(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6574062
(24)【登録日】2019年8月23日
(45)【発行日】2019年9月11日
(54)【発明の名称】差温回路カード環境を提供する装置及び方法
(51)【国際特許分類】
G06F 1/20 20060101AFI20190902BHJP
H05K 7/20 20060101ALI20190902BHJP
H01L 23/44 20060101ALI20190902BHJP
【FI】
G06F1/20 C
H05K7/20 U
H01L23/44
【請求項の数】14
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2018-525552(P2018-525552)
(86)(22)【出願日】2016年10月11日
(65)【公表番号】特表2019-504378(P2019-504378A)
(43)【公表日】2019年2月14日
(86)【国際出願番号】US2016056444
(87)【国際公開番号】WO2017087092
(87)【国際公開日】20170526
【審査請求日】2018年5月31日
(31)【優先権主張番号】14/943,337
(32)【優先日】2015年11月17日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503178185
【氏名又は名称】ノースロップ グラマン システムズ コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】NORTHROP GRUMMAN SYSTEMS CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】クリスチャンセン、マーティン ブロクナー
(72)【発明者】
【氏名】ホロシンスキ、レオナード ジョージ
(72)【発明者】
【氏名】ヘフナー、エイチ.クレイグ
(72)【発明者】
【氏名】ワカミヤ、スタンリー カツヨシ
(72)【発明者】
【氏名】カークウッド、キース アール.
【審査官】
佐賀野 秀一
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−049015(JP,A)
【文献】
特開2004−342325(JP,A)
【文献】
特開2013−149975(JP,A)
【文献】
米国特許第05825621(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 1/20
H01L 23/44
H05K 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所望の差温回路カード環境を提供する装置において、
互いに空間的に近接して維持されている、二つの縦方向に隣接する回路カードアセンブリであり、
それぞれの回路カードアセンブリは異なる温度にあり、
前記二つの回路カードアセンブリの間の縦方向のプレートカプラ及びカードコネクタの少なくとも一方の存在によって、前記二つの回路カードアセンブリの間に低寄生熱伝達性を有する、前記回路カードアセンブリを含む装置であって、
前記それぞれの回路カードアセンブリは、複数のカードユニットから構成され、
それぞれの前記カードユニットは、
前方及び後方第一プレート側を備え、動作形態を第一プレート温度に備えている実質的に平坦な第一温度プレートであって、前記前方及び後方第一プレート側は横−縦平面に配向され、かつ、横方向及び縦方向の両方において前記第一温度プレートの長さより顕著に小さい第一プレートの厚さによって横方向に分離されている前記第一温度プレートと、
前方及び後方第二プレート側を備え、動作形態を前記第一プレート温度とは異なる第二プレート温度に備えている実質的に平坦な第二温度プレートであって、前記前方及び後方第二プレート側は前記第一温度プレートと実質的に同じ横−縦平面に配向され、かつ、横方向及び縦方向の両方において前記第二温度プレートの長さより顕著に小さい第二プレートの厚さによって横方向に分離されている前記第二温度プレートと、
前記第一及び第二温度プレートと実質的に同じ横−縦平面に配向され、横方向に延びるプレートカプラであって、前記プレートカプラは、前記前方及び後方第一プレート側の少なくとも一方に連結され、かつ、前記カードユニットを形成するために前記第一及び第二温度プレートを、相対的に縦方向に離間した状態に維持するために、前記前方及び後方第二プレート側の少なくとも一方に連結されている前記プレートカプラと
から構成され、
前記複数のカードユニットは、第二カードユニットの前方第一及び第二プレート側の少なくとも一部が、第一カードユニットの後方第一及び第二プレート側の少なくとも一つの対応部分に直接的に横方向に隣接する状態で、横方向に配向された積み重ね形態に配置される装置。
【請求項2】
前記プレートカプラは、前記第一及び第二温度プレートの間の縦方向の磁気的、熱的、及び、放熱伝達の少なくとも一つを制限するために、隣接した前記第一及び第二カードユニットの間に横方向に、及び前記第一及び第二カードユニットの少なくとも一方の前記第一及び第二温度プレートの間に縦方向にある、空間の少なくとも一部を占める請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記装置は少なくとも一つの回路カードを含み、
横−縦平面に配向され、横方向及び縦方向の両方において前記回路カードの長さより顕著に小さいカード厚さによって横方向に分離されている前方及び後方回路カード側を有し、
前記回路カードは、前記後方回路カード側の横方向に対向する前方回路カード側に、少なくとも一つのICチップを支持しており、
前記後方回路カード側は、選択された前記カードユニットの前記前方第一及び第二プレート側に直接的に横方向に隣接している請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記少なくとも一つの回路カードは、前向き回路カードであり、少なくとも一つの後向きの回路カードを含み、前記後方の後向き回路カード側の横方向に対向する前記前方の後向き回路カード側に、少なくとも一つのICチップを支持しており、前記後方の後向き回路カード側は選択された前記カードユニットの前記後方第一及び第二プレート側に直接的に横方向に隣接している請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記回路カードは、縦方向に離間する第一及び第二回路カードサブアセンブリを含み、前記第一及び第二回路カードサブアセンブリは実質的に横−縦平面に配向される単一の前記回路カードに共に連結されており、前記第一及び第二回路カードサブアセンブリは、前記第一及び第二回路カードサブアセンブリと実質的に同じ横−縦平面に配向して横方向に延びるカードコネクタによって共に連結されている請求項1〜4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記カードコネクタは、横方向に延びる複数のコネクタ開口を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記プレートカプラは、横方向に延びる複数の突起を含み、
前記第一及び第二温度プレートの間の縦方向の磁気的、熱的、及び、放熱伝達の少なくとも一つを制限するために前記カードユニットが横方向に配向された積み重ね形態にあるとき、それぞれの突起が対応する前記コネクタ開口を通って横方向に延びる請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記装置は、それぞれ前記第一及び第二プレート温度を少なくとも部分的に誘導するために前記第一及び第二温度プレートの少なくとも一方と動作可能に接続された熱エネルギ伝達装置を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
所望の差温回路カード環境を提供する方法において、その方法は複数のカードユニットを提供することであって、
それぞれのカードユニットは、
前方及び後方第一プレート側を備える実質的に平坦な第一温度プレートであって、前記前方及び後方第一プレート側は横−縦平面に配向され、横方向及び縦方向の両方において前記第一温度プレートの長さより顕著に小さい第一プレートの厚さによって横方向に分離される前記第一温度プレートと、
前方及び後方第二プレート側を備える実質的に平坦な第二温度プレートであって、前記前方及び後方第二プレート側は前記第一温度プレートと実質的に同じ横−縦平面に配向され、横方向及び縦方向の両方において前記第二温度プレートの長さより顕著に小さい第二プレートの厚さによって横方向に分離されている前記第二温度プレートと、
前記第一及び第二温度プレートと実質的に同じ横−縦平面に配向され、横方向に延びるプレートカプラとを備えるカードユニットを提供することと、
前記プレートカプラを、前記前方及び後方第一プレート側の少なくとも一方に連結し、かつ、前記カードユニットを形成するために前記第一及び第二温度プレートを、相対的に縦方向に離間した状態に維持するために、前記前方及び後方第二プレート側の少なくとも一方に連結することと、
前記第一温度プレートが第一プレート温度において動作するように構成することと、
前記第二温度プレートが第一プレート温度とは異なる第二プレート温度において動作するように構成することと、
前記複数のカードユニットを、第二カードユニットの前方第一及び第二プレート側の少なくとも一部が、第一カードユニットの後方第一及び第二プレート側の少なくとも一つの対応部分に直接的に横方向に隣接する状態で、横方向に配向された積み重ね形態に配置することと
を含む方法。
【請求項10】
隣接した前記第一及び第二カードユニットの間に横方向に、及び前記第一及び第二カードユニットの少なくとも一方の前記第一及び第二温度プレートの間に縦方向にある、空間の少なくとも一部を占める前記プレートカプラの配置を通じて、前記第一及び第二温度プレートの間の、縦方向の磁気的、熱的、及び、放熱伝達の少なくとも一つを制限することを含む請求項9に記載の方法。
【請求項11】
少なくとも1つの回路カードを提供することであって、その回路カードは、
横方向及び縦方向の両方において前記回路カードの長さより顕著に小さいカード厚さによって横方向に分離されている前記前方及び後方回路カード側を有することと、
前記後方回路カード側の横方向に対向する回路カードの前方回路カード側に、少なくとも一つのICチップを支持することと、
前記後方回路カード側を、選択された前記カードユニットの前記前方第一及び第二プレート側に直接的に横方向に隣接させて配置することと、を含む請求項9又は10に記載の方法。
【請求項12】
前記少なくとも一つの回路カードは、前向き回路カードであり、
少なくとも一つの後向き回路カードを提供することと、
後方の後向き回路カード側の横方向に対向する前記後向き回路カードの前方の後向き回路カード側に、少なくとも一つのICチップを支持することと、
前記後方の後向き回路カード側を、選択されたカードユニットの前記後方第一及び第二プレート側と直接的に横方向に隣接して配置することと、を含む請求項9〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記プレートカプラは、横方向に延びる複数の突起を含み、前記方法は、
前記カードユニットが横方向に配置された積み重ねであるとき、それぞれの突起が対応するコネクタ開口を通って横方向に延びることと、
前記複数の突起により前記第一及び第二温度プレートの間の縦方向の磁気的、熱的、及び、放熱伝達の少なくとも一つを制限することと、を含む請求項10〜12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
熱エネルギ伝達装置を提供することと、
前記熱エネルギ伝達装置を前記第一及び第二温度プレートの少なくとも一方と動作可能なように接続することと、
前記熱エネルギ伝達装置でそれぞれ前記第一及び第二プレート温度を少なくとも部分的に誘導することと、を含む請求項10〜13のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、回路カード環境を提供する装置及び方法、特に所望の差温回路カード環境を提供する装置及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
回路カードは複数の集積回路(チップ)を含む電子機器のアセンブリを構築する技術であり、現在常用されている技術である。これらのアセンブリは複数の形式に分類でき、それらは有機多層積層プリント配線板(PWB)、低温同時焼成セラミック(LTCC)、高温同時焼成セラミック(HTCC)である。これらの技術をそれぞれ用いて、回路カードのアセンブリが製作されている。
【0003】
超伝導のスーパーコンピュータでは、多くの動作処理集積回路(チップ)は約4Kに冷却されているが、いくらかの記憶チップは約77Kという温かい動作温度を備えている。4Kに冷却することには費用がかかるため、スーパーコンピュータの熱寄生負荷を減少させるために、全力が注がれている。それには、アセンブリを対流がない真空中に置くこと、コーティングと積層の絶縁を使用して放熱を減少させること、及び、アセンブリ全体の「熱い側」と「冷たい側」との間の伝導性の熱負荷を制限することが含まれる。
【0004】
大規模の適用を行うため、現在の技術ではそれぞれの極低温でデュワを使用することによって熱寄生負荷を回避しながら、超伝導のスーパーコンピュータを所望の動作温度に到達させるという課題を解決している。4Kデュワは液体ヘリウムで保たれ、77Kデュワは液体窒素を使用している。二つの温度側の信号はケーブルによって伝達される。この解決手法ではデジタル的視点からすると、長いケーブルを延ばす必要があり、4K領域と77K領域との間に顕著な待機時間を生じさせ、4Kステージでより多くの部品を必要とすると見られる。これらの追加部品は著しく電力を消費し、超伝導のスーパーコンピュータのいくつかの設計を不可能にしている。
【0005】
小規模な適用においては、クライオクーラは両温度で使用できる。クライオクーラの中間段階では77Kのプラットフォームを提供する一方で、クライオクーラの最終段階では4Kの段階を提供する。二つの領域の間の連結を完結させるためにケーブルが用いられる。これにより、二つの温度側を隣接させられるが、大規模な適用には向かない。
【発明の概要】
【0006】
一実施形態では、所望の差温回路カード環境を提供する装置が開示されている。複数のカードユニットが提供される。個々のカードユニットは、横−縦平面に配向された、横方向及び縦方向の両方において第一温度プレートの長さより顕著に小さい第一プレートの厚さによって横方向に分離されている前方及び後方第一プレート側を有する実質的に平坦な第一温度プレートから成っている。第一温度プレートは第一プレート温度における動作形態を備えている。実質的に平坦な第二温度プレートは第一温度プレートと同じ横−縦平面に前方及び後方第二プレート側を有する。前方及び後方第二プレート側は、横方向及び縦方向の両方において第二温度プレートの長さより顕著に小さい第二プレートの厚さによって横方向に分離されている。第二温度プレートは第一プレート温度とは異なる第二プレート温度における動作形態を備えている。横方向に延びるプレートカプラは、第一及び第二温度プレートと実質的に同じ横−縦平面に配向されている。プレートカプラは前方及び後方第一プレート側の少なくとも一方に連結されている。プレートカプラは、カードユニットを形成するために第一及び第二温度プレートを、相対的に縦方向に離間した状態に維持するために、前方及び後方第二プレート側の少なくとも一方に連結されている。複数のカードユニットは、第二カードユニットの前方第一及び第二プレート側の少なくとも一部が、第一カードユニットの後方第一及び第二プレート側の少なくとも一つの対応部分に直接的に横方向に隣接する状態で、横方向に配向された積み重ね形態で配置されている。
【0007】
一実施形態では、所望の差温回路カード環境を提供する方法が開示されている。複数のカードユニットが提供される。個々のカードユニットは、横−縦平面に配向された、横方向及び縦方向の両方において第一温度プレートの長さより顕著に小さい第一プレートの厚さによって横方向に分離されている前方及び後方第一プレート側を有する実質的に平坦な第一温度プレートから成っている。実質的に平坦な第二温度プレートは第一温度プレートと同じ横−縦平面に前方及び後方第二プレート側を有する。前方及び後方第二プレート側は、横方向及び縦方向の両方において第二温度プレートの長さより顕著に小さい第二プレートの厚さによって横方向に分離されている。横方向に延びるプレートカプラは、第一及び第二温度プレートと実質的に同じ横−縦平面に配向されている。プレートカプラは前方及び後方第一プレート側の少なくとも一方に連結されている。プレートカプラは、カードユニットを形成するために第一及び第二温度プレートを、相対的に縦方向に離間した状態に維持するために、前方及び後方第二プレート側の少なくとも一方に連結されている。第一温度プレートは第一プレート温度で動作するよう設定されている。第二温度プレートは第一プレート温度とは異なる第二プレート温度で動作するよう設定されている。複数のカードユニットは、第二カードユニットの前方第一及び第二プレート側の少なくとも一部が、第一カードユニットの後方第一及び第二プレート側の少なくとも一つの対応部分に直接的に横方向に隣接する状態で、横方向に配向された積み重ね形態で配置されている。
【0008】
一実施形態では、所望の差温回路カード環境を提供する装置が開示されている。二つの縦方向に隣接する回路カードアセンブリは、互いに空間的に近接して維持されており、互いに異なる温度を持つ。二つの回路カードアセンブリの間の寄生熱伝達性は、二つの回路カードアセンブリの間に縦方向にあるプレートカプラ及びカードコネクタの少なくとも一方の存在によって少なくなる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図12】
図9の12−12線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
この技術は以下の特徴を含み、又は以下の特徴からなり、又は実質的に以下の特徴からなる。これらの特徴はいずれの組み合わせでもよい。
ある要素が他の要素に「接して」、「取り付けられて」、「接続されて」、「連結して」、「接触して」と表現されている場合、直接的に又は間接的にのいずれをも含むと解釈される。反対に、ある要素が以下のように言及されている場合に、例えば、他の要素に「直接接して」、「直接取り付けられて」、「直接接続されて」、「直接連結されて」、「直接接触して」のような場合には、中間要素がないと解釈される。ある構造又は特徴が他の特徴に「直接隣接して」配置されていることに言及する場合、「隣接する」特徴と重なるか下方に横たわる部分を備えている可能性があり、一方、他の特徴に「隣接して」配置されるある構造または特徴が、隣接する特徴に重なるか下方に横たわる部分を備えていない可能性があることを、当業者であれば理解されるであろう。
【0011】
「下に」、「下方に」、「より低く」、「上に」、「上方に」などの空間的な関係を示す用語は、図示の要素又は特徴が他の要素又は構造との関係を説明する説明文を容易にするために用いられる。空間的な関係を示す用語は、図示の方向に加え、装置が使用中又は操作中の各種の方向をも包含するものと解釈される。例えば、図示の装置が反転された場合、他の要素又は特徴の「下に」又は「下方に」あると説明されていた要素は、他の要素又は特徴の「上に」配向される。
【0012】
多くの部品を説明するために本説明で「第一」「第二」などの用語が用いられていても、該部品はこれらの用語に限定されないと解釈される。これらの用語は単に部品を区別するために用いられる。従って、「第一」部品についての説明でも、本開示の示唆から逸脱することなく、「第二」部品と称されることがあり得る。一連の操作(又はステップ)は特記しない限り請求項又は図に示す順番に限定されない。
【0013】
図1から4は所望の差温回路カード環境を提供するための装置100を示す。装置100は複数のカードユニット102を備えている。図に示す装置100は12個のカードユニット102を備えているが、特定の用途のためにわずか一個から数百個あるいはそれ以上のカードユニット102を備える広範囲に対応可能な装置100が考えられる。
【0014】
それぞれのカードユニット102は、横−縦平面(
図3におけるページの平面と実質的に同一の横−縦平面LLP)にそれぞれ配向される前方及び後方第一プレート側206及び208を有する実質的に平坦な第一温度プレート204を含んでいる。前方及び後方第一プレート側206及び208は、横方向及び縦方向の両方において第一温度プレート204の長さより顕著に小さい第一プレートの厚さ210によって横方向に分離されている(すなわち第一温度プレート204の厚さはそれの幅や高さに比べてはるかに小さい)。第一温度プレート204は第一プレート温度に動作形態を備え、加熱及び冷却の少なくとも一方の熱エネルギに関与しうる。例えば、超伝導スーパーコンピュータ構造では、第一温度プレート204は、約4K等の2−6Kの範囲の温度を近隣構造(例えば以下で説明する回路カード)に提供するために選択される所定の第一プレート温度に設定される。
【0015】
また、カードユニットは、第一温度プレート204と実質的に同一の横−縦平面(LLP)に配向される前方及び後方第二プレート側214及び216を有する実質的に平坦な第二温度プレート212を含んでいる。前方及び後方第二プレート側214及び216は、横方向及び縦方向の両方において第二温度プレート212の長さより顕著に小さい第二プレートの厚さ218によって横方向に分離されている(すなわち第一温度プレート204の厚さはそれの幅や高さに比べてはるかに小さい)。第二温度プレート212は第一プレート温度とは異なる第二プレート温度に動作形態を備えている。例えば、超伝導スーパーコンピュータ構造では、第二温度プレート212は、約77K等の75−79Kの範囲の温度を近隣構造(例えば以下で説明する回路カード)に提供するために選択される所定の第二プレート温度に設定される。しかし、装置100は、例えば、限定されるものではないが、極低温ではない環境、マルチ温度環境、あるいは、単一温度の環境(寄生熱ロスがデュアル温度環境のように存在しないが)等のあらゆる所望の環境でも使用可能である。
【0016】
第一及び第二温度プレート204、212は能動的(例えば、流体フローチャネルを含む、図示していない)又は受動的のいずれの形式でもよい。例えば、限定はされないが、第一及び第二温度プレート204、212の少なくとも一方は、セラミック及び/又は、スチール、アルミニウム、銅などの金属のあらゆる適切な材料によって作られる厚い板であってよい。ほとんどの使用環境では、第一及び第二温度プレート204、212は以下に述べるような熱エネルギの伝達のために熱伝導性であるべきである。
【0017】
装置100は、第一及び第二温度プレート204、212と実質的に同一の横−縦平面(LLP)に配向された横方向に延びるプレートカプラ220を備えている。プレートカプラ220は、図に示すように留め金具222及び任意に一つ又は複数の中間プレート224を介して、前方及び後方第一プレート側206及び208の少なくとも一方に直接的に又は間接的に連結されている。例えば、図に示す中間プレート224は、装置100の熱い側と冷たい側との間を相互に連結する低伝熱性の回路インターコネクトを備えている。プレートカプラ220は、カードユニット102を形成するために第一及び第二温度プレート204、212を、相対的に縦方向に離間した状態に維持するために、前方及び後方第二プレート側214及び216の少なくとも一方に直接的に又は間接的に連結されている。
【0018】
プレートカプラ220はあらゆる適切な材料又は適切な材料の組み合わせによって作られることができる。プレートカプラ220は熱エネルギの反射を助けるために金メッキが施され又は別の処理が施されてもよい。同様に、プレートカプラ220は高い比透磁率を持つ物質又は磁場移動を阻止するような物質で作られてもよい。一般的に高透過性物質には合金が含まれ、例えば、カーペンタ ハイ パーミアビリティ49(登録商標)及び/又はカーペンタHyMu80(登録商標)(ペンシルバニア州 レディングの、カーペンタ テクノロジ コーポレーションの商標)が用いられ、それらの組成はそれぞれ、48%ニッケル鉄合金及び非配向80%ニッケル鉄モリブデン合金である。
【0019】
図示のように、複数のカードユニット102は、第二カードユニット102bの前方第一及び第二プレート側206、214の少なくとも一部が、第一カードユニット102aの後方第一及び第二プレート側208及び216の少なくとも一つの対応部分に直接的に横方向に隣接する状態で、横方向に配向された「積み重ね」形態で配置されている。任意には、図示のように、前方及び後方第一及び第二プレート側206、208、214、216の一方又は両方(ここでは、後方第一及び第二プレート側208及び216)は、全体として「積み重ね」に対して比較的滑らかな又は一定な深さの(すなわち、横方向に配向された)頂部/底部の表面を依然として提供しながら、他の「内部」構造を収容するために形成されたり段差がつけられたりする。任意には、あらゆる所望の型式のブラケット又は他の「束ねる」構造は(
図1のアライメントガイド126で模式的に示す)、複数のカードユニット102の「積み重ね」又は「ブロック」形態を維持するために使用される。
【0020】
プレートカプラ220は、第一及び第二カードユニット102a及び102bの少なくとも一方の第一及び第二温度プレート204及び212の間に縦方向にあり、かつ、第一及び第二カードユニット102a及び102bの間に横方向にある空間の少なくとも一部(一例として
図4の428の斜線で示す空間)を占める。プレートカプラ220の存在は、第一及び第二温度プレート204及び212の間の縦方向の磁気的、熱的、及び、放熱伝達の少なくとも一つの制限を補助する。例えば、プレートカプラ220は、隣接する温度プレート102の間の空間428を横方向に少なくとも部分的に「満たす」ことができるため、温度プレート102の間の空間又は隙間428を通る磁気的、熱的、及び/又は放射エネルギの潜在的な縦方向の経路を塞ぐことができる。別の例として、プレートカプラは熱遮蔽及び電磁妨害(EMI)のシールド容量として作用することができる。
【0021】
熱エネルギ伝達装置(
図1の130に模式的に示す)は、それぞれの第一及び第二プレート温度を少なくとも部分的に含むようにするために、第一及び第二温度プレートの少なくとも一方に動作可能なように接続されている。例えば、熱サイフォン、デュワフラスク、クライオクーラ、熱電クーラ、パルスチューブ、G−Mクーラ、希釈冷凍、又は他の熱エネルギ伝達装置130は装置100に所望の熱的特性を提供するために使用されることができる。
【0022】
装置100の一つ又はそれ以上のカードユニット102は、
図2に示すように、装置100によって作られた所望の差温回路カード環境を利用するために動作可能なように設定された少なくとも一つの回路カード232を有する。この回路カード232は、横方向及び縦方向の両方において回路カード232の長さより顕著に小さいカードの厚さ238によって横方向に分離されている(すなわち回路カード232の厚さはそれの幅や高さに比べてはるかに小さい)横−縦平面内に配向される前方及び後方回路カード側234及び236を有している。回路カード232は、後方回路カード側236の横方向に対向する前方カード側234に、少なくとも一つのICチップ240を支持している。
【0023】
後方回路カード側236は、選択されたカードユニット102aの前方第一及び第二プレート側206及び214に直接的に横方向に隣接している。任意には、回路カード232は選択されたカードユニット102aの前方第一及び第二プレート側206及び214に直接取り付けることができ、あるいは、回路カード232は、選択されたカードユニット102aの前方第一及び第二プレート側206及び214に近接して、単に保持されるだけでもよい。回路カード232と第一及び第二温度プレート204及び212は、所望の熱エネルギ伝達(加熱及び冷却の少なくとも一方)を回路カード232に、及び、伝導により前方回路カード側234上のICチップ240に提供するよう、動作可能に設定されている。第一及び第二温度プレート204及び212も、又は代わりに、前方回路カード側234上のICチップ240にEMI遮蔽を提供することができる。
【0024】
適切な回路カード232の一例は、2015年11月17日出願の同時係属中の米国特許出願、第14/943299号、タイトル「回路カードアセンブリ及びそれを提供する方法」(代理人整理番号NG(ES)024659 US PRI)で提供されており、その全体を参照することにより本文中に組み込まれている。回路カード232は、又はその一部は、プレートカプラ220のように、隣接した第一及び第二カードユニット102a及び102bの間に横方向に、及び/又は第一及び第二カードユニット102a及び102bの少なくとも一方の第一及び第二温度プレート204、212の間に縦方向にある、空間(例として
図4の428の斜線で示す空間)の少なくとも一部を占めてもよい。回路カード232の存在、又はその一部の存在は、第一及び第二温度プレート204及び212の間の縦方向の磁気的、熱的、及び、放熱伝達の少なくとも一つの制限を補助する。例えば、プレートカプラは熱遮蔽および電磁妨害(EMI)のシールド容量として作用することができる。
【0025】
任意には、単一の回路カード232の複数のICチップ240は各種の温度条件を有する。例えば、縦方向の最上位の(図示の方向で)配列のICチップ240は約4Kのように約2−6Kの範囲で所望の動作温度を持つ。同様に、縦方向の最下位(図示の方向で)の配列のICチップ240は約77Kのように約75−79Kの範囲で所望の動作温度を持つ。第一及び第二温度プレート204及び212を使用することで、装置100は回路カード232のために所望の差温環境を提供することができ、プレートカプラ220は、回路カード232の縦方向の最上位部分と最下位部分との間における、数あるエネルギのうち、熱エネルギの縦方向の伝達をブロックすることによって、熱効率を助けることができる。
【0026】
つまり、二つの縦方向に隣接した回路カード232アセンブリは、二つの回路カード232アセンブリ間の縦方向のプレートカプラ220及びカードコネクタ644の少なくとも一方の存在によって、二つの回路カード232アセンブリ間は低寄生熱伝達性を備え、それぞれ異なる温度で互いに空間的に近接して保たれることができる(装置100内のそれらの含有部を経由して)。
【0027】
任意には、そして図示のように、少なくとも一つの回路カード232は前向きの回路カード232aであり、装置100は少なくとも一つの後向きの回路カード232bを含み、回路カード232bは前方の後向き回路カード側234b上に少なくとも一つのICチップ240bを支持し、後方の後向き回路カード側236bに対して横方向の反対側を向いている。後方の後向き回路カード側236bは、選択されたカードユニット102の後方第一及び第二プレート側208及び216に直接的に横方向に隣接している。言い換えると、一つ又はそれ以上のカードユニット102は反対側を向く回路カード232を含むことができるため、単一の温度プレートの前方側及び後方側の両方における温度伝達特性を利用できる。
【0028】
図5から8は、
図1から4とは異なる装置100’の第二構造を説明している。それゆえに、
図1から4を参照して言及された構造と同様又は類似した
図5から8の構造は、番号付けがされていないか、又は「ダッシュ」マークを付加した同じ参照番号を持つ。第一構造で前述された共通要素及び動作と類似の要素及び動作の説明は、第二構造に関しては繰り返されない。
【0029】
図5から8に示す装置100’と
図1から4に示す装置100との主な相違点は、回路カード232’の構成である。
図5から8では、実質的に横−縦平面に配向される単一の回路カード232’に共に連結された第一及び第二の縦方向に離間する回路カードサブアセンブリ642a及び642bを含む。第一及び第二回路カードサブアセンブリ642a及び642bは、第一及び第二回路カードサブアセンブリ642a及び642bと実質的に同じ横−縦平面に配向された、横方向に延びるカードコネクタ644によって連結されている。(しかし、仮にカードコネクタ644の後側がカードサブアセンブリ642a及び642bの前側に取り付けられているのであれば、回路カード232’の構成要素の実質的な共平面の本質を破壊しない程度にわずかに横方向にオフセットされるかもしれないということが考えられる。)
図5から8に示す装置100’では、カードコネクタ644を、例えば、限定はされないが、接着、ハンダ付け、ろう付け、機械的クランピング、及び/又は溶接等の、あらゆる所望の方法で、第一及び第二回路カードサブアセンブリ642a及び642bと取り付けられることができる。プレートカプラ220は、カードコネクタ644と第一及び第二回路カードサブアセンブリ642a及び642bとの間のわずかなオフセットを占有するように構成されることができ、又は
図5から8に示す装置100’のスペース428の物理的な配置のために構成されることができる。
【0030】
図9から12は、
図1から4の構成とは異なる装置100’’の第三構造を説明している。それゆえに、
図1から8で言及された構造と同様又は類似した
図9から12に示す構造は、番号付けがされていないか、又はダブル「ダッシュ」マークを付加した同じ参照番号を持つ。第一及び第二構造で前述された共通要素及び動作と類似の要素及び動作の説明は、第三構造に関しては繰り返されない。
【0031】
図9から12に示す装置100’’と
図1から8に示す装置100及び100’との主な相違点は、回路カード232’’の構成である。
図9から11に示すように、カードコネクタ644’’はそれを通るよう横方向に延びる複数のコネクタ開口946を含む。コネクタ開口946は、例として、カードコネクタ644’’の断面の大きさを減らし、それによって回路カードサブアセンブリ642a’’及び642b’’の間の伝導性の熱伝達を減らす等の様々な理由で提供される。
【0032】
従って、プレートカプラ220’’は複数の横方向に延びる突起948を含み、
図12に特に示すように、個々の突起948はカードユニット102が横方向に配向されて積み重ねられているときに、対応するコネクタ開口946を通るように横方向に延びている。プレートカプラ220’’の横方向に配向された突起948は、カードコネクタ644’’と連携して、第一及び第二温度プレート204’’及び212’’の間の縦方向の磁気的、熱的、及び、放熱伝達の少なくとも一つを制限する。
【0033】
図9から12に示す装置100’’と
図1から8に示す装置100及び100’との別の相違点は、第一及び第二温度プレート204、204’及び212、212’の構造である。
図1から8に示す装置100及び100’では第一及び第二温度プレート204、204’及び212、212’の側面は、電気的接続のためのアクセスを容易にするため、検査を容易にするため、又は他のあらゆる理由のために開かれている。反対に、第一及び第二温度プレート204’’及び212’’の側面は閉じられており、それ故に
図9に示すように「積み重ね」に対し相対的に頑丈な側面を示している。頑丈な側面は様々な装置100を積み重ねることを可能にする(4Kから4K及び77Kから77Kの共通温度をつなぎ合わせて)。頑丈な側面は又、存在するときに、装置100に対する冷却(例えば熱サイフォン)装置の取り付けを補助することに使用される。しかし、装置100、100’及び100’’のいずれの温度プレートも当業者によって所望のように設定される。
【0034】
あらゆる構造による単一の装置100の第一及び第二温度プレート204及び212の少なくとも一方は、単一の装置100において様々な回路カード232に各種の所望量の熱エネルギ伝達を提供するように設定されてもよいと考えられる。例えば、カードユニット102の単一の「積み重ね」の中央(横方向において)に向かう回路カード232は、それの半閉じの位置によって過熱の対象となることがある。それに応じて、中央に位置するカードユニット102の第一及び第二温度プレート204及び212の少なくとも一方は、積み重ねのより外側(横方向において)に向かって位置する対応するカードユニット102の第一及び第二温度プレート204及び212の少なくとも一方より激しく冷やすよう設定されてもよい。当業者は、所望の熱効果に達するように、及び装置100の外周近くの非対称な境界状態を調整する、又は回避するように、個々に又は集合的に装置100の第一及び第二温度プレート204及び212を監視(例えばセンサーを経由して)、調整(例えばサーモスタットを経由して)することができる。
【0035】
この開示の態様は上記の実施形態の例に言及して部分的に示され説明されているが、様々な付加的な実施形態が考えられると当業者であれば理解されるであろう。例えば、上記で説明された装置を使用するための特別な手法は単に例示であり、当業者であれば容易に、いくつもの道具、一連の段階、又は上記装置を配置するための他の手法/選択肢、又はそれの構成要素を上記の表示及び説明と実質的に類似の状態に決めることができるであろう。複数の実質的に類似の要素が提供されたとき、説明を明白にするために要素のただ一つの一部は図中で番号付けされてもよいが、番号付けされていない構造は大きく重複性があるために、番号付けされた構造と同一の又は対応する要素番号を付けられていると考えるべきであると当業者であれば理解されるであろう。説明されているあらゆる構造及び構成要素も、適切なストック又はオーダメイドした構成要素、及びあらゆる適切な物質又は物質の組み合わせの少なくとも一方を含むこれらの構成によって、一単位の又はモノリシックの部品として一体に形成されたり、又は個別の従属部品から作られたりすることができる。説明されているあらゆる構造及び構成要素も、特定の使用環境のために所望のように廃棄可能又は再利用可能である。あらゆる構成要素は、物質、形態、少なくとも一つの寸法、又は構成要素に付随するものを示すためにユーザが認識可能なマーク、特別な使用環境のためにユーザが類似の構成要素のアレーから一つの構成要素を選択することを助けるためにユーザが認識可能なマークを提供されることができる。「既定の」ステータスは、実際に構造をそのステータス到達させる操作の前であれば、いかなるときでも決定されることができ、「既定」は構造が既定のステータスに到達する直前に決められる。単一の装置100に連結されている回路カード232は同じでも異なっていても構わず、あらゆる適切な方法で同じ装置の他の回路カード232に又は他のあらゆる所望の構造に電気的に接続されることができる。ここで説明されているいくつかの成分は特定の幾何学的形状を有しているように示されているが、本開示の全ての構造は特定の応用のために所望の適切な形状、大きさ、形態、相対的な関連、断面積、又は他のあらゆる物理的な特徴を有してもよい。ここで説明されているそれぞれの実施形態又は形態は、他の全ての実施形態又は形態に関して討論される全ての選択肢を有すると評することは現実的ではないため、単品で又は他の構造又は特徴と組み合わせて一つの実施形態又は形態と関連付けて、又は他の実施形態又は形態と関連付けて説明されているあらゆる構造又は特徴が提供される。これらの特徴と連携する装置又は手法は、以下に述べる請求の範囲及びその均等物に基づいて定められる本開示の範囲内に収まっていると解釈されるべきである。
【0036】
他の態様、目的、及び利点は図面、開示、添付された請求の範囲の検討から得られることができる。
以下に、上記実施形態から把握できる技術思想を付記として記載する。
[付記1]
少なくとも一つの回路カードを提供することは、
縦方向に離間された第一及び第二回路カードサブアセンブリを有する少なくとも一つの回路カードを提供することと、
前記第一及び第二回路カードサブアセンブリと実質的に同じ横−縦平面に配向され、横方向に延びるカードコネクタを提供することと、
前記第一及び第二回路カードサブアセンブリを、前記カードコネクタを介して実質的に同じ横−縦平面に配向された単一の回路カードになるように共に連結することと、を含む、請求項12に記載の方法。
[付記2]
横方向に延びるカードコネクタを提供することは、
前記カードコネクタを通って横方向に延びる複数のコネクタ開口を提供することを含む付記1に記載の方法。