(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6574312
(24)【登録日】2019年8月23日
(45)【発行日】2019年9月11日
(54)【発明の名称】タングステン前駆体及びそれを含むタングステン含有フィルム蒸着方法
(51)【国際特許分類】
C07F 11/00 20060101AFI20190902BHJP
C23C 16/18 20060101ALI20190902BHJP
【FI】
C07F11/00 CCSP
C23C16/18
【請求項の数】8
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2018-523718(P2018-523718)
(86)(22)【出願日】2016年3月16日
(65)【公表番号】特表2018-524408(P2018-524408A)
(43)【公表日】2018年8月30日
(86)【国際出願番号】KR2016002675
(87)【国際公開番号】WO2017014399
(87)【国際公開日】20170126
【審査請求日】2018年2月7日
(31)【優先権主張番号】10-2015-0102542
(32)【優先日】2015年7月20日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】518021894
【氏名又は名称】マイクロケム インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】特許業務法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リー サム ケウン
(72)【発明者】
【氏名】リー ジョン タク
(72)【発明者】
【氏名】リー ジュン ヨン
(72)【発明者】
【氏名】キム ホ ソブ
【審査官】
山本 昌広
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−182443(JP,A)
【文献】
韓国公開特許第10−2014−0127684(KR,A)
【文献】
European Journal of Inorganic Chemistry,2001年,Vol.2001, No.6,p.1617-1623
【文献】
Zeitschrift fuer Anorganische und Allgemeine Chemie,2004年,Vol.630, No.6,p.848-857
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07F 1/00−19/00
C23C 16/00−16/56
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)で示されるタングステン前駆体化合物:
【化1】
(式中、
R
1は、C
1−6アルキル基、C
1−6フロロアルキル又はOR”からなる群から選ばれ、
R
2は、
1個のCH
3基、C
2H
5基またはC
3H
7基で置換されたシクロペンタジエン又は
1個のR’が置換されたシクロヘプタトリエンであり、
R
3は、ハロゲン又は
1個のR’が置換されたシクロペンタジエンであり、
R’は、R”、OR”、NR”
2、SiR”
3、PR”
2からなる群から選ばれ、
R”は、H、CH
3、C
2H
5、C
3H
7、i−C
3H
7、n−C
4H
9、t−C
4H
9からなる群から選ばれる。)
【請求項2】
前記R1は、n−C4H9又はt−C4H9であり、
前記R’は、H、CH3、C2H5、OCH3、OC2H5、N(CH3)2、N(C2H5)2、N(CH3)(C2H5)、Si(CH3)3、P(CH3)2からなる群から選ばれた、請求項1に記載のタングステン前駆体化合物。
【請求項3】
前記R1は、n−C4H9又はt−C4H9であり、
前記R’は、H、CH3、C2H5、OCH3、OC2H5、N(CH3)2、N(C2H5)2、N(CH3)(C2H5)、Si(CH3)3、P(CH3)2からなる群から選ばれ、
前記R3は、Clである、請求項1に記載のタングステン前駆体化合物。
【請求項4】
前記一般式(1)で示された化合物が、下記一般式(4)で示される請求項1に記載のタングステン前駆体化合物:
【化2】
(式中、R
1、R’は、請求項1に記載の定義と同義であり、R
3はハロゲンである。)
【請求項5】
前記R’は、H、CH3、C2H5、OH、OCH3、OC2H5、N(CH3)2、N(C2H5)2、N(CH3)(C2H5)、SiR”3、PR”2からなる群から選ばれた、請求項4に記載のタングステン前駆体化合物。
【請求項6】
前記R1は、n−C4H9又はt−C4H9であり、
前記R’は、H、CH3、C2H5、OCH3、OC2H5、N(CH3)2、N(C2H5)2、N(CH3)(C2H5)、Si(CH3)3、P(CH3)2からなる群から選ばれ、
前記R3は、Clである、請求項4に記載のタングステン前駆体化合物。
【請求項7】
下記一般式(1)で示されるタングステン前駆体化合物を用いて、タングステン薄膜を形成させる方法:
【化3】
(式中、
R
1は、C
1−6アルキル基、C
1−6フロロアルキル又はOR”からなる群から選ばれ、
R
2は、
1個のR’が置換されたシクロペンタジエン又は
1個のR’が置換されたシクロヘプタトリエンであり、
R
3は、ハロゲン又は
1個のR’が置換されたシクロペンタジエンであり、
R’は、R”、OR”、NR”
2、SiR”
3、PR”
2からなる群から選ばれ、
R”は、H、CH
3、C
2H
5、C
3H
7、i−C
3H
7、n−C
4H
9、t−C
4H
9からなる群から選ばれる。)
【請求項8】
薄膜工程が、化学気相蒸着法(CVD)又は原子層蒸着法(ALD)により行われることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機金属として半導体装置内の誘電フィルムの形成に用いられる蒸着工程である化学的蒸着又は原子層蒸着に使用するのに適したタングステン前駆体であり、新規の前駆体化合物及びそれを用いたフィルム蒸着方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
化学的蒸着(CVD)及び原子層蒸着(ALD)は、これらが、その工程中に、パラメーターの微細な調整を通して等角(conformal)フィルム(金属、酸化物、窒化物など)を達成することができるため、半導体素子のための薄膜フィルムの蒸着のための技術として適用されてきた。フィルム成長は、主に金属−有機化合物(前駆体)の化学的反応によって制御されるため、その性質及び反応過程を予測し、最適の前駆体を開発することが重要である。従って、特定類型のフィルムによる特定性質を得るための効率的な前駆体開発が持続されてきた。
【0003】
前駆体は、CVD及びALD工程のための分子であり、これを使用する前に、それらのいくつかの固有性質を考慮しなければならない。第1に、気体状の前駆体を含有容器から反応チャンバー内に容易に輸送するために、液体形態及び/又は十分な蒸気圧力が必要とされる。第2に、貯蔵条件及び輸送条件で長期間熱的安定性が求められており、気体状熱的安定性もまた、フィルムに不純物流入を防ぐために必要とされる。第3に、前駆体をサンプル基板上で要求されるフィルムに容易に転換させるために反応気体、例えば、アンモニア又は酸素に対する強い反応性が求められる。前駆体設計段階で、前駆体に対して考慮されなければならない、更に重要な要件は、蒸着工程中、リガンドから由来する不純物をフィルムから除去することである。
【0004】
タングステンは、ナノ−素子の作製に有用な多様な応用分野で使用される。トランジスターソース及びドレーンに接合を作るホール(「コンタクトホール(contact hole)」)を充填するために、又は金属の連続的な層間にバイアスを充填するために純粋なタングステンの蒸着を利用することができる。このような方式は、「タングステンプラグ」工程として知られている。WF
6を用いれば、蒸着されたフィルムの良好な性質のために、タングステンの利用が多様化され得る。しかし、フッ素による浸透により下部にあるSiを保護するために、又は二酸化ケイ素に対するタングステンの接着力を確実にするために、接着/バリアー層、例えば、Ti/TiNを提供する必要がある。
【0005】
ポリシリコンゲートの上部に、そのゲートラインの伝導性を増加させ、これにより、トランジスター速度を増加させるために、タングステン−ケイ化物が用いられる。このような方式は、DRAM作製で広く使用されている。このときのゲートは、回路のためのワードライン(word line)である。WF
6及びSiH
4が用いれてもよいが、ジクロロシラン(SiCl
2H
2)がケイ素供給源としてより通常的に使用されており、これは、さらに高い蒸着温度を許容して、結果的に蒸着されたフィルムにおいて、さらに低いフッ素濃度を作り出すからである。
【0006】
タングステン窒化物(WNx)は、マイクロ電子回路で銅拡散に対する良好なバリアーとして見なされる。WNxは、薄膜−フィルムキャパシター及び電界−効果トランジスターのための電極にも使用され得る。
【0007】
WF
6は液体でありながら高度で揮発性のWの+6が酸化状態であるため、高温でH
2を用いて、CVDモードで純粋なタングステンフィルムの蒸着に使用することができる(非特許文献1、2)。また、WF
6は、低温でタングステンケイ化物フィルムの製造のためにシランと組み合わされ、CVDモードで使用され得る(非特許文献3、4)。しかし、WF
6は、純粋なタングステンフィルムの蒸着に必要な高い熱的バジェット(thermal budget)により、又は下部にあるケイ素表面のエッチングに原因となるフッ素のために制限される。
【0008】
W(CO)
6において、Wの0が酸化状態のため、CVDモードで純粋なタングステン又はタングステン窒化物フィルムの蒸着に使用することができる。しかし、この物質の高い毒性のため、大量作製には制限があった(非特許文献5、6)。
【0009】
W(CO)
2(1,3−ブタジエン)
2がCVDモードで使用され得るが、タングステンカーバイドフィルムの蒸着が形成される(非特許文献7)。
【0010】
しかし、一般式W(RCp)
2H
2を有するビスシクロペンタジエニルタングステン前駆体において、Wの+6が、酸化状態は純粋なタングステンの蒸着のためにCVDモードで使用され得るが、高い蒸着温度が必要とされており、炭素汚染を招く。
【0011】
特許文献1には、銅バリアー拡散応用を用いるか、又は用いないALDモードでタングステン窒化物を製造するためのビス−アルキルイミドビス−ジアルキルアミノタングステン前駆体の用途が開示されている。
【0012】
前述したタングステン前駆体とは別に、幾つかのジアザブタジエン系分子が開発された。ジアザブタジエン(DAD)リガンドは異なる酸化状態下で使用できるジイミンリガンドである。
【0013】
Reuterらの特許文献2には、タングステン含有フィルムの作製のためのビス−アルキルイミドジアザブタジエンタングステン前駆体の用途が開示されている。しかし、アルキルイミド基を使用すれば、生成されたフィルムで炭素導入が可能だという短所がある。タングステン分子は、同種リガンドでない何種類のリガンドを含有することができる。従って、それらの合成は、幾つかの工程からなり、合成の複雑性、難易度などがあり、結局は、コストが上昇することになる。
【0014】
Winterらの特許文献3には、遷移金属及び一つ以上のアルキル−1,3−ジアザブタジエンリガンドを有する前駆体化合物と表面を接触する工程を含む基板上に薄膜フィルムを形成する方法が開示されている。
【0015】
CVD又はALDモードでタングステン含有フィルム(純粋なタングステン、タングステン窒化物又はタングステンケイ化物)を蒸着することは、フィルムにおける高いC、O又はF含量などが問題になり得る。従って、CVD又はALD蒸着工程に適切なタングステン含有前駆体が必要となる。これら応用のためのタングステン含有前駆体の好ましい性質は、i)液体形態又は低い溶融点固体;ii)高い揮発性;iii)ハンドリングと輸送過程中の分解を避けるための熱的安定性;iv)CVD/ALD工程中の適切な反応性;及びv)200未満、好ましくは150未満の温度でCVD又はALD(熱的又はプラズマモード)で純粋なタングステンフィルムが蒸着されなければならなく、同時に低温で蒸着を許容するために熱的安定性が高過ぎてはいけない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】米国特許 第7,560,581号
【特許文献2】米国特許 第7,754,908号
【特許文献3】WO2012/027357
【特許文献4】韓国 特開 第2012−0059440号
【特許文献5】韓国 特開 第2008−93393号
【特許文献6】韓国 特開 第2014−0127684号
【非特許文献】
【0017】
【非特許文献1】Applied Surface Science, 73, 1993, 51-57
【非特許文献2】Applied Surface Science, 78, 2, 1994, 123-132
【非特許文献3】Y. Yamamoto et al. Proc. Int. Conf. on CVD - XIII (1996) 814
【非特許文献4】Surface Science 408 (1998) 190 - 194
【非特許文献5】Kaplan et al J.Electrochem. Soc. 1979, 117, 693
【非特許文献6】Sun et al Thin Solid Films 2001, 397, 109
【非特許文献7】Jipaet al Chemical Vapor Deposition 2010, 16 (7-9), 239
【非特許文献8】Zinn et al Adv Mater. 1992, 375
【非特許文献9】Spee et al Mat. Sci. Eng 1993 (B17) 108
【非特許文献10】Ogura et al J.of Vac. Sci.Tech. 2008, 26, 561
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明は、化学気相蒸着又は原子層蒸着工程条件で、テンステン薄膜を蒸着させるための前駆体として新規のタングステン前駆体化合物を提供し、これを用いたタングステン蒸着方法を提供するのを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明は、下記一般式(1)で示されるタングステン(W)前駆体化合物を提供する。
【化1】
【0020】
(式中、
R
1は、C
1−6アルキル基、C
1−6フロロアルキル又はOR”からなる群から選ばれ、
R
2は、R’が置換されたシクロペンタジエン又はR’が置換されたシクロヘプタトリエンであり、
R
3は、ハロゲン又はR’が置換されたシクロペンタジエンであり、
R’は、R”、OR”、NR”
2、SiR”
3、PR”
2からなる群から選ばれ、
R”は、H、CH
3、C
2H
5、C
3H
7、i−C
3H
7、n−C
4H
9、t−C
4H
9からなる群から選ばれる。)
【0021】
本発明の具体的な例を見ると、前記一般式(1)で示された化合物が、下記一般式(2)〜(4)で示されるタングステン前駆体化合物を提供する。
【化2】
【化3】
【化4】
【0022】
(式中、R
1、R
3、R’は、前記一般式(1)の定義と同義である。)
【0023】
更に別の側面で、本発明は、前記一般式(1)で示されるタングステン前駆体を用いて、タングステン薄膜を形成させる方法を提供する。前記薄膜工程は、化学気相蒸着法(CVD)又は原子層蒸着法(ALD)により行われることが好ましい。
【発明の効果】
【0024】
本発明の前記一般式(1)で示されるタングステン前駆体は、熱的安定性と揮発性が改善された新規の化合物であり、合成が容易で、高い生産性を有しており、保管及び移動時安全性に優れた長所があるので、これを用いて簡単に高品質のタングステンフィルムを蒸着することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】ビス−シクロペンタジエニル−ビス−(t−ブチルイミド)タングステン(VI)の
1H NMR分析データを示す。
【
図2】ビス−シクロペンタジエニル−ビス−(t−ブチルイミド)タングステン(VI)の
13C NMR分析データを示す。
【
図3】ビス−シクロペンタジエニル−ビス−(t−ブチルイミド)タングステン(VI)のHR−MS分析テイの場所を示すグラフである。
【
図4】ビス−シクロペンタジエニル−ビス−(t−ブチルイミド)タングステン(VI)のIR分析データを示す。
【
図5】ビス−シクロペンタジエニル−ビス−(t−ブチルイミド)タングステン(VI)の蒸気圧を測定したデータを示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の実施例を参照して詳細に説明する。本発明を説明するに当たり、関連した公知構成又は機能に対する具体的な説明が本発明の要旨を曇らせるものと判断される場合には、その詳細な説明は省略する。
【0027】
本発明は、前記一般式(1)で示されるタングステン前駆体化合物に関するものである。
【化5】
【0028】
(式中、
R
1は、C
1−6アルキル基、C
1−6フロロアルキル又はOR”からなる群から選ばれ、
R
2は、R’が置換されたシクロペンタジエン又はR’が置換されたシクロヘプタトリエンであり、
R
3は、ハロゲン又はR’が置換されたシクロペンタジエンであり、
R’は、R”、OR”、NR”
2、SiR”
3、PR”
2からなる群から選ばれ、
R”は、H、CH
3、C
2H
5、C
3H
7、i−C
3H
7、n−C
4H
9、t−C
4H
9からなる群から選ばれる。)
【0029】
前記一般式(1)で示される化合物の中で、特に、下記一般式(2)〜(4)で示される化合物が好ましい。
【化6】
【0030】
(式中、R
1は、C
1−6アルキル基、C
1−6フロロアルキル基、又はOR”から選ばれ、好ましくは、C
1−4アルキル基、C
1−4フロロアルキル基であり、最も好ましくは、CH
3、C
2H
5、C
3H
7、i−C
3H
7、n−C
4H
9、t−C
4H
9から選ばれる。
R’は、R”、OR”、NR”
2、SiR”
3、PR”
2から選ばれ、好ましくは、H、CH
3、C
2H
5、C
3H
7、i−C
3H
7、C
4H
9、t−C
4H
9、N(CH
3)
2、N(C
2H
5)
2、N(CH
3)(C
2H
5)、N(CH
3)(C
3H
7)、N(C
3H
7)
2、N(i−C
3H
7)
2、N(CH
3)(i−C
3H
7)、N(CH
3)(n−C
4H
9)、N(n−C
4H
9)
2、N(t−C
4H
9)
2、N(CH
3)(t−C
4H
9)、N(C
2H
5)(C
3H
7)、N(C
2H
5)(i−C
3H
7)、N(C
2H
5)(n−C
4H
9)、N(C
2H
5)(t−C
4H
9)、N(C
3H
7)(i−C
3H
7)、N(C
3H
7)(n−C
4H
9)、N(C
3H
7)(t−C
4H
9)、N(n−C
4H
9)(t−C
4H
9)、Si(CH
3)
3、Si(C
2H
5)
3、Si(C
3H
7)
3、Si(i−C
3H
7)
3、Si(n−C
4H
9)
3、Si(t−C
4H
9)
3、P(CH
3)
2、P(C
2H
5)
2、P(C
3H
7)
2、P(i−C
3H
7)
2、P(n−C
4H
9)
2、P(t−C
4H
9)
2からなる群から選ばれ、最も好ましくは、H、CH
3、C
2H
5、C
3H
7、i−C
3H
7、C
4H
9、t−C
4H
9、N(CH
3)
2、N(C
2H
5)
2、N(CH
3)(C
2H
5)、N(CH
3)(C
3H
7)、N(C
3H
7)
2、N(i−C
3H
7)
2、N(CH
3)(i−C
3H
7)、N(CH
3)(n−C
4H
9)、N(n−C
4H
9)
2、N(t−C
4H
9)
2、N(CH
3)(t−C
4H
9)、N(C
2H
5)(C
3H
7)、N(C
2H
5)(i−C
3H
7)、N(C
2H
5)(n−C
4H
9)、N(C
2H
5)(t−C
4H
9)、N(C
3H
7)(i−C
3H
7)、N(C
3H
7)(n−C
4H
9)、N(C
3H
7)(t−C
4H
9)、N(n−C
4H
9)(t−C
4H
9)からなる群から選ばれる。)
【化7】
【0031】
(式中、R
1は、C
1−6アルキル基、C
1−6フロロアルキル基、又はOR”から選ばれ、好ましくは、C
1−4アルキル基、C
1−4フロロアルキル基であり、最も好ましくは、CH
3、C
2H
5、C
3H
7、i−C
3H
7、n−C
4H
9、t−C
4H
9から選ばれる。
R’は、R”、OR”、NR”
2、SiR”
3、PR”
2から選ばれ、好ましくは、H、CH
3、C
2H
5、C
3H
7、i−C
3H
7、C
4H
9、t−C
4H
9、N(CH
3)
2、N(C
2H
5)
2、N(CH
3)(C
2H
5)、N(CH
3)(C
3H
7)、N(C
3H
7)
2、N(i−C
3H
7)
2、N(CH
3)(i−C
3H
7)、N(CH
3)(n−C
4H
9)、N(n−C
4H
9)
2、N(t−C
4H
9)
2、N(CH
3)(t−C
4H
9)、N(C
2H
5)(C
3H
7)、N(C
2H
5)(i−C
3H
7)、N(C
2H
5)(n−C
4H
9)、N(C
2H
5)(t−C
4H
9)、N(C
3H
7)(i−C
3H
7)、N(C
3H
7)(n−C
4H
9)、N(C
3H
7)(t−C
4H
9)、N(n−C
4H
9)(t−C
4H
9)、Si(CH
3)
3、Si(C
2H
5)
3、Si(C
3H
7)
3、Si(i−C
3H
7)
3、Si(n−C
4H
9)
3、Si(t−C
4H
9)
3、P(CH
3)
2、P(C
2H
5)
2、P(C
3H
7)
2、P(i−C
3H
7)
2、P(n−C
4H
9)
2、P(t−C
4H
9)
2からなる群から選ばれ、最も好ましくは、H、CH
3、C
2H
5、C3H
7、i−C
3H
7、n−C
4H
9、t−C
4H
9、N(CH
3)
2、N(C
2H
5)
2、N(CH
3)(C
2H
5)、N(CH
3)(C
3H
7)、N(C
3H
7)
2、N(i−C
3H
7)
2、N(CH
3)(i−C
3H
7)、N(CH
3)(n−C
4H
9)、N(n−C
4H
9)
2、N(t−C
4H
9)
2、N(CH
3)(t−C
4H
9)、N(C
2H
5)(C
3H
7)、N(C
2H
5)(i−C
3H
7)、N(C
2H
5)(n−C
4H
9)、N(C
2H
5)(t−C
4H
9)、N(C
3H
7)(i−C
3H
7)、N(C
3H
7)(n−C
4H
9)、N(C
3H
7)(t−C
4H
9)、N(n−C
4H
9)(t−C
4H
9)からなる群から選ばれる。
R
3は、ハロゲンが好ましく、より好ましくは、Cl、Br、Iである。)
【化8】
【0032】
(式中、R
1は、C
1−6アルキル基、C
1−6フロロアルキル基、又はOR”から選ばれ、好ましくは、C
1−4アルキル基、C
1−4フロロアルキル基であり、最も好ましくは、CH
3、C
2H
5、C
3H
7、i−C
3H
7、n−C
4H
9、t−C
4H
9から選ばれる。
R’は、R”、OR”、NR”
2、SiR”
3、PR”
2から選ばれ、好ましくは、H、CH
3、C
2H
5、C
3H
7、i−C
3H
7、C
4H
9、t−C
4H
9、N(CH
3)
2、N(C
2H
5)
2、N(CH
3)(C
2H
5)、N(CH
3)(C
3H
7)、N(C
3H
7)
2、N(i−C
3H
7)
2、N(CH
3)(i−C
3H
7)、N(CH
3)(n−C
4H
9)、N(n−C
4H
9)
2、N(t−C
4H
9)
2、N(CH
3)(t−C
4H
9)、N(C
2H
5)(C
3H
7)、N(C
2H
5)(i−C
3H
7)、N(C
2H
5)(n−C
4H
9)、N(C
2H
5)(t−C
4H
9)、N(C
3H
7)(i−C
3H
7)、N(C
3H
7)(n−C
4H
9)、N(C
3H
7)(t−C
4H
9)、N(n−C
4H
9)(t−C
4H
9)、Si(CH
3)
3、Si(C
2H
5)
3、Si(C
3H
7)
3、Si(i−C
3H
7)
3、Si(n−C
4H
9)
3、Si(t−C
4H
9)
3、P(CH
3)
2、P(C
2H
5)
2、P(C
3H
7)
2、P(i−C
3H
7)
2、P(n−C
4H
9)
2、P(t−C
4H
9)
2からなる群から選ばれ、最も好ましくは、H、CH
3、C
2H
5、C3H
7、i−C
3H
7、n−C
4H
9、t−C
4H
9、N(CH
3)
2、N(C
2H
5)
2、N(CH
3)(C
2H
5)、N(CH
3)(C
3H
7)、N(C
3H
7)
2、N(i−C
3H
7)
2、N(CH
3)(i−C
3H
7)、N(CH
3)(n−C
4H
9)、N(n−C
4H
9)
2、N(t−C
4H
9)
2、N(CH
3)(t−C
4H
9)、N(C
2H
5)(C
3H
7)、N(C
2H
5)(i−C
3H
7)、N(C
2H
5)(n−C
4H
9)、N(C
2H
5)(t−C
4H
9)、N(C
3H
7)(i−C
3H
7)、N(C
3H
7)(n−C
4H
9)、N(C
3H
7)(t−C
4H
9)、N(n−C
4H
9)(t−C
4H
9)からなる群から選ばれる。
R
3は、ハロゲンが好ましく、より好ましくは、Cl、Br、Iである。)
【0033】
以下で、本発明の前駆体に含まれる一般式(1)で示される化合物の合成例及びこれを用いたフィルム形成製造例について、実施例を参照して具体的に説明する。しかし、本発明の下記実施例に限定されるものではない。
【0034】
[タングステン前駆体化合物合成]
<実施例1>:ビス−シクロペンタジエニル−ビス−(n−ブチルイミド)タングステン(VI)
窒素の雰囲気の丸底フラスコで、WCl
6 10g(25.2mmole)とn−ブチルトリメチルシリルアミン16.5g(113.5mmole)とを無水THF100mLで24時間反応して、黄色固体を得た。前記黄色固体に、ピリジン10mLを添加し、2時間撹拌して、緑色固体を得た。前記タングステン化合物0.5g(0.9mmole)に、ピリジン0.5g(6.3mmole)を混合した。−50℃でタングステン化合物とピリジンとの混合溶液に、シクロペンタジエンナトリウム0.9mL(2M THF溶液、1.8mmole)を添加し、24時間反応させた後、真空下でTHFとピリジンとを蒸発し、セライトでろ過して、黄色液体0.29g(71%収率)を得た。
【0035】
<実施例2>:ビス−シクロペンタジエニル−ビス−(t−ブチルイミド)タングステン(VI)
窒素の雰囲気の丸底フラスコで、WCl
6 10g(25.2mmole)とt−ブチルトリメチルシリルアミン16.5g(113.5mmole)とを無水THF100mLで24時間反応して、黄色固体を得た。以後の反応は、前記実施例1と同じ方法で行った。(73%収率)
【0036】
<実施例3>:ビス−メチルシクロペンタジエニル−ビス−(t−ブチルイミド)タングステン(VI)
窒素の雰囲気の丸底フラスコで、WCl
6 10g(25.2mmole)とt−ブチルトリメチルシリルアミン16.5g(113.5mmole)とを無水THF100mLで24時間反応して、黄色固体を得た。この黄色固体に、ピリジン10mLを添加し、2時間撹拌して、緑色固体を得た。前記タングステン化合物0.5g(0.9mmole)に、ピリジン0.5g(6.3mmole)を混合した。−50℃でタングステン化合物とピリジンとの混合溶液に、メチルシクロペンタジエンナトリウム0.18g(1.8mmole)を添加し、24時間反応させた後、真空下でTHFとピリジンとを蒸発し、セライトでろ過して、黄色液体0.31g(70%収率)を得た。
【0037】
<実施例4>:クロロシクロヘプタトリエニル−ビス−(t−ブチルイミド)タングステン(VI)
窒素の雰囲気の丸底フラスコで、WCl
6 10g(25.2mmole)とt−ブチルトリメチルシリルアミン16.5g(113.5mmole)とを無水THF100mLで24時間反応して、黄色固体を得た。この黄色固体に、ピリジン10mLを添加し、2時間撹拌して、緑色固体を得た。前記タングステン化合物0.5g(0.9mmole)に、ピリジン0.5g(6.3mmole)を混合した。−50℃でタングステン化合物とピリジンとの混合溶液に、シクロヘプタトリエンナトリウム0.1g(0.9mmole)を添加し、24時間反応させた後、真空下でTHFとピリジンとを蒸発し、セライトでろ過して、黄色固体0.25g(60%収率)を得た。
【0038】
以上の説明は本発明を例示的に説明したものに過ぎない。本発明に属する技術分野における通常の知識を有した者であれば、本発明の本質的な特性から逸脱しない範囲内で多様な変形が可能である。従って、本明細書に開示された実施例は、本発明を限定するためのものでなく説明のためのものであり、このような実施例によって本発明の思想と範囲が限定されるものではない。本発明の保護範囲は、下記請求範囲によって解釈されるべきであり、それと同等な範囲内にある全ての技術は本発明の権利範囲に含むものとして解釈されなければならない。