(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
[概略]
図1は、配信システム20が接続されるネットワーク構成を表すネットワーク構成図である。配信システム20は、ネットワークを介して複数の発信者装置10及び複数のユーザ端末30と通信可能に接続される。配信システム20が接続されるネットワーク構成によって実行される処理の概略について説明する。
【0013】
まず、ユーザ端末30に情報が提供される際の処理の概略について説明する。発信者装置10は、情報を発信する者(発信者)によって利用される装置である。発信者装置10は、発信者によって提供される情報(以下、「提供情報」という。)を、ネットワークを介して配信システム20に送信する。
配信システム20は、各ユーザ端末30のユーザの属性情報の値を記憶している。配信システム20は、発信者装置10から提供情報を受信し、提供情報の配信先となるユーザ端末30を属性情報の値に基づいて決定する。そして、配信システム20は、配信先として決定された各ユーザ端末30に対して提供情報を配信する。そのため、発信者装置10において属性情報を管理しなくとも、属性情報に応じた配信先を決定することが可能となる。
【0014】
次に、ユーザ端末30によって属性情報が更新される際の処理の概略について説明する。ユーザ端末30は、任意のタイミングで属性情報の新たな値を配信システム20に送信する。配信システム20は、記憶している属性情報の値を、ユーザ端末30から受信した属性情報の値で書き換える。そのため、ユーザはユーザ端末30を操作することによって、配信システム20に登録されている自身の属性情報を更新することが可能である。
【0015】
[詳細]
以下、本実施形態の詳細について説明する。
図2は、配信システム20の機能構成を示す概略ブロック図である。配信システム20は、1台又は複数台の情報処理装置によって構成される。例えば、配信システム20が一台の情報処理装置で構成される場合、情報処理装置は、バスで接続されたCPU(Central Processing Unit)やメモリや補助記憶装置などを備え、配信プログラムを実行する。配信プログラムの実行によって、情報処理装置は、通信部201、属性記憶部202、配信先決定部203、宛先情報記憶部204、配信部205及び更新部206を備える装置として機能する。なお、配信システム20の各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されてもよい。また、配信システム20は、専用のハードウェアによって実現されてもよい。配信プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM、半導体記憶装置(例えばSSD:Solid State Drive)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスクや半導体記憶装置等の記憶装置である。配信プログラムは、電気通信回線を介して提供されてもよい。
【0016】
通信部201は、ネットワークインタフェース装置を用いて構成される。通信部201は、ネットワークを介して発信者装置10及びユーザ端末30とデータを送受信する。通信部201は、例えば発信者装置10から配信要求を受信する。配信要求は、提供情報及び属性条件を含む。提供情報は、上述したように発信者によって提供される情報である。属性条件は、提供情報の配信先となるユーザの属性情報に関する条件を示す。属性条件は、所定の個人情報を含まないように構成されても良い。所定の個人情報とは、個人情報に含まれる全ての情報であっても良いし、個人情報に含まれる情報のうち予め定められた一部の情報であっても良い。所定の個人情報とは、例えば、氏名、本籍、住所、生年月日、銀行口座番号のように、他人に知られることによって重大な損害が生じる可能性のある情報であっても良い。所定の個人情報とは、例えば、電話番号、メールアドレスや各種ID等のようにユーザが提供情報の配信元に知られたくないと考える情報であっても良い。通信部201は、例えばユーザ端末30から更新要求を受信する。更新要求は、ユーザID、属性項目名及び属性値を含む。
【0017】
属性記憶部202は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などの記憶装置を用いて構成される。属性記憶部202は、ユーザ端末30のユーザの属性情報を表す値(以下、「属性値」という。)を、ユーザの識別情報(ユーザID)毎に記憶する。属性情報には複数の種類があり、各種類を属性項目という。例えば、属性情報の種類として年齢及び性別が存在する場合、年齢、性別はそれぞれ属性項目である。各属性項目には、1又は複数の値(属性値)が設定される。例えば、25歳の男性ユーザの属性情報では、属性項目“年齢”の属性値として“25”が設定され、属性項目“性別”の属性値として“男性”が設定される。以下、1つのユーザIDと、このユーザIDによって表されるユーザに関する1又は複数の属性値と、の組み合わせをレコードと呼ぶ。
【0018】
図3は、レコードの具体例を表す図である。レコード90は、ユーザIDと、1又は複数の属性値とを有する。属性情報は、過去・現在・未来の状態や行動履歴や選択結果などユーザに関する様々な情報を表す。
図3には、属性項目の具体例として、年齢、性別、端末種別、位置情報、チャネルの選択結果が示されている。年齢及び性別は、それぞれユーザの年齢及び性別を表す。端末種別は、ユーザが使用しているユーザ端末30の種別を表す。端末種別として、例えばユーザ端末30上で動作しているOS(Operating System)の種別や、ユーザ端末30上で利用されている言語の種別、ユーザ端末30の型番などが設定される。属性情報として、ユーザ端末30のセンサー304によって取得される情報が含まれても良い。例えば、現在位置、周囲の温度、湿度、明るさ、加速度、傾き等の値が属性項目としてレコード90に登録されても良い。
【0019】
位置情報は、ユーザに関する位置の情報を示す。位置情報は、例えばユーザの現在の位置や、ユーザが居住している位置や、ユーザの出身地などを表す。ユーザの現在の位置として、ユーザ端末30によって測定された現在位置が用いられてもよい。位置情報は、緯度及び経度の値によって表されてもよいし、行政区分の名称によって表されてもよいし、他の値で表されてもよい。チャネルの選択結果は、予め規定されている1又は複数の情報配信ルート(チャネル)について、ユーザによってそのチャネルでの情報取得が選択されているか否かを示す。
【0020】
図2に戻って配信システム20の説明を続ける。
配信先決定部203は、発信者装置10によって送信された配信要求に含まれる属性条件を満たすユーザを、配信要求に含まれる提供情報の配信先として決定する。例えば、配信先決定部203は以下のように動作する。配信先決定部203は、通信部201によって受信された配信要求から、属性条件を抽出する。配信先決定部203は、属性記憶部202に記憶されているレコードの各属性値を参照し、抽出された属性条件を満たす属性値を有するレコードを選択する。配信先決定部203は、選択されたレコードのユーザIDを読み出し、読み出されたユーザIDを配信部205へ通知する。なお、属性条件は、1又は複数の属性値が一致することとして設定されてもよいし、1又は複数の属性値が一致しないこととして設定されてもよいし、1又は複数の属性値が所定の範囲内(又は範囲外)にあることとして設定されてもよいし、他の形態で設定されてもよい。
【0021】
宛先情報記憶部204は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などの記憶装置を用いて構成される。宛先情報記憶部204は、各ユーザのユーザ端末30に設定されている宛先情報を記憶する。
図4は、宛先情報記憶部204が記憶する情報の具体例を示す図である。宛先情報記憶部204は、例えばユーザID毎に宛先情報を対応付けて記憶する。宛先情報は、提供情報をユーザ端末30に対してネットワークを介して送信する際に宛先を示す情報として使用される。宛先情報は、例えばユーザ端末30のIPアドレスであってもよいし、ユーザ端末30のユーザが利用しているメールアドレスであってもよいし、他の情報であってもよい。
【0022】
図2に戻って配信システム20の説明を続ける。
配信部205は、通信部201が配信要求を受信すると、受信された配信要求に含まれる属性条件を配信先決定部203に渡すことによって、配信先となるユーザIDを問い合わせる。配信部205は、配信先決定部203から通知されたユーザIDに対応する宛先情報を宛先情報記憶部204から読み出す。配信部205は、読み出された宛先情報に対し、通信部201によって受信された配信要求に含まれる提供情報を、通信部201を介して送信する。
【0023】
更新部206は、ユーザ端末30から送信された更新要求に応じて、属性記憶部202に記憶されている属性値を更新する。例えば、更新部206は以下のように動作する。通信部201が更新要求を受信すると、更新部206は受信された更新要求からユーザID、属性項目名及び属性値を抽出する。更新部206は、属性記憶部202に記憶されている複数のレコードの中から、抽出されたユーザIDに対応するレコードを検索する。更新部206は、検索されたレコードに含まれる複数の属性値のうち、抽出された属性項目名に該当する属性値を、抽出された属性値で書き換える。以上の処理によって属性値が更新される。
【0024】
図5は、ユーザ端末30の機能構成を示す概略ブロック図である。ユーザ端末30は、通信可能な情報処理装置であり、例えば携帯電話機、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ、固定電話機、テレビ受像機、ゲーム装置、家電装置などである。ユーザ端末30は、バスで接続されたCPUやメモリや補助記憶装置などを備え、制御プログラムを実行することによって通信部301、入力部302、出力部303、センサー304及び制御部305を備える装置として機能する。なお、ユーザ端末30の各機能の全て又は一部は、ASICやPLDやFPGA等のハードウェアを用いて実現されてもよい。制御プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。制御プログラムは、電気通信回線を介して提供されてもよい。
【0025】
通信部301は、ネットワークインタフェース装置を用いて構成される。通信部301は、ネットワークを介して配信システム20とデータを送受信する。通信部301は、例えば配信システム20から提供情報を受信する。
【0026】
入力部302は、キーボード、ポインティングデバイス(マウス、タブレット等)、ボタン、タッチパネル等の既存の入力装置を用いて構成される。入力部302は、ユーザの指示をユーザ端末30に入力する際にユーザによって操作される。入力部302は、入力装置をユーザ端末30に接続するためのインタフェースであってもよい。この場合、入力部302は、入力装置においてユーザの入力に応じ生成された入力信号をユーザ端末30に入力する。
【0027】
出力部303は、ユーザ端末30に設けられた又は接続された出力装置を介し、ユーザ端末30のユーザに対してデータの出力を行う。出力装置は、例えば画像や文字を画面に出力する装置を用いて構成されてもよい。この場合、出力装置は、CRT(Cathode Ray Tube)や液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescent)ディスプレイ等を用いて構成できる。また、出力装置は、画像や文字をシートに印刷(印字)する装置を用いて構成されてもよい。この場合、出力装置は、インクジェットプリンタやレーザープリンタ等を用いて構成できる。また、出力装置は、文字を音声に変換して出力する装置を用いて構成されてもよい。この場合、出力装置は、音声合成装置及び音声出力装置(スピーカー)を用いて構成できる。また、出力装置は、ユーザの触覚、味覚、嗅覚のいずれか1つ又は複数に刺激を与える装置を用いて構成されてもよい。この場合、出力装置は、バイブレータ、臭気発生装置、味発生装置などの装置を用いて構成できる。
【0028】
センサー304は、属性情報として配信システム20に記憶されている情報を取得するセンサーである。センサー304は、例えばGPS(Global Positioning System)等の測位システムによって現在位置を取得するセンサーであってもよい。センサー304は、周囲の温度や湿度や明るさなどの環境値を取得するセンサーであってもよい。センサー304は、加速度や傾きなどを検出するセンサーであってもよい。センサー304は、1台のユーザ端末30に複数台設けられてもよい。
【0029】
制御部305は、ユーザ端末30の動作を制御する。制御部305は、例えば通信部301がネットワークを介して提供情報を受信すると、受信された提供情報を出力部303を介して出力する。制御部305は、更新要求のタイミングであると判断すると、更新要求を配信システム20へ送信する。具体的には、制御部305は、ユーザのユーザID、更新対象となる属性項目名、新たな属性値を取得する。そして、制御部305は、取得した各値を含む更新要求を生成し、通信部301を介して配信システム20に更新要求を送信する。
【0030】
制御部305が更新要求を送信するタイミングは、どのように設定されても良い。例えば、ユーザが入力部302を介して属性情報の更新処理の実行を指示したタイミングであってもよい。例えば、予め設定されている周期が到来したタイミングであってもよい。例えば、予め設定されている日時が到来したタイミングであってもよい。例えば、センサー304によって検出された値が、それまでに検出されていた値と異なったタイミングであってもよい。
【0031】
図6は、発信者装置10からユーザ端末30へ提供情報が伝送される際の処理の流れを示すシーケンス図である。まず、発信者装置10が提供情報を取得する(ステップS101)。提供情報の取得はどのような処理によって行われてもよい。例えば、発信者が発信者装置10を操作して提供情報を入力することによって、発信者装置10が提供情報を取得しても良い。例えば、発信者装置10が他の情報処理装置から提供情報のデータを受信することによって、提供情報が取得されても良い。
【0032】
次に、発信者装置10が、ステップS101において取得された提供情報の配信先を示す属性条件を取得する(ステップS102)。属性条件の取得はどのような処理によって行われてもよい。例えば、発信者が発信者装置10を操作して属性条件を入力することによって、発信者装置10が属性条件を取得しても良い。例えば、発信者装置10が他の情報処理装置から属性条件のデータを受信することによって、属性条件が取得されても良い。例えば、属性条件を予め記憶している記憶装置から発信者装置10が属性条件を読み出すことによって、属性条件が取得されても良い。
【0033】
次に、発信者装置10が、ステップS101及びステップS102において取得された提供情報及び属性条件を含む配信要求を生成する(ステップS103)。そして、発信者装置10が、生成された配信要求を配信システム20へ送信する(ステップS104)。
【0034】
配信システム20の通信部201は、ネットワークを介して発信者装置10から配信要求を受信する。配信部205は、受信された配信要求から属性条件を抽出する(ステップS105)。次に、配信部205は、抽出された属性条件を配信先決定部203に渡すことによって、配信先となるユーザIDを問い合わせる。配信先決定部203は、配信部205から属性条件を受けると、属性記憶部202を参照し属性条件を満たすユーザを配信先として決定する(ステップS106)。配信先決定部203は、配信先として決定したユーザを示すユーザIDを配信部205へ出力する。配信部205は、宛先情報記憶部204を参照し、配信先決定部203から出力されたユーザIDの宛先情報を取得する(ステップS107)。そして、配信部205は、配信要求に含まれていた提供情報を、ステップS107において取得した各宛先情報に対して送信する(ステップS108)。
【0035】
ユーザ端末30の通信部301は、ネットワークを介して配信システム20から提供情報を受信する。制御部305は、通信部301がネットワークを介して提供情報を受信すると、受信された提供情報を出力部303を介して出力する。(ステップS109)。
【0036】
なお、配信部205が行う送信処理(ステップS107及びS108)は、例えば以下のように行われても良い。
ユーザ端末30の制御部305は、配信システム20から提供情報を受信するアプリケーションが起動された時点で、ネットワークを介して配信システム20の配信部205との間でコネクションを確立する。配信部205は、コネクションが確立される度に、その時点で確立しているコネクションに関する情報が登録されたコネクションテーブルを更新する。コネクションテーブルには、コネクションが確立されているユーザ端末30に対応するユーザIDが登録されている。配信部205は、配信先決定部203から出力されたユーザIDのうち、コネクションテーブルに登録されている(その時点でコネクションが確立している)ユーザIDを選択する。そして、配信部205は、宛先情報記憶部204を参照し、選択された各ユーザIDの宛先情報を取得し、提供情報を送信する。
【0037】
図7は、ユーザ端末30によって属性値が更新される際の処理の流れを示すシーケンス図である。まず、ユーザ端末30が新たな属性値を取得する(ステップS201)。新たな属性値の取得はどのような処理によって行われてもよい。例えば、ユーザがユーザ端末30を操作して新たな属性値を入力することによって、ユーザ端末30が新たな属性値を取得しても良い。例えば、ユーザ端末30のセンサー304が新たな属性値を取得しても良い。
【0038】
次に、ユーザ端末30の制御部305は、ステップS201において取得された新たな属性値を含む更新要求を生成する(ステップS202)。このとき、制御部305は、更新要求に対して、自装置(ユーザ端末30)を利用しているユーザのユーザIDと、取得された属性値の属性項目名と、をさらに格納する。そして、ユーザ端末30の通信部301が、生成された更新要求を配信システム20へ送信する(ステップS203)。
【0039】
配信システム20の通信部201は、ネットワークを介してユーザ端末30から更新要求を受信する。更新部206は、受信された更新要求からユーザID、属性項目名及び属性値を抽出する(ステップS204〜S206)。次に、更新部206は、属性記憶部202を参照し、抽出されたユーザIDのレコードを検索する。更新部206は、検索されたレコードに登録されている複数の属性値のうち、更新要求から抽出された属性項目名の属性値を、新たな属性値を用いて更新する(ステップS207)。
【0040】
このように構成された配信システム20では、配信システム20が各ユーザの属性情報を管理し、提供情報毎に属性条件に基づいて配信先を決定し配信する。そのため、発信者においてユーザの属性情報を管理する必要が生じない。さらに、発信者においてユーザの属性情報に基づいた配信先を決定する必要も生じない。
【0041】
また、従来は、位置情報のように頻繁に変化が発生する属性情報に基づいて配信先を決定するためには、発信者は相応のコストを掛けてサーバの設置や保守・管理を行わなければならないという問題があった。また、属性情報のうち個人情報のように保護が法律で規定されている情報については、発信者は規定に沿った形で相応のコストを掛けてサーバの設置や保守・管理を行わなければならないという問題があった。このような問題に対し、配信システム20では、ユーザ端末30から受信した更新要求に基づいて更新部206が属性値の更新を行う。そのため、発信者は、属性情報(所定の個人情報を含む)を管理するためのサーバの設置や保守・管理を行う必要が無く、コストや労力を削減することが可能となる。そのため、提供情報の発信を希望する者(発信者)に対し、提供情報をユーザに発信するという事業への参入の敷居を下げることが可能となる。また、発信者は、上記のような所定の個人情報を知得することなく、配信先を指定する条件(属性条件)を定めることが可能となる。
【0042】
また、配信システム20において、各ユーザの属性情報は属性記憶部202において一元的に管理される。そのため、複数の発信者によって利用される属性情報を汎用化、共有化することが可能となる。したがって、各ユーザの属性情報を管理するための設備リソースの効率化を図ることが可能となる。
【0043】
また、従来は、ユーザにとっての信用が十分ではない者が発信者である場合、発信者が入手できる属性情報には限りが生じてしまうという問題があった。例えば、大企業はユーザにとっての信用も十分であるため、ユーザの勤務先や現在位置などの属性情報をユーザから取得できる可能性が高い。一方、ベンチャー企業はユーザにとっての信用が十分ではないため、属性情報をユーザから取得できない場合がある。このような問題に対し、ユーザにとっての信用がある者が配信システム20を運営することによって、発信者は自身のみであれば入手できないような属性情報に基づいて配信先となるユーザを選択し、効率よく情報を提供することが可能となる。
【0044】
また、配信システム20に対し、ユーザはユーザ端末30を用いて任意のタイミングで任意の属性情報を更新することが可能である。そのため、ユーザは自信の判断で所望の属性情報を配信システム20に設定することが可能となる。例えば、属性情報のうち年齢及び性別については登録しても良いが位置情報については登録したくないとユーザが考えている場合、そのような希望に添った形で属性情報を配信システム20に登録することが可能となる。また、上述の通り任意のタイミングで属性情報を更新可能であるため、更新に従って配信先が動的に変化する。したがって、より適した配信先に対して提供情報を配信することが可能となる。
【0045】
また、従来は、ユーザは発信者毎に自身の属性情報を設定する必要があり、属性情報の設定や更新が煩雑であった。このような問題に対し、配信システム20では、ユーザは配信システム20に対して一元的に属性情報を設定すれば良い。そのため、属性情報の設定作業や管理の簡易化を図ることができる。
【0046】
<変形例>
発信者は、属性条件として複数の属性項目名を設定しても良い。このように構成された場合、配信先決定部203は、複数の属性項目全てについて属性値が条件を満たしているレコードのユーザIDを検索する。そのため、発信者は、複数の属性情報の組み合わせによって定義される条件を設定することによって、より精度良く提供情報の配信先を選別することが可能となる。
【0047】
図8は、属性記憶部202に記憶される情報の変形例を示す図である。属性記憶部202は、
図8に示されるように、発信者毎に、各ユーザの属性情報を記憶しても良い。このとき、発信者毎に、ユーザIDに対応付けられる属性項目の組み合わせが異なっても良い。例えば、発信者IDがD001である発信者に関しては、各ユーザID毎に[年齢、性別、端末種別、Aチャネルについての選択結果]の属性値が登録されている。これに対し、発信者IDがD002である発信者に関しては、各ユーザID毎に[年齢、性別、位置情報、Bチャネルについての選択結果、Cチャネルについての選択結果]の属性値が登録されても良い。属性記憶部202にといてどの属性項目についての属性値を登録するかは、各発信者によって決定されても良い。
このように構成されることによって、発信者毎に発信者の希望に添った属性値に基づいて配信先を決定することが可能となる。
【0048】
図9は、上述した配信システム20の変形例を示す図である。
図9に示されるシステムは、配信先決定システム20aとして構成されている。
配信先決定システム20aは、宛先情報記憶部204及び配信部205を備えない。配信先決定システム20aに接続される発信者装置10は、宛先情報記憶部204及び配信部205を備える。配信先決定システム20aは、発信者装置10から配信要求として属性条件を受信する。配信先決定システム20aの配信先決定部203は、受信された属性条件に応じたユーザID(配信先)を決定すると、配信先として決定されたユーザIDを発信者装置10へ送信する。発信者装置10の配信部205は、配信先決定システム20aによって決定されたユーザIDに対応する宛先に対して提供情報を送信する。この場合、ユーザ端末30は、各発信者装置10との間でコネクションを確立しておく。
このように構成された配信先決定システム20aによっても、上述した配信システム20とほぼ同様の効果を得ることが可能である。
【0049】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。