(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記認識部は、基準値に対する前記撮像画像の各画素の色差が閾値より小さい連結画素に同じラベルを付して、当該ラベルに基づいて前記連結画素を前記歯牙領域として認識し、
前記歯間部の検出後に、前記歯間部の画素を除いた連結画素に同じラベルを付して、当該ラベルに基づいて前記連結画素を前記新たな歯牙領域として再認識することを特徴とする請求項1に記載の測色装置。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面を参照して本実施の形態に係る測色装置について説明する。
図1は、本実施の形態に係る測色装置の模式図である。
図2は、本実施の形態に係る表色系変換処理の一例を示す図である。なお、本実施の形態に係る測色装置は一例に過ぎず、適宜変更が可能である。また、
図1に示す測色装置の模式図は、本発明を説明するために簡略化したものであり、測色装置が通常備える構成については備えているものとする。
【0018】
図1に示すように、測色装置1は、患者の歯牙51を干渉フィルタ18による分光測色方式で測色し、シェードガイド等級の判定を行うものである。測色装置1は、照明光源11付きの積分半球12の反射面を歯牙51に向けて、歯牙51からの反射光をイメージセンサ15で取り込むように構成されている。照明光源11は、LED(Light Emitting Diode)であり、積分半球12に向けて照射するように設置されている。なお、照明光源11は、可視域全体に亘って発光して十分な光量の光源であればよく、ハロゲンランプ、キセノンランプのいずれでもよい。
【0019】
積分半球12は、照明光源11からの光を反射面で乱反射することで、歯牙51に対してあらゆる方向から光を当てて、歯牙51の表面の凹凸の影響を少なくしている。積分半球12の後方には、イメージセンサ15の光軸上に歯牙51からの反射光を結像するレンズ13が設けられている。レンズ13の後方には、反射光を複数の波長に分光するフィルタ装置14が設けられている。フィルタ装置14は、レボルバ等のフィルタ切換機構16にフィルタ円板17を回転可能に支持して構成されている。フィルタ円板17には400nm〜700nmの範囲で20nm毎に透過波長を切換え可能な16枚の干渉フィルタ18が設けられている。
【0020】
干渉フィルタ18を挟んでレンズ13の後方には、干渉フィルタ18を透過した反射光を受光するイメージセンサ15が設けられている。イメージセンサ15は、CCD(Charge Coupled Device)又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)カメラであり、干渉フィルタ18を切り替えながら撮像して、分光された反射光毎のセンサ値を制御部21に出力している。また、積分半球12には、照明光源11の時間による劣化や周囲条件による変動を常時監視する監視センサ19が設けられている。監視センサ19は、照明光源11による照明から得られたセンサ値を制御部21に出力している。
【0021】
制御部21は、イメージセンサ15の撮像画像55から歯牙51を測色して、歯牙51毎にシェードガイド等級を表示するものであり、処理部22、記憶部23、判定部24、表示部25を備えている。処理部22は、歯牙51の撮像画像55に対して、分光反射率の算出処理、表色系への変換処理等の各種処理を実施する。記憶部23は、シェードガイド等級毎に表色系の値を記憶している。判定部24は、歯牙51とシェードガイドとの表色系の値を比較して、歯牙51のシェードガイド等級を判定する。表示部25は、歯牙51のリアルタイム画像、撮像画像55を表示する他、撮像画像55にシェードガイド等級を重ねて表示する。
【0022】
なお、測色装置1の制御部21は、各所処理を実行するプロセッサやメモリ等によって構成されている。メモリは、用途に応じてROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の一つ又は複数の記憶媒体で構成されており、メモリには測色プログラムの他、後述する歯牙領域の自動認識プログラム等が記憶されている。また、測色装置1には、積分半球12に光量の変化を補正するための距離センサ(不図示)が設けられていてもよい。歯牙51と積分半球12の距離による光量の変化を考慮して、光量に基づく色の違いを補正するようにしてもよい。
【0023】
このように構成された測色装置1では、イメージセンサ15で歯牙51が撮像されると、例えば256×256画素の撮像画像55が処理部22に出力される。
図2Aに示すように、処理部22(
図1参照)では、イメージセンサ15からのセンサ値、予め校正処理を行って保持していた校正値、監視センサ19からのセンサ値の3つの値から干渉フィルタ18毎に各画素に対して分光反射率が算出される。また、
図2Bに示すように、分光反射率からXYZ表色系のXYZ三刺激値が算出され、重価係数の乗算によりXYZ三刺激値がL
*a
*b
*表色系の値に変換されて物体色が表される。なお、L
*は明度、a
*は赤−緑軸の色味、b
*は黄−青軸の色味を示している。
【0024】
判定部24(
図1参照)において、撮像画像55に設定された測定範囲57(
図2C参照)で、歯牙51のL
*a
*b
*表色系の値と各シェードガイド等級のL
*a
*b
*表色系の値の色差ΔEが算出される。色差ΔEが最も小さくなる等級が測定範囲におけるシェードガイド等級と判定される。そして、
図2Cに示すように、表示部25(
図1参照)において撮像画像55の歯牙51に重ね合わせるようにして、シェードガイド等級が表示される。なお、上記した分光反射率の算出処理、XYZ表色系への変換処理、L
*a
*b
*表色系への変換処理、色差ΔEの算出処理等の各種処理はJIS規格に基づいて実施される。
【0025】
ところで、測色装置1(
図1参照)の測定モードにはマニュアルモードとオートモードの2種類が設定されており、測色装置1の操作によってモード切替することが可能になっている。マニュアルモードでは、患者及び撮像条件等によってシェードガイド等級の測定範囲が調整可能になっている。一方で、オートモードでは、撮像画像55内の色差を用いて歯牙領域を自動で認識して、歯牙領域からシェードガイド等級の測定範囲が自動的に設定される。しかしながら、歯牙領域の自動認識時に複数の歯牙51が一体の歯牙領域61として認識され、歯牙51を個々の歯牙領域61として認識することが困難になっていた(
図6C参照)。
【0026】
これは、歯牙領域61において歯牙51と歯牙51の間の歯間部62を認識できないからであると考えられる。本件発明者が歯間部62の特徴について注意深く調査したところ、歯間部62では歯牙51と比較して明度が低くなる傾向にあり、さらに歯間部62によって歯牙領域61の縦列の画素数が少なくなることを発見した。そこで、本実施の形態に係る歯牙領域61の自動認識処理では、歯間部62の明度が低くなる条件と、歯牙領域61の縦列の画素数が少なくなる条件を満たす画素を歯間部62として検出し、歯牙51を一本ずつに分離して認識するようにしている。
【0027】
以下、
図3から
図14を参照して、歯牙領域の自動認識処理について詳細に説明する。
図3は、本実施の形態に係る処理部の詳細構成のブロック図である。
図4は、本実施の形態に係る歯牙領域の自動認識処理のフローチャートである。
図5は、本実施の形態に係る色差算出処理の一例を示す図である。
図6は、本実施の形態に係る初回のラベリング処理の一例を示す図である。
図7は、本実施の形態に係る塗潰し処理の一例を示す図である。
図8は、本実施の形態に係るヒストグラム処理の一例を示す図である。
【0028】
また、
図9は、本実施の形態に係る歯間部検出処理の一例を示す図である。
図10は、本実施の形態に係る2度目以降のラベリング処理の一例を示す図である。
図11は、本実施の形態に係る2度目以降のヒストグラム処理、歯間部検出処理の一例を示す図である。
図12は、本実施の形態に係るオープニング処理の一例を示す図である。
図13は、本実施の形態に係るラベリング処理結果の一例を示す図である。
図14は、本実施の形態に係る画像描画処理の一例を示す図である。なお、
図4の説明においては、
図3の符号を適宜使用して説明する。
【0029】
図3に示すように、処理部22には、後述する表色系変換処理、色差算出処理、ラベリング処理、塗潰し処理、ヒストグラム処理、歯間部検出処理、オープニング処理、画像描画処理を実施する変換部31、算出部32、認識部33、塗潰し部34、設定部35、検出部36、オープニング部37、描画部38が設けられている。なお、以下の説明では、画素にラベルを付す処理に加えて、撮像画像55から歯牙領域を認識する処理を含めてラベリング処理と称する。また、ヒストグラムの生成に加えて、ヒストグラムから歯間部の検出範囲を設定する処理を含めてヒストグラム処理と称する。
【0030】
図4に示すように、変換部31にて表色系変換処理が実施される(ステップS01)。表色系変換処理では、上記したように撮像画像55の画素毎に分光反射率が求められ、分光反射率からXYZ三刺激値が求められ、XYZ三刺激値に重価係数をかけ合わせることでL
*a
*b
*表色系の値に変換される(
図2A、B参照)。次に、算出部32にて色差算出処理が実施される(ステップS02)。
図5に示すように、色差算出処理では、撮像画像55から基準画素65が選択され、基準画素65のL
*a
*b
*表色系の基準値が設定される。基準値は基準画素65周辺のL
*a
*b
*表色系の値の平均値を使用してもよい。そして、撮像画像55の各画素にて、各画素のL
*a
*b
*表色系の値と基準画素65のL
*a
*b
*表色系の基準値との色差が算出される。
【0031】
次に、認識部33にてラベリング処理が実施される(ステップS03)。
図6Aに示すように、初回のラベリング処理では、撮像画像55を対象として色差毎に画素数を示す色差ヒストグラムが作成され、色差ヒストグラムから判別分析法にて色差の閾値が設定される。
図6Bに示すように、撮像画像55の各画素の色差が閾値よりも小さい連結画素に同じラベルが付される。認識部33では同じラベルが付された連結画素が歯牙領域61として認識される。なお、本実施の形態では、連結画素にはラベルとして番号が付されているが、アルファベット等の他のラベルが付されてもよい。
【0032】
図6Cに示すように、ラベリング処理後の歯牙領域61は、歯牙51と歯牙51以外の部分が分離して認識されているが、歯牙51を1本ずつ認識できていない。すなわち、複数の歯牙51が1つの歯牙領域61として認識されてしまっている。これは歯間部62の色差が上記閾値よりも小さくなることで発生しているものと考えられる。この場合、単純に閾値を下げることも検討したが、歯間部62以外の歯牙領域61に対する影響が大きく歯牙領域61が部分的に欠損するおそれがある。このため、色差の閾値を用いて歯間部62を検出する代わりに、ヒストグラム処理及び歯間部検出処理の組み合わせで歯間部62が検出される。
【0033】
次に、塗潰し部34にて塗潰し処理が実施される(ステップS04)。
図7に示すように、塗潰し処理では、歯牙領域61の輪郭が追跡されて、歯牙領域61の連結画素に付されたラベルで輪郭の内側が塗り潰される。この場合、撮像画像55がX方向(横方向)の1ライン毎に走査されて、歯牙領域61の輪郭から歯牙領域内部の欠損部分67が検出される。歯牙領域61の欠損部分67の各画素のラベルが、歯牙領域61のラベルに変更される。これにより、ラベリング処理後に歯牙領域61内で部分的にラベルの欠損が生じる場合であっても、ラベルの欠損を埋めて歯牙領域61として認識させることが可能になっている。
【0034】
次に、設定部35にてヒストグラム処理が実施される(ステップS05)。
図8Aに示すように、ヒストグラム処理では、撮像画像55のX座標毎に歯牙領域61の縦列の画素数を示すヒストグラムが生成され、ヒストグラムで谷となる座標68を基準に歯間部62の検出範囲が設定される。この場合、
図8Bに示すように、撮像画像55がY方向の1ライン毎に走査されて、歯牙領域61の縦列の画素数が検出される。このとき、前段の塗潰し処理で歯牙領域61の内部の欠損部分67(
図7参照)が塗潰されているため、歯牙領域61の縦列の画素数の検出精度が高められている。そして、撮像画像55においてヒストグラムで谷になる各画素を中心とした±5画素が歯間部62の検出範囲69に設定される。
【0035】
次に、検出部36にて歯間部検出処理が実施される(ステップS06)。
図9に示すように、歯間部検出処理では、歯間部62の検出範囲69における歯牙領域61の各画素の明度に基づいて歯間部62が検出される。この場合、歯間部62の検出範囲69内において明度が暗い画素から明るい画素に変化する画素が歯間部62として検出される。例えば、あるY座標の明度波形において、傾きが0になるような座標が明度波形のピークになることを利用して、明度波形を1次微分して各画素の傾きを算出する。そして、検出範囲69内で傾きが正の値に極性変化する画素を歯間部62として検出している。なお、1次微分値の算出にはSG法(Savitzky-Golay法)が使用されてもよい。
【0036】
この歯間部検出処理では、前段のヒストグラム処理によって歯間部62の検出範囲69が設定されているため、歯間部62の検出精度が向上されている。すなわち、一般に歯牙51は歯間部62において縦方向で狭くなる傾向があるため、ヒストグラム処理によって歯牙領域61の縦列の画素数から歯間部62の大まかな位置が特定されている。歯間部62の大まかな位置を含むように歯間部62の検出範囲69が設定されているため、歯間部検出処理にて検出範囲69外で歯間部62として検出されることを防止できる。例えば、
図9の座標66は明度波形のピークを示しているが、検出範囲69外であるため、この座標66の画素が歯間部62として検出されることがない。
【0037】
次に、認識部33にて再びラベリング処理が実施される(ステップS07)。この処理では、
図10に示すように前回のラベリング処理によって認識された歯牙領域61から、歯間部62の画素を除いた連結画素に同じラベルが付されて、同じラベルが付された連結画素が新たな歯牙領域61として再認識される。
【0038】
ところで、歯間部62の画素を除いてラベリング処理を実施しても、複数の歯牙51を完全に分離させることができない場合がある。例えば、
図11Aに示すように、歯間部62が斜めに延びている場合には、破線で囲んだ箇所がヒストグラム処理において歯間部62の検出範囲69外となり、歯間部検出処理において歯間部62として認識されない。このため、本実施の形態では、ヒストグラム処理、歯間部検出処理、ラベリング処理を所定回数(例えば、3回以上)だけ繰り返して(ステップS08)、斜めに延びている歯間部62を検出するようにしている。
【0039】
図11Bに示すように、ヒストグラム処理を繰り返すと、歯牙領域61から歯間部62が除かれて歯牙領域61の縦列の画素数が減少することで、ヒストグラムの谷となる座標68が変動して、歯間部62の検出範囲69が僅かにずれる。これにより、ヒストグラム処理を繰り返して検出範囲69をズラシながら、歯間部検出処理で斜めに延びた歯間部62を検出することが可能になっている。ヒストグラム処理が所定回数だけ繰り返されると(ステップS08でYes)、再び塗潰し部34にて再び塗潰し処理が実施される(ステップS09)。塗潰し処理では、上記したように、歯牙領域61の輪郭が追跡されて、歯牙領域61内に生じた欠損部分67(
図7参照)が塗潰される。
【0040】
次に、オープニング部37にてオープニング処理が実施される(ステップS10)。ここで、
図12Aを参照してオープニング処理のイメージについて説明する。
図12Aに示すように、左から順に、オープニング処理前の状態、収縮処理が実施された状態、膨張処理が実施された状態を示す。詳しく述べると、歯牙領域61に対して収縮が数回実施されると
図12Aの中央の図の状態になり、その状態でラベリング処理を行う。さらに、歯牙領域61に対して膨張が収縮と同じ回数だけ実施されると
図12Aの右端の図になる。
図12BはステップS09まで行われた処理に、オープニング処理を実施したものである。オープニング処理によりステップS09までの処理で分離しきれなかった微細な連結部を分離できる。さらに、
図12Bに示すように、歯牙領域61では無いにも関わらず、歯牙領域61の一部として認識されるノイズ71を減らすことができる。オープニング処理では、歯牙領域61内に欠損部分67(
図7参照)が残っていると、欠損部分67を強調させてしまうが、前段の塗潰し処理で、歯牙領域61内の欠損部分67が塗潰されているため、歯牙領域61に欠損部分67が残ることがない。
【0041】
次に、認識部33にて最終的なラベリング処理が実施される(ステップS11)。上記したように、ラベリング処理では、現在の歯牙領域61から新たな歯牙領域61が再認識される。この結果、
図13に示すように、複数の歯牙51の一本ずつが歯牙領域61として認識される。このように、歯牙領域61内の欠損を軽減しながら、複数の歯牙51からなる歯牙領域61を歯間部62で適切に分離させることが可能になっている。次に、描画部38にて画像描画処理が実施される(ステップS12)。
図14に示すように、画像描画処理では、ラベリング処理で同じラベルが付された画素が同一色で着色されて歯牙領域61の着色画像が描画される。このようにして、複数の歯牙51を分離させて歯牙領域61が自動認識される。
【0042】
図15を参照して、測色装置によるシェードガイド等級の判定処理について説明する。
図15は、本実施の形態に係るシェードガイド等級の判定処理の一例を示す図である。なお、以下の説明では、測色装置がオートモードに設定されており、歯牙領域が自動認識されるものとする。
【0043】
図15に示すように、測色装置1の測定ボタンが押下されると、患者の歯牙51が撮像される(ステップS21、
図1参照)。次に、上記した歯牙領域61の自動認識処理によって、歯牙51の撮像画像55から歯牙領域61が自動認識される(ステップS22、
図14参照)。これにより、複数の歯牙51を個別に分離させた状態で歯牙領域61が認識される。次に、各歯牙領域61に対してシェードガイド等級の測定範囲57が設定される(ステップS23、
図14参照)。
【0044】
次に、撮像画像55に設定された測定範囲57で、歯牙領域61のL
*a
*b
*表色系の値と各シェードガイド等級のL
*a
*b
*表色系の値の色差が算出される(ステップS24)。この色差が最も小さくなる等級が測定範囲57の歯牙51におけるシェードガイド等級と判定される(ステップS25)。そして、撮像画像55の歯牙51に重ね合わせるようにしてシェードガイド等級が表示される(ステップS26、
図2C参照)。このように、患者の歯牙51に対して個々にシェードガイド等級が表示される。
【0045】
以上のように、本実施の形態に係る測色装置1は、歯牙領域61の縦列の画素数から歯間部62を大まかに特定され、歯間部62の大まかな位置を基準に歯間部62の検出範囲69が設定される。このため、歯牙領域61の各画素の明度を用いた歯間部62の検出時に、実際には歯牙領域61である画素が歯間部62として誤って検出されることが抑えられる。また、歯間部62を除いた歯牙領域61から新たな歯牙領域61を再認識することで、複数の歯牙51からなる歯牙領域61を歯間部62で適切に分離させて、歯牙領域61毎に測色することができる。
【0046】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。上記実施の形態において、添付図面に図示されている大きさや形状などについては、これに限定されず、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
【0047】
例えば、本実施の形態において、認識部33がラベリング処理によって歯牙領域61を認識する構成にしたが、この構成に限定されない。認識部33は、歯牙領域61を認識可能であればよく、ラベリング処理以外の処理で歯牙領域61を認識するようにしてもよい。
【0048】
また、本実施の形態において、設定部35が撮像画像55のX座標毎に歯牙領域61の縦列の画素数を示すヒストグラムを生成して、ヒストグラムの谷になる座標を基準に歯間部62の検出範囲69を設定したが、この構成に限定されない。設定部35は、歯牙領域61の縦列の画素数に基づいて、歯間部62の検出範囲69を設定可能であればよく、ヒストグラムを生成しなくてもよい。
【0049】
また、本実施の形態において、検出部36が歯間部62の検出範囲69において、明度波形の1次微分値を用いて明度が暗い画素から明るい画素に変化する画素を歯間部62として検出する構成にしたが、この構成に限定されない。検出部36は、歯間部62の検出範囲69における歯牙領域61の各画素の明度に基づいて、歯間部62を検出可能であればよく、明度波形の1次微分値を用いなくてもよい。
【0050】
また、本実施の形態において、ラベリング処理では、色差ヒストグラムから判別分析法にて算出した閾値を用いる構成にしたが、この構成に限定されない。ラベリング処理では、予め決定された固定の閾値が用いられてもよい。
【0051】
また、本実施の形態において、色差算出処理では、撮像画像55の基準画素65から基準値を求める構成にしたが、この構成に限定されない。色差算出処理では、基準画素65から基準値を求める代わりに、予め記憶された基準値が使用されてもよい。
【0052】
また、本実施の形態において、塗潰し処理、オープニング処理を実施したが、この構成に限定されない。塗潰し処理、オープニング処理をせずに、歯牙領域61を精度よく認識可能であれば、塗潰し処理、オープニング処理を省略することも可能である。
【0053】
また、本実施の形態において、歯牙領域61の自動認識処理でヒストグラム処理、歯間部検出処理、ラベリング処理を所定回数繰り返す構成にしたが、この構成に限定されない。1度目の歯間部検出処理で歯間部62を適切に検出される場合には、ヒストグラム処理、歯間部検出処理、ラベリング処理が繰り返されなくてもよい。
【0054】
また、本実施の形態において、測色装置1は、歯牙51からの反射光を取り込む光学系と、歯牙領域の自動認識処理等の制御系とが一体になっていてもよいし、別体になっていてもよい。例えば、測色装置1は、光学系の装置とこの装置に接続されるコンピュータとで構成されていてもよい。