(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような部品実装装置では、部品本体から下方へ延びる一対のリードを有するラジアルリード型の電子部品のリードを基板のスルーホールへ挿し込んで基板へ実装する場合、実装不良を防ぐために、一対のリード間の間隔(リード幅)が予め設定された許容範囲内に入っている必要がある。したがって、このような部品実装装置では、ラジアルリード型の電子部品の実装時に、当該電子部品のリード幅を検出し、検出したリード幅が予め設定された許容範囲内に入っているか否かを判定する。そして、リード幅が許容範囲内に入っていると判定した場合に、その電子部品の基板への実装を実行する。
【0005】
このような判定を行う部品実装装置では、リード幅が許容範囲から外れる電子部品が多いと、基板への電子部品の実装効率が下がり、生産性が低下してしまう。これに対しては、例えば、装置のオペレータが所定のマージンの範囲内でリード幅の許容範囲を変更することで、リード幅が許容範囲から外れる電子部品を減らして実装効率を向上させることができる。しかしながら、リード幅の許容範囲を変更すると、例えば、リード幅やリードが挿入される基板のスルーホールの大きさなどが異なる他の電子部品の実装効率に影響を及ぼすことが課題であった。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされた発明であり、一対のリードを有する電子部品を基板へ実装する際の実装効率を向上させることが可能な部品実装装置及び部品実装方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の部品実装装置は、
一対のリードを有する部品を把持するヘッドと、
該ヘッドを移動させて前記部品の前記リードを基板のスルーホールへ挿し込んで前記基板へ前記部品を実装させるヘッド移動機構と、
互いに異なる方向へ傾斜した一対の傾斜面を有するリード矯正部を備え、前記ヘッド移動機構によって移動される前記ヘッドに把持された前記部品の前記リードが前記リード矯正部の前記傾斜面に押し付けられることで前記リードを互いに近接または離間する方向へ変位させてリード幅を矯正するリード矯正治具と、
を備えることを特徴とする。
【0008】
この部品実装装置によれば、部品のリードをリード矯正治具のリード矯正部に設けられた傾斜面に押し付けて互いに近接または離間する方向へ変位させてリード幅を容易に矯正することができる。これにより、リード幅が許容範囲から外れていたために基板へ実装できなかった部品を基板へ実装可能にできる。したがって、リード幅の許容範囲を無理に修正して設定し直して実装不良を生じさせてしまうような不具合なく、基板への部品の実装効率を上げてタクトタイムを短縮させ、生産性を向上させることができる。
【0009】
本発明の部品実装装置において、前記リード矯正治具は、前記傾斜面同士の間隔が異なる複数の前記リード矯正部を備えることが好ましい。
【0010】
この部品実装装置によれば、一つのリード矯正治具によって、リード幅が異なる複数種類の部品のリードを変位させて矯正することができる。これにより、基板に対してリード幅が異なる複数種類の部品を実装させる部品実装工程における1サイクルのタクトタイムを短縮させることができる。
【0011】
本発明の部品実装装置において、前記リード矯正部は、前記ヘッド移動機構によって移動される前記ヘッドに把持された前記部品の押し付け方向に向かって次第に近接する一対の前記傾斜面を有する凹部を備え、
前記部品は、前記凹部に前記リードが挿し込まれることでそれぞれの前記リードが前記傾斜面に沿って変位されて互いに近接されることが好ましい。
【0012】
この部品実装装置によれば、リード幅が広がった部品のリードをリード矯正部の凹部に挿し込むことで、リードを互いに近接する方向へ変位させて矯正することができる。
【0013】
本発明の部品実装装置において、前記リード矯正部は、前記ヘッド移動機構によって移動される前記ヘッドに把持された前記部品の押し付け方向に向かって次第に離間する一対の前記傾斜面を有する凸部を備え、
前記部品は、前記凸部が前記リードの間に挿し込まれることでそれぞれの前記リードが前記傾斜面に沿って変位されて互いに離間されることが好ましい。
【0014】
この部品実装装置によれば、リード幅が狭まった部品のリードの間にリード矯正部の凸部を挿し込ませることで、リードを互いに離間する方向へ変位させて矯正することができる。
【0015】
本発明の部品実装装置において、前記リード矯正部は、前記ヘッド移動機構によって移動される前記ヘッドに把持された前記部品の押し付け方向に向かって次第に近接する一対の前記傾斜面を有する凹部と、前記ヘッド移動機構によって移動される前記ヘッドに把持された前記部品の押し付け方向に向かって次第に離間する一対の前記傾斜面を有する凸部とを備え、
前記部品は、前記凹部に前記リードが挿し込まれることでそれぞれの前記リードが前記傾斜面に沿って変位されて互いに近接され、前記凸部が前記リードの間に挿し込まれることでそれぞれの前記リードが前記傾斜面に沿って変位されて互いに離間されることが好ましい。
【0016】
この部品実装装置によれば、リード幅が広がった部品のリードをリード矯正部の凹部に挿し込むことで、リードを互いに近接する方向へ変位させて矯正することができ、リード幅が狭まった部品のリードの間にリード矯正部の凸部を挿し込むことで、リードを互いに離間する方向へ変位させて矯正することができる。
【0017】
本発明の部品実装装置において、前記リード矯正部は、前記傾斜面の少なくとも一方が移動することで前記傾斜面の間隔が変更可能とされていることが好ましい。
【0018】
この部品実装装置によれば、部品のリード幅に対応してリード矯正部の傾斜面の間隔を変更することで、その部品のリード幅を容易に矯正できる。
【0019】
本発明の部品実装装置において、前記リード矯正治具は、前記凹部と前記凸部とが隣接して形成されたリード矯正部材を有することが好ましい。
【0020】
この部品実装装置によれば、部品のリード幅を近接させる凹部と部品のリード幅を離間させる凸部とをリード矯正部材に隣接して形成したので、部品点数の削減及び構造の簡略化によるコストダウンを図りつつ、部品のリード幅の矯正を容易に行うことができる。
【0021】
本発明の部品実装装置において、前記ヘッドで把持した前記部品のリード幅を測定するリード幅測定部と、
前記リード幅測定部によって測定された前記リード幅が予め設定された許容範囲から外れている場合に、前記ヘッド移動機構によって前記ヘッドに把持された前記部品を前記リード矯正治具に押し付けて前記部品のリード幅を矯正させる制御部と、
を備えることが好ましい。
【0022】
この部品実装装置によれば、リード幅が許容範囲から外れている部品を容易に検出し、その部品のリード幅をリード矯正治具で容易に矯正することができる。
【0023】
本発明の部品実装方法は、
一対のリードを有する部品を、基板のスルーホールへ前記リードを挿し込んで前記基板に実装する部品実装方法であって、
前記部品をヘッドに把持させ、
前記ヘッドに把持させた前記部品のリード幅を測定し、
測定した前記リード幅が予め設定された許容範囲から外れているか否かを判定し、
前記リード幅が前記許容範囲から外れている場合に、互いに異なる方向へ傾斜した一対の傾斜面を有するリード矯正部を備えたリード矯正治具に前記部品を押し付けて前記リードを前記傾斜面に接触させることで、前記リードを互いに近接または離間する方向へ変位させてリード幅を矯正し、
リード幅を矯正した前記部品の前記リードを前記基板のスルーホールへ挿し込んで前記部品を前記基板に実装することを特徴とする。
【0024】
この部品実装方法によれば、リード幅が許容範囲から外れている部品のリード幅をリード矯正治具で矯正して基板に実装することができる。これにより、リード幅が許容範囲から外れていたために基板へ実装できなかった部品を基板へ実装することができる。したがって、リード幅の許容範囲を無理に修正して設定し直して実装不良を生じさせてしまうような不具合なく、基板への部品の実装効率を上げてタクトタイムを短縮させ、生産性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明の部品実装装置によれば、一対のリードを有する部品の基板への実装効率を上げて生産性を向上させることが可能な部品実装装置及び部品実装方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明に係る部品実装装置及び部品実装方法の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る部品実装装置の概略構成図である。
図2は、部品実装装置の一部の概略側面図である。
図3は、部品実装装置のヘッドに把持された電子部品の側面図である。
【0028】
図1及び
図2に示すように、本実施形態に係る部品実装装置10は、基板搬送部11と、部品供給ユニット12と、ヘッド13と、XY移動機構(ヘッド移動機構)14と、昇降機構(ヘッド移動機構)15と、レーザ認識装置(リード幅測定部)16と、リード矯正治具17と、部品貯留部18とを備えている。また、部品実装装置10は、制御装置(制御部)21と、操作部22と、表示部23とを有している。この部品実装装置10は、部品供給ユニット12によって供給される電子部品2を基板1に実装する装置である。
【0029】
基板1は、板状部材であり、表面に配線パターンが設けられている。基板1に設けられた配線パターンの表面には、リフローによって板状部材の配線パターンと電子部品とを接合する接合部材であるはんだが付着している。また、基板1には、電子部品2のリード4が挿入されるスルーホールが形成されている。
【0030】
基板搬送部11は、基板1を
図1中X軸方向に搬送する搬送機構である。基板搬送部11は、X軸方向に延在するレール11aに沿って基板1を移動させる。基板搬送部11は、基板1の実装対象面がヘッド13と対面する向きで、基板1をレール11aに沿って移動させることで基板1をX軸方向に搬送する。基板搬送部11は、供給された基板1を、レール11a上の所定位置まで搬送する。基板搬送部11は、所定位置まで搬送した基板1上に電子部品2が実装されたら、基板1を、次の工程を行う装置に搬送する。
【0031】
部品供給ユニット12は、基板1上に実装する電子部品2を多数保持し、ヘッド13に受け渡す。
【0032】
図3に示すように、ヘッド13は、電子部品2の部品本体3を吸着して把持する吸着ノズル13aを備えている。ヘッド13は、XY移動機構14によって水平方向(X,Y方向)に移動されるとともに、昇降機構15によって上下方向(Z方向)へ昇降される。また、ヘッド13は、回動機構(図示は省略)によって鉛直方向の軸線を中心として回動可能とされている。
【0033】
電子部品(部品)2は、部品本体3の下端から並列に延びる一対のリード4を有するラジアルリード型の電子部品である。本例では、円柱状に形成された部品本体3の下端から一対のリード4が平行に延在する、例えば、コンデンサー等の電子部品である。
【0034】
図2に示すように、基板1に実装される電子部品2は、テープにリード4が固定された状態で部品供給ユニット12によって順に供給される。部品供給ユニット12では、ヘッド13の吸着ノズル13aが電子部品2の部品本体3を把持した状態で切断機構(図示は省略)がリード4を切断する。これにより、電子部品2は、テープから分離される。この状態でXY移動機構14及び昇降機構15によってヘッド13が移動されることで、電子部品2がヘッド13に把持された状態で搬送される。
【0035】
レーザ認識装置(リード幅測定部)16は、光源16aと、受光素子16bと、を有する。レーザ認識装置16は、ヘッド13の吸着ノズル13aで吸着した電子部品2に対して、レーザ光を照射することで、電子部品2の形状や姿勢を検出する。また、レーザ認識装置16は、電子部品2のリード4の間隔であるリード幅Lwを測定する。
【0036】
リード矯正治具17は、XY移動機構14及び昇降機構15によって移動されるヘッド13の吸着ノズル13aに把持された電子部品2のリード幅Lwを矯正する治具である。
【0037】
部品貯留部18は、基板1に実装しない電子部品2を貯留する箱である。つまり、部品貯留部18は、基板1に実装しない廃棄対象の電子部品2が廃棄される廃棄ボックスであり、廃棄対象の電子部品2は、部品貯留部18上へ搬送され、この部品貯留部18へ投入される。
【0038】
制御装置21は、部品実装装置10の各部を制御する。操作部22は、作業者が操作を入力する入力デバイスであり、キーボード、マウスあるいはタッチパネルなどを有する。操作部22は検出した各種入力を制御装置21に送る。表示部23は、作業者に各種情報を表示する画面であり、タッチパネルやビジョンモニタを有する。表示部23は、制御装置21から入力される画像信号に基づいて各種画像を表示させる。
【0039】
次に、リード矯正治具17について説明する。
図4は、基台に固定されたリード矯正治具の斜視図である。
図5は、リード矯正治具のリード近接矯正部側から視た斜視図である。
図6は、電子部品のリードの矯正動作を説明する図であって、(a)はリード近接矯正部の正面図、(b)はリード近接矯正部の斜視図である。
図7は、リード矯正治具のリード離間矯正部側から視た斜視図である。
図8は、電子部品のリードの矯正動作を説明する図であって、(a)はリード離間矯正部の正面図、(b)はリード離間矯正部の斜視図である。
【0040】
図4に示すように、リード矯正治具17は、基台31の上部に固定されている。基台31は、部品実装装置10のテーブル10aに固定されている。
【0041】
リード矯正治具17は、治具固定ブロック32を有している。治具固定ブロック32の一方の面32aには、複数のリード近接矯正部(リード矯正部)40が設けられ、治具固定ブロック32の他方の面32bには、複数のリード離間矯正部(リード矯正部)50が設けられている。複数のリード近接矯正部40及び複数のリード離間矯正部50には、ヘッド13の吸着ノズル13aに保持された電子部品2が押し付けられる。
【0042】
図5に示すように、リード近接矯正部40は、それぞれリード近接矯正板41を有している。リード近接矯正板41は、治具固定ブロック32に形成された保持凹部42に嵌め込まれ、ネジ43によって治具固定ブロック32に固定されている。リード近接矯正板41は、その上部に、凹部44が形成されている。凹部44を構成する一対の側面は、それぞれ電子部品2の押し付け方向である下方へ向かって異なる方向へ傾斜した傾斜面45とされている。具体的には、これらの傾斜面45は、電子部品2の押し付け方向へ向かって次第に近接する傾斜面45とされている。
【0043】
複数のリード近接矯正部40は、それぞれのリード近接矯正板41の傾斜面45の間隔が異ならされており、それぞれ異なるリード幅Lwを有する電子部品2に対応している。本例では、6つのリード近接矯正部40が設けられ、正面視左側から順に、2.0mm,2.5mm,3.5mm,5.0mm,7.5mm,10.0mmのリード幅Lwの電子部品2に対応している。
【0044】
治具固定ブロック32の一方の面32aには、固定金具46がネジ47によって固定されており、この固定金具46によって、各リード近接矯正板41の凹部44を有する上端側における治具固定ブロック32と反対側が覆われている。
【0045】
図6(a)に示すように、電子部品2の一対のリード4がリード近接矯正板41の凹部44に挿し込まれると、
図6(b)に示すように、各リード4は、傾斜面45にそれぞれ接触し、その後、傾斜面45に接触しながら下方へ移動する。これにより、電子部品2の各リード4は、傾斜面45の傾斜に沿って互いに近接する方向へ変位され、リード幅Lwが狭められる。なお、リード近接矯正板41の各傾斜面45の鉛直方向に対する傾斜角度は、45度以下とするのが好ましい。傾斜面45の鉛直方向に対する傾斜角度を45度以下とすれば、リード4が傾斜面45に対して円滑に摺動し、リード4が緩やかに変位する。これにより、負荷を急激に付与することによるリード4に対するダメージが抑えられる。
【0046】
図7に示すように、リード離間矯正部50は、それぞれリード離間矯正板51を有している。リード離間矯正板51は、治具固定ブロック32に形成された保持凹部52に嵌め込まれ、ネジ53によって治具固定ブロック32に固定されている。リード離間矯正板51は、その上部に、凸部54が形成されている。これらの凸部54を構成する一対の側面は、それぞれ電子部品2の押し付け方向である下方へ向かって異なる方向へ傾斜した傾斜面55とされている。具体的には、これらの傾斜面55は、電子部品2の押し付け方向へ向かって次第に離間する傾斜面55とされている。
【0047】
複数のリード離間矯正部50は、それぞれのリード離間矯正板51の傾斜面55の間隔が異ならされており、それぞれ異なるリード幅Lwを有する電子部品2に対応している。本例では、6つのリード離間矯正部50が設けられ、正面視右側から順に、2.0mm,2.5mm,3.5mm,5.0mm,7.5mm,10.0mmのリード幅Lwの電子部品2に対応している。
【0048】
治具固定ブロック32の他方の面32bには、固定金具56がネジ57によって固定されており、この固定金具56によって、各リード離間矯正板51の凸部54を有する上端側における治具固定ブロック32と反対側が覆われている。
【0049】
図8(a)に示すように、電子部品2の一対のリード4の間にリード離間矯正板51の凸部54を挿し込ませると、
図8(b)に示すように、各リード4は、傾斜面55にそれぞれ接触し、その後、傾斜面55に接触しながら下方へ移動する。これにより、電子部品2の各リード4は、傾斜面55の傾斜に沿って互いに離間する方向へ変位され、リード幅Lwが広げられる。なお、リード離間矯正板51の各傾斜面55の鉛直方向に対する傾斜角度は、45度以下とするのが好ましい。傾斜面55の鉛直方向に対する傾斜角度を45度以下とすれば、リード4が傾斜面55に対して円滑に摺動し、リード4が緩やかに変位する。これにより、負荷を急激に付与することによるリード4に対するダメージが抑えられる。
【0050】
次に、制御装置21によるリード矯正治具17を用いた部品実装方法について説明する。
図9は、電子部品を実装する部品実装方法を説明するフローチャートである。
【0051】
部品供給ユニット12へ移動したヘッド13が、部品供給ユニット12から受け渡される電子部品2の部品本体3を吸着ノズル13aに吸着させて把持する(ステップS01)。
【0052】
ヘッド13が移動し、電子部品2がレーザ認識装置16へ搬送され、レーザ認識装置16によって電子部品2のリード4のリード幅Lwが測定される(ステップS02)。
【0053】
測定された電子部品2のリード幅Lwが予め設定された許容範囲内に入っているか否かを判定するリード幅判定が行われる(ステップS03)。リード幅Lwの許容範囲は、電子部品2のリード4が基板1の所定のスルーホールに挿入可能な上限値と下限値との間の寸法の範囲であり、これらの上限値及び下限値が判定の閾値とされる。制御装置21では、ヘッド13に把持されている電子部品2の種類に基づいて、記憶部(図示は省略)に格納された部品データから、その種類の電子部品2の許容範囲を引き出し、その引き出した許容範囲とレーザ認識装置16で測定されたリード幅Lwとを比較する。本例では、基準のリード幅Lwが2.0mm,2.5mm,3.5mm,5.0mm,7.5mm,10.0mmの電子部品2の許容範囲が予め設定されている。
【0054】
このリード幅判定(ステップS03)において、測定されたリード幅Lwが許容範囲内に入っていると判定すると(ステップS03:YES)、部品実装動作に移行する(ステップS10)。この部品実装動作では、ヘッド13が移動して電子部品2を基板1上に搬送し、電子部品2のリード4を基板1の所定のスルーホールに挿し込み、電子部品2を基板1に実装する。その後、ヘッド13は、部品供給ユニット12へ移動して次に基板1へ実装する電子部品2を把持する。
【0055】
リード幅判定(ステップS03)において、測定されたリード幅Lwが許容範囲内に入っていないと判定すると(ステップS03:NO)、ヘッド13が移動して電子部品2をリード矯正治具17上に搬送し、リード矯正治具17に電子部品2のリード4を押し付けてリード幅Lwを矯正するリード幅矯正動作に移行する。
【0056】
このリード幅矯正動作では、リード幅Lwが許容範囲の上限値からなる閾値以上である場合(ステップS04)、リード矯正治具17における電子部品2の基準のリード幅Lwに対応したリード近接矯正部40を用いてリード幅Lwを狭める(ステップS05)。例えば、基準のリード幅Lwが2.0mmの電子部品2の場合、それに対応したリード近接矯正部40(
図5中左端のリード近接矯正部40)にリード4を押し付け、リード近接矯正板41の凹部44にリード4を挿し込む。リード近接矯正板41の凹部44に挿し込まれたリード4は、傾斜面45の傾斜に沿って互いに近接する方向へ変位され、リード幅Lwが狭められて矯正される。
【0057】
また、リード幅矯正動作において、リード幅Lwが許容範囲の下限値からなる閾値以下である場合(ステップS06)、リード矯正治具17における電子部品2の基準のリード幅Lwに対応したリード離間矯正部50を用いてリード幅Lwを広げる(ステップS07)。例えば、基準のリード幅Lwが2.0mmの電子部品2の場合、それに対応したリード離間矯正部50(
図7中右端のリード離間矯正部50)にリード4を押し付け、リード離間矯正板51の凸部54をリード4の間に挿し込ませる。リード離間矯正板51の凸部54が間に挿し込まれたリード4は、傾斜面55の傾斜に沿って互いに離間する方向へ変位され、リード幅Lwが広げられて矯正される。
【0058】
なお、リード幅矯正動作によるリード幅Lwの矯正量は、ヘッド13の高さを調整してリード矯正治具17に対するリード4の押し付け量を変更することで容易に調整できる。リード4は、変位させた後に弾性によって僅かに元に戻る。具体的には、リード幅Lwを狭めるように変位させた後、リード矯正治具17から抜き取ると、リード4が復元してリード幅Lwが僅かに広がる。同様に、リード幅Lwを広げるように変位させた後、リード矯正治具17から抜き取ると、リード4が復元してリード幅Lwが僅かに狭まる。このため、リード幅矯正動作において、電子部品2のリード4をリード矯正治具17に押し付ける押し付け量は、変位させたリード4の復元量を考慮して設定される。
【0059】
リード幅矯正動作後、ヘッド13が移動し、電子部品2がレーザ認識装置16へ搬送され、レーザ認識装置16によって電子部品2のリード4のリード幅Lwが再度測定される(ステップS08)。
【0060】
測定された電子部品2のリード幅Lwが予め設定された許容範囲内に入っているか否かを再度判定するリード幅再判定が行われる(ステップS09)。
【0061】
このリード幅再判定(ステップS09)において、測定されたリード幅Lwが許容範囲内に入っていると判定すると(ステップS09:YES)、部品実装動作に移行し(ステップS10)、電子部品2を基板1に実装する。その後、ヘッド13は、部品供給ユニット12へ移動して次に基板1へ実装する電子部品2を把持する。
【0062】
リード幅再判定(ステップS09)において、測定されたリード幅Lwが許容範囲内に入っていないと判定すると(ステップS09:NO)、リード幅Lwの判定回数が所定回数に達したか否かが判定される(ステップS11)。
【0063】
リード幅Lwの判定回数が所定回数に達していない場合は(ステップS11:No)、リード幅矯正動作へ移行し、再びリード4の矯正動作が行われる(ステップS04,S05、ステップS06,S07)。
【0064】
リード幅Lwの判定回数が所定回数に達している場合は(ステップS11:YES)、ヘッド13に把持している電子部品2は、リード幅Lwを矯正して基板1へ実装することができない実装不可部品であると判定し、部品貯留部18へ投入する(ステップS12)。その後、ヘッド13は、部品供給ユニット12へ移動して新たな電子部品2を把持する。
【0065】
以上、説明したように、本実施形態によれば、リード幅Lwが許容範囲から外れている電子部品2を容易に検出し、その電子部品2のリード4をリード矯正治具17によって互いに近接または離間する方向へ変位させてリード幅Lwを容易に矯正することができる。
【0066】
つまり、リード幅Lwが広がった電子部品2のリード4をリード矯正治具17のリード近接矯正部40の凹部44に挿し込むことで、リード4を傾斜面45に押し付けて互いに近接する方向へ変位させて矯正することができる。また、リード幅Lwが狭まった電子部品2のリード4の間にリード矯正治具17のリード離間矯正部50の凸部54を挿し込ませることで、リード4を傾斜面55に押し付けて互いに離間する方向へ変位させて矯正することができる。
【0067】
したがって、リード幅Lwが許容範囲から外れていたために基板1へ実装できなかった電子部品2を基板1へ実装可能にできる。これにより、リード幅Lwの許容範囲を無理に修正して設定し直して実装不良を生じさせてしまうような不具合なく、基板1への電子部品2の実装効率を上げてタクトタイムを短縮させ、生産性を向上させることができる。
【0068】
しかも、リード矯正治具17は、傾斜面45同士の間隔が異なる複数のリード近接矯正部40及び傾斜面55同士の間隔が異なる複数のリード離間矯正部50を備えている。したがって、一つのリード矯正治具17によって、リード幅Lwが異なる複数種類の電子部品2のリード4を近接する方向または離間する方向へ変位させて矯正することができる。これにより、基板1に対してリード幅Lwが異なる複数種類の電子部品2を実装させる部品実装工程における1サイクルのタクトタイムを短縮させることができる。
【0069】
次に、リード矯正治具の変形例について説明する。なお、上記実施形態におけるリード矯正治具17と同一構成部分は、同一符号を付して説明を省略する。
【0070】
(変形例1)
図10は、変形例1に係るリード矯正治具の斜視図である。
図11は、リード矯正治具のリード矯正機構部の斜視図である。
図12は、リード矯正機構部を構成する台座及びベース部材の斜視図である。
図13は、リード矯正機構部を構成するリード近接矯正スライド部材の斜視図である。
図14は、リード離間矯正スライド部材の斜視図である。
図15は、リード矯正機構部を説明する図であって、(a)はリード近接矯正部として用いる場合の斜視図、(b)はリード離間矯正部として用いる場合の斜視図である。
図16は、リード矯正機構部を説明する図であって、(a)はリード近接矯正部として用いる場合の概略側面図、(b)はリード離間矯正部として用いる場合の概略側面図である。
【0071】
図10に示すように、変形例1に係るリード矯正治具60も、部品実装装置10のテーブル10aに固定された基台31の上部に固定されている。
【0072】
このリード矯正治具60は、平板状の台座61を有しており、この台座61には、複数のリード矯正機構部62が等間隔に配列されている。リード矯正機構部62は、リード幅Lwを狭める機能とリード幅Lwを広げる機能とを有している。
【0073】
図11に示すように、リード矯正機構部62は、台座61上における一側部側にベース部材64を備えている。また、リード矯正機構部62は、台座61上における他側部側に設けられたリード近接矯正スライド部材65と、ベース部材64上に設けられたリード離間矯正スライド部材66とを備えている。
【0074】
図12に示すように、台座61は、ベース部材64が配設される一側部側が低くされている。台座61は、一側部側がベース部材固定部61aとされ、他側部側がスライド部材取付部61bとされている。台座61のスライド部材取付部61bには、スライド溝部61cが形成されており、このスライド溝部61cの幅方向中央部には、ネジ孔61dが形成されている。また、台座61には、ベース部材固定部61aに、固定用ネジ孔61eが形成されている。
【0075】
台座61のベース部材固定部61aに固定されるベース部材64には、スライド部材取付部61b側に、上方へ突出する壁部64aが形成されている。また、ベース部材64には、スライド溝部64bが形成されており、このスライド溝部64bの幅方向中央部には、ネジ孔64cが形成されている。このベース部材64には、スライド溝部64bから外れた位置にネジ挿通孔64dが形成されており、このネジ挿通孔64dへ挿し込んだネジ67を台座61の固定用ネジ孔61eへねじ込むことでベース部材64が台座61に固定される(
図11参照)。
【0076】
図13に示すように、リード近接矯正スライド部材65は、平面視長方形状に形成されている。このリード近接矯正スライド部材65は、台座61に形成されたスライド溝部61c内に配設されている。リード近接矯正スライド部材65には、ベース部材64の壁部64a側の端部に、上方へ突出する壁部65aが形成されている。また、リード近接矯正スライド部材65には、長手方向に沿って長孔65bが形成されている。このリード近接矯正スライド部材65は、長孔65bへ挿し込んだネジ68を台座61のネジ孔61dへねじ込んで締め付けることで、台座61に固定される(
図11参照)。このリード近接矯正スライド部材65は、ネジ68を緩めた状態で、スライド溝部61cに沿ってスライド可能とされている。そして、このリード近接矯正スライド部材65をスライドさせることで、ベース部材64の壁部64aとリード近接矯正スライド部材65の壁部65aとの距離が調整される。
【0077】
図14に示すように、リード離間矯正スライド部材66は、平面視長方形状に形成されている。このリード離間矯正スライド部材66は、ベース部材64に形成されたスライド溝部64b内に配設されている。リード離間矯正スライド部材66には、ベース部材64の壁部64a側の端部に、上方へ突出する壁部66aが形成されている。また、リード離間矯正スライド部材66には、長手方向に沿って長孔66bが形成されている。このリード離間矯正スライド部材66は、長孔66bへ挿し込んだネジ69をベース部材64のネジ孔64cへねじ込んで締め付けることで、ベース部材64に固定される(
図11参照)。このリード離間矯正スライド部材66は、ネジ69を緩めた状態で、スライド溝部64bに沿ってスライド可能とされている。そして、このリード離間矯正スライド部材66をスライドさせることで、ベース部材64の壁部64aとリード離間矯正スライド部材66の壁部66aとの距離が調整される。
【0078】
図15(a)に示すように、リード矯正機構部62では、ベース部材64の壁部64aとリード近接矯正スライド部材65の壁部65aとからリード近接矯正部(リード矯正部)71が構成され、このリード近接矯正部71には、電子部品2のリード4が押し付けられる。また、
図15(b)に示すように、リード矯正機構部62では、ベース部材64の壁部64aとリード離間矯正スライド部材66の壁部66aとからリード離間矯正部(リード矯正部)72が構成され、このリード離間矯正部72には、電子部品2のリード4が押し付けられる。
【0079】
ベース部材64の壁部64aには、リード近接矯正スライド部材65の壁部65aに対向する面に傾斜面81が形成されている。また、リード近接矯正スライド部材65の壁部65aには、ベース部材64の壁部64aに対向する面に傾斜面82が形成されている。傾斜面81,82は、下方へ向かって次第に近接されている。そして、リード近接矯正部71では、
図16(a)に示すように、傾斜面81,82から凹部91が構成されており、この凹部91には、電子部品2の一対のリード4が挿し込まれる。
【0080】
電子部品2の一対のリード4がリード近接矯正部71の凹部91に挿し込まれると、各リード4は、傾斜面81,82にそれぞれ接触し、その後、傾斜面81,82に接触しながら下方へ移動する。これにより、電子部品2の各リード4は、傾斜面81,82の傾斜に沿って互いに近接する方向へ変位され、リード幅Lwが狭められる。
【0081】
また、リード離間矯正スライド部材66の壁部66aには、ベース部材64の壁部64aと反対の面に傾斜面83が形成されている。傾斜面81,83は、下方へ向かって次第に離間されている。そして、リード離間矯正部72は、
図16(b)に示すように、傾斜面81,83から凸部92が構成されており、この凸部92は、電子部品2のリード4の間に挿し込まれる。
【0082】
電子部品2の一対のリード4の間にリード離間矯正部72の凸部92が挿し込まれると、各リード4は、傾斜面81,83にそれぞれ接触し、その後、傾斜面81,83に接触しながら下方へ移動する。これにより、電子部品2の各リード4は、傾斜面81,83の傾斜に沿って互いに離間する方向へ変位され、リード幅Lwが広げられる。
【0083】
そして、変形例1に係るリード矯正治具60を備えた部品実装装置10の場合も、リード幅Lwが許容範囲から外れている電子部品2を容易に検出し、その電子部品2のリード4をリード矯正治具60によって互いに近接または離間する方向へ変位させてリード幅Lwを容易に矯正することができる。
【0084】
つまり、リード幅Lwが広がった電子部品2のリード4をリード矯正治具60のリード近接矯正部71の凹部91に挿し込むことで、リード4を傾斜面81,82に押し付けて互いに近接する方向へ変位させて矯正することができる。また、リード幅Lwが狭まった電子部品2のリード4の間にリード矯正治具60のリード離間矯正部72の凸部92を挿し込ませることで、リード4を傾斜面81,83に押し付けて互いに離間する方向へ変位させて矯正することができる。
【0085】
したがって、リード幅Lwが許容範囲から外れていたために基板1へ実装できなかった電子部品2を基板1へ実装可能にできる。これにより、リード幅Lwの許容範囲を無理に修正し直して実装不良を生じさせてしまうような不具合なく、基板1への電子部品2の実装効率を上げてタクトタイムを短縮させ、生産性を向上させることができる。
【0086】
しかも、リード近接矯正スライド部材65及びリード離間矯正スライド部材66をスライドさせることで、傾斜面81,82の間隔及び傾斜面81,83の間隔を容易に変更することができる。これにより、電子部品2のリード幅Lwに対応してリード近接矯正部71の傾斜面81,82の間隔及びリード離間矯正部72の傾斜面81,83の間隔を変更することで、その電子部品2のリード幅Lwを容易に矯正できる。
【0087】
例えば、リード矯正治具60の6個のリード矯正機構部62のそれぞれにおいて、傾斜面81,82の間隔及び傾斜面81,83の間隔を調整し、リード近接矯正部71及びリード離間矯正部72を、2.0mm,2.5mm,3.5mm,5.0mm,7.5mm,10.0mmのリード幅Lwの電子部品2に対応したものにすることができる。
【0088】
(変形例2)
図17は、変形例2に係るリード矯正治具の斜視図である。
図18は、リード矯正治具の斜視図である。
図19は、リード矯正治具を構成するリード矯正板の正面図である。
【0089】
図17に示すように、変形例2に係るリード矯正治具100も、部品実装装置10のテーブル10aに固定された基台31の上部に固定されている。
【0090】
図18に示すように、リード矯正治具100は、治具固定ブロック102を有している。治具固定ブロック102の一側面には、リード矯正板(リード矯正部材)103がネジ109によって固定されている。
【0091】
図19に示すように、リード矯正板103には、複数の凹部104が形成されている。これらの凹部104を形成する一対の側面は、それぞれ電子部品2の押し付け方向である下方へ向かって次第に近接する傾斜面105とされている。そして、リード矯正治具100では、リード矯正板103における凹部104の部分が、それぞれリード近接矯正部(リード矯正部)106とされている。
【0092】
複数のリード近接矯正部106は、それぞれの凹部104の傾斜面105の間隔が異ならされており、それぞれ異なるリード幅Lwを有する電子部品2に対応している。本例では、6つの凹部104からなる6つのリード近接矯正部106が設けられ、正面視左側から順に、2.0mm,2.5mm,3.5mm,5.0mm,7.5mm,10.0mmのリード幅Lwの電子部品2に対応している。
【0093】
また、このリード矯正板103は、凹部104同士の間が、それぞれ凸部114とされており、これらの凸部114を形成する一対の側面は、それぞれ電子部品2の押し付け方向である下方へ向かって次第に離間する傾斜面115とされている。そして、リード矯正治具100では、リード矯正板103における凸部114の部分が、それぞれリード離間矯正部(リード矯正部)116とされている。
【0094】
複数のリード離間矯正部116は、それぞれの凸部114の傾斜面115の間隔が異ならされており、それぞれ異なるリード幅Lwを有する電子部品2に対応している。本例では、6つの凸部114からなる6つのリード離間矯正部116が設けられ、正面視左側から順に、2.0mm,2.5mm,3.5mm,5.0mm,7.5mm,10.0mmのリード幅Lwの電子部品2に対応している。
【0095】
このように、このリード矯正治具100では、電子部品2のリード幅Lwを近接させる凹部104と電子部品2のリード幅Lwを離間させる凸部114とがリード矯正板103に隣接して形成されている。
【0096】
なお、リード矯正板103の正面視左端の凸部114の左側の傾斜面115及びリード矯正板103の正面視右端の凹部104の右側の傾斜面105を除く凸部114の傾斜面115と凹部104の傾斜面105は共通とされている。
【0097】
治具固定ブロック102の一側面には、固定金具107がネジ108によって固定されており、この固定金具107によって、リード矯正板103の凹部104及び凸部114を有する上端側における治具固定ブロック102と反対側が覆われている。
【0098】
上記のリード矯正治具100では、電子部品2の一対のリード4がリード矯正板103のリード近接矯正部106を構成する凹部104に挿し込まれると、各リード4は、傾斜面105にそれぞれ接触し、その後、傾斜面105に接触しながら下方へ移動する。これにより、電子部品2の各リード4は、傾斜面105の傾斜に沿って互いに近接する方向へ変位され、リード幅Lwが狭められる。また、電子部品2の一対のリード4の間にリード矯正板103のリード離間矯正部116を構成する凸部114が挿し込まれると、各リード4は、傾斜面115にそれぞれ接触し、その後、傾斜面115に接触しながら下方へ移動する。これにより、電子部品2の各リード4は、傾斜面115の傾斜に沿って互いに離間する方向へ変位され、リード幅Lwが広げられる。
【0099】
そして、変形例2に係るリード矯正治具100を備えた部品実装装置10の場合も、リード幅Lwが許容範囲から外れている電子部品2を容易に検出し、その電子部品2のリード4をリード矯正治具100によって互いに近接または離間する方向へ変位させてリード幅Lwを容易に矯正することができる。
【0100】
つまり、リード幅Lwが広がった電子部品2のリード4をリード矯正治具100のリード近接矯正部106の凹部104に挿し込むことで、リード4を傾斜面105に押し付けて互いに近接する方向へ変位させて矯正することができる。また、リード幅Lwが狭まった電子部品2のリード4の間にリード矯正治具100のリード離間矯正部116の凸部114を挿し込ませることで、リード4を傾斜面115に押し付けて互いに離間する方向へ変位させて矯正することができる。
【0101】
したがって、リード幅Lwが許容範囲から外れていたために基板1へ実装できなかった電子部品2を基板1へ実装可能にできる。これにより、リード幅Lwの許容範囲を無理に修正し直して実装不良を生じさせてしまうような不具合なく、基板1への電子部品2の実装効率を上げてタクトタイムを短縮させ、生産性を向上させることができる。
【0102】
特に、電子部品2のリード幅Lwを近接させる凹部104と電子部品2のリード幅Lwを離間させる凸部114とをリード矯正板103に隣接して形成したので、部品点数の削減及び構造の簡略化によるコストダウンを図りつつ、電子部品2のリード幅Lwの矯正を容易に行うことができる。