特許第6573928号(P6573928)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ フレセニウス・メディカル・ケア・ドイチュラント・ゲーエムベーハーの特許一覧

特許6573928外部機能手段、血液回路、血液治療装置および治療装置
<>
  • 特許6573928-外部機能手段、血液回路、血液治療装置および治療装置 図000002
  • 特許6573928-外部機能手段、血液回路、血液治療装置および治療装置 図000003
  • 特許6573928-外部機能手段、血液回路、血液治療装置および治療装置 図000004
  • 特許6573928-外部機能手段、血液回路、血液治療装置および治療装置 図000005
  • 特許6573928-外部機能手段、血液回路、血液治療装置および治療装置 図000006
  • 特許6573928-外部機能手段、血液回路、血液治療装置および治療装置 図000007
  • 特許6573928-外部機能手段、血液回路、血液治療装置および治療装置 図000008
  • 特許6573928-外部機能手段、血液回路、血液治療装置および治療装置 図000009
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6573928
(24)【登録日】2019年8月23日
(45)【発行日】2019年9月11日
(54)【発明の名称】外部機能手段、血液回路、血液治療装置および治療装置
(51)【国際特許分類】
   A61M 1/36 20060101AFI20190902BHJP
【FI】
   A61M1/36 111
【請求項の数】33
【外国語出願】
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2017-51553(P2017-51553)
(22)【出願日】2017年3月16日
(62)【分割の表示】特願2015-109941(P2015-109941)の分割
【原出願日】2010年4月21日
(65)【公開番号】特開2017-140413(P2017-140413A)
(43)【公開日】2017年8月17日
【審査請求日】2017年4月17日
(31)【優先権主張番号】102009018664.6
(32)【優先日】2009年4月23日
(33)【優先権主張国】DE
(31)【優先権主張番号】102009024465.4
(32)【優先日】2009年6月10日
(33)【優先権主張国】DE
(31)【優先権主張番号】61/185,608
(32)【優先日】2009年6月10日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】501276371
【氏名又は名称】フレセニウス・メディカル・ケア・ドイチュラント・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100189913
【弁理士】
【氏名又は名称】鵜飼 健
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(72)【発明者】
【氏名】ブリュクナー, クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】ラウアー, マルティン
(72)【発明者】
【氏名】ヴァイス, マンフレッド
【審査官】 小原 一郎
(56)【参考文献】
【文献】 特表2004−535214(JP,A)
【文献】 特開平08−336590(JP,A)
【文献】 特表2005−528168(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3128724(JP,U)
【文献】 実開昭60−081546(JP,U)
【文献】 米国特許第05591251(US,A)
【文献】 特表2006−516913(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 1/14 − 1/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの空気分離室(1)を備える外部機能手段であって、前記外部機能手段は、血液カセットおよび空気分離器(100)であり、前記空気分離器(100)は、中を流れる流体から空気を分離する体外血液回路用の空気分離器(100)であって、
前記少なくとも1つの空気分離室(1)が、
前記流体を前記空気分離室(1)に流入させ得る少なくとも1つの流入路(9)と、
前記流体を前記空気分離室(1)から流出させる少なくとも1つの流出路(25)と、
少なくとも1つの第1の室断面(QK1)を有し、前記流入路(9)が開口する第1室(3)と、
第2の室断面(QK2)を有し、前記流出路(25)が出ている少なくとも1つの第2室(5)と、
を備え、
前記第1室(3)と前記第2室(5)との間に、前記流体を前記第1室(3)から前記第2室(5)に流入させ得る少なくとも接続開口(7)が設けられ、
前記空気分離器(100)が、前記空気分離室(1)を換気する少なくとも1つの弁手段(21)を備え、
ここにおいて、前記接続開口(7)が、前記空気分離器(100)の使用時に前記第1室(3)および/または前記第2室(5)の中心軸線に対して偏心に配置されている
外部機能手段。
【請求項2】
前記第1室(3)が、当該空気分離器(100)の使用時に前記第2室(5)の上方に配置されている、請求項1に記載の外部機能手段。
【請求項3】
前記弁手段(21)が、前記第1室(3)の上側または上部領域(19)に配置されている、請求項1または2に記載の外部機能手段。
【請求項4】
前記弁手段(21)が、前記空気分離器(100)または前記空気分離室(1)の前記第1室(3)の最高点または最高位置に配置される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の外部機能手段。
【請求項5】
前記第1室(3)の壁は、前記空気分離室(1)内を流れる流体の流動学的に最適化された接触面積に相当するように丸い形状を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の外部機能手段。
【請求項6】
前記空気分離器(100)または前記外部機能手段は、使用時に垂直位置に対して傾斜される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の外部機能手段。
【請求項7】
前記第1室(3)の前記壁は、前記外部機能手段の使用時に前記空気分離器(100)の傾斜に適合する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の外部機能手段。
【請求項8】
前記流入路(9)が、当該空気分離器(100)の下部領域または前記第1室(3)の下部領域(11)に配置されている、請求項1〜7のいずれか一項に記載の外部機能手段。
【請求項9】
前記流体の流入が、前記第1室(3)の少なくとも一側壁(17、27)に対して接線方向に行われる、請求項1〜8のいずれか一項に記載の外部機能手段。
【請求項10】
前記流体の流入が、水平位置に対して0度〜15度の角度で行われる、請求項1〜9のいずれか一項に記載の外部機能手段。
【請求項11】
前記流入路(9)の縦断面が、前記第1室(3)に向かう方向に拡張している、請求項1〜10のいずれか一項に記載の外部機能手段。
【請求項12】
前記流入路(9)の断面のサイズが間断なく増大している、請求項11に記載の外部機能手段。
【請求項13】
前記流入路(9)の縦断面の拡張の角度が0度と15度との間である、請求項11または12に記載の外部機能手段。
【請求項14】
前記接続開口(7)の流れの断面(Q)が、前記第1室(3)の前記室断面(QK1)および/または前記第2室(5)の前記室断面(QK2)より小さい、請求項1〜13のいずれか一項に記載の外部機能手段。
【請求項15】
前記空気分離器(100)が被覆手段(27)を備える、請求項1〜14のいずれか一項に記載の外部機能手段。
【請求項16】
前記被覆手段(27)が蓋である、請求項15に記載の外部機能手段。
【請求項17】
前記被覆手段(27)が膜である、請求項15に記載の外部機能手段。
【請求項18】
前記被覆手段(27)が、前記空気分離室(1)の側壁に設けられるか、前記空気分離室(1)の側壁を形成する、請求項15に記載の外部機能手段。
【請求項19】
前記弁手段(21)が仮想弁として構成されている、請求項1〜18のいずれか一項に記載の外部機能手段。
【請求項20】
当該空気分離器(100)の室内部の条件および/または条件の変化を検出する少なくとも1つの検出手段を備える、請求項1〜19のいずれか一項に記載の外部機能手段。
【請求項21】
前記流出路(25)が、流動中断の場合に、前記流出路(25)の下方に存在する空気が前記第2室(5)および前記第1室(3)を介して当該空気分離器(100)から放出され得るように構成されている、請求項1〜20のいずれか一項に記載の外部機能手段。
【請求項22】
少なくとも1つの溶着された膜を備えた硬質の射出成形品として構成されている、請求項1〜21のいずれか一項に記載の外部機能手段。
【請求項23】
前記空気分離器(100)は、前記空気分離器(100)の内壁および/または外壁の凹部(133)、絞りを備える、請求項1〜22のいずれか一項に記載の外部機能手段。
【請求項24】
前記凹部(133)は、空気分離器(100)の剛性部分の周面の一区間または全周面に存在する、請求項23に記載の外部機能手段。
【請求項25】
前記血液カセット(1000)の使用位置では、前記凹部(133)が水平方向に配置される、請求項23または24に記載の外部機能手段。
【請求項26】
前記凹部(133)は、前記空気分離器(100)の周面および/もしくは一区間の直径または壁の変型に相当するか、それを備える、請求項2325のいずれか一項に記載の外部機能手段。
【請求項27】
前記空気分離器(100)がハウジングを備える、請求項1〜26のいずれか一項に記載の外部機能手段。
【請求項28】
前記空気分離器(100)の前記ハウジングは、第1室と第2室に細分されたベース体を有する、請求項27に記載の外部機能手段。
【請求項29】
前記空気分離器(100)のベース体は、前記外部機能手段の一部として構成される、請求項28に記載の外部機能手段。
【請求項30】
前記空気分離器(100)は、被覆手段(27)を備え、前記被覆手段(27)は、別個の構成要素として構成され、さらに/または、ベース体に留め付けられる、請求項28または29に記載の外部機能手段。
【請求項31】
請求項1〜30のいずれか一項に記載の外部機能手段を備える、血液回路。
【請求項32】
請求項1〜30のいずれか一項に記載の外部機能手段および/または請求項31に記載の少なくとも1つの血液回路を備える、治療装置。
【請求項33】
前記治療装置が、透析、血液透析、血液濾過、血液透析濾過を行う為の透析血液処理装置として構成されている、請求項32に記載の治療装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1に記載の空気分離器に関する。本発明は、さらに、請求項23に記載の外部機能手段、請求項26に記載の血液回路および請求項27に記載の治療装置に関する。
【背景技術】
【0002】
血液が体外で運ばれる際、空気混入または空気泡を発生させる危険性がある。一般的に、例えば、血液が患者に戻される前に、血液から空気を除去または分離することが合理的であるか、むしろ必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この目的に適した空気分離器を提供することが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この目的は、請求項1の特徴を有する空気分離器によって達成される。
【0005】
以下の説明のすべてにおいて、「でもよい、または備える」という表現の用法は、「である、または好ましくは備える」と同義であると理解されるべきである。
【0006】
本発明にかかる空気分離器は、この空気分離器の中を流れる流体から空気を分離するのに適しており、この目的のために少なくとも1つの空気分離室を備える。空気分離器または空気分離室は静脈血液室であってもよい。
【0007】
現在使用されている「空気分離室」という表現は、流体を受け入れることおよび流体の気体成分を分離することの両方に適した室内部を有する室または空間を示す。その受入れは一時的なものであってもよい。
【0008】
本発明の文脈上における「空気」という表現は、通常「気体」を意味する。したがって、空気分離室は、気体分離室であると理解されてもよい。
【0009】
「流体」という表現は、好ましくは、「液体」または液体混合物と理解されるべきであるが、これに限定されない。本発明に従って、他の流体がこの表現に包含されてもよい。流体には、気体成分、特に、空気分離器内で分離される必要がある成分が含まれてもよい。
【0010】
一般に、限定されるものではないが、流体には、医療用液体、例えば血液などの液体、空気などの気体、乳濁液、懸濁液、分散系など、およびこれらの混合物が含まれる。
【0011】
本発明に従って、空気分離室は、流体または流体流れを空気分離室に流入させ得る少なくとも1つの流入路と、流体または流体流れを空気分離室から流出させ得る少なくとも1つの流出路とを備える。
【0012】
現在使用されている「流入路」という表現は、通路、導管などを示す。流入路は、閉じた断面、一部閉じた断面またはその両方を備えてもよい。流入路は、閉じた構造であっても、一部開いた構造であっても、その両方であってもよい。
【0013】
同じことが流出路に当てはまる。
【0014】
本発明の有利な実施形態または展開は、各従属請求項の主題である。
【0015】
本発明の好ましい実施形態では、空気分離室は、第1の室断面を有し、流入路が開口する少なくとも1つの第1室と、第2の室断面を有し、流出路が出る少なくとも1つの第2室とに細分されているか、またはそのような第1室と第2室を備える。
【0016】
現在使用されている「室断面」という表現は、特に、第1室または第2室の各室の長さ方向の断面、すなわち、周囲の寸法を示す。
【0017】
周囲は丸くても、丸くなくてもよい。周囲は閉じていても、開いていてもよい。
【0018】
室の「長さ方向」とは、好ましくは、空気分離器または本発明にかかる空気分離器を備えた治療装置の使用時の水平方向の広がりを意味する。
【0019】
しかしながら、室断面は、第1室または第2室の各室の幅方向に沿う断面を意味することもある。
【0020】
室断面は、室の無作為に選択された断面であってもよい。室断面は、必ずしもそうである必要はないが、各室の最大室断面であってもよい。同様に、室断面は、最小室断面であってもよい。室断面は、第1室または第2室それぞれの特定の位置における断面、例えば、各室の中心点または重心を通る断面であってもよい。室断面は、さらに、水平面、特に空気分離器の使用位置における水平面で決定されてもよい。室断面は、接続開口の開口面または主要広がり面と平行な面で決定されてもよい。
【0021】
第1室と第2室との間に、流体を第1室から第2室に流入させ得る少なくとも1つの接続開口が好ましくは設けられている。室断面は、接続開口を通過する際の流体の主要な流れの方向に垂直であってもよい。
【0022】
現在使用されている「接続開口」という表現は、流体用の開口、連絡路または通路を示す。
【0023】
空気分離室が、接続開口によって第1室と第2室とに細分されてもよい。
【0024】
接続開口が、減少する断面を有してもよい。接続開口(細まり)は、上(第1)室内の回転流を下(第2)室内のほぼ非回転の流れから実質的に分断する。
【0025】
第1室と第2室は、単方向または双方向の流体連通状態である。したがって、流体もしくは流体流れまたはその一部もしくは部分流が、必要ならば、第2室から第1室に流入または還流することができる。
【0026】
空気の分離は、空気分離室の第1室および/または第2室で行うことができる。
【0027】
例えば、空気は第1室の上側で分離することができる。空気は、追加的にまたはその代わりに、第2室で、例えば、第2室の上側、上部領域、流れのニッチなどで分離することができる。
【0028】
現在使用されている「上側」という表現は、本発明にかかる空気分離器の構成要素の方向、配置または位置のさらなる指定、例えば「下側」と同様に、一般的に好ましい態様では、本発明にかかる空気分離器の使用、例えば、治療装置内での使用時における空気分離器の位置または配置に関する。
【0029】
使用時または使用の間、空気分離器は、好ましくは、流体が空気分離器に(必ずしもその室にまででなくてもよい)垂直方向に、好ましくは空気分離室の主要な広がりに対して垂直方向に流入するように配置されている。
【0030】
しかしながら、本発明は、これに限定されず、代替例として、空気分離器がその使用時に水平方向に配置されてもよい。
【0031】
本明細書および特許請求の範囲で使用される「垂直な」および「水平な」という表現は、好ましくは、地球の中心を基準とする。
【0032】
あるいは、使用時、空気分離器は、垂直線または水平線に対して任意の角度または任意の傾きに配置されてもよい。使用時の空気分離器の配置は、添付の図面に示す空気分離器の配置または向きと一致しない場合が多いか、または完全には一致しない。簡単にするため、方向表現(「垂直な」および/または「水平な」)は、以下、図面で表された空気分離器の配置に関するものとする。それに対応して、「地球の中心に対して垂直方向に」という表現を理解するためには、使用時の空気分離器の傾斜に起因するずれがあり得ることが考慮されるべきである。同じことが、特許請求の範囲で選択された表現にも当てはまる。
【0033】
本発明の好ましい実施形態では、第1室が、空気分離器の使用時に第2室の上方に配置されている。そのような配置は、例えば図1に示されている。
【0034】
第1室または第1室によって限定された空間は、この場合、全体が第2室または第2室によって限定された空間の上方にそれぞれ配置されてもよい。しかしながら、本発明には、第2室の大部分の上方に配置される第1室の大部分も含まれる。本発明には、さらに、接続開口に通じる第1室の部分が接続開口と隣接する第2室の部分の上方に配置されることも含まれる。
【0035】
本発明の別の好ましい実施形態では、空気分離器が、空気分離室を換気、すなわち、通常は脱気するのに適した少なくとも1つの弁手段を備える。
【0036】
「弁手段」は、例えば、換気フラップや、エアブリード弁や、圧力リリーフ弁、排気弁、閉止弁などの圧力弁であってもよい。より十分な空気抜きのために、弁手段が、例えばベンチューリノズルなどの吸引手段を備えてもよい。
【0037】
弁手段により、分離された空気を空気分離器の外部に導くことができる。分離された空気は、例えば、大気に放出することができる。
【0038】
弁手段は、第1室の上側または上部領域に配置されてもよい。弁手段は、本発明にかかる空気分離器または空気分離室の第1室の最高点または最高位置に配置されてもよい。
【0039】
空気、特に、第1室の上側または上部領域で分離されたか、そこに集められた空気は、空気分離室から弁手段を介して直接または間接に放出または除去することができる。
【0040】
流体が第1室から接続開口を経て流入した後に第2室で分離された空気および/または第2室に存在する空気は、接続開口を経て第1室に戻すことができる。その空気は、空気分離室から上述の弁手段または必要に応じて追加的に設けられ得る別の弁手段を介して同様に放出することができる。
【0041】
本発明のさらに好ましい実施形態では、流入路が、空気分離器の下部領域または第1室の下部領域に配置されている。
【0042】
流入路または流込みの配置または位置は、第1室内の流体レベルより下方への流体の流入または流込みが、有利には、第1室の低いまたは最小限の充填レベルでも保証されるように選択されてもよい。これにより、流体の空気抜きまたは脱気にさらに貢献することができる。
【0043】
本発明の別の好ましい実施形態では、流体が、第1室の少なくとも一側壁に対して接線状に流入する。
【0044】
第1室の「側壁」または「壁」とは、第1室の側方の限界を示す。第1室は、好ましくは、6つの壁を備え、その1つは本発明にかかる空気分離器の使用時における上側、別の1つは下側と理解される必要がある。残るそれぞれの壁が、現在「側壁」と呼ばれている。
【0045】
第1室の側壁のそれぞれは、残りの側壁の向きとは無関係に、本発明にかかる空気分離器の使用時に垂直方向に配置されてもよい。各側壁は、ほぼ垂直方向に配置されても、完全に垂直方向に配置されてもよい。
【0046】
第1室の壁は、本発明にかかる空気分離器の、例えば外部機能手段内での使用時における、傾斜に適合されてもよい。壁は、例えば、有利には、空気分離室内を流れる流体の流動学的に最適化された接触面積に相当するように、適切に丸い形状を付与されてもよい。最適化は、内部を流れる流体の適切な回転を達成させることに依ってもよい。回転は、空気抜きまたは脱気を促進し、および/または各室内部に存在する流体と空気の混合を防止もしくは妨害するという点で特徴づけることができる。
【0047】
「接線状の」、「接線状の流入」または「接線状の流込み」という表現は、流体の第1室の側壁に対する接線方向の流入または流込みを示す場合がある。
【0048】
流体は、流入口または流入路(図1の左側)を経て第1室に側方から導入することができる。流体は、続いて、第1室の側壁に対して横方向に接線状に広がることができる。
【0049】
横方向の接線状の流入は、空気分離器の室、例えば第1室内に流体のほぼまたは完全に安定した回転流を有する領域を発生させることができる。
【0050】
流体の流入または流込みが、水平位置に対して、添付の図面で表される空気分離器の配置に対して0度から15度の角度で、したがって、例えば、わずかに上向きに行われてもよい。しかしながら、下向きに行われてもよい。
【0051】
本発明において特定される範囲は、この場合および以下において、通常、値のすべてを含む範囲と理解されるべきである。したがって、境界範囲または境界値は、各値の範囲に含まれているものと常に理解されるべきである。指示範囲は、明確にいかなる中間値も含む。
【0052】
別の好ましい実施形態では、流入路の縦断面または横断面が、空気分離室、特に第1室に向かう方向に拡張している。
【0053】
例示の配置を添付の図1に示す。
【0054】
流入路の縦断面または横断面が、間断なくまたは継続的に拡張してもよい。しかしながら、縦断面または横断面は、区間ごとまたは段階ごとに、すなわち、例えば不連続段階で拡張してもよい。
【0055】
本発明の別の好ましい実施形態では、流入路の非拡張部分の縦断面に対する流入路の縦断面の拡張の角度が、流入路の少なくとも1つの長手方向壁(例えば、上部または底部)において0度と15度(含めて)の間であってもよい。流入路の拡張または拡張部分は、ディフューザの形状を有してもよい。
【0056】
別の好ましい実施形態では、接続開口の流れの断面または流体が通過する接続開口の断面が、第1室および/または第2室の室断面より小さい。
【0057】
現在使用されている「流れの断面」という表現は、流体の主要な流れの方向に対してほぼ垂直に延びる接続開口の断面を示す。
【0058】
上記の室断面の定義と同様に、接続開口の流れの断面は、接続開口の、流体流れの方向に対して垂直な最大断面、最小断面または他の断面であってもよい。
【0059】
現在使用されている「より小さい」という表現は、接続開口の流れの断面が、第1室および/または第2室の室断面よりも、すなわち、少なくとも1つの寸法(奥行、幅など)においておよび/または断面積に対してかなり小さいことを意味する。「断面」という表現とその複合語は、ともに面積、間隔または距離をそれぞれ示す場合がある。
【0060】
流れの断面は、例えば、室断面の大きさの半分であってもよい。
【0061】
本発明の別の好ましい実施形態では、接続開口は、空気分離器の使用時に垂直方向に配置されている第1室および/または第2室の中心軸線に対して偏心に配置されている。
【0062】
「垂直方向の中心軸線」という表現は、この場合および以下において、添付の図面に表される外部機能手段の「アップセット」配置を基準とする。このことは、外部機能手段が傾いた、または傾斜した(例えば、15度まで)状態で(例えば、治療装置に)搭載される場合には、もはや当てはまらない。
【0063】
そのような「偏心の」配置とは、例えば、空気分離器と接続開口の両中心軸線および/または第1室と接続開口の両中心軸線および/または第2室と接続開口の両中心軸線が一致していないと言ってもよい。
【0064】
接続開口の偏心の配置はまた、接続開口の中心軸線が、例えば回転対称の第1室および/もしくは第2室ならびに/または回転対称の空気分離器の回転軸線から偏って配置されているものと定義されてもよい。
【0065】
第1室と第2室との間の接続開口の流れの断面が第2室の室断面より小さいとき、第1室から接続開口を経て第2室に流れ込む流体の流れまたは流速を減速させることができる。
【0066】
第2室は、例えば、流体流れの静穏化領域に相当することができる。場合により、そのような静穏化領域では、流体の回転流がほぼ存在しないか、全く存在しない。
【0067】
そのような流体の第1室から接続開口を経た第2室への減速された流入は、有利には、第2室内での空気泡の分離に貢献することができる。
【0068】
例えば、第1室内で流体または流体流れから分離されなかった空気泡を第2室で分離することができる。
【0069】
気泡は、例えば、第2室の上側または上部領域に集まることができる。
【0070】
気泡は、接続開口を経て第1室に還流することができる。空気分離器が使用時に縦向きである場合、気泡は、第2室から第1室に上昇することができる。
【0071】
第1室に還流または上昇したそのような空気は、第1室の上側または上部領域に集まることができる。そのような空気は、空気分離器から弁手段を介して排出することができる。
【0072】
本発明にかかる空気分離器がハウジングを備えてもよい。
【0073】
例えば、空気分離室がハウジングとして構成されてもよい。空気分離室が、第1室と第2室を備えるハウジングから形成されてもよい。
【0074】
現在使用されている「ハウジング」という表現は、特に空気分離室の上側、下側および少なくとも2つの側壁によって形成されたベース体として理解されるべきである。
【0075】
例えば、空気分離器のハウジングは、第1室と第2室に細分されたベース体を有してもよい。
【0076】
本発明の好ましい実施形態では、空気分離器は、被覆手段を備える。
【0077】
現在使用されている「被覆手段」という表現は、ベース体、すなわち、空気分離室または空気分離器の内部または内部空間を保護または被覆する手段を示す。
【0078】
被覆手段は、空気分離器または空気分離室の内部または内部空間を外部に対して閉鎖および/または封止してもよい。被覆手段は、空気分離器の内部を外部に対して流体密封に封止してもよい。必要ならば、被覆手段が、空気分離器の内部を外部に対して気密に封止してもよい。
【0079】
「空気分離器の外部」という表現は、大気であると理解されてもよい。同様に、空気分離器の外側のあらゆる空間、例えば、治療装置または本発明にかかる空気分離器が挿入されている血液カセットなどの外部機能手段の内部または内部空間であると理解されてもよい。
【0080】
被覆手段は、空気分離室の側壁の少なくとも一部分にまたはその上に設けられてもよい。被覆手段は、空気分離室の側壁を形成してもよい。
【0081】
被覆手段は、別個の構成要素として構成されてもよい。被覆手段は、ベース体に留め付けられてもよい。
【0082】
被覆手段は、蓋であってもよい。
【0083】
「蓋」は、不変形および/または相対的に剛性の被覆手段であってもよい。蓋は、例えば、その一辺が空気分離室とまたは空気分離室で留め付けられてもよい。蓋を開いて空気分離室の側壁または空気分離室のベース体から持ち上げることにより、蓋は、空気分離室の内部へのアクセスを可能にすることができる。
【0084】
蓋は、好ましくは、平坦な、すなわち、例えばほぼ平面の形状を有してもよい。蓋は、湾曲した、または起伏のある形状を有してもよい。
【0085】
蓋は、膜であってもよい。
【0086】
蓋以外に、「膜」は、例えば、可撓性もしくはしなやかなおよび/または弾力性のある被覆手段であってもよい。
【0087】
膜は、膜を介した空気分離器内部へのアクセスを可能にしてもよい。
【0088】
膜が空気分離室の側壁に被覆手段として設けられている本発明の好ましい実施形態では、弁手段が、換気用に、例えば仮想弁として構成されてもよい。
【0089】
現在使用されている「仮想弁」という表現は、弁の機能を果たすアクタ(actor)(この場合、例えば、アクタ膜)が達するアクタ面を有する要素を示す。
【0090】
アクタ膜は、力が、例えば圧力として加えられることによって、一方向に移動、拡張、湾曲などが可能である。その移動または拡張の結果、アクタ膜は、封止手段、例えばバーなどの要素に接触したり、その要素から離れたりすることができる。これにより、アクタ膜は、例えば、封止効果を引き起こしたり、高めたり、終わらせたり、低下させたりすることができる。
【0091】
アクタ膜に作用する力が取り除かれると、アクタ膜は、例えば基本位置、例えば非湾曲状態に復帰することができる。
【0092】
そのような仮想弁は、例えば、本発明の出願人によって2009年3月10日に独国特許商標庁に出願され、「Abdichtungseinrichtungzum Abdichten eines Volumens einer medizinischen Behandlungsanordnung gegen einweiteres Volumen sowie Anordnung und Verfahren(医療装置の容積を別の容積に対して封止する封止手段、装置および方法)」の名称を有し、関連する開示が参照により本明細書にすべて組み込まれている特許出願102009012632.5(代理人整理番号FM19A25)に記載されている。
【0093】
本発明の別の好ましい実施形態では、空気分離器は、空気分離器の室内部の条件および/または条件の変化を検出する少なくとも1つの検出手段を備えてもよい。
【0094】
現在使用されている「検出手段」という表現は、値または測定データを検出および/または測定、検知、記録などするのに適した手段を示す。
【0095】
そのような検出手段は、センサやプローブなどであってもよい。
【0096】
空気分離器の室内部の条件および/または条件の変化の検出は、例えば、室内部の条件および/または条件の変化を記述するのに適した少なくとも1つのパラメータまたは少なくとも1つの状態変数を測定することによって行われてもよい。
【0097】
例えば、検出手段は、空気分離室の充填レベル、空気分離室内部の圧力、空気分離室内部の温度などを検出または測定することに用いられてもよい。
【0098】
被覆手段が膜である場合、空気分離器の室内部の条件または条件の変化の検出または測定は、例えば、被覆手段を介して行われてもよい。これにより、有利には、本発明にかかる空気分離器内部の条件または条件の変化の非侵襲的な測定または検出が可能になる。
【0099】
この目的のため、膜が、適切な膜厚、特に十分に薄い膜厚を有してもよい。
【0100】
別の好ましい実施形態では、流出路は、流動中断の場合に、流出路の下方に存在する空気が空気分離器の第2または下室および第1または上室を介して放出され得るように構成されている。
【0101】
空気分離器の一部分もしくは一領域から、第2室の下部領域から、または第2室より下方の領域からの空気または空気泡の排出が、流出路の適切な配置および/または形状によって促進されてもよい。
【0102】
例えば、流出路の縦断面もしくは横断面および/または流出路の曲率が適切に選択されてもよい。
【0103】
流出路の好ましい配置または形状の一例を図1に示す。
【0104】
本発明にかかる空気分離器は、単一部品として製造されてもよい。空気分離器は、外部機能手段の一部として製造されてもよく、必要ならば、挿入用に、または不可分もしくは一体の構成要素として設計されてもよい。例えば、空気分離器が射出成形によって製造されてもよい。
【0105】
本発明の目的は、請求項23に記載の本発明の外部機能手段によっても同様に達成される。本発明にかかる空気分離器の利点のすべては、本発明の外部機能手段の場合にも減少することなく得ることができる。
【0106】
本発明の外部機能手段は、本発明にかかる少なくとも1つの空気分離器を備える。
【0107】
「外部機能手段」は、使い捨ての構成要素や使い捨て品であってもよい。「外部機能手段」は、プラスチック材料からなってもよい。
【0108】
外部機能手段、すなわちその硬質部分が、射出成形、射出吹込み成形、深絞りなどによって製造されてもよい。
【0109】
本発明の外部機能手段は、処理方法に使用されることを対象としてもよい。本発明の意味の範囲内における処理方法には、医療または医療技術的処理方法、および実験技術における処理方法が含まれる。
【0110】
好ましい実施形態では、本発明の外部機能手段が血液カセットとして構成されている。
【0111】
本発明の意味の範囲内における血液カセットは、例えば、本発明の出願人によって2009年4月23日に独国特許商標庁に出願された出願102009018664.6または6月10日に出願された出願102009024468.9であって、それぞれ「ExterneFunktionseinrichtung,Blutbehandlungsvorrichtung zum Aufnehmen einer erfindungsgemassenexternen Funktionseinrichtung,sowie Verfahren(外部機能手段、本発明にかかる外部機能手段を受け入れる血液処理装置および方法)」の名称を有し、その開示が参照により本明細書にすべて組み込まれている出願に記載されている。
【0112】
別の好ましい実施形態では、外部機能手段が、溶着された膜を備えた硬質の射出成形品として構成されている。
【0113】
本発明の目的は、請求項26に記載の本発明の血液回路によっても同様に達成される。本発明にかかる空気分離器の利点のすべては、本発明にかかる血液回路の場合にも減少することなく得ることができる。
【0114】
本発明にかかる血液回路は、本発明にかかる少なくとも1つの空気分離器を備え、および/または本発明にかかる少なくとも1つの外部機能手段に接続されている。
【0115】
現在使用されている「血液回路」という表現は、血液を体外で導くチューブ系を示してもよい。
【0116】
外部機能手段と血液回路の両方は、治療装置内または治療装置上での使用に向けられてもよい。
【0117】
本発明の目的は、請求項27に記載の本発明の治療装置によっても達成される。本発明にかかる空気分離器の利点のすべては、同様に、本発明の治療装置の場合にも減少することなく得ることができる。
【0118】
本発明の治療装置は、本発明にかかる少なくとも1つの空気分離器および/または本発明にかかる少なくとも1つの外部機能手段および/または本発明にかかる少なくとも1つの血液回路を備える。
【0119】
本発明の好ましい実施形態では、空気分離器または外部機能手段が、使用時に垂直位置に対して傾斜してもよい。そのような傾斜時であっても、有利には、流体から除去された空気を換気に適した領域、例えば、対応する室の上側の弁手段の領域に集めることが可能である。これにより、空気抜きが促進され、空気分離器のよりロバストな動作に貢献することができる。
【0120】
そのような「傾斜角度」は、例えば、−15度と+15度の間であってもよく、そこには、各中間値と境界値が含まれる。
【0121】
本発明の好ましい実施形態では、治療装置は、血液透析、血液濾過、血液透析濾過など、透析治療を行うための透析装置などの血液処理装置である。
【0122】
本発明は、現在、体外で流れる血液から空気を分離する装置として記載されている。しかしながら、本発明は、明らかに、これに限定されることを意図しない。いかなる流体、特に液体からのいかなる気体の除去も、本明細書に明記されているものとして本発明に同様に包含される。したがって、本発明の用途は、医療用途または体外血液回路内での利用に限定されない。
【0123】
本空気分離器は、空気分離器内を流れる流体から空気または他の気体を分離または除去するのに適している。これにより、空気分離器は、例えば、有利には、体外で流れる血液中に同伴されるか、浮遊している空気泡を分離するために、体外血液回路内部で利用することができる。これにより、有利には、血液を患者に戻す際に空気泡の患者の血液循環への注入を防止することが可能である。
【0124】
本発明にかかる血液分離室は、最小限の量の分離された空気を、例えば、第1室の上部領域に貯めるように設けられてもよい。弁手段を使用することにより、有利には、空気をいつでも、例えば、空気分離室への流体充填中および/またはすでに流体が充填された空気分離室からほぼ完全に除去することができる。これにより、有利には、体外血液回路の円滑な、および/またはほぼ完全に空気のない動作を保証することができる。これにより、有利には、血液を戻す際に体外血液回路内部に存在する空気を患者に注入する危険性を低下させるか、防止することさえできる。
【0125】
流体流れからの空気の分離は、有利には、本発明にかかる空気分離器を使用することによって最適化することができる。このことは、一方では、空気分離器を流体のほぼまたは完全に安定した回転流を含む領域を有する第1室と流体流れの静穏化領域を有する第2室とに細分することによって、促進することができる。
【0126】
第1室の流体の回転流は、例えば、空気分離室の一側壁または複数の側壁に向かう流体の接線状の流入または流込みによって得ることができる。これにより、有利には、流体が第1室に入る際に空気を分離することができる。
【0127】
第1室の上側での空気の分離は、有利には、流入路を第1室の下部領域に配置することによって促進することができる。これにより、有利には、空気を第1室の上部領域への流入時にすでに集めることができ、直接その室から弁手段を介して除去することができる。
【0128】
第1室の上側での空気の分離は、流入路を空気分離室に向かうにつれて拡張させることによってさらに最適化することができる。この拡張により、有利には、空気泡が浸入流体から室の上部領域まで上昇して、そこに集まるようにして流体の流入量を低減させることができる。
【0129】
特に、接続開口を第1室と第2室との間に偏心に配置することにより、有利には、第1室に生じる流入流体の回転流の渦のコアが第1室の下部領域内および/または下壁もしくは下側で終わることを達成することができる。これにより、有利には、第1室内の流体の渦、渦流または回転流を安定化させることができるとともに、渦のコアから下方への、すなわち、第2室内への空気泡の流れを低減させるか、完全に防止することさえできる。
【0130】
接続開口の流れの断面の形状ならびに/または本発明にかかる流出路の形状および/もしくは配置のために、さらに有利には、流体の浸入時にまだ分離されていなかった空気を第2室および/または第2室の下方から除去することが可能になる。
【0131】
本発明にかかる空気分離器を用いると、それにより、有利には、血液または流体からの空気の効率的な分離を達成することが可能である。
【0132】
本発明にかかる空気分離器のベース体は、血液カセットなどの外部機能手段の一部として構成することができるので、例えば血液処理装置内に傾斜状に搭載された場合でも、空気が対応する室、例えば第1室の上部領域、特に弁手段の領域に確実に集まるようにすることができる。これにより、使用時に傾斜して配置された空気分離器からでさえも、血液のほぼ完全な取り出しを保証することができる。
【0133】
以下、本発明を添付の図面を参照することによって説明する。図面では、同一の参照番号は同様または同一の要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0134】
図1】第1の実施形態にかかる本発明の空気分離器の前面図、すなわち、前方からの図を示す。
図2】第1の実施形態にかかる空気分離器の縦断面図を示す。
図3】平坦な被覆手段を備える、図2の空気分離器の断面図を示す。
図4】湾曲した被覆手段を備える、本発明の空気分離器の考え得る断面図を示す。
図5】前面に被覆手段が設けられた、好ましい実施形態にかかる本発明の機能手段の側面図を示す。
図6】破壊的に切開された後に開かれた被覆手段を有する、図5の外部機能手段を示す。
図7】後面から見た図5および図6の外部機能手段を示す。
図8】本発明にかかる空気分離器のさらなる実施形態を概略的に単純化された図で示す。
【発明を実施するための形態】
【0135】
図1は、本発明にかかる空気分離器の前面図を示す。
【0136】
空気分離器100は、第1室3と第2室5とに細分される空気分離室1を備える。空気分離器100は、この場合、例示的に静脈血液室として構成されている。
【0137】
図1において、第1室3は第2室5の上方に配置されている。この配置は、本発明にかかる空気分離器の通常の用法に対応することができる。そのような配置では、したがって、第1の室3を同意語として上室と呼び、第2室5を下室と呼ぶことができる。
【0138】
第1室3と第2室5との間には、接続開口7が配置されている。接続開口7は、第2室5よりも小さい流れの断面Qを有する。
【0139】
流入路9が、第1室3と流体連通しており、流体の第1室3への流入を可能にしている。
【0140】
図1に示すように、流入路9は、第1室3の下部領域11に設けられている。
【0141】
流入路9は拡張13を備える。拡張13の縦断面は、流入路9の非拡張領域15における縦断面よりも広い部分を有する。
【0142】
使用時、流体は、流入路9を経て第1室3に流入する。図1に例示的に示す配置の場合、流体の第1室3への流入または流込みは、特に図3および図4でも見えるように、側壁17に対して接線状に行われる。
【0143】
流体は、第1室3の上側または上部領域19に向かう方向に流れる。
【0144】
流体に含まれる空気は、第1室3内、特に第1室3の上部領域19で分離され、第1室3から弁手段21を介して除去することができる。
【0145】
流体は、第1室3から接続開口7を経て第2室5に流入する。第2室5の室断面と比較して減少している接続開口7の断面のために、すなわち、第2室5と比較して通路開口の断面が小さいか、直径が小さいか、面積が小さいために、流体が第2室5に入る際に流体の流量が低減されている。
【0146】
流体の第1室3への流入時に分離されなかった空気は、第2室5の上部領域23で分離することができる。その空気は、弁手段21を使って第1室3から除去するために、第1室3を経て第1室3の上部領域19に導かれるか、上昇することができる。
【0147】
第2室5は流出路25に接続されている。
【0148】
流出路25は、好ましくは、第1室3または第2室5において分離されなかった空気が、流動中断の場合に、流出路25を介して第2室5内へ、そしてそこから接続開口7を経て第1室3またはその上部領域19に排出されるように構成されている。その場所から、空気を第1室3外へ除去することができる。
【0149】
図2は、本発明にかかる空気分離器100の側面図を図1に記入された線S1−S1に沿う図1の空気分離器の縦断面の形で示す。
【0150】
図2の説明図では、接続開口7が第1室3と第2室5との間に偏心に配置されていることがよく分かる。また、接続開口7は、第1室3の流れの断面QK1と比較して小さい流れの断面Qを有する。さらに、接続開口7は、第2室の流れの断面QK2と比較して小さい流れの断面を有する。
【0151】
空気分離器100は、片側(図2の左側)に被覆手段27を備える。
【0152】
図3は、本発明にかかる空気分離器100の、図1に線S2−S2として示す空気分離器100の水平線に沿う断面を示す。
【0153】
この断面は、図3に示す説明図を見る者が空気分離器100を上方から見た、すなわち、空気分離器100の上側を見た場合の第1室3の図を示す。
【0154】
図3には、流体の流入路9から第1室3への接線状の流入または流込みが、部分円の形で反時計方向に延びる矢印によって示されている。
【0155】
被覆手段27は平坦な形状を有する。
【0156】
図4も、同様に、本発明にかかる空気分離器100の断面を示す。
【0157】
図3図4の説明は、被覆手段27が図4では湾曲形状を有することを除いて、ほぼ一致する。
【0158】
図5は、本発明にかかる外部機能手段の側面図を示し、外部機能手段には、図5を見る者によって見られる表面に被覆手段27が設けられている。
【0159】
外部機能手段は、この場合、例示的に、室、通路、弁などを有する血液処理カセット1000として構成されている。被覆手段27は、血液処理カセット1000の前面を被覆している。被覆手段27は、例示的に膜として実現されている。
【0160】
血液処理カセット1000は、少なくとも図5に示す前面で、血液処理装置(図5に図示せず)に連結されてもよい。
【0161】
血液処理カセット1000は、本発明にかかる空気分離器100を備える。
【0162】
空気分離器100は、接続開口7によって互いに隔てられた第1室3と第2室5を備える。
【0163】
第1室3は流入路9に接続され、第2室5は流出路25に接続されている。
【0164】
図6は、被覆手段27が血液処理カセット1000の上下端で破壊的に切り開かれて右側に折り開かれている一方、血液処理カセット1000の左側の縁で目に見える状態の図5の血液処理カセット1000を示す。
【0165】
図6は、膜を切り開いた後により詳細に見えるようになった血液処理カセット1000内部の要素を示している。
【0166】
繰返しを避けるため、図5の説明において上述された個々の要素の形状に対して参照がなされる。
【0167】
図7は、血液処理カセット1000を後面から示す。血液処理カセット1000が血液処理装置に連結されているとき、血液処理カセット1000を取り外すための血液処理装置の扉を開く見る者が、この後面を見ることになる。
【0168】
血液処理カセット1000のさらなる詳細に関しては、その血液処理カセットを対象とする上述の名称の出願における詳細な説明に対して参照がなされ、これにより、その内容は本明細書にすべて組み込まれている。
【0169】
図8は、本発明にかかる空気分離器100のさらなる実施形態を概略的に単純化された図で示す。
【0170】
図8から分かるように、本発明にかかる空気分離器100は、本発明にかかる空気分離器100の内壁および/または外壁の凹部133、絞り、傾斜変型、縮小または非対称を備える。図8では、凹部133は、本発明にかかる空気分離器100の右縁でかつ前面に示されている。
【0171】
凹部133は、少なくとも、供給ラインに面する側に存在することができる。
【0172】
凹部133は、静脈室の剛性部分の周面の一区間または全周面に存在することができる。
【0173】
血液カセット1000の使用位置では、凹部133をほぼ水平方向に配置することができる。
【0174】
いくつかの実施形態では、凹部133は、本発明にかかる空気分離器100の周面および/もしくは一区間の直径または壁の変型に相当するか、それを備えることができる。
【0175】
一部の実施形態では、凹部133は第1室3に限定することができる。
【0176】
一部の実施形態では、(血液処理カセット1000の図8における図示または使用時の血液処理カセット1000の配置の図示に関する)水平断面については、凹部133は、本発明にかかる空気分離器100の(凹部133の高さにおける)非円形の直径を意味するか、含むことができる。
【0177】
いくつかの実施形態では、凹部133は、図8の図示と上下方向で比較して本発明にかかる空気分離器100を結果的として非対称の形状にすることができる。
【0178】
本発明にかかる空気分離器の断面全体に沿って部分的または完全に延びることのできる凹部133は、驚くべきことに、結果として、本発明にかかる空気分離器100内部のフロッシングまたは発泡をそれぞれ低減させた。
【0179】
静脈血液室とも呼ぶことができる本発明にかかる空気分離器100の形状の最適化が、必要ならば単針弁の形状を最適化していた可能性もある凹部133によって達成される場合、本発明のいくつかの実施形態では、処理開始前に換気、プライミングまたはすすぎの向上を達成することができる。さらに、本発明にかかる一部の実施形態では、殺菌時の蒸気流の向上を達成することができる。さらに、本発明にかかるいくつかの実施形態では、結果として既知の利点をもたらす、渦巻水の空間または領域の削減を達成することができる。以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
〔1〕
少なくとも1つの空気分離室(1)を備え、中を流れる流体から空気を分離する体外血液回路用の空気分離器(100)であって、前記少なくとも1つの空気分離室(1)が、前記流体を前記空気分離室(1)に流入させ得る少なくとも1つの流入路(9)と、前記流体を前記空気分離室(1)から流出させる少なくとも1つの流出路(25)と、を備える、空気分離器(100)。
〔2〕
前記空気分離室(1)が、少なくとも1つの第1の室断面(QK1)を有し、前記流入路(9)が開口する第1室(3)と、第2の室断面(QK2)を有し、前記流出路(25)が出ている少なくとも1つの第2室(5)と、を備え、前記第1室(3)と前記第2室(5)との間に、前記流体を前記第1室(3)から前記第2室(5)に流入させ得る接続開口(7)が設けられている、〔1〕に記載の空気分離器(100)。
〔3〕
前記第1室(3)が、当該空気分離器(100)の使用時に前記第2室(5)の上方に配置されている、〔1〕または〔2〕に記載の空気分離器(100)。
〔4〕
前記空気分離室(1)を換気する少なくとも1つの弁手段(21)を備える、〔1〕〜〔3〕のいずれか一項に記載の空気分離器(100)。
〔5〕
前記弁手段(21)が、前記第1室(3)の上側または上部領域(19)に配置されている、〔4〕に記載の空気分離器(100)。
〔6〕
前記流入路(9)が、当該空気分離器(100)の下部領域または前記第1室(3)の下部領域(11)に配置されている、〔1〕〜〔5〕のいずれか一項に記載の空気分離器(100)。
〔7〕
前記流体の流入が、前記第1室(3)の少なくとも一側壁(17、27)に対して接線方向に行われる、〔1〕〜〔6〕のいずれか一項に記載の空気分離器(100)。
〔8〕
前記流体の流入が、水平位置に対して0度〜15度の角度で行われる、〔1〕〜〔7〕のいずれか一項に記載の空気分離器(100)。
〔9〕
前記流入路(9)の縦断面が、前記第1室(3)に向かう方向に拡張している、〔1〕〜〔8〕のいずれか一項に記載の空気分離器(100)。
〔10〕
前記流入路(9)の断面のサイズが間断なく増大している、〔9〕に記載の空気分離器(100)。
〔11〕
前記流入路(9)の縦断面の拡張の角度が0度と15度との間である、〔9〕または〔10〕に記載の空気分離器(100)。
〔12〕
前記接続開口(7)の流れの断面(Q)が、前記第1室(3)の前記室断面(QK1)および/または前記第2室(5)の前記室断面(QK2)より小さい、〔1〕〜〔11〕のいずれか一項に記載の空気分離器(100)。
〔13〕
前記接続開口(7)が、当該空気分離器(100)の使用時に前記第1室(3)および/または前記第2室(5)の中心軸線に対して偏心に配置されている、〔1〕〜〔12〕のいずれか一項に記載の空気分離器(100)。
〔14〕
被覆手段(27)を備える、〔1〕〜〔13〕のいずれか一項に記載の空気分離器(100)。
〔15〕
前記被覆手段(27)が蓋である、〔14〕に記載の空気分離器(100)。
〔16〕
前記蓋が平坦な形状を有する、〔15〕に記載の空気分離器(100)。
〔17〕
前記蓋が湾曲形状を有する、〔15〕に記載の空気分離器(100)。
〔18〕
前記被覆手段(27)が膜である、〔14〕に記載の空気分離器(100)。
〔19〕
前記弁手段(21)が仮想弁として構成されている、〔4〕に記載の空気分離器(100)。
〔20〕
当該空気分離器(100)の室内部の条件および/または条件の変化を検出する少なくとも1つの検出手段を備える、〔1〕〜〔19〕のいずれか一項に記載の空気分離器(100)。
〔21〕
前記流出路(25)が、流動中断の場合に、前記流出路(25)の下方に存在する空気が前記第2室(5)および前記第1室(3)を介して当該空気分離器(100)から放出され得るように構成されている、〔1〕〜〔20〕のいずれか一項に記載の空気分離器(100)。
〔22〕
前記流体が血液である、〔1〕〜〔21〕のいずれか一項に記載の空気分離器(100)。
〔23〕
〔1〕〜〔22〕のいずれか一項に記載の少なくとも1つの空気分離器(100)を備える、外部機能手段。
〔24〕
前記外部機能手段が血液カセットである、〔23〕に記載の外部機能手段。
〔25〕
少なくとも1つの溶着された膜を備えた硬質の射出成形品として構成されている、〔23〕または〔24〕に記載の外部機能手段。
〔26〕
〔1〕〜〔22〕のいずれか一項に記載の少なくとも1つの空気分離器(100)、または、〔23〕〜〔25〕のいずれか一項に記載の外部機能手段とを備える、血液回路。
〔27〕
〔1〕〜〔22〕のいずれか一項に記載の少なくとも1つの空気分離器(100)および/または〔23〕〜〔25〕のいずれか一項に記載の少なくとも1つの外部機能手段および/または〔26〕に記載の少なくとも1つの血液回路を備える、治療装置。
〔28〕
前記外部機能手段および/または当該空気分離器(100)が、前記治療装置の使用時に垂直位置に対して傾斜している、〔27〕に記載の治療装置。
〔29〕
前記傾斜が−15度と+15度との間である、〔28〕に記載の治療装置。
〔30〕
前記治療装置が血液処理装置として構成されている、〔27〕〜〔29〕のいずれか一項に記載の治療装置。
【符号の説明】
【0180】
100 空気分離器
1000 血液処理カセット
1 空気分離室
3 第1室
5 第2室
7 接続開口
9 流入路
11 上室の下部領域
13 流入路の拡張
15 流入路の非拡張領域
17 第1室の側壁
19 第1室の上部領域
21 弁手段
23 第2室の上部領域
25 流出路
27 被覆手段
133 凹部
Q 接続開口の流れの断面
QK1 第1室の室断面
QK2 第2室の室断面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8