特許第6574319号(P6574319)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6574319
(24)【登録日】2019年8月23日
(45)【発行日】2019年9月11日
(54)【発明の名称】液滴検出器信号に対する類似度の指示
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/01 20060101AFI20190902BHJP
   B41J 2/165 20060101ALI20190902BHJP
【FI】
   B41J2/01 207
   B41J2/165 501
【請求項の数】15
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2018-556806(P2018-556806)
(86)(22)【出願日】2016年7月25日
(65)【公表番号】特表2019-514740(P2019-514740A)
(43)【公表日】2019年6月6日
(86)【国際出願番号】US2016043887
(87)【国際公開番号】WO2018021998
(87)【国際公開日】20180201
【審査請求日】2018年10月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】511076424
【氏名又は名称】ヒューレット−パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー.
【氏名又は名称原語表記】Hewlett‐Packard Development Company, L.P.
(74)【代理人】
【識別番号】100087642
【弁理士】
【氏名又は名称】古谷 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100082946
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 昭広
(74)【代理人】
【識別番号】100121061
【弁理士】
【氏名又は名称】西山 清春
(74)【代理人】
【識別番号】100195693
【弁理士】
【氏名又は名称】細井 玲
(72)【発明者】
【氏名】チュゼット,ペレ
(72)【発明者】
【氏名】ヴィラゴサナ,ザビエル
(72)【発明者】
【氏名】カベッロ,シェイラ
【審査官】 長田 守夫
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−160889(JP,A)
【文献】 特開2007−253584(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第104647920(CN,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0109679(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01−2/215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷剤噴射ノズルを備えるプリントヘッドを収容するためのプリントヘッドキャリッジと、
液滴検出器であって、液滴検出の期間中に該液滴検出器によって検出されたパラメータの変化を示す信号を取得するための液滴検出器と、
印刷剤噴射シグネチャーを保持するための記憶装置と、
前記液滴検出器信号と前記印刷剤噴射シグネチャーとの畳み込みを行うためのコンボリューションモジュールを備える処理回路
を備え、
前記処理回路は、前記コンボリューションモジュールの出力から、前記液滴検出器信号と前記印刷剤噴射シグネチャーとの類似度の指示を決定することができることからなる、印刷装置。
【請求項2】
前記記憶装置は、複数の印刷剤噴射シグネチャーを保持することができ、
前記処理回路は、
前記印刷剤の色と、
前記印刷剤のタイプと、
前記印刷剤の意図された体積
のうちの少なくとも1つに基づいて、意図された印刷剤噴射の後に得られた液滴検出器信号と畳み込みを行うための印刷剤噴射シグネチャーを選択する選択モジュールを備えることからなる、請求項1の印刷装置。
【請求項3】
前記液滴検出器は、放射強度を検出するための放射検出器を備え、前記パラメータは放射強度値を含む、請求項1の印刷装置。
【請求項4】
前記記憶装置は、複数の印刷剤噴射シグネチャーを保持することができ、
前記コンボリューションモジュールは、前記液滴検出器信号と複数の印刷剤噴射シグネチャーとの畳み込みを行うことができ、前記処理装置は、前記液滴検出器信号が最も類似する印刷剤噴射シグネチャーを識別することができることからなる、請求項1の印刷装置。
【請求項5】
前記処理回路は、類似度の指示に基づいて、前記印刷剤を噴射したノズルの動作状態の指示を決定するためのノズル評価モジュールを備える、請求項1の印刷装置。
【請求項6】
前記処理回路は、前記コンボリューションモジュールの前記出力におけるピーク高さから類似度の指示を決定することができる、請求項1の印刷装置。
【請求項7】
前記液滴検出器信号及び前記印刷剤噴射シグネチャーは、畳み込みの前に正規化される、請求項1の印刷装置。
【請求項8】
プリントヘッドノズルから噴射されたある量の印刷剤の通過を検出するための検出器からの信号を取得するステップと、
プロセッサを用いて、前記取得された信号とモデル印刷剤通過信号との畳み込みを行うことによって前記取得された信号をフィルタリングするステップと、
プロセッサを用いて、前記フィルタリングされた信号に基づいて、前記プリントヘッドノズルの動作状態の指示を決定するステップ
を含む方法。
【請求項9】
前記プリントヘッドノズルの動作状態の指示を決定するステップが、前記フィルタリングされた信号に基づいて類似度パラメータを決定することを含む、請求項8の方法。
【請求項10】
プロセッサを用いて、意図された印刷剤噴射の印刷剤の特性に基づいて、複数のモデル印刷剤通過信号からモデル印刷剤通過信号を選択するステップ、及び、該選択された1以上のモデル印刷剤通過信号を用いてフィルタリングされた信号を決定するステップをさらに含む、請求項8の方法。
【請求項11】
プロセッサを用いて、複数のモデル印刷剤通過信号の各々を用いてフィルタリングされた信号を決定するステップ、及び、前記取得された信号に最も良く合致するモデル印刷剤通過信号を識別するステップをさらに含む、請求項8の方法。
【請求項12】
取得された信号に最も良く合致するモデル印刷剤通過信号を識別する前記ステップが、最大のピークを有する前記フィルタリングされた信号を決定することを含む、請求項11の方法。
【請求項13】
プロセッサによって実行されると、該プロセッサに、
噴射イベント時にプリントヘッドによって供給される印刷剤の特性を決定するステップと、
前記特性に関連する印刷剤噴射シグネチャーを識別するステップと、
前記噴射イベント時にある量の印刷剤を供給することを試みた後に液滴検出器出力信号を取得するステップ、及び、
前記印刷剤噴射シグネチャーと前記液滴検出器出力信号との畳み込みを行うことによって、前記噴射イベントの成功の指示を決定するステップ
を実行させる命令を含む有形の機械可読媒体。
【請求項14】
データストアを含む請求項13の機械可読媒体であって、該データストアは、複数の印刷剤噴射シグネチャーを含み、それぞれの印刷剤噴射シグネチャーは、印刷剤の色と印刷剤の体積との少なくとも一方を含む特性に関連付けられることからなる、機械可読媒体。
【請求項15】
前記データストアは、共通の1組の特性に関連付けられた複数の印刷剤噴射シグネチャーを含む、請求項14の機械可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
印刷装置は、たとえば、染料もしくは顔料、コーティング剤、及び熱吸収剤などを含む着色剤などの印刷剤を供給(ないし吐出)するための種々の技術を利用する。そのような装置はプリントヘッドを備えることができる。プリントヘッドの1例は、1組のノズルと、ノズルを通して選択された剤を流体(たとえば液体)として噴射するためのメカニズムを備えている。そのような例では、液滴検出器を用いて、プリントヘッドの個々のノズルから液滴が噴射されているか否かを検出することができる。たとえば、液滴検出器を用いて、いずれかのノズルが目詰まりを起こしているか否か、及びノズルのクリーニングをするのが有益か否か、または、個々のノズルが永久的に故障しているか否かを判定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0002】
【特許文献1】(補充可能性あり)
【図面の簡単な説明】
【0003】
以下、添付の図面を参照して非限定的な例を説明する。
図1】例示的な印刷装置の簡略図である。
図2】例示的な液滴検出器の簡略図である。
図3A】液滴検出器信号の例である。
図3B】液滴検出器信号の例である。
図3C】液滴検出器信号の例である。
図4】例示的な印刷剤噴射シグネチャーである。
図5】別の例示的な印刷装置の簡略図である。
図6A】液滴検出器信号と印刷剤噴射シグネチャーとの例示的な畳み込みの結果を示す。
図6B】液滴検出器信号と印刷剤噴射シグネチャーとの例示的な畳み込みの結果を示す。
図6C】液滴検出器信号と印刷剤噴射シグネチャーとの例示的な畳み込みの結果を示す。
図7】プリントヘッドノズルの動作状態の指示を決定する方法の1例のフローチャートである。
図8】少なくとも1つの類似度パラメータを決定する方法の1例のフローチャートである。
図9】プロセッサと共に例示的な機械可読媒体を示す簡略図である。
【発明を実施するための形態】
【0004】
図1は、例示的な印刷装置100を示しており、印刷装置100を、たとえば、(たとえば、紙、カード、プラスチック、または金属などの被印刷物上にインクなどの印刷剤の液滴を加えるための)2次元印刷用のもの、または、(たとえば、造形材料(たとえばプラスチック粉末などの粉末状の造形材料)の選択的な融解または着色を生じさせる印刷剤の液滴を加える)3次元印刷用のものとすることができる。印刷装置100は、プリントヘッドキャリッジ102、液滴検出器104、記憶装置(メモリ)106、及び処理回路108を備えている。いくつかの例では、印刷装置100を、たとえば、該装置の処理回路108を用いて、該装置内に取り付けられたプリントヘッドの少なくとも1つのノズルの動作状態または性能パラメータを決定するように構成することができる。
【0005】
プリントヘッドキャリッジ102は、少なくとも1つの印刷剤噴射ノズル112を有する(脱着可能な及び/又は交換可能な構成要素とすることができ、点線の輪郭で図示されている)プリントヘッド110を収容することができる。いくつかの例では、プリントヘッドキャリッジ102を、印刷装置100内の別の場所に配置する(ないし再配置する)ことができるように取り付けることができる。いくつかの例では、プリントヘッド110を、サーマルインクジェットプリントヘッドなどのインクジェットプリントヘッドとすることができる。
【0006】
液滴検出器104は、ある液滴検出期間にわたって液滴検出器104によって検出されたパラメータの変化を示す信号を取得することができる。いくつかの例では、この信号は、あるサンプリング体積部を通ってノズルから噴射された印刷剤の通過を特徴付けることができる。しかしながら、より詳細に後述するように、ノズルが故障している場合がありえ、また、該液滴検出期間中に検出するための印刷剤がない場合もありうる。それにもかかわらず、液滴検出器104は信号を取得することができる。
【0007】
たとえば、液滴検出器104は、少なくとも1つの放射検出器(または放射線検出器)及び少なくとも1つの放射線放出器を備えることができる(ただし、いくつかの例では、環境中の放射線が検出される場合もある)。そのような例では、液滴検出期間中に変化するパラメータを、放射線強度(放射線の強さのレベル)とすることができ、他の例では、該パラメータは、たとえば、液滴検出器によって収集されることができる波長パラメータ、もしくは周波数パラメータ、もしくは他の任意のパラメータでありうる。例示的な液滴検出器104が、図2に示されており、該検出器についてはより詳しく後述されるが、該検出器において、各々が光源(たとえば少なくとも1つのLED(発光ダイオード)及び光検出器(たとえば少なくとも1つのフォトダイオード))を有する複数の液滴検出ユニットが、サンプリング体積部をまたいでおり、かつ、該サンプリング体積部を通過する液滴を検出することができる。他の例では、他のタイプ(種類)の液滴検出器を使用することができ、たとえば、γ線放射またはβ線放射の検出に基づく検出器、または、放射源によって放出された放射を配列されたレシーバーに返すミラーを有する液滴検出器、または、印刷剤の液滴から散乱された光を利用する検出器などを使用することができる。いくつかの例では、液滴検出器104の位置に応じて、液滴検出器104が、異なるノズル112または異なる組のノズルからの液滴の放出を検出することができるように、液滴検出器104をプリントヘッドキャリッジ102に対して再配置することができる。
【0008】
いくつかの例では、印刷装置100は、複数のプリントヘッドキャリッジ102を備えることができ、該キャリッジの各々は、プリントヘッド110を収容することができる。そのような例では、液滴検出器104をそれぞれのプリントヘッドキャリッジ102に設けることができる。いくつかの例では、液滴検出器104を用いて、プリントヘッド110のノズルのグループの各々を順に監視することができる。たとえば、プリントヘッド110は、2112個のノズルを有することができ、液滴検出器104を、96個のノズルの出力を同時に検出するように配置することができる。
【0009】
記憶装置(メモリ)106は、印刷剤噴射シグネチャーを保持する。より詳細に後述するように、印刷剤噴射シグネチャーは、液滴検出器のサンプリング体積部を通る印刷剤の通過の「モデル」信号(たとえば基準となるまたは典型的な信号)を含むことができ、すなわち、該シグネチャーは、(所定の品質ないし特性を有する液滴とすることができる)液滴が供給(または吐出)されたときに、液滴検出器のパラメータがある液滴検出期間にわたってどのように変化するかを示す。いくつかの例では、印刷剤噴射シグネチャーを、複数の較正液滴検出イベントから生成された平均信号とすることができる。記憶装置106を、任意の形態のコンピュータ可読記憶媒体とすることができ、たとえば、ディスク記憶装置、CD−ROM、光学式記憶装置、磁気記憶装置、フラッシュストレージ(フラッシュメモリーを使った記憶装置)、メモリーキャッシュ、バッファなどとすることができる。
【0010】
処理回路108は、液滴検出器信号と印刷剤噴射シグネチャーとの畳み込み(畳み込み積分)を行うためのコンボリューション(畳み込み)モジュール114を備えている。コンボリューションモジュール114の出力を用いて、ノズル性能の指示を決定することができる。処理回路108は、任意の形態の処理回路を含むことができ、たとえば、CPU、処理装置、ASIC、論理演算装置、マイクロプロセッサ、プログラマブルゲートアレイなどのうちの任意のもの、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができる。コンボリューションモジュール114を、たとえば、記憶装置に格納された機械可読命令を実行するプロセッサ、または、論理回路に組み込まれた命令にしたがって動作するプロセッサなどによって実施することができる。
【0011】
コンボリューションモジュール114は、取得された信号の信号対雑音比を改善するフィルターとして効果的に作用する。いくつかの例では、ノズル性能を、コンボリューションモジュール114の畳み込みされた信号出力から得られた類似度の指示に基づいて決定することができる。
【0012】
いくつかの例では、液滴検出器信号及び印刷剤噴射シグネチャーは、畳み込みの前に正規化される。そのような正規化は、システムの劣化(たとえば、ノズルや液滴検出装置の劣化)が、信号の分析に影響を与えないことを意味する。正規化は、信号の絶対値ではなく、信号の形状を比較するのを可能にする。
【0013】
図1では、処理回路108及び記憶装置106は、プリントヘッドキャリッジ102及び液滴検出器104の近くにあるものとして示されているが、これに限らず、処理回路108及び記憶装置106の一方または両方が、プリントヘッドキャリッジ102及び液滴検出器104から離れたところにあってもよい。たとえば、処理回路108は、離れたところにある液滴検出器104及び/又は記憶装置106から、たとえばインターネットを介して、データを受け取ることができる。
【0014】
図2は、プリントヘッド210と共に例示的な液滴検出器200を示している。この例では、複数の液滴検出装置(液滴検出ユニット)202(そのうちの1つだけが図示されている)がサンプリング体積部204をまたいでいる。それぞれの液滴検出装置202は、光源206と放射検出器(または放射線検出器)(この例では、光検出器208)を備えている。液滴検出装置202は、光源206と光検出器208の間のサンプリング体積部204を通過する液滴を検出するように配置されている。たとえば、液滴検出装置202の光源206が光を放出する場合には、この構成ないし配置を、その光が、液滴検出装置202の光検出器208に入射するようなものとすることができる。それらの間を通る液滴は影を作り、光検出器208によって検出される光の強さは小さくなり、このため、液滴の存在を検出することができる。この例では、光源206はLED(発光ダイオード)から構成され、光検出器208をフォトダイオードから構成することができる。
【0015】
図2に示されているように、プリントヘッド210は複数のノズル212(そのうちの1つだけが図示されている)を備えることができ、該ノズルの各々が、液滴214を噴射することができる。例示的な液滴214が、時刻T1にサンプリング体積部204に入ることができる。この例の液滴214は、該液滴がノズル121から出るやり方に起因して「しっぽ」を有しており(すなわち、該液滴は球状の液滴ではない場合がある)、(T1より)後の時刻T2でサンプリング体積部204から出る。該しっぽはより少ない量の流体から構成されているので、該しっぽは、より多くの光を通すことができ、このため、光検出器208で検出される光は、減少した後で徐々に増加するだろう。
【0016】
液滴検出器を用いて、プリントヘッドのノズルがいつ印刷剤を噴射するのをやめたかを識別することができる。ノズルが印刷剤を噴射することができないのには種々の理由がありうる。たとえば、サーマルインクジェットプリント装置では、プリントヘッドの噴射チャンバ(噴射室)内が高温になって、電気部品(たとえば、加熱をもたらす抵抗発熱素子)が壊れる場合があり、その結果、ノズルが動作しなくなる場合がある。さらに、高温レベルに起因して、または単に時間の経過と共に、印刷剤が部分的に気化して、固体残留物(たとえば、印刷剤がインクである場合には、この残留物はインク顔料でありうる)が残りうる。時間と共にインクの成分が抵抗発熱素子上に蓄積しうる、プリントヘッドノズルの「コゲーション」も生じえ、これによって、該抵抗発熱素子の熱放射が減少して、エネルギー効率が低下し、及び、噴射される液滴の体積及び速度が小さくなる。したがって、ノズルは、部分的にまたは完全に動作不能になりえ、これは、印刷装置の画像品質に影響を与える。
【0017】
液滴検出器によって提供される情報は、それぞれのプリントヘッドのノズルの動作状態の指示を可能にすることができ、該指示は、(たとえば、印刷中に、動作不能ノズルの代わりに(正常に)動作するノズルを用いる)エラー隠蔽メカニズム、印刷装置の保守及び/又は修理などで使用するためのフィードバックを提供することができる。正しくないフィードバック情報は、不適切なエラー訂正(したがって画像品質の問題)または不適切な修理などをもたらしうる。
【0018】
液滴を検出するために液滴検出器信号のピークピーク値を使用することができる。光強度に基づく液滴検出器では、このピークピーク測定値は、あるサンプリング期間における最大の光強度と最小の光強度を示すことができる。この値が所与の閾値よりも大きい場合には、ノズルは良好な動作状態にあると考えられる。逆に、該ピークピーク値が該所与の閾値よりも小さい場合には、ノズルは不良な動作状態にある(たとえば、詰まっているかまたは部分的に詰まっている)と考えることができる。
【0019】
このアプローチは多くの場合に有効であるが、該閾値の設定に依存する。たとえば、故障品としてのノズルの誤った指定の数を最少にするために閾値を比較的小さい値に設定することができるが、これは、より小さな体積の印刷剤しか噴射することができない部分的に詰まっているかまたは十分には機能していないノズルが、ほとんど完全にまたは完全に故障するまでは、良好な状態にあるものとして分類されうることを意味する。さらに、かかる閾値ベースのアプローチは、伝導性か放射性かを問わず、電気雑音に対して弱いものでありうる。なぜなら、そのような電気雑音は、該閾値よりも大きなピークピーク値を生じうるからである。いくつかの場合には、電気雑音の効果は、大きなピークピーク値を有する信号を生成するのに十分でありえ、これは、ノズルの真の状態にかかわらず、該ノズルを完全に動作するものとして分類するという結果を招きうる。
【0020】
図3Aは、「健全な」ノズルから収集されうる液滴検出器信号の1例を示している。液体がサンプリング体積部204を通って移動するときに、放射強度値を示すカウント(計数値)がインターバルをおいて(ないし周期的に)記録される。したがって、この例では、放射強度値は、(印刷剤の噴射が起こったという想定、すなわち、ノズルが完全に故障しているわけではないという想定の下に)ある液滴検出期間、すなわち、印刷剤がサンプリング体積部204を通過することが意図されている期間にわたって収集される。上記したように、印刷剤がサンプリング体積部204を通って落ちている間に、放射強度を示す信号(の大きさ)は、小さくなった後に大きくなる。元のレベルを超える放射強度値の上昇は、使用される検出器のアーティファクトである。すなわち、信号(の大きさ)が小さくなると、検出器回路の感度は高くなり、したがって、印刷剤の影が通過するとより高いレベルに上昇し、その後横ばいになる。図3Aでは、「ピークピーク」値は155である。
【0021】
図3Bは、性能が劣っているノズルから収集されうる液滴検出器信号の1例を示している。いくらかの液体が噴射されて影を生じるが、その効果はより小さく、ピークピーク値は7である。
【0022】
図3Cは、ケーブル及び構造物の遮蔽材が存在している状態において、電気雑音だけで生成されうる信号の1例を示しており、該電気雑音は、伝導性または放射性でありえ、及び、放射強度の誤った指示として液滴検出器によって「検出され」うる。この信号のピークピーク値は約35である。いくつかの例では、特に、該閾値が比較的小さい値に設定されている場合には、かかる信号は、何も起こっていないときでも、「液滴イベント」を示すものとみなされうる。
【0023】
これから、図4を参照して、印刷剤噴射シグネチャーの決定のための処理の1例を説明する。
【0024】
ある時点、たとえば、印刷装置100の製造中に、各プリントヘッド210のノズルの健全性を評価するために使用されるシグネチャーを得るために、装置を較正することができる。そのような較正を、予定ないし想定されているそれぞれの印刷剤について行うことができる。たとえば、特定の印刷装置100で使用される印刷剤がカラーインク(着色インク)であって、2以上のインク色を検出するために液滴検出器104、200を使用できる場合には、意図されている全てのインク色についてシグネチャーを決定することができる。各インクに対する検出信号は、異なる物理的及び化学的性質(たとえば、液滴の重量、速度、不透明度など)に起因して異なりうる。
【0025】
それぞれのインク色について印刷装置100を較正するための例示的な手順は、所定の垂直方向距離において良好な動作状態にあることがわかっているプリントヘッドノズルの下に液滴検出器104、200を配置することを含むことができる(使用時に、噴射された印刷剤がサンプリング体積部204に到達するのに要する時間が同じになるのを確保するために、該所定の垂直方向距離を、印刷装置100のノズルと液滴検出器の間の意図された垂直方向距離と同じとすることができる)。その後、液滴検出器104、200は、ノズルが少なくとも1つの体積(ないし分量)の印刷剤を噴射したときに、データを取得することを開始することができる。いくつかの例では、ノズル212は、異なる体積(ないし分量)の印刷剤を含むサンプルを噴射することができる。印刷装置100の使用時に、異なる量の印刷剤が異なる噴射イベントで供給される場合がある。それらは、しばしば、「液滴」の観点で参照される。すなわち、単一の噴射イベントは、1つの液滴、または、たとえば5つの液滴を含むことができ、この場合、5つの液滴の噴射イベントは、1つの液滴の噴射イベントの5倍の印刷剤の体積(ないし分量)を含んでいる。それぞれの体積(ないし分量)に対して異なるサンプル信号を提供することによって、複数の予期された噴射イベントに合致(ないし適合)するシグネチャーを生成することができる。データ後処理リソースの要求を少なくするために、液滴検出器信号を時間的に同期させることができる。
【0026】
いくつかの例では、各体積の剤のタイプ(たとえばインク色)毎の噴射イベントを複数回繰り返すことができ、データが格納される。各噴射イベントを繰り返す回数を、較正中に取得される信号を取得し、取得された該信号を格納し及び処理するのに要する時間と、検出を向上させることができる代表的なデータセットの取得との間のトレードオフに基づいて決定することができる。
【0027】
その後、該データを処理して、(1以上の)印刷剤噴射シグネチャーを得ることができる。シグネチャーを、それぞれの体積(ないし量)のそれぞれの剤のタイプ(種類)について生成することができる。いくつかの例では、所与の印刷剤のタイプ(種類)及び体積(ないし量)に対する複数の信号を平均してシグネチャーを決定する。他の例では、1つの噴射イベントが、印刷剤噴射シグネチャーのベース(基礎)を形成することができ、及び/又は、平滑化などの他の技術を使用することもできる。
【0028】
図4は、黒インクの印刷剤噴射シグネチャーを示しており、この例では、該シグネチャーは、良好な状態であることがわかっているノズルの複数の信号を平均することによって得られる。
【0029】
いくつかの例では、結果を正規化して(すなわち、該結果を、符号を考慮せずに最大の絶対数で割って)、−1〜+1の範囲内(−1及び+1を含む)で変わりうる信号を得ることができる。こうして得られた信号を、液滴検出プロセス中に印刷剤噴射シグネチャーとして後で使用するために、不揮発性の機械可読記憶装置に格納することができる。
【0030】
剤のタイプ及び体積(ないし量)を変えるだけでなく、他の変化に対するシグネチャーを生成することができる。たとえば、ノズルを人為的に誤った方向に噴射するようにすることができ、誤った方向に噴射するようにされたノズル及び/又は(通常よりも)小さい液滴イベントなどに対する印刷剤噴射シグネチャーを、上記のように決定することができる。そのような人為的な誤った方向への噴射(ミスディレクション)を、ノズルを部分的に詰まらせることによって(または、たとえば、部分的な閉塞が起こるようにノズルをクリーニングしないことによって)達成することができる。これによって、液滴が誤った方向に噴射されうる。別の例では、ノズルが取り付けられているプレート上に印刷剤の堆積を生じさせることができる。これは、たとえば、「スピッティング(吐き出し)」によって、すなわち、ノズルを(たとえば、高い噴射周波数で)繰り返し噴射することによって達成することができ、これによって、プリントヘッドのノズルプレート上にインクの層が堆積することになる。該プレートがクリーニングされない場合には、その後に噴射される液滴は、この印刷剤層を通り、そのため、それらの液滴は誤った方向に向かいうる。噴射を行うために使用される電圧を小さくすることによって、(通常よりも)小さい液滴を生成することができる。
【0031】
図5は、別の例示的な印刷装置500を示している。印刷装置500は、同じ番号が付されている図1の印刷装置100の構成要素に加えて、選択モジュール504及びノズル評価モジュール506を有する処理回路502を備えている。この例では、記憶装置106は、複数の印刷剤噴射シグネチャーを保持する。この例では、異なる印刷剤噴射シグネチャーは、異なる印刷剤のタイプについて、及び、それらのタイプの異なる噴射量(または噴射体積)について保持される。さらに、少なくとも1つの体積の少なくとも1つの印刷剤のタイプについて、複数のシグネチャーが異なる噴射(吐出)角度に関連して保持される。いくつかの例では、処理回路502及び/又は記憶装置106を、印刷装置500の他の部分から遠く離れたところに配置して、たとえば、インターネットを介してまたは何らかの他のやり方で、印刷装置500に接続することができる。
【0032】
いくつかの例では、液滴検出プロセスは、印刷装置の通常動作中に行われ、該プロセスを、たとえば、印刷装置500のユーザーによって起動することができ、または、たとえば、所定のサービスルーチンにしたがって自動的に起動することができる。たとえば、液滴検出プロセスを、新しいプリントヘッドが装着された後で、またはプリントヘッドが、長期間にわたって「キャッピング位置」にある(すなわち使用されていない)ときに行うことができる。
【0033】
選択モジュール504は、印刷剤のタイプ(たとえば、融剤、コーティング剤、着色剤など)、印刷剤の色、及び噴射される印刷剤の意図された体積(ないし量)のうちの少なくとも1つに基づいて、意図された印刷剤噴射の後に得られた液滴検出器信号と畳み込みを行うための少なくとも1つの印刷剤噴射シグネチャーを選択する。この例では、選択モジュール504は、印刷剤のタイプ、及び、該当する場合には、噴射することが意図されていた色、及び噴射することが意図されていた印刷剤の体積(ないし量)に適合(ないし合致)する全ての印刷剤噴射シグネチャーを選択する。
【0034】
この例では、コンボリューションモジュール114は、液滴検出器信号と選択された任意の及び全ての印刷剤噴射シグネチャーとの畳み込みを行って、液滴検出器信号がどの印刷剤噴射シグネチャーに最も類似するかを識別(特定)する。このようにして、印刷剤の噴射を、正常、存在しない、または異常として特徴付けることができる。「異常」状態は、最良の合致(ベストマッチ)がオフセットした(ずれた)噴射角度に関連するシグネチャーに対するものである場合に判定(ないし決定)されうる。このシグネチャーによってモデル化される異常を、噴射イベントに、したがって噴射イベントを起こしたノズルに、関連付けることができる。
【0035】
そのような判定ないし決定を、ノズル評価モジュール506によって行うことができ、該モジュールは、コンボリューションモジュール114の出力から得られた類似度の指示を決定し、及び、該類似度の指示から、印刷剤を噴射したノズルの動作状態の指示を決定する。
【0036】
該畳み込みを実行するために、(1以上の)選択された印刷剤噴射シグネチャーが正規化されている場合には、液滴検出器信号を(符号を考慮することなく)最大の絶対数で割ることによって(該液滴検出器信号を)正規化して、最大限−1〜+1の範囲内で変わる信号を得ることができる。
【0037】
(いくつかの例では正規化されている)液滴検出器信号と(いくつかの例では正規化されている)選択された印刷剤噴射シグネチャーとの畳み込みを行うことができる。この畳み込み処理を、たとえば、時間領域または周波数領域で行うことができる。時間領域では、畳み込み処理は直接実行される。周波数領域では、畳み込み処理は、それぞれの信号の高速フーリエ変換(FFT)を計算して、その結果を乗算することによって実行される。両方の信号が乗算されると、逆FFT(IFFT)を計算することによって、結果を時間領域に変換することができる。時間領域の代わりに周波数領域を用いることによって、計算資源の使用を低減することができる。
【0038】
該畳み込みの結果を用いて、該信号と、(該信号と比較される)該印刷剤噴射シグネチャーとの間の類似度の指示を決定することができる。
【0039】
いくつかの例では、ピーク高さを用いて類似度の指示を決定することができる。たとえば、信号強度を、畳み込みされた出力において識別されたピークの高さに基づくものとすることができる。たとえば、該畳み込みされた出力において識別されたピークがある閾値高さよりも大きい場合には、液滴検出器信号と与えられたシグネチャーを合致すると宣言することができる。別の例では、いくつかの畳み込みを実行することができ、及び、ある閾値を上回る最大のピークを有する該畳み込みの出力を最も類似するものであると宣言することができ、したがって、噴射イベントは、該シグネチャーが生成された条件(たとえばノズル方向)に関連付けられた特性を有していると結論付けることができる。良好な動作状態のノズルについて記録されたシグネチャーとの高いレベルの類似度が判定ないし決定された場合には、試験対象のノズルを、良好な動作状態にあるものと判定することができる。逆に、ピークがある閾値高さを下回っている場合には、該ノズルを、不良動作状態にあるものと判定することができる。
【0040】
別の例では、閾値に基づくのではなく、較正(キャリブレーション)データセットを用いてニューラルネットワークをトレーニングして、ノズル状態の決定(ないし判定)を改善することができる。いくつかの例では、ニューラルネットワークを、(たとえば製造プロセスの一部として実行される)キャリブレーション試験中に得られた同じ信号を用いてトレーニングして、該信号の畳み込み(フィルタリング)の後に、該検出が、特定の組の印刷剤、特定の数の液滴、及び(較正と類似度の指示の決定との両方で使用できる液滴検出器104及び処理回路108、502を含む)特定の液滴検出器ハードウエアに固有ものであることを確実にすることができる。
【0041】
図6Aは、図4に示されているシグネチャーの正規化されたバージョンと、最初の実際の液滴イベント(具体的には、図3Aのグラフに記録されている液滴イベント)を記録している液滴検出器信号との畳み込みの結果の1例を示している。図6Bは、図4に示されているシグネチャーの正規化されたバージョンと、2番目の実際の液滴イベント(具体的には、図3Bのグラフに記録されている液滴イベント)を記録している液滴検出器信号との畳み込みの結果の1例を示している。図6Cは、図4に示されているシグネチャーの正規化されたバージョンと、図3Cに示されている雑音(ノイズ)信号との畳み込みの結果の1例を示している。これらの図は、たとえば、コンボリューションモジュール114の出力の例を提供することができる。
【0042】
図6Aでは、最大のピークは、約1.8の(類似度パラメータを提供するために使用することができる)高さを有している。これは、高いレベルの類似度を示しており、したがって、この噴射イベントは、良好な動作状態にある完全に機能しているノズルから生じたと結論付けることができる。図6Bでは、類似度パラメータは約1.2である。これは、より低いレベルの類似度を示しており、したがって、この噴射イベントは、不良動作状態にあるノズルから生じたと結論付けることができる。しかしながら、類似度パラメータが所定の範囲内にある場合には、噴射イベントが、意図されたものではないものの、起こったと決定することができ、または、電気雑音が該信号を乱した(ないし妨害した)可能性があると決定することができる。図6Cでは、類似度パラメータは約0.5である。これは、低いレベルの類似度を示しており、したがって、噴射イベントは失敗し、それゆえ、ノズルは故障した状態にあると結論付けることができる。
【0043】
理解されるように、この例では、最大の類似度パラメータを用いて、液滴検出器信号とシグネチャーとの間の最良の合致を識別(特定)することができる。特定の液滴検出器信号が複数のシグネチャー(たとえば、異なる噴射条件に関連するシグネチャー)と畳み込みされた場合も同様である。類似度パラメータのいくつかの例を上記したが、ノズルの動作状態を決定するために使用される閾値は、たとえば、印刷剤の色やタイプ(種類)などに基づいて変わりうる。
【0044】
このようにして、印刷装置500が、かなりの電気雑音がある環境で動作している場合でも、ノズル状態の正確な決定を行うことができ、これは、画像品質の向上をもたらしうる。
【0045】
図7は、コンピュータによって実施される方法とすることができる方法の1例を示しており、該方法は、ブロック702において、プリントヘッドノズルから噴射されたある量の印刷剤の通過を検出するために、検出器(たとえば液滴検出器)からの信号を取得することを含む。該信号は、プリントヘッドノズルから噴射されたある量の印刷剤の通過を検出することができる検出器からのものであるが、実際の信号は、(たとえばノズルが故障しているために)検出すべき印刷剤がなかったときに該検出器によって取得されたものであるかもしれないことに留意されたい。ブロック704は、該取得された信号とモデル印刷剤通過信号(たとえば基準となるまたは典型的な印刷剤通過信号)との畳み込みを行うことによって該取得された信号をフィルタリングすることを含む。該モデル印刷剤通過信号は、たとえば、上記の印刷剤噴射シグネチャーを含むことができる。ブロック706は、該フィルタリングされた信号に基づいて、プリントヘッドノズルの動作状態の指示を決定することを含む。
【0046】
図8は、コンピュータによって実施される方法とすることができる方法の1例を示している。該方法は、図7に関して説明したブロック702を含む。ブロック802は、意図された印刷剤噴射の印刷剤の少なくとも1つの特性に基づいて、複数のモデル印刷剤通過信号から少なくとも1つのモデル印刷剤通過信号を選択することを含む。1つのモデル印刷剤通過信号が選択された場合には、ブロック804は、該選択されたモデル印刷剤通過信号を用いてフィルタリングされた信号を決定することを含む。2以上のモデル印刷剤通過信号が選択された場合には、ブロック806は、該選択されたモデル印刷剤通過信号を用いてフィルタリングされた信号を決定することを含み、及び、ブロック808は、該取得された信号に最も近い(または最も良く合致ないし適合する)モデル印刷剤通過信号を識別することを含む。いくつかの例では、この信号を、信号強度が所定の閾値を満たす最も近い(または最も良く合致ないし適合する)ものとすることができる。
【0047】
図9は、命令を含んでいる有形の機械可読媒体900の1例を示しており、該命令は、プロセッサ902によって実行されると、該プロセッサ902に、(i)噴射イベント時にプリントヘッドによって供給(たとえば噴射)される印刷剤の特性を決定するステップ、(ii)その特性を有する印刷剤噴射シグネチャーを識別するステップ、(iii)ある量の印刷剤を噴射することを試みた後で液滴検出器出力信号を取得するステップ、及び(iv)該印刷剤噴射シグネチャーと該液滴検出器出力信号との畳み込みを行うことによって、該噴射イベントの成功の指示を決定するステップを実行させる。該成功の指示を、たとえば、肯定、否定、または中間とすることができ、及び、該印刷剤噴射シグネチャーと該液滴検出器出力信号との類似度の尺度に基づくものとすることができる。いくつかの例では、機械可読媒体900はデータストア(またはデータ記憶装置)を含むことができる。該データストアは、複数の印刷剤噴射シグネチャーを格納することができ、それぞれの印刷剤噴射シグネチャーは、少なくとも1つの特性に関連付けられており、少なくとも1つの特性には、印刷剤のタイプ(種類)、印刷剤の色、及び、印刷剤の体積(ないし量)のうちの少なくとも1つが含まれる。いくつかの例では、該データストアは、共通の1組の特性に関連付けられた複数の印刷剤噴射シグネチャーを格納することができる。それらの印刷剤噴射シグネチャーは、たとえば、それらが、互いに異なる印刷剤噴射条件(たとえば異なる噴射角度など)を表している点で互いに異なりうる。該データストアを、記憶装置(メモリ)、たとえば図1または図5に関して述べた記憶装置106から構成することができる。
【0048】
本開示の例を、方法、システム、または、機械可読命令と該命令を実行するための処理回路の組み合わせとして、少なくとも部分的に提供することができる。そのような機械可読命令を、コンピュータ可読プログラムコードを有する(ディスク記憶装置、CD−ROM、光学式記憶装置などを含むがこれらには限定されない)コンピュータ可読記憶媒体に含めることができる。
【0049】
本開示は、本開示の例にしたがう方法、装置、及びシステムのフローチャート及びブロック図を参照して説明されている。上記のフローチャートは、実行の特定の順番を示しているが、実行の順番は、図示のものと異なっていてもよい。1つのフローチャートに関して説明したブロックを、別のフローチャートのブロックと組み合わせることができる。それらのフローチャート及び/又はブロック図内のいくつかのフロー(流れ)及び/又はブロック、並びに、それらのフローチャート及び/又はブロック図内のそれらのフロー(流れ)及び/又はブロックの組み合わせを、処理回路と組み合わせて機械可読命令によって実現できることが理解されるべきである。
【0050】
それらの機械可読命令を、たとえば、説明及び図示されている機能を実現するための汎用コンピュータ、専用コンピュータ、組み込みプロセッサ、またはその他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサによって実行することができる。具体的には、プロセッサまたは処理装置は、それらの機械可読命令を実行することができる。したがって、該装置の機能モジュール(たとえば、コンボリューションモジュール114、選択モジュール504、及びノズル評価モジュール506)を、記憶装置(メモリ)に格納されている機械可読命令を実行するプロセッサ、または、論理回路に組み込まれた命令にしたがって動作するプロセッサによって実施することができる。「プロセッサ」という用語は、CPU、処理装置、ASIC、論理演算装置、またはプログラマブル(プログラム可能な)ゲートアレイなどを含むものとして広く解釈されるべきである。該方法及び機能モジュールを全て、単一のプロセッサによって、またはいくつかのプロセッサ間で分割して実行することができる。
【0051】
そのような機械可読命令をコンピュータ可読記憶装置に格納して、特定のモードで動作するようにコンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置を制御することもできる。
【0052】
そのような機械可読命令をコンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置にロードして、該コンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置が、コンピュータによって実施される処理をもたらすための一連の動作を実行し、したがって、該コンピュータまたは他のプログラム可能な装置で実行される命令が、該フローチャート内の(1以上の)フロー及び/又は該ブロック図内の(1以上の)グロックによって指定される機能を実現するようにすることもできる。
【0053】
さらに、開示した教示を、コンピュータソフトウェア製品の形態で実施(ないし実装)することができ、この場合、該コンピュータソフトウェア製品は、記憶媒体に格納され、及び、コンピュータ装置に本開示の例で述べた方法を実施させるための複数の命令を含んでいる。
【0054】
該方法、装置、及び関連する側面をいくつかの例に関して説明したが、本開示の思想から逸脱することなく、種々の修正、変更、省略、及び置換を行うことができる。したがって、該方法、装置、及び関連する側面は、特許請求の範囲及びその等価物によってのみ限定されることが意図されている。上記の例は、例示であって、本明細書及び/又は図面に記載されているものを限定するものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、多くの実施例を設計できることに留意すべきである。ある1つの例に関して記述された特徴を他の例の特徴と組み合わせることができる。
【0055】
「を含む」(または「を備える」)という用語は、特許請求の範囲に記載されている要素以外の要素の存在を排除するものではなく、「ある」という用語は複数の場合を排除するものではなく、及び、単一のプロセッサまたは他の装置(ユニット)は、特許請求の範囲に記載されているいくつかの装置(ユニット)の機能を実現することができる。
【0056】
任意の従属請求項の特徴を、任意の独立請求項または他の従属請求項の特徴と組み合わせることができる。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図7
図8
図9