特許第6574429号(P6574429)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6574429
(24)【登録日】2019年8月23日
(45)【発行日】2019年9月11日
(54)【発明の名称】電源
(51)【国際特許分類】
   A61L 2/08 20060101AFI20190902BHJP
   B65B 55/08 20060101ALN20190902BHJP
【FI】
   A61L2/08 108
   !B65B55/08 B
【請求項の数】10
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-552939(P2016-552939)
(86)(22)【出願日】2015年1月21日
(65)【公表番号】特表2017-512513(P2017-512513A)
(43)【公表日】2017年5月25日
(86)【国際出願番号】EP2015051068
(87)【国際公開番号】WO2015124355
(87)【国際公開日】20150827
【審査請求日】2017年12月11日
(31)【優先権主張番号】1450201-7
(32)【優先日】2014年2月19日
(33)【優先権主張国】SE
(73)【特許権者】
【識別番号】391053799
【氏名又は名称】テトラ ラバル ホールディングス アンド ファイナンス エス エイ
(74)【代理人】
【識別番号】100151105
【弁理士】
【氏名又は名称】井戸川 義信
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ホーカン・メルビン
【審査官】 井上 能宏
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2012/153675(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0012032(US,A1)
【文献】 特開2000−121800(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0035652(US,A1)
【文献】 特表2005−519292(JP,A)
【文献】 特開2015−002173(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第02814080(EP,A1)
【文献】 独国特許出願公開第102009017841(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L 2/00− 2/28
A61L 11/00−12/14
B65B 53/00−55/24
G21K 1/00− 7/00
B67C 3/00−11/06
H01M 2/00− 2/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
菌ユニットのための電源(20)であって、
ハウジング(23)を備え、
前記ハウジング(23)は、少なくとも第1のセクター(1)および第2のセクター(2)を備え、
前記第1のセクター(1)は、対向する側壁の第1の対(31)を備え、
前記第2のセクター(2)は、対向する側壁の第2の対(32)を備え、
前記側壁の第1の対(31)は第1の角度(α31)で配置され、かつ、前記側壁の第2の対(32)は第2の角度(α32)で配置され、
前記第1の角度(α31)と前記第2の角度(α32)とは互いに異なり、
前記第1の角度(α31)は、360°を、カルーセル上に配置された電源の最大数の2倍で割った値に等しく、
前記第2の角度(α32)は、360°を、カルーセル上に配置された電源の最小数の2倍で割った値に等しい、
ことを特徴とする電源(20)。
【請求項2】
前記第1の角度(α31)は、1〜20°の範囲内に存在し、
前記第2の角度(α32)は、10〜45°の範囲内に存在する、
請求項1に記載の電源(20)。
【請求項3】
前記第1のセクター(1)は第1の端部(21)を備え、
前記第2のセクター(2)は第2の端部(22)を備え、
前記第1の端部(21)は、さらなる側壁(33)によって形成され、
前記第2の端部(22)は、さらなる側壁(33)によって形成される、請求項1または請求項2に記載の電源(20)。
【請求項4】
前記ハウジング(23)は絶縁媒体で満たされる、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の電源(20)。
【請求項5】
前記ハウジング(23)は、少なくとも一つの絶縁シールドを備える、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の電源(20)。
【請求項6】
側壁の少なくとも一つのさらなる対が、前記側壁の第1の対(31)と前記側壁の第2の対(32)との間に配置され、
前記側壁のさらなる対の角度は、前記第1の角度(α31)と前記第2の角度(α32)との間にある、請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の電源(20)。
【請求項7】
菌デバイスのための電源デバイスであって、
複数の電源(20)を備え、
各電源(20)はハウジング(23)を備え、
前記ハウジング(23)は、少なくとも第1のセクター(1)および第2のセクター(2)を備え、
前記第1のセクター(1)は、対向する側壁の第1の対(31)を備え、
前記第2のセクター(2)は、対向する側壁の第2の対(32)を備え、
前記複数の電源(20)は、第1の円(61)あるいは第2の円(62)を形成するように配置されるよう構成され、
前記第1の円において、隣接する電源(20)の前記第1のセクター(1)の前記側壁(31)は、互いに平行に方向付けられ、かつ、前記第2の円において、隣接する電源(20)の前記第2のセクター(2)の前記側壁(32)は、互いに平行に方向付けられ
前記側壁の第1の対(31)は第1の角度(α31)で配置され、かつ、前記側壁の第2の対(32)は第2の角度(α32)で配置され、
前記第1の角度(α31)は、360°を、カルーセル上に配置された電源の最大数の2倍で割った値に等しく、
前記第2の角度(α32)は、360°を、カルーセル上に配置された電源の最小数の2倍で割った値に等しい、
電源デバイス。
【請求項8】
キャリアプレート(60)を備え、
前記複数の電源(20)は前記キャリアプレート(60)上に配置される、請求項7に記載の電源デバイス。
【請求項9】
各電源(20)は電子ビームエミッター(40)に接続されるよう構成される、請求項に記載の電源デバイス。
【請求項10】
菌材料のための殺菌ユニットであって、
源(20)および少なくとも一つの電子ビームエミッター(40)を備え、
前記電源(20)はハウジング(23)を備え、
前記ハウジング(23)は、少なくとも第1のセクター(1)および第2のセクター(2)を備え、
前記第1のセクター(1)は、対向する側壁の第1の対(31)を備え、
前記第2のセクター(2)は、対向する側壁の第2の対(32)を備え、
前記側壁(31;32)は、前記ハウジング(23)の垂直軸線(A)に対して平行に方向付けられ、
前記側壁の第1の対(31)は第1の角度(α31)で配置され、かつ、前記側壁の第2の対(32)は第2の角度(α32)で配置され、
前記第1の角度(α31)と前記第2の角度(α32)とは互いに異なり、
前記第1の角度(α31)は、360°を、カルーセル上に配置された電源の最大数の2倍で割った値に等しく、
前記第2の角度(α32)は、360°を、カルーセル上に配置された電源の最小数の2倍で割った値に等しい、
殺菌ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に殺菌ユニットのための電源に、特に殺菌デバイスのための電源デバイスンに、そして特に包装材料の殺菌のための殺菌ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術では、包装材料を殺菌するためのさまざまなデバイスおよび方法が知られている。従来技術において広く使用される一つの方法は、ガスによる、特に過酸化水素による殺菌である。だが、容器を殺菌する際に、化学物質の使用を減らすための努力がなされている。したがって、電子ビームによって材料を殺菌するデバイスおよび方法もまた公知となっている。一般に、電荷キャリア、特に電子を放出するよう構成された電子ビームエミッターが提供され、包装材料はこうした電荷キャリアによって殺菌することができる。このコンテクストでは、電源は、殺菌を可能にする電荷キャリアを生成する電子ビームエミッターを動作させるために使用される高電圧を提供するために必要である。一般に、複数の電源が、それぞれ移動可能または回転可能なカルーセルまたはキャリアプレート上に配置される。これは、さまざまな課題を伴う。カルーセルまたはキャリアプレートは移動可能、すなわち回転可能であるので、電源の、特にそのハウジングの重量は可能な限り小さなものであるべきである。さらに、ハウジングの寸法は、多数の電源を小さな空間内に配置できるように、好ましくは小さなものであるべきである。特に、ハウジングは、柔軟な配置、すなわちさまざまな数の電源の配置を可能にする設計を有しているべきである。だが、従来技術から知られている電源は、それらが、たいてい、明らかに一つの特定の配置のために適合されかつ設計されるので過度に大きく、重く、使い勝手が悪い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、本発明の目的は、従来技術の欠点を回避し、かつ、可能な限り最良の柔軟性と共に小さな重量および高いコスト効率を有する、特に殺菌ユニットのための電源、特に殺菌デバイスのための電源デバイス、そして特に包装材料の殺菌のための殺菌ユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この目的は、請求項1に記載の電源によって、請求項7に記載の電源デバイスによって、そして請求項10に記載の殺菌ユニットによって達成される。本発明の好ましい実施形態のさらなる利点および特徴は従属請求項に規定されている。
【0005】
本発明によれば、特に殺菌ユニットのための電源はハウジングを備え、当該ハウジングは少なくとも第1のセクターおよび第2のセクターを備え、第1のセクターは対向する側壁の第1の対を備え、第2のセクターは対向する側壁の第2の対を備える。側壁の第1の対は第1の角度で配置され、かつ、側壁の第2の対は第2の角度で配置され、第1の角度と第2の角度とは互いに異なる。
【0006】
本発明の一つ以上の実施形態によれば、電源は、電子ビームエミッターに対して、それぞれ接続可能であるかまたは接続される。代替的にまた、一つ以上の電子ビームエミッターは一つの電源に接続することができる。電子ビームエミッター(または少なくとも一つ)と電源との組み合わせは殺菌ユニットと呼ばれる。一般に、接続は、形状および/または圧力嵌め接続である。電子ビームエミッターは、経路に沿って、電子などの電荷キャリアを放出するための電子発生器を備える。電子発生器は、一般に、密閉された真空チャンバ内に封入される。真空チャンバーは、一つまたは複数の実施形態によれば、電子出口ウィンドウを備える。さらに、電子発生器はカソードハウジングおよびフィラメントを備える。使用時、電子ビームはフィラメントを加熱することによって生成される。電流がフィラメントを通って設定されるとき、フィラメントの電気抵抗によって、フィラメントは2000℃のオーダーの温度まで加熱される。この加熱によってフィラメントは電子雲を放出する。電子は、カソードハウジングと電子出口ウィンドウとの間の高電位によって電子出射ウィンドウに向かって加速される。続いて、電子は電子出口ウィンドウを通過し、標的領域、例えば殺菌されなければならない包装材料の一部に向って移動し続ける。高電位は、電源にカソードハウジングおよびフィラメントを接続することにより、そしてアースに真空チャンバーを接続することによって生成される。電源によって供給される電圧は、一つ以上の実施形態によれば、約80ないし150kVの範囲内にある。だが、より高いかあるいはより低い値も可能である。
【0007】
電子ビームエミッターは、上述したように、包装材料、食品、生物学的または医学的デバイス等の殺菌のために使用することができる。包装材料の内容物に関する制限はない。したがって、内容物は、液体、半液体または固体であってもよい。また、それぞれ、殺菌デバイスの使用または電子ビームエミッターそれ自体に関する制限もない。したがって、電子ビームエミッターまたは殺菌装置は、それぞれ、例えば食品、液体または薬剤のための包装容器といった、例えば包装材料の内部および/または外部殺菌のために使用することができる。
【0008】
ハウジングが少なくとも二つのセクターを備え、第1のセクターは対向する側壁の第一の対を備え、かつ、第2のセクターは対向する側壁の第2の対を備えることが有利である。少なくとも二つのセクターの側壁の異なる角度は、配置に対してかつまたはハウジング内に配置された電気システムの寸法に対して可能な限り最良に適合されたハウジングの特定の設計を可能にする。したがって、少なくとも二つのセクター内へのハウジングの区分化は、ハウジングの外寸の特定かつ正確な適応を可能にする。言い換えれば、ハウジングは可能な限り小さく形成することができるが、これは、有利なことには、材料のコストを、そしてまた重量を低減する。だが、コストを増大させるであろう側壁の複雑な設計は必要ない。一つ以上の実施形態によれば、側壁は、それぞれ、基本的に平坦または平面である。柔軟性とコスト効率は基本的に平坦またはプレート状の側壁を有する異なるセクターの組み合わせによって達成され、異なるセクターの側壁は異なる角度で配置される。
【0009】
一つ以上の実施態様において、第1および第2のセクターは移行領域において互いに接続される。移行領域は、例えばエッジまたは湾曲/曲線として形成することができる。したがって、第1から第2のセクターへの、または一つのセクターから次のものへの移行または交差点は、概して、例えばシームレスであってもなくてもよい。一つ以上の実施形態によれば、ハウジングは、第1および第2のセクター間の移行領域における、約70ないし300mmの範囲内にある(対称面に垂直に測定された)幅を有する。一つ以上の実施形態において、範囲は約70ないし150mmである。一つ以上の実施形態では、電子ビームエミッターは約110mmの直径を有し(それぞれハウジングまたは電源に接続された電子ビームエミッターの少なくとも一部)、したがって、ハウジングの幅はまた、移行領域において、便宜的、約110mmの範囲内にある。一つ以上の実施形態によれば、ハウジングは対称面を備え、対称面は、基本的に、ハウジング23の垂直軸線に対して平行に延びる。側壁31,32は、基本的に、当該垂直軸線Aに対して平行に配向される。対称面は、側壁の角度の測定の基礎である。一つ以上の実施形態によれば、セクターの側壁はいずれも同じ方向に向かって先細になる。これは、第2の角度は便宜的に第1の角度よりも大きく、側壁の第1の対の角度は好ましくはゼロでないことを意味する。
【0010】
既に述べたように、電源は、概して、カルーセルまたはキャリアプレート上に配置される。このようなカルーセルまたはキャリアプレートは好ましくは丸く、特に円形である。したがって、電源は、カルーセルまたはキャリアプレート上で円形に配置される。配置を最適化するために、電源のハウジングの側壁は、概して、互いにできるだけ近接して配置されるべきである。このコンテクストでは、セクターが角度を含むことが有利である。これは、電源の非常にコンパクトでかつ狭い円形の配置を可能にする。第1の形態では、隣接する電源の第1のセクターの側壁は、第1の円内に、基本的に互いに平行に配置することができる。隣接するハウジングの側壁は、互いに接触状態であっても、あるいは間に小さなギャップを伴って配置されてもよい。ハウジングは、有利なことには、第2の角度を伴って配置される側壁を有する少なくともさらなるセクター、すなわち第2のセクターを有するので、電源はまた第2の形態に従って配置することができる。換言すれば、電源は、第1の円のそれとは異なる直径を有する別の円に従って配置されてもよい。この第2の形態では、隣接するセクターの側壁はまた、基本的に平行に配置できる。
【0011】
したがって、非常にコンパクトでかつ柔軟な構成は、一つの同じハウジングによって実現することができる。ハウジングのセクター(セクターの側壁は異なる角度で配置される)は、電源の非常に柔軟かつスペース効率的な配置を可能にする。一つの同じ電源は複数の異なる機械用途のために使用することができ、いずれも用途も、僅かな数の電子ビームエミッターを備えた小型カルーセルと、数多くの電子ビームエミッターを備えた大型カルーセルとを有する。
【0012】
便宜的に、次のようにして第1および第2の角度が計算される。
第1の角度=360/(2電源の最大数)
第2の角度=360/(2電源の最小数)
【0013】
円形に配置されるべき電源の最小数が例えば10個である場合、第2の角度は18°である。円(第1の円)形に配置されるべき電源の最大数が例えば45個である場合、第1の角度は4°である。隣接する電源のセクターの側壁が平行に配置される必要はないことは言うまでもない。したがって、上記の角度を有する30個の電源はまた円形に配置することができる。おそらく、隣接する電源の側壁のいずれも、その場合には、互いに平行ではない。
【0014】
一つ以上の実施形態では、ハウジングは対称面を備え、この対称面は、基本的に、ハウジングの垂直軸線と平行に延びる。電源がカルーセルに配置される場合、電源の対称面は、基本的に、カルーセルの中心を横断する。この場合、セクターは、カルーセルまたはキャリアプレートの中心に向かって先細になる。電源の垂直軸線は、基本的に、カルーセルまたはキャリアプレートに対して垂直に方向付けられる。便宜的に、ハウジングは上面壁および底面壁を備え、底面壁は、便宜的に、少なくとも一つの電子ビームエミッターに対する既に述べた接続のために適合された高電圧出力コネクターを備える。
【0015】
一つ以上の実施形態によれば、第1の角度は約1ないし20°の範囲内にあり、第2の角度は約10ないし45°の範囲内にある。好ましい実施形態において、第1の角度は約3ないし5°の範囲内にあり、第2の角度は約15ないし19°の範囲内にある。好ましくは、第1の角度は約4°であり、第2の角度は約18°である。
【0016】
一つ以上の実施形態によれば、第1のセクターは第1の端部を備え、第2のセクターは第2の端部を備え、第1の端部は、便宜的に、外側壁によって形成され、第2の端部は内側壁によって形成される。カルーセルまたはキャリアプレートに関して、第2の端部は、それぞれカルーセルまたはキャリアプレートの中心点に向けられるハウジングの側である。第1の端部は反対側に配置される。対称面は、第1の端部から第2の端部へと、あるいはその逆に配向される。代替的に、第2の端部はエッジによって形成することができる。代替的に、第2の端部は基本的に丸みのある形状の内側壁を備えることができる。一つ以上の実施形態によれば、側壁ならびに上面および底面壁は金属、例えばアルミニウムまたはスチールで形成することができる。壁はまた、プラスチック、金属、繊維強化材等のような異なる材料を含む複合材料でから形成することができる。一つ以上の実施形態によれば、ハウジングは溶接されたステンレススチールで形成され、ハウジングの上端は、便宜的に、移動可能に取り付けられ、かつ、適切なOリングで密封される。代替的に、または、それに加えて液状ガスケットを使用することができる。取り外し可能な上端または一般にハウジングの取り外し可能な部分は容易なメンテナンスを可能とする。本発明の一態様によれば、ハウジングは、電源の容易な輸送を可能にする少なくとも一つのグリップまたはハンドルを備える。さらに、電源またはハウジングは、それぞれ例えば冷却システムの接続またはその他のコンポーネントへの電気接続を可能にする適切なインレットあるいはアウトレットをそれぞれ備える。
【0017】
第2の角度は第1の角度よりも大きいので、第2の端部は第1の端部よりも一般に小さい。これは、上記カルーセルに関して電源の非常に狭い配置が可能であることを意味する。一般に、カルーセルの形状は基本的に丸く、特に円形である。本発明の一つ以上の実施形態によれば、電源の第2の端部は、カルーセルまたはキャリアプレートの中心に向けられる。カルーセル上で利用可能なスペースが制限されることは言うまでもない。特に、複数の電源がカルーセル/キャリアプレートにおいて円形に配置されなければならない場合、円の最小直径は、それぞれ、ハウジングのサイズあるいは寸法に依存する。だが、有利なことには、電源または電源群は、それぞれ、第2の角度で配置された側壁の第2の対を備える。その結果、第2の端部の寸法は非常に小さく、これは非常に小さな最小直径の円を可能にする。すなわち、電源のセクターがカルーセルまたはキャリアプレートの中心に向かって先細になるので、非常にコンパクトな配置が可能である。反対側においては、第1の角度が第2の角度よりも小さいので、電気システムの配置のために非常に大きな容積がハウジングによって提供される。さらに第1の角度は、好ましくは大きく、そして多数の電源の配置を可能にする複数の電源の円形配置のために適合される。
【0018】
一つ以上の実施形態によれば、ハウジングは、絶縁媒体、特に窒素、ハロゲン等の絶縁ガスまたは真空で満たされる。窒素は、急速なクエンチ電気放電を防止するのに適した絶縁ガスである。窒素等の絶縁ガスの使用の利点は、例えば絶縁オイルの使用とは対照的に、ガスが漏れ出して、例えば殺菌しなければならない材料を損傷したり汚染したりしないことである。別の大きな利点は、オイル等の液体絶縁材料の密度とは対照的なガスの低い密度である。既に述べたように、殺菌ユニットは、一般に、高速で回転するカルーセルに配置される。殺菌ユニットの重量はしたがって最小化されるべきである。この重量低減は、有利なことには、窒素等の絶縁ガスの使用によって実現することができる。窒素等の絶縁ガスの絶縁性を高めるために、絶縁ガスは、一つ以上の実施形態によれば、乾燥させられかつ/または加圧される。圧力は、好ましくは、約2ないし3バールの範囲内にあり、特に約2.5バール(絶対圧)の範囲内にある。このコンテクストにおいて、電源のハウジングは、一つ以上の実施態様によれば、少なくとも一つの電気絶縁シールドを備えることを言及する必要がある。この少なくとも一つの電気絶縁シールドは例えばポリエチレンから形成でき、それぞれ、電源のハウジング内にかつ/またはそこに、あるいはハウジングの壁内かつ/またはそこに配置することができる。少なくとも一つの絶縁シールドは、それらが電源およびそのコンポーネントを損傷させることがあるので、絶対的に回避されなければならないコロナおよび電気放電のリスクを低減することができる。特に、それぞれ電源または殺菌デバイスと共に働く人々は保護されなければならないことは言うまでもない。
【0019】
便宜的に、電源の電気システムは、パワー電子コンポーネント、高電圧コンポーネントおよび制御システムコンポーネントを備える。一つ以上の実施形態によれば、少なくとも二つのセクターを含むハウジング外部デザインはまた、ハウジングの内部デザインに伝達される。これは、ハウジングが便宜的に第1および第2のチャンバーを備え、パワー電子コンポーネントおよび制御システムコンポーネントが例えば第2のチャンバー内に配置され、かつ、高電圧コンポーネントが第1のチャンバー内に配置されることを意味する。換言すれば、第1のチャンバーは少なくとも部分的に第1のセクターによって形成され、第2のチャンバーは少なくとも部分的に第2のセクターによって形成される。高電圧コンポーネントの一つは、例えば、電子ビームエミッターを動作させるために必要とされる高電圧まで入力電圧を倍増するように構成された電圧倍増器である。一つ以上の実施形態によれば、第1のチャンバーは既に述べた高電圧出力コネクターを備える。
【0020】
一つ以上の実施形態によれば、側壁の少なくとも一つのさらなる対は側壁の第1の対と側壁の第2の対との間に配置され、側壁のさらなる対の角度は、好ましくは、第1の角度と第2の角度との間にある。言い換えれば、付加的なセクターが第1のセクターと第2のセクターとの間に配置される。一般に、付加的なセクターまたは側壁のさらなる対の角度は、それぞれ、第1の角度および第2の角度内にあるべきである。だが、付加的なセクターの側壁の角度はまた、例えば、第1のセクターの角度よりも小さくてもよい。必要ならばまた、さらに追加的なセクターを配置することができる。
【0021】
本発明の別の態様によれば、特に殺菌デバイスのための電源デバイスが提供され、これは複数の電源を備える。各電源はハウジングを備え、ハウジングは少なくとも第1のセクターおよび第2のセクターを備える。第1のセクターは対向する側壁の第1の対を備え、第2のセクターは対向する側壁の第2の対を備える。複数の電源は、第1の形態または第2の形態のいずれかを形成するように配置されるよう構成される。第1の形態は第1の円であり、第2の形態は第2の円である。第1の円において、隣接する電源の第1のセクターの側壁は基本的に互いに平行に配向される。第2の円において、隣接する電源の第2のセクターの側壁は基本的に互いに平行に配向される。
【0022】
一つ以上の実施形態によれば、電源システムはキャリアプレートを備え、複数の電源はキャリアプレート上に配置される。一つ以上の実施形態によれば、キャリアプレートは少なくとも二つの調整領域を備え、二つの調節領域は基本的に円であり、第1の調整領域の直径は第2の調整領域の直径よりも大きく、複数の電源は、それぞれ、第1の調整領域に、かつ/または第2の調整領域に配置可能であるかあるいは配置される。換言すれば、複数の電源は第1の円および第2の円内に配置することができ、円の直径は異なる。だが、たとえ電源の設計が常に同じであっても、ハウジングの隣接する側壁は、基本的に、第1の円内ならびに第2の円内に互いに平行に配置することができる。一つ以上の実施形態によれば、側壁に沿って測定された(そしてそれぞれ基本的に円またはキャリアプレートに対して平行な)セクターの側壁の長さは、第1および第2のセクターの移行領域が概ね第1および第2の円上に存在するような寸法とされる。さらに、電源に接続された電子ビームエミッターの電子出口ウィンドウの中心点は、基本的に、第1および第2の円上に配置される。だが、一つ以上の実施形態によれば、電子出口ウィンドウの中心点はまた、(第1または第2の)円を基準としてシフトすることが、特に半径方向にシフトすることができる。
【0023】
本発明のさらなる態様によれば、殺菌ユニットが提供される。殺菌ユニットは、電源と、少なくとも一つの電子ビームエミッターとを備える。電源はハウジングを備え、ハウジングは第1のセクターおよび第2のセクターを備える。第1のセクターは、対向する側壁の第1の対を備え、第2のセクターは、対向する側壁の第2の対を備える。側壁は、基本的に、ハウジングの垂直軸線に平行に方向付けられる。側壁の第1の対は第1の角度で配置され、側壁の第2の対は第2の角度に配置され、第1の角度と第2の角度とは互いに異なる。
【0024】
本発明に係る電源は、本発明に係る電源デバイスおよび殺菌ユニットの特徴および利点を含むことができ、その逆も同様である。
【0025】
本発明のさらなる態様および特徴は添付図面を参照して本発明の実施形態についての以下の説明に示される。各実施形態の単一の特徴または特性は本発明の範囲内で組み合わせられることが明らかに許容される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】電源の実施形態を示す平面図である。
図2】殺菌ユニットの実施形態を平面図および側面図である。
図3a】電源デバイスの10個の電源の配置を示す平面図である。
図3b】電源デバイスの45個の電源の配置を示す平面図である。
図4a図3aの配置の二つの電源を示す拡大図である。
図4b図3bの配置の二つの電源を示す拡大図である。
図5】キャリアプレート上に配置された複数の殺菌ユニットを示す図である。
図6】殺菌ユニットの実施形態を示す図である。
図7】電源の二つの実施形態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
ここで図1を参照すると、電源20の一実施形態が上面視で示されている。電源20は、側壁の第1の対31と側壁の第2の対32とを備えるハウジング23を備える。側壁の第1の対は第1のセクター1を形成し、側壁の第2の対32は第2のセクター2を形成する。第2のセクター2は、本実施形態ではエッジ34として形成される第2の端部22を備える。端部22のその他の設計は図7に関連して説明される。第1のセクター1は、壁33によって形成される第1の端部21を備える。第1のセクター1は、切頭が第2のセクター2に面する切頭三角形として形成される。
【0028】
破線の円は電子ビームエミッター40の位置を示す。特に、破線の円内の十字は、電子ビームエミッター40の電子出口ウィンドウの中心点43を示す。一つ以上の実施形態によれば、ハウジング23は、約70ないし150mmの範囲内にある幅wをこの領域において有する。特に、約110mmの幅wが適切であり、破線によって可視化される電子ビームエミッターの直径は約110mmである。
【0029】
ハウジング23は対称面Sに対して対称である。側壁の第1の対31は、対称面Sに関して角度α31で傾斜している。側壁31は互いに向かって、すなわち対称面Sに向って傾斜している。側壁31間の距離は、第2のセクターに最も近いセクター端部において最小である。角度α31は約3ないし5度の範囲内にある。側壁の第2の対32は対称面Sに関して角度α32で傾斜している。これらの側壁32はまた、互いに向かって、すなわち対称面Sに向って傾斜している。側壁32間の距離は、第1のセクターに最も近いセクター端部において最大である。角度α32は約17ないし19度の範囲内にある。この設計は、例えばキャリアプレート上での、少なくとも10ないし45個の電源20の最適な配置を可能とすることができる。ハウジング23は垂直軸線Aに沿って延びており、垂直軸線Aは、電源20がその上に配置される場合には、キャリアプレートに対して基本的に垂直に方向付けられるであろう。
【0030】
図2は、既に図1から知られる電源20を左側に示している。だが、電子ビームエミッター40の電子出口ウィンドウ42を認識できるように電源20の底面が示されている。図2の右側においては、殺菌デバイス、すなわち一つになった電子ビームエミッターおよび電源を側面視で認識することができる。第1のおよび第2のセクター1,2は移行領域35によって接続または結合される。移行領域35はエッジまたは丸みであってもよく、これは、第1から第2のセクターへの移行が、例えばシームレスであってもなくてもよいことを意味する。電子ビームエミッター40は二つのボディを備え、例えば高電圧出力コネクター(図示せず)を介して電源に配置される大きなボディは、例えば約100ないし120mmの範囲内に、例えば約110mmの範囲内にある直径を有する。電子出口ウィンドウ42を含むより小さな長尺ボディは、約30ないし40mmの範囲内に、例えば約35mmの範囲内にある直径を有する。参照数字43は電子出口ウィンドウ42の中心を示している。長尺のボディおよび大きなボディの少なくとも一部は真空を含むか、または真空チャンバーとして形成される。一つ以上の実施形態によれば、電子発生器が、真空内で、(図示しない)大きなボディ内に配置される。電子発生器はカソードハウジングおよびフィラメントを備える。使用時には電子ビームがフィラメントを加熱することによって生成される。電流がフィラメントを通って設定されるとき、フィラメントの電気抵抗によってフィラメントは2000℃のオーダーの温度まで加熱される。この加熱によってフィラメントは、(図6において認識可能な)電子の雲44を放出する。電子は、カソードハウジングと電子出口ウィンドウ42との間の高い電圧ポテンシャルによって電子出口ウィンドウ42に向かって加速される。続いて電子は電子出口ウィンドウ42を通過し、ターゲット領域、すなわち殺菌されなければならない包装材料の一部に向かって移動し続ける。
【0031】
図3aは、上面視かつ第1の形態で10個の電源20を示している。すなわち、電源デバイスまたはユニットが示されており、電源20は第2の円62に配置される。電子ビームエミッター40またはその位置は、それぞれ、破線の円で示されている。図3aから分かるように、隣接するハウジング23の第2のセクター2の側壁32は基本的に互いに平行に配置される。これは、第1のセクター1の側壁31の第1の対の角度α31が約4°であるので可能であり、第2のセクター2の側壁壁32の第2の対の角度α32は約18°である(角度は参照符号が付されていない。図1と比較されたい)。電子ビームエミッター40の中心点43は、便宜的に、第2の円62上に存在する。この第1の形態は、例えば、本願出願人によって提出された国際出願番号PCT/EP2013/076870に記載された用途において使用可能であり、ここでは少ない数の電子ビームエミッターが使用される。
【0032】
図3bにおいては、図3aから既に知られるような同じ電源20が第2の形態で配置されるが、この形態は、第1の円61に配置された45個の電源20を備える。図3bから分かるように、この形態においては、電源20の第1のセクター1の側壁31は、基本的に互いに平行に配置される。これは、第1のセクター1の側壁31の第1の対の角度α31が約4°であるので可能であり、第2のセクター2の側壁32の第2の対の角度α32は約18°である(角度は参照符号が付されていない。図1と比較されたい)。電子ビームエミッター40またはその位置は、それぞれ、図3aから既に知られるように、破線の円で示されている。この第2の形態は、大型の回転式充填システム、例えばPETボトリングシステムにおいて使用することができるが、当該システムにおいては、慣例的に、多くの電子ビームエミッターが存在する。
【0033】
図4aおよび図4bは、図3aおよび図3bの二つの電源を詳細に、特に互いに対するそれらの位置決めを示している。図4aにおいては、隣接するハウジングの側壁31あるいは電源20は、それぞれ、基本的に互いに平行に配置されることが分かる。図4bにおいては、隣接するハウジングの側壁32あるいは電源20は、それぞれ、基本的に互いに平行に配置される。隣接する側壁31,32は、それらがキャリアプレート上に配置されるならば、接触状態でも、そうでなくてもよい。第1および第2のセクター1および2の長さL1およびL2は、移行領域35が基本的に第1の円61または第2の円62上に配置されるように設計される。さらにまた、電子ビームエミッター40の中心点43は、それぞれ、基本的に第の円61または第2の円62の上に位置決めされるか配置される。したがって、一つの同じ電源20は非常に柔軟な配置を可能にする。
【0034】
図5は、本願出願人によって提出された国際出願番号PCT/EP2013/076870に基づく殺菌デバイスを示している。図2の複数の殺菌はキャリアプレート60上に配置されている。各殺菌ユニットは垂直軸線Cに沿って延びる。軸線Cは、キャリアプレート60の回転軸線Bと平行である。各殺菌ユニットは、電源20および電子ビームエミッター40を備える。殺菌ユニットはキャリアプレートの孔内に配置されていてもよい。包装容器80は、例えば、キャリアプレート60の下方に位置するコンベヤを介して殺菌デバイスへと輸送される。包装容器80はキャリアプレートに到達し、そして内側表面殺菌のために(回転する)電子ビームエミッター40の一つと係合させられる。移動方向は矢印で示されている。キャリアプレート60の一回転の少なくとも一部の間、内部殺菌が行われ、その後、包装容器80は電子ビームエミッター40から取り外される。包装容器80は、その後、続いて、外部表面殺菌のための二つの大型エミッター100間のギャップ内に提供される電子雲を通って輸送される。
【0035】
図6は、電源20と電子ビームエミッター40とを備える殺菌ユニットの一実施形態の原理スキームを示している。電子ビームエミッター40は電子出口ウィンドウ42を備え、電子雲44が殺菌中に形成される。電子雲44は、例えば、右側に見られるように、包装材料80、特に包装容器80の内部殺菌のために使用される。図6に示すような電子ビームエミッター40の技術的特徴は図2を参照して説明したものに対応する。
【0036】
図7は電源20の二つの実施形態を示している。図1〜6に関連する電源20は、エッジ34を備えた端部を伴って示されている。だが、異なるタイプ/設計の第2の端部22が示されている。左側において端部22は直線的または平坦な壁33によって形成されており、右側において端部22は、基本的に丸みを帯びた形状のまたは湾曲した壁33によって形成されている。端部の形状は用途に応じて選択可能である。図7の二つの実施形態は、駆動軸線がキャリアプレートの中心に設けられる用途に特に適している。これは、図5を検討したときに実現可能である。図5の電源20は、図7の右側の実施形態と同様、湾曲した壁33を有するように設計される。
【符号の説明】
【0037】
1 第1のセクター
2 第2のセクター
20 電源
21 第1の端部
22 第2の端部
23 ハウジング
31 側壁の第1の対
32 側壁の第2の対
33 (さらなる)側壁
34 エッジ
35 移行領域
40 電子ビームエミッター
42 電子出口ウィンドウ
43 電子出口ウィンドウの中心点
44 電子(雲)
60 キャリアプレート
61 第1の円
62 第2の円
80 包装材料
α31 側壁の第1の対の角度
α32 側壁の第2の対の角度
w ハウジングの幅
L1 セクター1の長さ
L2 セクター2の長さ
S 対称面
A 垂直軸線
B 回転軸線
C 垂直軸線
図1
図2
図3a
図3b
図4a
図4b
図5
図6
図7