特許第6573913号(P6573913)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6573913
(24)【登録日】2019年8月23日
(45)【発行日】2019年9月11日
(54)【発明の名称】ロチゴチンを含む経皮送達システム
(51)【国際特許分類】
   A61K 9/70 20060101AFI20190902BHJP
   A61K 31/381 20060101ALI20190902BHJP
   A61K 47/32 20060101ALI20190902BHJP
   A61K 47/10 20060101ALI20190902BHJP
   A61K 47/38 20060101ALI20190902BHJP
   A61K 47/34 20170101ALI20190902BHJP
   A61P 25/16 20060101ALI20190902BHJP
   A61P 25/24 20060101ALI20190902BHJP
   A61P 25/22 20060101ALI20190902BHJP
   A61P 21/00 20060101ALI20190902BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20190902BHJP
   C07D 333/20 20060101ALN20190902BHJP
【FI】
   A61K9/70 401
   A61K31/381
   A61K47/32
   A61K47/10
   A61K47/38
   A61K47/34
   A61P25/16
   A61P25/24
   A61P25/22
   A61P21/00
   A61P25/28
   !C07D333/20
【請求項の数】30
【全頁数】55
(21)【出願番号】特願2016-568496(P2016-568496)
(86)(22)【出願日】2015年5月20日
(65)【公表番号】特表2017-515869(P2017-515869A)
(43)【公表日】2017年6月15日
(86)【国際出願番号】EP2015061099
(87)【国際公開番号】WO2015177204
(87)【国際公開日】20151126
【審査請求日】2018年5月11日
(31)【優先権主張番号】14169009.9
(32)【優先日】2014年5月20日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】300005035
【氏名又は名称】エルテーエス ローマン テラピー−ジステーメ アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【弁理士】
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100140132
【弁理士】
【氏名又は名称】竹林 則幸
(72)【発明者】
【氏名】マルコ・アムゲンブロイヒ
(72)【発明者】
【氏名】エルケ・クライン
(72)【発明者】
【氏名】ハイケ・クルース
【審査官】 横山 敏志
(56)【参考文献】
【文献】 特表2013−510805(JP,A)
【文献】 特表2005−535687(JP,A)
【文献】 特表2004−528359(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/084969(WO,A1)
【文献】 特表2004−525164(JP,A)
【文献】 特表2011−500647(JP,A)
【文献】 特表2011−526592(JP,A)
【文献】 特表2010−532390(JP,A)
【文献】 独国特許出願公開第102012013421(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K9/00−9/72
A61K47/00−47/69
A61K31/00−33/44
A61P1/00−43/00
C07D 333/20
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自己接着性層構造中に治療有効量のロチゴチン塩基を含む、ロチゴチンの経皮投与のための経皮治療システムであって、該自己接着性層構造が
A)裏打ち層、ならびに
B)ロチゴチン含有二相層であって、該二相層が
a)75%〜100%のポリマーまたはポリマー混合物を含む組成物を有する外部相と、
b)ロチゴチン塩基を含む組成物を有する内部相と
を有し、
該内部相が該外部相中に分散したデポジットを形成し、
該内部相が
i.ロチゴチン塩基と、
ii.ポリマー群:
− 少なくとも80のK値を有するポリビニルピロリドン、
− 80未満のK値を有するポリビニルピロリドン、
− ビニルカプロラクタム、酢酸ビニルおよびエチレングリコールのコポリマー、
− ビニルピロリドンおよび酢酸ビニルのコポリマー、
− エチレンおよび酢酸ビニルのコポリマー、
− ポリエチレングリコール、
− ポリプロピレングリコール、
− アクリルポリマー、
− 変性セルロース
のうちの少なくとも2つから選択される少なくとも2つの親水性ポリマーを含むポリマー混合物と
を含み、
内部相中のポリマー混合物が、前記ロチゴチン塩基が内部相中のポリマー混合物と固溶体を形成するために十分な量で存在する、
前記ロチゴチン含有二相層、
ならびに
C)場合により、追加の皮膚接触層
を含む、前記経皮治療システム。
【請求項2】
外部相中の前記ポリマーまたはポリマー混合物は疎水性ポリマーである、請求項1に記載の経皮治療システム。
【請求項3】
外部相中の前記ポリマーまたはポリマー混合物は、ポリシロキサン、ポリイソブチレン、ポリアクリレート、スチレンとブタジエンのコポリマー、スチレンとイソプレンのコポリマーの群から選択される感圧接着性ポリマーである、請求項1または2に記載の経皮治療システム。
【請求項4】
外部相中の前記ポリマーまたはポリマー混合物は感圧接着性ポリシロキサンである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
【請求項5】
内部相中のポリマー混合物は、2つの親水性ポリマーを1:1〜1:10の比で含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
【請求項6】
内部相中のポリマー混合物は、80〜200のK値を有するポリビニルピロリドンと、10〜79のK値を有するポリビニルピロリドンとを含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
【請求項7】
ロチゴチン塩基の、少なくとも80、または80〜200のK値を有するポリビニルピロリドンに対する比は1:0.1〜1:0.5である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
【請求項8】
ロチゴチン塩基の、80未満、または10〜79のK値を有するポリビニルピロリドンに対する比は1:0.1〜1:0.5である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
【請求項9】
前記自己接着性層構造中に1.5mg/cm2〜5.0mg/cm2のロチゴチン塩基を含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
【請求項10】
二相層は30g/m2〜200g/m2の面積重量を有する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
【請求項11】
ロチゴチン塩基は前記二相層の10%〜26%、好ましくは16%〜26%の量で存在する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
【請求項12】
皮膚接触層は、活性薬剤を含まない、または活性薬剤を含むかたちで製造される、請求項1〜11のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
【請求項13】
皮膚接触層は、ロチゴチン塩基を含むかたちで製造される、請求項1〜12のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
【請求項14】
ロチゴチン塩基を含むかたちで製造される皮膚接触層は10g/m2〜150g/m2の面積重量を有する、請求項13に記載の経皮治療システム。
【請求項15】
皮膚接触層はロチゴチン含有二相層とは異なるが、これもロチゴチン含有二相層の形態であり、該二相層が
a)75%〜100%のポリマーまたはポリマー混合物を含む組成物を有する外部相と、b)ロチゴチン塩基を含む組成物を有する内部相と
を有し、
該内部相が該外部相中に分散したデポジットを形成し、
該内部相が
i.ロチゴチン塩基と、
ii.少なくとも1つの親水性ポリマーと
を含み、
内部相中の該少なくとも1つの親水性ポリマーが、前記ロチゴチン塩基が該少なくとも1つの親水性ポリマーと固溶体を形成するために十分な量で存在する、請求項13または14に記載の経皮治療システム。
【請求項16】
皮膚接触層は、内部相中に少なくとも80、または80〜200のK値を有するポリビニルピロリドンを含む、請求項1〜15のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
【請求項17】
ロチゴチン塩基は、皮膚接触層中に前記皮膚接触層の1%〜15%、または9%未満、または1%〜8%の量で存在する、請求項1〜16のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
【請求項18】
ロチゴチン塩基は、皮膚接触層中に前記二相層中よりも少ない量で存在する、請求項1〜17のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
【請求項19】
8時間〜12時間の間の4時間の時間間隔でEVA膜によって測定された、治療に有効であるロチゴチン塩基の透過速度、または8時間目〜12時間目の間の4時間の時間間隔でEVA膜によって測定された、少なくとも11μg/cm2/hr〜15μg/cm2/hrの、ロチゴチン塩基の透過速度を提供する、請求項1〜18のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
【請求項20】
24時間〜168時間の間の4時間または6時間の時間間隔でEVA膜によって測定された、24時間〜168時間の間、20%ポイント以内で一定のロチゴチン塩基の透過速度を提供する、請求項1〜19のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
【請求項21】
患者の皮膚への1〜7日間の投与期間の間、前記経皮治療システムによって1〜7日間にわたって治療有効量のロチゴチン塩基を提供する、請求項1〜20のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
【請求項22】
二相層は乾燥された二相層である、請求項1〜21のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
【請求項23】
ヒト患者の皮膚に168時間、経皮治療システムを適用することによる、パーキンソン病、パーキンソンプラス症候群、うつ病、不安、AHDS、線維筋痛、レストレスレッグス症候群に罹患した患者を治療するため、ならびにドーパミン作動性ニューロン喪失の治療もしくは予防、または認知障害、認知症もしくはレヴィー小体疾患の治療もしくは予防における使用のための、請求項1〜22のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
【請求項24】
ロチゴチン塩基の放出を制御するための1つまたは複数の感圧接着性ポリシロキサンを含む感圧接着性組成物中に、ロチゴチン塩基を含むポリマー混合物の分散した固溶体デポジットを提供する、ロチゴチンの経皮投与のための経皮治療システムの製造における、少なくとも80のK値を有するポリビニルピロリドン、および80未満のK値を有するポリビニルピロリドンのポリマー混合物の使用。
【請求項25】
請求項1〜23のいずれか1項に記載のロチゴチンの経皮投与のための経皮治療システ
ムの製造方法であって、
(1)外部相中に分散した内部相を有するロチゴチン含有二相コーティング混合物を製造する工程、
(2)前記ロチゴチン含有二相コーティング混合物を、コーティング重量を有する層を提供する量でフィルムにコーティングする工程、
(3)前記コーティングされた層を乾燥してコーティング重量を有する乾燥層を提供し、所望の面積重量を有するロチゴチン含有乾燥二相層を提供する工程、
(4)場合により2層以上の前記乾燥層をラミネートして、所望の面積重量を有するロチゴチン含有乾燥二相層を提供する工程、
(5)前記ロチゴチン含有乾燥二相層を裏打ち層とラミネートする工程、
(6)場合により前記ロチゴチン含有乾燥二相層を追加の皮膚接触層とラミネートする工程
を含む前記製造方法。
【請求項26】
自己接着性層構造中に治療有効量のロチゴチン塩基を含む、ロチゴチンの経皮投与のための経皮治療システムであって、該自己接着性層構造が
A)裏打ち層、ならびに
B)ロチゴチン含有乾燥二相層であって、該乾燥二相層が
a)75%〜100%の感圧接着性ポリシロキサンを含む感圧接着性組成物を有する外部相と、
b)ロチゴチン塩基を含む組成物を有する内部相と
を有し、
該内部相が該外部相中に分散したデポジットを形成し、
該内部相が
i.前記乾燥二相層の16%〜26%のロチゴチン塩基と、
ii.少なくとも80のK値を有するポリビニルピロリドン、および80未満のK値を有するポリビニルピロリドンを含むポリマー混合物と
を含み、
内部相中のポリマー混合物が、前記ロチゴチン塩基が内部相中のポリマー混合物と固溶体を形成するために十分な量で存在し、
乾燥二相層が100g/m2〜200g/m2の面積重量を有する、
前記ロチゴチン含有乾燥二相層、
ならびに
C)場合により、追加の皮膚接触層
を含む、前記経皮治療システム。
【請求項27】
自己接着性層構造中に2.0mg/cm2〜3.0mg/cm2のロチゴチン塩基を含む、ロチゴチンの経皮投与のための経皮治療システムであって、該自己接着性層構造が
A)裏打ち層、ならびに
B)ロチゴチン含有二相層であって、該二相層が
a)75%〜100%の感圧接着性ポリシロキサンを含む感圧接着性組成物を有する外部相と、
b)ロチゴチン塩基を含む組成物を有する内部相と
を有し、
該内部相が該外部相中に分散したデポジットを形成し、
該内部相が
i.ロチゴチン塩基と、
ii.少なくとも80のK値を有するポリビニルピロリドン、および80未満のK値を有するポリビニルピロリドンを含むポリマー混合物と
を含み、
内部相中のポリマー混合物が、前記ロチゴチン塩基が内部相中のポリマー混合物と固溶体を形成するために十分な量で存在し、
ロチゴチン塩基の、80未満のK値を有するポリビニルピロリドンに対する比が1:0.1〜1:0.5であり、
二相層が100g/m2〜200g/m2の面積重量を有する、
前記ロチゴチン含有二相層、
ならびに
C)追加の皮膚接触層
を含む、前記経皮治療システム。
【請求項28】
自己接着性層構造中に治療有効量のロチゴチン塩基を含む、ロチゴチンの経皮投与のための経皮治療システムであって、該自己接着性層構造が
A)裏打ち層、ならびに
B)ロチゴチン含有二相層であって、該二相層が
a)75%〜100%の感圧接着性ポリシロキサンを含む感圧接着性組成物を有する外部相と、
b)ロチゴチン塩基を含む組成物を有する内部相と
を有し、
該内部相が該外部相中に分散したデポジットを形成し、
該内部相が
i.前記二相層の16%〜26%のロチゴチン塩基と、
ii.少なくとも80のK値を有するポリビニルピロリドン、および80未満のK値を有するポリビニルピロリドンを含むポリマー混合物と
を含み、
内部相中のポリマー混合物が、前記ロチゴチン塩基の量が内部相中のポリマー混合物と固溶体を形成するために十分な量で存在し、
二相層が100g/m2〜200g/m2の面積重量を有する、
前記ロチゴチン含有二相層、
ならびに
C)これも二相層の形態である、追加のロチゴチン含有皮膚接触層であって、該皮膚接触層が
a)75%〜100%の感圧接着性ポリシロキサンを含む感圧接着性組成物を有する外部相と、
b)ロチゴチン塩基を含む組成物を有する内部相と
を有し、
該内部相が該外部相中に分散したデポジットを形成し、
該内部相が
i.前記皮膚接触層の1%〜8%のロチゴチン塩基と、
ii.少なくとも80のK値を有するポリビニルピロリドンであって、前記ロチゴチン塩基の量が前記ポリビニルピロリドンと固溶体を形成するために十分な量で存在する前記ポリビニルピロリドンと
を含み、
皮膚接触層が10g/m2〜150g/m2の面積重量を有する、
前記追加のロチゴチン含有皮膚接触層
を含む、前記経皮治療システム。
【請求項29】
患者の皮膚への7日間の投与期間の間、前記経皮治療システムによって7日間にわたって治療有効量のロチゴチン塩基を提供する、請求項1〜23および26〜28のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
【請求項30】
ロチゴチンの経皮投与のための経皮治療システムであって、
(a)8時間〜12時間の間の4時間の時間間隔でEVA膜によって測定された、少なくとも11μg/cm2/hr〜15μg/cm2/hrで、かつ
(b)24時間〜168時間の間の4時間の時間間隔でEVA膜によって測定された、24時間〜168時間の間、20%ポイント以内で一定の
ロチゴチン塩基の透過速度を提供する、前記経皮治療システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロチゴチンの経皮投与のための経皮治療システム(TTS)、ならびにその製造方法および使用に関する。
【背景技術】
【0002】
活性成分であるロチゴチン[(−)−5,6,7,8−テトラヒドロ−6−[プロピル−[2−(2−チエニル)エチル]−アミノ]−1−ナフタレノール]は、構造的にはドーパミンと類似し、同様のレセプタープロファイルであるが、より高いレセプター親和性を有する非エルゴリニックドーパミンD1/D2/D3−レセプターアゴニストである。ロチゴチンはパーキンソン病、パーキンソンプラス症候群、うつ病およびレストレスレッグス症候群に罹患した患者を治療するため、ならびにドーパミン作動性ニューロン喪失の治療または予防のための活性薬剤として開示されている。
【0003】
ロチゴチンを含む現在入手可能な唯一の薬学製品は経皮治療システム(TTS)である。患者を24時間にわたって処置するのに十分な量で、24時間のコースで定常的にロチゴチンを皮膚に送達することができる1日1回のTTSとして、Neupro(登録商標)が製剤化されている。したがって、TTSは1日後には交換する必要がある。利便性の理由から、現在Neupro(登録商標)が提供している1日1回の交換モードの代わりに、より長い交換モード、たとえば週2回(3日または4日の投薬計画)、または週1回(7日の投薬計画)の交換モードのための数日分のTTSを提供することが望ましい。
【0004】
活性薬剤を増量することは、特に溶媒系のシステムにおいては限界があると思われるので、複数日の投与、たとえば少なくとも3日、4日、または7日にわたる投与の間、変動を最小にして十分な透過速度を維持することは特に困難である。さらに、高濃度のロチゴチンによる皮膚刺激のため、TTSのマトリックスにおいて活性薬剤の濃度を高めることには限界がある。
【0005】
特許文献1に記載されている熱溶融性システムはより多くのロチゴチンを受容し、インビトロの皮膚透過モデルで7日間までのロチゴチンの放出を可能にしているが、投与期間中のロチゴチンの透過速度の変動が大きく、数日後にはロチゴチンの透過の低下が起こる。この教示が熱溶融システムに限定されていることも大きな限界である。それは、溶媒系システムが技術的に重要な代替策を提供し、それにより活性薬剤の処理条件が温和になり、活性薬剤含有層のより正確なコーティングが可能になるからである。
【0006】
所望の投与期間にわたって定常的にロチゴチンを送達し、特に数日間にわたって(たとえば少なくとも3日、または4日にわたって、特に7日にわたって)治療有効量のロチゴチン塩基を連続的に投与できる、ロチゴチンの経皮投与のための経皮治療システムに対する当技術におけるニーズが引き続き存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】WO2004/012721
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、患者の皮膚への1〜7日(たとえば7日)の投与期間の間、治療有効量のロチゴチン塩基を1〜7日にわたって連続的に投与できる、ロチゴチンの経皮投与のための経皮治療システムを提供することである。
【0009】
患者の皮膚への1〜7日(たとえば7日)の投与期間の間、変動が少ない治療に有効な透過速度でロチゴチン塩基を提供できる、ロチゴチンの経皮投与のための経皮治療システムを提供することも、本発明の目的である。
【0010】
本発明のさらなる目的は、皮膚耐性のあるロチゴチンの経皮投与のための経皮治療システムを提供することである。
【0011】
本発明のさらなる目的は、大きさおよび厚みの観点から利便性の良い適用に対するニーズに合致し、容易にかつコスト効率良く製造できるロチゴチンの経皮投与のための経皮治療システムを提供することである。
【0012】
本発明のある実施形態の目的は、患者の皮膚への3日間の投与期間の間、経皮治療システムによって治療有効量のロチゴチン塩基を3日間にわたって提供する、ロチゴチンの経皮投与のための経皮治療システムを提供することである。
【0013】
本発明のある実施形態の目的は、患者の皮膚への4日間の投与期間の間、経皮治療システムによって治療有効量のロチゴチン塩基を4日間にわたって提供する、ロチゴチンの経皮投与のための経皮治療システムを提供することである。
【0014】
本発明のある実施形態の目的は、患者の皮膚への7日間の投与期間の間、経皮治療システムによって治療有効量のロチゴチン塩基を7日間にわたって提供する、ロチゴチンの経皮投与のための経皮治療システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
これらの、およびその他の目的は、1つの態様によれば自己接着性層構造中に治療有効量のロチゴチン塩基を含む、ロチゴチンの経皮投与のための経皮治療システムに関する本発明によって達成され、該自己接着性層構造は
A)裏打ち層、ならびに
B)ロチゴチン含有二相層であって、該二相層が
a)75%〜100%のポリマーまたはポリマー混合物を含む組成物を有する外部相と、
b)ロチゴチン塩基を含む組成物を有する内部相と
を有し、
該内部相が該外部相中に分散したデポジットを形成し、
該内部相が
i.ロチゴチン塩基と、
ii.ポリマー群:
− 少なくとも80、または80〜200のK値を有するポリビニルピロリドン、
− 80未満、または10〜79のK値を有するポリビニルピロリドン、
− ビニルカプロラクタム、酢酸ビニルおよびエチレングリコールのコポリマー、
− ビニルピロリドンおよび酢酸ビニルのコポリマー、
− エチレンおよび酢酸ビニルのコポリマー、
− ポリエチレングリコール、
− ポリプロピレングリコール、
− アクリルポリマー、
− 変性セルロース
のうちの少なくとも2つから選択される少なくとも2つの親水性ポリマーを含むポリマー混合物と
を含み、
内部相中のポリマー混合物が、前記ロチゴチン塩基が内部相中のポリマー混合物と固溶体を形成するために十分な量で存在する、
前記ロチゴチン含有二相層、
ならびに
C)場合により、追加の皮膚接触層
を含む。
【0016】
1つの特定の態様によれば、本発明は自己接着性層構造中に治療有効量のロチゴチン塩基を含む、ロチゴチンの経皮投与のための経皮治療システムに関し、該自己接着性層構造は
A)裏打ち層、ならびに
B)ロチゴチン含有乾燥二相層であって、該乾燥二相層が
a)75%〜100%の感圧接着性ポリシロキサンを含む感圧接着性組成物を有する外部相と、
b)ロチゴチン塩基を含む組成物を有する内部相と
を有し、
該内部相が該外部相中に分散したデポジットを形成し、
該内部相が
i.前記乾燥二相層の16%〜26%のロチゴチン塩基と、
ii.少なくとも80、または80〜200のK値を有するポリビニルピロリドン、および80未満、または10〜79のK値を有するポリビニルピロリドンを含むポリマー混合物と
を含み、
内部相中のポリマー混合物が、前記ロチゴチン塩基が内部相中のポリマー混合物と固溶体を形成するために十分な量で存在し、
乾燥二相層が約100g/m〜約200g/mの面積重量を有する、
前記ロチゴチン含有乾燥二相層、
ならびに
C)場合により、追加の皮膚接触層
を含む。
【0017】
1つの特定の態様によれば、本発明は自己接着性層構造中に2.0mg/cm〜4.0mg/cmのロチゴチン塩基を含む、ロチゴチンの経皮投与に関し、該自己接着性層構造は
A)裏打ち層、ならびに
B)ロチゴチン含有二相層であって、該二相層が
a)75%〜100%の感圧接着性ポリシロキサンを含む感圧接着性組成物を有する外部相と、
b)ロチゴチン塩基を含む組成物を有する内部相と
を有し、
該内部相が該外部相中に分散したデポジットを形成し、
該内部相が
i.ロチゴチン塩基と、
ii.少なくとも80、または80〜200のK値を有するポリビニルピロリドン、および80未満、または10〜79のK値を有するポリビニルピロリドンを含むポリマー混合物と
を含み、
内部相中のポリマー混合物が、前記ロチゴチン塩基が内部相中のポリマー混合物と固溶体を形成するために十分な量で存在し、
ロチゴチン塩基の、80未満、または10〜79のK値を有するポリビニルピロリドンに対する比が1:0.1〜1:0.5であり、
二相層が約100g/m〜約200g/mの面積重量を有する、
前記ロチゴチン含有二相層、
ならびに
C)追加の皮膚接触層
を含む。
【0018】
1つの特定の態様によれば、本発明は自己接着性層構造中に治療有効量のロチゴチン塩基を含む、ロチゴチンの経皮投与のための経皮治療システムに関し、該自己接着性層構造は
A)裏打ち層、ならびに
B)ロチゴチン含有二相層であって、該二相層が
a)75%〜100%の感圧接着性ポリシロキサンを含む感圧接着性組成物を有する外部相と、
b)ロチゴチン塩基を含む組成物を有する内部相と
を有し、
該内部相が該外部相中に分散したデポジットを形成し、
該内部相が
i.前記二相層の10%〜30%のロチゴチン塩基と、
ii.少なくとも80、または80〜200のK値を有するポリビニルピロリドン、および80未満、または10〜79のK値を有するポリビニルピロリドンを含むポリマー混合物と
を含み、
内部相中のポリマー混合物が、前記ロチゴチン塩基の量が内部相中のポリマー混合物と固溶体を形成するために十分な量で存在し、
二相層が約100g/m〜約200g/mの面積重量を有する、
前記ロチゴチン含有二相層、
ならびに
C)これも二相層の形態である、追加のロチゴチン含有皮膚接触層であって、該皮膚接触層が
a)75%〜100%の感圧接着性ポリシロキサンを含む感圧接着性組成物を有する外部相と、
b)ロチゴチン塩基を含む組成物を有する内部相と
を有し、
該内部相が該外部相中に分散したデポジットを形成し、
該内部相が
i.前記皮膚接触層の1%〜8%のロチゴチン塩基と、
ii.少なくとも80、または80〜200のK値を有するポリビニルピロリドンであって、前記ロチゴチン塩基の量が前記ポリビニルピロリドンと固溶体を形成するために十分な量で存在する前記ポリビニルピロリドンと
を含み、
皮膚接触層が約10g/m〜約150g/mの面積重量を有する、
前記追加のロチゴチン含有皮膚接触層
を含む。
【0019】
本発明のある実施形態によれば、本発明による経皮治療システムは、特に約168時間(7日間または1週間に対応する)にわたって経皮治療システムを患者の皮膚に適用することによる、治療方法における使用のため、特にパーキンソン病、パーキンソンプラス症候群、うつ病、不安、AHDS、線維筋痛、レストレスレッグス症候群に罹患した患者を治療する方法における使用のため、ならびにドーパミン作動性ニューロン喪失の治療もしくは予防、または認知障害、認知症もしくはレヴィー小体疾患の治療もしくは予防における使用のためのものである。
【0020】
本発明による経皮治療システムは、患者の皮膚への1〜7日間の投与期間の間、好ましくは患者の皮膚への3日間の投与期間の間の3日間、より好ましくは患者の皮膚への4日間の投与期間の間の4日間、最も好ましくは患者の皮膚への7日間の投与期間の間の7日間の本発明による経皮治療システムによって、1〜7日間の治療有効量のロチゴチン塩基を提供する。
【0021】
1つの態様によれば、本発明はロチゴチン塩基の放出を制御するための感圧接着性ポリシロキサン(複数可)を含む感圧接着組成物中に、ロチゴチン塩基を含むポリマー混合物の分散した固溶体デポジットを提供する、ロチゴチンの経皮投与のための経皮治療システムの製造における、少なくとも80、または80〜200のK値を有するポリビニルピロリドン、および80未満、または10〜79のK値を有するポリビニルピロリドンのポリマー混合物の使用に関する。
【0022】
1つの特定の態様によれば、本発明は本発明によるロチゴチンの経皮投与のための経皮治療システムの製造方法に関し、該方法は
(1)外部相中に分散した内部相を有するロチゴチン含有二相コーティング混合物を製造する工程、
(2)前記ロチゴチン含有二相コーティング混合物を、コーティングされた層を提供する量でフィルムにコーティングする工程、
(3)前記コーティングされた層を乾燥してコーティング重量を有する乾燥層を提供し、所望の面積重量を有するロチゴチン含有乾燥二相層を提供する工程、
(4)場合により2層以上の前記乾燥層をラミネートして、所望の面積重量を有するロチゴチン含有乾燥二相層を提供する工程、
(5)前記ロチゴチン含有乾燥二相層を裏打ち層とラミネートする工程、
(6)場合により前記ロチゴチン含有乾燥二相層を追加の皮膚接触層とラミネートする工程
を含み、好ましくは二相層および場合により追加の皮膚接触層の製造のために、ヘプタンまたは酢酸エチル中の感圧接着性ポリシロキサンの感圧接着性混合物が用いられる。
【0023】
本発明のある実施形態によれば、ロチゴチン含有二相コーティング混合物の製造は、
(1)ポリマー群:
− 少なくとも80、または80〜200のK値を有するポリビニルピロリドン、
− 80未満、または10〜79のK値を有するポリビニルピロリドン、
− ビニルカプロラクタム、酢酸ビニルおよびエチレングリコールのコポリマー、
− ビニルピロリドンおよび酢酸ビニルのコポリマー、
− エチレンおよび酢酸ビニルのコポリマー、
− ポリエチレングリコール、
− ポリプロピレングリコール、
− アクリルポリマー、
− 変性セルロース
のうちの少なくとも2つから選択される少なくとも2つの親水性ポリマーを含むポリマー混合物を
溶媒と混合して溶液を得る工程、
(2)場合によりトコフェロール、アスコルビルパルミテート、およびメタ重亜硫酸ナトリウム水溶液を工程1の溶液に加える工程、
(3)ロチゴチン塩基と溶媒中に75%〜100%のポリマーまたはポリマー混合物を含む組成物の混合物を前記溶液に加えてロチゴチン含有二相コーティング混合物を提供する工程
を含む。
【0024】
本発明のある実施形態によれば、ロチゴチン含有二相層は追加の皮膚接触層とラミネートされ、皮膚接触層は
(1)接着性コーティング混合物、好ましくは外部相中に分散した内部相を有し、内部相中に少なくとも1つの親水性ポリマーを含むロチゴチン含有二相コーティング混合物を提供する工程、
(2)前記接着性コーティング混合物をフィルムにコーティングして前記接着性コーティング混合物の層を提供する工程、
(3)前記コーティングされた層を乾燥してコーティング重量を有する乾燥層を提供し、所望の面積重量を有する前記皮膚接触層を提供する工程、
(4)場合により2層以上の前記乾燥層をラミネートして、所望の面積重量を有する前記皮膚接触層を提供する工程
を含むかたちで製造される。
【0025】
本発明の意味において、「経皮治療システム」(TTS)という用語は、それによって活性薬剤(ロチゴチン)が全身的に投与されるシステムを意味し、特に患者の皮膚に適用され、自己接着性層構造中に治療有効量のロチゴチン塩基、および場合によりロチゴチン含有自己接着性層構造の上に活性薬剤を含まない追加のより大きな自己接着性層構造(オーバーレイ接着剤)を含む個別のユニット全体を意味する。保存中、そのようなTTSは通常、剥離可能な保護層の上にあり、患者の皮膚の表面に適用する直前に、そこから保護層が除去される。このようにして保護されたTTSはブリスターパックまたは側面シールバッグの中に保存できる。
【0026】
本発明の意味において、「活性」、「活性薬剤」等、ならびに「ロチゴチン」という用語は、ロチゴチン塩基を意味する。しかし、ロチゴチン塩基という用語はロチゴチン塩基がTTSの製造に用いられることを意味するが、ロチゴチン塩基とロチゴチン含有二相層の他の成分、たとえばポリビニルピロリドンとの相互作用を排除するものではない。他に示さない限り、自己接着性層構造中のロチゴチンの量は、TTSの製造中にTTS中に含まれるロチゴチン塩基の量に関連する。
【0027】
本発明の意味において、「ロチゴチン含有自己接着性層構造」という用語は、投与の間にロチゴチンの放出領域を提供する活性薬剤含有構造を意味する。オーバーレイ接着剤はTTSの全体の大きさには追加されるが、放出領域には追加されない。ロチゴチン含有自己接着性層構造は裏打ち層、ロチゴチン含有二相層および場合により追加の皮膚接触層を含む。
【0028】
本発明の意味において、「二相」という用語は、識別可能な、たとえば目視で識別可能な2つの領域、即ち外部相および内部相のシステムを意味し、内部相は、外部相の中に分散したデポジットの形態を有している。そのようなデポジットは、たとえば固溶体の滴である。目視で識別可能なデポジットは顕微鏡を用いて確認できる。
【0029】
本発明の意味において、「二相層」という用語は、コーティング混合物をコーティングした後で、たとえば溶媒含有コーティング混合物を乾燥すること、またはホットメルトコーティング混合物を冷却することによって固化した最終の二相層を意味する。本発明によれば溶媒含有コーティング混合物が好ましい。二相層は所望の面積重量を提供する同一組成の2つ以上の層(たとえば乾燥層)をラミネートすることによっても製造できる。
【0030】
本発明の意味において、「乾燥二相層」という用語は、溶媒含有コーティング混合物からフィルムにコーティングし、溶媒を蒸発させた後に得られた二相層(溶媒に基づく層)を意味し、ホットメルトコーティング混合物から得られた二相層(ホットメルトに基づく層)とは識別されることになる。
【0031】
他に示さない限り、「%」は重量%を意味する。
【0032】
本発明の意味において、「ポリマー混合物」という用語は、同一のモノマー(複数可)を含むが異なったグレードを提供するポリマーの混合物を含む。異なったグレードのポリマーは異なった特性(たとえば粘度)によって識別され、通常異なった商標で市販されるポリマーである。たとえば、市販の製品であるKollidon(登録商標)90およびKollidon(登録商標)30はポリビニルピロリドン、即ちモノマーであるビニルピロリドンのポリマーの個別のグレードを提供している。市販の製品であるDow Corning(登録商標)BIO−PSA 7−4201およびBIO−PSA 7−4301は感圧接着性ポリシロキサンの個別のグレードを提供している。
【0033】
本発明の意味において、「固溶体」という用語は、固相溶解物の形態である単一の均一な相を提供する活性薬剤(ロチゴチン塩基)とポリマー混合物との混合物を意味する。
【0034】
本発明の意味において、「感圧接着性組成物」という用語は、特に指の圧力で接着し、永久的粘着力があり、強い保持力を発揮し、平滑な表面から残留物なしに除去できる組成物を意味する。感圧接着性組成物の感圧接着特性は適切な増粘剤、または感圧接着性ポリマー(複数可)であるポリマーもしくはポリマー混合物、またはその両方に基づいている。感圧接着性ポリマーは固体状態または適切な溶媒(たとえばヘプタンまたは酢酸エチル)との混合物として入手可能である。ある実施形態によれば、ポリマーまたはポリマー混合物は感圧接着性ポリシロキサン(複数可)である。市販の有用な感圧接着性ポリシロキサンの例としては、Dow Corning社製造の標準BIO−PSAシリーズ(7−4400、7−4500および7−4600シリーズ)、アミン親和性(末端封鎖)BIO−PSAシリーズ(7−4100、7−4200および7−4300シリーズ)、Soft Skin Adhesiveシリーズ(7−9800)、およびBIO−PSA Hot Melt Adhesivesが挙げられる。好ましい感圧ポリシロキサンは、BIO−PSA 7−4201、BIO−PSA 7−4301、BIO−PSA 7−4202、およびBIO−PSA 7−4302等のヘプタンおよび酢酸エチルに溶解した感圧接着性ポリシロキサンである。
【0035】
本発明の意味において、「感圧接着性混合物」という用語は、少なくとも溶媒(ヘプタンまたは酢酸エチル)と混合された感圧接着性ポリマー(単数または複数)を意味する。
【0036】
本発明の意味において、「ポリビニルピロリドン」という用語は、少なくともエタノール、好ましくは水、ジエチレングリコール、メタノール、n−プロパノール、2−プロパノール、n−ブタノール、クロロホルム、塩化メチレン、2−ピロリドン、マクロゴール400、1,2−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、グリセリン、トリエタノールアミン、プロピオン酸および酢酸にも10%を超えて可溶なポリビニルピロリドンを意味する。市販のポリビニルピロリドンの例としては、BASF社によって供給されているKollidon(登録商標)12PF、Kollidon(登録商標)17PF、Kollidon(登録商標)25、Kollidon(登録商標)30およびKollidon(登録商標)90Fが挙げられる。Kollidon(登録商標)の異なったグレードは、ポリビニルピロリドングレードの平均分子量を反映するK値によって定義されている。Kollidon(登録商標)12PFは公称K値12に相当するK値範囲10.2〜13.8によって特徴付けられる。Kollidon(登録商標)17PFは公称K値17に相当するK値範囲15.3〜18.4によって特徴付けられる。Kollidon(登録商標)25は公称K値25に相当するK値範囲22.5〜27.0によって特徴付けられる。Kollidon(登録商標)30は公称K値30に相当するK値範囲27.0〜32.4によって特徴付けられる。Kollidon(登録商標)90Fは公称K値90に相当するK値範囲81.0〜97.2によって特徴付けられる。好ましいKollidon(登録商標)のグレードはKollidon(登録商標)30およびKollidon(登録商標)90Fである。
【0037】
本発明の意味において、「K値」という用語は、「Povidone」に関する欧州薬局方(Ph.Eur.)およびUSPモノグラフに従って水中におけるポリビニルピロリドンの相対粘度から計算した値を意味する。
【0038】
本発明の意味において、「皮膚接触層」という用語は、(ロチゴチン含有二相層に追加した)追加的な層であって、投与中に患者の皮膚に直接接触する、TTSの一部を意味する。追加の皮膚接触層およびロチゴチン含有自己接着性層構造の大きさは共に延伸することができるものであり、放出領域に対応する。
【0039】
本発明の意味において、「活性薬剤を含まない追加的でより大きな自己接着性層構造」(オーバーレイ接着剤)という用語は、活性薬剤を含まず、活性薬剤含有構造よりも大きな面積を有し、皮膚に接着する追加的な領域を提供するが、活性薬剤の放出のための領域は提供せず、それによってTTSの全体の接着特性を向上させる自己接着性層構造を意味する。
【0040】
本発明の意味において、「面積重量」という用語は、裏打ち層および剥離ライナーを除く個別の層の乾燥重量または個別の層の合計を意味し、g/mで表わされる。面積重量は層のコーティング重量、または個別の層のコーティング重量の合計である場合がある。mg/cmまたは%で表わされた層中の活性薬剤またはポリマーの量は、層の面積重量を意味するか、それに基づいている。
【0041】
本発明の意味において、「ロチゴチン透過」というパラメーターはμg/cmで表わされ、9%の酢酸ビニルを含むエチレン酢酸ビニル(EVA)コポリマーからなる厚み51μmの膜(CoTran(商標)Membrane、3M社)および米国薬局方(USP)に記載されたPaddle over Disk装置を用いて長時間にわたって実施したインビトロのロチゴチン透過試験で測定した、全透過時間内のある経過時間において透過したロチゴチンの量に関連する。受容媒体としてpH4.5のリン酸塩緩衝液(900ml;32℃;50rpm)を用いた。受容媒体へのロチゴチンの透過速度は、バリデートされたUV光度測定またはHPLC法によって一定間隔で測定した。HPLCによる測定が好ましい。サンプリングから試料中の透過したロチゴチンの測定までの時間は24時間を超えるべきでなく、好ましくは1時間未満である。値は少なくとも3回の実験の平均値である。
【0042】
本発明の意味において、「ロチゴチン透過速度」というパラメーターはμg/cm/hrで表わされ、あるサンプリング間隔、たとえば8時間目〜12時間目の、EVA膜によってμg/cmとして測定されたロチゴチンの透過を、前記サンプリング時間、たとえば4時間で割って計算される。
【0043】
本発明の意味において、「ロチゴチン皮膚透過」というパラメーターはμg/cmで表わされ、採皮した厚み約300μmのヒト皮膚を用いてフローセル装置で長時間にわたって実施したインビトロのロチゴチン皮膚透過試験で測定した、全透過時間内のある経過時間において透過したロチゴチンの量に関連する。受容媒体(32℃)としてpH6.2のリン酸塩緩衝生理食塩液(PBS)を用いた。受容媒体へのロチゴチンの皮膚透過速度は、バリデートされたUV光度測定またはHPLC法によって一定間隔で測定した。HPLCによる測定が好ましい。サンプリングから試料中の透過したロチゴチンの測定までの時間は24時間を超えるべきでなく、好ましくは1時間未満である。値は少なくとも3回の実験の平均値である。
【0044】
本発明の意味において、「ロチゴチン皮膚透過速度」というパラメーターはμg/cm/hrで表わされ、あるサンプリング間隔、たとえば9時間目〜12時間目の、ヒト皮膚によってインビトロでμg/cmとして測定されたロチゴチンの透過を、前記サンプリング時間、たとえば3時間で割って計算される。
【図面の簡単な説明】
【0045】
図1】比較例1および比較例2のロチゴチン透過速度を示す図である。
図2】実施例1および比較例1のロチゴチン透過速度を示す図である。
図3】実施例1のロチゴチン透過を示す図である。
図4】実施例2aおよび2bのロチゴチン透過を示す図である。
図5】実施例5、6および7のロチゴチン皮膚透過速度を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
TTS構造
本発明のある実施形態によれば、ロチゴチンの経皮投与のための経皮治療システムは自己接着性層構造中に治療有効量のロチゴチン塩基を含み、該自己接着性層構造は
A)裏打ち層、ならびに
B)ロチゴチン含有二相層であって、該二相層が
a)75%〜100%のポリマーまたはポリマー混合物を含む組成物を有する外部相と、
b)ロチゴチン塩基を含む組成を有する内部相と
を有し、
該内部相が該外部相中に分散したデポジットを形成し、
該内部相が
i.ロチゴチン塩基と、
ii.ポリマー群:
− 少なくとも80、または80〜200のK値を有するポリビニルピロリドン、
− 80未満、または10〜79のK値を有するポリビニルピロリドン、
− ビニルカプロラクタム、酢酸ビニルおよびエチレングリコールのコポリマー、
− ビニルピロリドンおよび酢酸ビニルのコポリマー、
− エチレンおよび酢酸ビニルのコポリマー、
− ポリエチレングリコール、
− ポリプロピレングリコール、
− アクリルポリマー、
− 変性セルロース
のうちの少なくとも2つから選択される少なくとも2つの親水性ポリマーを含むポリマー混合物と
を含み、
内部相中のポリマー混合物が、前記ロチゴチン塩基が内部相中のポリマー混合物と固溶体を形成するために十分な量で存在する、
前記ロチゴチン含有二相層、
ならびに
C)場合により、追加の皮膚接触層
を含む。
【0047】
いかなる理論にも縛られることは望まないが、先のパラグラフに述べたポリマー群のうちの少なくとも2つからの少なくとも2つの親水性ポリマーを含む内部相中のポリマー混合物が、患者の皮膚への1〜7日間、特に7日間の投与期間の間、ロチゴチンの透過速度を制御していると考えられる。
【0048】
本発明のある実施形態によれば、TTSはそれに接着されたロチゴチン含有自己接着性層構造に加えて、経皮治療システム全体の接着特性を向上させるために、活性薬剤を含まないより大きな自己接着層構造、たとえばオーバーレイ接着剤を含んでもよい。前記活性薬剤を含まない自己接着性層構造は裏打ち層をも含む。ある実施形態においては、この追加的な層はベージュ色に着色されている。前記第2の活性薬剤を含まない自己接着性層構造の面積はTTS全体の大きさには追加されるが、放出面積には追加されない。活性薬剤含有自己接着性層構造と活性薬剤を含まない自己接着性層構造の感圧接着性組成物は同一でも、異なっていてもよい。たとえば、活性薬剤を含まない感圧接着性組成物はポリアクリレートまたはポリシロキサンの群から選択される感圧接着性ポリマーまたはポリマー混合物を含んでよい。
【0049】
本発明によるTTSは通常、剥離可能な保護層(剥離ライナー)の上にあり、患者の皮膚の表面に適用する直前に、そこから保護層が除去される。このようにして保護されたTTSはブリスターパックまたは側面シールバッグの中に保存できる。
【0050】
ロチゴチン含有自己接着性層構造
本発明によれば、ロチゴチン含有自己接着性層構造は裏打ち層、ロチゴチン含有二相層および場合により追加の皮膚接触層を含む。
【0051】
ロチゴチン含有自己接着性層構造は、0.1mg/cm〜10.0mg/cm、特に0.1mg/cm〜5.0mg/cm、または0.3mg/cm〜3.0mg/cmの治療有効量のロチゴチン塩基を含み得る。ある実施形態によれば、TTSは自己接着性層構造の中に0.3mg/cm〜1.0mg/cm(1日分)、または1.0mg/cm〜1.5mg/cm(3日分、または4日分)、または1.5mg/cm〜5.0mg/cm(7日分)、または2.0mg/cm〜4.0mg/cm(7日分)、または2.0mg/cm〜3.0mg/cm(7日分)のロチゴチン塩基を含む。
【0052】
本発明の経皮治療システムによって好ましくは少なくとも3日間かつ少なくとも7日間まで、治療有効量のロチゴチン塩基を連続的に投与するために必要なロチゴチン塩基の量は、従来技術で知られている1日分の経皮治療システムのそれぞれの量について予想され、計算される量よりも少ないことが分かった。たとえば、市販製品であるNeupro(登録商標)は、1日分の治療有効量のロチゴチン塩基を提供するために24時間の適用期間について0.45mg/cmを含んでいる。即ち、従来技術で知られている1日分の経皮治療システムは0.45mg/cm/日を含む。ある実施形態によれば、本発明のTTSは自己接着性層構造中に約0.3mg/cm/日〜約0.4mg/cm/日のロチゴチン塩基を含んでおり、患者の皮膚への7日間の投与期間の間、治療有効量のロチゴチン塩基を7日間にわたって連続的に投与するのに適している。
【0053】
放出面積を提供するロチゴチン含有自己接着性層構造の大きさは、1cm〜60cmの範囲であり、約5cm、約10cm、約20cm、約30cm、約40cm、または約50cmであってよい。TTSによって提供されるロチゴチンの1時間あたりの量(mg/h)はTTSの放出面積の大きさに比例し、TTSを用量強度によって識別するために用いられる。
【0054】
本発明による自己接着性層構造が追加のロチゴチン含有皮膚接触層を含む場合には、ロチゴチン塩基は各層の面積重量に基づいて前記二相層中に存在する量よりも少ない量で皮膚接触層中に存在する。
【0055】
ロチゴチンは2つの異なった多形状態、即ち多形Iおよび多形IIで存在し、これらはその融点、赤外(IR)スペクトル、固相核磁気共鳴(SSNMR)またはラマンスペクトル、ならびに示差走査熱量測定(DSC)およびX線粉末回折(XRD)によって識別することができる。ロチゴチンの2つの多形の異なった物理化学的特性は、たとえばWO2009/068520に記載されている。本発明によるTTSについては、多形IIが好ましい。
【0056】
二相層
二相層は外部相および内部相を含む。
【0057】
ロチゴチン含有二相層は任意の面積重量でコーティングすることができるが、好ましくは約30g/m〜約400g/m、または約30g/m〜約200g/m、または約100g/m〜約200g/mの面積重量でコーティングされる。
【0058】
ロチゴチン含有二相層は二相層の1%〜30%、10%〜26%、または16%〜30%、または16%〜26%の量でロチゴチン塩基を含む。
【0059】
ある実施形態によれば、二相層は約100g/m〜約200g/mの面積重量を有し、ロチゴチン塩基は二相層の16%〜26%の量で存在する。
【0060】
ある実施形態によれば、二相層は乾燥された二相層である。乾燥二相層は溶媒含有二相コーティング混合物からフィルムにコーティングし、溶媒を蒸発させた後に得られる。得られた層(溶媒に基づく層)はホットメルトコーティング混合物から得られた二相層(ホットメルトに基づく層)とは識別されることになる。ホットメルトコーティング混合物から得られた二相層は異なった物理化学的特性によって特徴付けられる。
【0061】
本発明のある実施形態によれば、ロチゴチン含有二相層は皮膚と直接接触する。
【0062】
本発明の他のある実施形態によれば、ロチゴチン含有自己接着性層構造は、これも二相層の形態であって皮膚接触層の好ましくは1%〜15%、より好ましくは9%未満、または1%〜8%の量でロチゴチン塩基を含むかたちで製造される追加の皮膚接触層を含む。追加のロチゴチン含有皮膚接触層は任意の面積重量でコーティングすることができるが、好ましくは約10g/m〜約150g/mの面積重量でコーティングされる。
【0063】
本発明によるTTSの二相層は1つまたはそれ以上の抗酸化剤をさらに含んでよい。好適な抗酸化剤はメタ重亜硫酸ナトリウム、アスコルビルパルミテート、トコフェロールおよびそのエステル、アスコルビン酸、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソールまたはプロピルガレートであり、好ましくはメタ重亜硫酸ナトリウム、アスコルビルパルミテートおよびトコフェロールである。抗酸化剤は好都合にはロチゴチン含有二相層の約0.001〜約0.5%の量で存在する。
【0064】
本発明による二相層は、上述の成分に加えてその他の、たとえば可溶化剤、フィラー、増粘剤、活性薬剤の透過性を増大させるという意味において角質層のバリア特性に影響する物質、pH調整剤、および保存剤の群からの、種々の賦形剤または添加剤をさらに含んでもよい。好適な透過促進剤は、脂肪族アルコール、脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、グリセリンまたはその脂肪酸エステル、N−メチルピロリドン、リモネン、α−ピネン、α−テルピネオール、カルボン、カルベオール、リモネンオキシド、ピネンオキシド、1,8−ユーカリプトール等のテルペン類、および最も好ましくはアスコルビルパルミテートの群から選択される。好ましい実施形態においては、本発明によるTTSは透過促進剤を含まない。
【0065】
外部相
本発明によれば、ロチゴチン含有二相層の外部相は75%〜100%のポリマーまたはポリマー混合物を含む組成物である。外部相中のポリマーまたはポリマー混合物は疎水性ポリマー(単数または複数)であってよい。
【0066】
本発明のある実施形態においては、前記外部相の組成物は感圧接着性組成物である。
【0067】
本発明の他のある実施形態においては、外部相中のポリマーまたはポリマー混合物は感圧接着性ポリマー(複数可)である。
【0068】
ホットメルトコーティングに適した感圧接着性ポリマーは、温度160℃において60Pa・s以下、80Pa・s以下、100Pa・s以下、120Pa・s以下、または最大150Pa・sの粘性率(dynamic viscosity)を示す。160℃における感圧接着性ポリマー(複数可)の粘性率に応じて、ホットメルト製造プロセスの間、好適な方法で感圧接着性ポリマー(複数可)の粘度を調節するために、ワックス、シリコーンオイル、グリセリン、グリセリンと脂肪酸もしくはポリオールとの縮合物、またはラウリルアセテート、または特にグリセロールモノラウレート、ラウリルアセテート、式R−C(O)−OR’のワックス、アルキルメチルシロキサンワックス、シロキシ化ポリエーテルワックス、有機ワックスまたはグリセリン等の柔軟剤の添加が必要なこともある。
【0069】
溶媒含有コーティング混合物に適した感圧接着性ポリマーは温度160℃において150Pa・sを超える粘性率を示し、したがってホットメルト製造プロセスに適するために柔軟剤の添加が必要である。
【0070】
本発明のある実施形態によれば、感圧接着性組成物は感圧接着性組成物に添加した後で前記感圧接着性組成物の温度160℃における粘度を60Pa・s以下、80Pa・s以下、100Pa・s以下、120Pa・s以下、または最大150Pa・に低下させる柔軟剤を含まない。
【0071】
本発明のある実施形態によれば、外部相は温度160℃において60Pa・s以下、80Pa・s以下、100Pa・s以下、120Pa・s以下、または最大150Pa・sの粘性率を有する感圧接着性組成物を含まない。
【0072】
本発明のある実施形態においては、外部相中のポリマーまたはポリマー混合物は、ポリシロキサン、ポリイソブチレン、ポリアクリレート、スチレンとブタジエンのコポリマー、スチレンとイソプレンのコポリマーの群から選択され、好ましくはポリシロキサン、またはポリイソブチレンの群から選択される感圧接着性ポリマー(複数可)である。
【0073】
本発明のある好ましい実施形態においては、外部相中のポリマーまたはポリマー混合物は感圧接着性ポリシロキサン(複数可)である。感圧接着性ポリシロキサンは、湿潤皮膚等の様々な皮膚の型に対する迅速な結合に適した粘着力、好適な接着性および粘着性、皮膚への7日間までの長期接着性、高度の可撓性、水蒸気透過性、ならびに多くの活性物質およびフィルム基材との親和性を提供する。これらに十分なアミン耐性を付与し、それによってアミン存在下における安定性を向上させることが可能である。そのような感圧接着性ポリマーはレジン−イン−ポリマーの概念に基づいており、ここで、シラノールで末端ブロックされたポリジメチルシロキサンとシリカレジンとの縮合反応によりポリシロキサンが製造され、これは、アミンに対する安定性のために残存シラノール官能基が追加的にトリメチルシロキシ基によって封鎖されている。ジメチコノール含量は粘弾性挙動の粘性成分に寄与しており、接着剤の湿潤でかつ塗り広げやすい特性に影響している。レジンは粘着付与剤および強化剤として作用し、弾性成分に寄与している。ジメチコノールとレジンの的確なバランスが的確な接着特性をもたらす。
【0074】
感圧性ポリシロキサンの接着強度は所望の皮膚接触に十分であってよい。本発明のある実施形態においては、二相層の接着特性を改良するために可塑剤または粘着付与剤が製剤中に組み込まれる。個別の場合に少量の粘着付与剤を添加することによって粘着力を改良することが有利である。
【0075】
好ましい感圧接着性ポリマーはヘプタン、酢酸エチルまたは他の揮発性シリコーン流体等の溶媒中で供給され、使用される。本発明のためにはヘプタンまたは酢酸エチル中の感圧接着性ポリシロキサン(複数可)の感圧接着性混合物が好ましい。固体含量は通常60〜80%である。
【0076】
本発明によるヘプタン中の感圧接着性ポリシロキサン(複数可)の好ましい感圧接着性混合物は、ヘプタン中25℃における固体含量60%の溶液粘度が150mPa・sを超え、または約200mPa・s〜約700mPa・s、特に約350mPa・s〜約600mPa・s、より好ましくは約480mPa・s〜約550mPa・s、最も好ましくは約500mPa・s、あるいは約400mPa・s〜約480mPa・s、最も好ましくは約450mPa・sであるという特徴を有する。これらは30℃、0.01rad/sにおける複素粘性率が約1×10poise未満、または約1×10〜約9×10poise、より好ましくは約1×10〜約1×10poise、最も好ましくは約5×10poise、あるいはより好ましくは約2×10〜約9×10poise、最も好ましくは約1×10poiseであるという特徴をも有する。
【0077】
本発明による酢酸エチル中の感圧接着性ポリシロキサン(複数可)の好ましい感圧接着性混合物は、酢酸エチル中25℃における固体含量60%の溶液粘度が350mPa・sを超え、または約400mPa・s〜約1500mPa・s、特に約600mPa・s〜約1300mPa・s、より好ましくは約1100mPa・s〜約1300mPa・s、最も好ましくは約1200mPa・s、あるいは約700mPa・s〜約900mPa・s、最も好ましくは約800mPa・sであるという特徴を有する。これらは30℃、0.01rad/sにおける複素粘性率が約1×10poise未満、または約1×10〜約9×10poise、より好ましくは約1×10〜約1×10poise、最も好ましくは約5×10poise、あるいはより好ましくは約2×10〜約9×10poise、最も好ましくは約1×10poiseであるという特徴をも有する。
【0078】
ある実施形態によれば、ヘプタン中25℃における固体含量約60%の溶液粘度が500mPa・sであるという特徴を有するヘプタン中の感圧接着性ポリシロキサンと、ヘプタン中25℃における固体含量約60%の溶液粘度が450mPa・sであるという特徴を有するヘプタン中の感圧接着性ポリシロキサンとの感圧接着性混合物が好ましい。
【0079】
他のある実施形態によれば、酢酸エチル中25℃における固体含量約60%の溶液粘度が1200mPa・sであるという特徴を有する酢酸エチル中の感圧接着性ポリシロキサンと、酢酸エチル中25℃における固体含量約60%の溶液粘度が800mPa・sであるという特徴を有する酢酸エチル中の感圧接着性ポリシロキサンとの感圧接着性混合物が好ましい。
【0080】
好適な感圧接着性ポリシロキサンはDow Corning(登録商標)BIO−PSA標準シリコーン接着剤から得られる。ヘプタン中の感圧接着性ポリシロキサン(複数可)の好ましい感圧接着性混合物は、BIO−PSA 7−4301およびBIO−PSA 7−4201シリコーン接着剤であり、酢酸エチル中ではBIO−PSA 7−4302およびBIO−PSA 7−4202シリコーン接着剤である。本発明のある実施形態によればBIO−PSA 7−4301とBIO−PSA 7−4201の混合物が好ましく、他のある実施形態によればBIO−PSA 7−4302とBIO−PSA 7−4202の混合物が好ましい。ある実施形態によれば好ましい混合物は50:50の比を与え、他のある実施形態によれば混合物は60:40または70:30の比を与える。皮膚接触層となる二相層にはBIO−PSA 7−4301、またはBIO−PSA 7−4302の量がそれぞれ多い方が好ましい。本発明のある実施形態によれば、TTSはロチゴチン含有二相層の外部相においてはBIO−PSA 7−4301とBIO−PSA 7−4201の混合物を30:70の比で、また追加のロチゴチン含有皮膚接触層の外部相においてはBIO−PSA 7−4301とBIO−PSA 7−4201の混合物を70:30の比で含む。
【0081】
BIO−PSA 7−4301はヘプタン中25℃における固体含量約60%の溶液粘度が500mPa・sであり、30℃、0.01rad/sにおける複素粘性率が5×10poiseである。BIO−PSA 7−4201はヘプタン中25℃における固体含量約60%の溶液粘度が450mPa・sであり、30℃、0.01rad/sにおける複素粘性率が1×10poiseである。BIO−PSA 7−4302は酢酸エチル中25℃における固体含量約60%の溶液粘度が1200mPa・sであり、30℃、0.01rad/sにおける複素粘性率が5×10poiseである。BIO−PSA 7−4202はヘプタン中25℃における固体含量約60%の溶液粘度が800mPa・sであり、30℃、0.01rad/sにおける複素粘性率が1×10poiseである。
【0082】
内部相
ロチゴチン塩基の所望の透過速度を得るため、内部相中にはポリマー群:
− 少なくとも80、または80〜200のK値を有するポリビニルピロリドン、
− 80未満、または10〜79のK値を有するポリビニルピロリドン、
− ビニルカプロラクタム、酢酸ビニルおよびエチレングリコールのコポリマー、
− ビニルピロリドンおよび酢酸ビニルのコポリマー、
− エチレンおよび酢酸ビニルのコポリマー、
− ポリエチレングリコール、
− ポリプロピレングリコール、
− アクリルポリマー、
− 変性セルロース
のうちの少なくとも2つから選択される少なくとも2つの親水性ポリマーを含むポリマー混合物が存在する。
【0083】
本発明のある実施形態によれば、少なくとも2つの親水性ポリマーは、ポリマー群:
− 少なくとも80、または80〜200のK値を有するポリビニルピロリドン、
− 80未満、または10〜79のK値を有するポリビニルピロリドン、
− ビニルカプロラクタム、酢酸ビニルおよびエチレングリコールのコポリマー、
− ビニルピロリドンおよび酢酸ビニルのコポリマー、
− エチレンおよび酢酸ビニルのコポリマー、
− ポリエチレングリコール、
− ポリプロピレングリコール、
− ジメチルアミノエチルメタクリレート、ブチルメタクリレートおよびメチルメタクリレートのコポリマー、
− メタクリル酸とメチルメタクリレートのコポリマー、
− ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート
のうちの少なくとも2つから選択される。
【0084】
本発明のある実施形態によれば、内部相中のポリマー混合物は2つの親水性ポリマーを1:1〜約1:10、または1:1〜約1:4、または1:1〜約1:2の比で含む。
【0085】
ある実施形態によれば、内部相中のポリマー混合物は少なくとも80、または80〜200のK値を有するポリビニルピロリドンを少なくとも含み、該ポリビニルピロリドンは好ましくは該少なくとも1つのさらなる親水性ポリマーと同量か、これより少ない量で存在する。
【0086】
本発明のある実施形態によれば、ロチゴチン含有二相層は少なくとも80、または80〜200のK値を有するポリビニルピロリドンを、好ましくは約0.1mg/cm〜約5mg/cm、好ましくは約0.1mg/cm〜約1.5mg/cm、より好ましくは約0.5mg/cm〜約0.7mg/cm、または二相層の約1%〜約20%、好ましくは約1%〜約10%、より好ましくは約3%〜約5%の量で含む。
【0087】
本発明のある特定の実施形態によれば、内部相中のポリマー混合物は少なくとも80、または80〜200、特に90のK値を有するポリビニルピロリドン、および80未満、または10〜79、特に30のK値を有するポリビニルピロリドンを含む。少なくとも80、または80〜200のK値を有するポリビニルピロリドンの、80未満、または10〜79のK値を有するポリビニルピロリドンに対する比は4:1〜1:4、または2:1〜1:2、または1:1〜1:2であってよい。
【0088】
本発明のある実施形態によれば、ロチゴチン含有二相層は80未満、または10〜79のK値を有するポリビニルピロリドンを、好ましくは約0.1mg/cm〜約5mg/cm、好ましくは約0.1mg/cm〜約1.5mg/cm、より好ましくは約0.5mg/cm〜約1.0mg/cm、または二相層の約1%〜約20%、好ましくは約1%〜約10%、または約5%〜約7%の量で含む。
【0089】
本発明のある実施形態によれば、ロチゴチン含有二相層は少なくとも80、または80〜200のK値を有するポリビニルピロリドンを約0.5mg/cm〜約0.7mg/cmの量で、また80未満、または10〜79のK値を有するポリビニルピロリドンを約0.5mg/cm〜約1.0mg/cmの量で含む。
【0090】
本発明のある実施形態によれば、内部相中のロチゴチン塩基の、ポリマー混合物に対する比は1:0.2〜1:1、好ましくは1:0.2〜1:0.8、より好ましくは1:0.4〜1:0.6である。
【0091】
ある実施形態によれば、ロチゴチン塩基の、少なくとも80、または80〜200のK値を有するポリビニルピロリドンに対する比は1:0.1〜1:0.5、好ましくは1:0.1〜1:0.3である。ロチゴチン塩基の、80未満、または10〜79のK値を有するポリビニルピロリドンに対する比は1:0.1〜1:0.5、好ましくは1:0.2〜1:0.4であってよい。
【0092】
ある実施形態によれば、ロチゴチン塩基の、少なくとも80、または80〜200のK値を有するポリビニルピロリドンおよび80未満、または10〜79のK値を有するポリビニルピロリドンに対する比は約1:0.2:0.3である。
【0093】
80未満、または10〜79のK値を有するポリビニルピロリドンは、25〜35のK値範囲、もしくは30の公称K値、または25未満のK値、または17の公称K値、または12の公称K値を有するポリビニルピロリドンであってよい。少なくとも80、または80〜200のK値を有するポリビニルピロリドンは、85〜95のK値範囲、または90の公称K値を有するポリビニルピロリドンであってよい。
【0094】
ある実施形態によれば、内部相中のポリマー混合物は、90の公称K値を有するポリビニルピロリドンと30の公称K値を有するポリビニルピロリドンを、好ましくは1:1.4、または1:1.5の比で含む。
【0095】
皮膚接触層
本発明によるTTSは接着層である追加の皮膚接触層を含んでもよい。
【0096】
ある実施形態によれば、追加の皮膚接触層は、ポリシロキサン、ポリイソブチレン、ポリアクリレート、スチレンとブタジエンのコポリマー、スチレンとイソプレンのコポリマー、またはそれらの混合物から選択される感圧ポリマーを含む感圧接着性組成物を有する。本発明のある実施形態によれば、感圧接着性ポリシロキサン(複数可)を含む感圧接着性組成物が好ましい。
【0097】
追加の皮膚接触層は、活性薬剤を含まない、または活性薬剤を含むかたちで製造される。活性薬剤を含まない皮膚接触層としては、約5g/m〜約60g/mの面積重量が好ましい。
【0098】
ある実施形態によれば、追加の皮膚接触層は、ロチゴチン塩基を含むかたちで製造され、好ましくは約10g/m〜約150g/mの面積重量を有する。
【0099】
ある実施形態によれば、ロチゴチン塩基は追加の皮膚接触層中にロチゴチン含有二相層中よりも少ない量で存在する。ロチゴチン塩基は追加の皮膚接触層中に前記皮膚接触層の1%〜15%、または9%未満、または1%〜8%の量で存在してよい。好ましくは、追加の皮膚接触層は1%〜8%のロチゴチンを含み、約10g/m〜約150g/mの面積重量を有する。皮膚接触層中の活性薬剤含量が少ないこと(たとえば9%未満のロチゴチン塩基の量)は、十分な皮膚耐性および十分な粘着力の観点から特に有利である。
【0100】
本発明のある実施形態によれば、追加の皮膚接触層は、内部相中に少なくとも80、または80〜200のK値を有するポリビニルピロリドンを含む。皮膚接触層中のロチゴチン塩基の、少なくとも80、または80〜200のK値を有するポリビニルピロリドンに対する比は約1:0.2〜約1:1、好ましくは約1:0.3〜約1:0.5であってよい。
【0101】
本発明のある実施形態によれば、二相層中のロチゴチン塩基の、ポリマー混合物に対する比は1:0.4〜1:0.6であり、皮膚接触層中のロチゴチン塩基の、少なくとも80、または80〜200のK値を有するポリビニルピロリドンに対する比は1:0.2〜1:0.5である。
【0102】
ある実施形態によれば、追加の皮膚接触層はロチゴチン含有二相層とは異なるが、これもロチゴチン含有二相層の形態であり、該二相層は
a)75%〜100%のポリマーまたはポリマー混合物を含む組成物を有する外部相と、b)ロチゴチン塩基を含む組成物を有する内部相と
を有し、
該内部相は該外部相中に分散したデポジットを形成し、
該内部相は
i.ロチゴチン塩基と、
ii.少なくとも1つの親水性ポリマーと
を含み、
内部相中の該少なくとも1つの親水性ポリマーは前記ロチゴチン塩基が該少なくとも1つの親水性ポリマーと固溶体を形成するために十分な量で存在し、
場合により少なくとも該1つの親水性ポリマーは少なくとも2つの親水性ポリマーを含むポリマー混合物である。
【0103】
本発明のある実施形態によれば、追加の皮膚接触層はこれもロチゴチン含有二相層の形態であり、内部相中に少なくとも80、または80〜200のK値を有するポリビニルピロリドンを含む。皮膚接触層中のロチゴチン塩基の、少なくとも80、または80〜200のK値を有するポリビニルピロリドンに対する比は、約1:0.2〜約1:1、好ましくは約1:0.3〜約1:0.5であってよい。
【0104】
ある特定の実施形態によれば、追加のロチゴチン含有皮膚接触層は、これも二相層の形態であり、該二相層は
a)75%〜100%の感圧接着性ポリシロキサンを含む感圧接着性組成物を有する外部相と、
b)ロチゴチン塩基を含む組成物を有する内部相と
を有し、
該内部相は該外部相中に分散したデポジットを形成し、
該内部相は
i.前記皮膚接触層の1%〜8%のロチゴチン塩基と、
ii.少なくとも80、または80〜200のK値を有するポリビニルピロリドンと
を含み、
前記ポリビニルピロリドンは前記ロチゴチン塩基の量が前記ポリビニルピロリドンと固溶体を形成するために十分な量で存在し、
皮膚接触層は約10g/m〜約150g/mの面積重量を有する。
【0105】
放出特性
本発明によれば、TTSはインビトロのロチゴチン透過試験とともに実施されるインビトロ実験によって決定されるロチゴチン透過速度によって、さらに特徴付けられる。ロチゴチンの透過は9%の酢酸ビニルを含むエチレン酢酸ビニル(EVA)コポリマー(CoTran(商標)Membrane、3M社)からなる厚み51μmの膜および米国薬局方(USP)に記載されたPaddle over Disk装置を用いて長時間にわたって実施した膜透過試験によって評価した。受容媒体としてpH4.5のリン酸塩緩衝液(900ml;32℃;50rpm)を用いた。
【0106】
10cmの面積を有する実施例の製剤をラミネートからパンチして作成する。受容媒体へのロチゴチンの透過速度は、バリデートされたUV光度測定またはHPLC法によって一定間隔で測定した。
【0107】
ある実施形態によれば、TTSにより、8時間目〜12時間目の間の4時間の時間間隔でEVA膜によって測定された、好ましくは少なくとも10.5μg/cm/hr〜約15μg/cm/hr、より好ましくは少なくとも11μg/cm/hr〜約15μg/cm/hrの、治療に有効であるロチゴチン塩基の透過速度が提供される。
【0108】
ある実施形態によれば、TTSにより、24時間〜168時間の間の4時間または6時間の時間間隔でEVA膜によって測定された、24時間〜168時間の間、20%ポイント以内、好ましくは15%ポイント以内、より好ましくは10%ポイント以内で一定のロチゴチン塩基の透過速度が提供される。
【0109】
本発明の特定の態様によれば、ロチゴチンの経皮投与のためのTTSにより、
(a)8時間目〜12時間目の間の4時間の時間間隔でEVA膜によって測定された、少なくとも11μg/cm/hr〜約15μg/cm/hrで、かつ
(b)24時間〜168時間の間の4時間の時間間隔でEVA膜によって測定された、24時間〜168時間の間、20%ポイント以内で一定の
ロチゴチン塩基の透過速度が提供される。
【0110】
本発明により、採皮した厚み約300μmのヒト皮膚を用いてフローセル装置で長時間にわたって実施した膜透過試験によってロチゴチンの皮膚透過を評価した。受容媒体(32℃)としてpH6.2のリン酸塩緩衝生理食塩液(PBS)を用いた。
【0111】
処置の方法/医療用途
1つの態様によれば、上に詳細に説明した本発明による経皮治療システムは、治療方法における使用のため、特にパーキンソン病、パーキンソンプラス症候群、うつ病、不安、AHDS、線維筋痛、レストレスレッグス症候群に罹患した患者を治療する方法における使用のため、ならびにドーパミン作動性ニューロン喪失の治療もしくは予防、または認知障害、認知症もしくはレヴィー小体疾患の治療もしくは予防における使用のためのものである。
【0112】
本方法は特にヒト患者の皮膚における約168時間(7日または1週間に相当する)のTTSの適用を含む。本発明による他の方法によれば、TTSはヒト患者の皮膚に少なくとも24時間(1日)、または約72時間(3日)、または約96時間(4日)、適用することができる。168時間(7日)の適用が好ましい。
【0113】
本発明によるTTSは特にヒト患者の皮膚において約168時間(7日または1週間に対応する)、経皮治療システムを適用することによる治療方法における使用のためのものである。本発明の他の態様によれば、TTSはヒト患者の皮膚に少なくとも24時間(1日)、または約72時間(3日)、または約96時間(4日)、経皮治療システムを適用することによる治療方法における使用のためのものである。168時間(7日)の適用が好ましい。
【0114】
本発明のある実施形態によれば、治療有効量のロチゴチン塩基は、1〜7日の投与期間の間、前記経皮治療システムによって1〜7日間にわたって提供される。
【0115】
本発明による複数日のTTSは、毎日適用される経皮治療システムに比べて、投与頻度を少なくできるという利点を有する。これは特にパーキンソン病のような重篤なドーパミン作動性障害に罹患した患者にとって有利である。それは、これらの患者が運動器障害を有することが多く、そのため経皮治療システムの頻繁な取扱いおよび投与が困難になるからである。同時に、長期の治療の間に経皮治療システムによって処置すべき皮膚の適用部位の数が減らされる。たとえば1日から少なくとも3日、または少なくとも7日への治療間隔の延長により、TTS投与を繰り返すために選択される皮膚の適用部位において患者の皮膚からTTSを頻繁に剥離することに伴う皮膚損傷の可能性のあるリスクが最小化される。たとえば、1日1回のNeupro(登録商標)によるTTSでは皮膚刺激を避けながらTTSの適用を繰り返すために14か所の異なった皮膚適用部位が必要であるのに対し、週1回のTTSでは3か所の皮膚適用部位のみが必要である。さらに、皮膚透過性が低い場合にロチゴチン含有経皮治療システムの毎日の交換に伴い、また治療上望ましくないロチゴチンの血漿中濃度の変動を引き起こす可能性のある、ロチゴチンの吸収に対する個体間および個体内で異なる遅延時間の影響を、本発明の複数日のTTSによってなくすことができる。最後に、毎日のTTS投与を一回の数日分の投与に、たとえば毎週1回または2回の投与に置きかえることにより、材料および製造時間を節約することでそれぞれの医療のコストを低減させることに寄与する。
【0116】
本発明のある実施形態によれば、本発明による経皮治療システムによって3日の投与期間の間、3日間にわたって、好ましくは4日の投与期間の間、4日間にわたって、または7日の投与期間の間、7日間にわたって、治療有効量のロチゴチン塩基が提供される。
【0117】
製造方法
さらなる態様によれば、本発明はロチゴチンの経皮投与のための経皮治療システムの製造方法に関し、該方法は
(1)外部相中に分散した内部相を有するロチゴチン含有二相コーティング混合物を製造する工程、
(2)前記ロチゴチン含有二相コーティング混合物を、コーティング重量を有する層を提供する量でフィルムにコーティングする工程、
(3)前記コーティングされた層を乾燥してコーティング重量を有する乾燥層を提供し、所望の面積重量を有するロチゴチン含有乾燥二相層を提供する工程、
(4)場合により2層以上の前記乾燥層をラミネートして、所望の面積重量を有するロチゴチン含有乾燥二相層を提供する工程、
(5)前記ロチゴチン含有乾燥二相層を裏打ち層とラミネートする工程、
(6)場合により前記ロチゴチン含有乾燥二相層を追加の皮膚接触層とラミネートする工程
を含む。
【0118】
本発明のある実施形態によれば、二相層および場合により追加の皮膚接触層の製造のために、ヘプタン中または酢酸エチル中の感圧接着性ポリシロキサンの感圧接着性混合物が用いられる。
【0119】
ロチゴチン含有二相コーティング混合物の製造は、
(1)ポリマー群:
− 少なくとも80、または80〜200のK値を有するポリビニルピロリドン、
− 80未満、または10〜79のK値を有するポリビニルピロリドン、
− ビニルカプロラクタム、酢酸ビニルおよびエチレングリコールのコポリマー、
− ビニルピロリドンおよび酢酸ビニルのコポリマー、
− エチレンおよび酢酸ビニルのコポリマー、
− ポリエチレングリコール、
− ポリプロピレングリコール、
− アクリルポリマー、
− 変性セルロース
のうちの少なくとも2つから選択される少なくとも2つの親水性ポリマーを含むポリマー混合物を
溶媒と混合して溶液を得る工程、
(2)場合によりトコフェロール、アスコルビルパルミテート、およびメタ重亜硫酸ナトリウム水溶液を工程1の溶液に加える工程、
(3)ロチゴチン塩基と溶媒中に75%〜100%のポリマーまたはポリマー混合物を含む組成物の混合物を前記溶液に加えてロチゴチン含有二相コーティング混合物を提供する工程
を含む。
【0120】
少なくとも2つの親水性ポリマーを含むポリマー混合物を溶解するための有用な溶媒はアルコール(たとえばエタノール)、アセトンおよびメチルエチルケトン、またはそれらの混合物であり、エタノールが好ましい。75%〜100%のポリマーまたはポリマー混合物を含む組成物はヘプタン、ヘキサン、トルエン、または酢酸エチルに溶解され、好ましくはヘプタンまたは酢酸エチルに溶解される。
【0121】
本発明のある実施形態によれば、ロチゴチン含有二相コーティング混合物の製造は、
(1)ポリマー群:
− 少なくとも80、または80〜200のK値を有するポリビニルピロリドン、
− 80未満、または10〜79のK値を有するポリビニルピロリドン、
− ビニルカプロラクタム、酢酸ビニルおよびエチレングリコールのコポリマー、
− ビニルピロリドンおよび酢酸ビニルのコポリマー、
− エチレンおよび酢酸ビニルのコポリマー、
− ポリエチレングリコール、
− ポリプロピレングリコール、
− アクリルポリマー、
− 変性セルロース
のうちの少なくとも2つから選択される少なくとも2つの親水性ポリマーを含むポリマー混合物を
溶媒と混合して溶液を得る工程、
(2)場合によりトコフェロール、アスコルビルパルミテート、およびメタ重亜硫酸ナトリウム水溶液を工程1の溶液に加える工程、
(3)ロチゴチン塩基を前記溶液に加えてロチゴチン含有混合物を得る工程
(4)溶媒中に75%〜100%のポリマーまたはポリマー混合物を含む組成物の混合物を前記ロチゴチン含有混合物に加えてロチゴチン含有二相コーティング混合物を提供する工程
を含む。
【0122】
先のパラグラフに述べた75%〜100%のポリマーまたはポリマー混合物を含む組成物のための有用な溶媒はヘプタン、ヘキサン、またはトルエンであり、n−ヘプタンが好ましい。
【0123】
本発明のある実施形態によれば、ロチゴチン含有二相コーティング混合物の製造は、
(1)ポリマー群:
− 少なくとも80、または80〜200のK値を有するポリビニルピロリドン、
− 80未満、または10〜79のK値を有するポリビニルピロリドン、
− ビニルカプロラクタム、酢酸ビニルおよびエチレングリコールのコポリマー、
− ビニルピロリドンおよび酢酸ビニルのコポリマー、
− エチレンおよび酢酸ビニルのコポリマー、
− ポリエチレングリコール、
− ポリプロピレングリコール、
− アクリルポリマー、
− 変性セルロース
のうちの少なくとも2つから選択される少なくとも2つの親水性ポリマーを含むポリマー混合物を
溶媒と混合して溶液を得る工程、
(2)場合によりトコフェロール、アスコルビルパルミテート、およびメタ重亜硫酸ナトリウム水溶液を工程1の溶液に加える工程、
(3)溶媒中に75%〜100%のポリマーまたはポリマー混合物を含む組成物の混合物を前記溶液に加える工程、
(4)ロチゴチン塩基を前記混合物に加えてロチゴチン含有二相コーティング混合物を提供する工程
を含む。
【0124】
先のパラグラフに述べた少なくとも2つの親水性ポリマーを含むポリマー混合物を溶解するための好ましい溶媒はアルコール(たとえばエタノール)である。先のパラグラフに述べた75%〜100%のポリマーまたはポリマー混合物を含む組成物のための好ましい溶媒は酢酸エチルである。
【0125】
ある実施形態によれば、先のパラグラフに述べたロチゴチン含有二相コーティング混合物の製造方法のいずれか1つにおいてロチゴチン塩基を添加する場合には、約40℃から約60℃までの穏和な加熱が有用である。
【0126】
本発明のある実施形態によれば、ロチゴチン含有二相層は追加の皮膚接触層とラミネートされ、皮膚接触層の製造は
(1)接着性コーティング混合物、好ましくは外部相中に分散した内部相を有し、内部相中に少なくとも1つの親水性ポリマーを含むロチゴチン含有二相コーティング混合物を提供する工程、
(2)前記接着性コーティング混合物をフィルムにコーティングして前記接着性コーティング混合物の層を提供する工程、
(3)前記コーティングされた層を乾燥してコーティング重量を有する乾燥層を提供し、所望の面積重量を有する前記皮膚接触層を提供する工程、
(4)場合により2層以上の前記乾燥層をラミネートして、所望の面積重量を有する前記皮膚接触層を提供する工程
を含む。
【実施例】
【0127】
ここで添付した実施例を参照して本発明をさらに詳細に説明する。しかし以下の記述は説明のためのみであって、いかなる意味でも本発明を限定するものと考えるべきではない。
【0128】
比較例1
ロチゴチン含有二相コーティング混合物の組成を以下の表1にまとめる。
【0129】
【表1】
【0130】
ロチゴチン含有二相コーティング混合物の製造(工程1):
エタノール32.23gと酢酸エチル12.52g中のポリビニルピロリドン(PVP、Kollidon 90F)13.68gの溶液に、DL−α−トコフェロール0.171g、アスコルビルパルミテート0.068gおよびメタ重亜硫酸ナトリウム水溶液(10重量%)0.062gを加え、混合して透明な溶液を得た(1000rpm、プロペラスターラー)。得られたPVP溶液にシリコーン接着剤BIO−PSA 7−4202(酢酸エチル中60重量%)105.24gおよびシリコーン接着剤BIO−PSA 7−4302(酢酸エチル中60重量%)105.24gを加え、完全に混合されるまで500rpmで撹拌した。多形IIのロチゴチン30.78gを撹拌しながら加えた。混合物を40℃まで加熱し、均一な分散液が得られるまで500rpmで最低60分間撹拌した。
【0131】
経皮治療システム(TTS)の製造(工程2):
工程1で得られた混合物を、適切なポリエステル剥離ライナー(たとえばScotchpak(商標)9755)の2枚のシートにコーティングした。コーティングされた剥離ライナーシートを乾燥オーブンに入れ、50℃で約30分、次いで115℃で約10分、乾燥した。溶媒の除去によって2つのロチゴチン含有層のそれぞれのコーティング重量が75g/mになるようにコーティングの厚みを選択した。第1のロチゴチン含有層を(1)ポリエステルタイプの裏打ちフォイル、および(2)第1の層の表面から剥離ライナーを除いた後で第2のロチゴチン含有層とラミネートし、面積重量150g/mの、ロチゴチン含有二相層を有するロチゴチン含有自己接着性層構造を得た。最後に、ロチゴチン含有自己接着性層構造から10cmの大きさを有する個別のシステム(TTS)をパンチして切り出し、パウチ中にシールした。
【0132】
比較例2
ロチゴチン含有二相コーティング混合物の組成を以下の表2にまとめる。
【0133】
【表2】
【0134】
ロチゴチン含有二相コーティング混合物の製造(工程1):
ポリビニルピロリドン(PVP、Kollidon 30)38.90g、DL−α−トコフェロール0.324g、アスコルビルパルミテート0.130gおよびメタ重亜硫酸ナトリウム水溶液(10重量%)0.175gを無水エタノール25.93gと混合して、透明な溶液を得た(300〜2000rpm、プロペラスターラー)。300rpmで撹拌しながらアセトン26.32gと多形IIのロチゴチン58.32gを加え、40℃に60分加熱した。得られたロチゴチン、PVPおよび抗酸化剤の溶液にシリコーン接着剤BIO−PSA 7−4201(n−ヘプタン中71.5重量%)158.36gおよびシリコーン接着剤BIO−PSA 7−4301(n−ヘプタン中71.5重量%)158.36gを加え、2000rpmで10分間撹拌した(タービンスターラー)。
【0135】
経皮治療システム(TTS)の製造(工程2):
工程1で得られた混合物を、適切なポリエステル剥離ライナー(たとえばScotchpak(商標)9755)の2枚のシートにコーティングした。コーティングされた剥離ライナーシートを乾燥オーブンに入れ、50℃で約30分、次いで110℃で約10分、乾燥した。溶媒の除去によってロチゴチン含有層のそれぞれのコーティング重量が75g/mになるようにコーティングの厚みを選択した。第1のロチゴチン含有層を(1)ポリエステルタイプの裏打ちフォイル、および(2)第1の層の表面から剥離ライナーを除いた後で第2のロチゴチン含有層とラミネートし、面積重量150g/mの、ロチゴチン含有二相層を有するロチゴチン含有自己接着性層構造を得た。最後に、ロチゴチン含有自己接着性層構造から10cmの大きさを有する個別のシステム(TTS)をパンチして切り出し、パウチ中にシールした。
【0136】
〔実施例1〕
ロチゴチン含有二相コーティング混合物の組成を以下の表3にまとめる。
【0137】
【表3】
【0138】
ロチゴチン含有二相コーティング混合物の製造(工程1):
ポリビニルピロリドン(PVP、Kollidon 90F)3.31g、ポリビニルピロリドン(PVP、Kollidon 30)4.54g、DL−α−トコフェロール0.087g、アスコルビルパルミテート0.029gおよびメタ重亜硫酸ナトリウム水溶液(10重量%)0.029gを無水エタノール27.92gと混合して、透明な溶液を得た(1000rpm、プロペラスターラー)。プロペラスターラーで60分間、60℃、60rpmで撹拌しながら多形IIのロチゴチン14.89gを加えた。得られたロチゴチン、PVPおよび抗酸化剤の溶液にシリコーン接着剤BIO−PSA 7−4201(n−ヘプタン中71.5重量%)41.84g、シリコーン接着剤BIO−PSA 7−4301(n−ヘプタン中71.5重量%)41.84g、およびn−ヘプタン10.61gを加え、1000rpmで10分間撹拌した(ディソルバースターラー)。
【0139】
経皮治療システム(TTS)の製造(工程2):
工程1で得られた混合物を、適切なポリエステル剥離ライナー(たとえばScotchpak(商標)9755)のシートにコーティングした。コーティングされた剥離ライナーシートを乾燥オーブンに入れ、50℃で約30分、次いで110℃で約10分、乾燥した。溶媒の除去によってロチゴチン含有二相層のコーティング重量が150g/mになるようにコーティングの厚みを選択した。ロチゴチン含有二相層をポリエステルタイプの裏打ちフォイルとラミネートし、ロチゴチン含有自己接着性層構造を得た。最後に、ロチゴチン含有自己接着性層構造から10cmの大きさを有する個別のシステム(TTS)をパンチして切り出し、パウチ中にシールした。
【0140】
〔実施例2a〕
ロチゴチン含有二相コーティング混合物の組成を以下の表4にまとめる。
【0141】
【表4】
【0142】
ロチゴチン含有二相コーティング混合物1の製造(工程1):
ポリビニルピロリドン(PVP、Kollidon 90F)8.00g、PVP(Kollidon 30)10.99g、DL−α−トコフェロール0.198g、アスコルビルパルミテート0.080gおよびメタ重亜硫酸ナトリウム水溶液(10重量%)0.086gを無水エタノール35.72gと混合して、透明な溶液を得た(1000rpm、プロペラスターラー)。プロペラスターラーで60分間、60℃、60rpmで撹拌しながら多形IIのロチゴチン36.00gおよび無水エタノール31.76gを加えた。得られたロチゴチン、PVPおよび抗酸化剤の溶液にシリコーン接着剤BIO−PSA 7−4201(n−ヘプタン中70重量%)124.73g、シリコーン接着剤BIO−PSA 7−4301(n−ヘプタン中70重量%)53.43g、およびn−ヘプタン14.76gを加え、2000rpmで5分間撹拌した(ディソルバースターラー)。
【0143】
ロチゴチン含有二相コーティング混合物2の製造(工程2):
PVP(Kollidon 90F)3.33g、DL−α−トコフェロール0.040g、アスコルビルパルミテート0.020gおよびメタ重亜硫酸ナトリウム水溶液(10重量%)0.015gを無水エタノール22.54gと混合して、透明な溶液を得た(1000rpm、プロペラスターラー)。60rpmで撹拌しながら多形IIのロチゴチン7.50gを加え、60℃に60分間加熱した。得られたロチゴチン、PVPおよび抗酸化剤の溶液にシリコーン接着剤BIO−PSA 7−4201(n−ヘプタン中70重量%)38.19gおよびシリコーン接着剤BIO−PSA 7−4301(n−ヘプタン中70重量%)89.11gを加え、2000rpmで5分間撹拌した(ディソルバースターラー)。
【0144】
経皮治療システム(TTS)の製造(工程3):
工程1で得られた混合物1を、適切なポリエステル剥離ライナー(たとえばScotchpak(商標)9755)のシートにコーティングした。コーティングされた剥離ライナーシートを乾燥オーブンに入れ、50℃で約30分、次いで110℃で約10分、乾燥した。溶媒の除去によって第1のロチゴチン含有二相層のコーティング重量が122g/mになるようにコーティングの厚みを選択した。ロチゴチン含有二相層をポリエステルタイプの裏打ちフォイルとラミネートした。工程2で得られた混合物2を、適切なポリエステル剥離ライナー(たとえばScotchpak(商標)9755)のシートにコーティングした。コーティングされた剥離ライナーシートを乾燥オーブンに入れ、50℃で約30分、次いで110℃で約10分、乾燥した。溶媒の除去によって第2のロチゴチン含有二相層のコーティング重量が35g/mになるようにコーティングの厚みを選択し、ロチゴチン含有皮膚接触層を得た。ロチゴチン含有二相層の表面から剥離ライナーを除いた後、ロチゴチン含有皮膚接触層を第1のロチゴチン含有二相層とラミネートして、全面積重量157g/mの、ロチゴチン含有二相層およびロチゴチン含有皮膚接触層を有するロチゴチン含有自己接着性層構造を得た。最後に、ロチゴチン含有自己接着性層構造から10cmの大きさを有する個別のシステム(TTS)をパンチして切り出し、パウチ中にシールした。
【0145】
〔実施例2b〕
ロチゴチン含有二相混合物の組成および製造方法は実施例2aで述べた通りである。経皮治療システム(TTS)の製造のため、溶媒の除去によって第1のロチゴチン含有二相層のコーティング重量が112g/m、ロチゴチン含有皮膚接触層を提供する第2のロチゴチン含有二相層のコーティング重量が60g/mになるように、コーティングの厚みを選択した。
【0146】
〔実施例3〕
実施例3において、比較例1および2ならびに実施例1、2aおよび2bのインビトロのロチゴチン透過を、9%の酢酸ビニルを含むエチレン酢酸ビニル(EVA)コポリマーからなる厚み51μmの膜(CoTran(商標)Membrane、3M社)および米国薬局方(USP)に記載されたPaddle over Disk装置を用いて192時間にわたって実施した膜透過試験によって評価した。受容媒体としてpH4.5のリン酸塩緩衝液(900ml;32℃;50rpm)を用いた。比較例1の面積10cmのTTSを比較例2ならびに実施例1、2aおよび2bに対して試験した。受容媒体へのロチゴチンの透過をHPLCによって測定した。結果を表5〜7および図1〜4に示す。
【0147】
【表5】
【0148】
【表6】
【0149】
【表7】
【0150】
【表8】
【0151】
【表9】
【0152】
〔実施例4〕
実施例4において、比較例1、比較例2、および実施例1の薬物含有接着性物の粘性率を、Haake Viscometer 2 plus(回転体No.1)およびMalvern Kinexus(Couette−bobおよびキャップ装置)を用いて測定した。結果を以下の表8に示す。
【0153】
【表10】
【0154】
比較例1および2と比較して、実施例1の薬物含有接着性物の粘性率は低く、そのため加工性が良好となり、したがってコーティング手順がより便利になっている。
【0155】
〔実施例5〕
ロチゴチン含有二相コーティング混合物の組成を以下の表9にまとめる。
【0156】
【表11】
【0157】
ロチゴチン含有二相コーティング混合物の製造(工程1):
エタノール73.67gと酢酸エチル20.53g中のポリビニルピロリドン(PVP、Kollidon 90F)13.68gおよびポリビニルピロリドン(PVP、Kollidon 30)20.53gの溶液に、DL−α−トコフェロール0.34g、アスコルビルパルミテート0.14gおよびメタ重亜硫酸ナトリウム水溶液(10重量%)0.15gを加え、混合して透明な溶液を得た(1000rpm、プロペラスターラー)。得られたPVP溶液にシリコーン接着剤BIO−PSA 7−4202(酢酸エチル中60重量%)204.81gおよびシリコーン接着剤BIO−PSA 7−4302(酢酸エチル中60重量%)204.81gを加え、完全に混合されるまで500rpmで撹拌した。多形IIのロチゴチン61.56gを撹拌しながら加えた。混合物を40℃まで加熱し、均一な分散液が得られるまで500rpmで最低60分間撹拌した。
【0158】
経皮治療システム(TTS)の製造(工程2):
工程1で得られた混合物を、適切なポリエステル剥離ライナー(たとえばScotchpak(商標)9755)の2枚のシートにコーティングした。コーティングされた剥離ライナーシートを乾燥オーブンに入れ、50℃で約30分、次いで115℃で約10分、乾燥した。溶媒の除去によって2つのロチゴチン含有層のそれぞれのコーティング重量が80〜82g/mになるようにコーティングの厚みを選択した。第1のロチゴチン含有層を(1)ポリエステルタイプの裏打ちフォイル、および(2)第1の層の表面から剥離ライナーを除いた後で第2のロチゴチン含有層とラミネートし、コーティング重量160〜164g/mの、ロチゴチン含有二相層を有するロチゴチン含有自己接着性層構造を得た。最後に、ロチゴチン含有自己接着性層構造から10cmの大きさを有する個別のシステム(TTS)をパンチして切り出し、パウチ中にシールした。
【0159】
〔実施例6〕
ロチゴチン含有二相コーティング貯留混合物の組成は実施例5と同一である。
【0160】
ロチゴチンを含まない皮膚接触層の組成を下の表10にまとめる。
【0161】
【表12】
【0162】
ロチゴチンを含まない接着性混合物の製造(工程1):
シリコーン接着剤BIO−PSA 7−4202(酢酸エチル中60重量%)80.01gをシリコーン接着剤BIO−PSA 7−4302(酢酸エチル中60重量%)320.01gに加え、完全に混合されるまで500rpmで撹拌した。
【0163】
ロチゴチンを含まない皮膚接触層(TTS)の製造(工程2):
工程1で得られた接着性混合物を、適切なポリエステル剥離ライナー(たとえばScotchpak(商標)9755)のシートにコーティングした。コーティングされた剥離ライナーシートを乾燥オーブンに入れ、50℃で約30分、次いで115℃で約10分、乾燥した。溶媒の除去によって接着層のそれぞれのコーティング重量が28g/mになるようにコーティングの厚みを選択した。
【0164】
ロチゴチン含有二相コーティング混合物の製造(工程3)は実施例5の工程1と同一である。
【0165】
経皮治療システム(TTS)の製造(工程4):
工程3で得られた混合物を、適切なポリエステル剥離ライナー(たとえばScotchpak(商標)9755)のシートにコーティングした。コーティングされた剥離ライナーシートを乾燥オーブンに入れ、50℃で約30分、次いで115℃で約10分、乾燥した。溶媒の除去によってロチゴチン含有層のコーティング重量が139g/mになるようにコーティングの厚みを選択した。ロチゴチン含有層を(1)ポリエステルタイプの裏打ちフォイル、および(2)工程2のロチゴチンを含まない皮膚接触層とラミネートし、コーティング重量167g/mの、ロチゴチン含有二相層を有するロチゴチン含有自己接着性層構造を得た。最後に、ロチゴチン含有自己接着性層構造から10cmの大きさを有する個別のシステム(TTS)をパンチして切り出し、パウチ中にシールした。
【0166】
〔実施例7〕
ロチゴチン含有皮膚接触層としてのロチゴチン含有二相コーティング混合物の組成を下の表11にまとめる。
【0167】
【表13】
【0168】
ロチゴチン含有二相コーティング混合物の製造(工程1):
エタノール13.56g中のポリビニルピロリドン(PVP、Kollidon 90F)3.34gの溶液に、DL−α−トコフェロール0.02g、アスコルビルパルミテート0.04gおよびメタ重亜硫酸ナトリウム水溶液(10重量%)0.15gを加え、混合して透明な溶液を得た(1000rpm、プロペラスターラー)。得られたPVP溶液にシリコーン接着剤BIO−PSA 7−4202(酢酸エチル中60重量%)29.70gおよびシリコーン接着剤BIO−PSA 7−4302(酢酸エチル中60重量%)118.80gを加え、完全に混合されるまで500rpmで撹拌した。多形IIのロチゴチン7.51gを撹拌しながら加えた。混合物を40℃まで加熱し、均一な分散液が得られるまで500rpmで最低60分間撹拌した。
【0169】
経皮治療システム(TTS)の製造(工程2):
工程1で得られた混合物を、適切なポリエステル剥離ライナー(たとえばScotchpak(商標)9755)のシートにコーティングした。コーティングされた剥離ライナーシートを乾燥オーブンに入れ、50℃で約30分、次いで115℃で約10分、乾燥した。溶媒の除去によってロチゴチン含有層のそれぞれのコーティング重量が28g/mになるようにコーティングの厚みを選択した。ロチゴチン含有層を(1)ポリエステルタイプの裏打ちフォイル、および(2)第1の層の表面から剥離ライナーを除いた後でコーティング重量160〜164g/mの実施例6のロチゴチン含有層とラミネートし、全コーティング重量188〜192g/mの、ロチゴチン含有二相層を有するロチゴチン含有自己接着性層構造を得た。最後に、ロチゴチン含有自己接着性層構造から10cmの大きさを有する個別のシステム(TTS)をパンチして切り出し、パウチ中にシールした。
【0170】
〔実施例8〕
実施例8において、採皮した厚み約300μmのヒト皮膚を用いてフローセル装置で192時間にわたって実施したインビトロ皮膚透過試験によって、実施例5、6および7のインビトロ皮膚透過を評価した。受容媒体(32℃)としてpH6.2のリン酸塩緩衝生理食塩液(PBS)を用いた。受容セルの面積は0.52cmであった。最初の6時間は1時間ごと、18時間までは3時間ごと、実験の残り時間は6時間ごとに試料を採取した。受容媒体へのロチゴチンの透過をHPLCによって測定した。結果を表12および13ならびに図5に示す。
【0171】
【表14】
【0172】
【表15】
【0173】
【表16】
【0174】
【表17】
【0175】
本発明は特に以下のさらなる項目に関する。
1.自己接着性層構造中に治療有効量のロチゴチン塩基を含む、ロチゴチンの経皮投与のための経皮治療システムであって、該自己接着性層構造が
A)裏打ち層、ならびに
B)ロチゴチン含有二相層であって、該二相層が
a)75%〜100%のポリマーまたはポリマー混合物を含む組成物を有する外部相と、
b)ロチゴチン塩基を含む組成物を有する内部相と
を有し、
該内部相が該外部相中に分散したデポジットを形成し、
該内部相が
i.ロチゴチン塩基と、
ii.ポリマー群:
− 少なくとも80、または80〜200のK値を有するポリビニルピロリドン、
− 80未満、または10〜79のK値を有するポリビニルピロリドン、
− ビニルカプロラクタム、酢酸ビニルおよびエチレングリコールのコポリマー、
− ビニルピロリドンおよび酢酸ビニルのコポリマー、
− エチレンおよび酢酸ビニルのコポリマー、
− ポリエチレングリコール、
− ポリプロピレングリコール、
− アクリルポリマー、
− 変性セルロース
のうちの少なくとも2つから選択される少なくとも2つの親水性ポリマーを含むポリマー混合物と
を含み、
内部相中のポリマー混合物が、前記ロチゴチン塩基が内部相中のポリマー混合物と固溶体を形成するために十分な量で存在する、
前記ロチゴチン含有二相層、
ならびに
C)場合により、追加の皮膚接触層
を含む、前記経皮治療システム。
2.前記外部相の組成物は感圧接着性組成物である、項目1に記載の経皮治療システム。3.外部相中の前記ポリマーまたはポリマー混合物は疎水性ポリマー(複数可)である、
項目1または2に記載の経皮治療システム。
4.外部相中の前記ポリマーまたはポリマー混合物は、ポリシロキサン、ポリイソブチレン、ポリアクリレート、スチレンとブタジエンのコポリマー、スチレンとイソプレンのコポリマーの群から選択される感圧接着性ポリマー(複数可)である、項目1〜3のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
5.外部相中の前記ポリマーまたはポリマー混合物は、ポリシロキサン、またはポリイソブチレンの群から選択される感圧接着性ポリマー(複数可)である、項目1〜4のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
6.外部相中の前記ポリマーまたはポリマー混合物は感圧接着性ポリシロキサン(複数可)である、項目1〜5のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
7.ポリシロキサン(複数可)はアミン耐性である、項目6に記載の経皮治療システム。8.ポリシロキサン(複数可)は、シラノールで末端ブロックされたポリジメチルシロキサンとシリカレジンとの縮合反応の生成物であってアミン耐性を有し、残存シラノール官能基がトリメチルシロキシ基によって封鎖されている、項目6に記載の経皮治療システム。
9.二相層および場合により皮膚接触層の製造のために、ヘプタン中の感圧接着性ポリシロキサン(複数可)の感圧接着性混合物が用いられる、項目1〜8のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
10.感圧接着性混合物のヘプタン中25℃における固体含量60%の溶液粘度が150mPa・sを超えるという特徴を有する、項目9に記載の経皮治療システム。
【0176】
11.感圧接着性混合物のヘプタン中25℃における固体含量60%の溶液粘度が約200mPa・s〜約700mPa・sであるという特徴を有する、項目9に記載の経皮治療システム。
12.感圧接着性混合物のヘプタン中25℃における固体含量60%の溶液粘度が約350mPa・s〜約600mPa・sであるという特徴を有する、項目9に記載の経皮治療システム。
13.二相層および場合により皮膚接触層の製造のために、酢酸エチル中の感圧接着性ポリシロキサン(複数可)の感圧接着性混合物が用いられる、項目1〜8のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
14.感圧接着性混合物の酢酸エチル中25℃における固体含量60%の溶液粘度が350mPa・sを超えるという特徴を有する、項目13に記載の経皮治療システム。
15.感圧接着性混合物の酢酸エチル中25℃における固体含量60%の溶液粘度が約400mPa・s〜約1500mPa・sであるという特徴を有する、項目13に記載の経皮治療システム。
16.感圧接着性混合物の酢酸エチル中25℃における固体含量60%の溶液粘度が約600mPa・s〜約1300mPa・sであるという特徴を有する、項目13に記載の経皮治療システム。
17.感圧接着性混合物の30℃、0.01rad/sにおける複素粘性率が1×10poise未満であるという特徴を有する、項目9〜16のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
18.感圧接着性混合物の30℃、0.01rad/sにおける複素粘性率が約1×10〜約9×10poiseであるという特徴を有する、項目9〜16のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
19.二相層および場合により皮膚接触層の製造のために、ヘプタン中25℃における固体含量約60%の溶液粘度が500mPa・sであるという特徴を有するヘプタン中の感圧接着性ポリシロキサンと、ヘプタン中25℃における固体含量約60%の溶液粘度が450mPa・sであるという特徴を有するヘプタン中の感圧接着性ポリシロキサンとの感圧接着性混合物が用いられる、項目1〜9のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
20.二相層および場合により皮膚接触層の製造のために、酢酸エチル中25℃における固体含量約60%の溶液粘度が1200mPa・sであるという特徴を有する酢酸エチル中の感圧接着性ポリシロキサンと、酢酸エチル中25℃における固体含量約60%の溶液粘度が800mPa・sであるという特徴を有する酢酸エチル中の感圧接着性ポリシロキサンとの感圧接着性混合物が用いられる、項目1〜8および13に記載の経皮治療システム。
【0177】
21.内部相中のポリマー混合物は、2つの親水性ポリマーを1:1〜約1:10の比で含む、項目1〜20のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
22.内部相中のポリマー混合物は、2つの親水性ポリマーを1:1〜約1:4の比で含む、項目1〜20のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
23.内部相中のポリマー混合物は、2つの親水性ポリマーを1:1〜約1:2の比で含む、項目1〜20のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
24.少なくとも2つの親水性ポリマーは、ポリマー群:
− 少なくとも80、または80〜200のK値を有するポリビニルピロリドン、
− 80未満、または10〜79のK値を有するポリビニルピロリドン、
− ビニルカプロラクタム、酢酸ビニルおよびエチレングリコールのコポリマー、
− ビニルピロリドンおよび酢酸ビニルのコポリマー、
− エチレンおよび酢酸ビニルのコポリマー
− ポリエチレングリコール
− ポリプロピレングリコール
− ジメチルアミノエチルメタクリレート、ブチルメタクリレートおよびメチルメタクリレートのコポリマー、
− メタクリル酸とメチルメタクリレートのコポリマー、
− ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート
のうちの少なくとも2つから選択される、項目1〜23のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
25.内部相中のポリマー混合物は、少なくとも80、または80〜200のK値を有するポリビニルピロリドンを含む、項目1〜24のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
26.内部相中のポリマー混合物は、少なくとも80、または80〜200、特に90のK値を有するポリビニルピロリドンと、80未満、または10〜79、特に30のK値を有するポリビニルピロリドンとを含む、項目1〜25のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
27.少なくとも80、または80〜200のK値を有するポリビニルピロリドンの、80未満、または10〜79のK値を有するポリビニルピロリドンに対する比は4:1〜1:4である、項目26に記載の経皮治療システム。
28.少なくとも80、または80〜200のK値を有するポリビニルピロリドンの、80未満、または10〜79のK値を有するポリビニルピロリドンに対する比は2:1〜1:2である、項目26または27に記載の経皮治療システム。
29.少なくとも80、または80〜200のK値を有するポリビニルピロリドンの、80未満、または10〜79のK値を有するポリビニルピロリドンに対する比は1:1〜1:2である、項目26〜28のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
30.内部相中のポリマー混合物は、少なくとも80、または80〜200のK値を有するポリビニルピロリドンを少なくとも含み、該ポリビニルピロリドンは少なくとも1つのさらなる親水性ポリマーと同量か、これより少ない量で存在する、項目1〜29のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
【0178】
31.少なくとも80、または80〜200のK値を有するポリビニルピロリドンは前記二相層中に約0.1mg/cm〜約5mg/cmの量で存在する、項目25〜30の
いずれか1項に記載の経皮治療システム。
32.少なくとも80、または80〜200のK値を有するポリビニルピロリドンは前記二相層中に約0.1mg/cm〜約1.5mg/cmの量で存在する、項目25〜30のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
33.少なくとも80、または80〜200のK値を有するポリビニルピロリドンは前記二相層中に約0.5mg/cm〜約0.7mg/cmの量で存在する、項目25〜32のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
34.少なくとも80、または80〜200のK値を有するポリビニルピロリドンは前記二相層の約1%〜約20%の量で存在する、項目25〜33のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
35.少なくとも80、または80〜200のK値を有するポリビニルピロリドンは前記二相層の約1%〜約10%の量で存在する、項目25〜34のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
36.少なくとも80、または80〜200のK値を有するポリビニルピロリドンは前記二相層の約3%〜約5%の量で存在する、項目25〜35のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
37.80未満、または10〜79のK値を有するポリビニルピロリドンは前記二相層中に約0.1mg/cm〜約5mg/cmの量で存在する、項目26〜36のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
38.80未満、または10〜79のK値を有するポリビニルピロリドンは前記二相層中に約0.1mg/cm〜約1.5mg/cmの量で存在する、項目26〜37のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
39.80未満、または10〜79のK値を有するポリビニルピロリドンは前記二相層中に約0.5mg/cm〜約1.0mg/cmの量で存在する、項目26〜38のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
40.80未満、または10〜79のK値を有するポリビニルピロリドンは前記二相層の約1%〜約20%の量で存在する、項目26〜39のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
【0179】
41.80未満、または10〜79のK値を有するポリビニルピロリドンは前記二相層の約1%〜約10%の量で存在する、項目26〜40のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
42.80未満、または10〜79のK値を有するポリビニルピロリドンは前記二相層の約5%〜約7%の量で存在する、項目26〜41のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
43.少なくとも80、または80〜200のK値を有するポリビニルピロリドンは約0.5mg/cm〜約0.7mg/cmの量で存在し、80未満、または10〜79のK値を有するポリビニルピロリドンは約0.5mg/cm〜約1.0mg/cmの量で存在する、項目26〜42のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
44.80未満、または10〜79のK値を有するポリビニルピロリドンは、25〜35のK値範囲、または30の公称K値を有するポリビニルピロリドンである、項目26〜43のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
45.80未満、または10〜79のK値を有するポリビニルピロリドンは、25未満のK値、または17の公称K値、または12の公称K値を有するポリビニルピロリドンである、項目26〜44のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
46.少なくとも80、または80〜200のK値を有するポリビニルピロリドンは、85〜95のK値範囲、または90の公称K値を有するポリビニルピロリドンである、項目26〜45のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
47.内部相中のポリマー混合物は、90の公称K値を有するポリビニルピロリドンと30の公称K値を有するポリビニルピロリドンを含む、項目26〜46のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
48.90の公称K値を有するポリビニルピロリドンの、30の公称K値を有するポリビニルピロリドンに対する比は1:1.4、または1:1.5である、項目26〜47のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
49.内部相中のロチゴチン塩基の、ポリマー混合物に対する比は1:0.2〜1:1である、項目1〜48のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
50.内部相中のロチゴチン塩基の、ポリマー混合物に対する比は1:0.2〜1:0.8である、項目1〜49のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
【0180】
51.内部相中のロチゴチン塩基の、ポリマー混合物に対する比は1:0.4〜1:0.6である、項目1〜50のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
52.ロチゴチン塩基の、少なくとも80、または80〜200のK値を有するポリビニルピロリドンに対する比は1:0.1〜1:0.5である、項目25〜51のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
53.ロチゴチン塩基の、少なくとも80、または80〜200のK値を有するポリビニルピロリドンに対する比は1:0.1〜1:0.3である、項目25〜52のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
54.ロチゴチン塩基の、80未満、または10〜79のK値を有するポリビニルピロリドンに対する比は1:0.1〜1:0.5である、項目25〜53のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
55.ロチゴチン塩基の、80未満、または10〜79のK値を有するポリビニルピロリドンに対する比は1:0.2〜1:0.4である、項目25〜54のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
56.ロチゴチン塩基の、少なくとも80、または80〜200のK値を有するポリビニルピロリドンおよび80未満、または10〜79のK値を有するポリビニルピロリドンに対する比は約1:0.2:0.3である、項目1〜55のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
57.少なくとも80、または80〜200のK値を有するポリビニルピロリドンは90の公称K値を有するポリビニルピロリドンであり、80未満、または10〜79のK値を有するポリビニルピロリドンは30の公称K値を有するポリビニルピロリドンである、項目1〜56のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
58.前記自己接着性層構造中に0.1mg/cm〜10.0mg/cmのロチゴチン塩基を含む、項目1〜57のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
59.前記自己接着性層構造中に0.1mg/cm〜5.0mg/cmのロチゴチン塩基を含む、項目1〜58のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
60.前記自己接着性層構造中に0.3mg/cm〜3.0mg/cmのロチゴチン塩基を含む、項目1〜59のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
【0181】
61.前記自己接着性層構造中に0.3mg/cm〜1.0mg/cmのロチゴチン塩基を含む、項目1〜60のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
62.前記自己接着性層構造中に1.0mg/cm〜1.5mg/cmのロチゴチン塩基を含む、項目1〜59のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
63.前記自己接着性層構造中に1.5mg/cm〜5.0mg/cmのロチゴチン塩基を含む、項目1〜59のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
64.前記自己接着性層構造中に2.0mg/cm〜4.0mg/cm、好ましくは2.0mg/cm〜3.0mg/cmのロチゴチン塩基を含む、項目1〜59のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
65.二相層は約30g/m〜約400g/mの面積重量を有する、項目1〜64のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
66.二相層は約30g/m〜約200g/mの面積重量を有する、項目1〜65のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
67.二相層は約100g/m〜約200g/mの面積重量を有する、項目1〜66のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
68.ロチゴチン塩基は前記二相層の1%〜30%の量で存在する、項目1〜67のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
69.ロチゴチン塩基は前記二相層の10%〜26%、好ましくは16%〜26%の量で存在する、項目1〜68のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
70.ロチゴチン塩基は前記二相層の16%〜30%の量で存在する、項目1〜69のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
【0182】
71.二相層は約100g/m〜約200g/mの面積重量を有し、ロチゴチン塩基は前記二相層の16%〜26%の量で存在する、項目1〜64のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
72.二相層は、メタ重亜硫酸ナトリウム、アスコルビルパルミテート、トコフェロールおよびそのエステル、アスコルビン酸、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソールまたはプロピルガレートからなる群から選択される抗酸化剤を含む、項目1〜71のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
73.皮膚接触層は、ポリシロキサン、ポリイソブチレン、ポリアクリレート、スチレンとブタジエンのコポリマー、スチレンとイソプレンのコポリマー、またはそれらの混合物から選択される感圧ポリマーを含む感圧接着性組成物を有する、項目1〜72のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
74.皮膚接触層は、感圧接着性ポリシロキサンを含む感圧接着性組成物を有する、項目1〜73のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
75.皮膚接触層は、活性薬剤を含まない、または活性薬剤を含むかたちで製造される、項目1〜74のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
76.皮膚接触層は、活性薬剤を含まないかたちで製造され、約5g/m〜約60g/mの面積重量を有する、項目1〜75のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
77.皮膚接触層は、ロチゴチン塩基を含むかたちで製造される、項目1〜76のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
78.ロチゴチン塩基を含むかたちで製造される皮膚接触層は約10g/m〜約150g/mの面積重量を有する、項目77に記載の経皮治療システム。
79.皮膚接触層はロチゴチン含有二相層とは異なるが、これもロチゴチン含有二相層の形態であり、該二相層が
a)75%〜100%のポリマーまたはポリマー混合物を含む組成物を有する外部相と、b)ロチゴチン塩基を含む組成物を有する内部相と
を有し、
該内部相が該外部相中に分散したデポジットを形成し、
該内部相が
i.ロチゴチン塩基と、
ii.少なくとも1つの親水性ポリマーと
を含み、
内部相中の該少なくとも1つの親水性ポリマーが、前記ロチゴチン塩基が該少なくとも1つの親水性ポリマーと固溶体を形成するために十分な量で存在し、
場合により該少なくとも1つの親水性ポリマーが少なくとも2つの親水性ポリマーを含むポリマー混合物であり、
場合により項目1〜30に定義されている、項目77または78に記載の経皮治療システム。
80.皮膚接触層は、内部相中に少なくとも80、または80〜200のK値を有するポリビニルピロリドンを含む、項目1〜79のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
【0183】
81.皮膚接触層中のロチゴチン塩基の、少なくとも80、または80〜200のK値を有するポリビニルピロリドンに対する比は約1:0.2〜約1:1である、項目1〜80のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
82.皮膚接触層中のロチゴチン塩基の、少なくとも80、または80〜200のK値を有するポリビニルピロリドンに対する比は約1:0.3〜約1:0.5である、項目1〜81のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
83.二相層の内部相中のロチゴチン塩基の、ポリマー混合物に対する比は1:0.4〜1:0.6であり、皮膚接触層中のロチゴチン塩基の、少なくとも80、または80〜200のK値を有するポリビニルピロリドンに対する比は1:0.2〜1:0.5である、項目1〜82のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
84.ロチゴチン塩基は、皮膚接触層中に前記皮膚接触層の1%〜15%の量で存在する、項目1〜83のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
85.ロチゴチン塩基は、皮膚接触層中に前記皮膚接触層の9%未満、または1%〜8%の量で存在する、項目1〜84のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
86.ロチゴチン塩基は、皮膚接触層中に前記二相層中よりも少ない量で存在する、項目1〜85のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
87.8時間目〜12時間目の間の4時間の時間間隔でEVA膜によって測定された、治療に有効であるロチゴチン塩基の透過速度を提供する、項目1〜86のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
88.8時間目〜12時間目の間の4時間の時間間隔でEVA膜によって測定された、少なくとも10.5μg/cm/hr〜約15μg/cm/hrの、ロチゴチン塩基の透過速度を提供する、項目1〜87のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
89.8時間目〜12時間目の間の4時間の時間間隔でEVA膜によって測定された、少なくとも11μg/cm/hr〜約15μg/cm/hrの、ロチゴチン塩基の透過速度を提供する、項目1〜88のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
90.24時間〜168時間の間の4時間または6時間の時間間隔でEVA膜によって測定された、24時間〜168時間の間、20%ポイント以内で一定のロチゴチン塩基の透過速度を提供する、項目1〜89のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
【0184】
91.24時間〜168時間の間の4時間または6時間の時間間隔でEVA膜によって測定された、24時間〜168時間の間、15%ポイント以内で一定のロチゴチン塩基の透過速度を提供する、項目1〜90のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
92.24時間〜168時間の間の4時間または6時間の時間間隔でEVA膜によって測定された、24時間〜168時間の間、10%ポイント以内で一定のロチゴチン塩基の透過速度を提供する、項目1〜91のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
93.患者の皮膚への1〜7日間の投与期間の間、前記経皮治療システムによって1〜7日間にわたって治療有効量のロチゴチン塩基を提供する、項目1〜92のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
94.患者の皮膚への3日間の投与期間の間、経皮治療システムによって3日間にわたって治療有効量のロチゴチン塩基を提供する、項目1〜93のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
95.患者の皮膚への4日間の投与期間の間、経皮治療システムによって4日間にわたって治療有効量のロチゴチン塩基を提供する、項目1〜94のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
96.患者の皮膚への7日間の投与期間の間、前記経皮治療システムによって7日間にわたって治療有効量のロチゴチン塩基を提供する、項目1〜95のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
97.二相層は、乾燥された二相層である、項目1〜96のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
98.治療の方法における使用のための、項目1〜97のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
99.パーキンソン病、パーキンソンプラス症候群、うつ病、不安、AHDS、線維筋痛、レストレスレッグス症候群に罹患した患者を治療する方法における使用のため、ならびにドーパミン作動性ニューロン喪失の治療もしくは予防、または認知障害、認知症もしくはレヴィー小体疾患の治療もしくは予防における使用のための、項目1〜98のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
100.ヒト患者の皮膚に少なくとも24時間、経皮治療システムを適用することによる、項目98または99による使用のための経皮治療システム。
【0185】
101.ヒト患者の皮膚に約96時間、経皮治療システムを適用することによる、項目98または99による使用のための経皮治療システム。
102.ヒト患者の皮膚に約168時間、経皮治療システムを適用することによる、項目98または99による使用のための経皮治療システム。
103.ヒト患者の皮膚に少なくとも24時間、項目1〜99のいずれか1項に記載の経皮治療システムを適用することによる治療の方法。
104.ヒト患者の皮膚に約96時間、項目1〜99のいずれか1項に記載の経皮治療システムを適用することによる治療の方法。
105.ヒト患者の皮膚に約168時間、項目1〜99のいずれか1項に記載の経皮治療システムを適用することによる治療の方法。
106.パーキンソン病、パーキンソンプラス症候群、うつ病、不安、AHDS、線維筋痛、レストレスレッグス症候群に罹患した患者の治療、ならびにドーパミン作動性ニューロン喪失の治療もしくは予防、または認知障害、認知症もしくはレヴィー小体疾患の治療もしくは予防における使用のための、項目104または105のいずれか1項に記載の方法。
107.ロチゴチン塩基の放出を制御するための感圧接着性ポリシロキサン(複数可)を含む感圧性接着組成物中に、ロチゴチン塩基を含むポリマー混合物の分散した固溶体デポジットを提供する、ロチゴチンの経皮投与のための経皮治療システムの製造における、少なくとも80、または80〜200のK値を有するポリビニルピロリドン、および80未満、または10〜79のK値を有するポリビニルピロリドンのポリマー混合物の使用。
108.項目1〜102のいずれか1項に記載のロチゴチンの経皮投与のための経皮治療システムの製造方法であって、
(1)外部相中に分散した内部相を有するロチゴチン含有二相コーティング混合物を製造する工程、
(2)前記ロチゴチン含有二相コーティング混合物を、コーティング重量を有する層を提供する量でフィルムにコーティングする工程、
(3)前記コーティングされた層を乾燥してコーティング重量を有する乾燥層を提供し、所望の面積重量を有するロチゴチン含有乾燥二相層を提供する工程、
(4)場合により2層以上の前記乾燥層をラミネートして、所望の面積重量を有するロチゴチン含有乾燥二相層を提供する工程、
(5)前記ロチゴチン含有乾燥二相層を裏打ち層とラミネートする工程、
(6)場合により前記ロチゴチン含有乾燥二相層を追加の皮膚接触層とラミネートする工程
を含む前記製造方法。
109.ロチゴチン含有二相コーティング混合物の製造は、
(1)ポリマー群:
− 少なくとも80、または80〜200のK値を有するポリビニルピロリドン、
− 80未満、または10〜79のK値を有するポリビニルピロリドン、
− ビニルカプロラクタム、酢酸ビニルおよびエチレングリコールのコポリマー、
− ビニルピロリドンおよび酢酸ビニルのコポリマー、
− エチレンおよび酢酸ビニルのコポリマー、
− ポリエチレングリコール、
− ポリプロピレングリコール、
− アクリルポリマー、
− 変性セルロース
のうちの少なくとも2つから選択される少なくとも2つの親水性ポリマーを含むポリマー混合物を
溶媒と混合して溶液を得る工程、
(2)場合によりトコフェロール、アスコルビルパルミテート、およびメタ重亜硫酸ナトリウム水溶液を工程1の溶液に加える工程、
(3)ロチゴチン塩基と溶媒中に75%〜100%のポリマーまたはポリマー混合物を含む組成物の混合物を前記溶液に加えてロチゴチン含有二相コーティング混合物を提供する工程
を含む、項目108に記載の方法。
110.前記ロチゴチン含有二相層は追加の皮膚接触層とラミネートされ、皮膚接触層の製造は
(1)接着性コーティング混合物、好ましくは外部相中に分散した内部相を有し、内部相中に少なくとも1つの親水性ポリマーを含むロチゴチン含有二相コーティング混合物を提供する工程、
(2)前記接着性コーティング混合物をフィルムにコーティングして前記接着性コーティング混合物の層を提供する工程、
(3)前記コーティングされた層を乾燥してコーティング重量を有する乾燥層を提供し、所望の面積重量を有する前記皮膚接触層を提供する工程、
(4)場合により2層以上の前記乾燥層をラミネートして、所望の面積重量を有する前記皮膚接触層を提供する工程
を含む、項目108または109に記載の方法。
【0186】
111.二相層および場合により追加の皮膚接触層の製造のために、ヘプタンまたは酢酸エチル中の感圧接着性ポリシロキサンの感圧接着性混合物を用いる、項目108〜110のいずれか1項に記載の方法。
112.自己接着性層構造中に治療有効量のロチゴチン塩基を含む、ロチゴチンの経皮投与のための経皮治療システムであって、該自己接着性層構造が
A)裏打ち層、ならびに
B)ロチゴチン含有乾燥二相層であって、該乾燥二相層が
a)75%〜100%の感圧接着性ポリシロキサンを含む感圧接着性組成物を有する外部相と、
b)ロチゴチン塩基を含む組成物を有する内部相と
を有し、
該内部相が該外部相中に分散したデポジットを形成し、
該内部相が
i.前記乾燥二相層の16%〜26%のロチゴチン塩基と、
ii.少なくとも80、または80〜200のK値を有するポリビニルピロリドン、および80未満、または10〜79のK値を有するポリビニルピロリドンを含むポリマー混合物と
を含み、
内部相中のポリマー混合物が、前記ロチゴチン塩基が内部相中のポリマー混合物と固溶体を形成するために十分な量で存在し、
乾燥二相層が約100g/m〜約200g/mの面積重量を有する、
前記ロチゴチン含有乾燥二相層、
ならびに
C)場合により、追加の皮膚接触層
を含む、前記経皮治療システム。
113.自己接着性層構造中に2.0mg/cm〜3.0mg/cmのロチゴチン塩基を含む、ロチゴチンの経皮投与のための経皮治療システムであって、該自己接着性層構造が
A)裏打ち層、ならびに
B)ロチゴチン含有二相層であって、該二相層が
a)75%〜100%の感圧接着性ポリシロキサンを含む感圧接着性組成物を有する外部相と、
b)ロチゴチン塩基を含む組成物を有する内部相と
を有し、
該内部相が該外部相中に分散したデポジットを形成し、
該内部相が
i.ロチゴチン塩基と、
ii.少なくとも80、または80〜200のK値を有するポリビニルピロリドン、および80未満、または10〜79のK値を有するポリビニルピロリドンを含むポリマー混合物と
を含み、
内部相中のポリマー混合物が、前記ロチゴチン塩基が内部相中のポリマー混合物と固溶体を形成するために十分な量で存在し、
ロチゴチン塩基の、80未満、または10〜79のK値を有するポリビニルピロリドンに対する比が1:0.1〜1:0.5であり、
二相層が約100g/m〜約200g/mの面積重量を有する、
前記ロチゴチン含有二相層、
ならびに
C)追加の皮膚接触層
を含む、前記経皮治療システム。
114.自己接着性層構造中に治療有効量のロチゴチン塩基を含む、ロチゴチンの経皮投与のための経皮治療システムであって、該自己接着性層構造が
A)裏打ち層、ならびに
B)ロチゴチン含有二相層であって、該二相層が
a)75%〜100%の感圧接着性ポリシロキサンを含む感圧接着性組成物を有する外部相と、
b)ロチゴチン塩基を含む組成物を有する内部相と
を有し、
該内部相が該外部相中に分散したデポジットを形成し、
該内部相が
i.前記二相層の16%〜26%のロチゴチン塩基と、
ii.少なくとも80、または80〜200のK値を有するポリビニルピロリドン、および80未満、または10〜79のK値を有するポリビニルピロリドンを含むポリマー混合物と
を含み、
内部相中のポリマー混合物が、前記ロチゴチン塩基の量が内部相中のポリマー混合物と固溶体を形成するために十分な量で存在し、
二相層が約100g/m〜約200g/mの面積重量を有する、
前記ロチゴチン含有二相層、
ならびに
C)これも二相層の形態である、追加のロチゴチン含有皮膚接触層であって、該皮膚接触層が
a)75%〜100%の感圧接着性ポリシロキサンを含む感圧接着性組成物を有する外部相と、
b)ロチゴチン塩基を含む組成物を有する内部相と
を有し、
該内部相が該外部相中に分散したデポジットを形成し、
該内部相が
i.前記皮膚接触層の1%〜8%のロチゴチン塩基と、
ii.少なくとも80、または80〜200のK値を有するポリビニルピロリドンと
を含み、
前記ポリビニルピロリドンが、前記ロチゴチン塩基の量が前記ポリビニルピロリドンと固溶体を形成するために十分な量で存在し、
皮膚接触層が約10g/m〜約150g/mの面積重量を有する、
前記追加のロチゴチン含有皮膚接触層
を含む、前記経皮治療システム。
115.ロチゴチンの経皮投与のための経皮治療システムであって、
(a)8時間目〜12時間目の間の4時間の時間間隔でEVA膜によって測定された、少なくとも11μg/cm/hr〜約15μg/cm/hrで、かつ
(b)24時間〜168時間の間の4時間の時間間隔でEVA膜によって測定された、24時間〜168時間の間、20%ポイント以内で一定の
ロチゴチン塩基の透過速度を提供する、前記経皮治療システム。
図1
図2
図3
図4
図5