【実施例】
【0019】
以下、本発明の実施例を図面にしたがって説明する。以下の各実施例において同一部分または相当部分には同一符号を付している。
【0020】
図1および
図2は実施例1を示す。
本実施例の外側シェル1は、
図11の従来例と同様に、
図1の本体部10、庇部11およびイヤーフラップ12が非発泡体の熱可塑性樹脂で一体に成型されているが、前記従来例と異なり、0.4mm〜1.5mm程度の薄肉で、真空成型により成型されている。
【0021】
ライナ2はライナ本体20、前方突出部21および耳部22が外側シェル1よりも厚肉の発泡スチロール(発泡樹脂の一例)で一体に形成されている。
【0022】
前記ライナ2は衝撃を吸収するためのものであるが、外側シェル1の内側の全面を覆い、外側シェル1と協働してヘルメットの強度をアップさせる役割も果たす。
前記ライナ本体20は、前記本体部10の内側に配置され前記頭の上部を覆う。耳部22は前記イヤーフラップ12の内側に配置され前記耳を覆う。前記前方突出部21は前記庇部11の下面に沿って配置され前記ライナ本体20から前方Fに向かって突出する。
【0023】
前記ライナ2の内側には内側シェル3(補強シェルの一例)がライナ2に積層されている。前記内側シェル3は前記ライナ本体20の大半を覆わず、かつ、前記ライナ2の耳部22から前記ライナ本体20にわたって、前記ライナ2よりも薄肉の非発泡体の熱可塑性樹脂で形成されている。前記内側シェル3は主としてライナ2の内側を覆っているが、ライナ2の端面Eを覆っていてもよい。
【0024】
なお、
図1〜
図4および
図7〜
図10の各図において、内側シェル3の部位には網点を施している。また、これらの図においては作図の都合上、ヘルメットの上下が逆さになって図示されている。
【0025】
たとえば、
図1の前記外側シェル1および内側シェル3とライナ2とはライナ2の成型時に互いに一体に固着される。外側シェル1と内側シェル3を真空成型でそれぞれ作製した後、ライナ2のインモールド成型時に外側シェル1と内側シェル3をモールド内に仕込み、ライナ2の成型と同時にライナ2に、外側シェル1および内側シェル3が接着されてもよい。一方、前記内側シェル3は単体で真空成型されたパーツが複数のビスなどの止め具6によりライナ2に固定されていてもよい。
【0026】
本ヘルメットには、前記
図11の従来例に示す円環状の頭部パッド4および耳パッド5が設けられる。前記頭部パッド4はヘルメットを頭の外周に沿ってフィットさせるものであり、耳パッド5は耳の下方において顔面に接触するもので、これらは一般にスポンジゴムと合成皮革で形成される。なお、
図1〜
図4および
図7〜
図10の実施例においては、ライナ2や内側シェル3の構造を分かり易くするために頭部パッド4および耳パッド5を図示していない。
【0027】
図1において、前記内側シェル3は頭部パッド4の下端40(
図11参照)よりも上方(紙面上では下方)Zまで延びている。このように、内側シェル3は上方Zに延びてライナ本体20の一部を覆うことにより、内側シェル3は耳部22の付け根部を確実に覆う。
【0028】
前記外側シェル1、ライナ2および内側シェル3は、耳の部分に貫通孔7を有する。本実施例の場合、内側シェル3は前記貫通孔7の周囲を囲むように前記貫通孔7の全周囲にわたって連なって設けられている。
【0029】
また、本実施例の場合、内側シェル3は耳部22の下端からヘルメットの外側に向かって延び、耳部22の端面Eを覆っている。
なお、端面Eを非発泡体の樹脂で覆うことにより、端面Eのライナ材がグランド等に接触ないし当接することによる摩耗を防止し得る。
【0030】
図1および
図2に示すように、前記ライナ本体20の内面には前頭部20Fから後頭部20Bにわたって、前記ライナ本体20の端面20Eから上方Zに向かって延びる複数本の溝20Gが形成されている。前記溝20Gは前記前頭部20Fおよび後頭部20Bにおいて平面断面がV字状またはU字状に形成されている。
【0031】
なお、
図1に示すように、ヘルメットの頭部には前記外側シェル1およびライナ2を貫通し、前記溝20Gに連なる通気用の貫通孔8が多数設けられている。
【0032】
図3および
図4は他の実施例を示す。
これらの例に示すように、内側シェル3の形状は種々の形状が考えられるが、貫通孔7の全周囲を囲むのが好ましい。
【0033】
図5B〜
図5D、
図6A〜
図6Fは、
図5Aの耳部22の下端部の構造を拡大して示す。
ライナ2の端面Eは、
図5Bのように、前記内側シェル3により覆ってもよいが、
図5Cおよび
図5Dのように、前記内外のシェル3により覆わなくてもよい。
【0034】
また、
図6Aのように、端面Eを巻き込むように外側シェル1を内側まで延ばしてもよいし、逆に、
図6Bのように、端面Eを巻き込むように内側シェル3を外側まで延ばしてもよい。
【0035】
更に、
図6Cおよび
図6Fのように、端面Eを別のパーツにより覆ってもよい。また、
図6Dおよび
図6Eに示すように、外側シェル1および内側シェル3の端の処理は種々の構造を採用し得る。
【0036】
前記
図5Aの断面図および
図7〜
図10に示すように、前記耳部22の前記前端22eから貫通孔7におけるライナ本体20に連なる部位において、前記ライナ2の内側の面が括れて厚さが薄い薄肉部24が形成されている。これはメガネを着用する打者のメガネのツルを収容可能とするためである。
【0037】
また、前記耳部22と前記突出部21との間には形状が急激に変化して括れた括れ部23が形成されている。したがって、前記括れ部23またはその近傍の薄肉部24には応力が集中し易い。一方、イヤーフラップ12の後端部分22bは本体部10に向かって滑らかな形状を有し、破断しにくい。
【0038】
したがって、
図7〜
図10に示すように、少なくとも前記応力集中し易い部位を補強するために補強シェル3を設けるのが好ましい。
【0039】
図7の実施例においては、前記ライナの耳部22における前端22eから括れ部23において、耳部22からライナ本体20にわたって、ライナ2の内側に補強シェル3が積層されている。
【0040】
図8の実施例においては、前記耳部22の端面Eおよびその近傍の内側と、耳部20の前端22eから括れ部23にわたって、ライナ2の内側および端面に補強シェル3が積層されている。
【0041】
図9の実施例においては、前記ライナの耳部22の前端22eから前記括れ部23にわたって、前記ライナ2の内側および/または端面に補強シェル3が積層されている。
【0042】
図10の実施例においては、前記ライナの耳部22の前端22eから前記括れ部23にわたって、前記ライナ2の端面から前方突出部21の縁に補強シェル3が積層されている。