(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載の電子部品実装装置では、照明ライトにより斜め上の方向から電子部品の供給位置に撮像用の光が照射されるため、電子部品の供給位置に照射された光は、カメラおよび照明ライトが配置されるのとは反対側に反射されやすい。この場合、カメラに向けて反射される光の光量が小さくなるため、部品を認識しにくい場合があるという問題点がある。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、斜めの方向から部品の供給位置に撮像用の光が照射される場合にも、部品を正確に認識させることが可能な部品実装装置および部品供給装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の第1の局面による部品実装装置は、部品供給テープを搬送する部品供給部と、部品供給部における部品の供給位置を撮像する撮像部と、撮像時に供給位置に対して撮像部と同じ側に配置され、部品供給テープの上側でかつ部品供給テープに対して斜めの方向から、供給位置に向けて撮像用の光を照射する照明部と、を備え、部品供給部は、供給位置
に対して、撮像部および照明部が配置される側とは反対側に設けられるとともに、照明部からの光を供給位置に向けて導光する導光部を含む。
【0008】
この発明の第1の局面による部品実装装置では、上記のように、部品供給部の供給位置
に対して、撮像部および照明部が配置される側とは反対側に、照明部からの光を供給位置に向けて導光する導光部を設ける。これにより、部品の供給位置に向けて光を導くことができるので、部品の供給位置から撮像部に向けて反射される光の光量を大きくすることができる。その結果、撮像部により部品を正確に撮像することができるので、斜めの方向から部品の供給位置に撮像用の光が照射される場合にも、部品を正確に認識させることができる。この効果は、上面が鏡面により構成された部品(撮像部および照明部が配置される側とは反対側に光が正反射されやすい部品)において、特に有効である。
【0009】
上記第1の局面による部品実装装置において、好ましくは、導光部は、供給位置に対して照明部および撮像部とは反対側に配置されている。このように構成すれば、照明部および撮像部の配置位置とは反対側から部品の供給位置に向けて導光部からの光を照射することができる。その結果、部品の供給位置から撮像部に向けて反射される光の光量を効果的に大きくすることができる。
【0010】
この場合、好ましくは、導光部は、照明部からの光を供給位置側に反射させる反射部を有する。このように構成すれば、照明部からの光を導光部の反射部により部品の供給位置に向けて容易に導光することができる。
【0011】
上記導光部が反射部を有する構成において、好ましくは、導光部は、少なくとも反射部により反射された光を拡散させる拡散部をさらに有する。このように構成すれば、導光部からの光を拡散部により拡散させて、部品の供給位置に向けて導光することができるので、導光部からの光を部品の供給位置のより広い範囲に照射することができる。その結果、部品の種類や部品供給テープの種類が異なる場合にも、安定して導光部からの光を部品の供給位置に配置された部品に照射することができる。
【0012】
上記第1の局面による部品実装装置において、好ましくは、部品供給部は、少なくとも供給位置近傍において、部品供給テープを上側から覆うカバー部をさらに含み、導光部は、カバー部における供給位置側の端部に設けられている。このように構成すれば、カバー部の端部において導光部を露出させることができるので、照明部からの光を導光部により供給位置に向けて容易に導光することができる。また、別途専用の部材に導光部を設ける場合と異なり、専用の部材を設ける必要がないので、導光部を設ける構成において、部品供給部の構成の複雑化を抑制することができる。
【0013】
この場合、好ましくは、導光部は、導光部の上端部がカバー部の上面の高さ位置以下に位置するように設けられている。このように構成すれば、導光部がカバー部よりも上側に突出しないようにすることができるので、導光部を設ける構成においても、導光部が吸着ヘッドなどの移動体と干渉することを防止することができる。
【0014】
上記第1の局面による部品実装装置において、好ましくは、導光部は、部品供給テープの部品の幅以上の幅を有する。このように構成すれば、導光部が部品供給テープの部品の幅よりも小さい幅を有する場合に比べて、導光部からの光を供給位置に配置された部品の広い範囲に安定して照射することができる。
【0015】
この発明の第2の局面による部品供給装置は、部品供給テープを部品の供給位置に向けて搬送する搬送部と、供給位置
に対して、撮像部および照明部が配置される側とは反対側に設けられるとともに、部品供給テープの上側でかつ部品供給テープに対して斜めの方向から照射される
照明部からの撮像用の光を供給位置に向けて導光する導光部と、を備える。
【0016】
この発明の第2の局面による部品供給装置では、上記のように、供給位置
に対して、撮像部および照明部が配置される側とは反対側に、部品供給テープの上側でかつ部品供給テープに対して斜めの方向から照射される
照明部からの撮像用の光を供給位置に向けて導光する導光部を設ける。これにより、上記第1の局面による部品実装装置の場合と同様に、斜めの方向から部品の供給位置に撮像用の光が照射される場合にも、部品を正確に認識させることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、上記のように、斜めの方向から部品の供給位置に撮像用の光が照射される場合にも、部品を正確に認識させることが可能な部品実装装置および部品供給装置を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0020】
[一実施形態]
(部品実装装置の構成)
図1〜
図6を参照して、本発明の一実施形態による部品実装装置100の構成について説明する。
【0021】
部品実装装置100は、
図1に示すように、IC、トランジスタ、コンデンサおよび抵抗などの部品E(電子部品)を、プリント基板などの基板Pに実装する装置である。
【0022】
また、部品実装装置100は、基台1と、基板搬送部2と、ヘッドユニット3と、支持部4と、レール部5と、部品認識カメラ6と、基板認識カメラ7と、撮像ユニット8と、制御装置9(
図2参照)と、複数のテープフィーダ10とを備えている。なお、テープフィーダ10は、特許請求の範囲の「部品供給部」および「部品供給装置」の一例である。
【0023】
基台1のY方向の両側(Y1側およびY2側)の端部には、複数のテープフィーダ10を配置するためのフィーダ配置部1aがそれぞれ設けられている。
【0024】
テープフィーダ10は、複数の部品Eを所定の間隔を隔てて保持した部品供給テープ110(
図4参照)が巻き回されたリール(図示せず)を保持している。テープフィーダ10は、リールを回転させて部品Eを保持する部品供給テープ110を供給位置Paに向けて送出することにより、テープフィーダ10における供給位置Paにおいて部品Eを供給するように構成されている。
【0025】
各テープフィーダ10は、フィーダ配置部1aに設けられた図示しないコネクタを介して制御装置9に電気的に接続された状態で、フィーダ配置部1aに配置されている。これにより、各テープフィーダ10は、制御装置9からの制御信号に基づいて、リールから部品供給テープ110を送出するとともに、供給位置Paにおいて部品Eを供給するように構成されている。この際、各テープフィーダ10は、ヘッドユニット3の吸着動作に応じて、供給位置Paにおいて部品Eを供給するように構成されている。なお、テープフィーダ10の詳細な構成は、後述する。
【0026】
基板搬送部2は、一対のコンベア2aを有している。基板搬送部2は、一対のコンベア2aによって、基板Pを水平方向(X方向)に搬送する機能を有している。具体的には、基板搬送部2は、上流側(X1側)の図示しない搬送路から実装前の基板Pを搬入するとともに、搬入された基板Pを実装作業位置Mまで搬送し、下流側(X2側)の図示しない搬送路に実装が完了した基板Pを搬出する機能を有している。また、基板搬送部2は、クランプ機構などの図示しない基板固定機構により、実装作業位置Mで停止させた基板Pを保持して固定するように構成されている。
【0027】
基板搬送部2の一対のコンベア2aは、基板Pを下方から支持しながら、水平方向(X方向)に基板Pを搬送することが可能に構成されている。また、一対のコンベア2aは、Y方向の間隔を調整可能に構成されている。これにより、搬入される基板Pの大きさに応じて、一対のコンベア2aのY方向の間隔を調整することが可能である。
【0028】
ヘッドユニット3は、支持部4および一対のレール部5を介して、基板搬送部2およびテープフィーダ10よりも上方の位置に設けられており、移動可能に構成されている。また、ヘッドユニット3は、テープフィーダ10における供給位置Paに配置された部品Eを吸着するとともに、吸着された部品Eを実装作業位置Mにおいて固定された基板Pに実装するように構成されている。ヘッドユニット3は、ボールナット31と、5本のヘッド32と、5本のヘッド32にそれぞれ設けられた5つのZ軸モータ33(
図2参照)と、5本のヘッド32にそれぞれ設けられた5つのR軸モータ34(
図2参照)とを含んでいる。
【0029】
5本のヘッド32は、ヘッドユニット3の下面側にX方向に沿って一列に配置されている。5本のヘッド32の各々の先端には、それぞれ、ノズル32a(
図3参照)が取付けられている。ヘッド32は、図示しない負圧発生機によりノズル32aの先端部に発生された負圧によって、テープフィーダ10における供給位置Paにおいて供給される部品Eを吸着して保持することが可能に構成されている。
【0030】
また、ヘッド32は、上下方向(Z方向)に昇降可能に構成されている。具体的には、ヘッド32は、部品Eの吸着や実装(装着)などを行う際の下降した状態の位置と、部品Eの搬送などを行う際の上昇した状態の位置との間で昇降可能に構成されている。また、ヘッドユニット3では、5本のヘッド32は、ヘッド32毎に設けられたZ軸モータ33によりヘッド32毎に昇降可能に構成されている。また、5本のヘッド32は、ヘッド32毎に設けられたR軸モータ34によりヘッド32毎にノズル32aの中心軸回り(Z方向回り)に回転可能に構成されている。
【0031】
また、ヘッドユニット3は、支持部4に沿ってX方向に移動可能に構成されている。具体的には、支持部4は、ボールネジ軸41と、ボールネジ軸41を回転させるX軸モータ42と、X方向に延びる図示しないガイドレールとを含んでいる。ヘッドユニット3は、X軸モータ42によりボールネジ軸41が回転されることにより、ボールネジ軸41と係合(螺合)するボールナット31とともに、支持部4に沿ってX方向に移動可能に構成されている。
【0032】
また、支持部4は、基台1上に固定された一対のレール部5に沿ってX方向と直交するY方向に移動可能に構成されている。具体的には、レール部5は、支持部4のX方向の両端部をY方向に移動可能に支持する一対のガイドレール51と、Y方向に延びるボールネジ軸52と、ボールネジ軸52を回転させるY軸モータ53とを含んでいる。また、支持部4には、ボールネジ軸52が係合(螺合)されるボールナット43が設けられている。支持部4は、Y軸モータ53によりボールネジ軸52が回転されることにより、ボールネジ軸52と係合(螺合)するボールナット43とともに、一対のレール部5に沿ってY方向に移動可能に構成されている。
【0033】
このような構成により、ヘッドユニット3は、基台1上を水平方向(X方向およびY方向)に移動可能に構成されている。これにより、ヘッドユニット3は、たとえばテープフィーダ10における供給位置Paの上方に移動して、テープフィーダ10における供給位置Paにおいて供給される部品Eを吸着することが可能である。また、ヘッドユニット3は、たとえば実装作業位置Mにおいて固定された基板Pの上方に移動して、吸着された部品Eを基板Pに実装することが可能である。
【0034】
部品認識カメラ6は、部品Eの実装に先立って部品Eの吸着状態を認識するために、ヘッド32に吸着された部品Eを撮像するように構成されている。部品認識カメラ6は、基台1の上面上に固定されており、ヘッド32に吸着された部品Eを、部品Eの下方(Z2方向)から撮像するように構成されている。この撮像結果は、制御装置9により取得される。これにより、吸着された部品Eの撮像結果に基づいて、部品Eの吸着状態(回転姿勢およびヘッド32に対する吸着位置)を制御装置9により認識することが可能である。
【0035】
基板認識カメラ7は、部品Eの実装に先立って基板Pに付された位置認識マーク(フィデューシャルマーク)FMを撮像するように構成されている。位置認識マークFMは、基板Pの位置を認識するためのマークである。
図1に示す基板Pでは、位置認識マークFMは、基板Pの右下の位置および左上の位置に一対付されている。この位置認識マークFMの撮像結果は、制御装置9により取得される。そして、位置認識マークFMの撮像結果に基づいて、図示しない基板固定機構により固定された基板Pの正確な位置および姿勢を制御装置9により認識することが可能である。
【0036】
また、基板認識カメラ7は、ヘッドユニット3のX2側の側部に取り付けられており、ヘッドユニット3とともに、基台1上を水平方向(X方向およびY方向)に移動可能に構成されている。また、基板認識カメラ7は、基台1上をX方向およびY方向に移動して、基板Pに付された位置認識マークFMを、基板Pの上方(Z1方向)から撮像するように構成されている。
【0037】
撮像ユニット8は、ヘッド32の吸着動作時に、テープフィーダ10における供給位置Paを撮像するために設けられている。具体的には、撮像ユニット8は、ヘッド32の吸着動作時に、供給位置Paを含む所定の領域を撮像可能に構成されている。
【0038】
また、撮像ユニット8は、
図3および
図6に示すように、供給位置撮像カメラ81と、照明部82とを含んでいる。なお、供給位置撮像カメラ81は、特許請求の範囲の「撮像部」の一例である。
【0039】
供給位置撮像カメラ81は、部品供給テープ110(供給位置Pa)の上側でかつ部品供給テープ110(供給位置Pa)に対して斜めの方向から、供給位置Paを含む所定の領域を撮像可能に構成されている。この供給位置Paを含む所定の領域の撮像結果は、制御装置9により取得される。第1実施形態では、供給位置Paを含む所定の領域の撮像結果に基づいて、供給位置Paにおける部品Eの有無判定が行われる。
【0040】
照明部82は、供給位置撮像カメラ81とともに一体的に設けられており、撮像時に供給位置Paに対して供給位置撮像カメラ81と同じ側(Y2側)に配置される。また、照明部82は、供給位置撮像カメラ81による供給位置Paを含む所定の領域の撮像時に、部品供給テープ110(供給位置Pa)の上側でかつ部品供給テープ110(供給位置Pa)に対して斜めの方向から、供給位置Paに向けて撮像用の光を照射するように構成されている。
【0041】
また、
図1に示すように、撮像ユニット8は、ヘッドユニット3のY2側の側部に取り付けられている。これにより、撮像ユニット8は、ヘッドユニット3とともに、基台1上を水平方向(X方向およびY方向)に移動可能に構成されている。
【0042】
図2に示すように、制御装置9は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、およびRAM(Random Access Memory)などを含み、部品実装装置100の動作を制御するように構成されている。具体的には、制御装置9は、基板搬送部2、X軸モータ42、Y軸モータ53、Z軸モータ33およびR軸モータ34などを予め記憶されたプログラムに従って制御して、テープフィーダ10における供給位置Paからの部品Eの吸着を行うとともに、基板Pに部品Eの実装を行うように構成されている。
【0043】
具体的には、制御装置9は、ヘッドユニット3をテープフィーダ10の上方に移動させるとともに、図示しない負圧発生機によりヘッド32のノズル32aに負圧を発生させ、テープフィーダ10における供給位置Paにおいて供給される部品Eをノズル32aに吸着させるように構成されている。この際、制御装置9は、供給位置Paを含む所定の領域を、撮像ユニット8の供給位置認識カメラ81により撮像させるように構成されている。この撮像ユニット8の供給位置認識カメラ81による撮像時には、照明部82から供給位置Paに向けて撮像用の光が照射される。
【0044】
そして、制御装置9は、吸着された部品Eを基板Pに実装するために、ヘッドユニット3をテープフィーダ10の上方から基板Pの上方まで移動させるように構成されている。この移動途中、制御装置9は、ヘッドユニット3を部品認識カメラ6の上方を通過するように移動させるとともに、各ヘッド32に吸着された部品Eを部品認識カメラ6により撮像させるように構成されている。
【0045】
そして、ヘッドユニット3が基板作業位置Mにおいて固定された基板Pの上方に到達すると、制御装置9は、ヘッド32を下降させるとともに、所定のタイミングでヘッド32への負圧の供給を停止させることによって吸着された部品Eを基板P上に実装(装着)するように構成されている。
【0046】
(部品供給テープの構成)
部品供給テープ110は、
図3〜
図6に示すように、キャリアテープ111と、トップテープ112とを含んでいる。
【0047】
図4に示すように、キャリアテープ111は、凹部からなる複数の収容部111aを有している。キャリアテープ111では、複数の収容部111aは、キャリアテープ111の延びる方向に沿って所定の距離間隔で設けられている。各収容部111aは、部品Eを収容して保持するように構成されている。第1実施形態では、キャリアテープ111(部品供給テープ110)は、静電気対策のための導電材(カーボンブラック)を含有した樹脂製で黒色系のキャリアテープ(部品供給テープ)である。
【0048】
また、キャリアテープ111は、テープフィーダ10の後述するスプロケット121bと係合するための複数の係合孔111bを有している。キャリアテープ111では、複数の係合孔111bは、複数の収容部111aと並列に、キャリアテープ111の延びる方向に沿って所定の距離間隔で設けられている。
【0049】
トップテープ112は、キャリアテープ111の複数の収容部111aを上側から被覆している。また、トップテープ112は、圧着や熱融着などにより、キャリアテープ111の上面(Z1側の面)に貼り付けられている。トップテープ112は、テープフィーダ10の後述するテープ送出部123により引っ張られることにより、キャリアテープ111から剥離される。そして、トップテープ112が剥離されて、収容部111aに収容された部品Eが上側(Z1側)に露出した状態で、部品Eがヘッドユニット3のヘッド32により吸着される。
【0050】
(テープフィーダの構成)
テープフィーダ10は、
図3に示すように、図示しないリールから部品供給テープ110を供給位置Paに向けて搬送するとともに、供給位置Paにおいて部品Eを供給するように構成されている。なお、
図3〜
図6では、
図1においてY2側に配置されたテープフィーダ10およびこのテープフィーダ10により搬送される部品供給テープ110を示している。Y1側に配置されたテープフィーダ10およびこのテープフィーダ10により搬送される部品供給テープ110については、
図3〜
図6において、Y1方向およびY2方向、並びにX1方向およびX2方向を反対にすれば、同様の構成である。
【0051】
テープフィーダ10は、搬送部121と、カバー部122と、テープ送出部123と、テープ収容部124と、接続機構部125と、コネクタ部126とを備えている。
【0052】
搬送部121は、部品供給テープ110を部品Eの供給位置Paに向けて搬送するように構成されている。搬送部121は、通路部121aと、スプロケット121bと、駆動モータ121cとを含んでいる。
【0053】
通路部121aは、テープフィーダ10の内部および外部に設けられており、部品供給テープ110を入口側(Y2側)から供給位置Paに向けて導く通路として構成されている。スプロケット121bは、キャリアテープ111の係合孔111bと係合するように構成されている。駆動モータ121cは、駆動力を与えることによって、スプロケット121bを回転させるように構成されている。テープフィーダ10では、駆動モータ121cによりスプロケット121bが回転されることにより、スプロケット121bと係合孔111bを介して係合されたキャリアテープ111が供給位置Paに向けて搬送(送出)される。
【0054】
カバー部122は、テープフィーダ10の内部を通って外部まで搬送された部品供給テープ110を、上側(Z1側)から覆うように構成されている。これにより、カバー部122は、搬送時の部品供給テープ110の浮き上がりを押さえるように構成されている。
【0055】
図3、
図5および
図6に示すように、カバー部122には、供給位置Paに対応する位置に、部品供給テープ110を上側(Z1側)に露出させるための開口部130が設けられている。
【0056】
ここで、本実施形態では、
図5および
図6に示すように、供給位置Pa近傍のカバー部122の開口部130近傍には、撮像ユニット8の照明部82からの光(撮像用の光)を供給位置Paに向けて導光する導光部140(ハッチングにより示す)が設けられている。
【0057】
導光部140は、供給位置Paに対して、供給位置認識カメラ81および照明部82が配置される側(Y2側)とは反対側(Y1側)に配置されている。第1実施形態では、供給位置Paの撮像時に部品供給テープ110の搬送方向(Y1方向)の上流側(Y2側)に供給位置認識カメラ81および照明部82が配置されるため、部品供給テープ110の搬送方向の下流側(Y1側)に導光部140が配置されている。また、導光部140は、供給位置Paに対して供給位置認識カメラ81および照明部82が配置される側(Y2側)とは反対側(Y1側)において、カバー部122の開口部130近傍における供給位置Pa側(Y2側)の端部に設けられている。
【0058】
具体的には、カバー部122の開口部130近傍における供給位置Pa側(Y2側)の端部には、開口部130から連続するように形成された切欠き状の取付凹部122aが形成されている。導光部140は、この取付凹部122aに嵌め込まれるようにしてカバー部122に取り付けられている。
【0059】
導光部140は、アクリル樹脂からなる無色透明な基材と、この基材に乳白色の光拡散部材を分散させた導光体により構成されている。導光部140には、反射面141と、拡散部142とが設けられている。なお、反射面141は、特許請求の範囲の「反射部」の一例である。
【0060】
反射面141は、導光部140における供給位置Pa側(Y2側)とは反対側(Y1側)の端面(カバー部122と導光部140との境界面)により構成されている。反射面141は、照明部82からの光が反射(全反射)しやすくなるように、所定の角度だけ傾斜して設けられている。反射面141は、照明部82からの光を供給位置Pa側に反射させるように構成されている。これにより、
図6に示すように、撮像ユニット8の照明部82からの光のうち少なくとも一部が供給位置Paに向けて導光される。
【0061】
拡散部142は、光拡散部材が分散された導光部140の本体により構成されている。拡散部142は、照明部82からの光(照明部82から反射面141までの光)を拡散させるとともに、反射面141により反射された光を拡散させるように構成されている。これにより、拡散部142により拡散されて光束が拡張された状態で、照明部82からの光を供給位置Paに向けて導光することが可能である。
【0062】
また、本実施形態では、導光部140は、導光部140の上端部がカバー部122の上面(Z1側の面)の高さ位置以下に位置するように設けられている。具体的には、導光部140は、カバー部122が有する高さHの範囲以内に収まるように設けられている。すなわち、導光部140は、カバー部122の上面と下面(Z2側の面)との間に収まるように設けられている。また、
図5に示すように、導光部140は、部品供給テープ110の部品Eの幅W1以上の幅W2を有している。
【0063】
図3および
図6に示すように、部品供給テープ110の搬送方向(Y1方向)の上流側(Y2側)において、カバー部122の開口部130近傍の供給位置Pa側(Y1側)の端部は、キャリアテープ111から剥離されたトップテープ112をテープ送出部123に向けて導くガイド部として構成されている。
【0064】
図3に示すように、テープ送出部123は、トップテープ112を引っ張ることにより、搬送部121により搬送される部品供給テープ110のキャリアテープ111からトップテープ112を剥離させるように構成されている。テープ送出部123は、送りローラ123aと、駆動モータ123bとを含んでいる。
【0065】
送りローラ123aは、テープ収容部124に向けて、キャリアテープ111から剥離されたトップテープ112を送り出すように構成されている。駆動モータ123bは、駆動力を与えることによって、送りローラ123aを回転させるように構成されている。テープフィーダ10では、駆動モータ123bにより送りローラ123aが回転されることにより、トップテープ112が引っ張られる。これにより、キャリアテープ111からトップテープ112が剥離されるとともに、テープ収容部124に向けて送り出される。
【0066】
テープ収容部124は、テープフィーダ10の内部に設けられており、キャリアテープ111から剥離されたトップテープ112を収容するように構成されている。
【0067】
接続機構部125は、基台1のフィーダ配置部1aに設けられた図示しない取付部と係合することにより、テープフィーダ10を基台1に固定するように構成されている。コネクタ部126は、基台1のフィーダ配置部1aに設けられた図示しないコネクタと電気的に接続されるように構成されている。これらの結果、テープフィーダ10を基台1に固定することが可能であるとともに、制御装置9からの制御信号をテープフィーダ10に入力することが可能である。
【0068】
(吸着動作時の処理)
次に、
図7を参照して、本実施形態の吸着動作時の処理についてフローチャートに基づいて説明する。吸着動作時の処理は、制御装置9により行われる。
【0069】
まず、部品Eの吸着に先立って、供給位置Paに部品Eを配置させるようにテープフィーダ10による部品供給テープ110の送り動作が開始される。そして、
図7に示すように、ステップS1において、テープフィーダ10による部品供給テープ110の送り動作が完了する。すなわち、ステップS1では、供給位置Paに向けて部品供給テープ110が搬送されるとともに、供給予定の部品Eが供給位置Paに配置される。
【0070】
そして、ステップS2において、供給位置Paの上方位置に配置されたヘッド32のノズル32aの下降動作が行われる。すなわち、ステップS2では、部品Eを吸着するために、ヘッド32がテープフィーダ10における供給位置Paに向けて下降される。
【0071】
そして、ステップS3において、ヘッド32のノズル32aの下降動作時に、撮像ユニット8の供給位置認識カメラ81により供給位置Paを含む所定の領域が撮像される。この際、照明部82により供給位置Paに向けて斜めの方向から撮像用の光が照射されるとともに、照射された撮像用の光のうち少なくとも一部の光が導光部140により供給位置Paに向けて導光される。
【0072】
そして、ステップS4において、供給位置Paにおけるノズル32aによる部品Eの吸着動作の実行後、ヘッド32のノズル32aの上昇動作が行われる。すなわち、ステップS4では、部品Eを実装するため、あるいは他のヘッド32により別の部品Eの吸着を行うために、ヘッド32がテープフィーダ10における供給位置Paから上昇される。
【0073】
そして、ステップS5において、部品Eの有無判定が行われる。具体的には、ステップS3における供給位置Paを含む所定の領域の撮像結果に基づいて、部品Eが収容部111aに配置されているか否かを判断することによって、部品Eの有無判定が行われる。部品Eの有無判定は、ヘッド32のノズル32aの上昇中に行われる。
【0074】
そして、ステップS6において、次に供給予定の部品Eを供給位置Paに配置するために、テープフィーダ10による部品供給テープ110の送り動作が開始される。その後、ステップS1に戻る。
【0075】
(本実施形態の効果)
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0076】
本実施形態では、上記のように、テープフィーダ10の供給位置Pa近傍に、照明部82からの光を供給位置Paに向けて導光する導光部140を設ける。これにより、部品Eの供給位置Paに向けて光を導くことができるので、部品Eの供給位置Paから供給位置認識カメラ81に向けて反射される光の光量を大きくすることができる。その結果、供給位置認識カメラ81により部品Eを正確に撮像することができるので、斜めの方向から部品Eの供給位置Paに撮像用の光が照射される場合にも、部品Eを正確に認識させることができる。この効果は、上面が鏡面により構成された部品E(
図6に示す二点鎖線のように、供給位置認識カメラ81および照明部82が配置される側(Y2側)とは反対側(Y1側)に光が正反射されやすい部品)において、特に有効である。
【0077】
ここで、本実施形態のように光を吸収しやすい色(黒色系)の部品供給テープ110が用いられる場合には、光を吸収しやすい色の部品供給テープ110に光を吸収させながら、部品Eから供給位置認識カメラ81に向けて反射される光を増加させることができる。これにより、光を吸収しやすい色の部品供給テープ110を暗く写しながら、部品Eを明るく写すことができるので、光を吸収しやすい色の部品供給テープ110と部品Eとの濃淡(コントラスト)が大きい撮像画像を得ることができる。その結果、部品Eを正確に認識させることができる。また、光を吸収しやすい色以外の部品供給テープ110(たとえば、白色系の紙テープ)が用いられる場合であっても、導光部140からの光を補助的な照明として用いることができるので、部品Eの供給位置Paから反射される光の光量が不足することを抑制することができる。その結果、部品Eを正確に認識させることができる。
【0078】
また、本実施形態では、上記のように、供給位置Paに対して照明部82および供給位置認識カメラ81とは反対側に導光部140を配置する。これにより、照明部82及び供給位置認識カメラ81の配置位置とは反対側から部品Eの供給位置Paに向けて導光部140からの光を照射することができる。その結果、部品Eの供給位置Paから供給位置認識カメラ81に向けて反射される光の光量を効果的に大きくすることができる。
【0079】
また、本実施形態では、上記のように、照明部82からの光を供給位置Pa側に反射させる反射面141を導光部140に設ける。これにより、照明部82からの光を導光部140の反射面141により部品Eの供給位置Paに向けて容易に導光することができる。
【0080】
また、本実施形態では、上記のように、少なくとも反射面141により反射された光を拡散させる拡散部142を導光部140に設ける。これにより、導光部140からの光を拡散部142により拡散させて、部品Eの供給位置Paに向けて導光することができるので、導光部140からの光を部品の供給位置のより広い範囲に照射することができる。その結果、部品Eの種類や部品供給テープ110の種類が異なる場合にも、安定して導光部140からの光を部品Eの供給位置Paに配置された部品Eに照射することができる。
【0081】
また、本実施形態では、上記のように、少なくとも供給位置Pa近傍において、部品供給テープ110を上側から覆うカバー部122をテープフィーダ10に設ける。そして、導光部140を、カバー部122における供給位置Pa側の端部に設ける。これにより、カバー部122の端部において導光部140を露出させることができるので、照明部82からの光を導光部140により供給位置Paに向けて容易に導光することができる。また、別途専用の部材に導光部140を設ける場合と異なり、専用の部材を設ける必要がないので、導光部140を設ける構成において、テープフィーダ10の構成の複雑化を抑制することができる。
【0082】
また、本実施形態では、上記のように、導光部140を、導光部140の上端部がカバー部122の上面の高さ位置以下に位置するように設ける。これにより、導光部140がカバー部122よりも上側に突出しないようにすることができるので、導光部140を設ける構成においても、導光部140がヘッド32(ヘッドユニット3)などの移動体と干渉することを防止することができる。
【0083】
また、本実施形態では、上記のように、導光部140は、部品供給テープ110の部品Eの幅以上の幅を有する。これにより、導光部140が部品供給テープ110の部品Eの幅よりも小さい幅を有する場合に比べて、導光部140からの光を供給位置Paに配置された部品Eの広い範囲に安定して照射することができる。
【0084】
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更(変形例)が含まれる。
【0085】
たとえば、上記実施形態では、部品供給テープとして、樹脂製で黒色系の部品供給テープを用いた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、部品供給テープとして、樹脂製で黒色系以外の部品供給テープを用いてもよい。たとえば、紙製で白色系の部品供給テープを用いてもよい。
【0086】
また、上記実施形態では、照明部を撮像部とともに設けた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、撮像時に部品の供給位置に対して撮像部と同じ側に配置されていれば、照明部を撮像部とは別個に独立して設けるようにしてもよい。
【0087】
また、上記実施形態では、供給位置に対して照明部とは反対側に導光部を配置した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、供給位置に対して照明部とは反対側以外の位置に導光部を配置してもよい。たとえば、供給位置に対して照明部側に導光部を配置してもよいし、供給位置の側方に導光部を配置してもよい。
【0088】
また、上記実施形態では、照明部からの光を供給位置側に反射させることによって、照明部からの光を供給位置に向けて導光するように導光部を構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、照明部からの光を屈折させることによって、照明部からの光を供給位置に向けて導光するように導光部を構成してもよい。
【0089】
また、上記実施形態では、反射面(反射部)と拡散部とを導光部に設けた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、拡散部を設けることなく、反射部を導光部に設けてもよい。
【0090】
また、上記実施形態では、導光部の端面を反射面(反射部)として構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、導光部としてミラーを用いてもよい。この場合、ミラーは、特許請求の範囲の「導光部」および「反射部」の一例である。
【0091】
また、上記実施形態では、無色透明な基材に光拡散部材を分散させることによって、導光部の拡散部を形成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、導光部の表面に光を拡散させる表面処理を施すことによって、導光部の拡散部を形成してもよい。この場合、少なくとも反射部により反射された光が出射される面に光を拡散させる表面処理を施して、拡散部を形成すればよい。
【0092】
また、上記実施形態では、反射面により反射された光だけでなく、反射面により反射される前の光も拡散させるように導光部の拡散部を構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、導光部の拡散部は、少なくとも反射面により反射された光を拡散させればよい。
【0093】
また、上記実施形態では、テープフィーダ(部品供給部)のカバー部における供給位置側の端部に、導光部を設けた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、部品供給部のカバー部における供給位置側の端部以外の位置に、導光部を設けてもよい。
【0094】
また、上記実施形態では、テープフィーダ(部品供給部)のカバー部の上面と下面との間に収まるように、導光部を設けた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、部品供給部のカバー部の上面と下面との間に収まるように、導光部を設けなくともよい。この場合、導光部は、部品供給部のカバー部の上面の高さ位置以下に設けられてもよいし、部品供給部のカバー部の上面の高さ位置よりも上側に設けられてもよい。
【0095】
また、上記実施形態では、供給位置を含む所定の領域の撮像結果に基づいて、供給位置における部品の有無判定が行われた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、供給位置を含む所定の領域の撮像結果に基づいて、部品の吸着時のヘッドの目標下降位置の補正を行ってもよい。この場合、部品の吸着時のヘッドの目標下降位置の補正と供給位置における部品の有無判定との両方を行ってもよい。