【実施例】
【0029】
実施例1−方法
すべての臨床情報および組織は、同意および施設内審査委員会の許可とともに、本研究へのさまざまな施設寄付材料から取得し、それらは、医療保険の携行性と責任に関する法律にしたがって取得した。DNA精製に使用される細胞の50%以上が新生物性であることを確実にするため、および組織病理学的診断を確認するために、専門委員会に正式認可された病理学者によって組織切片を再検討した。配列
を有するオリゴヌクレオチドであって、M13が配列
を有するユニバーサルシーケンシングプライミング部位であるオリゴヌクレオチドを使用して、標準的な方法を用いたサンガーシーケンシングのためにC228およびC250(それぞれchr5:1,295,228;chr5:1,295,250;hg19)を含有する近位TERTプロモーターをPCR増幅した(44)。原発性GBMのコピー数データおよびALT状態は、参照文献37、45、および46において発表されているデータに由来し、OTX2のコピー数発現は、参照文献27において発表されているデータに由来した。脳腫瘍患者は、Tisch Brain Tumor Center at Dukeで処置した。本研究の目的では、続発性GBMは、より低悪性度の神経膠腫(悪性度I〜III)の事前の診断の1年超の後に切除されたGBMを指し、すべての他のGBMは、原発性GBMとみなした。小児GBM試料は、21歳の年齢より前に起きた試料として定義した。
【0030】
実施例2
本発明者らは、本発明者らの実験室における標本の入手可能性に応じて、一般的な腫瘍タイプの少なくとも20例の個々の標本、およびまれな腫瘍タイプのより少ない標本を評定することを試みた。本発明者らの予備的研究が有意な数の変異を示した腫瘍タイプにおいて、追加の腫瘍を評定した。黒色腫、ならびに肺、胃、および食道の腫瘍は、引用されている独創性に富んだ論文において既に十分に評定されていたため、除外した(14、15)。細胞株ではなく原発腫瘍を使用した場合には、DNA精製に使用される組織塊の凍結切片の組織病理学的検査を通して、新生物細胞の画分が50%より多いことを確実にした。新生物含量が50%より少なかった症例においては、病変を顕微解剖して、新生物含量を50%より多くに濃縮した。プライマーを、TERT ATG開始部位の上流のそれぞれ124および146塩基対の位置に対応する、以前に記載された2個のTERT変異、C228TおよびC250Tを含有する領域を増幅するように設計した(14、15)。次にPCR断片を精製して、従来のサンガーシーケンシングによって解析した。
【0031】
全部で、本発明者らは、1,230例の腫瘍標本においてTERTプロモーター変異を評定し、231種の変異(18.8%)を特定した(表1)。C228TおよびC250Tの変異は、それぞれ変化の77.5%および20.8%を占めた。さらに、本発明者らは、以前には観察されたことがない4種の変異:3種のC228A変異および1種のC229A変異を検出した。これらの変異の4種すべてならびにC228TおよびC250Tの変異の代表的なサブセット(n=59)は、それらの腫瘍において変異を含有している患者の正常組織には存在していないことによって証明されるように、体細胞性であった。
【0032】
(表1)TERTプロモーター変異の頻度
*急性骨髄性白血病(n=48)、胞巣状横紋筋肉腫(n=7)、異型脂肪腫性腫瘍(n=10)、乳癌(n=88)、胆管肉腫(n=28)、中心的/通常型軟骨肉腫(n=9)、慢性リンパ性白血病(n=15)、慢性骨髄性白血病(n=6)、結腸直腸腺癌(n=22)、胎児性横紋筋肉腫(n=8)、鼻腔神経芽腫(n=11)、骨外性粘液性軟骨肉腫(n=3)、肝臓の線維性層板状癌(n=12)、胆嚢癌(n=10)、消化管間質腫瘍(n=9)、肝芽細胞腫(n=3)、平滑筋肉腫(n=3)、通常型脂肪腫(n=8)、低悪性線維粘液性肉腫(n=9)、悪性末梢神経鞘腫瘍(n=3)、甲状腺髄様癌(n=24)、髄膜腫(n=20)、中皮腫(n=4)、膵腺房癌(n=25)、膵管腺癌(n=24)、膵臓神経内分泌腫瘍(n=68)、前立腺癌(n=34)、骨髄上衣腫(n=9)、滑膜肉腫(n=16)、または未分化多形性軟部組織肉腫(n=10)の試料においては、変異が見出されなかった。
†神経膠腫は11種のサブタイプを含む;表2を参照されたい。
【0033】
(表2)神経膠腫サブタイプにおけるTERT変異
【0034】
1,230例の腫瘍は、60種の腫瘍タイプに相当した。これらの腫瘍タイプのうちの26種において、少なくとも15例の個々の腫瘍を評定した(全体で1,043例の個々の腫瘍を含む)(
図1)。残りの腫瘍タイプにおいては、一部にはこれらの腫瘍タイプが西洋人集団において概してまれであるために、少数の試料のみ(2〜12例)が入手可能であった(表1)。少なくとも15例の個々の腫瘍が研究用に入手可能であった腫瘍タイプの間では、明白な区別をすることができた。これらの腫瘍タイプのうちの18種は、偶発的なTERTプロモーター変異のみを有していた(0〜3種の変異、各タイプの腫瘍の0〜15%を含む)(
図1)。これらの腫瘍タイプは低頻度のTERTプロモーター変異を有していたため、本発明者らはこれらをTERT-低(TERT-L)と分類した。8種の他の腫瘍タイプは、その相対的に高いTERTプロモーター変異の存在率のために(各タイプの腫瘍の16〜83%)、TERT-高(TERT-H)と分類した。
【0035】
TERT-L腫瘍タイプには、乳、前立腺、甲状腺、膵臓、胆嚢、子宮、および結腸の上皮腫瘍(ならびに事前の研究に基づく肺、胃、および食道の腫瘍)(14、15)、ならびに白血病を含む、最も蔓延しているがんのいくつかが含まれた。実際に、全体で546例の腫瘍を含む、本発明者らが研究した30種の腫瘍タイプのいずれの標本においても、TERT変異は特定されなかった(表1)。滑膜肉腫、脊索腫、神経芽腫、骨肉腫、および上衣腫などのいくつかの非上皮がんもまた、TERT-Lであった。
【0036】
8種のTERT-H腫瘍タイプを(以前に記載されている黒色腫に加えて)特定した(14、15)。これらの腫瘍には、CNSの腫瘍、尿路の移行細胞癌、肝細胞癌、粘液性脂肪肉腫、および口腔癌が含まれた。少数のみのTERT-H腫瘍(黒色腫以外)が以前の研究において検討されたが(15)、神経膠腫、肝細胞癌、および口腔癌における変異が検出され、これは、これらの腫瘍タイプにおける高頻度の変異に基づいて期待されると考えられる(表1)。
【0037】
実施例3
肉腫
最も高頻度のTERTプロモーター変異のうちの1つは、粘液性脂肪肉腫において見出された(24例の腫瘍のうちの19例、79%が変異を有する)。粘液性脂肪肉腫は、すべての脂肪肉腫の三分の一より多くを占め、すべての成人軟部組織肉腫の約10%を占める(16)。患者は相対的に若く、30〜50歳のピーク年齢範囲を有する。遺伝子レベルで、最も特徴的な変化は、FUS遺伝子およびDDIT3遺伝子の融合を結果としてもたらすt(12;16)(q13;p11)染色体転座である(16、17)。これらの腫瘍の細胞起源は未知であるが、前脂肪細胞前駆細胞および間葉系幹細胞が関わっている(18);胚発生後、これらの細胞の有糸分裂活性は低いと考えられている。損傷がないと自己複製しない間葉系細胞から生じると同様に考えられている他の肉腫は、TERT-Hではなかった(表1)。これらの肉腫には、滑膜肉腫(16例の腫瘍のうちの0%)および骨肉腫(23例の腫瘍のうちの4.3%)が含まれた。注目すべきことに、粘液性脂肪肉腫は、相対的に高いALTの存在率を有する(38例の腫瘍のうちの24%)ことが以前に示されている(13、19)。データは、全体として、粘液性脂肪肉腫が、TERTプロモーター変異またはALTのいずれかを通してテロメア維持遺伝子をほぼ常に遺伝学的に活性化するという観念と適合している。
【0038】
肝細胞癌
肝細胞癌(HCC)は、世界中でがん死亡率の3番目に主要な原因であり、その発生率は米国において増大している(20)。米国における大部分のHCCは、B型またはC型肝炎ウイルス感染と関連しているが、他のものはアルコール性肝硬変と関連しており;本発明者らが評定したHCC試料の44%が、TERTプロモーター変異を有していた(27/61)。この知見によって、TERTは、この腫瘍タイプにおいてこれまでに観察されている最も共通して変異した遺伝子となる(21、22)。変異は、病期Iの高分化型HCCの39%において観察されたため、腫瘍形成の相対的に早期に起こるように見られた(表S1)。TERT変異は、ウイルスに関連した腫瘍、およびいずれの根源的な肝疾患もない症例において、類似した頻度で観察された(表S1)。また、性別、年齢、または民族性に関してTERTプロモーター変異の存在率に差はなかった(表S1)。ALTは、以前に研究された121例のHCCのうちの7%において観察されている(13)。
【0039】
尿路がん
膀胱の尿路上皮癌は、アメリカ人男性のがんの4番目によくあるタイプである。2013年には、73,000人を上回る患者が膀胱がんと診断され、米国単独においておよそ15,000人の死亡をもたらすことになる(23)。本発明者らが研究した21例の膀胱の尿路上皮癌の三分の二は、TERTプロモーター変異を有していた。本発明者らはまた、この腫瘍の組織病理学的サブタイプについてずっと一般性が低い解剖学的部位である、19例の上部尿路の尿路上皮癌を評定することができた。19例の上部尿路の尿路上皮癌のうちの9例が、TERT変異を有していた。したがって、TERT変異は、膀胱または上部尿路のいずれの尿路上皮癌においてもこれまでに特定されている最も頻繁に変異した遺伝子である(24)。膀胱がんにおけるALTの存在率は、非常に低い(188例のがんのうちの1%)(13)。
【0040】
頭頸部がん
頭頸部がんは、ほぼ常に扁平上皮癌であり、口腔の裏層全体にわたって起こりうる(頬の粘膜、硬口蓋および軟口蓋、舌、声門上部など)。これは、世界で6番目によくあるがんであり、2012年には米国において50,000症例が生じた。本発明者らは、評定した70例の口腔がんのうちの17%においてTERTプロモーター変異を特定した。しかしながら、TERTプロモーター変異を有する症例の解剖学的分布は顕著であった:70例の全症例のうち23例のみが口腔舌において生じていたが、TERTプロモーター変異を有する12例のがんのうちの11例は、口腔舌に存在していた(P<0.0001、フィッシャーの正確確率検定、両側)(表S2)。舌を裏打ちする扁平上皮、および口腔を含む頭頸部の他の部分の共有される特徴を考慮すると、この異常な選択性についての根拠は興味深い。さらに、本発明者らは、22例の別の部位(子宮頚部)の扁平上皮癌を評定し、1種のみのTERT変異(4.5%)を見出した(表1)。大部分の子宮頚部扁平上皮癌および頭頸部扁平上皮癌のサブセットは、E6およびE7ウイルスオンコジーンを発現することによりテロメラーゼを活性化することができる、ヒトパピローマウイルスによって引き起こされる(25)。これらの知見は、ヒトパピローマウイルス感染およびTERT変異が扁平上皮癌の間でテロメラーゼを活性化する代替機構でありうる可能性を提起する。利用可能なデータを有する患者が少数のため、本発明者らは、TERTプロモーター変異とHPV状態または他の臨床パラメータとの間の相関を検定することができなかった(表S2)。41例の口腔がんを含む70例の頭頸部がんの間で、特定されたALT症例はなかった(13)。
【0041】
髄芽細胞腫
髄芽細胞腫は、もっともよくある小児期の悪性脳腫瘍である(26)。TERT変異は、本発明者らが評定した91例の髄芽細胞腫のうちの21%において起きていた。口腔がんでのように、TERT変異は、髄芽細胞腫患者の間でランダムには分布していなかった。髄芽細胞腫は通常、若い年齢で診断されるが、TERT変異を有する髄芽細胞腫は、大幅により高い年齢で診断されていた(中央値=6歳対16歳、P=0.0012、不等分散を想定するt検定、両側)(
図S1A)。この観察は、TERTプロモーター変異を有する腫瘍タイプの選択性についての根拠を理解するために重要な手がかりを有する(考察);90人の患者のうちの45人が、orthodenticle homeobox 2(OTX2)遺伝子の増幅および発現について以前に評価されており、この転写因子の変化が、髄芽細胞腫の臨床的に別個の分子サブタイプと相関していることが公知である(27)。OTX2発現は、TERTプロモーター変異を有する患者においてよりもTERTプロモーター変異を有さない髄芽細胞腫患者において、100倍よりも大きく高かった(
図S1Bにおいて対数目盛に注目されたい)。高レベルのOTX2発現は通常、OTX2遺伝子増幅の結果であった(
図S1C)。TERTプロモーター変異と、診断時のより高い年齢およびOTX2過剰発現の欠如との関連は、TERT変異が髄芽細胞腫の特異的な臨床および分子サブタイプにおいて起こる可能性を提起する。TERT変異について濃縮されうる髄芽細胞腫の最も可能性の高い分子サブタイプは、診断時のより高い年齢およびOTX2のより低い発現を特徴とする、非幼児ソニックヘッジホッグタイプである(28、29)。より大規模な研究が、この関連をより決定的にするために必要であると考えられる。ALTは、以前に研究された55例の髄芽細胞腫のうちの7%において観察されている(13)。
【0042】
神経膠腫
神経膠腫は、最もよくあるCNS腫瘍タイプであり、昨年米国において14,000人より多くの死亡の原因であった(30)。世界保健機関によって確立された組織病理学的および臨床的基準を用いて、これらの腫瘍をいくつかのサブタイプに特徴づける(30)。本発明者らは、4種の主なサブタイプを個々に熟考した(表S3)。
【0043】
原発性神経膠芽腫
これらの原発性神経膠芽腫(GBM)は、成人において最もよくある悪性脳腫瘍であり、すべての頭蓋内腫瘍のうちの約17%を占め、最も悪い生存(約15か月の中央値)を与える(31)。これらの高悪性度(悪性度IV)腫瘍は、検出可能な前駆病変を有さず、デノボ腫瘍と呼ばれている。TERTプロモーター変異の存在率は、成人のGBMにおいて著しく高かった(78例の腫瘍のうちの83%)(表S3)。この存在率は、この腫瘍タイプにおけるいずれの他の遺伝子変異の存在率よりも高かった(32)。これらの知見によって、GBMにおいて観察される高レベルのTERT mRNAおよびテロメラーゼ活性を担う分子機構が提供される(33)。
【0044】
78例の原発性GBM腫瘍のうちの51例について、他の一般的な遺伝子変化に関するデータおよび臨床データが入手可能であった(
図2A)。興味深いことに、原発性GBMの古典的分子特性であるEGFR増幅が、TERT変異を有する腫瘍において排他的に起こっていた(P=0.0006、フィッシャーの正確確率検定、両側)。逆に、TERT変異とTP53変異またはCDKN2A欠失のいずれかとの間に、関連は特定されなかった。重要なことに、TERTプロモーター変異の頻度は、成人患者よりも小児患者の原発性GBMにおいて、大幅により低かった(19例の腫瘍のうちの11%)(考察)(表S3)。ALTは、105例の成人GBMのうちの11%、および小児GBMのうちの44%において観察された(すなわち、TERTプロモーター変異について観察されたパターンの逆)(13)。TERT変異を有さない原発性GBM患者は、平均して、そのような変異を有する患者よりも大幅に長く生存した(中央値=27か月対14か月、ログランク検定によりP=0.01)(
図S3)。
【0045】
星細胞腫
浸潤性星細胞腫瘍は、しばしば進行し、手術で切除された元の病変よりも高い悪性度の再発病変を多くの場合伴う。それらはもっとも多くの場合悪性度IIまたはIIIであるが、悪性度IV(その時点で多くの場合続発性GBMと呼ばれる)に進行しうる。いかなる病期の星細胞腫も、TERTプロモーター変異をめったに含有していなかった(40例の全試料のうちの10%)(表S3)。その代わり、それらはより頻繁に、イソクエン酸脱水素酵素1(IDH1)またはイソクエン酸脱水素酵素2(IDH2)の変異(40例の腫瘍のうちの75%)、ATRXの変異(40例の腫瘍のうちの70%)、およびTP53の変異(40例の腫瘍のうちの73%)を含有していた(
図2B)。ALTは、57例の星細胞腫のうちの63%において観察されており、ATRX変異の高い存在率と一致している(13)。IDH1変異体腫瘍においてTERT変異が活性化されていないことはまた、これらの病変において観察されるTERT mRNAおよびテロメラーゼ活性の欠如によっても確証される(33)。
【0046】
乏突起神経膠腫
星細胞腫と同様に、乏突起神経膠腫は多くの場合進行し、TERTプロモーター変異をしばしば含有する(45例の腫瘍試料のうちの78%)(表S3)。乏突起神経膠腫は、C250T変異がほぼC228T変異のように多かった、研究した唯一の腫瘍タイプ(非CNS腫瘍を含むすべてのタイプのうち)であった(データセットS1)。乏突起神経膠腫においては、TERT変異を有する腫瘍のうちの43%がC250T置換を含有していたが、他の神経膠腫においては、10%のみが含有していた(P<0.001、フィッシャーの正確確率検定、両側)。興味深いことに、ATRXおよびTERTの配列変化について評定した45例の乏突起神経膠腫のうちの91%は、ATRXコード変異またはTERTプロモーター変異のいずれかを含有しており、テロメアの維持を結果としてもたらす遺伝子変化がこのサブタイプの腫瘍形成のために必要とされることを示唆している。
【0047】
乏突起神経膠腫は、染色体腕1pおよび19qの特徴的な喪失を含有していることが長く公知であり、これらの喪失は、染色体19q上のCIC遺伝子の不活性化、およびいくつかの場合には、染色体1p上のFUBP1遺伝子の不活性化を反映する(34〜36)。したがって、45例の乏突起神経膠腫のうちの78%が、ヘテロ接合性の染色体腕1pまたは19qの喪失を含有していた(
図2C)(34〜36)。さらに、それらのほぼすべてが、IDH1またはIDH2の変異を含有していた(93%)。
【0048】
乏突起星細胞腫
これらの腫瘍は、その名称が暗示するように、乏突起神経膠腫および星細胞腫の両方の組織学的特性を有する混合型である。この混合物は、一部には、組織病理学的または臨床的な基準に基づいてさまざまな神経膠腫サブタイプを互いに区別する際の困難を反映する(37)。この腫瘍サブタイプの遺伝学的特性は、この混合物を反映し:TERTプロモーター変異の存在率(24例の腫瘍のうちの25%)は、乏突起神経膠腫と星細胞腫との間の中間であり、染色体(Chr)1p/19qの喪失、ならびにIDH1/2、TP53、およびATRXの変異の頻度と同様であった(
図2D)。
【0049】
実施例4 ALT対TERT
ALTは、いずれの他の組織タイプの腫瘍よりも頻繁に、CNSの腫瘍(特に神経膠腫)において観察されている。TERTプロモーター変異もまた神経膠腫において一般的であることを考慮すると、これらの2つの特性の間の関係を、高い信頼で判定することができた。
図2に示されている腫瘍は、ALT表現型のためのほぼ完璧な代用物であるATRXの変化について、以前に評定されている(11、37)。本発明者らのデータによって、ATRX変異を有する50例の神経膠腫、およびTERT変異を有する83例の神経膠腫があり;TERT変異を有する83例の腫瘍のうちの0例が、ATRX変異を含有していたこと(P<0.0001、フィッシャーの正確確率検定、両側)が示される。
【0050】
参照文献
引用される各参照文献の開示は、明示的に本明細書に組み入れられる。