(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御ユニットは、前記観察ユニットの位置である観察位置情報および前記観察ユニットにより得られた画像を取得し、前記観察位置情報および前記画像に基づき、前記レーザ画像情報を作成し、記憶する、請求項4または5記載の細胞処理装置。
前記観察ユニットは、前記細胞培養容器を複数の区分に分割し、各区分を撮像することにより、前記細胞培養容器の全面の細胞を撮像する、請求項4から7のいずれか一項に記載の細胞処理装置。
前記取得工程において、前記細胞培養容器を複数の区分に分割し、各区分を撮像することにより、前記細胞培養容器全面の細胞を撮像する、請求項19記載のレーザ処理方法。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明において、「Z軸方向」とは、前記細胞培養容器を細胞処理室に配置した際の細胞培養容器の底面の面方向に対する垂直方向をいい、「X軸方向」とは、前記細胞培養容器の底面の面(XY平面)方向における1方向をいい、「Y軸方向」とは、前記細胞培養容器の底面の面方向において、前記X軸方向と直交する方向をいう。
【0013】
本発明において、「細胞の処理」は、細胞に対する処理を意味し、例えば、細胞の死滅、細胞の細胞培養容器からの遊離等による、不要な細胞の除去、必要な細胞の選別、細胞シート、臓器等の細胞の集合体の形状加工等の処理があげられる。
【0014】
以下、本発明の細胞処理装置および処理方法について、図面を参照して詳細に説明する。ただし、本発明は、以下の説明に限定されない。なお、以下の
図1〜
図16において、同一部分には、同一符号を付し、その説明を省略する場合がある。また、図面においては、説明の便宜上、各部の構造は適宜簡略化して示す場合があり、各部の寸法比等は、実際とは異なり、模式的に示す場合がある。また、各実施形態は、特に言及しない限り、互いにその説明を援用できる。
【0015】
(実施形態1)
本実施形態は、細胞処理装置の一例である。
図1は、実施形態1の細胞処理装置100の構成を示す模式断面図である。
図1に示すように、細胞処理装置100は、細胞処理室1、観察ユニット2、観察移動ユニット3、レーザ投射ユニット4、レーザ移動ユニット5、および制御ユニット6を主要な構成として有する。細胞処理室1は、細胞培養容器11を配置する細胞培養容器配置部12を有する。細胞培養容器配置部12は、細胞処理室1内において、底面(
図1において、レーザ投射ユニット4側)の凹部として形成されている。細胞培養容器配置部12の底面は、レーザ光が透光可能な透光部材で形成されている。細胞培養容器11は、細胞13を含み、細胞培養容器配置部12に配置されている。細胞13は、処理対象の細胞13aおよび非処理対象の細胞13bを含む。観察ユニット2は、3つの対物レンズ21a、21b、21cを有する。レーザ投射ユニット4は、レーザ光源41、レーザ画像生成部42、投射光学系43、および筐体44を有する。レーザ光源41、レーザ画像生成部42、および投射光学系43は、筐体44内に収容されている。筐体44は、上部(
図1において、細胞処理室1側)に開口45を有する。投射光学系43は、レンズ43a、43bを有する。制御ユニット6は、観察ユニット2、観察移動ユニット3、レーザ画像生成部42、およびレーザ移動ユニット5と接続されている。細胞処理装置100は、細胞13を含む細胞培養容器11、細胞培養容器配置部12、観察移動ユニット3、投射光学系43、筐体44、およびレーザ移動ユニット5を含むが、いずれも任意の構成であり、あってもよいし、なくてもよい。
【0016】
細胞処理室1は、細胞が処理される室である。細胞処理室1は、例えば、箱状の筐体等があげられる。細胞処理室1には、例えば、細胞13を内部に含む細胞培養容器11が配置可能である。後述するように、細胞培養容器11内の細胞13は、例えば、レーザ投射ユニット4から投射されたレーザ画像により処理される。このため、細胞処理室1において細胞培養容器11の配置領域は、例えば、レーザ投射ユニット4により生成されたレーザ画像が細胞培養容器11の細胞13に対して投射可能に構成されている。具体例として、細胞培養容器11が細胞処理室1内に配置され、細胞処理室1外にレーザ投射ユニット4が配置されている場合、細胞培養容器11の配置領域は、レーザ投射ユニット4から投射されたレーザ画像が、細胞処理室1の外部から内部に透光可能に構成されていることが好ましい。本実施形態の細胞処理装置100のように、細胞処理室1が細胞培養容器配置部12を含む場合、細胞培養容器配置部12の底面は、例えば、透光部材から構成されている。前記透光部材は、例えば、前記レーザ画像等のレーザ光が透過可能な部材を意味し、具体例として、透明なガラス板、アクリル板等があげられる。本実施形態において、細胞培養容器配置部12は、細胞処理室1の一部として形成されているが、別部材として形成されてもよい。細胞培養容器配置部12は、例えば、顕微鏡等におけるステージ等があげられる。細胞処理室1は、細胞処理室1内外間の気体の移動が規制されていることが好ましい。これにより、細胞処理室1は、例えば、細胞処理装置100外の気体およびそれに含まれる埃の細胞処理室1内への流入を防止できる。本実施形態の細胞処理装置100において、細胞処理室1は、細胞13を内部に含む細胞培養容器11が細胞培養容器配置部12に配置されているが、細胞培養容器11、細胞培養容器配置部12、および細胞13は、任意の要素であり、あってもよいし、なくてもよい。また、本実施形態の細胞処理装置100は、細胞処理室1を含むが、細胞処理室1は、なくてもよい。
【0017】
細胞処理室1は、例えば、さらに細胞培養容器11の温度を調整する温度調整手段を含んでもよい。前記温度調整手段を含むことにより、細胞培養容器11内の細胞13を処理する間の培養条件を一定にでき、例えば、細胞13の撮像時および後述のレーザ画像の投射時の細胞13へのダメージを低減できる。前記温度調整手段は、例えば、ヒータ等の加温手段があげられる。細胞処理室1が細胞培養容器配置部12を含む場合、細胞培養容器配置部12は、例えば、前記温度調整手段を含む。
【0018】
細胞処理室1は、例えば、さらに細胞培養容器11内の培養液のpHを調整するpH調整手段を含んでもよい。前記pH調整手段を含むことにより、細胞培養容器11内の細胞13を処理する間の培養条件を一定にでき、例えば、細胞13の撮像時および後述のレーザ画像の投射時の細胞13へのダメージを低減できる。前記pH調整手段としては、例えば、二酸化炭素濃度調整手段等があげられ、具体例として、細胞処理装置100外の二酸化炭素供給手段と接続する接続部等があげられる。細胞処理室1が細胞培養容器配置部12を含む場合、細胞培養容器配置部12は、例えば、前記pH調整手段を含む。
【0019】
細胞培養容器11は、特に制限されず、例えば、細胞培養に用いられる公知のディッシュ、フラスコ等の培養容器があげられる。細胞培養容器11の形成材料は、特に制限されず、例えば、後述のレーザ投射ユニットにより投射されるレーザ画像を透過する材料があげられ、具体例として、レーザを透過するプラスチック、ガラス等があげられる。プラスチックは、例えば、ポリスチレン系ポリマー、アクリル系ポリマー(ポリメタクリル酸メチル(PMMA)等)、ポリビニルピリジン系ポリマー(ポリ(4−ビニルピリジン)、4−ビニルピリジン−スチレン共重合体等)、シリコーン系ポリマー(ポリジメチルシロキサン等)、ポリオレフィン系ポリマー(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等)、ポリエステルポリマー(ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等)、ポリカーボネート系ポリマー、エポキシ系ポリマー等があげられる。
【0020】
細胞培養容器11は、例えば、細胞培養容器11の内側(
図1において、細胞13側)の底面に、前記レーザを吸収する色素構造(発色団)を含むポリマー、またはレーザを吸収し酸性物質を発生する光酸発生剤により形成されるレーザ吸収層を含むことが好ましい。前記色素構造および光酸発生剤は、例えば、特許6033980号公報の説明を援用できる。細胞培養容器11は、前記レーザ吸収層を含むことで、例えば、後述の細胞処理装置のレーザ投射ユニットでレーザを投射した際に、前記レーザのエネルギーを熱、酸等に変換し、前記レーザ吸収層の上部に存在する細胞を死滅、遊離等させることができる。
【0021】
細胞13は、例えば、細胞、細胞から構成される細胞塊、組織、臓器等があげられる。前記細胞は、例えば、培養細胞でもよいし、生体から単離した細胞でもよい。また、前記細胞塊、組織または臓器は、例えば、前記細胞から作製した細胞塊、細胞シート、組織または臓器でもよいし、生体から単離した細胞塊、組織または臓器でもよい。
【0022】
観察ユニット2は、細胞13を観察可能である。具体的には、観察ユニット2は、細胞培養容器11内の細胞13を観察可能である。観察ユニット2は、公知の細胞の観察装置が使用でき、具体例として、光学顕微鏡、電子顕微鏡等があげられる。前記光学顕微鏡は、例えば、位相差顕微鏡、微分干渉顕微鏡、偏光顕微鏡、蛍光顕微鏡、共焦点レーザ顕微鏡、全反射照明蛍光顕微鏡、ラマン顕微鏡、CARS(Coherent Anti-Stokes Raman Scattering)顕微鏡、SRS(stimulated Raman scattering)顕微鏡等があげられる。観察ユニット2が前記光学顕微鏡の場合、観察移動ユニット3は、光源を含むことが好ましい。前記光源は、特に制限されず、例えば、前記光学顕微鏡の種類に応じて、適宜決定でき、具体例として、ハロゲンランプ、タングステンランプ、白色LED(Light Emitting Diode)等があげられる。前記光源の配置場所は、特に制限されず、前記光学顕微鏡の種類に応じて、適宜設定でき、具体例として、細胞処理室1内等があげられる。前記光源が細胞処理室1内に配置される場合、観察移動ユニット3は、例えば、前記光源を移動可能な光源移動ユニットを含むことが好ましい。この場合、前記光源移動ユニットは、例えば、観察ユニット2により細胞13を観察する際に、前記光源から発せられた照明光が細胞13に照射されることで、観察ユニット2による細胞13の観察が可能となるように、前記光源を移動する。対物レンズ21a、21b、21cは、例えば、細胞13の像を目的の倍率に拡大するレンズである。対物レンズ21a、21b、21cは、例えば、切り替え可能である。対物レンズ21a、21b、21cは、例えば、公知のレンズまたはレンズ系が使用でき、目的の倍率に応じて適宜選択できる。本実施形態の細胞処理装置100において、対物レンズ21は、3つであるが、対物レンズ21a、21b、21cは、1つでもよいし、2つ以上でもよい。対物レンズ21a、21b、21cが2つ以上の場合、各対物レンズ21は、互いに異なる倍率に拡大可能であることが好ましい。本実施形態の細胞処理装置100において、観察ユニット2は、3つの対物レンズ21a、21b、21cを有するが、対物レンズ21a、21b、21cは任意の構成であり、あってもよいし、なくてもよい。
【0023】
観察ユニット2は、例えば、細胞培養容器11内の細胞13を撮像可能でもよい。この場合、観察ユニット2は、例えば、撮像素子を含む。前記撮像素子は、例えば、公知の撮像素子が使用でき、具体例として、Charge-Coupled Device(CCD、電荷結合素子)、Complementary Metal Oxide Semiconductor(CMOS)等を備える素子があげられる。観察ユニット2は、例えば、細胞培養容器11内の一部または全面の細胞13を撮像する。観察ユニット2が細胞培養容器11内の全面の細胞13を撮像する場合、観察ユニット2は、細胞培養容器11内の全面の細胞13を1回または複数回で撮像する。観察ユニット2が複数回で撮像する場合、細胞培養容器11を複数の区分に分割して、各区分を撮像することにより、細胞培養容器11内の全面の細胞13を撮像してもよい。前記各区分は、例えば、他の区分との重なりが生じないように設定してもよいし、その一部が、他の区分と重なるように設定してもよい。観察ユニット2は、例えば、各区分を1回または複数回撮像する。観察ユニット2が細胞13を撮像可能な場合、制御ユニット6は、例えば、得られた画像を記憶してもよい。前記各区分の形状は、特に制限されず、観察ユニット2の観察または撮像可能な視野の形状に応じて適宜決定できる。前記各区分が帯状の場合、観察ユニット2は、例えば、ラインスキャンカメラ等を使用できる。観察ユニット2は、例えば、その位置情報を取得してもよい。前記位置情報は、例えば、XY軸における座標(二次元座標)、XYZ軸における座標(三次元座標)等があげられる。観察移動ユニット2による撮像は、例えば、後述するように、制御ユニット6により制御される。
【0024】
観察移動ユニット3は、観察ユニット2を移動可能である。観察移動ユニット3は、例えば、公知の移動手段(駆動手段)があげられる。観察移動ユニット3の移動方向は、特に制限されず、例えば、X軸方向、Y軸方向、およびZ軸方向のうちのいずれか1方向、2方向または全方向である。観察移動ユニット3は、例えば、観察ユニット2により、細胞培養容器11内の所望の位置を観察または撮像可能となるように、観察ユニット2を移動できる。前述のように、観察ユニット2が光源を含む場合、観察移動ユニット3は、例えば、前記光源を移動可能であってもよい。この場合、観察移動ユニット3は、例えば、観察ユニット2および前記光源を1つの移動手段で移動させてもよいし、2つ以上の移動手段で別々に移動させてもよい。観察移動ユニット3は、例えば、その位置情報を取得してもよい。前記位置情報は、例えば、XY軸における座標(二次元座標)、XYZ軸における座標(三次元座標)等があげられる。観察移動ユニット3が位置情報を取得する場合、観察移動ユニット3は、例えば、その位置情報を、観察ユニット2の位置情報として取得してもよい。観察移動ユニット3は、例えば、観察ユニット2を移動可能に配置されていればよく、使用する移動手段に応じて適宜配置できる。観察移動ユニット3による移動は、例えば、後述するように、制御ユニット6により制御される。
【0025】
レーザ投射ユニット4は、細胞13に対してレーザ画像を投射可能である。本実施形態の細胞処理装置100において、レーザ投射ユニット4は、レーザ光源41、レーザ画像生成部42、投射光学系43、および開口45を有する筐体44を含むが、レーザ投射ユニット4は、レーザ画像生成部42で生成されたレーザ画像を細胞13に対して投射可能であればよい。本実施形態の細胞処理装置100において、レーザ光源41から発振されたレーザ光は、例えば、レンズ43aを通過後、レーザ画像生成部42において、処理対象の細胞13aに投射されるレーザ画像の画像光に変換される。そして、前記画像光は、例えば、レンズ43bおよび筐体44の開口45を通過し、処理対象の細胞13aに投射される。前記レーザ画像は、例えば、前記レーザ光により細胞13に投射される画像を意味する。また、前記画像光は、例えば、処理対象の細胞13aに対して前記レーザ画像を投射可能なように変調されたレーザ光を意味する。レーザ投射ユニット4は、例えば、その位置情報を取得してもよい。前記位置情報は、例えば、XY軸における座標(二次元座標)、XYZ軸における座標(三次元座標)等があげられる。レーザ投射ユニット4は、例えば、後述するように、制御ユニット6により制御される。
【0026】
レーザ投射ユニット4は、例えば、細胞培養容器11内の一部または全面に前記レーザ画像を投射することで、細胞13にレーザ画像を投射する。レーザ投射ユニット4は、例えば、細胞13に直接または間接的にレーザ画像を投射する。前記直接的な投射は、例えば、細胞13に、前記レーザ画像を構成するレーザ光を投射することを意味する。前記間接的な投射は、例えば、細胞13に隣接し、かつ前記レーザ画像を構成するレーザ光を吸収するレーザ吸収層に投射することを意味する。細胞培養容器11が後述するレーザ吸収層を有する場合、レーザ投射ユニット4は、前記レーザ画像を前記レーザ吸収層に投射することが好ましい。レーザ投射ユニット4は、例えば、前記レーザ画像を投射する領域を区分し、各区分に対応するように分割されたレーザ画像を各区分に投射することにより、細胞13にレーザ画像を投射してもよい。前記各区分に投射するレーザ画像は、例えば、分割画像ということもできる。このように、本実施形態の細胞処理装置100は、例えば、前記レーザ画像を投射する領域を複数の区分に分割し、細胞13にレーザ画像を投射することにより、レーザ投射ユニット4が、一回のレーザ画像で投射可能な領域より広い領域についても、細胞13の処理を実施することができる。前記各区分は、例えば、他の区分との重なりが生じないように設定してもよいし、その一部が、他の区分と重なるように設定してもよい。前記各区分の形状は、特に制限されず、レーザ投射ユニット4の投射可能な撮像画像の形状に応じて適宜決定できる。前記各区分の形状が帯状等の方形状の場合、レーザ投射ユニット4は、例えば、一端から他端に向かって、連続または非連続的に、レーザ画像を投射してもよい。この場合、後述のレーザ移動ユニット5が、例えば、一端から他端に向かって、連続または非連続的に、レーザ投射ユニット4を移動させる。
【0027】
レーザ光源41は、例えば、連続波レーザまたはパルスレーザを発振する装置である。レーザ光源41は、例えば、連続波に近い、パルス幅の長い高周波レーザでもよい。レーザ光源41から発振されるレーザの出力は、特に制限されず、例えば、処理および細胞に応じて、適宜決定できる。レーザ光源41が発振するレーザの波長は、特に制限されず、例えば、405nm、450nm、520nm、532nm、808nm等の可視光レーザ、赤外線レーザ等があげられる。前述のように、細胞培養容器11にレーザ吸収層を設けている場合、レーザ光源41は、例えば、前記レーザ吸収層が吸収可能な波長を発振する。レーザ光源41は、細胞13への影響を抑制できることから、波長が380nmより長いレーザを発振することが好ましい。具体例として、レーザ光源41は、波長が405nm近傍にある最大出力5Wの連続波ダイオードレーザがあげられる。
【0028】
本実施形態の細胞処理装置100において、レーザ光源41から発振されたレーザ光を直接的に用いて、前記レーザ画像を投射しているが、導光手段を用いてレーザ光を導光し、導光されたレーザを用いて、前記レーザ画像を投射してもよい。前記導光手段は、例えば、光ファイバ、ミラー、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)等があげられる。この場合、本実施形態の細胞処理装置100は、例えば、レーザ光源41に加え、例えば、導光されたレーザ光を出射するレーザ出射部を含み、レーザ光源41と前記レーザ出射部とは光学的に接続されている。
【0029】
レーザ画像生成部42は、レーザ光源41から発振されたレーザ光から細胞13に投射するレーザ画像を生成する。レーザ画像生成部42は、例えば、前記レーザ光から細胞13に投射した際に所望のレーザ画像となる画像光を生成できればよい。レーザ画像生成部42は、例えば、空間変調素子があげられる。前記空間変調素子は、例えば、前記レーザ光を前記レーザ画像に応じて変調した画像光を形成する。前記空間変調素子は、例えば、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)、液晶パネル等があげられる。レーザ画像生成部42は、例えば、後述するように、制御ユニット6により制御される。レーザ画像生成部42がDMDの場合、DMDは、レーザ光源41から発振されたレーザ光の一部または全部の強度分布を変化させることにより、より具体的には、前記レーザ光の一部または全部を細胞13方向に反射することにより、細胞13にレーザ画像を投射する。また、レーザ画像生成部42が液晶パネルの場合、前記液晶パネルは、レーザ光源41から発振されたレーザ光の一部または全部を細胞13方向に透過することにより、細胞13にレーザ画像を投射する。本実施形態の細胞処理装置100は、レーザ光源41から発振されたレーザ光を細胞13に直接的に投射するのではなく、レーザ画像生成部42により前記レーザ光から細胞13に投射するレーザ画像を生成し、これを投射する。
【0030】
投射光学系43は、例えば、レーザ光源41からのレーザ光を細胞培養容器11内の細胞13に導光する光学系である。本実施形態の細胞処理装置100において、投射光学系43は、2枚のレンズ43a、43bを含む。レンズ43aは、例えば、光源レンズということもできる。前記光源レンズは、例えば、レーザ光源41から投射されたレーザ光を集光するレンズである。前記光源レンズは、例えば、公知のレンズまたはレンズ系が使用でき、細胞13または前記レーザ吸収層が存在する面を均一に照明できるケーラー照明となるレンズまたはレンズ系が好ましい。レンズ43bは、例えば、投射レンズということもできる。前記投射レンズは、例えば、前記レーザ画像の画像光を細胞13に投射させるレンズである。前記投射レンズは、例えば、公知のレンズまたはレンズ系が使用できる。投射光学系43は、例えば、リレーレンズ、フライアイレンズ、ロッドレンズ、拡散板等のレンズ、内部全反射プリズム(TIRプリズム)等のプリズム、ミラー等の他の構成を含んでもよい。
【0031】
本実施形態において、レーザ投射ユニット4を構成するレーザ光源41、レーザ画像生成部42、および投射光学系43は、筐体44に収容されているが、レーザ画像生成部42、および投射光学系43は、筐体44に収容されなくてもよい。本実施形態の細胞処理装置100において、筐体44は、開口45を有するが、開口45を有さなくてもよい。この場合、筐体44は、例えば、前記レーザ画像を投射可能な透光部を有することが好ましい。前記透光部は、例えば、前記透光部材で形成されている。
【0032】
レーザ移動ユニット5は、レーザ投射ユニット4を移動可能である。レーザ移動ユニット5は、例えば、公知の移動手段(駆動手段)があげられる。レーザ移動ユニット5の移動方向は、特に制限されず、例えば、X軸方向、Y軸方向、およびZ軸方向のうちのいずれか1方向、2方向または全方向である。レーザ移動ユニット5は、例えば、レーザ投射ユニット4により、細胞培養容器11内の所望の位置の細胞13にレーザ画像を投射可能となるように、レーザ投射ユニット4を移動できる。レーザ移動ユニット5は、例えば、レーザ投射ユニット4の各構成のうち、いずれか1つ以上を移動手段で移動させてもよいし、2つ以上を移動手段で別々に移動させてもよい。レーザ移動ユニット5は、例えば、その位置情報を取得してもよい。前記位置情報は、例えば、XY軸における座標(二次元座標)、XYZ軸における座標(三次元座標)等があげられる。レーザ移動ユニット5が位置情報を取得する場合、レーザ移動ユニット5は、例えば、その位置情報を、レーザ投射ユニット4の位置情報として取得してもよい。レーザ移動ユニット5は、例えば、レーザ投射ユニット4を移動可能に配置されていればよく、使用する移動手段に応じて適宜配置できる。レーザ移動ユニット5による移動は、例えば、後述するように、制御ユニット6により制御される。
【0033】
制御ユニット6は、パーソナルコンピュータ、サーバコンピュータ、ワークステーション等と類似する構成を含む。
図2は、本実施形態の細胞処理装置100における制御ユニット6の一例を示すブロック図である。
図2に示すように、制御ユニット6は、中央演算装置(CPU)61、メインメモリ62、補助記憶デバイス63、ビデオコーデック64、I/O(input-output)インターフェイス65等を含み、これらがコントローラ(システムコントローラ、I/Oコントローラ等)66により制御され、連携動作する。補助記憶デバイス63は、フラッシュメモリ、ハードディスクドライブ等の記憶手段があげられる。ビデオコーデック64は、CPU61より受けた描画指示をもとに表示する画面を生成し、その画面信号を、例えば、細胞処理装置100外の表示装置等に向けて送信するGPU(Graphics Processing Unit)、画面および画像のデータを一時的に記憶しておくビデオメモリ等を含む。I/Oインターフェイス65は、観察ユニット2、観察移動ユニット3、レーザ画像生成部42、およびレーザ移動ユニット5等の各部材と通信可能に接続してこれらを制御するためのデバイスである。I/Oインターフェイス65は、サーボドライバ(サーボコントローラ)を含んでもよい。また、I/Oインターフェイス65は、例えば、細胞処理装置100外の入力手段と接続してもよい。表示装置は、映像により出力するモニター(例えば、液晶ディスプレイ(LCD)、ブラウン管(CRT)ディスプレイ等の各種画像表示装置等)等があげられる。入力装置は、ユーザが手指で操作可能なタッチパネル、トラックパッド、マウス等のポインティングデバイス、キーボード、押下ボタン等があげられる。
【0034】
制御ユニット6が実行するプログラムおよび各情報は、補助記憶デバイス63に記憶されている。前記プログラムは、実行時にメインメモリ62に読み込まれ、CPU61によって解読される。そして、制御ユニット6は、プログラムに従い、各部材を制御する。制御ユニット6による各部材の制御については、後述する。
【0035】
本実施形態の細胞処理装置100は、制御ユニット6に、観察ユニット2、観察移動ユニット3、レーザ画像生成部42、およびレーザ移動ユニット5の制御機能を持たせることで、各部材に制御部を個別に設けなくてもよいため、装置の小型化を実現できる。ただし、本発明はこれに限定されない。本実施形態の細胞処理装置100は、例えば、制御ユニット6として、観察ユニット2、観察移動ユニット3、レーザ画像生成部42、およびレーザ移動ユニット5のそれぞれに制御ユニットを設け、各部材の制御ユニットにより、各部材を制御してもよい。また、本実施形態の細胞処理装置100は、例えば、制御ユニット6と各部材の制御ユニットとを設け、共同して各部材を制御してもよい。また、制御ユニット6は、一つの半導体素子で構成しても良いし、複数の半導体素子をワンパッケージしたチップとしても良いし、複数の半導体素子を基板上に設けた構成でもよい。
【0036】
つぎに、本実施形態の細胞処理装置100における制御ユニット6の動作および細胞処理装置100を用いた細胞の処理方法について説明する。
【0037】
制御ユニット6は、レーザ画像生成部42によるレーザ画像の生成を制御する。具体的には、制御ユニット6は、例えば、レーザ投射ユニット4の位置と、レーザ投射ユニット4の位置において細胞13に投射するレーザ画像とを関連付けたレーザ画像情報を記憶している。そして、制御ユニット6は、レーザ投射ユニット4の位置であるレーザ位置情報を取得し、前記レーザ位置情報および前記レーザ画像情報に基づき、レーザ投射ユニット4の位置と関連付けたレーザ画像を生成するように、レーザ画像生成部42を制御する。このため、制御ユニット6は、例えば、まず、前記レーザ画像情報を取得し、制御ユニット6の補助記憶デバイス63に記憶させる。前記レーザ画像情報は、例えば、予め他の細胞の観察装置、細胞処理装置等で取得した情報でもよいし、本実施形態の細胞処理装置100の使用者が入力した情報でもよいし、本実施形態の細胞処理装置100で取得した情報でもよいが、より正確に細胞13を処理できることから、本実施形態の細胞処理装置100で取得した情報が好ましい。
【0038】
本実施形態の細胞処理装置100を用いて前記レーザ画像情報を取得する場合、前記レーザ画像情報は、例えば、以下のように取得する。
図3は、本実施形態の細胞処理装置100を用いて前記レーザ画像情報を取得する工程を示すフローチャートである。
図3に示すように、前記レーザ画像情報は、S1工程(撮像)およびS2工程(レーザ画像情報作成)を含む。
【0039】
まず、撮像工程では、細胞処理装置100に配置された細胞13を含む細胞培養容器11について、撮像する(S1)。具体的には、制御ユニット6は、観察ユニット2および観察移動ユニット3を制御して、細胞13を含む画像および前記画像取得時に観察ユニット2の位置である観察位置情報を取得する。この際に、制御ユニット6は、観察ユニット2により細胞培養容器11の一部または全面(対象領域)を撮像する。制御ユニット6は、細胞培養容器11内の対象領域を複数の区分に分割し、観察ユニット2および観察移動ユニット3を制御して、各区分を撮像してもよい。前記各区分を撮像する場合、制御ユニット6は、各区分の画像を統合してもよい。このように、複数の区分に分割し、各区分を撮像することにより、細胞培養容器11が大きな場合および撮像しようとする領域が観察ユニット2により一度に撮像できる領域より大きい場合にも、効率よく撮像することができる。また、制御ユニット6が、観察ユニット2により細胞培養容器11の全面を撮像する場合、前記各区分の画像を統合し、細胞培養容器11の全面の画像を取得することが好ましい。前記各区分の画像の統合方法は、特に制限されず、公知の画像処理方法により実施できる。制御ユニット6は、例えば、前記観察位置情報に基づき、撮像された各画像の画素に対して位置情報を付与してもよい。観察ユニット2がラインカメラを備える場合、前記撮像工程では、前記対象領域を前記ラインカメラで撮像可能な所定幅の複数の区分に分割し、各区分を撮像してもよい。また、観察ユニット2が高解像度の撮像素子を備える場合、前記撮像工程では、前記対象領域が一視野に収まるように撮像してもよい。
【0040】
つぎに、レーザ画像情報作成工程では、観察ユニット2により得られた画像および前記観察位置情報に基づき、前記レーザ画像情報を作成する(S2)。具体的には、制御ユニット6は、観察ユニット2により得られた画像において、処理対象の細胞13aおよび処理対象でない細胞13bを検出し、細胞13aが存在する領域をレーザ光の投射領域として、細胞13bが存在する領域をレーザ光の非投射領域として、レーザ光の投射の有無および/または強度を規定するレーザ画像を作成する。観察ユニット2により取得された画像における細胞13a、13bの検出方法は、特に制限されず、公知の細胞の判別方法により実施でき、具体例として、細胞13a、13bを検出できるように深層学習させた学習済モデルを用いて、細胞13a、13bを検出する方法があげられる。細胞13a、13bの検出は、例えば、細胞処理装置100の作業者が入力することにより、実施されてもよい。前記レーザ画像は、例えば、処理対象の細胞13aおよび処理対象でない細胞13bのいずれかを検出し、作成してもよい。そして、前記観察位置情報および後述のレーザ投射ユニット4の位置であるレーザ位置情報が同じ座標平面の場合、制御ユニット6は、前記観察位置情報に基づき、前記レーザ画像の画素に対して位置情報を付与することで、前記レーザ位置情報と前記レーザ画像とを関連づけたレーザ画像情報を作成する。他方、前記観察位置情報および後述のレーザ位置情報が異なる座標平面の場合、制御ユニット6は、前記観察位置情報を、前記レーザ位置情報の座標平面の位置情報に変換後、前記レーザ画像の画素に対して変換された位置情報を付与することで、前記レーザ位置情報と前記レーザ画像とを関連づけたレーザ画像情報を作成する。このようにして、制御ユニット6は、レーザ画像情報を取得できる。そして、制御ユニット6は、前記レーザ画像情報を補助記憶デバイス63に記憶させる。
【0041】
レーザ投射ユニット4が、レーザ画像を投射する領域を区分し、各区分に対応するように分割されたレーザ画像を投射する場合、制御ユニット6は、例えば、前記レーザ画像を、各区分(例えば、所定幅)の分割画像に分割する。そして、前記観察位置情報および後述のレーザ投射ユニット4の位置であるレーザ位置情報が同じ座標平面の場合、制御ユニット6は、前記観察位置情報に基づき、各分割画像の画素に対して位置情報を付与することで、前記レーザ位置情報と前記分割画像とを関連づけたレーザ画像情報である分割画像情報を作成する。他方、前記観察位置情報および後述のレーザ位置情報が異なる座標平面の場合、制御ユニット6は、前記観察位置情報を、前記レーザ位置情報の座標平面の位置情報に変換後、各分割画像の画素に対して変換された位置情報を付与することで、前記レーザ位置情報と前記分割画像とを関連づけたレーザ画像情報である分割画像情報を作成する。このようにして、制御ユニット6は、レーザ画像情報を取得できる。そして、制御ユニット6は、前記レーザ画像情報を補助記憶デバイス63に記憶させる。
【0042】
つぎに、本実施形態の細胞処理装置100および前記レーザ画像情報を用いて細胞を処理する場合、細胞の処理は、例えば、以下に説明するように、S3工程(レーザ処理)を実施できる。
【0043】
レーザ処理工程では、レーザ投射ユニット4の位置情報であるレーザ位置情報および前記レーザ画像情報に基づき、レーザ投射ユニット4により、前記レーザ画像を細胞13に投射する。具体的には、制御ユニット6は、まず、前記レーザ位置情報を取得する。つぎに、前記レーザ位置情報および前記レーザ画像情報に基づき、レーザ投射ユニット4の現在位置と関連づけられたレーザ画像があるかを判断する。そして、Noの場合、制御ユニット6は、レーザ移動ユニット5により、レーザ投射ユニット4を移動させる。他方、Yesの場合、制御ユニット6は、前記関連づけられたレーザ画像を読み出し、レーザ光源41から発振されたレーザ光から細胞13に投射させるレーザ画像として、前記関連づけられたレーザ画像を生成するように、レーザ画像生成部42を制御する。そして、レーザ投射ユニット4は、細胞13に対して、前記関連づけられたレーザ画像を投射することで、処理対象の細胞13aを処理する。前記レーザ画像の投射時間は、特に制限されず、例えば、実施する処理の種類に応じて、適宜設定できる。このような処理を、細胞培養容器11において、処理対象の細胞13aに対する処理が終了するまで繰り返し実施することにより、細胞培養容器11内の細胞に対する処理を実施できる。前記レーザ処理工程では、例えば、細胞培養容器11内の一部または全面の細胞に対してレーザ画像を投射する。
【0044】
前記レーザ処理工程において、制御ユニット6は、例えば、
図4(A)に示すように、レーザ移動ユニット5を細胞培養容器11の一端のレーザ画像の投射開始位置P
Sから、細胞培養容器11の他端のレーザ投射終了位置P
Eまで移動するよう制御することが好ましい。前記移動は、例えば、
図4(A)において、矢印で示すように、略直線状であることが好ましい。また、レーザ移動ユニット5が投射開始位置P
Sからレーザ投射終了位置P
Eまで移動する場合、場合、制御ユニット6は、レーザ投射ユニット4が、細胞培養容器11の一端のレーザ画像の投射開始位置から、細胞培養容器11の他端のレーザ画像の投射終了位置まで、関連づけられたレーザ画像を投射するように制御することが好ましい。このような構成を採用することにより、制御ユニット6が、レーザ移動ユニット5を移動するよう制御し、処理対象の細胞13aが存在する領域を探索する時間を抑制できるため、より効率よく、細胞培養容器11内の細胞13aを処理できる。このため、細胞処理装置100は、細胞を処理する際の処理時間の変動をより抑制できる。レーザ投射ユニット4は、例えば、前記関連づけられたレーザ画像を連続または非連続的に投射する。レーザ投射ユニット4が前記関連づけられたレーザ画像を連続的に投射する場合、制御ユニット6は、例えば、レーザ移動ユニット5を連続的に移動するよう制御する。レーザ移動ユニット5は、レーザ投射ユニット4を、前記投射開始位置から前記投射終了位置まで略等速度または等速度で移動させることが好ましい。これにより、細胞処理装置100は、処理対象の細胞13aに投射されるレーザの量を一定化することができる。また、制御ユニット6は、例えば、関連づけられたレーザ画像Iにおいて、
図4(B)の破線で示す領域を矢印方向に沿って、一端から他端に向かって連続的に読み出す。そして、制御ユニット6は、例えば、読み出されたレーザ画像を生成するように、レーザ画像生成部42を制御する。これにより、レーザ投射ユニット4は、前記投射開始位置から前記投射終了位置まで、レーザ投射ユニット4の位置に対応するレーザ画像を投射できる。前記破線で示す領域は、例えば、レーザ投射ユニット4により1回で投射可能な領域を意味する。他方、レーザ投射ユニット4が前記関連づけられたレーザ画像を非連続的に投射する場合、制御ユニット6は、例えば、レーザ移動ユニット5を非連続的に移動するよう制御する。具体的には、制御ユニット6は、例えば、レーザ移動ユニット5により、レーザ移動ユニット5をレーザ位置情報P
1、P
2、・・・、P
nの位置に移動させる。この際に、制御ユニット6は、例えば、レーザ移動ユニット5により、レーザ投射ユニット4をレーザ位置情報P
m(m:1〜nの整数)の位置に移動させた後、所定時間、レーザ移動ユニット5による移動を停止してもよい。前記所定時間は、例えば、レーザ投射ユニット4によるレーザ画像(画像光)の投射時間に応じて適宜設定できる。また、制御ユニット6は、例えば、
図4(C)に示すように、レーザ位置情報P
1、P
2、・・・、P
nに関連づけられたレーザ画像I
1、I
2、・・・、I
nをそれぞれ読み出す。そして、制御ユニット6は、例えば、レーザ移動ユニット5により、レーザ投射ユニット4が各レーザ画像と関連づけられた位置であるP
1、P
2、・・・、P
nの位置に移動した際に、前記関連づけられたレーザ画像I
1、I
2、・・・、I
nを生成するように、レーザ画像生成部42を制御する。
【0045】
前記レーザ画像情報が、前記レーザ位置情報と前記分割画像とを関連づけた分割画像情報である場合、制御ユニット6は、
図5に示すように、分割画像を投射してもよい。具体的には、制御ユニット6は、
図5のL1に示すように、レーザ移動ユニット5を、細胞培養容器11の一端の分割画像の投射開始位置から、矢印方向に沿って、細胞培養容器11の他端の分割画像の投射終了位置まで、連続または非連続的に移動するように制御する。また、制御ユニット6は、例えば、関連づけられた分割画像L1を連続または非連続的に読み出す。そして、制御ユニット6は、例えば、読み出された分割画像を生成するように、レーザ画像生成部42を制御する。つぎに、制御ユニット6は、例えば、レーザ移動ユニット5を、レーザ移動ユニット5の移動方向との略直交方向に移動させる。前記略直交方向の移動距離は、例えば、分割画像L1の幅(
図5における上下方向の長さW)である。このような幅に設定することで、細胞処理装置100は、細胞13に対する複数回のレーザ画像の投射を抑制できるため、例えば、処理対象でない細胞13bへのダメージを抑制できる。さらに、制御ユニット6は、
図5のL2に示すように、レーザ移動ユニット5を、細胞培養容器11の一端の分割画像の投射開始位置から、矢印方向に沿って、細胞培養容器11の他端の分割画像の投射終了位置まで、連続または非連続的に移動するように制御する。また、制御ユニット6は、例えば、関連づけられた分割画像L2を連続または非連続的に読み出す。そして、制御ユニット6は、例えば、読み出された分割画像を生成するように、レーザ画像生成部42を制御する。そして、制御ユニット6は、細胞培養容器11内の全面の細胞13を処理する場合、同様の動作を、レーザ移動ユニット5による分割画像L13の投射が終了するまで繰り返す。分割画像L1〜L13の読み出しおよび投射は、例えば、レーザ画像Iの読み出しおよび投射と同様に実施できる。このような構成を採用することにより、細胞培養容器11における一定領域または全領域に存在する細胞13aをさらに効率よく処理できる。このため、細胞を処理する際の処理時間の変動をさらに抑制できる。
【0046】
本実施形態の細胞処理装置100は、前記レーザ画像を投射するため、点の照射となるレーザ光の直接的な照射とは異なり、前記レーザ光を面として照射できる。前記レーザ光の直接照射の場合、処理対象の細胞13aの数が大きく変動すると、前記レーザ光を照射する面積も大きく変動するため、前記レーザ光の照射時間は大きく変動する。すなわち、処理時間が、大きく変動する。これに対して、本実施形態の細胞処理装置100のように、面として前記レーザ光を照射する場合、処理対象の細胞13aの数が大きく変動しても、前記レーザ画像内において、レーザ光を照射する場所(細胞13aの存在箇所)およびレーザ光を照射しない場所(細胞13bの存在箇所)を変更すればよく、1回の投射でレーザ画像を投射する面積は変動しない。このため、本実施形態の細胞処理装置100によれば、前記レーザ光の直接照射の場合と比較して、前記レーザ光を用いて細胞13aを処理する際の処理時間の変動を抑制できる。これらの効果は、後述の細胞処理装置においても同様である。
【0047】
(実施形態2)
本実施形態は、細胞処理装置の一例である。
図6〜
図15に、本実施形態の細胞処理装置の構成の一例を示す。
図6は、本実施形態の細胞処理装置の構成の一例を示す斜視図であり、
図7は、本実施形態の細胞処理装置における第1領域、第2領域、および第3領域の構成を示す模式断面図であり、
図8は、本実施形態の細胞処理装置の第1領域の構成の一例を示す斜視図であり、
図9は、
図6におけるI−I方向からみた第1領域の断面図であり、
図10において、(a)は、本実施形態の細胞処理装置における培養容器配置部の一例を示す分解斜視図であり、(b)は、
図10(a)におけるIII-III方向からみた断面図であり、
図11は、前記第1領域の外壁を外した場合における第1領域および循環手段の斜視図であり、
図12は、
図6におけるII-II方向からみた前記第1領域の上部および前記循環手段の断面図であり、
図13において、(a)は、本実施形態の細胞処理装置の第2領域の構成の一例を示す斜視図であり、(b)は、前記第2領域の構成の他の例を示す斜視図であり、
図14は、本実施形態の細胞処理装置における制御ユニットの一例を示すブロック図であり、
図15は、本実施形態の細胞処理装置の構成の他の例を示す斜視図である。
【0048】
図6に示すように、本実施形態の細胞処理装置200は、第1領域である第1室71(以下、「細胞処理室1」ともいう)と、第2領域である第2室72と、第3領域である第3室73と、循環手段24とを含み、第1室71と、第2室72と、第3室73とが、この順番で上から下方向に連続して配置されている。本実施形態の細胞処理装置200は、循環手段24を含むが、循環手段24は、任意の構成であり、あってもよいし、なくてもよい。また、第1室71、第2室72および第3室73の位置関係は、第1室71と第2室72とが連続(隣接)して配置されていればよく、第3室73は、任意の位置に配置できる。第3室73は、例えば、
図15に示すように、第1室71と第2室72とは別個に配置してもよい。
図15に示すように、第3室73が、第1室71および第2室72と別個に配置されている場合、細胞処理装置200は、例えば、細胞処理システムということもできる。前記細胞処理システムは、例えば、卓上型のシステムとしてもよい。各領域の形成材料は、特に制限されず、例えば、ステンレス板、防錆処理された鉄板、真空成型、射出成型、圧空成型等による成型が可能な樹脂板等があげられる。各領域の形成材料は、後述する観察ユニットにより、細胞培養容器11内の細胞13をより明確に撮像できることから、非透光性の材料であることが好ましい。前記「非透光性」は、例えば、前記観察ユニットによる撮像に影響を与える波長の光の透過を抑制することを意味する。前記観察ユニットが蛍光観察可能な場合、前記光の波長は、例えば、検出する蛍光に対応する波長があげられる。具体例として、前記非透光性の材料は、例えば、前述の各領域の形成材料等があげられる。各領域の大きさおよび形状は、特に制限されず、各領域内に配置する部材(ユニット)の大きさおよび形状に応じて適宜設定できる。本実施形態の細胞処理装置200において、第1室71と第2室72とは、別個の筐体で構成し、第1室71を構成する筐体および第2室72を構成する筐体を隣接して配置しているが、これに限定されず、第1室71と第2室72とを1つの筐体で構成し、1つの筐体内で、第1室71と第2室72とを区分けすることで構成してもよい。本実施形態の細胞処理装置200は、第1室71および第2室72を別個の筐体で構成することにより、例えば、細胞処理装置200内の各部材のメンテナンスを容易に実施でき、また、細胞処理装置200の組み立てが容易となる。本実施形態において、第1室71が、細胞処理室1である、すなわち、第1室71が、1つの細胞処理室1を含む。細胞処理装置200は、これに限定されず、2以上の細胞処理室1を含んでもよい。この場合、各細胞処理室1は、壁等により、第1室71内で分離されていることが好ましい。第1室71は、第2室72の上部に配置されていることが好ましい。細胞培養容器11の上部から後述するレーザ投射ユニット4によりレーザを照射する場合、レーザ投射ユニット4の焦点位置を安定化させるために、細胞培養容器11内の培地内に、開口45を配置する必要がある。しかしながら、この状態でレーザ照射を行なうと、前記培地の成分が、開口45周囲に固着する、焼き付く等の問題が生じ、開口45に汚れが生じる。このため、本実施形態の細胞処理装置200のように配置することで、例えば、後述するレーザ投射ユニット4で、細胞培養容器11内の細胞を処理する際に、レーザ投射ユニット4のレーザ出射口の汚れを抑制できる。したがって、本発明の細胞処理装置200によれば、例えば、レーザ投射ユニット4から出射されるレーザの出力を安定化することができ、効率よく細胞を処理できる。
【0049】
つぎに、
図7に示すように、本実施形態の細胞処理装置200は、細胞培養容器配置ユニット12、観察ユニット2、光源移動ユニット31、レーザ投射ユニット4、レーザ移動ユニット51、および制御ユニット6を主要な構成として含む観察ユニットと、レーザ投射ユニット4とを主要な構成として含む。本実施形態の細胞処理装置200において、レーザ投射ユニット4および光源26を除く観察ユニット2の構成は、実施形態1の細胞処理装置100と同様であり、その説明を援用できる。なお、
図7において、後述する第1室71の二重壁の外壁は、省略している。本実施形態の細胞処理装置200において、観察ユニット2は、光源26を含む。前記観察移動ユニットである光源移動ユニット31は、XYステージ31aおよびアーム31bを含む。レーザ移動ユニット51は、XYステージ51bおよび台車51a、51cを含む。第1室71(細胞処理室1)には、光源26と、光源移動ユニット31とが配置されている。光源26は、光源移動ユニット31により移動可能である。第2室72には、観察ユニット2と、レーザ投射ユニット4と、レーザ移動ユニット51とが配置されている。観察ユニット2およびレーザ投射ユニット4は、レーザ移動ユニット51により移動可能である。第3室73には、制御ユニット6および電源ユニット27が配置されている。細胞培養容器配置ユニット12は、第1室71と第2室72の間の隔壁の一部として形成されている。細胞培養容器配置ユニット12には、細胞培養容器11が配置されている。本実施形態の細胞処理装置200は、細胞培養容器11、細胞培養容器配置ユニット12、光源26、光源移動ユニット31、レーザ移動ユニット51、第2室72、および第3室73を含むが、いずれも任意の構成であり、あってもよいし、なくてもよい。また、本実施形態の細胞処理装置200は、第1室71(細胞処理室1)を含まなくてもよい。
【0050】
第1室71は、その前面(
図6において手前側)に作業用の開口部211aを含み、またその側面にメンテナンスが可能な開口部211bを含む。開口部211aは、第1室71である細胞処理室1内で被観察体処理に関連する作業を行なうための開口部である。開口部211bは、細胞処理室1のメンテナンスが可能な開口部である。開口部211aの開口面積は、例えば、メンテナンス作業が容易になることから、開口部211bの開口面積より小さいことが好ましい。開口部211aならびに開口部211bの大きさおよび数は、特に制限されず、例えば、安全キャビネットにおける作業用の開口部およびメンテナンスが可能な開口部の大きさおよび数を参照できる。具体例として、開口部211aならびに開口部211bの大きさおよび数は、例えば、EN規格であるEN12469:2000で特定される安全キャビネットの規格を参照できる。開口部211bの数は、特に制限されず、任意の数とできるが、例えば、メンテナンスがより容易となることから、2以上が好ましい。第1室71における開口部211aおよび開口部211bの配置箇所は、特に制限されず、任意の場所とできるが、開口部211aと開口部211bとは、第1室71の異なる場所(例えば、異なる側面)に配置することが好ましい。本実施形態において、開口部211bは、細胞処理装置200内のメンテナンスを容易に行うことを主目的としたが、他の目的でも使用してもよい。本実施形態の細胞処理装置200は、例えば、開口部211bから内部の各部材の動き等を観察可能とすることで、細胞処理装置200にトラブルが発生した場合に不具合箇所を直接観察でき、対応策を検討することができる。
【0051】
第1室71の前面の壁は、外壁および内壁を有する二重壁となっており、扉212aは、前記外壁と前記内壁との間の空間に配置されたレールを昇降することにより、開口部211aの開口を開閉する。開口部211bは、その開口を、前記開口を覆う扉212bの着脱により開閉可能である。開口部211bは、例えば、細胞処理室1内で細胞の処理を行なう際に、その開口が扉212bに封止されていることが好ましい。これにより、例えば、細胞処理装置200外の気体およびそれに含まれる埃の細胞処理室1内への流入を防止できる。本実施形態の細胞処理装置200において、開口部211aおよびその扉212a、ならびに開口部211bおよびその扉212bは、任意の構成であり、あってもよいし、なくてもよいし、いずれかの開口部およびその扉のみを含んでもよい。また、第1室71の壁は、二重壁でもよいし、一重壁でもよいが、他の部材を内部に配置することで、細胞処理装置200の大きさを小さくできることから前者が好ましい。また、第1室71の壁が一重壁の場合、扉212aは、例えば、扉212bのように第1室71の外部に配置される。前記扉の開閉の形式は、特に制限されず、例えば、扉212aのように昇降式でもよいし、扉212bのように外付け式でもよいし、その他の形式でもよい。前記その他の形式は、例えば、観音開き式、アコーディオン式、引き扉式等があげられる。前記扉の形成材料は、特に制限されず、例えば、前述の各領域の形成材料を援用でき、非透光性の材料が好ましい。
【0052】
図8に示すように、本実施形態の細胞処理装置200の第1室71の内部は、被観察体を処理する細胞処理室1であり、扉212a、212bを閉めることにより閉鎖可能である、すなわち開閉可能である。細胞処理室1は、XYステージ31aおよびアーム31bを含む光源移動ユニット31、吸引吐出ユニット213と、光源26と、排液容器配置部214aと、収容容器配置部215aと、細胞培養容器配置ユニット12と、回収容器配置部216aとを含む。本実施形態において、細胞処理室1は、XYステージ31aおよびアーム31bを含む光源移動ユニット31、吸引吐出ユニット213、排液容器配置部214a、収容容器配置部215a、ならびに回収容器配置部216aを含むが、いずれも任意の構成であり、あってもよいし、なくてもよく、また、いずれか1つを含んでもよいし、2つ以上を含んでもよい。XYステージ31aは、細胞処理室1の底面に配置されており、X軸方向およびY軸方向に移動可能なように配置されている。XYステージ31aの上部には、一対のアームを含むアーム31bが配置されている。アーム31bの一方のアーム先端部分には、吸引吐出ユニット213が、その吸引吐出口を下方向に向けて配置されている。また、アーム31bの他方のアーム先端部分には、光源26が、照明光を細胞13方向に照射可能なように配置されている。排液容器配置部214a、収容容器配置部215a、細胞培養容器配置ユニット12、および回収容器配置部216aは、細胞処理室1の底面において、XYステージ31aのX軸方向の移動方向に沿って、この順番で配置されている。排液容器配置部214aには、先端部材脱離手段214cを有する排液容器214bが配置され、収容容器配置部215aには、収容容器215bが配置され、回収容器配置部216aには、回収容器216bが配置されている。
【0053】
光源移動ユニット31は、例えば、実施形態1の細胞処理装置100における観察移動ユニット3の説明を援用できる。本実施形態の細胞処理装置200は、光源移動ユニット31であるXYステージ31aおよびアーム31bにより、光源26および吸引吐出ユニット213を移動可能であるが、吸引吐出ユニット213は、光源移動ユニット31以外の駆動手段により移動可能であってもよい。この場合、吸引吐出ユニット213を移動可能な駆動手段の移動方向は、特に制限されず、例えば、X軸方向、Y軸方向、およびZ軸方向のうちのいずれか1方向、2方向または全方向である。本実施形態において、XYステージ31aは、例えば、リニアモータ台車等を介して、対象物をX軸方向およびY軸方向に沿って高速かつ精密に移動可能な公知のものである。アーム31bは、上下方向(Z軸方向)に伸縮可能であるが、アーム31bは、固定されていてもよい。後者の場合、光源移動ユニット31は、XY平面上のみにおいて、すなわち、
図8において、X軸方向およびY軸方向のみに、吸引吐出ユニット213を移動可能である。
【0054】
吸引吐出ユニット213は、例えば、細胞培養容器11内の培地、細胞13、処理対象の細胞13a、処理対象でない細胞13b等を吸引および吐出する。吸引吐出ユニット213は、例えば、その吸引吐出口側に、後述する先端部材を装着して使用する。吸引吐出ユニット213は、特に制限されず、例えば、公知の吸引吐出手段が利用でき、具体例として、電動ピペッタ、電動シリンジポンプ等があげられる。
【0055】
排液容器配置部214aは、吸引吐出ユニット213により吸引した吸引液を排液する排液容器214bを配置可能な領域である。本実施形態において、排液容器配置部214aには、排液容器214bが配置されているが、排液容器214bは、任意の構成であり、あってもよいし、なくてもよい。本実施形態において、排液容器214bは、上部開口の箱であり、収容容器配置部215a側の壁が上方向に伸びており、その上端に、半円状の凹部(切り欠き)として形成されている先端部材脱離手段214cを含む、細胞処理室1の底面に対して略平行方向な壁(上面)を有する。排液容器214bは、吸引吐出ユニット213から脱離した先端部材を回収可能であることから、例えば、先端部材回収容器ということもでき、また、排液容器配置部214aは、先端部材回収容器配置部ということもできる。先端部材脱離手段214cは、排液容器214bに形成されているが、別個に配置されてもよい。また、先端部材脱離手段214cは、吸引吐出ユニット213の近傍、具体的には、吸引吐出ユニット213が配置されている光源移動ユニット31のアーム31bに配置されてもよい。
【0056】
収容容器配置部215aは、吸引吐出ユニット213に着脱可能な先端部材が収容された収容容器215bを配置可能な領域である。本実施形態において、収容容器配置部215aには、収容容器215bが配置されているが、収容容器215bは、任意の構成であり、あってもよいし、なくてもよい。前記先端部材は、特に制限されず、吸引吐出ユニット213により吸引された液体を内部に貯留可能な部材であればよく、例えば、吸引吐出ユニット213がピペッタの場合、チップがあげられる。収容容器215bは、例えば、前記チップが収容されたラックがあげられる。本実施形態の細胞処理装置200は、先端部材脱離手段214cおよび収容容器配置部215aを含むことで、細胞培養容器11内の培地、細胞等を吸引および吐出する際の移動を簡素化(短く)できる。
【0057】
回収容器配置部216aは、吸引吐出ユニット213により回収した細胞を含む吸引液を回収する回収容器216bを配置可能な領域である。本実施形態において、回収容器配置部216aには、回収容器216bが配置されているが、回収容器216bは、任意の構成であり、あってもよいし、なくてもよい。回収容器216bは、例えば、公知のディッシュ、フラスコ等の培養容器等があげられる。
【0058】
本実施形態において、細胞処理室1の底面には、細胞培養容器配置ユニット12の配置面、すなわち、XY平面において、XYステージ31aの長軸方向(X軸方向)の移動方向に沿って、排液容器配置部214a、収容容器配置部215a、細胞培養容器配置ユニット12、および回収容器配置部216aが、この順番で配置されているが、各配置部は、前記長軸方向に沿って配置されていなくてもよく、また、この順序で配置されていなくてもよい。本実施形態において、排液容器配置部214a、収容容器配置部215a、細胞培養容器配置ユニット12、および回収容器配置部216aが、前述の順序で配置されていることにより、例えば、吸引吐出ユニット213の移動を直線的にでき、細胞培養容器11内の培地、細胞等を吸引および吐出する際の移動を簡素化(短く)できる。
【0059】
また、
図9に示すように、本実施形態の細胞処理装置200の細胞処理室1の前面側の壁には、開口部211aの上部に、カメラ217、照明灯218a、218bおよび殺菌灯219を含む。カメラ217のX軸方向の両側には、照明灯218a、218bが配置されており、また、上部には、殺菌灯219が配置されている。
【0060】
本実施形態において、第1室71の撮像手段として、カメラ217を設けているが、第1室71の撮像手段は、任意の構成であり、あってもよいし、なくてもよい。また、第1室71の撮像手段は、カメラに限定されず、第1室71内、すなわち、細胞処理室1内を撮像可能であればよい。第1室71の撮像手段は、特に制限されず、顕微鏡、カメラ等の公知の撮像手段が使用でき、また公知の撮像手段と、CCDやCMOS(Complementary MOS)等の固体撮像素子(イメージセンサ)とを組合せたものでもよい。本実施形態において、カメラ217は、細胞処理室1内の前面の壁に配置されているが、カメラ217の位置は、特に制限されず、任意の位置とでき、細胞処理室1内の広い範囲を撮像可能なように配置することが好ましい。具体的には、本実施形態の細胞処理装置200のように、細胞処理室1において、細胞培養容器配置ユニット12の奥側(
図8において左上側)に、光源移動ユニット31であるXYステージ31aおよびアーム31bと吸引吐出ユニット213とが配置されている場合、細胞処理室1内の広い範囲を撮像可能であることから、細胞処理室1の手前側(
図8において右下側)に配置することが好ましい。前記第1の撮像手段は、複数の倍率(例えば、異なる倍率)で撮像可能なことが好ましいが、1つの倍率で撮像可能であってもよい。前記倍率は、例えば、撮像倍率を意味する。具体例として、カメラ217は、例えば、複数の倍率(例えば、異なる倍率)のレンズを含む。第1室71の撮像手段は、例えば、光学ズーム、デジタルズーム等が可能であってもよい。本実施形態の細胞処理装置200はカメラ217を含むことで、例えば、細胞処理室1内の作業を確認可能であり、作業の確実性が向上する。細胞処理室1内に配置される第1室71の撮像手段の数は、特に制限されず、1つでもよいし、複数でもよい。
【0061】
本実施形態において、照明手段として、照明灯218a、218bを設けているが、前記照明手段は、任意の構成であり、あってもよいし、なくてもよい。また、前記照明手段は、照明灯に限定されず、細胞処理室1内に投光(照明)可能であればよい。前記照明手段は、特に制限されず、例えば、蛍光灯、LED灯等の公知の照明が使用できる。本実施形態において、照明灯218a、218bは、細胞処理室1内の前面の壁に配置されているが、照明灯218a、218bの位置は、特に制限されず、任意の位置とでき、細胞処理室1内の広い範囲に投光可能、すなわち、細胞処理室1内に影ができにくいように配置することが好ましい。具体的には、本実施形態の細胞処理装置200のように、細胞処理室1において、細胞培養容器配置ユニット12の奥側(
図8において左上側)に、光源移動ユニット31であるXYステージ31aおよびアーム31bと吸引吐出ユニット213とが配置されている場合、細胞処理室1内の広い範囲に投光可能であることから、細胞処理室1の手前側(
図8において右下側)に配置することが好ましい。本実施形態の細胞処理装置200は照明灯218a、218bを含むことで、例えば、細胞処理室1内の作業を確認可能であり、作業の確実性が向上する。細胞処理室1内に配置される照明手段の数は、特に制限されず、1つでもよいし、複数でもよい。
【0062】
本実施形態において、殺菌手段として、殺菌灯219を設けているが、前記殺菌手段は、任意の構成であり、あってもよいし、なくてもよい。また、前記殺菌手段は、殺菌灯に限定されず、細胞処理室1内、特に、細胞培養容器配置ユニット12周囲を殺菌可能であればよい。前記殺菌手段は、特に制限されず、例えば、殺菌灯、紫外LED灯等の公知の殺菌手段が使用できる。本実施形態において、殺菌灯219は、細胞処理室1内の前面の壁に配置されているが、殺菌灯219の位置は、特に制限されず、任意の位置とできる。殺菌灯219の位置は、例えば、細胞処理装置200外の埃等は、開口部211a、211bから流入することから、開口部211a、211b近傍を殺菌可能に配置されていることが好ましい。具体的には、本実施形態の細胞処理装置200のように、細胞処理室1の前面側の壁に、開口部211aが設けられている場合、細胞処理室1の前面側の壁において、開口部211aの上部に前記殺菌手段を配置することが好ましい。本実施形態の細胞処理装置200のように、細胞処理室1の側面側の壁に、開口部211bが設けられている場合、細胞処理室1の側面側の壁において、開口部211bの上部に前記殺菌手段を配置することが好ましい。また、細胞処理装置200が前記照明手段および前記殺菌手段を含む場合、両者を細胞処理室1の同じ壁、例えば、開口部211aが設けられている壁に配置することが好ましい。この場合、前記殺菌手段を、前記照明手段の上方に設けることが好ましい。本実施形態の細胞処理装置200は殺菌灯219を含むことで、例えば、細胞処理室1内の清浄性が向上する。細胞処理室1内に配置される殺菌手段の数は、特に制限されず、1つでもよいし、複数でもよい。
【0063】
本実施形態において、第1室71である細胞処理室1の大きさ、形状、構造等は、例えば、前記安全キャビネットの大きさ、形状、構造等を参照でき、具体例として、前述のEN12469:2000で特定される安全キャビネットの規格を参照できる。
【0064】
図10に示すように、本実施形態の細胞処理装置200の細胞培養容器配置ユニット12は、上蓋121および底部122を含み、上蓋121は、底部122に着脱可能に装着される。本実施形態において、細胞培養容器配置ユニット12は、上蓋121および底部122を含む箱であり、その内部に細胞培養容器11が配置されているが、細胞培養容器配置ユニット12は、これに限定されず、細胞培養容器11を配置可能であり、細胞処理室1において第2室72と隣接するように配置され、かつ細胞培養容器配置ユニット12における第2室72との隣接部(
図10において、底板125)が透光可能であればよい。前記「透光」は、例えば、第2室72のレーザ投射ユニット4から投射されるレーザ画像等のレーザ光が透過することを意味する。上蓋121は、細胞培養容器11に対して、光源26から照明光を照射可能なように、透過領域123が設けられている。透過領域123は、例えば、光源26から照射される照明光が透過する領域である。透過領域123は、例えば、透明なガラス板、アクリル板等から形成される。底部122は、底壁124および透光性の底板125を含む。透光性の底板125は、例えば、透明なガラス板、アクリル板等から形成される。底板125は、第2室72と隣接している。このため、細胞培養容器配置ユニット12の第2室72との隣接部、すなわち、底板125は、細胞処理室1の壁の一部として形成されているということもできる。底板125と細胞処理室1の壁との接触部は、例えば、パッキン、シール材等の封止部材で封止されていることが好ましい。これにより、例えば、第2室72内の気体およびそれに含まれる埃等が細胞培養容器配置ユニット12および細胞処理室1に流入することを防止できる。底壁124は、4つの細胞培養容器11をそれぞれ配置可能な、4つの凹部126を含み、各凹部126の側面は、細胞処理室1の内部から細胞処理室1の外部方向(
図10(b)において、上から下方向)に向かって狭まる逆テーパ状である。また、各凹部126は、その底板125端側において、凹部126の内側方向に突出する突出部127を含む。細胞培養容器11は、その底部端が、突出部127と接触する。本実施形態の細胞処理装置200において、底壁124は、4つの凹部126を有するが、底壁124が有する凹部126の数は、これに限定されず、配置する細胞培養容器11の数に応じて適宜設定できる。凹部126の大きさは、配置する細胞培養容器11の大きさに応じて適宜設定できる。本実施形態の細胞培養容器配置ユニット12は、凹部126が上述の構造を有することで、例えば、細胞培養容器11の側面の形状によらず、細胞培養容器配置ユニット12に細胞培養容器11を配置可能となる。本実施形態の細胞処理装置200において、底壁124は、その底面の壁と、その側面の壁とが一体形成されているが、底壁124は、これに限定されず、それぞれを別部材としてもよい。底壁124を別部材で構成することにより、例えば、異なる数および大きさの凹部126を有する、複数の底壁124の底面の壁の部材を準備しておくことができる。これにより、例えば、細胞培養容器11の大きさおよび数に応じて、細胞培養容器11の配置に適した大きさおよび数を有する底壁124の底面の壁の部材に取替えることができ、細胞培養容器11を好適に配置することができる。
【0065】
図11および12に示すように、本実施形態の細胞処理装置200において、循環手段24は、吸気部24aと、循環流路24bと、気体供給部24cと、排気部24dとを含む。これにより、循環手段24は、細胞処理室1内の気体を循環させる。
【0066】
吸気部24aは、細胞処理室1内の気体を吸気する。吸気部24aは、細胞処理室1内の気体に代えて、または加えて細胞処理装置200外の気体を吸気してもよい。本実施形態において、吸気部24aは、細胞処理室1の開口部211aの近傍(例えば、直下)に配置されている。具体的には、吸気部24aは、その上面に複数の開口(例えば、スリット)が形成されており(図示せず)、前記開口が開口部211aと連通するように、開口部211aの下側に配置されている。このように、細胞処理室1の開口部211aの近傍に吸気部24aを配置することで、例えば、扉212aを開き、作業者が細胞処理室1内で作業をする際に、細胞処理装置200外の気体およびそれに含まれる埃等が細胞処理室1内に流入することを防止できる。吸気部24aは、開口部211aに代えて、または加えて開口部211bの近傍に配置されてもよい。吸気部24aは、例えば、ファン等の送風手段により細胞処理室1内の気体を吸気してもよい。
【0067】
循環流路24bは、吸気部24aと気体供給部24cおよび排気部24dとを接続する。本実施形態において、循環流路24bは、前記外壁と前記内壁との間の空間および第1室71の上部に配置されている。循環流路24bは、例えば、中空の筒である。また、循環流路24bは、その一端が吸気部24aと連通し、その他端が、気体供給部24cおよび排気部24dと連通している。本実施形態の細胞処理装置200のように、循環流路24bを、前記外壁と前記内壁との間の空間に配置することで、例えば、細胞処理装置200の大きさを小さくできる。また、本実施形態において、循環手段24は、循環流路24bを含むが、循環流路24bはあってもよいし、なくてもよい。後者の場合、吸気部24aは、例えば、気体供給部24cおよび排気部24dと直接的に接続している。循環流路24bは、例えば、ファン等の送風手段により、吸気部24aにより吸気された気体を、気体供給部24cおよび排気部24dに送風してもよい。
【0068】
循環流路24bが前記送風手段を含む場合、前記送風手段は、吸気部24a、気体供給部24c、または排気部24dの近傍に配置してもよいし、これらの中央部等のその他の位置に配置してもよいが、吸気部24aからの吸気がよくなり、例えば、後述する気体供給部24cにより生じるダウンフローと比較して、埃等が細胞処理室1内に流入することをより効果的に防止できることから、吸気部24aの近傍に配置することが好ましい。前記送風手段が吸気部24aの近傍に配置される場合、前記送風手段は、例えば、第2室72または第3室73に配置されることが好ましい。具体例として、本実施形態の細胞処理装置200において、循環流路24bが、さらに前記送風手段を含む場合、前記送風手段は、第2室72または第3室73内において、手前側(
図6における左下側)、すなわち、吸気部24aの下側に配置されている。そして、この場合、循環流路24bは、吸気部24aと前記送風手段の吸気側とを接続し、かつ前記送風手段の送風側と気体供給部24cおよび排気部24dとを接続する。すなわち、循環流路24bは、第2室72、または第2室72および第3室73と、前記外壁と前記内壁との間の空間と、第1室71の上部とに配置されている。
【0069】
気体供給部24cは、吸気部24aが吸気した気体の一部を細胞処理室1内に供給する。本実施形態において、気体供給部24cは、第1室71の上端と、吸気部24aより吸気した気体を細胞処理室1内に供給可能なように連通されている。気体供給部24cは、例えば、ファン等の送風手段により気体を細胞処理室1内に供給してもよい。また、気体供給部24cは、例えば、気体清浄化手段を含んでもよい。この場合、気体供給部24cから細胞処理室1内に供給される気体は、前記気体清浄化手段を通過する。前記気体清浄化手段を含むことにより、例えば、埃等が細胞処理室1内に流入することを防止できる。前記気体清浄化手段は、例えば、HEPAフィルタ(High Efficiency Particulate Air Filter)、ULPAフィルタ(Ultra Low Penetration Air Filter)等の微粒子捕集用フィルタ等があげられる。本実施形態の細胞処理装置200は、細胞処理室1の上部において気体供給部24cと接続していることにより、例えば、気体供給部24cからの送風によりダウンフローが生じ、これにより開口部211aから埃等が細胞処理室1内に流入することをより効果的に防止できる。
【0070】
排気部24dは、吸気部24aが吸気した気体の残部を細胞処理室1外、具体的には、細胞処理装置200外に排気する。本実施形態において、排気部24dは、吸気部24aより吸気した気体を細胞処理装置200の外部に排気可能なように、細胞処理装置200の上端(最上部)に配置されている。このように排気部24dを細胞処理装置200の最上部に設けることにより、例えば、細胞処理装置200の大きさを小さくでき、かつ排気によって舞い上がった埃が、細胞処理室1内に流入することを防止できる。排気部24dは、例えば、ファン等の送風手段により気体を細胞処理装置200の外部に排気してもよい。また、排気部24dは、例えば、前記気体清浄化手段を含んでもよい。この場合、排気部24dから細胞処理装置200外に排出される気体は、前記気体清浄化手段を通過する。前記気体清浄化手段を含むことにより、例えば、細胞処理室1内で生じた微粒子等の細胞処理装置200外への流出を防止できる。
【0071】
循環手段24において、各部の大きさ、形状、構造等は、例えば、前記安全キャビネットの大きさ、形状、構造等を参照でき、具体例として、前述のEN12469:2000で特定される安全キャビネットの規格を参照できる。
【0072】
図13(a)に示すように、本実施形態の細胞処理装置200において、第2室72は、観察ユニット2、レーザ投射ユニット4、およびレーザ移動ユニット51を含む。本実施形態の細胞処理装置200は、レーザ移動ユニット51を含むが、前述のように、レーザ移動ユニット51は、任意の構成であり、あってもよいし、なくてもよい。レーザ移動ユニット51は、XYステージ51bおよび台車51a、51cを含む。XYステージ51bは、細胞培養容器配置ユニット12の配置面、すなわち、XY平面と略平行な第2室72の底面に配置されている。XYステージ51bにおいて、Y軸方向の共通のレール(移動路)上には、2つのX軸方向のレールが、前記共通のレール上を移動可能に配置されている。前記2つのX軸方向のレール上には、それぞれ、台車51a、51cがレールを移動可能なように配置されている。XYステージ51bの上部には、レーザ投射ユニット4が開口45を上方向(Z軸方向)に向け、前記レーザ画像を細胞13に投射可能なように台車51aに配置されている。また、XYステージ51bの上部には、観察ユニット2が対物レンズ21a、21b、21cにより細胞培養容器11内の細胞13を観察または撮像可能なように台車51cに配置されている。本実施形態の細胞処理装置200において、台車51a、51cは、例えば、上下方向(Z軸方向)に昇降可能に構成してもよい。
【0073】
本実施形態の細胞処理装置200は、レーザ移動ユニット51であるXYステージ51bにより観察ユニット2およびレーザ投射ユニット4が移動可能である。このため、本実施形態の細胞処理装置200では、レーザ移動ユニット51が、実施形態1の細胞処理装置100における観察移動ユニット3を兼ねているということもできる。ただし、観察ユニット2の移動は、これに限定されず、レーザ移動ユニット51以外の駆動手段により移動可能であってもよい。前記駆動手段は、例えば、実施形態1の細胞処理装置100における観察移動ユニット3があげられる。本実施形態において、レーザ移動ユニット51が、実施形態1の細胞処理装置100における観察移動ユニット3を兼ねているが、前記観察移動ユニットおよびレーザ移動ユニット51は、独立に構成してもよい。具体例として、
図13(b)に示すように、第2室72の底面に観察移動ユニット32およびレーザ移動ユニット51が配置されてもよい。観察移動ユニット32は、台車32aおよびXYステージ32bを含む。レーザ移動ユニット51は、台車51aおよびXYステージ51bを含む。観察移動ユニット32およびレーザ移動ユニット51の移動方向は、特に制限されず、例えば、X軸方向、Y軸方向、およびZ軸方向のうちのいずれか1方向、2方向または全方向である。レーザ移動ユニット51が、例えば、細胞培養容器配置ユニット12の配置面、すなわち、細胞培養容器11の底面に対し、略直交方向に、レーザ投射ユニット4を移動可能な場合、レーザ移動ユニット51は、後述するレーザ画像サイズを調整可能である。この場合、レーザ移動ユニット51は、例えば、後述する画像サイズ調整手段を兼ねる。本実施形態において、XYステージ32b、51bは、例えば、リニアモータ台車等を介して、対象物をX軸方向およびY軸方向に沿って高速かつ精密に移動可能な公知のものである。
【0074】
前記観察移動ユニットおよびレーザ移動ユニット51は、本実施形態のXYステージ51bのように、細胞培養容器配置ユニット12の配置面に対し略平行な平面において、それぞれ、第1方向(例えば、
図13(a)における矢印Y方向)に、観察ユニット2およびレーザ投射ユニット4を移動可能であり、かつ前記観察移動ユニットによる観察ユニット2の第1方向の移動と、レーザ移動ユニット51によるレーザ投射ユニット4の第1方向の移動とが、同一直線上であることが好ましい。このように、同一直線上で、観察ユニット2およびレーザ投射ユニット4が移動することで、例えば、細胞培養容器11内の細胞13を観察ユニット2で撮像後、レーザ投射ユニット4で処理する等の細胞処理を行なう際に各手段の移動回数を低減でき、処理時間を低減できる。また、本実施形態のXYステージ51bのように、前記観察移動ユニットは、観察ユニット2を配置する台車51cおよび、台車51cが移動し、かつ前記第1方向に沿って配置された移動路(レール)を含み、レーザ移動ユニット51は、レーザ投射ユニット4を配置する台車51a、および台車51aが移動し、かつ前記第1方向に沿って配置された移動路(レール)を含み、観察ユニット2の移動路と、レーザ投射ユニット4の移動路が同じであることが好ましい。このように構成することにより、観察ユニット2で撮像後、レーザ投射ユニット4で処理する等の細胞処理を行なう際に各手段の移動回数をさらに低減でき、処理時間をさらに低減できる。
【0075】
本実施形態の細胞処理装置200において、観察ユニット2は、3種類の倍率の対物レンズ21a、21b、21cを有する、これに限定されず、対物レンズを有さなくてもよいし、1種類以上の対物レンズ21を有してもよい。観察ユニット2が複数の対物レンズ21を有する場合、複数の対物レンズ21の倍率は、例えば、それぞれ、2倍、4倍および8倍等の異なる倍率であることが好ましい。また、本実施形態の細胞処理装置200のように、第1室71の撮像手段(カメラ217)および対物レンズ21を有する観察ユニット2を含む場合、細胞培養容器11内の細胞をより明確に撮像できることから、観察ユニット2の対物レンズ21の倍率は、第1室71の撮像手段の倍率より高倍率であることが好ましい。
【0076】
レーザ移動ユニット51は、レーザ投射ユニット4を上下方向(
図13において、矢印Z方向)に移動させてもよい。レーザ投射ユニット4を上下方向に移動させる場合、レーザ投射ユニット4の構成のうち細胞処理室1に最も近接する構成が、細胞処理室1の底面、好ましくは、細胞培養容器配置ユニット12の底面と接触しないように移動させることが好ましい。具体例として、レーザ移動ユニット51は、前記近接する構成を、細胞培養容器配置ユニット12の底面を基準として、1mm以内に接近しないように移動させることが好ましい。このような範囲で、レーザ移動ユニット51が前記近接する構成を移動させることにより、例えば、前記近接する構成と細胞培養容器配置ユニット12の底面との接触で生じる、細胞培養容器配置ユニット12に配置された細胞培養容器11内の培地の揺れを防止できる。
【0077】
本実施形態において、レーザ投射ユニット4は、手前側(
図13において、左下側)に配置され、観察ユニット2は、奥側(
図13において、右上側)に配置されている。ただし、レーザ投射ユニット4および観察ユニット2との位置関係は、これに限定されず、例えば、レーザ投射ユニット4を奥側に配置し、観察ユニット2を手前側に配置してもよい。一般的に観察ユニット2は、レーザ投射ユニット4と比較して、その体積が大きい。このため、第1室71において細胞培養容器配置ユニット12が手前側に配置されている場合、観察ユニット2を奥側に配置し、レーザ投射ユニット4は、手前側に配置することで、細胞処理装置200の大きさを小さくすることができる。
【0078】
本実施形態の細胞処理装置200は、さらに、細胞13、細胞培養容器11の底面等の被投射体に投射されたレーザ画像の大きさを調整するレーザ画像調整手段を含んでもよい。前記レーザ画像の大きさは、例えば、レーザ投射ユニット4により投射されたレーザ画像と前記被投射体との接触部におけるレーザ画像の面積を意味する。前記レーザ画像の大きさは、例えば、レーザ投射ユニット4のレンズ系の切替え、またはレーザ投射ユニット4と前記被投射体との距離を変更することにより、調整できる。前者の場合、レーザ投射ユニット4は、例えば、複数のレンズを含み、前記レーザ画像調整手段は、前記レンズを変更することにより、前記レーザ画像の大きさを調整することが好ましい。前記レンズの変更は、例えば、手動で行なってもよいし、後述する制御ユニット6により、変更されてもよい。後者の場合、例えば、レンズの変更手段を含み、前記変更手段により、レンズが変更される。また、前記レーザ画像調整手段が距離を変更する場合、前記レーザ画像調整手段は、レーザ投射ユニット4と、前記被投射体との距離を調整することにより、前記レーザ画像の大きさを調整することが好ましい。レーザ投射ユニット4と、前記被投射体との距離は、例えば、細胞培養容器配置ユニット12の配置面、すなわち、細胞培養容器11の底面に対し、略直交方向の距離を意味する。具体的には、レーザ投射ユニット4と、前記被投射体との距離は、例えば、前記近接する構成と前記被投射体との距離を意味する。レーザ投射ユニット4と、前記被投射体との距離は、例えば、レーザ移動ユニット51により調整できる。具体例として、レーザ移動ユニット51による矢印Z方向の移動により、前記被投射物である細胞13または細胞培養容器11の底面との距離を調整できる。
【0079】
本実施形態の細胞処理装置200が前記レーザ画像調整手段を含む場合、後述する制御ユニット6が、前記レーザ画像調整手段による前記レーザ画像の大きさの調整を制御することが好ましい。
【0080】
本実施形態の細胞処理装置200において、細胞処理室1と第2室72との間において、気体の移動が抑制されていることが好ましい。前記気体の移動の抑制は、例えば、細胞処理室1における第2室72との隣接部を、前述のパッキン、シール材等の封止部材で封止することにより実施できる。このように気体の移動を抑制することで、例えば、前記気体に含まれる埃の細胞処理室1内への流入を防止できる。
【0081】
本実施形態の細胞処理装置200において、第3室73は、制御ユニット6および電源ユニット27を含む。
図14に示すように、本実施形態の制御ユニット6において、I/Oインターフェイス65は、観察ユニット2、レーザ画像生成部42、レーザ移動ユニット51、光源移動ユニット31、カメラ217、吸引吐出ユニット213、および光源26の各部材と通信可能に接続してこれらを制御するためのデバイスである。この点を除き、本実施形態の制御ユニット6は、実施形態の制御ユニット6と同様の構成を有し、その説明を援用できる。
【0082】
本実施形態の細胞処理装置200は、制御ユニット6に、観察ユニット2、レーザ画像生成部42、レーザ移動ユニット51、光源移動ユニット31、カメラ217、吸引吐出ユニット213、および光源26の制御機能を持たせることで、各部材に制御部を個別に設けなくてもよいため、装置の小型化を実現できる。ただし、本発明はこれに限定されない。本発明の細胞処理装置は、例えば、制御ユニット6として、観察ユニット2、レーザ画像生成部42、レーザ移動ユニット51、光源移動ユニット31、カメラ217、吸引吐出ユニット213、および光源26のそれぞれに制御ユニットを設け、各部材の制御ユニットにより、各部材を制御してもよい。また、本発明の細胞処理装置は、例えば、制御ユニット6と各部材の制御ユニットとを設け、共同して各部材を制御してもよい。
【0083】
本実施形態において、制御ユニット6は、第1室71の撮像手段であるカメラ217による細胞処理室1内の撮像を制御する。
【0084】
本実施形態において、制御ユニット6は、観察ユニット2による観察または撮像、レーザ画像生成部42によるレーザ画像の生成、レーザ移動ユニット51であるXYステージ51bおよび台車51a、51cによる観察ユニット2ならびにレーザ投射ユニット4の移動、光源移動ユニット31であるXYステージ31aおよびアーム31bによる光源26の移動、カメラ217による撮像、吸引吐出ユニット213による吸引および吐出、ならびに光源26のON/OFFを制御するが、制御ユニット6、レーザ画像生成部42によるレーザ画像の生成を制御すればよく、他の構成の制御は、任意の構成であり、制御しなくてもよいし、いずれか1つ以上を制御してもよい。
【0085】
電源ユニット27は、特に制限されず、公知の電源を使用できる。電源ユニット27は、例えば、観察ユニット2、光源移動ユニット31、レーザ投射ユニット4、レーザ移動ユニット51、吸引吐出ユニット213、循環手段24、前記照明手段、前記殺菌手段、制御ユニット6等の電力により稼働する部材(ユニット)に電力を供給する。このため、電源ユニット27は、例えば、前記電力により稼働する部材(ユニット)と、電気的に接続されている。電源ユニット27は、例えば、100Vの電圧で電力を供給する。これにより、例えば、一般的な電力環境においても、細胞処理装置200が使用可能となる。本実施形態の細胞処理装置200は、全体の電源供給を、電源ユニット27に担わせることによって、各部材にそれぞれ、個別に電源ユニットを設けなくてもよいので、例えば、細胞処理装置200の小型化や軽量化を実現することができる。ただし、本発明はこれに限定されず、例えば、各手段の少なくとも一つに専用の電源ユニットを設けてもよい。
【0086】
本実施形態の細胞処理装置200は、さらに、第3室73に、通信部(図示せず)を設けてもよい。前記通信部は、例えば、有線もしくは無線により、パーソナルコンピュータ、移動体通信機器等の外部の機器とデータの送受信機能またはインターネット等との接続機能を有する。前記通信部は、例えば、既存の通信モジュール等があげられる。このように通信部を設けることで、外部と細胞処理装置200を接続できるようになるため、例えば、外部から細胞処理装置200を操作すること、または外部からのデータを細胞処理装置200が受信することができる。また、細胞処理装置200内のデータを、例えば、外部から接続することで閲覧可能とすることができる。
【0087】
つぎに、本実施形態の細胞処理装置200を用いた細胞の処理および処理された細胞の回収について、例をあげて説明する。
【0088】
まず、殺菌灯219を消灯し、照明灯218a、218bを点灯させる。また、制御ユニット6により、カメラ217を起動させ、細胞処理室1内の撮像を開始する。カメラ217により撮像された細胞処理室1内の画像は、例えば、制御ユニット6を介して、前記表示装置に出力される。つぎに、循環手段24を稼働させ、細胞処理室1内の気体を循環させる。さらに、作業者が、開口部211aの扉212aを開け、細胞培養容器配置ユニット12に細胞培養容器11を配置し、また、回収容器配置部216aに回収容器216bを配置する。細胞培養容器11の底面には、前記レーザ吸収層が形成されている。前記配置後、前記作業者は、開口部211aの扉212aを閉じる。
【0089】
つぎに、制御ユニット6により、XYステージ51bおよび台車51cが移動するよう制御され、観察ユニット2が、細胞培養容器11の底面の下側に移動する。また、制御ユニット6により、XYステージ31aが移動するように制御され、光源26が、細胞培養容器11の上面の上部、すなわち、細胞培養容器配置ユニット12の上部に移動する。そして、実施形態1の細胞処理装置100のレーザ画像の取得方法におけるS1工程と同様にして、観察ユニット2は、細胞培養容器11の一部または一部または全面を撮像する。前述のように、観察ユニット2は、細胞培養容器11を複数の区分に分割し、各区分を撮像することにより、細胞培養容器11の細胞13を撮像してもよい。撮像された画像は、例えば、制御ユニット6を介して、前記表示装置に出力される。
【0090】
つぎに、制御ユニット6は、観察ユニット2により得られた画像および前記観察位置情報に基づき、前記レーザ画像情報を作成する。前記レーザ画像情報の作成は実施形態1の細胞処理装置100のレーザ画像の取得方法におけるS2工程と同様にして実施できる。そして、制御ユニット6は、前記レーザ画像情報を補助記憶デバイス63に記憶させる。
【0091】
制御ユニット6は、XYステージ51bおよび台車51aを移動するように制御し、レーザ投射ユニット4を細胞培養容器11の底面の下側に移動する。そして、制御ユニット6は、レーザ投射ユニット4の位置であるレーザ位置情報を取得する。制御ユニット6は、前記レーザ位置情報に基づき、前記レーザ画像情報において、前記レーザ位置情報と関連付けられたレーザ画像情報を読み出す。つぎに、制御ユニット6は、レーザ画像生成部42が、前記レーザ画像を生成するように制御する。これによって、レーザ投射ユニット4により、前記レーザ画像が細胞13に投射され、処理対象の細胞13aが処理される。制御ユニット6は、実施形態1の細胞処理装置100と同様に、細胞培養容器11の一端のレーザ画像の投射開始位置から、細胞培養容器11の他端のレーザ画像の投射終了位置まで、前記レーザ画像を投射してもよい。制御ユニット6は、処理対象の細胞13aが存在する場合、XYステージ51bおよび台車51aを移動するように制御後、同様にして、前記レーザ画像を投射するように制御する。
【0092】
つぎに、制御ユニット6により、XYステージ31aが移動するように制御され、吸引吐出ユニット213が、収容容器215bの上部に移動する。制御ユニット6により、アーム31bが降下および上昇するように制御され、吸引吐出ユニット213の吸引吐出口側に、前記先端部材であるチップが装着される。さらに、制御ユニット6により、XYステージ31aが移動するように制御され、吸引吐出ユニット213は、細胞培養容器11の上部に移動する。この際に、処理対象の細胞13aを回収する場合、吸引吐出ユニット213は、処理対象の細胞13aの上部に移動する。他方、処理対象でない細胞13bを回収する場合、吸引吐出ユニット213は、処理対象でない細胞13bの上部に移動する。制御ユニット6により、アーム31bが降下するように制御され、前記チップの開口を回収する細胞13aまたは細胞13bの近傍に配置する。この状態で、制御ユニット6により、吸引吐出ユニット213が吸引するように制御され、回収する細胞13aまたは細胞13bを周囲の培地とともに前記チップ内に吸引する。
【0093】
さらに、制御ユニット6により、アーム31bが上昇し、かつ、XYステージ31aが移動するように制御され、吸引吐出ユニット213は、回収容器216bの上部に移動する。また、制御ユニット6により、アーム31bが降下するように制御され、回収容器216bの内部に前記チップの開口が移動する。この状態で、制御ユニット6により、吸引吐出ユニット213が吐出するように制御され、前記チップ内の細胞13aまたは細胞13bを含む培地を、回収容器216b内に吐出する。
【0094】
前記吐出後、制御ユニット6により、アーム31bが上昇し、かつ、XYステージ31aが移動するように制御され、吸引吐出ユニット213は、排液容器214bの上部に移動する。さらに、制御ユニット6により、アーム31bが降下し、かつ、XYステージ31aが移動するように制御され、前記チップの上側端を、排液容器214bに設けられた上面の凹部である先端部材脱離手段214cに引っかける。この状態で、制御ユニット6により、アーム31bが上昇するように制御され、吸引吐出ユニット213から前記チップが脱離する。
【0095】
そして、作業者が、開口部211aの扉212aを開け、細胞培養容器配置ユニット12から細胞培養容器11を回収し、また、回収容器配置部216aから回収容器216bを回収する。このようにすることで、細胞処理装置200により、細胞13の処理および処理対象の細胞13aまたは処理対象でない細胞13bを回収できる。なお、細胞処理装置200による細胞13a、13bの回収は、任意の工程であり、実施してもよいし、実施しなくてもよい。
【0096】
本実施形態の細胞処理装置200によれば、細胞培養容器11の細胞13に対し、例えば、選別、回収等の処理を簡易に実施できる。また、本実施形態の細胞処理装置200は、作業者自身ではなく、レーザ投射ユニット4により細胞を処理するため、例えば、作業者の技術レベルによる影響を受けない。このため、例えば、処理後に得られる細胞13a、13bの品質が、安定する。
【0097】
(実施形態3)
本実施形態は、処理方法の一例である。
図16は、本実施形態の処理方法の工程を示すフローチャートである。
図16に示すように、本実施形態の処理方法は、S4工程(取得)、S5工程(生成)、およびS6工程(処理)を含む。ただし、S4工程およびS5工程は、任意の工程であり、あってもよいし、なくてもよい。
【0098】
取得工程では、細胞培養容器内の画像を取得する(S4)。前記取得工程では、例えば、前記細胞培養容器内の細胞を含む画像を取得してもよいし、前記細胞培養容器内の細胞を含まない画像を取得してもよいし、両者を取得してもよい。前記取得工程では、例えば、前記細胞培養容器の一部または全面の画像を取得してもよい。前記画像は、予め取得した画像でもよいし、前記取得工程において、取得した画像でもよい。前者の場合、前記画像は、例えば、前記記憶手段に記憶され、前記取得工程では、前記記憶手段から前記画像を取得する。後者の場合、前記取得工程は、例えば、実施形態1の細胞処理装置100のレーザ画像の取得方法におけるS1工程の説明を援用できる。前記画像として前記取得工程において取得した画像を用いる場合、前記取得工程では、前記細胞培養容器内を撮像することにより、前記画像を取得する。この場合、前記取得工程は、例えば、撮像工程ということもできる。
【0099】
前記取得工程において、前記細胞培養容器内を撮像することにより、前記画像を取得する場合、前記取得工程では、前記細胞培養容器を複数の区分に分割し、各区分を撮像することにより、前記画像を取得してもよい。この場合、得られた各区分の画像を統合することが好ましい。前記細胞培養容器内の全面の画像を取得する場合、前記取得工程では、前記細胞培養容器の全面を複数の区分に分割し、各区分を撮像することにより、前記細胞培養容器の全面を撮像し、前記全面画像を取得することが好ましい。この場合、前記取得工程では、得られた各区分の画像を統合し、前記細胞培養容器の全面の画像を取得することが好ましい。前記各区分の画像の統合方法は、特に制限されず、公知の画像処理方法により実施できる。
【0100】
前記取得工程では、例えば、前記細胞培養容器内での撮像位置に基づき、撮像された各画像の画素に対して位置情報を付与してもよい。前記位置情報は、例えば、XY軸における座標(二次元座標)、XYZ軸における座標(三次元座標)等があげられる。
【0101】
つぎに、生成工程では、前記細胞培養容器内の画像に基づき、前記細胞に投射するレーザ画像を生成する(S5)。前記生成工程は、例えば、実施形態1の細胞処理装置100のレーザ画像の取得方法におけるS2工程の説明を援用できる。前記生成工程において、前記レーザ画像の生成に用いる前記細胞培養容器内の画像は、例えば、前記細胞培養容器内の細胞を含む画像でもよいし、前記細胞培養容器内の細胞を含まない画像でもよいし、両者でもよい。前記生成工程では、前記細胞培養容器内の画像において、例えば、処理対象の細胞および処理対象でない細胞を検出する。そして、前記生成工程では、例えば、前記処理対象の細胞が存在する領域をレーザ光の投射領域として、前記処理対処出ない細胞が存在する領域をレーザ光の非投射領域として、レーザ光の投射の有無および/または強度を規定するレーザ画像を作成する。前記処理対象の細胞および前記処理対象でない細胞の検出方法は、特に制限されず、公知の細胞の判別方法により実施でき、具体例として、前記処理対象の細胞および前記処理対象でない細胞を検出できるように深層学習させた学習済モデルを用いて、前記処理対象の細胞および前記処理対象でない細胞を検出する方法があげられる。前記レーザ画像は、例えば、処理対象の細胞および処理対象でない細胞のいずれかを検出し、作成してもよい。そして、前記生成工程では、例えば、前記レーザ画像の画素に対して前記位置情報を付与してもよい。
【0102】
つぎに、処理工程では、前記細胞培養容器内の細胞に対して、前記レーザ画像を投射することにより、レーザ処理を実施する(S6工程)。前記処理工程は、例えば、実施形態1の細胞処理装置100の細胞の処理方法におけるS3工程の説明を援用できる。前記生成工程では、例えば、レーザ投射装置を用いて実施できる。前記レーザ投射装置は、例えば、公知のレーザ光の画像を投射できる装置が利用できる。具体例として、前記レーザ投射装置は、前記レーザ光源と、前記レーザ光源から発振されたレーザ光から前記細胞に投射するレーザ画像を生成するレーザ画像生成部とを含むことが好ましい。前記処理工程では、このような構成のレーザ投射装置を用いることにより、細胞培養容器内の細胞に対して、効率よくレーザ画像を投射でき、細胞13の処理時間の変動をより抑制できる。具体例として、前記レーザ投射装置は、例えば、前記本発明の細胞処理装置があげられる。
【0103】
前記処理工程では、例えば、前記細胞培養容器の一部または全部に、前記レーザ画像を投射することにより、レーザ処理を実施する。また、前記処理工程では、例えば、前記細胞に直接または間接的に前記レーザ画像を投射する。前記細胞培養容器が前記レーザ吸収層を有する場合、前記処理工程では、前記レーザ画像を前記レーザ吸収層に投射することが好ましい。
【0104】
本実施形態の処理方法は、例えば、前記レーザ画像を複数の区分に分割する分割工程を含んでもよい。この場合、前記処理工程では、前記細胞培養容器内の細胞に対して、各区分のレーザ画像を投射することにより、レーザ処理を実施する。前記各区分は、特に制限されず、例えば、前記レーザ画像を所定幅に分割した、分割画像があげられる。前記レーザ画像を前記分割画像に分割する場合、前記処理工程では、前記細胞培養容器内の細胞に対して、前記レーザ画像として前記分割画像を投射することにより、レーザ処理を実施する。この場合、前記処理工程では、分割により生じた全ての分割画像を用いて、前記レーザ処理を実施することが好ましい。具体的には、前記処理工程は、前記細胞培養容器の一端の分割画像の投射開始位置から、前記細胞培養容器の他端の分割画像投射終了位置まで、前記分割画像を投射する第1の処理工程と、前記細胞培養容器の他端の新たな分割画像の投射開始位置から、前記細胞培養容器の一端の新たな分割画像投射終了位置まで、前記分割画像を投射する第2の処理工程とを含む。前記第1の処理工程において投射する分割画像は、前記第2工程において投射する分割画像と異なる分割画像である。そして、前記処理工程では、例えば、全ての分割画像によるレーザ処理が終了するまで、前記第1の処理工程および前記第2の処理工程を交互に実施する。この場合、前記第1の処理工程および前記第2の処理工程を1セットとして、前記処理工程では、1セット以上、前記第1の処理工程および前記第2の処理工程を実施すればよく、1セット以上、前記第1の処理工程および前記第2の処理工程を実施した後、再度、前記第1の処理工程を実施し、終了してもよい。また、前記取得工程において、前記細胞培養容器の全面画像を取得する場合、前記処理工程では、例えば、前記細胞培養容器の全面の細胞に対して、前記レーザ処理が終了するまで、前記第1の処理工程と前記第2の処理工程を繰り返し実施することが好ましい。
【0105】
このようにして、本実施形態の処理方法は、前記細胞培養容器内の細胞を処理できる。
【0106】
本実施形態の処理方法は、前記レーザ画像を投射するため、点の照射となるレーザ光の直接的な照射とは異なり、前記レーザ光を面として照射できる。前記レーザ光の直接照射の場合、処理対象の細胞の数が大きく変動すると、前記レーザ光を照射する面積も大きく変動するため、前記レーザ光の照射時間は大きく変動する。すなわち、処理時間が、大きく変動する。これに対して、本実施形態の処理方法のように、面として前記レーザ光を照射する場合、処理対象の細胞の数が大きく変動しても、前記レーザ画像内において、レーザ光を照射する場所(処理対象の細胞の存在箇所)およびレーザ光を照射しない場所(処理対象でない細胞の存在箇所)を変更すればよく、1回の投射でレーザ画像を投射する面積は変動しない。このため、本実施形態の処理方法によれば、前記レーザ光の直接照射の場合と比較して、前記レーザ光を用いて細胞を処理する際の処理時間の変動を抑制できる。
【0107】
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。
【0108】
<付記>
上記の実施形態および実施例の一部または全部は、以下の付記のように記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
細胞培養容器内の細胞が処理される細胞処理室と、
前記細胞を観察可能な観察ユニットと、
前記細胞に対して、レーザ画像を投射可能なレーザ投射ユニットと、
前記レーザ投射ユニットを移動可能なレーザ移動ユニットと、
制御ユニットとを含み、
前記レーザ投射ユニットは、レーザ光源と、前記レーザ光源から発振されたレーザ光から前記細胞に投射するレーザ画像を生成するレーザ画像生成部を含み、
前記制御ユニットは、前記レーザ画像生成部によるレーザ画像の生成を制御し、
前記レーザ移動ユニットが、前記細胞培養容器の一端のレーザ画像の投射開始位置から、前記細胞培養容器の他端のレーザ画像の投射終了位置まで移動することにより、
前記レーザ投射ユニットは、前記細胞培養容器の一端のレーザ画像の投射開始位置から、前記細胞培養容器の他端のレーザ画像の投射終了位置まで、前記レーザ画像を投射する、細胞処理装置。
(付記2)
前記制御ユニットは、
前記レーザ投射ユニットの位置であるレーザ位置情報と、前記レーザ投射ユニットの位置において前記細胞に投射するレーザ画像とを関連付けたレーザ画像情報を記憶し、
前記レーザ位置情報を取得し、
前記レーザ位置情報および前記レーザ画像情報に基づき、前記レーザ位置情報と関連付けたレーザ画像を生成するように、前記レーザ画像生成部を制御する、付記1記載の細胞処理装置。
(付記3)
前記レーザ投射ユニットは、前記投射開始位置から前記投射終了位置まで略等速度で移動する、付記1または2記載の細胞処理装置。
(付記4)
前記観察ユニットは、前記細胞を撮像可能であり、
前記観察ユニットを移動可能な観察移動ユニットを含む、付記1から3のいずれかに記載の細胞処理装置。
(付記5)
前記制御ユニットは、前記観察ユニットの位置である観察位置情報および前記観察ユニットにより得られた画像を取得し、前記観察位置情報および前記画像に基づき、前記レーザ画像情報を作成し、記憶する、付記4記載の細胞処理装置。
(付記6)
前記観察ユニットは、前記細胞培養容器内の全面を撮像し、
前記制御ユニットは、
得られた細胞培養容器の全面の画像に基づき、前記レーザ画像を作成し、
前記レーザ投射ユニットの位置であるレーザ位置情報と、前記レーザ投射ユニットの位置において前記細胞に投射するレーザ画像とを関連付けたレーザ画像情報を作成し、記憶する、付記4または5記載の細胞処理装置。
(付記7)
前記観察ユニットは、前記細胞培養容器を複数の区分に分割し、各区分を撮像することにより、前記細胞培養容器の全面の細胞を撮像する、付記4から6のいずれかに記載の細胞処理装置。
(付記8)
前記制御ユニットは、各区分の画像を統合し、前記細胞培養容器の全面の画像を取得する、付記7記載の細胞処理装置。
(付記9)
前記制御ユニットは、
前記レーザ画像を所定幅の分割画像に分割し、
前記レーザ投射ユニットの位置であるレーザ位置情報と、前記レーザ投射ユニットの位置において前記細胞に投射する分割画像とを関連付けた分割画像情報を前記レーザ画像情報として作成後、記憶し、
前記レーザ投射ユニットは、前記細胞に対して、前記レーザ画像として前記分割画像を投射する、付記1から8のいずれかに記載の細胞処理装置。
(付記10)
前記観察ユニットは、前記細胞培養容器内の全面を撮像し、
前記制御ユニットは、
得られた細胞培養容器の全面の画像に基づき、前記レーザ画像を作成し、
前記レーザ画像を所定幅の分割画像に分割し、
前記レーザ投射ユニットの位置であるレーザ位置情報と、前記レーザ投射ユニットの位置において前記細胞に投射する分割画像とを関連付けた分割画像情報を前記レーザ画像情報として作成後、記憶し、
前記レーザ移動ユニットは、前記細胞培養容器の一端の分割画像の投射開始位置から、前記細胞培養容器の他端の分割画像の投射終了位置まで移動後、前記細胞培養容器の他端の新たな分割画像の投射開始位置から、前記細胞培養容器の一端の新たな分割画像投射終了位置まで移動することにより、
前記レーザ投射ユニットは、前記細胞培養容器の一端の分割画像の投射開始位置から、前記細胞培養容器の他端の分割画像の投射終了位置まで前記分割画像を投射し、前記細胞培養容器の他端の新たな分割画像の投射開始位置から、前記細胞培養容器の一端の新たな分割画像投射終了位置まで前記分割画像を投射し、
前記レーザ移動ユニットおよび前記レーザ投射ユニットは、前記細胞培養容器の全面の細胞に対して、前記移動および分割画像の投射を実施する、付記4から9のいずれかに記載の細胞処理装置
(付記11)
前記レーザ画像生成部は、空間変調素子を含む、付記1から10のいずれかに記載の細胞処理装置。
(付記12)
前記空間変調素子は、デジタルマイクロミラーデバイスを含む、付記11記載の細胞処理装置。
(付記13)
細胞培養容器内の細胞に対して、レーザ画像を投射することにより、レーザ処理を実施する処理工程を含み、
前記処理工程において、前記細胞培養容器の一端のレーザ画像の投射開始位置から、前記細胞培養容器の他端のレーザ画像投射終了位置まで、前記レーザ画像を投射することにより、レーザ処理を実施する、細胞のレーザ処理方法。
(付記14)
前記細胞培養容器内の細胞を含む画像に基づき、前記細胞に投射するレーザ画像を生成する生成工程を含む、付記13記載のレーザ処理方法。
(付記15)
前記細胞培養容器内の細胞を含む画像を取得する取得工程を含む、付記14記載のレーザ処理方法。
(付記16)
前記取得工程において、前記細胞培養容器内の細胞を撮像することにより、前記画像を取得する、付記15記載のレーザ処理方法。
(付記17)
前記取得工程において、前記細胞培養容器の全面について細胞を含む全面画像を取得し、
前記生成工程において、得られた全面画像に基づき、前記細胞に投射するレーザ画像を生成する、付記15または16記載のレーザ処理方法。
(付記18)
前記取得工程において、前記細胞培養容器を複数の区分に分割し、各区分を撮像することにより、前記細胞培養容器全面の細胞を撮像する、付記17記載のレーザ処理方法。
(付記19)
前記取得工程において、得られた各区分の画像を統合し、前記細胞培養容器の全面の画像を取得する、付記18記載のレーザ処理方法。
(付記20)
前記レーザ画像を所定幅の分割画像に分割する分割工程を含み、
前記処理工程において、前記細胞培養容器内の細胞に対して、前記レーザ画像として前記分割画像を投射することにより、レーザ処理を実施する、付記13から19のいずれかに記載のレーザ処理方法。
(付記21)
前記レーザ画像を所定幅の分割画像に分割する分割工程を含み、
前記処理工程は、
前記細胞培養容器の一端の分割画像の投射開始位置から、前記細胞培養容器の他端の分割画像投射終了位置まで、前記分割画像を投射する第1の処理工程と、
前記細胞培養容器の他端の新たな分割画像の投射開始位置から、前記細胞培養容器の一端の新たな分割画像投射終了位置まで、前記分割画像を投射する第2の処理工程とを含み、
前記取得工程において、前記細胞培養容器の全面について細胞を含む全面画像を取得し、
前記生成工程において、得られた全面画像に基づき、前記細胞に投射するレーザ画像を生成し、
前記処理工程において、前記細胞培養容器の全面の細胞に対して、前記第1の処理工程および前記第2の処理工程を実施する、付記13から20のいずれかに記載のレーザ処理方法。
(付記22)
前記処理工程は、レーザ投射装置を用いて実施され、
前記レーザ投射装置は、レーザ光源と、前記レーザ光源から発振されたレーザ光から前記細胞に投射するレーザ画像を生成するレーザ画像生成部とを含み、
前記処理工程において、前記レーザ画像生成部に生成されたレーザ画像を前記細胞に対して投射することにより、レーザ処理を実施する、付記13から21のいずれかに記載のレーザ処理方法。
(付記23)
前記レーザ画像生成部は、空間変調素子を含む、付記22記載のレーザ処理方法。
(付記24)
前記空間変調素子は、デジタルマイクロミラーデバイスを含む、付記23記載のレーザ処理方法。
(付記25)
前記レーザ投射装置は、付記1から12のいずれかに記載の細胞処理装置である、付記22から24のいずれかに記載のレーザ処理方法。
【解決手段】細胞培養容器内の細胞を処理する細胞処理室1と、細胞観察ユニット2と、レーザ投射ユニット4と、レーザ投射ユニットを移動可能なレーザ移動ユニット5と、制御ユニット6とを含み、レーザ投射ユニットは、レーザ光源41と、レーザ光源から発振されたレーザ光から細胞に投射するレーザ画像を生成するレーザ画像生成部42を含み、制御ユニットは、レーザ画像生成部によるレーザ画像の生成を制御し、レーザ移動ユニットが、細胞培養容器の一端のレーザ画像の投射開始位置から、細胞培養容器の他端のレーザ画像の投射終了位置まで移動することにより、レーザ投射ユニットは、細胞培養容器の一端のレーザ画像の投射開始位置から、細胞培養容器の他端のレーザ画像の投射終了位置まで、レーザ画像を投射する、細胞処理装置。