(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記導入空間及び前記複数の導入路が設けられた整流部と、前記供給口が設けられて前記整流部に連結された供給部と、を備え、前記供給部には前記導入空間に進退可能に挿入される挿入突起が設けられている、請求項1乃至3の何れかに記載の液体噴射ノズル。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の液体噴射ノズルでは、供給された高圧液体を十分に整流化して透明棒流を長くするには、長い導入路が必要で、液体噴射ノズルの全長を長くしなければならなかった。ところが、導入路を長くすると流路内の圧力損失が大きくなるため、噴射される透明棒流の噴射圧力が低下する。
【0006】
そこで本発明は、複数の噴射孔からより強い透明棒流を安定して噴射することができて全長を短くできる液体噴射ノズルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成する本発明の液体噴射ノズルは、供給口
に30kg/cm
2以上
40kg/cm2以下の供給圧力で供給された高圧液体が、複数の導入路を流れ、導入路毎に設けられた噴射孔から透明棒流
として供給圧力の0.5倍〜1.0倍の圧力で噴射
される高圧液体噴射ノズルであって、供給口と複数の導入路との間に導入空間が設けられ、導入空間が、供給口の断面積より大きく複数の導入路の断面積の和以上の断面積を有し、
複数の導入路の先端には、チップにより軸と直交する壁面が形成され、導入路毎に壁面に噴射孔が設けられ、複数の導入路の軸と直交する断面形状がそれぞれ円形を有し、複数の噴射孔の軸と直交する断面形状が略全長で一定の円形断面形状を有し、導入路が、噴射孔の直径の2倍以上50倍以下の直径を有するとともに、導入路の直径の3.125倍以上8倍以下の軸方向長さを有するものである。
【0008】
複数の噴射孔は、それぞれ導入路の軸と直交する断面における中央部に開設されているのが好ましい。その場合、液体噴射ノズルが導入空間及び複数の導入路が設けられ先端に接合突起を有するノズル本体と、ノズル本体の接合突起に嵌合して装着されるキャップ
と、ノズル本体の先端側に配置されてキャップにより支持されたチップと、を備えていてもよい。
【0009】
この液体噴射ノズルは、導入空間及び複数の導入路が設けられた本体部と、供給口が設けられて整流部に連結された供給部と、を備え、供給部には導入空間に進退可能に挿入される挿入突起が設けられていてもよい。
またこの液体噴射ノズルは、製紙用耳切ノズルとして使用されるのがよい。
さらにこの液体噴射ノズルは、供給口を開閉する開閉弁と、開閉弁より下流側に設けられた洗浄液導入部及び洗浄液排出部と、を備え、開閉弁を閉塞した状態で洗浄液導入部から洗浄液を導入可能であると共に洗浄液排出部から排出可能であってもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明の液体噴射ノズルによれば、供給口と複数の導入路との間に導入空間を設けたので、供給口に供給された液体が一旦導入空間に導入されてから複数の導入路に分配される。導入空間の断面積が供給口の断面積よりも大きく複数の導入路の断面積の和以上であるので、供給口から導入空間に液体が導入されるときには液体の流路の全断面積が拡大され、導入空間から複数の導入路に液体が導入されるときには流路の全断面積は縮小することになる。
【0011】
従って、供給口から直接複数の導入路に分配する場合に比べて、導入空間で一旦流路を拡大してから複数の導入路に分配することで効率よく流れを整流化でき、導入路を短くすることができる。その結果、複数の噴射孔からより強い透明棒流を安定して噴射することができ、ノズルの全長を短くできる液体噴射ノズルを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について図を用いて詳細に説明する。
[第1実施形態]
この実施形態では製紙用耳切ノズルとして使用される液体噴射ノズルの例を用いて説明する。
図1(a)及び(b)に示すように、液体噴射ノズル10は、軸方向の一端側に設けられて高圧液体が供給される供給部11と、他端側に設けられて高圧液体を噴射する噴射部13と、供給部11と噴射部13との間に設けられて高圧液体を整流化する整流部15と、を備えている。この実施形態では、供給部11と整流部15とはノズル本体17に一体に設けられ、噴射部13が、ノズル本体17に装着されたキャップ19と、キャップ19により支持されたチップ21と、により形成されている。
【0014】
供給部11は、図示しない一次側の配管が接続されるネジ部と、高圧液体が一次側から供給される一つの供給口23と、を備えている。供給口23は軸方向に設けられ、軸を中心とした円形の断面形状を有している。
【0015】
整流部15は、供給口23から高圧液体が導入される一つの導入空間25と、導入空間25と連通して噴射部13まで延びる複数の導入路27と、を備えており、導入空間25が供給口23と複数の導入路27との間に配置されている。各導入空間25は、軸を中心とした円形の断面形状を有し、軸方向に所定長さを有している。また各導入路27は、それぞれ軸と平行に設けられており、軸と直交する断面形状が円形で、軸方向に所定長さを有している。
ノズル本体17の先端には、導入路27が開設された状態で軸方向に突出した接合突起29が形成されている。
【0016】
噴射部13は、ノズル本体17の接合突起29に嵌合して装着されるキャップ19と、ノズル本体17の先端に配置されてキャップ19により支持されるチップ21と、を備えている。チップ21には、導入路27に対応した噴射孔31が設けられている。各噴射孔31は、それぞれ軸と平行に設けられており、軸と直交する断面形状が円形で、チップ21の厚みの略全長が一定断面形状となっている。噴射孔31の直径は、液体噴射ノズル10の用途に応じて適宜設定される。
【0017】
キャップ19の内部には、チップ21を所定位置に配置するための位置決め部が設けられている。チップ21をキャップ19に配置し、このキャップ19をノズル本体17に装着すると、キャップ19が接合突起29に嵌合されることで位置決めされる。そのため、チップ21が導入路27に対して位置決めされ、各噴射孔31がそれぞれ導入路27に対して所定位置に配置される。この実施形態では、各噴射孔31は導入路27の断面における中央部分、好ましくは中心に開設されている。
【0018】
この液体噴射ノズル10では、複数の導入路27を別々に設け、各導入路27毎に噴射孔31を開設しているが、これは各噴射孔31から液体を噴射した際、周囲の噴射孔31に供給される液体の圧力や流れに影響が生じるような干渉を防止するためである。即ち、各噴射孔31から噴射される液体が周囲の噴射孔31に供給される液体に影響を与えると、各噴射孔31から噴射される液体の圧力がバラつくだけでなく、流動される液体や噴射される液体の流動状態のバランスが崩れる。すると各噴射孔31から噴射される棒流の透明状態が短くなり安定した強い透明棒流が得られなくなる。ところが各導入路27毎に噴射孔31を設ければ、複数の噴射孔31のそれぞれから強い透明棒流を均等に噴射することができる。
【0019】
このような液体噴射ノズル10では、整流部15で高圧液体を効率よく整流化するため、各部の大きさや長さが適宜設定される。ここで整流化とは、液体の流れの乱れを小さくすることである。例えば、流路の軸と直交する各位置における微視的な液体の流動方向を軸に沿う方向に揃えることであり、顕著な場合には、乱流状態の流れを層流状態にすることである。
【0020】
具体的には、まず導入空間25の断面積が供給口23の断面積より大きく且つ複数の導入路27の断面積の和以上となっている。本発明では、断面積は軸と直交する面の断面積である。この実施形態では、ギブソンの実験結果に従い、導入空間25の断面積が、例えば供給口23の断面積の1倍より大きく4倍以下、好ましくは1倍より大きく2.25倍以下とされている。
導入空間25の断面積が供給口23の断面積より小さいと、導入路27を過剰に長くしなければ十分な整流効果が得られないため好ましくない。一方、導入空間25の断面積が供給口23の断面積より過剰に大きいと圧力損失が大きくなり、乱流も大きくなりやすい。
【0021】
導入空間25の軸方向長さは、供給口23の軸方向長さの1/2以上とされるのが好適である。導入空間25の軸方向長さと供給口23の軸方向長さとの比は、導入空間25の断面積と供給口23の断面積との比と相関を有し、供給口23と導入空間25との断面積の差が大きい程、導入空間25を長く設けてもよい。
各部の長さ及び断面積を調整して範囲を確認した下記表1を考慮し、例えば(導入空間25の軸方向長さ)/(供給口23の軸方向長さ)の比を、(導入空間25の断面積)/(供給口23の断面積)の比の1倍以上3倍以下、好ましくは1倍以上2倍以下としてもよい。
【表1】
導入空間25の軸方向長さが過剰に短いと、十分な整流効果が得られないことがあり、一方、過剰に長いと液体噴射ノズル10の全長が長くなる。
【0022】
また導入空間25の断面積は、各部の長さ及び断面積を調整して範囲を確認した下記表2を考慮し、例えば導入路27の断面積の総和以上20倍以下、好ましくは断面積の総和の1倍以上8倍以下とする。
【表2】
導入空間25の断面積が導入路27の断面積の総和より小さいと、導入空間25から複数の導入路27に液体が導入されたとき、断面積が増加するため、導入路27における十分な整流効果を得るのに長い導入路27が必要となる。一方、導入空間25の断面積が導入路27の断面積の総和に比べて過剰に大きいと、流体の運動量保存の法則に基づき、圧力損失が大幅に増加したり、ベルヌーイの定理に基づき、流速が大幅に増加したりすることがある。
【0023】
導入路27の軸方向長さは、供給口23及び導入空間25全体の軸方向長さ以下にしてもよいが、この実施形態では、各部の大きさや数を調整して範囲を確認した下記表3を考慮し、導入路27の直径の2倍以上8倍以下とされている。各導入路27の軸方向長さは、過剰に長いと液体噴射ノズル全長が長くなり小型化し難く、また長さに比例して圧力損失が増加する。
【表3】
【0024】
各導入路27の直径は、各部の大きさを調整して範囲を確認した下記表4を考慮し、例えば各噴射孔31の直径の2倍以上100倍以下、好ましくは2倍以上50倍以下とする。導入路27の直径が噴射孔31の直径に対して過剰に大きい場合には、各噴射孔31の配置間隔が広くなり、過剰に小さい場合には、隣り合う噴射孔31同士が干渉し合うことが生じる。
【表4】
【0025】
このような液体噴射ノズル10を用いて透明棒流を噴射させるには、まず図示しない一次側から供給口23に高圧液体を供給する。供給口23に供給される液体は、加圧して供給された水、水溶液、水懸濁液等であり、例えば30kg/cm2以上の高圧液体であってもよいが、この実施形態では35kg/cm2〜40kg/cm2の高圧液体が供給される。供給流量は、複数の噴射孔31から噴射される量であり、例えば0.5L(リットル)/分以上としてもよい。この実施形態では0.8L/分〜0.9L/分(噴射孔の直径が0.4の時)の高圧液体が供給される。
【0026】
供給口23に高圧液体が供給されて導入空間25に導入されると、流れと直交する流路の断面積が拡大する。このとき流路が拡大することで流れの乱れが増大し、また圧力損失が生じる。
次いで、この導入空間25から複数の導入路27に分配される。このとき流路の断面積が縮小することで、流れの乱れが増大し、また圧力損失が生じる。しかし供給口23から複数の導入路27に直接供給する場合に比べ、流れの乱れの増加程度は小さくできる。
その後、複数の導入路27を流動することで整流化され、導入路27毎に先端に達する。各導入路27の先端にはチップ21により軸と直交する壁面が形成され、この壁面に噴射孔31が設けられているため、噴射孔31からそれぞれ均等に高圧液体が噴射される。
これにより噴射孔31から外側に透明棒流が形成される。
【0027】
噴射孔31から噴射される液体の圧力は、できるだけ供給口23に供給された圧力とすることが望ましく、例えば供給圧力の0.5倍以上としてもよい。この実施形態では供給圧力の0.5倍〜1.0倍となる。
【0028】
以上のような液体噴射ノズル10によれば、供給口23と複数の導入路27との間に導入空間25を設けたので、供給口23に供給された液体が一旦導入空間25に導入されてから、複数の導入路27に分配される。この導入空間25の断面積が供給口23の断面積よりも大きく、複数の導入路27の断面積の和以上であるので、供給口23から導入空間25に液体が導入されるときには、流路の断面積が拡大され、導入空間25から複数の導入路27に液体が導入されるときには、流路の断面積は拡大しない。
【0029】
液体が供給口23から導入空間25に導入される際、及び導入空間25から複数の導入路27に導入される際には、それぞれ圧力損失が生じ、また流れの乱れも増大する。しかし、供給口23から直接複数の導入路27に分配する場合に比べれば、導入空間25で一旦流路を拡大してから複数の導入路27に分配する場合の方が効率よく流れを整流化できる。そのため、液体噴射ノズル10全体では、流路を短くできて液体噴射ノズル10の全長を短くできる。また導入路27を短くできるため、導入路27における圧力損失を抑えることができ、強い透明棒流を安定して噴射することが可能となる。その結果、液体噴射ノズル10の全長を短くするとともに、より強く安定した透明棒流を長い距離で形成することが可能である。このような効果は、供給口23の断面積が導入空間25の断面積の和に対して小さければ小さい程、より顕著に発揮される。
【0030】
この液体噴射ノズル10では、各噴射孔31がそれぞれ導入路27の軸と直交する断面における中央部に開設されているので、導入路27の内壁面から離間した位置の液体を噴射孔31から噴射でき、内壁面の境界付近における流れの影響を少なくすることが可能である。そのため各噴射孔31から噴射された液体の流れのバランスがよく、透明棒流をより長い距離で形成することができる。
【0031】
[第2実施形態]
図2乃至
図4は第2実施形態の液体噴射ノズル10を示している。
この液体噴射ノズル10では、
図2及び
図3に示すように、ノズル本体17が分割構造に形成されており、導入空間25及び複数の導入路27を有する整流部15と、供給口23が貫通して設けられた供給部11と、が別体に設けられて連結されている。
【0032】
供給部11の先端側には、整流部15の導入空間25内に進退可能に挿入される挿入突起33が設けられ、先端側の外周には、整流部15と連結するための連結用雄ネジ35と、整流部15の内周との間を気密に閉塞するシール部材37と、が設けられる。また先端側の供給口23の端部側には、整流部15の導入空間25に向けて断面積が徐々に増大する拡開部39が設けられている。供給部11の後端側の外周には、支持用雄ネジ41が設けられており、一次側に配置された支持部43に螺合されている。整流部15の後端側には、供給部11の連結用雄ネジ35と螺合される連結用雌ネジ45が設けられている。その他は第1実施形態と同様である。
【0033】
このような液体噴射ノズル10では、
図2に示すように、供給部11と整流部15とを相対回動させて、供給部11の挿入突起33を整流部15の導入空間25内で後退させることで、導入空間25の軸方向長さを長くすることができ、整流化の作用を強くすることができる。
一方、
図3に示すように、供給部11の挿入突起33を整流部15の導入空間25内に挿入させることで、導入空間25の軸方向長さを短くすることができ、顕著な場合には拡開部39の他は導入空間25を無くすことができる。これにより、導入空間25を流動させる際の圧力損失を少なくすることができ、複数の導入路27及び噴射孔31により高圧の流体を供給することができる。
【0034】
また
図4に示すように、供給部11と整流部15とを相対回動させると、噴射部13の噴射孔31が軸周りに回動できる。これにより複数の透明棒流の軸に対する位置を周方向に調整することができる。さらに供給部11と整流部15とを相対回動させたり、供給部11と支持部43とを相対回動させることで、噴射部13の噴射孔31の軸方向における位置を調整することができる。
【0035】
このような第2実施形態の液体噴射ノズルによれば、第1実施形態と同様の作用効果が得られる。さらに導入空間25及び複数の導入路27が設けられた整流部15と、供給口23が設けられて整流部15に連結された供給部11と、を備え、供給部11には導入空間25に進退可能に挿入される挿入突起33が設けられているので、供給部11の挿入突起33を進退させることで、導入空間25の軸方向の長さを伸縮させることができる。
そのため、液体噴射ノズル10の使用時には、導入空間25を長く設けることで透明棒流を形成し易くでき、洗浄時には、導入空間25を短くして導入路27や噴射孔31に、より強い乱流状態の液体を供給して、例えば効率よく洗浄することができる。
なお、対向位置の内壁面間の角度を鈍角にするなど、拡開部39の軸方向に対する傾斜を大きくすることで、洗浄効果を向上させてもよい。
【0036】
[第3実施形態]
図5及び
図6は第3実施形態の液体噴射ノズル10を示す。
この液体噴射ノズル10は、
図5に示すように、供給口23を開閉する開閉弁47と、開閉弁47より下流側となるノズル本体17の供給部11に設けられた洗浄液導入部51及び洗浄液排出部53と、を備えている。
【0037】
この実施形態では、洗浄ノズル55が透明棒流を形成するために使用される間は、洗浄液導入部51及び洗浄液排出部53が装着されず、これらを装着するために供給部11に設けられている開口には、閉塞部材が装着されている。そして洗浄ノズル55を洗浄する際に、開口の閉塞部材を除去して、
図5に示すように、洗浄液導入部51及び洗浄液排出部53が装着される。
【0038】
洗浄液導入部51は、供給口23の内部に突出して配置される洗浄ノズル55と、開口に気密に装着される装着部57と、を備え、図示しない高圧洗浄液の供給源から高圧の洗浄液が弁59を介して供給可能となっている。洗浄液排出部53には、供給口23と連通するように開口に接続された排液配管61を有する。その他の構成は、第1実施形態と同様である。
【0039】
このような液体噴射ノズル10では、透明棒流を形成する際には、第1実施形態と同様にして使用することができる。
この使用により、液体噴射ノズル10の内部、例えば導入空間25、導入路27、噴射孔31に異物が付着することがある。製紙用耳切ノズルの場合には、再利用水や切断時に跳ね返る液に含まれる紙料粕等が、液体噴射ノズル10の外部に付着するだけでなく、内部にまで侵入して滞留する。内部に侵入した紙料粕は粘調な物質として堆積したり、さらに乾燥すると内表面に固着する。これらは透明棒流の形成を阻害するため、液体噴射ノズル10を洗浄する必要がある。
【0040】
第3実施形態の液体噴射ノズル10を洗浄するには、
図6に示すように、ノズル本体17の供給部11に洗浄液導入部51及び洗浄液排出部53を装着した後、開閉弁47を閉塞した状態で洗浄液導入部51に高圧の洗浄液を導入する。すると洗浄ノズル55から高圧の洗浄液が乱流状態で複数の導入路27に導入され、洗浄液の一部が各噴射孔31から外部に放出され、残部が洗浄液排出部53から排出される。これにより内部の洗浄を行う。
また開閉弁47を閉塞した状態で、スプレーガン63を噴射孔31に挿入し、高圧洗浄液を噴射孔31から導入して、洗浄液排出部53から排出させ、これにより内部の洗浄を行う。
【0041】
このような第3実施形態の液体噴射ノズルによれば、第1実施形態と同様の作用効果が得られる上、供給口23を開閉する開閉弁47と、開閉弁47より下流側に設けられた洗浄液導入部51及び洗浄液排出部53と、を備え、開閉弁47を閉塞した状態で洗浄液導入部51から洗浄液を導入可能であると共に洗浄液排出部53から排出可能であるので、液体噴射ノズル10の内部を容易に洗浄することができる。
【0042】
[変形例]
なお実施形態は、本発明の範囲内において適宜変更可能である。
例えば上記第1乃至第3実施形態では、導入路27及び噴射孔31を2個有する液体噴射ノズル10の例について説明したが、導入路27及び噴射孔31の数は特に限定されず、例えば
図7のように、多数の導入路27及び噴射孔31を設けることも可能である。
また上記各実施形態では、複数の導入路27及び複数の噴射孔31が直径方向に一列に配列した例について説明したが、複数の導入路27及び複数の噴射孔31の配置も特に限定されるものではなく、流れに直交する断面方向に二次元的に配置することも可能である。
さらに上記第3実施形態では、ノズル本体17と供給部11とが一体に形成された第1実施形態の液体噴射ノズル10に、開閉弁47、洗浄液導入部51及び洗浄液排出部53を設けた例について説明したが、例えば
図8に示すように、ノズル本体17と供給部11とが別体に形成された第2実施形態の液体噴射ノズル10にこれらを設けてもよい。
【実施例】
【0043】
[実施例1]
図1に示す液体噴射ノズル10を用い、供給口23に高圧水を供給して2つの噴射孔31から噴射させ、2本の透明棒流を形成した。供給口23は、直径8mmで長さ6mm、導入空間25は、直径13mmで長さが18mm、導入路27は、直径6.4mmで長さが40mm、噴射孔31は直径0.4mmであった。
液体噴射ノズル10を水平に配置し、供給口23に圧力30kg/cm2(3MPa)、流量0.76L/分で高圧水を供給した。
【0044】
ここでは導入空間25の断面積は供給口23の断面積の2.7倍で、導入路27の断面積の総和の1.98倍である。
また(導入空間25の軸方向長さ)/(供給口23の軸方向長さ)の比は、(導入空間25の断面積)/(供給口23の断面積)の比の1.13倍となっている。
導入路27の軸方向長さは導入路27の直径の6.25倍であり、各導入路27の直径は各噴射孔31の直径の16倍である。
【0045】
その結果、噴射孔31から噴射された2本の棒流は噴射孔31近傍では透明であって、噴射孔31からの離間した位置では白濁した。2本のうち先に白濁する棒流について、白濁する最短位置について噴射孔31からの距離を測定したところ、約90mmであった。また噴射された液体の圧力は供給圧力と略同等となっていた。
【0046】
[比較例1]
導入空間25及び供給口23を設けずに全長に複数の導入路を設けた他は、実施例1と同様の比較例ノズルを作製した。この比較例ノズルでは、複数の導入路を実施例1の液体噴射ノズル10における供給口23、導入空間25、及び導入路27の合計長さに相当する長さにした。この比較例ノズルを用い、実施例と同様の条件で高圧水を供給して2個の噴射孔31から噴射させ、棒流を形成した。
その結果、噴射孔31から白濁が生じる最短位置までの距離は、実施例の約90%であった。また噴射された液体の圧力は実施例の約100%であった。
なお比較例ノズルの全長を長くして複数の導入路をさらに長くしたところ、白濁が生じるまでの距離は実施例1のようには長くならず、噴射液の圧力が低下した。一方、比較例ノズルの全長を短くして複数の導入路を短くしたところ、噴射圧は実施例1のように増大できたが、白濁が生じるまでの距離は短くなった。
【0047】
[実施例2〜9及び比較例2,3]
表1に示すように、各部の大きさを実施例1とは変化させて液体噴射ノズル10を作成し、透明棒流が白濁するまでの距離(透明棒流の長さ)と、噴射された液体の圧力(噴射圧)と、ノズルの流量と、を測定した。結果を表5に示す。
【0048】
【表5】
【0049】
実施例と比較例との対比から明らかなように、供給口23と導入路27との間に導入空間25を設けることで、棒流の透明状態をより長い距離で維持できることが確認できた。