【文献】
Grape Seed Supreme 60 vegetarian capsules,[online],Designs for Health,2014年 3月 3日,http://web.archive.org/にて2014年3月3日収録時のファイルを取得(取得日2018年10月17日),インターネット,URL,https://web.archive.org/web/20140303221347/http://catalog.designsforhealth.com/Grape-Seed-Supreme
【文献】
Nakamura Y, Tonogai Y,Effects of Grape Seed Polyphenols on Serum and Hepatic Lipid Contents and Fecal Steroid Excretion in Normal and Hypercholesterolemic Rats,Journal of Health Science,2002年,Vol.48, No.6,p.570-578
【文献】
Dudhia Z, et al.,Cyclopia maculata and Cyclopia subternata (honeybush tea) inhibits adipogenesis in 3T3-L1 pre-adipocytes,Phytomedicine,2013年,Vol.20, No.5,p.401-408
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
医薬的、栄養補助的又は美容的に許容できる担体、希釈剤、又は賦形剤をさらに含み、エキス混合物が、組成物の約0.5質量パーセント(wt%)〜約90wt%を構成する、請求項1〜2のいずれか1項の組成物。
医薬的、栄養補助的又は美容的に許容できる担体、希釈剤、又は賦形剤をさらに含み、エキス混合物が、組成物の活性成分の約0.5質量パーセント(wt%)〜約75wt%、又は、組成物の活性成分の約0.5質量パーセント(wt%)〜約50wt%を構成する、請求項1〜3のいずれか1項の組成物。
有効量の請求項1のエキス混合物を含む組成物を含んでなる体重管理用製品であって、約0.25〜2.0g/日で投与された場合に対象の体重を有効に管理する、製品。
医薬的、栄養補助的又は美容的に許容できる担体、希釈剤、又は賦形剤をさらに含み、エキス混合物が、前記組成物の約0.5質量パーセント(wt%)〜約90wt%、前記組成物の約0.5質量パーセント(wt%)〜約75wt%、又は、前記組成物の約0.5質量パーセント(wt%)〜約50wt%を構成する、請求項10〜13のいずれか1項の製品。
【発明を実施するための形態】
【0009】
詳細な説明
現在、DGAT1及びSREBP1cの阻害、並びにPGC1αの活性化によって脂肪合成を阻害し、かつ体重管理のみならず、皮脂管理用途にも役立ち得る製剤又は市販製品はない。
体重管理のための組成物及び方法、さらに詳細には、ハニーブッシュエキス若しくはブドウ種子エキス、又は両方と組み合わせて全ブドウエキスを含む組成物、並びにDGAT1酵素を相乗的に阻害することのみならず、SREBP1cプロモーター活性の阻害及びPGC1αプロモーター活性の活性化を通じた例えば体重管理、体重増加又は肥満症の治療若しくは予防、体重減少の促進、食欲抑制等のための該組成物の使用方法について述べる。
また、対象の皮脂産生と関連する皮膚の状態又は障害を治療、予防又は管理するための組成物、さらに詳細には、ハニーブッシュエキス若しくはブドウ種子エキス、又は両方と組み合わせて全ブドウエキスを含む組成物、並びにDGAT1酵素を相乗的に阻害することのみならず、SREBP1cプロモーター活性の阻害及びPGC1αプロモーター活性の活性化を通じた例えば対象の皮脂産生と関連する皮膚の状態又は障害を治療、予防又は管理するための該組成物の使用方法について述べる。
【0010】
定義
用語「組成物」は、自然状態又は生物学的プロセスと関連する特定の状態を治療、改善、促進、増強、管理、制御、維持、最適化、修正、低減、阻害又は予防する製品を指す。組成物という用語には、有効量のエキス混合物又はその成分を含む医薬品(すなわち、薬物)、化粧品、食品、食品成分又は栄養補助食品組成物が含まれるが、これらに限定されない。典型的組成物としては、局所クリーム及びローション、栄養補助食品、飲料及び飲料混合物が挙げられる。
用語「医薬組成物」は、医師又は獣医からの処方箋を必要とするような医薬品(すなわち、薬物)を製造するために使用し得る組成物を指す。
用語「化粧品組成物」は、人体の外観又は匂いを向上させるために用いられるケア物質を製造するために使用し得る組成物を指し、医師又は獣医からの処方箋を必要とするか又は必要としない場合がある。
用語「食品組成物」は、食品又は飲料製品を製造するために使用し得る組成物を指す。
本明細書で使用する用語「栄養補助食品」は、自然状態又は生物学的プロセスと関連する特定の状態を改善、促進、増強、管理、制御、維持、最適化、修正、低減、阻害、又は予防する(すなわち、疾患を診断、治療、軽減、治癒、又は予防するためには使用されない)製品を指す。例えば、体重関連状態については、栄養補助食品を用いて体重減少を促進し、体重増加を管理し、体重を維持し、カロリー摂取を減らし、筋肉量を増やす等が可能である。例えば、皮脂産生関連状態の管理については、栄養補助食品を用いて皮脂産生の低減、皮膚ざ瘡発生の低減等を促進することができる。典型的な栄養補助食品は、ビタミン、ミネラル、ハーブ若しくは他の植物、アミノ酸、又は総食事摂取量を増やすことによって食事を補助するために用いられる任意の他の物質、或いはこれらの濃縮物、代謝物、構成成分、エキス、又は任意の組み合わせ等の食事性成分を1種以上含む。特定の実施形態では、栄養補助食品は特殊カテゴリーの食品であり、薬物ではない。
【0011】
用語「エキス混合物」は、2種以上の異なるエキスの混合物又は組み合わせを指す。混合物を構成するエキスは等しい若しくは異なる量又は比であってよい。
本明細書で使用する場合、用語「エキス」は、全ブドウ、ハニーブッシュ又はブドウ種子等の植物の物質の活性成分を濃縮形で含む固体、粘着性、液体物質又は調製品を指す。用語「エキス」には、水、1〜4個の炭素原子の低級アルコール、例えばメタノール、エタノール、ブタノール等、エチレン、アセトン、ヘキサン、エーテル、クロロホルム、エチルアセタート、ブチルアセタート、ジクロロメタン、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール及びその組み合わせの中から選択される溶媒を用いた全ブドウ、ハニーブッシュ及び/又はブドウ種子から生成される粗エキスのみならず、該溶媒中の粗エキスのフラクションをも含める意図である。活性成分の抽出及び保存を保証する限り、いずれの抽出方法も利用可能である。抽出方法の例としては、溶媒抽出、超臨界流体抽出等がある。フラクションには、異なる極性を有する2種の溶媒間の粗エキスを分配することによって得られるもの及びシリカゲル充填カラムにロードした粗エキスを、移動相として疎水性溶媒、親水性溶媒又はその組み合わせを用いて溶出することによって得られる溶出液が含まれる。さらに、エキスは、凍結乾燥、真空乾燥、ホットエア乾燥、又は噴霧乾燥による抽出溶媒の除去の結果として濃縮液相又は固相状態であってよい。好ましくは、エキスは、水、エタノール及びその組み合わせから成る群より選択される溶媒を用いて全ブドウ、ハニーブッシュ若しくはブドウ種子から生成される粗エキス、又は該粗エキスのフラクションであり得る。
【0012】
本明細書で使用する場合、組成物、エキス混合物、エキス混合物の成分、及び/又は活性薬若しくは活性成分の「有効量」又は「治療的有効量」という用語は、望ましい結果を達成するのに十分な投与及び時間で有効な量を指す。例えば、「有効量」又は「治療的有効量」は、対象(例えば、ヒト等の哺乳類)に投与されると、下記のいずれか1つ以上を含めた処置を行なうのに十分である、本発明の組成物、エキス混合物、エキス混合物の成分、及び/又は活性薬若しくは活性成分の当該量を意味する:(1)対象のDGAT1酵素を相乗的に阻害すること;(2)対象の体重増加を治療、予防又は管理すること;(3)体重減少を促進すること;(4)対象の食欲を抑制すること;(5)対象の肥満症を治療又は予防すること;(6)対象の脂肪摂取を調節すること(例えば、脂肪の吸収、運搬、蓄積、産生及び/又は分泌ルを低減させることによって);(7)腸細胞内で起こる脂肪の合成を阻害することによって食事性脂肪の吸収、同化及び蓄積を減らすこと;(8)代謝上昇を妨げて対象の体重減少を促進するか又は体重増加を予防すること;(9)哺乳類の体重を維持すること;(10)対象の皮脂産生に関連する皮膚の状態又は障害を治療、予防、又は管理すること。「治療的有効量」を構成する本開示の組成物、エキス混合物、エキス混合物の成分、及び/又は活性薬若しくは活性成分の量は、活性薬若しくは化合物、治療される状態及びその重症度、投与様式、治療持続期間、又は治療すべき対象の年齢に応じて変動し得るが、当業者は、自らの知識及び本開示を考慮してルーチン的に該量を決定することができる。
【0013】
組成物、エキス混合物、エキス混合物の成分、及び/又は活性薬若しくは活性成分又は治療の「無効量」又は「治療量未満」は、当該組成物、エキス混合物、エキス混合物の成分、及び/又は活性薬若しくは活性成分又は治療に有効な量未満の量であるが、有効量又は治療量未満の別の組成物、エキス混合物、エキス混合物の成分、及び/又は活性薬若しくは活性成分と組み合わせると、例えば結果として生じる効果的作用、及び/又は副作用低減の相乗作用によって、望ましい結果をもたらすことができる。
本明細書では、用語「相乗効果」又は「協同効果」を、2種以上の組み合わせ組成物(例えば、エキス混合物)の個々の効果の合計を超える併用生物学的効果(すなわち、1+1<2又は1+1+1<3)をもたらすための該2種以上の組み合わせ組成物の相互作用と定義する。相乗効果は、約10、20、30、50、75、100、120、150、200、250、350、又は500%以上であるか、或いは各組成物の合計(相加)効果より大きいことさえあり得る。効果は、本明細書に記載の測定可能効果のいずれでもあり得る。
本明細書で使用する場合、用語「担体」は、投与に適した形態の可溶かつ均質状態で組成物の1種以上の成分(例えば、有効成分又は活性薬)を維持するのを助け、無毒であり、かつ有害様式で他の成分と相互作用しない組成物を指す。担体としては、限定するものではないが、技術上周知のいずれの材料も含まれ、いずれの散剤、液体、ゲル、可溶化剤、又は結合剤も挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの典型的担体としては、限定するものではないが、マルトデキストリン、アラビアゴム、デンプン、微結晶性セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びその混合物が挙げられる。特定の実施形態では、担体はマルトデキストリンであり、及び/又は使用担体は風味及び/又は苦味が中性であり、すなわち、担体は結果として生じる製品の苦味を含めた食味に影響を及ぼさない。
【0014】
本明細書で使用する場合、用語「皮膚」は、ヒト又は非ヒト個体、並びにその構成成分、例えば毛、毛包、皮脂腺、アポクリン(汗)腺、爪及び足指爪等の外皮を含む細胞層を指す。
本明細書で使用する場合、用語「皮膚の患部」は、活性成分を含む組成物で治療すべき皮膚の領域を指す。例えば、患部は、治療又は予防が求められている個体の皮脂産生と関連する皮膚の状態又は障害の部位であり得る。場合によっては、患部は、個体の全ての皮膚を包含することがある。或いは、患部は美容性の改善が求められている部位であってよく、個体の全ての皮膚又は顔、背中、若しくは腕等の皮膚の特殊領域を含むこともある。
用語「皮脂産生と関連する皮膚の状態又は障害」は、皮膚の皮脂腺による皮脂産生の増加又は減少のどちらかから起こる皮膚のいずれの状態又は障害をも指す。皮脂産生と関連する皮膚の状態又は障害の例としては、限定するものではないが、ざ瘡、皮脂嚢胞、肥厚化、黒色面皰、粗い又は不均等な皮膚、肥大及び可視ポア、湿疹等が挙げられる。
本明細書で使用する場合、用語「全身の」又は「全身に」は、血流又はリンパ系を介した治療の投与方法を指す。全身治療の例としては、限定するものではないが、経口胃管栄養又は経口摂取、静脈内又は皮下ポンプ注入、及び筋肉内、腹腔内、皮下組織又は皮下注射が挙げられる。
本明細書で使用する場合、用語「局所の」又は「局所に」は、皮膚の患部であり得る皮膚の領域に直接適用する投与方法を指す。局所治療の例としては、限定するものではないが、クリーム、ローション、ゲル、シャンプー、コンディショニングローション、スプレー、パッド、包帯、おむつ、ウェットペーパータオル、又は経皮パッチ;並びに皮内注射又はロゼンジ若しくは座剤の導入による局所投与が挙げられる。
【0015】
本明細書で使用する用語「治療する」又は「治療」は、興味ある疾患又は状態を有するヒト等の哺乳類における興味ある疾患又は状態の治療を指し、これには下記:(i)特に、哺乳類が該状態になりやすいが、まだ該状態を有すると診断されていないときに、該哺乳類における該疾患又は状態の発生を予防すること;(ii)該疾患又は状態を阻害すること、すなわち、その発症を抑止すること;(iii)該疾患又は状態を軽減すること、すなわち、該疾患又は状態の退行を引き起こすこと;又は(iv)根底にある疾患又は状態に対処することなく、該疾患又は状態に起因する症状を軽減すること(例えば、疼痛を軽減すること、炎症を低減させること、体重減少をもたらすこと)が含まれる。本明細書で使用する場合、用語「疾患」及び「状態」は、互換的に使用可能であり、或いは特定の病弊又は状態が既知の原因因子を有しない(その結果、病因が未だに解明されていない)ので、望ましくない状態又は症状としてのみ認識され、多少は特異セットの症状が臨床医によって同定されているが、未だに疾患として認識されていないという点で異なることがある。
【0016】
用語「投与する」、「投与された」及び「投与すること」は、当該技術で既知の経路によって対象に組成物を与えることと定義される。投与経路としては、限定するものではないが、静脈内、動脈内、経口、非経口、頬側、局所、経皮、直腸、筋肉内、皮下、骨内、経粘膜、又は腹腔内投与経路が挙げられる。特定の実施形態では、組成物の経口投与経路が好ましいことがある。或いは、局所投与が好ましいことがある。
本明細書で使用する場合、用語「対象」又は「個体」には、組成物を投与し得る哺乳類が含まれる。哺乳類の非限定例として、ヒト、非ヒト霊長類、げっ歯類(トランスジェニック及び非トランスジェニックマウスを含めて)等がある。本明細書に記載の方法は、ヒト治療学、前臨床、栄養補助食品、美容及び獣医学用途で役立ち得る。一部の実施形態では、対象が哺乳類であり、一部の実施形態では、対象がヒトである。
本明細書で使用する場合、用語「薬剤」、「活性薬」、「生物活性薬」、又は「活性物質」は、生物学的、医薬的、若しくは化学的化合物又は植物エキスから得られる他の成分を指す。詳細には、「薬剤」、「活性薬」、「生物活性薬」、又は「活性物質」は、全ブドウエキス、ハニーブッシュエキス及びブドウ種子エキスの少なくとも1種から得られる生物学的、医薬的、若しくは化学的化合物又は他の成分であり得る。非限定例として、単純又は複雑な有機又は無機分子、ペプチド、タンパク質、炭水化物、脂肪酸又は脂質様分子が挙げられる。
【0017】
用語「モジュレーター」は、組成物の一部として含められ、対象における1種以上の細胞タンパク質の活性又は発現を調節する活性薬又は物質を指す。モジュレーターは、分子の活性及び/又は発現レベル若しくはパターンを増大又は抑制し得る。モジュレーターは、成分に直接結合することによって経路内の成分を活性化することができる。モジュレーターは、1種以上の関連成分を妨げることによって経路内の成分を間接的に活性化することもできる。経路の産出量はタンパク質の発現又は活性レベルの点から測定可能である。経路内のタンパク質の発現レベルは、細胞内位置における対応mRNA若しくは関連転写因子のレベル及びタンパク質レベルによって反映され得る。例えば、限定するものではないが、細胞の核、ミトコンドリア、エンドソーム、リポソーム又は他の膜構造体を含めた特有の細胞成分の中又は外に移動させることによって特定タンパク質が活性化される。経路の産出量は、生理的効果、例えば脂肪の吸収及び/又は同化、体重減少、皮脂産生低減等の点からも測定可能である。
「アクチベーター」は、経路産出量を増やす様式で経路に影響を与えるモジュレーターを指す。特定標的の活性化は、直接的(例えば標的との相互作用によって)又は間接的(例えば標的を含むシグナル伝達経路における標的の上流でのタンパク質との相互作用によって)であってよい。
用語「サプレッサー」又は「インヒビター」は、経路産出量を減らす様式で経路に影響を与えるモジュレーターを指す。特定標的の阻害は、直接的(例えば標的との相互作用によって)又は間接的(例えば標的を含むシグナル伝達経路における標的の上流でのタンパク質との相互作用によって)であってよい。
【0018】
組成物
有用な組成物は、少なくとも生理学的に許容できる量のエキス混合物を含み、該エキス混合物は、(i)DGAT1活性を少なくとも部分的に阻害できる全ブドウエキス、並びに(ii)下記:(a)PGC1αプロモーター活性を少なくとも部分的に活性化し、かつDGAT1活性を相乗的に阻害できる、少なくとも生理学的に許容できる量のハニーブッシュエキス、及び/又は(b)SREBP1cプロモーター活性を少なくとも部分に阻害し、かつDGAT1活性を相乗的に阻害できる、少なくとも生理学的に許容できる量のブドウ種子エキスの少なくとも1種を含み、それによって、健康及び疾患に重要な派生効果並びに体重管理適用のみならず、皮脂管理適用のために広範かつ重要な用途を有する。
詳細には、記載組成物は、腸細胞内(胃腸管腔内でない)で起こる脂肪の合成を阻害することによって食事性脂肪の吸収及び同化を妨害することができる。記載組成物は、体内の脂肪細胞における脂肪の合成を妨害することもでき、胆汁酸結合樹脂の効果の一部でない観察された潜在的利益である。さらに、記載組成物は、皮膚における皮脂産生と関連する脂肪の合成を妨害することができ、例えば、局所適用の場合に過剰の皮脂産生を減らす効果を有し得る。
食事性脂肪の吸収、同化及び蓄積の阻害は、体重を減らすか又は維持しようとし、かつ高い食事性脂肪摂取が課題である個体の体重減少を促進することができる。局所投与では、皮脂における脂肪産生の阻害が、皮脂産生と関連する皮膚の状態(例えば、過剰な皮脂産生)、例えば皮膚ざ瘡を改善するか又はその管理に役立ち得る。
【0019】
特定実施形態では、組成物は、白ブドウエキスと、ハニーブッシュエキス及びブドウ種子エキスの少なくとも1種とを含んでなる有効量のエキス混合物を含むことができる。
特定実施形態では、ハニーブッシュエキス及びブドウ種子エキスの少なくとも1種は、全ブドウエキスに関して、ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ1(DGAT1)を相乗的に阻害する量で存在する。
特定実施形態では、エキス混合物は、組成物の約0.5質量パーセント(wt%)〜約90wt%を構成する。特定の他の実施形態では、エキス混合物は、組成物の約0.5質量パーセント(wt%)〜約75wt%を構成する。特定の他の実施形態では、エキス混合物は、組成物の約0.5質量パーセント(wt%)〜約50wt%を構成する。
特定実施形態では、組成物は、少なくとも約5%、或いは少なくとも10%、或いは少なくとも約15%、或いは少なくとも約20%、或いは少なくとも25%、或いは少なくとも30%、或いは少なくとも40%、或いは少なくとも45%、或いは少なくとも50%、或いは少なくとも55%、或いは少なくとも60%、或いは少なくとも65%、或いは少なくとも70%、或いは少なくとも75%のエキス混合物を含む。一部の実施形態では、エキス混合物は、組成物の約75%まで、或いは、約50%まで、或いは約55%まで、或いは、約40%まで、或いは、約30%まで、或いは約25%までの量で存在する。
【0020】
適切な全ブドウエキス源は、Cyvex Nutrition Irvine CA, 92614から得た。全ブドウエキスは、果肉、皮及び種子を水及びエタノールで抽出して、8000:1の未使用全ブドウ対全ブドウエキス比の収率を生じさせることによって調製可能である。
一実施形態では、全ブドウエキスは下記活性成分を含有する:プロアントシアニジン、オリゴマープロアントシアニジン、ポリフェノール、没食子酸、trans-レスベラトロール、及びスチルベノイド。全ブドウエキスは、さらに追加成分、例えばプロシアニジン、カテキン、カテキン代謝物、アントシアニジン、及びエピカテキン等を含むことがある。
全ブドウエキス中のポリフェノールの量は、例えば、10%〜90%、さらに好ましくは例えば、50%〜98%まで変動し得る。
全ブドウエキス中のスチルベノイドの量は、例えば、0.01%〜1%、さらに好ましくは例えば、0.01%〜0.1%まで変動し得る。
全ブドウエキス中のオリゴマープロアントシアニジンの量は、例えば、10%〜90%、さらに好ましくは例えば、50%〜90%まで変動し得る。
好ましくは、かつ有利には、全ブドウエキスは、本組成物中に存在するエキス混合物の少なくとも約30%、或いは少なくとも約35%、或いは少なくとも約40%、或いは少なくとも約45%、或いは少なくとも約50%、或いは少なくとも約55%、或いは少なくとも約60%、或いは少なくとも約65%、或いは少なくとも約70%、或いは少なくとも約75%、或いは少なくとも約80%、或いは少なくとも約90%、或いは少なくとも約100%を構成する。
【0021】
特定実施形態では、組成物は、全ブドウエキスとハニーブッシュエキスとを含んでなる有効量のエキス混合物を含む。
適切なハニーブッシュエキスは、市販のハニーブッシュティーバッグから抽出法により得た。
ハニーブッシュエキスは、下記活性成分を含む:フラバノン及びキサントン。ハニーブッシュエキスは、さらに追加成分、例えばジヒドロカルコン、フラボン、及びベンゾフェノン等を含み得る。
ハニーブッシュエキス中のマンギフェリンの量は、例えば、0.1%〜10%、さらに好ましくは、例えば、0.5%〜5%まで変動し得る。
ハニーブッシュエキス中のヘスペリジンの量は、例えば、0.1%〜10%、さらに好ましくは0.5%〜5.0%まで変動し得る。
ハニーブッシュエキス中のルテオリンの量は、0.01%〜5.0%、さらに好ましくは、0.1%〜1%まで変動し得る。
好ましくは、全ブドウエキスがエキス混合物の約25%を構成し、ハニーブッシュエキスがエキス混合物の約75%を構成し;さらに好ましくは、全ブドウエキスがエキス混合物の約50%を構成し、ハニーブッシュエキスがエキス混合物の約50%を構成し;さらに好ましくは、全ブドウエキスがエキス混合物の約60%を構成し、ハニーブッシュエキスがエキス混合物の約40%を構成し;さらに好ましくは、全ブドウエキスがエキス混合物の約75%を構成し、ハニーブッシュエキスがエキス混合物の約25%を構成する。
特定実施形態では、全ブドウエキス対ハニーブッシュエキスの比は1:5であり;さらに好ましくは、比は1:4であり;さらに好ましくは、比は1:3であり;さらに好ましくは、比は1:2であり;さらに好ましくは、比は1:1であり;さらに好ましくは、比は2:1であり;さらに好ましくは、比は3:1であり;さらに好ましくは、比は4:1である。
【0022】
特定の他の実施形態では、組成物は、全ブドウエキスとブドウ種子エキスとを含んでなる有効量のエキス混合物を含む。
適切なブドウ種子エキス源は、Polypenolic, Madera, Ca 93637から得た。ブドウ種子を熱水で抽出して30〜50:1のブドウ種子対ブドウ種子エキスを得ることによってブドウ種子エキスを調製する。
ブドウ種子エキスは下記成分を含む:オリゴマーアントシアニジン、プロアントシアニジン、ポリフェノール、及び没食子酸。ブドウ種子エキスは、さらに追加成分、例えばプロシアニジン、カテキン、カテキン代謝物及び異性体、プロトカテク酸、エピカテキン、エピカテキン代謝物及び異性体、並びにグルコガリン等を含み得る。
ブドウ種子エキス中のポリフェノールの量は、例えば、10%〜98%、さらに好ましくは、例えば、50%〜98%まで変動し得る。
ブドウ種子エキス中の没食子酸の量は、例えば、1%〜50%、さらに好ましくは、例えば、5%〜20%まで変動し得る。
ブドウ種子エキス中のカテキンの量は、例えば、1%〜50%、さらに好ましくは、例えば、5%〜20%まで変動し得る。
好ましくは、全ブドウエキスがエキス混合物の約25%を構成し、ブドウ種子エキスがエキス混合物の約75%を構成し;さらに好ましくは、全ブドウエキスがエキス混合物の約50%を構成し、ブドウ種子エキスがエキス混合物の約50%を構成し;さらに好ましくは、全ブドウエキスがエキス混合物の約60%を構成し、ブドウ種子エキスがエキス混合物の約40%を構成し;さらに好ましくは、全ブドウエキスがエキス混合物の約75%を構成し、ブドウ種子エキスがエキス混合物の約25%を構成する。
特定実施形態では、全ブドウエキス対ブドウ種子エキスの比は1:4であり;さらに好ましくは、比は1:3であり;さらに好ましくは、比は1:2であり;さらに好ましくは、比は1:1であり;さらに好ましくは、比は2:1であり;さらに好ましくは、比は3:1であり;さらに好ましくは、比は4:1である。
特定実施形態では、エキス混合物は、全ブドウエキスと、ハニーブッシュエキス及びブドウ種子エキスの両方とを含み、全ブドウエキス対ハニーブッシュエキス対ブドウ種子エキスの比は、1:1:1であり;さらに好ましくは、比は1:1:2であり;さらに好ましくは、比は1:2:2であり;最も好ましくは、比は1:1:2.5である。
【0023】
組成物は、全身(例えば、経口)又は局所投与又は適用のために製剤化可能である。一部の個体では、全身投与と局所投与の組み合わせを利用するのが好ましいことがある。これは、局所及び全身の両トリグリセリド及び脂肪合成を制御することに対する関心に起因し得る。
経口又は局所投与組成物を調製するために、全ブドウエキスと、ハニーブッシュエキス及びブドウ種子エキスの少なくとも1種とを含んでなる有効量のエキス混合物を、医薬的、栄養補助的又は美容的に許容できるビヒクル、アジュバント、担体及び/又は賦形剤(例えば、デンプン、マルトデキストリン、デキストリン、微結晶性セルロース、ケイ化微結晶性セルロース、セルロース)と混合する。医薬的、栄養補助的又は美容的に許容できるビヒクル、アジュバント、担体及び/又は賦形剤は技術上周知であり、例えばHandbook of Pharmaceutical Excipients, 第2版, American Pharmaceutical Association, 1994(参照することによってここに援用する)に記載されている。一部の具体例を以下に提供する。
特定実施形態では、取り扱い易さのためにエキスを溶媒に組み入れてよい。例えば、好ましい実施形態では、全ブドウエキス、ハニーブッシュエキス又はブドウ種子エキスのそれぞれを1,3-ブチレングリコールと水、グリセリン、プロピレングリコール、カルボマー980、セチルアルコール及びベヘニルアルコールの混合物に組み入れる。
【0024】
経口投与組成物
経口投与組成物は食品又は飲料組成物(例えば、健康補助食品、栄養補助食品、又は機能性飲料)、化粧品組成物又は医薬組成物であってよい。
特定実施形態では、経口投与組成物は、追加成分、例えば香料、甘味料、着色料、及び保存料成分並びに栄養補助成分等を含んでよい。
【0025】
a)香料、甘味料、着色料、及び保存料成分
天然及び人工香料、天然及び人工着色料及び/又は食品等級色素を含めた種々の追加成分を経口投与組成物に含めることができる。さらに、当業者には明らかなように、種々の保存料を添加することもできる。
香味剤は、組成物の風味又は香りを向上させるために採用され、天然又は合成であってよい。天然香味剤が好ましい。香味剤は、天然の場合、風味の向上に加えて栄養補助食品の機能を有し得る。香料の非限定例としては、天然又は人工香料があり、チョコレート;バニラ;カラメル;コーヒー;レモン、ライム、オレンジ、ブラックベリー、ラズベリー、ブルーベリー、モモ、アプリコット、サクランボ、ブドウを含めた果実香料;クレーム(creme)、及びその混合物が挙げられる。該香料は購入可能であり、並びに/或いは既知の香料技術を用いて調製及び添加可能である。天然香味剤は、液体濃縮物又は固体エキスの形態であってよい。合成香味剤が使用可能であり、これはエステル、アルコール、アルデヒド及びテルペンによって例示される。
組成物は、甘味料等の添加剤を含有し得る。甘味料を用いて組成物に甘味を与え、天然又は合成甘味料であってよい。天然甘味料が好ましい。天然甘味料の例としては、コーンシロップ、ハチミツ、スクロース、フルクトース、ラクトース、マルトース及び他の糖が挙げられる。
適切な着色料の非限定例としては、エルダーベリー、カラメル化糖製カラメル色素、アナトー、クロロフィリン、コチニール、ベタニン、ターメリック、サフラン、パプリカ、リコピン、パンダン(Pandan)、及びチョウマメが挙げられる。
適切な保存料の非限定例としては、安息香酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、メタ重亜硫酸カリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)、メチルパラベン、クエン酸、アスコルビン酸、リンゴ酸、及びその混合物が挙げられる。
組成物は、個々に又は全体的に、組成物の質量で少なくとも約0.001%の香料、着色料、及び/又は保存料成分、並びにその混合物を含むことができる。或いは、組成物は、個々に又は全体的に、組成物の質量で約0.001%〜約10%、或いは約0.01%〜約5%、或いは約0.01%〜約4%、或いは約0.1%〜約3%のそれぞれ香料、着色料成分、及び/又は保存料成分並びにその混合物を含むことができる。
【0026】
b)栄養補助食品成分
本組成物は、主にエキス混合物の組成物となるよう意図されているが、本発明の実施形態は、限定するものではないが、例えば、ビタミン、ミネラル、ハーブ、植物、植物由来栄養補助食品、動物由来栄養補助食品、治療化合物、及びその混合物等の栄養補助食品を含み得ることが企図されている。
このような他の成分の非限定例としては、カルシウム、カリウム、ビタミンB、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、及びビタミンK、葉酸、他のビタミン並びに当技術分野で一般的に知られ、食事を補助するために使用されているミネラル(例えば、マグネシウム、クロム、コバルト、銅、フッ化物、ゲルマニウム、ヨウ素、鉄、リチウム、マグネシウム、マンガン、モリブデン、リン、カルシウム、セレン、シリコーン、ナトリウム、硫黄、バナジウム、及び亜鉛);エキス及び活性な植物性化学物質、例えばフェルラ酸(リンゴ由来)、ニンジン、イチョウ、βカロテン、カプシノイド、アントシアニジン、バイオフラボノイド、d-リモネン、イソチオシアナート、ニンニク由来システイン、ショウガ、ブドウ、カテキン及び茶由来ポリフェノール、タマネギ、フィトステロール、イソフラボン、リコピン、クルクミン、カフェイン;グルコサミン、コンドロイチン;メラトニン、セラトニン;及びその混合物が挙げられる。
組成物は、組成物の質量で、少なくとも約0.001%の栄養補助食品成分を含むことができる。或いは、組成物は、組成物の質量で、約0.001%〜約25%、或いは約0.01%〜約10%、或いは約0.1%〜約5%の栄養補助食品成分を含むことができる。
【0027】
保存料、乳化剤等の薬剤は、それらの添加の目的を達成できる最少量で用いられる。数値的には、それらの量は、組成物の総質量に基づいて約0.0005質量%〜0.5質量%の範囲である。
特定の実施形態では、医薬組成物は、活性成分に加えて医薬的に許容できるビヒクル又は賦形剤を含み、経口剤形(錠剤、懸濁液、顆粒剤、エマルション、カプセル剤、シロップ剤等)、非経口剤形(無菌注射剤、水性又は油性懸濁液等)に製剤化可能である。医薬的に許容できるビヒクルの例は上述した。ビヒクルは、医薬組成物の製剤に応じて、個々に又は組み合わせて使用可能である。
医薬組成物には適切な賦形剤を利用してもよい。例えば、医薬組成物を水性懸濁液に製剤化するのに適した賦形剤は、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、又はポリビニルピロリドン等の懸濁剤又は分散剤であり得る。医薬組成物を注射剤に製剤化するときには、賦形剤としてリンゲル液、又は等張食塩水を使用し得る。
医薬組成物を投与するために、経口経路又は非経口経路、例えば局所経路を取り得る。
【0028】
食品又は医薬経口投与組成物は任意の適切な摂取可能形態に形成可能である。組成物の形態の非限定例としては、ソフトチュー(chew)、ハードチュー、咀嚼錠、栄養バー、ロゼンジ剤、散剤、顆粒剤、クラスター、ソフトゲル、半固体タフィー様チュー、チューインガム、飲み込める錠剤、飲み込めるカプセル剤、飲み込めるカプレット剤、個別単位用量、ユーザー投与可能形態(user-dosable form)、及びその混合形が挙げられる。例えば、単位用量は単一のソフトチューであってよく、或いはユーザーがカットするか又は割って単位用量にする棒等の分割可能形態であってよい。
「ソフトチュー」は、室温で固体であり、噛むために軟らかい製品を意味するように意図され、該製品は口腔内での咀嚼過程中にいくらかのプラスチックの質感を有するので、機能的に噛んで味わうものである。
特定実施形態では、組成物は非結合水又は付加水が無い。用語「非結合水」は、組成物中で用いられる成分の一部として存在しない水を指す。対照的に、「結合水」は、成分の一部として存在する水、例えば、果汁濃縮物の一部として存在し得る水を指す。
特定実施形態では、経口投与組成物は、シロップ、食品(例えば、食品バー、ビスケット、スナック食品及び技術上周知の他の標準的食品形態)又は飲み物若しくは飲料の形態であってよい。飲み物は、上述したように、香料、緩衝液等を含有することができる。
【0029】
3. 服用量
食品又は医薬組成物の1日用量は、例えば、0.25〜2.0g/日であってよい。
1日に単一用量又は複数用量投与してよい。
医薬組成物の用量は、投与経路、患者の年齢、性別及び体重、並びに病気の重症度を含めた種々の因子に応じて変動し得るので、決して範囲を限定するものと解釈してはならない。
同様に、食品又は飲料組成物の用量(例えば量)も、患者の年齢、性別及び体重、並びに病気の重症度を含めた種々の因子に応じて変動し得るので、決して範囲を限定するものと解釈してはならない。
好ましくは、食事性脂肪の摂取直前に消費するように食品又は飲料又は医薬組成物を投与する。或いは、食事性脂肪の摂取より少なくとも15分前;或いは、食事性脂肪の摂取より少なくとも30分前;或いは、食事性脂肪の摂取より少なくとも45分前;或いは、食事性脂肪の摂取より少なくとも1.5時間前;或いは、食事性脂肪の摂取より少なくとも2時間以上前に消費するように食品又は飲料又は医薬組成物を投与する。
【0030】
代替実施形態では、食事性脂肪の摂取直後に消費するように食品又は飲料又は医薬組成物を投与する。或いは、食事性脂肪の摂取の約2時間未満後;或いは、食事性脂肪の摂取の約1.5時間未満後;或いは、食事性脂肪の摂取の約1時間未満後;或いは、食事性脂肪の摂取の約45分未満後;或いは、食事性脂肪の摂取の約30分未満後;或いは、食事性脂肪の摂取の約15分未満後;或いは、食事性脂肪の摂取の約5分未満後に消費するように食品又は飲料又は医薬組成物を投与する。
特定実施形態では、食事性脂肪の摂取と同時に消費するように食品又は飲料又は医薬組成物を投与する。
体重の減少又は望ましくない皮脂産生の減少等の所望効果を達成するのに適した時間かけて消費するように食品又は飲料又は医薬組成物を投与する。
例えば、1日、2日、5日、1週間、2週間、1カ月以上かけて消費するように食品又は飲料又は医薬組成物を投与する。無期限で消費するように食品又は飲料又は医薬組成物を投与してもよい。
【0031】
局所投与組成物
特定実施形態では、組成物は、ハニーブッシュエキス又はブドウ種子エキスのどちらかと組み合わせて全ブドウエキスを含み、該組成物は局所投与用である。
局所投与は、対象の皮脂産生と関連する皮膚の状態又は障害を治療、予防又は管理するのに適し得る。
例えば、一態様によれば、顔、背中又は腕等の患部の皮膚への組成物の局所適用によって皮脂産生速度を抑制することができる。組成物の局所投与は、皮脂産生が過剰であり、少ない皮脂産生が望ましい患部に対してであってよい。
一般的に、局所適用は1日少なくとも1回ベースであり;或いは、局所適用は1日少なくとも2回ベースであり;さらに好ましくは、1日3回以上である。
一般的に、組成物を任意の適切な時間かけて適用してよい。例えば、2〜3分から数分又は2〜3時間から数時間かけて組成物を適用してよい。適用は連続的又は間欠的であってよい。
2〜3日以内で、ユーザーは皮脂産生の改善に気づくことができる。ユーザーは、皮膚の質感及び滑らかさの面からさらなる改善に気づくこともある。
局所適用のための組成物は、溶液、ゲル、ローション、クリーム、軟膏、水中油エマルション、油中水エマルション、又は局所適用のための他の医薬的、栄養補助的若しくは美容的に許容できる形態として製剤化可能である。
【0032】
組成物は、種々の既知かつ通常の美容成分及び医薬品成分を、それらが望ましい皮膚効果に悪影響を与えない限り含有してもよい。例えば、美容的に許容できるビヒクルは、組成物中に存在する他の材料の希釈剤、分散剤又は担体として作用し得るので、組成物を皮膚に適用すると、他の材料の分散を促進することができる。
特定実施形態では、局所組成物は、他の美容的及び医薬的活性剤及び賦形剤を含んでもよい。
水以外のビヒクルとしては、液体若しくは固体皮膚軟化薬、溶媒、湿潤剤、増粘剤及び散剤がある。本明細書で使用する場合、「皮膚軟化薬」は、乾燥の予防又は軽減のためのみならず、皮膚の保護のために用いられる材料を指す。種々多様の適切な皮膚軟化薬が知られており、本明細書で使用可能である。参照することによってここに援用するSagarin, Cosmetics, Science and Technology, 第2版, Vol. 1, pp. 32-43は、適切な材料の多数の例を含有する。
ビヒクルは、プロパン、イソブタン、ジメチルエーテル、二酸化炭素、亜酸化窒素等の噴霧剤;及びエチルアルコール、イソプロパノール、アセトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等の溶媒、或いはチョーク、タルク、フラー土、カオリン、デンプン、ガム、コロイドシリカ、ポリアクリル酸ナトリウム、テトラアルキル及び/又はトリアルキルアリールアンモニウムスメクタイト、化学修飾ケイ酸マグネシウムアルミニウム、有機修飾モンモリロナイト粘土、水和ケイ酸アルミニウム、ヒュームドシリカ、カルボキシビニルポリマー、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、エチレングリコールモノステアラート等の散剤を含んでもよい。
【0033】
局所投与組成物と共に用いる適切な美容的及び医薬的薬剤の例としては、限定するものではないが、抗真菌薬、ビタミン、抗炎症薬、抗菌薬、鎮痛薬、一酸化窒素シンターゼインヒビター、昆虫駆散薬、セルフタンニング剤、界面活性剤、保湿剤、安定剤、保存剤、防腐剤、増粘剤、潤沢剤、湿潤剤、キレート剤、皮膚浸透促進剤、皮膚軟化薬、芳香剤及び着色剤が挙げられる。
組成物は、組成物の使用中の太陽光への過剰な曝露の有害作用から保護するために任意に無機及び有機日焼け止め等の日焼け止めを含むことができる。
必要とされる場合、適切な有機日焼け止めの例としては、参照することによってここに援用する現在のOTCサンスクリーンモノグラフ(OTC Sunscreen Monograph)に提示されているものが挙げられる。従って本発明の組成物は、0.1〜10質量%、好ましくは1〜5質量%の有機日焼け止め材を含むことができる。
組成物は、任意に、無機日焼け止め、例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛(1〜300nmの平均粒径を有する)、酸化鉄(1〜300nmの平均粒径を有する)、シリカ、例えばヒュームドシリカ(1〜100nmの平均粒径を有する)を含むこともできる。シリカを本発明のエマルションンの成分として使用すると、赤外線から保護できることに留意すべきである。
【0034】
2つの形態、すなわち水分散性二酸化チタン及び油分散性二酸化チタンのどちらの形態の超微細二酸化チタンも使用可能である。水分散性二酸化チタンは超微細二酸化チタンであり、その粒子はコーティングされていないか又は粒子に親水性表面特性を与えるための材料でコーティングされている。該材料の例には酸化アルミニウム及びケイ酸アルミニウムがある。油分散性二酸化チタンは超微細二酸化チタンであり、その粒子は疎水性表面特性を示し、このために、ステアリン酸アルミニウム、ラウリン酸アルミニウム若しくはステアリン酸亜鉛等の金属セッケン、又は有機シリコーン化合物でコーティングされ得る。
用語「超微細二酸化チタン」は、100nm未満、好ましくは10〜40nm、最も好ましくは15〜25nmの平均粒径を有する二酸化チタンの粒子を指す。任意に、本発明の組成物に組み込める二酸化チタンの総量は、組成物の1〜25質量%、好ましくは2〜10質量%、理想的には3〜7質量%である。
【0035】
局所適用のための製品は、少なくとも0.01質量%、かつ10質量%までのエキス混合物を含むことができる。選択される濃度範囲としては、約0.01%〜約3%、約0.1%〜約1%、約0.1%〜約3%、約0.1%〜約5%、約0.3%〜約1%、約0.3%〜約3%、約0.3%〜約5%、約0.5%〜約1%、約0.5%〜約3%、及び約0.5%〜約5%が挙げられる。典型的に、0.01%〜1%が、種々の間隔で適用できる有効な濃度範囲である。場合によっては、多少の病的状態又は疾患を治療するために5%までの濃縮で製品を適用することが好ましい。状態又は疾患の重症度のため、10%までの濃度が必要とされる場合もある。
【0036】
用途及び製品
全ブドウエキスは、哺乳類のトリグリセリド(脂肪)合成の最終段階を触媒する酵素、ジアシルグリセロールアセチルトランスフェラーゼ1つまりDGAT1の強力インヒビターと同定された。詳細には、全ブドウエキスは、無細胞及び細胞DGAT1の両アッセイにおいてDGAT1活性の強力インヒビターであると同定された(
図1及び2参照)。メカニズム実証(proof-of-mechanism)ヒト臨床治験で全ブドウエキスを試験すると、全ブドウエキスは下記:(1)空腹時トリグリセリド低減、(2)経口脂肪誘発への反応低下、及び(3)最大トリグリセリド濃度までの時間遅延を含めた特徴的反応インビボDGAT1阻害をもたらした(
図3参照)。
さらに、DGAT1と協力して脂質形成及びその後の脂肪組織形成を阻害できる2つの補完的メカニズムが同定された。2つの標的がペルオキシソーム増殖因子活性化受容体γコアクチベーター1α(PGC1α)及びステロール調節エレメント結合タンパク質1c(SREBP1c)と同定された。ハニーブッシュ及びブドウ種子の植物エキスがそれぞれPGC1αプロモーター活性のアクチベーター(
図4)及びSREBP1cプロモーター活性のインヒビターと同定された(
図4及び5参照)。
【0037】
全ブドウエキスをハニーブッシュエキス又はブドウ種子エキスのどちらかと組み合わせることの相乗効果の可能性を調べるための一連の相乗実験においては、2つのエキスは、細胞DGAT1活性に関して全ブドウエキスに相乗作用をもたらした(
図6及び7参照)。
DGAT1酵素活性に関するこの相乗作用並びにSREBP1cへのさらなる阻害効果及びPGC1αの活性化を考慮すると、本組成物は、体重管理用途に使用可能であり、かつ局所製品、皮脂の制御用途のために使用可能である。
特定実施形態は、DGAT1酵素を調節するため、例えば、DGAT1酵素を阻害するための本発明の使用を包含する。
特定実施形態は、対象における食事性脂肪の吸収及び同化を調節するための本組成物の使用に関する。
他の実施形態は、脂肪組織における脂肪の合成を抑制するための本組成物の使用に関する。
他の実施形態は、皮脂の産生を調節するための本組成物の使用及び皮脂の産生を阻害するための本組成物の使用に関する。
【0038】
特定実施形態は、全ブドウエキスと、ハニーブッシュエキス及びブドウ種子エキスの少なくとも1種とを含む有効量のエキス混合物を含む組成物を含む体重管理製品に関する。この製品は、活性物質として組成物を含む食品又は飲料であってよい。或いは、製品は、活性物質として組成物を含む医薬品であってよい。さらに他の実施形態では、製品は局所投与用に製剤化されていてよい。製品は、美容用途のために製剤化されていてもよい。製剤の具体例、投与方法、型及び服用量については詳細に上述した。
特定の他の実施形態は、対象の体重増加を治療、予防、又は管理する方法に関する。この方法は、全ブドウエキスと、ハニーブッシュエキス及びブドウ種子エキスの少なくとも1種とを含んでなるエキス混合物を、対象の体重増加を効果的に治療、予防、又は管理するのに有効な量含む組成物を対象に投与することを含む。
さらなる実施形態は、対象における脂肪の吸収、運搬、蓄積、産生及び分泌を低減させる方法に関する。この方法は、全ブドウエキスと、ハニーブッシュエキス及びブドウ種子エキスの少なくとも1種とを含んでなるエキス混合物を、対象における脂肪の吸収、運搬、蓄積、産生及び分泌を効果的に低減させるのに有効な量含む組成物を対象に投与することを含む。
さらなる実施形態は、対象の体重減少を促進する方法に関する。この方法は、全ブドウエキスと、ハニーブッシュエキス及びブドウ種子エキスの少なくとも1種とを含んでなるエキス混合物を、対象の体重減少を効果的に促進するのに有効な量含む組成物を対象に投与することを含む。
【0039】
特定の他の実施形態は、対象の体重を
維持する方法に関する。この方法は、全ブドウエキスと、ハニーブッシュエキス及びブドウ種子エキスの少なくとも1種とを含んでなるエキス混合物を、対象の体重を効果的に
維持するのに有効な量含む組成物を対象に投与することを含む。
別の実施形態は、対象の皮脂産生に関連する皮膚の状態又は障害を治療、予防又は管理する方法に関する。この方法は、全ブドウエキスと、ハニーブッシュエキス及びブドウ種子エキスの少なくとも1種とを含んでなるエキス混合物を、対象の皮脂産生に関連する皮膚の状態又は障害を効果的に治療、予防又は管理するのに有効な量含む組成物を対象に投与することを含む。皮脂産生に関連する皮膚の状態又は障害は、過剰な皮脂産生に起因するもの、例えば詰まった毛包及び毛穴、黒色面皰、並びに通常は顔に生じるが、背中、胸、首、腕、及び肩に現れることもある、皮脂産生の結果として生じるざ瘡であり得る。
別の実施形態は、対象のDGAT1を相乗的に阻害する方法に関する。この方法は、全ブドウエキスと、ハニーブッシュエキス及びブドウ種子エキスの少なくとも1種とを含むエキス混合物を、対象のDGAT1を相乗的に阻害するのに有効な量含んでなる組成物を対象に投与することを含む。
【実施例】
【0040】
実施例:
例示するために説明するが、限定と解釈すべきでない下記実施例を通じてより良い理解が得られる。
方法
果肉、皮及び種子を水&エタノールで抽出して8000:1の未使用全ブドウ対全ブドウエキス比の収率を生じさせることによって全ブドウエキスを調製する。
乾燥したハニーブッシュの葉及び茎、Numi Organicティーバッグを83%エタノール/水中で1:10の材料対アルコール比で140°F(60℃)にて2時間絶えず混合しながら抽出した。このスラリーを冷却し、325メッシュスクリーンを通過させ、結果として生じたケークをハンドプレスした。回収された全ての液体エキスを混ぜ合わせ、残留アルコールを蒸発により除去した。液体濃縮物の量の約2倍まで水を加えた。
ブドウ種子の抽出は、ブドウ種子を熱水で30〜50:1のブドウ種子対溶媒比にて抽出することにより行なった。
【0041】
実施例1:DGAT1の強力インヒビターの同定
無細胞DGAT1酵素アッセイでDGAT1酵素活性を阻害する特性について200より多くの植物エキスを評価した。細胞DGAT1アッセイモデルシステムでも植物エキスを評価した。
DGAT1酵素アッセイプロトコル:
ヒト腸細胞由来のミクロソームをDGAT1酵素源として用いた。
ジオレオイルグリセロール(DG)及びパルミトレオイル補酵素A(PCoA)がDGAT1の基質だった。基質(DG(300uM)+PCoA(75uM))を1.5mLの管内で植物エキス、ビヒクルは又はポジティブコントロール(A922500)と混合した。ミクロソーム(22.5ug/mL)を加え、37℃の水浴内で1時間ボルテックス及びインキュベートした。1時間後に、ジオレオイル-パルミトリルグリセロール(DGAT1酵素反応から生じたTG生成物)及びトリオエロイルグリセロール(内部標準)をイソプロピルアルコール/塩化メチレン/ギ酸で抽出した。抽出されたTGを濾過してから液体クロマトグラフィー質量分析計(LCMS)でアセトニトリル/イソプロピルアルコール/塩化メチレン/ギ酸/水酸化アンモニウム移動相を用いて分離及び同定した。ジオレオイル-パルミトリルグリセロールを内部標準に対して定量化した。
【0042】
細胞DGAT1アッセイプロトコル:
293H細胞を12ウェル培養プレートにコンフルエンスに蒔いて一晩付着させた。翌朝に、培地を植物エキスのみを含有する無血清培地及び相乗実験又はコントロール(ビヒクル、A922500)(ポジティブコントロール))用に組み合わせた無血清培地と交換し、30分間インキュベートした(前処理)。前処理後、[14C]グリセロール(1uCi/ml)を含有する0.3mMオレイン酸/BSAでトリグリセリド(TG)合成を誘発し、37℃、5%CO
2で5時間インキュベートした。ビヒクルで前処理したコントロール細胞は無血清培地+10%脂肪酸フリーBSAを有し、[14C]グリセロールを添加してオレイン酸誘発について制御した。5時間後、培地を除去し、細胞を洗浄し、取り出し、少量のPBSに収集した。
クロロホルム/メタノールを用いて抽出によって薄層クロマトグラフィー(TLC)用のサンプルを調製し、一定分量の最終有機相を完全に乾燥させる前に有機層を洗浄した。TG、1,2-及び1,3-DAG、並びにMAG標準物質を含有する少量のクロロホルムで液体を可溶化し、トルエン/クロロホルム/メタノール移動相を用いてTLCにより分離した。ヨウ素蒸気及び標準物質との比較によって液体種を同定した。TGに組み込まれた放射能は、MicroBeta TriLuxで取得及びカンウトすることによって決定した。
全ブドウエキスは、無細胞及び細胞DGAT1アッセイの両方でDGAT1活性の強力インヒビターと同定された(
図1&2参照)。
詳細には、
図1は、無細胞アッセイでDGAT1酵素阻害に関する全ブドウエキスの用量反応及びEC50値(3.053μg/mL)を示す。
図2は、細胞DGAT1阻害に関する全ブドウエキスの用量反応及びEC50値(46.57μg/mL)を示す。
【0043】
実施例2:メカニズム実証ヒト臨床治験
ヒトのメカニズム実証(POM)臨床治験デザイン:
臨床治験は、1日2グラムの全ブドウエキス又はプラセボを7日間受けるようにラダム化した37名の健康な過体重/肥満(25〜35kg/m
2のBMI)男性及び女性の2群並行、二重盲検であった。全ブドウエキス又はプラセボによる処置の7日前及び7日後に、研究対象は、標準化トリグルセリド負荷(84%の脂肪、12%の炭水化物、4%のタンパク質)を含有する食事誘発(meal challenge)を消費した。食事誘発の前及び直後、6時間間隔にわたって血液サンプルを採取し、血清トリグリセリドレベルについて評価した。これはDGAT1活性の検証された尺度である(Pharmacological inhibition to examine the role of DGAT1 in dietary lipid absorption in rodents and humans. Benjamin S. Maciejewski et al., American Journal of Physiology - Gastrointestinal and Liver Physiology 2013 Vol. 304: G958-G969 DOI: 10.1152/ajpgi.00384.2012)。
メカニズム実証ヒト臨床治験で全ブドウエキスを試験すると、全ブドウエキスは、下記:(1)空腹時トリグリセリドの低減、(2)経口脂肪誘発への反応低下、及び(3)最大トリグリセリド濃度までの時間遅延を含めたインビボDGAT1阻害の特徴的反応をもたらした(
図3A〜3C参照)。
詳細には、
図3Aに示すように、7日のプラセボ処理は、インビボでDGAT1活性を調べるための検証された方法である経口脂肪誘発への血清トリグリセリド反応に影響を与えなかった。
図3Bに示すように、2グラムの全ブドウエキスによる処理は、研究開始前のトリグリセリド反応に比べて処理期間(7日)の終局でのトリグリセリド反応に有意なパーセント低下を示した。
同様に、
図3Cに示すように、全ブドウエキスによる7日の処理は、プラセボに比べてトリグリセリド反応の有意なデルタ減少をもたらした。
【0044】
表1. 平均及び標準偏差、デルタトリグリセリド(TG)
【0045】
実施例3:PGC1αプロモーター活性へのハニーブッシュエキスの効果及びSREBP1cプロモーター活性へのブドウ種子エキスの効果
次に、DGAT1と協力して脂質形成及びその後の脂肪組織形成を阻害できる2つの補完的メカニズムを同定した。
2つの標的は、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体γコアクチベーター1α(PGC1α)及びステロール調節エレメント結合タンパク質1c(SREBP1c)であった。
A. PGC1αプロモーター活性
全長ヒトPGC1αプロモーターの制御下でCHO細胞株にルシフェラーゼ受容体ベクター(pGL4.27)を安定的にトランスフェクトした。安定細胞を96ウェルプレート内で18時間成長させてエキスで処理した。18時間のインキュベーション後、細胞から培地を除去し、細胞を200ulのPBS(リン酸緩衝食塩水)で1回洗浄した。次にウェル毎に20μlの不活性溶解緩衝液(passive lysis buffer)を添加し、室温でインキュベートして細胞を溶解させた。この後に、100ulのルシフェラーゼ基質緩衝液を添加し、プレートリーダーで発光を解読した。
PGC1αプロモーター活性を活性化する植物エキス(ハニーブッシュ)を同定した(
図4)。
詳細には、
図4は、ハニーブッシュエキスによる細胞PGC1αプロモーター活性の用量反応活性化を示す。
【0046】
B. SREBP1cプロモーター活性
全長ヒトSREBP1cプロモーターの制御下でHEPG2細胞株にルシフェラーゼ受容体ベクター(pGL4.27)を安定的にトランスフェクトした。安定細胞を96ウェルプレート内で18時間成長させてエキスで処理した。18時間のインキュベーション後、細胞から培地を除去し、細胞を200ulのPBS(リン酸緩衝食塩水)で1回洗浄した。次にウェル毎に20μlの不活性溶解緩衝液を添加し、室温でインキュベートして細胞を溶解させた。この後に、100ulのルシフェラーゼ基質緩衝液を添加し、プレートリーダーで発光を解読した。
SREBP1cプロモーター活性を阻害する植物エキス(ブドウ種子)を同定した(
図5)。
詳細には、
図5は、ブドウ種子エキスによるSREBP1cプロモーター活性の用量反応阻害を示す。
【0047】
実施例4:ブドウ種子エキスとの相乗作用
全ブドウエキスをブドウ種子エキスと組み合わせることの相乗効果の可能性を調べた。
20μg/mL用量のブドウエキス、種々用量(20μg/mL、30μg/mL及び40μg/mL)のブドウ種子エキス並びに種々用量のブドウ種子と組み合わせた低用量の全ブドウエキス(20μg/mL)を試験して、細胞のトリグリセリド形成に及ぼす効果を決定した(
図6A〜6C;データは未処理コントロール細胞のパーセントとして表してある)。
図6A〜6Cに示すように、20μg/mL用量の全ブドウエキスと組み合わせて試験した全ての用量のブドウ種子エキスで著しい相乗反応が明白であった。
図6Aに示すように、最低用量のブドウ種子エキス(20μg/mL)と組み合わせた20μg/mL用量の全ブドウエキスは、コントロール、全ブドウエキスのみ、及びブドウ種子エキスのみと比べて細胞のトリグリセリド形成の著しい低減をもたらした。結果を「予測」相加効果(すなわち、ブドウ種子エキスのみの効果と組み合わせた全ブドウエキスのみの効果)と比較すると、当該用量で最大の相乗作用、すなわち55%低減が見られた(
図6A)。
図6Bに示すように、30μg/mLのブドウ種子エキスと組み合わせた全ブドウエキスは、この組み合わせの予測結果に比べて細胞のトリグリセリド形成の48%低減をもたらした。
図6Cに示すように、40μg/mLのブドウ種子エキスと組み合わせた全ブドウエキスは、この組み合わせの予測結果に比べて細胞のトリグリセリド形成の34%低減をもたらした。
【0048】
実施例5:ハニーブッシュエキスとの相乗作用
全ブドウエキスをハニーブッシュエキスと組み合わせることの相乗効果の可能性を調べた。
20μg/mL用量の全ブドウエキス、種々用量(10μg/mL、25μg/mL及び50μg/mL)のハニーブッシュエキス並びに種々用量のハニーブッシュと組み合わせた低用量の全ブドウエキス(20μg/mL)を試験して、細胞のトリグリセリド形成に及ぼす効果を決定した(
図7A〜7C;データは未処理コントロール細胞のパーセントとして表してある)。
図7A〜7Cに示すように、20μg/mL用量の全ブドウエキスと組み合わせて試験した高用量のハニーブッシュエキスで著しい相乗反応が明白であった。
図7Aに示すように、10μg/mLのハニーブッシュエキスと組み合わせた全ブドウエキスは、コントロール、全ブドウエキスのみ、ハニーブッシュエキスのみ、及び予測結果と比べて細胞のトリグリセリド形成に関して観察できるほどの効果をもたらさなかった。
図7Bに示すように、25μg/mLのハニーブッシュエキスと組み合わせた全ブドウエキスは、予測結果に比べて細胞のトリグリセリド形成の約5%低減をもたらした。
図7Cに示すように、最高用量のハニーブッシュエキス(50μg/mL)と組み合わせた20μg/mL用量の全ブドウエキスは、コントロール、全ブドウエキスのみ、及びハニーブッシュエキスのみと比べて細胞のトリグリセリド形成の著しい低減をもたらした。結果を「予測」相加効果(すなわち、50μg/mLのハニーブッシュエキスのみの効果と組み合わせた全ブドウエキスのみの効果)と比較すると、当該用量で最大の相乗作用、すなわち約36%の低減が見られた(
図7C)。
【0049】
記載した実験は、全ブドウエキスとハニーブッシュエキス又はブドウ種子エキスのどちらかを含むエキス混合物の、DGAT1酵素の阻害による細胞のトリグリセリド形成に及ぼす相乗効果を確証する。
従って、前述の詳細な説明は、限定ではなく例示とみなすものとし、下記特許請求の範囲が、全ての等価物を含め、本発明の精神及び範囲を規定する意図であるものと理解すべきである。