特許第6574423号(P6574423)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ テルモ株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6574423-包装体および包装組立体 図000002
  • 特許6574423-包装体および包装組立体 図000003
  • 特許6574423-包装体および包装組立体 図000004
  • 特許6574423-包装体および包装組立体 図000005
  • 特許6574423-包装体および包装組立体 図000006
  • 特許6574423-包装体および包装組立体 図000007
  • 特許6574423-包装体および包装組立体 図000008
  • 特許6574423-包装体および包装組立体 図000009
  • 特許6574423-包装体および包装組立体 図000010
  • 特許6574423-包装体および包装組立体 図000011
  • 特許6574423-包装体および包装組立体 図000012
  • 特許6574423-包装体および包装組立体 図000013
  • 特許6574423-包装体および包装組立体 図000014
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6574423
(24)【登録日】2019年8月23日
(45)【発行日】2019年9月11日
(54)【発明の名称】包装体および包装組立体
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/00 20060101AFI20190902BHJP
   A61M 5/32 20060101ALI20190902BHJP
   A61J 1/16 20060101ALI20190902BHJP
【FI】
   A61M5/00 518
   A61M5/32 502
   A61J1/16 Z
【請求項の数】8
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2016-540270(P2016-540270)
(86)(22)【出願日】2015年8月5日
(86)【国際出願番号】JP2015072252
(87)【国際公開番号】WO2016021650
(87)【国際公開日】20160211
【審査請求日】2018年6月6日
(31)【優先権主張番号】特願2014-160830(P2014-160830)
(32)【優先日】2014年8月6日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000109543
【氏名又は名称】テルモ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091292
【弁理士】
【氏名又は名称】増田 達哉
(72)【発明者】
【氏名】蓮見 清章
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 英司
【審査官】 竹下 晋司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−139755(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/045336(WO,A1)
【文献】 特開2006−182448(JP,A)
【文献】 特許第5487489(JP,B2)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0269227(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/00 − 5/52
A61J 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を充填可能な胴部と、前記胴部の先端部に取り付けられ、前記液体を排出する針とを有するシリンジと、前記針を覆うキャップと、前記シリンジの少なくとも基端部を覆うハウジングとを備え、前記キャップの外周面または前記ハウジングと前記キャップとの間に、前記胴部の側面よりも外側に突出した段差部が設けられた液体注入具を収納する包装体であって、
前記液体注入具を収納する収納空間と、前記収納空間から前記液体注入具を取り出すための開口部とを有し、前記開口部を封止する封止部材を取り付け可能な容器を備え、
前記容器は、前記液体注入具から前記キャップを取り外すために前記段差部と係合する係合部を有し、
前記容器は、底部と、前記底部の周囲から上方に延びる側壁部と、前記側壁部の上端に囲まれた前記開口部と、前記側壁部の上端から側方に延び、前記封止部材を取り付けるためのフランジ部とを有し、
前記フランジ部の一部に、側方に向かって開口した切欠部が設けられており、
前記切欠部の下端面が前記係合部として機能することを特徴とする包装体。
【請求項2】
前記切欠部は、前記封止部材で覆われる部分に設けられている請求項に記載の包装体。
【請求項3】
長尺形状をなす前記液体注入具を収納するための前記包装体であって、
前記開口部は、長手形状をなし、
前記液体注入具を、前記液体注入具の軸が前記開口部の長手方向と略平行な状態で前記収納空間に収納可能なように、前記容器は、前記底部に対して垂直方向から見た平面視において長軸と短軸とを有する形状であり、
前記切欠部は、前記長軸方向における前記フランジ部の端部に設けられている請求項またはに記載の包装体。
【請求項4】
長尺形状をなす前記液体注入具を収納するための前記包装体であって、
前記底部に対して垂直方向における前記容器の前記底部から前記フランジ部までの距離は、前記液体注入具の軸方向における前記キャップの先端から前記段差部までの距離以上である請求項ないしのいずれか1項に記載の包装体。
【請求項5】
長尺形状をなす前記液体注入具を収納するための前記包装体であって、
前記切欠部は、前記段差部の前記液体注入具の軸を挟んで対向する部分に前記係合部が係合可能なように設けられている請求項ないしのいずれか1項に記載の包装体。
【請求項6】
長尺形状をなす前記液体注入具を収納するための前記包装体であって、
前記段差部は、前記液体注入具の軸周りに1周に亘って設けられており、
前記切欠部は、前記段差部に沿う形状に形成されている請求項ないしのいずれか1項に記載の包装体。
【請求項7】
前記封止部材を有する請求項1ないしのいずれか1項に記載の包装体。
【請求項8】
請求項に記載の包装体と、
前記収納空間に収納された前記液体注入具とを有し、
前記封止部材により前記開口部が封止されていることを特徴とする包装組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装体および包装組立体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
薬液を生体に投与する際、コイルバネの付勢力により、プランジャが先端方向に押圧され、自動的にプランジャが先端方向に移動するよう構成されたオートインジェクタ等の液体注入具が知られている(例えば、特許文献1参照)。液体注入具の先端部には、キャップが着脱可能に装着されており、これにより、液体注入具の中空針を保護することができ、また、前記中空針による誤穿刺等を防止することができる。この液体注入具によれば、高齢者等の握力の弱い人や、リウマチ患者等の手指が不自由な人でも容易かつ確実に薬液を投与することができる。
【0003】
このような液体注入具は、例えば、特許文献2に記載のブリスター包装体等に収納されている。これにより、輸送時に液体注入具を保護したり、液体注入具からの薬液の水分蒸散を防止したり、液体注入具の周囲の無菌状態を維持したりすることができる。液体注入具を使用する際は、液体注入具を包装体から取り出し、先端に装着されているキャップを手指で摘まんで取り外す。
【0004】
しかしながら、高齢者等の握力の弱い人や、リウマチ患者等の手指が不自由な人は、キャップを手指で摘まんで取り外すのが難しいという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2012/137803号公報
【特許文献2】特表2007−536047号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、収納されたオートインジェクタ等の液体注入具のキャップを容易に取り外すことができる包装体および包装組立体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような目的は、下記(1)〜(15)の本発明により達成される。
(1) 液体を充填可能な胴部と、前記胴部の先端部に取り付けられ、前記液体を排出する針とを有するシリンジと、前記針を覆うキャップと、前記シリンジの少なくとも基端部を覆うハウジングとを備え、前記キャップの外周面または前記ハウジングと前記キャップとの間に、前記胴部の側面よりも外側に突出した段差部が設けられた液体注入具を収納する包装体であって、
前記液体注入具を収納する収納空間と、前記収納空間から前記液体注入具を取り出すための開口部とを有し、前記開口部を封止する封止部材を取り付け可能な容器を備え、
前記容器は、前記液体注入具から前記キャップを取り外すために前記段差部と係合する係合部を有し、
前記容器は、底部と、前記底部の周囲から上方に延びる側壁部と、前記側壁部の上端に囲まれた前記開口部と、前記側壁部の上端から側方に延び、前記封止部材を取り付けるためのフランジ部とを有し、
前記フランジ部の一部に、側方に向かって開口した切欠部が設けられており、
前記切欠部の下端面が前記係合部として機能することを特徴とする包装体。
【0009】
) 前記切欠部は、前記封止部材で覆われる部分に設けられている上記()に記載の包装体。
【0010】
) 長尺形状をなす前記液体注入具を収納するための前記包装体であって、
前記開口部は、長手形状をなし、
前記液体注入具を、前記液体注入具の軸が前記開口部の長手方向と略平行な状態で前記収納空間に収納可能なように、前記容器は、前記底部に対して垂直方向から見た平面視において長軸と短軸とを有する形状であり、
前記切欠部は、前記長軸方向における前記フランジ部の端部に設けられている上記()または()に記載の包装体。
【0011】
) 長尺形状をなす前記液体注入具を収納するための前記包装体であって、
前記底部に対して垂直方向における前記容器の前記底部から前記フランジ部までの距離は、前記液体注入具の軸方向における前記キャップの先端から前記段差部までの距離以上である上記()ないし()のいずれかに記載の包装体。
【0012】
) 長尺形状をなす前記液体注入具を収納するための前記包装体であって、
前記切欠部は、前記段差部の前記液体注入具の軸を挟んで対向する部分に前記係合部が係合可能なように設けられている上記()ないし()のいずれかに記載の包装体。
【0013】
) 長尺形状をなす前記液体注入具を収納するための前記包装体であって、
前記段差部は、前記液体注入具の軸周りに1周に亘って設けられており、
前記切欠部は、前記段差部に沿う形状に形成されている上記()ないし()のいずれかに記載の包装体。
【0014】
液体を充填可能な胴部と、前記胴部の先端部に取り付けられ、前記液体を排出する針とを有するシリンジと、前記針を覆うキャップと、前記シリンジの少なくとも基端部を覆うハウジングとを備え、前記キャップの外周面または前記ハウジングと前記キャップとの間に、前記胴部の側面よりも外側に突出した段差部が設けられた液体注入具を収納する包装体であって、
前記液体注入具を収納する収納空間と、前記収納空間から前記液体注入具を取り出すための開口部とを有し、前記開口部を封止する封止部材を取り付け可能な容器を備え、
前記容器は、前記液体注入具から前記キャップを取り外すために前記段差部と係合する係合部を有し、
前記容器は、底部と、前記底部の周囲から上方に延びる側壁部と、前記側壁部の上端に囲まれた前記開口部と、前記側壁部の内面から前記収納空間に突出する突出部とを有し、
前記突出部の下端面は、前記底部に対して垂直方向に、前記液体注入具の軸方向における前記キャップの先端から前記段差部までの距離以上に前記底部から離間しており、前記係合部として機能することを特徴とする包装体。
【0015】
) 長尺形状をなす前記液体注入具を収納するための前記包装体であって、
前記開口部は、長手形状をなし、
前記液体注入具を、前記液体注入具の軸が前記開口部の長手方向と略平行な状態で前記収納空間に収納可能なように、前記容器は、前記底部に対して垂直方向から見た平面視において長軸と短軸とを有する形状であり、
前記突出部は、前記長軸方向における前記側壁部の端部近傍に設けられている上記()に記載の包装体。
【0016】
) 長尺形状をなす前記液体注入具を収納するための前記包装体であって、
前記開口部は、長手形状をなし、
前記液体注入具を、前記液体注入具の軸が前記開口部の長手方向と略平行な状態で前記収納空間に収納可能なように、前記容器は、前記底部に対して垂直方向から見た平面視において長軸と短軸とを有する形状であり、
前記突出部は、前記短軸方向において対向し、かつ、前記段差部の前記液体注入具の軸を挟んで対向する部分に前記係合部が係合可能なように少なくとも1対設けられている上記()または()に記載の包装体。
【0017】
10) 長尺形状をなす前記液体注入具を収納するための前記包装体であって、
前記開口部は、長手形状をなし、
前記液体注入具を、前記液体注入具の軸が前記開口部の長手方向と略平行な状態で前記収納空間に収納可能なように、前記容器は、前記底部に対して垂直方向から見た平面視において長軸と短軸とを有する形状であり、
前記容器は、前記突出部と前記長軸方向に隣接する前記収納空間に、前記液体注入具の軸と前記底部とが略垂直な状態で、前記キャップの少なくとも前記段差部よりも先端側の部分を挿入可能なキャップ挿入部を有し、
前記キャップ挿入部に挿入された前記キャップを、前記長軸方向に前記突出部に向かって移動させることにより、前記係合部が前記段差部の前記液体注入具の軸を挟んで対向する部分に係合可能となる上記()ないし()のいずれかに記載の包装体。
【0018】
11) 前記容器は、前記キャップ挿入部に対して、前記突出部を挟んで前記長軸方向の反対側に、前記キャップ挿入部に挿入された前記キャップの移動を規制する移動規制部を有する上記(10)に記載の包装体。
【0019】
12) 前記突出部は、前記開口部の近傍に設けられている上記()ないし(11)のいずれかに記載の包装体。
【0020】
13) 前記収納空間は、前記収納空間に収納された前記液体注入具の前記キャップを収納するキャップ収納空間を有し、
前記突出部は、前記側壁部の前記キャップ収納空間を形成する部分に設けられている上記()ないし(12)のいずれかに記載の包装体。
【0021】
14) 前記封止部材を有する上記(1)ないし(13)のいずれかに記載の包装体。
【0022】
15) 上記(14)に記載の包装体と、
前記収納空間に収納された前記液体注入具とを有し、
前記封止部材により前記開口部が封止されていることを特徴とする包装組立体。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、オートインジェクタ等の液体注入具からキャップを取り外す際、包装体の係合部にキャップの段差部を係合させることにより、キャップを容易かつ確実に取り外すことができる。
【0024】
また、段差部は、胴部の側面よりも外側に突出しているので、容易に係合部に段差部を係合させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1図1は、本発明の包装組立体の実施形態を示す斜視図である。
図2図2は、図1に示す包装組立体の封止部材を剥離した状態を示す斜視図である。
図3図3は、図1に示す包装組立体のキャップを取り外す際の操作手順を説明するための斜視図である。
図4図4は、図1に示す包装組立体のキャップを取り外す際の操作手順を説明するための斜視図である。
図5図5は、図1に示す包装組立体のキャップを取り外す際の操作手順を説明するための斜視図である。
図6図6は、図1に示す包装組立体のキャップを取り外す際の操作手順を説明するための断面図である。
図7図7は、図1に示す包装組立体のキャップを取り外す際の操作手順を説明するための断面図である。
図8図8は、図1に示す包装組立体のキャップを取り外す際の操作手順を説明するための斜視図である。
図9図9は、図1に示す包装組立体のキャップを取り外す際の操作手順を説明するための平面図である。
図10図10は、図1に示す包装組立体のキャップを取り外す際の操作手順を説明するための平面図である。
図11図11は、図1に示す包装組立体のキャップを取り外す際の操作手順を説明するための斜視図である。
図12図12は、図1に示す包装組立体のキャップを取り外す際の操作手順を説明するための断面図である。
図13図13は、図1に示す包装組立体のキャップを取り外す際の操作手順を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の包装体および包装組立体を添付図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0027】
図1は、本発明の包装組立体の実施形態を示す斜視図である。図2は、図1に示す包装組立体の封止部材を剥離した状態を示す斜視図である。図3図5図8および図11は、それぞれ、図1に示す包装組立体のキャップを取り外す際の操作手順を説明するための斜視図である。図9および図10は、それぞれ、図1に示す包装組立体のキャップを取り外す際の操作手順を説明するための平面図である。図6図7図12および図13は、それぞれ、図1に示す包装組立体のキャップを取り外す際の操作手順を説明するための断面図である。
【0028】
なお、以下では、説明の都合上、図1図8図11図13中の上側を「上」または「上方」、下側を「下」または「下方」、右側を「右」、左側を「左」と言い、図9および図10中の右側を「右」、左側を「左」と言う。また、説明の都合上、液体注入具の図2中の左側を「基端」、右側を「先端」と言い、液体注入具の図3図8図11図13中の上側を「基端」、下側を「先端」と言う。
【0029】
また、図6図7図12および図13では、押し子および第2のコイルバネの図示を省略している。また、図9および図10では、液体注入具については、キャップのリムーバーの最外周の部分(部位)、すなわち外筒のみが図示されている。
【0030】
図1および図2に示すように、包装組立体1は、液体注入具5と、その液体注入具5を収納する包装体2とを有している。
【0031】
液体注入具5は、長尺形状をなし、薬液(液体)が予め充填されたオートインジェクタであり、その薬液を生体に注入する(投与する)際に用いられるものである。なお、薬液としては、特に限定されず、その使用目的に応じて適宜選択されるが、例えば、造血剤、ワクチン、ホルモン製剤、抗リウマチ剤、抗ガン剤、麻酔剤、血液凝固防止剤等が挙げられる。
【0032】
図2図6および図7に示すように、液体注入具5は、長尺形状をなす液体注入具本体6と、液体注入具本体6に着脱可能に装着されたキャップ7とを有している。液体注入具本体6にキャップ7が装着されていることにより、液体注入具本体6の後述する針66を保護することができ、また、針66による誤穿刺等を防止することができる。
【0033】
液体注入具本体6は、有底筒状をなすハウジング63と、ハウジングの内周側に配置されたシリンジ61と、シリンジ61を保持するシリンジホルダ62と、シリンジ61の後述する針66の少なくとも先端部を覆う針カバー64と、図示しない第1のコイルバネと、図示しない第2のコイルバネとを備えている。シリンジホルダ62は、ハウジング63に保持されている。また、ハウジング63は、シリンジ61の針66以外の部分、すなわち、筒体611を覆っている。このハウジング63は、薬液を生体に注入する際に把持する把持部でもある。なお、ハウジング63は、シリンジ61の少なくとも基端部を覆っていればよい。
【0034】
シリンジ61は、有底筒状をなし、薬液を充填可能な筒体611と、筒体611の先端部に取り付けられ、前記薬液を排出する針(中空針)66と、筒体611内に設けられ、その筒体611内で摺動し得るガスケット67と、ガスケット67に連結された図示しない押し子とを有している。前記第1のコイルバネは、前記押し子を介してガスケット67を先端方向に向かって付勢している。また、図示しない保持部が押し子に係合し、押し子の先端方向への移動が阻止されている。
【0035】
筒体611は、底部を有する胴部612と、前記底部の中央部に設けられ、胴部612に対し縮径した縮径部613とを有しており、これらが一体的に形成されている。そして、縮径部613により、液体が出入り可能な口部が構成される。また、胴部612の先端部に設けられた縮径部613には、針66が取り付けられている(固定されている)。
【0036】
筒体611の内腔部、すなわち、筒体611とガスケット67とで囲まれる空間であって、ガスケット67の先端側に位置する空間内には、予め薬液が収納されている。
【0037】
針66は、中空の針管であり、先端に鋭利な針先を有し、針先で生体を穿刺することができる。針66の内腔部は、筒体611の内腔部と連通しており、筒体611からの薬液が通過する流路として機能する。針66の針先で生体を皮膚から所定の深さまで穿刺した後、体内にその針66の流路を介して薬液が注入される。
【0038】
針カバー64は、先端開口を有し、ハウジング63に、液体注入具5の軸方向に移動可能に設置されている。この針カバー64は、針66の少なくとも針先を覆う第1の位置(カバー位置)と、針66の針先を露出させる第2の位置(退避位置)とに移動可能である。前記第2のコイルバネは、針カバー64が第1の位置に位置し、針カバー64の先端開口が針66の針先よりも先端側に位置するように、針カバー64を先端方向に向かって付勢している。
【0039】
薬液を生体に注入する際は、液体注入具5のハウジング63を把持し、液体注入具5からキャップ7を取り外した後、針カバー64の先端部を生体表面の目的部位に押し付ける。これにより、針カバー64は、基端方向に向かって第2の位置に移動し、針66の針先が生体表面を穿刺する。そして、針カバー64が第2の位置に移動すると、前記保持部と前記押し子との係合が外れ、前記第1のコイルバネの付勢力により、押し子を介してガスケット67が先端方向に移動し、これにより、薬液が針66から排出される。このように、この液体注入具5によれば、第1のコイルバネの付勢力により自動的にガスケット67が先端方向に移動するので、高齢者等の握力の弱い人や、リウマチ患者等の手指が不自由な人でも容易かつ確実に薬液を投与することができる。
【0040】
キャップ7は、針シールド部材71と、針シールド部材71の外周側に配置されたリムーバー72とを有している。
【0041】
針シールド部材71は、針66の針先を覆う針先保護部材711と、針先保護部材711を保持するカバー部材712とを有している。針先保護部材711は、例えば、ゴム材料等で構成されており、シリンジ61の縮径部613に着脱自在に装着されている。また、針先保護部材711により、針66の針先の開口が封止されている。なお、針先保護部材711およびカバー部材712の形状は、特に限定されないが、本実施形態では、有底筒状をなしている。
【0042】
リムーバー72は、外筒721と、外筒721の内側に、外筒721と同心的に配置された内筒722とを有している。また、内筒722の基端には、1対の腕部723が、基端側に向って突出し、かつ、液体注入具5の軸を挟んで互いに対向するように形成されている。また、各腕部723の基端部には、爪724が、液体注入具5の軸に向って突出するように形成されている。
【0043】
前記針シールド部材71のカバー部材712は、内筒722の内側に配置され、その内筒722に保持されている。また、各腕部723の爪724は、カバー部材712の基端に係合している。これにより、液体注入具5からキャップ7を取り外す際、リムーバー72が液体注入具本体6に対して先端方向に移動すると、リムーバー72とともに針シールド部材71も先端方向に移動し、キャップ7を取り外すことができる。
【0044】
このリムーバー72は、液体注入具本体6のハウジング63の先端部に装着されている。この場合、外筒721の基端部が、ハウジング63の先端部の外周部に嵌合し、また、各腕部723の基端部が、ハウジング63の先端部の内周部に嵌合している。このように、キャップ7が装着された状態の液体注入具5では、リムーバー72は、ハウジング63の先端部の内周面および外周面に当接しているので、液体注入具5からキャップ7を取り外す際、ハウジング63に対してリムーバー72が曲がることを阻止することができ、これにより、キャップ7で針66が曲げられてしまうことを防止することができる。
【0045】
また、ハウジング63とキャップ7のリムーバー72の外筒721との間には、胴部612の側面よりも外側に突出した段差部(第1の段差部)725が設けられている。この段差部725は、外筒721の基端部等で構成され、液体注入具5の軸周りに1周に亘って設けられており、液体注入具5からキャップ7を取り外す際、包装体2の後述する切欠部331または1対の突出部36に係合する。
【0046】
また、外筒721の先端部の外周面には、外筒721の基端部に対して縮径した縮径部と、その縮径部に対して拡径した拡径部とが形成されており、その縮径部と拡径部とで、胴部612の側面よりも外側に突出した段差部(第2の段差部)726が設けられている。この段差部726は、外筒721の外周面に、液体注入具5の軸周りに1周に亘って設けられており、液体注入具5からキャップ7を取り外す際、包装体2の後述する切欠部331または1対の突出部36に係合する。なお、液体注入具5からキャップ7を取り外す際は、段差部725と段差部726とのいずれを切欠部331または1対の突出部36に係合させてもよい。
【0047】
また、リムーバー72を手指で把持して先端方向に引き抜くことにより、液体注入具5からキャップ7を取り外すことができるが、段差部726は、その際に、手指を引っ掛ける指掛部として機能する。
【0048】
次に、包装体2について説明する。
図1および図2に示すように、包装体2は、液体注入具5を収納する容器3と、容器3に離脱可能に取り付けられた封止部材4とを備えている。封止部材4は、シート状をなしている、すなわち、平坦な形状をなすシート材で構成されている。
【0049】
図2および図3に示すように、容器3は、液体注入具5を収納可能、すなわち、液体注入具5を収納する後述の収納空間34を確保することができる突出形状(ブリスター形状)に成形されている。すなわち、容器3は、底部31と、底部31の周囲から上方に延びる側壁部32と、側壁部32の上端から側方に延び、封止部材4を取り付けるためのフランジ部33とを有している。そして、底部31および側壁部32により、その内側の部分に、液体注入具5を収納するための収納空間34が形成され、収納空間34の上端に、収納空間34から液体注入具5を取り出すための開口部35が形成されている。収納空間34のうち、右側の端部は、液体注入具5のキャップ7を収納するキャップ収納空間38である。なお、開口部35は、側壁部32の上端で囲まれている。
【0050】
また、容器3の形状は、特に限定されないが、本実施形態では、底部31に対して垂直方向から見た平面視(以下、平面視と言う)で、長軸および短軸を有する長手形状、すなわち、略長方形をなしている。なお、図2には、前記長軸の方向を「X」、前記短軸の方向を「Y」で示す。
【0051】
また、開口部35の形状は、特に限定されないが、本実施形態では、平面視で、長軸および短軸を有する長手形状をなしている。
【0052】
また、収納空間34の形状は、特に限定されないが、液体注入具5を、液体注入具5の軸が開口部35の長手方向と略平行な状態で収納空間34に収納可能な形状をなしている。
【0053】
また、前述したように、容器3の上端部の外周部には、その1周に亘って、フランジ部33が形成されている。このフランジ部33は、4辺のうち、左側の部分が他の部分よりも大きく形成されている。
【0054】
また、容器3の長軸方向Xにおけるフランジ部33の端部、すなわち、フランジ部33の左側の部分には、側方に向かって開口した切欠部331が形成されている。この切欠部331の下端面は、液体注入具5からキャップ7を取り外すためにキャップ7の段差部725または726と係合する係合部として機能する(図4図6参照)。これにより、液体注入具5を側方から切欠部331に近付けることで、キャップ7の段差部725または726を容易に切欠部331と係合させることができる。また、切欠部331は容器3の長軸方向Xにおけるフランジ部33の端部に形成されているので、液体注入具5からキャップ7を取り外す際は、一方の手指で液体注入具5を把持し、段差部725または726を切欠部331に係合させた状態で、他方の手指で容器3を確実に押さえることができ、これにより、液体注入具5からキャップ7を容易に取り外すことができる。
【0055】
以下、切欠部331について、段差部725、726との関係について説明するが、切欠部331と段差部725との関係と、切欠部331と段差部726との関係とは、同様であるので、代表的に、切欠部331と段差部725との関係について説明する。
【0056】
切欠部331の形状は、切欠部331の下端面が段差部725に係合し得る形状であれば特に限定されないが、切欠部331は、段差部725の液体注入具5の軸を挟んで対向する部分に切欠部331の下端面(係合部)が係合可能なように設けられていることが好ましい。これにより、液体注入具5からキャップ7を取り外す際、切欠部331と段差部725との係合を中心に液体注入具5が回転し難くなり、確実にキャップ7を取り外すことができる。また、切欠部331は、段差部725に沿う形状に形成されていることが好ましい。これにより、切欠部331と段差部725とが確実に係合し、キャップ7をより確実に取り外すことができる。本実施形態では、切欠部331の形状は、円弧状をなしている。
【0057】
また、容器3の底部31に対して垂直方向における底部31からフランジ部33までの距離L1(図6参照)は、液体注入具5の軸方向におけるキャップ7の先端から段差部725までの距離L2(図6参照)以上である。これにより、液体注入具5からキャップ7を取り外す際、容器3を持ち上げることなく、底部31を鉛直方向下方にして容器3をテーブル等に載置した状態で、切欠部331の下側に段差部725を配置することができ、容易に段差部725を切欠部331に係合させることができる。
【0058】
また、フランジ部33の上面は、封止部材4を取り付け可能な部位であり、そのフランジ部33の上面に、封止部材4が、例えば、融着または接着等により、離脱可能に取り付けられている。これにより、封止部材4によりフランジ部33が覆われるとともに、開口部35が気密的に封止され、包装体2の内部の無菌状態を維持することができる。
【0059】
また、包装体2から封止部材4を剥離する際は、封止部材4のうち、切欠部331の欠損している部分に対応する部分を把持することで、封止部材4を容易に剥離することができる。
【0060】
また、容器3は、側壁部32の内面から収納空間34に突出する1対の突出部36を有している。各突出部36の下端面は、液体注入具5からキャップ7を取り外すためにキャップ7の段差部725または726と係合する係合部として機能する(図10図12参照)。なお、突出部36の数は、2つに限らず、例えば、1つでもよく、また、3つ以上でもよいが、2つ以上であることが好ましい。この各突出部36が収納空間34に配置されていることにより、液体注入具5からキャップ7を取り外した場合、キャップ7は収納空間34に収納され、これにより、キャップ7が転がったりせず、廃棄し易い。
【0061】
以下、突出部36について、段差部725、726との関係について説明する場合は、突出部36と段差部725との関係と、突出部36と段差部726との関係とは、同様であるので、代表的に、突出部36と段差部725との関係について説明する。
【0062】
各突出部36の下端面は、底部31に対して垂直方向に、キャップ7の先端から段差部725までの距離L2(図12参照)以上に底部31から離間している。すなわち、容器3の底部31に対して垂直方向における底部31から各突出部36までの距離L3(図12参照)は、距離L2以上である。これにより、液体注入具5からキャップ7を取り外す際、容器3を変形させることなく、キャップ7を収納空間34の突出部36が形成された部分に挿入した状態で、突出部36の下側に段差部725を配置することができ、容易に段差部725を切欠部331に係合させることができる。
【0063】
また、各突出部36は、容器3の短軸方向Yにおいて互いに対向し(図2参照)、かつ、段差部725の液体注入具5の軸を挟んで対向する部分に突出部36の下端面(係合部)が係合可能なように設けられている(図10参照)。これにより、液体注入具5からキャップ7を取り外す際、切欠部331と段差部725との係合を中心に液体注入具5が回転し難くなり、確実にキャップ7を取り外すことができる。
【0064】
また、各突出部36の位置は、特に限定されないが、本実施形態では、各突出部36は、容器3の長軸方向Xにおける側壁部32の端部近傍に配置されている。これにより、液体注入具5からキャップ7を取り外す際は、一方の手指で液体注入具5を把持し、段差部725を各突出部36に係合させた状態で、他方の手指で容器3を確実に押さえることができ、これにより、液体注入具5からキャップ7を容易に取り外すことができる。また、各突出部36は開口部35の近傍に配置されている。これにより、使用者は、容易に各突出部36を認識することができる。また、各突出部36はキャップ収納空間38に配置されている。これにより、使用者は、各突出部36がキャップ7を取り外す際に用いるものであることを容易に把握することができる。
【0065】
また、容器3は、液体注入具5からキャップ7を取り外す際、液体注入具5の軸と底部31とが略垂直な状態で、キャップ7の少なくとも段差部725よりも先端側の部分を挿入可能なキャップ挿入部37を有している。このキャップ挿入部37は、各突出部36と容器3の長軸方向Xに隣接する収納空間34、すなわち、キャップ収納空間38に設けられている。
【0066】
液体注入具5からキャップ7を取り外す際は、図8および図9に示すように、液体注入具5の軸と底部31とが略垂直な状態で、液体注入具5のキャップ7をキャップ挿入部37に挿入し、容器3の長軸方向Xに各突出部36に向かって(図9中左側に)移動させる。これにより、図10および図12に示すように、各突出部36の下端面が段差部725の液体注入具5の軸を挟んで対向する部分に係合可能となる。このように、液体注入具5からキャップ7を取り外すために、キャップ7をキャップ収納空間38に挿入し、各突出部36の下側に段差部725を配置する際に、キャップ7で各突出部36を潰したり、損傷させたりすることを抑制でき、確実に段差部725に各突出部36を係合させることができる。
【0067】
また、図3図9および図10に示すうように、容器3は、キャップ挿入部37に対し、そのキャップ挿入部37に挿入されたキャップ7の移動を規制する移動規制部39を有している。この移動規制部39は、底部31に設けられた段差部であり、各突出部36を挟んで容器3の長軸方向Xの反対側へのキャップ7の移動を規制する。すなわち、移動規制部39は、キャップ7の段差部725が各突出部36に係合していない状態(図8図9参照)から、液体注入具5が図9中左側に移動し、段差部725が各突出部36に係合可能な状態(図10参照)のときに、キャップ7に当接し、キャップ7の移動を阻止する。これにより、容易かつ確実に、段差部725と各突出部36とを係合させることができる。
【0068】
また、容器3の構成材料としては、特に限定されず、例えば、紙、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、ポリカーボネート、アクリル樹脂、アクリルニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリアミドのような各種樹脂等が挙げられる。
【0069】
次に、包装組立体1の液体注入具5からキャップ7を取り外す際の操作手順について説明する。
【0070】
この包装組立体1は、キャップ7の取り外し方法として、キャップ7を把持して先端方向に引き抜く方法の他に、容器3を利用する2通りの方法を有している。液体注入具5の使用者は、その2通りの方法から、いずれか一方を選択することができる。以下、容器3を利用する2通りの方法を順次説明する。
【0071】
まず、図2に示すように、包装組立体1の包装体2から封止部材4を剥離し、図3に示すように、容器3から液体注入具5を取り出す。
【0072】
1つ目の方法では、次に、図4および図6に示すように、液体注入具5の軸とフランジ部33(底部31)とが略垂直な状態で、キャップ7の段差部725を容器3の切欠部331に係合させる。なお、段差部725に代えて、段差部726を切欠部331に係合させてもよい。そして、図5および図7に示すように、一方の手指で容器3を押さえつつ、他方の手指で液体注入具5把持して上方に移動させる(手指は不図示)。これにより、液体注入具5からキャップ7が離脱する。
【0073】
2つ目の方法では、容器3から液体注入具5を取り出した後、図10および図12に示すように、キャップ7の段差部725を容器3の各突出部36に係合させる。この場合、まずは、図8および図9に示すように、液体注入具5の軸と底部31とが略垂直な状態で、液体注入具5のキャップ7をキャップ挿入部37の各突出部36よりも図9中右側に挿入し、図9中左側に移動させる。これにより、図10および図12に示すように、各突出部36が段差部725に係合可能となる。なお、段差部725に代えて、段差部726が各突出部36に係合可能な状態にしてもよい。そして、図11および図13に示すように、一方の手指で容器3を押さえつつ、他方の手指で液体注入具5把持して上方に移動させる(手指は不図示)。これにより、各突出部36が段差部725に係合し、液体注入具5からキャップ7が離脱する。
【0074】
以上説明したように、この包装組立体1によれば、液体注入具5からキャップ7を取り外す際、包装体2の切欠部331または各突出部36に、キャップ7の段差部725または7265を係合させることにより、高齢者等の握力の弱い人や、リウマチ患者等の手指が不自由な人でもキャップ7を容易かつ確実に取り外すことができる。
【0075】
また、段差部725、726は、シリンジ61胴部612の側面よりも外側に突出しているので、容易に、切欠部331または各突出部36に段差部725または726を係合させることができる。
【0076】
以上、本発明の包装体および包装組立体を図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
【0077】
また、本発明は、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
また、本発明では、切欠部と突出部とのいずれか一方が省略されていてもよい。
【0078】
また、前記実施形態では、突出部は、ハウジングとキャップとの間に形成された段差部(第1の段差部)と係合することを意図して設けられているが、本発明では、これに限らず、キャップの外周面に形成された段差部(第2の段差部)と係合することを意図して設けられていてもよい。この場合、容器の底部に対して垂直方向における底部から突出部までの距離は、キャップの先端から第2の段差部までの距離以上であればよい。
【0079】
また、前記実施形態では、包装体は、容器の開口部を封止する封止部材を有しているが、本発明では、これに限らず、例えば、封止部材がなく、容器を収納する収納箱を有する構成でもよい。この場合、収納箱は容器をスライド可能に収納していることが好ましい。なお、包装体は、封止部材と収納箱の両方を有する構成であってもよい。
【0080】
また、前記実施形態では、キャップは、リムーバーと針シールド部材とで構成されているが、本発明では、これに限らず、例えば、リムーバーが省略されていてもよい。この場合は、針シールド部材の外周面またはハウジングと針シールド部材との間に、胴部の側面よりも外側に突出した段差部が設けられている。
【0081】
また、前記実施形態では、液体注入具は、オートインジェクタであるが、本発明では、これに限らず、例えば、手動で押し子を押圧して液体を吐出する形態のものであってもよい。
【0082】
また、前記実施形態では、液体注入具は、シリンジ内に予め薬液が収納されている構成であるが、これに限らず、例えば、シリンジ内に粉末製剤などの固形製剤としての薬剤が収納されていてもよい。この場合には、使用時にシリンジ内に溶解液等の液体を注入し、前記液体に薬剤を溶解してなるものを「薬液」として用いることができる。また、液体注入具は、液体が予め充填されていない形態のものであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本発明の包装体は、液体を充填可能な胴部と、前記胴部の先端部に取り付けられ、前記液体を排出する針とを有するシリンジと、前記針を覆うキャップと、前記シリンジの少なくとも基端部を覆うハウジングとを備え、前記キャップの外周面または前記ハウジングと前記キャップとの間に、前記胴部の側面よりも外側に突出した段差部が設けられた液体注入具を収納する包装体であって、
前記液体注入具を収納する収納空間と、前記収納空間から前記液体注入具を取り出すための開口部とを有し、前記開口部を封止する封止部材を取り付け可能な容器を備え、
前記容器は、前記液体注入具から前記キャップを取り外すために前記段差部と係合する係合部を有することを特徴とする。
また、本発明の包装組立体は、本発明の包装体と、
前記収納空間に収納された前記液体注入具とを有し、
前記封止部材により前記開口部が封止されていることを特徴とする。
本発明によれば、オートインジェクタ等の液体注入具からキャップを取り外す際、包装体の係合部にキャップの段差部を係合させることにより、キャップを容易かつ確実に取り外すことができる。また、段差部は、胴部の側面よりも外側に突出しているので、容易に係合部に段差部を係合させることができる。したがって産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0084】
1 包装組立体
2 包装体
3 容器
31 底部
32 側壁部
33 フランジ部
331 切欠部
34 収納空間
35 開口部
36 突出部
37 キャップ挿入部
38 キャップ収納空間
39 移動規制部
4 封止部材
5 液体注入具
6 液体注入具本体
61 シリンジ
611 筒体
612 胴部
613 縮径部
62 シリンジホルダ
63 ハウジング
64 針カバー
66 針
67 ガスケット
7 キャップ
71 針シールド部材
711 針先保護部材
712 カバー部材
72 リムーバー
721 外筒
722 内筒
723 腕部
724 爪
725、726 段差部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13