特許第6573960号(P6573960)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6573960イメージングセンサ用のカードエッジコネクタ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6573960
(24)【登録日】2019年8月23日
(45)【発行日】2019年9月11日
(54)【発明の名称】イメージングセンサ用のカードエッジコネクタ
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/04 20060101AFI20190902BHJP
   G02B 23/24 20060101ALI20190902BHJP
   H04N 5/225 20060101ALI20190902BHJP
【FI】
   A61B1/04 530
   G02B23/24 B
   H04N5/225 300
【請求項の数】28
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2017-501147(P2017-501147)
(86)(22)【出願日】2015年3月23日
(65)【公表番号】特表2017-517354(P2017-517354A)
(43)【公表日】2017年6月29日
(86)【国際出願番号】US2015022080
(87)【国際公開番号】WO2015143453
(87)【国際公開日】20150924
【審査請求日】2018年1月17日
(31)【優先権主張番号】61/968,959
(32)【優先日】2014年3月21日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513069064
【氏名又は名称】デピュイ・シンセス・プロダクツ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ヘンリー・ジェレミア・ディー
(72)【発明者】
【氏名】ブランカール・ローラン
(72)【発明者】
【氏名】ディーン・ブライアン
【審査官】 清水 裕勝
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2007/0182842(US,A1)
【文献】 特開2000−051150(JP,A)
【文献】 特開2000−199863(JP,A)
【文献】 特開2008−153313(JP,A)
【文献】 特開昭61−253034(JP,A)
【文献】 特表2001−519610(JP,A)
【文献】 特開2012−216604(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/04
G02B 23/24−23/26
H01L 27/14
H04N 5/225
H04N 5/30−5/378
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光量不足の環境で画像を与えるための外科用スコープであって、
近位部分及び遠位部分を有する管状部材と、
前記管状部材の前記遠位部分に配置され、第1の端部、第2の端部、及び複数の電気的コネクタを有するコネクタアセンブリと、
プリント基板と、
イメージセンサと、を備え、
前記イメージセンサが前記コネクタアセンブリの前記第1の端部において前記コネクタアセンブリに接続され、前記プリント基板が前記コネクタアセンブリの前記第2の端部において前記コネクタアセンブリに接続され、これにより、前記コネクタアセンブリが前記イメージセンサを前記管状部材の前記遠位部分に取り付け、前記イメージセンサを前記複数の電気的コネクタを介して前記プリント基板に電気的に接続し、それによって、前記イメージセンサと前記プリント基板との間の電気的通信を与え、
前記コネクタアセンブリの前記第2の端部が、前記プリント基板を受容するための第1のスロットを有し、前記プリント基板が、付勢力によって前記第1のスロット内に保持されている、外科用スコープ。
【請求項2】
前記コネクタアセンブリが、前記管状部材の内部で前記イメージセンサを前記プリント基板に対して縦のほぼ垂直な向きで取り付ける、請求項1に記載の外科用スコープ。
【請求項3】
前記プリント基板が、前記イメージセンサの中心からずれて前記イメージセンサに対して垂直に取り付けられている、請求項2に記載の外科用スコープ。
【請求項4】
前記プリント基板が、前記イメージセンサの縁から離れて前記イメージセンサに対して垂直に取り付けられている、請求項2に記載の外科用スコープ。
【請求項5】
前記イメージセンサが、ワイアボンドを介して前記複数の電気的コネクタに電気的に取り付けられた複数の電気的パッドを有する、請求項1に記載の外科用スコープ。
【請求項6】
前記イメージセンサが、導電性接着剤によって前記複数の電気的コネクタの1つに電気的に取り付けられている、請求項1に記載の外科用スコープ。
【請求項7】
前記イメージセンサが、ワイアボンドを介して前記複数の電気的コネクタに電気的に取り付けられ、前記イメージセンサがシリコンダイを含み、前記導電性接着剤が前記コネクタアセンブリの制御された位置に置かれることによって前記シリコンダイの背面を前記コネクタアセンブリ内の接地に電気的に接続する、請求項6に記載の外科用スコープ。
【請求項8】
前記イメージセンサが背面照射型であり、前記コネクタアセンブリの前記複数の電気的コネクタにはんだ付けされた複数の電気的パッドを有し、それによって、前記イメージセンサを前記コネクタアセンブリに電気的に取り付ける、請求項1に記載の外科用スコープ。
【請求項9】
前記イメージセンサが前記コネクタアセンブリの前記第1の端部において前記複数の電気的コネクタの平面の上方に配置されることにより、前記複数の電気的コネクタが前記イメージセンサの下に位置する、請求項1に記載の外科用スコープ。
【請求項10】
前記コネクタアセンブリが前記第1の端部において側壁を有するキャビティを有し、前記イメージセンサが前記キャビティ内に配置され、これにより、前記キャビティの前記側壁が前記イメージセンサの少なくとも一部を包囲し、それによって、前記イメージセンサ及び前記複数の電気的コネクタを保護する、請求項1に記載の外科用スコープ。
【請求項11】
前記イメージセンサが、前記コネクタアセンブリの前記第1の端部において前記複数の電気的コネクタの平面の上方に配置されたピクセルアレイを有する、請求項10に記載の外科用スコープ。
【請求項12】
前記イメージセンサが、前記コネクタアセンブリの前記第1の端部において前記複数の電気的コネクタと同じ平面上に配置されたピクセルアレイを有する、請求項10に記載の外科用スコープ。
【請求項13】
前記イメージセンサが、前記コネクタアセンブリの前記第1の端部において前記複数の電気的コネクタの平面の下方に配置されたピクセルアレイを有する、請求項10に記載の外科用スコープ。
【請求項14】
前記複数の電気的コネクタが前記第1のスロット内に延びることにより、前記プリント基板が前記第1のスロット内に配置されると、前記コネクタアセンブリの前記複数の電気的コネクタが前記プリント基板上の対応する電気的コネクタと電気的に通信する、請求項に記載の外科用スコープ。
【請求項15】
光量不足の環境で画像を与えるためのシステムであって、
近位部分及び遠位部分を有する管状部材を有する外科用スコープと、
光源と、
カメラ制御ユニットと、
ディスプレイと、を備え、
前記外科用スコープが、
前記管状部材の前記遠位部分に配置され、第1の端部、第2の端部、及び複数の電気的コネクタを有するコネクタアセンブリと、
プリント基板と、
イメージセンサと、を備え、
前記イメージセンサが前記コネクタアセンブリの前記第1の端部において前記コネクタアセンブリに接続され、前記プリント基板が前記コネクタアセンブリの前記第2の端部において前記コネクタアセンブリに接続され、これにより、前記コネクタアセンブリが前記イメージセンサを前記管状部材の前記遠位部分に取り付け、前記イメージセンサを前記複数の電気的コネクタを介して前記プリント基板に電気的に接続し、それによって、前記イメージセンサと前記プリント基板との間の電気的通信を与え、
前記コネクタアセンブリの前記第2の端部が、前記プリント基板を受容するための第1のスロットを有し、前記プリント基板が、付勢力によって前記第1のスロット内に保持されている、システム。
【請求項16】
前記コネクタアセンブリが、前記管状部材の内部で前記イメージセンサを前記プリント基板に対して縦のほぼ垂直な向きで取り付ける、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記プリント基板が、前記イメージセンサの中心からずれて前記イメージセンサに対して垂直に取り付けられている、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記プリント基板が、前記イメージセンサの縁から離れて前記イメージセンサに対して垂直に取り付けられている、請求項16に記載のシステム。
【請求項19】
前記イメージセンサが、ワイアボンドを介して前記複数の電気的コネクタに電気的に取り付けられた複数の電気的パッドを有する、請求項15に記載のシステム。
【請求項20】
前記イメージセンサが、導電性接着剤によって前記複数の電気的コネクタの1つに電気的に取り付けられている、請求項15に記載のシステム。
【請求項21】
前記イメージセンサが、ワイアボンドを介して前記複数の電気的コネクタに電気的に取り付けられ、前記イメージセンサがシリコンダイを含み、前記導電性接着剤が前記コネクタアセンブリの制御された位置に置かれることによって前記シリコンダイの背面を前記コネクタアセンブリ内の接地に電気的に接続する、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記イメージセンサが背面照射型であり、前記コネクタアセンブリの前記複数の電気的コネクタにはんだ付けされた複数の電気的パッドを有し、それによって、前記イメージセンサを前記コネクタアセンブリに電気的に取り付ける、請求項15に記載のシステム。
【請求項23】
前記イメージセンサが前記コネクタアセンブリの前記第1の端部において前記複数の電気的コネクタの平面の上方に配置されることにより、前記複数の電気的コネクタが前記イメージセンサの下に位置する、請求項15に記載のシステム。
【請求項24】
前記コネクタアセンブリが前記第1の端部において側壁を有するキャビティを有し、前記イメージセンサが前記キャビティ内に配置され、これにより、前記キャビティの前記側壁が前記イメージセンサの少なくとも一部を包囲し、それによって、前記イメージセンサ及び前記複数の電気的コネクタを保護する、請求項15に記載のシステム。
【請求項25】
前記イメージセンサが、前記コネクタアセンブリの前記第1の端部において前記複数の電気的コネクタの平面の上方に配置されたピクセルアレイを有する、請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
前記イメージセンサが、前記コネクタアセンブリの前記第1の端部において前記複数の電気的コネクタと同じ平面上に配置されたピクセルアレイを有する、請求項24に記載のシステム。
【請求項27】
前記イメージセンサが、前記コネクタアセンブリの前記第1の端部において前記複数の電気的コネクタの平面の下方に配置されたピクセルアレイを有する、請求項24に記載のシステム。
【請求項28】
前記複数の電気的コネクタが前記第1のスロット内に延びることにより、前記プリント基板が前記第1のスロット内に配置されると、前記コネクタアセンブリの前記複数の電気的コネクタが前記プリント基板上の対応する電気的コネクタと電気的に通信する、請求項15に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本開示は、概して、カードエッジコネクタに関し、より詳細には(ただし全体的にではないが)、イメージセンサなどのセンサ用のカードエッジコネクタに関する。技術の進歩は医療用途における撮像性能に進歩をもたらしている。特定の最も有益なかかる進歩によって利する分野の1つに、内視鏡を構成する構成部品の進歩による内視鏡下手術の分野がある。
【0002】
腹腔鏡手術、関節鏡手術、耳鼻咽喉科学、婦人科学、及び泌尿器科学において使用される従来のデジタルビデオシステムは、1つ又は2つ以上のイメージセンサを内蔵した別体のハンドピースユニットに、光学的及び機械的に結合された従来の剛性の内視鏡に基づいている。画像情報は内視鏡の長さに沿って光学的に伝送された後、光学カプラによってセンサ上に焦点を結ぶ。
【0003】
しかしながら、技術の進歩により、センサは現在では、医療用又は他の種類のスコープの遠位端又は遠位先端部に配置されている。かかる進歩にともない、こうしたスコープにおいてプリント基板(PCB)とセンサを機械的かつ電気的に接続することに伴う困難及び問題が生じている。したがって、スコープの遠位端又は先端部内でPCBとセンサとを接続するための装置、システム、及び方法が求められている。明らかとなるように、本開示は、スコープの遠位端又は先端部内でPCBとセンサとを効果的かつすっきりとした形で接続するためのこのような装置、システム、及び方法を提供するものである。
【0004】
本開示の特徴及び利点を以下の説明で述べるが、本開示の特徴及び利点は、この説明からある程度明らかとなるか、あるいは本開示を実施することにより不要な実験を行うことなく理解することが可能である。本開示の特徴及び利点は、添付の特許請求の範囲において詳細に示される器具及びその組合せによって実現し、得ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0005】
本開示の非限定的かつ非網羅的な実現形態を以下の図面を参照しながら説明するが、図中、特に断わらないかぎりは、同様の参照番号は異なる図面を通じて同様の部材を指す。以下の説明文及び添付の図面を参照することで本開示の利点のより深い理解が得られるであろう。
図1A】本開示の原理及び教示に基づく内視鏡システムの異なる実施形態を示す。
図1B】本開示の原理及び教示に基づく内視鏡システムの異なる実施形態を示す。
図1C】本開示の原理及び教示に基づく内視鏡システムの異なる実施形態を示す。
図1D】本開示の原理及び教示に基づく内視鏡システムの異なる実施形態を示す。
図1E】本開示の原理及び教示に基づく内視鏡システムの異なる実施形態を示す。
図1F】本開示の原理及び教示に基づく内視鏡システムの異なる実施形態を示す。
図1G】本開示の原理及び教示に基づく内視鏡システムの異なる実施形態を示す。
図2A】本開示の原理及び教示に基づく内視鏡装置の正面図、側部断面図、背面図、及び底部断面図をそれぞれ示す。
図2B】本開示の原理及び教示に基づく内視鏡装置の正面図、側部断面図、背面図、及び底部断面図をそれぞれ示す。
図2C】本開示の原理及び教示に基づく内視鏡装置の正面図、側部断面図、背面図、及び底部断面図をそれぞれ示す。
図2D】本開示の原理及び教示に基づく内視鏡装置の正面図、側部断面図、背面図、及び底部断面図をそれぞれ示す。
図3A】本開示の原理及び教示に基づくカードエッジコネクタ装置の正面図、側部断面図、背面図、及び底部断面図をそれぞれ示す。
図3B】本開示の原理及び教示に基づくカードエッジコネクタ装置の正面図、側部断面図、背面図、及び底部断面図をそれぞれ示す。
図3C】本開示の原理及び教示に基づくカードエッジコネクタ装置の正面図、側部断面図、背面図、及び底部断面図をそれぞれ示す。
図3D】本開示の原理及び教示に基づくカードエッジコネクタ装置の正面図、側部断面図、背面図、及び底部断面図をそれぞれ示す。
図4A】本開示の原理及び教示に基づく、センサが内部に装填されたカードエッジコネクタ装置の正面図、側部断面図、及び底部断面図をそれぞれ示す。
図4B】本開示の原理及び教示に基づく、センサが内部に装填されたカードエッジコネクタ装置の正面図、側部断面図、及び底部断面図をそれぞれ示す。
図4C】本開示の原理及び教示に基づく、センサが内部に装填されたカードエッジコネクタ装置の正面図、側部断面図、及び底部断面図をそれぞれ示す。
図5A】本開示の原理及び教示に基づく、センサが内部に装填され、ワイアボンドによってコネクタのピン又はパッドなどの電気的コネクタにセンサが接続された、カードエッジコネクタ装置の正面図、側部断面図、及び底部断面図をそれぞれ示す。
図5B】本開示の原理及び教示に基づく、センサが内部に装填され、ワイアボンドによってコネクタのピン又はパッドなどの電気的コネクタにセンサが接続された、カードエッジコネクタ装置の正面図、側部断面図、及び底部断面図をそれぞれ示す。
図5C】本開示の原理及び教示に基づく、センサが内部に装填され、ワイアボンドによってコネクタのピン又はパッドなどの電気的コネクタにセンサが接続された、カードエッジコネクタ装置の正面図、側部断面図、及び底部断面図をそれぞれ示す。
図6A】本開示の原理及び教示に基づいた、センサが内部に装填されたカードエッジコネクタ装置の正面斜視図、カードエッジコネクタ装置の背面斜視図、及びカードエッジコネクタ装置の正面斜視図をそれぞれ示す。
図6B】本開示の原理及び教示に基づいた、センサが内部に装填されたカードエッジコネクタ装置の正面斜視図、カードエッジコネクタ装置の背面斜視図、及びカードエッジコネクタ装置の正面斜視図をそれぞれ示す。
図6C】本開示の原理及び教示に基づいた、センサが内部に装填されたカードエッジコネクタ装置の正面斜視図、カードエッジコネクタ装置の背面斜視図、及びカードエッジコネクタ装置の正面斜視図をそれぞれ示す。
図7A】本開示の原理及び教示に基づいた、コネクタの平面から盛り上がるようにしてセンサが装填されたカードエッジコネクタ装置の正面図、側部断面図、及び底部断面図をそれぞれ示す。
図7B】本開示の原理及び教示に基づいた、コネクタの平面から盛り上がるようにしてセンサが装填されたカードエッジコネクタ装置の正面図、側部断面図、及び底部断面図をそれぞれ示す。
図7C】本開示の原理及び教示に基づいた、コネクタの平面から盛り上がるようにしてセンサが装填されたカードエッジコネクタ装置の正面図、側部断面図、及び底部断面図をそれぞれ示す。
図8A】本開示の原理及び教示に基づいた、コネクタの平面から盛り上がるようにして装填された背面照射型センサとともに使用するためのカードエッジコネクタ装置の斜視図を示す。
図8B】本開示の原理及び教示に基づいた、コネクタの平面から盛り上がるようにして装填された背面照射型センサとともに使用するためのカードエッジコネクタ装置の斜視図を示す。
図9A】本開示の原理及び教示に基づいた、コネクタの平面から盛り上がるようにしてセンサが装填されたカードエッジコネクタ装置の正面図、側部断面図、及び底部断面図をそれぞれ示す。
図9B】本開示の原理及び教示に基づいた、コネクタの平面から盛り上がるようにしてセンサが装填されたカードエッジコネクタ装置の正面図、側部断面図、及び底部断面図をそれぞれ示す。
図9C】本開示の原理及び教示に基づいた、コネクタの平面から盛り上がるようにしてセンサが装填されたカードエッジコネクタ装置の正面図、側部断面図、及び底部断面図をそれぞれ示す。
図10A】従来技術による従来のパッケージングされたイメージングセンサ装置の平面図及び側部断面図をそれぞれ示す。
図10B】従来技術による従来のパッケージングされたイメージングセンサ装置の平面図及び側部断面図をそれぞれ示す。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本開示は、横方向の空間が限定されている場合があるスコープの遠位端又は先端部内で1又は2以上のセンサを1又は2以上のプリント基板(PCB)に接続するための装置、システム、及び方法に関するものである。本開示は、また、センサを保護し、かつセンサからPCBに情報を伝送するためのイメージセンサ用のカードエッジコネクタにも関し、この場合、カードエッジコネクタの一端にイメージセンサを接続することができ、カードエッジコネクタの反対側の端部にPCBを接続することができる。本開示は、また、センサを保護し、かつセンサからPCBに情報を伝送するための、イメージセンサ用のカードエッジコネクタにも関し、この場合、カードエッジコネクタの一端にイメージセンサを接続することができ、カードエッジコネクタの反対側の端部にプリント基板に対して縦のほぼ垂直な向きでPCBを接続することができる。PCBの一部は、一致するカードエッジコネクタソケットに差し込むことが意図されている、回路の縁まで延びるトレースを有することができる。カードエッジコネクタはメスのコネクタを必要とするのみであり、オスのコネクタはPCBの縁からずれるように形成することができる。
【0007】
本開示の以下の説明においては、本明細書の一部をなし、本開示を実施することが可能な特定の実現形態を例として示した添付図面を参照する。他の実現形態を使用することも可能であり、本開示の範囲から逸脱することなく構造上の変更を行うことができるは理解されるであろう。
【0008】
本開示の主題を説明し、特許請求するにあたり、以下の専門用語を、以下に示される定義にしたがって使用する。
【0009】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用するところの単数形「a」、「an」、及び、「the」とは、前後の文脈によってそうでない旨が明らかに示されないかぎり、複数の指示対象物を含む点に注意しなければならない。
【0010】
本明細書で使用するところの「含む(comprising)」、「包含する(including)」、「含有する(containing)」、「によって特徴づけられる(characterized by)」なる用語、及びこれらの文法上同等な表現は、更なる記載されていない要素又は方法の工程を除外しない、包括的な、すなわちオープンエンドな用語である。
【0011】
本明細書で使用するところの「近位」なる用語は、原点に最も近い部分の概念を広く指すものである。
【0012】
本明細書で使用するところの「遠位」なる用語は、近位の反対、したがって、文脈に応じて、原点からより遠い部分又は最も遠い部分の概念を一般的に指すものである。
【0013】
ここで図1を参照すると、内視鏡システム100の様々な実施形態が示されている。システム100は、多くの異なる構成を有しうる点は認識されるであろう。1つの例が図1Aに示されているが、図1Aは、剛性の角度付きスコープ102、光学カップラ104、ハンドピース106、イメージセンサ108(破線により示されるようにハンドピース106の内部又は遠位方向に内視鏡102の先端部に配置することができる)、電気ケーブル110、光ファイバケーブルなどの光ケーブル112、光源114、カメラ制御ユニット(CCU)などの制御部116、ビデオケーブル118、及びディスプレイ120を有する内視鏡システム100を示している。
【0014】
図1Bに示されるシステム構成は、剛性の角度付きスコープ102、光学カップラ104、ハンドピース106、イメージセンサ108(破線により示されるようにハンドピース106の内部又は遠位方向に内視鏡102の先端部に配置することができる)、電気ケーブル110、光ファイバケーブルなどの光ケーブル112、内蔵光源114を有するカメラ制御ユニット(CCU)などの制御部116、ビデオケーブル118、及びディスプレイ120を有する内視鏡システム100を示している。
【0015】
図1Cに示されるシステム構成は、関節動作型スコープ102、光学カップラ104、ハンドピース106、イメージセンサ108(破線により示されるようにハンドピース106の内部又は遠位方向に内視鏡102の先端部に配置することができる)、電気ケーブル110、光ファイバケーブルなどの光ケーブル112、光源114、カメラ制御ユニット(CCU)などの制御部116、ビデオケーブル118、及びディスプレイ120を有する内視鏡システム100を示している。
【0016】
図1Dに示されるシステム構成は、一体型の剛性0°型スコープ102を有するハンドピース106、イメージセンサ108(破線により示されるようにハンドピース106の内部又は遠位方向に内視鏡102の先端部に配置することができる)、電気及び光複合ケーブル110、内蔵光源114を有するカメラ制御ユニット(CCU)などの制御部116、ビデオケーブル118、及びディスプレイ120を有する内視鏡システム100を示している。
【0017】
図1Eに示されるシステム構成は、一体型の剛性の角度付きスコープ102及び回転ポスト105を有するハンドピース106、イメージセンサ108(破線により示されるようにハンドピース106の内部又は遠位方向に内視鏡102の先端部に配置することができる)、電気及び光複合ケーブル110、内蔵光源114を有するカメラ制御ユニット(CCU)などの制御部116、ビデオケーブル118、及びディスプレイ120を有する内視鏡システム100を示している。
【0018】
図1Fに示されるシステム構成は、一体型の関節動作型スコープ102を有するハンドピース106、イメージセンサ108(破線により示されるようにハンドピース106の内部又は遠位方向に内視鏡102の先端部に配置することができる)、電気及び光複合ケーブル110、内蔵光源114を有するカメラ制御ユニット(CCU)などの制御部116、ビデオケーブル118、及びディスプレイ120を有する内視鏡システム100を示している。
【0019】
図1Gに示されるシステム構成は、一体型の可撓性スコープ102を有するハンドピース106、イメージセンサ108(破線により示されるようにハンドピース106の内部又は遠位方向に内視鏡102の先端部に配置することができる)、電気及び光複合ケーブル110、内蔵光源114を有するカメラ制御ユニット(CCU)などの制御部116、ビデオケーブル118、及びディスプレイ120を有する内視鏡システム100を示している。
【0020】
図1A〜1Gに示される内視鏡システムの上記に特定した構成のいずれも、異なる構成における上記の各要素のいずれの組み合わせも、また、低侵襲性手術で使用される他のいずれの構成も、本開示の範囲内に含まれるものであることは認識されよう。
【0021】
光が不足した環境で画像を与えるためのシステム100の一実現形態では、システムは、それ自体が近位部分と遠位部分とを有する管状部材で構成されうる外科用スコープを含むことができる。システム100は、光源、カメラ制御ユニット(CCU)、及びディスプレイを更に有することができる。本明細書において下記により詳細に述べるように、外科用スコープは、管状部材の遠位部分に配置することができる、第1の端部、第2の端部、及び複数の電気的コネクタを有しうるコネクタアセンブリを有することができる。コネクタアセンブリは、プリント基板及びイメージセンサをその内部に受容してもよい。このような実現形態では、イメージセンサをコネクタアセンブリの第1の端部に接続し、プリント基板をコネクタアセンブリの第2の端部に接続することができ、これにより、コネクタアセンブリがイメージセンサを管状部材の遠位部分に取り付け、イメージセンサを複数の電気的コネクタを介してプリント基板に電気的に接続し、それによって、イメージセンサとプリント基板との間の電気的通信を与えることができる。
【0022】
次に図2A〜2Dを参照すると、内視鏡装置200が示されている。内視鏡装置200は、外側スコープ管202のような管状部材、レンズアセンブリ204、コネクタ又はカードエッジコネクタ206、イメージセンサ208、カードエッジPCBA 210、並びに複数の導線及び/又はワイヤハーネス及び/又は他の通信要素212を有することができる。コネクタ206は、組み立てられることで完全なコネクタを形成するサブ要素で構成されうることから本明細書ではしばしばコネクタアセンブリ206と呼ばれる場合がある点は認識されよう。
【0023】
図2A〜2Dでは、内視鏡装置は、イメージセンサ208が外側スコープ管202の遠位端部203又は先端部に配置された状態で示されている。内視鏡装置200は、外側スコープ管202、従来の内視鏡装置で使用することができる各種の光学素子(分かりやすさの目的で示されていない)によって完成するレンズアセンブリ204、第2の、又は近位端206bにおいてカードエッジPCBA 210と接続し、第1の端部(第1の端部は、図に示されるコネクタ206の遠位端又は遠位部分206aであってよい)においてイメージセンサ208を収容又は固定するためのカードエッジコネクタ206、並びに、カードエッジPCBA 210からの信号を画像プロセッサ(図に示されていない)(例えば撮像装置若しくはカメラのハンドピース内、又はカメラ制御ユニット(CCU)内、又は管腔の長さの更に上流など、イメージセンサに対して遠隔配置することができる)に伝送するための導線及び/又はワイヤハーネス及び/又は他の通信要素212を有しうる点は認識されるであろう。
【0024】
イメージセンサ208は、イメージセンサシリコンダイ、ピクセルアレイ209、及びピン又はパッドなどの対応した電気的コネクタと電気的に通信するための複数のセンサパッドを含みうる。イメージセンサ208は、コネクタ206の一部であってよいピン又はパッドのような対応する複数の電気的コネクタ222と複数のパッド220を接続する、ワイアボンドのような複数の接合部を有することができる。
【0025】
カードエッジコネクタ206は、センサ208を収容するパッケージとして使用することができる点は認識されよう。更に、カードエッジコネクタ206の構造は、センサパッケージングの一部としてセンサを製造及び輸送する助けとなりうる点も理解されるはずである。カードエッジコネクタ又はパッケージ206の1つの目的は、イメージセンサ208をワイヤハーネス212と接続するプロセスを単純化することである。カードエッジコネクタ又はパッケージ206は、ワイヤハーネス212とのセンサ接続を容易としうるものである。
【0026】
図2A〜2Dは、コネクタアセンブリ206の第2の端部206bにおいてコネクタアセンブリ206と接続されたPCBA 210を示している点は認識されるであろう。これに対して、イメージセンサ208は、第1の端部206aにおいてコネクタアセンブリ206と接続された状態が示されており、これにより、コネクタアセンブリ206は管状部材202の遠位部分203においてイメージセンサ208に取り付けられ、イメージセンサ208を複数の電気的コネクタ222を介してPCBA 210と電気的に接続することにより、イメージセンサ208とPCBA 210との間の電気的通信を与える。当業者であれば、コネクタアセンブリ206は、ほぼ管状の構成以外に、任意の細長の構成と組み合わせて用いることが可能である点は認識されるところであり、かかる細長の構成も本開示の範囲内に含まれるものとする。
【0027】
コネクタアセンブリ206は、イメージセンサ208を、PCBA 210に対して縦のほぼ垂直な向き(図2Dに最も分かりやすく示される)で管状部材202の遠位部分203内部に取り付けるように機能することができる。一実現形態では、PCBA 210は、イメージセンサ208の中心からずれて、イメージセンサ208に対して垂直に取り付けることができる。一実現形態では、PCBA 210は、イメージセンサ208の縁から離れて、イメージセンサ208に対して垂直に取り付けることができる。図に示されるように、イメージセンサ208は、コネクタアセンブリ206の第1の端部206aにおける電気的コネクタ222の平面(図2Dにおいて破線Pで示される)よりも充分に下方に配置することができ、これにより、コネクタアセンブリ206の第1の端部206aにおける電気的コネクタ222の平面は、イメージセンサ208よりも充分に上方に位置することになる。この構成では、イメージセンサ208のピクセルアレイ209は、コネクタアセンブリ206の第1の端部206aにおける電気的コネクタ222の平面(図2Dにおいて破線Pで示される)よりも下に位置する。
【0028】
次に図3A〜3Dを参照すると、各図は、本開示の原理及び教示に基づいたカードエッジコネクタ装置206の正面図、側部断面図、背面図、及び底部断面図をそれぞれ示している。図3A〜3Dのカードエッジコネクタ206は、コネクタ206の細部を考察するうえでの分かりやすさ及び単純さの目的で、外側スコープ管202を含むスコープ又は内視鏡装置を除いて示されている。
【0029】
カードエッジコネクタ206は、例えばx次元(幅)及びy次元(高さ)のパッケージの全体のサイズが最小化されるような構成、寸法、構造とすることができる点は認識されよう。したがって、第1の端部又は遠位端若しくは遠位部分とすることができるコネクタ206の一方の端部206aを、センサ208の配置について最適化することによって、センサ208をコネクタ206のピン又はパッドなどの複数の電気的コネクタ222に接続することができるワイアボンドを保護するとともに、センサ208の全体的な保護を与えることができる。
【0030】
上記を促進するため、カードエッジコネクタ206はセンサ208及びシリコンダイを内部に受容するためのキャビティ又は凹部230を有することができる。コネクタ206の第2の端部又は近位端とすることができる他方の端部206bを、エッジカードPCBA 210を受け入れるように最適化することができる(図2B及び2Dに最も分かりやすく示される)。この端部206bに、第1のスロット、ソケット又はレセプタクル232(図3B〜3Dに最も分かりやすく示される)を、エッジカードPCBA 210をその内部に受け入れる、又は受容するように設けることができる。PCBA 210は、付勢力によって第1のスロット、ソケット、又はレセプタクル232内に保持することができる点は認識されよう。複数の電気的コネクタ222が第1のスロット、ソケット、又はレセプタクル232内に延びてよく、これにより、PCBA 210が第1のスロット232内に配置されると、コネクタアセンブリ206の電気的コネクタ222がPCBA 210上の対応する電気的コネクタと電気的に通信することができる。コネクタ206は、内部に光ケーブルのストランドを受容するための縦スロット又は溝250を更に有することができる。
【0031】
図4A〜4Cは、本開示の原理及び教示に基づいた、センサ208が内部に装填されたカードエッジコネクタ装置206の正面図、側部断面図、及び底部断面図をそれぞれ示している。センサ208は、図3A〜3Dに関連して上記に述べたようなキャビティ230内に装填することができる点は認識されるであろう。イメージセンサ208及びシリコンダイは、任意の機械的機構及び/又は接着剤又は他の接合手段を用いてコネクタ206に取り付けるか又は他の形で連結することができる点は認識されるであろう。例えば、イメージセンサ208は、ワイアボンドなどの複数の接合部221によりカードエッジコネクタ206の電気的コネクタ222と接合又は他の形で連結することができる複数のセンサパッド又は電気的コネクタ220を有することができる。
【0032】
図4A〜4Cに示される構成では、イメージセンサ208のピクセルアレイ209は、コネクタアセンブリ206の第1の端部206aにおける電気的コネクタ222と同じ平面又はほぼ同じ平面(図4Cにおいて破線Pで示される)上に位置している。
【0033】
図7A〜7Cに最も分かりやすく示される本開示の一実現形態では、接着剤を使用してセンサ208をコネクタ206に取り付けることができる。接着剤は導電性接着剤であってよく、例えば、金若しくは銀充填接着剤又は他の金属充填接着剤とすることができる。接着剤をコネクタ206の制御された位置に置くことによって、シリコンダイを接地ピンなどのコネクタ206の特定のピンと電気的に接続することができる。図7Cに最も分かりやすく示されるように、制御された位置は、個々のキャビティ又は他のレセプタクル224とすることでその内部に導電性接着剤を受容することができる。図7Cに示されるように、接地ピン222aは、接地ピン222aへのワイアボンド221によってセンサパッド220と電気的に接続されている様子が示されている。別の言い方をすれば、接地ピン222aを導電性接着剤によってセンサのシリコンダイと電気的に接続することによってセンサの向上した電気的接地経路を与えることができる。図に示されるように、ワイアボンド221は、センサの外側にピンなどの1又は以上の電気的コネクタ222にまで配することができる。導電性接着剤の接地ピン222aに対する接着によって、センサ208内のノイズの量を低減することができ、エポキシ又は導電性接着剤を使用せずに接地ピンに取り付けられたセンサと比較して信号品位を高めることができる点は認識されるであろう。
【0034】
図5A〜5Cは、本開示の原理及び教示に基づいた、センサ208が内部に装填され、ワイアボンド221によってコネクタ206のピン又はパッドなどの電気的コネクタ222にセンサ208が接続されたカードエッジコネクタ装置206の正面図、側部断面図、及び底部断面図をそれぞれ示している。図5Bに最も分かりやすく示されるように、コネクタ206は、側壁209によって画定されうるキャビティ230を有することができる。異なる実現形態において、側壁209は、側壁209がセンサ208の上方にセンサ208を越えて延びるような高さを有することができる。異なる実現形態において、コネクタアセンブリ206は、側壁209を含んでよく、かつコネクタ206の第1の端部206aに配置された、キャビティ230又は部分キャビティを有することができる。イメージセンサ208をキャビティ230又は部分キャビティ内に配置することで、側壁209がイメージセンサ208の少なくとも一部を包囲することにより、イメージセンサ208及び電気的コネクタ221,222を破損から保護することができる点は認識されよう。一実現形態では、イメージセンサ208は側壁209によって完全に包囲されてよい。一実現形態では、イメージセンサ208は側壁209によって部分的に包囲されてよい。一実施形態では、イメージセンサ208は側壁209によって包囲されずともよく、代わりにコネクタ206に対して盛り上がった状態で置くことができる。
【0035】
図5A〜5Cに示される構成では、イメージセンサ208のピクセルアレイ209は、コネクタアセンブリ206の第1の端部206aにおける電気的コネクタ222と同じ平面又はほぼ同じ平面(図5Cにおいて破線Pで示される)上に位置している。
【0036】
図6A〜6Cは、本開示の原理及び教示に基づいた、センサ208が内部に装填されたカードエッジコネクタ装置206の正面立体図、カードエッジコネクタ装置206の背面立体図、及びカードエッジコネクタ装置206の正面立体図をそれぞれ示している。図6A〜6Cに示される3つの画像は、カードエッジコネクタ206について本明細書に開示される概念を示している。一実現形態では、コネクタ206のハウジングは3.5mmのハウジング外径を有することができる。一実現形態では、コネクタ206は、6個の接点又は電気的コネクタ222を有することができる。一実現形態では、コネクタ206は、細かいピッチ(例えば、約0.5mm〜約0.6mm)を有することができる。一実現形態では、コネクタ206は、センサダイをその内部に保持及び受容するためのキャビティ又は凹部230を有する第1の端部又は遠位端206aを有することができる。一実現形態では、コネクタ206は、マイクロエッヂカード又はPCBAをその内部に受け入れるか又は受容するためのソケット又はレセプタクル232を有する第2の端部又は近位端206bを有することができる。一実現形態では、PCBAは、当該技術分野では周知であるように、ワイヤハーネスを接続するためのリジッドPCB又は機構を有することができる。一実現形態では、PCBAは、フラットフレキシブルPCBで構成することができる。
【0037】
図7A〜7Cは、本開示の原理及び教示に基づいた、コネクタの平面から盛り上がるようにしてセンサ208が装填されたカードエッジコネクタ装置206の正面図、側部断面図、及び底部断面図をそれぞれ示している。各図は、図7Cに最も分かりやすく示されるように、コネクタアセンブリ206の第1の端部206aにおいてピン又はパッドのような電気的コネクタ222の平面(破線Pで示される)の上方に盛り上がるようにしてセンサ208を配置することができる実現形態を示している。この構成では、イメージセンサ208のピクセルアレイ209は、コネクタアセンブリ206の第1の端部206aにおける電気的コネクタ222の平面(破線Pで示される)よりも上に位置する。この構成は、コネクタアセンブリ206のピン又はパッドなどの電気的コネクタ222を、本明細書に開示される他の実現形態におけるようにセンサ208の両側に配置するのではなく、センサ208の下に配置することを可能とするものである。この構成は、5mm以下の直径を有する内視鏡のような、直径の小さい管状部材とともに使用するためのより小さい全体のハウジング径及び全体的により小さいハウジングパッケージ又はアセンブリを可能としうるものである。
【0038】
図7A〜7Cに最も分かりやすく示される本明細書の一実現形態では、接着剤をコネクタ206の制御された位置に置くことによって、イメージセンサ208のシリコンダイを接地ピンなどのコネクタ206の特定のピンと電気的に接続することができる。図7Cに最も分かりやすく示されるように、制御された位置は、個々のキャビティ又は他のレセプタクル224とすることでその内部に導電性接着剤を受容することができる。図7Cに示されるように、接地ピン222aは、接地ピン222aへのワイアボンド221によってセンサパッド220と電気的に接続されている様子が示されている。別の言い方をすれば、接地ピン222aを導電性接着剤によってセンサのシリコンダイと電気的に接続することによってセンサの向上した電気的接地経路を与えることができる。図に示されるように、ワイアボンド221は、センサの外側にピンなどの1又は2以上の電気的コネクタ222にまで配することができる。この構成は、5mm以下の直径を有する内視鏡のような、直径の小さい管状部材とともに使用するための全体的により小さいハウジングを可能とするものである。導電性接着剤の接地ピン222aに対する接着によって、センサ208内のノイズの量を低減することができ、エポキシ又は導電性接着剤を使用せずに接地ピンに取り付けられたセンサと比較して信号品位を高めることができる点は認識されるであろう。
【0039】
図8A〜8Bは、本開示の原理及び教示に基づいた、コネクタ206の平面Pから盛り上がるようにして装填された背面照射型センサ208とともに使用するためのカードエッジコネクタ装置206の斜視図を示している。この実現形態では、イメージセンサ208のピクセルアレイ209は、コネクタアセンブリ206の第1の端部206aにおける電気的コネクタ222の平面よりも上に位置する。各図は、イメージセンサ208が背面照射型(BSI)製造プロセスを用いて構築されることで、シリコンダイのピクセルアレイ209と反対側に配置されたセンサパッド220が与えられる実現形態を示している。図に示されるように、このBSIセンサは、本明細書に開示されるカードエッジコネクタ206とともに使用することができる。BSIセンサ208のパッド220は、ワイアボンドの必要なくカードエッジコネクタ206のピン又はパッドのような電気的コネクタ222と直接接合することができる。図8Aを具体的に参照すると、パッド220bは、ワイアボンドの必要なく電気的コネクタ222bと直接接合することができる。かかる直接的接合は、すべてのセンサパッド220及びすべての電気的コネクタ222について生じうる。センサ208の下面に配置することができるパッド220は、コネクタアセンブリ206の電気的コネクタ222上にはんだ付けすることができる点は認識されよう。
【0040】
図9A〜9Cは、本開示の原理及び教示に基づいた、コネクタアセンブリ206の第1の端部206aにおける平面(破線Pで示される)から盛り上がるようにしてセンサ208が装填されたカードエッジコネクタ装置206の正面図、側部断面図、及び底部断面図をそれぞれ示している。この実現形態では、イメージセンサ208のピクセルアレイ209は、コネクタアセンブリ206の第1の端部206aにおける電気的コネクタ222の平面(破線Pで示される)よりも上に位置する。
【0041】
各図は、イメージセンサ208が背面照射型(BSI)製造プロセスを用いて構築されることで、シリコンダイのピクセルアレイ209と反対側に配置されたセンサパッド220が与えられる実現形態を示している。図8A〜8Bの細部を実現した図9A〜9Cに見られるように、この構成によれば、カードエッジコネクタ206の直径がセンサ208のサイズに対して収縮することが可能であり、これにより、コネクタアセンブリ206の利点を維持しつつ、センサがその内部の遠位に配置された管状部材内の利用可能な限定された空間がより効率的に利用されることになる。このような効率向上を利用することで、特定のスコープの直径内により大きなセンサを収めるか、又は特定のサイズのセンサの周囲にスコープの直径を収縮させることができ、いずれの場合にも臨床的効率を向上させることができる。
【0042】
本開示は、(1)センサ208及びワイアボンド221を破損から保護し、かつ/又は(2)最終的なカードエッジコネクタ206アセンブリの設置面積を最小化し、かつ/又は(3)データを遠隔又はオフサイトの画像処理ハードウェアに伝送するワイヤハーネスが取り付けられたPCBAとの単純な機械的接続を可能とする、シリコンイメージングセンサダイをパッケージングするための新規な装置、システム、及び方法を、図1A〜6Cにおいて示し、また、本明細書において説明するものである点は認識されよう。上記の特性は、スコープの先端部の内部の遠位にイメージセンサが配置された内視鏡の用途、又は物理的空間が制限されている他の任意の用途など、空間が最小であるような用途において重要となりうる。
【0043】
図10A及び10Bは、従来技術による従来のパッケージングされたイメージングセンサ装置の平面図及び断面図をそれぞれ示したものである。本開示のコネクタ206は、イメージセンサの従来のパッケージと比較して大きな利点を与えるものである点は認識されよう。イメージングセンサを有するシリコンダイをパッケージングする一般的な方法について説明する。セラミックパッケージは、図に示されるようにダイ及びワイアボンドを保護するためのガラス蓋を有する点は認識されよう。従来のパッケージは、イメージセンサの高さを最小限に抑えるように最適化されているが、イメージセンサの設置面積は本明細書に開示されるイメージセンサの設置面積と比較して非常に大きい。内視鏡の先端部若しくは遠位端、又は空間が制限されている他の用途において内部に配置されることの機械的な制約のため、大きな設置面積は実施不可能であるか又は望ましくない。イメージセンサの従来のパッケージは、局所的な画像処理ハードウェア及び回路構成(例えば、イメージセンサと同じPCBA上の画像処理ハードウェア及び回路構成)を有するPCBAを取り付けるための表面実装プロセスについて最適化されているが、かかる構成はワイヤハーネスに接続することが困難でありうる。
【0044】
本開示の教示及び原理は、本開示の範囲から逸脱することなく、再使用型の装置プラットフォーム、限定使用型の装置プラットフォーム、再配置使用型の装置プラットフォーム、又は、単回使用型/使い捨て型の装置プラットフォームで使用されうる点は認識されよう。再使用型の装置プラットフォームでは、エンドユーザが装置の洗浄及び滅菌を行う必要がある点は認識されよう。限定使用型の装置プラットフォームでは、装置は、動作不能となるまで特定の指定回数だけ使用することができる。一般的な新規な装置は、滅菌状態で提供され、更なる使用では、エンドユーザが更なる使用の前に洗浄及び殺菌することが求められる。再配置使用型の装置プラットフォームでは、第三者が、新しいユニットよりも低コストで更なる使用を行うために、単回使用型装置である装置を再処理(例えば、洗浄、包装、及び殺菌)することができる。単回使用型/使い捨て型の装置プラットフォームでは、装置は滅菌状態で手術室に提供され、1回だけ使用した後に廃棄される。
【0045】
上記の「発明を実施するための形態」では、本開示の様々な特徴を、本開示を分かりやすくする目的で1つの実施形態にまとめている場合がある。このような開示の方法は、特許請求される開示内容が、各請求項に明確に記載されたものよりも多くの特性を必要とするという意図を反映したものとして解釈されてはならない。むしろ、発明の態様は、上記に開示した1つの実施形態のすべての特性を満たさずに存在する。
【0046】
上記の構成は、あくまで本開示の原理の応用を例示したものにすぎない点を理解されたい。当業者であれば、多くの改変及び代替的構成を本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく考案することが可能であるが、添付の「特許請求の範囲」はかかる改変及び構成を網羅することを目的とするものである。
【0047】
したがって、本開示を具体的かつ詳細に図示し、上記に説明したが、当業者であれば、大きさ、材料、形状、形態、機能、並びに動作、組み立て及び使用の仕方の変形を含む(ただしこれらに限定されない)多くの改変を、本明細書に記載した原理及び概念を逸脱することなく行いうる点は明らかであろう。
【0048】
更に、適当な場合、本明細書で述べた機能を、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、デジタル構成部品、又はアナログ構成部品の1つ又は2つ以上で実行することができる。例えば、1つ又は2つ以上の特定用途向け集積回路(ASIC)を、本明細書で述べたシステム及び手順の1つ以上を実行するようにプログラムすることができる。特定の用語が、以下の説明及び特許請求の範囲の全体を通じて特定のシステム構成要素を指して使用されている。当業者であれば認識されるように、各構成要素は異なる名称で呼ばれる場合もある。本明細書では、名称において異なるが機能において異ならない構成要素同士を区別しようとするものではない。
【0049】
〔実施の態様〕
(1) 光量不足の環境で画像を与えるための外科用スコープであって、
近位部分及び遠位部分を有する管状部材と、
前記管状部材の前記遠位部分に配置され、第1の端部、第2の端部、及び複数の電気的コネクタを有するコネクタアセンブリと、
プリント基板と、
イメージセンサと、を備え、
前記イメージセンサが前記コネクタアセンブリの前記第1の端部において前記コネクタアセンブリに接続され、前記プリント基板が前記コネクタアセンブリの前記第2の端部において前記コネクタアセンブリに接続され、これにより、前記コネクタアセンブリが前記イメージセンサを前記管状部材の前記遠位部分に取り付け、前記イメージセンサを前記複数の電気的コネクタを介して前記プリント基板に電気的に接続し、それによって、前記イメージセンサと前記プリント基板との間の電気的通信を与える、外科用スコープ。
(2) 前記コネクタアセンブリが、前記管状部材の内部で前記イメージセンサを前記プリント基板に対して縦のほぼ垂直な向きで取り付ける、実施態様1に記載の外科用スコープ。
(3) 前記プリント基板が、前記イメージセンサの中心からずれて前記イメージセンサに対して垂直に取り付けられている、実施態様2に記載の外科用スコープ。
(4) 前記プリント基板が、前記イメージセンサの縁から離れて前記イメージセンサに対して垂直に取り付けられている、実施態様2に記載の外科用スコープ。
(5) 前記イメージセンサが、ワイアボンドを介して前記複数の電気的コネクタに電気的に取り付けられた複数の電気的パッドを有する、実施態様1に記載の外科用スコープ。
【0050】
(6) 前記イメージセンサが、導電性接着剤によって前記複数の電気的コネクタの1つに電気的に取り付けられている、実施態様1に記載の外科用スコープ。
(7) 前記イメージセンサが、ワイアボンドを介して前記複数の電気的コネクタに電気的に取り付けられ、前記イメージセンサがシリコンダイを含み、前記導電性接着剤が前記コネクタアセンブリの制御された位置に置かれることによって前記シリコンダイの背面を前記コネクタアセンブリ内の接地に電気的に接続する、実施態様6に記載の外科用スコープ。
(8) 前記イメージセンサが背面照射型であり、前記コネクタアセンブリの前記複数の電気的コネクタにはんだ付けされた複数の電気的パッドを有し、それによって、前記イメージセンサを前記コネクタアセンブリに電気的に取り付ける、実施態様1に記載の外科用スコープ。
(9) 前記イメージセンサが前記コネクタアセンブリの前記第1の端部において前記電気的コネクタの平面の上方に配置されることにより、前記電気的コネクタが前記イメージセンサの下に位置する、実施態様1に記載の外科用スコープ。
(10) 前記コネクタアセンブリが前記第1の端部において側壁を有するキャビティを有し、前記イメージセンサが前記キャビティ内に配置され、これにより、前記キャビティの前記側壁が前記イメージセンサの少なくとも一部を包囲し、それによって、前記イメージセンサ及び前記電気的コネクタを保護する、実施態様1に記載の外科用スコープ。
【0051】
(11) 前記イメージセンサが、前記コネクタアセンブリの前記第1の端部において前記電気的コネクタの平面の上方に配置されたピクセルアレイを有する、実施態様10に記載の外科用スコープ。
(12) 前記イメージセンサが、前記コネクタアセンブリの前記第1の端部において前記電気的コネクタと同じ平面上に配置されたピクセルアレイを有する、実施態様10に記載の外科用スコープ。
(13) 前記イメージセンサが、前記コネクタアセンブリの前記第1の端部において前記電気的コネクタの平面の下方に配置されたピクセルアレイを有する、実施態様10に記載の外科用スコープ。
(14) 前記コネクタアセンブリの前記第2の端部が、前記プリント基板を受容するための第1のスロットを有し、前記プリント基板が、付勢力によって前記第1のスロット内に保持されている、実施態様1に記載の外科用スコープ。
(15) 前記複数の電気的コネクタが前記第1のスロット内に延びることにより、前記プリント基板が前記第1のスロット内に配置されると、前記コネクタアセンブリの前記電気的コネクタが前記プリント基板上の対応する電気的コネクタと電気的に通信する、実施態様14に記載の外科用スコープ。
【0052】
(16) 光量不足の環境で画像を与えるためのシステムであって、
近位部分及び遠位部分を有する管状部材を有する外科用スコープと、
光源と、
カメラ制御ユニットと、
ディスプレイと、を備え、
前記外科用スコープが、
前記管状部材の前記遠位部分に配置され、第1の端部、第2の端部、及び複数の電気的コネクタを有するコネクタアセンブリと、
プリント基板と、
イメージセンサと、を備え、
前記イメージセンサが前記コネクタアセンブリの前記第1の端部において前記コネクタアセンブリに接続され、前記プリント基板が前記コネクタアセンブリの前記第2の端部において前記コネクタアセンブリに接続され、これにより、前記コネクタアセンブリが前記イメージセンサを前記管状部材の前記遠位部分に取り付け、前記イメージセンサを前記複数の電気的コネクタを介して前記プリント基板に電気的に接続し、それによって、前記イメージセンサと前記プリント基板との間の電気的通信を与える、システム。
(17) 前記コネクタアセンブリが、前記管状部材の内部で前記イメージセンサを前記プリント基板に対して縦のほぼ垂直な向きで取り付ける、実施態様16に記載のシステム。
(18) 前記プリント基板が、前記イメージセンサの中心からずれて前記イメージセンサに対して垂直に取り付けられている、実施態様17に記載のシステム。
(19) 前記プリント基板が、前記イメージセンサの縁から離れて前記イメージセンサに対して垂直に取り付けられている、実施態様17に記載のシステム。
(20) 前記イメージセンサが、ワイアボンドを介して前記複数の電気的コネクタに電気的に取り付けられた複数の電気的パッドを有する、実施態様16に記載のシステム。
【0053】
(21) 前記イメージセンサが、導電性接着剤によって前記複数の電気的コネクタの1つに電気的に取り付けられている、実施態様16に記載のシステム。
(22) 前記イメージセンサが、ワイアボンドを介して前記複数の電気的コネクタに電気的に取り付けられ、前記イメージセンサがシリコンダイを含み、前記導電性接着剤が前記コネクタアセンブリの制御された位置に置かれることによって前記シリコンダイの背面を前記コネクタアセンブリ内の接地に電気的に接続する、実施態様21に記載のシステム。
(23) 前記イメージセンサが背面照射型であり、前記コネクタアセンブリの前記複数の電気的コネクタにはんだ付けされた複数の電気的パッドを有し、それによって、前記イメージセンサを前記コネクタアセンブリに電気的に取り付ける、実施態様16に記載のシステム。
(24) 前記イメージセンサが前記コネクタアセンブリの前記第1の端部において前記電気的コネクタの平面の上方に配置されることにより、前記電気的コネクタが前記イメージセンサの下に位置する、実施態様16に記載のシステム。
(25) 前記コネクタアセンブリが前記第1の端部において側壁を有するキャビティを有し、前記イメージセンサが前記キャビティ内に配置され、これにより、前記キャビティの前記側壁が前記イメージセンサの少なくとも一部を包囲し、それによって、前記イメージセンサ及び前記電気的コネクタを保護する、実施態様16に記載のシステム。
【0054】
(26) 前記イメージセンサが、前記コネクタアセンブリの前記第1の端部において前記電気的コネクタの平面の上方に配置されたピクセルアレイを有する、実施態様25に記載のシステム。
(27) 前記イメージセンサが、前記コネクタアセンブリの前記第1の端部において前記電気的コネクタと同じ平面上に配置されたピクセルアレイを有する、実施態様25に記載のシステム。
(28) 前記イメージセンサが、前記コネクタアセンブリの前記第1の端部において前記電気的コネクタの平面の下方に配置されたピクセルアレイを有する、実施態様25に記載のシステム。
(29) 前記コネクタアセンブリの前記第2の端部が、前記プリント基板を受容するための第1のスロットを有し、前記プリント基板が、付勢力によって前記第1のスロット内に保持されている、実施態様16に記載のシステム。
(30) 前記複数の電気的コネクタが前記第1のスロット内に延びることにより、前記プリント基板が前記第1のスロット内に配置されると、前記コネクタアセンブリの前記電気的コネクタが前記プリント基板上の対応する電気的コネクタと電気的に通信する、実施態様29に記載のシステム。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図1G
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図9A
図9B
図9C
図10A
図10B