(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記取り囲み部が、第2の壁を備え、前記コンピュータデバイスが、前記第2の壁付近で支持される第2のコネクタを備え、該第2のコネクタが、第2のケーブルの第1の端部に終端され、前記第2のケーブルが、第2の基板コネクタに終端された第2の端部を有し、前記信号基板が、前記チップに電気的に接続された第2の信号基板コネクタを支持し、前記第2の基板コネクタが、前記第2の信号基板コネクタと嵌合するように構成される、請求項2に記載のコンピュータデバイス。
前記チップが、複数の信号基板コネクタに電気的に接続され、該複数の信号基板コネクタのそれぞれが、対応する基板コネクタを介して異なる第1のコネクタに嵌合される、請求項1に記載のコンピュータデバイス。
ケージ及び該ケージによって支持されるハウジングを備える第1のコネクタであって、前記ハウジングが、カードスロットを備え、該カードスロットが、該カードスロットの2つの側面に位置付けられた複数の端子を有し、該複数の端子が、それぞれ、前記カードスロットの中に延在する接点及び尾部を備え、ケージ開口部が、垂直配列に配向される、第1のコネクタと、
複数のケーブルであって、該ケーブルのそれぞれが、第1の端部及び第2の端部を有し、前記第1の端部が、前記尾部に終端される、ケーブルと、
前記複数のケーブルの前記第2の端部に終端される、第1の基板コネクタと、
チップを支持する信号基板であって、前記チップに接続されたトレースを有する、信号基板と、
該信号基板に装着された信号基板コネクタであって、前記トレースに電気的に接続された端子を備え、前記第1の基板コネクタと嵌合するように構成された、信号基板コネクタと、を備える、コネクタシステム。
前記信号基板コネクタが、第1の信号基板コネクタであり、第2の信号基板コネクタが、前記信号基板上に装着され、前記第1及び第2の信号基板コネクタが、前記チップの2つの側に位置付けられる、請求項9に記載のコネクタシステム。
前記信号基板コネクタが、複数の信号基板コネクタのうちの1つであり、少なくとも該複数の信号基板コネクタが、前記チップの4つの側のそれぞれに装着される、請求項9に記載のコネクタシステム。
前記ケージの頂部に位置付けられた熱伝達部を更に含み、該熱伝達部が、熱エネルギーを前記ケージの内側から、前記ケージの後方の場所に指向するように構成された熱パイプを含む、請求項9に記載のコネクタシステム。
前記ケージ内に位置付けられた熱伝達部を更に含み、該熱伝達部が、熱エネルギーを前記ケージの内側から、前記ケージの後方の場所に指向するように構成された熱パイプを含む、請求項1に記載のコンピュータデバイス。
前記熱伝達部が、前記ケージの後部に配置された複数のフィンを有し、該複数のフィンが、ヒートシンクとして機能するように構成される、請求項18に記載のコンピュータデバイス。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】スイッチ、ルーターなどの電子デバイスの、上部カバーを外された状態の斜視図であり、その中の適所にあるデバイス構成要素及びバイパスケーブルアセンブリの一般的なレイアウトを示す図である。
【
図2】
図1と同じ図であるが、わかりやすくするため、バイパスアセンブリがデバイス内から除去された状態を示す図である。
【
図2A】
図2のバイパスアセンブリのみの斜視図である。
【
図2B】
図2Aと同じ図であるが、わかりやすくするため、チップパッケージ基板及び/又は封止剤が除去されている図である。
【
図2C】
図1のバイパスアセンブリで使用される1つのチップを取り囲む終端領域の拡大詳細図である。
【
図2D】バイパスアセンブリで使用されるツイナックスケーブルの端部の斜視図である。
【
図3A】マザーボードを介して経路指定される又はマザーボード上のトレースによって、ルーター、スイッチなどの電子デバイス内のマザーボードにチップパッケージを接続するのに従来使用されている、既知の構造の概略断面図である。
【
図3B】
図3Aと同様に概略断面図であるが、
図1に示されているようなバイパスアセンブリの構造を示しており、この構造を使用して、
図1のデバイスのコネクタ又は他のコネクタにチップパッケージを接続するが、ケーブルを使用し、
図1のデバイスに示されているマザーボード上の導電性トレースを信号伝達線として使用することがなくなる。
【
図4】原理に従って構築された、ケーブルダイレクトコネクタアセンブリの斜視図である。
【
図4A】その線A−Aに沿った、
図4のコネクタアセンブリの断面図である。
【
図5】
図4のケージ及びケーブルダイレクトコネクタアセンブリの分解図である。
【
図5A】
図5と同じ図であるが、レセプタクルコネクタが、ケージ及びケージの側壁に固定された下部内の適所にある図である。
【
図6】
図5のケージの下部から見た斜視図であり、下壁が取り外され、ケージの内部からコネクタアセンブリが取り外されている図である。
【
図6A】
図6と同じ図であるが、コネクタアセンブリがケージ内の適所にある図である。
【
図6B】
図6Aと同じ図であるが、ケーブルダイレクトコネクタアセンブリをケージに密封するため、下壁が適所にある図である。
【
図7】
図4のコネクタアセンブリの部分的な分解図である。
【
図8】
図7のコネクタアセンブリのより完全な分解図である。
【
図8A】コネクタアセンブリの1つの端子配列と、その関連する接地プレートと、
図4のコネクタアセンブリで使用される1組の対応するケーブル及び電線と、を示す分解図である。
【
図8B】
図8Aと同じ図であるが、基礎コネクタ要素を形成するために組み立てられた状態にある、その構成要素を示す図である。
【
図8C】レセプタクルコネクタ端子配列を形成するために共に組み立てられた、2つの基礎コネクタ要素の斜視図である。
【
図8D】コネクタ要素内の2本のケーブルの拡大詳細図であり、それと共に使用される高度の接地プレート構造を示す図である。
【
図9】コネクタアセンブリの端子接触部と接触するエッジカードの一部を示している、ケージの正面図である。
【
図10】コネクタアセンブリが適所にある状態のケージの後端部の下部の拡大詳細図である。
【
図11】バイパスアセンブリで使用される、ケージの斜視図である。
【
図12】
図11のコネクタの斜視図であるが、反対側の後部からの図である。
【
図13】
図6Aのコネクタの底面図であるが、わかりやすいように底部は除去されている図である。
【
図13A】内部コネクタ及び熱伝達部材が適所にない、空のケージの断面図である。
【
図14】上壁がケージから除去され、エッジカードの一部が内部コネクタと係合されている状態の、ケージの平面図である。
【
図14A】
図14と同じ図であるが、内部コネクタと、ケージの本体と係合している様子を示すため、後部カバープレートより下のレベルで分断されている図である。
【
図14B】内部コネクタの前面に近位のケージを通して見た垂直断面図であり、ケージの中空内部空間と、コネクタ要素に接触し、そのEMI吸収パッドを適所で保持する内部リブと、をわかりやすく示すため、内部ケージの一部が除去されている図である。
【
図15】熱伝達部材及び表示灯が回路基板上の垂直スタックで配置されている、一対のケージの一部の斜視図である。
【
図16】デバイスのフェースプレート上の水平列に垂直に配置された3つのケージの斜視図である。
【
図16A】垂直のケージ及びフェースプレート搭載アセンブリの分解図である。
【
図17】原理に従って構築された、改善されたヒートシンクアセンブリが取り付けられている、ケージの斜視図である。
【
図18】
図17のケージのヒートシンクアセンブリの部分的分解図であり、わかりやすいように、ヒートシンクアセンブリ構成要素がケージの上部との係合から除去されている図である。
【
図18A】
図18の分解図の側面図であり、そこに描かれている構成要素がその線C−Cに沿って分断されている図である。
【
図19】
図17のケージのヒートシンクアセンブリの、線3−3に沿った、正面図である。
【
図19A】
図17のケージのヒートシンクアセンブリの、右側に沿った側面図である。
【
図19C】
図17のケージのヒートシンクアセンブリの、線C−Cに沿った長手方向断面図である。
【
図19D】
図17のヒートシンクアセンブリの伝達部にあるケージのヒートシンクアセンブリを介した、線D−Dに沿った横断面図である。
【
図19E】
図19Dと同じ図であるが、わかりやすいように熱パイプがヒートシンクアセンブリから除去され、熱パイプのペアの代替構成が斜線で示されている図である。
【
図19F】
図17のヒートシンクアセンブリの消散部にあるケージのヒートシンクアセンブリを介して後方に見た、線F−Fに沿った横断面図である。
【
図19G】
図17のヒートシンクアセンブリの消散部にあるケージのヒートシンクアセンブリを介して前方に見た、線G−Gに沿った横断面図であり、熱消散フィンとコネクタ線との間のすき間を示す図である。
【
図21】コンピュータデバイスの一実施形態の斜視図である。
【
図22】コンピュータデバイスの別の実施形態の斜視図である。
【
図24】バイパスシステムの一実施形態の簡略斜視図である。
【
図25】バイパスシステムの一実施形態の簡略部分斜視図である。
【
図26】信号回路基板上に装着されたチップパッケージ断面の立側面図である。
【
図27】信号回路基板構成の一実施形態の簡略斜視図である。
【
図28A】信号回路基板への接続に好適なコネクタシステムの一実施形態の斜視図である。
【
図29】チップパッケージの代替的実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下の発明を実施するための形態は、例示的な実施形態を説明するものであり、明示的に開示された組み合わせ(複数可)に限定することを意図しない。したがって、別途注記のない限り、本明細書で開示される特徴は、一緒に組み合わせて、簡潔さのために別の場合では示されなかった、更なる組み合わせを形成することができる。よって、特徴又は態様への言及は、実施例の特徴及び態様を説明することを意図するものであり、本開示の全ての実施形態が、説明される特徴又は態様を有しなければならないことを含意することを意図するものではない。更に、記載はいくつかの特徴を例示していることに留意するべきである。特定の特徴を組み合わせて潜在的なシステム設計が例示されてきたが、それらの特徴は、明示的に開示されていない他の組み合わせにおいても使用することができる。したがって、描かれている組み合わせは、特に指示がない限り、限定的であることを意図しない。
【0014】
図面に例示されている実施形態において、様々な要素の構造及び移動を説明するために使用される上下左右、前後等の方向の表示は、絶対的ではなく、相対的である。これらの表示は、要素が図面に示されている位置にあるとき、適切である。しかしながら、要素の位置の説明が変化する場合、これらの表示はそれに応じて変更されるべきである。
【0015】
理解され得るように、以下の説明は、信号伝達に関する。信号は、多くの場合、当業者によって、データ転送速度に応じて、低速又は高速と称する(低データ転送速度は、低速信号と称し、高データ転送速度は、高速信号と称する)。こうしたかかる命名は、かかる事項を称するには、技術的に最も正確な方法ではないが、一般的な用法に合わせて、本明細書では、低速/高速の取決めを用いることにする。
【0016】
本明細書に描写する実施形態は、チップ又はプロセッサなどからバックプレーン、マザーボード及び他の回路基板への損失の少ない高データ速度を支持する高速データ伝達線システムと共に使用するのに好適である。損失の低減が可能であるため、回路基板上のトレースを有効に使用することなく、デバイスのチップパッケージを入口コネクタ(信号をデバイス内に入力する、又はデバイスから出力するのに使用可能である)に接続するアセンブリを開示する。所望する場合、入口コネクタとして使用するために、改善されたコネクタは、回路基板上のトレースというよりも、ケーブル又は導線に直接接続して、コネクタから直接にチップ及びホストデバイスのプロセッサまで信号伝達線を画定することができる。かかる構成は、高速データアプリケーション(10Gbpsを超える)と考えられる場合に、有用であり、NRZ符号化を使用する場合、通常を上回る際は、15Gbpsを超えて動作するシステム内で有利に使用される。レセプタクルコネクタは、コネクタ構造内に完全に包含させることができ、回路基板に直接接続される必要がないため、ケージの下壁は、途切れがなく、ケージの下部を完全に封じる大きさにすることができ、このため、コネクタのEMI性能を改善することができる。コネクタを装着するためのプレスフィットピンの使用も排除され得る。ウェハの形状のコネクタ要素のペアが提供され、これらは、レセプタクルコネクタの後ろにある開口部に嵌る。2つのコネクタ要素の信号端子間の信号干渉、例えば相互干渉をブロックするため、コネクタ要素間にプライマリ接地面が提供される。したがって、コネクタは、ホストデバイスのフェースパネル又は壁に個別に装着されてもよく、又は更には、垂直又は水平スタッキングに好適なコネクタの統合アセンブリを形成するため、他のコネクタと相互接続されてもよい。更に、所望により、コネクタは、回路基板上にスタンドオフ又は他の支持体又はスタンドアロンで支持され得る、内部遷移コネクタとしてホストデバイス内に位置付けられ得る。この構造は、ホストデバイス回路基板上の回路トレースをバイパスし得る、10Gbps以上の高速データアプリケーションに有益な信号伝達線を形成する高速コネクタを有するコネクタを画定する。
【0017】
上述のコネクタを使用するデバイスのデータ転送速度は、非常に高く(10Gbps及び多くの場合、20Gbps+)、多くの場合、コネクタは、データ転送中、実質的な熱を発生させる傾向にある有効なケーブルアセンブリと共に使用される。コネクタは、ケージの内部に延在する、かつ、ケージに挿入される嵌合モジュールに接触するように構成される、ヒートシンクアセンブリを更に含み得る。ケージは、レセプタクルコネクタを収容する内部を協働的に画定する壁を含む。これらのケージが、多くの場合、ホストデバイスのフェースパネル沿いに搭載され得る限り、ケージに挿入される嵌合モジュールと接触する伝達部と、伝達部から水平方向に離間して描写され、そこに接続される消散部と、を含むヒートシンクアセンブリが提供される。このように、熱消散部は、有益にも、シールドケージの後方に延在し、下向きのフィンを備えることになる。この構造は、ケージの後側の開放された空間を利用し、ホストデバイスの全体高さの減少をもたらし得、その結果、空気流の構成が設定され得ると想定される。
【0018】
一実施形態においては、少なくとも1組のコネクタへの終端では、電線ペアの第2の端部は、コネクタの場所での相互干渉及び他の有害な要因が最小限に保たれるように、ケーブルの規則的な形状をエミュレートした方法及び間隔で終端されるように構成される。かかる構成では、コネクタ端子のすべてが同じ長さを有する。信号端子ペアの自由端は、所望の間隔で配置され、関連する接地を含むことから、それぞれの電線ペアに関連付けられた接地は、コネクタの対応する接地で終端され、ケーブル及びそのコネクタの全長が延在する関連の接地を画定し得る。この配置は、信号端子を共通モードで連結できる接地表面を画定することによってシールド、及び相互干渉の削減を提供することになるが、信号端子のペアは差動モードで一緒に連結され得る。ケーブル線のコネクタでの終端は、可能な限り、ケーブル内の信号及び接地導電体の明確な所望の形状が、コネクタへのケーブルの終端を介して維持されるような方法で実行され得る。
【0019】
基板に搭載された集積回路を含む、単一のチップパッケージが提供され得る。基板は、複数のツイナックスケーブルの第1の端部が終端される、終端領域を有する。ケーブルの長さは様々であってよく、入口及び出口コネクタのいずれか又は両方の外部コネクタの一部である、単一又は複数のI/O型コネクタの形状で、第1の外部インターフェイスに一部のケーブルが簡単かつ確実に終端されるのに十分な長さとなる。これらのコネクタは、好ましくは、そこに嵌合するプラグコネクタ又はプラガブルモジュールなどの外部コネクタを許可する様式で、ホストデバイスのパネルに搭載され得る。アセンブリは、ケーブルをデバイスの入口コネクタと、統合アセンブリとして形成されたチップパッケージとの間に延在させてもよく、又は、それらのアセンブリは、チップパッケージと、デバイスの出口コネクタとの間に延在する追加のケーブルを更に含んでもよい。バイパスケーブルの第1の端部は、「プラグアンドプレイ」機能を有するようにチップパッケージ上のコネクタに挿入され得るよう、構成され得る。このように、外部コネクタは、単一又は連結された要素としてホストデバイスに挿入され得、それぞれが1つ又は2つ以上の信号伝達チャネルを含む。チップパッケージは、低コストで低速のマザーボードに単独で、又はスタンドオフ若しくは他の類似の取り付けによって、デバイスのケージ内で支持され得る。
【0020】
この方法でチップから外部コネクタへの信号伝達線をマザーボードから除去すると、信号伝達線用にマザーボードで使用する同等のデバイスよりも低いコストを維持しながら、付加価値及び機能をデバイスに提供するための付加的な機能構成要素を収容できる、マザーボード上の空間が解放される。更に、バイパスアセンブリのケーブルに信号伝達線を組み込むと、チップパッケージから外部コネクタへ高速信号を伝達するために必要な電力量が減少し、それによって、バイパスアセンブリの「グリーン」価値が高まり、かかるバイパスアセンブリを使用するデバイスの運用コストが減少する。
【0021】
コネクタとチップパッケージとの間に延在するケーブルは、好ましくは、信号導電体のペアが、導電性被覆に密閉された、導線の長さ方向に走るように、各ケーブルに2本の導線を有する、「ツイナックス」型である。導線のペアは、好ましくはケーブルの近位端でレセプタクルコネクタに、及びそれらの遠位端でチップパッケージに直接終端される。レセプタクルコネクタは、好ましくは、ケージ、アダプタフレームなどのコネクタ構造内に包含され、コネクタ構造と協働して、プラガブルモジュールなどの外部コネクタを受容するように構成されたシールドケージを画定する。ケーブル線の第2の端部は、レセプタクルコネクタの端子及び接地に直接終端され、ケーブルは、レセプタクルコネクタのカードスロットの対向する側面に端子列を画定するため、ウェハのような支持体で好ましくは保持される。ケーブルは、コネクタ構造からその後壁を通って抜ける。
【0022】
図面に戻って、
図1は、スイッチ、ルーター、サーバーなどのコンピュータデバイス50の斜視図であり、ホストデバイスのカバーは取り外されている。コンピュータデバイス50は、全体的なチップパッケージ54の一部であり得る、チップ52(共にパッケージングされた1つ又は2つ以上の別個のチップであってもよい)の形状の1つ又は2つ以上のプロセッサ、又は集積回路によって管理されている。デバイス50は、一対の側壁55と、第1及び第2の壁56、57と、を有する。プラガブルモジュールなどの形状の対向する嵌合コネクタが、デバイス50の回路に接続するために挿入され得るよう、コネクタ80(入力/出力又はIOコネクタの形態であってもよい)は、ホストデバイスの第1の壁56(前壁であり得る)に提供される。バックプレーンコネクタ30は、デバイス50をサーバーなどの大型デバイスに、かかるデバイスで使用されるバックプレーンも含めて接続するため、第2の壁57(後壁であり得る)に提供され得る。デバイス50は、電源58及び冷却アセンブリ59、並びにキャパシター、スイッチ、より小さいチップなどの各種の電子的構成要素を備えるマザーボート62を含む。
【0023】
図3Aは、従来のデバイスで使用される、既知の技術による従来のチップパッケージ及びマザーボートアセンブリの断面図である。チップ52は、ASIC、又はFPGAなどの任意の別のタイプのプロセッサ若しくは集積回路であってよく、一緒に位置付けられた1つ又は2つ以上の別個の集積回路であってよい。したがって、チップという用語は、本明細書では任意の好適な集積回路に対する汎用用語として使用される。
図3Aに示すように、チップ52はその下側に、支持基板47の関連する接触パッドに接続するはんだバンプ45の形状の接点を有する。基板47は典型的に、基板47の本体を介して下側まで延在する、メッキスルーホール、マイクロビア、又はトレース48を含む。これらの要素48は、基板47の下側47aに配設された接点49と接続し、これらの接点49は典型的に、BGA、PGA、又はLGAなどの形状を取り得る。チップ52、はんだバンプ45、基板47、及び接点49はすべて協働的に、チップパッケージ52−1を画定する。チップパッケージ52−1は、FR4材料から作製され、デバイスで使用されるマザーボード52−2のソケット(図示せず)経由で嵌合される。マザーボード62は、チップパッケージの接点49からマザーボードを介してデバイスの他のコネクタ、構成要素などまで延在する、長さのある複数の導電性トレース52a〜cを有する。例えば、一対の導電性トレース52a、52bは、差動信号伝達線を画定するために必要とされ、第3の導電性トレース52cは、信号伝達線の経路に従った、関連する接地を提供する。かかる信号伝達線はそれぞれ、マザーボードを介して又はマザーボード上で経路指定され、かかる経路指定は特定の欠点を有する。
【0024】
FR4回路基板材料は、損失が増えてきており、10Ghzを超える周波数でこのことが問題となり始める。また、これらの信号伝達線のトレース52a〜cの回転、曲げ、及び交差は通常、チップパッケージの接点49からマザーボード52−2に搭載されたコネクタ又は他の構成要素までの伝達線を経路指定するために必要とされる。トレース52a〜cにおけるこれらの方向の変化は、信号反射及びノイズの問題、並びに付加的な損失を生じさせ得る。損失は時として、増幅器、中継器、及び等化器の使用によって補正され得るが、これらの要素も、最終的な回路基板52−2を製造するコストを増加させる。かかる増幅器及び中継器を収容するために、追加の基板空間が必要となることから、このことが回路基板52−2のレイアウトを複雑にし、この追加の基板空間は、デバイスに意図された大きさでは使用できない場合がある。かかる損失を軽減する回路基板のカスタム材料を使用できるが、これらの材料の価格は回路基板の、また結果的にそれらが使用される電子デバイスのコストを著しく増加させる。なお更に、長さのある回路トレースは、それらを通る高速信号を駆動するために増大した電力が必要であり、そのように、それらのトレースが、「グリーン」(省エネ)デバイスを開発するための設計者の努力を妨害する。
【0025】
図3Bは、
図1のデバイス50に使用され得るチップパッケージ54の断面図である。チップ52は、チップパッケージ基板53に接続される、高速、低速、クロック、論理、電力、及びその他の回路を含む。パッケージ54のトレース54−1は、好ましくは基板53の縁部54−4に、又はその近位に配設された終端領域54−3に配置される、関連する接触パッド54−2につながる。チップパッケージ54は、エポキシなどの封止剤54−5を更に含み得、封止剤54−5は、パッケージ54内の適所に統合アセンブリとして、関連するケーブルコネクタ及び他の構成要素と共にチップ52を固定する。図示のように、チップパッケージ54は、はんだバンプ49を通してマザーボードに部分的に接続されるが、かかる接続部は、マザーボード62上の適所に高速信号伝達線を含む必要はない。しかし、
図22〜29Aに関して後述のとおり、支持回路基板は、短い距離を遷移する場合、高速伝達線を備えてもよい。例えば、トレース52a〜cは、基板47の外縁部のちょうど外側の回路基板62上に提供されたコネクタに迅速に終端し得る。
【0026】
ケーブルを基板に対して直接終端させる場合、ケーブル60は、好適な電線対基板コネクタなどによって、パッケージの接触パッド54−2に終端させることができ、これらのケーブル60は、好ましくは、誘電性被覆部61−1によって取り囲まれた2つの信号導電体61を有するツイナックス構成である。ケーブル60は、また、関連するドレイン線61−2及び外側シールド61−3並びに完成絶縁性外側ジャケット61−4を含んでもよい(
図2D)。外側シールド(導電性ラップ、編組シールドなどの形態であってもよい)と同様に、1つ又は2つ以上のドレイン線を使用することは任意である。場合によっては、2つの導電体が単一の誘電性カバー内に入れられ得る。かかる電線ペアそれぞれを構成する電線の間隔及び配向は、ケーブルが、回路基板とは別にそこから離れた、また、回路基板上のチップ、チップセット、構成要素、及びコネクタの場所の間、並びに回路基板上の2つの場所の間に延在し得る、伝達線を提供するような方法で、容易に制御され得る。ある実施形態においては、伝達構成要素としてのケーブルの規則的な形状は、回路基板信号伝達線で引き起こされる困難に比較して、許容可能な損失及び騒音を有する伝達線をより容易に維持できる。
【0027】
上述のように、ケーブル60及びそれらの信号導電体ペアは、チップパッケージ54から第1(入口)又は第2(出口)のコネクタ80、30につながる高速信号伝達線を画定する。ケーブルの規則的な形状は、そこを通してインピーダンスを制御するために事前に選択された間隔での対として、信号導電体を維持する。信号伝達線としてケーブルを使用することで、マザーボード上のトレースの形状で高速信号伝達線を敷く必要がなくなることが可能であり、それによって、高い外国産基板材料のコストと、FR4などのより安い基板材料に関連付けられた損失と、が回避される。
【0028】
図2〜2Cに示すように、ケーブル60は、マザーボードをバイパスする高速信号伝達線を画定するため、チップパッケージ54及びコネクタ80(第1のコネクタであり得る)又はバックプレーンコネクタ30(第2のコネクタであり得る)にそれぞれ接続される、対向する第1及び第2の端部163、164を有する。ケーブル60は、外部インターフェイスを介したチップへ及びチップから横断する長さ全体を通して、信号導電体の規則的な形状を維持する。ケーブルの規則的な形状は、回路基板信号伝達線で発生し得る、信号反射又はインピーダンスの不連続性の問題を伝達線に導入せずに、ケーブルがそれらの経路内で回転すること、曲がること、又は交差することを可能にする。ケーブル60は、ケーブルの第1及び第2のセットに配置されており、第1のケーブルセットはコネクタ80とチップパッケージ54との間に延在し、第2のケーブルセットは、デバイスの第2の壁57内のチップパッケージ54とコネクタ30との間に延在する。ケーブル60の信号導電体がチップ基板で終端され得る方法は、様々であってよい。
図2Cに示すように、ケーブル60は、電線対基板コネクタ66を通じて終端され得、電線対基板コネクタ66は、チップパッケージ基板54上の接点と嵌合し得る(図示するために切り取っている)。コネクタ66は、また、回路基板の表面上に搭載したコネクタにも嵌合し得る(
図22〜28に示すものなど)。ヒートシンク71は、熱を放出するため、示されているようにチップ52の表面に取り付けられてもよく、封止材によってアセンブリに統合されてもよい。
図22〜28に示す実施形態に関して、更に詳細な潜在的構成構造が以下に開示されることに留意されたい。
【0029】
チップ、基板、ヒートシンク、及びケーブルコネクタ66は、
図2〜2Cに示すようにそれらを単一のアセンブリとして一緒に保持する封止材又は他の支持構造体によって統合され得る(may integrated together )。この構造により、デバイス設計者は、複雑な回路基板設計を必要とせずに、ホストデバイスに価値を付加する付加的な構成要素及び回路に使用できる、マザーボード62上の空間を完全に利用することができる。これらの統合アセンブリは、単に第1及び第2のコネクタを、ホストデバイス50の前壁及び後壁374、57にある対応する開口部に挿入することによって、デバイスに挿入され得る。
図3Bに示すように、チップパッケージをデバイスの他の回路に接続するため、補助コネクタが提供されてもよい。また、アセンブリは、例えば、1)チップパッケージはないが、チップパッケージ基板はある、2)チップパッケージと、
図2Aの200及び201にそれぞれ示されている第1又は第2のコネクタとがある、並びに、3)
図2の202に示されているように、デバイスの前壁の開口部まで延在するように配置された、入口及び出口の両コネクタがある、などの他の形式で提供され得る。この方法で、アセンブリ200、201、及び202は、ホストデバイス50のマザーボード62にかかる機能性を設計する必要なく、その機能性を有するデバイスを提供するために基礎デバイスに挿入され得る。考えられる構成の更なる詳細は、以下に述べる。
【0030】
図4、7、及び8を参照すると、内部コネクタ70は、コネクタ80のそれぞれ内に収容され、かつ、内部コネクタ70は、コネクタ70の前側及びコネクタ80の入口67に開かれたカードスロット109を有する、絶縁性材料で構成された本体108を備える。カードスロット109は、嵌合インターフェイスの一例であり、カードスロット構成が好ましく、他の嵌合インターフェイスも好適である。カードスロット109は、コネクタ80の下壁68からカードスロット109を支持し、誤って位置付けられた対向する嵌合コネクタがカードスロット109に挿入されることを防止する、立脚110a、110bによって形成された偏光チャネル110の上に位置付けられる。本体108は、2つのコネクタ要素104a、104bの片持ち端子115a、115bの接触部を受容する、カードスロット109の両側に並べられた、複数の端子受容空洞111を有する。コネクタ要素104a、104bは、
図4A及び8Cに示すように、対応する端子の単一列で端子115a、115bを支持する。2つのコネクタ要素104a、104bはそれぞれ、ウェハに似た構成を有し、後部からコネクタ本体108に挿入されることができ、内部コネクタアセンブリが完成する。描写したように、それぞれのコネクタ要素104a、104bの端子配列は、それによって、カード受容スロット109の両側に位置付けられる。
【0031】
図8Aは、コネクタ70で使用されるコネクタ要素104の基本構成を示す。複数のツイナックスケーブル60及び通常の電線121は、コネクタ70の幅方向に延在する配列内に配置される。電線121及びケーブル60の端部は、ケーブル60の単一導電体61を露出させるように剥離され、同様に、コネクタ端子115a、115bの対応する尾部116で終端するように、電線及びケーブルそれぞれの自由端121a、120aを画定する(
図4A)。例示の実施形態では、ツイナックスケーブル60のペアは、配列の外端に位置し、ツイナックスケーブル120のドレイン線61−2は、単純に上方へ曲げられてから、関連する接地プレート125上で平らになるように再び曲げられる。端子115a、115bは、独自に幅方向へ離間した配列で、支持バー124によって一緒に保持されている。これは、主としてコネクタ終端におけるケーブルの形状を維持する。
【0032】
描写したレセプタクルコネクタ70は、通過するデータ信号の信号完全性を促進し、バイパスケーブル線ペア及び対向する嵌合コネクタの回路カードの回路からのインピーダンスの遷移をもたらす構成を有する。この遷移は、事前に選択された許容度レベル内の85〜100オームであり、遷移が、入力レベルのインピーダンスから第1の遷移インピーダンス、次いで第2の遷移インピーダンス、次いで最終的に最終又は第3の遷移インピーダンスまで緩やかに発生するように、複数の段階、すなわち3つのゾーンで実行される。このように、インピーダンスの遷移は、そのコネクタの尾部又は接触部で発生するのではなく、レセプタクルコネクタの全長にわたってやや緩やかに発生する。いずれのインピーダンスの遷移も必要としない実施形態においては、遷移を省略することができる。
【0033】
遷移がもたらされる場合、遷移は、レセプタクルコネクタ端子が延在する際に通過する3つの異なる誘電体媒質を呈することによってもたらされ得る。第1のゾーン媒質は、好ましくはホットメルト接着剤であり、ここでインピーダンスは約85オームの入力インピーダンスから約6オーム上昇し、第2のゾーン媒質は好ましくはLCP(液晶ポリマー)を含み、そこでインピーダンスが更に約6オーム上昇し、最後に、第3のゾーン媒質は空気を含み、そこでインピーダンスは約105オームまで上昇し、それによってインピーダンスは約5%の許容度レベルで遷移する。また、周囲の媒質の変化は、異なるゾーンでより広く又はより狭くなる端子の幅の変化を伴う。また、端子と、関連する接地プレートとの間の距離が、この選択されたインピーダンスの同調に寄与し得る。遷移は、尾部から接触端部までの長さにわたって発生し、端子の尾部内又は接触部内のいずれかのみでなく、ユニット長にわたって緩やかな増加を示す。
【0034】
描写したように、端子115a、115bでのケーブル/電線120、121の終端領域は、幅方向に延在し、所望の誘電定数を有する絶縁材料から形成されるネスト130内に配設される(
図8A〜8D)。描写したネスト130は、U字形構成を有し、端子支持バー124に隣接して配置されている。この領域では、ケーブル60のドレイン線61−2は、ケーブル60の上に位置付けられ、端子尾部116より上に、そこから垂直方向に離間している接地プレート125に結合され得る。接地プレート125は、プレート本体125aと、少なくとも部分的に平らな表面を有し、この表面にドレイン線61−2が接触し、また、この表面にドレイン線がはんだ付けされるか、ないしは別の方法で接続され得る。
【0035】
接触脚126は、好ましくはコネクタ70の接地端子の尾部116に取り付けられた、接地プレート125の接触部128を形成するため、接地プレート125の一部として提供される。接触脚126は垂直にオフセットされ、そのため、接地プレート125は対応するコネクタ要素に関連付けられた端子の列で、信号端子の尾部への信号導電体の終端から離間し、その終端の少なくとも一部の上に延在する。
図8B〜8Dに示されているように、接地プレート125はそれぞれ、任意の2つの信号端子の尾部が接触脚126のうちの2つが隣接するような方法で、好ましくは、コネクタ70の接地端子に接触する3つの接触脚126を含む。この配列は、信号端子の間隔を、インピーダンスの観点からツイナックスケーブル60の信号導電体の間隔とおよそ一致させることを可能にする。このように、端子115a、115bのG−S−S−Gパターンは、カードスロット109の両側にある端子の2つの列内に、内部コネクタ70用に維持される。
【0036】
矩形フレーム132は、各コネクタ要素104a、104bの後部に沿って提供され、中空の内部陥凹部138を少なくとも部分的に画定するよう、下壁134の周囲に一緒に結合された4つの壁133(
図8)を含む。フレーム132の前壁及び後壁133は、示されているとおり、フレーム132を介した長手方向の範囲で、ツイナックスケーブル120と、低電力及び論理制御線121とを収容するように構成された開口部135で穿孔される。フレーム132は、その背面沿いに、終端領域を埋める外側被覆部分によって、ネスト130に結合される。フレーム132は、金属などの導電材料から形成されるか、又は外側の導電性コーティングを有し得、それにより、コネクタ80内の適所にあるときに、コネクタ要素104a、104bが電気接地接触する。このため、フレームには、接地するための経路又は他の基準面が提供され得る。コネクタ要素のフレーム132は、ネスト(
図8C)に隣接し、その後部に位置付けられ、後述のようにそこに固定され得る。
【0037】
フレーム132の側壁133は、示されているとおり、垂直スロット136と共にはめ込まれ得る。これらのスロット136は、コネクタ80の後部開口部106の側壁106a、106bと係合することになり、フレームは導電性であるため、スロット136はまた、コネクタ80の後部開口部106からのEMIの漏れを軽減し得る。ケーブル及び電線が延在するときに通過する、コネクタ要素のフレーム132の開放された陥凹部138には、液晶ポリマー(「LCP」)などの誘電材料が充填され、この誘電材料によって、コネクタ要素のフレーム132に対して、また、LCPの一部も受容するネストに対して陥凹部138内の適所にケーブル/電線が固定される。このように、コネクタ要素104a、104bのウェハに似た構成が画定され、この全体的な構造が、ツイナックスケーブル60に一定の歪み軽減をもたらす。
【0038】
2つのコネクタ要素104a、104bの底部134は、互いに隣接し、
図6に示すような係合方法で、支柱140及び孔141を介して互いに係合し得る。このように、2つのコネクタ要素104a、104bは、コネクタ本体108の後部開口部に挿入され得、それにより、端子接触部が互いにそろえられ、コネクタ本体108の端子受容空洞111に受容されて、統合コネクタアセンブリが形成される。
図6に示すように、コネクタアセンブリは下からコネクタ60の中空の内部空間に押し込まれる。内部接地面142は、2つの接続要素104a、104bの間に配置された平坦な導電性プレートの形状で提供される。この接地面142は、コネクタ要素のフレーム132の後端部からネスト130の前縁部まで延在する。この接地面142は、あるコネクタ要素内の信号導電体ペアと、別のコネクタ要素内の信号導電体ペアとの間の相互干渉を阻止する働きをする、プライマリ接地面の役割を果たす。接地プレート125は第2の接地プレート、すなわち、ケーブル120の信号導電体及び信号端子115aでのそれらの終端へのバスの役割を果たす。
【0039】
コネクタ要素104a、104bの側面にあるスロット136は、コネクタの後部開口部106の側面106a、106bと係合し、一方、コネクタ本体108の両側外面に配設された2つのつめ144は、コネクタ80の側壁64a、64bの対応する開口部146に受容される。つめ144は、コネクタアセンブリがケージ63内の適所に挿入されたときに変形するように、オーバーサイズであってよい。スロット136は、コネクタ80との確実な接触を確保するため、チップ148が内側を又は互いを指す構成で丸められ得る(
図10)。
【0040】
2つのEMI吸収パッド102a、102bは、コネクタアセンブリが下からコネクタ80の内部61に押し込まれる前に、コネクタアセンブリのコネクタ要素104a、104bの対向する表面に適用され得る。前述のように、コネクタ要素は垂直にはめ込まれるので、それらはコネクタの後壁開口部106の側面106a、106bと係合することができ、この接触が、EMI吸収パッドと協働して、コネクタ要素周囲の四側面のEMI漏れの保護をもたらす。コネクタ80の後壁及び導電性のコネクタ要素104a、104bが結合して、EMIの漏れを防止する、事実上第5の壁を形成する。パッド102a、102bは、コネクタ要素104a、104bと、ケージ63の対向する表面との間の空間を密封する。これらのパッド102a、102bは、従来のコネクタでは通常、空である、コネクタ要素104a、104の上及び下の開放空間を占有する。
【0041】
EMIパッド102a、102bは、好ましくは、ケーブル線が内部コネクタ70の端子尾部で終端される、コネクタ要素の領域にそろえられ、その上に位置付けられる。下部パッド102bは、下壁68と下部コネクタ要素104bとの間に保持され、上部パッド102aは、上部コネクタ要素104aとケージの後部カバー90との間の適所に保持される。これは、
図13Bに示されているように、下に延在してパッド102aと接触する後部カバー90の底部に形成される、リブ103によって達成される。コネクタ要素のEMI吸収パッドは、それによって、ケージの上壁66と下壁68との間に差し込まれ、パッド102a、102bは、EMIの漏れがケージの後壁開口部106に沿って確実に減少されるように補助する。
【0042】
ツイナックスケーブル60をコネクタ70の端子に直接終端させて、コネクタ80は、回路基板からパネル上に取り付けるために、又はホストデバイス内の自立型コネクタとなるような方法で、構成される。コネクタ80は、終端方法で回路基板62に搭載される必要はないが、回路基板内の開口部を通ってネジボスへ延在する締結具を経由することができる。このため、コネクタの底部を有意に封鎖し、直角コネクタの必要性を排除することで、マザーボード62上にコネクタを装着する必要性が排除されるだけでなく、垂直及び水平の両方の配置でのコネクタのスタッキングが容易になる。
【0043】
したがって、コネクタの電線は、回路基板上のトレースをバイパスするプロセッサ又はチップパッケージなどの、ホストデバイスの構成要素に直接接続されてよい。ここで接続が直接的になり得るため、コネクタは、回路基板に搭載される必要はないが、開示されているコネクタ80及び搭載されているパネルなどの構造内に密閉され得る。コネクタ80は、アダプタフレーム上に配置されてもよく、所望の場合、ケージと同様に構成され得る。なお更に、コネクタは、内部接続スリーブとして使用され、ホストデバイス内に位置付けられ、プラグ形式コネクタを受容する、内部コネクタを提供し得る。コネクタケーブルは、ケーブルの一方の端部にてコネクタ要素端子の尾部で終端されるので、ケーブルは、第2の端部にてホストデバイスのチップパッケージ又はプロセッサで終端され得る。このような統合バイパスアセンブリは、1ユニットとして設置され、取り外し又は置換され得、回路基板、及びFR4材料で発生する関連する損失問題をバイパスし、それによって、設計を簡略化し、回路基板のコストを削減する。
【0044】
ここで
図4〜9を参照すると、コネクタ80は、
図5及び5Aに示されており、ホストデバイスの入口コネクタを収容する外部インターフェイスとして使用され得る。コネクタ80は、デバイス50の第1の壁374に配設され、プラガブル電子モジュールなどのプラグコネクタの形状で、対向する嵌合コネクタを受容する。コネクタ80は、導電性のケージ63を備え、2つの側壁64a、64b、後壁65、並びに上壁及び下壁66、68を備える。すべての壁は、ポートを画定するために、内部コネクタ70と嵌合する、対応する対向の外部嵌合コネクタを受容する、中空の内部61を協働的に画定する。コネクタ80の壁は、アダプタフレームのように1つのピースとして一緒に形成されてもよく、一緒に結合される別個の要素を利用して、統合アセンブリが形成されてもよい。コネクタ80は、動作中、プラガブルモジュールのみの収容に制限されるものではないが、適切な構成では、あらゆる好適なコネクタを収容できる点に留意されたい。
【0045】
ケージ壁64〜66及び68は、すべて導電性であり、コネクタ80内に作製される接続部に対するシールドを提供する。この点について、コネクタ80には、搭載されている回路基板に対して底面が開放されている既知のケージ及びフレームと対照的に、ケージ63の底面を完全に封鎖する導電性の下壁68が提供される。図示したコネクタ80は、端子115a、115bに対する直接電線接続部を有する内部のケーブルダイレクトコネクタ70(
図4)を含み、したがって、ホストデバイス50のマザーボード62上のトレースでの終端を必要としない。ケージ又はフレームによって密封される従来技術のコネクタは直角型であり、つまり、コネクタは、その嵌合面から回路基板、及びコネクタが終端されるトレースまで直角に延在する。直角コネクタの回路基板での終端は、端子の様々な長さ及びその曲げ、例えば、曲がり角で増加する電気容量、又はコネクタ及び回路基板とのインターフェイスでのシステムの特性インピーダンスの上昇若しくは下降などにより、高速動作での信号完全性に問題を生じさせる可能性がある。更に、ケージの後部からケーブルが出ることにより、コネクタを回路基板に装着するための手段として、プレスフィットピンを使用する必要性が排除される可能性があり、通常の装着孔がネジ部品に使用されてよく、それによってホストデバイスのマザーボードの全体的な設計が簡略化される。図示するとおり、内部コネクタ70は、ケーブル60の電線で終端され、コネクタ80の後壁65から出て、それにより、前述の問題を回避する。
【0046】
図5〜6Bに示すとおり、ケージの下壁68は、ハウジング80の底面を密封する。下壁68は、下部プレート72、及びケージ側壁64a、64bの外側表面に沿って延在する側面取り付けフラップ73と共に板金片から形成されるものとして示されている。取り付けフラップ73中の開口部74は、つめ、すなわち側壁64a、64b上に配置されているタブ76と係合し、下部プレート72を適所に保持する。付加的な取り付け手段として、下部プレート68から上に曲げられているが、側壁64a、64bの内表面に沿って内部の中空空間61に延在するように下部プレート68の縁部に沿って位置付けられている、内部フラップ75が含まれ得る。かかる2つの内部フラップ75は、
図11及び13Aに示されており、内部チャネル61に挿入される対向するコネクタの両側に接触するため、内部に延在する接触タブ75aを含む。また、2つのリム、すなわちフランジ77a、77bが下部プレート68の反対端に提供されてもよく、これらのフランジは、ケージ63の前壁及び後壁65と係合して導電接触を行い、その位置でEMIシールドを提供するために、一定の角度で延在する。下部全体を被覆する下壁68の使用により、この領域でのEMIが有意に減少する。スタンドオフ69は、所望により、下壁68内に形成され得る。下壁68とケージ63との間の多数の接触ポイントにより、内部コネクタ70のコネクタ80の底部全体に沿って確実なEMIシールドガスケットが提供される。
【0047】
ここで
図5を参照すると、上壁66は好ましくはアクセス開口部81を含み、アクセス開口部81は中空の内部61に通じており、内部コネクタ70と、主に内部コネクタ70の前側のエリアと、にそろえられる。フィン付きヒートシンクとして示されている熱伝達部材82が提供されてよく、熱伝達部材82は、アクセス開口部81に少なくとも部分的に延在する基部84を有する。基部84は、ケージの内部61に挿入されたモジュールの対向する表面と接触する、平らな底部接触面85を有する。2つの保持器86は、上壁66に結合するものとして示されており、保持器86はそれぞれ、ヒートシンクの上部プレート87に下向きの保持力を加える組み込み済みの接触アーム88のペアを有する。開口部81の周辺に延在し、上壁66と熱伝達部材82との間に挿入される、EMIガスケット89が提供される。
【0048】
コネクタ80は、内部コネクタ70の一部を被覆するために、内部61の後部にわたって延在する、後部カバー部90を更に含む。陥凹部91は、後部カバー90の対向する表面と上壁66との間に挿入される、山型のEMIガスケット92を収容するように、後部カバー90に形成され得る。後部カバー90は、スロット94の形状の開口部を含むように見える。上壁66(
図13A)は、示されているように、係合フック95を含んでよく、係合フック95はスロット94内に受容されて、コネクタ80の前フランジに、上壁66の先端縁が隣接するように、上壁66が前方にスライドされ得るような方法で上壁66をケージ63に係合し、コネクタ80の前フランジは、上壁66の対応するスロット97に係合する、共に形成された突起タブ96を含み得る(
図5A及び13A)。締結具99(ネジ又は他の締結具でもよい)を使用して、ケージ63によって支持されるネジボス100に形成されるネジ付き孔と係合することにより、上壁66をケージ63に固定することができる。このように、ケージ63は、EMIの漏れを有意に低減する方法で密閉される。
【0049】
内部コネクタ70は、ケーブル60に直接接続されるため、コネクタ80は、直接終端によってマザーボード62に搭載される必要はないが、他の構造によって支持され得るか、又は回路基板内の開口部122を通ってネジボス100へ延在する締結具120によって取り付けられ得る。コネクタ80の底部を封鎖し、直角コネクタを排除することで、マザーボード62上にコネクタ80を装着する必要性が排除されるだけでなく、垂直及び水平の両方の配置でのケージ/コネクタ80のスタッキングが容易になる。
図15及び16は、2つの異なる形式のスタッキングを示している。
図15及び15Aは、垂直スタックにおいて水平に配向された入口67を有するコネクタ80のペアを示している。示されている2つのコネクタ80は、回路基板内の開口部を通って上向きに、ネジボス100に係合する下部ネジ120によって、回路基板62上に支持されている。1組の中間ネジ124が、下方のケージのネジボス100を係合するために提供され、これらのネジ124は、ネジ付き雄型端部及びネジ付き雌型端部126を有する。雌型端部126は、上部ケージのネジボス100に延在する上部ネジ99、128を係合する。したがって、複数のコネクタ80は、そのような、回路基板62に形成され、内部コネクタ70で終端される複雑な高速接続トレースを必要としない方法でスタックされ得る。
【0050】
図16〜16Aは、コネクタ80が配置され得る別の方法を示している。この配置は、ホストデバイスの前側に沿って垂直にそろえられるが、回路基板62から引き上げられた、3つのケージの水平列を含む。
図15Bは、コネクタ80を収容する陥凹部を形成する、基部132及び2つの延在する側壁133を有する、装着ネスト(mounting nest )130を示している。装着ネスト130は、基部132内の開口部135を通って延在する、図示されているような締結具を使用してフェースプレート136に取り付けられ得る、2つの取り付けフランジ134を有する。締結具は、ケージをネストに取り付けるために使用され得、基部開口部135を通ってネジボス100の中に延在する。コネクタ80の上壁66は、上述のように雄型対雌型の端部の締結具126を使用して、ケージ63に取り付けられ得、そのため、隣接するコネクタ80は、ネスト130の基部132を通って対向する締結具の雌型端部126まで、又はケージのネジボス100まで延在する雄型締結具を使用して、統合型配置に組み立てられ得る。また、熱伝達部材82は、記載されているように、ケージの後方に延在する熱消散フィンを有するため、
図14〜15Bに示されているような事例においては、コネクタ80は密接していてもよい。
【0051】
したがって、ケージの下に位置付けられた終端トレースを必要とせずに、フェースプレート又はベゼルなどのホストデバイスの外壁に、又は回路基板に取り付けられ得る、自立型コネクタ/ケージが提供される。かかる自立型コネクタは、回路基板に搭載される必要はないが、パネル搭載されてもよい。コネクタは、アダプタフレーム、シールドケージ、又は類似タイプのケージの形状を取り得る。なお更に、コネクタは、内部接続スリーブとして使用され、ホストデバイス内に位置付けられ、プラグ形式コネクタを受容する、内部コネクタを提供し得る。コネクタケーブルは、ケーブルの近位端にてコネクタ要素端子の尾部で終端されるので、ケーブルは、遠位端にてホストデバイスのチップパッケージ又はプロセッサで終端され得る。このような統合バイパスアセンブリは、1ユニットとして設置され、取り外し又は置換され得、回路基板、及びFR4材料で発生する関連する損失問題をバイパスし、それによって、設計を簡略化し、回路基板のコストを削減する。
【0052】
I/Oコネクタに接続するのに使用される嵌合コネクタは、動作中に熱を発生させるが、この熱は、動作中の信号の効率的な伝達及び受信を維持するために除去する必要がある。高い温度は、モジュールだけでなく、モジュールが使用されるデバイスの性能にも悪影響を及ぼす恐れがあるため、この動作熱を除去することは重要である。かかる除去は典型的に、モジュールの選択された表面、典型的には上面と接触する立体基部を含むヒートシンクの使用によって達成される。これらのヒートシンクは、基部からデバイスの内部空間の中へ上方向に突出する、複数の熱消散フィンを更に有する。フィンは、互いに離間しているため、熱がフィンから周囲の内部雰囲気に消散される方法で、空気はフィンの上及び周囲に流れ得る。フィンは、ヒートシンク及びモジュールの上に装着され、所望の程度の熱交換を達成するために、特定の高さで上方に延在する。ただし、かかるヒートシンクの使用では、設計者は、モジュールが使用されるデバイスの高さを減少させることができず、かかるデバイスの全体高さを減少させる可能性が排除される。
【0053】
この点について、
図17〜19Gに示すように、ケージ/コネクタ222の内部空間226に下向きに垂れ下がる立体基部242を有する、熱伝達部241を含む、ヒートシンクアセンブリ240が提供される。熱伝達部の基部242は、ケージ222内の開口部232に対する形状において補完的であるため、基部242は、ケージ222の内部ベイ229の前側開口部230に挿入されるモジュールの頂部又は上面に熱接触するよう、開口部232を通り、内部空間226の中に延在し得る。基部242は、基部242の周辺部の少なくとも実質的な部分の周囲に、好ましくは基部242の周辺部全体に延在するすそ部又はリップ部244を更に含み得る。このすそ部244は、ケージ222の上面233に形成された対応する陥凹部246に受容され、好ましくは開口部232を取り囲む。陥凹部246に適合し、開口部232を取り囲む、導電性のEMIリングガスケット247が提供される。ガスケット247は、複数のスプリングフィンガー248を有し、開口部232を介したEMIの漏れを防止するように、熱伝達部のすそ部244とケージ上部の陥凹部246との間に導電性シールを提供する。EMIガスケット247は、陥凹部246内に位置しており、放射状に外側へ延在し、示されているようにすそ部244の下面と接触するスプリングフィンガー248で開口部232を取り囲む。ケージ222の上部にある開口部232は、熱伝達部241がケージ222の内部空間226の中に延在し、及び熱接触面250によって挿入される任意のモジュールと熱伝達接触することを可能にするため、接触開口部と見なされる(
図19C)。
【0054】
熱伝達部241は、好ましくはフレーム接触開口部に入り、有効かつ確実な熱接触でベイ229に挿入されたモジュールの上面と接触するように構成された、平面熱接触面250を(その底面に)含む、立体基部242を有する。基部242は、モジュールの挿入を容易にするため、その接触面250上に所定の角度のリードイン部を含み得る。ヒートシンクアセンブリ240は、モジュールによって生成され、モジュールの熱接触面250と対向する上面(複数の場合あり)との間の接触によって熱伝達部241に伝達される熱を消散する、別個の熱消散部252を更に含む。
図18に示すように、この熱消散部252は、熱伝達部241とは別個であり、そこから長手方向又は水平方向に離間している。
【0055】
熱消散部252は、類似の長手方向軸に沿って熱伝達部241から片持ちに延在する基部254を含む。複数の垂直熱消散フィン256は、基部254に配設され、熱消散部の基部254から垂直に下方へ延在する。図示したように、フィン256は長手(水平)方向に互いに離間して、それらの間に、熱伝達部241から長さ方向に離間し、モジュールに対して長さ方向に更に延在する複数の冷却路258を画定する。対応するモジュールと接触する熱伝達部241を保持するため、また、熱消散部252の幅及び/又は長さによって発生し得る任意のモーメントに抵抗するため、保持器260が示されている。これらの保持器260は、保持器の基部265に配設される対応する開口部264内に受容される、垂直支柱263に似たケージ222の一部として形成され得るリベット262などの締結具によって、フレーム上面233に取り付けられる。これらの支柱263の自由端は、保持器260とすそ部244との間の接続を形成するための「デッドヘッド型(dead-headed )」又は「マッシュルーム型」であってよい。保持器260は、それらに関連付けられ、図示するように基部265から長手方向に延在している、片持ちのスプリングアーム267のペアを有しているように見える。スプリングアーム267は可撓性があり、予備形成された下向きの付勢力で弾性スプリングアーム267として形成される。スプリングアーム267は、自由端268で終わり、下向きの角度で延在して熱伝達部材のすそ部244と接触する。かかる接触点4つが、図に示されているヒートシンク240のアセンブリに提供され、これらの接触点により、想像線でつなげたときに四方が画定される。ただし、スプリングアーム267の接触点は、ヒートシンク部材240のすそ部244で使用できる空間の範囲に従って示された場所とは異なり得る。
【0056】
スプリングアーム267の弾性は、設計者が、スプリングアーム267の長さ、スプリングアーム267が陥凹部246の中に垂れ下がるときの深さ、及びスプリングアーム267を保持器260に結合するスタブ269の高さを構成することによって、所望の接触圧を得ることができる。保持器260をすそプレート244に締結具で接続することにより、場所を取り、ケージ222間の間隔に影響を及ぼすケージ222の側面への取り付けを形成し、使用する必要がなくなる。リベット262はまた、フレーム226が、垂直方向を含む任意の方向に過度に拡大されないように、低輪郭を有する。スプリングアーム267は、長さが相対的に短く、したがって、任意のモジュールとの良好な熱伝達接触を維持するため、確実な接触圧を用いるように、およそ4つの角で熱伝達部241と接触する。
【0057】
一意的に、熱消散フィン256は、ヒートシンクアセンブリ240の熱伝達部241との直接接触から除去される。むしろ、それらのフィンは、熱消散部252に位置付けられ、そこから下方に延在する。フィン256は、熱伝達部41及びその基部242から長手方向に離間している。フィン256は、垂直面Fとして示されている一連の平面に更に配置され、垂直面Fは、熱伝達部のすそ部が延在する水平面H1と、熱接触面(複数の場合あり)250が延在する水平面H2と、の両方と交差する。
図19Cに示すように、垂直面Fが2つの平面H1及びH2と交差するだけでなく、フィン自体もそれら2つの面を交差する高さで延在する。更に、隣接するフィン256は、空気が循環し得る、冷却路又は空気チャンネルを介在することによって分離される。フィン256及び冷却路258は、ヒートシンクアセンブリ240の長手方向軸まで横方向に延在する。このように、フィン256は、ケージ222の後方、及びケージ222で支持されるレセプタクルコネクタ271で終端される電線272の上の空間Rを占有し得る。このようにフィン256を配置することで、ケージ構造が使用されるデバイスの高さ全体を、通常はケージから上方に突出するフィンのおおよその高さだけ減少させることができる。フィン256をこの配向で電線272に接触させないことが望ましい。この点について、フィン256の高さは、図に示されているように好ましくはケージ222の高さ未満である。
【0058】
示されている熱伝達及び熱消散部241、252は、伝達部241から消散部252へ熱伝達を促進するため、一片として一体的に形成されている。ただし、2つの部分241、252は別個に形成され、所望に応じてその後に結合され得ることが想到される。熱伝達部241からの熱の伝達を更に高めるため、熱伝達及び熱消散部241、252に沿って長さ方向に延在し、そこに接触する熱伝達部材274が提供される。かかる伝達部材274は、熱パイプ275として図に示されており、楕円形又は長円形の断面構成を有し、かかる形状を画定する長軸及び単軸を含む(
図19D)。熱パイプ275の楕円形構成は、熱パイプ275と、ヒートシンクアセンブリ240の2つの部分241、252との間の接触エリアの量を増大する。矩形の内部空洞などの他の非円形構成、又は更には円筒形の構成が使用されてもよい。熱パイプ275は、更にヒートシンクアセンブリ240に沿って長手方向に延在する共通チャネル278内に受容され、2つの部分241、252の輪郭をたどる。したがって、熱パイプ275は、ヒートシンクアセンブリ240の異なる高さ、すなわち高度で延在する2つの別個の部分279、280とのオフセット構成を有する。
【0059】
熱パイプ275は、その端部で密封されている側壁283によって画定された内部空洞282を備えた中空状の部材であり、その内部空洞282内に2相(例えば気化性)流体を含む。内部空洞282の実施形態内に存在し得る2相流動体の例としては、純水、フレオンなどが挙げられる。熱パイプ275及びその壁283は、アルミニウム、銅又は他の熱伝導性材料から構成されてもよい。内部空洞282は好ましくは、熱伝達部241に隣接する位置にある蒸発器領域279と、熱消散部252に隣接する位置にある凝縮器領域280と、を含む。熱は、熱伝達部241から熱パイプ275の下壁及び側壁283を通って内部空洞282へ伝達され、そこで、蒸発器領域279に存在する2相流体を蒸発させ得る。この蒸気は次いで、凝縮器領域280内の液体に凝縮され得る。図示した実施形態では、蒸気は凝縮するにつれて熱を放出し、その熱は内部空洞282から熱パイプ275の壁283を通って熱消散部252の基部及びその関連するフィン256へ伝達される。内部空洞282は、ウィックに沿って蒸発器領域280に戻る凝縮液の移動を容易にするため、ウィック284を含み得る(
図19D)。ウィック284は、内部空洞282の内面にあるくぼみ付きチャネルの形状、又はワイヤメッシュなどの範囲を取り得る。
【0060】
図示したように、ヒートシンクアセンブリ240の熱伝達及び熱消散部241、252は長手方向に延在するが、異なる高度で延在し、熱消散部252は熱伝達部241に対して高くなっている。この高度の違いは、ある程度、熱伝達部241から熱消散部252までの液体蒸気の動きを促進するが、その主な目的は、熱消散部252を収容するためにフレーム222を変更することなく、その水平範囲で熱消散部252を収容することである。熱伝達部241と同じ高度で熱消散部252を延在させることが望ましい場合、後壁224及びそこに近位の上面233の一部を変更する必要がある。チャネル、すなわち陥凹部は、熱伝達部241と熱消散部252との間のヒートシンクアセンブリ40の領域を収容するように、その2つの壁224、233に形成され得る。また、大半は1つの熱パイプ275について論じられているが、
図19Eに斜線で示されているように、ペアの熱パイプ290などの複数の熱パイプが、ヒートシンクアセンブリのチャネルで経路指定され得ることが理解される。この事例では、ペアのパイプが中間に封入され得、図示したようにペアの熱パイプと単一の楕円形構成の熱パイプとの間で失われた直接接触の量を補うための熱伝達を容易にする。熱導電性グリース又は他の化合物を熱パイプに適用して、熱伝達を高めることができる。
【0061】
このヒートシンクアセンブリは、ケージと熱的に係合し、そこからケージの後方の領域に熱を独自に伝達する。この構造及びその下方に垂れ下がる熱消散フィンを使用することで、かかるヒートシンクアセンブリが使用されるデバイスは、減少された高さを有し、追加のデバイスを収納し、スタックすることを可能にする。熱消散フィンは、フィンの間のすべての空間が冷却に使用され、そのいずれもライトパイプ及びそこを通って延在する他の部材を有さないような場所にある。ヒートシンクの熱消散部は、水平に延在するが、デバイスのマザーボードの上に離間配置されるので、設計者は、ホストデバイスの横方向のサイズ及び深さを増大させることなく、付加的な機能構成要素にこの開放空間を利用できる。ヒートシンクが統合されたコネクタが、ホストデバイスで使用するために配置され、装着され得る方法の例が、
図15〜16Aに示されている。
【0062】
上述のとおり、コネクタ80のケージは、コネクタ80が回路基板によって支持されず、その代わりに、他の構造体(導電性又は絶縁性フレームなど)によって支持され得るように、コネクタ80の位置付けが可能な方法で形成され得る。かかる構成では、すべての端子は、好ましくは、信号(高速及び低速)が適切に指向され得るように、ケーブル内の導電体に接続される。かかる多くの実施形態においては、コネクタのケージは、ダイ鋳造材料を用いて形成され得る。従来の打抜金属構成も適しているため、かかる構成は不要である。
【0063】
ケージを別個の構造体、例えばフレーム、によって支持され得る一方で、コネクタは、更なる従来の方法で回路基板に装着させ得る点に留意されたい。例えば、
図20のコネクタ80’は、打抜金属で形成され、回路基板に圧入し、連動構成に複数のポート80a’を提供するように構成される。ケージ63’は、ポートの画定を補助する隔壁63a’を備え、ケージ63’は、回路基板に圧入させるように構成される尾部63b’を備える。回路基板がボックスの縁部まで延在することが好ましいあるシステム構成では、図示した圧入方法で回路基板に装着できるように構成されたコネクタ80’を有することが有益であり得る。かかる構成では、高速信号端子は、コネクタ対ケーブルであるが、低速信号は、所望の方法で、ケーブルに装着され得るか、又は回路基板に接続され得ると予測される(例えば、PCT出願第PCT/US2014/054100号に描写され、その全体が参照によって本明細書に援用されるコネクタなど)。
【0064】
図21は、コンピュータデバイス300の実施形態を示す。デバイス300は、第1の壁305a及び第2の壁305bを有するシャーシ301を備える。描写されるとおり、前壁の第1の壁305a及び第2の壁305bは、後壁であるが(したがって、第1及び第2の壁305a、305bは対向している)、第1及び第2の壁305a、305bは、対向している側面上にある必要はなく、このため、いくつかの構成が可能である。
【0065】
シャーシ301は、前壁305aに近接するまで延在する主要回路基板312を支持する。チップパッケージ340は、回路基板312上に提供され、かつ第1のコネクタ321は、高速信号を搬送するケーブル322によって、チップパッケージ340に接続させる。第2のコネクタ331は、第2の壁305bに位置付けされ、ケーブル332によって、チップパッケージ340に接続される。電力は、電力接続部330を介して、回路基板312(及び基板によって支持される様々な構成要素)に提供される。第1及び第2の壁305a、305bの間の距離は、20インチを超えてもよく、このため、高速信号の転送に回路基板を使用する予定である場合、特に、データ転送速度が25Gbpsに近づき、その値を超える場合、問題となる点に留意されたい。非ゼロ復帰(NRZ)符号化では、信号伝達周波数約12.5GHzを必要とし、かつ、かかる周波数は、従来のFR4ベースの回路基板との互換性は低い。更に、データ転送速度が40Gbpsに近づく(かつ、信号伝達が20GHzに近づく)につれ、外国産材料を使用しても、従来の回路基板技法を使用するには、不十分である可能性がある。
【0066】
図22〜27は、コンピュータデバイスの別の実施形態を示す。具体的には、コンピュータデバイス400は、第1の壁405a及び第2の壁405bを有するシャーシ401を備える。主要回路基板406が提供され、主要回路基板は、構成要素回路機構407を備える。構成要素回路機構407は、所望の周波数帯を支持するために、いずれも高周波数で動作する必要がないか、又は短い距離を遷移することを意図して、電源、冷却ファン及び様々なデジタル信号チップを備えてもよい。支持体接続部408(アセンブリの簡略化としてケーブルアセンブリとして示すが、2つの基板コネクタであってもよい)は、制御信号及び/又は電力信号を1つ又は2つ以上のチップパッケージ440を支持する信号基板410に提供し得る。
【0067】
第1のコネクタ421は、第1の壁405aにポート421aを提供するために、第1の壁405aに沿って位置付けられる。同様に、第2のコネクタ431は、第2の壁405bに沿って、適切な嵌合インターフェイスを画定するために、第2の壁405bに沿って位置付けられる。しかし、理解され得るように、信号基板410が、第1又は第2のコネクタまで延在することはない。その代わりに、第1のコネクタ421は、ケーブル422を介してチップパッケージ440に連結され、第2のコネクタ431は、ケーブル432を介して、チップパッケージ440に連結される。第1のコネクタ421は、前述と同様の方法で形成され得る。したがって、コネクタ421の内部詳細は、簡略化のために、ここでは繰り返さない。その代わり、かかるコネクタの上記の特徴は、システム要件に適合するコネクタを提供するために、本明細書において所望の方法及び所望の組み合わせで使用され得る点に留意されたい。
【0068】
理解され得るように、第1のコネクタ421は、前側回路基板411によって支持され得る。あるいは、前側回路基板は、省略してもよく、第1のコネクタ421を支持するために、フレーム132(前述)などのフレームを使用することもできる。前側回路基板411を使用する場合、コネクタ支持体411aを使用して、第1のコネクタ421を前側回路基板411に固定することができる。
【0069】
信号基板410は、チップパッケージ440を支持し、チップパッケージ440は、チップ445を備え、複数の信号基板コネクタ426がチップパッケージ440の周囲に配置される。前述のトレースにより、チップ445を信号基板コネクタ(複数可)426に接続でき、前述のとおり、任意の基板は、チップ445と信号基板410との間の接続部として動作し得る。
図27に示すものなど、一実施形態においては、信号基板コネクタ426は、チップ445の少なくとも2つの側面に位置付けられ得、また、システム容量を増大するために、4つの側面に位置付けられてもよい。所望である場合、少なくとも2つの信号基板コネクタ426は、チップ445のそれぞれの側面に提供され得る。必然的に、信号基板410(又は、信号基板を使用しない場合、対応する構造体)が両側面(例えば、頂部及び底部)にチップを有する場合、密度を更に増大させることができる。
【0070】
動作中、信号基板410が作製され(はんだリフロー操作によるものも含んでもよい)、第1のコネクタ421に嵌合されることが予測される。こうした設置プロセスを可能にするには、ケーブル422は、第1のコネクタ421に終端させた第1の端部422aを有し、第2の端部422bは、第1の基板コネクタ423に終端させ、第1の基板コネクタ423は、信号基板コネクタ426と嵌合可能である。同様に、ケーブル432は、第2のコネクタ431に終端させた第1の端部432a、及び第2の基板コネクタ433に終端させた第2の端部432bを有してもよい。かかる構成により、第1のコネクタ421及び第2のコネクタ433に接続させる前に、信号基板410をシャーシ401内に装着させることができる。動作中、信号基板コネクタ426は、信号基板410にはんだ付けされている複数の端子429を支持するハウジング426aを備えることが予測される。当然ながら、代替的実施形態においては、信号基板コネクタは、信号回路基板410に圧入されてもよい。コネクタを回路基板上に搭載するために、はんだ又は圧入を用いることは公知であるため、本明細書において、かかるコネクタの詳細を更に論ずることはない。
【0071】
信号基板コネクタ426を信号コネクタ基板410に装着させる方法に関係なく、信号コネクタ基板410に嵌合可能なインターフェイスを提供する。信号コネクタ基板は、チップ445(典型的には、搬送波又はある程度自然の基板上にあることになる)を支持する。チップ445は、上述のとおり、信号回路基板410に接続させることができ、かつ、冷却ブロック441を支持する熱的フレーム442によって支持され得る。冷却ブロック441(従来のヒートシンクの形態であってもよい)は、好ましくは、チップ445に対して圧縮されることになる冷却基部441aを備え、かつ、表面積を増やし、チップの冷却を改善するために、冷却フィン441bを備えてもよい。理解され得るように、熱伝達化合物443は、チップ445を冷却基部441aに熱により連結させる。
【0072】
チップ445は、前述のとおり、ASIC、DSP及び/又はコントローラ及びプロセッサの任意の所望の組み合わせであってもよく、したがって、信号回路基板410を介して、非常に短い経路のみを介して第1のコネクタ421及び第2のコネクタ431に接続される。信号損失は、基板に沿って遷移する距離と関係があるため、描写したとおり距離を短くすることにより、従来のシステムよりも、損失をはるかに少なくすることができ、かつ、従来の回路基板材料及び構成方法を使用することができる。
【0073】
図28A及び28Bは、信号基板コネクタ及び第1の基板コネクタの代替的実施形態を示す。具体的には、第1の基板コネクタ523は、ケーブル522の1つ又は2つ以上の列を支持するハウジング523aを備える。第1の基板コネクタ523のハウジング523aは、動作中、ケージ527bを対応する信号回路基板に固定するのを補助する立脚527cを有するケージ527b内にハウジング527aを備える信号基板コネクタ526に嵌合する。付勢部材528aは、信号基板コネクタ526の第1の基板コネクタ523を固定し、作動部材528bを備え、作動する際、第1の基板コネクタ523を信号基板コネクタ526から除去することができる。
【0074】
必然的に、第1の基板コネクタ及び信号基板コネクタの他の構成も可能であり、したがって、描写した実施形態は、特に明記のない限り、制限することを意図するものではない。更に、第1の基板コネクタ及び第2の基板コネクタは、同じであってもよく、又は必ず、適切なコネクタを誤った場所に装着できないように、異なってもよい。潜在的な設置に関する問題を更に防ぐために、第1の基板コネクタ及び第2の基板コネクタのそれぞれは、所望の構成のみ設置できるように、別々のキーボード入力であってもよい。
【0075】
図29は、チップパッケージ640の代替的実施形態を示す。支持層614が提供され、該支持層は、屈曲層690を支持し、次に、基板646を支持し、基板646は、チップ645を支持する。チップ645及び基板646は、前述のとおりであってよい。支持層614は、回路基板又は他の何らかの材料であってもよい。支持層614は、チップ645及び基板646のサイズと比較的類似しているように示すが、実際には、支持層は、付加的支持を提供するために、チップ646及び基板646よりも大きいことが予測される。理解され得るように、描写した実施形態では、チップをコネクタに連結するために回路基板を使用するよりも、屈曲回路を使用して、コネクタ626をチップ645に連結する。チップパッケージ640の全体を、所望の構成に応じて、フレーム(図示せず)又は支持層614によって支持でき、また、チップからの熱の消散を補助するために、ヒートシンクを備えてもよい。かかるシステムでは、支持層614には、前述のものと類似のヒートシンク用の装着点が提供されてもよい。
【0076】
屈曲回路は、複数の層の厚さであり得るため、複雑なパターンで作製されてもよく、屈曲回路690は、複数の信号基板コネクタ626(システムの他の部分が実質的で同じであるように、対応する第1の基板コネクタに接続されるように構成される)に終端させ得る。このため、屈曲回路690と基板646又はチップ645との間のはんだ接続が可能である。また、理解され得るように、屈曲回路は、回路基板に比較して、高い性能を提供し得る。基板646は、別個の構成要素のように示すが、一実施形態においては、屈曲回路690は、基板646と置き換えることができ、このため、基板646の使用は、チップパッケージ640においては任意である点に留意されたい。このため、理解され得るように、信号基板コネクタは、回路基板上に装着させることはできるが、必ずしも装着させる必要はない。
【0077】
屈曲回路は、多くの場合、KAPTONにより形成され、強固な屈曲回路であってもよく、また、ポリイミド、アクリル接着剤、エポキシ接着剤及びフルオロポリマー接着剤溶液によって形成され得る点に留意されたい。このため、このシステム設計により、FR4など比較的損失のある材料であっても、効果的に使用され得るため、材料の選択を制限することを意図するものではない。
【0078】
具体的には、周波数約15GHz(NRZ符号化を用いる場合は、25Gbps、及びPAM4符号化を用いる場合、50Gbpsを支持する必要がある周波数をわずかに上回る)では、チップと信号基板コネクタとの間の回路基板による挿入損失が2dB(好ましくは、1dB未満)未満とし得ることが予測されるように、信号基板(信号基板を使用する場合)のトレースの経路長は、短いままにする。これは、安価の回路基板材料であっても、その周波数で、遷移1インチ当たり1dB未満にすることができるためであり、また、システム設計により、トレースがチップと信号基板コネクタとの間で、比較的短い経路長(多くの場合、長さ2インチ未満)を有することができる。より性能の高い回路基板材料では、1インチ当たり約0.5dBの範囲で、損失が生じ得る。このため、チップと信号基板コネクタとの間で1dB未満の損失を有することは、実現可能である。必然的に、動作周波数が増大し、25GHzに近づくにつれて、挿入損失の減少が可能な、描写された構成がより重要になる。出願人は、25GHzの信号伝達操作であっても、描写されたシステムでは、依然として比較的低い挿入損失(確実に設計したシステムの回路基板において挿入損失2dB未満)をもたらし得、このため、高性能アプリケーションには、描写された構成がきわめて望ましいものであり得ると、判断した。更に、より感受性の高いアプリケーションでは、従来の回路基板を省略してもよく、回路基板により通常認められるものよりも少ない挿入損失をもたらし得るように、チップを信号基板コネクタに対して終端させる屈曲回路に接続することができる。
【0079】
本明細書で提供される開示は、その好ましい例示的な実施形態の観点で特徴を説明している。添付の請求項の範囲及び趣旨の範囲内で、数多くの他の実施形態、修正、及び変形が、本開示の検討から当業者に想起されるであろう。