【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明によれば、この目的は、導入部で述べた種類の方法によって達成され、この方法は、
− エンジン負荷の直接的決定又は間接的決定のためのデータを確立するステップと、
− エンジン負荷のデータを潤滑油供給のタイミングの調整に適用することにより、潤滑油供給のタイミングがエンジン負荷に応じて変化するようにするステップと、
をさらに含むという点で特異的である。
【0019】
本発明によるシステムは、
− 検出されたデータを転送する、エンジン負荷検出手段と制御装置との間の接続部と、
− エンジン負荷に応じて潤滑油供給のタイミングを調整するための制御信号を潤滑装置に転送する、制御装置と潤滑装置との間の接続部と、
をさらに含むという点で特異的である。
【0020】
従って、本発明による方法及び潤滑システムによれば、負荷に応じて潤滑油供給のタイミングを変化させることが可能になる。
【0021】
一般的に言えば、本発明による潤滑油システム及び方法は、実際のエンジン負荷に関して潤滑油供給時間のタイミングを調整することによって動作する。従って、より最適な潤滑油の使用を達成することができる。これにより、使用する潤滑油の量を減少させると同時に、実際のエンジン負荷での排出を低減することができる。
【0022】
本発明による方法及び潤滑システムによれば、負荷に応じた潤滑油供給を、ユーザが所与の状況のために定めた異なる動作プロファイルと組み合わせることができるという利点がさらに得られる。
【0023】
このことは、第1の例における本発明によるシステムが、既にエンジンシステム内に存在する部品と同じ部品を含むことを意味する。
【0024】
従って、本発明による方法及びシステムは、様々な潤滑油供給システムと共に使用することができる。このようなシステムの例は、国際公開第2008/009291号、デンマーク国特許第173512号、及び欧州特許第1350929号に記載されている。
【0025】
これらの先行技術の潤滑油供給システムは、潤滑油供給の電子制御のタイミングを決定するために使用される(位置データ、速度データ及び方向データを検出する)フライホイール上のピックアップシステムと、実際のエンジン負荷を検出するピックアップシステムとを含む。
【0026】
本発明によれば、これらの既知のピックアップシステムからの信号を使用することができる。先行技術の設計を使用することは有利であるが、対応するエンジン負荷データ及びフライホイールデータの直接的検出又は間接的検出のための他のシステムを使用することもできる。
【0027】
本発明によれば、これらのデータをピックアップシステムの信号から検出する以外に、排気弁の位置を知ることも有利になる。
【0028】
これらのデータは、実際のエンジン負荷に関連して排気弁がいつ閉じるかについての経験的根拠を実証するデータを定めることによって有利に確立することができる。これらのデータは、曲線又は表の形で有利に確立することができる。これらのデータは事前に求められ、電子制御及びタイミングのための制御装置に記憶される。排気弁の可変閉鎖時間に関する情報は、排気弁を制御するエンジン制御から分かる。
【0029】
従って、エンジンフライホイールからのピックアップ信号を用いて、潤滑油注油の一般的タイミングを決定することもできる。本発明によれば、排気弁の閉鎖時間によって有利に示されるエンジン負荷に基づいてタイミングを補正することができる。従って、本発明による方法及びシステムによれば、正しい潤滑油供給タイミングを実行するためにエンジンフライホイールの位置、速度及び方向を知ることが依然として必要である。
【0030】
或いは、実際のエンジン負荷からのデータを用いて潤滑油供給タイミング又は排気弁の閉鎖時間を定めた索表を作成するために、潤滑油供給タイミングの制御は、排気弁の位置を示す信号に直接基づくこともできる。従って、原理的には、排気弁の直接的又は間接的位置測定から直接潤滑油供給のタイミングを調整することができる。
【0031】
なお、潤滑油供給のタイミングは、排気弁の可変タイミングを用いて補正されるが、これとは別に、潤滑システムは、既知の潤滑油注油原理に基づいて潤滑油の量を変化させることもできる。
【0032】
例えば、国際公開第2008/009291号から知られているように、潤滑油の量は、負荷に応じて(エンジンによってもたらされるkW当たりの潤滑油の量が常に一定になるように)変化させることも、或いはユーザが定めた別の制御アルゴリズムを通じて変化させることもできる。
【0033】
エンジン負荷の測定及び決定を行う方法は様々である。エンジン負荷の測定及び決定は、直接的に行うことも、又は間接的に行うこともできる。
【0034】
本発明による方法の実施形態は、
− シリンダの排気弁の閉鎖時間を実際のシリンダ負荷について検出するステップと、
− シリンダの排気弁の閉鎖時間に応じて閉鎖時間の検出を潤滑油供給のタイミングの調整に適用することにより、潤滑油供給のタイミングがエンジン負荷に応じて変化するようにするステップと、
をさらに含むという点で特異的である。
【0035】
このことは、エンジン負荷に応じて閉鎖時間を表/曲線によって予め定めることができ、従ってこのような表/曲線によって検出が行われることを意味する。
【0036】
上述したように、最新の電子エンジンは、エンジン負荷に応じた排気弁の可変開閉タイミングを用いて動作する。従って、排気弁の閉鎖時間を用いて潤滑油供給のタイミングを調整することは、負荷に応じた潤滑油供給の変化を実現するための技術的に単純な解決策を構成する。
【0037】
本発明による方法のさらなる実施形態は、この方法が、
− 実際のシリンダ負荷についてのシリンダの排気弁の閉鎖時間の検出の適用が、潤滑油の量がエンジン負荷に応じて変化することを含むステップをさらに含む、
という点で特異的である。
【0038】
本発明による方法及びシステムを用いて、排気弁の閉鎖時間に基づいて潤滑油の量を調整することもできる。
【0039】
例えば、この調整は、潤滑油制御アルゴリズムが作成され、その後も排気弁の閉鎖時間に応じて潤滑油の量の調整が行われる場合に可能である。後者の調整は、例えば、注油する潤滑油の量が多くなりすぎてピストンの通過前に供給されない場合、或いは上方に進む空気スワールが潤滑油の噴射にとって理想的な期間に対して注油する潤滑油の量が多くなりすぎた場合に使用することができる。
【0040】
このような制御アルゴリズムは、ある期間にわたってエンジン負荷に応じて潤滑油の量が変化しながらも全体的な制御アルゴリズムに従うように設計することができる。このことは、負荷に応じた潤滑油の注油を確立することができ、全期間にわたって一定の供給率(g/kWh)が達成されるが、場合によっては全期間内のより短い期間又はより長い期間にわたって変動する(varying)供給率を有することを意味する。
【0041】
本発明による方法のさらなる実施形態は、この方法が、
− 位置ピックアップ部を用いて排気弁の位置を直接的又は間接的に決定してこの位置を検出するステップと、
− 位置ピックアップ部の検出を用いて潤滑油供給のタイミングを調整するステップと、
をさらに含むという点で特異的である。
【0042】
排気弁に接続された位置ピックアップ部の使用は、例えば風量計の形、又は排気弁の真上での機械的測定の形で行うことができる。従って、位置の測定は、排気弁の位置の間接的決定又は直線的決定とすることができる。また、この実施形態では、測定結果が制御装置に送信され、そこで排気弁の位置の決定及び検出が行われる。その後、制御装置は、潤滑装置に制御信号を送信する。
【0043】
検出結果は制御装置に送信され、そこで排気弁の位置の決定及び検出が行われる。その後、制御装置は、潤滑装置に制御信号を送信する。ここでは、例えば電子制御されたアクチュエータを用いて1又は2以上の注油ピストンを作動させることによってタイミングを調整することができる。これらの注油ピストンは、動作プロファイルを可能にすると同時にエンジン負荷に依存し得る予め定められたアルゴリズムに従って潤滑油の量及びタイミングの両方が発生するように動作する。
【0044】
シリンダに接続された負荷ピックアップ部は、例えば圧力計の形で設けることができる。シリンダ内の圧力の測定値を用いて、例えば表の参照を通じて、排気弁がいつ閉じるかを制御部に知らせることができる。従って、圧力測定値は、排気弁の閉鎖時間の間接的決定と見なすことができる。
【0045】
本発明による方法のさらなる実施形態は、この方法が、
− 負荷ピックアップ部又は位置ピックアップ部を用いて、エンジンのフライホイール上のピックアップシステムを適用して位置データ、方向データ及び速度データを同時に検出するステップと、
− エンジンのフライホイール上のピックアップシステムからのデータを適用して、潤滑油供給のタイミングのバックアップ及び/又は制御を行うステップと、
をさらに含むという点で特異的である。
【0046】
負荷ピックアップ部又は位置ピックアップ部を用いて位置データ、方向データ及び速度データデータを同時に検出するエンジンのフライホイール上のピックアップシステムは、潤滑油供給のタイミングのバックアップ及び/又は制御を行う単純な方法である。
【0047】
本発明による方法のさらなる実施形態は、この方法が、
− 例えば低速蒸気処理(slow steaming)、ミラータイミング(MILLER timing)又はユーザが指定したその他の変位(displacement)などの、エンジンの動作のための様々なプロファイルを定めるステップと、
− 選択された動作プロファイルによる負荷に応じて潤滑油供給のタイミングを調整するステップと、
をさらに含むという点で特異的である。
【0048】
負荷に応じた潤滑油供給と様々な動作プロファイルとの組み合わせは、所与の状況で使用する必要性が生じ得る特別な動作プロファイルをユーザが使用できるので利点をもたらす。ここでは、負荷に応じた潤滑油供給により、使用する潤滑油の量を減少させることができると同時に、実際の動作プロファイルに基づいて排出を低減することができる。
【0049】
本発明によるシステムの実施形態は、エンジン負荷検出手段が、実際のエンジン負荷におけるシリンダの排気弁の閉鎖時間を検出するピックアップシステムを含むという点で特異的である。
【0050】
排気弁の閉鎖時間を検出するピックアップシステムを使用することは、負荷に応じた潤滑油供給の変化を確立するための技術的に単純な解決策である。
【0051】
本発明によるシステムのさらなる実施形態は、ピックアップシステムが、
− 排気弁の位置を直接的又は間接的に決定して位置を検出する負荷ピックアップ部、及び/又は、
− 排気弁の位置を直接的又は間接的に決定して位置を検出する位置ピックアップ部、
を含み、システムが、
− 負荷ピックアップ部又は位置ピックアップ部を用いて位置データ、方向データ及び速度データを同時に検出する、エンジンのフライホイール上のピックアップシステムをさらに含む、
という点で特異的である。
【0052】
上述したように、負荷ピックアップ部又は位置ピックアップ部を用いて位置データ、方向データ及び速度データデータを同時に検出するエンジンのフライホイール上のピックアップシステムは、潤滑油供給のタイミングのバックアップ及び/又は制御を行う単純な方法である。
【0053】
排気弁の位置を直接的又は間接的に示すピックアップ部を使用し、このピックアップ部からの信号を用いてタイミングを調整することにより、フライホイール上のピックアップシステムが余分なものになる可能性もある。しかしながら、このピックアップシステムをタイミングのバックアップ又は制御オプションとして別様に使用できることは有利である。しかしながら、このことは、潤滑油を供給するシステム、及びSI弁などの噴射ユニットを通過する前のピストンのみに当てはまる。
【0054】
本発明による方法及びシステムは、先行技術の潤滑油供給システムと共に使用することもできる。このようなシステムの例は、国際公開第2008/009291号、デンマーク国特許第173512号、及び欧州特許第1350929号に記載されている。
【0055】
本明細書では、本発明の利点が、潤滑油の供給を正確に制御する先行技術の供給システムの利点と組み合わされる。
【0056】
以下、添付図面を参照しながら本発明についてさらに詳細に説明する。