(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ボス部の1つのみが前記切欠きに嵌合した状態で、前記突起部を前記突出状態とすることで、前記フォーマベースは、前記切欠きに嵌合した前記ボス部周りに前記戴置台上を回転可能に前記戴置台と連結される、
請求項4に記載の製袋包装機。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下図面を参照しながら、本発明の一実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の具体例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0022】
なお、以下の説明では、方向や位置関係等を説明するために、垂直、直交、水平等の表現を用いる場合があるが、これは厳密に垂直、直交、水平等である場合だけではなく、実質的に垂直、直交、水平等である場合を含む。また、以下の説明では、同一もしくはこれに類する表現を用いる場合があるが、これは厳密に同一である場合だけではなく、実質的に同一である場合を含む。
【0023】
(1)全体構成
図1は、本発明の一実施形態に係る製袋包装機100の斜視図である。
図2は、製袋包装機100の平面図である。
図3は、製袋包装機100の概略側面図である。
【0024】
製袋包装機100は、フィルムロール保持部80、ガイドローラ20、フォーマ本体31およびチューブ32を有するフォーマユニット30、フォーマユニット30が戴置される戴置台90、搬送ベルト40、縦シール機構50、および横シール機構60を有する(
図2および
図3参照)。
【0025】
製袋包装機100は、フィルムから袋状の包装材を製袋し、内部に物品Cが収容された袋Bを作る装置である。物品Cは、例えばポテトチップスであるが、これに限定されるものではない。物品Cは、例えば、製袋包装機100の上方に設置された組合せ計量機(図示せず)から供給される。
【0026】
製袋包装機100は、概ね以下のような流れで、物品Cが収容された袋Bを作る(
図3参照)。
【0027】
フィルムロール保持部80は、包装材の材料となるシート状のフィルムFが巻き回されたフィルムロールRを保持する。フィルムロールRから引き出されたシート状のフィルムFは、搬送ベルト40により搬送される。シート状のフィルムFは、複数のローラにガイドされ、最終的にガイドローラ20にガイドされてフォーマ本体31へと搬送される。フォーマ本体31では、シート状のフィルムFが筒状に成形され、筒状フィルムFtとなる。筒状フィルムFtは、搬送ベルト40により下方に搬送され、フォーマ本体31の下方に配置された縦シール機構50により筒状フィルムFtの重なり部分が縦方向にシールされる。縦シール機構50により縦方向にシールされた筒状フィルムFtは、搬送ベルト40により更に下方に搬送され、縦シール機構50の下方に配置された横シール機構60により、横方向に(筒状フィルムFtの搬送方向と直交する方向に)シールされる。さらに、横シール機構60では、筒状フィルムFtの横シール部分が、筒状フィルムFtの搬送方向における中央部で横方向に切断され、上下端の封止された袋Bが製袋される。なお、袋Bとなる筒状フィルムFtの内部には、横シール機構60による筒状フィルムFtの封止前に、フォーマユニット30のチューブ32内を通って物品Cが供給される。その結果、製袋包装機100では、物品Cが収容された袋Bが作られる。
【0028】
製袋包装機100により作られた物品Cが収容された袋Bは、例えば、横シール機構60の下方に配置された図示されないコンベア等により、下流側の工程へと搬送される。
【0029】
(2)詳細構成
製袋包装機100の、フィルムロール保持部80、ガイドローラ20、フォーマユニット30、戴置台90、搬送ベルト40、縦シール機構50、および横シール機構60(
図2および
図3参照)について以下に説明する。
【0030】
以下の説明では、方向を表すために、「前(正面)」、「後(背面)」、「上」、「下」、「左」、「右」等の表現を使用する場合がある。ここでは、「前」、「後」、「上」、「下」、「左」、「右」は、
図2、
図3、
図5、
図7、および
図8に描画された矢印のように定義される。特記しない場合には、
図2、
図3、
図5、
図7、および
図8の定義に従って、「前」、「後」、「上」、「下」、「左」、「右」等の表現を使用する。また、以下の説明では、「上流」、「下流」という表現を使用する場合があるが、「上流」、「下流」はフィルム(フィルムFおよび筒状フィルムFt)の搬送方向を基準とする。
【0031】
(2−1)フィルムロール保持部
フィルムロール保持部80は、シート状のフィルムFが巻き芯に巻き回されたフィルムロールRを保持する機構である(
図1参照)。
【0032】
フィルムロール保持部80は、フィルムロールRの巻き芯が取り付けられた回転軸(図示せず)を回転させるモータ(図示せず)を有する。フィルムロール保持部80がモータを作動させることで、フィルムロールRからフィルムFが繰り出され、繰り出されたフィルムFは搬送ベルト40により搬送される。フィルムロールRから引き出されたフィルムFは、複数のローラにガイドされて、フォーマ本体31へと搬送される(
図3参照)。
【0033】
(2−2)ガイドローラ
ガイドローラ20は、回転自在のローラである。
【0034】
ガイドローラ20は、フォーマユニット30のフォーマ本体31の、フィルムFの搬送方向における上流側に配置される(
図3参照)。ガイドローラ20は、フォーマ本体31に隣接して配置されている。言い換えれば、搬送されてくるフィルムFは、フォーマ本体31へと搬送される直前に、ガイドローラ20によりガイドされる。ガイドローラ20は、フォーマ本体31へとシート状のフィルムFをガイドする。
【0035】
(2−3)フォーマユニット
フォーマユニット30は、主に、フォーマ本体31と、チューブ32と、ベース33と、を有する(
図2および
図4参照)。
【0036】
(2−3−1)フォーマ本体
フォーマ本体31は、ガイドローラ20にガイドされてフォーマ本体31へと搬送されてくるシート状のフィルムFを、フィルムFの左端部と右端部が重なるように曲げて筒状に成形する。つまり、フォーマ本体31は、搬送ベルト40により搬送されるシート状のフィルムFを、筒状フィルムFtに成形する。
【0037】
フォーマ本体31は、後述する円筒状のチューブ32を周方向に取り囲むように配置されている(
図2および
図4参照)。フォーマ本体31により成形された筒状フィルムFtは、円筒状のチューブ32の下部側の外周面に巻きつくように案内され、チューブ32に巻き付いた状態で下方に搬送される。
【0038】
(2−3−2)チューブ
チューブ32は、垂直方向に延び、上下の端部が開口した円筒状の部材である。チューブ32の上部は、上端側ほど径が大きくなる漏斗状に形成されている(
図4参照)。チューブ32の下部は、径が一様に形成されている(
図4参照)。
【0039】
チューブ32は、落下してくる物品Cを、上部の開口から受け入れる(
図3参照)。チューブ32の上部の開口から投入された物品Cは、チューブ32の内部を通過して、チューブ32の下部の開口から筒状フィルムFtの内部に供給される。
【0040】
(2−3−3)ベース
ベース33は、平板状の部材である(
図2および
図4参照)。
【0041】
ベース33は、フォーマベースの一例である。ベース33には、フォーマ本体31およびチューブ32が固定されている。上下方向に延びるチューブ32は、ベース33の中央部に形成された貫通穴33aに挿通された状態でベース33に固定されている(
図4参照)。言い換えれば、チューブ32は、ベース33に、ベース33をその厚み方向に貫くように取り付けられている(
図4参照)。フォーマ本体31は、ベース33の上方に、チューブ32を周方向に取り囲むように配置されている(
図4参照)。
【0042】
ベース33は、製袋包装機100の使用時には戴置台90に戴置され、戴置台90と連結される。
【0043】
ベース33には、戴置台90との連結のための構成として切欠き35が形成されている(
図4参照)。切欠き35は、ベース33の右後方部および左後方部にそれぞれ1箇所ずつ、計2箇所に形成されている(
図2参照)。
【0044】
切欠き35には、ベース33と戴置台90との連結時に、後述する戴置台90のボス部92が嵌合する。切欠き35およびボス部92は、ベース33を戴置台90と連結するための連結機構として機能する。
【0045】
また、切欠き35およびボス部92は、ベース33(フォーマユニット30)を戴置台90の所定の位置に取り付けるための位置合わせ機構として機能する。具体的には、ベース33を戴置台90に取り付ける際には、戴置台90のボス部92が、切欠き35の開口から内部へと(
図2では後方から前方へと)移動するようにベース33が動かされることで、ベース33が戴置台90上の所望の位置に導かれる。
【0046】
図5は、後述する戴置台90のボス部92が嵌合した切欠き35付近を拡大して描画した平面図である。特に、
図5は、ベース33の右後方部に設けられた切欠き35付近を拡大した平面図である。
図5では、図面の見やすさの観点から、戴置台90側の構成については二点鎖線で描画している。
【0047】
図5を用いて、ベース33の右後方部に設けられた切欠き35について詳細に説明する。なお、ベース33の左後方部に設けられた切欠き35は、左右対称に構成される点を除いて、ベース33の右後方部に設けられた切欠き35と同様であるため、ベース33の左後方部に設けられた切欠き35に関する説明は省略する。
【0048】
切欠き35は、後方側に開口している(
図5参照)。切欠き35は、平面視において、概ねU字状に形成されている(
図5参照)。より具体的には、切欠き35は、平面視において、
図5のように、その幅(左右方向の長さ)が後方側ほどやや広くなるように形成されている。切欠き35の開口側(後方側)の幅を広くすることで、ベース33の戴置台90への取り付け時に、戴置台90のボス部92を、切欠き35の開口から内部へと導くことが容易である。なお、ベース33の戴置台90への取り付け時には、ボス部92が切欠き35の最前部に配置された状態になるよう、作業員によりベース33が動かされる。
【0049】
切欠き35の後方側(開口側)は幅広に形成されているのに対し、切欠き35の前方側は、戴置台90の円筒状のボス部92と適合する形状に形成されている。具体的には、切欠き35の前方側は、切欠き35の最前部にボス部92が配置された状態で、ボス部92の前方側の外周面が切欠き35の前方側の切欠き面37(切欠き35の内面)と内接するよう、平面視において、ボス部92の外周面と径がほぼ同一の半円形状に形成されている(
図5参照)。なお、以下で、ボス部92が切欠き35に嵌合した状態という表現を用いる場合があるが、この状態は、ボス部92の前方側の外周面が、切欠き35の前方側の切欠き面37と内接した状態、言い換えれば、切欠き35の最前部にボス部92が配置された状態を意味するものとする。
【0050】
切欠き35は、平面視において外向きに凹む凹部36を有する(
図5参照)。具体的には、切欠き35(ベース33の右後方部に設けられた切欠き35)には、その右前方側に、平面視において右側に向かって凹む凹部36を有する(
図5参照)。凹部36は、平面視において、概ね半楕円状に形成されている(
図5参照)。凹部36は、上下方向には、切欠き35全体にわたって形成されている。凹部36には、ボス部92が切欠き35に嵌合させられ、後述するボス部92の突起部93が突出状態となった時に、突起部93が入り込む。凹部36に関しては、後述する突起部93に関する説明の中で更に説明する。
【0051】
ベース33の前方側の上面には、上方に延びる把手部34が2箇所に設けられている(
図4参照)。フィルムFのサイズ変更時等、フォーマ本体31およびチューブ32の取り外し/取り付けが必要な場合には、作業員は、フォーマ本体31およびチューブ32を個別に取り外し/取り付けするのではなく、把手部34を把持して、フォーマ本体31およびチューブ32と一体となったベース33を、戴置台90から取り外す、又は、戴置台90に取り付ける。
【0052】
(2−4)戴置台
戴置台90は、ベース33(フォーマユニット30)が戴置される部材である(
図2および
図4参照)。
【0053】
戴置台90は、一対の平板91を有する(
図2および
図4参照)。一対の平板91のそれぞれは、戴置台90に戴置されたフォーマユニット30のチューブ32に対して、左側および右側にそれぞれ配置される(
図2および
図4参照)。チューブ32の右側に配置された平板91には、ベース33の右側端部が戴置される。チューブ32の左側に配置された平板91には、ベース33の左側端部が戴置される。
【0054】
戴置台90は、フォーマユニット30のベース33の切欠き35に嵌合するボス部92を有する(
図2および
図4参照)。具体的には、戴置台90は、それぞれが、ベース33の2つの切欠き35の一方に嵌合する、2つのボス部92を有する。より具体的には、戴置台90の一対の平板91のそれぞれが、それぞれボス部92を1つ有する(
図2および
図4参照)。さらに具体的には、一対の平板91のそれぞれには、ボス部92を具備する円板部材95(
図6参照)が1つ取り付けられている。ボス部92は、円板部材95の上面から上方に延びる。ボス部92は、円筒状に形成された部材である(
図6参照)。
【0055】
平板91と円板部材95との取り付けについて更に説明すると、一対の平板91のそれぞれには、円板部材95が嵌合する図示しない凹部が1箇所に形成されている。円板部材95は、平板91の凹部に嵌合した状態で平板91に固定される。円板部材95は、その上面の高さ位置が、平板91の上面の高さ位置と同一となる状態で、又は、平板91の上面の高さ位置より低くなる状態で、平板91に固定されている。
【0056】
チューブ32に対して左側に配置される平板91では、ボス部92(ボス部92を具備する円板部材95)は、平板91の右端側であって、かつ、平板91の前後方向における中央部に配置される(
図2参照)。チューブ32に対して右側に配置される平板91では、ボス部92(ボス部92を具備する円板部材95)は、平板91の左端側であって、かつ、平板91の前後方向における中央部に配置される(
図2参照)。ボス部92の位置、言い換えればボス部92を具備する円板部材95および平板91に設けられる図示しない凹部の位置は、ベース33(フォーマユニット30)を戴置台90の所望の位置に取り付けた際に、一対のボス部92のそれぞれが、ベース33に形成された一対の切欠き35のそれぞれに嵌合した状態となるように決定されている。言い換えれば、ボス部92が切欠き35に嵌合した状態では、ベース33は戴置台90上の所望の位置に戴置された状態となる。
【0057】
各ボス部92は、突起部93を有する(
図6参照)。突起部93は球体状の部材である。突起部93は、ボス部92の側面から、ボス部92に対して外向きに突出可能に構成されている。突起部93は、ボス部92の側面から突出した状態(突出状態)と、ボス部92の内部に収納された状態(収納状態)とを切り替え可能に構成されている。なお、突起部93は、ここでは空気圧で駆動される。ただし、これに限定されるものではなく、突起部93は、例えば、油圧で駆動されるものであってもよい。突起部93の突出状態と収納状態とは、図示しないスイッチの操作により切り替えられる。
【0058】
ボス部92における突起部93の位置は、各ボス部92が、ベース33に形成された、対応する(そのボス部92が嵌合すべき)切欠き35に嵌合した状態で、突起部93が突出状態となった時に、突起部93が切欠き35が有する凹部36に入り込むように設計されている。そして、ボス部92が切欠き35に嵌合した状態で、突起部93が突出状態となると、突起部93は、切欠き面37の一部を構成する凹部内面37a(凹部36の内面)と係合する。具体的には、ボス部92が切欠き35に嵌合した状態で、突起部93が突出状態となると、突起部93の球面93a(
図6参照)が、凹部内面37aと係合する。より具体的には、ボス部92が切欠き35に嵌合した状態で、突起部93が突出状態となると、突起部93の球面93aが、凹部内面37aに接触し、凹部内面37aを押す。
【0059】
図5に基づいて、より具体的に説明すると、右側の平板91に設けられたボス部92が、ベース33の右後方部に設けられた切欠き35に嵌合した状態で、突起部93が突出状態に切り替えられると、突起部93の球面93aは、切欠き面37の一部を構成する凹部内面37aを主に右向きに押す。突起部93の球面93aが凹部内面37aを押すと、反力により、ボス部92の左前方側の外周面が、切欠き35の左側の切欠き面37に押し付けられる。また、図面は省略するが、左側の平板91に設けられたボス部92が、ベース33の左後方部に設けられた切欠き35に嵌合した状態で、突起部93が突出状態に切り替えられると、ボス部92の左側面側に設けられた突起部93の球面93aは、左方向に突出し、切欠き面37の一部を構成する凹部内面37aを主に左向きに押す。突起部93の球面93aが凹部内面37aを押すと、反力により、ボス部92の右前方側の外周面が、切欠き35の右側の切欠き面37に押し付けられる。
【0060】
このように構成されることで、突起部93が突出状態となると、切欠き35に嵌合した状態のボス部92が切欠き35から外れなくなり、ベース33と戴置台90とが連結される。特に、2つの切欠き35にボス部92が嵌合された状態で、2つのボス部92の突起部93が突出状態となると、ベース33が戴置台90に対して動かないよう固定される。
【0061】
なお、突起部93が、収納状態になると、突起部93により凹部内面37aが押されなくなるので、ベース33と戴置台90との連結は解除される。
【0062】
なお、突起部93が収納状態にある時には、ベース33(フォーマユニット30)の取り付け/取り外し時に、切欠き35にボス部92が入り込むように、あるいは、切欠き35からボス部92が出て行くように、ベース33を自在に動かすことができる。
【0063】
例えば、作業員は、ベース33の前方に設けられた把手部34を把持し、切欠き35の開口から内部へとボス部92が入り込むように、ベース33を水平に動かすことができる。また、例えば、作業員は、ベース33の後方側が低くなるように、あるいは、ベース33の後方側が高くなるように傾斜した状態でも、切欠き35の開口から内部へとボス部92が入り込むようにベース33を動かすことができる。
【0064】
また、作業員は、ベース33(フォーマユニット30)を戴置台90から取り外す際に、以下の様にして取り外し作業を行うことが可能である。なお、ここでは、ベース33の戴置台90からの取り外し作業について説明するが、ベース33を戴置台90に取り付ける際にも、この作業を応用することができる。
【0065】
初めに、作業員は、フォーマユニット30を戴置台90から取り外す際に、突起部93を収納状態とする。次に、作業員は、把手部34を把持してベース33を前方に大きく引き出すのではなく、ベース33を若干だけ(ボス部92が切欠き35から出て行く程度)前方に引き出す。次に、作業員は、ベース33を戴置台90上で若干だけ回転させた上で移動させ、ボス部92の1つのみが切欠き35に嵌合した状態とし、突起部93を突出状態とする。これにより、切欠き35に嵌合したボス部92において、ベース33と戴置台90とは連結状態となる。ここでは、突起部93の球面93aと、切欠き35の凹部内面37a(曲面)とが係合した状態であるため、ベース33を、切欠き35に嵌合したボス部92周りに戴置台90の平板91上で回転可能である(
図7参照)。これにより、製袋包装機100の前方に障害物(例えば、袋Bを搬送するコンベア等)が存在し、フォーマユニット30を前方に引き出す作業が困難である場合にも、フォーマユニット30を容易に戴置台90から取り外すことができる。なお、
図7では、右側のボス部92のみが切欠き35に嵌合し、右側のボス部92周りにベース33が戴置台90の平板91上で回転させられているが、これに限定されるものではなく、左側のボス部92のみが切欠き35に嵌合し、左側のボス部92周りにベース33が戴置台90の平板91上で回転させられてもよい。
【0066】
(2−5)搬送ベルト
製袋包装機100は、一対の搬送ベルト40を有する(
図3参照)。一対の搬送ベルト40は、フォーマユニット30の下方に配置される。一対の搬送ベルト40は、筒状フィルムFtが巻き付いたフォーマユニット30のチューブ32の左側および右側にそれぞれ配置される(
図3では、右側の搬送ベルト40のみを描画している)。
【0067】
搬送ベルト40は、フィルムロールRから引き出されるフィルムFをフォーマ本体31へと搬送する。また、搬送ベルト40は、フォーマ本体31で成形された筒状フィルムFtを横シール機構60へ搬送する。具体的には、搬送ベルト40は、チューブ32に巻き付いた筒状フィルムFtを吸着して下方に搬送する。
【0068】
より具体的には、各搬送ベルト40は、図示しないベルト、駆動ローラ、および従動ローラを有する。ベルトは、吸着機能を有する。ベルトは、駆動ローラおよび従動ローラに巻き掛けられている。ベルトがフィルムを吸着した状態で、駆動ローラが図示しないモータにより駆動されると、筒状フィルムFtは下方に搬送される。
【0069】
(2−6)縦シール機構
縦シール機構50(
図3参照)は、チューブ32に巻き付いた筒状フィルムFtの重なり部分を縦シールする(上下方向にシールする)機構である。
【0070】
縦シール機構50は、図示されないヒータと、筒状フィルムFtの重なり部分に接触するヒータベルト(図示せず)と、ヒータベルトを駆動する駆動機構(図示せず)と、を有する。ヒータは、ヒータベルトを加熱する。駆動機構は、ヒータベルトをチューブ32に近づくように、あるいは、チューブ32から遠ざかるように前後方向に駆動する。ヒートベルトが、駆動機構によりチューブ32に近づくように駆動されることで、チューブ32に巻き付いた筒状フィルムFtの重なり部分が、ヒータベルトとチューブ32との間に挟まれる。縦シール機構50は、加熱されたヒータベルトで、筒状フィルムFtの重なり部分を所定の圧力でチューブ32に押しつけることで、筒状フィルムFtの重なり部分を縦方向に熱シールする。
【0071】
(2−7)横シール機構
横シール機構60は、搬送ベルト40および縦シール機構50の下方に配置されている(
図3参照)。横シール機構60は、搬送ベルト40により下方に搬送されてくる、縦シール機構50による縦シール後の筒状フィルムFtを、横シールする機構である。言い換えれば、横シール機構60は、筒状フィルムFtの搬送方向と交差する方向、より具体的には筒状フィルムFtの搬送方向と直交する方向(左右方向)に筒状フィルムFtをシールする機構である。
【0072】
横シール機構60は、筒状フィルムFtの前後にそれぞれ配置される一対の回転体63を有する(
図3参照)。各回転体63には、ヒータを内蔵するシールジョー62aおよびシールジョー62bが取り付けられている(
図3参照)。両回転体63のシールジョー62aは、筒状フィルムFtを横シールする際、対となって機能する。また、両回転体63のシールジョー62bは、筒状フィルムFtを横シールする際、対となって機能する。
【0073】
シールジョー62aによる筒状フィルムFtの横シールおよび筒状フィルムFtの切断について説明する。
【0074】
図示しない駆動機構が駆動され、一対の回転体63が旋回すると、各回転体63に取り付けられたシールジョー62aは、側面視において互いに対称な軌跡を描きながら旋回する(
図3の点線で描画された軌跡を参照)。そして、旋回する一対のシールジョー62aは、互いに押しつけ合う状態で筒状フィルムFtを挟持し、袋Bの上下の端部となる筒状フィルムFtの一部分に圧力および熱を加えて横シールする。シールジョー62aの一方の内部には、図示しないカッターが内蔵されている。カッターは、筒状フィルムFtの横シール部分を、筒状フィルムFtの搬送方向における中心位置において切断し、袋Bと後続の筒状フィルムFtとを切り離す。
【0075】
シールジョー62bによる筒状フィルムFtの横シールおよび筒状フィルムFtの切断については、シールジョー62aと同様であるので、説明は省略する。なお、一対のシールジョー62aと、一対のシールジョー62bとは、搬送されてくる筒状フィルムFtを交互に横シールする。
【0076】
(3)特徴
(3−1)
本実施形態に係る製袋包装機100は、フォーマ本体31と、フォーマ本体31が固定されたフォーマベースの一例としてのベース33と、ベース33が戴置される戴置台90と、を備える。フォーマ本体31は、搬送されてくるフィルムFを筒状に成形する。ベース33には、切欠き35が形成されている。戴置台90は、切欠き35に嵌合するボス部92を有する。ボス部92は、突出状態と収納状態とを切り替え可能な突起部93を有する。突起部93が突出状態となり、ベース33の切欠き35の切欠き面37と係合することで、ベース33と戴置台90とが連結される。突起部93が収納状態となると、ベース33と戴置台90との連結が解除される。
【0077】
ここでは、ベース33の切欠き35に嵌合するボス部92に突出状態と収納状態とを切り替え可能な突起部93が設けられ、突起部93を突出状態として切欠き面37に係合させることでベース33と戴置台90とが初めて連結されるので、突起部93を収納した状態では、ベース33の移動の自由度を高めることが可能で、ベース33の取り付け/取り外し時の作業性の高い製袋包装機100を実現できる。
【0078】
(3−2)
本実施形態に係る製袋包装機100では、突起部93は、突出状態においてベース33の切欠き面37と係合する球面93aを有する。
【0079】
ここでは、突起部93の球面93aがベース33の切欠き面37に係合するため、ベース33にどのような力が作用しても、突起部93の球面93aと切欠き面37との係合を維持することが容易である。そのため、ベース33にどのような力が作用しても、ベース33と戴置台90との連結が維持されやすい。
【0080】
(3−3)
本実施形態に係る製袋包装機100では、切欠き35は、平面視において外向きに凹む凹部36を有する。突起部93は、突出状態において、切欠き面37の一部を構成する凹部内面37a(凹部36の内面)と係合する。
【0081】
ここでは、突起部93が、切欠き35が有する外向きに凹む凹部36に入り込み、凹部内面37aと係合するため、ベース33と戴置台90とを強く連結することができる。
【0082】
(3−4)
本実施形態に係る製袋包装機100では、ベース33に複数の切欠き35が形成される。戴置台90は、切欠き35に嵌合する複数のボス部92を有する。
【0083】
ここでは、ベース33に複数の切欠き35が形成され、戴置台90が切欠き35に嵌合する複数のボス部92を有するため、ベース33を戴置台90の所望の位置に、所望の姿勢でしっかりと固定することが容易である。
【0084】
(3−5)
本実施形態に係る製袋包装機100では、ボス部92の1つのみが切欠き35に嵌合した状態で、突起部93を突出状態とすることで、ベース33は、切欠き35に嵌合したボス部92周りに戴置台90上を回転可能に、戴置台90と連結される。
【0085】
ここでは、ベース33を1つのボス部92においてのみ戴置台90と連結させた時に、そのボス部92周りに、ベース33を戴置台90上で回転させることができるため、ベース33の取り外し時等に、ベース33を作業のしやすい向きに向けることが容易である。また、ベース33と戴置台90とが連結された状態が維持されるため、ベース33を回転させている時に、ベース33を誤って戴置台90から落下させる等の事故の発生を防止できる。
【0086】
(4)変形例
以下に本実施形態の変形例を示す。変形例は、互いに矛盾のない範囲で適宜組み合わされてもよい。
【0087】
(4−1)変形例A
上記実施形態では、ボス部92の突起部93は、切欠き35の凹部36に入り込み、凹部内面37aを押すよう構成されるが、これに限定されるものではない。
【0088】
例えば、切欠き35は凹部36を有さなくてもよい。そして、突起部93は、凹部36が形成されていない切欠き35の切欠き面37を押すように構成されてもよい。
【0089】
ただし、突起部93が凹部36に入り込み、凹部内面37aと係合するように構成されることで、ベース33と戴置台90とを強く連結することが容易である。
【0090】
(4−2)変形例B
上記実施形態では、凹部36は、平面視において半楕円形状に形成されるが、これに限定されるものではない。凹部36は、平面視において、矩形状等、他の形状に形成されてもよい。
【0091】
(4−3)変形例C
上記実施形態では、右側の切欠き35は右前方側に凹部36を有し、左側の切欠き35は左前方側に凹部36を有するが、凹部36の位置は例示であって、これに限定されるものではない。例えば、右側の切欠き35は左前方側に凹部36を有し、左側の切欠き35は右前方側に凹部36を有してもよい。
【0092】
(4−4)変形例D
上記実施形態では、凹部36は、突起部93に対して大きく形成されている。言い換えれば、上記実施形態では、凹部36の内部に突起部93が入り込んだ状態で、平面視において、凹部36内に未だスペースが存在する(
図5参照)。ただし、凹部36の構成はこれに限定されるものではない。
【0093】
例えば突起部93が突出した時に、突起部93の球面93aが凹部36の凹部内面37aと広いエリアで接触するよう、言い換えれば、突起部93が凹部36に嵌合するよう、凹部36の形状は、例えば、平面視において、球状の球面の突起部93とほぼ同一の径の半円状に形成されてもよい。言い換えれば、凹部36の内部に突出状態の突起部93が入り込んだ状態では、平面視において凹部36内にスペースが存在しないよう、凹部36は構成されてもよい。なお、このように構成される場合には、突起部93は、凹部内面37aを押すように構成されなくてもよく、凹部内面37aに接触状態で係合することで、ベース33の移動を規制するものであってもよい。
【0094】
突起部93が凹部36に嵌合するように構成されることで、ベース33と戴置台90とを強く連結することが容易である。ただし、ボス部92の1つのみを切欠きに嵌合した状態で、そのボス部92周りにベース33を回転させるためには、凹部36は、突起部93に対して大きく形成されることが好ましい。
【0095】
(4−5)変形例E
上記実施形態では、突起部93は球体状であるが、これに限定されるものではなく、突起部93は他の形状、例えば、円柱形状や、角柱形状等であってもよい。
【0096】
ただし、突起部93を球体状とした方が、ベース33にどのような力が作用しても、突起部93と切欠き面37との係合を維持することが容易である。
【0097】
(4−6)変形例F
上記実施形態では、ボス部92は円柱状であるが、これに限定されるものではなく、突起部93は他の形状、例えば、角柱状であってもよい。そして、ベース33の切欠き35は、ボス部92の形状に合わせて設計されてもよい。
【0098】
ただし、ボス部92の1つのみを切欠きに嵌合した状態で、そのボス部92周りにベース33を回転させるためには、ボス部92は円柱状であることが好ましい。
【0099】
(4−7)変形例G
上記実施形態では、凹部36は、上下方向において切欠き35の全体にわたって形成されるが、これに限定されるものではない。例えば、凹部36は、その切欠き35に嵌合するボス部92から突起部93が突出する高さにのみ形成されてもよい。
【0100】
このように構成されることで、ベース33の水平方向の移動だけではなく、垂直方向への移動も規制することが容易である。
【0101】
(4−8)変形例H
上記実施形態では、例えば右側に配置される切欠き35であれば、その右前方のみに凹部36が形成されているが、これに限定されるものではない。例えば、切欠き35は、その切欠き35に嵌合するボス部92から突起部93が突出する高さに、切欠き35の前方側のほぼ全体にわたって形成され、内部を突出状態の突起部93が通過可能に構成された溝状の凹部136を有するものであってもよい(
図8参照)。
【0102】
このように構成されることで、ボス部92の1つのみを切欠きに嵌合した状態で、そのボス部92周りにベース33を大きく回転させることが容易である。
【0103】
(4−9)変形例I
上記実施形態では、ベース33の2箇所に切欠き35が形成され、戴置台90がこれらの切欠き35に対応する2つのボス部92を有するが、これに限定されるものではない。切欠き35は1箇所又は3箇所以上に形成されてもよく、戴置台90は切欠き35に対応する数のボス部92を有してもよい。
【0104】
ただし、ベース33を戴置台90に固定するためには、切欠き35は2箇所以上に形成されることが好ましい。
【0105】
(4−10)変形例J
上記実施形態では、各ボス部92が1つの突起部93を有するがこれに限定されるものではない。ボス部92は2つ以上の突起部93を有してもよい。この場合には、切欠き35には、これらの突起部93に対応する数量/形状の凹部36が形成されることが好ましい。