隣接する励起エネルギーの局所化された高強度領域5−505を示している。このシミュレーションに関して、表面プラズモン構造体9−120は、導波路9−130の上方の誘電体層9−135(二酸化ケイ素)の上に位置付けされていた。表面プラズモン構造体は、導波路のエバネセント場からのエネルギーをタップし、サンプル・ウェルにおける強度を増強する。
【0222】
いくつかの実施形態では、表面プラズモン構造体による励起エネルギーの増強は、サンプル・ウェル5−215が必要とされない程度にまで局所化され得る。たとえば、高強度領域5−505が、おおよそ100nmの直径を有するように形成され、領域の外側の強度の約80%よりも大きいピーク強度値を備える場合には、深いサンプル・ウェルは必要とされない可能性がある。高強度領域5−505の中のサンプルだけが、検出の目的のために、かなりのエミッションに寄与するであろう。
【0223】
入射電磁界が表面プラズモン構造体と相互作用するときには、表面波電流が構造体の中に発生させられる。構造体の形状は、これらの表面プラズモンの強度及び分布に影響を及ぼすことが可能である。これらの局所化された電流は、たとえば、
図9−1Bの高強度領域5−505によって示されているように、表面プラズモン構造体の直ぐ付近の入射電磁界と相互作用し、それをかなり変更し、それを増大させることが可能である。いくつかの実施形態では、表面プラズモン構造体の近くで放射線を放出するエミッター(たとえば、蛍光性タグ)は、構造体によって変更されるそのエミッションを有することが可能であり、エミッターからの遠視野放射線パターンを変更するようになっている。
【0224】
表面プラズモン構造体9−122の別の実施形態が、
図9−1Cの平面図に示されている。図示されているちょうネクタイ構造体は、サンプル・ウェル5−210に隣接して位置付けされている2つの三角形の金属製の構造体からなることが可能である。構造体は、たとえば、サンプル・ウェルの下方に、及び/又は、サンプル・ウェルの励起領域に隣接して、パターニングされ得る。いくつかの実施形態では、サンプル・ウェルと表面プラズモン構造体の鋭い特徴9−125との間にギャップ9−127が存在することが可能である。ギャップ9−127は、いくつかの実施形態によれば、おおよそ10nmからおおよそ200nmの間であることが可能である。いくつかの実施形態では、ギャップ9−12
7は、おおよそ10nmからおおよそ100nmの間であることが可能である。鋭い特徴9−125は、図面に示されているように、表面プラズモン構造体の縁部の中のポイント又は鋭い曲げからなることが可能である。鋭い特徴は、任意の適切な形状を有することが可能である。いくつかの実施形態では、鋭い特徴9−125の曲げ半径は、入射励起エネルギーに関連付けられるおおよそ5つの波長よりも小さいことが可能である。いくつかの実施形態では、鋭い特徴9−125の曲げ半径は、入射励起エネルギーに関連付けられるおおよそ2つの波長よりも小さいことが可能である。いくつかの実施形態では、鋭い特徴9−125の曲げ半径は、入射励起エネルギーによって励起される表面プラズモン波に関連付けられるおおよそ5つの波長よりも小さいことが可能である。いくつかの実施形態では、鋭い特徴9−125の曲げ半径は、入射励起エネルギーによって励起される表面プラズモン波に関連付けられるおおよそ2つの波長よりも小さいことが可能である。
【0225】
いくつかの実施形態によれば、表面プラズモン構造体9−122は、
図9−1Dの立面図に図示されているように、サンプル・ウェル5−210の中にパターニングされ得る。いくつかの実施形態では、サンプル・ウェルの中の表面プラズモン構造体は、図面に示されているように、サンプル・ウェルの側壁部の上にパターニングされている1つ又は複数のフィンガー(たとえば、金属製のフィンガー)からなることが可能である。
図9−1Eは、サンプル・ウェルの中の側壁部の上に形成された表面プラズモン構造体9−122を示すサンプル・ウェル5−210の平面図を示している。いくつかの実施形態では、これらの表面プラズモン構造体9−122の下側端部が、鋭い特徴又は曲げを形成し、そこで、電磁界が増強されることとなる。表面プラズモン構造体9−122は、サンプル・ウェルのベースまで延在してもよいし、又は延在しなくてもよい。
【0226】
いくつかの実施形態では、表面プラズモン構造体9−122は、励起エネルギー及び/又はサンプル・ウェルから放出される放射線の分極に影響を及ぼすように配置され得る。たとえば、
図9−1Eに示されているようなパターンは、線形のもしくは楕円形の励起分極の好適な配向、及び/又は、サンプル・ウェルの中のエミッターからの線形のもしくは楕円形の分極の好適な配向に影響を及ぼすために使用され得る。
【0227】
表面プラズモン構造体は、
図9−1Aから
図9−1Eに示されているもの以外の形状としてパターニングされ得る。たとえば、表面プラズモン構造体は、いくつかの実施形態によれば、
図9−2Aに示されているように、規則的な又は周期的な構造体としてパターニングされ得る。たとえば、表面プラズモン構造体は、サンプル・ウェル5−210がその中に形成されている材料5−230の下側表面の上の突出する特徴9−210のアレイとしてパターニングされ得る。周期的な表面プラズモン構造体は、たとえば、グレーチング、グリッド、格子、円形のグレーチング、スパイラル・グレーチング、楕円形のグレーチング、又は、任意の他の適切な構造体など、規則的なアレイで形成され得る。いくつかの実施形態では、表面プラズモン構造体の突出部5−210同士の間に実質的に均一なスペーシングが存在することが可能である。いくつかの実施形態では、スペーシングは、おおよそ40nmからおおよそ250nmの間の任意の値を有することが可能である。いくつかの実施形態によれば、突出部は、おおよそ20nmからおおよそ100nmの間の高さhを有することが可能である。いくつかの実施形態では、スペーシングsは、不均一であること場合があり、又は、チャープされる場合がある(chirped)(より大きい半径方向の距離において減少する値を有する)。いくつかの実施形態では、表面プラズモン構造体の突出部9−210は、フレネル・ゾーン・プレートとしてパターニングされ得る。いくつかの実施形態によれば、9−210の表面プラズモン構造体は、透明な層及び/又は誘電体層5−245に隣接して形成され得る。
【0228】
いくつかの実施形態では、表面プラズモン構造体9−212は、
図9−2Bに示されているように、サンプル・ウェルがその中に形成されている材料5−230から間隔を置い
て配置され得る。たとえば、表面プラズモン構造体9−212と材料5−230との間に介在誘電体層9−247が存在することが可能である。いくつかの実施形態によれば、表面プラズモン構造体9−212は、図面に示されているように、サンプル・ウェルのディボット5−216に隣接して位置付けされ得る。たとえば、表面プラズモン構造体5−212は、
図9−2Bに示されているように、ディボット5−216の側壁部に隣接して位置付けされ得る。
【0229】
図9−2Cは、同心円状の円形のグレーチングとして形成されている表面プラズモン構造体9−214を図示している。構造体9−214は、いくつかの実施形態によれば、同心円状の導電性リング9−215からなることが可能である。リングは、規則的なスペーシングsによって分離され得、
図9−2Aに関連して説明されているように、高さhを有することが可能である。いくつかの実施形態によれば、随意的なディボットを備えるサンプル・ウェル5−210が、リングの中央に位置付けされ得る。円形のグレーチングは、サンプル・ウェルのベースに隣接してパターニングされ得る。
【0230】
表面プラズモン構造体の周期性は、いくつかの実施形態によれば、共鳴構造体を形成するように選択され得る。たとえば、表面プラズモン構造体のスペーシングsは、励起エネルギーによって構造体の中に発生させられる表面プラズモン波のおおよそ2分の1の波長となるように選択され得る。共鳴構造体として形成されているときには、表面プラズモン構造体は、周期的な表面プラズモン構造体の方向に沿って、励起エネルギーを蓄積及び共鳴させることが可能である。そのような共鳴挙動は、
図9−2Dに示されているように、サンプル・ウェルの中の、又は、サンプル・ウェルに隣接する、電磁エネルギーを増大させることが可能である。
【0231】
図9−2Dは、サンプル・ウェルのベースにおいて、及び、周期的な表面プラズモン構造体の周りで、数値的にシミュレートされた電磁界結果を表している。表面プラズモン構造体9−216は、サンプル・ウェルがその中に形成されている材料5−230に隣接して位置付けされており、また、サンプル・ウェル5−210のベースに隣接している。表面プラズモン構造体は、サンプル・ウェルから離れた領域及びシミュレートされた領域の外側の領域において、規則的なスペーシング・インターバルで繰り返すグレーチング又は円形のグレーチングの形態であることが可能である。たとえば、3回から50回の間で繰り返された表面プラズモン構造体9−216のグレーチング突出部が存在することが可能である。高い強度の領域5−240が、サンプル・ウェル5−210のベースにおいて見られ得る。この領域の中の強度は、表面プラズモン構造体の直ぐ下方の取り囲む領域の上で2倍以上に増強され得る。
【0232】
図9−2Eは、共鳴表面プラズモン構造体9−218の代替的な実施形態を立面図で示している。いくつかの実施形態によれば、表面プラズモン構造体は、周期的なグレーチング又はグリッド・パターンとして形成され得、また、複数の層9−247の中にパターニングされ得る。サンプル・ウェル5−210は、いくつかの実施形態によれば、複数の層9−247を通して、及び、共鳴表面プラズモン構造体9−218の中に、パターニングされ得る。いくつかの実施形態では、共鳴表面プラズモン構造体は、
図9−2Fの平面図に示されているように、別個の導電性エレメント9−222からなることが可能である。いくつかの実施形態では、共鳴表面プラズモン構造体は、
図9−2Gに示されているように、連続的な格子パターン9−250からなることが可能である。誘電体充填材9−252が、導電性材料9−250のボイドの中に位置付けされ得、サンプル・ウェル5−210が、ボイドとともに位置付けされ得る。
【0233】
サンプル・ウェルの中へのカップリングを増強するために、又は、サンプル・ウェルの中のサンプルからのエミッションに影響を及ぼすために使用され得る、さまざまな異なる
表面プラズモン構造体が存在している。
図9−2Hは、表面プラズモン構造体のさらに代替的な実施形態を平面図で示している。構造体の立面図が、
図9−2Iに示されている。いくつかの実施形態によれば、表面プラズモン構造体は、サンプル・ウェル5−210の周りに分散されたディスクのアレイからなることが可能である。いくつかの実施形態では、導電性ディスク9−260を使用する代わりに、表面プラズモン構造体は、導電層からなることが可能であり、分散されたホールのパターンが、導電層を通して形成される。そのような構造体は、「ナノ・アンテナ」と称され得る。
【0234】
F. プラズモニック励起カップリング構造体の製作
さまざまな異なるプロセスが、サンプル・ウェルに隣接して表面プラズモン構造体をパターニングするために使用され得る。
図9−3Aから
図9−5Eは、いくつかの実施形態によれば、サンプル・ウェルに隣接して表面プラズモン構造体を形成するために使用され得るプロセス工程に関連付けられる構造体を示している。ここで
図9−3Aを参照すると、表面プラズモン構造体を形成するためのプロセスは、マスキング層9−330の上の反射防止コーティング(ARC)9−320の上にレジスト層9−310を形成することからなることが可能である。層は、いくつかの実施形態によれば、透明な誘電体層5−245の上に配設され得る。レジスト層9−310は、リソグラフィーによってパターニングされ得るフォトレジスト又は電子−ビーム・レジストもしくはイオン−ビーム・レジストからなることが可能である。マスキング層9−330は、いくつかの実施形態によれば、無機材料(たとえば、シリコンもしくはシリカ窒化物、又は、任意の他の適切な材料)から形成されたハード・マスクからなることが可能である。
【0235】
いくつかの実施形態では、フォトリソグラフィック・プロセスは、
図9−3Bに示されているように、レジスト9−310をパターニングするために使用され得る。選択されるパターンは、所望の表面プラズモン構造体を形成するために使用されることとなる突出部又はホールのレイアウトからなることが可能である。レジスト9−310の現像の後に、ARCの領域は、露出されることとなり、パターンが、ARC層9−320の中へ、及び、次いで、マスキング層9−330の中へ、エッチングされ得る。レジスト及びARCは、基板から剥がされ得、結果として生じる構造体が、
図5−3Cに示されているように出現することが可能である。次いで、マスキング層9−330は、エッチ・マスクとして使用され得、パターンが、
図9−3Dに示されているように、選択的な異方性エッチを介して、下層にある誘電体層5−235の中へ伝達され得るようになっている。
【0236】
次いで、導電性材料5−230、又は、導体からなる材料の層が、
図9−3Eに図示されているように、領域の上に堆積させられ得る。任意の適切な導電性材料が、それが材料5−230とは別々の層として堆積されるかどうかにかかわりなく、表面プラズモン構造体を形成するために使用され得る。たとえば、いくつかのケースでは、第1の導電性材料は、表面プラズモン構造体がその中に形成されている材料5−230のベース層として堆積させられ得る。表面プラズモン構造体を形成するために使用され得る材料の例は、それに限定されないが、Au、Al、Ti、TiN、Ag、Cu、及び、合金、又は、それらの組み合わせ層を含む。
【0237】
材料5−230、又は、材料の層は、それに限定されないが、物理的な堆積プロセス又は化学蒸着プロセスを含む、任意の適切な堆積プロセスによって堆積させられ得る。いくつかの実施形態では、材料5−230は、おおよそ80nmからおおよそ300nmの間の厚さを有することが可能である。いくつかの実施形態では、材料5−230は、(たとえば、CMPプロセスを使用して)平坦化され得るが、平坦化は必要ではない。サンプル・ウェルは、サンプル・ウェルを製作することに関連して本明細書で説明されている任意の適切なプロセスを使用して、材料5−230の中に形成され得る。
【0238】
本発明者は、
図9−3Aから
図9−3Eに示されている工程にしたがって表面プラズモン構造体を形成することは、表面プラズモン構造体に対するサンプル・ウェルの正確なアライメントを必要とする可能性があるということを認識した。たとえば、
図9−2Cに示されているように、同心円状のグレーチングからなる表面プラズモン構造体は、表面プラズモン構造体9−214の中心に対するサンプル・ウェル5−210の正確なアライメントを必要とするであろう。そのような正確なアライメントに関連付けられる製作の困難性を回避するために、本発明者は、
図9−4Aから
図9−5Eに示されている自己アライメント・プロセスを開発した。
【0239】
ここで
図9−4Aを参照すると、表面プラズモン構造体と、表面プラズモン構造体に自己整合されるサンプル・ウェルとを形成するためのプロセスは、透明な誘電体層5−235の上にマスキング層9−410を形成することからなることが可能である。マスキング層は、いくつかの実施形態によれば、シリコン又はシリカ窒化物などのような、無機材料から形成されたハード・マスクからなることが可能である。マスキング層9−410の厚さは、サンプル・ウェル5−210の所望の高さにおおよそ等しいことが可能である。たとえば、マスキング層の厚さは、いくつかの実施形態によれば、おおよそ50nmからおおよそ200nmの間であることが可能であるが、他の実施形態では、他の厚さも使用され得る。
【0240】
マスキング層9−410は、誘電体層5−235の中にパターニングされることとなる表面プラズモン構造体の所望のパターンを有するボイド9−430を生成させるためにパターニングされ得る。マスキング層9−410のパターニングは、任意の適切なリソグラフィー・プロセス(たとえば、フォトリソグラフィー、電子−ビーム・リソグラフィー、イオン−ビーム・リソグラフィー、EUVリソグラフィー、X線リソグラフィー)によって行われ得る。結果として生じる構造体は、
図9−4Bに示されているように出現することが可能である。構造体は、中央ピラー9−420を含むことが可能であり、中央ピラー9−420は、その後に、自己整合されたサンプル・ウェルを形成するために使用されることとなる。
【0241】
次いで、レジスト9−440(たとえば、フォトレジスト)は、
図9−4Cに示されているように、パターニングされたマスキング層9−410の上にパターニングされ得る。レジスト9−440をパターニングするためのアライメント(たとえば、基板に対するマスクのアライメント)は、高度に正確である必要はなく、単に、中央ピラー9−420を被覆するために、及び、表面プラズモン構造体を形成するために使用されることとなるボイド9−430を被覆しないために、レジスト9−440を必要とする。
【0242】
次いで、選択的な異方性エッチが、いくつかの実施形態によれば、
図9−4Dに示されているように、誘電体層5−235をエッチングするために、及び、誘電体の中へ表面プラズモン構造体のパターンを伝達するために、使用され得る。次いで、選択的な等方性エッチが、マスキング層9−410の露出された部分を除去するために使用され得る。等方性エッチは、たとえば、ウェット・エッチであることが可能であるが、いくつかの実施形態では、等方性ドライ・エッチも使用され得る。レジスト9−440が中央ピラー9−420を覆うので、中央ピラーは、
図9−4Eに示されているように、エッチングされることとならず、基板の上にあるままになることとなる。次いで、レジスト9−440が、
図9−4Fに示されているように、基板から剥がされ、ピラー9−420を露出させることが可能である。
【0243】
次いで、いくつかの実施形態によれば、金属導電性材料5−230、又は、導電性材料を含む材料のスタックが、
図9−4Gに図示されているように、領域の上に堆積させられ得る。次いで、中央ピラー9−420、及び、ピラーの上に堆積された材料のキャップが
、ピラーの選択的なウェット・エッチによって除去され、キャップをリフト・オフすることが可能である。中央ピラーの除去は、下層にある表面プラズモン構造体9−450に自己整合されているサンプル・ウェルを残す。
【0244】
代替的なプロセスが、表面プラズモン構造体に自己整合されるサンプル・ウェルを形成するために使用され得、それは、
図9−5Aから
図9−5Eに示されている。いくつかの実施形態によれば、1つ又は複数の導電層9−510、9−520は、
図9−5Aに示されているように、任意の適切なリソグラフィー・プロセスを使用して、透明な誘電体層5−235の上にパターニングされ得る。いくつかの実施形態では、第1の層9−510は、アルミニウムからなることが可能であり、第2の層9−520は、窒化チタンからなることが可能であるが、さまざまな実施形態では、他の材料の組み合わせも使用され得る。1つ又は複数の層の合計厚さは、いくつかの実施形態によれば、サンプル・ウェルの所望の高さにおおよそ均等であることが可能である。パターニングは、サンプル・ウェル5−210と、1つ又は複数の金属層の中のサンプル・ウェルに隣接するボイド9−525とを形成することが可能である。ボイドは、所望の表面プラズモン構造体のパターンの中に配置され得る。
【0245】
いくつかの実施形態では、誘電体層5−235は、
図9−5Bに示されているように、表面プラズモン構造体及びサンプル・ウェル5−210のパターンを誘電体層の中へ伝達するようにエッチングされ得る。誘電体の中へのエッチ深さは、いくつかの実施形態によれば、おおよそ20nmからおおよそ150nmの間であることが可能である。レジスト9−440は、
図9−5Cに示されているように、サンプル・ウェルを被覆するようにパターニングされ得る。レジストをパターニングするためのアライメントは、高度に正確である必要はなく、表面プラズモン構造体を形成するために使用されることとなる誘電体層5−235のエッチングされた隣接する領域を被覆することなく、サンプル・ウェルを被覆することだけを必要とする。
【0246】
図9−5Dに図示されているように、導電性材料9−512、又は、導体を含む材料の層が、任意の適切な堆積プロセスを使用して、領域の上に堆積させられ得る。材料9−512は、誘電体層のエッチングされた領域を充填することが可能であり、また、1つ又は複数の層9−510、9−520の上に延在することが可能である。次いで、レジスト9−440、及び、レジストを被覆する材料が、リフト・オフ・プロセスにしたがって除去され得る。
図9−5Eに示されている、結果として生じる構造体は、取り囲む表面プラズモン構造体に自己整合されているサンプル・ウェルを残す。サンプル・ウェルは、ディボット5−216を含む。
【0247】
いくつかの実施形態では、
図9−5Aから
図9−5Eに示されているプロセスは、ディボット5−216を有さないサンプル・ウェルを形成するために使用され得る。たとえば、レジスト5−440は、誘電体層5−235がエッチングされる前に、サンプル・ウェル5−210の上にパターニングされ得る。次いで、誘電体層5−235が、エッチングされ得、それは、表面プラズモン構造体のパターンを誘電体層に伝達することとなるが、ディボットは形成しない。次いで、プロセスは、
図9−5D及び
図9−5Eに図示されているように進行し、ディボットを有さない自己整合されたサンプル・ウェルを生成させることが可能である。
【0248】
G. 振幅/位相励起カップリング構造体
表面プラズモン構造体に加えて、又は、表面プラズモン構造体の代替として、他の構造体が、サンプル・ウェル5−210の付近にパターニングされ、サンプル・ウェルの中の励起エネルギーを増加させることが可能である。たとえば、いくつかの構造体は、入射励起場の位相及び/又は振幅を変更することが可能であり、サンプル・ウェルの中の励起エ
ネルギーの強度を増加させるようになっている。
図9−6Aは、薄い損失性膜9−610を示しており、薄い損失性膜9−610は、入射励起放射線の位相及び振幅を変更するために、ならびに、サンプル・ウェルの中の電磁放射線の強度を増加させるために使用され得る。
【0249】
いくつかの実施形態によれば、薄い損失性膜は、励起放射線の強め合いの干渉を生成させ、サンプル・ウェルの励起領域の中の場の増強を結果として生じさせることが可能である。
図9−6Bは、サンプル・ウェルへ入射する励起放射線の数値シミュレーションを示しており、そこでは、薄い損失性膜9−610がサンプル・ウェルに直接隣接して形成されている。シミュレーションに関して、サンプル・ウェルは、おおよそ80nmの直径を有しており、また、おおよそ200nmの厚さの金の金属製の層の中に形成されている。サンプル・ウェルは、SCNからなるものでもよく、サンプル・ウェルを通る励起放射線の伝播を抑制する。薄い損失性膜9−610は、おおよそ10nmの厚さであり、ゲルマニウムから形成されており、二酸化ケイ素からなる下層にある透明な誘電体を覆っている。薄い損失性膜は、サンプル・ウェルのエントランス・アパーチャを横切って延在している。シミュレーションは、励起放射線の強度がサンプル・ウェルのエントランス・アパーチャにおいて最高値であるということを示している。この明るい領域9−620の中の励起放射線の強度は、サンプル・ウェルの左及び右に対する強度の値の2倍より大きい。
【0250】
薄い損失性膜は、任意の適切な材料から作製され得る。たとえば、薄い損失性膜は、屈折率nがその材料に関する吸光係数kとおおよそ同じ桁数となっている、材料から作製され得る。いくつかの実施形態では、薄い損失性膜は、屈折率nがその材料の吸光係数kの値から約2桁の差の中にある、材料から作製され得る。可視波長におけるそのような材料の非限定的な例は、ゲルマニウム及びシリコンである。
【0251】
薄い損失性膜は、任意の適切な厚さであることが可能であり、それは、1つ又は複数の励起供給源に関連付けられる、1つ又は複数の特性波長に依存することが可能である。いくつかの実施形態では、薄い損失性膜は、おおよそ1nmからおおよそ45nmの間の厚さであることが可能である。他の実施形態では、薄い損失性膜は、おおよそ15nmからおおよそ45nmの間の厚さであることが可能である。さらなる他の実施形態では、薄い損失性膜は、おおよそ1nmからおおよそ20nmの間の厚さであることが可能である。
【0252】
サンプル・ウェルがその中に形成されている材料5−230からの反射率に対する薄い損失性膜の影響、薄い損失性膜の中の励起エネルギー損失、及び、材料5−230の中の励起エネルギー損失が、
図9−6Cのグラフに示されている。グラフの中にプロットされている1つの曲線は、反射率曲線9−634を表しており、また、薄い損失性膜の厚さが0nmから100nmへ変化するにつれて、材料5−230及び薄い損失性膜9−610からの反射率がどのように変化するかということを示している。反射率は、シミュレートされた実施形態によれば、約25nmにおいて最小値に到達している。反射率最小は、励起エネルギーの特性波長、ならびに、薄い損失性膜及び材料5−230に関して使用される材料に応じて、異なる厚さで起こることとなる。いくつかの実施形態では、薄い損失性膜の厚さは、反射率がおおよそその最小値となるように選択される。
【0253】
いくつかの実施形態では、薄い損失性膜9−610は、
図9−6Dに示されているように、サンプル・ウェル5−210及び材料5−230から間隔を置いて配置され得る。たとえば、薄い誘電体層9−620(たとえば、酸化ケイ素SiO
x)が、薄い損失性膜の上に形成され得、また、サンプル・ウェル5−210は、誘電体層9−620に隣接して形成され得る。誘電体層5−620の厚さは、いくつかの実施形態によれば、おおよそ10nmからおおよそ150nmの間であることが可能であるが、いくつかの実施形態では、他の厚さも使用され得る。
【0254】
単一の層として示されているが、薄い損失性膜は、2つ以上の材料の複数の層からなることが可能である。いくつかの実施形態では、薄い損失性膜9−610及び誘電体層9−620の交互層からなる多層スタックが、
図9−6Eに示されているように、サンプル・ウェル5−210に隣接して形成され得る。層のスタックの中の薄い損失性膜9−610の厚さは、おおよそ5nmからおおよそ100nmの間であることが可能であり、スタックの中の誘電体層5−620の厚さは、いくつかの実施形態によれば、おおよそ5nmからおおよそ100nmの間であることが可能である。いくつかの実施形態では、多層スタックは、おおよそ2nmからおおよそ8nmの間の厚さを有する二酸化ケイ素の層、おおよそ5nmからおおよそ20nmの間の厚さを有するシリコンの層、及び、おおよそ2nmからおおよそ12nmの間の厚さを有するゲルマニウムの層からなることが可能であるが、他の実施形態では、他の厚さも使用され得る。いくつかの実施形態では、多層スタックは、二酸化ケイ素の層(おおよそ4.2nmの厚さ)、シリコンの層(おおよそ14.4nmの厚さ)、及び、ゲルマニウムの層(おおよそ6.5nmの厚さ)からなることが可能であるが、他の実施形態では、他の厚さも使用され得る。
【0255】
薄い損失性膜は、入射放射線に対して少なくともいくらかの損失を示す任意の適切な材料から製作され得る。いくつかの実施形態では、薄い損失性膜は、たとえばシリコン及びゲルマニウムなど、半導体材料からなることが可能であるが、他の材料も使用され得る。いくつかの実施形態では、薄い損失性膜は、無機材料又は金属からなることが可能である。いくつかの実施形態では、薄い損失性膜は、合金又は化合物半導体からなることが可能である。たとえば、薄い損失性膜は、Si(57.4重量%)、Ge(25.8重量%)、及びSiO
2(16.8重量%)を含む合金からなることが可能であるが、他の実施形態では、他の比率及び組成も使用され得る。
【0256】
いくつかの実施形態によれば、薄い損失性膜は、たとえば、物理的な堆積プロセス、化学蒸着プロセス、スピン・オン・プロセス、又は、それらの組み合わせなど、任意の適切なブランケット堆積プロセスを使用して、基板の上に形成され得る。いくつかの実施形態では、薄い損失性膜は、堆積の後に処置され、たとえば、焼かれ、アニーリングされ、及び/又は、イオン注入を受けることが可能である。
【0257】
他の位相/振幅を変更する構造体が、追加的に又は代替的に使用され、サンプル・ウェルの中の励起エネルギーを増強することが可能である。いくつかの実施形態によれば、及び、
図9−7Aに示されているように、反射スタック9−705は、サンプル・ウェル5−210から間隔を置いて配置され得る。いくつかの実施形態では、反射スタックは、交互の屈折率を有する材料の誘電体スタックからなることが可能である。たとえば、第1の誘電体層9−710は、第1の屈折率を有することが可能であり、第2の誘電体層9−720は、第1の屈折率とは異なる第2の屈折率を有することが可能である。反射スタック9−705は、いくつかの実施形態では、励起放射線に関して高い反射性を示すことが可能であり、また、サンプル・ウェルの中のエミッターからの放射エミッションに関して低い反射性を示すことが可能である。たとえば、反射スタック9−705は、励起放射線に関しておおよそ80%よりも大きい反射性を示すことが可能であり、また、サンプルからのエミッションに関しておおよそ40%よりも低い反射性を示すことが可能であるが、いくつかの実施形態では、他の反射性の値も使用され得る。励起エネルギーを送信する誘電体層9−730が、反射スタックとサンプル・ウェルとの間に位置付けされ得る。
【0258】
いくつかの実施形態によれば、
図9−7Aに示されている反射スタック9−705は、サンプル・ウェル5−210がその中に形成されている材料5−230とともに、共振器又は共鳴キャビティーを形成することが可能である。たとえば、反射スタックは、誘電材料9−730の中の励起放射線の波長の2分の1又はその整数倍におおよそ等しい距離だ
け、材料5−230から間隔を置いて配置され得る。共振器を形成することによって、励起エネルギーは、反射スタックを通過し、共鳴し、材料5−230と反射スタック9−705との間のスペースの中で増大することが可能である。これは、サンプル・ウェル5−210の中の励起強度を増加させることが可能である。たとえば、強度は、いくつかの実施形態では2倍以上、いくつかの実施形態では5倍以上、さらに、いくつかの実施形態では10倍以上、共鳴構造体の中で増加することが可能である。
【0259】
サンプル・ウェルにおいて形成される共鳴キャビティーは、いくつかの実施形態によれば、Gires−Tournois共振器からなることが可能である。いくつかの実施形態では、共鳴構造体は、線形の共鳴キャビティー又はリング共振器からなることが可能である。いくつかの実施形態では、共鳴構造体は、サンプル・ウェルに隣接して形成される分布Bragg反射体からなることが可能である。分布Bragg反射体は、異なる屈折率を有する材料の交互層からなることが可能である。いくつかの実施形態では、共鳴キャビティーは、マイクロキャビティーからなることが可能である。マイクロキャビティーは、マイクロ・スケール寸法を有することが可能である。いくつかの態様では、マイクロキャビティーは、(共鳴キャビティーの屈折率nによって修正されるように)励起供給源の特性波長の2分の1又はその倍数におおよそ等しいサイズを有することが可能である。たとえば、マイクロキャビティーの寸法は、Μλ/2nであることが可能であり、ここで、Mは整数である。
【0260】
追加的な構造体が、
図9−7B及び
図9−7Cに示されているように、サンプル・ウェルの付近に追加され得る。いくつかの実施形態によれば、誘電体層9−730の第2の屈折率よりも高い第1の屈折率を有する誘電体プラグ9−740が、
図9−7Bに示されているように、サンプル・ウェル5−210に隣接して形成され得る。プラグは、サンプル・ウェルの直径におおよそ等しい直径を有するシリンダーの形状をしていることが可能であるが、他の形状及びサイズも使用され得る。そのより高い屈折率に起因して、誘電体プラグ9−740は、励起放射線を濃縮し、サンプル・ウェルに向けて励起放射線をガイドすることが可能である。
【0261】
プラグ9−740などのような誘電体構造体は、いくつかの実施形態によれば、反射スタック9−705の有無にかかわらず使用され得る。そのような誘電体構造体は、誘電体共鳴アンテナと称され得る。誘電体共鳴アンテナは、たとえば、円筒形状の、長方形、正方形、多角形、台形、又はピラミッド形など、任意の適切な形状を有することが可能である。
【0262】
図9−7C及び
図9−7Dは、いくつかの実施形態によれば、サンプル・ウェル5−210の付近に形成され得るフォトニック・バンドギャップ(PBG)構造体を示している。フォトニック・バンドギャップ構造体は、光学コントラスト構造体9−750の規則的なアレイ又は格子からなることが可能である。光学コントラスト構造体は、いくつかの実施形態によれば、取り囲む誘電材料の屈折率とは異なる屈折率を有する誘電材料からなることが可能である。いくつかの実施形態では、光学コントラスト構造体9−750は、取り囲む媒体とは異なる損失値を有することが可能である。いくつかの実施形態では、サンプル・ウェル5−210は、
図9−7Dに示されているような格子の中の欠陥に位置付けされ得る。さまざまな実施形態によれば、フォトニック格子の中の欠陥は、欠陥の領域の中に光子を閉じ込めることが可能であり、それは、サンプル・ウェルにおける励起エネルギーの強度を増強させることが可能である。フォトニック・バンドギャップ構造体に起因する閉じ込めは、基板の表面の横断方向に実質的に2次元になっていることが可能である。反射スタック9−705と組み合わせられるときには、閉じ込めは、サンプル・ウェルにおいて3次元になっていることが可能である。いくつかの実施形態では、フォトニック・バンドギャップ構造体は、反射スタックなしで使用され得る。
【0263】
図9−6Aから
図9−7Dに示されている励起カップリング構造体を製作するためのさまざまな方法が考えられてきた。薄い平面的な膜(たとえば、交互の屈折率の誘電体膜)を必要とする構造体は、いくつかの実施形態によれば、平面的な堆積プロセスによって形成され得る。平面的な堆積プロセスは、物理的な堆積(たとえば、電子ビーム・エバポレーション又はスパッタリング)又は化学蒸着プロセスからなることが可能である。
図5−7Bに示されている誘電体共鳴アンテナ9−740、又は、
図9−7Cに示されている光学コントラスト構造体9−750などのような、3次元の形状に形成された別個の埋め込まれている誘電体を必要とする構造体は、基板の中へパターンをエッチングするためにリソグラフィック・パターニング及びエッチング・プロセスを使用して、ならびに、たとえば、その後の誘電体層の堆積、及び、基板の平坦化を使用して、形成され得る。また、考えられるのは、サンプル・ウェル5−210の付近に誘電体共鳴アンテナ及びフォトニック・バンドギャップ構造体を形成するための自己アライメント・プロセッシング技法である。
【0264】
H. 振幅/位相励起カップリング構造体の製作
図9−8Aから
図9−8Gは、
図9−7Cに図示されているようなフォトニック・バンドギャップ構造体及び自己整合されたサンプル・ウェルを形成するために使用され得る、単に1つの自己アライメント・プロセスに関するプロセス工程に関連付けられる構造体を示している。いくつかの実施形態によれば、反射スタック9−705が、最初に、
図9−8Aに図示されているように、誘電体層5−245の上の基板の上に形成され得る。次いで、第2の誘電体層9−730が、反射スタックの上に堆積させられ得る。誘電体層9−730の厚さは、材料の中の励起放射線の波長の約2分の1又はその整数倍におおよそ等しいことが可能である。次いで、
図9−4Aから
図9−4Eに関連して説明されているプロセス工程が、誘電体層9−730の上のピラー5−920、及び、フォトニック・バンドギャップ構造体に関してエッチングされた特徴9−810のパターンを形成するために実施され得る。エッチングされた特徴は、誘電体層9−730の中へ、及び、随意的に、反射スタック9−705の中へ、延在することが可能である。結果として生じる構造体は、
図9−8Aに示されているように出現することが可能である。
【0265】
ピラー9−420を被覆するレジスト9−440が、基板から剥がされ得、また、コンフォーマルな堆積が、
図9−8Bに示されているように行われ、エッチングされた特徴を充填材料9−820によって充填することが可能である。充填材料9−820は、いくつかの実施形態によれば、ピラー9−420を形成するために使用されるのと同じ材料であることが可能である。たとえば、充填材料9−820及びピラー9−420は、窒化ケイ素から形成され得、誘電体層9−730は、たとえばSiO
2など、酸化物からなることが可能である。
【0266】
次いで、異方性エッチが、充填材料9−820をエッチ・バックするために実施され得る。充填材料は、いくつかの実施形態によれば、エッチ・バックされ、誘電体層9−730の表面を露出させ、
図9−8Cに示されているような構造体を結果として生じさせることが可能である。エッチは、ピラー9−830を残すことが可能であり、ピラー9−830は、オリジナルのピラー9−420と、充填材料9−820から残る側壁部9−822とからなる。
【0267】
次いで、レジスト9−440が、
図9−8Dに示されているように、基板の上にパターニングされ得る。たとえば、レジストが、基板の上にコーティングされ得、ホールが、レジストの中にパターニングされ得、レジストが、ピラー9−830の周りのレジストの中の領域を切り開くために現像され得る。ピラーに対するホールのアライメントは、高度に正確である必要はなく、誘電体層9−730の中に埋め込まれている下層にあるフォトニ
ック・バンドギャップ構造体を露出させることなく、ピラー9−830を露出させることだけを必要とする。
【0268】
ピラー9−830が露出された後に、等方性エッチが、ピラーの横断方向の寸法を低減させるために使用され得る。いくつかの実施形態によれば、結果として生じるピラー形状は、
図9−8Eに示されているように出現することが可能である。次いで、レジスト9−440は、基板から剥がされ得、材料5−230、又は、材料の層が、領域の上に堆積させられ得る。いくつかの実施形態では、材料5−230は、CMPプロセスを使用してエッチ・バックされ、
図9−8Fに示されているように領域を平坦化することが可能である。その後に、選択的なドライ又はウェット・エッチが、
図9−8Gに図示されているように、残りのピラー構造体を除去するために使用され、サンプル・ウェル5−210を残すことが可能である。図面によって示されているように、サンプル・ウェル5−210は、誘電体層9−730の中にパターニングされているフォトニック・バンドギャップ構造体に自己整合されている。
【0269】
代替的なプロセスとして、充填材料9−820は、ピラー9−420を形成するために使用される材料とは異なる材料からなることが可能である。このプロセスでは、
図9−8D及び
図9−8Eに関連付けられる工程は、省略される可能性がある。
図9−8Fに示されているように、材料5−230の堆積及び平坦化の後に、選択的エッチが行われ、ピラー9−420を除去することが可能である。これは、サンプル・ウェル5−210をライニングする充填材料9−820の側壁部を残すことが可能である。
【0270】
I. 非放射励起カップリング構造体及び製作
また、サンプル・ウェルの中のサンプルとの励起エネルギーの非放射カップリングに関する構造体が、本発明者によって考えられた。非放射カップリング構造体の単に1つの実施形態が、
図9−9Aに示されている。いくつかの実施形態によれば、非放射カップリング構造体は、サンプル・ウェル5−210に直接隣接して形成される半導体層9−910からなることが可能である。半導体層9−910は、いくつかの実施形態では、有機半導体であることが可能であり、又は、いくつかの実施形態では、無機半導体であることが可能である。いくつかの実施形態では、ディボット5−216は、半導体層の中に形成されてもよいし、又は形成されなくてもよい。半導体層9−910は、いくつかの実施形態によれば、おおよそ5nmからおおよそ100nmの間の厚さを有することが可能であるが、いくつかの実施形態では、他の厚さも使用され得る。いくつかの実施形態によれば、励起供給源からの励起放射線又は光子9−930が、半導体層9−910に衝突し、エキシトン9−920を作り出すことが可能である。エキシトンは、サンプル・ウェルの表面まで拡散することが可能であり、そこで、それらは、非放射で再結合し、サンプル・ウェルの壁部に隣接するサンプルにエネルギーを伝達することが可能である。
【0271】
図9−9Bは、別の実施形態を示しており、その別の実施形態では、半導体層5−912が使用され、励起エネルギーからのエネルギーをサンプルに非放射で伝達することが可能である。いくつかの実施形態では、半導体層9−912は、図面に示されているように、サンプル・ウェルの底部に、又は、サンプル・ウェル5−210のディボットの中に形成され得る。半導体層5−912は、いくつかの実施形態によれば、サンプル・ウェルのベースにおいて接着性物質を堆積させるためのプロセス工程に関連して本明細書で説明されているような指向性堆積プロセスを使用することによって、サンプル・ウェルの中に形成され得る。半導体層9−912は、いくつかの実施形態によれば、おおよそ5nmからおおよそ100nmの間の厚さを有することが可能であるが、他の実施形態では、他の厚さも使用され得る。入射放射線が、半導体層の中にエキシトンを発生させることが可能であり、それは、次いで、サンプル・ウェル5−210の底部表面へ拡散することが可能である。次いで、エキシトンは、サンプル・ウェルの中のサンプルにエネルギーを非放射で
伝達することが可能である。
【0272】
また、励起エネルギーをサンプルに伝達するための複数の非放射経路が、本発明者によって考えられた。いくつかの実施形態によれば、及び、
図9−9Cに示されているように、エネルギー伝達粒子9−940が、サンプル・ウェルの中に堆積させられ得る。エネルギー伝達粒子は、いくつかの実施形態では、量子ドットからなることが可能であり、又は、いくつかの実施形態では、分子からなることが可能である。いくつかの実施形態では、エネルギー伝達粒子9−940は、リンキング分子を通して、サンプル・ウェルの表面に官能基化され得る。薄い半導体層9−910が、サンプル・ウェルに隣接して、又は、サンプル・ウェルの中に形成され得、エキシトンは、図面に示されているように、半導体層へ入射する励起放射線から半導体層の中に発生させられ得る。エキシトンは、サンプル・ウェルの表面へ拡散し、エネルギー伝達粒子9−940にエネルギーを非放射で伝達することが可能である。次いで、エネルギー伝達粒子9−940は、サンプル・ウェルの中のサンプル5−101にエネルギーを非放射で伝達することが可能である。
【0273】
いくつかの実施形態によれば、サンプル・ウェルの中に2つ以上のエネルギー伝達粒子9−940が存在することが可能である。たとえば、エネルギー伝達粒子9−942の層が、
図9−9Cに示されているサンプル・ウェルなどのような、サンプル・ウェルの中に堆積させられ得る。
【0274】
いくつかの実施形態では、エネルギー伝達粒子9−942、又は、単一のエネルギー伝達粒子9−940は、
図9−9Dに示されているように、サンプル・ウェルのベースに堆積させられ得る。1つ又は複数のエネルギー伝達粒子は、ウェルの中のサンプル5−101に励起エネルギーを放射で又は非放射で伝達することが可能である。たとえば、エネルギー伝達粒子は、入射放射線を吸収し、エネルギー伝達粒子の励起状態を形成し、次いで、サンプル5−101にエネルギーを放射で又は非放射で伝達することが可能である。
【0275】
いくつかの実施形態では、エネルギー伝達粒子は、入射励起エネルギーを吸収し、次いで、吸収された励起エネルギーの波長とは異なる波長で、放射エネルギーを再放出することが可能である。次いで、再放出されたエネルギーは、サンプル・ウェルの中のサンプルを励起するために使用され得る。
図9−9Fは、ダウン・コンバートするエネルギー伝達粒子に関連付けられるスペクトル・グラフを表している。いくつかの実施形態によれば、ダウン・コンバートするエネルギー伝達粒子は、量子ドットからなり、量子ドットは、短波長放射線(より高いエネルギー)を吸収し、1つ又は複数のより長い波長放射線(より低いエネルギー)を放出することが可能である。例示的な吸収曲線9−952が、6nmから7nmの間の半径を有する量子ドットに関して、点線としてグラフの中に示されている。量子ドットは、曲線9−954によって図示されている放射線の第1のバンド、曲線9−956によって図示されている放射線の第2のバンド、及び、曲線9−958によって図示されている放射線の第3のバンドを放出することが可能である。
【0276】
いくつかの実施形態では、エネルギー伝達粒子は、励起供給源からのエネルギーをアップ・コンバートすることが可能である。
図9−9Fは、エネルギー伝達粒子からのアップ・コンバートに関連付けられるスペクトルを示している。いくつかの実施形態によれば、量子ドットは、おおよそ980nmにおいて放射線によって励起され、次いで、グラフの中に図示されているような3つのスペクトル・バンドのうちの1つの中へ再放出することが可能である。第1のバンドは、おおよそ483nmに中心を合わせられ得、第2のバンドは、おおよそ538nmに中心を合わせられ得、第3のバンドは、おおよそ642nmに中心を合わせられ得る。量子ドットから再放出される光子は、量子ドットを励起するために使用される放射線の光子よりも高エネルギーである。したがって、励起供給源からのエネルギーは、アップ・コンバートされる。放出されるスペクトル・バンドのうちの1つ
又は複数は、サンプル・ウェルの中の1つ又は複数のサンプルを励起するために使用され得る。
【0277】
J. エミッション・エネルギーをセンサーに方向付けすること
1つ又は複数のコンポーネントが、サンプル・ウェルとピクセルの中の対応するセンサーとの間に形成され、センサーによるサンプル・ウェルの中のサンプルからのエミッション・エネルギーの収集を改善することが可能である。そのようなコンポーネントは、試料の中のサンプルを特定するためのマーカの検出を改善するために、背景信号に対するエミッション・エネルギー信号の信号対雑音比を改善することが可能である。そのようなコンポーネントは、異なる特性波長のエミッション・エネルギーを空間的に方向付けるように、及び/又は、空間的に分離するように、設計され得る。そのようなコンポーネントは、直接サンプル・ウェルからの励起エネルギーをピクセルの中の1つ又は複数の対応するセンサーに方向付けすることが可能である。いくつかの実施形態では、構造体に対するサンプル・ウェルの場所は、サンプル・ウェルからのエミッション・エネルギーを特定の方式で1つ又は複数のセンサーに向けて方向付けするように選択される。エミッション・エネルギーに基づいて1つ又は複数のマーカを特定するときに、エレメントは、マーカによって放出される特性波長に依存する放射線分布パターンの中へエミッション・エネルギーを方向付けするように構成され得る。複数のマーカは、それぞれが異なるスペクトル範囲の中で放出し、集積デバイスの中のエミッション方向付けコンポーネントにエミッション・エネルギーがカップリングするときに形成する放射線パターンによって区別可能であり得る。フィルターなどのような、他のコンポーネントが、ピクセルの中のサンプルに関連付けられない励起エネルギー及び他のエネルギーがピクセルの対応する1つ又は複数のセンサーに到達することを低減させることが可能である。
【0278】
1. 表面オプティクス
ピクセルのサンプル・ウェルの近くに位置付けされているピクセルの中のコンポーネントは、サンプル・ウェルの中に位置付けされているときに、サンプルによって放出されるエミッション・エネルギーとカップリングするように構成され得る。そのようなコンポーネントは、集積デバイスの2つの層の間の界面において形成され得る。たとえば、いくつかのエミッション・エネルギー・カップリング・エレメントが、サンプル・ウェル層と、サンプル・ウェルが形成されている場所と反対側にサンプル・ウェル層に隣接する層との間の界面において形成され得る。いくつかの場合には、サンプル・ウェル層の下の層は、誘電体層であり、エミッション・エネルギー・カップリング・エレメントは、表面プラズモンをサポートすることが可能である。他の実施形態では、サンプル・ウェル層は、光学的に透明な材料に隣接する導電性材料であることが可能である。表面エネルギー・カップリング・エレメントは、表面光学的な構造体であることが可能であり、表面光学的な構造体は、サンプル・ウェルからの放射エミッションによって励起され、サンプル・ウェルからの放射エミッションと相互作用する。表面光学的な構造体は、異なる特性波長のエミッション・エネルギーに関して、異なる空間的な放射線パターンを形成するように構成され得る。「特性波長」又は「特性エネルギー」という用語は、供給源から放出される放射線の限定されたバンド幅の中の中央の又は支配的な波長を表すために使用され得る。フルオロフォアの特性波長の例は、563nm、595nm、662nm、及び687nmである。
【0279】
グレーチング周期、特徴サイズ、又は、サンプル・ウェルからの距離などのような、表面光学的な構造体の特性寸法は、エミッション・エネルギー運動量ベクトルの平行な成分を表面プラズモンに関する表面波運動量ベクトルの中へ最大限にカップリングするために選択され得る。たとえば、エミッション・エネルギー運動量ベクトルの平行な成分は、いくつかの実施形態によれば表面プラズモン構造体によって支持される表面プラズモンに関する表面波運動量ベクトルにマッチさせられ得る。いくつかの実施形態では、サンプル・
ウェルから表面光学的な構造体の縁部又は特性特徴への距離dは、たとえば、表面に対して垂直であるか、又は表面に対して垂直方向から角度θだけ傾けられているなど、選択された方向に、サンプル・ウェルからのエミッション・エネルギーを方向付けするように選択され得る。たとえば、距離dは、表面に対して垂直にエミッションを方向付けするために表面プラズモン波長の整数であることが可能である。いくつかの実施形態では、距離dは、表面に対して垂直から角度θにエミッションを方向付けするために、分数の表面プラズモン波長又はその波長モジュロ(modulor)となるように選択され得る。
【0280】
動作時には、表面エネルギー・カップリング・コンポーネント及びサンプル・ウェルは、サンプル・ウェルから、サンプル・ウェルを含有するピクセルの中の1つ又は複数のセンサーに向けて放射されるエミッション・エネルギーの量を増加させるように構成され得る。表面エネルギー・カップリングがなければ、励起されるサンプルは、等方的に放射線を放出することが可能であり、ゼロモード導波路としての役割を果たすサンプル・ウェルの存在は、放射線がナノアパーチャを通って伝播しなくてもよいので、ハーフ・シェル又はLambertian分布へのほとんどのエミッションを制限することが可能である。表面エネルギー・カップリング・コンポーネントの追加は、高度に異方性のエミッション分布を生成させることが可能である。
【0281】
いくつかの実施形態によれば、表面光学的な構造体は、サンプル・ウェルからの放射エミッション・エネルギーを、第1の方向に及び/又は第1の特性空間的なパターンで、第1の特性波長でカップリングすることが可能である。カップリングされたエネルギーは、狭くなった異方性放射線パターンで、第1の方向に方向付けされ得る。いくつかの実施形態では、表面光学的な構造体は、同じサンプル・ウェルからの放射エミッション・エネルギーを、第1の方向及び/又は第1の特性空間的なパターンとは異なる、第2の方向及び/又は第2の特性空間的なパターンで、第2の特性波長でさらにカップリングすることが可能である。また、第2のエミッションは、狭くなった異方性放射線パターンで方向付けされ得る。いくつかの実施形態では、第1の特性波長を備える放射線が、表面光学的な構造体が形成されている表面に対して垂直の狭くなったローブの中に方向付けされており、第2の特性波長の放射線は、表面に対して垂直方向からある角度で、環状のローブの中に方向付けされている。
【0282】
表面光学的な構造体の例は、同心円状のグレーチングである。同心円状のグレーチング構造体は、集積デバイスのピクセルの中に形成され、ピクセルの1つ又は複数のセンサーに向けてエミッション・エネルギーを方向付けすることが可能である。同心円状のグレーチング・リング構造体、又はブルズ・アイ構造体は、サンプル・ウェルの周りに形成され得る。同心円状のグレーチング構造体は、サンプル・ウェルとカップリングし、サンプル・ウェルからのエミッション・エネルギーの伝播を改善することが可能である。追加的に、同心円状のグレーチング構造体は、サンプル・ウェルの中のサンプルによって放出されるエミッション・エネルギーを、放射線パターンの中へ方向付けすることが可能であり、その放射線パターンにおいて、それは、エミッション・エネルギーの特性波長に依存して形成する。
【0283】
同心円状の円形グレーチング表面10−102の例が、表面プラズモン構造体として、
図10−1に示されている。円形グレーチングは、任意の適切な数のリングからなることが可能であり、
図10−1に示されているリングの数が、非限定的な例である。円形グレーチングは、導電性膜の表面から突出するリングからなることが可能である。たとえば、円形グレーチングは、サンプル・ウェル層と、サンプル・ウェル層の下に形成された誘電体層の界面に形成され得る。サンプル・ウェル層は、導電性材料であることが可能であり、同心円状のグレーチングは、導電性材料と誘電体との間の界面においてグレーチング構造体をパターニングすることによって形成され得る。円形のグレーチングのリングは、規
則的な周期的なスペーシングとなっていることが可能であり、又は、リング同士の間に非規則的な又は非周期的なスペーシングを有することが可能である。サンプル・ウェルは、円形のグレーチングの中心に位置付けされ、又は、円形のグレーチングの中心の近くに位置付けされ得る。いくつかの実施形態では、サンプル・ウェルは、円形のグレーチングの中心から外れて位置付けされ得、また、グレーチングの中心から特定の距離に位置決めされ得る。いくつかの実施形態では、グレーチング・タイプ表面エネルギーカップリング・コンポーネントは、スパイラル・グレーチングからなることが可能である。スパイラル・グレーチング10−202の例が、
図10−2に示されている。スパイラル・グレーチング10−202は、導電性膜の中のスパイラル・アパーチャからなることが可能である。スパイラル・グレーチングの任意の適切な寸法が、スパイラル・グレーチングを形成するために使用され得る。
【0284】
グレーチング構造体は、サンプル・ウェルの近くに形成され得、エミッション・エネルギーがグレーチング構造体とカップリングするようになっている。グレーチング構造体は、エミッション・エネルギーの特性波長に基づいて、エミッション・エネルギーの空間的な分布パターンを形成するように構成され得る。異なる空間的な分布パターンは、異なる特性波長に関して形成することが可能である。サンプル・ウェルの下に位置決めされている同心円状のグレーチングを有する結果として形成する、可能性のある空間的な分布パターンの例が、
図10−3から
図10−6に示されている。たとえば、集積デバイスの層10−306は、サンプル・ウェルの下に位置決めされている同心円状のグレーチング構造体10−302を備えるサンプル・ウェルを含有することが可能である。第1の特性波長を有するエミッション・エネルギーが、サンプル・ウェルの中のサンプルによって放出されるときには、エミッション・エネルギーは、同心円状のグレーチングとカップリングし、
図10−3に図示されている第1の空間的な分布パターン10−304を形成する。追加的に、第2の特性波長を有するエミッション・エネルギーが、サンプル・ウェルの中のサンプルによって放出されるときには、
図10−4に示されている分布パターン10−404などのような、第2の分布パターンが形成することが可能である。同様に、
図10−5は、第3の特性波長を有するエミッション・エネルギーに関する第3の空間的な分布パターン10−504を図示しており、
図10−6は、第4の特性波長を有する第4の空間的な分布パターン10−604を図示している。異なる空間的な分布パターンが、ピクセルの中の空間的に分離されているセンサーによって検出され、第1、第2、第3、及び第4の特性波長の間を見分けることが可能である。
【0285】
表面オプティクス又は表面プラズモン構造体の別の例は、ナノ・アンテナ構造体である。ナノ・アンテナ構造体は、異なる特性波長のエミッション・エネルギーを空間的に方向付けするように、及び/又は、空間的に分離するように設計され得る。いくつかの実施形態では、ナノ・アンテナ構造体に対するサンプル・ウェルの場所は、サンプル・ウェルからのエミッション・エネルギーを、1つ又は複数のセンサーに向けて特定の向きに方向付けするように選択される。ナノ・アンテナは、ナノ・スケール双極子アンテナ構造体からなることが可能であり、ナノ・スケール双極子アンテナ構造体は、エミッション・エネルギーによって励起されるときに、指向性の放射線パターンを作り出すように設計されている。ナノ・アンテナは、サンプル・ウェルの周りに分散され得る。指向性の放射線パターンが、アンテナの電磁界の総和から結果として生じ得る。いくつかの実施形態では、指向性の放射線パターンが、電磁界がサンプルから直接的に放出される状態で、アンテナの電磁界の総和から結果として生じ得る。いくつかの実施形態では、サンプルから直接的に放出される電磁界は、サンプル・ウェルとナノ・アンテナ構造体との間の表面プラズモンによって媒介され得る。
【0286】
ナノ・アンテナ構造体を形成する個々のナノ・アンテナの寸法は、全体的なナノ・アンテナ構造体の組み合わせられた能力が1つ又は複数のエミッション・エネルギーの特定の
分布パターンを作り出すように選択され得る。たとえば、個々のナノ・アンテナの直径は、ナノ・アンテナ構造体の中で変化することが可能である。しかし、いくつかの場合には、直径は、ナノ・アンテナのセットの中で同じであることが可能である。他の実施形態では、数個の選択された直径が、全体的なナノ・アンテナ構造体の全体を通して使用され得る。いくつかのナノ・アンテナは、半径Rの円形の上に分散され得、いくつかは、円形から半径方向にシフトされ得る。いくつかのナノ・アンテナは、半径Rの円形の周りに等しく間隔を置いて配置され得(たとえば、均等な極角インクレメントに中心を合わせられている)、いくつかは、円形の周りの等しいスペーシングからシフトされ得る。いくつかの実施形態では、ナノ・アンテナは、サンプル・ウェルの周りにスパイラル構成で配置され得る。追加的に又は代替的に、サンプル・ウェルの周りのマトリックス・アレイ、十字形分布、及び星形分布などのような、ナノ・アンテナの他の構成が可能である。個々のナノ・アンテナは、正方形、長方形、十字形、三角形、ちょうネクタイ、環状のリング、五角形、六角形、多角形などのような、円形以外の形状であることが可能である。いくつかの実施形態では、アパーチャ又はディスクの周囲は、たとえば、(Ν/2)λなど、おおよそ分数波長の整数の倍数であることが可能である。
【0287】
ナノ・アンテナ・アレイは、サンプルからのエミッション・エネルギーを濃縮された放射線ローブの中へ方向付けすることが可能であり、放射線ローブは、エミッション・エネルギーの特性波長に依存する空間的なパターンを有している。サンプルがエネルギーを放出するときには、サンプル・ウェルからサンプル・ウェルの周りに分散されたナノ・アンテナへ伝播する表面プラズモンを励起することが可能である。次いで、表面プラズモンは、ナノ・アンテナにおける放射線モード又は双極子エミッターを励起することが可能であり、それは、サンプル・ウェル層の表面に対して垂直な放射線を放出する。ナノ・アンテナにおいて励起されるモード又は双極子の位相は、サンプル・ウェルからのナノ・アンテナの距離に依存することとなる。サンプル・ウェルと個々のナノ・アンテナとの間の距離を選択することは、ナノ・アンテナから放出される放射線の位相を制御する。ナノ・アンテナにおいて励起される空間的な放射線モードは、ナノ・アンテナの幾何学形状及び/又はサイズに依存することとなる。個々のナノ・アンテナのサイズ及び/又は幾何学形状を選択することは、ナノ・アンテナから放出される空間的な放射線モードを制御する。アレイの中のすべてのナノ・アンテナ、及び、いくつかの場合にはサンプル・ウェルからの寄与が、放射線パターンを形成する1つ又は複数の全体的な放射線ローブを決定することが可能である。理解され得るように、位相及び個々のナノ・アンテナから放出される空間的な放射線モードは、波長に依存することが可能であり、放射線パターンを形成する1つ又は複数の全体的な放射線ローブが、波長に依存することとなるようになっている。電磁界の数値シミュレーションが用いられ、異なる特性波長のエミッション・エネルギーに関する全体的な放射線ローブ・パターンを決定することが可能である。
【0288】
ナノ・アンテナは、導電性膜の中のホール又はアパーチャのアレイからなることが可能である。たとえば、ナノ・アンテナ構造体は、導電性サンプル・ウェル層と下層にある誘電体層との間の界面において形成され得る。ホールは、中心点を取り囲む同心円状の円形の中に分散されたホールのセットからなることが可能である。いくつかの実施形態では、サンプル・ウェルは、アレイの中心点に位置付けされているが、他の実施形態では、サンプル・ウェルは中心から外れていてもよい。それぞれの円形に分散されたホールのセットは、円形分布の周りに最小から最大へ配置されている異なる直径の収集からなることが可能である。ホール直径は、セット同士の間で異なることが可能であり(たとえば、1つのセットの中の最小ホールは、別のセットの中の最小ホールよりも大きいことが可能である)、最小ホールの場所は、円形のそれぞれのセットに関して、異なる極角で配向され得る。いくつかの実施形態では、円形に分散されたホールの1つから7つのセットが、ナノ・アンテナの中に存在することが可能である。他の実施形態では、7つよりも多いセットが存在することが可能である。いくつかの実施形態では、ホールは、円形でなくてもよく、
任意の適切な形状であることが可能である。たとえば、ホールは、楕円、三角形、矩形などであることが可能である。他の実施形態では、ホールの分布は、円形でなくてもよく、スパイラル形状を生成させることが可能である。
【0289】
図11−1A及び11−1Bは、導電層の中のホール又はアパーチャからなる例示的なナノ・アンテナ構造体を図示している。
図11−1Aは、ホール11−122によって取り囲まれたサンプル・ウェル11−108を備える集積デバイスの表面の上部平面図を示している。ナノ・アンテナ・ホールは、おおよそ半径Rの円形の周りに分散されている。この非限定的な例では、ホール直径は、ホールの円形の周囲の周りでインクレメンタルに増加することによって変化している。
図11−1Bは、線B−Bに沿って、
図11−1Aに示されている集積デバイスの概略を示す断面図である。サンプル・ウェル層11−116は、ナノ・アンテナ構造体の一部であるサンプル・ウェル11−108及びアパーチャ11−122を含むことが可能である。集積デバイスの層6−118は、サンプル・ウェル層11−116の下方に延びる。層11−118は、誘電材料及び/又は光学的に透明な材料であることが可能である。
【0290】
いくつかの実施形態では、ナノ・アンテナ構造体は、複数のディスクからなることが可能である。ナノ・アンテナ構造体のディスクは、導電性材料の表面から突出する導電性ディスクとして形成され得る。導電性材料は、光学的に透明な材料に隣接していることが可能である。いくつかの実施形態では、ナノ・アンテナはサンプル・ウェルの周りに分散され得る。いくつかの場合には、ナノ・アンテナは、半径Rの円形で概ねサンプル・ウェルの周りに分散され得る。ナノ・アンテナ・アレイは、サンプル・ウェルの周りで、おおよそ追加的な異なる半径の円形の上に分散されたナノ・アンテナの複数のセットからなることが可能である。
【0291】
図11−2A及び
図11−2Bは、導電層から突出するディスクからなるナノ・アンテナ構造体の例示的な実施形態を図示している。
図11−2Aは、ディスク11−224によって取り囲まれているサンプル・ウェル11−208を備える集積デバイスの表面の上部平面概略図を示している。ナノ・アンテナディスクは、おおよそ半径Rの円形の周りに分散されている。この非限定的な例では、2つの直径が、ディスクに関して使用され、ディスクは、ナノ・アンテナの円形の周囲の周りで、これらの2つの直径の間で交互になる。
図11−2Bは、線C−C’に沿って、
図11−2Aに示されている集積デバイスの概略を示す断面図である。サンプル・ウェル層11−216は、ナノ・アンテナ構造体の一部であるサンプル・ウェル11−208及びディスク11−224を含むことが可能である。ディスク11−224は、特定の距離だけサンプル・ウェル層11−216から突出している。いくつかの実施形態では、ディスクがサンプル・ウェル層から延在する距離は、ナノ・アンテナ構造体の中で変化することが可能である。集積デバイスの層11−218はサンプル・ウェル層11−216の下方に延びている。層11−218は誘電材料及び/又は光学的に透明な材料からなることが可能である。サンプル・ウェル層11−216及び突出するディスクは、導電性材料であることが可能である。
【0292】
ナノ・アンテナ構造体を形成するホール及び/又はディスクは、任意の適切なパターン又は分布であることが可能であり、サンプル・ウェルからのエミッション・エネルギーが、ナノ・アンテナ構造体のナノ・アンテナのうちの1つ又は複数とカップリングするようになっている。ナノ・アンテナ構造体の別の例を、スパイラル・パターンを表す
図11−3に図示している。サンプル・ウェルは、ナノ・アンテナ構造体11−302に対して、位置11−308において、サンプル・ウェル層の中に位置付けされ得る。エミッション・エネルギーがサンプル・ウェルから放出されるときに、表面プラズモンが、ナノ・アンテナ構造体の領域の中に形成され得る。
図11−4は、ナノ・アンテナ構造体内における表面プラズモンの伝播の例を図示している。ピクセルの中にナノ・アンテナ構造体を形成
するナノ・アンテナの他の例示的なパターン及び分布を、
図11−5,11−6,11−7に示している。
【0293】
ナノ・アンテナ構造体は、異なる特性波長におけるエミッションを区別するために使用され得る。ナノ・アンテナ・アパーチャ構造体は、放射線ローブを作り出すことが可能であり、放射線ローブは、異なる特性波長のエミッション・エネルギーに関して、サンプル・ウェルから異なる方向に延在している。放射線ローブは、エミッション・エネルギーの特性波長に応じて異なる空間的な分布パターンを形成している。サンプル・ウェルの下に位置決めされているナノ・アンテナ構造体を有する結果として形成する、可能性のある空間的な分布パターンの例が、
図11−8,11−9,11−10,11−11に示されている。たとえば、集積デバイスの層11−806は、サンプル・ウェルを含有することが可能であり、ナノアパーチャ構造体11−802が、サンプル・ウェルの下方に位置決めされている。第1の特性波長を有するエミッション・エネルギーが、サンプル・ウェルの中のサンプルによって放出されるときには、エミッション・エネルギーは、ナノ・アンテナ構造体の中のナノ・アンテナとカップリングし、それは、
図11−8に図示されている第1の空間的な分布パターン11−904の中へエミッション・エネルギーを方向付けする。追加的に、第2の特性波長を有するエミッション・エネルギーが、サンプル・ウェルの中のサンプルによって放出されるときには、
図11−9に示されている分布パターン11−1004などのような、第2の分布パターンが形成することが可能である。同様に、
図11−10は、第3の特性波長を有するエミッション・エネルギーに関する第3の空間的な分布パターン11−1104を図示しており、
図11−11は、第4の特性波長を有する第4の空間的な分布パターン11−1204を図示している。異なる空間的な分布パターンは、ピクセルの中の空間的に分離されているセンサーによって検出され、第1、第2、第3、及び第4の特性波長の間を見分けることが可能である。
【0294】
2. 遠視野オプティクス
サンプル・ウェルの中のサンプルから放出されるエミッション・エネルギーは、さまざまな方式で、ピクセルのセンサーに送信され得、そのいくつかの例が、詳細に下記に説明されている。いくつかの実施形態は、光学コンポーネント及び/又はプラズモニック・コンポーネントを使用し、特定の波長の光が、特定の波長の光を検出するように特化されたセンサーの領域又は一部分へ方向付けされる可能性を増加させることが可能である。センサーは、異なる波長のエミッション・エネルギーを同時に検出するための複数のサブ・センサーを含むことが可能である。
【0295】
図12−1Aは、いくつかの実施形態による集積デバイスの単一のピクセルの概略ダイアグラムであり、そこでは、少なくとも1つのソーティング・エレメントが使用され、特定の波長のエミッション・エネルギーをそれぞれのサブ・センサーに方向付けする。導電性材料12−103の中に形成されているサンプル・ウェル12−101が、サンプルを受け入れており、エミッション・エネルギー12−104を放出することが可能である。明確化のために、サンプル・ウェル及び任意の近接場光学コンポーネント及びプラズモニック・コンポーネントの詳細は示されていない。エミッション・エネルギー12−104は、それがソーティング・エレメント12−107に到達するまで、誘電材料12−105を通って進む。ソーティング・エレメント12−107は、エミッション・エネルギー12−104の波長を空間的な自由度にカップリングし、それによって、その構成波長成分へとエミッション・エネルギーを分離し、それは、ソーティングされたエミッション・エネルギーと称される。
図12−1Aは、エミッション・エネルギー12−104が、誘電材料12−109を通って4つのソーティングされたエミッション・エネルギー経路へとスプリットされており、4つの経路のそれぞれが、ピクセルのサブ・センサー12−111から12−114に関連付けられているということを概略的に図示している。このように、それぞれのサブ・センサーが、スペクトルの異なる部分に関連付けられ、集積デバ
イスのそれぞれのピクセルに関してスペクトロメーターを形成する。
【0296】
任意の適切なソーティング・エレメント12−107が、エミッション・エネルギーの異なる波長を分離するために使用され得る。実施形態は、光学エレメント又はプラズモニック・エレメントを使用することが可能である。光学的なソーティング・エレメントの例は、それに限定されないが、ホログラフィック・グレーチング、位相マスク・グレーチング、振幅マスク・グレーチング、及び、オフセットされたフレネル・レンズを含む。プラズモニック・ソーティング・エレメントの例は、それに限定されないが、フェーズド・ナノ・アンテナ・アレイ及びプラズモニック準結晶を含む。
【0297】
図12−1Bは、いくつかの実施形態による集積デバイスの単一のピクセルの概略ダイアグラムであり、そこでは、少なくとも1つのフィルタリング・エレメントが使用され、特定の波長のエミッション・エネルギーをそれぞれのサブ・センサーに方向付けし、他の波長のエミッション・エネルギーがサブ・センサーに到達することを防止する。
図12−1Bのコンポーネントが
図12−1Aのコンポーネントと同様である場合には、同じ参照番号が使用されている。導電性材料12−103の中に形成されているサンプル・ウェル12−101が、サンプルを受け入れており、エミッション・エネルギー12−104を放出することが可能である。明確化のために、サンプル・ウェル及び任意の近接場光学コンポーネント及びプラズモニック・コンポーネントの詳細は示されていない。エミッション・エネルギー12−104は、それがフィルタリング・エレメント12−121から12−124のうちの1つに到達するまで、誘電材料12−105を通って進む。フィルタリング・エレメント12−121から12−124は、特定のサブ・センサー12−111から12−114にそれぞれ関連付けられ、また、フィルタリング・エレメント12−121から12−124は、エミッション・エネルギーを吸収することによって(
図12−1Bには図示されていない)、及び/又は、エミッション・エネルギーを反射することによって、それぞれの波長のエミッション・エネルギーを送信するように、及び、他の波長のエミッション・エネルギーを拒絶するように、それぞれ構成されている。それぞれのフィルタリング・エレメントを通過した後に、フィルタリングされたエミッション・エネルギーは、誘電材料12−109を通って進み、ピクセルの対応するサブ・センサー12−111から12−114に衝突する。このように、それぞれのサブ・センサーは、スペクトルの異なる部分に関連付けられ、集積デバイスのそれぞれのピクセルに関するスペクトロメーターを形成している。
【0298】
任意の適切なフィルタリング・エレメントが、エミッション・エネルギーの異なる波長を分離するために使用され得る。実施形態は、光学的なフィルタリング・エレメント又はプラズモニック・フィルタリング・エレメントを使用することが可能である。光学的なソーティング・エレメントの例は、それに限定されないが、反射性多層誘電体フィルター又は吸収性フィルターを含む。プラズモニック・ソーティング・エレメントの例は、それに限定されないが、特定の波長でエネルギーを送信するように設計された周波数選択性表面、及び、フォトニック・バンド−ギャップ結晶を含む。
【0299】
代替的に、又は、上述のソーティング・エレメント及びフィルタリング・エレメントに加えて、追加的なフィルタリング・エレメントが、それぞれのサブ・センサー12−111から12−114に隣接して設置され得る。追加的なフィルタリング・エレメントは、薄い損失性膜を含むことが可能であり、薄い損失性膜は、特定の波長のエミッション・エネルギーに関して、強め合いの干渉を生成させるように構成されている。薄い損失性膜は、単一の膜又は多層膜であることが可能である。薄い損失性膜は、任意の適切な材料から作製され得る。たとえば、薄い損失性膜は、屈折率nが吸光係数kとおおよそ同じ桁数となっている、材料から作製され得る。他の実施形態では、薄い損失性膜は、屈折率nがその材料の吸光係数kの値から約2桁の差の中にある、材料から作製され得る。可視波長に
おけるそのような材料の非限定的な例は、ゲルマニウム及びシリコンである。
【0300】
薄い損失性膜は、任意の適切な厚さであることが可能である。いくつかの実施形態では、薄い損失性膜は、1〜45nmの厚さであることが可能である。他の実施形態では、薄い損失性膜は、15〜45nmの厚さであることが可能である。さらなる他の実施形態では、薄い損失性膜は、1〜20nmの厚さであることが可能である。
図12−2aは、薄い損失性膜12−211から12−214が、それぞれのサブ・センサー12−111から12−114に関連付けられる波長によって少なくとも部分的に決定された異なる厚さをそれぞれ有している、実施形態を図示している。膜の厚さは、薄い損失性膜を選択的に通過しサブ・センサーに至ることとなる別個の波長を少なくとも部分的に決定する。
図12−211に図示されているように、薄い損失性膜12−211は、厚さd1を有しており、薄い損失性膜12−212は、厚さd2を有しており、薄い損失性膜12−213は、厚さd3を有しており、薄い損失性膜12−214は、厚さd4を有している。それぞれの次に続く薄い損失性膜の厚さは、その前の薄い損失性膜よりも小さくなっており、d1>d2>d3>d4となるようになっている。
【0301】
追加的に又は代替的に、薄い損失性膜は、異なる特質を備える異なる材料から形成され得、異なる波長のエミッション・エネルギーが、それぞれのサブ・センサーにおいて強め合って干渉するようになっている。たとえば、屈折率n及び/又は吸光係数kは、特定の波長のエミッション・エネルギーの伝送を最適化するように選択され得る。
図12−2Bは、同じ厚さを備える薄い損失性膜12−221から12−224を図示しているが、それぞれの薄い損失性膜は、異なる材料から形成されている。いくつかの実施形態では、所望の波長のエミッション・エネルギーが強め合って干渉し、膜を通して送信されるように、薄い損失性膜の材料及び薄い損失性膜の厚さの両方が選択され得る。
【0302】
いくつかの実施形態では、フォトニック結晶共振器構造体が使用され得る。そのような実施形態では、フォトニック結晶構造体の対称性は、センサーにおける励起光の弱め合いの干渉を引き起こし、それによって、励起光を起源とする、センサーに到達する背景光の量を低減させることが可能である。
【0303】
K. センサー
センサー、センサー動作、及び信号処理方法のさまざまな実施形態が、本発明者によって考えられた。いくつかの実施形態によれば、ピクセルにおけるセンサー5−260は、サンプル・ウェルの中の1つ又は複数のタグからのエミッション・エネルギーを受け取ることができ、かつ、受け取られたエミッションを表す1つ又は複数の(たとえば、少なくとも2、3、又は4)電気信号を作り出すことができる、任意の適切なセンサーからなることが可能である。いくつかの実施形態では、センサーは、少なくとも1つの、2つの、3つの、又は4つのフォトディテクターからなることが可能である。それぞれのフォトディテクターは、半導体基板の中に形成されたp−n接合を含むことが可能である。
図13−1Aは、集積デバイスのピクセル5−100の中に製作され得るセンサーの単に1つの実施形態を示している。
【0304】
いくつかの実施形態によれば、センサー5−260は、集積デバイスのそれぞれのアクティブ・ピクセル5−100において形成され得る。センサーは、サンプル・ウェル5−210の辺りに中心を合わせられ、おおよそ1ミクロンからおおよそ20ミクロンの間の距離だけサンプル・ウェルから間隔を置いて配置され得る。サンプル・ウェルとセンサーとの間に、1つ又は複数の透明な層13−110が存在することが可能であり、サンプル・ウェルからのエミッションが、ほとんど減衰なしにセンサーまで進むことができるようになっている。センサー5−260は、いくつかの実施形態によれば、ピクセルのベースにおいて、半導体基板13−120の中に形成され得、サンプル・ウェルの、励起供給源
(図示せず)と同じ側に位置付けされ得る。
【0305】
センサーは、1つ又は複数の半導体接合フォトディテクター・セグメントからなることが可能である。それぞれの半導体接合は、第1の導電タイプのウェルからなることが可能である。たとえば、それぞれの半導体接合は、図面に示されているように、p−タイプの基板の中に形成されたn−タイプのウェルからなることが可能である。いくつかの実施形態によれば、センサー5−260は、
図13−1Bの平面図に示されているように、ブルズ・アイ検出器13−162として配置され得る。第1のフォトディテクター13−124は、センサーの中央に位置付けされ得、第2の環状のフォトディテクター13−122は、中央フォトディテクターを取り囲むことが可能である。ウェルへの電気的接触が、第1の又はその後のメタライゼーション・レベルにおいて形成される導電性トレース13−134を通して、及び、導電性ビア13−132を通して、作製され得る。ビアの接触領域において、高度にドープされた半導体材料13−126の領域が存在することが可能である。いくつかの実施形態では、フィールド酸化物13−115が、フォトディテクター同士の間の表面に形成され得、及び/又は、それぞれのフォトディテクターの一部分を被覆することが可能である。いくつかの実施形態では、センサー5−260に隣接してピクセルの中に形成された追加的な半導体デバイス13−125(たとえば、トランジスター、増幅器など)が存在することが可能である。ピクセルの中に追加的なメタライゼーション・レベル13−138、13−136が存在することが可能である。
【0306】
いくつかの実施形態では、メタライゼーション・レベル13−136は、ピクセルの大部分を横切って延在することが可能であり、また、サンプル・ウェル5−210の下方に開口部を有することが可能であり、サンプル・ウェルからのエミッションがセンサーに到達することができるようになっている。いくつかのケースでは、メタライゼーション・レベル13−136は、基準電位又はグランド平面としての役割を果たすことが可能であり、追加的に、光学的なブロックとしての役割を果たし、少なくともいくらかの背景放射線(たとえば、励起供給源又は周囲環境からの放射線)がセンサー5−260に到達することを防止することが可能である。
【0307】
図13−1A及び
図13−1Bに示されているように、センサー5−260は、空間的に及び電気的に互いから分離されている複数のフォトディテクター・セグメント13−122、13−124へとさらに分割され得る。いくつかの実施形態では、センサー5−260のセグメントは、反対にドープされた半導体材料の領域からなることが可能である。たとえば、第1のセンサー・セグメントに関する第1の電荷蓄積ウェル13−124が、基板の第1の領域をドーピングすることによって形成され、第1のウェルの中に第1の導電タイプ(たとえば、n−タイプ)を有することが可能である。基板は、p−タイプであることが可能である。第2のセンサー・セグメントに関する第2の電荷蓄積ウェル13−122が、基板の第2の領域をドーピングすることによって形成され、第2のウェルの中に第1の導電タイプを有することが可能である。第1及び第2のウェルは、基板のp−タイプ領域によって分離され得る。
【0308】
センサー5−260の複数のセグメントが、ブルズ・アイ・レイアウト以外の任意の適切な方式で配置され得、センサーの中に3つ以上のセグメントが存在することが可能である。たとえば、いくつかの実施形態では、複数のフォトディテクター・セグメント13−142が、横方向に互いから分離され、
図13−1Cに示されているように、ストライプ・センサー13−164を形成することが可能である。いくつかの実施形態では、クワッド(又はクワドラント)センサー13−166が、
図13−1Dに示されているように、セグメント13−144をクワッド・パターンで配置することによって形成され得る。いくつかの実施形態では、円弧形セグメント13−146が、
図13−1Eに示されているように、ブルズ・アイ・パターンと組み合わせて形成され、円弧形にセグメント化された
センサー13−168を形成することが可能である。別のセンサー構成は、パイ・ピース・セクションからなることが可能であり、パイ・ピース・セクションは、円形の別々のセクションで配置されている個々のセンサーを含むことが可能である。いくつかのケースでは、センサー・セグメントは、サンプル・ウェル5−210の周りに対称的に配置され、又は、サンプル・ウェルの周りに非対称的に配置され得る。センサー・セグメントの配置は、先述の配置だけに限定されず、センサー・セグメントの任意の適切な分布が使用され得る。
【0309】
本発明者は、クワドラント・センサー13−166、パイ・セクター・センサー、又は、同様のセクター・センサーが、より好適に、他のセンサーのデザインよりも小さいピクセル・サイズまで縮小することが可能であるということが見出された。クワドラント及びセクター検出器は、より少ない、検出される複数の波長に関するピクセル面積及びアクティブ・センサー面積しか消費しないことが可能である。クワドラント及びセクター検出器は、ナノ・アンテナ・アレイ又は表面プラズモン構造体と組み合わせて使用され、検出器によって識別可能な別個の空間的な分布パターンを作り出すことが可能である。センサーは、さまざまな幾何学的構成で配置され得る。いくつかの例では、センサーは、正方形の構成又は六角形の構成で配置されている。
【0310】
本発明のセンサーは、独立して(又は、個別に)アドレス可能であり得る。個別にアドレス可能なセンサーは、対応するサンプル・ウェルからのエミッションを検出することができ、他のセンサーから独立した出力信号を提供することができる。個別にアドレス可能なセンサーは、個別に読み取り可能であり得る。
【0311】
いくつかの実施形態では、スタックされたセンサー13−169が、
図13−1Fに示されているように、複数の分離されているセンサー・セグメント13−148を垂直方向のスタックに製作することによって形成され得る。たとえば、セグメントは、上下に位置付けされ得、スタックされたセグメント同士の間に、絶縁層が存在してもよいし、又は存在しなくてもよい。それぞれの垂直方向の層が、特定のエネルギーのエミッション・エネルギーを吸収するように、及び、異なるエネルギーでエミッションを通過させるように構成され得る。たとえば、第1の検出器は、より短い波長の放射線(たとえば、サンプルからの約500nm以下の青色波長の放射線)を吸収及び検出することが可能である。第1の検出器は、サンプルからの緑色及び赤色の波長エミッションを通過させることが可能である。第2の検出器は、(たとえば、約500nmから約600nmの間の)緑色波長の放射線を吸収及び検出し、赤色エミッションを通過させることが可能である。第3の検出器は、赤色エミッションを吸収及び検出することが可能である。いくつかの実施形態では、反射膜13−149が、スタックの中に組み込まれ、選択された波長帯域の光を反射させ、セグメントを通して戻すことが可能である。たとえば、膜は、第2のセグメントによって吸収されなかった緑色波長の放射線を反射させることが可能であり、第2のセグメントを通して戻し、その検出効率を増加させることが可能である。
【0312】
垂直方向にスタックされたセンサー・セグメントを備えるいくつかの実施形態では、エミッション・カップリング・コンポーネントが、サンプル・ウェルに含まれずに、エミッション波長に依存するサンプル・エミッションの別個の空間的な分布パターンを作り出すことが可能である。スペクトル的に異なるエミッションの判別は、いくつかの実施形態によれば、そのスタックされたセグメントからの信号の比率を分析することによって、垂直方向に−スタックされたセンサー13−169を用いて実現され得る。
【0313】
いくつかの実施形態では、センサー5−260のセグメントは、シリコンから形成されているが、任意の適切な半導体(たとえば、Ge、GaAs、SiGe、InPなど)も使用され得る。いくつかの実施形態では、センサー・セグメントは、有機の光導電性膜か
らなることが可能である。他の実施形態では、量子ドット・フォトディテクターが、センサー・セグメントに関して使用され得る。量子ドット・フォトディテクターは、量子ドットのサイズに基づいて、異なるエミッション・エネルギーに応答することが可能である。いくつかの実施形態では、さまざまなサイズの複数の量子ドットが、サンプル・ウェルから受け取られる異なるエミッション・エネルギー又は波長同士の間を差別するために使用され得る。たとえば、第1のセグメントは、第1のサイズを有する量子ドットから形成され得、第2のセグメントは、第2のサイズを有する量子ドットから形成され得る。さまざまな実施形態では、センサー5−260は、従来のCMOSプロセスを使用して形成され得る。
【0314】
上記に説明されているように、エミッション・カップリング・コンポーネントは、いくつかの実施形態では、サンプル・ウェルに隣接して製作され得る。エミッション・カップリング・コンポーネントは、サンプル・ウェル5−210の中のサンプルからのエミッションを変更し、エミッション波長に依存するサンプル・エミッションの別個の空間的な分布パターンを作り出すことが可能である。
図13−2Aは、第1の空間的な分布パターン13−250の例を示しており、それは、第1の波長において第1のサンプルから作り出され得る。第1の空間的な分布パターン13−250は、たとえば、ブルズ・アイ・センサー13−162の中央セグメントに向けて方向付けされている顕著な中央ローブを有することが可能である。単なる1つの例として、そのようなパターン13−250は、円形のグレーチング13−220エミッション・カップリング構造体によって取り囲まれたサンプル・ウェルから作り出され得、そこでは、サンプルが約663nmの波長で放出する。センサーへ入射する投射されたパターン13−252は、
図13−2Bに図示されているように出現することが可能である。
【0315】
図13−2Cは、空間的な分布パターン13−260を示しており、それは、いくつかの実施形態によれば、同じサンプル・ウェルから第2の波長で放出する第2のサンプルから作り出され得る。第2の空間的な分布パターン13−260は、放射線の2つのローブからなり、第1の空間的な分布パターン13−250とは異なることが可能である。第2の空間的な分布パターン13−260の投射されたパターン13−262は、いくつかの実施形態によれば、
図13−2Dに示されているように出現することが可能である。単なる1つの例として、第2の空間的な分布パターン13−260は、円形のグレーチング13−220エミッション・カップリング構造体によって取り囲まれた同じサンプル・ウェルから作り出され得、そこでは、サンプルが約687nmの波長で放出する。
【0316】
センサー5−260のセグメントは、いくつかの実施形態によれば、特定のエミッション・エネルギーを検出するように設計され得る。たとえば、サンプル・ウェルに隣接するエミッション・カップリング構造体及びセンサーのセグメントは、特定のエミッション・エネルギー同士の間の信号差別化を増加させるように、組み合わせて構造化され得る。エミッション・エネルギーは、集積デバイスとともに使用されることとなる選択されたタグに対応することが可能である。例として、ブルズ・アイ・センサー13−162は、サンプルから投射されたパターン13−260、13−262により良好にマッチするように、そのセグメントをサイズ決め及び/又は位置付けさせることが可能であり、より高い強度の領域が、センサーのアクティブ・セグメントの中に、より中央に収まるようになっている。代替的に又は追加的に、エミッション・カップリング構造体は、投射されたパターン13−260、13−262を変更するように設計され得、強い領域が、センサーのセグメントの中に、より中央に収まるようになっている。
【0317】
センサー5−260は、2つのセグメントからなることが可能であるが、いくつかの実施形態では、サンプルからの3つ以上のスペクトル的に別個のエミッション・バンドを判別することが可能である。たとえば、それぞれのエミッション・バンドは、センサー・セ
グメントの上に別個の投射されたパターンを作り出し、センサー・セグメントからの信号の別個の組み合わせを生み出すことが可能である。信号の組み合わせは、エミッション・バンドの識別を判別するために分析され得る。
図13−2Eから
図13−2Hは、4つの別個のエミッション・パターンに露出される2セグメントのセンサー5−260からの信号の数値シミュレーションからの結果を表している。エミッション・パターンは、サンプル・ウェルに隣接して形成された円形のグレーチングを有するサンプル・ウェルから、4つの波長(565nm、595nm、663nm、687nm)で作り出されるものとしてシミュレートされた。見ることができるように、2つのセンサー・セグメントからの信号のそれぞれの組み合わせは別個であり、4つの波長においてエミッター同士の間を差別するために使用され得る。シミュレーションに関して、ブルズ・アイ・センサー13−162の外側の検出器セグメントはより大きい面積を有していたので、その検出器に関して、より多くの信号が集積された。追加的に、検出器同士の間の領域に衝突した光がキャリアを発生させ、キャリアは、いずれかの検出器セグメントに向けてドリフトし、両方のセグメントからの信号に寄与することが可能である。
【0318】
いくつかの実施形態では、ピクセル当たりN個のフォトディテクター・セグメントが存在することが可能であり、ここで、Nは、任意の整数値であることが可能である。いくつかの実施形態では、Nは、1以上であり、かつ、10以下であることが可能である。他の実施形態では、Nは、2以上であり、かつ、5以下であることが可能である。N個の検出器によって検出され得る判別可能なサンプル・エミッション(たとえば、異なる発光性タグからの別個のエミッション波長)の数Mは、N以上であることが可能である。M個のサンプル・エミッションの判別は、いくつかの実施形態によれば、それぞれのセンサー・セグメントからの信号の比率を評価することによって実現され得る。いくつかの実施形態では、受け取られる信号の比率、合計、及び/又は振幅が、サンプル・ウェルからのエミッションの特性波長を決定するために、測定及び分析され得る。
【0319】
いくつかの実施形態では、2つ以上のエミッターが、サンプル・ウェル5−210の中で、所与の時間ウィンドウの中で、異なる特性波長を放出することが可能である。センサー5−260は、異なる波長において、複数のエミッションからの信号を同時に検出し、データ・プロセッシングのために合計された信号を提供することが可能である。いくつかの実施形態では、マルチ波長エミッションは、センサー・セグメントからの信号値の別のセットとして区別可能であり得る(たとえば、
図13−2Eから
図13−2Hに示されているものとは異なる信号値)。信号値は、マルチ波長エミッションが起こったということを判別するために、及び、エミッションに関連付けられるエミッターの特定の組み合わせを特定するために、分析され得る。
【0320】
また、本発明者は、少なくとも2つ、3つ、又は4つの同心円状のセグメントを有するブルズ・アイ・センサーを考えて分析した。セグメントからの信号が、
図13−2G及び
図13−2Hにそれぞれ関連付けられる同じエミッション条件に関して、
図13−2I及び
図13−2Jにプロットされている。また、4セグメントのブルズ・アイ・センサーは、サンプル・ウェルの中の特定のエミッターを特定するために分析され得る識別可能な信号を示している。
【0321】
波長フィルタリングがそれぞれのセンサー・セグメントにおいて使用されるとき、又は、スペクトルの分離が高いときには、センサーのそれぞれのセグメントは、選択されたエミッション・バンドだけを実質的に検出することが可能である。たとえば、第1の波長は、第1のセグメントによって検出され得、第2の波長は、第2のセグメントによって検出され得、第3の波長は、第3のセグメントによって検出され得る。
【0322】
再び
図13−1Aを参照すると、ピクセル2−205の中に追加的な電子回路13−1
25が存在することが可能であり、それは、センサー5−260のそれぞれのセグメントからの信号を収集及び読み出すために使用され得る。
図13−3A及び
図13−3Dは、いくつかの実施形態によれば、マルチ・セグメント・センサーと組み合わせて使用され得る回路を示している。例として、信号収集回路13−310は、それぞれのセンサー・セグメントに関する3つのトランジスターからなることが可能である。3つのトランジスターの配置が、いくつかの実施形態によれば、
図13−3Bに示されている。それぞれのセグメントに関連付けられている電荷蓄積ノード13−311において、信号レベルは、電荷蓄積期間の前に、リセット・トランジスターRSTによってリセットされ得、(電荷蓄積ノードにおける電荷の量によって決定される)セグメントに関する信号レベルは、電荷蓄積期間の間及び/又は終わりに、リード・トランジスターRDによって読み出され得る。信号は、上記に説明されているように、N個の空間的に分離されている検出器によって検出されるサンプルからのM個の異なるエミッション波長の検出を判別するために、分析のためのプロセッサー(図示せず)に提供され得る。
【0323】
ピクセル回路は、いくつかの実施形態によれば、増幅及び相関したダブル・サンプリング回路13−320をさらに含むことが可能である。増幅及びダブル・サンプリング回路は、センサー・セグメントからの信号を増幅させるように構成されているトランジスターと、たとえば、エミッション放射線がセンサーの上に存在しないときに(たとえば、サンプル・ウェルにおける励起エネルギーの印加の前に)、電荷蓄積ノードにおける電圧レベルをリセットするように、及び、ノードにおける背景信号又は「リセット」信号を読み出すように、及び、その後のエミッション信号を読み取るように構成されているトランジスターとからなることが可能である。
【0324】
いくつかの実施形態によれば、相関したダブル・サンプリングは、検出されるエミッション信号レベルから背景又はリセット信号レベルを差し引くことによって、背景雑音を低減させるために用いられる。センサーのそれぞれのセグメントに関連付けられる収集されたエミッション信号及び背景信号は、縦列ライン13−330の上に読み出され得る。いくつかの実施形態では、エミッション信号レベル及び背景信号は、共通の縦列ラインの上に時分割多重化される。それぞれのセンサー・セグメントに関して別々の縦列ラインが存在することが可能である。縦列ラインからの信号は、増幅回路13−340(それは、アクティブ・ピクセル・アレイの外側に位置付けされ得る)によってバッファリング及び/又は増幅され、さらなるプロセッシング及び分析のために提供され得る。いくつかの実施形態では、ダブル・サンプリングされた信号の引き算が、たとえば、システム・プロセッサーによって、チップ外で計算される。他の実施形態では、引き算は、チップの上で、又は、ベース機器の回路の中で行われ得る。
【0325】
相関したダブル・サンプリングのいくつかの実施形態は、サンプルに対して横列を選択することによって動作させられ得、横列に関連付けられるセンサーは、サンプリング期間にわたって集積された信号電荷を有し、信号レベルを含有する。信号レベルは、縦列ラインの上に同時に読み出され得る。集積された信号レベルをサンプリングした後に、選択された横列の中のすべてのピクセルがリセットされ、即座にサンプリングされ得る。このリセット・レベルは、次に集積される信号に相関させられ得、それは、リセットが解放された後に蓄積を開始し、同じ横列が再び選択されるときに、フレーム時間を後で集積することを終了する。いくつかの実施形態では、フレームのリセット値は、チップ外で保存され得、信号が集積を終了し、サンプリングされたときには、保存された相関したリセット値が差し引かれ得るようになっている。
【0326】
いくつかの実施形態では、3つ以上のセグメントを備えるセンサー5−260は、追加的な回路を必要とする可能性がある。
図13−3Cは、クワッド・センサーに関連付けられる信号収集、増幅、及びダブル・サンプリング回路を示している。いくつかの実施形態
によれば、2つ以上のセグメントからの信号が、図面に示されているように、ピクセルにおいて、共通の信号チャネルの上に時分割多重化され得る。時分割多重化された信号は、騒音消去のために、それぞれのセグメントに関してサンプリングされた背景信号を含むことが可能である。追加的に、2つ以上のセグメントからの信号は、共通の縦列ラインの上に時分割多重化され得る。
【0327】
いくつかの実施形態によれば、時間的な信号取得技法が、1つ又は複数の励起供給源からの背景信号レベルを低減させるために、及び/又は、サンプルに関連付けられる異なるエミッターからの異なるエミッションを判別するために、使用され得る。
図13−4Aは、いくつかの実施形態によれば、サンプルにタグを付けるために使用され得る2つの異なるエミッターからの蛍光エミッション及び減衰を示している。2つのエミッションは、目に見えて異なる時間減衰特性を有している。第1のエミッターからの第1の時間減衰曲線13−410は、ローダミンなどのような共通の蛍光分子に対応することが可能である。第2の時間減衰曲線13−420は、量子ドット又はリン光性エミッターなどのような、第2のエミッターの特性であることが可能である。両方のエミッターは、エミッターの初期励起の後のしばらくの間延在するエミッション減衰テールを示す。いくつかの実施形態では、エミッション減衰テールの間に適用される信号収集技法は、いくつかの実施形態では、励起供給源からの背景信号を低減させるために、及び、いくつかの実施形態では、エミッター同士の間を区別するために、タイミングを選んで行われ得る。
【0328】
いくつかの実施形態によれば、時間遅延サンプリングが、エミッション減衰テールの間に用いられ、励起供給源からの放射線に起因する背景信号を低減させることが可能である。
図13−4B及び
図13−4Cは、いくつかの実施形態による、時間遅延サンプリングを図示している。
図13−4Bは、励起供給源からの励起放射線の励起パルス13−440、及び、サンプル・ウェルの中で励起されるサンプルから得られ得るその後のエミッション・パルス13−450の時間的な進展を示している。励起パルス13−440は、
図13−4Cに示されているように、短い時間の期間にわたりドライブ信号13−442によって、励起供給源を駆動する結果として生じることが可能である。たとえば、ドライブ信号は、第1の時間t
1において開始し、第2の時間t
2において終了することが可能である。ドライブ信号の持続期間(t
2−t
1)は、いくつかの実施形態によれば、約1ピコ秒から約50ナノ秒の間であることが可能であるが、いくつかの実施形態では、より短い持続期間も使用され得る。
【0329】
励起供給源のためのドライブ信号の終端に続く時間t
3において、ピクセルにおけるセンサー5−260(又は、センサー・セグメント)は、時間t
3から時間t
4に延在する第2の時間インターバルの間に、電荷蓄積ノード13−312において電荷を蓄積するようにゲートでコントロールされ得る。第2の時間インターバルは、いくつかの実施形態によれば、約1ナノ秒から約50マイクロ秒の間であることが可能であるが、いくつかの実施形態では、他の持続期間も使用され得る。
図13−4Bを参照して見ることができるように、電荷蓄積ノードは、放出するサンプルに起因して、次いで、励起供給源に起因して、より多くの信号電荷を収集することとなる。したがって、改善された信号対雑音比が得られ得る。
【0330】
再び
図13−4Aを参照すると、エミッターの異なる時間的なエミッション特性に起因して、センサーにおける対応する信号は、異なる時間においてピークとなることが可能である。いくつかの実施形態では、エミッション減衰テールの間に適用される信号−取得技法は、異なるエミッターを判別するために使用され得る。いくつかの実施形態では、時間的な検出技法は、(たとえば、
図13−2に関連して上記に説明されているように)空間的な及びスペクトルの技法と組み合わせて使用され、異なるエミッターを判別することが可能である。
【0331】
図13−4Dから
図13−4Hは、センサー又はセンサー・セグメントにおけるダブル・サンプリングがどのように使用され、異なる時間的なエミッション特性を有する2つのエミッターの間を区別することができるかということを図示している。
図13−4Dは、第1のエミッター及び第2のエミッターにそれぞれ関連付けられるエミッション曲線13−470、13−475を示している。例として、第1のエミッターは、ローダミンなどのような共通のフルオロフォアであることが可能であり、第2のエミッターは、量子ドット又はリン光性エミッターであることが可能である。
【0332】
図13−4Eは、
図13−4Dの2つの異なるエミッション特性に応答して起こり得る、電荷蓄積ノード13−312における動的な電圧レベルを表している。例では、蛍光エミッターに対応する第1の電圧曲線13−472は、より短いエミッション・スパンに起因して、より急速に変化し、第1の時間t
1において、その最大(又は、ノードの極性に応じて、最小)に到達することが可能である。第2の電圧曲線13−477は、第2のエミッターのより長いエミッション特性に起因して、よりゆっくりと変化し、第2の時間t
2において、その最大(又は、最小)に到達することが可能である。
【0333】
いくつかの実施形態では、電荷蓄積ノードのサンプリングは、
図13−4Fに示されているように、サンプル励起の後の2つの時間t
3、t
4において行われ得る。たとえば、第1の読み取り信号13−481は、第1の時間t
3において、電荷蓄積ノードからの第1の電圧値を読み出すために適用され得る。その後に、第2の読み取り信号13−482は、第1の読み取りから第2の読み取りの間に電荷蓄積ノードをリセットすることなく、第2の時間t
4において、電荷蓄積ノードからの第2の電圧値を読み出すために適用され得る。次いで、2つのサンプリングされる信号値の分析が使用され、2つのエミッターのうちのどちらが検出された信号レベルを提供したかということを特定することが可能である。
【0334】
図13−4Gは、
図13−4Dに示されているようなエミッション曲線13−470を有する第1のエミッターに関して得られ得る、第1の読み取り及び第2の読み取りからの2つの信号の例を示している。
図13−4Hは、
図13−4Dに示されているようなエミッション曲線13−475を有する第2のエミッターに関して得られ得る、第1の読み取り及び第2の読み取りからの2つの信号の例を示している。たとえば、第1のエミッターに関して
図13−4Fに示されているサンプリング・シークエンスは、曲線13−472をサンプリングし、2つの読み取り時間においておおよそ同じ値を得ることとなる。第2のエミッターのケースでは、
図13−4Fに示されているサンプリング・シークエンスは、2つの読み取り時間において、曲線13−477の2つの異なる値をサンプリングする。結果として生じる2つの読み取り時間からの信号の対は、2つのエミッターの間を区別しており、それぞれのエミッターを特定するために分析され得る。また、いくつかの実施形態によれば、背景引き算に関するダブル・サンプリングが、第1及び第2の読み取り信号から背景信号を差し引くために実行され得る。
【0335】
いくつかの実施形態によれば、センサーは、サンプル・ウェル5−210に隣接して形成された半導体接合を含むことが可能である。いくつかの実施形態では、半導体接合は、多層構造体として形成され得、サンプル・ウェルは、たとえば、
図5−7Fに示されているように、多層構造体の中に形成され得る。いくつかの実施形態では、励起されたサンプルは、サンプル・ウェルに隣接して形成されている半導体接合に、FRET又はDETを介して、エミッション・エネルギーを非放射で伝達し、半導体接合においてエキシトンを生成させることが可能である。半導体接合は、p−n接合又はp−i−n接合からなることが可能であり、p−n接合又はp−i−n接合は、受け取られたエネルギーを電気信号に変換し、電気信号は、サンプル・ウェルに関連付けられるCMOS回路によって検出さ
れる。いくつかの実施形態では、量子ドット又は分子が、リンカーを介して半導体接合に取り付けられ得、励起されたサンプルから半導体接合への非放射エネルギー伝達に参加することが可能である。
【0336】
動作時には、集積デバイスのセンサー5−260は、分析されるべき試料からデータを収集する前に波長キャリブレーション手順の対照とすることができる。波長キャリブレーション手順は、集積デバイスで使用され得るフルオロフォア波長に対応し得る、あるいは対応し得ないような、特性波長を有する既知の異なるエネルギーをセンサーに加えることを含んでなる。異なるエネルギーは順番に加えることができ、それによって複数のセンサーからのキャリブレーション信号は各エネルギーについて記録することができる。その後キャリブレーション信号は基準信号として記録してもよく、これは実際のデータ取得の処理及びセンサーによってどのようなエミッション波長が検出されるかを判定するために用いられ得る。
【0337】
IV. 機器動作、使用の方法、及びユーザ・インターフェース
機器2−104は、ソフトウェア及び/又はハードウェアを使用して制御され得る。たとえば、機器は、ASIC、FPGA及び/又は、ソフトウェアを実行する汎用プロセッサーなどのような、プロセッシング・デバイス2−122を使用して制御され得る。
【0338】
図14−1は、いくつかの実施形態による、機器2−104の動作のフローチャートを図示している。ユーザが分析するために試料を獲得した後に、ユーザは、行為14−101において、新しい分析を始める。これは、ユーザ・インターフェース2−116を介して機器2−104に指示を提供することによって、たとえば、ボタンを押すことなどによって行われ得る。行為14−103において、機器2−104は、以前に行われた分析からの集積デバイス2−102(本明細書で「チップ」とも称される)が機器2−104の中に依然として挿入されているかどうかということをチェックする。古いチップが存在しているということが決定される場合には、行為14−105において、励起供給源への電力が切られ得、ユーザは、行為14−107において、ユーザ・インターフェース2−116のインジケーターを使用して以前のチップを取り出すように促され、機器2−104は、行為14−109において、古いチップが取り出されることを待つ。
【0339】
以前のチップがユーザによって取り出されるときには、又は、機器2−104が、行為14−103において、以前のチップがすでに除去されたということを決定した場合には、ユーザは、行為14−111において、新しい分析のための新しい集積デバイス2−102を挿入するように促される。次いで、機器2−104は、行為14−113において、新しい集積デバイス2−102が挿入されることを待つ。ユーザが新しいチップを挿入するときには、ユーザは、行為14−115において、分析されることとなる試料を、集積デバイス2−102の露出された上部表面の上に置くように、ユーザ・インターフェース2−116のインジケーターによって促され、また、機器2−104の上に蓋を閉じるように促される。次いで、機器2−104は、行為14−117において、蓋が閉じられることを待つ。蓋がユーザによって閉じられるときには、行為14−119において、励起供給源は、集積デバイス2−102のサンプル・ウェルの中に存在する試料のサンプル部分を励起させるための励起エネルギーを作り出すように駆動され得る。行為14−121において、サンプルからのエミッション・エネルギーは、センサー2−110によって検出され、センサー2−110からのデータは、分析のためにプロセッシング・デバイス2−122に流される。いくつかの実施形態では、データは、外部コンピューティング・デバイス2−120に流され得る。行為14−123において、機器2−104は、データ収集が完了したかどうかということをチェックする。データ収集は、特定の時間の長さの後に完了され得、励起供給源からの励起パルスの特定の数、又は、1つの特定のターゲットが特定された。データ収集が完了したときに、データ分析は、14−125において
終了される。
【0340】
図14−2は、いくつかの実施形態による例示的な自己キャリブレーション・ルーチンを図示している。キャリブレーション・ルーチンは、試料の分析の前の任意の適切な時間に実行され得る。たとえば、それは、エンド・ユーザへの出荷の前に、それぞれの機器に関する製造業者によって一度行われ得る。代替的に、エンド・ユーザは、任意の適切な時間にキャリブレーションを実施することが可能である。上記に議論されているように、機器2−104は、異なるサンプルから放出された異なる波長を有するエミッション・エネルギーの間を区別することが可能である。機器2−104及び/又はコンピューティング・デバイス2−120は、たとえば、分析されている試料の分子にタグを付けるために使用される発光性タグに関連付けられる光のそれぞれの特定の色に関連付けられるキャリブレーションによってキャリブレートされ得る。このように、特定の色に関連付けられる正確な出力信号が決定され得る。
【0341】
デバイスをキャリブレートするために、単一の発光性タグに関連付けられたキャリブレーション試料が、1つずつ機器2−104に提供される。ユーザが、集積デバイス2−102の上に単一の波長のエミッション・エネルギーを放出する発光性タグからなる試料を置き、機器2−104の中へ集積デバイス2−102を挿入するときに、自己キャリブレーションが、行為14−201において開始する。ユーザ・インターフェース2−116を使用して、ユーザは、自己キャリブレーションを開始するように機器2−104に指示する。それに応答して、行為14−203において、機器2−104は、励起エネルギーによって集積デバイス2−102を照射することによって、及び、キャリブレーション試料からの単一の波長エミッション・エネルギーを測定することによって、キャリブレーション分析を走らせる。次いで、機器2−104は、行為14−205において、センサー・アレイのそれぞれのピクセルに関するセンサー2−110のサブ・センサーのアレイの上で測定される検出パターンをセーブすることが可能である。それぞれの発光性タグに関する検出パターンは、発光性タグに関連付けられる検出シグネチャーと考えられ得る。このように、シグネチャーは、その後の分析ランにおいて分析される未知のサンプルから受け取られるデータを分析するために使用されるトレーニング・データ・セットとして使用され得る。
【0342】
次いで、上記のキャリブレーション・ルーチンは、単一の発光性タグに関連付けられるすべてのキャリブレーション試料に関して実行され得る。このように、ピクセルのアレイのそれぞれのセンサー2−110は、キャリブレーション・データに関連付けられており、キャリブレーション・データは、キャリブレーション・ルーチンの完了の後に、行為14−207において実施されるその後の分析の間に、サンプル・ウェルの中に存在する発光性タグを決定するために使用され得る。
【0343】
図14−3は、いくつかの実施形態にしたがって、キャリブレーション・データがデータを分析するためにどのように獲得及び使用され得るかということをさらに図示している。行為14−301において、キャリブレーション・データが、センサーから得られる。これは、上述の自己キャリブレーション・ルーチンを使用して行われ得る。行為14−303において、変換行列が、キャリブレーション・データに基づいて生成される。変換行列は、センサー・データをサンプルのエミッション波長にマッピングし、また、mxn行列であり、ここで、mは、異なるエミッション波長を備える発光性タグの数であり、nは、ピクセル当たりのエミッション・エネルギーを検出するために使用されるサブ・センサーの数である。したがって、変換行列のそれぞれの列は、センサーに関するキャリブレーション値を表している。たとえば、ピクセル当たりに4つのサブ・センサー、及び、5つの異なる発光性タグが存在する場合には、変換行列は、4x5行列(すなわち、4つの行及び5つの列)であり、それぞれの列は、異なる発光性タグに関連付けられており、列の
中の値は、自己キャリブレーション・ルーチンの間にサブ・センサーから得られる測定値に対応している。いくつかの実施形態では、それぞれのピクセルは、それ自身の変換行列を有することが可能である。他の実施形態では、ピクセルのうちの少なくともいくつかからのキャリブレーション・データは、平均され得、次いで、すべてのピクセルが、平均されたデータに基づいて同じ変換行列を使用することが可能である。
【0344】
行為14−305において、バイオアッセイに関連付けられる分析データが、センサーから得られる。これは、上記に説明されている方式のいずれかで行われ得る。行為14−307において、エミッション・エネルギーの波長、及び/又は、発光性タグのアイデンティティーが、変換行列及び分析データを使用して決定され得る。これは、任意の適切な方式で行われ得る。いくつかの実施形態では、分析データは、変換行列の擬似逆行列を乗じ、mx1ベクトルを結果として生じさせる。次いで、最大値を備えるベクトル成分に関連付けられる発光性タグが、サンプル・ウェルの中に存在している発光性タグとして特定され得る。実施形態は、この技法に限定されない。いくつかの実施形態では、小さい値を備える行列の逆行列がとられるときに生じ得る、可能性のある病理を防止するために、最小二乗法方法又は最尤技法などのような、制限付きの最適化ルーチンが、サンプル・ウェルの中に存在する発光性タグを決定するために行われ得る。
【0345】
センサーからのデータを分析するためにキャリブレーション・データを使用する先述の方法は、任意の適切なプロセッサーによって実施され得る。たとえば、機器2−104のプロセッシング・デバイス2−122が、分析を実施することが可能であり、又は、コンピューティング・デバイス2−120が、分析を実施することが可能である。
【0346】
図14−2は、いくつかの実施形態によれば、集積デバイス2−102のピクセルの上述の相関したダブル・サンプリングのベース機器制御を図示している。データ収集の新しいフレームの開始時に、横列シフト・レジスターがリセットされる。以前のフレームからのピクセル・リセット値が、縦列レジスターをインクレメントすることによって読み取られる。同時に、電流フレーム・ピクセル・サンプル・レベルが、チップの上の読み取りエレメントの中に保存される。測定されることとなる縦列の所望の数が到達されると、縦列レジスターがリセットされる。次いで、電流フレームからのピクセル・サンプル・レベルが、縦列レジスターをインクレメントすることによって、及び、一度に8個のピクセルでサンプル値をバッファーに出力することによって読み取られ、いくつかの実施形態では、サンプル・レベルの第1のフレームが廃棄され得る。バッファーは、メモリーの中に、チップ外に位置付けされ得、又は、いくつかの実施形態では、それは、チップの上に局所的に保存され得る。測定されることとなる縦列の数が満たされると、横列レジスターがインクレメントされる。このプロセスは、フレームが完了されるまで繰り返される。データのフレームを終了すると、プロセスが、フレーム・サンプル・レベルが以前のフレーム・リセット・レベルから差し引かれるという変化とともに、再び開始される。
【0347】
V. コンピューティング・デバイス
図15−1は、実施形態がその上に実施され得る適切なコンピューティング・システム環境15−100の例を図示している。たとえば、
図2−1Bのコンピューティング・デバイス2−120が、コンピューティング・システム環境15−100にしたがって実施され得る。追加的に、コンピューティング・システム環境15−100は、制御システムとしての役割を果たすことが可能であり、制御システムは、アッセイを実施するように機器を制御するようにプログラムされている。たとえば、制御システムは、光を放出し、集積デバイスのサンプル・ウェルに向けて光を方向付けするように、励起供給源を制御することが可能であり、また、サンプル・ウェルの中の1つ又は複数のサンプルからのエミッション光の検出を可能にするように、センサーを制御することが可能であり、また、たとえば、エミッション・エネルギーの空間的な分布を分析することによって、センサーから
の信号を分析し、サンプル・ウェルの中に存在するサンプルを特定することが可能である。コンピューティング・システム環境15−100は、適切なコンピューティング環境の単なる1つの例であり、本発明の使用又は機能性の範囲に関する限定を提案することはまったく意図していない。いずれのコンピューティング環境15−100も、例示的な動作環境15−100の中に図示されているコンポーネントの任意の1つ又は組み合わせに関する任意の依存性又は要求を有するものとして解釈されるべきではない。
【0348】
実施形態は、多数の他の汎用又は専用コンピューティング・システム環境又は構成とともに動作可能である。本発明とともに使用するのに適切であり得る、周知のコンピューティング・システム、環境、及び/又は構成の例は、それに限定されないが、パーソナル・コンピュータ、サーバ・コンピュータ、ハンド・ヘルド又はラップトップ・コンピュータ・デバイス、マルチプロセッサー・システム、マイクロプロセッサー・ベースのシステム、セット・トップ・ボックス、プログラム可能なコンシューマ・エレクトロニクス、ネットワークPC、ミニコンピュータ、メインフレーム・コンピュータ、及び、上記のシステム又はデバイスのいずれかを含む分散型コンピューティング環境などを含む。
【0349】
コンピューティング環境は、プログラム・モジュールなどのような、コンピュータ実行可能な命令を実行することが可能である。一般に、プログラム・モジュールは、特定のタスクを実施し、又は特定の抽出データ・タイプを実施する、ルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを含む。また、本発明は、分散型コンピューティング環境において実践され得、そこでは、タスクが、通信ネットワークを通してリンクされている遠隔のプロセッシング・デバイスによって実施される。分散型コンピューティング環境では、プログラム・モジュールが、メモリー・ストレージ・デバイスを含む、ローカルのコンピュータ・ストレージ媒体及び遠隔のコンピュータ・ストレージ媒体の両方の中に位置付けされ得る。
【0350】
図15−1を参照すると、本発明を実施するための例示的なシステムは、コンピュータ15−110の形態の汎用コンピューティング・デバイスを含む。コンピュータ15−110のコンポーネントは、それに限定されないが、処理ユニット15−120、システム・メモリー15−130、及びシステム・バス15−121を含むことが可能であり、システム・バス15−121は、システム・メモリーを含むさまざまなシステム・コンポーネントを処理ユニット15−120にカップリングする。システム・バス15−121は、さまざまなバス・アーキテクチャーのいずれかを使用するメモリー・バス又はメモリー・コントローラ、ペリフェラル・バス、及びローカル・バスを含む、いくつかのタイプのバス構造のいずれかであることが可能である。例として、及び、限定としてではなく、そのようなアーキテクチャーは、業界標準アーキテクチャー(ISA)バス、マイクロ・チャネル・アーキテクチャー(MCA)バス、拡張ISA(EISA)バス、ビデオ・エレクトロニクス・スタンダーズ・アソシエーション(VESA)ローカル・バス、及び、メザニン・バスとしても知られるペリフェラル・コンポーネント・インターコネクト(PCI)バスを含む。
【0351】
コンピュータ15−110は、典型的に、さまざまなコンピュータ可読媒体を含む。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ15−110によってアクセスされ得る任意の利用可能な媒体であり、それは、揮発性の及び不揮発性の媒体、リムーバブルの及びノン・リムーバブル媒体の両方を含む。例として、及び、限定としてではなく、コンピュータ可読媒体は、コンピュータ・ストレージ媒体及び通信媒体からなることが可能である。コンピュータ・ストレージ媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラム・モジュール、又は他のデータなどのような、情報のストレージに関して任意の方法又は技術で実施された、揮発性の及び不揮発性の媒体、リムーバブルの及びノン・リムーバブル媒体の両方を含む。コンピュータ・ストレージ媒体は、それに限定されないが、RAM、ROM、
EEPROM、フラッシュ・メモリー、もしくは、他のメモリー技術、CD−ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)、もしくは、他の光ディスク・ストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク・ストレージ、もしくは、他の磁気ストレージ・デバイス、又は、所望の情報を保存するために使用され得、コンピュータ15−110によってアクセスされ得る、任意の他の媒体を含む。通信媒体は、典型的に、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラム・モジュール、又は、たとえば、キャリア波又は他の輸送メカニズムなど、変調されたデータ信号の中の他のデータを具現化し、任意の情報送達媒体を含む。「変調されたデータ信号」という用語は、信号の中の情報を符号化するような様式で設定又は変化させられたその特性のうちの1つ又は複数を有する信号を意味している。例として、及び限定としてではなく、通信媒体は、ワイヤード・ネットワーク又はダイレクト・ワイヤード接続などのような、ワイヤード媒体、ならびに、音響媒体、RF媒体、赤外線媒体、及び他のワイヤレス媒体などのような、ワイヤレス媒体を含む。また、上記の任意の組み合わせは、コンピュータ可読媒体の範囲内に含まれるべきである。
【0352】
システム・メモリー15−130は、リード・オンリー・メモリー(ROM)15−131及びランダム・アクセス・メモリー(RAM)15−132などのような、揮発性の及び/又は不揮発性のメモリーの形態のコンピュータ・ストレージ媒体を含むことが可能である。基本入力/出力システム15−133(BIOS)は、たとえば起動の間などにコンピュータ15−110の中のエレメント同士の間で情報を伝達することを助ける基本ルーチンを含有しており、基本入力/出力システム15−133(BIOS)は、典型的にROM15−131の中に保存される。RAM15−132は、典型的に、データ及び/又はプログラム・モジュールを含有し、データ及び/又はプログラム・モジュールは、処理ユニット15−120に即座にアクセス可能であり、及び/又は、処理ユニット15−120によって現在動作されている。例として、及び、限定としてではなく、
図15−1は、オペレーティング・システム15−134、アプリケーション・プログラム15−135、他のプログラム・モジュール15−136、及びプログラム・データ15−137を図示している。
【0353】
また、コンピュータ15−110は、他のリムーバブルの/ノン・リムーバブルの揮発性の/不揮発性のコンピュータ・ストレージ媒体を含むことが可能である。単なる例として、
図15−1は、ノン・リムーバブルの不揮発性の磁気媒体に読み書きをするハード・ディスク・ドライブ15−141、リムーバブルの不揮発性の磁気ディスク15−152に読み書きをする磁気ディスク・ドライブ15−151、及び、CD ROM又は他の光学的な媒体などのような、リムーバブルの不揮発性の光ディスク15−156に読み書きをする光ディスク・ドライブ15−155を図示している。例示的な動作環境において使用され得る他のリムーバブルの/ノン・リムーバブルの揮発性の/不揮発性のコンピュータ・ストレージ媒体は、それに限定されないが、磁気テープ・カセット、フラッシュ・メモリー・カード、デジタル多用途ディスク、デジタル・ビデオ・テープ、ソリッド・ステートRAM、及びソリッド・ステートROMなどを含む。ハード・ディスク・ドライブ15−141は、典型的に、インターフェース15−140などのようなノン・リムーバブル・メモリー・インターフェースを通して、システム・バス15−121に接続され、また、磁気ディスク・ドライブ15−151及び光ディスク・ドライブ15−155は、典型的に、インターフェース15−150などのようなリムーバブル・メモリー・インターフェースによって、システム・バス15−121に接続されている。
【0354】
上記に議論されており、
図15−1に図示されている、ドライブ及びそれらの関連のコンピュータ・ストレージ媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラム・モジュール、及び、コンピュータ15−110に関する他のデータのストレージを提供する。
図15−1では、たとえば、ハード・ディスク・ドライブ15−141は、オペレーティング・システム15−144、アプリケーション・プログラム15−145、他のプログ
ラム・モジュール15−146、及びプログラム・データ15−147を保存しているものとして図示されている。これらのコンポーネントは、オペレーティング・システム15−134、アプリケーション・プログラム15−135、他のプログラム・モジュール15−136、及びプログラム・データ15−137と同じであるか、又は、それらとは異なるかのいずれかであることが可能であるということに留意されたい。オペレーティング・システム15−144、アプリケーション・プログラム15−145、他のプログラム・モジュール15−146、及びプログラム・データ15−147は、ここでは異なる数字を与えられており、最低でも、それらが異なるコピーであるということを図示している。ユーザは、キーボード15−162、及び、マウス、トラックボール、又はタッチ・パッドと一般に称されるポインティング・デバイス15−161などのような、入力デバイスを通して、コンピュータ15−110の中へ、コマンド及び情報を入力することが可能である。他の入力デバイス(図示せず)は、マイクロホン、ジョイスティック、ゲーム・パッド、サテライト・ディッシュ、又はスキャナーなどを含むことが可能である。これらの入力デバイス及び他の入力デバイスは、システム・バスにカップリングされているユーザ入力インターフェース15−160を通して、処理ユニット15−120に接続され得るが、それは、パラレル・ポート、ゲーム・ポート、又はユニバーサル・シリアル・バス(USB)などのような、他のインターフェース及びバス構造によって接続されることが多い。また、モニター15−191又は他のタイプのディスプレイ・デバイスが、ビデオ・インターフェース15−190などのようなインターフェースを介して、システム・バス15−121に接続されている。また、モニターに加えて、コンピュータは、スピーカ15−197及びプリンター15−196などのような、他のペリフェラル出力デバイスを含むことが可能であり、それは、出力ペリフェラル・インターフェース15−195を通して接続され得る。
【0355】
コンピュータ15−110は、遠隔のコンピュータ15−180などのような1つ又は複数の遠隔のコンピュータへの論理的接続を使用して、ネットワーク化された環境において動作させられ得る。遠隔のコンピュータ15−180は、パーソナル・コンピュータ、サーバ、ルータ、ネットワークPC、ピア・デバイス、又は、他の共通のネットワーク・ノードであることが可能であり、また、メモリー・ストレージ・デバイス15−181だけが
図15−1に図示されているが、遠隔のコンピュータ15−180は、典型的に、コンピュータ15−110に関して上記に説明されているエレメントのうちの多く又はすべてを含む。
図15−1に示されている論理的接続は、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)15−171及びワイド・エリア・ネットワーク(WAN)15−173を含むが、他のネットワークを含むことも可能である。そのようなネットワーキング環境は、オフィス、企業規模のコンピュータ・ネットワーク、イントラネット、及びインターネットにおいて普通である。
【0356】
LANネットワーキング環境において使用されるときには、コンピュータ15−110は、ネットワーク・インターフェース又はアダプター15−170を通して、LAN15−171に接続されている。WANネットワーキング環境において使用されるときには、コンピュータ15−110は、典型的に、モデム15−172、又は、インターネットなどのようなWAN15−173を通した通信を確立するための他の手段を含む。モデム15−172は、内部又は外部にあることが可能であり、モデム15−172は、ユーザ入力インターフェース15−160、又は他の適当なメカニズムを介して、システム・バス15−121に接続され得る。ネットワーク化された環境では、コンピュータ15−110に関して示されているプログラム・モジュール又はその一部分は、遠隔のメモリー・ストレージ・デバイスの中に保存され得る。例として、及び、限定としてではなく、
図15−1は、メモリー・デバイス15−181の上にあるものとして、遠隔のアプリケーション・プログラム15−185を図示している。示されているネットワーク接続は、例示的なものであり、コンピュータ同士の間で通信リンクを確立する他の手段も使用され得ると
いうことが認識されることとなる。
【0357】
VI. 結論
したがって、本発明の少なくとも1つの実施形態のいくつかの態様が説明されてきたが、さまざまな代替例、修正例、及び改善例が、当業者に容易に思いつくこととなるということが理解されるべきである。
【0358】
そのような代替例、修正例、及び改善例は、この開示の一部であるということが意図されており、また、本発明の精神及び範囲の中にあることが意図されている。さらに、本発明の利点が示されているが、本発明のすべての実施形態が、記載されているすべての利点を含むこととなるわけではないということが認識されるべきである。いくつかの実施形態は、本明細書で、及び、いくつかの場合において、有利であるとして説明されている任意の特徴を実施しなくてもよい。したがって、先述の説明及び図面は、単なる例としてのものである。
【0359】
本発明の上述の実施形態は、多数の方式のいずれかで実施され得る。たとえば、実施形態は、ハードウェア、ソフトウェア、又は、それらの組み合わせを使用して実施され得る。ソフトウェアの中に実施されるときには、ソフトウェア・コードは、単一のコンピュータの中に設けられるか、又は、複数のコンピュータの間に分散されるかにかかわらず、任意の適切なプロセッサー、又は、プロセッサーの収集の上で実行され得る。そのようなプロセッサーは、集積回路として実施され得、1つ又は複数のプロセッサーを集積回路コンポーネントの中に備えており、それは、CPUチップ、GPUチップ、マイクロプロセッサー、マイクロコントローラ、又はコプロセッサーなどのような名前によって当技術分野で知られている市販の集積回路コンポーネントを含む。代替的に、プロセッサーは、プログラム可能なロジック・デバイスを構成することから結果として生じる、ASICなどのようなカスタム回路、又は、セミ・カスタム回路の中に実施され得る。さらなる代替例として、プロセッサーは、市販のものであろうと、セミ・カスタムであろうと、又はカスタムであろうと、より大きい回路又は半導体デバイスの一部分であることが可能である。特定の例として、いくつかの市販のマイクロプロセッサーは、複数のコアを有しており、それらのコアのうちの1つ又はサブセットが、プロセッサーを構成し得るようになっている。しかし、プロセッサーは、任意の適切なフォーマットの回路を使用して実施され得る。
【0360】
さらに、コンピュータは、ラック・マウント型コンピュータ、デスクトップ・コンピュータ、ラップトップ・コンピュータ、又はタブレット・コンピュータなどのような、多数の形態のいずれかで具現化され得るということが認識されるべきである。追加的に、コンピュータは、パーソナル・デジタル・アシスタント(PDA)、スマート・フォン、又は、任意の他の適切なポータブルのもしくは固定された電子デバイスを含む、適切なプロセッシング能力を備えるが一般的にコンピュータとみなされないデバイスの中に埋め込まれ得る。
【0361】
また、コンピュータは、1つ又は複数の入力及び出力デバイスを有することが可能である。これらのデバイスは、とりわけ、ユーザ・インターフェースを提示するために使用され得る。ユーザ・インターフェースを提供するために使用され得る出力デバイスの例は、出力の視覚的表現に関するプリンター又は表示スクリーン、及び、出力の可聴表現に関するスピーカ又は他のサウンド発生デバイスを含む。ユーザ・インターフェースに関して使用され得る入力デバイスの例は、キーボード、ならびに、マウス、タッチ・パッド、及びデジタイジング・タブレットなどのような、ポインティング・デバイスを含む。別の例として、コンピュータは、音声認識を通して、又は、他の可聴フォーマットで、入力情報を受け取ることが可能である。
【0362】
そのようなコンピュータは、企業ネットワーク又はインターネットなどのような、ローカル・エリア・ネットワーク又はワイド・エリア・ネットワークを含む、1つ又は複数のネットワークによって、任意の適切な形態で相互接続され得る。そのようなネットワークは、任意の適切な技術に基づくことが可能であり、任意の適切なプロトコルにしたがって動作することが可能であり、ワイヤレス・ネットワーク、ワイヤード・ネットワーク、又は光ファイバー・ネットワークを含むことが可能である。
【0363】
また、本明細書で概説されているさまざまな方法又はプロセスは、さまざまなオペレーティング・システム又はプラットフォームのうちの任意の1つを用いる1つ又は複数のプロセッサーの上で実行可能なソフトウェアとして符号化され得る。追加的に、そのようなソフトウェアは、多数の適切なプログラミング言語及び/又はプログラミング・ツールもしくはスクリプティング・ツールのいずれかを使用して書かれ得、また、フレームワーク又はバーチャル・マシンの上で実行される実行可能なマシン語コード又は中間コードとしてコンパイルされ得る。
【0364】
この点において、本発明は、1つもしくは複数のコンピュータ又は他のプロセッサーの上で実行されるときに、上記に議論されている本発明のさまざまな実施形態を実施する方法を実施する1つ又は複数のプログラムによって符号化されたコンピュータ可読のストレージ媒体(又は、複数のコンピュータ可読媒体)(たとえば、コンピュータ・メモリー、1つ又は複数のフロッピー(登録商標)・ディスク、コンパクト・ディスク(CD)、光学ディスク、デジタル・ビデオ・ディスク(DVD)、磁気テープ、フラッシュ・メモリー、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイもしくは他の半導体デバイスの中の回路構成、又は、他の有形的コンピュータ・ストレージ媒体)として具現化され得る。先述の例から明らかであるように、コンピュータ可読のストレージ媒体は、非一時的な形態のコンピュータ実行可能な命令を提供するのに十分な時間にわたって、情報を保持することが可能である。そのような1つ又は複数のコンピュータ可読のストレージ媒体は、輸送可能であり得、その上に保存された1つ又は複数のプログラムが、1つ又は複数の異なるコンピュータ又は他のプロセッサーの上にロードされ、上記に議論されているような本発明のさまざまな態様を実施することができるようになっている。本明細書で使用されているように、「コンピュータ可読のストレージ媒体」という用語は、製品(すなわち、製造品)又はマシンであると考えられ得るコンピュータ可読媒体だけを包含する。代替的に又は追加的に、本発明は、伝播信号などのような、コンピュータ可読のストレージ媒体以外のコンピュータ可読媒体として具現化され得る。
【0365】
「プログラム」又は「ソフトウェア」という用語は、上記に議論されているような本発明のさまざまな態様を実施するために、コンピュータ又は他のプロセッサーをプログラムするために使用され得る、コンピュータ・コード又はコンピュータ実行可能な命令のセットの任意のタイプを表すために、一般的な意味で、本明細書で使用され得る。追加的に、この実施形態の1つの態様によれば、実行されるときに、本発明の方法を実施する1つ又は複数のコンピュータ・プログラムは、単一のコンピュータ又はプロセッサーの上にある必要はなく、本発明のさまざまな態様を実施するために、複数の異なるコンピュータ又はプロセッサーの間にモジュラー方式で分散され得るということが認識されるべきである。
【0366】
コンピュータ実行可能な命令は、1つ又は複数のコンピュータ又は他のデバイスによって実行される、プログラム・モジュールなどのような多くの形態であることが可能である。一般的に、プログラム・モジュールは、特定のタスクを実施し、又は特定の抽出データ・タイプを実施する、ルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを含む。典型的に、プログラム・モジュールの機能性が、さまざまな実施形態において、必要に応じて、組み合わせられ又は分散させられ得る。
【0367】
また、データ構造は、任意の適切な形態で、コンピュータ可読媒体の中に保存され得る。図示を簡単にするために、データ構造は、データ構造の中の場所を通して関連するフィールドを有するように示され得る。そのような関係は、フィールドに関するストレージを、フィールド同士の間の関係を伝えるコンピュータ可読媒体の中の場所に割り当てることによって、同様に実現され得る。しかし、任意の適切なメカニズムが、データ構造のフィールドの中の情報の間の関係を確立するために使用され得、それは、ポインター、タグ、又は、データ・エレメント同士の間の関係を確立する他のメカニズムの使用を通すことを含む。
【0368】
本発明のさまざまな態様が、単独で、組み合わせて、又は、先述のものにおいて説明された実施形態の中では具体的に議論されていないさまざまな配置で、使用され得、したがって、その用途において、先述の説明において述べられ又は図面に図示されているコンポーネントの詳細及び配置に限定されない。たとえば、1つの実施形態において説明されている態様は、他の実施形態において説明されている態様と、任意の様式で組み合わせられ得る。
【0369】
また、発明は、方法として具現化され得、その例が提供されている。方法の一部として行われる行為は、任意の適切な方式で順序付けられることが可能である。したがって、図示されているものとは異なる順序で行為が行われる実施形態が構築され得、それは、例示目的の実施形態では連続的な行為として示されているとしても、いくつかの行為を同時に実施することを含むことが可能である。
【0370】
特許請求の範囲の中で請求項エレメントを修飾するために、「第1の」、「第2の」、「第3の」などのような序数用語を使用することは、それ自身では、別の請求項エレメントに対する1つの請求項エレメントのいずれの優先度、順位、もしくは順序も含意しておらず、又は、方法の行為が実施される時間的な順序も含意しておらず、それらは、単に、特定の名前を有する1つの請求項エレメントを、(序数の用語の使用がなければ)同じ名前を有する別のエレメントから区別するための標識として使用され、請求項エレメントを区別する。
【0371】
また、本明細書で使用されている言語表現及び専門用語は、説明の目的のためのものであり、限定としてみなされるべきではない。「含む(including)」、「からなる(comprising)」、又は「有する(having)」、「含有する(containing)」、「含む(involving)」、及び、それらの変形例を本明細書で使用することは、その後に列挙されている項目及びその均等物、ならびに、追加的な項目を包含することを意味している。