(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6573943
(24)【登録日】2019年8月23日
(45)【発行日】2019年9月11日
(54)【発明の名称】先細りの炉を有する鋳造システム
(51)【国際特許分類】
B22D 11/041 20060101AFI20190902BHJP
B22D 11/00 20060101ALI20190902BHJP
B22D 11/10 20060101ALI20190902BHJP
B22D 11/11 20060101ALI20190902BHJP
B22D 41/015 20060101ALI20190902BHJP
【FI】
B22D11/041 D
B22D11/00 P
B22D11/10 310F
B22D11/10 310D
B22D11/11 B
B22D41/015
【請求項の数】91
【外国語出願】
【全頁数】35
(21)【出願番号】特願2017-193283(P2017-193283)
(22)【出願日】2017年10月3日
(62)【分割の表示】特願2015-556023(P2015-556023)の分割
【原出願日】2014年1月6日
(65)【公開番号】特開2018-34206(P2018-34206A)
(43)【公開日】2018年3月8日
【審査請求日】2017年10月3日
(31)【優先権主張番号】13/759,370
(32)【優先日】2013年2月5日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】501187033
【氏名又は名称】エイティーアイ・プロパティーズ・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【弁理士】
【氏名又は名称】中西 基晴
(72)【発明者】
【氏名】コープランド,エヴァン・エイチ
(72)【発明者】
【氏名】アーノルド,マシュー・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ミニサンドラム,ラメッシュ・エス
【審査官】
坂本 薫昭
(56)【参考文献】
【文献】
特開平04−131330(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B22D 11/041,11/103,35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鋳造システムと共に使用するための炉であって、
側壁と、
前記側壁によって画定された空洞であって、
第1の端部と、
第2の端部であって、前記空洞が、前記第1の端部から前記第2の端部まで狭まる、第2の端部と、を備える、空洞と、
前記第1の端部における入口であって、前記側壁を通って画定された入口であり、入口容量を画定する、入口と、
前記第2の端部における出口であって、前記側壁を通って画定された出口であり、出口容量を画定する、出口と、を備える、炉。
【請求項2】
前記側壁が、
第1の側壁と、
第2の側壁と、を備え、前記空洞が、前記第1の側壁と前記第2の側壁との間に画定され、前記第1の側壁が、前記第2の側壁に対して角度を成して配向される、請求項1に記載の炉。
【請求項3】
前記空洞内に、前記第1の端部と前記第2の端部との間に狭まった形状を画定する物質のスカルをさらに備える、請求項1に記載の炉。
【請求項4】
前記出口が、第1の出口であり、前記炉が、出口容量を画定する第2の出口を備え、前記第1の出口と前記第2の出口の前記出口容量の合計が、前記入口容量と実質的に一致する、請求項1に記載の炉。
【請求項5】
前記入口が低縁部を備え、前記出口が低縁部を備え、前記出口の前記低縁部が、前記入口の前記低縁部よりも高い、請求項1に記載の炉。
【請求項6】
前記空洞が、前記第1の端部と前記第2の端部との間の流路を画定し、前記空洞が、
前記入口付近の前記流路に対して横方向の第1の断面積と、
前記出口付近の前記流路に対して横方向の第2の断面積と、を備え、前記第1の断面積が前記第2断面積よりも大きい、請求項1に記載の炉。
【請求項7】
前記入口容量が、前記出口容量と実質的に一致する、請求項1に記載の炉。
【請求項8】
前記入口容量が、前記出口容量を超える、請求項1に記載の炉。
【請求項9】
鋳造システムと共に使用するための炉であって、
溶融物質を担持するための担持手段であって、
溶融物質を受容するための受容手段であって、前記受容手段が受容容量を備え、側壁を通って画定された入口をさらに備える、受容手段と、
溶融物質を送達するための送達手段であって、前記送達手段が送達容量を備え、前記送達容量が前記受容容量と実質的に等しく、前記送達手段が前記側壁を通って画定された出口をさらに備える、送達手段と、を備える、担持手段と、
前記受容手段から前記送達手段まで前記担持手段を狭めるための狭小化手段と、を備える、炉。
【請求項10】
前記狭小化手段が、非平行な側壁を備える、請求項9に記載の炉。
【請求項11】
前記狭小化手段が、前記担持手段と一体の物質のスカルを備える、請求項9に記載の炉。
【請求項12】
前記側壁を通る前記入口が入口断面積を画定し、
前記側壁を通る前記出口が出口断面積を画定し、
前記側壁を通って画定された前記入口の前記断面積が、前記側壁を通って画定された前記出口の前記断面積よりも大きい、請求項9に記載の炉。
【請求項13】
前記入口および前記出口のそれぞれが、前記側壁に画定された低縁部を備え、前記入口の前記低縁部が、前記出口の前記低縁部よりも低い、請求項9に記載の炉。
【請求項14】
鋳造システムであって、
側壁を含む炉と、
エネルギー源と、
前記炉内に一体的に形成された物質のスカルと、を備え、物質の前記スカルが、
入口断面積を画定する入口であって、前記側壁を通って画定された入口と、
出口断面積を画定する出口であって、前記側壁を通って画定された出口と、
前記入口と前記出口との間の空洞であって、前記空洞が、前記入口から前記出口に向かって先細りする、空洞と、を備える、鋳造システム。
【請求項15】
前記出口断面積が、前記入口断面積未満である、請求項14に記載の鋳造システム。
【請求項16】
前記スカルが、各々出口断面積を備える複数の出口を備え、前記出口断面積の合計が前記入口断面積と実質的に一致する、請求項14に記載の鋳造システム。
【請求項17】
複数の金型を備え、各出口が前記金型のうちの1つと整列する、請求項16に記載の鋳造システム。
【請求項18】
前記入口および前記出口のそれぞれが、前記側壁に画定された低縁部を備え、前記入口の前記低縁部が、前記出口の前記低縁部よりも低い、請求項14に記載の鋳造システム。
【請求項19】
物質を鋳造するための方法であって、
入口に溶融物質を通して炉内に入れるステップと、
前記炉内の前記溶融物質にエネルギーを選択的に印加して、前記炉内で物質のスカルを形成するステップであって、物質の前記スカルが空洞を画定する、ステップと、
前記炉の出口に前記溶融物質を通すステップであって、前記空洞が、前記入口から前記出口まで先細りする、ステップと、
金型内に前記溶融物質を通すステップと、を含む、方法。
【請求項20】
前記入口が入口容量を備え、前記出口が、前記入口容量に等しいか、またはそれ未満のうちの1つである出口容量を備える、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
鋳造システムと共に使用するための炉であって、
入口断面積を画定する入口と、
出口断面積を画定する出口であって、前記出口断面積が、前記入口断面積未満である、出口と、
前記入口と前記出口との間の空洞であって、前記空洞が、前記入口から前記出口に向かって先細りする、空洞と、を備える、炉。
【請求項22】
第1の側壁と、
第2の側壁と、をさらに備え、前記空洞が、前記第1の側壁と前記第2の側壁との間に画定され、前記第1の側壁が、前記第2の側壁に対して約1度〜約10度の角度を成して配向される、請求項21に記載の炉。
【請求項23】
前記入口および前記出口が、各々低縁部を備え、前記入口の前記低縁部が、前記出口の前記低縁部よりも低い、請求項21に記載の炉。
【請求項24】
第2の出口をさらに備え、前記空洞が、前記入口から前記第2の出口に向かって先細りする、請求項21に記載の炉。
【請求項25】
請求項21に記載の炉と、
前記炉の前記出口と整列する金型と、を備える、鋳造システム。
【請求項26】
前記金型が、底部開放型の金型を備える、請求項25に記載の鋳造システム。
【請求項27】
エネルギー源をさらに備え、前記エネルギー源が、前記炉内で物質にエネルギーを与えるように構造化され、前記物質の一部が、前記炉内で前記空洞を画定する固化したスカルを形成する、請求項25に記載の鋳造システム。
【請求項28】
鋳造システムと共に使用するための炉であって、
入口断面積を画定する入口と、
複数の出口であって、各出口が出口断面積を画定し、各出口断面積が、前記入口断面積未満である、複数の出口と、
前記入口と前記複数の出口との間の空洞であって、前記空洞が、前記入口から前記複数の出口に向かって先細りする、空洞と、を備える、炉。
【請求項29】
前記出口断面積の合計が、前記入口断面積と実質的に一致する、請求項28に記載の炉。
【請求項30】
第1の側壁と、
第2の側壁と、をさらに備え、前記空洞が、前記第1の側壁と前記第2の側壁との間に画定され、前記第1の側壁が、前記第2の側壁に対して約1度〜約10度の角度を成して配向される、請求項28に記載の炉。
【請求項31】
前記複数の出口が、第1の出口および第2の出口を備え、前記第1の出口が、前記第1の側壁を通って延在し、前記第2の出口が、前記第2の側壁を通って延在する、請求項30に記載の炉。
【請求項32】
前記第1の出口が、第1の出口断面積を画定し、前記第2の出口が、第2の出口断面積を画定し、前記第2の出口断面積が、前記第1の出口断面積と実質的に一致する、請求項31に記載の炉。
【請求項33】
請求項28に記載の炉と、
複数の金型であって、各金型が前記出口のうちの1つと整列する、金型と、を備える、鋳造システム。
【請求項34】
エネルギー源をさらに備え、前記エネルギー源が、前記炉内で物質にエネルギーを与えるように構造化され、前記物質の一部が、前記炉内で前記空洞を画定する固化したスカルを形成する、請求項33に記載の鋳造システム。
【請求項35】
鋳造システムであって、
炉と、
エネルギー源と、
前記炉内に形成された物質のスカルと、を備え、物質の前記スカルが、
入口断面積を画定する入口と、
出口断面積を画定する出口と、
前記入口と前記出口との間の空洞であって、前記空洞が、前記入口から前記出口に向かって先細りする、空洞と、を備える、鋳造システム。
【請求項36】
前記出口断面積が、前記入口断面積未満である、請求項35に記載の鋳造システム。
【請求項37】
前記スカルが、各々出口断面積を備える複数の出口を備え、前記出口断面積の合計が前記入口断面積と実質的に一致する、請求項35に記載の鋳造システム。
【請求項38】
物質を鋳造するための方法であって、
炉の入口に溶融物質を通すステップであって、前記入口が入口容量を備える、ステップと、
前記炉の先細りした空洞に前記溶融物質を通すステップと、
前記炉の複数の出口に前記溶融物質を通すステップであって、各出口が出口容量を備え、前記出口容量の合計が前記入口容量と実質的に一致し、前記先細りした空洞が前記入口から前記複数の出口まで狭まる、ステップと、
複数の金型内に前記溶融物質を通すステップと、を含む、方法。
【請求項39】
前記方法が、連続鋳造法である、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記炉に向かってエネルギーを指向して、中に先細りした物質のスカルを形成するステップをさらに含む、請求項38に記載の方法。
【請求項41】
前記入口が、前記炉内の側壁を通って画定される、請求項38に記載の方法。
【請求項42】
前記複数の出口が、前記炉内の側壁を通って画定される、請求項38に記載の方法。
【請求項43】
物質を鋳造するための方法であって、
炉の入口に溶融物質を通すステップであって、前記入口が入口容量を備える、ステップと、
前記炉の先細りした空洞に前記溶融物質を通すステップと、
前記炉の出口に前記溶融物質を通すステップであって、前記出口が出口容量を備え、前記出口容量が前記入口容量未満であり、前記先細りした空洞が前記入口から前記出口まで均一に狭まる、ステップと、
金型内に前記溶融物質を通すステップと、を含む、方法。
【請求項44】
前記方法が、連続鋳造法を含む、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記炉に向かってエネルギーを指向して、中に先細りした物質のスカルを形成するステップをさらに含む、請求項43に記載の方法。
【請求項46】
前記入口が、前記炉内の側壁を通って画定される、請求項43に記載の方法。
【請求項47】
前記出口が、前記炉内の側壁を通って画定される、請求項43に記載の方法。
【請求項48】
物質を鋳造するための方法であって、
炉の入口に溶融物質を通すステップであって、前記入口が入口断面積を備える、ステップと、
前記炉の空洞に前記溶融物質を通すステップと、
前記炉の出口に前記溶融物質を通すステップであって、前記出口が出口断面積を備え、前記出口断面積が前記入口断面積未満であり、前記空洞が、前記入口から前記出口に向かって先細りする、ステップと、
金型内に前記溶融物質を通すステップと、を含む、方法。
【請求項49】
出発物質にエネルギーを印加して、前記溶融物質を形成するステップをさらに含む、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記方法が、連続鋳造法を含む、請求項48に記載の方法。
【請求項51】
物質を鋳造するための方法であって、
炉の入口に溶融物質を通すステップであって、前記入口が入口断面積を備える、ステップと、
前記炉の空洞に前記溶融物質を通すステップと、
前記炉の出口に前記溶融物質を通すステップであって、前記出口が出口断面積を備え、前記入口断面積が前記出口断面積と実質的に一致し、前記空洞が、前記入口から前記出口に向かって先細りする、ステップと、を含む、方法。
【請求項52】
前記方法が、連続鋳造法を含む、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
物質を鋳造するための方法であって、
炉の入口に溶融物質を通すステップと、
前記炉の空洞に前記溶融物質を通すステップと、
前記炉の出口に前記溶融物質を通すステップであって、前記空洞が、前記入口から前記出口に向かって均一に先細りする、ステップと、を備える、方法。
【請求項54】
前記方法が、連続鋳造法を含む、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記入口が入口容量を備え、前記出口が出口容量を備え、前記入口容量が前記出口容量に実質的に等しい、請求項53に記載の方法。
【請求項56】
前記炉が、複数の出口を備える、請求項53に記載の方法。
【請求項57】
前記炉が、複数の入口を備える、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
鋳造システムであって、
炉であって、
入口断面積を画定する入口と、
複数の出口であって、各出口が出口断面積を画定する、複数の出口と、
前記入口と前記複数の出口との間の空洞であって、前記空洞が、前記入口から前記複数の出口に向かって先細りする、空洞と、を備える、炉と、
複数の金型であって、1つの金型が前記炉の各出口と整列する、複数の金型と、を備える、鋳造システム。
【請求項59】
前記出口断面積の合計が、前記入口断面積と実質的に一致する、請求項58に記載の鋳造システム。
【請求項60】
前記炉が、
第1の側壁と、
第2の側壁と、を備え、前記空洞が、前記第1の側壁と前記第2の側壁との間に画定され、前記第1の側壁が、前記第2の側壁と平行ではない、請求項58に記載の鋳造システム。
【請求項61】
前記複数の出口が、第1の出口および第2の出口を備え、前記第1の出口が、前記第1の側壁を通って延在し、前記第2の出口が、前記第2の側壁を通って延在する、請求項60に記載の鋳造システム。
【請求項62】
前記第1の出口が、第1の出口断面積を画定し、前記第2の出口が、第2の出口断面積を画定し、前記第2の出口断面積が、前記第1の出口断面積と実質的に一致する、請求項61に記載の鋳造システム。
【請求項63】
前記金型が、底部開放型の金型である、請求項58に記載の鋳造システム。
【請求項64】
エネルギー源を備え、前記エネルギー源が、前記炉内で物質にエネルギーを与えるように構造化され、前記物質の一部が、前記炉内で前記空洞を画定する固化したスカルを形成する、請求項58に記載の鋳造システム。
【請求項65】
各出口が、注入リップを備え、各注入リップが、前記鋳造システムの金型と整列する、請求項58に記載の鋳造システム。
【請求項66】
鋳造システムと共に使用するための炉であって、
空洞であって、
第1の端部と、
第2の端部であって、前記空洞が、前記第1の端部と前記第2の端部との間で狭まる、第2の端部と、を備える、空洞と、
前記第1の端部における入口であって、前記入口が入口容量を画定する、入口と、
前記第2の端部における出口であって、前記出口が出口容量を画定する、出口と、を備える、炉。
【請求項67】
第1の側壁と、
第2の側壁と、を備え、前記空洞が、前記第1の側壁と前記第2の側壁との間に画定され、前記第1の側壁が、前記第2の側壁に対して角度を成して配向される、請求項66に記載の炉。
【請求項68】
前記空洞が、物質のスカルを備え、物質の前記スカルが、前記第1の端部と前記第2の端部との間に狭まった形状を画定する、請求項66に記載の炉。
【請求項69】
前記出口が、第1の出口であり、前記炉が、出口容量を画定する第2の出口を備え、前記第1の出口と前記第2の出口の前記出口容量の合計が、前記入口容量と実質的に一致する、請求項66に記載の炉。
【請求項70】
前記入口が低縁部を備え、前記出口が低縁部を備え、前記出口の前記低縁部が、前記入口の前記低縁部よりも高い、請求項66に記載の炉。
【請求項71】
鋳造システムであって、
炉であって、
入口断面積を画定する入口と、
複数の出口であって、各出口が、前記入口断面積未満の出口断面積を画定する、複数の出口と、
前記入口と前記複数の出口との間の空洞であって、前記空洞が、前記入口から前記出口まで継続的に縮小される空洞断面積を画定する、空洞と、を備える、炉と、
複数の金型であって、1つの金型が前記炉の各出口と整列する、複数の金型と、を備える、鋳造システム。
【請求項72】
前記出口断面積の合計が、前記入口断面積と実質的に一致する、請求項71に記載の鋳造システム。
【請求項73】
前記炉が、
第1の壁と、
第2の壁と、を備え、前記空洞が、前記第1の壁と前記第2の壁との間に少なくとも部分的に画定され、前記第1の壁が、前記第2の壁と平行ではない、請求項71に記載の鋳造システム。
【請求項74】
前記複数の出口が、第1の出口および第2の出口を備え、前記第1の出口が、前記第1の壁を通って延在し、前記第2の出口が、前記第2の壁を通って延在する、請求項73に記載の鋳造システム。
【請求項75】
前記第1の出口が、第1の出口断面積を画定し、前記第2の出口が、第2の出口断面積を画定し、前記第2の出口断面積が、前記第1の出口断面積と実質的に一致する、請求項74に記載の鋳造システム。
【請求項76】
前記金型が、底部開放型の金型である、請求項71に記載の鋳造システム。
【請求項77】
エネルギー源を備え、前記エネルギー源が、前記炉内で物質にエネルギーを与えるように構造化され、前記物質の一部が、前記炉内で前記空洞を少なくとも部分的に画定する固化したスカルを形成する、請求項71に記載の鋳造システム。
【請求項78】
各出口が、注入リップを備え、各注入リップが、前記鋳造システムの金型と整列する、請求項71に記載の鋳造システム。
【請求項79】
前記入口が入口低縁部を備え、前記出口が出口低縁部を備え、前記出口低縁部が、前記入口低縁部よりも高い、請求項71に記載の鋳造システム。
【請求項80】
鋳造システムと共に使用するための炉であって、
空洞であって、
第1の端部と、
第2の端部であって、前記空洞が、前記第1の端部から前記第2の端部まで継続的に縮小される空洞断面積を画定する、第2の端部と、を備える、空洞と、
前記第1の端部における入口であって、前記入口が入口容量を画定する、入口と、
前記第2の端部における出口であって、前記出口が出口容量を画定する、出口と、を備える、炉。
【請求項81】
第1の壁と、
第2の壁と、を備え、前記空洞が、前記第1の壁と前記第2の壁との間に画定され、前記第1の壁が、前記第2の壁に対して角度を成して配向される、請求項80に記載の炉。
【請求項82】
前記空洞が、物質のスカルを備え、物質の前記スカルが、前記第1の端部と前記第2の端部との間に傾斜形状を画定する、請求項80に記載の炉。
【請求項83】
前記出口が、第1の出口であり、前記炉が、出口容量を画定する第2の出口を備え、前記第1の出口と前記第2の出口の前記出口容量の合計が、前記入口容量と実質的に一致する、請求項80に記載の炉。
【請求項84】
鋳造システムであって、
エネルギー源と、
炉であって、側壁と、前記炉内に一体的に形成された物質のスカルと、を含む炉と、を備え、物質の前記スカルが、
入口断面積を画定する入口であって、前記側壁を通って画定された入口と、
出口断面積を画定する出口であって、前記側壁を通って画定された出口と、
前記入口と前記出口との間の空洞であって、前記空洞が、前記入口から前記出口に向かって継続的に縮小される空洞断面積を画定する、空洞と、を備える、鋳造システム。
【請求項85】
前記入口が入口断面積を画定し、前記出口が、前記入口断面積未満の出口断面積を画定する、請求項84に記載の鋳造システム。
【請求項86】
前記入口が入口低縁部を備え、前記出口が出口低縁部を備え、前記出口低縁部が、前記入口低縁部よりも高い、請求項84に記載の鋳造システム。
【請求項87】
前記スカルが、複数の出口を備え、前記出口断面積の合計が前記入口断面積と実質的に一致する、請求項84に記載の鋳造システム。
【請求項88】
鋳造システムと共に使用するための装置であって、
側壁を備える炉と、
前記炉内に一体的に形成された物質のスカルと、を備え、物質の前記スカルが、
入口断面積を画定する入口であって、前記側壁を通って画定された入口と、
出口断面積を画定する出口であって、前記側壁を通って画定された出口と、
前記入口と前記出口との間の空洞であって、前記空洞が、前記入口から前記出口に向かって継続的に縮小される空洞断面積を画定する、空洞と、を備える、装置。
【請求項89】
前記入口が入口断面積を画定し、前記出口が、前記入口断面積未満の出口断面積を画定する、請求項88に記載の装置。
【請求項90】
前記入口が入口低縁部を備え、前記出口が出口低縁部を備え、前記出口低縁部が、前記入口低縁部よりも高い、請求項88に記載の装置。
【請求項91】
前記スカルが、複数の出口を備え、前記出口断面積の合計が前記入口断面積と実質的に一致する、請求項88に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は概ね、溶融物質を鋳造するためのシステム、方法、道具、技法、および戦略に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ある種の鋳塊(例えば、チタン合金)およびある種の他の高性能合金の鋳造は、生成中に存在する極端な条件が与えられた、高価でかつ手続き的に難しいものであり得、この物質のこの性質は合金に含まれる。例えば、不活性雰囲気でのプラズマアーク溶融または真空溶融チャンバ内での電子ビーム溶融などの、多くの現在利用可能な低温鋳造システムにおいて、鋳造システムを使用して、所望の合金を生成するために、様々なリサイクルスクラップ、母合金、様々な他の出発物質を溶融して混合し得る。鋳造システムは、高密度および/または低密度の封入物を含有し得る出発物質を利用し、これは、やがて、低品質かつ潜在的に使用できない熱もしくは鋳塊をたらし得る。使用できないとみなされる鋳造物質は、多くの場合、溶かされ、再利用され得るが、このような物質は、典型的には、より低い品質と考えられ、市場での低価格を強いられるであろう。鋳造操作中、生産者は一般的に、鋳型内に溶融物質を指向する前に、溶融物質から封入物を除去することを望む。
【0003】
溶融物質中の封入物を気化させる、分解する、または溶融するために、電子ビーム銃またはプラズマトーチなどの鋳造システムのエネルギー源は、例えば、鋳造システムの炉内で溶融物質の表面にエネルギーを加圧し得る。エネルギー源によって生成されるエネルギーは、封入物を気化させるまたは溶融するのに十分であり得る。しかしながら、鋳造操作の間、動的流路が鋳造システムの炉内に発展し、あまり動的でない領域(すなわち、滞留域またはプール)は、動的流路に隣接して、その周囲に、および/またはその付近に形成され得る。溶融物質は、十分な混合を伴わずに滞留域で静止し得、したがって、動的流路に沿って流れる溶融物質よりもより長い期間、炉内に残る。換言すれば、炉内の溶融物質の滞留時間は、溶融物質が、動的流路に沿って流れるか、または滞留域で静止するかに依存し、それ故、炉内の溶融物質の滞留時間は、一貫性がないものであり得る。さらに、滞留域内の溶融物質は、動的流路内の溶融物質よりも長い期間、エネルギー源によって生成されるエネルギーに供され得る。その結果、炉内でより長い滞留時間を有する溶融物質(すなわち、滞留域に静止する溶融物質)の要素の消耗は、炉内でより短い滞留時間を有する溶融物質(すなわち、動的流路に沿って流れる溶融物質)の要素の消耗を超え得る。炉内の溶融物質が、全体に渡って異なる化学組成物を有する場合には、結果として得られた鋳造合金は、組成的差異を有し得る。
【0004】
さらに、単一の炉から延在する複数の鋳型を利用する鋳造システムにおいて、滞留域の形成は、鋳型への溶融物質の所望の流れを逸らし得る、および/またはそれを変え得る。換言すれば、鋳造速度は、鋳造システムの鋳型の間で様々であり得る。
【0005】
したがって、中の炉内での滞留域の形成により影響されにくい鋳造システムを提供することが有利である。さらに、より組成的に均一な鋳造合金を生成する鋳造システムを提供することが、有利であるだろう。加えて、複数の鋳型に渡り同一または類似の鋳造速度を促進する、鋳造システムを提供することが有利であるだろう。より一般的に、チタン、他の高性能合金、ならびに金属および金属合金に一般的に有用である改良された鋳造システムを提供することが有利であるだろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許出願第13/629,696号
【特許文献2】米国特許出願公開第2012/0255701号
【特許文献3】米国特許第4,961,776号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様は、炉および複数の金型を備え得る鋳造システムの非限定的な実施形態に関する。炉は、入口断面積および複数の出口を画定する入口を備え得、各出口が、出口断面積を画定する。空洞はまた、入口と前複数の出口との間に空洞を備え得、この空洞は、入口から複数の出口に向かって先細りする。金型は、炉の各出口と整列し得る。
【0008】
本開示の別の態様は、鋳造システムと共に使用するための炉の非限定的な実施形態に関し、前記炉が、第1の端部および第2の端部を備える空洞を備え得、空洞が、第1端部と第2の端部との間で狭まる。炉は、第1の端部に入口をさらに備え得、この入口が、入口容量を画定する。炉はまた、第2の端部に出口を備え、この出口が、出口容量を画定する。
【0009】
本開示の別の態様は、鋳造システムと共に使用するための炉の非限定的な実施形態に関し、この炉は、溶融物質を担持するための担持手段を備え得る。担持手段は、溶融物質を受容するための受容手段を備え、受容手段が受容容量を備え得る。さらに、担持手段が、溶融物質を送達するための送達手段を備え得、前記送達手段が送達容量を備え、前記送達容量が前記受容容量と実質的に等しい。炉はまた、受容手段と送達手段との間の担持手段を狭めるための狭小化手段を備える。
【0010】
本開示のさらに別の態様は、鋳造システムの非限定的な実施形態に関し、該鋳造システムは、物質を受容するように構造化された炉と炉内で物質にエネルギーを与えるように構造化されたエネルギー源とを備え得、物質の一部が、炉内で物質のスカルを形成し得る。物質のスカルが、入口断面積を画定する入口と、出口断面積を画定する出口と、入口と出口との間の空洞を備え得、空洞が入口から出口に向かって先細りする。
【0011】
本開示の別の態様は、物質を鋳造するための方法の非限定な実施形態に関する。この方法は、炉の入口に溶融物質を通すことであって、入口が入口容量を備える、通すことと、炉の先細りした空洞に溶融物質を通すことと、炉の複数の出口を介して溶融物質を通すことであって、各出口が出口容量を含み、出口容量の合計が入口容量と実質的に一致する、通すことと、複数の金型内に溶融物質を通すことと、を含み得る。
【0012】
本開示のさらに別の態様は、物質を鋳造するための方法の非限定な実施形態に関する。この方法は、入口に溶融物質を通して炉内に入れることと、炉内で溶融物質にエネルギーを選択的に印加して、炉内で物質のスカルを形成することであって、物質のスカルが空洞を画定する、形成することと、炉の出口に溶融物質を通すことであって、空洞が入口から出口まで先細りする、通すことと、金型内に溶融物質を通すことと、を含み得る。
【0013】
本発明の特徴および利点は、以下の添付の図面を参照してより良く理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本開示のうちの少なくとも1つの非限定な実施形態に従う、鋳造システムの概略図である。
【
図2】本開示のうちの少なくとも1つの非限定的な実施形態に従う、鋳造チャンバの壁が、鋳造チャンバの内部を曝露するように鋳造チャンバから離れるように移動された、
図1に示される鋳造システムの概略図である。
【
図3】本開示のうちの少なくとも1つの非限定的な実施形態に従う、炉および平行金型の斜視図である。
【
図4】本開示のうちの少なくとも1つの非限定的な実施形態に従う、炉の斜視図である。
【
図6】本開示のうちの少なくとも1つの非限定的な実施形態に従う、炉の斜視図である。
【
図8】本開示のうちの少なくとも1つの非限定的な実施形態に従う、炉の斜視図である。
【
図10】本開示のうちの少なくとも1つの非限定的な実施形態に従う、中に配置された物質を有する炉の斜視図である。
【
図13】本開示のうちの少なくとも1つの非限定的な実施形態に従う、中に配置された物質を有する炉の斜視図である。
【
図16】本開示のうちの少なくとも1つの非限定的な実施形態に従う、中に配置された物質を有する炉の斜視図である。
【
図19】本開示のうちの少なくとも1つの非限定的な実施形態に従う、中に配置された物質を有する炉の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下で説明され、かつ添付の図面の一部に示される本開示に従う鋳造システムの次の非限定的な実施形態は、1つ以上の電子ビーム銃を組み込むが、しかしながら、他の溶融電源が、物質加熱デバイスとして鋳造システムで使用され得るであろうことが理解されるであろう。例えば、本開示はまた、生成されたプラズマを有する物質に接触することにより、鋳造システム内でエネルギーのプラズマを生成し、金属物質を加熱する1つ以上のプラズマ発生デバイスを用いた鋳造システムを企図する。
【0016】
真空溶融チャンバ内の電子ビーム溶融などの低温炉鋳造システムは、典型的には、銅物質の溶融温度を下回る温度まで炉の温度を制限するために、流体ベースの冷却システムを組み込んだ銅炉を利用する。水ベースの冷却システムがもっとも一般的であるが、アルゴンベースまたは溶融塩冷却システムなどの他のシステムも、低温炉に組み込まれ得る。低温炉システムは、少なくとも部分的には、重力を使用して、炉内に滞留する溶融物質から封入物を除去することによって、溶融金属物質を精錬する。物質が混合され、低温炉内に流入するとき、比較的低密度の封入物が、しばらくの間、溶融物質の上で浮き、曝露された封入物が、1つ以上の鋳造システムの電子ビーム銃によって再溶融され得るか、または気化され得る。比較的高濃度の封入物は、溶融物質の底部に沈み、銅炉近くに堆積する。低温炉と接触する溶融物質が、炉の流体ベースの冷却システムの作用を介して冷却されると、物質は凍結して、炉の底面および/または側面上に、固体コーティングまたは「スカル」を形成する。スカルは、炉内の溶融物質から炉の表面を保護する。スカル内の封入物の巻き込みは、溶融物質からの封入物を除去し、より高純度の鋳造をもたらす。
【0017】
電子ビーム鋳造システムの溶融炉は、溶融物質の流路を経由して、鋳造システムの精錬炉と流体通信し得る。出発物質は、溶融チャンバおよびその中の溶融炉に導入され得、1つ以上の電子ビームが衝突して、物質をその融点まで加熱し得る。1つ以上の電子ビーム銃の適切な操作を可能にするために、少なくとも1つの真空発生器が、溶融チャンバに関連付けられ得、チャンバ内で真空条件を提供し得る。特定の非限定的な実施形態において、吸気面積はまた、溶融チャンバと関連付けられ得、それを介して、出発物質が溶融チャンバ内に導入され得、溶融され、最初に溶融炉内に配置され得る。吸気面積は、例えば、溶融炉に物質を搬送するためのコンベアシステムを含み得る。鋳造システムの溶融チャンバ内に導入される出発物質は、例えば、粗い微粒子物質(例えば、スポンジ、チップ、母合金)、練炭の形態で凝縮された物質(例えば、凝縮されたスポンジ、チップ、および母合金)、または棒もしくは他の好適な形状に溶接されたバルク固体などのいくつかの形態であり得る。したがって、吸気面積は、鋳造システムによって利用されることが期待される特定の出発物質を処理するように設計され得る。
【0018】
一旦出発物質が溶融炉内で溶融されると、溶融物質は、完全な溶融および均質性をより良く確保するために、一定期間、溶融炉内に留まり得る。溶融物質は、溶融物質の経路を経由して溶融炉から精錬炉に移動し得る。様々な非限定的な実施形態において、溶融物質は、例えば、溶融炉と精錬炉との間で、様々な中間炉を介して流れ得る。精錬炉は、溶融チャンバまたは別の真空エンクロージャ内にあり得、精錬炉と関連付けられる1つ以上の電子ビーム銃の適切な操作を可能にするために、真空システムによって真空条件下で維持され得る。重力ベースの移動機構が使用され得るが、機械的な移動機構もまた、溶融炉から精錬炉への溶融物質の搬送を助けるために使用され得る。一旦溶融物質が、精錬炉内に配置されると、物質は、物質を許容可能に精錬するために、十分な時間、少なくとも1つの電子ビーム銃による好適な高度での連続加熱に供され得る。その上、1つ以上の電子ビーム銃は、精錬炉内で物質を溶融状態に維持するのに十分な力のものであり得、溶融物質の表面上に現れる封入物を気化させるか、または溶融するのに十分な力のものでもあり得る。さらに、特定の非限定的な実施形態において、鋳造システムは、溶融物質が流れ得る複数の精錬炉を含み得る。
【0019】
溶融物質は、精錬炉から封入物を除去するために、あるいはそれ以外の場合、物質を精錬するために十分な時間、精錬炉内に保持され得る。精錬炉内の比較的長いまたは短い滞留時間は、溶融物質において、例えば、組成物および封入物の普及率に応じて選択され得る。当業者は、鋳造操作中に溶融物質の適切な精錬を提供するために、好適な滞留時間を容易に確実にし得る。好ましくは、精錬炉は低温炉であり得、溶融物質中の封入物は、炉の底部に落下してスカルに捕捉されるようになることによる、および/または融物質の表面に焦点を合わせた電子ビームの作用によって気化されることによる、溶融物質の分解を含むプロセスによって除去され得る。ある種の実施形態において、精錬炉に向かって指向された電子ビームは、混合作用を生み出すように、所定のパターンで溶融物質の表面にわたってラスタ化され得る。1つ以上の機械的な移動デバイスは、混合作用を提供するように、又は電子ビームのラスタ化することによって生成される混合作用を補足するように提供され得る。
【0020】
一旦好適に精錬されると、溶融物質は、重力を介して、および/または機械的手段によって、精錬炉から鋳型への溶融物質経路に沿って進み得る。溶融物質は、鋳造チャンバ内の鋳造口中を流れ、鋳型内を通り得る。様々な非限定的な実施形態において、溶融物質は、例えば、精錬炉と鋳型との間で、様々な中間炉を介して流れ得る。溶融物質が、その形状を保持するために実質的に冷却されるまで、溶融物質は、鋳型内に留まり得る。少なくとも1つの非限定的な実施形態において、金型は、鋳造物質が鋳造操作時に金型の底部から流出することができるように、底部開放型の金型であり得る。例えば、鋳造システムは、米国特許出願第13/629,696号に記載されている連続鋳造システム、または米国特許出願公開第2012/0255701号(Moxleyら)に記載されている半連続鋳造システムであり得、これらの全開示は参照により本明細書に組み込まれる。例えば、連続鋳造システムは、鋳型の開放底部を介して鋳造物質を連続して取り除く取り除き機構を提供し得る。さらに、様々な非限定的実施形態において、精錬炉は、複数の鋳型内に溶融物質を同時に供給し得る。例えば、精錬炉は、2つ以上の平行充填の、同一の鋳型内に溶融物質を供給し得る。
【0021】
上で説明される要素の配置は、
図1および2を参照することによってより良く理解され得、これは、本開示に従う鋳造システム10の非限定的な実施形態を概略的に示している。
図1を参照すると、鋳造システム10は、溶融チャンバ14を含み、これは、溶融のためにその中で物質を受容し得る。電子ビーム銃16などの複数の溶融電源は、例えば、溶融チャンバ14内に延在し、かつ中に配置された出発物質にエネルギーを操作可能に提供し得る。例えば、溶融電源が、溶融チャンバ14内の物質を溶融し、出発物質の表面にわたって高強度の電子ビームを生成し得る。真空発生器18は、溶融チャンバ14に関連付けられている。例えば、スクラップ物質、バルク固体、母合金、および粉末などの形態であり得る出発物質は、溶融チャンバ14の内部へのアクセスを提供する1つ以上の吸気面積を介して溶融チャンバ14内へ導入され得る。例えば、
図1および2に示されるように、吸気チャンバ20および21の各々は、溶融チャンバ14の内部と通信するアクセスハッチを含む。鋳造システム10のある種の非限定的な実施形態において、吸気チャンバ20は、例えば、溶融チャンバ14内への微粒子および粉末状の出発物質の導入を可能にするように好適に適合され得、吸気チャンバ21は、例えば、溶融チャンバ14内への棒状および他のバルク固体の出発物質の導入を可能にするように好適に適合され得る。
【0022】
図1および2を依然として参照すると、様々な非限定的な実施形態において、鋳造チャンバ28は、溶融チャンバ14に隣接して配置される。追加の電子ビーム銃30などのいくつかの電源は、鋳造チャンバ28内に延在し、鋳造チャンバ28の内部にエネルギーを操作可能に指向し、溶融状態に物質を維持し、および/またはその中に溶融物質を精製し得る。
図2に示されるように、鋳造チャンバ28の翻訳可能側壁32は、鋳造チャンバ28から取り外され、鋳造システム10から遠ざかるように移動され得、鋳造チャンバ28の内部を曝露する。溶融炉40、精錬炉42、および受容容器44は、翻訳可能側壁32に接続され得、それ故、翻訳可能側壁32、溶融炉40、精錬炉42、および受容容器44の全ての組み合わせは、鋳造システム10から遠ざかるように移動され、鋳造チャンバ28の内部を曝露する。翻訳可能側壁32は、例えば、溶融炉40、精錬炉42、および受容容器44のいずれかへのアクセスを可能にするように、かつ鋳造チャンバ28の内部にアクセスするように、鋳造チャンバ28から遠ざかるように移動され得る。また、様々な非限定的実施形態において、1つ以上の溶融が実行された後に、翻訳可能側壁、溶融炉、精錬炉、受容容器の特定の集合は、それらの要素の異なる集合体に置き換えられ得る。溶融物質は、受容容器44から1つ以上の鋳型に流れ得る。例えば、全開示が参照により本明細書に組み込まれる米国特許
出願公開第2012/0255701号(Moxleyら)に記載されているように、溶融物質は、受容容器44の両側に位置する2つの鋳型の一方または他方に流れ込み得る。米国特許
出願公開第2012/0255701号(Moxleyら)に記載されるように、鋳造システム10は、溶融物質が一度に鋳型の一方または他方のいずれかへ所望の流路に沿って流れるように構築され得、鋳型間で変更または切り替え得る。さらに、様々な非限定的な実施形態において、電子ビーム銃などのエネルギー源の配置および使用は、所望の流路に沿って、所望の鋳型への溶融物質の流れを制御し得る。さらに、ある種の非限定的な実施形態において、鋳造システムは、追加の炉および/または受容容器を含み得る。様々な非限定的な実施形態において、受容容器44を介して移動する代わりに、溶融物質は、精錬炉42から鋳型に直接移動し得る。
【0023】
ここで
図3を参照すると、精錬炉142は、溶融チャンバ28内に配置され得る(
図1および2)。様々な非限定的な実施形態において、精錬炉142は、鋳型部144a、144bに隣接して配置され得、精錬炉142は、金型144a、144b内に溶融物質を指向し得る。ある種の非限定的な実施形態において、鋳造チャンバ28は、例えば、精錬炉142のいずれかの側面に対称的に配置され得る複数の金型144a、144bを含み得、精錬炉142は、金型144a、144b内に溶融物質を指向し得る。例えば、精錬炉142は、複数の出口148a、148bおよび/または複数の注入リップ149a、149bを有し得、各出口148a、148bは、金型144a、144bおよび/または金型入口と整列し得る。ある種の非限定的な実施形態において、溶融物質は、精錬炉142内に流れ込み得、金型144a、144bに流れ込むように、出口148a、148bを通って流出し得る。換言すれば、金型144a、144bは、同時に溶融物質で充填され得る。
【0024】
鋳造システム10(
図1および2)が、連続または半連続鋳造のために構成された様々な非限定的な実施形態において、溶融物質が金型144a、144b内に指向されるとき、鋳造物質は、金型144a、144bの開放底部145a、145bを介して同時に取り除かれ得る。例えば、鋳造鋳塊は、溶融物質が、精錬炉142の対応する出口148a、148bから金型144a、144bに流入する速度に関連した速度で、底部開放型の金型144a、144bから取り除かれ得る。鋳造鋳塊は、各金型144a、144b内の溶融物質が、例えば、対応する出口148a、148bの注入リップ149a、149bの下に留まるような速度で取り除かれ得る。様々な非限定的な実施形態において、鋳型144a、144bの開放底部145a、145bは、鋳造チャンバ28(
図1および2)の鋳造口58と整列し得、鋳造物質は、鋳造口58を介して鋳造チャンバ28から流出し得る。特定の非限定的な実施形態において、鋳造システム10は、追加の金型を含み得、および/または精錬炉142は、追加の出口を含み得る。例えば、鋳造システム10は、4つの金型を含み得、精錬炉は、4つの出口を含み得る。ある種の非限定的な実施形態において、鋳造システム10は、3つ以上の金型を含み得、精錬炉は、例えば、3つ以上の出口を含み得る。様々な非限定的な実施形態において、鋳造システムの金型の数は、精錬炉の出口の数に対応し得、少なくとも1つの実施形態において、複数の金型は、精錬炉に対して対称的に配置され得る。ある種の非限定的な実施形態において、単一の金型が、精錬炉から延在し得る。
【0025】
本明細書で説明されるように、金型144a、144bは、鋳造物質が、例えば、連続鋳造操作の間に金型144a、144bの開放底部145a、145aから流出し得るように、底部開放型の金型であり得る。さらに、金型144a、144bは、鋳造物質の意図された形状に対応する内周を有し得る。環状内周は、例えば、シリンダーを作製し得、矩形内周は、例えば、矩形角柱を作製し得る。様々な非限定的実施形態において、金型144a、144bは、例えば、約6インチ〜約32インチの直径を有する環状内周を有し得る。さらに、ある種の非限定的実施形態において、金型144a、144bは、例えば、約36インチX約54インチである矩形内周を有し得る。少なくとも1つの非限定的な実施形態において、金型144a、144bは、例えば、約28平方インチ未満、または約2000平方インチを超える断面積を有し得る。
【0026】
本明細書で説明されるように、精錬炉142内の溶融物質中の封入物は、例えば、炉142の底部に落下してスカルに捕捉されるようになることによる、および/または溶融物質の表面に焦点を合わせた電子ビーム銃30(
図1および2)によって生成される電子ビームの作用によって気化されることによる、溶融物質の分解を含むプロセスによって除去され得る。精錬炉142において、動的流路が発展し得、あまり動的でない領域(すなわち、滞留域またはプール)は、動的流路に隣接して、その付近に、および/またはその周囲に発展し得る。溶融物質は、十分に混合せずに、延長された期間中、精錬炉142内の滞留域で静止し得、したがって、比較的長い期間中、精錬炉に留まるが、一方、動的流路内の溶融物質は、精錬炉142を介してより迅速に移動し得る。本明細書で説明されるように、滞留域に保持される溶融物質は、動的流路内の溶融物質よりもより長い期間、電子ビームに供され、これは、滞留域に比較的より要素の消耗を、かつ動的流路内に比較的少ない要素の消耗をもたらし得る。上述したように、例えば、電子ビーム銃30(
図1および2)および/またはプラズマ発生デバイスなどの様々な溶融電源は、金属物質を加熱する、および/または精錬するために、物質加熱デバイスとして鋳造システム10で使用され得るであろうことが企図されている。
【0027】
本開示によると、精錬炉142の形状は、その中での滞留域の形成を低減するように設計され、および/または選択され得、それ故、そこを通る溶融物質の化学的均一性を改良し得る。例えば、
図3を参照すると、精錬炉142は、その中の入口146と出口148a、148bとの間で先細りする、および/または狭まる。換言すれば、精錬炉142の断面積(炉142の流れ軸に対して横方向に、すなわち溶融物質の流れの方向に対して横方向に切り取られた断面)は、炉142の流れ軸に沿って減少し得る。別言すれば、精錬炉142は、入口146で、および/またはその付近でより広く、出口148a、148bで、および/またはその付近でより狭くあり得る。例えば、先細りした炉142を介した一定または実質的に一定の質量流を維持するために、そこを通って流れる溶融物質の流速は、入口146とその出口148a、148bとの間で加速し得る。
【0028】
精錬炉142の改善された形状は、そこを通って流れる溶融物質の流速を加速させ得、溶融物質の圧力を低減し得る。別言すれば、先細りした炉142を介して一定または実質的に一定の質量流を維持するために、例えば、溶融物質の流速は、入口146から出口148まで加速し得、溶融物質の圧力は、入口146から出口148まで相応して低減し得る。さらに、精錬炉142の改善された形状は、溶融物質のためのより直接的な流路を提供し得、これは、溶融物質中の滞留域の形成を低減し得る、および/または制限し得る。低減された滞留域を有する改良された溶融物質の流路は、炉内でより均一な滞留時間を促進し得る。定義された滞留時間は、溶融物質中の封入物を十分に気化させるように制御され得るが、一方、その中の過度の要素の消耗を制限するおよび/または阻止する。加えて、複数の金型の連続鋳造操作中に、改善された溶融物質の流路は、様々な鋳型内で同一または類似の鋳造速度を促進し得る。
【0029】
さらに、またはあるいは、様々な実施形態において、精錬炉142の入口146は、入口断面積(炉142の流れ軸に対して横方向に切り取られた断面)を備え得、出口148a、148bは、合計の出口断面積を提供するように総計され得る出口断面積(炉142の流れ軸に対して横方向に切り取られた断面)を備え得る。合計の出口断面積は、例えば、入口断面積と一致するか、または類似し得る。ある種の非限定的な実施形態において、合計の出口断面積は、例えば、入口断面積未満であり得る。他の非限定的な実施形態において、合計の出口断面積は、例えば、入口断面積より大きくあり得る。さらに、またはあるいは、様々な実施形態において、精錬炉142の入口146の断面積は、入口146の、その付近の、および/またはそれに隣接する精錬炉142の断面積と一致するか、またはそれと類似し得る。このような実施形態において、溶融物質は、精錬炉142に流入すると、その入口流速を維持し得、さらに、その流速はその後、精錬炉142の先細りした長さに沿って加速し得る。
【0030】
図4および5を参照すると、改善された形状を有する精錬炉242が示されている。精錬炉242は、第1の端部252のまたはその付近の入口246と第2の端部254のまたはその付近の出口248とを含み得る。様々な非限定的な実施形態において、出口248は、隣接する金型内に溶融物質を指向するための注入リップを有し得る。精錬炉242を通る溶融物質は、入口246を経由して精錬炉242に流入し得、出口248を経由して精錬炉242から流出し得る。換言すれば、溶融物質の流れは、入口246から出口248に向かって指向され得る。さらに、精錬炉242は、例えば、第1の端部252と第2の端部254との間に延在し得る側壁250a、250bを含み得る。
図5を主に参照すると、精錬炉242は、軸X1を画定し得、ある種の非限定的な実施形態において、精錬炉242は、軸X1に対して対称的であり得る。様々な非限定的な実施形態において、側壁250a、250bは、軸X1に対して角度を成して配向され得、角度θ1は、各側壁250aと、250bと、軸線X1との間に画定され得る。様々な非限定的な実施形態において、角度θ1は、例えば、約4度であり得る。ある種の非限定的な実施形態において、角度θ1は、例えば、約1度〜約10度であり得、少なくとも1つの非限定的な実施形態において、角度θ1は、例えば、1度未満であり得る、および/または例えば、10度を超え得る。換言すれば、精錬炉242の側壁250a、250bは、第1の端部252のまたはその付近の入口246と第2の端部254のまたはその付近の出口248との間で先細りし得る、および/または狭まり得る。様々な非限定的な実施形態において、側壁250a、250bは、入口146と出口248との間で継続的に先細りし得る。さらに、側壁250a、250bは、入口246と出口248との間で湾曲し得、および/または真直ぐであり得、先細りの程度は、その長さに沿って様々であり得る。例えば、側壁250a、250bの一部は、湾曲され得、および/または側壁250a、250bの一部は、傾斜され得る。さらに、曲線(複数可)は、例えば、様々な半径の曲率を有し得、傾斜部分(複数可)は、例えば、様々な程度に傾斜され得る。本明細書で説明されるように、例えば、精錬炉242の先細りした空洞を介した一定または実質的に一定の質量流を維持するために、そこを通って流れる溶融物質の流速は、入口246と出口248との間で加速し得る。
【0031】
図4および5を依然として参照すると、入口246は、入口断面積を画定し得、出口248は、入口断面積未満の出口断面積を画定し得る。例えば、出口断面積は、入口断面積より約10%〜約50%小さいものであり得る。ある種の非限定的な実施形態において、この差は、例えば、約10%未満、例えば、約50%を超えるものであり得る。様々な非限定的な実施形態において、入口246は、入口幅または直径A1を有し得、出口248は、出口幅または直径B1を有し得る。特定の非限定的な実施形態において、出口幅B1は、入口幅A1未満であり得る。様々な非限定的な実施形態において、入口幅A1は、約12.5インチであり得、出口幅B1は、例えば、約8.4インチであり得る。ある種の非限定的な実施形態において、入口幅A1は、約10.5インチ〜約14.5インチであり得、出口幅B1は、例えば、約6.4インチ〜約10.4インチであり得る。少なくとも一つの非限定的な実施形態において、入口幅A1は、例えば、約14.5インチを超えるか、または約10.5インチ未満であり得、出口幅B1は、例えば、約10.4インチを超えるか、または約6インチ未満であり得る。入口幅A1と出口幅B1との間の差は、例えば、精錬炉242の長さおよび/または角度θ1に依存し得る。様々な非限定的な実施形態では、追加的または代替的寸法は、入口断面積が出口断面積より大きくなるように、入口246と出口248との間で様々であり得る、および/または一致し得る。例えば、入口246は入口の高さを有し得、出口248は入口の高さ未満の出口の高さを有し得る。代替的に、入口242および出口248は、一致または類似した高さを有し得る。例えば、様々な非限定的な実施形態において、入口246の高さおよび出口248の高さは、約2インチであり得る。ある種の非限定的な実施形態において、入口246および出口248の高さは、例えば、約1インチ〜約3インチであり得、少なくとも1つの非限定的な実施形態において、入口246および出口248の高さは、例えば、約1インチ未満であり得るか、または約3インチを超え得る。様々な非限定的な実施形態において、入口断面積は、入口容量に対応し得、出口断面積は、出口容量に対応し得る。ある種の非限定的な実施形態において、出口容量は、例えば、入口容量未満であり得る。
【0032】
様々な実施形態において、入口246および/または出口248について寸法を選択するとき、出口248の低縁部および入口246の低縁部の位置は、考慮され得る。例えば、ある種の非限定的な実施形態において、出口248の低縁部は、入口246の低縁部よりも高くなり得る。このような非限定的な実施形態において、出口のより高い低縁部は、精錬炉242の底部に向かって、および/またはスカルに向かって落下した封入物が出口248を通ることを阻止し得る。ある種の非限定的な実施形態において、出口248の低縁部は、入口246の低縁部と実質的に同じ水準にあり得る。
【0033】
ある種の非限定的な実施形態において、入口断面積は、例えば、入口242の、その付近の、またはそれに隣接する精錬炉242の断面積と一致し得るか、または実質的に一致し得る。出口断面積は、例えば、入口断面積と約1%〜約5%の差があり得る。ある種の非限定的な実施形態において、出口断面積は、例えば、入口断面積と約1%未満の差があり得る。他の非限定的な実施形態において、出口断面積は、例えば、入口断面積を約5%超える差があり得、例えば、入口断面積と約10%の差があり得る。様々な非限定的な実施形態において、出口断面積は、入口断面積より大きくあり得る。
【0034】
様々な非限定的な実施形態において、第1の端部252と第2の端部254との間の精錬炉242の長さは、例えば、約30インチであり得る。ある種の非限定的な実施形態において、精錬炉242の長さは、例えば、約20インチ〜約40インチであり得、少なくとも1つの非限定的な実施形態において、精錬炉の長さは、例えば、約20インチ未満であり得るか、または約40インチを超え得る。様々な非限定的な実施形態において、精錬炉の深さは、約6インチであり得る。ある種の非限定的な実施形態において、精錬炉242の深さは、例えば、約4インチ〜約8インチであり得、少なくとも1つの非限定的な実施形態において、精錬炉242の深さは、例えば、約4インチ未満であり得るか、または約8インチを超え得る。精錬炉242におけるスカルの深さは、精錬炉242の長さおよび幅に沿って様々であり得る。精錬炉242内の固体物質のスカルは、精錬炉の一部を埋め得る。例えば、スカルは、精錬炉242の長さの一部に沿って約4インチの深さであり得る。ある種の非限定的な実施形態において、スカルの奥行きは、例えば、約2インチ〜約6インチであり得、少なくとも1つの非限定的な実施形態において、スカルの奥行きは、例えば、約2インチ未満であり得るか、または約6インチを超え得る。本明細書に説明されるように、スカルの形状および大きさは、精錬炉242へのエネルギーの適用によって設計され、制御され得る。
【0035】
様々な非限定的な実施形態において、
図4および5を依然として参照すると、入口幅A1は、入口246に隣接する精錬炉242の側壁250aと250bとの間に画定された空洞の幅未満であり得る。さらに、入口断面積は、入口246に隣接する精錬炉242の空洞の断面積未満であり得る。このような実施形態では、精錬炉242に流入すると、溶融物質の流速は最初に減速し得る。しかしながら、溶融物質が、精錬炉242の先細りした空洞を介して出口248に向かって移動するとき、溶融物質の流速は加速し得る。
【0036】
ここで
図6および7を参照すると、改善された形状を有する精錬炉342は、本明細書に説明されている精錬炉242(
図4および5)に類似し得る。例えば、精錬炉342は、第1の端部352のまたはその付近の入口346と、第2の端部354のまたはその付近の出口348とを含み得る。精錬炉342を通る溶融物質は、入口346を経由して精錬炉342に流入し得、出口348を経由して精錬炉342から流出し得る。換言すれば、溶融物質の流れは、入口346から出口348に向かって指向され得る。さらに、精錬炉342は、例えば、第1の端部352と第2の端部354との間に延在し得る側壁350a、350bを含み得る。様々な非限定的な実施形態において、出口348は、精錬炉242の側壁部350a、350bを介して画定され得る。
【0037】
主に
図7を参照すると、精錬炉342は、側壁部350a、350bは平行であり得る、軸X2を画定し得る。ある種の非限定的な実施形態において、精錬炉342は、軸X2に対して非対称的であり得、側壁部350a、350bは、例えば、平行でなくてもよい。様々な非限定的な実施形態において、側壁350a、350bのうちの少なくとも1つは、軸X2に対して角度を成して配向され得、角度θ2は、精錬炉342の側壁350aと350bとの間に画定され得る。例えば、側壁350aは、軸に対して角度を成して配向され得、側壁350bは、軸X2に対して平行であり得る。様々な非限定的な実施形態において、角度θ2は、例えば、約8度であり得る。ある種の非限定的な実施形態において、角度θ2は、例えば、約2度〜約30度であり得る。少なくとも1つの非限定的な実施形態において、角度θ2は、例えば、約2度未満、および/または約30度を超えるものであり得る。換言すれば、精錬炉342の側壁350a、350bは、第1の端部352のまたはその付近の入口346と第2の端部354のまたはその付近の出口348との間で先細りし得る、および/または狭まり得る。様々な非限定的な実施形態において、側壁350a、350bは、入口346と出口348との間で継続的に先細りし得る。さらに、側壁350a、350bは、入口346と出口348との間で湾曲し得、および/または真直ぐであり得、先細りの程度は、その長さに沿って様々であり得る。例えば、側壁350a、350bの一部は、湾曲され得、および/または側壁350a、350bの一部は、傾斜され得る。さらに、曲線(複数可)は、例えば、様々な半径の曲率を有し得、傾斜部分(複数可)は、例えば、様々な程度に傾斜され得る。本明細書で説明されるように、例えば、先細りした炉342を介して一定または実質的に一定の質量流を維持するために、そこを通って流れる溶融物質の流速は、入口346とその出口348との間で加速し得る。
【0038】
図6および7を依然として参照すると、入口346は、入口断面積を画定し得、出口348は、入口断面積未満の出口断面積を画定し得る。例えば、出口断面積は、入口断面積より約10%〜約50%小さいものであり得る。ある種の非限定的な実施形態において、この差は、例えば、約10%未満、例えば、約50%を超えるものであり得る。様々な実施形態において、入口346は、入口幅または直径A2を有し得、出口348は、出口幅または直径B2を有し得る。様々な非限定的な実施形態において、入口幅A2は、入口346の、その付近の、および/またはそれに隣接する精錬炉342の側壁350aと350bとの間に画定される空洞の幅と一致し得るか、または実質的に一致し得る。さらに、入口断面積は、例えば、入口346の、その付近の、および/またはそれに隣接する精錬炉342の空洞の断面積と一致し得るか、または実質的に一致し得る。入口346の断面積が、入口346に隣接する精錬炉342の断面積と一致するか、または実質的に一致する場合、入口346を介して精錬炉342に流入する溶融物質の流速は、維持され得るか、または実質的に維持され得る。別言すれば、溶融物質の流速は、精錬炉342に流入すると、減速し得ないか、または実質的に減速し得ない。様々な非限定的な実施形態において、本明細書で説明される精錬炉242の入口幅A1および出口幅B1と同様に、出口幅B2は、入口幅A2未満であり得る。様々な非限定的な実施形態において、追加的または代替的寸法は、入口断面積が出口断面積より大きくなるように、入口346と出口348との間で様々であり得る、および/または一致し得る。ある種の非限定的な実施形態において、入口断面積は、出口断面積と一致し得るか、または実質的に一致し得、他の非限定的な実施形態において、入口断面積は、出口断面積未満であり得る。
【0039】
ここで
図8および9を参照すると、本明細書で説明される精錬炉142(
図3)と同様に、精錬炉442は、第1の端部452付近にある入口446および第2の端部454付近にある1対の出口448a、448bを含み得る。精錬炉442を通る溶融物質は、入口446を経由して精錬炉442に流入し得、出口448a、448bを経由して精錬炉442から流出し得る。換言すれば、溶融物質の流れは、入口446から出口448a、448bに向かって指向され得る。さらに、精錬炉442は、例えば、第1の端部452と第2の端部454との間に延在し得る側壁450a、450bを含み得る。出口448a、448bは、側壁450a、450bを介して画定され得る。様々な非限定的な実施形態において、溶融物質の流れは分岐するか、または分離して、精錬炉452の対向する側壁450a、450b上の出口448a、448b内に流れ込み得る。
図9を参照すると、精錬炉442は、軸X3を画定し得、ある種の非限定的な実施形態において、精錬炉442は、軸X3に対して対称的であり得る。このような実施形態において、出口448a、448bは、対称的であり得る。様々な非限定的な実施形態において、各側壁450a、450bは、軸X3に対して角度を成して配向され得、角度θ3は、各側壁450aと、450bと、軸線X3との間に画定され得る。様々な非限定的な実施形態において、角度θ3は、例えば、約4度であり得る。ある種の非限定的な実施形態において、角度θ3は、例えば、約1度〜約30度であり得、少なくとも1つの非限定的な実施形態において、角度θ3は、例えば、約1度未満であり得る、および/または例えば、約30度を超え得る。換言すれば、精錬炉442の側壁450a、450bは、第1の端部452付近の入口446と、第2の端部454付近の出口448a、448bとの間で先細りし得る、および/または狭まり得る。様々な非限定的な実施形態において、側壁450a、450bは、入口446と出口448a、448bとの間で継続的に先細りし得る。さらに、側壁450a、450bは、入口446と出口448a、448bとの間で湾曲し得、および/または真直ぐであり得、先細りの程度は、その長さに沿って様々であり得る。例えば、側壁450a、450bの一部は、湾曲され得、および/または側壁450a、450bの一部は、傾斜され得る。さらに、曲線(複数可)は、例えば、様々な半径の曲率を有し得、傾斜部分(複数可)は、例えば、様々な程度に傾斜され得る。本明細書で説明されるように、例えば、先細りした炉442を介して一定または実質的に一定の質量流を維持するために、そこを通って流れる溶融物質の流速は、入口446とその出口448a、448bとの間で加速し得る。
【0040】
図8および9を依然として参照すると、入口446は、入口断面積を画定し得、出口448a、448bは、出口断面積を画定し得る。出口断面積の総計または合計(すなわち、合計の出口断面積)は、入口断面積と一致し得るか、またはそれと類似し得る。様々な非限定的な実施形態において、合計の出口断面積は、入口断面積と約1%〜約5%の差があり得る。様々な非限定的な実施形態において、合計の出口断面積は、入口断面積と約1%未満の差があり得る。他の非限定的な実施形態において、合計の出口断面積は、例えば、入口断面積と約5%超える差があり得、例えば、入口断面積と約10%の差があり得る。様々な非限定的な実施形態において、入口446は、入口幅または直径A3を有し得、第1の出口448aは、出口幅または直径B3を有し得、第2の出口448bは、出口幅または直径C3を有し得る。ある種の非限定的な実施形態において、出口幅B3およびC3の合計は、入口幅A3に等しいか、または実質的に等しいものであり得る。例えば、出口幅B3およびC3は、等しいものであり得、このような各出口は、入口幅A3の長さの50%であり得る。様々な非限定的な実施形態において、追加的または代替的寸法は、合計の出口断面積が入口断面積と一致するように、入口446と出口448a、448bとの間で、様々であり得る、および/または一致し得る。様々な非限定的な実施形態において、入口断面積は、入口容量に対応し得、合計の出口断面積は、合計の出口容量に対応し得る。ある種の非限定的な実施形態において、合計の出口容量は、例えば、入口容量と一致し得る。様々な非限定的な実施形態において、入口断面積は、例えば、合計の出口断面積未満であり得るか、またはそれを超え得る。
【0041】
様々な非限定的な実施形態において、電子ビーム銃30(
図1および2)および/またはプラズマトーチなどのエネルギー源は、炉内に形成される物質のスカルの形状およびサイズを制御するために、精錬炉に対して配置され得る。例えば、エネルギー源は、制御され得、その中に形成されるスカルの形状を操るように、炉に対して一方向に配向され得る。参照によりその全開示が本明細書に組み込まれる米国特許第4,961,776号(Harker)への参照がなされる。所望のスカル位置に向かっておよび/またはその周囲に指向されるエネルギー源は、スカルがその所望の位置で凝固し、成長することを許容にするように制御され得る。ある種の非限定的な実施形態において、エネルギー源は、精錬炉に向かって指向され、よって、先細りしたスカルを形成するように制御され得る。先細りしたスカルは、例えば、従来の正方形または矩形の炉内などの、先細りしない炉内で形成され得る。本明細書で説明される様々な実施形態と同様に、精錬炉内でのスカルの先細り形状は、溶融物質のための改良された流路を提供し得る。
【0042】
精錬炉内の改善された流路は、そこを流れる溶融物質の流速を加速させ得、溶融物質の圧力を低減し得る。別言すれば、例えば、先細りした炉を介した実質的に一定の質量流を維持するために、溶融物質の流速は、入口から出口まで加速し得、溶融物質の圧力は、入口から出口まで相応して低減し得る。さらに、改善された流路は、溶融物質のためのより直接的な流路を提供し得、これは、溶融物質中の滞留域の形成を低減し得る、および/または制限し得る。低減された滞留域を有する改良された溶融物質の流路は、炉内でより均一な滞留時間を促進し得る。定義された滞留時間は、溶融物質中の封入物を十分に気化させるように制御され得るが、一方、その中の過度の要素の消耗を制限するおよび/または阻止する。加えて、精錬炉内の改善された流路は、溶融物質のためのより直接的な経路を提供し得、平行金型の連続鋳造操作中、同一または類似の鋳造速度を促進し得る。
【0043】
ここで、
図10〜12を参照すると、精錬炉542は、第1の端部552のまたはその付近の入口546と、第2の端部554のまたはその付近の出口548とを含み得る。精錬炉542を通る溶融物質570は、入口546を経由して精錬炉542に流入し得、出口548を経由して精錬炉542から流出し得る。換言すれば、溶融物質570の流れは、入口546から出口548に向かって指向され得る。さらに、様々な非限定的実施形態において、精錬炉542は、例えば、第1の端部552と第2の端部554との間に延在し得る側壁550a、550bを含み得る。
図10および12を参照すると、精錬炉542は、例えば矩形であり得、側壁550a、550bは、例えば、平行であり得る。
図12を主に参照すると、精錬炉542は、軸X4を画定し得、ある種の非限定的な実施形態において、精錬炉542は、軸X4に対して対称的であり得る。
【0044】
図10〜12を依然として参照すると、電子ビーム銃30(
図1および2)および/またはプラズマトーチなどのエネルギー源は、先細りしたスカル560がその中で形成されるように、精錬炉542に対して制御され、配置され得る。先細りしたスカル560の第1の側面560aは、精錬炉542の第1の側面上に形成され得、先細りしたスカル560の第2の側面560bは、精錬炉542の第2の側面上に形成され得る。様々な実施形態において、スカル560は、軸X4に対して対称的に発展し得る。さらに、
図12を主に参照すると、各スカル側面560a、560bの縁部562a、562bは、軸X4に対して角度を成して配向され得、角度θ4は、各スカル側面560a、560bの縁部562a、562bと軸X4との間に画定され得る。様々な非限定的な実施形態において、角度θ4は、例えば、約4度であり得る。ある種の非限定的な実施形態において、角度θ4は、例えば、約1度〜約30度であり得、少なくとも1つの非限定的な実施形態において、角度θ4は、例えば、1度未満であり得る、および/または例えば、30度を超え得る。換言すれば、スカル側面560a、560bの縁部562a、562bは、第1の端部552付近の入口546と、第2の端部554付近の出口548との間で先細りし得る、および/または狭まり得る。例えば、入口546の、その付近の、および/またはそれに隣接するスカル560によって画定される流路の断面積は、出口548の、その付近の、および/またはそれに隣接するスカル560によって画定される流路の断面積より約10%〜約50%大きいものであり得る。ある種の非限定的な実施形態において、この差は、例えば、約10%未満、例えば、約50%を超えるものであり得る。様々な非限定的な実施形態において、縁部562a、562bは、入口546と出口548との間で継続的に先細りし得る。さらに、縁部562a、562bは、入口546と出口548との間で湾曲し得、および/または真直ぐであり得、先細りの程度は、その長さに沿って様々であり得る。例えば、縁部562a、562bの一部は、湾曲され得、および/または縁部562a、562bの一部は、傾斜され得る。さらに、曲線(複数可)は、例えば、様々な半径の曲率を有し得、傾斜部分(複数可)は、例えば、様々な程度に傾斜され得る。
【0045】
図10〜12を依然として参照すると、精錬炉242(
図4および5)と同様に、入口546は、入口断面積を画定し得、出口548は、入口断面積未満であり得る出口断面積を画定し得る。例えば、入口546は、入口幅または直径A4を有し得、出口548は、出口幅または直径B4を有し得る。ある種の非限定的な実施形態において、出口幅B4は、例えば、入口幅A4未満であり得、精錬炉542の入口幅A1および出口幅B1に類似し得る。様々な非限定的な実施形態において、追加的または代替的寸法は、入口断面積が出口断面積よりも大きくなるように、入口546と出口548との間で様々であり得る、および/または一致し得る。様々な非限定的な実施形態において、スカル側面560a、560bの縁部562a、562bは、第1の端部552の入口546、および第2の端部554の出口548と整列し得るか、または実質的に整列し得る。換言すれば、スカル側面560aの縁部562aは、精錬炉542の第1の側面上の入口546から出口548まで延在し得、スカル側面560bの縁部562bは、精錬炉542の第2の対向する側面上の入口546から出口548まで延在し得る。このような実施形態において、溶融物質570の流路の断面積は、入口546における入口断面積と一致し得、出口548における出口断面積と一致し得る。スカル側面560a、560bの縁部562a、562bが入口546と整列するとき、炉542内で先細りしたスカル560によって画定された流路に流入すると、溶融物質の流速が維持され得るか、または実質的に維持され得る。次いで、溶融物質570は、出口548に向かって先細りしたスカル560を通って流れるとき、溶融物質570の流速を加速させ得る。様々な非限定的な実施形態において、入口断面積は、入口容量に対応し得、出口断面積は、出口容量に対応し得る。ある種の非限定的な実施形態において、出口容量は、例えば、入口容量未満であり得る。様々な非限定的な実施形態において、入口断面積は、出口断面積と一致し得るか、または実質的に一致し得、他の実施形態において、入口断面積は、出口断面積未満であり得る。
【0046】
図13〜15を参照すると、精錬炉642は、精錬炉542(
図10〜12)と実質的に類似し得る。例えば、溶融物質670は、第1の端部652における入口646を経由して精錬炉642に流入し得、第2の端部654における出口648を経由して精錬炉642から流出し得る。さらに、様々な非限定的実施形態において、精錬炉642は、例えば、矩形であり得、側壁650a、650bは、平行であり得る。
図15を参照すると、精錬炉642は、軸X5を画定し得、ある種の非限定的な実施形態において、精錬炉642およびその中で形成される先細りしたスカル660は、軸X5に対して対称的であり得る。
【0047】
図13〜15を依然として参照すると、入口646は、入口断面積を画定し得、出口648は、入口断面積に等しいものであり得る出口断面積を画定し得る。例えば、精錬炉642への入口646は、入口幅または直径A5を有し得、精錬炉642への出口648は、出口幅または直径D5を有し得、これは、入口幅A5と一致し得るか、または類似し得る。換言すれば、A5は、例えば、D5に等しいものであり得る。精錬炉642の入口幅A5は、精錬炉642の出口幅D5と一致し得るが、スカル660は、精錬炉642内の溶融物質670の先細りした流路を画定し得る。例えば、先細りしたスカル660を介した一定または実質的に一定の質量流を維持するために、そこを通って流れる溶融物質の流速は、精錬炉642の入口646と出口648との間で加速し得る。
【0048】
ある種の非限定的な実施形態において、スカルの第1の側面660aは、精錬炉642の第1の側面上に形成され得、スカルの第2の側面660bは、精錬炉642の第2の側面上に形成され得る。例えば、各スカル側面660a、660bの縁部662a、662bは、第1の端部652において精錬炉642の入口646と整列し得るか、または実質的に整列し得、精錬炉642の第2の端部654において、出口648を介してより狭い流路幅B5を画定するように、入口646から先細りし得る。換言すれば、出口648におけるスカル側面660a、660bによって画定される流路幅B5は、出口幅D5未満であり得る。さらに、様々な非限定的実施形態において、スカル660は、入口容量および/または出口容量を画定し得る。例えば、
図13〜15を参照すると、スカル660は、出口648において出口容量を画定し得る。さらに、スカル660は、例えば、入口646における入口容量を画定し得る。様々な非限定的な実施形態において、スカル660によって画定された出口容量は、入口646においてスカル660によって画定された入口容量未満であり得る。さらに、入口646の、その付近の、および/またはそれに隣接するスカル660によって画定される流路の断面積は、出口648の、その付近の、および/またはそれに隣接するスカル660によって画定される流路の断面積より約10%〜約50%小さいものであり得る。ある種の非限定的な実施形態において、この差は、例えば、約10%未満、例えば、約50%を超えるものであり得る。
【0049】
ここで
図16〜18を参照すると、精錬炉742は、第1の端部752のまたはその付近の入口746と第2の端部754のまたはその付近の出口748とを含み得る。精錬炉742を通る溶融物質770は、入口746を経由して精錬炉742に流入し得、出口748を経由して精錬炉742から流出し得る。換言すれば、溶融物質770の流れは、入口746から出口748に向かって指向され得る。さらに、様々な非限定的実施形態において、精錬炉742は、例えば、第1の端部752と第2の端部754との間に延在し得る側壁750a、750bを含み得る。精錬炉742は、例えば、正方形であり得、側壁750a、750bは、平行であり得る。
図16および18を参照すると、出口748は、例えば、側壁750bを介して画定され得る。他の非限定的な実施形態において、入口746および/または出口748は、精錬炉742の側壁750a、750bを介して画定され得る。
図18を主に参照すると、精錬炉742は、軸X6を画定し得、ある種の非限定的な実施形態において、精錬炉742は、軸X6に対して対称的であり得る。
【0050】
様々な非限定的な実施形態において、本明細書に説明される様々な実施形態と同様に、電子ビーム銃30(
図1および2)および/またはプラズマトーチなどのエネルギー源は、先細りしたスカル760がその中で形成されるように、精錬炉742に対して制御され、配置され得る。様々な実施形態において、スカル760は、軸X6に対して対称的に発展し得る。例えば、スカル760は、軸X6を横切る溶融物質770の流路を形成し得る。特定の非限定的な実施形態において、溶融物質770の流路は、精錬炉742の第1の端部752から第2の端部754まで延在し得、例えば、側壁750a、750bの出口748まで延在し得る。スカル760の第1の側面760aは、精錬炉742の第1の側面上に形成され得、スカル760の第2の側面760bは、精錬炉742の第2の側面上に形成され得る。さらに、
図18を主に参照すると、スカル側面760a、760bの縁部762a、762bは、互いに対して角度を成して配向され得、角度θ6は、スカル側面760a、760bの縁部762a、762bの間に画定され得る。様々な非限定的な実施形態において、角度θ6は、例えば、約8度であり得る。ある種の非限定的な実施形態において、角度θ6は、例えば、約2度〜約30度であり得、少なくとも1つの非限定的な実施形態において、角度θ6は、例えば、2度未満であり得る、および/または例えば、30度を超え得る。換言すれば、スカル側面760a、760bの縁部762a、762bは、第1の端部752付近の入口746と、第2の端部754付近の出口748との間で先細りし得る、および/または狭まり得る。様々な非限定的な実施形態において、スカル側面760a、760bの縁部762a、762bは、入口746と出口748との間で継続的に先細りし得る。さらに、縁部762a、762bは、入口746と出口748との間で湾曲し得、および/または真直ぐであり得、先細りの程度は、その長さに沿って様々であり得る。例えば、縁部762a、762bの一部は、湾曲され得、および/または縁部762a、762bの一部は、傾斜され得る。さらに、曲線(複数可)は、例えば、様々な半径の曲率を有し得、傾斜部分(複数可)は、例えば、様々な程度に傾斜され得る。本明細書で説明されるように、先細りしたスカル760を介して一定または実質的に一定の質量流を維持するために、そこを通って流れる溶融物質の流速は、精錬炉642の入口746と出口748との間で加速し得る。
【0051】
図16〜18を依然として参照すると、精錬炉642(
図13〜15)と同様に、入口746は、入口断面積を画定し得、出口748は、入口断面積と一致するか、または類似する出口断面積を画定し得る。様々な非限定的な実施形態において、出口断面積は、入口断面積と約1%〜約5%の差があり得る。ある種の非限定的な実施形態において、出口断面積は、入口断面積と約1%より小さい差があり得る。他の非限定的な実施形態において、出口断面積は、例えば、入口断面積を約5%超える差があり得、例えば、入口断面積と約10%の差があり得る。様々な実施形態において、入口746は、入口幅または直径A6を有し得、出口748は、出口幅または直径B6を有し得る。ある種の非限定的な実施形態において、出口幅B6は、入口幅A6と等しいものであり得る。様々な非限定的な実施形態において、追加的または代替的寸法は、入口断面積が出口断面積と実質的に等しくなるように、入口746と出口748との間で一致し得る、および/または様々であり得る。換言すると、入口746および出口748の断面形状は異なるが、入口746および出口758は、同一または類似の断面積を画定し得る。
【0052】
様々な非限定的な実施形態において、スカル760は、入口746における入口幅A6よりも広く、出口748における出口幅B6と一致するように狭まる溶融物質770の流路を画定し得る。換言すれば、入口746に隣接するスカル760によって画定された溶融物質770の流路の断面積は、入口746の断面積よりも大きいものであり得る。さらに、出口748に隣接するスカル760によって画定される溶融物質770の流路は、出口748の断面積と一致し得る。このような実施形態において、溶融物質770の流速は、入口746に隣接するスカル760のより広い部分に流入すると、減速し得る。しかしながら、溶融物質770が、出口748に向かって先細りしたスカル760を介して流れるとき、溶融物質770の流速は加速し得る。
【0053】
ここで
図19〜21を参照すると、精錬炉842は、第1の端部852のまたはその付近の入口846と、第2の端部854のまたはその付近の出口848a、848bの対とを含み得る。精錬炉842を通る溶融物質870は、入口846を経由して精錬炉842に流入し得、出口848a、848bを経由して精錬炉842から流出し得る。換言すれば、溶融物質870の流れは、入口846から出口848a、848bに向かって指向され得る。本明細書において説明されるように、電子ビーム銃30(
図1および2)のようなエネルギー源は、先細りしたスカル860がその中で形成されるように、精錬炉842に対して制御され、配置され得る。ある種の非限定的な実施形態において、先細りしたスカル860は、入口846から出口848a、848bに向かって溶融物質870を指向し得る。さらに、精錬炉852は、例えば、第1の端部852と第2の端部854との間に延在する側壁850a、850bを有し得る。様々な非限定的実施形態において、精錬炉842は、例えば、正方形であり得、側壁850a、850bは、例えば、平行であり得る。精錬炉842は、正方形および/または矩形であり得るが、スカル860は、溶融物質870のための先細りした流路を形成するように、入口846と出口848a、848bとの間で先細りし得る。様々な実施形態において、スカルの第1の側面860aは、精錬炉842の第1の側面上に形成され得、スカルの第2の側面860bは、精錬炉842の第2の側面上に形成され得る。さらに、ある種の非限定的な実施形態において、スカル860は、出口848aと848bとの間、および第1の側面860aと第2の側面860bとの間の中央部860aを含み得る。中央部860aは、例えば、溶融物質の第1の部分870aを出口848aに向かって、かつ溶融物質の第2の部分870bを出口848bに向かって指向するように、溶融物質870の流路を分岐し得る。
【0054】
図21を主に参照すると、精錬炉842は、軸X7を画定し得、ある種の非限定的な実施形態において、精錬炉842は、軸X7に対して対称的であり得る。このような実施形態において、出口848a、848bは対称的であり得、各出口848a、848bは、精錬炉842の第2の端部852付近の側壁850a、850bを介して画定され得る。出口848aは、第1の側壁850aを通って延在し得、出口858bは、例えば、第2の対向する側壁850bを通って延在し得る。様々な非限定的な実施形態において、各スカル側面860a、860bの縁部862a、862bは、中央部860aの縁部862a、862bに対して角度を成して配向され得る。角度θ7a、θ7bは、スカル860の縁部762aと762bとの間に画定され得る。たとえば、角度θ7aは、スカル860の第1の側面860aとスカル880の中央部860cとの間の第1の部分870aに沿って画定され得る。角度θ7bは、スカル880の第2の側面860bとスカル880の中央部860cとの間の第2の部分870bに沿って画定され得る。スカル860が対称的である場合、軸X7に沿って選択された位置における角度θ7a、θ7bは、例えば、等しいものであり得る。様々な非限定的な実施形態において、角度θ7a、θ7bは、例えば、約8度であり得る。ある種の非限定的な実施形態において、角度θ7a、θ7bは、例えば、約2度〜約30度であり得る。少なくとも1つの非限定的な実施形態において、角度θ7a、θ7bは、例えば、約2度未満、および/または約30度を超えるものであり得る。換言すれば、スカル860の縁部862a、862b、862cは、溶融物質870の流路の分岐した部分870a、870bに沿って先細りし得る、および/または狭まり得る。様々な非限定的な実施形態において、スカル860の縁部862a、862b、862cは、溶融物質870の流路の分岐した部分870a、870bに沿って継続的に先細りし得る。さらに、縁部862a、862b、862cの一部は、入口846と出口848a、848bとの間で湾曲し得、および/または真直ぐであり得、先細りの程度は、その長さに沿って様々であり得る。例えば、縁部862a、862b、862cは、湾曲され得、および/または縁部862a、862b、862cの一部は、傾斜され得る。さらに、曲線(複数可)は、例えば、様々な半径の曲率を有し得、傾斜部分(複数可)は、例えば、様々な程度に傾斜され得る。本明細書で説明されるように、例えば、先細りしたスカル860を介して一定または実質的に一定の質量流を維持するために、そこを通って流れる溶融物質の流速は、入口846と出口848a、848bとの間で加速し得る。
【0055】
図19〜21を依然として参照すると、入口846は、入口断面積を画定し得、出口848a、848bは、出口断面積を画定し得る。出口断面積の総計または合計(すなわち、合計の出口断面積)は、精錬炉442(
図8および9)に類似する入口断面積と一致し得るか、またはそれと類似し得る。様々な非限定的な実施形態において、合計の出口断面積は、入口断面積と約1%〜約5%の差があり得る。様々な非限定的な実施形態において、合計の出口断面積は、入口断面積と約1%未満の差があり得る。他の非限定的な実施形態において、合計の出口断面積は、例えば、入口断面積を約5%超える差があり得、例えば、入口断面積と約10%の差があり得る。様々な非限定的な実施形態において、入口846は、入口幅または直径A7を有し得、第1の出口848aは、出口幅または直径B7を有し得、第2の出口748bは、出口幅または直径C7を有し得る。ある種の非限定的な実施形態において、出口幅B7およびC7の合計は、入口幅A7に等しいか、または実質的に等しいものであり得る。例えば、出口幅B7およびC7は、入口幅A7の長さに等しいものであり得るか、またはその50%であり得る。様々な非限定的な実施形態において、追加的または代替的寸法は、入口断面積が出口断面積の合計と一致するように、入口846と出口848との間で様々であり得る、および/または一致し得る。様々な非限定的な実施形態において、入口断面積は、入口容量に対応し得、出口断面積は、出口容量に対応し得る。ある種の非限定的な実施形態において、出口容量は、例えば、入口容量と一致し得る。様々な非限定的な実施形態において、合計の出口断面積は、入口断面積未満であり得る。例えば、出口断面積は、入口断面積より約10%〜約50%小さいものであり得る。ある種の非限定的な実施形態において、この差は、例えば、約10%未満、例えば、約50%を超えるものであり得る。様々な非限定的な実施形態において、合計の出口容量は、例えば、入口容量未満か、またはそれを超え得る。
【0056】
様々な実施形態が、開示されたデバイスおよび方法の要素、ステップ、ならびに使用の全体的な理解を提供するために、この明細書において説明され、例示される。この明細書において説明され例示された様々な実施形態は、限定されず、包括的ではないと理解される。それ故、本発明は、この明細書に開示された様々な非限定的かつ非包括的な実施形態の説明によって限定されない。例えば、上で説明され、かつ添付の図面の一部に示される非限定的な実施形態は、1つ以上の電子ビーム銃を組み込むが、他の溶融電源が、物質加熱デバイスとして鋳造システムで使用され得るであろうことが理解されるであろう。例えば、本開示はまた、生成されたプラズマを有する物質に接触することにより、鋳造システム内でエネルギーのプラズマを生成し、金属物質を加熱する1つ以上のプラズマ発生デバイスを用いた鋳造システムを企図する。適切な状況において、様々な実施形態と共に説明された特徴および特性は、他の実施形態のステップ、構成要素、要素、特徴、態様、特性、限定、および同種のものと組み合わされ得る、修正され得る、または再編成され得る。このような修正および変形は、この明細書の範囲内に含まれることが意図される。つまり、特許請求の範囲は、この明細書において明確にもしくは本質的に説明された、あるいはそれ以外の場合、この明細書によって明確にもしくは本質的に裏付けられた、任意の要素、ステップ、限定、特徴、および/または特性を規定するように補正され得る。さらに、出願人は、このような特徴が本明細書において明示的に説明されるかにかかわらず、先行技術に存在する要素、ステップ、限定、特徴、および/または特性を肯定的に放棄するために特許請求の範囲を補正する権利を有する。したがって、任意のこのような補正は、米国特許法第112条第1段落、および米国特許法第132条(a)の要件に従う。この明細書において開示され説明された様々な実施形態は、本明細書において様々に説明されるステップ、限定、特徴、および/または特性を備える、それらから成り得る、あるいはそれらから本質的に成り得る。
【0057】
本明細書において識別される任意の特許、刊行物、または他の開示物は、別段示されない限り、しかしながら、組み込まれた物が既存の定義、記述、またはこの明細書に明確に規定された他の開示物と矛盾しないという範囲においてのみ、その全体がこの明細書に参照によって組み込まれる。つまり、必要な範囲で、この明細書に規定される明確な開示は、本明細書に参照によって組み込まれる任意の矛盾する物に優先する。この明細書に参照によって組み込まれると言うものの、既存の定義、記述、または本明細書に規定された他の開示物と矛盾する任意の物またはその一部が、その組み込まれた物と既存の開示物との間に矛盾が生じない範囲においてのみ組み込まれる。出願人は、本明細書に参照によって組み込まれる任意の主題、またはその一部を明確に規定するためにこの明細書を補正する権利を有する。
【0058】
文法的冠詞「one」、「a」、「an」、および「the」は、この明細書において使用される場合および使用される際に、別段示されない限り、「少なくとも1つの」または「1つ以上の」を含むことが意図される。それ故、それらの冠詞は、その冠詞の文法的目的語の1つまたは1つ以上のこと(すなわち、「少なくとも1つの」こと)を参照するためにこの明細書において使用される。例として、「構成要素」は、1つ以上の構成要素を意味し、それ故、場合により、1つ以上の構成要素が企図され、説明された実施形態の実施において用いられ得るか、または使用され得る。さらに、別段、使用法の文脈により必要とされない限り、単数名詞の使用は複数形を含み、複数名詞の使用は単数形を含む。
【0059】
本明細書で一般的に使用されるとき、「含む」および「有する」は「備える」を意味する。本明細書で一般的に使用されるとき、「約」および「実質的に」という用語は、測定の性質または精度が与えられる場合、測定される量についての許容可能な誤差の程度を指す。典型的な例示的な程度は、所与の値もしくは所与の範囲の値の20%、10%、または5%以内であり得る。本明細書で述べられた全ての数量は、別段示されない限り、全ての場合に「約」という用語によって修飾されると理解すべきである。本明細書に開示された数量は近似であり、各数値は、列挙された値とその値前後の機能的に同等の範囲との両方を意味するように意図される。最低限、および特許請求の範囲に対する均等論の適用を制限する試みとしてではなく、各数値は少なくとも、報告された有効数字の数に照らして、かつ通常の四捨五入手法を適用することによって、解釈されるべきである。本明細書で述べられた数量の近似値にもかかわらず、実際に測定された値の特定の実施例で説明される数量は、可能な限り正確に報告される。
【0060】
本明細書で述べられた全ての数値範囲は、その中に包含される全ての副範囲を含む。例えば、「1〜10」の範囲は、全ての副範囲を含むことが意図され、列挙された最小値1および列挙された最大値10を含む。本明細書で列挙された任意の最大数値限定は、全てのより低い数値限定を含むことが意図される。本明細書の任意の最小数値限定は、全てのより高い数値限定を含むことが意図される。
【0061】
上の説明において、特定の詳細が、本明細書で説明される物品および方法の様々な実施形態の完全な理解を提供するために記載される。しかしながら、当業者は、本明細書で説明される実施形態がこれらの詳細を伴わずに実施され得ることを理解するであろう。他の例において、物品および方法に関連付けられた周知の構造および方法は、本明細書で説明される実施形態の不必要に曖昧な記述を避けるために、詳細に図示されないか、または説明されないことがある。また、この開示は、物品もしくは方法の様々な実施形態の様々な特徴、態様、および利点を説明している。この開示が、当業者が有用であることを見出し得る任意の組み合わせまたは下位の組み合わせにおいて、本明細書で説明される様々な実施形態の様々な特徴、態様、および利点のいずれかを組み合わせることによって達成され得る、多数の代替的な実施形態を包含することが理解される。
以上説明したように、本発明は以下の形態を有する。
〔態様1〕
鋳造システムであって、
炉であって、
入口断面積を画定する入口と、
複数の出口であって、各出口が出口断面積を画定する、複数の出口と、
前記入口と前記複数の出口との間の空洞であって、前記空洞が、前記入口から前記複数の出口に向かって先細りする、空洞と、を備える、炉と、
複数の金型であって、1つの金型が前記炉の各出口と整列する、複数の金型と、を備える、鋳造システム。
〔態様2〕
前記出口断面積の合計が、前記入口断面積と実質的に一致する、態様1に記載の鋳造システム。
〔態様3〕
前記炉が、
第1の側壁と、
第2の側壁と、を備え、前記空洞が、前記第1の側壁と前記第2の側壁との間に画定され、前記第1の側壁が、前記第2の側壁と平行ではない、態様1に記載の鋳造システム。
〔態様4〕
前記第1の側壁が、前記第2の側壁に対して約1度〜約10度の角度を成して配向される、態様3に記載の鋳造システム。
〔態様5〕
前記複数の出口が、第1の出口および第2の出口を備え、前記第1の出口が、前記第1の側壁を通って延在し、前記第2の出口が、前記第2の側壁を通って延在する、態様3に記載の鋳造システム。
〔態様6〕
前記第1の出口が、第1の出口断面積を画定し、前記第2の出口が、第2の出口断面積を画定し、前記第2の出口断面積が、第1の出口断面積と実質的に一致する、態様5に記載の鋳造システム。
〔態様7〕
前記空洞が、長手方向軸を画定し、前記出口が、前記長手方向軸に対して対称的に配置される、態様1に記載の鋳造システム。
〔態様8〕
前記金型が、底部開放型の金型である、態様1に記載の鋳造システム。
〔態様9〕
エネルギー源を備え、前記エネルギー源が、前記炉内で物質にエネルギーを与えるように構造化され、前記物質の一部が、前記炉内で前記空洞を画定する固化したスカルを形成する、態様1に記載の鋳造システム。
〔態様10〕
各出口が、注入リップを備え、各注入リップが、前記鋳造システムの金型と整列する、態様1に記載のシステム。
〔態様11〕
前記炉が、流体ベースの冷却システムを備える、態様1に記載の鋳造システム。
〔態様12〕
前記複数の金型が、平行鋳造のために配置される、態様1に記載の鋳造システム。
〔態様13〕
鋳造システムと共に使用するための炉であって、
空洞であって、
第1の端部と、第2の端部であって、前記空洞が前記第1の端部と前記第2の端部との間で狭まる、第2の端部と、を備える、空洞と、
第1の端部における入口であって、前記入口が入口容量を画定する、入口と、
第2の端部における出口であって、前記出口が出口容量を画定する、出口と、を備える、炉。
〔態様14〕
第1の側壁と、
第2の側壁と、を備え、前記空洞が、前記第1の側壁と前記第2の側壁との間に画定され、前記第1の側壁が、前記第2の側壁に対して角度を成して配向される、態様13に記載の炉。
〔態様15〕
前記空洞が、第1の端部と第2の端部との間で約1度〜約10度先細りする、態様13に記載の炉。
〔態様16〕
前記空洞が、第1の端部から第の2端部まで約4度先細りする、態様15に記載の炉。
〔態様17〕
前記空洞が、物質のスカルを備え、前記物質のスカルが、前記第1の端部と前記第2の端部との間に狭まった形状を画定する、態様13に記載の炉。
〔態様18〕
前記出口が、第1の出口であり、前記炉が、出口容量を画定する第2の出口を備え、前記第1の出口と前記第2の出口の前記出口容量の合計が、前記入口容量と実質的に一致する、態様13に記載の炉。
〔態様19〕
前記空洞が、長手方向軸を画定し、前記第1の出口および前記第2の出口が、前記長手方向軸に対して対称的に配置される、態様18に記載の炉。
〔態様20〕
前記入口が低縁部を備え、前記出口が低縁部を備え、前記出口の前記低縁部が、前記入口の前記低縁部よりも高い、態様13に記載の炉。
〔態様21〕
流体ベースの冷却システムを備える、態様13に記載の炉。
〔態様22〕
前記空洞が、前記第1の端部と前記第2の端部との間の流路を画定し、前記空洞が、
前記入口付近の前記流路に対して横方向の第1の断面積と、
前記出口付近の前記流路に対して横方向の第2の断面積と、を備え、前記第1の断面積が前記第2断面積よりも大きい、態様13に記載の炉。
〔態様23〕
前記入口容量が、前記出口容量と実質的に一致する、態様13に記載の炉。
〔態様23〕
前記入口容量が、前記出口容量を超える、態様13に記載の炉。
〔態様25〕
鋳造システムと共に使用するための炉であって、
前記溶融物質を担持するための担持手段であって、
溶融物質を受容するための受容手段であって、前記受容手段が受容容量を備える、受容手段と、
溶融物質を送達するための送達手段であって、前記送達手段が送達容量を備え、前記送達容量が前記受容容量と実質的に等しい、送達手段と、を備える、担持手段と、
前記受容手段と前記送達手段との間の前記担持手段を狭めるための狭小化手段と、を備える、炉。
〔態様26〕
前記送達手段が、第1および第2の送達手段を備える、態様25に記載の炉。
〔態様27〕
前記狭小化手段が、非平行な側壁を備える、態様25に記載の炉。
〔態様28〕
前記狭小化手段が、物質のスカルを備える、態様25に記載の炉。
〔態様29〕
鋳造システムであって、
物質を受容するように構造化された炉と、
前記炉内で物質にエネルギーを与えるように構造化されたエネルギー源と、を備え、前記物質の一部が前記炉内で物質のスカルを形成し、物質の前記スカルが、
入口断面積を画定する入口と、
出口断面積を画定する出口と、
前記入口と前記出口との間の空洞であって、前記空洞が前記入口から前記出口に向かって先細りする、空洞と、を備える、鋳造システム。
〔態様30〕
前記出口断面積が、前記入口断面積未満である、態様29に記載の鋳造システム。
〔態様31〕
前記スカルが、各々出口断面積を備える複数の出口を備え、前記出口断面積の合計が前記入口断面積と実質的に一致する、態様29に記載の鋳造システム。
〔態様32〕
複数の金型を備え、各出口が1つの金型と整列する、態様31に記載の鋳造システム。
〔態様33〕
前記エネルギー源が、電子ビーム銃およびプラズマ発生デバイスを含む群から選択される、態様29に記載の鋳造システム。
〔態様34〕
物質を鋳造するための方法であって、
炉の入口に溶融物質を通すことであって、前記入口が入口容量を備える、通すことと、
前記炉の先細りした空洞に前記溶融物質を通すことと、
前記炉の複数の出口に前記溶融物質を通すことであって、各出口が出口容量を備え、前記出口容量の前記合計が前記入口容量と実質的に一致する、通すことと、
複数の金型内に前記溶融物質を通すことと、を含む、方法。
〔態様35〕
出発物質にエネルギーを印加して、前記溶融物質を形成することを含む、態様34に記載の方法。
〔態様36〕
前記複数の金型を同時に充填することを含む、態様34に記載の方法。
〔態様37〕
前記方法が、連続鋳造法である、態様34に記載の方法。
〔態様38〕
前記炉に向かってエネルギーを指向して、中に先細りした物質のスカルを形成することを含む、態様34に記載の方法。
〔態様39〕
物質を鋳造するための方法であって、
入口に溶融物質を通して炉内に入れることと、
前記炉内の前記溶融物質にエネルギーを選択的に印加して、前記炉内で物質のスカルを形成することであって、物質の前記スカルが空洞を画定する、形成することと、
前記炉の出口に前記溶融物質を通すことであって、前記空洞が前記入口から前記出口まで先細りする、通すことと、
金型内に前記溶融物質を通すことと、を含む、方法。
〔態様40〕
前記入口が入口容量を備え、前記出口が、前記入口容量に等しいか、またはそれ未満のうちの1つである出口容量を備える、態様39に記載の方法。
〔態様41〕
前記方法が、連続鋳造法である、態様39に記載の方法。
〔態様42〕
前記金型から鋳造物質を取り除くことを含む、態様41に記載の方法。
〔態様43〕
前記炉内の前記溶融物質にエネルギーを印加して、溶融物質中の封入物を除去することを含む、態様39に記載の方法。