特許第6574462号(P6574462)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6574462-経編機を調整する方法及び補助装置 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6574462
(24)【登録日】2019年8月23日
(45)【発行日】2019年9月11日
(54)【発明の名称】経編機を調整する方法及び補助装置
(51)【国際特許分類】
   D04B 35/10 20060101AFI20190902BHJP
   D04B 35/00 20060101ALI20190902BHJP
   D04B 37/06 20060101ALI20190902BHJP
【FI】
   D04B35/10
   D04B35/00 102
   D04B37/06
【請求項の数】16
【外国語出願】
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2017-156420(P2017-156420)
(22)【出願日】2017年8月14日
(65)【公開番号】特開2018-96020(P2018-96020A)
(43)【公開日】2018年6月21日
【審査請求日】2017年8月15日
(31)【優先権主張番号】16203371.6
(32)【優先日】2016年12月12日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】591008465
【氏名又は名称】カール マイヤー テクスティルマシーネンファブリーク ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクター ハフツング
【氏名又は名称原語表記】KARL MAYER TEXTILMASCHINENFABRIK GESELLSCHAFT MIT BESCHRANKTER HAFTUNG
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】特許業務法人 有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クラクフ, オリヴァー
(72)【発明者】
【氏名】ナップ, ペーター
【審査官】 ▲高▼橋 杏子
(56)【参考文献】
【文献】 中国特許出願公開第104131410(CN,A)
【文献】 米国特許第05912816(US,A)
【文献】 特開2006−312802(JP,A)
【文献】 特開平06−011456(JP,A)
【文献】 特開昭50−076373(JP,A)
【文献】 特公平08−025691(JP,B2)
【文献】 特開平01−221555(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D04B 3/00−19/00
D04B 22/00−39/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
編み具領域(3、5)が監視され、調整信号が生成される経編機(1)を調整する方法であって、
編み具領域(3、5)を監視するために、カメラ(10)が用いられ、編み具領域(3、5)はディスプレイ(11)に表示され、
ディスプレイ(11)には、調整信号を生成する作動要素が配置され、
該調整信号は、経編機(1)のコントローラ(6)がガイドバー(2)と編み針バー(4)との相対的な位置関係を調整するために用いられる、方法。
【請求項2】
ズーム機能を備えたカメラ(10)が使用される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
タッチセンサ式のディスプレイ(11)が用いられて、ディスプレイ(11)の指定された領域(12、13)が作動要素として用いられる、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記の指定された領域(12、13)がディスプレイ(11)上に表示される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
カメラ(10)を備えた通信デバイスが用いられる、請求項1乃至4の何れかに記載の方法。
【請求項6】
通信デバイスは、経編機(1)のコントローラ(6)に無線で接続される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
通信デバイスは、経編機(1)のコントローラ(6)にケーブルによって接続される、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
ディスプレイ(11)は、ディスプレイ装置(7、11)の一部であり、該ディスプレイ装置(7、11)の一部(7)は経編機(1)上に配置された、請求項6又は7に記載の方法。
【請求項9】
通信デバイスは、遠隔メインテナンスデバイスに接続された、請求項5乃至8の何れかに記載の方法。
【請求項10】
通信デバイスは、携帯電話又はポータブルコンピュータである、請求項5乃至9の何れかに記載の方法。
【請求項11】
編み具領域(3、5)を監視する補助デバイス(9)と、調整信号を生成する作動要素を有する経編機(1)を調整する補助装置において、
補助デバイスは、カメラ(10)とディスプレイ(11)を備え、編み具領域(3、5)はカメラ(10)によって記録され、ディスプレイ(11)上に編み具領域(3、5)が表示され、
ディスプレイ(11)には調整信号を生成する作動要素が配置され、
調整信号を生成するアプリケーションプログラムを備え
該調整信号は、経編機(1)のコントローラ(6)がガイドバー(2)と編み針バー(4)との相対的な位置関係を調整するために用いられる、補助装置。
【請求項12】
カメラ(10)はズーム機能を備える、請求項11に記載の補助装置。
【請求項13】
ディスプレイ(11)はタッチセンサ式に構成されて、作動要素はディスプレイ(11)の指定された領域(12、13)によって形成される、請求項11又は12に記載の補助装置。
【請求項14】
カメラ(10)は通信デバイス上に配置された、請求項11乃至13の何れかに記載の補助装置。
【請求項15】
補助デバイス(9)は、経編機のコントローラに無線で接続された、請求項11乃至14の何れかに記載の補助装置。
【請求項16】
通信デバイスは、携帯電話又はポータブルコンピュータである、請求項14に記載の補助装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、経編機を調整する方法に関し、編み具領域は監視され、調整信号が生成される。
本発明はまた、経編機を調整する補助装置に関し、編み具の領域を監視する補助デバイス及び調整信号を生成する活動要素を有する。
【背景技術】
【0002】
経編機の動作において、編み具は一緒になってループを形成する。例えば、ガイド針又は他の糸ガイドは、ループを形成するために、作動針とも言われる編み針に対して動かされなければならない。編み針は編み針バー上に配置される。ガイド針は、1又は複数のガイドバー上に配置される。機械のいわゆる精製度、即ち1インチ幅当たりの編み針の数に応じて、編み針は互いに比較的小さい距離だけ離間される。
【0003】
このギャップを通って、「針アレイ」としても知られる糸ガイドが衝突することなく、編み針へ通らなければならない。従って、機械のゼロ位置又は中立位置では、2本の編針の間で各糸ガイドを可能な限り中央に配置し、それに応じてガイドを調整することが重要である。別の可能性は、機械が停止しているときに「パターン運動」として知られていることを実行することである。これにより、糸ガイドを針バーの編み針の周りで調整することができる。
【0004】
適切な設定を行うために、作業者は、編み具領域を見るための拡大鏡を使用する。知覚される編み具の互いの位置に応じて、作業者は、制御パネル上の異なるスイッチ又は押しボタンを作動させて調整信号を生成する。制御パネルは、ケーブルを介して経編機のコントローラに接続され、調整信号に応じてバーの位置を変更する。
【0005】
中国特許104131410号は、経編機のコントローラに無線で接続された制御パネルの使用を開示する。
拡大鏡と制御パネルを同時に使用するには、操作者側にて或る程度のスキルが必要である。多くの場合、制御パネル上の複数の作業者制御は、例えば、キースイッチをある位置に回して、同時にある特定のボタンを動かしながらそれを保持するなど、一度に作動させなければならない。
【0006】
本発明の目的は、経編機を調整する作業を単純化することにある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、カメラが編み具領域を監視するために使用され、編み具領域がディスプレイ上に表されるという事実によって、上で言及されたタイプの手順で達成される。
【0008】
カメラ及びディスプレイにより、編み具領域を観察することが可能になる。調整信号を生成することによって、作業者は、作業者が実行する個々のバー及びこれに接続された編み具の動きを監視することができる。
【0009】
好ましくは、ズーム機能を有するカメラが使用される。編み具は、ディスプレイ上に拡大して表示され得るので、作業者は、編み具が互いにどのように位置決めされているかを容易に識別することができる。拡大鏡はもう必要ではない。
【0010】
調整信号を生成するための作動要素が付与されたディスプレイを使用することが好ましい。従って、作業者は、所望の調整信号を生成するためにディスプレイ又はディスプレイを担持する装置を操作するだけでよい。これは、作業者が簡単に且つ即座に作業者が作る調整信号の効果を検出できることを意味する。
【0011】
作動要素として指定されたディスプレイのフィールドを有するタッチ感知式ディスプレイを使用することが好ましい。従って、ディスプレイは「タッチスクリーン」として構成される。例えば、ディスプレイの右端をタップすることにより、特定のバーを右に移動させ、表示画面の左端をタップすることにより、対応するバーの左への動きを可能にする。
【0012】
指定された領域は、ディスプレイ上に表示されるのが好ましい。作業者の作業を簡素化するために、指定された領域に、例えば「左」と「右」でラベルを付けることが出来る。
【0013】
カメラを備えた通信デバイス、特に携帯電話又はポータブルコンピュータ、例えばタブレットが好ましく使用される。大部分の携帯電話では、カメラは既に組み込まれている。多くのポータブルコンピュータ、特にいわゆるタブレットコンピュータには、カメラが内蔵されている。両方の通信デバイスは、アプリケーションプログラム、いわゆる「アプリ」を実行することもできるので、そのようなアプリケーションプログラムによって経編機の調整がサポートされる。作動要素が作動すると、アプリケーションプログラムは対応する制御コマンドを調整信号として経編機に送る。
【0014】
経編機のコントローラに通信デバイスを無線手段で接続することが好ましい。例えば、そのような接続はWLANを介して行うことができる。このための唯一の前提条件は、通信デバイスと経編機、より正確には経編機のコントローラに適切なインタフェースが設けられていることである。
【0015】
或いは、有線接続を使用することもできる。例えば、固定的に取り付けられた配線式カメラを使用して、その画像をディスプレイに送ることが可能である。ここから、バーを調整することができる。勿論、対応する画像情報を無線手段によってディスプレイに転送する固定カメラを使用することも可能である。
【0016】
ディスプレイは、好ましくはディスプレイ装置の一部であり、ディスプレイ装置の一部は経編機に配置される。ディスプレイ装置は、原則として、複数のディスプレイを有することができる。例えば、通信デバイスに1つのディスプレイを配置し、経編機に別のディスプレイを配置することができる。その場合、経編機のコントローラに既に備えられている経編機のディスプレイを使用することができる。作業者は、その結果、ディスプレイ上の編み具領域を観察する位置を選択することができる。
【0017】
この場合、通信デバイスを遠隔メインテナンスデバイスに接続するのが好ましい。遠隔メインテナンスデバイスを使用することにより、地理的に離れた地点、例えば経編機の製造業者から、遠隔メインテナンスデバイス又はテレサービスによって調整を実行することが可能である。
【0018】
この目的は上述したタイプの補助装置によって達成され、補助装置は編み具領域を捕らえることができるカメラと、編み具領域を表示することができるディスプレイとを有する。
【0019】
作業者はディスプレイを使用して編み具領域を表示し、調整信号が所望の効果を有するかどうかを確認することができる。また、カメラを経編機の異なる位置に移動させることができ、例えば、編み具領域を前又は後ろから監視して調整を行うことができる。
【0020】
カメラはズーム機能を有することが好ましい。編み具領域はディスプレイ上に拡大して表示され、調整が容易になる。
【0021】
ディスプレイはタッチセンサ式のディスプレイとして設計され、制御要素はディスプレイの指定された領域によって形成されることが好ましい。ディスプレイに触れることによって、またはディスプレイの指定された領域にさらに正確に触れることによって、調節信号が生成され得る。
【0022】
カメラは、好ましくは通信装置、特に携帯電話またはポータブルコンピュータ、例えばタブレットコンピュータに配置される。作業者は、通信装置を機械まで保持し、カメラが編み具領域を捕らえることができるように位置決めするだけでよい。例えば通信装置を使用して、必要な調整信号も生成することができる。
【0023】
また、補助装置が経編機のコントローラに無線接続されていると有利である。このような無線接続は、例えばWLAN接続によって設定することができる。この目的のために必要とされるのは、経編機及び補助装置がそれぞれ適切なインターフェースを備えていることである。この場合、例えば、編み具領域を経編機のディスプレイに表示させるようにしてもよい。このようなディスプレイは、多くの場合、経編機のコントローラの構成部品として既に利用可能である。調整信号を生成するための制御要素もここに設けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
以下、本発明を図面に関連して好ましい実施形態により説明する。
図1図1は、補助装置を有する経編機を調整する大まかな概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
経編機1は、複数のガイド針3が配置されたガイドバー2を備えている。ガイド針3の代わりに、他の糸ガイドを設けることもできる。
更に経編機は、一連の編み針5が互いに隣接して配置された編針4を備えている。経編機1の動作において、ガイド針3と編み針5とが協働してループを形成する。この工程の一部として、例えば、ガイド針3は、編み針5の周りを通る。
【0026】
ガイド針3は、互いに比較的小さな間隔をおいて配置されている。例えば、E20の精細度の場合、1インチ当たり20本のガイド針3が設けられる。従って、ガイド針間の距離は約1mm程度である。同じことが、編み針5の互いに対する間隔にも当てはまる。ガイド針3と編み針5との衝突のない相互作用を容易にするために、ガイド針3は、理想的には、編み針5に対して可能な限り中心に配置される。
【0027】
ここでの経編機の表現は非常に単純化されている。実際には、より多くの編み具が提供されており、例えばプールフック、エバーコンブフックなどがある。これらの編み具の表現は、明確にするために省略されている。これらの編み具は、他の編み具に対して同じように調整しなければならない。
【0028】
経編機1は、ディスプレイ7を備えた機械コントローラ6を備えている。機械コントローラ6には、アンテナ8またはWLAN、即ち無線ネットワーク用の他の受信デバイスも設けられている。
【0029】
所望の調整を行うために、作業者は編み具領域を監視しなければならず、ガイド針3と編み針5との相対位置に応じて調整信号を生成し、該調整信号によって機械コントローラ6はガイドバー2と編み針バー4との相対的な位置関係を調整する。殆どの場合、長手方向に平行な2つのバー2、4のうちの1つの位置を調整するだけで十分である。調整信号はパルスであってもよく、例えば、パルス毎に機械コントローラ6はミリメートルの割合、例えば0.05mmまたは0.1mmでアドレス指定または制御された特定のバー2、4を移動させる。作業者は、次に、実行された調整がガイド針3と編針5の互いの位置決めに成功したかどうか、またはさらなる調整が行われなければならないかどうかを視覚的に監視することができる。
【0030】
この監視は、以前は拡大鏡によって行われていたので、編み具領域はより大きなスケールで見ることができた。しかしながら、このような取り扱いは比較的煩雑である。
【0031】
経編機1の前には、編み具領域を見るための補助デバイス9が拡大して示されている。補助デバイスは、経編機1を調整するための補助装置の一部を形成し、あるいは補助装置を完全に形成する。これは以下でさらに説明される。
【0032】
補助デバイス9は、カメラ10とディスプレイ11とを備えている。カメラ10はズーム機能を備えている。即ち、ディスプレイ11に編み具領域を拡大して表示することができ、ガイド針3を備えたガイド針バー2と編針5を備えた編針バー4をよりよく識別することができる。好ましくは、倍率は、作業者が編み針領域、即ち編み針3、5を必要なだけ大きく表示できるように調整することができる。
【0033】
補助デバイスは、例えば、「スマートフォン」のような携帯電話、またはタブレットPC、ノートブックなどのポータブルコンピュータとして、例えば移動通信装置として構成することができる。
【0034】
ディスプレイ11は、タッチセンサ式のディスプレイとして構成されている。ディスプレイ11は、制御要素として構成された特定の領域を含む。これらの領域12、13は、ディスプレイ11に表示することができる。領域12、13は、その効果を示唆する情報で示すこともできる。この例示的な実施形態では、領域12は「L」で、領域13は「R」で示されている。したがって、領域12をタップすると、ガイドバー2は左に移動し、領域13をタップすると、ガイドバー2は右に移動する。
【0035】
詳細には示さない方法で、使用可能なバーのリストをディスプレイ上に予め表示することができ、タッチセンサ式のディスプレイ11の特定の領域によって適切なバーを選択することができる。
【0036】
対応する調整信号は、機械コントローラ6のアンテナ8に送信され、機械コントローラ6は、ガイドバー2または編針バー4の所望の運動を生じさせることができる。
【0037】
また、補助デバイスのディスプレイ11に表示される画像は、機械コントローラ6のディスプレイ7にも、又はディスプレイ7にのみ表示されるようにすることもできる。このディスプレイ7もタッチセンサ式ティブディスプレイとして構成されている場合、カメラ10が編み具3、5を用いて編み具領域を記録するように補助デバイスを適切に配置することにより、機械コントローラ6上で直接調整を行うこともできる。
【0038】
関連情報、即ち、編み具3、5を用いた編み具領域の画像は、経編機の製造業者のテレサービスのような遠隔デバイスに伝送されるようにすることもできる。対応する調整信号の戻り転送によって、調整をより大きな距離にわたって実行することもできる。
【0039】
調整のために必要なことは、補助デバイス9を適切な手段を用いて経編機1に割り当てるだけである。これは、例えば、IPアドレスを介して達成することができる。上述したように、補助デバイスは特定の状況において調整されるべき特定のバーに割り当てられることも必要である。しかし、これも容易に可能である。
【0040】
調整を達成するために、いわゆる「アプリ」を補助デバイス9上で実行することができる。そのようなアプリまたはアプリケーションプログラムは、経編機の製造業者によって提供され得る。
図1