【課題を解決するための手段】
【0004】
この目的は、請求項1に記載の電源によって、請求項7に記載の電源デバイスによって、そして請求項10に記載の殺菌ユニットによって達成される。本発明の好ましい実施形態のさらなる利点および特徴は従属請求項に規定されている。
【0005】
本発明によれば、特に殺菌ユニットのための電源はハウジングを備え、当該ハウジングは少なくとも第1のセクターおよび第2のセクターを備え、第1のセクターは対向する側壁の第1の対を備え、第2のセクターは対向する側壁の第2の対を備える。側壁の第1の対は第1の角度で配置され、かつ、側壁の第2の対は第2の角度で配置され、第1の角度と第2の角度とは互いに異なる。
【0006】
本発明の一つ以上の実施形態によれば、電源は、電子ビームエミッターに対して、それぞれ接続可能であるかまたは接続される。代替的にまた、一つ以上の電子ビームエミッターは一つの電源に接続することができる。電子ビームエミッター(または少なくとも一つ)と電源との組み合わせは殺菌ユニットと呼ばれる。一般に、接続は、形状および/または圧力嵌め接続である。電子ビームエミッターは、経路に沿って、電子などの電荷キャリアを放出するための電子発生器を備える。電子発生器は、一般に、密閉された真空チャンバ内に封入される。真空チャンバーは、一つまたは複数の実施形態によれば、電子出口ウィンドウを備える。さらに、電子発生器はカソードハウジングおよびフィラメントを備える。使用時、電子ビームはフィラメントを加熱することによって生成される。電流がフィラメントを通って設定されるとき、フィラメントの電気抵抗によって、フィラメントは2000℃のオーダーの温度まで加熱される。この加熱によってフィラメントは電子雲を放出する。電子は、カソードハウジングと電子出口ウィンドウとの間の高電位によって電子出射ウィンドウに向かって加速される。続いて、電子は電子出口ウィンドウを通過し、標的領域、例えば殺菌されなければならない包装材料の一部に向って移動し続ける。高電位は、電源にカソードハウジングおよびフィラメントを接続することにより、そしてアースに真空チャンバーを接続することによって生成される。電源によって供給される電圧は、一つ以上の実施形態によれば、約80ないし150kVの範囲内にある。だが、より高いかあるいはより低い値も可能である。
【0007】
電子ビームエミッターは、上述したように、包装材料、食品、生物学的または医学的デバイス等の殺菌のために使用することができる。包装材料の内容物に関する制限はない。したがって、内容物は、液体、半液体または固体であってもよい。また、それぞれ、殺菌デバイスの使用または電子ビームエミッターそれ自体に関する制限もない。したがって、電子ビームエミッターまたは殺菌装置は、それぞれ、例えば食品、液体または薬剤のための包装容器といった、例えば包装材料の内部および/または外部殺菌のために使用することができる。
【0008】
ハウジングが少なくとも二つのセクターを備え、第1のセクターは対向する側壁の第一の対を備え、かつ、第2のセクターは対向する側壁の第2の対を備えることが有利である。少なくとも二つのセクターの側壁の異なる角度は、配置に対してかつまたはハウジング内に配置された電気システムの寸法に対して可能な限り最良に適合されたハウジングの特定の設計を可能にする。したがって、少なくとも二つのセクター内へのハウジングの区分化は、ハウジングの外寸の特定かつ正確な適応を可能にする。言い換えれば、ハウジングは可能な限り小さく形成することができるが、これは、有利なことには、材料のコストを、そしてまた重量を低減する。だが、コストを増大させるであろう側壁の複雑な設計は必要ない。一つ以上の実施形態によれば、側壁は、それぞれ、基本的に平坦または平面である。柔軟性とコスト効率は基本的に平坦またはプレート状の側壁を有する異なるセクターの組み合わせによって達成され、異なるセクターの側壁は異なる角度で配置される。
【0009】
一つ以上の実施態様において、第1および第2のセクターは移行領域において互いに接続される。移行領域は、例えばエッジまたは湾曲/曲線として形成することができる。したがって、第1から第2のセクターへの、または一つのセクターから次のものへの移行または交差点は、概して、例えばシームレスであってもなくてもよい。一つ以上の実施形態によれば、ハウジングは、第1および第2のセクター間の移行領域における、約70ないし300mmの範囲内にある(対称面に垂直に測定された)幅を有する。一つ以上の実施形態において、範囲は約70ないし150mmである。一つ以上の実施形態では、電子ビームエミッターは約110mmの直径を有し(それぞれハウジングまたは電源に接続された電子ビームエミッターの少なくとも一部)、したがって、ハウジングの幅はまた、移行領域において、便宜的、約110mmの範囲内にある。一つ以上の実施形態によれば、ハウジングは対称面を備え、対称面は、基本的に、ハウジング23の垂直軸線に対して平行に延びる。側壁31,32は、基本的に、当該垂直軸線Aに対して平行に配向される。対称面は、側壁の角度の測定の基礎である。一つ以上の実施形態によれば、セクターの側壁はいずれも同じ方向に向かって先細になる。これは、第2の角度は便宜的に第1の角度よりも大きく、側壁の第1の対の角度は好ましくはゼロでないことを意味する。
【0010】
既に述べたように、電源は、概して、カルーセルまたはキャリアプレート上に配置される。このようなカルーセルまたはキャリアプレートは好ましくは丸く、特に円形である。したがって、電源は、カルーセルまたはキャリアプレート上で円形に配置される。配置を最適化するために、電源のハウジングの側壁は、概して、互いにできるだけ近接して配置されるべきである。このコンテクストでは、セクターが角度を含むことが有利である。これは、電源の非常にコンパクトでかつ狭い円形の配置を可能にする。第1の形態では、隣接する電源の第1のセクターの側壁は、第1の円内に、基本的に互いに平行に配置することができる。隣接するハウジングの側壁は、互いに接触状態であっても、あるいは間に小さなギャップを伴って配置されてもよい。ハウジングは、有利なことには、第2の角度を伴って配置される側壁を有する少なくともさらなるセクター、すなわち第2のセクターを有するので、電源はまた第2の形態に従って配置することができる。換言すれば、電源は、第1の円のそれとは異なる直径を有する別の円に従って配置されてもよい。この第2の形態では、隣接するセクターの側壁はまた、基本的に平行に配置できる。
【0011】
したがって、非常にコンパクトでかつ柔軟な構成は、一つの同じハウジングによって実現することができる。ハウジングのセクター(セクターの側壁は異なる角度で配置される)は、電源の非常に柔軟かつスペース効率的な配置を可能にする。一つの同じ電源は複数の異なる機械用途のために使用することができ、いずれも用途も、僅かな数の電子ビームエミッターを備えた小型カルーセルと、数多くの電子ビームエミッターを備えた大型カルーセルとを有する。
【0012】
便宜的に、次のようにして第1および第2の角度が計算される。
第1の角度=360/(2
*電源の最大数)
第2の角度=360/(2
*電源の最小数)
【0013】
円形に配置されるべき電源の最小数が例えば10個である場合、第2の角度は18°である。円(第1の円)形に配置されるべき電源の最大数が例えば45個である場合、第1の角度は4°である。隣接する電源のセクターの側壁が平行に配置される必要はないことは言うまでもない。したがって、上記の角度を有する30個の電源はまた円形に配置することができる。おそらく、隣接する電源の側壁のいずれも、その場合には、互いに平行ではない。
【0014】
一つ以上の実施形態では、ハウジングは対称面を備え、この対称面は、基本的に、ハウジングの垂直軸線と平行に延びる。電源がカルーセルに配置される場合、電源の対称面は、基本的に、カルーセルの中心を横断する。この場合、セクターは、カルーセルまたはキャリアプレートの中心に向かって先細になる。電源の垂直軸線は、基本的に、カルーセルまたはキャリアプレートに対して垂直に方向付けられる。便宜的に、ハウジングは上面壁および底面壁を備え、底面壁は、便宜的に、少なくとも一つの電子ビームエミッターに対する既に述べた接続のために適合された高電圧出力コネクターを備える。
【0015】
一つ以上の実施形態によれば、第1の角度は約1ないし20°の範囲内にあり、第2の角度は約10ないし45°の範囲内にある。好ましい実施形態において、第1の角度は約3ないし5°の範囲内にあり、第2の角度は約15ないし19°の範囲内にある。好ましくは、第1の角度は約4°であり、第2の角度は約18°である。
【0016】
一つ以上の実施形態によれば、第1のセクターは第1の端部を備え、第2のセクターは第2の端部を備え、第1の端部は、便宜的に、外側壁によって形成され、第2の端部は内側壁によって形成される。カルーセルまたはキャリアプレートに関して、第2の端部は、それぞれカルーセルまたはキャリアプレートの中心点に向けられるハウジングの側である。第1の端部は反対側に配置される。対称面は、第1の端部から第2の端部へと、あるいはその逆に配向される。代替的に、第2の端部はエッジによって形成することができる。代替的に、第2の端部は基本的に丸みのある形状の内側壁を備えることができる。一つ以上の実施形態によれば、側壁ならびに上面および底面壁は金属、例えばアルミニウムまたはスチールで形成することができる。壁はまた、プラスチック、金属、繊維強化材等のような異なる材料を含む複合材料でから形成することができる。一つ以上の実施形態によれば、ハウジングは溶接されたステンレススチールで形成され、ハウジングの上端は、便宜的に、移動可能に取り付けられ、かつ、適切なOリングで密封される。代替的に、または、それに加えて液状ガスケットを使用することができる。取り外し可能な上端または一般にハウジングの取り外し可能な部分は容易なメンテナンスを可能とする。本発明の一態様によれば、ハウジングは、電源の容易な輸送を可能にする少なくとも一つのグリップまたはハンドルを備える。さらに、電源またはハウジングは、それぞれ例えば冷却システムの接続またはその他のコンポーネントへの電気接続を可能にする適切なインレットあるいはアウトレットをそれぞれ備える。
【0017】
第2の角度は第1の角度よりも大きいので、第2の端部は第1の端部よりも一般に小さい。これは、上記カルーセルに関して電源の非常に狭い配置が可能であることを意味する。一般に、カルーセルの形状は基本的に丸く、特に円形である。本発明の一つ以上の実施形態によれば、電源の第2の端部は、カルーセルまたはキャリアプレートの中心に向けられる。カルーセル上で利用可能なスペースが制限されることは言うまでもない。特に、複数の電源がカルーセル/キャリアプレートにおいて円形に配置されなければならない場合、円の最小直径は、それぞれ、ハウジングのサイズあるいは寸法に依存する。だが、有利なことには、電源または電源群は、それぞれ、第2の角度で配置された側壁の第2の対を備える。その結果、第2の端部の寸法は非常に小さく、これは非常に小さな最小直径の円を可能にする。すなわち、電源のセクターがカルーセルまたはキャリアプレートの中心に向かって先細になるので、非常にコンパクトな配置が可能である。反対側においては、第1の角度が第2の角度よりも小さいので、電気システムの配置のために非常に大きな容積がハウジングによって提供される。さらに第1の角度は、好ましくは大きく、そして多数の電源の配置を可能にする複数の電源の円形配置のために適合される。
【0018】
一つ以上の実施形態によれば、ハウジングは、絶縁媒体、特に窒素、ハロゲン等の絶縁ガスまたは真空で満たされる。窒素は、急速なクエンチ電気放電を防止するのに適した絶縁ガスである。窒素等の絶縁ガスの使用の利点は、例えば絶縁オイルの使用とは対照的に、ガスが漏れ出して、例えば殺菌しなければならない材料を損傷したり汚染したりしないことである。別の大きな利点は、オイル等の液体絶縁材料の密度とは対照的なガスの低い密度である。既に述べたように、殺菌ユニットは、一般に、高速で回転するカルーセルに配置される。殺菌ユニットの重量はしたがって最小化されるべきである。この重量低減は、有利なことには、窒素等の絶縁ガスの使用によって実現することができる。窒素等の絶縁ガスの絶縁性を高めるために、絶縁ガスは、一つ以上の実施形態によれば、乾燥させられかつ/または加圧される。圧力は、好ましくは、約2ないし3バールの範囲内にあり、特に約2.5バール(絶対圧)の範囲内にある。このコンテクストにおいて、電源のハウジングは、一つ以上の実施態様によれば、少なくとも一つの電気絶縁シールドを備えることを言及する必要がある。この少なくとも一つの電気絶縁シールドは例えばポリエチレンから形成でき、それぞれ、電源のハウジング内にかつ/またはそこに、あるいはハウジングの壁内かつ/またはそこに配置することができる。少なくとも一つの絶縁シールドは、それらが電源およびそのコンポーネントを損傷させることがあるので、絶対的に回避されなければならないコロナおよび電気放電のリスクを低減することができる。特に、それぞれ電源または殺菌デバイスと共に働く人々は保護されなければならないことは言うまでもない。
【0019】
便宜的に、電源の電気システムは、パワー電子コンポーネント、高電圧コンポーネントおよび制御システムコンポーネントを備える。一つ以上の実施形態によれば、少なくとも二つのセクターを含むハウジング外部デザインはまた、ハウジングの内部デザインに伝達される。これは、ハウジングが便宜的に第1および第2のチャンバーを備え、パワー電子コンポーネントおよび制御システムコンポーネントが例えば第2のチャンバー内に配置され、かつ、高電圧コンポーネントが第1のチャンバー内に配置されることを意味する。換言すれば、第1のチャンバーは少なくとも部分的に第1のセクターによって形成され、第2のチャンバーは少なくとも部分的に第2のセクターによって形成される。高電圧コンポーネントの一つは、例えば、電子ビームエミッターを動作させるために必要とされる高電圧まで入力電圧を倍増するように構成された電圧倍増器である。一つ以上の実施形態によれば、第1のチャンバーは既に述べた高電圧出力コネクターを備える。
【0020】
一つ以上の実施形態によれば、側壁の少なくとも一つのさらなる対は側壁の第1の対と側壁の第2の対との間に配置され、側壁のさらなる対の角度は、好ましくは、第1の角度と第2の角度との間にある。言い換えれば、付加的なセクターが第1のセクターと第2のセクターとの間に配置される。一般に、付加的なセクターまたは側壁のさらなる対の角度は、それぞれ、第1の角度および第2の角度内にあるべきである。だが、付加的なセクターの側壁の角度はまた、例えば、第1のセクターの角度よりも小さくてもよい。必要ならばまた、さらに追加的なセクターを配置することができる。
【0021】
本発明の別の態様によれば、特に殺菌デバイスのための電源デバイスが提供され、これは複数の電源を備える。各電源はハウジングを備え、ハウジングは少なくとも第1のセクターおよび第2のセクターを備える。第1のセクターは対向する側壁の第1の対を備え、第2のセクターは対向する側壁の第2の対を備える。複数の電源は、第1の形態または第2の形態のいずれかを形成するように配置されるよう構成される。第1の形態は第1の円であり、第2の形態は第2の円である。第1の円において、隣接する電源の第1のセクターの側壁は基本的に互いに平行に配向される。第2の円において、隣接する電源の第2のセクターの側壁は基本的に互いに平行に配向される。
【0022】
一つ以上の実施形態によれば、電源システムはキャリアプレートを備え、複数の電源はキャリアプレート上に配置される。一つ以上の実施形態によれば、キャリアプレートは少なくとも二つの調整領域を備え、二つの調節領域は基本的に円であり、第1の調整領域の直径は第2の調整領域の直径よりも大きく、複数の電源は、それぞれ、第1の調整領域に、かつ/または第2の調整領域に配置可能であるかあるいは配置される。換言すれば、複数の電源は第1の円および第2の円内に配置することができ、円の直径は異なる。だが、たとえ電源の設計が常に同じであっても、ハウジングの隣接する側壁は、基本的に、第1の円内ならびに第2の円内に互いに平行に配置することができる。一つ以上の実施形態によれば、側壁に沿って測定された(そしてそれぞれ基本的に円またはキャリアプレートに対して平行な)セクターの側壁の長さは、第1および第2のセクターの移行領域が概ね第1および第2の円上に存在するような寸法とされる。さらに、電源に接続された電子ビームエミッターの電子出口ウィンドウの中心点は、基本的に、第1および第2の円上に配置される。だが、一つ以上の実施形態によれば、電子出口ウィンドウの中心点はまた、(第1または第2の)円を基準としてシフトすることが、特に半径方向にシフトすることができる。
【0023】
本発明のさらなる態様によれば、殺菌ユニットが提供される。殺菌ユニットは、電源と、少なくとも一つの電子ビームエミッターとを備える。電源はハウジングを備え、ハウジングは第1のセクターおよび第2のセクターを備える。第1のセクターは、対向する側壁の第1の対を備え、第2のセクターは、対向する側壁の第2の対を備える。側壁は、基本的に、ハウジングの垂直軸線に平行に方向付けられる。側壁の第1の対は第1の角度で配置され、側壁の第2の対は第2の角度に配置され、第1の角度と第2の角度とは互いに異なる。
【0024】
本発明に係る電源は、本発明に係る電源デバイスおよび殺菌ユニットの特徴および利点を含むことができ、その逆も同様である。
【0025】
本発明のさらなる態様および特徴は添付図面を参照して本発明の実施形態についての以下の説明に示される。各実施形態の単一の特徴または特性は本発明の範囲内で組み合わせられることが明らかに許容される。