(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6574243
(24)【登録日】2019年8月23日
(45)【発行日】2019年9月11日
(54)【発明の名称】電気的な機器
(51)【国際特許分類】
H02G 15/013 20060101AFI20190902BHJP
【FI】
H02G15/013
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-509682(P2017-509682)
(86)(22)【出願日】2015年8月18日
(65)【公表番号】特表2017-530670(P2017-530670A)
(43)【公表日】2017年10月12日
(86)【国際出願番号】EP2015068905
(87)【国際公開番号】WO2016026834
(87)【国際公開日】20160225
【審査請求日】2018年4月23日
(31)【優先権主張番号】102014012335.9
(32)【優先日】2014年8月20日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】507400756
【氏名又は名称】コスタール・コンタクト・ジステーメ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100173521
【弁理士】
【氏名又は名称】篠原 淳司
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100153419
【弁理士】
【氏名又は名称】清田 栄章
(72)【発明者】
【氏名】ドレシャー・トーマス
(72)【発明者】
【氏名】スプナー・ペトル
(72)【発明者】
【氏名】ケツリーク・イジー
(72)【発明者】
【氏名】クノープロッホ・テオドール
【審査官】
久保 正典
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2013/065598(WO,A1)
【文献】
特開2002−340235(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2006/0035509(US,A1)
【文献】
特開2008−027908(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 15/00−15/196
F16L 5/02
H01R 13/56−13/639
H02G 3/22
H05K 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気的な機器であって、この電気的な機器が、
ケーシング(1)を備え、このケーシングが少なくとも1つの附設して形成されたケーブル入口接続用短管(2)を有しており、このケーブル入口接続用短管を通って、ケーブル(3)が、前記ケーシング(1)の内側へと案内され、および、
前記電気的な機器が、保持キャップ(4)を備え、この保持キャップ(4)が、貫通開口部(5)を有しており、この貫通開口部を通って前記ケーブル(3)が貫通案内され、および、
前記電気的な機器が、スリーブ(6)を備え、このスリーブが、前記ケーブル(3)の被覆(7)に接する固定部分(8)、および、前記ケーブル(3)に対して半径方向に延在するリング面(9)を有しており、
その際、組み付けられた状態で、前記保持キャップ(4)が、前記スリーブ(6)を、前記ケーブル入口接続用短管(2)において固定する様式の上記電気的な機器において、
組み付けられた状態で、前記保持キャップ(4)の貫通開口部(5)が、前記スリーブ(6)の固定部分(8)を抱き込み、且つ、前記貫通開口部(5)の縁部面(31)が、前記固定部分(8)を、前記ケーブル(3)の被覆(7)に押圧し、且つ、前記保持キャップ(4)とケーブル入口接続用短管(2)が、バヨネット結合部(10)によって互いに結合されていること、および、
前記ケーブル(3)が、付加的に、クランプ装置(11)によって、前記ケーシング(1)に固定されており、このクランプ装置が、同一の、互いに結合された、2つのクランプ体(12)から成ることを特徴とする電気的な機器。
【請求項2】
前記保持キャップ(4)の貫通開口部(5)の縁部面(31)、および、前記スリーブ(6)の少なくとも1つの固定部分(8)は、組み付けの開始において、互いに非平行に整向されていることを特徴とする請求項1に記載の電気的な機器。
【請求項3】
前記固定部分(8)は、フィン(23)のリング形状の配設を形成していることを特徴とする請求項1に記載の電気的な機器。
【請求項4】
前記ケーブル(3)は、電気的な高電圧ケーブルであることを特徴とする請求項1に記載の電気的な機器。
【請求項5】
前記機器は、電気的な差込み結合具を形成していることを特徴とする請求項1または4に記載の電気的な機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気的な機器であって、この電気的な機器が、
ケーシングを備え、このケーシングが少なくとも1つの附設して形成されたケーブル入口接続用短管を有しており、このケーブル入口接続用短管を通って、ケーブルが、前記ケーシングの内側へと案内され、および、
前記電気的な機器が、保持キャップを備え、この保持キャップが、貫通開口部を有しており、この貫通開口部を通って前記ケーブルが貫通案内され、および、
前記電気的な機器が、スリーブを備え、このスリーブが、前記ケーブルの被覆に接する固定部分、および、前記ケーブルに対して半径方向に延在するリング面を有しており、
その際、組み付けられた状態で、前記保持キャップが、前記スリーブを、前記ケーブル入口接続用短管において固定する様式の上記電気的な機器に関する。
【背景技術】
【0002】
電気的な機器は、この電気的な機器が如何なる内蔵された電力供給も備えていない限りは、一般的に、少なくとも1つの電気的な接続導線を有している。
この電気的な接続導線は、そこで、内部の機器構成要素と接触するために、電気的な差込み結合部を介して、この機器のケーシングに接続され得るか、または、しかしながら、ケーシング開口部を介して、この機器の内側へと案内され得る。特に第2の場合において、電気的な結合が、既に、このケーブルに対して作用する少ない引張り力によって破壊されないために、ケーブルをこのケーシングに固定することは必要である。
この目的のために使用される手段および装置は、大抵の場合、引張り負荷軽減装置と称される。概念「電気的な機器」は、ここで、比較的に広い意味において理解されるべきであり、特に、この概念が、同様に接続ケースおよび差込み結合具も含むことは、コメントされるべきである。
【0003】
接続導線の引張り負荷軽減の機能原理は、大抵の場合、この接続導線を、ケーシング部分の組み合わせによって、または、このケーシングにおけるねじ止め部の締付けによって締付け状態で固定することに起因する。多くの場合、電気的な機器のケーシングは、2つの、組み合わせ可能なケーシング部分から成り、これらケーシング部分が、組み合わせの後、接続導線を、その目的のために設けられた位置において、それら自身の間で挟み込む。
この引張り負荷軽減の様式は、比較的に、強い横断面強度の、および、剛性の接続ケーブルがケーシングに固定されるべき場合に、実際上、あまり良好ではない。特に、1つのケーシングに複数のケーブルが装着されるべき場合、この目的のために、特に適当な固定手段を備えることは、合目的である。
【0004】
特許文献1内において、ケーシング壁部を通るケーブル貫通案内部を有する電気的な機器が記載されている。
特に、太陽光発電装置のための接続ケースが図示されており、この接続ケースのケーシングに、2つのケーブル入口接続用短管が附設して形成されている。これらケーブル入口接続用短管を通って、それぞれに、比較的に強固に保護された高電圧ケーブルが、このケーシングの内側へと案内され得る。ケーブルの固定のために、このケーブルの外側被覆に、スリーブが圧着されている。このスリーブのリング面は、ケーブル入口接続用短管の端面に当接され、且つ、このケーブル入口接続用短管の上にねじり固定可能な、保持キャップ形状のキャップナットによって固定される。
【0005】
この様式のケーブル固定の形成は、組み付け技術的に、しかも、第1に実施されるべき圧着工程の理由で、第2にねじ止めの形成のために必要な比較的に大きな時間の消費の理由で、比較的に手間暇がかかる。従って、このような実施形態は、比較的に多量の状態で製造され、且つ、それぞれに、複数のケーブルが固定されるべき機器に、ただ限定された状態だけで適している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】独国特許出願公開第10 2010 007 093A1号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第10 2009 016 157A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、1つまたは複数のケーブルが、特に、容易に、迅速に、確実に、および、安いコストで、ケーブル入口接続用短管に固定可能である、電気的な機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この課題は、本発明に従い、
組み付けられた状態で、前記保持キャップの貫通開口部が、前記スリーブの固定部分を抱き込み(uebergreift)、且つ、前記貫通開口部の縁部面が、前記固定部分を、前記ケーブルの被覆に押圧し、且つ、前記保持キャップとケーブル入口接続用短管が、バヨネット結合部によって互いに結合されていること、
および、
前記ケーブルが、付加的に、クランプ装置によって、前記ケーシングに固定されており、このクランプ装置が、同一の、互いに結合された、2つのクランプ体から成ること、
によって解決される。
【発明の効果】
【0009】
このバヨネット結合部は、ケーブル入口接続用短管に対する保持キャップのねじり固定の、比較的に時間のかかる工程と比較して、保持キャップとケーブル入口接続用短管との間の結合の、迅速な形成を可能にする。
【0010】
スリーブの固定部分を覆っての、貫通開口部の抱き込みは、この保持キャップを保持キャップに固定し、且つ、この固定部分をケーブル被覆に対して押圧する。このことによって、ケーシングにおける、ケーブルの引張り負荷軽減および耐振動性の固定は達成される。
【0011】
直径が有利には精確にケーブル入口接続用短管の内径に相応する、スリーブのリング面が、ケーブルをこのケーブル入口接続用短管の内側で心合わせすることは、有利である。
【0012】
固定部分の領域内におけるスリーブの直径の寸法、及び/または、貫通開口部の内径の寸法は、ケーブル入口接続用短管、もしくは、ケーブルの軸線方向において変化し、即ち、テーパー状の経過を有している。このことによって、保持キャップとスリーブの組み合わせの際に、このケーブルに対する固定部分の特に高い押圧力が得られる。
【0013】
引張り負荷軽減の補強のために、ケーブルと結合可能なクランプ装置が設けられることは可能であり、このクランプ装置は、ケーブル入口接続用短管の内側において、摩擦結合的に、または、形状的に係合して設けられていることは可能である。
【0014】
電気的な機器の本発明に従う実施形態は、同様に比較的に剛性に且つ強い横断面強度に形成されていることも可能である、一つまたは複数のケーブルを、迅速に、少ない手間暇でもって、引張り負荷を軽減した状態で、且つ、耐振動性にケーシングに固定することを可能にする。
【0015】
本発明に従う電気的な機器の有利な実施形態、および、更なる構成は、従属請求項内において記載されている。本発明の実施例を図内において図示し、且つ、以下で、この図に基づいて詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】電気的な機器の異なる組み付け段階の図である。
【
図2】電気的な機器の異なる組み付け段階の図である。
【
図3】電気的な機器の異なる組み付け段階の図である。
【
図4】電気的な機器の異なる組み付け段階の図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1内において、本発明に従い構成された電気的な機器の実施例が、ケーブル3の第1の組み付け段階において図示されている。更に別の組み付け段階を、
図2から
図4までが示している。
ここで記載されている機器は、例えば、電気的な高電圧結合のための差込み結合具部材を形成している。相応して形成される電気的な機器は、しかしながら、もちろん同様に他の機能のためにも設けられることは可能であり、且つ、特に、同様に種々の電気的な、及び/または電子的な構成要素をも含むことは可能である。
【0018】
図1内において図示された機器は、附設して形成され互いに並列して設けられた、複数の、ここで例示的に3つの、ケーブル入口接続用短管2を備えるケーシング1を有しており、これらケーブル入口接続用短管を通って、接続導線が、ケーシング内側へと案内され得る。
これらケーブル入口接続用短管2の内の1つのケーブル入口接続用短管において、既に、このケーシング1内へと案内されたケーブル3が認識可能であり、このケーブルは、しかしながら、未だに、完全にはこのケーシング1に組み付けられていない。
確実な機能を達成すために、このケーブル3は、耐振動的に、且つ、作用する引張力に対して保護された状態で、ケーブル入口接続用短管2に固定されるべきである。この目的のために、スリーブ6、および保持キャップ4が使用され、これらは、
図1内において図示された組み付け段階において、既に、一区間距離を空けて、ケーブル3の上に押し込まれている。
【0019】
保持キャップ4およびスリーブ6は、個別部品として、
図5および6内において描かれている。
この保持キャップ4は、この保持キャップの上側で、貫通開口部5を備える短い管体形状の附設形成部14を有している。この管体形状の附設形成部14の内側面は、その際、この貫通開口部5の縁部面31を形成している。
更に、この保持キャップ4は、カラー部15を形成しており、このカラー部が、2つの位置で空隙部18を有しており、これら空隙部の内の1つの空隙部が、
図5内において認識可能である。これら空隙部18は、ケーブル入口接続用短管2における保持キャップ4の旋回を可能にし、このケーブル入口接続用短管が、
図1内において図示されているように、独立して設けられているのではなく、むしろ、結合部分20を介して、1つの部材から成るように、隣接するケーブル入口接続用短管と結合されている。この結合部分20によるケーブル入口接続用短管2の1つの部材から成るような結合は、さもなければ変更のない構造容積の場合、基本的な、比較的に堅牢な、且つ従って、比較的に安定性のあるケーシング1の構造を達成することを可能にする。
この保持キャップ4において、それに加えて、管体形状の附設形成部14の側方に、リブ19が附設して形成されており、これらリブが、この保持キャップ4を、比較的に安定的に形成し、且つ、同時に、このケーブル入口接続用短管2における保持キャップ4の固定の際に、取扱い補助体としての役目を果たす。
【0020】
図6内において図示されているスリーブ6は、リング面9、および、このリング面9に対してほぼ垂直に整向された固定部分8から成っており、この固定部分が、ここで、リング形状に互いに並列して起立しているフィン23から形成されている。これらフィン23は、有利には、この固定部分8の上側の内側面において附設して形成されている段差部および切込み部によって、かぎ爪状の構造部30を形成している。
ケーブル3の上への押し込みの後、これらフィン23は、このケーブルに対して軸線方向に整向された状態で、ケーブル被覆7に接しており(
図1および9)、これに対して、リング面9が半径方向にこのケーブル3から横へ突出している。
【0021】
リング面9は、異なる外径を有する、1つの部材から成るように形成され互いに平行な、2つの部分25、26から成っている。
このリング面9の下側の部分25の外径の大きさは、所属して設けられたケーブル入口接続用短管2の内径の大きさに相応しており、従って、このリング面9の部分25が、嵌合的に精確に、ケーブル入口接続用短管2内へと嵌め込まれ得る。このリング面9の上側の部分26の外径は、それに対して、幾分より大きく形成されており、従って、この下側の部分25と上側の部分26との間で、段部が形成されている。ケーブル入口接続用短管2に、スリーブ6を接合する場合、従って、このスリーブ6のリング面9上側の部分26は、このケーブル入口接続用短管2の外側の端面に当接する。
このことによって達成された組み付け状態は、
図2によって明瞭に示されている。フィン23が、ケーブル被覆7の外側面に接しており、且つ、ケーシング1と反対方向に、なお接合されるべき保持キャップ4の方向に向けて延在していることは、それに加えて、この図内において認識可能である。
【0022】
ケーブル入口接続用短管2に、保持キャップ4を接合する場合、スリーブ6のフィン23は、保持キャップ4の貫通開口部5内へと走入し、その際、この貫通開口部5の内径は、
フィン23が強固にケーブル3のケーブル被覆7に対して押圧されるように、構成されている。その際、例えば、貫通開口部5の直径、及び/または、このフィン23によって形成される固定部分8の直径が、軸線方向に変化して形成されているというやり方で、保持キャップ4の管体形状の附設形成部14の内側面とフィン23の面とが、互いに非平行に整向されている場合、有利である。
この様式のテーパー状の形状賦与形態によって、この保持キャップ4とスリーブ6の組み合わせの際に、
図3内において図示されているように、高い押圧力が、ケーブル3に対して得られる。
【0023】
保持キャップ4とスリーブ6の組み合わせの後、最後の結合ステップとして、この保持キャップ4は、ケーブル入口接続用短管2に固定される。このことは、極めて容易な、且つ、迅速な方法で、時計方向にほぼ35°だけのこの保持キャップ4の旋回によって行われ、このことによって、バヨネット結合部10の結合要素が、互いに係合状態になり、これら結合要素が、この保持キャップ4とケーブル入口接続用短管2とを、強固に、互いに接し合うように押圧する。バヨネット結合部10の構造原理は、例えば、カメラ交換用対物レンズにおける対物レンズバヨネット結合装置から、基本的に公知されているので、この構造原理は、ここで、詳細には、図内において図示されていない。
ここで、ただ、ケーブル入口接続用短管2に附設して形成された、特に、軽度に上り勾配に形成された輪郭部分29だけが描かれており、これら輪郭部分は、例えば、保持キャップ4の下側面に附設して形成された、ここで図示されていないフランジリングの切欠き部内へと嵌め込まれる。
【0024】
バヨネット結合部10は、部分的に、
図9の断面図内において図示されている。
どのようにケーブル入口接続用短管2の輪郭部分29が、保持キャップ4のケーシング部分によって囲繞されるのかが、認識可能である。この
図9は、それに加えて、どのように保持キャップ4の上方へと狭くなる貫通開口部5の縁部面31が、スリーブ6のフィン23を、ケーブル3のケーブル被覆7に対して押圧するのかを示しており、その際、これらフィン23のかぎ爪状の構造部30が、強固に、ケーブル被覆7に押し込まれる。
このバヨネット結合部10は、特に、有利には、多段式の係止結合部によって補充されていることは可能であり、この係止結合部に、ここで、3つの、ケーブル入口接続用短管2の外側面に附設して形成された係止リブ27が設けられており、これら係止リブが、適合して成形された、しかしながら、ここで同様に図示されていない、保持キャップ4の内側面における係止突起部と共に協働する。
【0025】
この係止結合部は、一方では、バヨネット結合部10を保護し、且つ、係止工程が、このバヨネット結合部10の閉鎖を、触覚的に、および、聴覚的に認識可能にし、且つ、従って、
図4内において図示されている、所定のロック最終状態を保障するというやり方で、付加的に、バヨネット結合部10の形成の際の組み付け補助体としての役目を果たす。
【0026】
ケーブル固定の更なる明確化のために、
図7は、電気的な機器の一部の断面図を示しており、この電気的な機器が、電気的な高電圧差込み結合具を形成している。
ここで、特に、ケーブルの導体に当接された差込みソケット28が見て取れ、この差込みソケット内へと、ケーシング1の下側から、フラット差込み結合具が嵌め込まれ得る。
この様式の高電圧差込み結合具の実施形態のための更なる詳細を、特許文献2から見て取ることは可能であり、従って、この点に関しては、より詳細の説明をしなくて良い。
【0027】
更に改良された引張り負荷軽減は、ケーブル3と結合可能なクランプ装置11によって達成され、このクランプ装置が、結合をケーブル入口接続用短管2に対する摩擦結合的な、または、有利には、形状的に係合する結合を形成する。
このクランプ装置11は、それに加えて、半径方向密封材24のための反力支承部としての役目を果たし、この半径方向密封材が、保持キャップ4の固定の際に、スリーブ6によって軸線方向に圧縮され、且つ、このことによって、同時に、半径方向に密に、ケーブル入口接続用短管2の内側壁に対して押圧される。この半径方向密封材24は、従って、ケーブル側からケーシング1内への湿気の侵入を防止する。
【0028】
クランプ装置11は、2つの組み合わせ可能なクランプ体12から成り、これらクランプ体が、
図8内において、個別部品として図示されている。
それぞれのクランプ体12は、基本的に、1つの部材から成るように成形された半リングを形成しており、この半リングの外側面に、複数の互いに平行な当接リブ16が附設して形成されており、これら当接リブが、組み付けの終了の後、ケーブル入口接続用短管2内における、クランプ装置11の遊隙の無い嵌め合いを補助する。
これら両方の組み合わせ可能なクランプ体12が、同一に形成され得ることは、特に有利である。これらクランプ体12は、従って、コストの安い同一部材として、大量に製造され得る。
【0029】
図8内において図示された、同一に形成された両方のクランプ体12は、1つの閉鎖されたリングへと組み立てられ、このリングが、
図7内において認識可能なクランプ装置11を形成している。それぞれのクランプ体12において、それぞれに、複数のクランプリブ13が、互いに平行に、且つ、中間スペース17によって相互から分離された状態で設けられている。
これらクランプ体12の組み合わせの際に、一方のクランプ体12のアーチ状のクランプリブ13は、それぞれに、他のクランプ体12における中間スペース17内にぴったり嵌り、且つ、従って、クランプリブ13の組み合わせられた配設を形成する。
【0030】
ケーブル3におけるクランプ装置11の固定のために、両方のクランプ体12は、このケーブル3の両側に位置決めされ、且つ、次いで、互いに向かいあって押圧される。
その際、これらクランプ体12の外側のケーシング部分における係止要素21、22が、互いに係止し、且つ、クランプリブ13をケーブル被覆に対して押圧する。このことによって、このクランプ装置11は、ケーブル3において固定される。
【符号の説明】
【0031】
1 ケーシング
2 ケーブル入口接続用短管
3 ケーブル
4 保持キャップ
5 貫通開口部
6 スリーブ
7 (ケーブル)被覆
8 固定部分
9 リング面
10 バヨネット結合部
11 クランプ装置
12 クランプ体
13 クランプリブ
14 管体形状の附設形成部
15 カラー部
16 当接リブ
17 中間スペース
18 空隙部
19 リブ
20 結合部分
21、22 係止要素
23 フィン
24 半径方向密封材
25 (下側の)部分
26 (上側の)部分
27 係止リブ
28 差込みソケット
29 輪郭部分
30 かぎ爪状の構造部
31 縁部面