(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6574217
(24)【登録日】2019年8月23日
(45)【発行日】2019年9月11日
(54)【発明の名称】統合型インダクタ
(51)【国際特許分類】
H01F 27/28 20060101AFI20190902BHJP
H01F 37/00 20060101ALI20190902BHJP
H01F 19/00 20060101ALI20190902BHJP
H01F 17/04 20060101ALI20190902BHJP
【FI】
H01F27/28 K
H01F37/00 C
H01F19/00 Z
H01F17/04 A
【請求項の数】19
【外国語出願】
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2017-91655(P2017-91655)
(22)【出願日】2017年5月2日
(65)【公開番号】特開2017-216437(P2017-216437A)
(43)【公開日】2017年12月7日
【審査請求日】2018年7月5日
(31)【優先権主張番号】15/145,207
(32)【優先日】2016年5月3日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507342261
【氏名又は名称】トヨタ モーター エンジニアリング アンド マニュファクチャリング ノース アメリカ,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100160716
【弁理士】
【氏名又は名称】遠藤 力
(74)【代理人】
【識別番号】100180806
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100205969
【弁理士】
【氏名又は名称】氷室 詩乃
(72)【発明者】
【氏名】石垣 将紀
【審査官】
鈴木 孝章
(56)【参考文献】
【文献】
特開2014−207373(JP,A)
【文献】
実開平05−041121(JP,U)
【文献】
米国特許第07132812(US,B1)
【文献】
特開2012−134266(JP,A)
【文献】
特開2015−230904(JP,A)
【文献】
特開2017−060285(JP,A)
【文献】
特開2017−118047(JP,A)
【文献】
特開2008−066529(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01F 27/28
H01F 17/04
H01F 19/00
H01F 37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央脚部を含む磁気コアであって、前記中央脚部は、前記中央脚部の両側の第1外側脚部及び第2外側脚部と平行である、磁気コアと、
前記中央脚部、前記磁気コアの前記第1外側脚部及び前記磁気コアの前記第2外側脚部の周りにおいて巻回された第1インダクタの第1巻線の組と、
前記磁気コアの前記中央脚部、前記第1外側脚部及び前記第2外側脚部の周りにおいて巻回された第2インダクタの第2巻線の組と、
を有し、
前記第1巻線の組及び前記第2巻線の組は、前記磁気コアの前記中央脚部の周りにおいて巻回された中央巻線、前記磁気コアの前記第1外側脚部の周りにおいて巻回された第1外側巻線及び前記磁気コアの前記第2外側脚部の周りにおいて巻回された第2外側巻線を含み、
前記第1巻線の組の前記第1及び第2の外側巻線の極性は、前記第2巻線の組の前記第1及び第2の外側巻線の極性と一致し、
前記第1巻線の組の前記中央巻線の極性は、前記第2巻線の組の前記中央巻線の極性とは反対である、
統合型インダクタ組立体。
【請求項2】
請求項1に記載の組立体であって、前記第1巻線の組は、前記磁気コアの前記中央脚部、前記第1外側脚部及び前記第2外側脚部の第1半体の周りにおいて巻回されており、且つ、前記第2巻線の組は、前記磁気コアの前記中央脚部、前記第1外側脚部及び前記第2外側脚部の第2半体の周りにおいて巻回されている、統合型インダクタ組立体。
【請求項3】
請求項2に記載の組立体であって、前記磁気コアの前記中央脚部、前記第1外側脚部及び前記第2外側脚部の前記第1半体は、前記第1インダクタ及び前記第2インダクタの既定のインダクタンス特性に対応した空隙により、前記磁気コアの前記中央脚部、前記第1外側脚部及び前記第2外側脚部の前記第2半体から分離されている、統合型インダクタ組立体。
【請求項4】
請求項1に記載の組立体であって、前記第1インダクタは、前記第2インダクタによって生成される第2の磁束量とは独立した入力電流に応じて、第1の磁束量を生成するように構成されている、統合型インダクタ組立体。
【請求項5】
請求項1に記載の組立体であって、前記第1巻線の組又は前記第2巻線の組の前記中央巻線、前記第1外側巻線及び前記第2外側巻線は、直列状態に接続されている、統合型インダクタ組立体。
【請求項6】
請求項1に記載の組立体であって、前記第1巻線の組又は前記第2巻線の組の前記第1外側巻線は、前記磁気コアの前記第1外側脚部及び前記第2外側脚部の間における第1磁束経路を介して、前記第2外側巻線に相互結合されている、統合型インダクタ組立体。
【請求項7】
請求項6に記載に組立体であって、前記第1巻線の組の前記第1外側巻線及び前記第2外側巻線は、前記第2巻線の組の前記第1外側巻線及び前記第2外側巻線に跨って第1励起電圧を生成するように構成されている、統合型インダクタ組立体。
【請求項8】
請求項7に記載の組立体であって、前記第1外側巻線及び前記第2外側巻線の巻回の数は、前記第2巻線の組の前記第1外側巻線及び前記第2外側巻線に跨る前記第1励起電圧に基づいている、統合型インダクタ組立体。
【請求項9】
請求項1に記載の組立体であって、前記第1巻線の組又は前記第2巻線の組の前記第1外側巻線及び前記第2外側巻線は、前記中央巻線から結合解除されている、統合型インダクタ組立体。
【請求項10】
請求項1に記載の組立体であって、前記第1巻線の組の前記中央巻線は、前記第2巻線の組の前記中央巻線に跨る第2励起電圧を生成するように構成されている、統合型インダクタ組立体。
【請求項11】
請求項10に記載の組立体であって、前記第2巻線の組の前記中央巻線に跨る前記第2励起電圧は、前記第2巻線の組の前記第1外側巻線及び前記第2外側巻線に跨る第1励起電圧に等しい、統合型インダクタ組立体。
【請求項12】
請求項11に記載の組立体であって、前記第2励起電圧の第2方向は、前記第1励起電圧の第1方向とは反対である、統合型インダクタ組立体。
【請求項13】
請求項10の組立体であって、前記中央巻線の巻回の数は、前記第2巻線の組の前記中央巻線に跨る前記第2励起電圧に基づいている、統合型インダクタ組立体。
【請求項14】
請求項1に記載の組立体であって、前記第1インダクタの前記第1巻線の組において生成される第1励起電圧及び前記第2インダクタの前記第2巻線の組において生成される第2励起電圧は、前記第1巻線の組を通じた第1電流又は前記第2巻線の組を通じた第2電流の位相とは独立している、統合型インダクタ組立体。
【請求項15】
請求項1に記載の組立体であって、前記第1巻線の組を通過する第1の電流量は、前記第2巻線の組を通過する第2の電流量とは独立している、統合型インダクタ組立体。
【請求項16】
請求項1に記載の組立体であって、前記磁気コアの前記中央脚部、前記第1外側脚部又は前記第2外側脚部の幅は、前記第1巻線の組又は前記第2巻線の組に跨る励起電圧に基づいている、統合型インダクタ組立体。
【請求項17】
それぞれが対応するインダクタを含む1又は複数の電力転送段を介して1又は複数の電源から電気負荷に電力を提供するように構成されたブーストコンバータ回路を含む電力転送システムの動作特性を判定するステップと、
前記電力転送システムの動作特性に基づいて、統合型インダクタ組立体の特性を判定するステップであって、前記統合型インダクタ組立体は、
中央脚部を含む磁気コアであって、前記中央脚部は、前記中央脚部の両側の第1外側脚部及び第2外側脚部と平行である、磁気コア、
前記磁気コアの前記中央脚部、前記第1外側脚部及び前記第2外側脚部の周りにおいて巻回された第1インダクタの第1巻線の組、及び、
前記磁気コアの前記中央脚部、前記第1外側脚部及び前記第2外側脚部の周りにおいて巻回された第2インダクタの第2巻線の組、を含み、
前記第1巻線の組及び前記第2巻線の組は、前記磁気コアの前記中央脚部の周りにおいて巻回された中央巻線、前記磁気コアの前記第1外側脚部の周りにおいて巻回された第1外側巻線及び前記磁気コアの前記第2外側脚部の周りにおいて巻回された第2外側巻線を含み、
前記第1巻線の組の前記第1及び第2の外側巻線の極性は、前記第2巻線の組の前記第1及び第2の外側巻線の極性と一致し、
前記第1巻線の組の前記中央巻線の極性は、前記第2巻線の組の前記中央巻線の極性とは反対である、ステップと、
前記第1インダクタ及び前記第2インダクタの独立的な動作を維持するべく、前記磁気コア、前記第1巻線の組又は前記第2巻線の組の特性を変更するステップと、
を有する方法。
【請求項18】
請求項17に記載の方法であって、前記電力転送システムの動作特性を判定するステップは、前記1又は複数の電源のうちの1つの電源の障害の際に前記1又は複数の電源の間におけるワーストケース電圧差を判定するステップを更に有する、方法。
【請求項19】
それぞれが対応するインダクタを含む1又は複数の電力転送段を介して1又は複数の電源から電気負荷に電力を提供するように構成されたブーストコンバータ回路と、
統合型インダクタ組立体であって、
中央脚部を含む磁気コアであって、前記中央脚部は、前記中央脚部の両側の第1外側脚部及び第2外側脚部と平行である、磁気コア、
前記磁気コアの前記中央脚部、前記第1外側脚部及び前記第2外側脚部の周りにおいて巻回された前記ブーストコンバータ回路の第1電力転送段用の第1インダクタの第1巻線の組、及び、
前記磁気コアの前記中央脚部、前記第1外側脚部及び前記第2外側脚部の周りにおいて巻回された前記ブーストコンバータ回路の第2電力転送段用の第2インダクタの第2巻線の組、を含み、
前記第1巻線の組及び前記第2巻線の組は、前記磁気コアの前記中央脚部の周りにおいて巻回された中央巻線、前記磁気コアの前記第1外側脚部の周りにおいて巻回された第1外側巻線及び前記磁気コアの前記第2外側脚部の周りにおいて巻回された第2外側巻線を含み、
前記第1巻線の組の前記第1及び第2の外側巻線の極性は、前記第2巻線の組の前記第1及び第2の外側巻線の極性と一致し、
前記第1巻線の組の前記中央巻線の極性は、前記第2巻線の組の前記中央巻線の極性とは反対である、組立体と、
を有するシステム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
電力変換回路は、しばしば、インダクタの磁気コアが嵩張っていることに起因し、大きな回路容積と、小さな電力密度と、の原因となる複数のインダクタコンポーネントを含む。統合型インダクタ組立体によれば、複数のインダクタを単一の磁気コア上において実装することが可能であり、この結果、総回路容積を低減することができる。Silva他に対する(特許文献1)は、2つの別個の側部を含む磁気コアを含む統合型インダクタ組立体について記述しており、この場合に、それぞれの側部は、インダクタを形成するべく導電性ワイヤによって巻回されており、且つ、2つの結果的に得られるインダクタは、独立に動作することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0002】
【特許文献1】米国特許第9,171,665号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
例示用の一実施形態においては、統合型インダクタ組立体は、中央脚部を含む磁気コアを含むことが可能であり、中央脚部は、中央脚部の両側の第1外側脚部及び第2外側脚部と平行である。第1インダクタの第1巻線の組は、中央脚部、磁気コアの第1外側脚部及び磁気コアの第2外側脚部の周りにおいて巻回されうる。また、第2インダクタの第2巻線の組は、磁気コアの中央脚部、第1外側脚部及び第2外側脚部の周りにおいて巻回されうる。第1巻線の組及び第2巻線の組は、磁気コアの中央脚部の周りにおいて巻回された中央巻線と、磁気コアの第1外側脚部の周りにおいて巻回された第1外側巻線と、磁気コアの第2外側脚部の周りにおいて巻回された第2外側巻線と、を含むことができる。
【0004】
第1巻線の組は、磁気コアの中央脚部、第1外側脚部及び第2外側脚部の第1半体の周りにおいて巻回されることが可能であり、且つ、第2巻線の組は、磁気コアの中央脚部、第1外側脚部及び第2外側脚部の第2半体の周りにおいて巻回されうる。磁気コアの中央脚部、第1外側脚部及び第2外側脚部の第1半体は、第1インダクタ及び第2インダクタの既定のインダクタンス特性に対応した空隙により、磁気コアの中央脚部、第1外側脚部及び第2外側脚部の第2半体から分離されうる。
【0005】
第1インダクタは、第2インダクタによって生成される第2の磁束量とは独立した入力電流に応じて、第1の磁束量を生成するように構成することができる。
【0006】
第1巻線の組又は第2巻線の組の中央巻線、第1外側巻線及び第2外側巻線は、直列状態に接続されうる。
【0007】
第1巻線の組又は第2巻線の組の第1外側巻線は、磁気コアの第1外側脚部と第2外側脚部の間の第2磁束経路を介して、第2外側巻線に対して相互結合されうる。第1巻線の組の第1外側巻線及び第2外側巻線は、第2巻線の組の第1外側巻線及び第2外側巻線に跨って第1励起電圧を生成するように構成することができる。第1外側巻線及び第2外側巻線の巻回の数は、第2巻線の組の第1外側巻線及び第2外側巻線に跨る第1励起電圧に基づいたものであってもよい。
【0008】
第1巻線の組又は第2巻線の組の第1外側巻線及び第2外側巻線は、中央巻線から結合解除されうる。
【0009】
第1巻線の組の中央巻線は、第2巻線の組の中央巻線に跨って第2励起電圧を生成するように構成することができる。第2巻線の組の中央巻線に跨る第2励起電圧は、第2巻線の組の第1外側巻線及び第2外側巻線に跨る第1励起電圧と等しくてもよい。第2励起電圧の第2方向は、第1励起電圧の第1方向とは反対である。中央巻線の巻回の数は、第2巻線の組の中央巻線に跨る第2励起電圧に基づいたものであってもよい。
【0010】
第1インダクタの第1巻線の組において生成される第1励起電圧と第2インダクタの第2巻線の組において生成される第2励起電圧は、第1巻線の組を通じた第1電流又は第2巻線の組を通じた第2電流の位相とは独立したものであってもよい。第1巻線の組を通過する電流の第1量は、第2巻線の組を通過する電流の第2量とは独立したものであってもよい。
【0011】
磁気コアの中央脚部、第1外側脚部又は第2外側脚部の幅は、第1巻線の組又は第2巻線の組に跨る励起電圧に基づいたものであってもよい。
【0012】
別の例示用の実施形態においては、プロセスは、それぞれが対応するインダクタを含む1又は複数の電力転送段を介して1又は複数の電源から電気負荷に電力を提供するように構成されたブーストコンバータ回路を含む電力転送システムの動作特性を判定するステップと、電力転送システムの動作特性に基づいて、統合型インダクタ組立体の特性を判定するステップであって、統合型インダクタ組立体は、中央脚部を含む磁気コアであって、中央脚部は、中央脚部の両側の第1外側脚部及び第2外側脚部と平行である、磁気コア、磁気コアの中央脚部、第1外側脚部及び第2外側脚部の周りにおいて巻回された第1インダクタの第1巻線の組、並びに、磁気コアの中央脚部、第1外側脚部及び第2外側脚部の周りにおいて巻回された第2インダクタの第2巻線の組、を含み、第1巻線の組及び第2巻線の組は、磁気コアの中央脚部の周りにおいて巻回された中央巻線と、磁気コアの第1外側脚部の周りにおいて巻回された第1外側巻線と、磁気コアの第2外側脚部の周りにおいて巻回された第2外側巻線と、を含む、ステップと、第1インダクタ及び第2インダクタの独立的な動作を維持するべく、磁気コア、第1巻線の組又は第2巻線の組の特性を変更するステップと、を含むことができる。
【0013】
電力転送システムの動作特性を判定するステップは、1又は複数の電源のうちの1つの電源の障害の際に1又は複数の電源の間におけるワーストケース電圧差を判定するステップを更に含むことができる。
【0014】
更なる例示用の一実施形態においては、システムは、それぞれが対応するインダクタを含む1又は複数の電力転送段を介して1又は複数の電源から電気負荷に電力を提供するように構成されたブーストコンバータ回路を含むことができる。また、システムは、中央脚部を含む磁気コアであって、中央脚部は、中央脚部の両側の第1外側脚部及び第2外側脚部と平行である、磁気コアと、磁気コアの中央脚部、第1外側脚部及び第2外側脚部の周りにおいて巻回されたブーストコンバータ回路の第1電力転送段用の第1インダクタの第1巻線の組と、磁気コアの中央脚部、第1外側脚部及び第2外側脚部の周りにおいて巻回されたブーストコンバータ回路の第2電力転送段用の第2インダクタの第2巻線の組と、を含む統合型インダクタを含むこともできる。第1巻線の組及び第2巻線の組は、磁気コアの中央脚部の周りにおいて巻回された中央巻線と、磁気コアの第1外側脚部の周りにおいて巻回された第1外側巻線と、磁気コアの第2外側脚部の周りにおいて巻回された第2外側巻線と、を含む。
【0015】
以上における例示用の実施形態に関する一般的な説明及びその詳細な以下の説明は、本開示の教示内容の例示用の態様であるに過ぎず、限定を目的としたものではない。
【0016】
本開示及びその他の付随する利点については、添付図面との関連における検討の際に、以下の詳細な説明を参照することにより、更に十分に理解され、従って、その更に十分な理解が容易に得られることになろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1A】関連技術による統合型インダクタ組立体の例示用のイラストである。
【
図1B】関連技術による統合型インダクタ組立体の例示用の等価回路図である。
【
図2】ブーストコンバータ回路の例示用の回路図である。
【
図3A】統合型インダクタ組立体の例示用の図である。
【
図3B】統合型インダクタ組立体の例示用の回路図である。
【
図3C】統合型インダクタ組立体の例示用の等価回路図である。
【
図4A】統合型インダクタ組立体の例示用の図である。
【
図4B】統合型インダクタ組立体の例示用の図である。
【
図4C】統合型インダクタ組立体の例示用の回路図である。
【
図5A】統合型インダクタ組立体の例示用の図である。
【
図5B】統合型インダクタ組立体の例示用の回路図である。
【
図6A】統合型インダクタ組立体の例示用の図である。
【
図6B】統合型インダクタ組立体の例示用の回路図である。
【
図7A】統合型インダクタ組立体の例示用の図である。
【
図7B】統合型インダクタ組立体の磁気コアの半体の例示用の図である。
【
図8A】統合型インダクタ組立体の磁束プロファイルの例示用の図である。
【
図8B】統合型インダクタ組立体の磁束プロファイルの例示用の図である。
【
図8C】統合型インダクタ組立体の磁束プロファイルの例示用の図である。
【
図9】統合型インダクタ設計プロセスの例示用のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図面において、同一の参照符号は、いくつかの図の全体を通じて、同一の又は対応した部分を表記している。更には、本明細書において使用されている「1つの(a)」及び「1つの(an)」という用語並びにこれらに類似した用語は、一般に、そうではない旨が記述されていない限り、「1又は複数の」という意味を有する。図面は、一般に、そうではない旨が記述されていない限り、縮尺通りに描画されており、或いは、概略的な構造又はフローチャートを示している。
【0019】
更には、「ほぼ」及び「約」という用語並びにこれらに類似した用語は、一般に、識別された値と、その値と20%、10%、或いは、好ましくは、5%のマージンの間のすべての値と、を含む範囲を意味している。
【0020】
本開示の態様は、単一の磁気コア上に統合された複数の独立に動作するインダクタを含む統合型インダクタ組立体を対象としている。例えば、ブーストコンバータ回路などの電力変換回路は、電力を1又は複数の負荷に独立に提供する1又は複数の電力変換段と関連した複数のインダクタを有することができる。それぞれが別個の磁気コアを含む個々のコンポーネントとしてインダクタを実装することにより、磁気コアが嵩張っていることに起因して、回路サイズが結果的に増大しうる。単一の磁気コア上への複数のインダクタの統合は、電力変換回路、例えば、エネルギーモジュールから電気自動車(EV:Electric Vehicle)の電気負荷に電力を提供するEV電力転送システム内において設置されるDC−DC電力変換回路、のサイズの低減に寄与する。
【0021】
図1Aは、関連技術によるインターリービング統合型インダクタ組立体100の例示用の二次元(2D)の図であり、且つ、
図1Bは、統合型インダクタ組立体100の例示用の等価回路
図150である。統合型インダクタ組立体100は、第1インダクタ104と関連した第1巻線の組及び第2インダクタ106と関連した第2巻線の組がその周りにおいて巻回される2つの脚部を有する「O」字形状の磁気コア102を含んでいる。いくつかの実施形態においては、第1インダクタ104と関連した第1巻線の組は、磁気コア102の脚部の上部半体の周りにおいて巻回されており、且つ、第2インダクタ106と関連した第2巻線の組は、磁気コア102の脚部の下部半体の周りにおいて巻回されている。第1インダクタ104と関連した第1巻線の組は、巻線112及び114を含んでおり、これらは直列状態に接続されている。また、第2インダクタ106と関連した第2巻線の組は、巻線116及び118を含んでおり、これらは直列状態に接続されている。磁気コア102の上部半体及び下部半体に対する参照は、磁気コア102の半体の弁別を意図したものに過ぎず、且つ、いずれの巻線の組が、磁気コア102のいずれの半体と関連付けられてもよい。これに加えて、
図1Aの統合型インダクタ組立体100上の基準点104a及び104bは、
図1Bの等価回路
図150上の基準点104a及び104bに対応している。同様に、
図1Aの統合型インダクタ組立体100上の基準点106a及び106bも、
図1Bの等価回路
図150上の基準点106a及び106bに対応している。
【0022】
磁束経路108は、第1インダクタ104の第1巻線の組によって生成される磁束に対応しており、且つ、磁束経路110は、第2インダクタ106の第2巻線の組によって生成される磁束に対応している。第1インダクタ104の第1巻線の組及び第2インダクタ106の第2巻線の組を通じた電流が、等しく、且つ、既定量の位相シフトを有している際には、磁束経路108及び110は、相殺し、その結果、コアの飽和を伴わない第1インダクタ104と第2インダクタ106の独立的な動作が結果的に得られる。但し、第1インダクタ104の第1巻線の組及び第2インダクタ106の第2巻線の組を通じた電流が、等しくなく、且つ、既定量の位相シフトを有していない場合には、磁束経路108及び110は、互いに相殺せず、磁気コア102は、飽和状態となり、且つ、インダクタ104及び106は、互いに独立した状態において動作しない。
【0023】
図2は、本明細書において更に記述されている統合型インダクタ組立体100又は任意のその他の統合型インダクタ組立体を実装することができるブーストコンバータ回路200の例示用の回路図である。ブーストコンバータ回路200は、電力をバッテリ206及び/又はバッテリ208などの1又は複数の電源から車両モーターなどの可変電圧負荷210に提供することができる。例えば、バッテリ206は、スイッチ214及び216並びにインダクタ202を含む第1電力転送段と関連付けられており、且つ、バッテリ208は、スイッチ218及び220並びにインダクタ204を含む第2電力転送段と関連付けられている。これに加えて、第1電力転送段のインダクタ202及び第2電力転送段のインダクタ204は、個別のインダクタとして、或いは、インダクタ組立体100などの統合型インダクタ組立体として、実装することができる。インダクタ202及び204を統合型インダクタ組立体100又は別のタイプの統合型インダクタ組立体として実装することにより、総インダクタ容積の低減に起因し、ブーストコンバータ回路200の回路容積を結果的に低減することができる。但し、インダクタ202及び204を通じた電流が、等しくなく、且つ/又は、既定量の位相シフトを有していない場合には、インダクタ202及び204は、独立に動作せず、且つ、バッテリ206及び208から転送される電力の量が制御不能となりうる。一例において、バッテリ208の障害が発生した際には、バッテリ206のみが負荷210に電力を提供し、且つ、バッテリ208と関連したインダクタ204を通じて流れる電流の量はゼロとなり、バッテリ206と関連したインダクタ202を通じて流れる電流の量は、100アンペア(A)などのように、ゼロ超となる。バッテリ208の障害の際のインダクタ202及び204を通じた電流の差は、統合型インダクタ組立体100のコアの飽和を結果的にもたらす可能性があり、且つ、インダクタ202及び204は、互いに独立に動作しない。
【0024】
図3Aは、統合型インダクタ組立体300の例示用の2Dの図であり、
図3Bは、統合型インダクタ組立体300を表す対応した回路
図302の図であり、且つ、
図3Cは、統合型インダクタ組立体300の例示用の等価回路
図304である。統合型インダクタ組立体100は、(
図3Cに示されているように)第1インダクタ314と関連した第1巻線の組及び第2インダクタ316と関連した第2巻線の組がその周りにおいて巻回される平行な第1外側脚部308、第2外側脚部310及び中央脚部312を含む3つの脚部を有する磁気コア306を有する。第1インダクタ314と関連した第1巻線の組は、巻線Lu、Ru及びCuを含んでおり、これらは直列状態に接続されている。また、第2インダクタ316と関連した第2巻線の組は、巻線Ld、Rd及びCdを含んでおり、これらは直列状態に接続されている。いくつかの実施形態においては、第1インダクタ314と関連した第1巻線の組Lu、Ru及びCuは、磁気コア306の第1外側脚部308、第2外側脚部310及び中央脚部312の上部半体の周りにおいて巻回されている。第2インダクタ316と関連した第2巻線の組Ld、Rd及びCdは、磁気コア306の第1外側脚部308、第2外側脚部310及び中央脚部312の下部半体の周りにおいて巻回されている。本開示の全体を通じて、磁気コア102の上部半体及び下部半体に対する参照は、磁気コア306の半体の弁別を意図したものであり、且つ、磁気コア306のいずれの半体と関連付けられてもよい。
【0025】
これに加えて、
図3Aの統合型インダクタ組立体300上の基準点314a及び314bは、
図3Bの回路
図302及び
図3Cの等価回路
図304上の基準点314a及び314bに対応している。同様に、
図3Aの統合型インダクタ組立体300上の基準点316a及び316bも、
図3Bの回路
図302及び
図3Cの等価回路
図304上の基準点316a及び316bに対応している。いくつかの例においては、磁気コア306の上部半体は、第1インダクタ314及び第2インダクタ316の既定のインダクタンス特性に対応した第1外側脚部308、第2外側脚部310及び中央脚部312内の空隙により、磁気コア306の下部半体から分離されうる。
【0026】
図3Bの統合型インダクタ組立体300の回路
図302は、第1巻線の組Lu、Ru及びCu並びに第2巻線の組Ld、Rd及びCdの極性を示している。また、電流が統合型インダクタ組立体300の巻線を通過するのに伴って、第1巻線の組Lu、Ru及びCuと第2巻線の組Ld、Rd及びCdの間に相互結合が発生しうる。例えば、相互結合は、第1巻線の組の外側巻線Lu及びRuと、第1巻線の組の他方の巻線Ld及びRdとの間に発生しうる。また、相互結合は、第1巻線の組の中央巻線Cuと、第2巻線の組の中央巻線Cdとの間にも発生する。第1巻線の組Lu、Ru及びCuと、第2巻線の組Ld、Rd及びCdとの間の相互結合が発生した場合にも、第1インダクタ314及び第2インダクタ316は、電流及び/又は位相シフトの量が変化した際にも、独立に動作することができる。例えば、第1インダクタ314は、第2インダクタ316によって生成される第2の磁束量とは独立した第1巻線の組Lu、Ru及びCuを通じた入力電流に応じて、第1の磁束量を生成するように構成されている。第1インダクタ314の第1巻線の組Lu、Ru及びCuと第2インダクタ316の第2巻線の組Ld、Rd及びCdの間の独立的な動作に関する詳細については、更に後述する。
【0027】
図4A〜
図4Cは、統合型インダクタ組立体300の磁束経路及び動作を第1巻線の組Lu、Ru及びCuとの関係において示しているが、これらは、第2巻線の組Ld、Rd及びCdの間における磁束の相互作用にも同様に適用されうる。例えば、
図4A及び
図4Bは、第1巻線の組Lu、Ru及びCuを有する統合型インダクタ組立体400の例示用の2Dの図であり、且つ、
図4Cは、統合型インダクタ組立体400の第1巻線の組の例示用の回路
図402である。電流は、
図4Cの電流矢印414a及び414bによって示されている方向において、第1巻線の組Lu、Ru及びCuを通じて流れている。
図4Aは、電流が第1巻線の組Lu、Cu及びRuを通じて流れるのに伴って、磁束経路408が、磁気コア306の第1外側脚部308から第2外側脚部310まで生成され、且つ、磁束経路406が、磁気コア306の第2外側脚部310から第1外側脚部308まで生成されることを示している。これに加えて、磁気コア306の外側脚部の間における磁束経路406及び408は、外側巻線Lu及びRuの間における相互結合をも結果的にもたらす。これに加えて、磁束経路412が、第1外側脚部308から中央脚部312まで生成され、且つ、磁束経路410が、第2外側脚部310から中央脚部312まで生成されている。磁束経路410及び412は、反対の方向を有しており、且つ、互いに相殺し、その結果、磁気コアの中央脚部312内においてゼロの磁束がもたらされ、従って、外側巻線Lu及びRuは、中央巻線Cuから結合解除される。
【0028】
図4Bは、電流が第1巻線の組Lu、Cu及びRuを通じて流れるのに伴って、磁束経路416が、磁気コア306の中央脚部312から第1外側脚部308まで生成され、且つ、磁束経路418が、磁気コア306の中央脚部から第2外側脚部310まで生成されることを示している。磁束経路416は、1つの方向において巻線Luに跨って(
図4Cに示されているように)励起電圧V416を生成し、且つ、磁束経路418は、励起電圧V416の方向とは反対の別の方向において巻線Ruに跨って励起電圧V418を生成する。励起電圧V416及びV418は、反対の方向に起因して、互いに相対し、且つ、その結果、巻線Cuを通過する電流に起因して生成されたなんらかの磁束をもたらすが、巻線Cuは、巻線Lu及びRuに対する影響を含んでいない。従って、入力電流端子414aの観点からは、巻線Lu、Ru及びCuは、2つのインダクタとして見なされることになり、この場合に、外側巻線Lu及びRuが、一つのインダクタとして見なされ、且つ、中央巻線Cuが、もう一つのインダクタとして見なされる。
【0029】
図5A及び
図5Bは、統合型インダクタ組立体300の磁束経路及び動作を第1巻線の組Lu、Ru及びCu並びに第2巻線の組Ld、Rd及びCdとの関係において示している。例えば、
図5Aは、第1巻線の組Lu、Ru及びCu並びに第2巻線の組Ld、Rd及びCdを有する統合型インダクタ組立体500の例示用の2Dの図であり、外側巻線Lu、Ru、Ld及びRdの間における磁束の相互作用を示している。
図5Bは、第1巻線の組Lu、Ru及びCuと第2巻線の組Ld、Rd及びCdの間における相互作用を含む統合型インダクタ組立体500の例示用の回路
図502である。電流は、
図5Bの電流矢印510a及び510bによって示されている方向において、第1巻線の組Lu、Ru及びCuを通じて流れている。
図5Aに示されているように、電流が第1巻線の組Lu、Ru及びCuを通じて流れるのに伴って、磁束経路506が、磁気コア306の第1外側脚部308から第2外側脚部310まで生成され、且つ、磁束経路504が、磁気コア306の第2外側脚部310から第1外側脚部308まで生成される。磁束経路504及び506は、第1巻線の組の外側巻線Lu及びRuと第2巻線の組の外側巻線Ld及びRdとの間における相互結合を結果的にもたらす。相互結合が発生するのに伴って、励起電圧V508が、第2巻線の組の外側巻線Ld及びRdに跨って生成されるが、第2巻線の組の中央巻線Cdと第1巻線の組の外側巻線Lu及びRuとの間には、相互結合が生成されない。
【0030】
図6A及び
図6Bは、統合型インダクタ組立体300の磁束経路及び動作を第1巻線の組Lu、Ru及びCu並びに第2巻線の組Ld、Rd及びCdとの関係において示している。例えば、
図6Aは、第1巻線の組Lu、Ru及びCu並びに第2巻線の組Ld、Rd及びCdを有する統合型インダクタ組立体600の例示用の2Dの図であり、中央巻線Cu及びCdの磁束の相互作用を示している。
図6Bは、第1巻線の組Lu、Ru及びCuと第2巻線の組Ld、Rd及びCdの間における相互作用を含む統合型インダクタ組立体600の例示用の回路
図602である。電流は、
図6Bの電流矢印610a及び610bによって示されている方向において第1巻線の組Lu、Ru及びCuを通じて流れている。
図6Aに示されているように、電流が第1巻線の組Lu、Ru及びCuを通じて流れるのに伴って、磁束経路604が、磁気コア306の中央脚部312から第1外側脚部308まで生成され、且つ、磁束経路606が、磁気コア306の中央脚部312から第2外側脚部310まで生成される。磁束経路604及び606により、第2巻線の組の中央巻線Cdに跨って励起電圧V608が生成されるが、第1巻線の組の中央巻線Cuと第2巻線の組の外側巻線Ld及びRdの間には、相互結合が発生しない。
【0031】
いくつかの実施形態においては、第2巻線の組の中央巻線Cdに跨る励起電圧V608は、外側巻線Ld及びRdに跨る励起電圧V508とは、方向が反対である。励起電圧V508及びV608の大きさが等しい際には、励起電圧V508及びV608は、相殺し、且つ、第1巻線の組Lu、Ru及びCuを通じた電流に起因した第2巻線の組Ld、Rd及びCdに跨る総電圧は、ゼロである。第1巻線の組Lu、Ru及びCuを通じた電流に起因した第2巻線の組Ld、Rd及びCdに跨る総電圧がゼロである際には、統合型インダクタ組立体300の第1インダクタ314及び第2インダクタ316は、独立に動作する。統合型インダクタ組立体300の構造は、励起電圧V508及びV608の大きさが等しくなるように設計されることができる。例えば、励起電圧V508又はV608を変更するべく、脚部308、310及び312の幅などの磁気コア306の寸法を増減させることができる。一例においては、第2巻線の組の中央巻線Cdに跨る励起電圧V608を増大させるべく、中央脚部312の幅が増大させられている。これに加えて、統合型インダクタ組立体300のその他の設計特徴、例えば、巻線の巻回の数、巻線のタイプ、磁気コア306のその他の寸法並びにこれらに類似したもの、を変更することもできる。これに加えて、本明細書においては、磁束経路及び励起電圧は、第1巻線の組Lu、Ru及びCuを通過する電流との関係において記述されているが、インダクタ314及び316は、電流が第2巻線の組Ld、Rd及びCd又は両方の巻線の組を通過する際にも、独立に動作する。
【0032】
図7Aは、統合型インダクタ組立体700の例示用の三次元(3D)の図であり、これは、統合型インダクタ組立体300の一実施形態である。例えば、統合型インダクタ組立体は、第1インダクタと関連した第1巻線の組Lu、Ru及びCu並びに第2インダクタと関連した第2巻線の組Ld、Rd及びCdがその周りにおいて巻回される第1外側脚部704、第2外側脚部706及び中央脚部708を有する磁気コア702を含んでいる。いくつかの実施形態においては、磁気コア702の寸法及び第1外側脚部704、第2外側脚部706、及び中央脚部708の長さ又は幅は、第1巻線の組Lu、Ru及びCu並びに第2巻線の組Ld、Rd及びCdによって生成される磁束が互いに干渉しないように、第1インダクタ314と第2インダクタ316の間における独立性を維持することに基づいている。また、これに加えて、巻線の巻回の数、巻線のタイプ及び磁気コア702の第1半体と第2半体の間の空隙722の長さは、第1インダクタ314又は第2インダクタ316の独立的な動作に対してのみならず、動作特性に対しても、影響を及ぼしうる。一実施形態においては、磁気コア702の第1半体と第2半体の間の空隙722の長さを増大させることにより、第1インダクタ314又は第2インダクタ316のインダクタンス値が低減されている。
【0033】
図7Bは、統合型インダクタ組立体700の例示用の3Dの図であり、これは、磁気コア702の1つの半体のみを示し、且つ、統合型インダクタ組立体700の第1巻線の組Lu、Ru及びCu並びに第2巻線の組Ld、Rd及びCdの電流方向をも含む。
図7Bの磁気コア702の半体は、中央脚部708の幅が第1外側脚部704及び第2外側脚部706の幅を上回っていることを示している。いくつかの実施形態においては、中央脚部708の幅が増大するのに伴って、第2巻線の組の中央巻線Cdに跨る励起電圧V608が増大している。また、中央巻線Cu又はCdの巻回の数は、励起電圧V608に基づいたものであってもよい。同様に、第1外側脚部704及び第2外側脚部706の幅は、外側巻線Ld及びRdに跨る励起電圧V508に基づいており、これは、中央巻線Cdに跨る励起電流V608と等しい。これに加えて、外側巻線Lu、Ru、Ld又はRdの巻回の数は、励起電圧V508に基づいたものであってもよく、且つ、中央巻線Cu又はCdの巻回の数は、励起電圧V608に基づいたものであってもよい。
【0034】
図8A〜
図8Cは、統合型インダクタ組立体300の磁束プロファイルの例示用の図であり、且つ、表1は、統合型インダクタ組立体300の対応した動作特性を含む。
図8Aは、一実施形態における統合型インダクタ組立体300の磁束プロファイルであり、この場合に、第1インダクタ314の第1巻線の組Lu、Ru及びCuは、200キロヘルツ(kHz)の周波数を有する6.5Aの印加電流を有しており、且つ、第2インダクタ316の第2巻線の組Ld、Rd及びCdは、印加電流を有していない。表1に示されているように、第1巻線の組Lu、Ru及びCuは、約50Vの電圧を有しており、且つ、第2巻線の組Ld、Rd及びCdは、約ゼロボルトの電圧を有している。また、第1インダクタ314と関連した第1巻線の組Lu、Ru及びCuは、6.1マイクロヘンリー(μH)のインダクタンス値を有しており、且つ、第2インダクタ316と関連した第2巻線の組Ld、Rd及びCdは、ゼロマイクロヘンリーのインダクタンス値を有している。第1巻線の組及び第2巻線の組に印加されている電流の量は、等しくはないが、第1巻線の組Lu、Ru及びCuの動作特性は、第2巻線の組Ld、Rd及びCdの動作特性とは独立している。
【0035】
図8Bは、一実施形態における統合型インダクタ組立体300の磁束プロファイルであり、この場合に、第1インダクタ314の第1巻線の組Lu、Ru及びCu並びに第2インダクタの第2巻線の組Ld、Rd及びCdは、200kHzの周波数を有する6.5Aの印加電流を有している。これに加えて、第1巻線の組Lu、Ru及びCu並びに第2巻線の組Ld、Rd及びCdを通じた電流は、ゼロの位相シフトを有しており、これは、同相とも呼称されうる。表1に示されているように、第1巻線の組Lu、Ru及びCu並びに第2巻線の組Ld、Rd及びCdは、いずれも、約50Vの電圧を有している。また、第1インダクタ314と関連した第1巻線の組Lu、Ru及びCu並びに第2のインダクタ316と関連した第2巻線の組Ld、Rd及びCdは、6.1μHのインダクタンス値を有している。
【0037】
図8Cは、一実施形態における統合型インダクタ組立体300の磁束プロファイルであり、この場合に、第1インダクタ314の第1巻線の組Lu、Ru及びCu並びに第2インダクタの第2巻線の組Ld、Rd及びCdは、200kHzの周波数を有する6.5Aの印加電流を有している。これに加えて、第1巻線の組Lu、Ru及びCu並びに第2巻線の組Ld、Rd及びCdを通じた電流は、180°の位相シフトを有している。表1に示されているように、第1巻線の組Lu、Ru及びCu並びに第2巻線の組Ld、Rd及びCdは、いずれも、約50Vの電圧を有している。また、第1インダクタ314と関連した第1巻線の組Lu、Ru及びCu並びに第2インダクタ316と関連した第2巻線の組Ld、Rd及びCdは、いずれも、6.1μHのインダクタンス値を有している。第1巻線の組Lu、Ru及びCu並びに第2巻線の組Ld、Rd及びCdを通じた電流は、位相がずれているが、第1巻線の組Lu、Ru及びCuの動作特性は、第2巻線の組Ld、Rd及びCdの動作特性とは独立している。
【0038】
図9は、統合型インダクタ設計プロセス900の例示用のフローチャートである。統合型インダクタ設計プロセス900は、本明細書においては、統合型インダクタ組立体300及びブーストコンバータ回路200との関係において記述されているが、統合型インダクタ設計プロセス900は、その他のタイプの統合型インダクタ組立体及び電力変換回路にも適用されうる。
【0039】
ステップS902において、ブーストコンバータ回路200などの電力転送システムの動作特性が判定されている。例えば、ブーストコンバータ回路200は、電力をバッテリ206及びバッテリ208から可変電圧負荷201に独立に供給する2つの電力転送段を含む。ブーストコンバータシステム200の動作特性は、バッテリ206及び208の電力及び電圧特性、負荷210の電力及び電圧特性、電力転送段の数並びにこれらに類似したものを含むことができる。また、一実施形態においては、ブーストコンバータ回路200の動作特性は、バッテリ206又は208のうちの1つのバッテリの障害の際のバッテリ206及び208の間におけるワーストケース電圧差をも含む。例えば、バッテリ208の障害が発生した際には、バッテリ206のみが電力を負荷210に提供し、且つ、バッテリ208と関連したインダクタ204を通じて流れる電流の量は、ゼロであり、且つ、バッテリ206と関連したインダクタ202を通じて流れる電流の量は、100Aなどのように、ゼロを上回っている。
【0040】
ステップS904において、ブーストコンバータ回路200と関連したインダクタの特性が、ステップS902において判定された電力転送システムの動作特性に基づいて判定されている。例えば、バッテリ206及び208の間におけるワーストケース電圧差を使用することにより、ワーストケース電圧差が発生した際にインダクタ314及び316が独立に動作するように、統合型インダクタ組立体300のインダクタ314及び316を設計することができる。これに加えて、インダクタ314及び316の特性は、ブーストコンバータ回路200の電力転送段のそれぞれごとのインダクタンス値を含むことできる。また、ブーストコンバータ回路200の動作特性に基づいて、統合型インダクタンス組立体300の物理特性を判定することもできる。例えば、磁気コア306の寸法、磁気コア306の外側脚部308、310及び中央脚部308の長さ及び幅、第1巻線の組Lu、Ru及びCu並びに第2巻線の組Ld、Rd及びCdの巻回数並びにこれらに類似したものは、ブーストコンバータ回路200の電力転送段のそれぞれごとに既定の値のインダクタンスを実現することに基づいたものであってもよい。
【0041】
ステップS906において、第1インダクタ314の第1巻線の組Lu、Ru及びCuと第2インダクタ316の第2巻線の組Ld、Rd及びCdとの間における独立的な動作を維持するべく、磁気コア/巻線構造又は特性を変更することができる。いくつかの実施形態においては、中央脚部312の幅が増大するのに伴って、第2巻線の組の中央巻線Cdに跨る励起電圧V608が増大している。また、中央巻線Cu又はCdの巻回の数は、励起電圧V608に基づいたものであってもよい。同様に、第1外側脚部308及び第2外側脚部310の幅は、外側巻線Ld及びRdに跨る励起電圧V508に基づいており、これは、中央巻線Cdに跨る励起電圧V608に等しい。これに加えて、外側巻線Lu、Ru、Ld又はRdの巻回の数は、励起電圧V508に基づいたものであってもよく、且つ、中央巻線Cu又はCdの巻回の数は、励起電圧V608に基づいたものであってもよい。
【0042】
以上、いくつかの実施形態について説明した。但し、本開示の精神及び範囲を逸脱することなしに、様々な変更が実施されうることを理解されたい。例えば、開示された技法のステップが、異なるシーケンスにおいて実行された場合にも、開示されているシステム内のコンポーネントが、異なる方式によって組み合わせられた場合にも、或いは、コンポーネントが、その他のコンポーネントによって置換又は補完された場合にも、好適な結果が実現されうる。従って、その他の実施形態も、特許請求されうる範囲に含まれている。
本明細書に開示される発明は以下の態様を含む。
(1)中央脚部を含む磁気コアであって、前記中央脚部は、前記中央脚部の両側の第1外側脚部及び第2外側脚部と平行である、磁気コアと、
前記中央脚部、前記磁気コアの前記第1外側脚部及び前記磁気コアの前記第2外側脚部の周りにおいて巻回された第1インダクタの第1巻線の組と、
前記磁気コアの前記中央脚部、前記第1外側脚部及び前記第2外側脚部の周りにおいて巻回された第2インダクタの第2巻線の組と、
を有し、
前記第1巻線の組及び前記第2巻線の組は、前記磁気コアの前記中央脚部の周りにおいて巻回された中央巻線、前記磁気コアの前記第1外側脚部の周りにおいて巻回された第1外側巻線及び前記磁気コアの前記第2外側脚部の周りにおいて巻回された第2外側巻線を含む、統合型インダクタ組立体。
(2)上記(1)に記載の組立体であって、前記第1巻線の組は、前記磁気コアの前記中央脚部、前記第1外側脚部及び前記第2外側脚部の第1半体の周りにおいて巻回されており、且つ、前記第2巻線の組は、前記磁気コアの前記中央脚部、前記第1外側脚部及び前記第2外側脚部の第2半体の周りにおいて巻回されている、統合型インダクタ組立体。
(3)上記(2)に記載の組立体であって、前記磁気コアの前記中央脚部、前記第1外側脚部及び前記第2外側脚部の前記第1半体は、前記第1インダクタ及び前記第2インダクタの既定のインダクタンス特性に対応した空隙により、前記磁気コアの前記中央脚部、前記第1外側脚部及び前記第2外側脚部の前記第2半体から分離されている、統合型インダクタ組立体。
(4)上記(1)に記載の組立体であって、前記第1インダクタは、前記第2インダクタによって生成される第2の磁束量とは独立した入力電流に応じて、第1の磁束量を生成するように構成されている、統合型インダクタ組立体。
(5)上記(1)に記載の組立体であって、前記第1巻線の組又は前記第2巻線の組の前記中央巻線、前記第1外側巻線及び前記第2外側巻線は、直列状態に接続されている、統合型インダクタ組立体。
(6)上記(1)に記載の組立体であって、前記第1巻線の組又は前記第2巻線の組の前記第1外側巻線は、前記磁気コアの前記第1外側脚部及び前記第2外側脚部の間における第1磁束経路を介して、前記第2外側巻線に相互結合されている、統合型インダクタ組立体。
(7)上記(6)に記載に組立体であって、前記第1巻線の組の前記第1外側巻線及び前記第2外側巻線は、前記第2巻線の組の前記第1外側巻線及び前記第2外側巻線に跨って第1励起電圧を生成するように構成されている、統合型インダクタ組立体。
(8)上記(7)に記載の組立体であって、前記第1外側巻線及び前記第2外側巻線の巻回の数は、前記第2巻線の組の前記第1外側巻線及び前記第2外側巻線に跨る前記第1励起電圧に基づいている、統合型インダクタ組立体。
(9)上記(1)に記載の組立体であって、前記第1巻線の組又は前記第2巻線の組の前記第1外側巻線及び前記第2外側巻線は、前記中央巻線から結合解除されている、統合型インダクタ組立体。
(10)上記(1)に記載の組立体であって、前記第1巻線の組の前記中央巻線は、前記第2巻線の組の前記中央巻線に跨る第2励起電圧を生成するように構成されている、統合型インダクタ組立体。
(11)上記(10)に記載の組立体であって、前記第2巻線の組の前記中央巻線に跨る前記第2励起電圧は、前記第2巻線の組の前記第1外側巻線及び前記第2外側巻線に跨る第1励起電圧に等しい、統合型インダクタ組立体。
(12)上記(10)に記載の組立体であって、前記第2励起電圧の第2方向は、前記第1励起電圧の第1方向とは反対である、統合型インダクタ組立体。
(13)上記(10)の組立体であって、前記中央巻線の巻回の数は、前記第2巻線の組の前記中央巻線に跨る前記第2励起電圧に基づいている、統合型インダクタ組立体。
(14)上記(1)に記載の組立体であって、前記第1インダクタの前記第1巻線の組において生成される第1励起電圧及び前記第2インダクタの前記第2巻線の組において生成される第2励起電圧は、前記第1巻線の組を通じた第1電流又は前記第2巻線の組を通じた第2電流の位相とは独立している、統合型インダクタ組立体。
(15)上記(1)に記載の組立体であって、前記第1巻線の組を通過する第1の電流量は、前記第2巻線の組を通過する第2の電流量とは独立している、統合型インダクタ組立体。
(16)上記(1)に記載の組立体であって、前記磁気コアの前記中央脚部、前記第1外側脚部又は前記第2外側脚部の幅は、前記第1巻線の組又は前記第2巻線の組に跨る励起電圧に基づいている、統合型インダクタ組立体。
(17)それぞれが対応するインダクタを含む1又は複数の電力転送段を介して1又は複数の電源から電気負荷に電力を提供するように構成されたブーストコンバータ回路を含む電力転送システムの動作特性を判定するステップと、
前記電力転送システムの動作特性に基づいて、統合型インダクタ組立体の特性を判定するステップであって、前記統合型インダクタ組立体は、
中央脚部を含む磁気コアであって、前記中央脚部は、前記中央脚部の両側の第1外側脚部及び第2外側脚部と平行である、磁気コア、
前記磁気コアの前記中央脚部、前記第1外側脚部及び前記第2外側脚部の周りにおいて巻回された第1インダクタの第1巻線の組、及び、
前記磁気コアの前記中央脚部、前記第1外側脚部及び前記第2外側脚部の周りにおいて巻回された第2インダクタの第2巻線の組、を含み、
前記第1巻線の組及び前記第2巻線の組は、前記磁気コアの前記中央脚部の周りにおいて巻回された中央巻線、前記磁気コアの前記第1外側脚部の周りにおいて巻回された第1外側巻線及び前記磁気コアの前記第2外側脚部の周りにおいて巻回された第2外側巻線を含む、ステップと、
前記第1インダクタ及び前記第2インダクタの独立的な動作を維持するべく、前記磁気コア、前記第1巻線の組又は前記第2巻線の組の特性を変更するステップと、
を有する方法。
(18)上記(17)に記載の方法であって、前記電力転送システムの動作特性を判定するステップは、前記1又は複数の電源のうちの1つの電源の障害の際に前記1又は複数の電源の間におけるワーストケース電圧差を判定するステップを更に有する、方法。
(19)それぞれが対応するインダクタを含む1又は複数の電力転送段を介して1又は複数の電源から電気負荷に電力を提供するように構成されたブーストコンバータ回路と、
統合型インダクタ組立体であって、
中央脚部を含む磁気コアであって、前記中央脚部は、前記中央脚部の両側の第1外側脚部及び第2外側脚部と平行である、磁気コア、
前記磁気コアの前記中央脚部、前記第1外側脚部及び前記第2外側脚部の周りにおいて巻回された前記ブーストコンバータ回路の第1電力転送段用の第1インダクタの第1巻線の組、及び、
前記磁気コアの前記中央脚部、前記第1外側脚部及び前記第2外側脚部の周りにおいて巻回された前記ブーストコンバータ回路の第2電力転送段用の第2インダクタの第2巻線の組、を含み、
前記第1巻線の組及び前記第2巻線の組は、前記磁気コアの前記中央脚部の周りにおいて巻回された中央巻線、前記磁気コアの前記第1外側脚部の周りにおいて巻回された第1外側巻線及び前記磁気コアの前記第2外側脚部の周りにおいて巻回された第2外側巻線を含む、組立体と、
を有するシステム。