【文献】
BLOOD,2014年 7月,Vol. 124, No. 3,p. 445-452
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
切断型フォン・ヴィルブランド因子(VWF)を含むポリペプチドを含む、血液凝固障害の処置用医薬組成物であって、該処置は、内在性VWFを有する被験体に、ポリペプチド及び第VIII因子(FVIII)を投与することを含み、ここでポリペプチドは該FVIIIに結合することができ、そしてここで投与しようとするFVIIIに対する投与しようとするポリペプチドのモル比は50より大きく、ここで該ポリペプチドが半減期延長部分を含む、上記医薬組成物。
さらに、内在性VWFに対する投与されたポリペプチドのモル比は0.5より大きく、そしてここで該モル比は、ポリペプチドの投与直後に処置された被験体のポリペプチドの血漿モル濃度(仮定値)を、処置された被験体の正常の状態の内在性VWFの血漿モル濃度で割ったものである、請求項1に記載の医薬組成物。
切断型VWFが、(a)配列番号4のアミノ酸764〜1242、(b)配列番号4のアミノ酸764〜1242に対して少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又は(c)(a)若しくは(b)のフラグメントからなる、請求項1〜7のいずれか1
項に記載の医薬組成物。
異種アミノ酸配列が、免疫グロブリン定常領域及びその部分、例えばFcフラグメント、トランスフェリン及びそのフラグメント、ヒト絨毛性ゴナドトロピンのC末端ペプチド、XTENとして知られる大きな流体力学的体積を有する溶媒和ランダム鎖、ホモアミノ酸反復(HAP)、プロリン−アラニン−セリン反復(PAS)、アルブミン、アファミン、アルファ−フェトプロテイン、ビタミンD結合タンパク質、生理条件下でアルブミン又は免疫グロブリン定常領域に結合することができるポリペプチド、並びにそれらの組み合わせからなる群より選択されるポリペプチドを含むか又はそれらからなる、請求項9に記載の医薬組成物。
半減期延長部分が、ヒドロキシエチルデンプン(HES)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリシアル酸(PSA)、エラスチン様ポリペプチド、ヘパロサンポリマー、ヒアルロン酸及びアルブミン結合リガンド、例えば脂肪酸鎖及びそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項11に記載の医薬組成物。
ポリペプチドが、N−グリカンを含む糖タンパク質であり、そしてここで該N−グリカンの少なくとも75%、好ましくは少なくとも85%は、平均して、少なくとも1つのシアル酸部分を含む、請求項1〜12のいずれか1項に記載の医薬組成物。
FVIIIの平均滞留時間(MRT)が、参照処置と比較してポリペプチドの同時投与により増加され、ここで該参照処置は、ポリペプチド及びFVIIIが該参照処置において等モル量で投与されることを除いて該処置と同一である、請求項1〜14のいずれか1項に記載の医薬組成物。
(i) FVIII及び(ii) 請求項1〜18のいずれか1項において定義されるポリペプチドを含む医薬組成物であって、組成物中のFVIIIに対するポリペプチドのモル比は50より大きい、上記医薬組成物。
血液凝固障害の処置における同時の、別個の又は連続した使用のための、(i) FVIII及び(ii) 請求項1〜18のいずれか1項において定義されるポリペプチドを含む医薬キットであって、該処置は、内在性VWFを有する被験体にポリペプチド及びFVIIIを投与することを含み、ここで
(i) 内在性VWFに対する投与されたポリペプチドのモル比は0.5より大きく、ここで該モル比は、ポリペプチドの投与直後の処置された被験体のポリペプチドの血漿モル濃度(仮定値)を、処置された被験体の正常の状態の内在性VWFの血漿モル濃度で割ったものであり、かつ/又は
(ii) 投与しようとするFVIIIに対する投与しようとするポリペプチドのモル比は50より大きい、
上記医薬キット。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
FVIIIの半減期を増加させる方法及び減少した投与頻度を有するFVIII製品に対する継続した必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
発明の要旨
第VIII因子のインビボ半減期が、高モル過剰の切断型VWFポリペプチド(本発明のポリペプチド)の同時投与により延長され得るということが、本発明者らにより見出された。切断型VWFは、好ましくは半減期延長部分を含む。高モル過剰は、同時投与される第VIII因子の濃度に対して相対的であっても、処置される被験体において存在する内在性VWFの濃度に対して相対的であってもよい。いずれの理論に拘束されることも望まないが、切断型VWFと比較しておそらく増加した異化作用をもたらすより大きな分子構造を有する内在性VWFへの同時投与されたFVIIIの結合を最小限にするために、投与された切断型VWF及び好ましくは半減期延長された切断型VWFの高い余剰を達成することが重要であると考えられる。この技術効果は、切断型VWFが、同時投与される第VIII因子に対して50より高い比で投与されるだけでなく、半減期延長部分を含む場合になおさらに顕著である。
【0017】
従って、本発明は、以下の実施態様[1]〜[73]に関する:
【0018】
[1] 血液凝固障害の処置における使用のための切断型フォン・ヴィルブランド因子(VWF)を含むポリペプチドであって、該処置は、内在性VWFを有する被験体に、ポリペプチド及び第VIII因子(FVIII)を投与することを含み、ここでポリペプチドは該FVIIIに結合することができ、そしてここで投与しようとするFVIIIに対する投与しようとするポリペプチドのモル比は50より大きい、上記ポリペプチド。
【0019】
[2] 投与しようとするFVIIIに対する投与しようとするポリペプチドのモル比は100より大きい、項目[1]に記載の使用のためのポリペプチド。
【0020】
[3] 投与しようとするFVIIIに対する投与しようとするポリペプチドのモル比は少なくとも200である、項目[1]に記載の使用のためのポリペプチド。
【0021】
[4] 投与しようとするFVIIIに対する投与しようとするポリペプチドのモル比は少なくとも300である、項目[1]に記載の使用のためのポリペプチド。
【0022】
[5] 投与しようとするFVIIIに対する投与しようとするポリペプチドのモル比は少なくとも400である、項目[1]に記載の使用のためのポリペプチド。
【0023】
[6] 投与しようとするFVIIIに対する投与しようとするポリペプチドのモル比は少なくとも500である、項目[1]に記載の使用のためのポリペプチド。
【0024】
[7] 内在性VWFに対する投与されたポリペプチドのモル比は0.5より大きい、項目[1]〜[6]のいずれか1項に記載の使用のためのポリペプチド。
【0025】
[8] 内在性VWFに対する投与されたポリペプチドのモル比は1より大きい、項目[1]〜[6]のいずれか1項に記載の使用のためのポリペプチド。
【0026】
[9] 内在性VWFに対する投与されたポリペプチドのモル比は2より大きい、項目[1]〜[6]のいずれか1項に記載の使用のためのポリペプチド。
【0027】
[10] 内在性VWFに対する投与されたポリペプチドのモル比は4より大きい、項目[1]〜[6]のいずれか1項に記載の使用のためのポリペプチド。
【0028】
[11] 内在性VWFに対する投与されたポリペプチドのモル比は5より大きい、項目[1]〜[6]のいずれか1項に記載の使用のためのポリペプチド。
【0029】
[12] 内在性VWFに対する投与されたポリペプチドのモル比は7より大きい、項目[1]〜[6]のいずれか1項に記載の使用のためのポリペプチド。
【0030】
[13] 内在性VWFに対する投与されたポリペプチドのモル比は10より大きい、項目[1]〜[6]のいずれか1項に記載の使用のためのポリペプチド。
【0031】
[14] 内在性VWFに対する投与されたポリペプチドのモル比は25より大きい、項目[1]〜[6]のいずれか1項に記載の使用のためのポリペプチド。
【0032】
[15] 内在性VWFに対する投与されたポリペプチドのモル比は50より大きい、項目[1]〜[6]のいずれか1項に記載の使用のためのポリペプチド。
【0033】
[16] 血液凝固障害の処置における使用のための切断型フォン・ヴィルブランド因子(VWF)を含むポリペプチドであって、該処置は、内在性VWFを有する被験体にポリペプチド及び第VIII因子(FVIII)を投与することを含み、ここでポリペプチドは該FVIIIに結合することができ、そしてここで内在性VWFに対する投与されたポリペプチドのモル比は0.5より大きい、上記使用のためのポリペプチド。
【0034】
[17] 投与しようとするFVIIIに対する投与しようとするポリペプチドのモル比が10より大きい、項目[16]に記載の使用のためのポリペプチド。
【0035】
[18] 投与しようとするFVIIIに対する投与しようとするポリペプチドのモル比が20より大きい、項目[16]に記載の使用のためのポリペプチド。
【0036】
[19] 投与しようとするFVIIIに対する投与しようとするポリペプチドのモル比が40より大きい、項目[16]に記載の使用のためのポリペプチド。
【0037】
[20] 投与しようとするFVIIIに対する投与しようとするポリペプチドのモル比が50より大きい、項目[16]に記載の使用のためのポリペプチド。
【0038】
[21] 投与しようとするFVIIIに対する投与しようとするポリペプチドのモル比が100より大きい、項目[16]に記載の使用のためのポリペプチド。
【0039】
[22] 1 nM未満の解離定数K
Dを特徴とする親和性でFVIIIに結合する、項目[1]〜[21]のいずれか1項に記載の使用のためのポリペプチド。
【0040】
[23] K
Dが1 pM〜500 pMの範囲に及ぶ、項目[22]に記載の使用のためのポリペプチド。
【0041】
[24] K
Dが10 pM〜200 pMの範囲の及ぶ、項目[22]に記載の使用のためのポリペプチド。
【0042】
[25] K
Dが60 pM〜100 pMの範囲に及ぶ、項目[22]に記載の使用のためのポリペプチド。
【0043】
[26] ポリペプチドが静脈内投与される、項目[1]〜[25]のいずれか1項に記載の使用のためのポリペプチド。
【0044】
[27] ポリペプチドが皮下投与される、項目[1]〜[25]のいずれか1項に記載の使用のためのポリペプチド。
【0045】
[28] ポリペプチドが筋内投与される、項目[1]〜[25]のいずれか1項に記載の使用のためのポリペプチド。
【0046】
[29] 切断型VWFは、(a)配列番号4のアミノ酸776〜805又は(b)配列番号4のアミノ酸776〜805に対して少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、項目[1]〜[28]のいずれか1項に記載の使用のためのポリペプチド。
【0047】
[30] 切断型VWFは、(a)配列番号4のアミノ酸766〜864又は(b)配列番号4のアミノ酸766〜864に対して少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、項目[1]〜[29]のいずれか1項に記載の使用のためのポリペプチド。
【0048】
[31] 切断型VWFは配列番号4のアミノ酸764〜1242を含む、請求項[1]〜[30]のいずれか1項に記載の使用のためのポリペプチド。
【0049】
[32] 切断型VWFは、(a)配列番号4のアミノ酸764〜1242、(b)配列番号4のアミノ酸764〜1242に対して少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又は(c)(a)若しくは(b)のフラグメントからなる、請求項[1]〜[31]のいずれか1項に記載の使用のためのポリペプチド。
【0050】
[33] 切断型VWFは配列番号4のアミノ酸1243〜2813を欠いている、項目[1]〜[32]のいずれか1項に記載の使用のためのポリペプチド。
【0051】
[34] ポリペプチドが半減期延長部分を含む、項目[1]〜[33]のいずれか1項に記載の使用のためのポリペプチド。
【0052】
[35] 半減期延長部分が切断型VWFに融合された異種アミノ酸配列である、項目[34]に記載の使用のためのポリペプチド。
【0053】
[36] 異種アミノ酸配列は、免疫グロブリン定常領域及びその部分、例えば、Fcフラグメント、トランスフェリン及びそのフラグメント、ヒト絨毛性ゴナドトロピンのC末端ペプチド、XTENとして知られる大きな流体力学的体積を有する溶媒和ランダム鎖、ホモアミノ酸反復(HAP)、プロリン−アラニン−セリン反復(PAS)、アルブミン、アファミン、アルファ−フェトプロテイン、ビタミンD結合タンパク質、生理条件下でアルブミン又は免疫グロブリン定常領域に結合することができるポリペプチド、並びにそれらの組み合わせからなる群より選択されるポリペプチドを含むか又はそれらからなる、項目[35]に記載の使用のためのポリペプチド。
【0054】
[37] 半減期延長部分がポリペプチドに結合されている、項目[34]に記載の使用のためのポリペプチド。
【0055】
[38] 半減期延長部分が、ヒドロキシエチルデンプン(HES)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリシアル酸(PSA)、エラスチン様ポリペプチド、ヘパロサンポリマー、ヒアルロン酸及びアルブミン結合リガンド、例えば、脂肪酸鎖、並びにそれらの組み合わせからなる群より選択される、項目[37]に記載の使用のためのポリペプチド。
【0056】
[39] ポリペプチドが、N-グリカンを含む糖タンパク質であり、そしてここで該N-グリカンの少なくとも75%は、平均して、少なくとも1つのシアル酸部分を含む、項目[1]〜[38]のいずれか1項に記載の使用のためのポリペプチド。
【0057】
[40] N-グリカンの少なくとも85%は、平均して、少なくとも1つのシアル酸部分を含む、項目[39]に記載の使用のためのポリペプチド。
【0058】
[41] N-グリカンの少なくとも95%は、平均して、少なくとも1つのシアル酸部分を含む、項目[39]に記載の使用のためのポリペプチド。
【0059】
[42] ポリペプチドはN-グリカンを含み、ここで、該N-グリカンの35%未満、好ましくは34%未満、好ましくは33%未満、好ましくは32%未満、好ましくは31%未満、好ましくは30%未満、好ましくは29%未満、好ましくは28%未満、好ましくは27%未満、好ましくは26%未満、好ましくは25%未満、好ましくは24%未満、好ましくは23%未満、好ましくは22%未満、好ましくは21%未満、好ましくは20%未満、好ましくは19%未満、好ましくは18%未満、好ましくは17%未満、好ましくは16%未満、好ましくは15%未満、好ましくは14%未満、好ましくは13%未満、好ましくは12%未満、好ましくは11%未満、好ましくは10%未満、好ましくは9%未満、好ましくは8%未満、好ましくは7%未満、好ましくは6%未満、そして好ましくは5%未満が、平均して、2つ又はそれ以上の末端かつ非シアル化ガラクトース残基を含む、項目[1]〜[41]のいずれか1項に記載の使用のためのポリペプチド。
【0060】
[43] ポリペプチドがN-グリカンを含み、ここで、該N-グリカンの6%未満、好ましくは5%未満、好ましくは4%未満、好ましくは3%未満、好ましくは2%、そして好ましくは1%未満は、平均して、3又はそれ以上の末端かつ非シアル化ガラクトース残基を含む、項目[1]〜[42]のいずれか1項に記載の使用のためのポリペプチド。
【0061】
[44] ポリペプチドがダイマーである、項目[1]〜[43]のいずれか1項に記載の使用のためのポリペプチド。
【0062】
[45] ダイマーを形成する2つのモノマーが、切断型VWF内のシステイン残基により形成される1つ又はそれ以上のジスルフィド架橋を介して互いに共有結合で連結される、項目[44]に記載の使用のためのポリペプチド。
【0063】
[46] 1つ又はそれ以上のジスルフィド架橋を形成するシステイン残基が、Cys-1099、Cys-1142、Cys-1222、Cys-1225、Cys-1227及びそれらの組み合わせからなる群より選択され、ここでアミノ酸番号付けは配列番号4を参照する、項目[45]に記載の使用のためのポリペプチド。
【0064】
[47] FVIIIに対するダイマーの親和性が、該FVIIIに対するモノマーポリペプチドの親和性よりも高く、該モノマーポリペプチドは、ダイマーポリペプチドのモノマーサブユニットと同じアミノ酸配列を有する、項目[44]〜[46]のいずれか1項に記載の使用のためのポリペプチド。
【0065】
[48] FVIIIの平均滞留時間(MRT)及び/又は終末相半減期が、参照処置と比較してポリペプチドの同時投与により増加され、ここで該参照処置は、ポリペプチド及びFVIIIが該参照処置において等モル量で投与される事以外は該処置と同一である、項目[1]〜[47]のいずれか1項に記載の使用のためのポリペプチド。
【0066】
[49] MRT及び/又は終末相半減期の増加が少なくとも50%である、項目[48]に記載の使用のためのポリペプチド。
【0067】
[50] FVIIIの平均滞留時間(MRT)及び/又は終末相半減期が、FVIII単独を用いた参照処置と比較して、ポリペプチドの同時投与により増加される、項目[1]〜[49]のいずれか1項に記載の使用のためのポリペプチド。
【0068】
[51] MRT及び/又は終末相半減期の増加が少なくとも50%である、項目[50]に記載の使用のためのポリペプチド。
【0069】
[52] MRT及び/又は終末相半減期の増加が少なくとも100%である、項目[50]に記載の使用のためのポリペプチド。
【0070】
[53] FVIIIのクリアランスが、FVIII単独を用いた参照処置と比較して、ポリペプチドの同時投与により減少される、項目[1]〜[52]のいずれか1項に記載の使用のためのポリペプチド。
【0071】
[54] FVIIIのクリアランスが、参照処置と比較してポリペプチドの同時投与により減少され、ここで該参照処置は、ポリペプチド及びFVIIIが該参照処置において等モル量で投与されることを除いて該処置と同一である、項目[1]〜[53]のいずれか1項に記載の使用のためのポリペプチド。
【0072】
[55] 減少が少なくとも25%である、項目[53]又は[54]に記載の使用のためのポリペプチド。
【0073】
[56] 減少が少なくとも50%である、項目[53]又は[54]に記載の使用のためのポリペプチド。
【0074】
[57] 減少が少なくとも100%である、項目[53]又は[54]に記載の使用のためのポリペプチド。
【0075】
[58] FVIIIのインビボ回収が、ポリペプチドの同時投与により、FVIII単独を用いた参照処置と比較して増加される、項目[1]〜[57]のいずれか1項に記載の使用のためのポリペプチド。
【0076】
[59] FVIIIの投与頻度が、FVIII単独を用いた処置と比較して減少される、項目[1]〜[58]のいずれか1項に記載の使用のためのポリペプチド。
【0077】
[60] ポリペプチドのMRT及び/又は血漿半減期は参照ポリペプチドのMRT及び/又は血漿半減期より長く、ここで該参照ポリペプチドは内在性VWFである、項目[1]〜[59]のいずれか1項に記載の使用のためのポリペプチド。
【0078】
[61] ポリペプチドのMRT及び/又は血漿半減期が、半減期延長部分を欠いていることを除いて該ポリペプチドと同一である参照ポリペプチドのMRT及び/又は血漿半減期よりも長い、項目[1]〜[60]のいずれか1項に記載の使用のためのポリペプチド。
【0079】
[62] ポリペプチドのMRT及び/又は血漿半減期が、参照ポリペプチドのMRT及び/又は血漿半減期よりも少なくとも25%長い、項目[60]又は[61]に記載の使用のためのポリペプチド。
【0080】
[63] ポリペプチドのMRT及び/又は血漿半減期が、参照ポリペプチドのMRT及び/又は血漿半減期より少なくとも50%長い、項目[60]又は[61]に記載の使用のためのポリペプチド。
【0081】
[64] ポリペプチドのMRT及び/又は血漿半減期が、参照ポリペプチドのMRT及び/又は血漿半減期より少なくとも75%長い、項目[60]又は[61]に記載の使用のためのポリペプチド。
【0082】
[65] ポリペプチドのMRT及び/又は血漿半減期が、参照ポリペプチドのMRT及び/又は血漿半減期より少なくとも100%長い、項目[60]又は[61]に記載の使用のためのポリペプチド。
【0083】
[66] 被験体がヒトである、項目[1]〜[65]のいずれか1項に記載の使用のためのポリペプチド。
【0084】
[67] (i)FVIII及び(ii)項目[1]〜[66]のいずれか1項において定義されるポリペプチドを含む医薬組成物であって、組成物中のFVIIIに対するポリペプチドのモル比が50より
大きい、上記医薬組成物。
【0085】
[68] 血液凝固障害の処置における使用のための、(i)FVIII及び(ii)項目[1]〜[66]のいずれか1項において定義されるポリペプチドを含む医薬組成物であって、該処置は、内在性VWFを有する被験体にポリペプチド及びFVIIIを投与することを含み、ここで内在性VWFに対する投与されたポリペプチドのモル比は0.5より大きい、上記医薬組成物。
【0086】
[69] 血液凝固障害の処置における同時の、別個の又は連続した使用のための、(i)FVIII及び(ii)項目[1]〜[66]のいずれか1項において定義されるポリペプチドを含む医薬キットであって、該処置は、内在性VWFを有する被験体にポリペプチド及びFVIIIを投与することを含み、ここで内在性VWFに対する投与されたポリペプチドのモル比は0.5より大きい、上記医薬キット。
【0087】
[70] 血液凝固障害の処置における同時の、別個の又は連続した使用のための、(i)FVIII及び(ii)項目[1]〜[66]のいずれか1項において定義されるポリペプチドを含む医薬キットであって、ここで投与しようとするFVIIIに対する投与しようとするポリペプチドのモル比は50より大きい、上記医薬キット。
【0088】
[71] 第VIII因子の血漿半減期を改善するため、かつ/又は第VIII因子の投与頻度を減少させるための、項目[1]〜[66]のいずれか1項において定義されるポリペプチドの使用。
【0089】
[72] 血液凝固障害を処置する方法であって、有効量の項目[1]〜[66]のいずれか1項において定義されるポリペプチド及びFVIIIを、内在性VWFを有する患者に投与することを含み、ここで、ポリペプチドの投与直後の内在性VWFに対する投与されたポリペプチドのモル比は0.5より大きい、上記方法。
【0090】
[73] 血液凝固障害を処置する方法であって、有効量の項目[1]〜[66]のいずれか1項において定義されるポリペプチド及びFVIIIを、内在性VWFを有する患者に投与することを含み、ここで、投与しようとする第VIII因子に対する投与しようとするポリペプチドのモル比は50より大きい、上記方法。
【発明を実施するための形態】
【0092】
詳細な説明
第一の局面において、本発明は、血液凝固障害の処置における使用のための切断型フォン・ヴィルブランド因子(VWF)を含むポリペプチドに関し、該処置は、内在性VWFを有する被験体にポリペプチド及び第VIII因子(FVIII)を投与することを含み、ここで、ポリペプチドは該FVIIIに結合することができ、そしてここで投与しようとするFVIIIに対する投与しようとするポリペプチドのモル比は50より大きい。好ましい実施態様において、ポリペプチドは半減期延長部分を含む。
【0093】
第二の局面において、本発明は、血液凝固障害の処置における使用のための、切断型フォン・ヴィルブランド因子(VWF)を含むポリペプチドを含むポリペプチドに関し、該処置は、内在性VWFを有する被験体にポリペプチド及び第VIII因子(FVIII)を投与することを含み、ここでポリペプチドは該FVIIIに結合することができ、そしてここで内在性VWFに対する投与されたポリペプチドのモル比は0.5より大きい。好ましい実施態様において、ポリペプチドは半減期延長部分を含む。
【0094】
切断型フォン・ヴィルブランド因子(VWF)を含むポリペプチドは、本明細書で「本発明のポリペプチド」と呼ばれる。本発明のポリペプチドは好ましくは半減期延長部分を含む。
【0095】
比
以下により詳細に記載されるように、本発明のポリペプチドは、モノマーでも、ダイマーでも、それらの混合物でもよい。本発明に従ういずれのモル比も、実際にモノマーとして又はダイマーとして存在しても、本発明のポリペプチドのモノマーサブユニットのモル濃度の比を指す。比は、同時投与されるFVIIIのモル濃度に対して、又は内在性VWFモノマーサブユニットのモル濃度に対してのいずれかで形成される。本出願におけるFVIIIに対する本発明のポリペプチドの比は、別の指示がなければ、投与しようとする本発明のポリペプチドの量(モル)を投与しようとするFVIIIの量(モル)で割ったものを指す。内在性VWFは、本発明のポリペプチド及び同時投与されるFVIIIを投薬しようとする動物又はヒトの血漿中に天然に存在するVWFである。これは通常、約2〜40のVWFのモノマーサブユニットの様々な異なるオリゴマーからなる。別の指示がなければ、本出願における内在性VWFに対する本発明のポリペプチドの比は、本発明のポリペプチドの投与直後の本発明のポリペプチドの血漿モル濃度を内在性VWFモノマーサブユニット(内在性VWF)の血漿モル濃度でわったものを指す。本発明のポリペプチドの投与直後の本発明のポリペプチドの血漿モル濃度は、投与のすぐ後の投与された本発明のポリペプチドの希釈を40 mL/kgと仮定して計算される。静脈投与された場合に投与直後の本発明のポリペプチドの量は、本発明の目的のために、投与された量と同じであると仮定される。
【0096】
本発明の一局面によれば、内在性VWFに対する本発明のポリペプチドのモル比は0.5より大きい。処置しようとする被験体の血漿中の内在性VWFの濃度は、例えば実施例に記載されるように、ELISA又は及び活性アッセイにより決定され得る。典型的には、測定される濃度はU/mLで与えられる。この値は、以下に記載されるようにモル濃度に変換され得る。
【0097】
正常ヒト血漿(NHP)は、定義により1 U/mL又は100%の濃度でVWFを含有する。これは、約10μg/mLのタンパク質濃度に相当する(Haberichter S.L. and Montgomery R.R.、Structure and function of von Willebrand factor;Hemostasis and Thrombosis、eds. Marder、Aird、Bennett、Schulman and White、Lippincott Williams & Wilkins 2013、pp 197-207)。NHP中のこのVWF濃度及び18〜19%のグリコシル化を含む約267,500 Daの成熟VWFモノマーの分子量に基づいて、約37 x 10
-9 Mol/LのVWFモノマー単位の血漿モル濃度がNHPについて算出され得る。
【0098】
それぞれ正常ラット又はウサギの血漿中のラット又はウサギVWFサブユニットのモル濃度の計算のために、ヒトVWFに相当するモノマーサブユニットの分子量を、仮定された相当する特異的活性(100 U/mg)及びラット又はウサギ血漿中の測定された内在性VWF活性とともに使用した(267,500 Da)(実施例も言及する)。
【0099】
ヒト集団におけるVWFの濃度は、NHP中のVWF濃度約60%から約200%まで変化する。本発明の特定の実施態様において、内在性VWFの濃度は、NHP中の濃度として定義される。他の実施態様において、内在性VWFの濃度は、処置しようとする被験体において決定され、そしてポリペプチドの用量は、この個々の値に基づく。
【0100】
内在性VWFに対する投与されたポリペプチドのモル比は、好ましくは好ましくは少なくとも2、又は少なくとも3、又は少なくとも4、又は少なくとも5、又は少なくとも6、又は少なくとも7、又は少なくとも8、又は少なくとも9、又は少なくとも10、より好ましくは少なくとも15、又は少なくとも20、又は少なくとも25、又は少なくとも30、最も好ましくは少なくとも40、又は少なくとも50、又は少なくとも75である。
【0101】
内在性VWFに対する投与しようとする本発明のポリペプチドのモル比は、0.5〜1,000、又は1〜500、又は2〜400、又は3〜300、又は4〜250、又は5〜200、又は6〜150、又は7〜140、又は8〜130、又は9〜120、又は10〜110の範囲に及び得る。好ましくは、内在性VWFに対する投与された本発明のポリペプチドのモル比は、3〜100、又は4〜90、又は5〜80、又は6〜75、又は10〜60の範囲に及ぶ。
【0102】
投与しようとするFVIIIに対する投与しようとする本発明のポリペプチドのモル比は、好ましくは少なくとも2、又は少なくとも5、又は少なくとも10、又は少なくとも20、又は少なくとも30、又は少なくとも40、又は少なくとも50であり、より好ましくは比は50より大きく、又は少なくとも75、少なくとも100、又は100より大きく、又は少なくとも200であり、最も好ましくは、少なくとも300、又は少なくとも400、又は少なくとも500、又は少なくとも600、又は少なくとも700、又は少なくとも800、又は少なくとも900、又は少なくとも1,000、又は少なくとも1,100、又は少なくとも1,200、又は少なくとも1,300、又は少なくとも1,400、又は少なくとも1,500、又は少なくとも1,600、又は少なくとも1,700、又は少なくとも1,800、又は少なくとも1,900、又は少なくとも2,000、又は少なくとも2,500、又は少なくとも3,000 又は少なくとも5,000、又は少なくとも8,000又は10,000までである。
【0103】
投与しようとするFVIIIに対する投与しようとする本発明のポリペプチドのモル比は、2〜10,000、又は5〜5,000、又は10〜4,000、又は20〜3,000、又は30〜2,000、又は40〜1,000の範囲に及び得る。好ましくは、投与しようとするFVIIIに対する投与しようとする本発明のポリペプチドのモル比は、60〜2,500、又は110〜2,000、又は150〜1,500、又は200〜1,000の範囲に及ぶ。
【0104】
表1は、本発明に従う処置の様々な実施態様をまとめる。所定の実施態様において、それぞれ2列目及び3列目の両方の要件が満たされなければならない。
【0108】
表1に示される実施態様1〜72は、本明細書に記載される本発明のいずれかの他の実施態様及び局面と組み合わせることができる。本発明に従う処置のさらなる詳細は、以下にさらに記載される。
【0109】
切断型VWF
本明細書で使用される用語「フォン・ヴィルブランド因子」(VWF)は、天然に存在する(天然)VWFを含むが、1つ又はそれ以上の残基が挿入、欠失又は置換されている天然に存在するVWFのFVIII結合活性を少なくとも保持するその変異体、例えば配列変異体も含む。FVIII結合活性は、実施例6に記載されるFVIII-VWF結合アッセイにより決定される。
【0110】
本発明に従って好ましいVWFは、配列番号4に示されるアミノ酸配列により表されるヒトVWFである。配列番号4をコードするcDNAは配列番号3で示される。
【0111】
ヒト天然VWFをコードする遺伝子は、9 kb mRNAに転写され、これが310,000 Daの推定分子量を有する2813アミノ酸のプレプロポリペプチド(pre-propolypeptide)に翻訳される。プレプロポリペプチドは、N末端22アミノ酸シグナルペプチド、続いて741アミノ酸プロポリペプチド(配列番号4のアミノ酸23〜763)及び成熟サブユニット(配列番号4のアミノ酸764〜2813)を含有する。741アミノ酸プロポリペプチドのN末端からの切断は、2050アミノ酸からなる成熟VWFを生じる。ヒト天然VWFプレプロポリペプチドのアミノ酸配列を配列番号4に示す。別の指示がなければ、VWF分子が配列番号4の全ての残基を含むのではない場合でも、本出願におけるVWF残基のアミノ酸番号付けは配列番号4を指す。
【0112】
天然VWFのプロポリペプチドは多数のドメインを含む。様々なドメインアノテーションを文献に見ることができる(例えば、Zhou et al. (2012) Blood 120(2): 449-458を参照のこと)。VWFの天然プレプロポリペプチドの以下のドメインアノテーションが本出願において適用される:
D1-D2-D’-D3-A1-A2-A3-D4-C1-C2-C3-C4-C5-C6-CK
【0113】
配列番号4に関して、D’ドメインは、アミノ酸764〜865からなり;そしてD3ドメインはアミノ酸866〜1242からなる。
【0114】
特徴「切断型(truncated)」は、成熟VWFのアミノ酸配列全体(配列番号4のアミノ酸764〜2813)を含むのではないということを意味する。典型的には、切断型VWFは、配列番号4のアミノ酸764〜2813全てを含むのではなく、そのフラグメントだけ含む。切断型VWFはまた、VWFフラグメントと呼ばれても、複数形でVWFフラグメントと呼ばれてもよい。
【0115】
典型的には、切断型VWFは第VIII因子に結合することができる。好ましくは、切断型VWFは、ヒト天然第VIII因子の成熟形態に結合することができる。別の実施態様において、切断型VWFは、配列番号5のアミノ酸配列からなる単鎖第VIII因子に結合することができる。切断型VWFの第VIII因子への結合は、実施例6に記載されるように、FVIII-VWF結合アッセイにより決定することができる。
【0116】
本発明の切断型VWFは、好ましくは配列番号4のアミノ酸776〜805に対して少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むか又はそれからなるものであり、かつFVIIIに結合することができる。好ましい実施態様において、切断型VWFは、配列番号4のアミノ酸776〜805に対して、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むか又はそれからなるものであり、かつFVIIIに結合することができる。最も好ましくは、切断型VWFは配列番号4のアミノ酸776〜805を含むかこれらからなる。本明細書において別の指示がなければ、配列同一性は、参照配列(例えば、配列番号4のアミノ酸776〜805)の全長にわたって決定される。
【0117】
本発明の切断型VWFは、好ましくは、配列番号4のアミノ酸766〜864に対して少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むか又はこれからなるものであり、かつFVIIIに結合することができる。好ましい実施態様において、切断型VWFは、配列番号4のアミノ酸766〜864に対して少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むか又はこれからなるものであり、かつFVIIIに結合することができる。最も好ましくは、切断型VWFは、配列番号4のアミノ酸766〜864を含むか又はこれらからなるものである。
【0118】
別の好ましい実施態様において、切断型VWFは、(a)配列番号4のアミノ酸764〜1242に対して 少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又は(b)そのフラグメントからなるが、ただし、切断型VWFはなおFVIIIに結合することができる。より好ましくは、切断型VWFは、(a)配列番号4のアミノ酸764〜1242に対して少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又は(b)そのフラグメントからなるが、ただし、切断型VWFは、なおFVIIIに結合することができる。最も好ましくは、切断型VWFは、(a)配列番号4のアミノ酸764〜1242、又は(b)そのフラグメントからなるが、ただし、切断型VWFは、なおFVIIIに結合することができる。
【0119】
以下により詳細に記載されるように、ポリペプチドは、切断型VWFを含むポリペプチドをコードする核酸を含む細胞を使用する方法により製造され得る。核酸は、それ自体公知の技術により適切な宿主細胞に導入される。
【0120】
好ましい実施態様において、宿主細胞中の核酸は、(a)配列番号4のアミノ酸1〜1242に対して少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又は(b)そのフラグメントをコードするが、ただし、切断型成熟VWFはなおFVIIIに結合することができる。より好ましくは、核酸は、(a)配列番号4のアミノ酸1〜1242に対して、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸、又は(b)そのフラグメントをコードするが、ただし、切断型VWFはなおFVIIIに結合することができる。もっとも好ましくは、核酸は、(a)配列番号4のアミノ酸1〜1242、又は(b)又はそのフラグメントをコードするが、ただし、切断型VWFはなおFVIIIに結合することができる。特に本発明のポリペプチドがダイマーである場合、たとえポリペプチドにおける切断型VWFがVWF(例えば配列番号4)のアミノ酸1〜763を含まなくても、核酸はVWF(例えば配列番号4)のアミノ酸1〜763をコードする配列を含む。
【0121】
他の実施態様において、切断型VWFは、それぞれが配列番号4を参照する以下のアミノ酸配列のうちの1つを含むか又はそれからなる:
776-805;766-805;764-805;776-810;766-810;764-810;776-815;766-815;764-815;
776-820;766-820;764-820;776-825;766-825;764-825;776-830;766-830;764-830;776-835;766-835;764-835;776-840;766-840;764-840;776-845;766-845;764-845;776-850;766-850;764-850;776-855;766-855;764-855;776-860;766-860;764-860;776-864;766-864;764-864;776-865;766-865;764-865;776-870;766-870;764-870;776-875;766-875;764-875;776-880;766-880;764-880;776-885;766-885;764-885;776-890;766-890;764-890;776-895;766-895;764-895;776-900;766-900;764-900;776-905;766-905;764-905;776-910;766-910;764-910;776-915;766-915;764-915;776-920;766-920;764-920;776-925;766-925;764-925;776-930;766-930;764-930;776-935;766-935;764-935;776-940;766-940;764-940;776-945;766-945;764-945;776-950;766-950;764-950;776-955;766-955;764-955;776-960;766-960;764-960;776-965;766-965;764-965;776-970;766-970;764-970;776-975;766-975;764-975;776-980;766-980;764-980;776-985;766-985;764-985;776-990;766-990;764-990;776-995;766-995;764-995;776-1000;766-1000;764-1000;776-1005;766-1005;764-1005;
776-1010;766-1010;764-1010;776-1015;766-1015;764-1015;776-1020;766-1020;764-1020;
776-1025;766-1025;764-1025;776-1030;766-1030;764-1030;776-1035;766-1035;764-1035;
776-1040;766-1040;764-1040;776-1045;766-1045;764-1045;776-1050;766-1050;764-1050;
776-1055;766-1055;764-1055;776-1060;766-1060;764-1060;776-1065;766-1065;764-1065;
776-1070;766-1070;764-1070;776-1075;766-1075;764-1075;776-1080;766-1080;764-1080;
776-1085;766-1085;764-1085;776-1090;766-1090;764-1090;776-1095;766-1095;764-1095;
776-1100;766-1100;764-1100;776-1105;766-1105;764-1105;776-1110;766-1110;764-1110;
776-1115;766-1115;764-1115;776-1120;766-1120;764-1120;776-1125;766-1125;764-1125;
776-1130;766-1130;764-1130;776-1135;766-1135;764-1135;776-1140;766-1140;764-1140;
776-1145;766-1145;764-1145;776-1150;766-1150;764-1150;776-1155;766-1155;764-1155;
776-1160;766-1160;764-1160;776-1165;766-1165;764-1165;776-1170;766-1170;764-1170;
776-1175;766-1175;764-1175;776-1180;766-1180;764-1180;776-1185;766-1185;764-1185;
776-1190;766-1190;764-1190;776-1195;766-1195;764-1195;776-1200;766-1200;764-1200;
776-1205;766-1205;764-1205;776-1210;766-1210;764-1210;776-1215;766-1215;764-1215;
776-1220;766-1220;764-1220;776-1225;766-1225;764-1225;776-1230;766-1230;764-1230;
776-1235;766-1235;764-1235;776-1240;766-1240;764-1240;776-1242;766-1242;764-1242;
764-1464;764-1250;764-1041;764-828;764-865;764-1045;764-1035;764-1128;764-1198;
764-1268;764-1261;764-1264;764-1459;764-1463;764-1464;764-1683;764-1873;764-1482;
764-1479;764-1672;及び764-1874。
【0122】
特定の実施態様において、切断型VWFは、成熟野生型VWFと比較して内部欠失を有する。例えば、A1、A2、A3、D4、C1、C2、C3、C4、C5、C6ドメイン又はそれらの組み合わせが欠失され得、そしてD’ドメイン、D3ドメイン及びCKドメインが保持される。さらなる実施態様において、切断型VWFは、血小板糖タンパク質Ibα(GPIbα)、コラーゲン及び/又はインテグリンαIIbβIII(C1ドメイン内のRGDS配列)についての結合部位を含まない。他の実施態様において、切断型VWFは、VWFの中央A2ドメインに位置するADAMTS13についての切断部位(Tyr1605-Met1606)を含まない。さらに別の実施態様において、切断型VWFはGPIbαについての結合部位を含まず、かつ/又はコラーゲンについての結合部位を含まず、かつ/又はインテグリンαIIbβIIIについての結合部位を含まず、かつ/又はVWFの中央A2ドメインに位置するADAMTS13についての切断部位(Tyr1605-Met1606)を含まない。
【0123】
他の実施態様において、切断型VWFは、前の段落において列挙されるアミノ酸配列のうちの1つに対して、少なくとも90%、又は少なくとも91%、又は少なくとも92%、又は少なくとも93%、又は少なくとも94%、又は少なくとも95%、又は少なくとも96%、又は少なくとも97%、又は少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むかそれからなるものであり、ただし切断型VWFはFVIIIに結合することができる。
【0124】
本発明のポリペプチドは、本発明のポリペプチドの2つのモノマーが共有結合で連結されている場合、本発明において「ダイマー」と称される。好ましくは、2つのモノマーサブユニットは、少なくとも1つのジスルフィド架橋により、例えば1つ、2つ、3つ又は4つのジスルフィド架橋を介して共有結合により連結される。少なくとも1つのジスルフィド架橋を形成するシステイン残基は、好ましくは本発明のポリペプチドの切断型VWF部分内に位置する。一実施態様において、これらのシステイン残基は、Cys-1099、Cys-1142、Cys-1222、Cys-1225、若しくはCys-1227又はそれらの組み合わせである。
【0125】
本発明のポリペプチドがダイマーである場合、切断型VWFは、好ましくは配列番号4のアミノ酸764〜1099、アミノ酸764〜1142、アミノ酸764〜1222、アミノ酸764〜1225、又はアミノ酸764〜1227に対して少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列をそれぞれ有する2つのポリペプチドを含むか又はそれからなるものであり、かつFVIIIに結合することができる。好ましい実施態様において、切断型VWFは、配列番号4のアミノ酸764〜1099、アミノ酸764〜1142、アミノ酸764〜1222、アミノ酸764〜1225、又はアミノ酸764〜1227に対して少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むか又はこれからなるものであり、かつFVIIIに結合することができる。最も好ましくは、切断型VWFは、配列番号4のアミノ酸764〜1099、アミノ酸764〜1142、アミノ酸764〜1222、アミノ酸764〜1225、又はアミノ酸764〜1227を含むか又はそれらからなる。
【0126】
切断型VWFは、WO 2013/106787A1、WO 2014/198699A2、WO 2011/060242A2又はWO 2013/093760 A2(その開示は参照により本明細書に加入される)において開示されるVWFフラグメントのいずれか1つであってもよい。
【0127】
本明細書で使用される用語「内在性VWF」は、二量体化又はオリゴマー化のその程度と独立して、VWFのモノマーサブユニットを指す。例えば、本発明に従う比の決定において、本発明のポリペプチドの分子の特定数をVWFの十量体マルチマーの1,000分子で割ることにより形成される比は、同じ数の本発明のポリペプチドの分子をVWFの2,000の五量体マルチマーにより割ることにより形成される比と同じだろう。
【0128】
半減期延長部分
切断型VWFに加えて、本発明のポリペプチドは、特定の好ましい実施態様において、半減期延長部分をさらに含み得る。半減期延長部分は、切断型VWFに融合された異種アミノ酸配列であり得る。あるいは、半減期延長部分は、ペプチド結合と異なる共有結合により切断型VWFを含むポリペプチドに化学的に結合され得る。
【0129】
本発明の特定の実施態様において、本発明のポリペプチドの半減期は、化学修飾、例えば、ポリエチレングリコール(PEG化)、グリコシル化PEG、ヒドロキシルエチルデンプン(HES化)、ポリシアル酸、エラスチン様ポリペプチド、ヘパロサンポリマー又はヒアルロン酸のような半減期延長部分の結合により延長される。別の実施態様において、本発明のポリペプチドは、アルブミンのようなHLEPに化学リンカーを介して結合される。この結合技術の原理は、Conjuchem LLCにより例となる方法で記載されている(例えば、米国特許第7,256,253号)。
【0130】
他の実施態様において、半減期延長部分は半減期増強タンパク質(HLEP)である。好ましくは、HLEPはアルブミン又はそのフラグメントである。アルブミンのN末端は、切断型VWFのC末端に融合され得る。あるいは、アルブミンのC末端は、切断型VWFのN末端に融合され得る。1つ又はそれ以上のHLEPは、VWFのN末端又はC末端部分に融合され得るが、ただしそれらは切断型VWFのFVIIIへの結合能に妨げず、消失もしない。
【0131】
一実施態様において、ポリペプチドは以下の構造を有する:
tVWF - L1 - H、[式1]
式中、tVWFは切断型VWFであり、L1は化学結合又はリンカー配列であり、そしてHはHLEPである。
【0132】
L1は、化学結合、又は互いに等しくても異なっていてもよい1つ若しくはそれ以上のアミノ酸、例えば1〜50、1〜30、1〜20、1〜15、1〜10、1〜5若しくは1〜3(例えば、1、2又は3つ)のアミノ酸からなるリンカー配列であり得る。通常は、リンカー配列は野生型VWFにおける対応する位置には存在しない。L1に存在する適切なアミノ酸の例としてはGly及びSerが挙げられる。リンカーは非免疫原性であるべきであり、そして切断不可リンカーでも切断可能リンカーでもよい。切断不可リンカーは、WO2007/090584において例示されるように交互のグリシン及びセリンから構成されていてもよい。本発明の別の実施態様において、切断型VWFとアルブミン部分との間のペプチドリンカーはペプチド配列からなり、これがヒトタンパク質における天然ドメイン間リンカーとして役立つ。好ましくは、それらの天然の環境におけるこのようなペプチド配列は、この配列に対する天然の耐性を仮定することができるように、タンパク質表面の近くに位置し、そして免疫系に対してアクセス可能である。例はWO2007/090584に示される。切断可能なリンカー配列は、例えばWO2013/120939 A1に記載される。
【0133】
好ましいHLEP配列は以下に記載される。それぞれのHLEPの正確な「N末端アミノ酸」若しくは正確な「C末端アミノ酸」への融合、又はそれぞれのHLEPの「N末端部分」若しくは「C末端部分」への融合が本発明により同様に包含され、これはHLEPの1つ又はそれ以上のアミノ酸のN末端欠失を含む。ポリペプチドは、1つより多くのHLEP配列、例えば、2つ又は3つのHLEP配列を含み得る。これらの多数のHLEP配列は、例えば連続的な繰り返しとして縦一列にVWFのC末端部分に融合され得る。
【0134】
半減期増強ポリペプチド(HLEP)
好ましくは、半減期延長部分は半減期延長ポリペプチド(HLEP)であり、より好ましくはHLEPは、アルブミン又はそのフラグメント、免疫グロブリン定常領域及び部分、例えばFcフラグメント、大きい流体力学的体積を有する溶媒和されたランダム鎖(例えばXTEN (Schellenberger et al. 2009;Nature Biotechnol. 27:1186-1190)、ホモアミノ酸反復(HAP)又はプロリン−アラニン−セリン反復(PAS))、アファミン、アルファ−フェトプロテイン、ビタミンD結合タンパク質、トランスフェリン又はその変異体、ヒト絨毛性ゴナドトロピン−βサブユニットのカルボキシル末端ペプチド(CTP)、生理的条件下でアルブミン又は免疫グロブリン定常領域に結合することができるポリペプチド又は脂質から選択される。
【0135】
本明細書で使用される「半減期増強ポリペプチド」は、好ましくは、アルブミン、アルブミンファミリーのメンバー、免疫グロブリンGの定常領域及びそのフラグメント、生理条件下でアルブミン、アルブミンファミリーのメンバー、さらには免疫グロブリン定常領域の部分に結合することができる領域及びポリペプチドからなる群より選択される。これは、本明細書に記載される全長半減期増強タンパク質(例えば、アルブミン、アルブミンファミリーのメンバー又は免疫グロブリンGの定常領域)でも、凝固因子の治療活性又は生物学的活性を安定化又は延長することができるその1つ又はそれ以上のフラグメントでもよい。このようなフラグメントは、HLEPフラグメントがHLEPを含まないそれぞれのポリペプチドと比較して少なくとも25%の機能的半減期延長をもたらす限り、10若しくはそれ以上のアミノ酸長のフラグメントであってもよく、又はHLEP配列からの少なくとも約15、少なくとも約20、少なくとも約25、少なくとも約30、少なくとも約50、少なくとも約100、若しくはそれ以上の連続したアミノ酸を含んでいてもよく、又はそれぞれのHLEPの特定のドメインの一部若しくは全てを含んでいてもよい。
【0136】
本発明のポリペプチドのHLEP部分は、野生型HLEPの変異体であってもよい。用語「変異体(variants)」は、保存的又は非保存的のいずれかの、挿入、欠失及び置換を含み、ここでこのような変化は切断型VWFのFVIII結合活性を実質的に変更しない。
【0137】
特に、本発明の提案されたVWF HLEP融合構築物は、HLEP及びHLEPのフラグメントの天然に存在する多型変異体を含み得る。HLEPは、いずれかの脊椎動物、特にいずれかの哺乳動物、例えばヒト、サル、ウシ、ヒツジ、又はブタ由来であり得る。非哺乳動物HLEPとしては、限定されないが、ニワトリ及びサケが挙げられる。
【0138】
HLEPとしてのアルブミン
用語「ヒト血清アルブミン」(HSA)及び「ヒトアルブミン」(HA)及び「アルブミン」(ALB)は、本出願において交換可能に使用される。用語「アルブミン」及び「血清アルブミン」はより広義であり、かつヒト血清アルブミン(並びにそのフラグメント及び変異体)、さらには他の種由来のアルブミン(並びにそのフラグメント及び変異体)を包含する。
【0139】
本明細書で使用される「アルブミン」は、集合的に、アルブミンポリペプチド若しくはアミノ酸配列、又はアルブミンの1つ若しくはそれ以上の機能的活性(例えば、生物学的活性)を有するアルブミンフラグメント若しくは変異体を指す。特に、「アルブミン」は、ヒトアルブミン若しくはそのフラグメント、特に本明細書において配列番号6で示されるヒトアルブミンの成熟形態又は他の脊椎動物由来のアルブミン若しくはそのフラグメント、又はこれらの分子若しくはそのフラグメントのアナログ若しくは変異体を指す。
【0140】
特に、本発明の提案されたポリペプチドは、ヒトアルブミン及びヒトアルブミンのフラグメントの天然に存在する多型変異体を含み得る。一般的に言えば、アルブミンフラグメント又は変異体は、少なくとも10、好ましくは少なくとも40、最も好ましくは70より多いアミノ酸長である。
【0141】
本発明の好ましい実施態様は、FcRn受容体への増強された結合を有する本発明のポリペプチドのHLEPとして使用されるアルブミン変異体を含む。このようなアルブミン変異体は、野生型アルブミンとの切断型VWF融合物と比較して、切断型VWFアルブミン変異体融合タンパク質のより長い血漿半減期をもたらし得る。
【0142】
本発明のポリペプチドのアルブミン部分は、HAの少なくとも1つのサブドメイン若しくはドメイン又はそれらの保存的改変を含み得る。
【0143】
HLEPとしての免疫グロブリン
免疫グロブリンG(IgG)定常領域(Fc)は、治療的タンパク質の半減期を増加させることが当該分野で公知である(Dumont J A et al. 2006. BioDrugs 20:151-160)。重鎖のIgG定常領域は3つのドメイン(CH1〜CH3)及びヒンジ領域からなる。免疫グロブリン配列は、いずれかの哺乳動物由来、又はそれぞれサブクラスIgG1、IgG2、IgG3若しくはIgG4由来であり得る。抗原結合ドメインを含まないIgG及びIgGフラグメントもまた、HLEPとして使用され得る。治療的ポリペプチド部分は、好ましくは、切断可能であってもよい、抗体又はペプチドリンカーのヒンジ領域を介してIgG又はIgGフラグメントに接続される。いくつかの特許及び特許出願は、治療的タンパク質のインビボ半減期を増強するために免疫グロブリン定常領域に治療的タンパク質を融合させることを記載する。US 2004/0087778及びWO 2005/001025は、Fcドメイン又は免疫グロブリン定常領域の少なくとも一部の、ペプチドの半減期を増加させる生物学的に活性なペプチドとの融合タンパク質を記載し、これは他の方法ではインビボで急速に排出される。Fc-IFN-β融合タンパク質は、増強された生物学的活性、延長された循環半減期及びより大きな溶解度を達成したと記載された(WO 2006/000448)。長い血清半減期及び増加したインビボ効力を有するFc-EPOタンパク質が開示され(WO 2005/063808)、さらに全て半減期増強特性を有する、G-CSF(WO 2003/076567)、グルカゴン様ペプチド-1(WO 2005/000892)、凝固因子(WO 2004/101740)及びインターロイキン-10(米国特許第6,403,077号)とのFc融合物も開示された。
【0144】
本発明に従って使用することができる様々なHLEPは、WO 2013/120939 A1において詳細に記載される。
【0145】
本発明のポリペプチドのN-グリカン及びシアリル化
本発明のポリペプチドは、好ましくはN-グリカンを含み、そして該N−グリカンの少なくとも75%、好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%は、平均して、少なくとも1つのシアル酸部分を含む。好ましい実施態様において、該N-グリカンの少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%は、平均して、少なくとも1つのシアル酸部分を含む。本発明者らは、高度にシアリル化されたVWFフラグエントを含むポリペプチドが、延長された半減期自体を有するだけでなく、同時投与されるFVIIIの半減期も延長することができるということを見出した。換言すれば、本発明のポリペプチドの投与は、同時投与されたFVIIIの延長された半減期及び/又は減少したクリアランスをもたらす。
【0146】
本発明のポリペプチドは、好ましくはN-グリカンを含み、そして糖タンパク質のN-グリカンのシアリル基の少なくとも50%は、α-2,6-連結シアリル基である。一般に、末端シアリル基は、α-2,3-又はα-2,6-連結を介してガラクトース基に結合され得る。典型的に、本発明のポリペプチドのN-グリカンは、α-2,3-連結シアリル基よりもα-2,6-シアリル基を多く含む。好ましくは、N-グリカンのシアリル基の少なくとも60%、又は少なくとも70%、又は少なくとも80%、又は少なくとも90%は、α-2,6-連結シアリル基である。これらの実施態様は、例えば、ヒトα-2,6-シアリルトランスフェラーゼの哺乳動物細胞における同時発現により得ることができる。
【0147】
一実施態様において、本発明のポリペプチドのN-グリカンの少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%は、少なくとも1つのシアル酸基を含む。別の実施態様において、本発明のポリペプチドのN-グリカンの少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%は、少なくとも1つのシアル酸基を含む。
【0148】
別の実施態様において、本発明のポリペプチドのN-グリカンの15%未満、12%未満、10%未満、又は8%未満、又は6%未満、又は5%未満、又は4%未満、又は3%未満、又は2%未満、又は1%未満がアシアロ-N-グリカンであり、すなわち、それらはシアル酸基を欠いたN-グリカンである。別の実施態様において、本発明のポリペプチドのN-グリカンの15%未満、12%未満、10%未満、又は8%未満、又は6%未満、又は5%未満、又は4%未満、又は3%未満、又は2%未満、又は1%未満がアシアロ-N-グリカンであり、すなわち、それらはシアル酸基を有していない。
【0149】
本発明の他の実施態様は、切断型フォン・ヴィルブランド因子(VWF)を含み、ここで該切断型VWFは、第VIII因子(FVIII)に結合することができ、そしてここで該当タンパク質はN-グリカンを含み、ここで該N-グリカンの35%未満、好ましくは34%未満、好ましくは33%未満、好ましくは32%未満、好ましくは31%未満、好ましくは30%未満、好ましくは29%未満、好ましくは28%未満、好ましくは27%未満、好ましくは26%未満、好ましくは25%未満、好ましくは24%未満、好ましくは23%未満、好ましくは22%未満、好ましくは21%未満、好ましくは20%未満、好ましくは19%未満、好ましくは18%未満、好ましくは17%未満、好ましくは16%未満、好ましくは15%未満、好ましくは14%未満、好ましくは13%未満、好ましくは12%未満、好ましくは11%、好ましくは10%未満、好ましくは9%未満、好ましくは8%未満、好ましくは7%未満、好ましくは6%未満、そして好ましくは5%未満が、平均して、2つ又はそれ以上の末端かつ非シアリル化ガラクトース残基を含む。
【0150】
本発明のなお他の実施態様は、切断型フォン・ヴィルブランド因子(VWF)を含み、ここで該切断型VWFは第VIII因子(FVIII)に結合することができ、そしてここで該切断型VWFはN-グリカンを含み、ここで該N-グリカンの6%未満、好ましくは5%未満、好ましくは4%未満、好ましくは3%未満、好ましくは2%未満、そして好ましくは1%未満は、平均して、3つ又はそれ以上の末端かつ非シアリル化ガラクトース残基を含む。
【0151】
上記の実施態様は互いに組み合わせることができる。上述のN-グリカンのいずれかのパーセンテージ、又はシアリル化の程度のいずれの指示も、平均パーセンテージ又は度数と理解されるべきであり、すなわち、それらは単一の分子でなく、分子の集団を指す。糖タンパク質集団内の個々の糖タンパク質分子のグリコシル化又はシアリル化がいくらかの不均一性を示すことは明確である。
【0152】
ダイマー
本発明のポリペプチドは高い比率のダイマーを有するということがさらに見出された。従って、本発明のポリペプチドは、好ましくはダイマーとして存在する。一実施態様において、ポリペプチドの少なくとも50%、又は少なくとも60%、又は少なくとも70%、又は少なくとも80%、又は少なくとも90%、又は少なくとも95%、又は約100%はダイマーとして存在する。別の実施態様において、本発明のポリペプチドのダイマー:モノマー比は、少なくとも1.5、好ましくは少なくとも2、より好ましくは少なくとも2.5又は少なくとも3である。最も好ましくは、本発明の全てのポリペプチドはダイマーで存在する。ダイマーがモノマーと比較して第VIII因子に対する改善された親和性を有するので、ダイマーの使用は有利である。本発明のポリペプチドのダイマー含有量、及びモノマーに対するダイマーの比は、実施例1に記載されるように決定することができる。
【0153】
一実施態様において、第VIII因子に対する本発明のポリペプチドの親和性は、同じ第VIII因子分子に対するヒト天然VWFの親和性よりも高い。第VIII因子親和性は、ヒト天然第VIII因子、又は配列番号5により特徴づけられる第VIII分子を参照してもよい。
【0154】
高い比率のダイマーを有する本発明のポリペプチドの調製物は、第VIII因子に対して増加した親和性を有することが見出されている。このような第VIII因子に対する増加した親和性は、本発明のポリペプチドにより第VIII因子の増強された安定化をもたらす。あるいは、又は増加したダイマー比率と組み合わせても、第VIII因子に対する親和性を増加させる第VIII因子結合ドメイン内の変異を有する本発明に従うポリペプチドは、本発明の好ましい実施態様である。適切な変異は、例えばWO 2013/120939 A1に記載される。
【0155】
ポリペプチドの製造
本発明のポリペプチドをコードする核酸は、当該分野で公知の方法に従って製造され得る。VWFのcDNA配列(配列番号3)に基いて、上述の切断型VWF構築物又は本発明のポリペプチドをコードする組み換えDNAを設計し生成することができる。
【0156】
たとえ宿主細胞により分泌されるポリペプチドがVWFのアミノ酸1〜763を含んでいなくても、ポリペプチドの細胞内前駆体をコードする核酸(例えば、DNA)が配列番号4のアミノ酸23〜763に対して、又は好ましくはアミノ酸1〜763に対して少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含むことが好ましい。最も好ましくは、ポリペプチドの細胞内前駆体をコードする核酸(例えば、DNA)は、配列番号4のアミノ酸23〜763、又は配列番号4のアミノ酸1〜763をコードするヌクレオチド配列を含む。
【0157】
DNAが正確な方向で発現プラスミド中に挿入されたオープンリーディングフレーム全体を含有する構築物が、タンパク質発現のために使用され得る。典型的な発現ベクターは、プラスミド保有細胞において挿入された核酸に対応する大量のmRNAの合成を方向づけるプロモーターを含有する。これらはまた、宿主生物内でのそれらの自律増殖を可能にする複製起点配列、及び合成されたmRNAが翻訳される効率を増加させる配列を含み得る。安定な長期ベクターは、例えば、ウイルス(例えば、エプスタイン・バーウイルスゲノム由来のOriP配列)の調節エレメントを使用することにより自由に複製する実体として維持され得る。ゲノムDNA中にベクターを組み込まれた細胞株もまた製造され得、そしてこの方法では、遺伝子産物は連続して産生される。
【0158】
典型的に、提供しようとする細胞は、本発明のポリペプチドをコードする核酸を哺乳動物宿主細胞に導入することにより得られる。
【0159】
細胞培養しやすく、かつ糖タンパク質を発現しやすいいずれかの宿主細胞が、本発明に従って利用され得る。特定の実施態様において、宿主細胞は哺乳動物である。本発明に従って使用され得る哺乳動物細胞の非限定的な例としては、BALB/cマウス骨髄腫株(NSO/ 1、ECACC番号: 85110503);ヒト網膜芽細胞(retinoblasts)(PER.C6 (CruCell、Leiden、The Netherlands));SV40により形質転換されたサル腎臓CV1株(COS-7、ATCC CRL 1651);ヒト胚性腎臓株(懸濁培養用にサブクローニングされた293又は293細胞、Graham et al.、J. Gen Virol.、36:59、1977);ベビーハムスター腎臓細胞(BHK、ATCC CCL10);チャイニーズハムスター卵巣細胞 +/-DHFR (CHO、Urlaub and Chasin、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、77:4216、1980);マウスセルトリ細胞(TM4、Mather、Biol. Reprod.、23:243 251、1980);サル腎臓細胞(CV1 ATCC CCL 70);アフリカミドリザル腎臓細胞(VERO-76、ATCC CRL-1 587);ヒト子宮頸癌細胞(HeLa、ATCC CCL 2);イヌ腎臓細胞(MDCK、ATCC CCL 34);水牛ラット肝細胞(BRL 3A、ATCC CRL 1442);ヒト肺細胞(W138、ATCC CCL 75);ヒト肝細胞(HepG2、HB 8065);マウス乳房腫瘍(MMT 060562、ATCC CCL51);TRI細胞(Mather et al.、Annals NY. Acad. Sci.、383:44-68、1982);MRC 5細胞;PS4細胞;ヒト羊膜細胞(CAP);及びヒト肝細胞腫株(Hep G2)が挙げられる。好ましくは、細胞株は、齧歯動物細胞株、特にハムスター細胞株、例えばCHO又はBHKである。
【0160】
目的の糖タンパク質の発現を達成するために十分な核酸を哺乳動物宿主細胞に導入するために適した方法は、当該分野で公知である。例えば、Gething et al.、Nature、293:620-625、1981;Mantei et al.、Nature、281:40-46、1979;Levinson et al. EP 117,060;及びEP 117,058を参照のこと。哺乳動物細胞については、遺伝子材料を哺乳動物細胞に導入する方法としては、Graham及びvan der Erbのリン酸カルシウム沈降法(Virology、52:456-457、1978)又はHawley-Nelsonのlipofectamine
TM(Gibco BRL)法(Focus 15:73、1993)が挙げられる。哺乳動物細胞宿主系形質転換の一般的局面は、米国特許第4,399,216号においてAxelにより記載されている。遺伝子材料を哺乳動物細胞に導入するための様々な技術については、Keown et al.、Methods in Enzymology、1989、Keown et al.、Methods in Enzymology、185:527-537、1990、及びMansour et al.、Nature、336:348-352、1988を参照のこと。
【0161】
ポリペプチドの発現を可能にする条件下で細胞を培養する。ポリペプチドは、そして当業者に公知の方法を使用して回収そして精製され得る。
【0162】
終末相半減期、MRT及びクリアランス
本発明の別の局面は、終末相半減期若しくは平均滞留時間(MRT)を増加させるため又は第VIII因子のクリアランスを減少させるための、本明細書の上で定義されたポリペプチドの使用である。薬物動態データの評価のために、線形薬物動態モデル(中央コンパートメントを介した化合物排出)を適用した。従って、本明細書で使用されるいずれの薬物動態パラメーターも、別の指示がなければ、線形薬物動態モデル(中央コンパートメントを介した化合物排出)に基づく。
【0163】
特定の時点tでの「半減期」T1/2(t)は、tの時点に存在する血漿濃度C(t)を半分にするためにかかる時間、すなわちC[t + T1/2(t)] = C(t)/2である。「終末相半減期」は、tが無限になる傾向を有するときのT1/2(t)の限界である。
【0164】
投与されたFVIIIの終末相半減期は、有効量の本発明のポリペプチドが同時投与される場合、FVIII単独の投与と比較して、少なくとも25%、好ましくは少なくとも50%、より好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも100%、最も好ましくは少なくとも150%増加する。本発明の別の局面は、第VIII因子の終末相半減期を増加させるための、本明細書の上で定義されるポリペプチドの使用である。
【0165】
本明細書で使用される用語「MRT」は、薬物分子(例えば、本発明のポリペプチド又はFVIII)が体内に留まる平均時間を意味する。一定クリアランスを用いる線形薬物動態系において、MRTは、1次モーメント曲線下面積(AUMC)を血漿濃度時間曲線下面積(AUC)で割ったものとして計算され得る。1次モーメント曲線は、時間にその時点の血漿濃度を掛けたものである。
【0166】
投与されたFVIIIのMRTは、有効量の本発明のポリペプチドが同時投与される場合、FVIII単独の投与と比較して、少なくとも25%、好ましくは少なくとも50%、より好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも100%、最も好ましくは少なくとも150%増加する。本発明の別の局面は、終末相半減期若しくは平均滞留時間(MRT)を増加させるため又は第FVIII因子のクリアランスを減少させるための、本明細書の上で定義されたポリペプチドの使用である。
【0167】
本明細書で使用される用語「クリアランス」は、血漿から薬物が除去される速度を指す。具体的には、これは薬物の現在の排出速度をその現在の血漿濃度で割ったものである。単回静脈内投与後の線形薬物動態系において、クリアランスは、クリアランスが一定であるという条件で、血漿濃度-時間曲線下面積(AUC)に対する用量の比として計算することができる。クリアランスが低いほど、血漿から薬物が除去されるまでに長くかかる。
【0168】
投与されたFVIIIのクリアランスは、有効量の本発明のポリペプチドが同時投与された場合、FVIII単独の投与と比較して、少なくとも10%、好ましくは少なくとも25%、より好ましくは少なくとも50%、より好ましくは少なくとも60%、最も好ましくは少なくとも70%減少する。
【0169】
本発明はさらに、被験体に有効量の本明細書の上で定義されたポリペプチドを投与することを含む、MRT若しくは半減期を増加させる方法、又はインビボで第VIII因子のクリアランスを減少させる方法に関する。
【0170】
本明細書で使用される用語「FVIIIのインビボ回収率」は、投与されたFVIIIの総量に関してt=0に外挿された循環中にあるFVIIIのパーセンテージとして定義される。循環中の期待されるFVIII濃度の計算の基礎として、1kgあたり40 mLの血漿体積を概して仮定した。
【0171】
本発明はさらに、FVIIIのインビボ回収を増加するための、本明細書の上で定義されるポリペプチド、例えば、限定されないが、上の表1に詳述される実施態様[01]〜[72]の使用に関する。FVIIIのインビボ回収は、ポリペプチドの投与を伴わないFVIII回収と比較して、少なくとも5%、好ましくは少なくとも10%、より好ましくは少なくとも15%、18%、20%、25%、なおより好ましくは少なくとも26%、27%、28%、29%、又は30%、最も好ましくは35%より多く又は40%より多く増加する。
【0172】
本発明のさらなる局面は、それを必要とする患者に、有効量の本明細書の上で定義されたポリペプチドを投与することを含む、血液凝固障害を処置する方法である。
【0173】
さらなる局面は、血友病Aの処置におけるFVIIIの投与頻度を減少させるための、例えば、限定されないが、上の表1において実施態様[01]〜[72]のいずれかによる、本明細書の上で定義されるポリペプチドの使用である。FVIIIの静脈内又は皮下投与の頻度は、週に2回に減らされ得る。あるいは、FVIIIの静脈内投与又は皮下投与の頻度は、週に1回、又はさらに少なく、例えば10日に1回又は14日に1回に減らされ得る。FVIIIは、週に2回、5日ごと、週に1回、10日ごと、2週間ごと、3週間ごと、4週間ごと若しくは1ヶ月に1回、又は前述の値のうちのいずれか2つの間の任意の範囲、例えば4日ごとから毎月、10日ごとから2週間ごと、若しくは週に2〜3回などで投与され得る。
【0174】
別の局面は、血友病Aの処置において投与しようとするFVIIIの用量を減少させるための、本明細書の上で定義されるポリペプチドの使用である。
【0175】
凝固障害の処置
本発明のポリペプチドは、血友病Aを含む凝固障害を処置するために有用である。用語「血友病A」は、機能的凝固FVIIIの欠乏を指し、これは通常は遺伝性である。
【0176】
疾患の処置は、いずれかの臨床病期であるか又は顕性化した疾患のいずれかの形態を有すると既に診断された患者の処置;疾患の症状若しくは徴候の開始若しくは発展若しくは増悪若しくは悪化を遅延させること;並びに/又は疾患の重症度を防止及び/若しくは低減させることを包含する。
【0177】
本発明のポリペプチドが投与される「被験体」又は「患者」は、好ましくはヒトである。特定の局面において、ヒトは小児患者である。他の局面において、ヒトは成人患者である。
【0178】
本発明のポリペプチド及び、場合によりFVIIIを含む組成物が本明細書に記載される。組成物は、典型的には薬学的に許容しうる担体を含む無菌医薬組成物の一部として供給される。この組成物は、(患者にそれを投与する所望の方法に依存して)任意の適切な形態であり得る。
【0179】
用語「第VIII因子」及び「FVIII」は、本明細書において交換可能に使用され、そして血漿由来のFVIII及び組み換えFVIIIの両方を包含する。組み換えFVIIIは、限定することなく、全長FVIII、さらには二本鎖Bドメイン欠失又は切断変異体、さらには単鎖Bドメイン欠失又は切断変異体、例えばWO 2004/067566に記載されるもの及びBドメインの外側に変異を有するがFVIIIの生物学的活性を有する他のFVIII変異体を包含する。
【0180】
本発明のポリペプチドは、経口、経皮、皮下、鼻腔内、静脈内、腹腔内、筋内、局所(topically)又は局所(locally)のような様々な経路により患者に投与され得る。いずれかの所定の症例における投与に最も適切な経路は、特定のポリペプチド、被験体、並びに疾患の性質及び重篤度並びに被験体の身体状態に依存する。典型的には、本発明のポリペプチドは静脈内投与される。
【0181】
ポリペプチド及びFVIIIは、好ましくは静脈内投与又は皮下投与される。
【0182】
第一の実施態様において、ポリペプチド及びFVIIIの両方が静脈内投与される。第二の実施態様において、ポリペプチド及びFVIIIの両方が皮下投与される。
【0183】
別の実施態様において、FVIIIは静脈内投与され、そしてポリペプチドは異なる経路を介して投与される。さらなる実施態様において、ポリペプチドは皮下投与され、そしてFVIIIは異なる経路を介して投与される。例えば、ポリペプチドは、皮下投与され得、そしてFVIIIは静脈内投与され得る。
【0184】
さらなる実施態様において、FVIIIは皮下投与され、そしてポリペプチドは異なる経路を介して投与される。さらなる実施態様において、ポリペプチドは静脈内投与され、そしてFVIIIは異なる経路を介して投与される。例えば、ポリペプチドは、静脈内投与され得、そしてFVIIIは皮下投与され得る。
【0185】
本発明のポリペプチドを用いた合計投薬回数、及び処置の長さの決定は、十分に当業者の能力内である。投与しようとする本発明のポリペプチドの投与量は、投与しようとするFVIIIの濃度、処置しようとする患者における内在性VWFの濃度、又は両方に依存する。本出願の発明者らにより定義される比に基づいた有効投薬量は、本発明のポリペプチドの分子量を考慮に入れて、当業者により決定され得る。FVIIIについての典型的な投薬量は、約20 U/体重kg〜約100 U/体重kgの範囲に及び得る。
【0186】
本発明によれば、本発明のポリペプチドを用いて処置される患者はまた、血液凝固第VIII因子を用いて処置される。本発明のポリペプチド及び第VIII因子は、同時に投与されても逐次的様式で投与されてもよく、両方の投与様式が用語「組み合わせ治療」及び「同時投与」により包含される。本発明のポリペプチド及び第VIII因子は、混合物として、すなわち同じ組成物内で投与されても、別々に、すなわち別個の組成物として投与されてもよい。
【0187】
使用される組成物中の第VIII因子の濃度は、典型的には10〜10,000 IU/mLの範囲である。異なる実施態様において、本発明の組成物中のFVIIIの濃度は、本明細書において定義される本発明のVWFポリペプチドに対する比に関する要件が満たされることを条件として、10〜8,000 IU/mL、若しくは10〜5,000 IU/mL、若しくは20〜3,000 IU/mL、若しくは50〜1,500 IU/mLの範囲、又は3,000 IU/mL、若しくは2,500 IU/mL、若しくは2,000 IU/mL、若しくは1,500 IU/mL、若しくは1,200 IU/mL、若しくは1,000 IU/mL、若しくは800 IU/mL、若しくは750 IU/mL、若しくは600 IU/mL、若しくは500 IU/mL、若しくは400 IU/mL、若しくは300 IU/mL、若しくは250 IU/mL、若しくは200 IU/mL、若しくは150 IU/mL、若しくは125 IU/mL、若しくは100 IU/mL、若しくは62.5 IU/mL、若しくは50 IU/mLである。
【0188】
「国際単位」又は「IU」は、「IU」で較正された国際標準品に対して較正された標準を使用して一段階凝固アッセイ又は発色性基質FVIII活性アッセイにより測定されたFVIIIの血液凝固活性(効力)の尺度の単位である。一段階凝固アッセイは、N Lee、Martin L、et al.、An Effect of Predilution on Potency Assays of FVIII Concentrates、Thrombosis Research (Pergamon Press Ltd.) 30、511 519 (1983)に記載されるように、当該分野で公知である。一段階アッセイの原理: この試験は、活性化部分トロンボプラスチン時間(aPTT)-アッセイの改変バージョンとして行われる: リン脂質及び表面活性剤とともに血漿をインキュベートすることにより、内在凝固系の因子が活性化される。カルシウムイオンの添加が凝固カスケードを誘発する。測定可能なフィブリン血栓の形成までの時間が決定される。アッセイは、第VIII因子欠乏血漿の存在下で行われる。欠乏血漿の凝固能は、試験しようとするサンプル中に含まれる凝固第VIII因子により回復される。凝固時間の短縮は、サンプル中に存在する第VIII因子の量に比例する。凝固第VIII因子の活性は、国際単位で第VIIIの既知の活性を有する標準品との直接比較により定量化される。
【0189】
別の標準的なアッセイは、発色性基質アッセイである。発色性基質アッセイは、市販で購入され得る、例えばFVIII試験キット(Chromogenix-Instrumentation Laboratory SpA V. le Monza 338 - 20128 Milano、Italy)。発色性アッセイの原理: カルシウム及びリン脂質の存在下で、第X因子を第IXa因子により第Xa因子へと活性化させる。この反応は、補因子としての第VIIIa因子により刺激される。FVIIIaは、測定しようとするサンプル中のFVIII由来の混合物中の少量のトロンビンにより形成される。最適濃度のCa2+、リン脂質及び第IXa因子並びに過剰量の第X因子を使用する場合、第X因子の活性化は、第VIII因子の効力に比例する。活性化第X因子は、発色性基質S-2765から発色団pNAを放出する。従って、405 nmで測定されるpNAの放出は、形成されたFXaの量に比例し、従って、サンプルの第VIII因子活性にも比例する。
【0190】
医薬組成物
本明細書に記載される方法において適した本発明のポリペプチドの治療用製剤は、当該分野で典型的に使用される任意の薬学的に許容しうる担体、賦形剤又は安定剤(これらは全て本明細書で「担体」と呼ばれる)、すなわち、緩衝化剤、安定剤、保存料、等張化剤(isotonifiers)、非イオン性界面活性剤、抗酸化剤、及び他の種種雑多な添加物と、所望の程度の純度を有するポリペプチドを混合物ことにより、凍結乾燥製剤又は水溶液としての貯蔵のために調製され得る。Remington’s Pharmaceutical Sciences、16th edition
(Osol、ed. 1980)を参照のこと。このような添加物は、使用される投薬量及び濃度でレシピエントに対して非毒性でなければならない。
【0191】
緩衝化剤は、生理条件に近い範囲にpHを維持するために役立つ。これらは約2 mM〜約50
mMの範囲に及ぶ濃度で存在し得る。適切な緩衝化剤としては、有機及び無機の両方のその酸及び塩、例えばクエン酸緩衝液(例えば、クエン酸一ナトリウム-クエン酸二ナトリウム混合物、クエン酸-クエン酸酸ナトリウム混合物、クエン酸-クエン酸一ナトリウム混合物など)、コハク酸緩衝液(例えば、コハク酸-コハク酸一ナトリウム混合物、コハク酸-水酸化ナトリウム混合物、コハク酸-コハク酸ナトリウム混合物など)、酒石酸緩衝液(例えば、酒石酸-酒石酸ナトリウム混合物、酒石酸-酒石酸カリウム混合物、酒石酸-水酸化ナ
トリウム混合物など)、フマル酸緩衝液(例えば、フマル酸-フマル酸一ナトリウム混合物、フマル酸-フマル酸にナトリウム混合物、フマル酸一ナトリウム-フマル酸二ナトリウム混合物など)、グルコン酸緩衝液(例えば、グルコン酸-グルコン酸ナトリウム混合物、グルコン酸-水酸化ナトリウム混合物、グルコン酸-グルコン酸カリウム混合物など)、シュウ酸緩衝液(例えば、シュウ酸-シュウ酸ナトリウム混合物、シュウ酸-水酸化ナトリウム混合物、シュウ酸-シュウ酸カリウム混合物など)、乳酸緩衝液(例えば、乳酸-乳酸ナトリウム混合物、乳酸-水酸化ナトリウム混合物、乳酸-乳酸カリウム混合物など)及び酢酸緩衝液(例えば、酢酸-酢酸ナトリウム混合物、酢酸-水酸化ナトリウム混合物など)が挙げられる。さらに、リン酸緩衝液、ヒスチジン緩衝液及びTrisのようなトリメチルアミン塩が使用され得る。
【0192】
保存料は微生物増殖を妨害するために添加され得、そして0.2%〜1% (質量/体積)の範囲に及ぶ量で添加され得る。適切な保存料としては、フェノール、ベンジルアルコール、メタ-クレゾール、メチルパラベン、プロピルパラベン、塩化オクタデシルジメチルベンジルアンモニウム、ハロゲン化ベンザルコニウム(例えば、塩化物、臭化物、及びヨウ化物)、塩化ヘキサメトニウム、及びアルキルパラベン類、例えばメチル又はプロピルパラベン、カテコール、レゾルシノール、シクロヘキサノール、及び3-ペンタノールが挙げられる。「安定剤」としても知られる等張化剤は、液体組成物の等張性を確実にするために加えられ得、そしてこれらとしては多価糖アルコール、好ましくは三価又はそれ以上の糖アルコール、例えばグリセリン、エリスリトール、アラビトール、キシリトール、ソルビトール及びマンニトールが挙げられる。安定剤は、増量剤から、治療剤を可溶化するか又は変性もしくは容器壁への付着を防止する添加剤に及ぶ機能を有し得る広義の賦形剤を指す。典型的な安定剤は、多価糖アルコール(上で列挙された);アミノ酸、例えばアルギニン、リジン、グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アラニン、オルニチン、L-ロイシン、2-フェニルアラニン、グルタミン酸、スレオニンなど、有機糖又は糖アルコール、例えばラクトース、トレハロース、スタキオース、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、リビトール、ミオイノシトール、ガラクチトール、グリセロールなど、(イノシトールのようなシクリトール類を含む);ポリエチレングリコール;アミノ酸ポリマー;硫黄含有還元剤、例えば尿素、グルタチオン、チオクト酸、チオグリコール酸ナトリウム、チオグリセロール、α-モノチオグリセロール及びチオ硫酸ナトリウム;低分子量ポリペプチド(例えば、10残基又はそれ以下のペプチド);タンパク質、例えばヒト血清アルブミン、ウシ血清アルブミン、ゼラチン又は免疫グロブリン;親水性ポリマー、例えばポリビニルピロリドン 単糖、例えばキシロース、マンノース、フルクトース、グルコース;二糖、例えばラクトース、マルトース、スクロース及び三糖、例えばラフィノース;及び多糖、例えばデキストランであり得る。安定剤は、活性タンパク質1質量部あたり0.1〜10,000質量部の範囲で存在し得る。
【0193】
界面活性剤(surfactants)又は洗浄剤(detergents)(「湿潤剤」としても知られる)は、治療剤の可溶化を促進するため、さらには撹拌誘導凝集に対して治療用タンパク質を保護するために加えられ得、これはまた、タンパク質の変性を引き起こすことなく圧力を加えられたせん断面に製剤が曝露されることを可能にする。適切な界面活性剤としては、ポリソルベート(20、80など)、ポリオキサマー(184、188など)、プルロニックポリオール、ポリオキシエチレンソルビタンモノエーテル(TWEEN(R)-20、TWEEN(R)-80など)の非イオン界面活性剤が挙げられる。界面活性剤は、約0.05 mg/ml〜約1.0 mg/mlの範囲、又は約0.07 mg/ml〜約0.2 mg/mlの範囲で存在し得る。
【0194】
さらなる様々な賦形剤としては、増量剤(例えば、デンプン)、キレート剤(例えば、EDTA)、抗酸化剤(例えば、アスコルビン酸、メチオニン、ビタミンE)、及び共溶媒が挙げられる。
【0195】
本明細書における製剤は、本発明のポリペプチドに加えて第二の治療剤も含んでいてもよい。適切な第二の治療剤の例は以下に示される。
【0196】
投薬スケジュールは、疾患の種類、疾患の重篤度、及び本発明のポリペプチドに対する患者の感受性を含む、多数の臨床因子に依存して月に1回から毎日まで変化し得る。特定の実施態様において、本発明のポリペプチドは、週に2回、5日ごと、週に1回、10日ごと、2週間毎、3週間ごと、4週間ごと、又は月に1回、又は前述の値のいずれか2つの間の任意の範囲で、例えば、4週ごとから毎月、10日ごとから2週ごと、又は週に2回から3回などで投与される。
【0197】
投与しようとする本発明のポリペプチドの投薬量は、特定のポリペプチド、被験体、並びに疾患の性質及び重篤度、被験体の身体状態、治療計画(例えば、第二の治療剤が使用されるかどうか)、及び選択された投与経路によって変わる;適切な投薬量は、当業者により容易に決定され得る。
【0198】
本発明のポリペプチドの最適な量及び個々の投薬の間隔は、処置される状態の性質及び程度、投与の形態、経路、及び部位、並びに処置される特定の被験体の年齢及び状態により決定されること、そして医師が、使用されるべき適切な投薬量を最終的に決定するということは、当業者により認識されるだろう。この投薬は、必要なだけ頻繁に繰り返され得る。副作用が発生する場合、投薬の量及び/又は頻度が、通常の臨床診療に従って変更されるか又は減少され得る。
【0199】
配列表に示されるヌクレオチド配列及びアミノ酸配列を表2に要約する。
【0201】
以下の実施例は本発明を説明するが、本明細書以下に記載される特定の実施態様に本発明を限定すると解釈されるべきではない。
【実施例】
【0202】
目的
我々は、それぞれFVIII及び内在性VWFに対する、切断型VWF及び半減期延長部分を含むポリペプチド(「本発明のポリペプチド」)の比の、フラグメント及びFVIIIの薬物動態(PK)に対する影響を調べることを目指した。
実験の要旨を以下の表に示す。
【0203】
【表5】
【0204】
薬物動態実施例において、異なるモル比が計算された。従って、以下が仮定された:
− 薬物は、それらの投与後に体重1kgあたり血漿40 mLで希釈される
− 使用される本発明のポリペプチドの分子量: モノマーサブユニットのD’D3-FP分子量(グリコシル化を含む): 127,000 Da (HLEM = ヒトアルブミン)
− 使用されるFVIIIの分子量: rVIII-単鎖分子量(グリコシル化を含む): 180,000 Da及び特異的活性: 11,000 IU/mg
− D’D3-FPの一部としてのアルブミンの分子量: 66,000 Da
− 組み換えFVIII製品の同じモルFVIII活性を使用して(rVIII-単鎖、Advate
(R)、NovoEight
(R))、同じ活性用量で投与された場合の同一のモル比について計算した。
− 内在性ヒト、ラット又はウサギVWFモノマー分子量(18〜19%グリコシル化を含む): 267,500 Da
− 内在性ラット又はウサギVWFは、ヒトVWFと同じ特異的活性を有すると仮定され、すなわち、1U/mL (又は標準の100%)は10 μg/mLであると仮定される(1U/mL又は標準の100%に関して公開されたヒト濃度)
− 0.946±0.181 U/mLと測定され、そして12匹のCDラットからINNOVANCE
(R) VWF Acキット(Siemens Healthcare Diagnostics GmbH、Eschborn、Germany)を使用して標準ヒト血漿に対して較正された(それぞれのWHO標準、Siemens Healthcare Diagnostics GmbHから較正された)35.36 * 10
-9 mol/Lと計算された、ラット血漿中の内在性VWF活性
− 0.242±0.056 U/mLと測定され、そして実施例3の5匹のウサギからINNOVANCE
(R) VWF
Acキット(Siemens Healthcare Diagnostics GmbH、Eschborn、Germany)を使用して標準ヒト血漿に対して較正され(それぞれのWHO標準、Siemens Healthcare Diagnostics GmbHに対して較正され)、9.05 * 10
-9 mol/Lと計算された、ウサギ血漿中の内在性VWF活性
【0205】
実施例1: ラットにおけるrVIII-単鎖(一定用量)の当時投与及びD’D3-FP用量の増加によるFVIIIの薬物動態の延長
材料及び方法
D’D3アルブミン融合タンパク質(D’D3-FP)の生成:
VWFアミノ酸1〜1242、グリシン/セリンリンカーをコードするcDNA及びヒトアルブミンのcDNAからなるD’D3-FPの発現カセットを、カスタム遺伝子合成(Eurofins Genomics、Ebersberg、Germany)により製造した。隣接制限部位(EcoRI、NotI)を介して、発現カセットを、供給されたクローニングベクターから切除し、そしてEcoRI及びNotIを用いて線状化されたpIRESneo3ベクター(BD Biosciences、Franklin Lakes、NJ、USA)に挿入した。得られた発現プラスミドは、CMVプロモーター制御下で短いリンカーコード配列を介してアルブミンコード配列に融合された、VWFプロペプチド、D’及びD3(配列番号4のVWF アミノ酸1〜1242)をコードするヌクレオチド配列を含有していた。コード配列のヌクレオチド配列は配列番号1として示され、成熟D’D3-FPのアミノ酸配列は配列番号2として示される。
【0206】
類似したアプローチを使用して、Hisタグ化D’D3タンパク質(グリシン/セリンリンカーにより連結されるD’D3及びHis8)、及びまたグリシン/セリンリンカーを介して連結されかつ融合タンパク質のC末端で8つのヒスチジンによりタグ化された、ヒト絨毛性ゴナドトロピン−βサブユニットのC末端ペプチドへのD’D3融合タンパク質についての発現プラスミドを生成した。成熟D’D3-His8のアミノ酸配列は配列番号7として示され、そして成熟D’D3-CTPのアミノ酸配列は配列番号8として示される。
【0207】
上記の発現プラスミドは、XL10 Gold(Agilent Technologies)において増殖され、そして標準的プロトコル(Qiagen、Hilden、Germany)を使用して精製された。
【0208】
CHO K1細胞を、Lipofectamine 2000試薬(Invitrogen)を使用してトランスフェクトし、そして無血清培地(CD-CHO、Invitrogen)で500〜1000 μg/mlジェネテシンの存在下で増殖させた。WO2007/144173に記載されるPACE/フューリン(pFu-797)をコードする発現プラスミドを、ポリペプチド切断効率を最大にするために同時トランスフェクトした。単細胞由来クローンを増殖させ、そしてアルブミン特異的酵素イムノアッセイ(以下を参照のこと)により定量されるそれらのD’D3-FP発現収率に従って選択した。D’D3-FP発酵について最終的に選択された細胞株をT2050-CL3と呼ぶ。
【0209】
D’D3-FPの製造を、発酵プロセスを灌流モードで適用してバイオリアクターで行った。D’D3含有ポリペプチドの製造のための発酵プロセスは、細胞株T2050-CL3の解凍から開始し、続いて振盪フラスコで細胞を増殖させ、そして最終的にSartorius BioStat B-DCU 5Lバイオリアクター及びBioStat STR 50L単回使用バイオリアクターを使用して灌流モードで発酵プロセスを行った。それぞれBioSeps 10L又は200L(Applikon)を細胞保持デバイスとして使用した。細胞培養培地は、8 mM L−グルタミン及び1 μM CuSO
4を含むPowerCHO3 (Lonza BESP1204)又は10 mM L−グルタミン及び1 μM CuSO
4を含むProCHO5 (Lonza BESP1072)のいずれかであった。
【0210】
振盪フラスコでのシードトレインを、37℃、7.5% CO
2で160 rpmの振盪スピードにて行った。
【0211】
5Lバイオリアクターに2.5x10
5細胞/mLの標的VCDを播種した。細胞を8 mM L-グルタミン及び1 μM CuSO
4を含むPowerCHO3中で+37.0℃の温度で、pH 7.00、及び30%酸素飽和にて培養した。+34.0℃まで温度シフト(評価された範囲+31℃〜+35℃)を、+37℃で実行されたバイオリアクターからの最初の収穫物が収穫された後に行った。pHを、酸として散布されたCO
2及び塩基としてNaHCO
3を使用して制御した。オーバーレイ空気流量を0.5 L/分に設定した。リングスパージャーを散布ユニットとして使用した。撹拌速度は150rpmで2倍ピッチ羽根撹拌機をダウンプル様式で用いた。
【0212】
50Lバイオリアクターに、3.0x10
5細胞/mLの標的VCDを播種した。細胞を、10 mM L-グルタミン及び1 μM CuSO
4を含むProCHO5培地で+37.0℃の温度で、pH 6.90、及び30%酸素飽和度にて培養した。+34.0℃への温度シフトを、最初の1回又は2回の採取の後に行った。上記のとおりのPH制御、オーバーレイ空気流量を2 L/分に設定した。マイクロスパージャーを散布ユニットとして使用した。撹拌速度は90 rpmで2倍ピッチ羽根撹拌機をダウンプル様式で用いた。
【0213】
バイオリアクター中のVCDが≧1.0x10
6細胞/mLであった場合に灌流を開始した。灌流速度を1.0体積/体積/日に設定した。BioSepをバックラッシュ様式で5(10)分のランタイム、そして10秒のバックラッシュを7(30)Wの電源入力で用いて操作した(括弧内の数字は50Lバイオリアクターを指す)。灌流液及び流出液(bleed)をインラインでろ過し、そして48時間にわたって+2〜+8℃でバッグに集めた。VCDを、能動流出(active bleeding)により濁度プローブを使用して2 g/Lグルコースを目標にパラメーターとしてグルコース消費を使用して制御した。採取物及び流出液をインラインでろ過し、使い捨てフィルター及び使い捨てバッグからなる採取システムを2日ごとに交換した。
【0214】
以下に記載されるPK分析のための材料を準備するため、D’D3アルブミン融合タンパク質採取物を、アフィニティ及びサイズ排除クロマトグラフィーにより精製した。手短には、バイオリアクターからの無細胞採取物を、30 kDメンブレン(例えば、Pall Centramate OS030T12)を用いてTFFシステム(例えば、Pall Centramate 500 S)を使用して30倍濃縮した。その濃縮物を、NaCl及びEDTAを用いて最終濃度0.75 M NaCl及び5 mM EDTAまでスパイクし、そして終夜、20 mM Tris緩衝液pH 7.4で予め平衡化したCaptureSelectヒトアルブミンカラム(Life Technologies)にロードした。カラムを平衡緩衝液で洗浄した後、D’D3-FPを溶出緩衝液(20 mM Tris、2 M MgCl
2、pH 7.4)で溶出した。次いで溶出液を10倍濃縮し、そして50 mM Tris、150 mM NaCl、pH 7.4に対して30 kDカットオフを有するウルトラ遠心式フィルター(例えば、Amicon. UFC903024)を使用して透析した。D’D3-FPダイマーをモノマー部分から分離するために、その材料を、50 mM Tris、150 mM NaCl、pH 7.4で予め平衡化されたSuperdex 200 pgカラム(GE Healthcareコード: 17-1069-01)にロードし、そしてD’D3-FPダイマーを含有するピークフラクションをプールした。ダイマー及びモノマーピークフラクションについての曲線下面積を使用して、ダイマー対モノマー比を計算した。D’D3-FPのダイマー調製物を実施例1〜4における薬物動態実験に使用した。
【0215】
Hisタグ化D’D3タンパク質を、Ni-キレートアフィニティ及びサイズ排除クロマトグラフィーにより精製した。手短には、TFF濃縮無細胞バイオリアクター採取物(詳細は上記を参照のこと)を、予め平衡化した(20mMリン酸ナトリウム/ 500 mM NaCl、pH 7.4) Ni-セファロースカラム(HisTrap
TM、GE Healthcare)に終夜ロードした。カラムを20mMリン酸ナトリウム/ 500 mM NaCl/ 30 mMイミダゾール、pH 7.4で洗浄した後、タンパク質を、20mMリン酸ナトリウム + 500 mM NaCl + 500 mMイミダゾール、pH 7.4で溶出した。次いで溶出液を濃縮し、そしてAmiconウルトラ遠心式フィルター(上を参照のこと)を使用して透析した(TBS、pH7.4)。次いで最終生成物をSECカラム(上を参照のこと)にロードし、ダイマーを含有するピークフラクションをプールし、そして約7 mg/mL OD
280-320に濃縮した。
【0216】
動物:
240〜300 gの体重範囲の雌性Crl:CD (スプラーグドーリー)ラットはCharles River Laboratories (Sulzfeld、Germany)で飼育された。社内では、動物は標準的な飼育条件、すなわち21〜22℃で12時間/12時間明暗サイクルに維持された。動物には自由に標準的ラット食餌(Ssniff-Versuchsdiaeten、Soest、Germany)を与えた。水道水を自由に供給した。動物畜産及び研究手順は、独国動物保護法及び欧州連合規則を遵守していた。群サイズはn=6であり2つのコホートに分けられた。従って、時点あたりn=3の動物を使用した。
【0217】
検査評価:
試験品を、総体積3 mL/kgで外側尾静脈への単回注射により静脈内(i.v.)投与した。D’D3-FP調製物を、ヒトアルブミン値に基いて50〜10,000 μg/kgの用量レベルで適用し、そして約30分間+37℃でインキュベートした後に200 IU/kg rVIII-単鎖 (rVIII-単鎖、発色活性)と同時投与した。rVIII-単鎖のみを投与された動物は対照として役立った(表4)。これにより、rVIII-単鎖に対するD’D3-FP(モノマーとして計算される)の投与されたモル比は7.5〜1500の範囲に及び、さらには内在性ラットVWFに対するD’D3-FPのモル比(VIII結合部位)について調整するために両方ともモノマーとして)は0.54〜107.1の範囲に及んだ。
【0218】
血液サンプルを、静脈内ボーラス注射の5分、3、8、24、32、48、56及び72時間後に交互サンプリングスキームを使用して短時間麻酔下で後眼窩で採取した。PKプロフィールを、群あたりラットの2つのコホートから取った。血液サンプルを、クエン酸ナトリウム(2部クエン酸ナトリウム3.13% + 8部血液)を使用して抗凝固剤処置し、処理して血漿とし、そして−20℃でFVIII抗原及び/又はアルブミンの測定のために保存した。
【0219】
D’D3-FP曝露を、ヒトアルブミンELISAを使用して構築物のアルブミン部分の測定により決定した。従って、D’D3-FPのいずれの量又は用量もアルブミンの量又は用量として示される。他のD’D3含有ポリペプチドは、D’D3特異的Elisaを用いて検出された。FVIII:Ag血漿レベルを、Stago、S.A.S.、FranceからのFVIII Asserachrom ELISA試験キットを用いて検出した。
【0220】
D’D3-アルブミン融合物を、血漿サンプルにおいてElisaで市販のポリクローナル抗体調製物を用いて測定した。検出抗体がPOD標識されていたことを除いて、捕捉及び検出のために同じ抗体を使用した。手短には、96ウェルプレート(Nunc Immuno-Plate Maxisorp、製品番号449824)の各ウェルを、コーティング溶液100 μL(ヤギ抗ヒトアルブミン-IgG、カタログ番号A80-129A、Bethyl Laboratories、50 mMコーティング緩衝液(Carbonate-Bicarbonate Capsules、Sigma 製品番号:C-3041)で2 μg/mLに希釈)でコーティングし、そして+21℃で2〜20時間インキュベートした。コーティング手順の後に、洗浄緩衝液(tween 20を含むリン酸緩衝化食塩水、Sigma製品番号: P3563)を使用して洗浄工程を3回行った。続いてブロッキングを1.5時間+21℃で、ブロッキング溶液(Candor Biosience、カタログ番号110500)を用いて行い、続いてさらに3回の洗浄工程を行った。続いて、各サンプル100 μlをプレートにアプライし、そして1時間+37℃でインキュベートした。標準として、試験された基質のそれぞれの注射液を、サンプル緩衝液(Low Cross Buffer、Candor Biosience、カタログ番号100500)を用いて50 ng/mLから0.78 ng/mLの濃度まで2段階減少で希釈した。動物から採取されたクエン酸血漿サンプルもまた、サンプル緩衝液で少なくとも1:30希釈し、サンプル緩衝液はまた、ブランクとして適用された。さらに4回の洗浄工程の後、検出溶液(POD標識抗ヒトアルブミン-IgG、カタログ番号A80-129P、Bethyl Laboratories、ブロッキング溶液で1:40000希釈)100 μLを、各ウェルに45分間+37℃でアプライした。さらに4回の洗浄工程の後、発色性基質(TMB、Siemens Healthcare製品OUVF、OUVG)を1ウェルあたり100 μL20分間アプライし、続いて停止溶液(OSFA、Siemens Healthcare)を1ウェルあたりさらに100 μl加えた。プレートをプレートリーダーで450/650nmにて測定した。
【0221】
アルブミンを含まないD’D3含有ポリペプチドを、専用の抗D’D3抗体を用いた抗D’D3サンドイッチELISAを用いて血漿サンプルにおいて測定した。手短には、96ウェルプレート(Nunc Immuno-Plate Maxisorp、製品番号449824)の各ウェルを、コーティング溶液(50 mMコーティング緩衝液(Carbonate-Bicarbonate Capsules、Sigma製品番号: C-3041)で1 μg/mLに希釈されたD’D3捕捉抗体)100 μLでコーティングし、そして+21℃で16時間インキュベートした。コーティング手順につづいて、洗浄緩衝液(tween 20、Sigma製品番号: T9039を含むTris緩衝食塩水)を使用して3回の洗浄工程を行った。ブロッキングを、ブロッキング溶液(Candor Bioscience、カタログ番号110500)を用いて1.5時間+21℃で行い、続いてさらに3回の洗浄工程を行った。続いて、各サンプル100 μlずつをプレートにアプライし、そして1.5時間+21℃でインキュベートした。標準として、試験された物質のそれぞれの注射液を、サンプル緩衝液(tween 20、Sigma製品番号: T9039を含むTris緩衝食塩水)で70 ng/mL〜1.1 ng/mLの濃度に2段階減少で希釈した。クエン酸血漿サンプルもまたサンプル緩衝液で少なくとも1:30希釈し、サンプル緩衝液もまたブランクとしてアプライした。さらに3回の洗浄工程の後、検出溶液(POD標識抗D’D3検出抗体(専用研究グレード調製物)、サンプル緩衝液で0.2 μg/mLに希釈)100 μLを各ウェルにアプライし、そして1時間+21℃でインキュベートした。さらに3回の洗浄工程の後、発色性基質(TMB、Siemens Healthcare製品番号: OUVF、OUVG)を1ウェルあたり100μL、30分間アプライし、続いて停止溶液(OSFA、Siemens Healthcare)100 μlをさらにアプライした。プレートをプレートリーダーで450/650nmにて測定した。
【0222】
平均滞留時間(MRT)、クリアランス(CL)及び終末相半減期(t1/2)の見積もりを非コンパートメント法により行った。
【0223】
【表6】
【0224】
結果
D’D3-FPを、アルブミン含有量を決定し、続いてD’D3-FP濃度を計算することにより定量化し、そしてすべての測定されたデータ(72 h p.a.まで)は、アッセイの検出限界より十分高かった。使用されたELISAはヒトアルブミンを特異的に検出した。D’D3-FPの平均滞留時間(MRT)及びクリアランスは、0.05〜10 mg/kg i.v.の範囲の所定の用量により影響されなかった(
図1及び表5)。
【0225】
ELISAによりFVIII:Agとして定量化された同時投与されたFVIII(200 IU/kg 発色性FVIII活性)の曝露は、D’D3-FPの存在下で延長された(
図2及び表5)。従って、rVIII-単鎖群において、FVIII:Agは、24〜32h p.a.での検出限界117 mIU/mLに達したが、D’D3-FP同時処置(co-treated)群は、用量依存的に血漿濃度が増加し、5及び10 mg/kgで同時処置された群において72h p.aまで検出限界に達しなかった。
【0226】
既に、D’D3-FPの最も低い用量の0.05 mg/kg i.v.はMRT及び終末相半減期を増加させ、そしてrVIII-単鎖のクリアランスをわずかに減少させた。0.2 mg/kgまでは、わずかな変化しかMRT、終末相半減期及びクリアランスに関して見られず、そして0.5〜10 mg/kgでは用量依存性増加がMRT及び終末相半減期について見られ、クリアランスについては減少が見られた。従って、この実験設定では、rVIII-単鎖に対して約75倍過剰のD’D3-FP(0.5 mg/kg用量)が、FVIII半減期を関連して延長するために必要であると結論付けられる。
【0227】
より低い用量のD’D3-FPでは、内在性ラットVWFは、同時投与されたFVIIIへの結合について、より高い用量でより関連してD’D3-FPと競合し、それによりFVIII PKに関するD’D3-FP用量の用量依存性が説明されると考えられる。
【0228】
単独で投与されたrVIII-単鎖と比較した、MRT及び終末相半減期の増加並びにクリアランスの減少の計算は、表5に示される。rVIII-単鎖の0.05〜0.2 mg/kg D’D3-FPとの同時投与は、クリアランスを減少させ、そしてMRT及び終末相半減期を2倍未満だけ延長させた。0.5 mg/kg (rVIII-単鎖に対するモル比 D’D3-FP= 75;内在性ラットVWFに対するモル比 = 5.36)から開始して、クリアランスの用量依存性減少並びにMRT及び終末相半減期の増加を見ることができる。10 mg/kg D’D3-FP (rVIII-単鎖に対するモル比 D’D3-FP = 1500;内在性ラットVWFに対するモル比 = 107.1)の用量でも、より低い用量に対するさらなる変化が見られ、効果のプラトーにまだ達していなかったということが示唆された。
【0229】
【表7】
【0230】
実施例2: ラットにおける異なる用量でのrVIII-単鎖及びD’D3-FP(D’D3-FP : rVIII-単鎖比において一定)の同時投与によるFVIIIの薬物動態の延長
材料及び方法
動物: 220〜270 gの体重範囲の雌性Crl:CD (スプラーグドーリー)ラットは、Charles River Laboratories (Sulzfeld、Germany)で飼育された。社内では動物は標準的な飼育条件、すなわち21〜22℃で12時間/12時間明暗サイクルに維持された。動物には自由に標準的ラット食餌(Ssniff-Versuchsdiaeten、Soest、Germany)を与えた。水道水を自由に供給した。動物畜産及び研究手順は、独国動物保護法及び欧州連合規則を遵守していた。
【0231】
群サイズはn=6を2つのコホートで割ったものであった。従って、1つの時点あたりn=3の動物を使用した。
【0232】
検査評価: 試験品を、総体積4.5 mL/kgで外側尾静脈への単回注射により静脈内(i.v.)投与した。D’D3-FP調製物を、ヒトアルブミン値に基いて1〜10 mg/kgの用量レベルで適用し、そして約30分間+37℃でインキュベートした後に100〜1000 IU/kg rVIII-単鎖(rVIII-単鎖、発色活性)とともに一定D’D3-FP対rVIII-単鎖比で同時投与した。rVIII-単鎖のみを投与された動物は対照として役立った(表6)。
【0233】
血液サンプルを、静脈内ボーラス注射の5分、3、8、24、32、48、56及び72時間後に交互サンプリングスキームを使用して短時間麻酔下で後眼窩で採取した。PKプロフィールを、群あたりラットの2つのコホートから取った。血液サンプルを、クエン酸ナトリウム(2部クエン酸ナトリウム3.13% + 8部血液)を使用して抗凝固剤処置し、処理して血漿とし、そして−20℃でFVIII抗原及び/又はアルブミンの測定のために保存した。
【0234】
D’D3-FP曝露を、ヒトアルブミンELISAを使用して構築物のアルブミン部分の測定により決定した。従って、D’D3-FPのいずれの量又は用量もアルブミンの量又は用量として示される。FVIII:Ag血漿レベルを、Stago、S.A.S.、FranceからのFVIII Asserachrom ELISA試験キットを用いて検出した。
【0235】
平均滞留時間(MRT)、クリアランス(CL)及び終末相半減期(t1/2)の見積もりを、非コンパートメント法により行った。
【0236】
【表8】
【0237】
結果
D’D3-FPを、そのアルブミン成分を介して定量化し、そしてすべての測定されたデータ(72 h p.a.まで)はアッセイの検出限界より十分高かった。平均滞留時間(MRT)及びD’D3-FPのクリアランスは、1〜10 mg/kg i.v.の範囲の所定の用量により影響されなかった(
図3及び表7、
図1及び表5を比較)。
【0238】
ELISAによりFVIII:Agとして定量化された、同時投与されたFVIIIの曝露(100〜1000 IU/kg発色FVIII活性)は、D’D3-FPの存在下で延長された(
図4及び表7)。FVIII曝露の用量依存性とともに、低用量rVIII-単鎖群は、24h p.a.ですでに117 mIU/mLのFVIII:Ag検出限界に達したが、より高い用量はその後検出限界に達し、そして最も長いプロフィールはD’D3-FPとの同時投与で観察され、特に、両方の高用量D’D3-FP同時処置群は、72h p.aまでに検出限界に達しなかった。
【0239】
FVIIIの薬物動態特徴は、FVIII用量により影響を受けなかった。以前に述べたように、D’D3-FP薬物動態もD’D3-FP用量により影響を受けなかった。
【0240】
【表9】
【0241】
実施例3: ラットにおけるrVIII-単鎖(一定用量)の同時投与及びD’D3-FP用量増加によるFVIIIの薬物動態の延長
材料及び方法
動物: 2.2〜2.8 kgの体重範囲の雌性CHBウサギ(Bauer、Neuental、Germany)を、スチールワイヤケージにおいて標準飼育条件で、すなわち21〜23℃及び50%相対湿度で12時間/12時間明-暗サイクルで1つのゲージあたり1匹で飼育した。動物に水道水を自由に与え、そしてウサギペレット(Deukanin
(R)、Deutsche Tiernahrung Cremer GmbH & Co. KG、Duesseldorf、Germany)を与えた。動物畜産及び研究手順は、独国動物保護法及び欧州連合規則を遵守していた。
【0242】
検査評価: 試験品を、外側耳静脈への単回注射により1群あたりn=3動物の群サイズで静脈内(i.v.)投与した。D’D3-FP調製物を、ヒトアルブミン値に基づいて0.5〜3 mg/kgの用量レベルで適用し、そして約30分間+37℃でインキュベートした後に150 IU/kg rVIII
-単鎖 (rVIII-単鎖、発色活性)とともに同時投与した。rVIII-単鎖のみを投与された動物は対照として役立った(表8)。
【0243】
血液サンプルを、投薬前、静脈内ボーラス注射の5及び30分後、1、2、4、6、8、24、32、48、72及び96時間後(rVIII-単鎖)に、又は投薬前、静脈内ボーラス注射の5分後、1、4、8、24、32、48、72、96、120、144及び168時間後(D’D3-FPと同時処置されたrVIII-単鎖)に耳動脈から採取した。血液サンプルを、クエン酸ナトリウム(2部クエン酸ナトリウム3.13% + 8部血液)を使用して抗凝固剤処置し、処理して血漿とし、そして−20℃でFVIII抗原及び/又はD’D3-FPの測定のために保存した。D’D3-FPP曝露を、ヒトアルブミン特異的ELISAを使用して構築物のアルブミン部分の測定により決定した。従って、D’D3-FPのいずれの量又は用量もアルブミンの量又は用量として示される。FVIII:Ag血漿レベルを、ELISA (Asserachrom Stago、S.A.S.、France)により検出した。
【0244】
平均滞留時間(MRT)、クリアランス(CL)及び終末相半減期(t1/2)の見積もりを非コンパートメント法により行った。
【0245】
【表10】
【0246】
結果
概して、ラット及びウサギにおける結果は非常に類似している。以下の観察が詳細に行われた:
D’D3-FPを、そのアルブミン成分を介して定量し;そして測定値は、測定された168 h p.aまででアッセイの検出限界より十分高かった。0.5〜3 mg/kgの範囲の用量の増加は、RT及びクリアランス(
図5)又は終末相半減期(表9)に影響を及ぼさなかった。
【0247】
ELISAによりFVIII:Agとして定量化された同時投与されたFVIIIの曝露(150 IU/kg発色FVIII活性)は、関連して、D’D3-FPの存在下で延長された(
図6)。ウサギにおいて、FVIII:Agの血漿レベルは、rVIII-単鎖が単独で投与された場合は最大で48 h p.a.まで(検出限界117 mIU/mL)、そして3 mg/kg D’D3-FPとの同時処置後の最後の時点の168 h p.a.まで測定することができた。ラットと同様に、PKのこの延長は用量依存性であった。
【0248】
【表11】
【0249】
FVIII:Agのクリアランス、MRT及び終末相半減期の増加の計算を表9に示す。最も低い同時投与された用量0.5 mg/kg (rVIII-単鎖に対するモル比D’D3-FP = 100)は、すでにFVIII:Ag曝露を関連して延長させる。3 mg/kgへのD’D3-FP用量の増加(rVIII-単鎖に対するモル比 D’D3-FP = 600)は、FVIII:Ag MRT及び終末相半減期の少なくとも2.5倍の延長並びにFVIII:Agのクリアランスの2.5倍減少をもたらした。
【0250】
実施例4: ウサギにおけるD’D3-FPとの異なる組み換えFVIII産物の同時投与によるFVIIIの薬物動態の延長
材料及び方法
動物: 2.2-2.8 kgの体重範囲の雌性CHBウサギ(Bauer、Neuental、Germany)を、スチールワイヤケージにおいて標準飼育条件で、すなわち21〜23℃及び50%相対湿度で12時間/12時間明-暗サイクルで1つのゲージあたり1匹で飼育した。動物に水道水を自由に与え、そしてウサギペレット(Deukanin
(R)、Deutsche Tiernahrung Cremer GmbH & Co. KG、Duesseldorf、Germany)を与えた。動物畜産及び研究手順は、独国動物保護法及び欧州連合規則を遵守していた。
【0251】
検査評価: 試験品を、外側耳静脈への単回注射により1群あたりn=3動物の群サイズで静脈内(i.v.)投与した。D’D3-FP調製物を、ヒトアルブミン値に基いて1.5 mg/kgの用量レベルで適用し、そして約30分間+37℃でインキュベートした後に150 IU/kg rVIII-単鎖 (rVIII-単鎖、測定された発色活性に従って投薬された)、150 IU/kg Advate
(R) (組み換え全長FVIII、ラベルに従って投薬された)又は150 IU/kg NovoEight
(R)(組み換えBドメイン欠失FVIII、ラベルに従って投薬された)とともに同時投与した。150 IU/kg rVIII-単鎖、Advate
(R)又はNovoEight
(R) のみを投与された動物は対照として役立った(表10)。
【0252】
血液サンプルを、投薬前、静脈内ボーラス注射の5及び30分後、1、2、4、6、8、24、32、48、72及び96時間後(組み換えFVIII産物単独)に、又は投薬前、静脈内ボーラス注射の5分後、1、4、8、24、32、48、72、96、120、144及び168時間後(D’D3-FPと当時処置された組み換えFVIII産物)に耳動脈から採取した。血液サンプルを、クエン酸ナトリウム(2部クエン酸ナトリウム3.13% + 8部血液)を使用して抗凝固剤処置し、処理して血漿とし、そして−20℃でFVIII抗原及び/又はD’D3-FPの測定のために保存した。D’D3-FPP曝露を、ヒトアルブミンELISAを使用して構築物のアルブミン部分の測定により決定した。従って、D’D3-FPのいずれの量又は用量もアルブミンの量又は用量として示される。FVIII:Ag血漿レベルを、ELISA (Asserachrom Stago、S.A.S.、France)により検出した。
【0253】
平均滞留時間(MRT)、クリアランス(CL)及び終末相半減期(t1/2)の見積もりを非コンパートメント法により行った。
【0254】
【表12】
【0255】
結果
概して、異なる組み換えFVIII産物間の結果は非常に類似している。D’D3-FPの同時投与に起因する血漿におけるFVIIIの延長に関する以下の観察が詳細に行われた:
ELISAによりFVIII:Agとして定量化された同時投与されたFVIII(150 IU/kg 発色FVIII活性)の曝露は、D’D3-FPの存在下で関連して延長された(
図7)。FVIII:Agの血漿レベルは、組み換えVIII産物が単独で投与された場合は最大で32 h p.a.(Advate
(R))又は48 h p.a. (rVIII-単鎖及びNovoEight
(R))まで(検出限界117 mIU/mL)、そしてD’D3-FPとの同時処置後は最大で96 h p.a.(Advate
(R))又は120 h p.a.(rVIII-単鎖及びNovoEight
(R))の最終時点まで測定することができた。
【0256】
【表13】
【0257】
FVIII:Agのクリアランスの減少、さらにはMRT及び終末相半減期の増加の計算を表11に示す。クリアランスの減少は、全ての3つの産物について非常に類似しており、すなわち、2.4倍から2.7倍の変化であった。3つの組み換えFVIII産物単独のt1/2及びMRTにおける差異に基いて、MRT及びt1/2の相対的増加はより高い変動性を示し、そしてAdvate
(R)について3.0〜3.2倍(これは単独で投与された場合の最も短い薬物動態を有する)からrVIII-単鎖及びNovoEight
(R)について1.7〜2.0倍(これは単独で投与された場合のおおよそ類似した薬物動態を示した)の範囲に及んだ。総合すれば、そして主にクリアランスの相対的減少を見れば、3つの組み換えFVIII産物の薬物動態の延長は非常に類似している。
【0258】
実施例5: ラットにおけるD’D3-His8と、さらにはD’D3-CTP融合タンパク質とのrVIII-単鎖の同時投与によるFVIIIの薬物動態の延長
材料及び方法
動物: 約230〜300 gの体重範囲の雌性Crl:CD (スプラーグドーリー)ラットは、Charles
River Laboratories (Sulzfeld、Germany)で飼育された。社内では動物は標準的な飼育条件、すなわち21〜22℃で12時間/12時間明暗サイクルに維持された。動物には自由に標準的ラット食餌(Ssniff-Versuchsdiaeten、Soest、Germany)を与えた。水道水を自由に供給した。動物畜産及び研究手順は、独国動物保護法及び欧州連合規則を遵守していた。
【0259】
群サイズはn=6を2つのコホートで割ったものであった。従って、時点あたりn=3動物を使用した。
【0260】
検査評価: 試験品を、総体積3.0 mL/kgで外側尾静脈への単回注射により静脈内(i.v.)投与した。D’D3を含むタンパク質を、OD値に基いて1 mg/kgの用量レベルで適用し、そして約30分間+37℃でインキュベートした後に200 IU/kg rVIII-単鎖 (rVIII-単鎖、発色活性)とともに同時投与した。これにより、rVIII-単鎖に対するD’D3含有タンパク質の比78、及び内在性VWFに対するD’D3含有タンパク質の比5.6となった(表12);rVIII-単鎖のみを投与された動物は対照として役立った。
【0261】
血液サンプルを、静脈内ボーラス注射の5分、3、8、24、32、48、56及び72時間後に交互サンプリングスキームを使用して短時間麻酔下で後眼窩で採取した。PKプロフィールを、群あたりラットの2つのコホートから取った。血液サンプルを、クエン酸ナトリウム(2部クエン酸ナトリウム3.13% + 8部血液)を使用して抗凝固剤処置し、処理して血漿とし、そして−20℃でFVIII抗原及び/又はD’D3の融合タンパク質の測定のために保存した。
【0262】
D’D3-His8及びD’D3-CTP融合タンパク質曝露を、D’D3-FPを標準として使用してELISA法により決定した(上を参照のこと)。FVIII:Ag血漿レベルを、Stago、S.A.S.、FranceからのFVIII Asserachrom ELISA試験キットを用いて検出した。
【0263】
平均滞留時間(MRT)、クリアランス(CL)及び終末相半減期(t1/2)の見積もりを一コンパートメント法により行った。
【0264】
【表14】
【0265】
結果
全ての測定されたデータ(72 h p.a.まで)は、アッセイの検出限界より十分に高かった。MRT、t1/2及びクリアランスは、D’D3-CTPが、D’D3-8Hisと比較して、より長い半減期及び平均滞留時間、さらには減少したクリアランスを有していたことを示唆するが。D’D3-8Hisさえ、わずかに長いMRT及び半減期さらには減少したクリアランスを示した(表13)。
【0266】
ELISAによりFVIII:Agとして定量化された同時投与されたFVIII(200 IU/kg発色FVIII活性)の薬物動態パラメーターは、両方のD’D3タンパク質の存在下で改善されていた(表13)。D’D3含有タンパク質の曝露の差異は、FVIII:Ag曝露における差異に変換でき、すなわち、D’D3-CTPはD’D3-8Hisより長いFVIII:Ag曝露をもたらす。
【0267】
【表15】
【0268】
PK研究結果からの結論
これらの研究は、 FVIII分子がBドメインを含有しているかどうか、Bドメインが欠失されているかどうか、又は単鎖若しくは二本鎖産物として存在するかどうかに関係なく、D’D3-FPのFVIII産物との同時投与が、FVIII:Ag血漿MRT及び半減期を延長し、そしてFVIII:Agクリアランスを増加させるということを実証した。この延長だけは、同時投与されたFVIIIに対する、さらには内在性VWFに対するD’D3-FPの比に依存した。
【0269】
終末相半減期及びMRTの増加又はクリアランスの減少が、投与されたrVIII-単鎖に対する(
図8)、さらには内在性VWF(
図9)に対するD’D3-FPのモル比に対して表される場合、ラットにおける効果は、ウサギにおけるよりも強い傾向がある。rVIII-単鎖に対するモル比に関して、ラットにおいて≦30倍の比は2倍よりも小さい変化を生じるが、より有利な効果は、>50倍の比で達成され得、そして2.7倍に等しいか又はそれ以上の改善が、約300倍の比で開始して達成され得る。750より高い比又は好ましくは1000若しくはそれ以上、好ましくは1250若しくはなおより好ましくは1500の比でさえ、週末半減期及びMRT又はクリアランスの減少のより高い改善をなお生じる。
【0270】
内在性VWFに対する比に関して、種特異的差異はより大きく、2倍の改善が、ラットにおいて(及びヒトにおいてラットと同様の内在性VWFレベルを仮定して)約≧5の比で、そしてウサギにおいて約>60の比で達成され得る。3倍の改善はラットにおいて約>50の比で達
成された。
【0271】
驚くべきことに、半減期延長部分を有していないD’D3-His8も、同時投与されたFVIIIに対して78の比、かつ/又は内在性VWFに対して5.6の比で投与された場合に、わずかにFVIII薬物動態パラメーターを延長したということが示された。より良好なFVIII半減期及び平均滞留時間の延長並びに減少したクリアランスさえ、D’D3-FPに含まれるアルブミンの代わりにヒト絨毛性ゴナドトロピン−βサブユニットのC末端ペプチドを半減期延長部分として含むD’D3-CTP融合タンパク質を用いてこれらの比で得られた。
【0272】
ラット及びウサギにおいて(ヒト血友病A患者と対照的に)、ヒト投与及び内在性FVIIIはD’D3-FP及びVWF結合部位と競合するので、ヒト血友病A患者におけるFVIIIに対する効果はより強くなりさえするということが期待され得る。
【0273】
実施例6: VWFフラグメントダイマー及びモノマーに対するFVIII親和性の決定
VWFフラグメント(1〜1242)アルブミン融合物(D’D3-FP)をバイオリアクターで発現させた;上記のように精製し、モノマー及びダイマーを単離した後、これらの調製物に対するFVIIIの親和性を、表面プラズモン共鳴によりBiacore機器(T200、GE Healthcare)を介して評価した。
【0274】
抗アルブミン抗体(MA1-20124、Thermo Scientific)を、そのN末端を介して活性化CM 3チップにNHS(N-ヒドロキシスクシンイミド)及びEDC(エタノールアミン塩酸塩)(両方ともGE Healthcareからのアミンカップリングキット(BR1000-50)に含まれる)により共有結合でカップリングした。固定化のために、抗体3 μg/mLを酢酸ナトリウム緩衝液(10 mM、pH
5.0)で希釈し、そして抗体溶液をチップ上に7分間流量10 μL/分で流した。固定化手順後に、未カップリングデキストランフィラメントを、チップ上に5分間(流量10 μL/分で)エタノールアミン溶液(1M、pH 8.3)を流すことにより飽和させた。フローセルを飽和させる目的は、検体のチップへの非特異的結合を最少にすることであった。参照フローセルを、空のフローセルを上と同じ手順を使用してエタノールアミンで飽和させることにより設定した。
【0275】
ダイマー及びモノマーD’D3-FPタンパク質を、D’D3-FPタンパク質(5 μg/mL)をチップ上に3分間(流量10 μL/分)流すことにより共有結合でカップリングされた抗アルブミン抗体にそれぞれ固定化した。ダイマーD’D3-FPの捕捉された質量は335 RUであり、そしてモノマーD’D3-FPについては147 RUであり、モノマー及びダイマーD’D3-FPの両方上にFVIIIについて1つの結合部位が推測された。
【0276】
FVIIIについての結合曲線を作成するために、各D’D3-FPタンパク質調製物をランニングバッファ(HBS-P+: 0.1M HEPES、1.5M NaCl及び0.5%体積/体積界面活性剤P20、pH 7.4;製品コードBR100671、GE Healthcare)で0.25 nM、0.5 nM、1 nM、3nM及び4 nMの濃度まで希釈した。シングルサイクルカイネティクスを行うことにより、漸増濃度の各希釈を有するサンプルをチップ上に2分間(流量30μL/分)流し、続いてランニングバッファHBS-P+を用いて10分間の解離時間であった。全ての測定を2回行った。測定手順についての温度を+25℃に調整した。
【0277】
結合パラメーターを、BiaEvaluationソフトウェアを使用して計算した。曲線フィッティング方法はラングミュア式に基づくものであった。計算のための入力データは、検体FVIII(rVIII-単鎖)のモル質量であり、最大RU及び傾きのような他のパラメーターは、フィッティングされた結合及び解離曲線から自動的に抽出された。BiaEvaluationソフトウェアの出力は、結合速度定数及び解離速度定数であり、これらから親和性定数が計算された。結果を表12に示す。
【0278】
【表16】
【0279】
結合速度定数は、モノマーD’D3-FPに対してrVIII-単鎖についてわずかに増加していたが、rVIII-単鎖のD’D3-FPダイマーへの解離速度定数は、モノマーよりも3倍遅かった。解離速度定数及び結合速度定数の商は、D’D3-FPに対するrVIII-単鎖の親和性を示す。それ故、ダイマーD’D3-FPは、D’D3-FPモノマーと比較してFVIIIに対する増加した親和性を示す。