【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、磁気共鳴イメージングシステム、磁気共鳴イメージングシステムの動作方法、及びコンピュータプログラムプロダクトを独立クレームで規定する。実施形態は、従属クレームで付与される。
【0007】
当業者には理解されるように、本発明の態様は、装置、方法又はコンピュータプログラムプロダクトとして具体化され得る。従って、本発明の態様は、全面的にハードウェア実施形態、全面的にソフトウェア実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコード等を含む)又は本明細書において全て一般的に「回路」、「モジュール」若しくは「システム」と称され得るソフトウェア及びハードウェア態様を組み合わせた実施形態の形態をとり得る。更に、本発明の態様は、それ上で具体化されたコンピュータ実行可能コードを有する1つ又は複数のコンピュータ可読媒体において具体化されたコンピュータプログラムプロダクトの形態をとり得る。
【0008】
1つ又は複数のコンピュータ可読媒体の任意の組み合わせが利用されてもよい。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読信号媒体又はコンピュータ可読ストレージ媒体でもよい。本明細書で使用される「コンピュータ可読ストレージ媒体」は、コンピューティングデバイスのプロセッサによって実行可能な命令を保存することができる任意の有形ストレージ媒体を包含する。コンピュータ可読ストレージ媒体は、コンピュータ可読非一時的ストレージ媒体と称される場合もある。コンピュータ可読ストレージ媒体はまた、有形コンピュータ可読媒体と称される場合もある。一部の実施形態では、コンピュータ可読ストレージ媒体はまた、コンピューティングデバイスのプロセッサによってアクセスされることが可能なデータを保存可能であってもよい。コンピュータ可読ストレージ媒体の例は、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ハードディスクドライブ、半導体ハードディスク、フラッシュメモリ、USBサムドライブ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、光ディスク、磁気光学ディスク、及びプロセッサのレジスタファイルを含むが、これらに限定されない。光ディスクの例は、例えば、CD−ROM、CD−RW、CD−R、DVD−ROM、DVD−RW、又はDVD−Rディスクといったコンパクトディスク(CD)及びデジタル多用途ディスク(DVD)を含む。コンピュータ可読ストレージ媒体という用語は、ネットワーク又は通信リンクを介してコンピュータデバイスによってアクセスされることが可能な様々な種類の記録媒体も指す。例えば、データは、モデムによって、インターネットによって、又はローカルエリアネットワークによって読み出されてもよい。コンピュータ可読媒体上で具体化されたコンピュータ実行可能コードは、限定されることはないが、無線、有線、光ファイバケーブル、RF等を含む任意の適切な媒体、又は上記の任意の適切な組み合わせを用いて送信されてもよい。
【0009】
コンピュータ可読信号媒体は、例えばベースバンドにおいて又は搬送波の一部として内部で具体化されたコンピュータ実行可能コードを備えた伝搬データ信号を含んでもよい。このような伝搬信号は、限定されることはないが電磁気的、光学的、又はそれらの任意の適切な組み合わせを含む様々な形態の何れかをとり得る。コンピュータ可読信号媒体は、コンピュータ可読ストレージ媒体ではない及び命令実行システム、装置、又はデバイスによって又はそれと関連して使用するためのプログラムを通信、伝搬、又は輸送できる任意のコンピュータ可読媒体でもよい。
【0010】
「コンピュータメモリ」又は「メモリ」は、コンピュータ可読ストレージ媒体の一例である。コンピュータメモリは、プロセッサに直接アクセス可能な任意のメモリである。「コンピュータストレージ」又は「ストレージ」は、コンピュータ可読ストレージ媒体の更なる一例である。コンピュータストレージは、任意の不揮発性コンピュータ可読ストレージ媒体である。一部の実施形態では、コンピュータストレージは、コンピュータメモリであってもよい又はその逆でもよい。
【0011】
本明細書で使用される「プロセッサ」は、プログラム、機械実行可能命令、又はコンピュータ実行可能コードを実行可能な電子コンポーネントを包含する。「プロセッサ」を含むコンピューティングデバイスへの言及は、場合により、2つ以上のプロセッサ又は処理コアを含むと解釈されるべきである。プロセッサは、例えば、マルチコアプロセッサである。プロセッサは、また、単一のコンピュータシステム内の、又は複数のコンピュータシステムの中へ分配されたプロセッサの集合体も指す。コンピュータデバイスとの用語は、各々が一つ又は複数のプロセッサを有するコンピュータデバイスの集合体又はネットワークを指してもよいと理解されるべきである。コンピュータ実行可能コードは、同一のコンピュータデバイス内の、又は複数のコンピュータデバイス間に分配された複数のプロセッサによって実行される。
【0012】
コンピュータ実行可能コードは、本発明の態様をプロセッサに行わせる機械実行可能命令又はプログラムを含んでもよい。本発明の態様に関する動作を実施するためのコンピュータ実行可能コードは、Java(登録商標)、Smalltalk、又はC++等のオブジェクト指向プログラミング言語及び「C」プログラミング言語又は類似のプログラミング言語等の従来の手続きプログラミング言語を含む1つ又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで書かれてもよい及び機械実行可能命令にコンパイルされてもよい。場合によっては、コンピュータ実行可能コードは、高水準言語の形態又は事前コンパイル形態でもよい及び臨機応変に機械実行可能命令を生成するインタプリタと共に使用されてもよい。
【0013】
コンピュータ実行可能コードは、完全にユーザのコンピュータ上で、部分的にユーザのコンピュータ上で、スタンドアローンソフトウェアパッケージとして、部分的にユーザのコンピュータ上で及び部分的にリモートコンピュータ上で、又は完全にリモートコンピュータ若しくはサーバ上で実行することができる。後者の場合、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)若しくは広域ネットワーク(WAN)を含む任意の種類のネットワークを通してユーザのコンピュータに接続されてもよい、又はこの接続は外部コンピュータに対して(例えば、インターネットサービスプロバイダを使用したインターネットを通して)行われてもよい。
【0014】
本発明の態様は、本発明の実施形態による方法、装置(システム)及びコンピュータプログラムプロダクトのフローチャート、図及び/又はブロック図を参照して説明される。フローチャート、図、及び/又はブロック図の各ブロック又は複数のブロックの一部は、適用できる場合、コンピュータ実行可能コードの形態のコンピュータプログラム命令によって実施され得ることが理解されよう。相互排他的でなければ、異なるフローチャート、図、及び/又はブロック図におけるブロックの組み合わせが組み合わせられてもよいことが更に理解される。これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ又は他のプログラム可能データ処理装置のプロセッサを介して実行する命令がフローチャート及び/又はブロック図の1つ又は複数のブロックにおいて指定された機能/行為を実施するための手段を生じさせるように機械を作るために、汎用コンピュータ、特定用途コンピュータ、又は他のプログラム可能データ処理装置のプロセッサへと提供されてもよい。
【0015】
これらのコンピュータプログラム命令はまた、コンピュータ可読媒体に保存された命令がフローチャート及び/又はブロック図の1つ又は複数のブロックにおいて指定された機能/行為を実施する命令を含む製品を作るように、コンピュータ、他のプログラム可能データ処理装置、又は他のデバイスにある特定の方法で機能するように命令することができるコンピュータ可読媒体に保存されてもよい。
【0016】
コンピュータプログラム命令はまた、コンピュータ又は他のプログラム可能装置上で実行する命令がフローチャート及び/又はブロック図の1つ又は複数のブロックにおいて指定された機能/行為を実施するためのプロセスを提供するように、一連の動作ステップがコンピュータ、他のプログラム可能装置又は他のデバイス上で行われるようにすることにより、コンピュータ実施プロセスを生じさせるために、コンピュータ、他のプログラム可能データ処理装置、又は他のデバイス上にロードされてもよい。
【0017】
本明細書で使用される「ユーザインタフェース」は、ユーザ又はオペレータがコンピュータ又はコンピュータシステムとインタラクトすることを可能にするインタフェースである。「ユーザインタフェース」は、「ヒューマンインタフェースデバイス」と称される場合もある。ユーザインタフェースは、情報若しくはデータをオペレータに提供することができる及び/又は情報若しくはデータをオペレータから受信することができる。ユーザインタフェースは、オペレータからの入力がコンピュータによって受信されることを可能にしてもよい及びコンピュータからユーザへ出力を提供してもよい。つまり、ユーザインタフェースはオペレータがコンピュータを制御する又は操作することを可能にしてもよい、及びインタフェースはコンピュータがオペレータの制御又は操作の結果を示すことを可能にしてもよい。ディスプレイ又はグラフィカルユーザインタフェース上のデータ又は情報の表示は、情報をオペレータに提供する一例である。キーボード、マウス、トラックボール、タッチパッド、指示棒、グラフィックタブレット、ジョイスティック、ゲームパッド、ウェブコム、ヘッドセット、ギアスティック、ステアリングホイール、ペダル、有線グローブ、ダンスパッド、リモコン、及び加速度計を介したデータの受信は、オペレータから情報又はデータの受信を可能にするユーザインタフェース要素の全例である。
【0018】
本明細書で使用される「ハードウェアインタフェース」は、コンピュータシステムのプロセッサが外部コンピューティングデバイス及び/又は装置とインタラクトする及び/又はそれを制御することを可能にするインタフェースを包含する。ハードウェアインタフェースは、プロセッサが外部コンピューティングデバイス及び/又は装置へ制御信号又は命令を送ることを可能にしてもよい。ハードウェアインタフェースはまた、プロセッサが外部コンピューティングデバイス及び/又は装置とデータを交換することを可能にしてもよい。ハードウェアインタフェースの例は、ユニバーサルシリアルバス、IEEE1394ポート、パラレルポート、IEEE1284ポート、シリアルポート、RS−232ポート、IEEE488ポート、ブルートゥース(登録商標)接続、無線LAN接続、TCP/IP接続、イーサネット(登録商標)接続、制御電圧インタフェース、MIDIインタフェース、アナログ入力インタフェース、及びデジタル入力インタフェースを含むが、これらに限定されない。
【0019】
本明細書で使用される「ディスプレイ」又は「ディスプレイデバイス」は、画像又はデータを表示するために構成された出力デバイス又はユーザインタフェースを包含する。ディスプレイは、視覚、音声、及び/又は触覚データを出力してもよい。ディスプレイの例は、コンピュータモニタ、テレビスクリーン、タッチスクリーン、触覚電子ディスプレイ、点字スクリーン、陰極線管(CRT)、蓄積管、双安定ディスプレイ、電子ペーパー、ベクターディスプレイ、平面パネルディスプレイ、真空蛍光ディスプレイ(VF)、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、エレクトロルミネッセントディスプレイ(ELD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、液晶ディスプレイ(LCD)、有機発光ダイオードディスプレイ(OLED)、プロジェクタ、及びヘッドマウントディスプレイを含むが、これらに限定されない。
【0020】
磁気共鳴(MR)データは、本明細書においては、磁気共鳴イメージングスキャン中に磁気共鳴装置のアンテナによって原子スピンにより発せられた無線周波数信号の記録された測定結果として定義される。磁気共鳴データは、医療画像データの一例である。磁気共鳴イメージング(MRI)画像は、本明細書においては、磁気共鳴イメージングデータ内に含まれる解剖学的データの復元された2次元又は3次元視覚化として定義される。この視覚化は、コンピュータを使用して行うことができる。
【0021】
ある局面では、本発明は、測定ゾーン内で第1の方向に沿って第1の磁場を生成する第1のコイルを少なくとも含むコイルセットを含む金属検出器を提供する。第1のコイルは、第1のスプリットコイルである。第1のコイルは、第1のコイル部分及び第2のコイル部分を含む。コイル部分は、好ましくは、それらのコイル軸が共通軸に沿った状態で整合される。コイル軸は、共通軸に沿って共通する成分を有してもよい。第1のコイル部分及び第2のコイル部分は、電源を分離するように接続されてもよい。電流が逆の極性のコイル部分に通され、コイル部分の巻線が同一配向に沿って巻かれると、それらは、逆の極性を有するが、同じ方向に沿った磁場を生成する。磁力線は、コイル部分の共通軸に沿った第1の方向に平行である。代替的に、コイル部分の巻線が、逆の配向で巻かれてもよく、同一極性の電流がそれらに供給される場合、それらは、逆の極性を有するが、それらの共通軸に沿った同じ方向に沿った磁場を生成する。各々が幾つかの、例えば2つのコイル部分から構成される追加コイルが存在する場合には、それらが生成する磁力線は、第2又は第3の方向に平行である。
【0022】
例えば、コイルは、円筒巻線コイルでもよく、コイルの対称の円筒軸に沿って、磁力線が、コイルの方向と整合される。磁気共鳴イメージングシステム用の勾配コイルが使用される場合、コイルは、特定の方向に磁場勾配を生成するように設計される。コイルが分割される場合、勾配コイルの半分部分によって生成される磁場は、依然として同じ方向に向けられるが、磁場は、反対の極性を有して生じさせることができる。
【0023】
金属検出器は更に、コイルセットに時変電力を個別に供給するコイル電源を含む。電源は、少なくとも第1のコイル部分及び第2のコイル部分に時変電力を個別に供給するように構成される。金属検出器は更に、測定ゾーンから電気的データを測定する少なくとも1つの電気センサを含む。測定された電気的データは、低下磁場ゾーンの移動による応答を表す。測定データは、移動する低下磁場ゾーンを用いて時変磁場を生成するように少なくとも第1のコイル部分及び第2のコイル部分に供給される電力を示してもよい。このようにして、測定された電気的データは、低下磁場ゾーンの移動により変化する第1及び第2のコイル部分の電磁負荷を示す。これは、所定の電流強度が各コイル部分に印加され、並びに第1及び第2のコイル部分における電圧が測定される点において実施することができる。別の実施は、所定の電圧レベルを各コイル部分に印加し、並びに第1及び第2のコイル部分における電流を測定することである。更に別の実施形態では、測定された電気的データは、低下磁場ゾーンの移動による渦電流による応答を示す。代替的に、第1及び第2のコイル部分からの電力及び位相が、変化する負荷を導出するために測定されてもよい。これは、二次元又は三次元感度プロファイルを有したピックアップコイルシステムを提供することによって行われてもよい。このようなピックアップコイルは、異なる、好ましくは直交する配向の2つ又は3つのコイルループを備える。
【0024】
コイル部分が逆の極性の磁場を生成するように各コイル部分が電流を供給される時は何時でも、その正確な場所が、コイル巻線の幾何学的形状並びにそれらに供給される電流の極性及び強度の両方に依存する無磁場点が生じる。これは、電磁場のマクスウェル方程式から直接得られる。無磁場点の周囲では、コイル部分の1つが、他のコイル部分による磁場によって殆ど補償されない場所にあることにより、多少の磁場強度は存在するが、無磁場点から遠く離れた磁場強度、例えば、最大磁場強度よりもかなり弱い低下磁場ゾーンが形成される。低下磁場ゾーンの詳細な形状は、コイル巻線の幾何学的形状及びそれらに印加される電流によって決定される。
【0025】
金属検出器は更に、マシン実行可能命令及び金属物体探索パターンを含むメモリを含む。金属物体探索パターンは、コイルセットに独立時変電力を供給するように電源を制御する電源命令を含む。電源命令は更に、電源に、第1のコイル部分及び第2のコイル部分に独立時変電力を供給させて、測定ゾーン内に低下磁場ゾーンを生じさせる。例えば、2つのコイル部分に供給される電力の極性は、2つのコイル間に低下磁場ゾーンが存在するように逆にされてもよい。低下磁場ゾーンは、所定の磁場強度未満の大きさ又は最大の大きさの時変磁場成分を有する。金属物体探索パターンは更に、電源に、コイルセットに供給される電流を変更させて、イメージングゾーン内で所定のパターンで低下磁場ゾーンを移動させる。
【0026】
つまり、金属物体探索パターンは、両コイル部分間に低下磁場ゾーンが存在するように、時変電力が両コイル部分に供給されるようにするコマンドを含む。金属物体探索パターンのコマンドは、低下磁場ゾーンが所定のパターンを辿るように、コイルセットへの時変電力の位相及び/又は振幅を調整する。
【0027】
金属検出器は更に、金属検出器の動作及び機能を制御するプロセッサを含む。命令の実行が、プロセッサに、金属物体探索パターンを使用して、所定のパターンで又は所定のパターンによって低下磁場ゾーンを移動させるように電源を制御させる。命令の実行は更に、プロセッサに、電気センサを用いて、所定のパターンでの低下磁場ゾーンの移動中に、電気的データを測定させる。命令の実行は更に、プロセッサに、所定のパターンで低下磁場ゾーンが移動される際の電気的データの変化を検出することによって、イメージングゾーン内の少なくとも1つの金属物体の場所を決定させる。
【0028】
時変電力をコイルセットに供給することによって作り出される時変磁場は、金属物体内で渦電流を誘導する効果を有する。金属物体が低下磁場ゾーン内にある場合、金属物体の渦電流は、そうではない場合に比べて、減少される。金属物体において、多かれ少なかれ渦電流を誘導する効果は、電気センサを用いた測定を行うことによって指摘することができる。従って、実施形態は、金属物体の空間的場所を決定する能力を有することができる。
【0029】
一部の例では、電力又は電流が、正弦波パターンを用いて、コイルセットの様々なコイルに供給される。
【0030】
他の例では、時変電力が周波数を有する。数キロヘルツ〜数百キロヘルツの範囲内の周波数が一般的である。
【0031】
一部の例では、2つ以上の電気センサが存在してもよい。例えば、コイルセットの各コイルに対して、1つのセンサ又は複数のセンサが存在してもよい。
【0032】
別の実施形態では、命令の実行は更に、プロセッサに、所定のパターンでの低下磁場ゾーンの移動中に少なくとも1つの金属物体を検出した後に、臨機応変に所定のパターンを改変させる。例えば、金属物体が検出されると、金属物体が検出された場所は、プロセッサに、金属物体が見つけられたこの場所がより詳細に探索されるように、パターンを再定義又は変更させてもよい。これは、やや複雑なアルゴリズムを用いて行われてもよく、又はかなり単純に行われてもよい。例えば、単純なアルゴリズムの一例は、検出された金属物体の場所が、より局所的な探索パターンの開始点として使用されることである。この実施形態は、金属物体の場所及び/又はサイズに関して、より正確な又は詳細な情報を提供することができる。
【0033】
別の実施形態では、命令の実行は更に、プロセッサに、改変金属物体探索パターンを使用して勾配電源の制御を繰り返して、1つ又は複数の金属物体の場所の付近で更に別の所定のパターンで低下磁場ゾーンを移動させ、その後、少なくとも1つの電気センサによって取得された新規取得電気的データを用いて、1つ又は複数の金属物体の場所を修正させる。
【0034】
別の実施形態では、コイルセット内に複数のコイルが存在してもよく、磁場の方向は、一般的に、任意に選択されてもよい。これは、異なる形状の物体を見つけ出すことをより簡単にすることができる。例えば、リング形状の物体が存在する場合、誘導渦電流が存在しない場所があり得る。例えば、磁束はリングを通って指向されない。
【0035】
別の実施形態では、命令の実行は更に、プロセッサに、少なくとも1つの電気センサを用いて測定された電圧の変化を検出すること、少なくとも1つの電気センサを用いて測定された電流の変化を検出すること、少なくとも1つの電気センサを用いて測定されたインピーダンスの変化を検出すること、コイルセットのポートマトリックス測定の変化を決定すること、コイルセット間で測定された相互インピーダンスの変化を検出すること、及びそれらの組み合わせの何れか1つを行うことによって、所定のパターンで低下磁場ゾーンが移動される際の電気的データの変化を検出させる。
【0036】
別の実施形態では、時変電力が、CW又は連続波電力であり、金属物体探索パターンが、測定ゾーン全体を通して連続した経路である。
【0037】
別の実施形態では、時変電力が、パルス電力であり、金属物体探索経路が、測定ゾーン内で離散した場所のセットを含む。
【0038】
別の実施形態では、電気センサは、電流センサ、電圧センサ、及び/又は位相センサである。
【0039】
別の実施形態では、コイルセットは、第2の方向に第2の磁場を生成する第2のコイルを更に含む。
【0040】
別の実施形態では、第2の勾配コイルは、第2のスプリット勾配コイルである。第2の勾配コイルは、第3のコイル部分及び第4のコイル部分を有する。勾配コイル電源は更に、第3のコイル部分及び第4のコイル部分に個別に時変電力を供給するように構成される。金属物体探索パターンは更に、低下磁場ゾーンをイメージングゾーン内で所定のパターンで移動させるために、勾配電源に、第3のコイル部分及び第4のコイル部分に供給される電流を変更させる。
【0041】
別の実施形態では、コイルセットは、第3の方向に第3の磁場を生成する第3のコイルを更に含む。
【0042】
別の実施形態では、第3の勾配コイルは、第3のスプリット勾配コイルである。第3の勾配コイルは、第5のコイル部分及び第6のコイル部分を有する。勾配コイル電源は更に、第5のコイル部分及び第6のコイル部分に個別に時変電力を供給するように構成される。金属物体探索パターンは更に、低下磁場ゾーンをイメージングゾーン内で所定のパターンで移動させるために、勾配コイル電源に、第5のコイル部分及び第6のコイル部分に供給される電流を変更させる。
【0043】
別の実施形態では、電気的データは更に、第2の勾配コイル及び/又は第3の勾配コイルに供給される電力を示す。
【0044】
別の局面では、本発明は、イメージングゾーンから磁気共鳴データを取得する磁気共鳴イメージングシステムを提供する。磁気共鳴イメージングシステムは更に、一実施形態による金属検出器を含む。金属検出器のコイルセットは、勾配コイルのセットである。メモリは更に、イメージングゾーンから磁気共鳴イメージングデータを取得するように磁気共鳴イメージングシステムを制御するパルスシーケンスを含む。勾配コイルは、少なくともイメージングゾーンにおいて、第1の磁場、第2の磁場、及び第3の磁場を生成するように配置される。測定ゾーンは、イメージングゾーンであり、又は少なくとも部分的にイメージングゾーンと重なる。第1の磁場は、第1の勾配磁場である。第2の磁場は、第2の勾配磁場である。第3の磁場は、第3の勾配磁場である。コイル電源は、磁気共鳴データの取得中に、イメージングゾーン内で磁気スピンの空間的符号化を行うための空間的符号化磁場を提供するために、第1のコイル、第2のコイル、及び第3のコイルに電力を供給する。
【0045】
標準的な磁気共鳴イメージング勾配コイルでは、それらは、一般的に、線形傾斜又は磁場勾配を有するように最適化される。一部の磁気共鳴イメージングシステムは、アーチファクト低減に使用する非線形傾斜内の追加の勾配コイルを有してもよい。これは、高次シム(HOS:higher order shim)ユニットと呼ばれる場合がある。金属の場所を検出するための磁気共鳴イメージングシステムにおける勾配コイルの使用は、磁場の傾斜又は勾配に依存しない。従って、線形又は非線形傾斜を有する勾配コイルは、金属物体の場所を決定するために使用することができる。
【0046】
一部の実施形態では、コイル電源は、2つの異なる電源ユニット、金属検出器として使用されている時にコイルセットに電力を供給するためのもの、及びコイルセットが磁気共鳴データの取得のための勾配コイルとして使用されている時の別個の電源を含んでもよい。両方の仕事をすることができる1つの電源を作ることも可能である。
【0047】
別の実施形態では、命令の実行は更に、プロセッサに、パルスシーケンスを使用して磁気共鳴データを取得するように磁気共鳴イメージングシステムを制御させる。命令の実行は更に、プロセッサに、磁気共鳴データを使用して、磁気共鳴イメージングを復元させる。復元磁気共鳴画像は、例えば、コンピュータ上のある種のストレージユニットに保存されてもよく、又は別のコンピュータへとネットワーク上で送信されてもよい。復元磁気共鳴画像は、ディスプレイ上にレンダリングされてもよい。
【0048】
一部の例では、3つのコイルが、直交方向に整合される。所謂スプリット勾配コイルが、コイルセットに使用されてもよい。例えば、z勾配コイルを有した標準的な磁気共鳴コイルが、分割されてもよい。非z方向では、スプリットコイルは、例えば、2×アンチヘルムホルツコイルに類似の何かを用いて実現されてもよい。この例では、3つの勾配コイルの各々が、2つのポートを有する。これは、2対のワイヤ及び端部を意味する。従って、勾配コイルの各半分は、個別に電力を供給されてもよい。通常動作の間、2つの巻線又はコイル部分は、一般的に、同じ電流が生じるように直列に接続される。システムが金属検出器として使用される場合、コイルは、電気的に分離され、電力が各々に個別に供給される。
【0049】
一部の例では、3つの勾配コイルが直交方向に整合される。少なくとも、第1の方向は、第2又は第3の方向と整合されず、第2及び第3の方向は、整合されない。
【0050】
別の実施形態では、パルスシーケンスは、プロセッサに、偏波無線周波送信磁場を使用して磁気共鳴データを取得させる。命令の実行は更に、少なくとも1つの金属物体の場所において、偏波RF送信磁場が低AC電場のゾーン又は領域を生じさせるように、少なくとも1つの金属物体の場所を用いて、プロセッサにパルスシーケンスを改変させる。この実施形態は、金属物体の場所が検出され、その後、金属物体の付近のRF磁場が低下されるように、パルスシーケンスが改変される利点を持つことができる。これは、被検者の向上したイメージング及び向上した安全性をもたらすことができる。
【0051】
別の実施形態では、命令の実行は更に、プロセッサに、少なくとも1つの金属物体の検出時に、無線周波パルス持続時間を増加させて、イメージングゾーンにおいて誘導されるピーク無線周波磁場を低下させるように、パルスシーケンスを改変させる。
【0052】
別の実施形態では、命令の実行は更に、プロセッサに、少なくとも1つの金属物体の検出時に、少なくとも1つの遅延期間において磁気共鳴データの取得を遅延させて、少なくとも1つの金属物体を冷ますようにパルスシーケンスを改変させる。
【0053】
別の実施形態では、磁気共鳴イメージングシステムは、磁気共鳴データの取得において、B1磁場を生成するマルチチャネル無線周波システムを含む。命令の実行は更に、プロセッサに、B1磁場を調整して、1つ又は複数の金属物体の場所においてB1磁場を低下させるように、パルスシーケンスを改変させる。
【0054】
別の実施形態では、命令の実行は更に、プロセッサに、少なくとも1つの金属物体の場所を使用して、イメージングゾーン内の空間依存金属物体マップを計算させる。
【0055】
別の実施形態では、命令の実行は更に、プロセッサに、金属物体マップを磁気共鳴データに重ね合わさせる。なお、複合画像は、例えば、レンダリング、表示又は保存が行われてもよい。
【0056】
別の実施形態では、命令の実行は更に、プロセッサに、金属物体マップを使用して、1つ又は複数の金属物体のボリュームを決定させる。命令の実行は更に、1つ又は複数の金属物体のボリュームが所定のボリュームを超える場合に、プロセッサに、磁気共鳴データの取得を中止させる。
【0057】
一部の例では、勾配コイル電源が、イメージング用及び金属検出用の別個の電源を有し得る。
【0058】
一部の例では、コイル部分に供給される時変電力は、10kHz〜約100kHzの有効周波数を有してもよい。
【0059】
一部の例では、金属物体探索パターンは、リサジュー曲線を辿る。
【0060】
別の局面では、本発明は、金属検出器を制御するプロセッサ用のマシン実行可能命令を含むコンピュータプログラムプロダクトを提供する。金属検出器は、第1の方向に第1の磁場を生成する第1のコイルを少なくとも含むコイルセットを含む。第1のコイルは、第1のコイル部分及び第2のコイル部分を含む。本明細書に使用されるスプリットコイルは、単一コイルとして接続及び使用することができ、又は分解され、各々の部分が個別に電力を供給されることが可能なコイルを包含する。金属検出器は更に、コイルセットに時変電力を個別に供給するコイル電源を含む。勾配コイル電源は、コイルセットに時変電力を個別に供給するように構成される。金属検出器は更に、測定ゾーンから又は少なくとも第1のコイル部分及び第2のコイル部分から電気的データを測定する少なくとも1つの電気センサを含む。金属検出器は更に、金属物体探索パターンを含むメモリを含み、金属物体探索パターンは、コイルセットに独立時変電力を供給するようにコイル電源を制御する電源命令を含む。
【0061】
電源命令は更に、電源に、少なくとも第1のコイル部分及び第2のコイル部分に独立時変電力を供給させて、測定ゾーン内に低下磁場ゾーンを生じさせる。低下磁場ゾーンは、所定の磁場強度未満の大きさの時変磁場成分を有する。金属物体探索パターンは更に、勾配電源に、第1のコイル部分及び第2のコイル部分に供給される電流を変更させて、測定ゾーン内で所定のパターンに低下磁場ゾーンを移動させる。
【0062】
命令の実行は、プロセッサに、金属物体探索パターンを使用して、所定のパターンで低下磁場ゾーンを移動させるように勾配電源を制御させる。命令の実行は更に、電気センサを用いて、所定のパターンでの低下磁場ゾーンの移動中に、プロセッサに、電気的データを測定させる。
【0063】
別の実施形態では、命令の実行は更に、プロセッサに、所定のパターンで低下磁場ゾーンが移動される際の電気的データの変化を検出することによって、測定ゾーン内で少なくとも1つの金属物体の場所を決定させる。
【0064】
本発明の上記の実施形態の1つ又は複数が、組み合わせられた実施形態が相互排他的でない限り、組み合わせられてもよいことが理解される。
【0065】
以下では、本発明の好適な実施形態が、単なる例として、及び図面を参照して説明される。