(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記屈折面は、以下の光学的および設計上の質:凹状、凸状、球状、非球面、波面、多焦点回折型、多焦点屈折型、多焦点帯状、視調節型、UVフィルタリング型、回折色収差低減型、および乱視修正型の持続性形態のうち少なくとも1つを含む、請求項1に記載のシステム。
前記形態嵌合部品は、シリコーン、シリコーン誘導体、アクリル、アクリル誘導体、PMMA、オレフィン、ポリイミド、およびコラマーのうち少なくとも1つを含む、請求項13に記載のシステム。
前記技術デバイスは、以下の人工カプセルデバイスの特性:光伝達、UV伝達、および熱遮断のうち少なくとも1つを制御するように構成される、請求項1〜19のいずれか1項に記載のシステム。
【発明を実施するための形態】
【0015】
特許または出願ファイルは、彩色して作成された図面を少なくとも含む。色図面(複数可)の付された本特許または特許出願の公報の複写物は、要請および必要な費用の納付の下、庁によって提供される。
【0016】
眼で使用することが可能ないくつかの人工カプセル囲壁デバイス(例えば人工カプセルバッグ)は、少なくとも1つの技術デバイス(例えば電子技術デバイス(例えば装用可能な電子技術デバイス(例えば小型化された装用可能な電子技術デバイス)))および眼内レンズを保持することができる。
【0017】
本明細書に記載されるある種の実装例に適合する、好適な人工カプセルデバイスの例は、本明細書に参照によりその全体を組み込まれるPCT特許出願公開WO2013/126380に開示されている。いくつかの好適な人工カプセルデバイスは、本明細書に記載されている。
【0018】
図1〜3を参照すると、天然のヒトのレンズのサイズ、形状、および体積とほぼ同じ人工カプセルデバイスまたはPPL−C10が示されている。人工カプセルデバイス10の寸法は可変とすることができるので、医師は、施術する眼12のレンズに最も密に適合する埋め込み物を発注することができる。ヒトのレンズは、約3.5ミリメートル(mm)から約5.5mmまでの厚さで変わる。天然のレンズは、遠視眼であるほど厚く、近視眼であるほど薄いという傾向がある。天然のレンズは、時間の経過と共に厚くなることから、概して加齢は、厚いレンズに関連する。ヒトのレンズの直径は、約9mmである。ある実装においては、人工カプセルデバイス10は、実質的に円盤状の(例えば実質的に平らな、実質的に円形の円板)および/または楕円体(例えば長形の楕円体、扁平の楕円体)の形状、約1.5mmから約5.5mmの間の(例えば約2.5mm)の厚さ、および約8.5mmから約10mmの間(例えば約9mm)の直径を備える。明確化のために、人工カプセルデバイス10の厚さとは、人工カプセルデバイス10の前表面14および後表面16との間の視軸15に沿った距離であり(
図2)、例えばデバイス10の壁の厚さとは大きく異なる。前表面14は、直径約5mmから約7mmの間(例えば約6mm)の直径を有するアーチ状(例えば環状、長円状)の開口18を含み、例えばフランジ20(例えば約0.5mmから約1.5mmの間(例えば約1mm)の厚さで、開口18を実質的に取り囲んで(例えば取り囲み)、径方向外側に延びる)といった外側輪郭を有する。フランジ20は、毛様体溝22の内部に延びて適合することによって、人工カプセルデバイス10の安定化および/または中心合わせを支援することができる(
図1)。フランジ20は、穿孔がないかまたは実質的に穿孔を持たなくとも良く、フランジ20の安定性と付着面積とを増加させる。人工カプセルデバイス10は、フェムト秒レーザーによって作製された嚢切開部に正確に適合するように寸法を合わせてもよい。
【0019】
人工カプセルデバイス10の後表面もしくはその一部分16の内面または内側面17の少なくとも一部は、屈折面を含んでいてもよい。その屈折面は、例えば、眼12の内部にある既知のレンズ、例えば後部屈折面19を用いて、手術中に偽水晶体的な屈折をなすことを可能にすることができる。
図1〜3に示される実装例では、内面17全体は、低出力の屈折面(例えば約+1ジオプトリー(D))を実質的に含む。後部屈折面19が、+1D面について本明細書に概ね議論されている一方で、後部屈折面19は、眼内レンズの技術分野で現在公知の任意のまたは全てのレンズの出力およびデザインを含みうるが、そのようなものとしては、以下に限定されないが、球状、非球面、波面、凸状、凹状、多焦点(回折性、屈折性、帯状)、円環状、調節性、紫外(UV)フィルタリング、および回折性の色収差低減レンズ、および任意の正のジオプトリー値(例えば+35D以上を含める)から任意の負のジオプトリー値(例えば−35D以下を含める)まで及ぶ光学出力を挙げることができる。
【0020】
後部屈折面19は、デバイス10に設けられるIOLの屈折出力を有利に低減させることもある。例えば、デバイスが後表面を含まない(例えば単純なまたは改変された環から構成される)場合、1つまたは複数のIOLデバイスが、全ての屈折出力を与えることになるが、このことは、IOLの体積を増やし、さらに大きな切開とそれに伴う複雑さとを招きかねない。眼に埋め込まれた前方の屈折面は、第2の屈折性のデバイスを後方の屈折面と係合させる(例えば内部に、隣に、および/または上に設けられる)ことを、有利に可能にすることがある。後部屈折面19は、任意の残りの屈折異常と併せて眼のELPを決定することを可能にすることができる。いかなる別の屈折異常が発見された際も、第2の屈折性のデバイスを、後部屈折面19に追加することができ(例えば直ちに)、これによって不足を中立化し、所望の結果を実現することを確かなものとする助けとすることができる。デバイス10の残余部分と一体にして形成される後部屈折面19は、正確に設けかつ繋留することができるものであり、視覚の劣化につながりかねない後部屈折面19の横および/または前後の位置の移動、回転、傾斜などを阻害または防止することができる。前方の開口18を除くあらゆる面における連続したデバイス10の性質は、レンズ上皮細胞の内方成長を阻害、低減、または防止することができ、またそれによって、水晶体内の混濁形成を阻害または防止することができる。
【0021】
環の貫通穴ではなく、屈折面19を含むデバイス10は、例えば、中に挿入されるIOLの体積を低減することができ、このことは、切開部のサイズを有利に低減する場合がある。後部屈折面19は、IOLを設ける間に、天然カプセルバッグ24に保護を与えることがある。例えば、IOLは、天然カプセルバッグ24との直接的な接触を阻害または防止されるが、これは、IOLが、代わりにデバイス10に接触するためである。別の例としては、硝子体が、IOLとの接触を阻害または防止される。IOLの一部分(例えば触角)が脱出するのに充分な大きさの開口を含まないデバイス10の側壁は、IOLを設ける間に、天然カプセルバッグ24に保護を与えることがあるが、これは、例えば、IOLが天然カプセルバッグ24との直接的な接触を阻害または防止するためである。
【0022】
人工カプセルデバイス10は、眼12に埋め込まれるように適合される。人工カプセルデバイス10は、眼12の内部に挿入される、生体適合性のある素材を好ましくは含む。人工カプセルデバイス10は、好ましくは、折り畳まれて、角膜切開部を通じて注射システムを介して挿入されるように、変形させることが可能であり、その切開部は、約0.1mmから約10mmの間、好ましくは約1.5mmから約3mmの間の範囲である。角膜切開部のサイズは、複数の要因に基づき変わるが、そのような要因としては例えば、人工カプセルデバイス10の体積、人工カプセルデバイス10の可塑性、人工カプセルデバイス10を通して送り込む注射カートリッジの体積、摩擦力、それらの組み合わせなどがある。嚢切開部は、好ましくは約4mmから約7mmの間(例えば約6mm)であるが、フェムト秒レーザーが使用される場合、概してフェムト秒レーザーは、虹彩を通じて嚢切開を作製できないことから、嚢切開部は、患者の瞳孔の散大直径よりも小さいものとするべきである。手作業で作製される嚢切開部は、フェムト秒レーザーで作製される嚢切開部とほぼ同じサイズであることがあるが、これは、作製プロセスを通じて、開裂の境界を直接的に可視化することが適切であるためである。嚢切開部は、約3mmから約8mmの間、好ましくは約4mmと約7mmの間の範囲である。埋め込みの間、折り畳まれた人工カプセルデバイス10は、角膜切開部を通り、嚢切開部を通って、患者の天然カプセルバッグ24の内部に至る(
図1)。天然カプセルバッグ24は、完全にもしくは部分的に無傷であるか、または無傷ではないか、または欠けているかもしくは僅かに残っていることがある。もっとも、無傷の天然カプセルバッグ24には、天然のレンズ素材を含めず、かつ無傷の毛様小体を含めた上で、連続した曲線の嚢切開部以外にデバイス10を設けることが好適である。天然カプセルバッグ24が充分な無傷ではない場合、代替の手法が採用されてもよく、例えば、デバイス10を後房に固定する(例えばデバイス10を強膜壁に縫合する)。人工カプセルデバイス10は、好ましくは充分な弾性を有し、ひとたび眼12の内部に配置されると、予め折り畳まれたそれ自体の形状を、例えば自己展開によって再び開くことができる。シリコーン、ポリイミド、コラマー、およびアクリルを含む素材を含む眼内レンズは、1つまたは複数のこれらの能力を有することが可能である。実装例によっては、人工カプセルデバイス10は、生体適合性のある光学的に澄んだ素材を含み、このような素材は、折りたたみ可能な眼内レンズに使用されるものと同様かまたは一致する。
【0023】
人工カプセルデバイス10は、好ましくは、注射システムを使用することによって患者の眼12の天然カプセルバッグ24に挿入される。注射システムによって、人工カプセルデバイス10は、より小さな形状に折り畳まれるか、または自動で折り畳まれることが可能となるが、それは、人工カプセルデバイス10が、折り畳まれていない人工カプセルデバイス10の直径よりもはるかに小さな切開部を通して適合することが可能になるように、人工カプセルデバイス10を、注射システムを通じて前に進めるためである。IOLを眼内に注入するために通す注射システム、例えば、ねじ型前進システムの円筒状カートリッジおよび前進ロッド、またはプランジャ前進システムは、人工カプセルデバイス10を用いる使用に適するものと思われる。他の注射システムも可能である。
【0024】
人工カプセルデバイス10は、好ましくは、嚢切開部を作製するためにレーザー(例えばフェムト秒レーザー)の使用を伴う白内障手術を受けた患者の眼12の天然カプセルバッグ24に挿入される。もっとも、嚢切開部を手作業で作製した後に天然カプセルバッグ24内へ挿入することも可能である。フェムト秒レーザーは、嚢切開部を作製するために使用されることがあり、例えば、同一のフェムト秒レーザーまた異なるフェムト秒レーザーまたは異なるデバイスを使用して、主要な創傷部、穿刺部、および任意の角膜または角膜縁の滅張切開部を含めた他の切開部を作った後などがある。患者の天然のレンズ、例えば、混濁部によって曇っており、それゆえそれ自体を「白内障」と称されることがあるものは、本技術分野で公知の技術を使用して除去される。例えば、天然のレンズ素材を粉砕して真空で吸引し、天然カプセルバッグ24を部分的に、完全に、または無傷で残すか、または欠けたものもしくは残渣としてもよい。灌注/吸引を介するなどの本技術分野で公知の技術を使用して、残りの皮質を除去してもよい。無水晶体の屈折は、例えばカリフォルニア州アリソ・ビエホのWaveTecから市販されているORAシステムなどの眼球内の屈折デバイスを使用して、完成させてもよい。IOLの算出は、例えばMackoolアルゴリズムなどのアルゴリズムを使用して、実施してもよい。患者の天然カプセルバッグ24および前眼部26は、ヒアルロン酸ナトリウム(例えばProvisc、Healon、Viscoat)などの粘弾性の素材により膨らませてもよい。人工カプセルデバイス10は、例えば小さな筒状の形状に折り畳むことによって、注射デバイス内に装填し、かつ天然カプセルバッグ24内に注入してもよい。粘弾性の素材は、人工カプセルデバイス10の背後から、および前眼部26から除去してもよい。偽水晶体の屈折は、標準的な自動屈折器または手術中のWaveTec ORAシステムと同様のシステムを用いて実施してもよい。この計算は、好ましくは、承認されたプロトコルを使用して実施される。ReScan700を備えたZeiss OMPI Lumera700などの手術中の光干渉断層撮影システムは、角膜および網膜に対する眼12における人工カプセルデバイス10の正確な位置を測定するために使用することができる。術前の角膜および眼軸の長さの測定と併せて、OCT測定によって決定される人工カプセルデバイス10の位置は、外科医がバージェンスの式を使用して、所望の屈折を与えるレンズの出力を決定することを可能にすることができる。
【0025】
承認されたプロトコルを使用した屈折例およびそれに伴う背景情報を本明細書にて議論する。本技術分野の現時点の状況では、有効レンズ位置の従属変数を見積もることができるように、複数の独立変数を測定することが必要である。Holladay2式(最も一般的な現代の式の1つ)中の7つの独立変数は、重要度の高いものから順に(1)眼軸長、(2)平均角膜屈折出力、(3)角膜横径、(4)屈折、(5)前眼部の深度、(6)レンズ厚さ、および(7)年齢である。これらの変数は、次いで、有効レンズ位置を見積もるために使用される。しかし、この位置は、単なる見積もりまたは予測にすぎない。この位置の見積もりまたは予測が誤っている場合、術後の屈折結果が損なわれることになる。そのため、重きを置くべきことは、ELPを見積もることというより、ELPを決定する能力である。人工カプセルデバイス10は、本明細書に記載されるように、1つ、2つまたはそれよりも多くの異なる方法で、ELPを決定する助けとすることができる。
【0026】
図4Aは、人工カプセルデバイス10を患者の眼12の内部に挿入し配置するための方法例のフローチャートであり、
図1〜3に引き続き参照される。まず、公知の技術を使用して、患者の天然のレンズのレンズ厚さを術前に決定する。次に、患者の天然のレンズの厚さと同様の厚さを有する人工カプセルデバイス10を選択する。人工カプセルデバイス10の内面17が、患者の天然のレンズの後表面と同じ場所にあるようにサイズを合わせた、人工カプセルデバイス10を選択することが好適であり、その結果、IOL28が人工カプセルデバイス10に挿入された際に、IOL28は、患者の天然のレンズで既に占められているところに一致する場所に実質的に配置されることになる。天然カプセルバッグ24は開いたままではあるが、角膜からレンズまでの表面、または背面から網膜の測定の通りに、非常に薄いレンズを組合せて使用して、天然のレンズとはわずかに異なるところにレンズが配置されるようにしてもよい。理想通りの出力を有した人工レンズが、適切に特定されて眼12内に挿入され、所望の屈折のエンドポイントをもたらすことができる。
【0027】
フェムト秒レーザーおよび/または手動の角膜曲率計を使用して、主要な創傷部、穿刺部、および任意の角膜または角膜縁の滅張切開部を形成してもよい。フェムト秒レーザーおよび/または手作業の技術を使用して、嚢切開部を作製してもよい。次いで、本技術分野で公知の技術を使用して、患者の天然のレンズまたは混濁部を除去する。灌注/吸引を介するなどの本技術分野で公知の技術を使用して、残りの皮質を除去する。患者の天然カプセルバッグ24および前眼部26を、粘弾性の素材で充填し、人工カプセルデバイス10を、天然カプセルバッグ24内に挿入する。次いで、偽水晶体の屈折を実施するための準備の際に、粘弾性の素材を、人工カプセルデバイス10の背後から、および前眼部26から除去する。
【0028】
IOL28の位置を特定および制御することを可能にすることによって、IOL28の選択を、Holladay2式中でELPのために使用する7つの変数とは無関係としてもよい。むしろ、バージェンスの理論式を介して、角膜屈折出力、有効レンズ位置、および眼軸長を使用して、所望の屈折結果を与えることができる正確なIOL28を具体的に算出することができる。現状使用されている式の弱点は、ELPを正確に見積もることも予測することもできないことである。術前の理論計算が正しいことを確認するために、WaveTec ORAシステム、網膜検影法を介して、または他の公知の方法によって、人工カプセルデバイス10を患者の眼に埋め込んだら、屈折を手術室で実施してもよい。屈折は、技術的には偽水晶体の屈折となり、それは、人工カプセルデバイス10の後部屈折面19が、例えば+1ジオプトリーなどの屈折出力を有することである。
【0029】
ピギーバックレンズの正しい眼球内での出力を決定するための方法は、数式1を使用して埋め込まれるIOL28の出力を最初に決定することによって計算されてもよい。
【0030】
【数1】
上式で、IOLe=IOL出力であり、ELPo=有効レンズ位置であり、Ko=正味の角膜の出力であり、V=頂間距離であり、PreRx=術前の屈折(人工カプセルデバイスを設けた後の術中の屈折も表すことができる)であり、DPostRx=所望の術後の屈折である。
【0031】
有効レンズ位置(ELPまたはELPo)は、角膜の第2の主平面から薄型IOL同等物の主平面までの距離である。角膜の角膜屈折出力(Kk)は、式2を使用して、正味の角膜の光学出力(Ko)に変換することができる。
【0032】
【数2】
例えば、Kkが44.50Dである場合、Ko=44.50D*0.98765431=43.95Dである。その際に、角膜の正味の光学出力は、43.95Dとなる。
【0033】
術前の理論上のIOL計算を無水晶体の屈折、人工カプセルデバイスの屈折、およびIOL埋め込み後の屈折と比較することによって、外科医は、術後の屈折結果の精度を大きく向上させることができる。
【0034】
さらに
図4Aを参照れば、ひとたび適切なIOL28を選択すると、人工カプセルデバイス10および前眼部26を、粘弾性の素材で再充填し、残りの屈折エラーに基づいて適切なIOL28を選択して人工カプセルデバイス10内に挿入する。次いで、粘弾性の素材を眼12から除去し、水分補給や縫合などの標準的な方法によって、創傷を閉じる。眼12の内部の人工カプセルデバイス10およびIOL28の位置に影響を及ぼすことのできる正常な眼圧を確保すると共に、最後の確認のための屈折を完成させてもよい。この時点で重大なエラーが見いだされた場合、外科医は、埋め込まれたIOLを除去して、その埋め込まれたIOLをより望ましい(例えば、より望ましい屈折出力を有する)IOLに置き換えてもよく、その際、IOL28が人工カプセルデバイス10に含有されるという保護的な性質により、壊れやすい天然カプセルバッグ24を傷つけるリスクは実質的にはない。IOLを除去および挿入するという、天然のカプセルデバイス10によってもたらされる能力は、本明細書にさらに記載されている。
【0035】
デバイス10は、独立型の眼内レンズとして、無水晶体の一次補正に使用されてもよい。術前の測定および/または理論式に基づいて、特殊なレンズを含むデバイス10を選んでもよい。無水晶体の方式では、術中の収差測定を使用し、それ自体のレンズまたは後部屈折面19を含むデバイス10を選択する際の助けとすることもできる。この技術および実装は、必ずしもELPの予測および特定を向上させるのに活用される訳ではないが、一方で、独立型眼内レンズは、将来的な実装のために様々なタイプの他の技術を含む能力を有し、デバイス10を独立型眼内レンズとして使用することは、合理的な解決策である。
【0036】
本明細書に記載されるような人工カプセルデバイスを埋め込むための以下の方法または外科的処置は、同性かつ体重が2.4kgから3.2kgの間の3頭のニュージーランドシロウサギを使用した動物試験で、および同性かつ体重が3.2kgから3.6kgの間の5頭のニュージーランドシロウサギを使用した動物試験で、成功裏に使用されている。動物を、少なくとも7日間隔離し、処置を始める前に、異常の有無について念入りに検査した。手術のため、それぞれの動物を、1%シクロペントラート塩酸塩および2.5%フェニレフリンの液滴を各5分間隔で3回、局所的に適用することで瞳孔散大することによって準備した。7:1でそれぞれ混合したケタミン塩酸塩(50mg/kg)およびキシラジン(7mg/Kg)を筋肉内注射することで、麻酔した。1滴のプロパラカイン塩酸塩による局所麻酔も、手術を始める前にそれぞれの眼に施した。眼の動きおよび動物の呼吸を術中にモニターして、適切なレベルの麻酔の維持を確保した。手術の間に、必要に応じて、追加の麻酔を筋肉内に行った。眼の周りの範囲を、無菌方式にて布で覆った。瞼を引き込むために、開瞼器を設けた。手術を始める直前に、1滴の5%ポビドンヨード(PVP−I)および1滴の抗生物質を眼の表面に施した。無菌技術およびZeissの外科用顕微鏡を使用して、円蓋ベースの結膜被覆を成形した。三日月刃を使用して、角膜−強膜の切開部を作製し、3.0mmの角膜切開刃を使用して、前房に入るための最初の3.0mmの角膜縁の切開部を作製した。嚢切開鉗子を使用して、約5.0mmから約5.5mmの直径を有し、かつ中心に位置した連続曲線からなる嚢切開(CCC)を作製した。
【0037】
ハイドロダイセクション後、水晶体超音波吸引ハンドピース(AlconInfinitiシステム)を後房内に挿入して、レンズ核および皮質物質を除去した。1ミリリットル(mL)のエピフリン1:1000および0.5mLのヘパリン(10,000USPユニット/mL)を各灌注溶液500mLに添加して、瞳孔散大を促進し。炎症を制御した。嚢内での手技を、天然のカプセルバッグ内全体にわたって起こるように、水晶体超音波吸引と共に使用した。次いで、残りの皮質を、灌注/吸引(I/A)ハンドピースで除去した。天然のレンズを除去した後、眼粘弾性手術デバイス(OVD)(AmviscPlus、Bausch&Lomb)を使用して、天然のカプセルバッグを膨らませた。
【0038】
図4B〜4Dに示すように、次いで、外科医は、切開部サイズを少し増やした後、適切なインジェクターシステム(Alcon Laboratoriesの「A」カートリッジおよびMonarchIIインジェクター;MedicelのAccuject2.2−1Pインジェクター)を使用して人工カプセルバッグを注射した。人工カプセルデバイスの注射器への装填は、順調であったことが見出された。人工カプセルデバイスが、部分的に天然のカプセルバッグから注出された場合(例えばフィブリンの形成、縮瞳、インジェクターの制約などのために)、人工カプセルデバイスを、鍔のボタンフックで操作して、バッグ内の固定を完了させることが可能であった。インジェクターを注意深く制御することによって、インジェクターからの急速なまたは制御されない人工カプセルデバイスの放出を抑制または防止することがある。インジェクターのプランジャが、人工カプセルデバイスに乗り上げた時でさえ、天然のカプセルバッグにおける注射が可能であった。
【0039】
図4E〜4Gに示すように、これに続いて、MonarchIIインジェクターおよび「C」カートリッジを使用して、IOL(AcrySofSN60AT、Alcon製の一体型疎水性アクリルIOL)を挿入した。すべての事例において、人工カプセルデバイス内で、AcrySofレンズが完全に固定されていた。装填/注入プロセスの間に発生した可能性のある損傷について、デバイスおよびIOLを、高倍率下で注意深く検査した。人工カプセルデバイスおよび人工カプセルデバイスの内部のIOLを中心に据えることは、全ての場合において優れていることが見出された。3つの眼において、人工カプセルデバイスを含有する天然のカプセルバッグとAcrySofレンズは、やや楕円形であった。
【0040】
手術後に、抗生物質/ステロイド軟膏(ネオマイシンおよびポリミキシンB硫酸塩、およびデキサメタゾン)の組み合わせを。眼に塗布した。術後最初の1週間目には、同じ軟膏を1日当たり4回、眼に配した。1週間後に軟膏を中止した。術後2週目には、各動物に、酢酸プレドニゾロンの液滴を1日4回局所的に与えた。術後3週目には、各動物に、酢酸プレドニゾロンの液滴を1日2回局所的に与え、術後3週目以降には滴下を中止した。
【0041】
眼を1日目に念入りに評価し、また、スリット光試験にて術後1、2、3および4週目(±2日)に眼の炎症応答についてスコア化することによって評価し、写真を撮影した(下記を参照)。これらの試験のそれぞれにおいて、シクロペントラート塩酸塩溶液とフェニレフリンの組み合わせを用いて、ウサギの眼を散大させた。11の特定のカテゴリーでの標準的なスコア化方法が、各試験で使用され、そのような方法には、角膜の浮腫、ならびに細胞の存在および前房内の発赤の評価が含まれた。CCCサイズ、前部カプセルの混濁形成(ACO)、後部カプセルの混濁形成(PCO)、および観察された任意の嚢状線維症に関して、研究責任者の裁量で写真を文書化することを目的として、完全に散大させた瞳孔を用いた球後照射像を得た。画像を提供し、本明細書にさらに詳細に議論する。
【0042】
臨床試験4週目の後、ケタミン塩酸塩とキシラジンの7:1混合物の1〜2cm
3(cc)の筋肉内注射を使用して、動物を麻酔し、次いで、1mLの静脈ペントバルビタールナトリウム/フェニトインナトリウムの腹腔内注射を用いて、人道的に安楽死させた。眼球を摘出し、10%中性ホルマリン緩衝液中に置いた。次いで、眼球を赤道の直前で冠状に二等分した。ACOやPCOの発達ならびにIOLの固定を評価するために、後表面(Miyake−Apple view)からの精査および写真撮影を実施した。確立された方法に従って、ACOおよびPCOの程度および重症度をスコア化した。
【0043】
精査および写真撮影の後、全ての眼球を切片とし、カプセルバッグを含む前眼部を、標準光学顕微鏡用に処理し、ヘマトキシリンおよびエオシン(H&E)で染色した。細胞のタイプ、成長の程度および経路などの特徴を、連続的な顕微鏡写真によって添付した。
【0044】
図4H〜4Jは、別の人工カプセルデバイス例400を説明し、ここでは、
図4Hは側面図であり、
図4Iは前方平面図であり、
図4Jは
図4Iの線4J〜4Jに沿った断面図である。デバイス400は、本明細書に記載の動物試験に使用した人工カプセルデバイスの例示であり、示したものにいくらかの修正を加えている。
【0045】
デバイス400は、後側部402と前側部404とを含む。後側部402は、約5mmから約10mmの間の直径408を有する(例えば約9.5mm)。前側部404は、約5mmから約10mmの間の直径410を有する(例えば約9mm)。前側部404の直径410は、後側部の直径408よりも約0.25mmから約1mm(例え約0.5mm)の間で小さいことがある。デバイス400は、後側部402からフランジ406までの直径408を有したほぼ円筒形の部材と、フランジ406の前方の直径408から直径410まで先細くなったテーパ部分と、テーパ部分から前側部404まで直径410を有する別のほぼ円筒形の部材とを含む。テーパ部分は、まっすぐ、アーチ状および/またはそれらの組み合わせであってもよい。
【0046】
後側部402は、概ね平坦端の形状と、後側部402の端部から内部へ入り込む円形の屈折性部分414とを有し、
図4Jに最も良好に見ることができる。屈折性部分414は、デバイス400に屈折性の特性を与える。屈折性部分414は、約4mmから約9mm(例えば約5.9mm)の間の直径424を有する。図示された屈折性の部分414は、約19.32mmの湾曲部426の半径がある)、5Dの屈折出力を有するが、他の屈折出力(例えば0D、<0D、>0D、±35Dなど)および湾曲部の直径(例えば少なくとも部分的に1つまたは複数の屈折出力、直径424、素材などに依存する)もまた可能である。
【0047】
前側部404は、開口410を含み、その開口は、本明細書に議論されるようなIOLの挿入を可能にする。開口410は、約5mmから約10mm(例えば約9mm)の直径418を有することがある。デバイス400の側壁は、任意で径方向内側に延び、その結果、開口410は、大直径でまたは最大直径(例えば、デバイス400の側壁の打ち表面の直径に基づく)を有することがある。開口410がさらに大きいならば、IOLの挿入の助けとなるおよび/または体積および/もしくは量を低減させることがあり、小さな切開部内への挿入の助けとすることができる(例えば、注射デバイスを通じてさらに簡単に内部に詰め込むおよび/または前に進めることによって)。開口410がさらに小さいならば、IOLを封入する助けとなることがある(例えばデバイス400の内部容積をより良く限定するおよび/または挿入されたIOL上での前方へのドリフトを防止する)。前側部404および/または後側部402は、径方向の外部にリップまたは隆起432を含んでいてもよい。
【0048】
フランジ406から屈折性部分414の間の距離430は、約0.5mmから約2mm(例えば約1mm)とすることができる。前端404から屈折性部分414の間の距離420は、約1mmから約5mm(例えば約2.5mm)とすることができる。本明細書に記載されるように、フランジを含むデバイスでは、フランジは、デバイスの縦軸に沿ってどこにあってもよい。
【0049】
デバイス400は、後端402および前端404の間に側壁を含む。側壁は、約0.1mmから約0.5mm(例えば約0.26mm)の間の径方向厚さ422を有することがある。側壁は、任意で、屈折性部分414の後方および/または前方もしくは実質的に開口412と長手方向に等しくなるように延びていてもよい。側壁は、前側部404および/または後側部402に向かって延び、リップまたは隆起432形成してもよい。
【0050】
図4H〜4Jに図示されるデバイス400は、約0.3mmの前部−後部厚さ428と、約0.25mmの径方向厚さ((直径416−直径408)/2)とを有するフランジまたは輪406を含むが、デバイスの外径が直径408となるよう動物試験で使用したデバイスから、フランジ406を除いた。フランジ406を除く場合、他の厚さも可能である。例えば、フランジ406がさらに厚い寸法を有するならば、デリバリシリンジに装填および/または眼に挿入すると裂けてしまうという傾向が少なくなることがある。
【0051】
人工カプセルデバイス10は、安全性が増すという副次的な効果を備えた所望の屈折目標を実現する能力を高めることができる。本明細書に記載の人工カプセルデバイス(例えば人工カプセルデバイス10および/またはその変形物)は、1つまたは複数のこれらの利点を、いくつかの方法のうち1つまたは複数で与えることができる。様々な可能な利点を付番して挙げるが、それぞれの利点は、下位の利点または代替の利点を含むことがあり、全てのデバイス10は、各列挙物あるいは記載した可能な利点を達成することを必要とする訳ではない。
【0052】
第1に、
図1〜3を再度参照すると、人工カプセルデバイス10は、視軸15に沿ってIOL28を中心に配置させることができる。フェムト秒白内障レーザーシステムは、混濁部の光学中心というよりむしろ患者の視軸15の周囲で、嚢切開部を中心に配置することができる。嚢切開部とは、結局のところは人工カプセルデバイス10を中心に据える物であり、これは、嚢切開部が、人工カプセルデバイス10が挿入される際に通る開口であるためである。嚢切開部は、人工カプセルデバイス10の中心に近接して配置され、人工カプセルデバイス10を中心に据える。人工カプセルデバイス10は、任意で、毛様体溝22内に延びて中に適合するフランジ20を介して、安定化されることがある。フランジ20は、人工カプセルデバイス10を患者の視軸15の中心に据えて機械的に保ち、以後の人工カプセルデバイス10の移動または転位を阻害または防止することができる。もっとも、中心への配置および移動の阻害は、フランジ20がなくても可能でもある。
【0053】
視軸15上でIOL28を中心に配置させることは、IOL28の視覚機能および患者が受ける恩恵には重要となる可能性がある。非球面レンズは、認容性の高い中心ずれを生じているが、中心への配置を改善することは、多焦点の眼内レンズの視覚性能を増加させるかまたは最適にするのに有利となる可能性がある。1mm未満までの中心ずれは、重大な病状を引き起こすことがあり、その結果、多くの場合、レーザー瞳孔形成術、IOL再配置術、およびIOL交換術を含めた外科的な介入が実施される。人工カプセルデバイス10は、嚢切開部を介して、視軸15に沿って中心に配置される。IOL28は、一般に触角30を含み、この触角は、人工カプセルデバイス10内の対向する内表面を係合して、IOL28の位置を中心に据えて維持することができる。IOL28の外径は、折り畳まれずかつ触角30を含む際に、実質的に人工カプセルデバイス10の内径と等しいかそれよりも小さくてもよい。IOL28は、視軸15中で中心に配置された人工カプセルデバイス10の周縁部内表面と物理的に接触させることよって、中心に配置させることができ、これによって、人工カプセルデバイス10において、および視軸15においても、IOL28の位置は中心に据えられ維持される。
【0054】
第2に、人工カプセルデバイス10は、天然カプセルバッグ24の後表面を不注意により開裂させた場合、または予定されたネオジム−ドープ・イットリウム・アルミニウム・ガーネット(Nd:YAG)レーザー後嚢切開術の後に、眼12の前眼部26と後眼部32との間に人工バリアを提供することができる。白内障手術は全体的に成功しているとはいえ、最新の技術を利用した手術による合併症率が依然として約2%存在する。もっとも、これは、外科医各人の間で違いがある。眼科のトレーニングプログラム下にある研修医は、これまでに4〜7%前後の合併症率を有してきた。白内障手術に由来する多くの合併症は、混濁部を囲繞する天然カプセルバッグ24を不注意により開裂することに起因する。天然カプセルバッグ24はまた、前眼部26を後眼部32から隔てることによって、重要な解剖学的バリアを眼12内に与える。後眼部32は、硝子体、網膜、視神経、ならびに網膜中心動脈および静脈を含有する。天然カプセルバッグ24によってもたらされるバリアの保全性が破られることで、前眼部26と後眼部32との間に、可能性としては眼表面との間に、流体連通が生じる。硝子体が、圧力の勾配に従って後眼部32から流出することがあり、高圧(例えば後眼部32)から低圧(例えば前眼部26)の方へ流れる。圧力の勾配は、低圧の前眼部26で、硝子体を手術切開部位へ直接的に流出させる原因となる可能性がある。硝子体は、創傷が手術切開部にある場合にその治癒を阻害または防止しかねず、さらに重要なことに、後眼部32に直接続く微生物感染のための導管を提供しかねない。硝子体によって引き起こされる問題に加えて、天然カプセルバッグ24のひびまたは裂け目は、後眼部32におけるIOL28の安定な埋め込みを阻害または防止することがある。外科医は、IOL28を毛様体溝22または前房に設けることができるが、これら代替物のそれぞれは、それ自体で、それらに関連する合併症を生じる可能性がある。天然カプセルバッグ24は、望ましくは無傷で維持されるが、それは、現在のところ、ひとたび損なわれれば、天然カプセルバッグ24の保全性を一貫して回復させる方法はないためである。天然カプセルバッグ24が損なわれた場合、人工カプセルデバイス10は、前眼部26と後眼部32との間の人工バリアとして機能することがある。
【0055】
埋め込まれる眼内レンズ全体の約30%で、視覚的に重大な後嚢の混濁化が発達する。これが発達した場合、Nd:YAGレーザーを使用し、天然カプセルバッグ24の後表面に開口を作製して不透明な膜を除去してもよい。Nd:YAGレーザー後嚢切開術を実施した後にIOL28を除去する場合、天然カプセルバッグ24の後表面にNd:YAGで作製した開口のため、硝子体と前眼部26との間のバリアが失われていることから、重篤な合併症が生じる機会が劇的に上がる。人工カプセルデバイス10を天然カプセルバッグ24に設け、Nd:YAGレーザー後嚢切開術を実施する場合、人工カプセルデバイス10は、適切なバリアを硝子体に提供することができ、後眼部32の外へ硝子体が流出するのを阻害または防止する。触角30は、人工カプセルデバイス10の内部の場所にIOL28を支持し、天然カプセルバッグ24というより人工カプセルデバイス10に接触することから、傷痕形成または線維症を生じる傾向を持たず、このことによって、将来的にレンズを除去することを容易にし、かつIOL28を交換する間の合併症のリスクを低下させることができる。人工カプセルデバイス10は、本明細書にさらに記載されるように、IOL28の交換を日常的に行うためのプラットフォームを提供することができる。
【0056】
第3に、人工カプセルデバイス10は、慢性的な嚢の混濁形成を制限することができる。この混濁形成は、天然カプセルバッグ24で起こり、ELPの変化、前嚢の被包形成、および視覚上重大な後嚢の混濁化のために屈折シフトを引き起こす可能性がある。白内障手術が実施された後、天然カプセルバッグ24は、慢性的な変化に遭う。これらの変化は、手術後に天然カプセルバッグ24上に残るレンズ上皮細胞の存在に大きく起因する。これらの上皮細胞は、成長を続け、問題を引き起こす可能性がある。例えば、天然カプセルバッグ24の前表面が、時間と共に線維化して萎縮し、レンズの上の開き口を次第に小型化させる原因となることがある。天然カプセルバッグ24全体が線維化され、かつ被包形成が持続する場合には、時間と共に小帯断裂と有効レンズ位置への変化が生じる可能性がある。約30%の確率で、天然カプセルバッグ24の後表面は、大きく混濁化してゆき、この混濁化は、Nd:YAGレーザー後嚢切開術で治療されることがある。上皮細胞の転位および増殖を制限することの効果は、人工カプセルデバイス10が含む素材のタイプ(例えば、疎水性アクリル材であり、使用される現在公知のIOL材の中でも最も効果が高いという傾向がある)によって媒介される可能性がある。
【0057】
第4に、人工カプセルデバイス10は、眼12内に埋め込まれたIOL28の有効レンズ位置を維持する助けとすることができる。術前の混濁部の寸法を人工カプセルデバイス10に精確に適合させることによって、埋め込みレンズ28のELPを予測する能力を高めることができる。現在のところ、IOL28のELPは、要因の数に基づき見積もられるかまたは予測され、そのような要因としては、中でも、前眼部26の深度、レンズ厚さ、および角膜径が挙げられる。予測の正確性は、実際には極めて低く、結果として、患者が白内障手術後の屈折の目標として許容しうるレベル以内にあるのは、50%に過ぎない。標準的なIOL計算に必要な眼の他の寸法が、極めて精確かつ正確に測定される一方で、ELPは、依然として、最後に残された捉えどころのない大きな変数のままである。白内障手術のための高い正確性を有しかつ予測可能なIOL計算を追求する際に克服するべきものである。
【0058】
ELPが大きく変動する理由は、混濁部とIOL28との間の体積差のためである。65歳のヒトの混濁部の平均厚さは、およそ4.5mmであるが、患者によって変わる。これに対して、IOL28は、典型的には、1mm未満の厚さを有する。IOLの厚さは、デリバリ可否の問題から、概して混濁部の厚さに適合せず、これは、概してより厚いIOLであるほど、より大きい切開部を使用するためである。結果として得られる体積差は、後眼部32と前眼部26との間の圧力差ならびに天然カプセルバッグ24の収縮を生じさせる。天然カプセルバッグ24の収縮は、IOL28の最終的に置かれる位置をシフトさせる可能性がある。レンズ厚さを術前に測定してもよく、相当する体積および厚さを有する人工カプセルデバイス10を埋め込んでもよい。人工カプセルデバイス10を埋め込むことによって、天然カプセルバッグ24の体積を、絶え間なくおよび/または混濁部に従って効果的に支持してもよい。天然カプセルバッグ24は、人工カプセルデバイス10によって強化されており、そうでなければ天然カプセルバッグ24およびその内容物を前後にシフトさせることになる力に、対抗することができる。このレンズカプセル体積の安定性によって、IOL計算の正確性を増加または大幅に増加させることができる。
【0059】
第5に、人工カプセルデバイス10は、術中に偽水晶体の屈折を生じさせることができ、その一方で、さらに、元々埋め込まれていたレンズを取り出すことなく別のIOLの埋め込みを可能にする。最近、IOL計算の方法論に進展があり、その方法論は、WaveTec ORAシステム、WaveTec OrangeシステムやClarity Medical Systems,Inc.からのHOLOS IntraOpなど、術中の屈折デバイスを使用して、良好な屈折結果を与えている。これらのデバイスは、無水晶体の屈折、偽水晶体の屈折、円環状IOL28の位置合わせを伴う補助、Limbal Relaxing Incisionsを伴う補助を実施することができる。無水晶体の屈折は、眼の内部にあるレンズを利用しないことから、ELPは、さらに、このデータが説明することができない変数である。偽水晶体の屈折は、有用である可能性があるが、IOL28が埋め込まれた後にのみ情報を提供するに過ぎない。種々のIOL28がさらに有益であることをデータが示す場合、医師は、有益性の低いIOL28を取り出して、より有益なIOL28を埋め込むことになる。IOL28の取り出しは、時間、手間、および技能を要し、天然カプセルバッグ24、小帯、角膜、および/または眼12内の他の構造体に損傷を与える原因となる可能性がある。人工カプセルデバイス10を、その後表面(例えば後部屈折面19)内に組み込んだ低出力レンズと共に使用することによって、医師が、この屈折面内での偽水晶体の屈折を実施することを可能にすることができ、さらに、医師が、人工カプセルデバイス10内に二次レンズ(例えばIOL28)を埋め込むことを可能にする。この二次レンズは、WaveTec ORAシステムやClarity HOLOSなどの術中の屈折デバイスによって測定された通りに屈折差を作り出す。
【0060】
人工カプセルデバイス10の挿入によって天然カプセルバッグ24を安定化することを活かして、術中の光干渉断層撮影(OCT)測定および/またはAまたはBスキャン超音波法を実施することができ、例えば使用してZeiss RESIGHT OCTなどの市販のシステムおよび/または数多くの眼科用A/Bスキャン超音波システムのいずれかを使用して実施する。ひとたび人工カプセルデバイス10が天然カプセルバッグ24内に挿入されると、前嚢および後嚢は、安定配置するステント留置する空間となり、これによって術後に大幅な変化が起こり得ないはずである。角膜の出力を知ることによって、角膜から人工カプセルデバイス10の屈折面までの距離、および人工カプセルデバイス10の屈折面から網膜の表面までの距離、つまりELPを決定することができる。ELP、角膜の出力、人工カプセルデバイス10の後面に備え付けられた屈折出力、および眼12の眼軸長[例えば、角膜上皮の表面から内境界膜(ILM)まで(超音波技術)、網膜色素上皮(RPE)層(レーザー干渉技術)、角膜から網膜まで]を知ることによって、適切な二次レンズ(例えばIOLのもの)を選択し、人工カプセルデバイス10の開かれた空間内に埋め込んで、所望の屈折結果を与えることができる。
【0061】
第6に、人工カプセルデバイス10は、医薬デリバリの手段として役立ててもよい。医薬、薬剤、および薬物、例えば徐放性の完全もしくは部分的に可溶性の埋め込み錠薬、徐放性の医薬薬剤で被覆された不溶性の人工装具および/または眼12内への導入を意図された他の物質などは、膜の形成による隔離に遭わない場所で、視軸15外の人工カプセルデバイス10の中および/または上に設けられてもよい。白内障手術後の点眼剤の必要性を本質的に排除する、徐放性の埋め込み具の研究および需要は、膨大な数がある。人工カプセルデバイス10は、そのような埋め込み具に適した容器となるが、これは、人工カプセルデバイス10の内部の周縁が視軸15外の場所を提供し、その場所は房水に常時接触し、かつ傷痕により被包化されてゆくリスクが実質的にないためである。人工カプセルデバイス10の人工装具材のため、膜形成または被包化のリスクは、殆どないかまたはないものとなる。溶解または懸濁された医薬は、患者の視覚に影響を及ぼすことはなく、埋め込み手術の間に、人工カプセルデバイス10内に直接的に導入することができる。さらに大きな医薬、例えば徐放性の埋め込み錠薬などを、人工カプセルデバイス10に対する位置を機械的に維持するために成形してもよい。例えば、概ねドーナツ型の形状を有する徐放性の埋め込み錠薬を構築してもよく、それは、周縁の空間を残しかつ視軸15を遮らないものであると共に、人工カプセルデバイス10内に適合するようにサイズを合わせたものである。
【0062】
第7に、人工カプセルデバイス10は、医師がレンズの交換を将来的に実施することを可能にすることがあり、このことは、天然カプセルバッグ24および小帯への損傷のリスクを低減または最小にすることができる。それによって、結局は、視覚を脅かす重篤な後遺症、例えば黄斑浮腫、黄斑円孔、網膜裂孔、網膜剥離、増殖性硝子体網膜症、および/またはあまり好ましくないレンズ埋め込み技術(例えば縫合または接着されたIOL28、前房のIOL28、後房のIOL28など)につながる嚢の支えの喪失などのリスクを、実質的に低減または最小にすることができる。上記に述べたように、人工カプセルデバイス10を天然カプセルバッグ24に設け、Nd:YAGレーザー後嚢切開術を実施している場合、人工カプセルデバイス10は、硝子体に適切なバリアを与える。人工カプセルデバイス10の内部の場所でIOL28を支持する触角30は、傷痕を形成する傾向を持たず、このことによって、IOL28の将来的な除去および/または交換が容易となる。
【0063】
図5〜7は、別の人工カプセルデバイス110の例を示す。人工カプセルデバイス110は、約2.5mmから約4.5mmまでの厚さと、約9mmの直径とを有する実質的に円盤状の形状であるが、他の寸法、すなわち人工カプセルデバイス10に関して本明細書に記載されるような例として400もまた可能である。人工カプセルデバイス110の厚さは、人工カプセルデバイス110の前表面114から後表面116の間の視軸15に沿った距離である。前表面114は、約6mmの直径を有する環状の開口118を含有する。人工カプセルデバイス110の後表面116の内面117の少なくとも一部は、屈折面、例えば後方の屈折面119を含む。人工カプセルデバイス110は、嚢切開部上に人工カプセルデバイス110を機械的に固定または中心に配置することができる、フランジ20を(人工カプセルデバイス10中に)欠いているかまたは含まない。嚢切開部の開口に対する相対的な人工カプセルデバイス110の体積によって、件の一体成型のIOL28が折り畳まれて天然カプセルバッグ24内に設けられるような方式と類似した所定の場所で、デバイスを保持してもよい。
【0064】
人工カプセルデバイス110は、フランジ20を含む人工カプセルデバイス10に比較して、ある程度の安定性を犠牲にしてもよい。フランジがない場合、人工カプセルデバイス110は、非フェムト秒レーザー白内障除去術(例えば従来の手作業による水晶体超音波吸引)に使用可能であることがあり、フェムト秒レーザーへのアクセスを欠いた外科医が用いるのに部分的に使用可能であることがある。
【0065】
人工カプセルデバイスの後面上にあるレンズ表面は、度のないレンズを有していてもよい。ある種の極度の近視は、+1D屈折面からの恩恵を受けることはなく、これは、負のIOL28の出力からの恩恵を受けるためである。これらの条件を有した患者のために、度のない、またはゼロ出力の後部レンズ表面を備えた人工カプセルデバイスを使用してもよい。
【0066】
人工カプセルデバイスは、後部の屈折レンズ表面(例えば−1D)を有することがあるが、これは、ある種の極度の軸性近視(約30mmおよびそれを超える)が、このタイプのレンズから恩恵を受けることがあるためである。
【0067】
人工カプセルデバイスの後方の屈折面は、老眼の修正の助けとすることができる、多焦点のレンズ表面を含んでいてもよい。この多焦点のレンズ表面は、以下に限定されないが、屈折型、回折型、および分節型の多焦点屈折技術を含む。多焦点のレンズは、眼鏡平面において概ね度のないもの(例えば0D)から+3D以上に及ぶ多焦点を与えるように設計してもよい。
【0068】
人工カプセルデバイスの後方の屈折面は、事前に存在した、および手術によって誘発された角膜乱視を修正する際の助けとなるように、球状、非球面状、および/または円筒状(乱視用)のレンズ表面を含んでいてもよい。多くの外科医が、白内障手術に必要な角膜切開により、−0.25Dから−0.50Dの間の乱視を導入することから、球状の角膜を有した多くの患者にさえ、この中和は有益であるものと思われる。円環状レンズの修正によるジオプトリー出力は、いっそうさらに高い程度の乱視を有する患者には、6ジオプトリーまで増加させることができる。
【0069】
本明細書に記載される実装例によっては(例えば
図6に示される人工カプセルデバイス110、フランジ406が除去されているか決して形成されない人工カプセルデバイス400)、人工カプセルデバイス(例えばバッグ、ボウル、筐体、構造、ケージ、フレーム)は、フランジを含まないか、またはフランジフリーである。ある種のそのような実装例としては、人工カプセルデバイス210の外周の周囲にタブまたは触角205を備える外縁が挙げられる。このへりは、連続していてもよく、接したタブ205は、連続すると考えられることもある。連続するタブ205は、天然のカプセルバッグにより良い付着を与えることがある、および/またはタブ205が連続していないデバイスよりも良いフィッティングを形成する。タブ205は、デバイス210を所望の位置(例えば中央)に配置させることもある。いくつかまたは全てのタブ205は、開口または穴220を、例えばタブ205のほぼ中央に含んでいてもよい。タブ205を備えた連続した外縁を備え、かつタブのそれぞれが開口または穴220を含む人工カプセルデバイス例210を、
図8に図示する。へり、タブ205、および/または開口220は、人工カプセルデバイス210を様々なサイズおよび形状を持つ、天然のカプセルバッグの内部に適合する助けとすることができる。人工カプセルデバイス210は、好ましくは、開口220を通じていくらかの線維形成を可能にし、それによって、Nd:YAGレーザー後嚢切開術の場合にカプセル210を安定化させることができる。タブ205は、例えばシリコーン、シリコーン誘導体、アクリル、アクリル誘導体、生体適合性メタクリラート[例えばポリ(メタクリル酸メチル)(PMMA)]、コラマー、オレフィン類(例えばポリプロピレン)、ポリイミド、それらの組み合わせなどを含むことができる。タブ205は、デバイス210の残余部分と同じ素材を含んで(例えば一体にして形成されて)いてもよいし、またはデバイス210の残余部分とは異なる素材を含んで(例えばデバイス210の残余部分の上を覆って成型されて)いてもよい。デバイス210は、本明細書に記載の他の人工カプセルバッグと同様に、複数の部分および/または素材を含んでいてもよい。このことは、複数の機能を折衷した適性を有する素材を選択または使用することとは対照的に、そのコンポーネントの機能に適した素材を選択または使用することを有利に可能にする場合がある。デバイス210の残余部分が不透明な素材を含む際には、タブ205は、不透明および/または透明な素材を含んでいてもよいが、これは、例えば、光がタブ205に届かないように、デバイス210の残余部分の不透明な素材は、眼球内の散乱および/または目映さを低減または最小にすることができるためである。人工カプセルデバイス210は、内部リップ230を含むことができる。内部リップ230は、人工カプセルデバイス210の内部を一回りするように、部分的に、断続的に、または完全に巡らせることができる。リップ230は、IOLの触角を安定に保持して、眼が動く間にレンズが回転するまたは揺れ動くのを阻害または防止するように設計されてもよい。
【0070】
実装例によっては、人工カプセルデバイスは、意図的に、デバイスの後面の天然の形状に適合する形態から離れる。このことによって、人工カプセルデバイスの後面が、さらに大きな直径(例えば、生理学的に可能な最大の直径)を有することを可能にすることができ、それゆえさらに広い直径の埋め込み具を埋め込むことを可能にし、かつデバイスが支持するレンズにさらに多くの安定化効果を与えることを可能にする。
【0071】
実装例によっては、人工カプセルデバイス210は、少なくとも以下を含む:外部形態嵌合部品(例えば
図8に示すタブ205);外部形態嵌合部品の開口、すなわちこの開口により線維増多を起こすことができ、それによってデバイスの配置を安定化させることが可能になる(例えば
図8に示すタブ205内の開口220);および内部リップ/溝、すなわち標準的なIOLの触角を固定するように構成されるリップ/溝(例えば
図8に示すリップ230)である。
【0072】
図9A〜9Dは、別の人工カプセルデバイス900の例を図説するものであり、ここでは、
図9Aは、側面図であり、
図9Bは垂直断面図であり、
図9Cは、後方の平面図であり、
図9Dは、前方の側面斜視図である。人工カプセルデバイス(例えばバッグ、ボウル、筐体、構造体、ケージ、フレーム)900は、フランジを含まないか、またはフランジフリーであるが、フランジ(例えばフランジ20)と組み合わせることも可能である。デバイス900は、後側部902および前側部904を含む。後側部902は、概ね丸い形状を有する。
図9Bに示されるように、後側部902は、屈折性部分を含み、屈折性部分は、デバイス900に屈折特性を与える。
【0073】
図9Bおよび9Dに示されるように、前側部904は、開口910を含み、この開口は、本明細書に議論されるようなIOLの挿入を可能にする。開口910は、鋭い縁(例えば
図9Bおよび9Dに示されるような)、丸い縁(例えば本明細書の他の実装例に示されるような)などを有していてもよい。開口910は、約5mmから約10mmの間の直径(例えば約6mmと約9mmの間)を有していてもよい。デバイス900の側壁は、任意で、径方向内側に延びておらず、その結果、開口910は、大きなまたは最大の直径(例えばデバイス900の側壁の内表面の直径に基づく)を有していてもよい。さらに大きな開口910は、IOLを挿入する助けとなり、および/または体積および/もしくは質量を低減させることがあり、このことを、小さな切開部内へ挿入する助けとすることができる(例えば、注射デバイスを通じて内部に押し込むおよび/または前に進めることをさらに容易にすることによって)。開口910がさらに小さいならば、IOLを封入する助けとなることがある(例えばデバイス900の内部容積をより良く限定するおよび/または挿入されたIOL上での前方へのドリフトを防止する)。
【0074】
図9Bおよび9Dに示されるように、デバイス900は、内部リップ912を含む。内部リップ912は、人工カプセルデバイス210の内部を一回りするように、部分的に、断続的に、または完全に巡らせることができる。リップ912は、IOLの触角を安定に保持して、眼が動く間にレンズが回転するまたは揺れ動くのを阻害または防止するように設計されてもよい。リップ912は、デバイス900の中点の直近にあり、例えば、後側部902から前側部904の間のほぼ半分にある平面の直近にある。リップ912は、前側部902の直近や前側部904の直近などにあり、デバイス900の内部に挿入されるIOLに基づいて設計および/または選択することができる。デバイス900は、複数のリップ912を含んでいてもよく、そのリップは、例えば、複数のIOLを係合するように、および/または1つのIOLを係合するために複数の代替の位置を与えるように構成される。リップ912は、筒状構造を含んでいてもよく、例えば、IOLの触角をロック式に係合するように構成される(例えば、筒状構造の管腔内に、1つまたは複数の触角の末端部分を挿入することによって、触角で弾力的に筒状構造を押し込むことによってなど)。径方向内側に延びるのではなく(例えば
図9Bおよび9Dに示されるように)、リップ912は、径方向外側に延ばすことができ、その際に例えば、デバイス900の内部側壁に溝を含む。溝を含むリップ912は、一体成形されてもよい(例えばデバイス900を成型する間に)および/または後で成形されてもよい(例えばレーザー・ミリング)。本明細書に記載のリップ912を組み合わせることも可能である。例えば、リップ912は、1つまたは複数のリップ912;表面および/または中点の直近の位置(複数可);連続性および/または断続性;充填型および/または筒状;デバイス900の側壁の内部に延びる溝;およびそれらの組み合わせを含むことができる。
【0075】
デバイス900は、外周を一回りするofデバイス900の外周を一回りして、複数のタブまたは触角906を含む。タブ906は、接触しておらず、また連続していないと考えられることがある。連続していないタブ906は、さらに少ない素材を使用し、デバイス900にさらに少ない体積および/または質量をもたらすことがあり、デバイス900を小さな切開部にさらに容易に挿入することを可能にする。素材をさらに少なく使用することで、素材の使用がより少量になるためにコストが低減されることがある。上記に議論されたように、連続したタブは、天然のカプセルバッグにより良好な付着をもたらす、および/またはよりぴったりと合うが、より大きな体積および/または質量をデバイスに与えて、小さな開口への挿入を阻害することがある。用途に応じて、タブを含む本明細書に記載のデバイスは、タブを連続して、連続せずに、およびそれらの組み合わせで(例えば、外周の一部にわたってタブを連続して含む)含んでいてもよい。
【0076】
タブ906は、開口または穴または開口908を含む。
図9A〜9Dに図説される開口908は、タブ906全体を貫いて延びるが、タブ906を部分的にのみ貫いて伸ばすことができる。開口908は、デバイス908を縫合する際に、それ自体を通じて線維増多の発生を可能にすることなど、役立つことがある。タブ906には、前方に偏りのあるタブ906aと後方に偏りのあるタブ906bとを含む。偏りのあるタブ906(例えば、交互の偏りを有するタブ906a、906b)は、選択的にトルクやチルトが起こるのを阻害することができる。異なる偏りを持たせることに加えておよび/またはその代わりに、タブ906は、他の違い(例えば形状、素材、開口908がないこと、前方−後方の位置、方位、それらの組み合わせなど)を有してもよい。
【0077】
図10A〜10Dは、人工カプセルデバイス1000のさらに別の例を図説するものであり、ここでは、
図10Aは側面図であり、
図10Bは垂直断面図であり、
図10Cは後方の平面図であり、
図10Dは前方の側面斜視図である。人工カプセルデバイス(例えばバッグ、ボウル、筐体、構造体、ケージ、フレーム)1000は、フランジを含まないか、またはフランジフリーであるが、フランジ(例えばフランジ20)と組み合わせることも可能である。デバイス1000は、後側部1002および前側部1004を含む。後側部1002は、概ね平らの形状を有する。
図10Bに示されるように、後側部1002は、密な表面を含むが、実質的に一定な厚さと平行平面の表面は、屈折性部分を欠いていることを示し、このことは、IOLが充分な屈折出力を与える場合に(例えばジオプトリー値が低い場合に)有用であることがある。後側部1002は、平面であるが、デバイス1000の後方部の内表面は、湾曲したものとすることができ、その結果、外表面が平らであっても、デバイス1000は、屈折出力をもたらすことができる。
【0078】
図10Bおよび10Dに示されるように、前側部1004は、開口1010を含み、この開口は、本明細書に議論されるようなIOLを挿入することを可能にする。開口1010は、鋭い縁(例えば本明細書の他の実装例に示されるような)、丸い縁(例えば
図10Bおよび10Dに示されるような)などを有していてもよい。
【0079】
図10Bおよび10Dに示されるように、デバイス1000は、内部リップ1012を含む。内部リップ1012は、本明細書に議論されるものと同じ選択肢および/または特徴(例えばリップ912に関するもの)を含むことができる。リップ1012は、後側部1002の直近にあり、例えば、後側部1002から前側部1004の間のほぼ半分にある平面の後方、および/またはタブ1006の後方にある。リップ1012が本明細書に記載されている他のリップの選択肢を含むことに整合性を与えるため、リップ1012は、前側部1004の直近、中点の直近などにあってもよく、デバイス1000内に挿入されたIOLに基づくものとすることができる。
【0080】
デバイス1000は、デバイス1000の外周を一回りする、第1の複数のタブまたは触角1006と第2の複数のタブまたは触角1007とを含む。タブ1006、1007は、本明細書に議論されるものと同じ選択肢および/または特徴(例えばタブ906に関するもの)を含むことができる。複数のタブ1006、1007は、接触しておらず、また連続していないと考えられることがある。複数のタブ1006、1007は、デバイス1000の外周を一回りして互いに間隔を空けており、デバイス1000の対向の2箇所に隆起している。複数のタブは、1箇所、2箇所(例えば
図10A〜10Dに示すような)、3箇所などで隆起していてもよい。複数のタブは、円周上に均等に間隔を空けてもよいし(例えば
図10A〜10Dに示すように)、円周上に不均等に間隔を空けてもよい。複数のタブは、同じタイプのタブ(例えば
図10A〜10Dに示すような)を含んでいても、異なるタイプのタブ(例えば、異なる前方−後方の偏り、形状、素材、開口1008がないこと、前方−後方の位置、方位、連続性、それらの組み合わせなどを含む)を含んでいてもよい。複数のタブにおけるタブは、同じであっても異なっていても[例えば、異なる前方−後方の偏り(例えば、複数のタブ1006中のタブ1006a、1006bで示されるような)、形状、素材、開口1008がないこと、前方−後方の位置、方位、連続性、それらの組み合わせなどを含む]よい。前記タブが円周上に間隔を空けて複数のタブ(例えばタブ1006、1007)を含む実装例では、前記タブがデバイスの全周囲を一回りして延伸する場合よりも多くの係合(例えば、さらに大きくすることによって、連続させることによって、それらの組み合わせなど)を与えるように、前記タブが構成されていてもよい。円周上に間隔を空けて複数のタブ1006、1007を置くことによって、より少数のタブを使用することで、体積および/または質量が低減されることがあり、このことを、小さな切開部内へ挿入する助けとすることができる(例えば、注射デバイスを通じて内部に詰め込むおよび/または前に進めることをさらに容易にすることによって)。円周上に間隔を空けて複数のタブ1006、1007を置くことによって、より少数のタブを使用することで、素材の使用がより少量になるためにコストが低減されることがある。上記に議論されたように、連続したタブは、天然のカプセルバッグにより良好な付着をもたらす、および/またはよりぴったりと合うが、体積および/または質量を増加させる。適用に応じて、タブを含む本明細書に記載のデバイスは、タブを連続して、連続せずに、およびそれらの組み合わせで(例えば、外周の一部にわたってタブを連続して含む)含んでいてもよい。
【0081】
タブ1006,1007は、概ね短く、丸い縁の長方形の構造として図説されている。他の形状も可能であり、例えばアーチ状(例えば半円形)、細長(例えばデバイス1000の外へ螺旋を描いた)、末端に特徴がある(例えばループ、フック)などがある。複数のタブ1006,1007が、円周上に間隔を空けている際には、デバイス1000の外周は、さらに多量のタブ1006、1007を入れる余裕がある。
【0082】
図10A、10Cおよび10Dに示されるように、デバイス1000は、ざらざらした表面1014を含む。ざらざらした表面1014は、細孔(例えば、デバイスの壁の一部にわたって延びている、デバイス1000の壁全体にわたって延びている、環状、球状、細長、波立ったパターンを持つなど)、表面のきめのパターン、それらの組み合わせなどを含んでいてもよい。ざらざらした表面1014は、線維増多を捕捉、係合および/または促進するように構成されてもよい(例えば滑らかとしないことによって)。ざらざらした表面1014は、デバイス1000を成形する間に形成されてもよい(例えば金型に一体化することによって)、および/またはデバイス1000の成形後に形成されてもよい(例えばレーザー穿孔によって)。デバイス1000および/または他の人工カプセルデバイスは、タブ1006、1007を欠いているか、またはタブフリーであってもよく、ざらざらした表面1014は、天然のカプセルバッグとの係合をもたらしてもよく、このことは、線維増多などを可能にする。デバイス1000は、開口または穴1008を含むタブ1006、1007と、線維増多を可能にするざらざらした表面1014とを含んでいてもよく、開口または穴1008は、デバイス908を縫合する際に、それ自体を通じて線維増多の発生を可能にすることなど、役立つことがある。デバイス1000のざらざらした表面1014は、複数のタブ1006と1007との間に配置されるが、デバイス1000のどの部分とも、ざらざらした表面を含んでいてもよく、好ましくは光路に含まず、これらのことは、戦略的に線維増多をもたらすことを可能にする。ざらざらした表面1014は、外周を一回りして連続して、円周上に間隔を空けて(例えば
図10Cに示されるように)、継ぎ接ぎ状になどとしてもよい。デバイス1000がタブを含む場合に、タブは、ざらざらした表面を含んでいてもよい。
【0083】
図11A〜11Cおよび11Eは、人工カプセルデバイス1100のさらに別の例を図説するものであり、ここでは、
図11Aは側面図であり、
図11Bは垂直断面図であり、
図11Cは後方の平面図であり、
図11Eは前方の側面斜視図である。
図11Dは、人工カプセルデバイス1150のさらに別の例後方の平面図を示し、このデバイスは、以下にさらに詳細に記載されるように、屈折性部分を除いてデバイス1100と同様である。人工カプセルデバイス(例えばバッグ、ボウル、筐体、構造体、ケージ、フレーム)1100は、フランジを含まないか、またはフランジフリーであるが、フランジ(例えばフランジ20)と組み合わせることも可能である。デバイス1100は、後側部1102および前側部1104を含む。
【0084】
後側部1102は、凸状の中心部分を備える概ね平らの縁を有する。
図11Cに示されるように、後側部1102の凸状の中心部分は、屈折性部分を含み、この屈折性部分は、デバイス1100に屈折出力>0D(レンズ出力が正であるかまたは集束している)の屈折特性を与える。後側部1102は、屈折出力<0D(レンズ出力が負であるかまたは分岐している)の凹状の中心部分を含むことができる。
図11Cに示されるように、デバイス1100の屈折性部分は、約6mmの直径1116を有する。
図11Cに示されるように、同様のデバイス1150の屈折性部分は、約8mmの直径1166を有する。多くのIOL光学系が、5.5mmから6mmの間の直径を有するが、これは、IOLの屈折出力の範囲が、典型的に±35Dであり、IOLが、上記の屈折出力の範囲にわたって実質的に同じとなるように設計されるためである。その結果、屈折出力の低いIOLであっても、屈折出力の高いIOLと同様の直径を有する。デバイス1100、1150の屈折性部分の直径は、屈折出力値によって制限されず、デバイス1150で証明されるように、このことによって、屈折性部分をさらに大きな直径とすることが可能になる。デバイス1100、1150は、IOLの助けとするために小さな屈折出力値を与えることがあり、このことによって、より小さな屈折出力を有したIOLを使用することが可能となる。その結果得られる総屈折出力は、屈折出力範囲全体に基づいて設計されることがもはやない場合に、そのようなIOLの直径を増加させる可能性がある。デバイス1100、1150は、追加の屈折出力をもたらすIOLをデバイス1100、1150内に挿入しなくとも充分な屈折出力を有する、屈折面を与えることができる。
【0085】
図11Bおよび11Dに示すように、前側部1104は、開口1110を含み、この開口は、本明細書に議論されるようにIOLの挿入を可能にする。開口1110は、鋭い縁(例えば本明細書の他の実装例に示されるように)、丸い縁(例えば
図11Bおよび11Eに示されるように)などを有していてもよい。
【0086】
図11Bおよび11Eに示すように、デバイス1100は、内部リップを欠いているか、または内部リップフリーである。内部リップを欠くことで、体積および/または質量が低減することがあり、このことを、小さな切開部に挿入する助けとすることができる(例えば注射デバイスを通じて内部に押し込むおよび/または前に進めることをさらに容易にすることによって).内部リップを欠くことで、素材の使用がより少量になるためにコストが低減されることがある。あるいは、デバイス1100は、内部リップを含んでいてもよい。本出願に記載のデバイスに関して記載された特徴は、互換性がある際には、任意で代替、交換、再編成などをしてもよい。
【0087】
デバイス1100は、デバイス1100の外周を一回りして、複数のタブまたは触角1106を含む。デバイス1150は、デバイス1150の外周を一回りして、複数のタブまたは触角1156を含む。タブ1106、1156は、本明細書に議論されたもの(例えばタブ906、1006、1007に関して)と同じ選択肢および/または特徴を含むものとすることができる。複数のタブ1106、1156は、接触しておらず、また連続するものと考えられることがある。タブ1106、1156は、前方向および/または後方向に偏りはなく、このことは、偏りのあるタブよりも製造を容易にすることがある。タブ1106、1156は、本明細書に記載のタブ906、1006、1007よりも大きい。タブ1106、1156がさらに大きいならば、天然のカプセルバッグへのデバイス1100、1150の付着を増加させることがあり、および/または線維増多の表面積を増加させることがある。タブ1106、1156がさらに大きいならば、さらに大きな開口1108、1158を形成することが可能になることもある。必要に応じてタブを貫いて全体にわたって延びる開口は、小さなタブに生成させることが難しいことがあり、それゆえ、タブ1106、1156がさらに大きいならば、タブ1106、1156を貫いて全体に延びるさらに大きな開口1108、1158を、さらに容易に形成することが可能になることがある。開口1108、1158がさらに大きいならば、縫合する際に役立つことがある。
【0088】
本明細書に記載の人工カプセルデバイスまたは同様の人工カプセルデバイスは、製造業者(例えばAlcon社のAcrySof、Abbott Medical Optics社のTECNIS、Bausch and Lomb社のenVista、TRULIGN、Akreos、SofPortおよびCrysalens、Hoya Corporation社のiSert、Elenza社のELENZA Sapphire、Calhoun Vision社のCalhoun光調整可能レンズなど)、素材(例えばPMMA、シリコーン、比較的疎水性のアクリル、比較的親水性のアクリル、他のアクリル、コラマー、それらの組み合わせなどを含む)、生成物のタイプ(例えば無水晶体の、偽水晶体の)、屈折出力(例えば負の、プラナーのおよび正の)、断片の数(例えば1個、2個、3個またはそれ以上)、視調節(例えば視調節型および非視調節型)、サイズ(例えば直径、厚さ)、形状(例えば円盤状、ドーナツ状、対称、および非対称)、触角のタイプおよび質、デリバリ・システム、デリバリ履歴、拡張履歴、それらの組み合わせなどに関わらず、現在市販のまたは将来開発される任意のIOLと、互換可能であってもよい。
【0089】
上記に記載の潜在的な利点を再び参照すると、本明細書に記載の人工カプセルデバイスまたは同様の人工カプセルデバイスによって、IOLを置き換えるための選択肢を増すことができる。合併症のリスクが低減したために、医師は、最初の埋め込まれたレンズが失敗した場合に、IOLの置き換えを実施することをより不本意には思わないことがある。その結果、医師は、最初に埋め込まれたレンズをより適切なレンズに、いっそう進んで置き換えるようになり、それにより良好な結果(例えば最初の結果)がもたらされる。置き換えがなくても、人工カプセルデバイスの屈折性部分によりもたらされるIOL選択能、および/または人工カプセルデバイスによりもたらされる位置調整能によって、結果(例えば最初の結果)を改善することができる。本明細書に記載のある種の人工カプセルデバイスは、最初の手術後に常時またはほぼ常時、さらに正確な屈折結果をもたらすことができることがある。
【0090】
人工カプセルデバイスからIOLを置き換えることは、人工カプセルデバイスなくIOLを置き換えるよりも少ないリスクを伴うことから、医師および患者はまた、時間と共にIOLの置き換えをさらに受け入れることがある。例えば、IOLの置き換えは、医療上の理由[例えば、生理学的条件の変化(例えば、黄斑変性症の発達、緑内障の視神経症)、屈折上の理由(例えば、角膜ジストロフィーによる角膜出力の変化、以前行った屈折上の角膜切開術に関連のある進行性の遠視シフト)、新しい眼球内技術にアクセスしたいという患者の要望(例えば、動力付き視調節IOL、埋め込み可能な眼球内のワイヤレス入力/出力コンピュータ・デバイス)に起因する]について有利である可能性があり、人工カプセルデバイスにおけるIOLの置き換えによって、最初の手術後であっても結果を改善することができるほどに有利である。人工カプセルデバイスからの除去およびその中での配置に起因する合併症のリスクを低減することは、医師および患者が、所望の回数でIOLを交換することを可能にさえする。最初に埋め込まれたIOLが、患者の残りの人生で存続しなければならないか、または置き換えると重篤な合併症のリスクがあるはずである、という懸念を医師が取り去るような際には、IOLをさらに頻繁に交換するという人工カプセルデバイスに起因する能力は、より早期の段階で手術することを可能にすることもある。このようなIOLの置き換えの処置は、眼鏡やコンタクトレンズなどの取り外し可能な矯正デバイスの代わりとすることが可能でさえある場合がある。
【0091】
本明細書に記載の人工カプセルデバイスまたは同様の人工カプセルデバイスは、技術デバイス(例えば装用可能な小型電子技術デバイス)を単独でまたはIOLと組み合わせて眼に挿入し持ち込むことができる、プラットフォームを提供してもよい。本明細書で使用されるように、“技術デバイス”という言い回しは、生体認証測定機能、コンピュータ機能(例えば、ワイヤレス・シグナルを介した直接的なおよび/またはセンサを通じた間接的なデジタル・データ入力、データ解析、入力、および/または出力)、網膜上への画像生成および投写、ならびに/またはインターネット/WiFi能を一般に与え、かつ眼内に機能的に嵌め込むのに充分な小ささを持つ(例えば、約11mm以下の直径および約6mm以下の厚さを有する)いかなるデバイスをも含む広い用語であり、そのうちのいくつかは、装用者に有用な電子機能を実行するために使用することができる。そのようなデバイスの例としては、以下に限定されないが、コンピュータ(例えばGoogle Glass、Microsoft Hololens)、バーチャル。リアリティ・デバイス、ヘッドマウント・ディスプレイ(図または画像ディスプレイ、地図ディスプレイなど)、WiFiおよび/またはインターネット接続性を有するデバイス、画像受信器(例えばテレビまたは映画),ゲーム・デバイス、プロジェクタ(画像ビューア、画像読み取り器、または画像送信器を含む)、GPSデバイス、生体認証測定デバイス(例えば、血中グルコースレベルセンサ、電解質センサ、心拍数センサ、基礎代謝速度センサ、温度センサ、EEG、EKG、眼圧センサ、毛様体筋収縮センサ、動的瞳孔変化センサ)、人工網膜、カメラ機能(例えば静止画像および/または映像の記録)、ならびにe−メール送信器または受信器が挙げられる。そのようなデバイスは、装用可能な(例えば、“装用する”というよりも埋め込むことから)、小型の(例えば、ある種のサイズを既に有する場合があることから)、または電子の(例えば、機械で動くものである場合があることから)ものとして特徴付けられるものである必要はないが、やはり本明細書に記載されるような“技術デバイス”である。
【0092】
使用中、技術デバイスは、人工カプセルデバイス中にあり、電子デバイスからの出力は、眼を通じて視覚的に出力を見ることを通じて、またはそれ以外(例えば、外部コンピューティング・デバイスへのワイヤレス伝送)のどちらかで、ユーザに与えられる。体外からのデータは、ワイヤレス電磁エネルギー方式で、技術デバイスにおよび/または技術デバイスから伝送することができ、そのような方式としては、以下に限定されないが、Bluetooth、ラジオ・シグナル、WiFi、ならびに/またはアナログおよび/もしくはデジタル式携帯電話方式シグナルなどの現在利用可能な様式が挙げられる。このデータは、加工して、網膜上に投写することができる視覚的な表示の形式で出力してもよく、例えば、どのようにしてGoogle Glassがこの技術を外部デバイスに採用したかなど、デジタル・ヘッドアップ・ディスプレイに関する認識を作り上げている。生体認証データ[例えば、以下に限定されないが、グルコースレベル、電解質レベル、基礎代謝速度、温度、EEG、EKG、心拍数、眼圧(例えば緑内障患者または緑内障に罹りそうな者について)、毛様体筋収縮、瞳孔の構成または散大、眼の動き、瞬きの速度、それらの組み合わせなど]を感知するように構成される技術デバイスについては、データを技術デバイスで収集し、データを受信するように構成される外部デバイスに、技術デバイスでワイヤレスに伝送することができる。電子技術または外部デバイスは、データを加工するように構成されてもよい。例えば、伝送する前に、技術デバイスは、プライバシー、セキュリティ、データ移送効率などについてのデータを変換してもよい。外部デバイスは、データを加工するように構成されてもよく、例えば、外部デバイスが、さらに容易に動力源、冷却器などに連結されることがあるためである。外部デバイスは、医療上の決断に利用することができる書式でデータを提供するように構成することができる。データは、装用者および/または医師もしくは他の医療専門家が、例えば、局地的におよび/または安全な(例えばHIPAを遵守した)ネットワークを介して、アクセス可能であってもよい。
【0093】
この技術の別の適用は、環境面で能力が試される状況にある人々、例えば諜報員、特殊部隊兵、宇宙飛行士、警察官、および/または消防士による使用とすることができる。様々なセンサ[例えば外部環境センサ(例えば酸素レベル、大気圧、温度、赤外線加熱用)および/または内部生体認証センサ(例えばfor酸素レベル、温度、心拍数、心拍リズム、グルコースレベルなど]は、外部コンピューティング・デバイス(例えばスマートフォン)で主に評価され、次いで、眼内レンズに伝送されて、計器盤タイプの配置構成で、網膜上に情報を投写することができる。この情報を使用して、彼らが危険を回避する助けとする、および/または彼らの務めを効果的に実施することができる。本技術はまた、ヘッドアップ・ディスプレイが資することのできるいかなるタスクを実施するのにも有利とすることができ、そのようなタスクとしては、手術(例えば、解剖学的な構造の認識および標識化)、機械修理(例えば、機械部品の認識および標識化)、翻訳(例えば、第1の言語から第2の言語に)、ビジネス上の識別(例えば、ユーザ評定、健康評定などに基づく)、指示、設計などがある。
【0094】
概して、血中グルコースが増加するのにつれて、房水の屈折率が増加するが、これは光学的に検出可能である。電子デバイスの実装例では、血中グルコース・モニターは、瞳孔を通して房水の屈折率をモニターするように構成される光学検出器を含んでいてもよく、その際に、例えばカメラなどの光学検出器を使用する。屈折率は、in situの電子データおよび/または生データ(例えば画像、ヒストグラムなど)を介して、血中グルコースレベルと相関があることがあり、それらのデータは、その相関をなすように構成される外部デバイスに伝送されてもよい。結果は、外部デバイス(例えばスマートフォン,スマートウォッチ)上で利用可能とする、および/または外部デバイスに伝送されてもよく、その外部デバイスは、血中グルコース値がある特定の閾値を上回るか下回る場合に、アラームを始動させることができる。血中グルコース値によって、糖の摂取、インスリン注射などの必要性をユーザに知らせることができる。眼で測定することができる他の身体パラメータとしては、以下に限定されないが、体温、心拍数、眼圧、黄斑変性症患者のVEGFレベル、糖尿病性網膜症、および網膜静脈閉塞症が挙げられる。これらの値のうち1つまたは全てを、外部デバイス(例えばスマートフォン、スマートウォッチ)上で、および/または内部ディスプレイシステム(例えばヘッドアップ・ディスプレイ)を介して、視覚化してもよい。
【0095】
技術デバイスは、眼内レンズと組み合わせて使用することができる。例えば、技術デバイスを使用して、眼内レンズの特性(例えば、IOLの屈折出力、紫外(UV)または可視光の伝送特性など)および/または人工カプセルデバイスの特性を制御することができる。例えば、技術デバイスを使用して、Calhoun調整可能レンズ(例えば、参照により本明細書にその全体を組み込まれる、米国特許第7,988,285号に記載されるような)、Elenzaレンズ(例えば、下記に詳細に記載されるような)などの特性を制御することができる。IOLと組み合わせて使用する際には、技術デバイスおよびIOLは、技術デバイスがIOLの視線を妨げないように(例えば、技術デバイスが、IOLを通じてかつ最終的に網膜に伝送された光および画像を、遮断しないかまたは妨げないように)配置されてもよい。技術デバイスは、眼内レンズの外周縁の周囲にあってもよい。例えば、2つの別個のデバイス、すなわち(1)IOLおよび(2)技術デバイスは、IOLの外縁にそれぞれ取り付けられていてもよい。別の例では、技術デバイスがIOLの外周縁でIOLと一体となるように、IOLを製造するか、または適合させることができる。IOLが約6mmの直径を有する場合、約2mmの幅を有する技術デバイスをIOLの外周縁の周囲に追加してもよく、その結果、IOLおよび技術デバイスは、約10mmの総直径を有する。そのようなデバイスは、大小の差を有することができるが、中心部は、光学系として機能させるために、好ましくは少なくとも約1mmであり、デバイス全体(技術デバイスおよび光学系)は、好ましくは、切開部を通じて眼内に埋め込むのに充分な小ささを有する(例えば、デバイス全体は、サイズがIOLと同様であってもよい)。
【0096】
図12A〜12Cは、技術デバイスおよびIOLを含む人工カプセルデバイス例、ならびに人工カプセルデバイス内に技術デバイスおよびIOLを配置させる方式を図説する。
図12Aは、人工カプセルデバイス1200の内部にあるリング様の技術デバイス1202の断面図を示す。
図12Aはまた、人工カプセルデバイス1200中のIOL1202を示す。
図12Bは、
図12Aに示される人工カプセルデバイス1200の例において使用可能な眼内レンズ1250の例の前面図を示し、ここでは、技術デバイス1250は、IOL1250の外縁を囲繞するIOL(例えばIOL1250の光学表面の外縁を囲繞する).
図12Cは、眼内レンズ1250の例の上部正面斜視図を示す。光学表面1260は、IOL1250の技術デバイス部品によって遮断されない。技術デバイス1250は、データ出力用の部品1252、データ入力または受信用の部品1254、およびデータ処理用の部品1256を含む。
【0097】
人工カプセルデバイスは、技術デバイスによって生成する可能性のある僅かな熱または電磁波から、もう片方の眼の内部構造を防御するように構成される素材を含むことができる。そのような素材の例としては、シリコーンおよびシリコーン誘導体、アクリル、アクリル誘導体、コラマー、生体適合性のメタクリレート(例えばPMMA)、生体適合性のポリマー、オレフィン(例えばポリプロピレン)、ポリイミド、それらの組み合わせ(例えばシリコーンおよびポリイミド)などが挙げられる。シリコーン、ポリイミド、アクリル、二酸化ケイ素、可撓性のあるガラス、エアロゲル、それらの組み合わせ(例えばシリコーンおよびポリイミド)などの熱遮蔽材を含むデバイスを、伝導による熱移送を阻害または防止するために使用してもよい。ある種のデバイスの寸法は、熱の遮蔽を高めるために増すことができるが、注入可能か否かの問題も考慮されることがある。ポリイミドなどの反射性のおよび/または不透明な素材を使用して、放射による熱移送を阻害または防止してもよい。デバイスは、カプセル状であるため、デバイスは、毛様体を熱から防御する(例えば選択的に防御する)ように構成することができる。実装例によっては、人工カプセルデバイスは、シリコーンとポリイミドとの組み合わせを含んでいてもよい(例えば、ポリイミドをシリコーン上に覆い被せる)。
【0098】
人工カプセルデバイスは、素材を含むか、または望まない光の透過から眼の内部を保護するように構成される配置構成を有することができる。例えば,人工カプセルデバイスは、眼の後部をUV光から防御するように設計することができる(例えば、角膜架橋などの処置の間に高濃度で使用される、およびCalhoun光調整可能レンズのUV光補正を通じて発生する屈折変化において使用される、治療用UV光)。瞳孔は、一般的に、光学系の境界を超えて拡張するため(例えば約6mm超)、これらの治療を行う間のUV曝露に対する網膜毒性に関する報告があるが、これらのレンズの後面上を被覆UVフィルターは、折り畳みと注入の間にこすり落とされる傾向があり、それゆえ網膜は、被覆が掻き取られた範囲を通じて、および瞳孔縁とIOLのへりとの間の外部境界の周囲を、高線量で透過するUV光に曝されるままとなる。約10.5mmの直径の人工カプセルデバイスを使用することによって、虹彩の境界とIOLとの間にはギャップがないものとなる。人工カプセルデバイスの他のサイズもまた、UV上の恩恵をもたらすことができる。眼内レンズ製造の技術分野で周知されている確立された材料および方法を使用して、UV発色団を、人工カプセルデバイスの素材中へ実質的に組み入れることができるが、そのようにして、この特性は、人工カプセルデバイスの折り畳み、挿入、および/または折り畳みのほどきの間、不意の機械的な除去(例えば掻き取りおよび/または擦り取り)に起因する障害の影響を受けにくいものとなる。
【0099】
人工カプセルデバイスは、近UVおよびUV遮断能を有することができ、その能力によって、環境から発散されかつ医療上または屈折の目的で利用される近UVまたはUV光の形態のエネルギーまたは放射線から、眼を保護することができる。眼内レンズは、UV遮断性の発色団を含む被覆を用いて作製され、その発色団は、上記に記載されるように、埋め込まれた際の掻き取りの問題および他の問題に遭う可能性がある。現在のところ、治療法としてUV光を利用する複数の眼科療法がある。例えば、Calhoun光調整可能レンズ(カリフォルニア州、パサデナのCalhoun Vision,Inc.から入手可)は、適切な露光アルゴリズムを使用して、様々な期間にわたって特定の波長の近UVおよびUV光を標的して適用することを通じて、術後に屈折出力を変えることができる、眼内レンズである。Calhoun光調整可能レンズの背面は、UV遮断層を有するが、そのUV遮断層は、レンズが挿入されると、機械的に損傷される(例えば、こすられるかまたは掻き取られる)傾向があり、そのためUV遮断層を効果のないものとする可能性をもたらし、その結果、近UVまたはUV光の治療が実施されてレンズの出力を術後に調整する際に、患者は、近UVおよびUV放射線曝露に関連する合併症を生じる傾向がある。後部の内容物(毛様体、網膜、視神経など)。Calhounレンズ光学系の直径は、6.0mmであり、これは多くの患者にとっては、拡張させた瞳孔よりも小さく、そのため、UV光は、レンズの縁の傍を通り過ぎることがある。これらの患者にとって、近UVまたはUV光の幅広のビームをレンズに適用することは、合併症に関連があるUV放射線曝露に関連する合併症を、後部の内容物(毛様体、網膜、視神経など)に引き起こす可能性を孕む。この光調整可能レンズが、人工カプセルデバイスの内部に設けられ、人工カプセルデバイスが、拡張された瞳孔よりも大きいかまたははるかに大きく、かつ近UVおよびUV光を遮断する能力を有する場合には、術後の治療中にUV放射線に関連する合併症が生じる確度を減少させることができよう。
【0100】
実装例によっては、キャパシタ、一連のキャパシタ、および/または眼の外からデバイスによって(外部誘導などによって)再充填することができる再充填可能な電池は、技術デバイスに動力を供給してもよい。充電池は、ユーザの睡眠中に電池を充電するために、フェイスマスク、枕、マットレスやベッドリネンなどの寝具デバイス中に;ユーザが屋外にいる間に電池を充電するために、サングラス、ヘッドバンド、もしくは帽子の中に;および/またはユーザが屋内にいる間のために、眼鏡フレームもしくは他の適切なデバイスの中に、組み入れることができよう。好ましくは、直接的に、または電池の充電を通じてのどちらかで、技術デバイスに動力を供給するための電気の移送は、共振誘導型結合方式などの誘導型充電システムを介して行う。例えば、外部デバイスは、誘導コイルを含有することができ、かつ交流の電磁場を生成するために動力源に接続され、技術デバイスは、第2の誘導コイルを含有し、その第2の誘導コイルは、外部デバイスによって生成される交流の電磁場からの動力を利用するように、および動力を電気に変換して電池を充電するように構成される。人工カプセルデバイスは、外部誘導を通じた電池の充電によって生成する熱、または技術デバイスによって生成する熱の排出から、例えば、上記に記載されるようなある種の材料および技術を使用して、虹彩、毛陽小体、毛様体、毛様体突起などの後部構造を防御するように設計することができる。局所的な温度の上昇は、結果として炎症およびぶどう膜炎を生じ、遂には技術デバイスの生体適合性を制限することになりかねない。光学的な透明度を有し熱遮蔽特性を備えた(例えば、シリコーン、シリコーン誘導体、ポリイミド、それらの組み合わせなど、および/または他の適切な物質を含む)人工カプセルデバイスを利用することで、視覚機能に不利な影響を及ぼすことなく、適切な熱遮蔽性を提供することができよう。
【0101】
人工カプセルデバイスは、望まない光から網膜を保護するように、光応答性を有するよう設計することができ、このことにより、数多くの使用をもたらすことができよう。
【0102】
第1の例では、慢性的な光感受性を有する人が、光透過を永続的に低下させることを望むことがある。これは、内部サングラスのように機能することになる。任意のおよび全ての様々な波長と任意のおよび全ての透過密度とを有した光遮断性発色団を、素材の処方に追加する、素材中へ焼き込む、人工カプセルデバイスに重ね合わせたり結合させたりすることのできるフィルムに含有させる、および/または人工カプセルデバイス内へ/上に吸収/吸着させることができよう。
【0103】
第2の例では、光の中では暗くなり、暗闇の中ではより明らかになる/透き通ってゆくデバイス(フォトグレー、フォトブラウン)を眼に有することを望む人がいる可能性がある。調光素材(例えば塩化銀、ハロゲン化銀)は、UV光の存在または不在に応答して形状および光吸収プロファイルを変え、素材の処方に追加する、素材中へ焼き込む、人工カプセルデバイスに重層および結合させることのできるフィルムに含有させる、および/または人工カプセルデバイス内へ/上に吸収/吸着させることができよう。調光素材は、光遮断性発色団と組み合わされてもよい。
【0104】
第3の例では、小さな開き口を使用することによって作製することができる、ピンホール効果を活用することを望む人がいる可能性がある。これは、人工カプセルデバイスの中心(およそ)1〜2mmを除いて暗くすることによって達成することができる。この効果は、永続的[例えば、不透明な環状のマスクを含む(例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)および炭素ナノ粒子を、屈折性部分の一表面もしくは両表面の中および/もしくは上に埋め込んで含む]、または一過的(例えば、色ずれおよび/もしくは液晶技術を使用して、不透明のまたは透過率の減少した環状マスクを作製する)とすることができよう。マスクは、約3mmから約3.5mm(例えば約3.25mm)の外径を有することができよう。マスクは、約1mmから約1.5mm(例えば約1.35mm)の内径を有することができよう。マスクは、約4μmから約6μm(例えば約5μm)の厚さを有することができるが、厚さは、マスクの数に基づき変わってもよい。マスクは、複数の微小穿孔を含んでいてもよく、その穿孔は、例えば実質的に光を通過させることを不可能とするか、または回折性の分散を作り出すのには充分小さいが、マスクの可撓性を高めるのに充分な量の素材を取り除くものである。充分な照明では、患者は、作り出される一過的なピンホール効果のために、読み取ることが可能となる。少ない照明では、ピンホール効果は、除去されることになる。そのようなデバイスは、近見視力および中間見視力を向上し、焦点深度を増加させ(例えば、少なくとも約1.5Dずつ)、かなりの遠見視力を維持し、焦点同士の競合、グレア、ハロー、暗視の問題、複視、ゴースト発生などが生成するのを阻害し、距離のある両眼視能を維持し、および/または両眼のコントラスト感度を維持することができよう。
【0105】
ある非限定的な例では、本明細書に記載の人工カプセルデバイスは、1つまたは複数の以下の機能を実施することができよう。すなわち、ワイヤレスのデータを送受信すること、および/または外眼部の動き、瞳孔の動き、毛様体収縮、声を通じた内部もしくは外部の制御、ならびにもしくは他の人工装具からの制御(接触、ガラス、コンピュータ・スクリーン、プロジェクタ)と相互作用することが可能な眼球内の電子技術デバイスに用いるために、屈折特性を有する人工容器の保護をもたらす;眼球内の電子工学技術物に動力を供するように設計された電池貯蔵に用いる、人工容器の保護をもたらす;電動の視調節眼内レンズ(Elenzaレンズなど)に用いる、人工容器の保護をもたらす;および/または従来のレンズおよび上記に記載の電動デバイスを含めた眼球内技術物の修復または置き換えに用いる、人工容器の保護をもたらす。
【0106】
図4B〜4Gおよび動物試験手順の例を再び参照すると、
図13A〜23Eは、同じように行われた動物試験の結果の写真である。5頭のウサギでは、
図4G〜4Iに示されかつ上記に記載されるように、各ウサギの右眼内には、人工カプセルデバイス400と、次いでIOL(AcrySof SN60AT、Alcon製の一体成型の疎水性アクリルIOL)とが挿入され、各ウサギの左眼内には、IOLのみが挿入された。人工カプセルデバイスおよびIOLの眼に用いる手順は、上記に記載されており、IOLのみの眼に用いる手順は、人工カプセルデバイスのステップを除いて実質的に同じである。
【0107】
図13Aおよび13Bは、動物試験の結果であり、ある特徴を強調するために注記を付している。場所、陰影、彩色などは、デバイスの場所、照明、解剖学的構造などのバリエーションに基づき変えることができるため、
図13Aおよび13Bは、以下に記載の種々の写真において識別された特徴を読み手が識別することを可能にするために、いくぶん冗長に示されている。
図14A〜23Cでは、各図について4枚の写真が、異なる照明条件、焦点、角度などを用いて示され、眼の条件を説明する少なくとも1つの図が提供されている。しかし、各図の写真は、同時(例えば1週間後、2週間後、3週間後、または4週間)の同じ眼のものである。
【0108】
図13Aは、
図18B(上部左の写真)の注記付きのバージョンであり、前嚢切開部4402(短いダッシュで示される)、IOLの屈折面4404(長いダッシュで示される)、IOLを含有する人工カプセルデバイスの前方の開口4406(中程度のダッシュで示される)、およびIOLの触角4408を説明する。
図13Bは、
図18A(上部右の写真)の注記付きのバージョンであり、前嚢切開部4412(短いダッシュで示される)、IOLの屈折面4414(長いダッシュで示される)、IOLを含有する人工カプセルデバイスの前方の開口4416(中程度のダッシュで示される)、およびIOLの触角4418を説明する。対照(例えば、本質的にIOLからなる)として使用される眼の写真は、人工カプセルデバイスの前方の開口を示していない。
【0109】
ウサギの眼は、強度に炎症を生じ、その程度は、ウサギにおける各週が、人におけるおよそ6か月となる。ウサギにおける4週間、すなわち各図のセットのうち後ろの2セットの写真(すなわち“D”および“E”)では、ヒトにおけるおよそ2年後での効果と実質的に同等である。
【0110】
図14A〜14Eは、1番目のウサギの右眼についての動物試験の結果である。
図14Aは、1週間後であり、
図14Bは、2週間後であり、
図14Cは、3週間後であり、
図14Dおよび14Eは、4週間後である。
図14A〜14Eは、前嚢切開部4502、IOLの屈折面4504、IOLを含有する人工カプセルデバイスの前方の開口4506、およびIOLの触角4508を図説する。IOLの触角4508は、いくつかの図には見えていない。但し、IOLは外見上では放射状に広がって触角の始点を形成しており、その任意の可視部分に関する他の図および/または位置に基づけば、触角の位置が想定されることがある。
【0111】
上記に記載されるように、天然のカプセルバッグは、白内障手術後に慢性の変化を生じるが、それは、天然のカプセルバッグに残った上皮細胞が存在し成長を続けることに大きく起因するものと考えられる。天然のカプセルバッグ全体が、次第に線維性となり、被包形成が持続する場合には、時間と共に、小帯断裂および有効レンズ位置への変化が起こることがある。天然のカプセルバッグの著しい混濁形成は、Nd:YAGレーザー後嚢切開術によって治療されることがある。
図14A〜14Cは、人工カプセルデバイスの使用によって、上皮細胞の遊走および増殖が首尾よく媒介されたことを示す。4週間後でさえ、天然のカプセルバッグは、実質的にPCOフリーであり、このことは、同じ時間の間の同じウサギの左眼を示す
図15A〜15Dとの比較によって最も良好に見られる。特に理由を付けようとする訳ではないものの、出願人は、天然のカプセルバッグの天然の空間または体積を充填するかまたは実質的に充填する人工カプセルデバイスは、PCOを阻害または防止するものと考えている。
【0112】
図14Bは、人工カプセルデバイスでおよそ9時の位置に、小さな裂け目4510を示す。この小さな欠陥は、人工カプセルデバイスを含有する他の4つの眼には存在せず、かつ慢性の問題であるものと考えられるが、この欠陥を伴ってさえ、人工カプセルデバイスを含有する眼には、炎症刺激または混濁形成が明示されなかった。人工カプセルデバイスを含有する眼は、硝子体にいくらかの炎症刺激を示した。
【0113】
図14Eは、ゼンメリング(Soemmering)輪4512およびIOLの後表面上の素材4514を示す。ゼンメリング輪4512は、レンズ上皮細胞のドーナツ状の集合であり、混濁部が除去された後に形質転換し成長している。これは、天然のレンズの除去後に、間葉系上皮の形質転換の結果として天然のカプセルバッグに発生し、この形質転換は、炎症性メディエータと、カプセル前方とカプセル後方との接触が組み合わされることによって引き起こされたと考えられる。
【0114】
図15A〜15Eは、1番目のウサギの左眼についての動物試験の結果である。
図15Aは、1週間後であり、
図15Bは、2週間後であり、
図15Cは、3週間後であり、
図15Dおよび15Eは、4週間後である。
図15A〜15Eは、前嚢切開部4602、IOLの屈折面4604、およびIOLの触角4608を図説する。IOLの触角4608は、いくつかの図には見えていない。但し、IOLは外見上では放射状に広がって触角の始点を形成しており、その任意の可視部分に関する他の図および/または位置に基づけば、触角の位置が想定されることがある。
【0115】
図14A〜14Dの右眼と
図15A〜15Dの左眼との間で第1に容易に識別することのできる違いは、天然のカプセルバッグの著しい線維増多4612であり、2週間後のみであっても表れている(
図15B)。線維増多、すなわちレンズ上皮細胞から筋細胞(または収縮性組織もしくは筋線維芽細胞組織)への上皮系−間葉系遷移は、混濁形成を引き起こす可能性があるおよび/または天然のカプセルバッグの弾性を増す可能性があり、この弾性は収縮を引き起こす可能性がある。それぞれは望ましいものではないが、組み合わせでは、収縮および混濁形成は、眼を通って網膜に達することのできる光の量を減少させる可能性があり、それによって視覚が減少する。
【0116】
通常の照光条件下の正常眼は、光を約3mmから約6mmの間で取り込む。明光条件下では、正常眼は、光の取り込みを約1mmから約2mmの間に減少させることがある。低照光条件下では、正常眼は、光の取り込みを約7mmから約8mmに増加させることがある。収縮および線維増多に起因して、
図15A〜15Dの左眼が光を取り込むことのできる有効径は、約4.1mmであり、このことは、最も良い照光条件を除いて、その眼の視力を著しく減じる。本明細書に示される有効径は、写真に基づく概算ではあるが、視覚障害を示すには充分に正確である。
【0117】
図14A〜14Dの右眼と
図15A〜15Dの左眼との間で第2に容易に識別することのできる違いは、IOLの位置の転位またはシフトである。眼の図の各セットについて最後の図(“E”)は、総断面であり、IOLが中心にあることを最もよく示す。人工カプセルデバイスをも含む右眼のIOLは、概して左眼のIOLよりも中心にありかつ後方に位置し、そこでは、IOLは、崩壊した天然のカプセルバッグと一致してさらに平らである。
【0118】
図15Eは、ゼンメリング輪4614およびPCO4616の発端を示す。本明細書にさらに詳細に記載されるように、PCOとは、レンズ上皮細胞の再生によって、天然のカプセルバッグの後方に沿って部分的に不透明な膜が形成されることである。これに対して、捕捉されたフィブリンまたは中に含有される炎症性の沈殿物がいくらか残っている、後表面上の素材、例えば
図14Eについて記載されるようなものは、大抵は粘弾性を保つ。
【0119】
図16A〜16Eは、2番目のウサギの右眼についての動物試験の結果である。
図16Aは、1週間後であり、
図16Bは、2週間後であり、
図16Cは、3週間後であり、
図16Dおよび16Eは、4週間後である。
図16A〜16Eは、前嚢切開部4702、IOLの屈折面4704、IOLを含有する人工カプセルデバイスの前方の開口4706、およびIOLの触角4708を図説する。IOLの触角4708は、いくつかの図には見えていない。但し、IOLは外見上では放射状に広がって触角の始点を形成しており、その任意の可視部分に関する他の図および/または位置に基づけば、触角の位置が想定されることがある。IOLは、人工カプセルデバイスの程よい中心にあり、IOLの屈折面4704および人工カプセルデバイスの前方の開口4706の位置によって、見ることができる。
図14A〜14Dとは対照的に、
図16A〜16D、ならびに
図18A〜18D、20A〜20D、および22A〜22Dでは、人工カプセルデバイスが裂けていなかったことを示し、この人工カプセルデバイスは、引裂により第1のウサギの眼での炎症刺激が引き起こされなかったが、概ね好ましいことに平坦である。天然のカプセルバッグは、実質的に線維増多がない。
【0120】
図16Eは、ゼンメリング輪4712、IOLの後表面上の素材4714、硝子体面で後嚢に取り付けられた素材4716、および周縁のPCOの発端4718を示す。
図16Eはまた、前方硝子体におけるリンパ球4720の小さな集塊をいくらか伴う、前方硝子体での軽度の反応を示しており、この反応は低度の硝子体炎が生じたことを示す。
【0121】
図17A〜17Eは、2番目のウサギの左眼についての動物試験の結果である。
図17Aは、1週間後であり、
図17Bは、2週間後であり、
図17Cは、3週間後であり、
図17Dおよび17Eは、4週間後である。
図17A〜17Eは、前嚢切開部4802、IOLの屈折面4804、およびIOLの触角4808を図説する。IOLの触角4808は、いくつかの図には見えていない。但し、IOLは外見上では放射状に広がって触角の始点を形成しており、その任意の可視部分に関する他の図および/または位置に基づけば、触角の位置が想定されることがある。
図46A〜46Eにあるように、そして
図16A〜16Eの右眼とは全く対照的に、
図17A〜17Eの左眼は、天然のカプセルバッグの著しい線維増多4812を明示し、このことは
図17Cに最も良好に見られる。
図15A〜15Eもまた、前嚢切開部4802の収縮を示す。収縮および線維増多に起因して、
図17A〜17Eの左眼が光を取り込むことのできる有効径は、約4.3mmであり、最も良好な照光条件下を除いて、その眼の視力を著しく減じる。
【0122】
図18A〜18Eは、3番目のウサギの右眼についての動物試験の結果である。
図18Aは、1週間後であり、
図18Bは、2週間後であり、
図18Cは、3週間後であり、
図18Dおよび18Eは、4週間後である。
図18A〜18Eは、前嚢切開部4902、IOLの屈折面4904、IOLを含有する人工カプセルデバイスの前方の開口4906、およびIOLの触角4908を図説する。IOLの触角4908は、いくつかの図には見えていない。但し、IOLは外見上では放射状に広がって触角の始点を形成しており、その任意の可視部分に関する他の図および/または位置に基づけば、触角の位置が想定されることがある。天然のカプセルバッグは、実質的に線維増多がない。
図18Eは、IOLの後表面上の素材4912および周縁のPCOの発端4614を示す。
【0123】
図19A〜19Eは、3番目のウサギの左眼についての動物試験の結果である。
図19Aは、1週間後であり、
図19Bは、2週間後であり、
図19Cは、3週間後であり、
図19Dおよび19Eは、4週間後である。
図19A〜19Eは、前嚢切開部5002、IOLの屈折面5004、およびIOLの触角5008を図説する。IOLの触角5008は、いくつかの図には見えていない。但し、IOLは外見上では放射状に広がって触角の始点を形成しており、その任意の可視部分に関する他の図および/または位置に基づけば、触角の位置が想定されることがある。全ての左眼の中でも、
図19A〜19Eは、最も劇的な天然のカプセルバッグの収縮を示し、このことは、前嚢切開部4902のサイズによって見ることができる。収縮および線維増多に起因して、
図19A〜19Eの左眼が光を取り込むことのできる有効径は、約4.2mmであり、最も良好な照光条件下を除いて、その眼の視力を著しく減じる。
図19EもまたPCOを示す。
【0124】
図20A〜20Eは、4番目のウサギの右眼についての動物試験の結果である。
図20Aは、1週間後であり、
図20Bは、2週間後であり、
図20Cは、3週間後であり、
図20Dおよび20Eは、4週間後である。
図20A〜20Eは、前嚢切開部5102、IOLの屈折面5104、IOLを含有する人工カプセルデバイスの前方の開口5106、およびIOLの触角5108を図説する。IOLの触角5108は、いくつかの図には見えていない。但し、IOLは外見上では放射状に広がって触角の始点を形成しており、その任意の可視部分に関する他の図および/または位置に基づけば、触角の位置が想定されることがある。
図20A〜20Eは、人工カプセルデバイスが、天然のカプセルバッグにおいて不十分に中心に配置される場合があったこと、および/または天然のカプセルバッグが収縮したことを示す。しかし、天然のカプセルバッグは、実質的に線維増多がなく、それゆえ、誤った中心への配置および/または収縮は、深刻な問題をもたらさないが、これは、依然として上皮性である天然のカプセルバッグ細胞を、光が、通過する場合があるためである。
図20Eは、IOLの後表面上の素材5112を示す。4番目のウサギの右眼もまた、下記にさらに詳細に議論される、人工カプセルデバイスとIOLとの間の周縁に少量のフィブリンを示す。
【0125】
図21A〜21Eは、4番目のウサギの左眼についての動物試験の結果である。
図21Aは、1週間後であり、
図21Bは、2週間後であり、
図21Cは、3週間後であり、
図21Dおよび21Eは、4週間後である。
図21A〜21Eは、前嚢切開部5202、IOLの屈折面5204、およびIOLの触角5208を図説する。IOLの触角5208は、いくつかの図には見えていない。但し、IOLは外見上では放射状に広がって触角の始点を形成しており、その任意の可視部分に関する他の図および/または位置に基づけば、触角の位置が想定されることがある。他のいくつかの左眼のように、
図21A〜21Eは、著しい線維増多および収縮を示す。収縮および線維増多に起因して、
図21A〜21Eの左眼が光を取り込むことのできる有効径は、約2.6mmであり、最も良好な照光条件下を除いて、その眼の視力を著しく減じる。
図21EもまたPCOを示す。
図21EもまたPCOを示す。
【0126】
図22A〜22Eは、5番目のウサギの右眼についての動物試験の結果である。
図22Aは、1週間後であり、
図22Bは、2週間後であり、
図22Cは、3週間後であり、
図22Dおよび22Eは、4週間後である。
図22A〜22Eは、前嚢切開部5302、IOLの屈折面5304、IOLを含有する人工カプセルデバイスの前方の開口5306、およびIOLの触角5308を図説する。IOLの触角5308は、いくつかの図には見えていない。但し、IOLは外見上では放射状に広がって触角の始点を形成しており、その任意の可視部分に関する他の図および/または位置に基づけば、触角の位置が想定されることがある。
図18A〜18Eのように、
図22A〜22Eは、天然のカプセルバッグにおける人工カプセルデバイスの中心への良好な配置と線維増多の欠如を示す。
図22Eは、IOLの後表面上の素材5312および周縁のPCO5314を示す。
【0127】
図23A〜23Eは、5番目のウサギの左眼についての動物試験の結果である。
図23Aは、1週間後であり、
図23Bは、2週間後であり、
図23Cは、3週間後であり、
図23Dおよび23Eは、4週間後である。
図23A〜23Eは、前嚢切開部5402、IOLの屈折面5404、およびIOLの触角5408を図説する。IOLの触角5408は、いくつかの図には見えていない。但し、IOLは外見上では放射状に広がって触角の始点を形成しており、その任意の可視部分に関する他の図および/または位置に基づけば、触角の位置が想定されることがある。他のいくつかの左眼のように、
図21A〜21Eは、著しい線維増多および収縮を示す。収縮および線維増多に起因して、
図23A〜23Eの左眼が光を取り込むことのできる有効径は、約4.5mmであり、最も良好な照光条件下を除いて、その眼の視力を著しく減じる。
【0128】
有効径の減少は、なぜPCOが有害であり、好ましくは減少または防止される可能性があるかを示す。上記に記載されるように、Nd:YAGレーザーを使用して、天然のカプセルバッグを消散させて不透明な膜を除去しても良い。硝子体を隔てる天然のカプセルバッグが除去された場合、人工カプセルデバイスが不在のIOLに行うPCO後治療手術の結果、硝子体の前方流出をもたらす可能性がある。慎重なユーザは、眼からIOLを粘弾性切除し、後表面を含む人工カプセルデバイスを眼の中へ設けて、硝子体の流出を阻害または防止することができる場合がある。IOLの問題が存在するPCO後の対象の眼は、人工カプセルデバイスを使用して救済可能である場合があり、別の利点および/または使用を与える可能性がある。
【0129】
図14A〜23Eの動物試験の目標の1つは、人工カプセルデバイスの使用が、IOLを単独で使用するよりも眼に悪くはないことを示すことである。右眼は、線維増多(例えばほぼ全体的に本来のままである)、IOL位置のシフト、および前嚢切開部の収縮が全て実質的になかった。これに対し、左眼は、概して著しい線維増多、IOL転位、および嚢切開部の著しい非対照な収縮を示した。動物試験は、人工カプセルデバイスの使用が、少なくともいくつかの本明細書に議論される利点を与えることができることを、経験的に示す。
【0130】
前方の開口の縁にある小さな裂け目など、人工カプセルデバイスの僅かな損傷は、Accuject 2.2mmインジェクターを通じて挿入したために発生した可能性がある。天然のカプセルバッグ内へ人工カプセルデバイスを不完全に注入するどのような場合も、注入後、カラーボタンフックを用いて人工カプセルデバイスを操作して、バッグ内の固定を完了する。操作および/またはインジェクターへの強い押圧が、損傷を引き起こした可能性がある。天然のカプセルバッグ内全体へ人工カプセルデバイスを注入することによって(例えば、操作または再配置を行わない)、例えば異なるインジェクターを使用する場合、人工カプセルデバイスが裂けるリスクが減少することがある。
【0131】
右眼の硝子体の炎症は、約2週間後に開始し、次いでフォローアップを通じて低下したものだが、人工カプセルデバイスの素材が滅菌処理されていたものの、広範な抽出過程を経なかった結果、非架橋のシロキサンモノマーが時間と共に素材から浸出したことに起因していた可能性がある。滅菌処理および人工カプセルデバイスのパッケージング前に行う抽出、例えば、架橋を促進させるための単回、2回、3回またはそれ以上の抽出(例えば、実質的な全体架橋)は、そのような炎症を減少させることがある。
【0132】
人工カプセルデバイスとIOLとの間のフィブリンの形成は、不完全な粘弾性の除去および/またはIOLの背後に捕捉されたままの残りのOVDに起因していた可能性がある。埋め込み後にいっそう積極的に粘弾性を排除すること、粘弾性物質を分散させるのではなく除去することを容易にする場合がある、より粘着性のある粘弾性素材を使用すること、および/またはOVD除去技術によって、そのようなフィブリンの形成が減少することがある。4週間を通じて、フィブリン物質に変化は殆どなかった。フィブリンはまた、概して左眼の嚢切開縁の位置に観察され、2週間以内に散逸した。
【0133】
天然のカプセルバッグの散大または著しい散大は、概して人工カプセルデバイスの存在に関連があった。しかし、例えば、前嚢と人工カプセルデバイスの前表面との間の接触が欠けていたために、ACOは存在せず、その結果、散大は、否定的な結果とはならなかった。
【0134】
右眼、すなわち人工カプセルデバイスがIOLの前に設けられた方は、左眼、すなわちIOLのみが設けられた方と比べて、ゼンメリング輪の形成の大幅な減少を示した。右眼は、左眼と比べて、中心および周縁のPCOの減少を示した。異なる人工カプセルデバイス縁のプロファイル(例えば正方形)、例えば本明細書に記載されるようなものは、PCOに対しさらに良好な効果をもたらすことがある。試験4週目のPCOは、右眼に0、左眼に2±とスコアされた(両側P値=0.01;t検定:平均のために2標本を対とした)。ACOは、右眼には存在が認められず、左眼では軽度であった(0.5または1)。
【0135】
中心のPCOは、右眼に0.1±0.22、左眼に1.2±0.75とスコアされた(両側P値=0.05;t検定:平均のために2標本を対とした)。周縁のPCOは、右眼に0.8±0.83、左眼に1.8±0.83とスコアされ(両側P値=0.23;t検定:平均のために2標本を対とした)、ここでは、PCOの程度は、ごくわずかなものから中等度のPCOまで様々であった。ゼンメリング輪の形成は、右眼に2.8±0.83、左眼に8.6±2.19とスコアされ(両側P値=0.006;t検定:平均のために2標本を対とした)、ここでは、左眼全てが、周辺に皮質物質の急増を伴って、中等度のゼンメリング輪形成を示した。全ての場合に、数が少ないほど良好な結果を示した。全てのパラメータで、人工カプセルデバイスを備えた眼は、人工カプセルデバイスのない眼よりも良好にスコアされた。
【0136】
全ての人工カプセルデバイスが、天然のカプセルバッグの内部に充分に固定され、かつ中心に据えられていることが見出された。
図14A〜14Eでは、IOLは、人工カプセルデバイスの内部で極めてわずかに偏心していた。2つの左眼で、人工カプセルバッグの内部に軽度のIOLの偏心(0.5または1)が観察された。
【0137】
いずれの左眼にも、厄介な炎症または毒性の徴候はなかった。5つの右眼のうち4つには毒性または炎症の徴候がなかった。
図16Eに関連して上記に述べたように、右眼の1つは、軽度の前部硝子体炎を示した。
【0138】
IOLの特性を制御するための技術デバイスの使用について本開示を再度参照すると、
図24Aは、外部デバイスを使用してIOLの焦点を制御する一例のフローチャートである。ブロック5500から開始し、外部デバイスは、ブロック5502でユーザから入力を受信する。ユーザ入力の一例は、スマートウォッチ、スマートフォンなどの外部デバイス(例えば眼の外部にある)の制御である。実装例によっては、外部デバイスの制御は、第2の外部デバイスを伴う。例えば、一方の手にリングを着けたユーザが、反対の手首に着けたスマートウォッチにタッチして回路を完成させて、シグナルを送信するか(例えば近距離無線通信(NFC)を介して)または通信する。実装例によっては、ユーザ動作5502は、ユーザの全ての注意(例えばディスプレイへの注意)を必要とはせず、その結果、運転や誰かとの通信などの別の行動からユーザが外れることなく、焦点を制御することができる。例えば、ユーザは、スマートウォッチを一通りタップすることによって、またはデバイス上のSiriやAndroidデバイス上のOK Googleなどの備え付けの音声認識に基づき音声で命令することによって、動作を始めてもよい。実装例によっては、スマートフォン(例えばボリュームボタン)および/またはスマートウォッチ(例えば回転可能なつまみ)の装備を操作することができ、それらによって微調節および/または焦点の調整が可能となる。IOLを制御するように外部デバイスを構成し、その外部デバイス上で実行するソフトウェア・アプリケーションを動作させることも可能である。
【0139】
ブロック5502でユーザ入力を受信すると、外部デバイスは、ブロック5504で電子メッセージをIOLにワイヤレスで伝送する。ワイヤレス伝送は、Bluetoothなどの標準的なワイヤレスのプロトコルや、専用のワイヤレスのプロトコル、例えばセキュリティおよび/または安全性を高めるためのものに従ってもよい。上記に記載されるように、外部デバイスは、単一のデバイスであっても、互いに連動して稼働する一連のデバイスであってもよい。例えば、ブロック5504でワイヤレス伝送を発信する外部デバイスは、スマートウォッチであってもよい。別の実施例としては、ブロック5504でワイヤレス伝送を発信する外部デバイスは、最初のワイヤレス伝送をスマートウォッチから受信するスマートフォンであってもよい。ワイヤレス伝送は、技術デバイスおよび/またはIOLによって受信されるように構成され、それらの受信器は、ワイヤレス伝送を処理し、焦点調整をもたらすように構成される。
【0140】
実装例によっては、ワイヤレス伝送は、人工カプセルデバイスの技術デバイスによって受信され、技術デバイスは、次いで、人工カプセルデバイス中で可変焦点型IOLの操作を制御する。実装例によっては、ワイヤレス伝送は、人工カプセルデバイス中で直接的に、可変焦点型IOLによって受信される(例えば、人工カプセルデバイスが、適した技術デバイスもしくは任意の技術デバイスを欠いている場合、または、適したIOLに用いる人工カプセルデバイスが使用されない場合)。実装例によっては、ワイヤレス伝送は、人工カプセルデバイスの技術デバイスおよび/または人工カプセルデバイス中の可変焦点型IOLと通信する別のデバイスによって受信される。例えば、スマートウォッチは、ワイヤレス伝送をスマートフォンに送信してもよく、スマートフォンは、IOL、技術デバイスなどによって受信されることがある二次ワイヤレス伝送を発信する。1つまたは複数のワイヤレス伝送が、ネットワーク上で送信されてもよい。眼球内の通信は、ワイヤレスであってもよいし(例えば、同じまたは異なるワイヤレス標準に基づく)、または有線であってもよい(例えば、IOL触角の外部と人工カプセルデバイスの内部との間の電気接触に基づく)。
【0141】
ワイヤレス伝送または二次ワイヤレス伝送に応答して、IOLの焦点は、ブロック5506で調整される。ブロック5506は、破線の輪郭で示されているが、これは、このプロセスが、別のデバイス(例えばIOL)によって実施されてもよいためである。この焦点は、屈折出力を増加させることによって近くの対象物に向けて調整されてもよい(例えば、ユーザが近くの対象物に焦点を合わせることを可能にするために)、および/または屈折出力を低下させることによって中間視力から遠視力を調整されてもよい(例えば、ユーザが中間および/または遠くの対象物に焦点を合わせることを可能にするために)。
【0142】
ブロック5504で焦点が調整されることがあるIOLの一例は、Elenzaから得られるELENZA Sapphireである。天然の瞳孔の変化を感知すると、Elenza IOLは、調節するかまたは焦点を合わせることができる。例えば、天然の瞳孔が収斂していることを感知すると、Elenza IOLは、近視になるよう視調節することができる。別の実施例としては、天然の瞳孔が拡張されたことを感知すると、IOLが、正常視のための調節解除の状態に戻ってもよい。別の実施例としては、天然の瞳孔が拡張されたことを感知すると、IOLが、中間および/または遠くの対象物を眺めるために焦点を調整するように戻ってもよい。実装例によっては、ブロック5506での伝送が、天然の瞳孔の状態に関わらず、視調節に影響を及ぼしてもよい。実装例によっては、ブロック5506での伝送は、天然の瞳孔の変化を感知することと組み合わせて、視調節に影響を及ぼしてもよい。
【0143】
ブロック5504での焦点調整の別の実施例は、人工瞳孔または電子制御の虹彩絞りを含む技術デバイスによるものであり、この虹彩絞りは、眼内への光の伝送を選択的に遮断するように構成される。ブロック5506での伝送は、人工瞳孔を指示して収斂および/または拡張させることができる。実装例によっては、人工瞳孔は、虹彩組織を損傷しているかもしくは失っている患者のために、および/または有効開き口サイズを低下させることによって、焦点深度の増加をもたらして過焦点性を作り出すように、有効に機能することができよう。実装例によっては、人工瞳孔は、ユーザが適切な照光中で、遠視力を失うことなく、より良好な近視力および中間視力を達成することを可能にする。これらの屈折性の利益を達成することができる静的デバイスの一例は、Acufocus Kamraである。このデバイスは、典型的には角膜中またはIOL上のどちらかに埋め込まれ、例えば機能性を高めるかまたは最適にすることができる方式では、これまではユーザによる制御が不能であった。実装例によっては、電気ワイヤレス伝送が適用されると、技術デバイスは、カメラの開き口と同様に機能して、視軸に向かって角膜縁から円周方向に閉じる。実装例によっては、電気ワイヤレス伝送が適用されると、技術デバイス中の液晶の分子の配置構成が方向付けられて、縁部を不透明に、すなわち瞳孔収縮の結果と類似したものとする。人工瞳孔は、天然の瞳孔と組み合わせて機能してもよいし、天然の瞳孔とは無関係の有益な屈折効果をもたらしてもよい。実装例によっては、人工瞳孔は、Elenza IOLなどのIOLの視調節と組み合わせて機能してもよい。実装例によっては、人工カプセルデバイスの技術デバイスは、人工瞳孔を含み、この人工瞳孔は、IOL、視調節型IOLと組み合わせて、またはIOLを用いずに、使用されてもよい。
【0144】
ブロック5504で焦点が調整されることがあるIOLの別の実施例は、Calhoun Visionから得られる光調節可能レンズ(LAL)であり、それは固定されていない。電気ワイヤレス伝送が適用されると、光は、マクロマーを光重合し、照射範囲で膨張させるよう仕向けられ、その結果、出力の変化を引き起こす。IOLの焦点は、マイクロソレノイド(例えば、電気ワイヤレス伝送をコイルに加えることによって、屈折面に結合された磁性素材を引き付けるかまたは反発する磁場が作り出される)、MEMS(例えば、電気的なワイヤレス伝送を加えることによって、屈折面に結合された蝶番式の金属素材を引き付ける静電的な帯電が作り出される)などを使用して、変えられてもよい。IOL全体またはその一部(例えば屈折面)は、人工カプセルデバイス内で動いてもよく、これによって非調整のIOLに集束機構を与える。
【0145】
実装例によっては、IOLおよび/または技術デバイスは、ワイヤレス通信、コマンド指示、コンピュータ生成メッセージ、などを外部デバイスに送信して、焦点が調整されたことを確定してもよい。焦点調整は、ユーザに目に見える形であってもよいが、そのようなフィードバックは、最初の設定、較正、トラブルシューティングなどの際に助けとなることがある。ある種のそのような実装例では、プロセスは、焦点が調整されたという確認のワイヤレス伝送を外部デバイスによって受信するステップを、任意でさらに含んでいてもよい。
【0146】
外部デバイスは、任意で、IOLおよび/または技術デバイスから他のワイヤレス伝送(例えばバッテリーの低下、エラーコード、limits reachedなど)を受信するように構成されていてもよい。ある種のそのような実装例では、外部デバイス5504によるワイヤレス伝送の発信は、IOLがワイヤレス伝送に従って焦点を合わせることが可能であるということの確認に基づくことがある。外部デバイスは、例えば本明細書にさらに詳細に記載されるような焦点に関すること以外の他のワイヤレス伝送を、IOLおよび/または技術デバイスから受信するように、任意で構成されてもよい。
【0147】
処理は、ブロック5508で終了する。IOLの焦点は、多少の時間が経った後、または外部デバイスからの第2のワイヤレス伝送に応答して、元に戻ることがある(例えば第2のユーザ入力の受信時)。上記で議論された処理のいくつかおよび他の処理は、
図24B〜24Fについてさらに詳細に記載されている。
【0148】
図24Bは、外部デバイスを使用して電子デバイス(例えば技術デバイスおよび/またはIOL)を制御するためのシステムの概要である。図説されたフローチャートでは、人工カプセルデバイス5510は、技術デバイスを含む。人工カプセルデバイス5510は、少なくとも部分的にIOL5512を備える。人工カプセルデバイス5510の技術デバイスおよび/またはIOL5512は、第1の外部デバイス5514と通信する。第1の外部デバイス5514は、例えばスマートフォン、スマートウォッチなどを備えていてもよい。第1の外部デバイス5514は、任意で第2の外部デバイス5516と通信する。第2の外部デバイス5516は、例えばスマートウォッチ(例えばスマートフォンを備えた第1の外部デバイス5514と組み合わせて)を備えていてもよい。第2の外部デバイス5516は、任意で第3の外部デバイス5518と通信する。第3の外部デバイス5518は、例えばリング(例えばスマートウォッチを備えた第2の外部デバイス5516と組み合わせて)を備えていてもよい。第1の外部デバイス5514、第2の外部デバイス5516、および第3の外部デバイス5518は、単体で、サブコンビネーションで、または全ての組み合わせで、特に、ユーザによる入力を受信し、人工カプセルデバイス5510の技術デバイスおよび/またはIOL5512にワイヤレス伝送を発信するよう機能してもよい。外部デバイスを追加すること(例えば第4、第5など)も可能である。
【0149】
図24Cは、外部デバイスを使用して電子デバイス(例えば技術デバイスおよび/またはIOL)を制御する方法例のフローチャートである。ブロック5520で開始し、外部デバイスは、ブロック5522でユーザから入力を受信する。ブロック5522でユーザ入力を受信すると、外部デバイスは、ブロック5524で、ユーザ入力を処理する。外部デバイスは、処理モジュール、静的メモリ・モジュール、動的または一時的メモリ・モジュール、電源、ユーザ入力受信モジュール、ワイヤレス伝送発信モジュール、ワイヤレス伝送受信モジュールなどを含んでいてもよい。ブロック5524でユーザ入力を処理すると、外部デバイスは、ブロック5526で、眼に埋め込まれた電子デバイス(例えば人工カプセルデバイスの技術デバイス、IOLなど)に伝送するための指示コマンドを生成する。指示コマンドの生成は、ユーザ入力の受信および処理した際に自動で行われてもよいし、ユーザ又は別のデバイスとのさらに別の対話を含んでいてもよい。指示は、例えば、IOLの焦点を合わせることを含んでいてもよい。ブロック5526で指示コマンドが生成されると、外部デバイスは、ブロック5528で、眼に埋め込まれた電子デバイス(例えば人工カプセルデバイスの技術デバイス、IOLなど)から、確認および/または現在ステータスの入力を任意で受信してもよい。指示コマンドの生成および/または電子デバイスからの確認および/もしくは現在ステータスの入力の受信に応じて、この処理が、ブロック5522での開始またはブロック5530での終了を繰り返してもよい。
【0150】
図24Dは、外部デバイスを使用して、電子デバイス(例えば技術デバイスおよび/またはIOL)を制御する、別の方法例のフローチャートである。
図24Bを参照して、例えば、外部デバイスは、第1の外部デバイス(例えばスマートフォン)および第2の外部デバイス(例えスマートウォッチ)を備える。ブロック5532で開始し、第2の外部デバイスは、ブロック5534で、ユーザから入力を受信する。ブロック5534でユーザ入力を受信すると、第1の外部デバイスは、ブロック5536で第2の外部デバイスからユーザ入力を受信する。第1の外部デバイスは、ユーザ入力を直接的に受信するために、または第2の外部デバイスからのワイヤレス伝送の結果として、第2の外部デバイスと、ワイヤードまたはワイヤレスで通信してもよい。ブロック5536でユーザ入力を受信すると、第1の外部デバイスは、ブロック5538で、ユーザ入力を処理する。ブロック5538でユーザ入力を処理すると、第1の外部デバイスは、ブロック5540で、眼に埋め込まれた電子デバイス(例えば人工カプセルデバイスの技術デバイス、IOLなど)に伝送するための指示コマンドを生成する。指示コマンドの生成は、ユーザ入力を受信し処理した際に自動で行われてもよいし、ユーザ、第2の外部デバイス、別のデバイスなどとのさらに別の対話を含んでいてもよい。指示は、例えば、IOLの焦点を合わせることを含んでいてもよい。ブロック5540で指示コマンドを生成すると、第1の外部デバイスは、ブロック5542で、眼に埋め込まれた電子デバイス(例えば人工カプセルデバイスの技術デバイス、IOLなど)から、確認および/または現在ステータスの入力を任意で受信してもよい。第1の外部デバイスおよび/または第2の外部デバイスは、任意でブロック5544で確認および/または現在ステータスの入力を表示してもよい。指示コマンドの生成、電子デバイスからの確認および/もしくは現在ステータスの入力の受信に応じて、この処理が、ブロック5534での開始またはブロック5546での終了を繰り返してもよい。
【0151】
図24Eは、外部デバイスを使用して、電子デバイス(例えば技術デバイスおよび/またはIOL)を制御する別の方法例のフローチャートである。
図24Bを参照して、例えば、外部デバイスは、第1の外部デバイス(例えばスマートフォン)および第2の外部デバイス(例えばスマートウォッチ)を備える。ブロック5550で開始して、第2の外部デバイスは、ブロック5552でユーザから入力を受信する。ブロック5552でユーザ入力を受信すると、第1の外部デバイスは、ブロック5554で、第2の外部デバイスからユーザ入力を受信する。第1の外部デバイスは、ユーザ入力を直接的に受信するために、または第2の外部デバイスからのワイヤレス伝送の結果として、第2の外部デバイスと、ワイヤードまたはワイヤレスで通信してもよい。ブロック5554でユーザ入力を受信すると、第1の外部デバイスは、ブロック5556で、ユーザ入力を処理する。ブロック5556でユーザ入力が処理されると、第1の外部デバイスは、ブロック5558で、眼に埋め込まれた電子デバイス(例えば人工カプセルデバイスの技術デバイス、IOLなど)に伝送するための指示コマンドを生成する。指示コマンドの生成は、ユーザ入力を受信し処理した際に自動で行われてもよいし、ユーザ、第2の外部デバイス、別のデバイスなどとのさらに別の対話を含んでいてもよい。指示は、例えば、IOLの焦点を合わせることを含んでいてもよい。
【0152】
図24Eは、眼に埋め込まれた電子デバイス(例えば人工カプセルデバイスの技術デバイス、IOLなど)によって実施されることがあるプロセスを表す、破線の横線を含む。電子デバイスは、外部デバイスとは別であってもよく、
図24Eに関連して記載されたプロセスは、参照程度の例である。実装例によっては、外部デバイスおよび電子デバイスは、システムまたはキットを形成することが理解されよう。
【0153】
電子デバイスは、ブロック5560で指示コマンドを受信してもよい。ブロック5560で指示コマンドを受信すると、電子デバイスは、ブロック5562で指示コマンドを処理してもよい。ブロック5562で指示コマンドを処理すると、電子デバイスは、ブロック5564で、指示コマンドに基づき電子デバイスのパラメータを調整してもよい。パラメータの調整は、指示コマンドを受信し処理した際に自動で行われてもよく、または、ユーザ、第1の外部デバイス、第2の外部デバイスおよび/もしくは別のデバイスとの対話、パラメータおよび/もしくは別のパラメータの解析などを含んでいてもよい。パラメータは、例えばIOL焦点(例えばある程度のマスキング、ある程度の駆動、ある程度の回転など)を含んでいてもよい。ブロック5564でパラメータを調整すると、電子デバイスは、ブロック5566で確認および/または現在ステータス出力を生成してもよい。電子デバイスは、例えば、さらに多くの、さらに少ない、異なる、別々に命令される、などのプロセスを実施してもよく、複数の電子デバイス間(例えば人工カプセルデバイスの技術デバイスおよびIOL間)の対話を含んでいてもよい。
【0154】
第1の外部デバイスは、ブロック5568で、眼に埋め込まれた電子デバイスから、確認および/または現在ステータスの入力(出力として生成される)を任意で受信してもよい。第1の外部デバイスおよび/または第2の外部デバイスは、ブロック5570で、確認および/または確認および/または現在ステータスの入力を任意で表示してもよい。プロセスは、ブロック5572で終了する。
【0155】
図24Fは、外部デバイスを使用して、電子デバイス(例えば技術デバイスおよび/またはIOL)を制御する、別の方法例のフローチャートである。
図24Bを参照すると、例えば、外部デバイスは、第1の外部デバイス(例えばスマートフォン)および第2の外部デバイス(例えばスマートウォッチ)を備える。ブロック5574で開始して、第2の外部デバイスはブロック5576でユーザから入力を受信する。ブロック5576でユーザ入力を受信すると、第1の外部デバイスは、ブロック5578で第2の外部デバイスからユーザ入力を受信する。第1の外部デバイスは、ユーザ入力を直接的に受信するために、または第2の外部デバイスからのワイヤレス伝送の結果として、第2の外部デバイスと、ワイヤードまたはワイヤレスで通信してもよい。
【0156】
第1の外部デバイスは、ブロック5580でユーザ入力を決定する。第1のユーザ入力の場合、第1の外部デバイスは、ブロック5582で、指示コマンドを生成して、近くの対象物に焦点を変える(例えば、ElenzaのIOLに関連した本明細書に記載されているような近視性調節)。第1のユーザ入力とは異なる第2のユーザ入力の場合、第1の外部デバイスは、ブロック5584で、指示コマンドを生成して、中間および/または遠くの対象物に焦点を変える(本明細書に記載されるような例えば正常視または非調節の状態)。明確化のために、ElenzaのIOLは、眼が調節しようと(焦点を合わせようと)しているサインとして、瞳孔収縮を使用し、レンズは、天然の瞳孔収縮に基づき焦点を変える。すなわち、ElenzaのIOLは、瞳孔を収縮させず、人工虹彩デバイスを備えていない。実装例によっては、本明細書に記載の指示コマンドは、例えば、ElenzaのIOLに、天然の瞳孔の収縮を問わず焦点を変更させる。
【0157】
実装例によっては、例えばElenzaのIOL以外のIOLを使用して、または人工カプセルデバイスの技術デバイスによって、指示コマンドは、例えば、人工瞳孔の収縮または散大を生じることができよう。
【0158】
ElenzaのIOLの焦点調整および人工瞳孔の収縮/散大は、パラメータ変化の例として与えられ、各種の入力に基づく他のパラメータ変化もまた生じる可能性があることが理解されよう。指示コマンドの生成は、ユーザ入力が処理された際に自動で行われてもよいし、またはユーザ(例えば、天然の瞳孔散大を感知することと組み合わされた指示コマンド)、第2の外部デバイス、他のデバイスなどとの対話をさらに含んでいてもよい。実装例によっては、第2の外部デバイスは、ユーザ入力を決定してもよく、第1の外部デバイスは、指示コマンドを受信してもよい。
【0159】
ブロック5582または5584で指示コマンドを生成すると、第1の外部デバイスは、ブロック5586で、眼に埋め込まれた電子デバイス(例えば人工カプセルデバイスの技術デバイス、IOLなど)に指示コマンドを伝送する。指示は、例えば、IOLの焦点を合わせることを含んでいてもよい。ブロック5586で指示コマンドを伝送すると、第1の外部デバイスは、ブロック5588で、眼に埋め込まれた電子デバイス(例えば人工カプセルデバイスの技術デバイス、IOLなど)から、確認および/または現在ステータスの入力を任意で受信してもよい。第1の外部デバイスおよび/または第2の外部デバイスは、ブロック5590で、確認および/または現在ステータスの入力を任意で表示してもよい。プロセスは、ブロック5592で終了する。
【0160】
図25は、コンピュータ・ハードウェア・システム例を示したブロック図であり、このシステムは、本明細書に開示の電子デバイス制御の1つまたは複数の実装例を実装するためのソフトウェアを実行するように構成される。実装例によっては、上記に記載のハードウェア・システムおよび/またはデバイスは、コンピューティング・システム5600の形態を取り、これは、1つまたは複数のネットワーク5616を介した1つまたは複数のコンピューティング・システム5618および/または1つまたは複数のデータ供給源5620と通信する、コンピューティング・システムの実装のブロック図である。コンピューティング・システム5600は、本明細書に記載の1つまたは複数のシステムおよび方法を実装するために使用されてもよい。実装例によっては、コンピューティング・システム5600は、アクセスを管理するか、またはソフトウェア・アプリケーションを運営するように構成される。
図25は、コンピューティング・システム例5600を説明するが、コンピューティング・システム5600のコンポーネントおよびモジュールにおいて提供される機能性が、組み合わされてさらに少数のコンポーネントおよびモジュールとされてもよいし、または追加のコンポーネントおよびモジュールにさらに分けられてもよいことについては認識されよう。
電気システム
【0161】
実装例によっては、コンピューティング・システム5600は、眼に移植された電子デバイスを制御することに関連して、本明細書に記載された1つまたは複数の機能を実行するように構成された電気システム5606を含み、このシステムは、上記に記載のいずれかの技術を含む。電気システム5606および/または他のモジュールは、下記にさらに議論される中央処理ユニット5602によって、コンピューティング・システム5600上で実行されてもよい。
【0162】
概して、本明細書に使用されるような“モジュール”という用語は、ハードウェアまたはファームウェアに具体化される論理、またはソフトウェアの命令の収集体を指し、出口および入口の点を有することがあり、例えば、COBOL、CICS、Java、Lua、CやC++などのプログラミング言語で書き表される。ソフトウェア・モジュールは、実行可能なプログラムにコンパイルおよびリンクされて、動的リンク・ライブラリにインストールされてもよいし、または、例えばBASIC、Perl、またはPythonなどのプログラミング言語で解釈されてもよい。ソフトウェア・モジュールは、他のモジュールからまたはそれ自体から呼び出し可能であってもよいこと、および/または検知した事象または割り込みに応答して読みだされてもよいことが理解されよう。ソフトウェア命令は、EPROMなどのファームウェアに埋め込まれてもよい。ハードウェア・モジュールは、ゲートやフリップ・フロップなど、接続された論理ユニットから構成されていてもよいこと、および/またはプログラム可能なゲート・アレイやプロセッサなど、プログラム可能なユニットかた構成されていてもよいことが理解されよう。本明細書に記載のモジュールは、好ましくはソフトウェア・モジュールとして実装されるが、ハードウェアまたはファームウェアに表されてもよい。概して、本明細書に記載のモジュールは、他のモジュールと組み合わされるか、または物理的な統合または記憶があってもサブモジュールに分けられることがある、論理モジュールを指す。
コンピューティング・システム・コンポーネント
【0163】
コンピューティング・システム5600は、中央処理ユニット(CPU)5602を含むことができ、このCPUは、従来のマイクロプロセッサを含んでいてもよい。コンピューティング・システム5600は、情報の一時的な記憶に用いるランダムアクセスメモリ(RAM)および/または情報の永続的な記憶に用いるリード・オンリー・メモリ(ROM)などのメモリ5604、およびハードドライブ、ディスクや光学媒体記憶デバイスなどの大容量記憶デバイス5608をさらに含む。実装例によっては、コンピューティング・システム5600のモジュールは、標準ベースのバスシステムを使用して、コンピュータに接続させることができる。実装例によっては、標準ベースのバスシステムとしては、例えばPeripheral Component Interconnect(PCI)、Microchannel、SCSI、Industrial Standard Architecture(ISA)および拡張型ISA(EISA)構造を挙げることができる。
【0164】
コンピューティング・システム5600は、1つまたは複数の一般的に利用可能な入力/出力(I/O)デバイスおよびインターフェース5612を含み、そのようなものとしては、例えばキーボード、マウス,タッチパッド、タッチスクリーン、リング、プリンターなどがある。実装例によっては、I/Oデバイスおよびインターフェース5612は、ユーザにデータを視覚的に提示することが可能な1つまたは複数のディスプレイ・デバイスを含み、そのようなものとしては、例えばモニターやタッチスクリーンがある。ディスプレイ・デバイスは、例えば、グラフィカル・ユーザ・インターフェース(GUI)のプレゼンテーション、アプリケーション・ソフトウェアのデータ、およびマルチメディアによるプレゼンテーションを提供することができる。実装例によっては、I/Oデバイスおよびインターフェース5612は、マイクロホン、モーションおよび/またはNFCセンサを含み、それらは、音、声、動作、身振りなどを使用して、ユーザがコンピューティング・システム5600への入力を生成することを可能にする。
図25では、I/Oデバイスおよびインターフェース5612はまた、ネットワーク5616へのリンク5614を介した、様々な外部デバイスへの通信インターフェースを提供する。コンピューティング・システム5600はまた、1つまたは複数のマルチメディアデバイス5610を含んでいてもよく、そのようなデバイスとしては、例えばスピーカー、ビデオカード、グラフィックス・アクセラレータやマイクロホンがある。
コンピューティング・システム・デバイス/オペレーティング・システム
【0165】
コンピューティング・システム5600は、種々のコンピューティング・デバイス上、例えば専用に設計されたデバイス、サーバ、Windowsサーバ、StructureQueryLanguageサーバ、Unixサーバ、パーソナル・コンピュータ、メインフレーム・コンピュータ、ラップトップ・コンピュータ、タブレット・コンピュータ、携帯電話、スマートフォン、スマートウォッチ、パーソナル・デジタル・アシスタント、キオスク、オーディオ・プレイヤ、e−読み取りデバイスなどの上でランさせてもよい。コンピューティング・システム5600は、概してオペレーティング・システム・ソフトウェアによって制御され連動するが、そのようなソフトウェアとしては、z/OS、Windows95、Windows98、WindowsNT、Windows2000、WindowsXP、WindowsVista、Windows7、Windows8、Linux、BSD、SunOS、Solaris、Android、iOS、BlackBerry OSや他の適合可能なオペレーティング・システムがある。Macintoshシステムでは、オペレーティング・システムは、任意の利用可能なオペレーティング・システムであってもよく、そのようなシステムとしては、MAC OS Xなどがある。実装例によっては、コンピューティング・システム5600が。適切なオペレーティング・システムによって制御される。オペレーティング・システムは、例えば、実行するためのコンピュータ・プロセスを制御および計画してもよいし、メモリ管理を実施してもよいし、ファイル・システム、ネットワーク化、およびI/Oサービスを提供してもよいし、他の事物との間でGUIなどのユーザ・インターフェースを提供してもよい。
ネットワーク
【0166】
図25は、コンピューティング・システム5600が、任意選択のネットワーク5616に係合されていることを図説し、そのようなネットワークは、LAN、WANやインターネットなどであり、例えば、有線、ワイヤレス、または有線とワイヤレスとの組み合わせの通信リンク5614を介する。ネットワーク5616は、様々なコンピューティング・デバイスおよび/または他の電子デバイスと、有線またはワイヤレスの通信リンクを介して通信する。
図25では、ネットワーク5616は、1つもしくは複数のコンピューティング・システム5618ならびに/または1つもしくは複数のデータ供給源5620と通信する。
【0167】
コンピューティング・システム5618および/またはデータ供給源5620による、コンピュータ・システム5600の電気システム5606へのアクセスは、ウェブ対応のユーザ・アクセス・ポイントを通じてもよく、そのようなアクセス・ポイントとしては、コンピューティング・システム5618またはデータ供給源5620のパーソナル・コンピュータ、モバイル・デバイス、携帯電話、スマートフォン、スマートウォッチ、ラップトップ、タブレット・コンピュータ、e−読み取りデバイス、オーディオ・プレイヤや、ネットワーク5616に接続することが可能なまた接続するように構成される他のデバイスがある。そのようなデバイスは、ブラウザ・モジュール、またはモジュールとして実装される専用のアプリケーションを有していてもよく、このモジュールは、テキスト、グラフィックス、オーディオ、ビデオ、および他のメディアを使用して、データを提示し、また、ネットワーク5616を介してデータと相互作用することを可能にする。
【0168】
ブラウザ・モジュールまたは専用のアプリケーションは、全点アドレス可能のディスプレイの組合せとして実装されていてもよく、そのようなディスプレイとしては、陰極線管(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ、または他のタイプおよび/または組合せのディスプレイがある。ブラウザ・モジュールまたは専用のアプリケーションは、入力デバイス5612と通信するように実装されてもよく、適切なインターフェースを備えたソフトウェアを含んで、定型化されたスクリーン要素を使用することを通じてユーザがデータにアクセすることを可能にしてもよい。そのようなスクリーン要素としては、例えば、メニュー、ウィンドウ、ダイアログボックス、ツールバー、およびコントロール(例えば、ラジオボタン、チェックボックス、スライディング・スケールなど)がある。ブラウザ・モジュールは、入力および出力デバイス一式と通信して、ユーザからワイヤレス伝送を受信してもよい。
【0169】
入力デバイス(複数可)は、キーボード、ローラー・ボール、ペンおよびスタイラス、マウス、リング、スマートウォッチ、ノブ、トラックボール、音声認識システム、または予め指定されたスイッチもしくはボタンを含んでいてもよい。出力デバイス(複数可)は、スピーカー、ディスプレイ・スクリーン、プリンター、または音声合成器を含んでいてもよい。タッチスクリーンは、入力/出力ハイブリッド・デバイスとしての機能を果たしてもよい。実装例によっては、ユーザは、インターネット、WAN、もしくはLAN、または同様のネットワーク上で通信することなく、システム端を介してシステムと相互作用してもよい。
【0170】
実装例によっては、システム5600は、双方向のデータおよびデータベースをオンラインかつリアルタイムでアップロード、ダウンロード、または眺めるために、リモート・マイクロプロセッサとメインフレーム・ホスト・コンピュータとの間に物理的または論理的な関係を含む。リモート・マイクロプロセッサは、クライアント・サーバ・システムまたはメイン・サーバ・システムを含めた、コンピュータ・システム5600を操作するエンティティによって操作されてもよく、および/または1つもしくは複数のデータ供給源5620および/または1つもしくは複数のコンピューティング・システム5618によって操作されてもよい。実装例によっては、マイクロ・メインフレーム・リンクに加わるために、ターミナル・エミュレータ・ソフトウェアが、マイクロプロセッサ上で使用されてもよい。
【0171】
実装例によっては、コンピュータ・システム5600を操作するエンティティの内部にあるコンピューティング・システム5618が、アプリケーションとして電気システム5606に内部でアクセスしてもよいし、CPU5602によるランを処理してもよい。
ユーザ・アクセス・ポイント
【0172】
実装例によっては、ユーザ・アクセス・ポイントまたはユーザ・インターフェースは、パーソナル・コンピュータ、ラップトップ・コンピュータ、タブレット・コンピュータ、e−読み取りデバイス、モバイル・デバイス、携帯電話、スマートフォン、スマートウォッチ、GPSシステム、Blackberry(登録商標)デバイス、ポータブル・コンピューティング・デバイス、サーバ、コンピュータ・ワークステーション、個々のコンピュータのローカル・エリア・ネットワーク、インターネット・キオスク、パーソナル・デジタル・アシスタント、インタラクティブ・ワイヤレス通信デバイス、ハンドヘルド・コンピュータ、組み込みコンピューティング・デバイス、オーディオ・プレイヤなどを含む。
他のシステム
【0173】
上記に記載および説明されたシステムに加えて、ネットワーク5616は、データ供給源および/または他のコンピューティング・デバイスと通信してもよい。コンピューティング・システム5600は、1つまたは複数の内部および/または外部のデータ供給源を含んでいても良い。実装例によっては、1つまたは複数のデータ・デポジトリおよびデータ供給源は、DB2、Sybase、Oracle、CodeBase、Microsoft(登録商標)SQL サーバなどのリレーショナル・データベース、ならびに他のタイプのデータベース、例えばフラット・ファイル・データベース、実体関連データベースやオブジェクト指向データベースなど、および/またはレコード指向のデータベースを使用して、実装されていてもよい。
(実施形態例)
以下の実施形態例は、本明細書に開示される特徴の組み合わせの可能な順列を特定するものである。但し、他の特徴の組み合わせの順列もまた可能である。
1.眼に挿入されるように構成され、
開口を含む前面と
少なくとも一部が屈折面を含む後面と
を含む人工カプセルデバイス、および
技術デバイス
を含む、人工カプセルデバイスシステム。
2.眼内レンズをさらに含み、前記技術デバイスは、前記眼内レンズを通じた視線を実質的に妨げないように配置される、実施形態1に記載のシステム。
3.前記技術デバイスは、眼内レンズの特性を制御するように構成される、実施形態2に記載のシステム。
4.前記制御された眼内レンズの特性は、屈折力、光伝達、UV伝達、および視調節特性のうち少なくとも1つを含む、実施形態3に記載のシステム。
5.前記技術デバイスは、前記眼内レンズの一体部分を形成し、前記技術デバイスは、前記眼内レンズの外周縁にすべてまたは一部を取り囲む、実施形態2〜4のいずれか1つに記載のシステム。
6.前記技術デバイスは、コンピュータ、バーチャル・リアリティ・デバイス、ディスプレイ・デバイス、インターネット・アクセス・デバイス、受信器、ゲーム・デバイス、イメージ・ビューア、プロジェクタ、全地球測位システム、e−メールデバイス、および生体認証センサ・デバイスのうち少なくとも1つを含む、実施形態1〜5のいずれか1つに記載のシステム。
7.前記受信器は、デジタル・データ受信器を含む、実施形態6に記載のシステム。
8.前記技術デバイスは、眼の外部から再充填することの可能な動力源を含む、実施形態1〜7のいずれか1つに記載のシステム。
9.前記人工カプセルデバイスは、前記眼内の特定の位置で前記人工カプセルデバイスを機械的に維持するように構成される外側輪郭を含む、実施形態1〜8のいずれか1つに記載のシステム。
10.前記外側輪郭は、毛様体溝内に延びるように構成される、実施形態9に記載のシステム。
11.前記外側輪郭は、開口から径方向外側へ延びるフランジを含む、実施形態9または10に記載のシステム。
12.前記屈折面は、以下の光学的および設計上の質:凹状、凸状、球状、非球面、波面、多焦点回折型、多焦点屈折型、多焦点帯状、視調節型、UVフィルタリング型、回折色収差低減型、および乱視修正型の持続性形態のうち少なくとも1つを含む、実施形態1〜11のいずれか1つに記載のシステム。
13.前記技術デバイスは、以下の人工カプセルデバイスの特性:光伝達、UV伝達、および熱遮断のうち少なくとも1つを制御するように構成される、実施形態1〜12のいずれか1つに記載のシステム。
14.開口を含む前面と
屈折面を含む後面の少なくとも一部である後面と
を含む、人工カプセルデバイスを眼に挿入すること、および
前記人工カプセルデバイスに技術デバイスを挿入すること
を含む、眼を手術する方法。
15.前記技術デバイスは、コンピュータ、バーチャル・リアリティ・デバイス、ディスプレイ・デバイス、インターネット・アクセス・デバイス、受信器、ゲーム・デバイス、イメージ・ビューア、プロジェクタ、全地球測位システム、e−メールデバイス、および生体認証センサ・デバイスのうち少なくとも1つを含む、実施形態14に記載の方法。
16.前記人工カプセルデバイスに眼内レンズを挿入することをさらに含み、前記眼内レンズを挿入した後に、前記技術デバイスは、実質的に眼内レンズを通じた視線を妨げない、実施形態14または15に記載の方法。
17.前記技術デバイスは、前記眼内レンズの特性のうち1つまたは複数を制御するように構成される、実施形態14〜16のいずれか1つに記載の方法。
18.前記眼内レンズの制御された特性は、屈折力、光伝達、UV伝達、および調節特性のうち少なくとも1つを含む、実施形態17に記載の方法。
19. 前記技術デバイスは、前記眼内レンズの一体部分を形成し、前記技術デバイスは、前記眼内レンズの外周縁にすべてまたは一部を取り囲む、実施形態 16〜18のいずれか1つに記載の方法。
20.前記技術デバイスは、眼の外部から再充填することが可能な動力源を含む、実施形態14〜19のいずれか1つに記載の方法。
21.前記人工カプセルデバイス挿入することは、前記眼の天然のカプセルバッグに前記人工カプセルデバイスを挿入することを含む、実施形態14〜20のいずれか1つに記載の方法。
22.前記人工カプセルデバイスを挿入する前に、前記天然のカプセルバッグから天然のレンズを除去することをさらに含み、前記天然のレンズは、前記天然のレンズを除去する前の前記天然のカプセルバッグ中の場所に後表面を含み、前記人工カプセルデバイスは、前記天然のレンズの後表面の場所と実質的に一致するか、測定可能な程度に異なるか、または予想通りに異なるかのうち少なくとも1つである位置にあるように寸法を合わせられる、実施形態21に記載の方法。
23.前記人工カプセルデバイスを挿入する前に、前記眼の天然のカプセルバッグの前嚢切開部を形成することをさらに含み、前記人工カプセルデバイスの挿入は、前記前嚢切開部を通じて行われる、実施形態14〜22のいずれか1つに記載の方法。
24.前記人工カプセルデバイスは、眼内の特定の位置に前記人工カプセルデバイスを機械的に維持するように構成される外側輪郭を含む、実施形態14〜23のいずれか1つに記載の方法。
25.前記技術デバイスは、以下の人工カプセルデバイスの特性:光伝達、UV伝達、および熱遮断のうち少なくとも1つを制御するように構成される、実施形態14〜24のいずれか1つに記載の技術デバイス。
26.技術デバイスを支持する眼内に挿入するための人工カプセルデバイス。
27.装用可能な小型電子技術デバイスを支持する眼内に挿入するための、人工カプセルバッグまたはカプセル封入デバイス。
28.眼に挿入されるように構成され、
開口を含む前面と
少なくとも一部が屈折面を含む後面と
形態嵌合部品を含む外表面と
を含む人工カプセルデバイス。
29.前記形態嵌合部品は、複数のタブを含む、実施形態28に記載の人工カプセルデバイス。
30.前記複数のタブは、外表面の外縁に沿って実質的に連続する、実施形態29に記載の人工カプセルデバイス。
31.前記タブのうち少なくとも1つは、開口を含み、前記開口を通じて線維増多が発生することができる、実施形態29または30に記載の人工カプセルデバイス。
32.前記タブのそれぞれは、開口を含み、前記開口を通じて線維増多が発生することができる、実施形態29または30に記載の人工カプセルデバイス。
33.前記形態嵌合部品は、シリコーン、シリコーン誘導体、アクリル、アクリル誘導体、PMMA、オレフィン、ポリイミド、およびコラマーのうち少なくとも1つを含む、実施形態28〜32のいずれか1つに記載の人工カプセルデバイス。
34.デバイスにおいて眼内レンズの触角を固定するように構成される内部リップまたは溝をさらに含む、実施形態28〜33のいずれか1つに記載の人工カプセルデバイス。
【0174】
本明細書に記載の方法およびデバイスが、様々な改変および代替の形態を受け入れる余地があってもよい一方で、それらの特定の例が、図面に示されていると共に、本明細書に詳細に記載される。しかし、本発明は、開示された具体的な形態または方法に制限されないものの、それとは反対に、本発明は、添付の特許請求の範囲および記載される様々な実装例の趣旨および範囲内に含まれる、あらゆる改変、等価物、代替にわたることを理解するべきである。さらに、実装例または実施形態に関連するいかなる具体的な特徴、態様、方法、特性、特質、質、属性、要素などに関する本明細書の開示も、本明細書に記載のあらゆる他の実装例または実施形態において使用することができる。本明細書に開示のいかなる方法も、特許請求の範囲に記載の順番で実施される必要はない。本明細書に開示の方法は、実践者が取るある種の行動を含んでいてもよい。しかし、その方法は、その行動に関する任意の第三者の教示を、明示的または暗示的、どちらかで含むこともできる。例えば、“人工カプセルデバイス内に眼内レンズを挿入すること”などの行動は、“人工カプセルデバイス内に眼内レンズを挿入することを指示すること”を含む。本明細書に開示の範囲はまた、任意のおよび全ての部分重複、部分範囲およびそれらの組み合わせを包含する。“まで”、“少なくとも”、“超”、“未満”、“間”などの言葉は、特許請求の範囲に記載の数を含む。“約”や“およそ”などの用語に続く数は、特許請求の範囲に記載の数に含まれ、状況に基づいて(例えば、その状況下で合理的にありうる程度に正確であること、例えば±5%、±10%、±15%など)、解釈されるべきである。例えば,“約3.5mm”は、“3.5mm”を含む。“実質的に”などの用語に続く句は、特許請求の範囲に記載の句を含み、状況に基づいて(例えば、その状況下で合理的にありうる程度の多さであること)、解釈されるべきである。例えば、“実質的に一定”は、“一定”を含む。