特許第6574038号(P6574038)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6574038
(24)【登録日】2019年8月23日
(45)【発行日】2019年9月11日
(54)【発明の名称】移動通信システム
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/10 20090101AFI20190902BHJP
   H04W 28/10 20090101ALI20190902BHJP
   H04W 92/14 20090101ALI20190902BHJP
【FI】
   H04W72/10
   H04W28/10
   H04W92/14
【請求項の数】4
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2018-190030(P2018-190030)
(22)【出願日】2018年10月5日
(62)【分割の表示】特願2017-103813(P2017-103813)の分割
【原出願日】2013年4月2日
(65)【公開番号】特開2018-207547(P2018-207547A)
(43)【公開日】2018年12月27日
【審査請求日】2018年10月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100169797
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 浩幸
(72)【発明者】
【氏名】ウリ アンダルマワンティ ハプサリ
(72)【発明者】
【氏名】内野 徹
(72)【発明者】
【氏名】青▲柳▼ 健一郎
(72)【発明者】
【氏名】花木 明人
【審査官】 伊東 和重
(56)【参考文献】
【文献】 特表2012−532506(JP,A)
【文献】 Telecom Italia, AT&T,Prioritization of flows routed through the same bearer,3GPP TSG-SA WG2#95,3GPP,2013年 2月 1日,S2-130393
【文献】 Telecom Italia, Nokia Siemens Networks, Qualcomm Incorporated,Views on RAN User Plane congestion mitigation,3GPP TSG-SA WG2#95,3GPP,2013年 2月 1日,S2-130060
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24−7/26
H04W 4/00−99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動管理ノードとゲートウェイ装置と無線基地局と移動局とを具備する移動通信システムであって、
前記移動管理ノードは、前記無線基地局に対して、初期コンテキスト設定手順又はベアラ設定手順において、前記ゲートウェイ装置と前記移動局との間で確立すべきアクセスベアラの識別情報と、前記アクセスベアラ上で送信されるデータフローに割り当てられるフロー優先度とを関連付けて通知するように構成されており、
前記無線基地局は、前記通知に応じて、前記ゲートウェイ装置との間で、前記アクセスベアラに対応するベアラを確立するように構成されており、
前記無線基地局は、前記通知に応じて、前記移動局との間で、前記アクセスベアラに対応するデータ無線ベアラを確立するように構成されていることを特徴とする移動通信システム。
【請求項2】
移動管理ノードとゲートウェイ装置と無線基地局と移動局とを具備する移動通信システムであって、
前記移動管理ノードは、前記無線基地局に対して、初期コンテキスト設定手順又はベアラ設定手順において、前記ゲートウェイ装置と前記移動局との間で確立すべきアクセスベアラの識別情報と、前記アクセスベアラ上で送信されるデータフローに割り当てられるフロー優先度のリストとを関連付けて通知するように構成されており、
前記無線基地局は、前記通知に応じて、前記ゲートウェイ装置との間で、前記アクセスベアラに対応するベアラを確立するように構成されており、
前記無線基地局は、前記通知に応じて、前記移動局との間で、前記アクセスベアラに対応する前記リスト内のフロー優先度に対応する1つ又は複数のデータ無線ベアラを確立するように構成されていることを特徴とする移動通信システム。
【請求項3】
移動管理ノードとゲートウェイ装置と無線基地局と移動局とを具備する移動通信システムであって、
前記移動管理ノードは、前記無線基地局に対して、初期コンテキスト設定手順又はベアラ設定手順において、前記ゲートウェイ装置と前記移動局との間で確立すべきアクセスベアラの識別情報と、前記アクセスベアラ上で送信されるデータフローに割り当てられるフロー優先度のリストとを関連付けて通知するように構成されており、
前記無線基地局は、前記通知に応じて、前記ゲートウェイ装置との間で、前記アクセスベアラに対応するベアラを確立するように構成されており、
前記無線基地局は、前記通知に応じて、前記移動局との間で、前記アクセスベアラに対応するデータ無線ベアラを確立するように構成されており、
前記無線基地局は、前記移動局に対して、前記データ無線ベアラ上での前記フロー優先度の各々に対応する優先度を設定するように指示するように構成されていることを特徴とする移動通信システム。
【請求項4】
移動管理ノードから、初期コンテキスト設定手順又はベアラ設定手順において、ゲートウェイ装置と移動局との間で確立すべきアクセスベアラの識別情報と、前記アクセスベアラ上で送信されるデータフローに割り当てられるフロー優先度とが関連付けられた通知を受信する受信部と
前記通知に応じて、前記ゲートウェイ装置との間で、前記アクセスベアラに対応するベアラを確立する第1確立部と、
前記通知に応じて、前記移動局との間で、前記アクセスベアラに対応するデータ無線ベアラを確立する第2確立部とを備えることを特徴とする無線基地局。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
LTE(Long Term Evolution)方式のRelease-12では、「UPCON(U-Plane Congestion Management) WI(Working Item)」において、U-plane信号による無線アクセスネットワーク側の輻輳の回避について検討されている。
【0003】
最近は、同じウェブブラウザのサービスであっても、文字や画像や動画やストリーミング等が混在している。
【0004】
このような状況下で、無線アクセスネットワーク側において輻輳が発生している場合、例えば、ストリーミング、文字、画像、動画という順番で送信したい。
【0005】
現状では、QoS(Quality of Service)制御を行うために、QCI(QoS Class Identifier)を用いてEPS(Enhanced Packet System)ベアラにおける優先制御を行っている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】3GPP寄書 S2-130060
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
「UPCON WI」では、QCIに加えて、より細かい優先制御を行うために、データフロー(IPフロー)ごとの優先度としての「FPI(Flow Priority Indicator)」を定義し、無銭基地局eNB(のスケジューラ)が、かかるFPIによってQoS制御及び優先制御を行うための解決手段について議論されている。
【0008】
しかしながら、無線アクセスネットワーク側で、かかる解決手段をどのように実現するかについて、具体的には、C-plane信号で必要なシグナリング(S1-AP及びRRC)が不明確であるという問題点があった。
【0009】
そこで、本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、QCIを用いた場合よりも細かい優先制御を行うことができる移動通信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の特徴は、移動管理ノードとゲートウェイ装置と無線基地局と移動局とを具備する移動通信システムであって、前記移動管理ノードは、前記無線基地局に対して、初期コンテキスト設定手順又はベアラ設定手順において、前記ゲートウェイ装置と前記移動局との間で確立すべき無線アクセスベアラの識別情報と、該無線アクセスベアラに割り当てられる1つのベアラ優先度と、該無線アクセスベアラ上で送信されるデータフローに割り当てられる1つのフロー優先度とを関連付けて通知するように構成されており、前記無線基地局は、前記通知に応じて、前記ゲートウェイ装置との間で、前記無線アクセスベアラに対応する1つのS1ベアラを確立するように構成されており、前記無線基地局は、前記通知に応じて、前記移動局との間で、前記無線アクセスベアラに対応する1つのデータ無線ベアラを確立するように構成されていることを要旨とする。
【0011】
本発明の第2の特徴は、移動管理ノードとゲートウェイ装置と無線基地局と移動局とを具備する移動通信システムであって、前記移動管理ノードは、前記無線基地局に対して、初期コンテキスト設定手順又はベアラ設定手順において、前記ゲートウェイ装置と前記移動局との間で確立すべき無線アクセスベアラの識別情報と、該無線アクセスベアラに割り当てられる1つのベアラ優先度と、該無線アクセスベアラ上で送信されるデータフローに割り当てられるフロー優先度のリストとを関連付けて通知するように構成されており、前記無線基地局は、前記通知に応じて、前記ゲートウェイ装置との間で、前記無線アクセスベアラに対応する1つのS1ベアラを確立するように構成されており、前記無線基地局は、前記通知に応じて、前記移動局との間で、前記無線アクセスベアラに対応する前記リスト内のフロー優先度に対応する1つ又は複数のデータ無線ベアラを確立するように構成されていることを要旨とする。
【0012】
本発明の第3の特徴は、移動管理ノードとゲートウェイ装置と無線基地局と移動局とを具備する移動通信システムであって、前記移動管理ノードは、前記無線基地局に対して、初期コンテキスト設定手順又はベアラ設定手順において、前記ゲートウェイ装置と前記移動局との間で確立すべき無線アクセスベアラの識別情報と、該無線アクセスベアラに割り当てられる1つのベアラ優先度と、該無線アクセスベアラ上で送信されるデータフローに割り当てられるフロー優先度のリストとを関連付けて通知するように構成されており、前記無線基地局は、前記通知に応じて、前記ゲートウェイ装置との間で、前記無線アクセスベアラに対応する1つのS1ベアラを確立するように構成されており、前記無線基地局は、前記通知に応じて、前記移動局との間で、前記無線アクセスベアラに対応する1つのデータ無線ベアラを確立するように構成されており、前記無線基地局は、前記移動局に対して、前記データ無線ベアラ上での前記フロー優先度の各々に対応するPDCPにおける優先度を設定するように指示するように構成されていることを要旨とする。
【発明の効果】
【0013】
以上説明したように、本発明によれば、QCIを用いた場合よりも細かい優先制御を行うことができる移動通信システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの全体構成図である。
図2】本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムにおけるEPSベアラ構成を示す図である。
図3】本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムにおいて移動管理ノードによって送信される「Intitial Context Setup Request」の一例を示す図である。
図4】本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムにおいて移動管理ノードによって送信される「Intitial Context Setup Request」内の情報要素「E-RAB Level QoS Parameters」の一例を示す図である。
図5】本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムにおいて無線基地局によって送信される「RRCConnectionReconfiguration」の一例を示す図である。
図6】本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムにおいて無線基地局によって送信される「RRCConnectionReconfiguration」内の情報要素「RadioResourceConfigDedicated」の一例を示す図である。
図7】本発明の第2の実施形態に係る移動通信システムにおけるEPSベアラ構成を示す図である。
図8】本発明の第2の実施形態に係る移動通信システムにおいて移動管理ノードによって送信される「Intitial Context Setup Request」内の情報要素「E-RAB Level QoS Parameters」の一例を示す図である。
図9】本発明の第2の実施形態に係る移動通信システムにおいて無線基地局によって送信される「RRCConnectionReconfiguration」の一例を示す図である。
図10】本発明の第2の実施形態に係る移動通信システムにおいて無線基地局によって送信される「RRCConnectionReconfiguration」内の情報要素「RadioResourceConfigDedicated」の一例を示す図である。
図11】本発明の第3の実施形態に係る移動通信システムにおけるEPSベアラ構成を示す図である。
図12】本発明の第3の実施形態に係る移動通信システムにおいて移動管理ノードによって送信される「Intitial Context Setup Request」内の情報要素「E-RAB Level QoS Parameters」の一例を示す図である。
図13】本発明の第3の実施形態に係る移動通信システムにおいて無線基地局によって送信される「RRCConnectionReconfiguration」の一例を示す図である。
図14】本発明の第3の実施形態に係る移動通信システムにおいて無線基地局によって送信される「RRCConnectionReconfiguration」内の情報要素「RadioResourceConfigDedicated」の一例を示す図である。
図15】本発明の第3の実施形態に係る移動通信システムにおいて無線基地局によって送信される「RRCConnectionReconfiguration」内の情報要素「RadioResourceConfigDedicated」内の情報要素「PDCP-Config」の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(本発明の第1の実施形態に係る移動通信システム)
図1乃至図6を参照して、本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムについて説明する。
【0016】
図1に示すように、本実施形態に係る移動通信システムは、移動管理ノードMMEと、ゲートウェイ装置P-GWと、ゲートウェイ装置S-GWと、無線基地局eNBと、移動局UEとを具備している。
【0017】
図2に示すように、本実施形態に係る移動通信システムにおいて、各EPSベアラは、1つのDRB(Data Radio Bearer)と、1つのS1ベアラと、1つのS5/S8ベアラとによって構成されている。
【0018】
ここで、DRBは、移動局UEと無線基地局eNBとの間で確立されるデータ無線ベアラであり、S1ベアラは、無線基地局eNBとゲートウェイ装置S-GWとの間で確立されるベアラであり、S5/S8ベアラは、ゲートウェイ装置S-GWとゲートウェイ装置P-GWとの間で確立されるベアラである。
【0019】
また、本実施形態に係る移動通信システムにおいて、各E-RAB(E-UTRAN Access Bearer)は、1つのDRBと、1つのS1ベアラとによって構成されている。
【0020】
本実施形態に係る移動通信システムでは、アプリケーションを考慮して、FPIごとに、1つのEPSベアラ、1つのE-RAB及び1つのDRBを確立するように構成されている。
【0021】
すなわち、本実施形態に係る移動通信システムでは、FPIごとに、1つのDRB、1つのS1ベアラ及び1つのS5/S8ベアラが確立されるように構成されている。
【0022】
つまり、本実施形態に係る移動通信システムでは、同じベストエフォートサービス用のデータのために、複数のEPSベアラが確立されることになる。
【0023】
また、本実施形態に係る移動通信システムでは、移動管理ノードMMEは、無線基地局eNBに対して、「Initial Context Setup手順」又は「E-RAB Setup手順」において、ゲートウェイ装置S-GWと移動局UEとの間で確立すべきE-RABの「E-RAB ID」と、かかるE-RABに割り当てられる1つのQCIと、かかるE-RAB上で送信されるデータフローに割り当てられる1つのFPIとを関連付けて通知するように構成されている。
【0024】
例えば、移動管理ノードMMEは、「Initial Context Setup Request(図3参照)」内の情報要素「E-RAB ID」を用いて、ゲートウェイ装置S-GWと移動局UEとの間で確立すべきE-RABの「E-RAB ID」を通知し、「Initial Context Setup Request(図3参照)」内の情報要素「E-RAB Level QoS Parameters(図4参照)」内の情報要素「QCI」を用いて、かかるE-RABに割り当てられる1つのQCIを通知し、「Initial Context Setup Request(図3参照)」内の情報要素「E-RAB Level QoS Parameters(図4参照)」内の情報要素「FPI」を用いて、かかるE-RAB上で送信されるデータフローに割り当てられる1つのFPIとを関連付けて通知するように構成されている。
【0025】
ここで、無線基地局eNBは、かかる通知に応じて、ゲートウェイ装置S-GWとの間で、かかるE-RABに対応する1つのS1ベアラを確立するように構成されており、移動局UEとの間で、かかるE-RABに対応する1つのDRBを確立するように構成されている。
【0026】
例えば、無線基地局eNBは、「RRCConnectionReconfiguration(図5参照)」内の情報要素「RadioResourceConfigDedicated(図6参照)」を用いて、移動局UEとの間で、かかるE-RABに対応する1つのDRBを確立するように構成されている。
【0027】
なお、移動管理ノードMMEは、無線基地局eNBに対して、「Initial Context Setup手順」又は「E-RAB Setup手順」において、複数のE-RABの設定を試みる場合、無線基地局eNBは、「RRCConnectionReconfiguration(図5参照)」内の情報要素「RadioResourceConfigDedicated(図6参照)」を用いて、移動局UEとの間で、複数のE-RABの各々に対応するDRBを確立するように構成されている。
【0028】
(本発明の第2の実施形態に係る移動通信システム)
以下、図7乃至図10を参照して、本発明の第2の実施形態に係る移動通信システムについて、上述の第1の実施形態に係る移動通信システムとの相違点に着目して説明する。
【0029】
図7に示すように、本実施形態に係る移動通信システムにおいて、各EPSベアラは、複数のDRBと、1つのS1ベアラと、1つのS5/S8ベアラとによって構成されている。
【0030】
また、本実施形態に係る移動通信システムにおいて、各E-RABは、複数のDRBと、1つのS1ベアラとによって構成されている。
【0031】
ここで、各S1ベアラは、QCIごとに確立されるように構成されており、各DRBは、同一QCIのS1ベアラを介して送信され得るデータフローに割り当てられるFPIごとに確立されるように構成されている。
【0032】
また、本実施形態に係る移動通信システムにおいて、移動管理ノードMMEは、無線基地局eNBに対して、「Initial Context Setup手順」又は「E-RAB Setup手順」において、上述の「E-RAB ID」と、上述のQCIと、FPIリストとを関連付けて通知するように構成されている。
【0033】
例えば、移動管理ノードMMEは、「Initial Context Setup Request(図3参照)」内の情報要素「E-RAB ID」を用いて、ゲートウェイ装置S-GWと移動局UEとの間で確立すべきE-RABの「E-RAB ID」を通知し、「Initial Context Setup Request(図3参照)」内の情報要素「E-RAB Level QoS Parameters(図8参照)」内の情報要素「QCI」を用いて、かかるE-RABに割り当てられる1つのQCIを通知し、「Initial Context Setup Request(図3参照)」内の情報要素「E-RAB Level QoS Parameters(図8参照)」内の情報要素「FPIList」を用いて、かかるE-RAB上で送信されるデータフローに割り当てられる1つ又は複数のFPIを含むFPIリストとを関連付けて通知するように構成されている。
【0034】
また、無線基地局eNBは、かかる通知に応じて、ゲートウェイ装置S-GWとの間で、かかるE-RABに対応する1つのS1ベアラを確立するように構成されており、移動局UEとの間で、かかるE-RABに対応するFPIリスト内のFPIに対応する1つ又は複数のDRBを確立するように構成されている。
【0035】
例えば、無線基地局eNBは、「RRCConnectionReconfiguration(図9参照)」内の情報要素「RadioResourceConfigDedicated(図10参照)」を用いて、移動局UEとの間で、かかるE-RABに対応する1つ又は複数のDRBを確立するように構成されている。
【0036】
(本発明の第3の実施形態に係る移動通信システム)
以下、図11乃至図15を参照して、本発明の第3の実施形態に係る移動通信システムについて、上述の第1の実施形態に係る移動通信システムとの相違点に着目して説明する。
【0037】
図11に示すように、本実施形態に係る移動通信システムにおいて、各EPSベアラは、1つのDRBと、1つのS1ベアラと、1つのS5/S8ベアラとによって構成されている。
【0038】
また、本実施形態に係る移動通信システムにおいて、各E-RABは、1つのDRBと、1つのS1ベアラとによって構成されている。
【0039】
ここで、本実施形態に係る移動通信システムでは、無線基地局eNBは、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)レイヤにおいて、各DRB上で、各FPIに対応するDFP(Data Flow Priority)に基づいて優先制御を行うように構成されている。
【0040】
また、本実施形態に係る移動通信システムにおいて、移動管理ノードMMEは、無線基地局eNBに対して、「Initial Context Setup手順」又は「E-RAB Setup手順」において、上述の「E-RAB ID」と、上述のQCIと、FPIリストとを関連付けて通知するように構成されている。
【0041】
例えば、移動管理ノードMMEは、「Initial Context Setup Request(図3参照)」内の情報要素「E-RAB ID」を用いて、ゲートウェイ装置S-GWと移動局UEとの間で確立すべきE-RABの「E-RAB ID」を通知し、「Initial Context Setup Request(図3参照)」内の情報要素「E-RAB Level QoS Parameters(図12参照)」内の情報要素「QCI」を用いて、かかるE-RABに割り当てられる1つのQCIを通知し、「Initial Context Setup Request(図3参照)」内の情報要素「E-RAB Level QoS Parameters(図12参照)」内の情報要素「FPIList」を用いて、かかるE-RAB上で送信されるデータフローに割り当てられる1つ又は複数のFPIを含むFPIリストとを関連付けて通知するように構成されている。
【0042】
また、無線基地局eNBは、かかる通知に応じて、ゲートウェイ装置S-GWとの間で、かかるE-RABに対応する1つのS1ベアラを確立するように構成されており、移動局UEとの間で、かかるE-RABに対応するFPIリスト内のFPIに対応する1つ又は複数のDRBを確立するように構成されている。
【0043】
例えば、無線基地局eNBは、「RRCConnectionReconfiguration(図13参照)」内の情報要素「RadioResourceConfigDedicated(図14参照)」を用いて、移動局UEとの間で、かかるE-RABに対応する1つ又は複数のDRBを確立するように構成されている。
【0044】
さらに、無線基地局eNBは、「RRCConnectionReconfiguration(図13参照)」内の情報要素「RadioResourceConfigDedicated(図14参照)」内の情報要素「PDCP-Config(図15参照)」を用いて、移動局UEに対して、かかるDRB上でのDFPを設定するように指示するように構成されている。
【0045】
(変更例)
上述の第1乃至第3の実施形態に係る移動通信システムにおいて、「Handover
Preparation手順」において、上述のFPIに関する設定は、ハンドオーバ元無線基地局S-eNBからハンドオーバ先無線基地局T-eNBに対して引き継がれるように構成されていてもよい。
【0046】
かかる場合、ハンドオーバ先無線基地局T-eNBは、自身のFPIへの対応状況や、移動局UEの能力(「UE Capability」)等によって、引き継いだFPIに関する設定を用いて、EPSベアラを設定するか否かについて決定するように構成されていてもよい。
【0047】
以上に述べた本実施形態の特徴は、以下のように表現されていてもよい。
【0048】
本実施形態の第1の特徴は、移動管理ノードMMEとゲートウェイ装置S-GWと無線基地局eNBと移動局UEとを具備する移動通信システムであって、移動管理ノードMMEは、無線基地局eNBに対して、「Initial Context Setup手順(初期コンテキスト設定手順)」又は「E-RAB Setup手順(ベアラ設定手順)」において、ゲートウェイ装置S-GWと移動局UEとの間で確立すべきE-RAB(無線アクセスベアラ)の「E-RAB ID(識別情報)」と、かかるE-RABに割り当てられる1つのQCI(ベアラ優先度)と、かかるE-RAB上で送信されるデータフローに割り当てられる1つのFPI(フロー優先度)とを関連付けて通知するように構成されており、無線基地局eNBは、かかる通知に応じて、ゲートウェイ装置S-GWとの間で、かかるE-RABに対応する1つのS1ベアラを確立するように構成されており、無線基地局eNBは、かかる通知に応じて、移動局UEとの間で、かかるE-RABに対応する1つのDRB(データ無線ベアラ)を確立するように構成されていることを要旨とする。
【0049】
かかる特徴によれば、既存のEPSベアラの構成を変更することなく、QCIを用いた場合よりも細かい優先制御を行うことができる。
【0050】
本実施形態の第2の特徴は、移動管理ノードMMEとゲートウェイ装置S-GWと無線基地局eNBと移動局UEとを具備する移動通信システムであって、移動管理ノードMMEは、無線基地局eNBに対して、「Initial Context Setup手順」又は「E-RAB Setup手順」において、「E-RAB ID」とQCIとFPIリストとを関連付けて通知するように構成されており、無線基地局eNBは、かかる通知に応じて、ゲートウェイ装置S-GWとの間で、かかるE-RABに対応する1つのS1ベアラを確立するように構成されており、無線基地局eNBは、かかる通知に応じて、移動局UEとの間で、かかるE-RABに対応するFPIリスト内のFPIに対応する1つ又は複数のDRBを確立するように構成されていることを要旨とする。
【0051】
かかる特徴によれば、S1ベアラ及びS5/S8ベアラの設定本数を増加させること無く、QCIを用いた場合よりも細かい優先制御を行うことができる。
【0052】
本実施形態の第3の特徴は、移動管理ノードMMEとゲートウェイ装置S-GWと無線基地局eNBと移動局UEとを具備する移動通信システムであって、移動管理ノードMMEは、無線基地局eNBに対して、「Initial Context Setup手順」又は「E-RAB Setup手順」において、「E-RAB ID」とQCIとFPIリストとを関連付けて通知するように構成されており、無線基地局eNBは、かかる通知に応じて、ゲートウェイ装置S-GWとの間で、かかるE-RABに対応する1つのS1ベアラを確立するように構成されており、無線基地局eNBは、かかる通知に応じて、移動局UEとの間で、かかるE-RABに対応する1つのDRBを確立するように構成されており、無線基地局eNBは、移動局UEに対して、かかるDRB上でのFPIリスト内のFPIの各々に対応するDFP(PDCPにおける優先度)を設定するように指示するように構成されていることを要旨とする。
【0053】
かかる特徴によれば、8ベアラの設定本数を増加させること無く、QCIを用いた場合よりも細かい優先制御を行うことができる。
【0054】
なお、上述の移動局UEや無線基地局eNBや移動管理ノードMMEやゲートウェイ装置S-GW/P-GWの動作は、ハードウェアによって実施されてもよいし、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールによって実施されてもよいし、両者の組み合わせによって実施されてもよい。
【0055】
ソフトウェアモジュールは、RAM(Random Access Memory)や、フラッシュメモリや、ROM(Read Only Memory)や、EPROM(Erasable Programmable ROM)や、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable ROM)や、レジスタや、ハードディスクや、リムーバブルディスクや、CD-ROMといった任意形式の記憶媒体内に設けられていてもよい。
【0056】
かかる記憶媒体は、プロセッサが当該記憶媒体に情報を読み書きできるように、当該プロセッサに接続されている。また、かかる記憶媒体は、プロセッサに集積されていてもよい。また、かかる記憶媒体及びプロセッサは、ASIC内に設けられていてもよい。かかるASICは、移動局UEや無線基地局eNBや移動管理ノードMMEやゲートウェイ装置S-GW/P-GW内に設けられていてもよい。また、かかる記憶媒体及びプロセッサは、ディスクリートコンポーネントとして移動局UEや無線基地局eNBや移動管理ノードMMEやゲートウェイ装置S-GW/P-GW内に設けられていてもよい。
【0057】
以上、上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。従って、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【符号の説明】
【0058】
UE…移動局
eNB…無線基地局
MME…移動管理ノード
S-GW、P-GW…ゲートウェイ装置
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