(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6574488
(24)【登録日】2019年8月23日
(45)【発行日】2019年9月11日
(54)【発明の名称】SPDデバイス及びホームオートメーションのための制御システム
(51)【国際特許分類】
H04Q 9/00 20060101AFI20190902BHJP
【FI】
H04Q9/00 301D
【請求項の数】24
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2017-545248(P2017-545248)
(86)(22)【出願日】2016年2月29日
(65)【公表番号】特表2018-511980(P2018-511980A)
(43)【公表日】2018年4月26日
(86)【国際出願番号】US2016020016
(87)【国際公開番号】WO2016138511
(87)【国際公開日】20160901
【審査請求日】2017年10月25日
(31)【優先権主張番号】62/126,084
(32)【優先日】2015年2月27日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】15/054,826
(32)【優先日】2016年2月26日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591215041
【氏名又は名称】リサーチ フロンティアーズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100196612
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 慎也
(72)【発明者】
【氏名】ハラリー ジョーセフ エム
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン ヴォーヒーズ セス
(72)【発明者】
【氏名】スロヴァク スティーヴン エム
【審査官】
望月 章俊
(56)【参考文献】
【文献】
特開2005−128976(JP,A)
【文献】
特開2006−147183(JP,A)
【文献】
特開2007−158574(JP,A)
【文献】
特開2005−151507(JP,A)
【文献】
特開2012−94325(JP,A)
【文献】
特開2010−50664(JP,A)
【文献】
特開2006−338476(JP,A)
【文献】
特開2010−148718(JP,A)
【文献】
特開2014−229199(JP,A)
【文献】
特開2001−68275(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04Q9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
懸濁粒子デバイス(SPD)ガラスを備えるデバイスを含む、1又は2以上のデバイスを制御するための制御システムであって、
前記1又は2以上のデバイスと通信する制御デバイスと、
ユーザ入力と遠隔制御デバイスによって得られた現在の環境情報とに基づいてデバイス制御命令を前記制御デバイスに送信するように構成された遠隔制御ユニットと、を備え、
前記制御デバイスは、前記遠隔制御ユニットから受信した前記デバイス制御命令に従って、前記SPDガラスの作動を含む前記1又は2以上のデバイスの作動を制御するように構成される、
制御システム。
【請求項2】
前記遠隔制御デバイスは、該遠隔制御デバイスの近くの条件に関する現在の環境情報を提供するセンサを更に含む、請求項1に記載の制御システム。
【請求項3】
前記遠隔制御デバイスは、ユーザから情報を受信するように構成された入力要素を更に含む、請求項2に記載の制御システム。
【請求項4】
前記ユーザによって提供される前記情報は、少なくとも1つの前記現在の環境情報に対する目標値を示す閾値情報である、請求項3に記載の制御システム。
【請求項5】
前記遠隔制御デバイスは、前記ユーザによって入力された前記目標値を前記現在の環境情報と比較し、かつ該比較に基づいて前記デバイス制御命令を送信する、請求項4に記載の制御システム。
【請求項6】
前記遠隔制御デバイスによって送信される前記デバイス制御命令は、前記現在の環境情報が前記目標値に適合しないときに該目標値を満足するように前記1又は2以上のデバイスを作動させる命令を含む、請求項5に記載の制御システム。
【請求項7】
前記遠隔制御デバイスによって提供される前記デバイス制御命令は、該遠隔制御デバイスに提供された追加情報に基づいている、請求項5に記載の制御システム。
【請求項8】
前記現在の環境情報は、前記遠隔制御デバイスの近くの現在の温度に関する温度情報を含む、請求項7に記載の制御システム。
【請求項9】
前記追加情報は、時刻情報を含む、請求項8に記載の制御システム。
【請求項10】
前記遠隔制御デバイスによって提供される前記デバイス制御命令は、前記時刻情報に基づいて変化する、請求項9に記載の制御システム。
【請求項11】
前記現在の環境情報は、前記遠隔制御デバイスの近くの現在の光レベルに関する光レベル情報を含む、請求項7に記載の制御システム。
【請求項12】
前記追加情報は、時刻情報を含む、請求項11に記載の制御システム。
【請求項13】
前記遠隔制御デバイスによって提供される前記デバイス制御命令は、前記時刻情報に基づいて変化する、請求項10に記載の制御システム。
【請求項14】
前記追加情報はまた、時節情報を含む、請求項12に記載の制御システム。
【請求項15】
前記遠隔制御デバイスによって提供される前記デバイス制御命令は、前記時節情報に基づいて変化する、請求項14に記載の制御システム。
【請求項16】
前記現在の環境情報は、前記遠隔制御ユニットの現在の位置を示す位置情報を含む、請求項4に記載の制御システム。
【請求項17】
前記遠隔制御ユニットは、前記ユーザによって提供された前記目標値に適合するように該デバイスを作動させる前記デバイス制御命令を送信する、請求項16に記載の制御システム。
【請求項18】
前記命令は、前記位置情報に基づいて変化する、請求項17に記載の制御システム。
【請求項19】
前記現在の環境情報は、前記遠隔制御デバイスの近くの現在の音響レベルを示す音響レベル情報を含む、請求項4に記載の制御システム。
【請求項20】
前記遠隔制御ユニットは、前記音響レベルが目標音響レベルよりも上であるときに前記デバイス制御命令を送信する、請求項19に記載の制御システム。
【請求項21】
前記現在の環境情報は、ユーザの心拍又は脈拍の表示を含む、請求項1に記載の制御システム。
【請求項22】
前記遠隔制御ユニットは、ユーザに、該ユーザの心拍又は脈拍が事前設定レベルよりも下に低下したときの表示を提供する、請求項21に記載の制御システム。
【請求項23】
前記遠隔制御ユニットは、前記ユーザが前記表示に応答して救護を要求するときに医療救護に連絡する前記デバイス制御命令を送信する、請求項22に記載の制御システム。
【請求項24】
前記遠隔制御ユニットは、前記ユーザが予め決められた期間後に前記表示に応答しないときに医療救護に連絡する前記デバイス制御命令を送信する、請求項22に記載の制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願への相互参照〕
本出願は、これにより引用によって本明細書にその内容全体が組み込まれる「SPDデバイス及びホームオートメーションのための制御システム(CONTROL SYSTEM FOR SPD DEVICE AND HOME AUTOMATION)」という名称の2015年2月27日出願の米国仮特許出願第62/126,084号の利益及びそれに対する優先権を主張するものである。
【0002】
本発明の開示は、任意的に懸濁粒子デバイス(SPD)のような光弁(light valve)を含む1又は2以上のデバイスを制御するための制御システムに関する。特に、本発明の開示は、遠隔制御デバイスがユーザ入力と、以下に限定されるものではないが、コンピュータネットワーク及び遠隔制御デバイスに含まれるセンサを含む他のソース又はデバイスから遠隔制御デバイスに提供される他の環境情報とに基づいて1又は2以上のデバイスを制御するシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
光変調のための光弁は、70年以上にわたって公知である。本明細書に使用される光弁は、短い距離だけ離間して少なくとも1つの壁が透明である2つの壁から形成されたセルとして定義され、壁は、通常は透明な導電性コーティングの形態にある電極をその上に有する。セルは、粒子の液体懸濁物(liquid suspension of particles)、又は粒子の液体懸濁物の液滴が分散されたプラスチックフィルムのいずれかであることができる光変調要素(本明細書では、「活性化可能材料(activatable material)」と呼ぶことがある)を含有する。
【0004】
液体懸濁物(本明細書では、「液体光弁懸濁物」又は「光弁懸濁物」と呼ぶことがある)は、液体懸濁媒体中に懸濁した小さい粒子を含む。印加される電場が存在しない場合に、液体懸濁物中の粒子は、ブラウン運動に起因したランダムな位置を有することができ、したがって、セルの中に入る光ビームは、セルの構造、粒子の性質及び濃度、並びに光のエネルギ含量に応じて反射、透過、又は吸収される。したがって、光弁は、OFF状態では比較的暗い。しかし、光弁内の液体光弁懸濁物を通して電場が印加された時に、粒子は、整列するようになり、多くの懸濁物に対して、光の大部分は、セルを通過することができる。したがって、光弁は、ON状態では比較的透明である。本明細書に説明するタイプの光弁はまた、「懸濁粒子デバイス」又は「SPD」としても公知である。
【0005】
多くの用途に関して、当業技術において十分に理解されるように、活性化可能材料、すなわち、光変調要素は、液体懸濁物とするよりもプラスチックフィルムとする方が好ましい。例えば、可変光透過窓として使用される光弁では、液体懸濁物の液滴が分散されたプラスチックフィルムは、液体懸濁物のみのものよりも好ましく、その理由は、静水圧効果、例えば、液体懸濁物の高い液柱に関連付けられた膨らみをフィルムを使用することにより回避することができ、また、可能な漏出の危険性も回避することができるからである。プラスチックフィルムを使用することの別の利点は、プラスチックフィルムでは、粒子は、一般的に非常に小さい液滴内にのみ存在し、したがって、フィルムが電圧により繰返し活性化された時に顕著に凝集することがない点にある。
【0006】
本明細書に使用される「SPDフィルム」及び「光弁フィルム」という用語は、それ自体で使用されるか又は光弁の一部として他の構成要素と共に使用されるか又は使用が意図される粒子の懸濁物を含む少なくとも1つのフィルム又はシートを意味する。光弁フィルム又はSPDフィルムは、(a)1又は2以上の剛性又は可撓性固形フィルム又はシート内に封入された連続液相全体を通して分散された粒子の懸濁物、又は(b)分散された粒子を含む液体の剛性又は可撓性固形フィルム又はシートの連続相全体を通して分散された不連続相のうちのいずれかを含む。光弁フィルム又はSPDフィルムはまた、例えば、(1)耐引掻性、(2)紫外放射線からの保護、(3)赤外線エネルギの反射、及び/又は(4)印加された電場又は磁場を活性化可能材料に伝達するための導電性、(5)誘電対保護膜、(6)色調、(7)光起電力、及び/又は(8)音響制御を光弁フィルム又はSPDフィルムに与えることができる、以下に限定されるものではないが、フィルム、コーティング又はシート、又はその組合せのような1又は2以上の他の層を含むことができる。
【0007】
上述のように、SPDの透明度は、SPDへの電圧印加に基づいて制御される。遠隔制御デバイスを含む様々な制御デバイスは、SPDに印加される電圧を制御するのに使用することができる。より具体的には、SPDに印加される電圧は、ユーザ入力に基づいて作動することができる何らかの種類の電圧制御要素を使用して制御される。このユーザ入力は、直接のものとすることができ、例えば、ユーザは、電圧制御要素上のボタン又はダイヤルのようなノブ又は他の入力要素を調節することができる。入力は、例えば、遠隔制御デバイスからの無線送信を通して遠隔でも送信される場合がある。典型的な遠隔制御デバイスは、赤外線、無線信号、超音波信号、又は他のあらゆる好ましい無線信号とすることができる無線信号を通して指令を通信する。
【0008】
遠隔制御技術における最近の傾向は、単一遠隔制御を提供して複数のデバイス又は家電を制御することである。そのような遠隔制御の最も一般的な例は、典型的にケーブル会社によって提供されるもの、又は典型的にセットトップケーブル又は衛星ボックスを制御するために提供され、並びにTVを制御するように適応可能である衛星TVプロバイダのような他の加入放送サービスである。これらの遠隔制御の一部は、例えば、DVD又はBlu−Rayプレーヤのような追加のデバイスを作動させることができる。より高機能な汎用遠隔制御が、TVのケーブルボックス、DVD及びBlu−Rayプレーヤ、オーディオ受信機及びチューナを含む複数の視聴覚(AV)デバイスを制御するのに使用される場合がある。
【0009】
これに加えて、AV機器を制御するだけではなく照明、暖房、更にドアロックのような家庭の他の態様を制御するのに使用される場合があるホームオートメーションシステムに使用される一部の高度遠隔制御が導入されている。しかし、これらの遠隔制御の全ては、典型的には、制御デバイスにその後に送信されるユーザ入力命令を必要とする。
【0010】
これに加えて、スマートフォンの現在の人気、及び特定の目的に対するコンピュータ実装アプリケーション又はアプリを実行するこれらのデバイスの能力は、スマートフォンを遠隔制御デバイスとして使用することを可能にしている。一部の場合に、スマートフォンは、無線周波数により、例えば、WiFi、Bluetooth(登録商標)、又はセルラー信号を通じて信号を送信する。一部のスマートフォンは、それらがIRを通じて同様に信号を送信することを可能にするIR送信機を含む。しかし、これらのデバイスでは、ユーザは、典型的には、デバイスを制御するための情報を入力するのに直接介入する必要があり、制御は、ユーザが入力した命令に限定される。
【0011】
ユーザ入力並びに他の情報に基づいていくつかのデバイスの遠隔制御を考慮する制御システムを提供することが望ましいと考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】米国特許第8,280,592号明細書
【特許文献2】米国特許第9,165,198号明細書
【特許文献3】米国特許第7,672,270号明細書
【特許文献4】米国特許公開第2014/0104077号明細書
【特許文献5】米国特許公開第2014/0035774号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の開示の目的は、ユーザ入力と遠隔制御デバイスに提供される追加情報とに基づいて命令を提供する遠隔制御デバイスを含む複数のデバイスを制御するための制御システムを提供することである。追加情報は、遠隔制御デバイス内のセンサによって提供される情報、又は遠隔制御デバイスの外部から提供されて例えばコンピュータ又はセルラーネットワークを通じて受信される情報の形態で提供することができる。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本出願の実施形態による制御システムは、1又は2以上のデバイスと通信する制御デバイスと、ユーザ入力と遠隔制御デバイスによって得られた現在の環境情報とに基づいて1又は2以上のデバイスの作動を制御する命令を制御デバイスに送信するように構成された遠隔制御デバイスとを含む。
【0015】
本出願の実施形態により自動車内の1又は2以上のデバイスを制御するための制御システムは、デバイスの1又は2以上と通信する制御デバイスと、制御デバイスが情報に基づいて命令を1又は2以上のデバイスに提供するように情報を制御デバイスに提供するように構成された情報デバイスとを含む。
【0016】
本発明の他の特徴及び利点は、添付図面を参照する本発明の以下の説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の実施形態による制御システムの例示的ブロック図である。
【
図2】
図1の制御システムに使用するのに適する遠隔制御ユニットの例示的ブロック図である。
【
図3】遠隔制御ユニットのその位置を決定する際の作動を示す例示的流れ図である。
【
図4A】遠隔制御デバイスのそれがユーザの家庭に位置付けられた時の作動を示す例示的流れ図である。
【
図4B】遠隔制御デバイスのそれがユーザの家庭に位置付けられた時の追加の作動段階を示す例示的流れ図である。
【
図5】遠隔制御デバイスのそれがユーザの乗用車内に位置決めされた時の作動を示す例示的流れ図である。
【
図6】遠隔制御ユニットのそれがユーザのオフィス又は仕事場内に位置決めされた時の作動を示す例示的流れ図である。
【
図7】ユーザの健康をモニタする遠隔制御デバイスの作動を示す例示的流れ図である。
【
図8】本発明の実施形態による制御システムの例示的ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の開示の実施形態による制御システム1が、
図1に示されており、このシステムは、好ましくは、システム1によって制御される1又は2以上のデバイスDに接続した1又は2以上の制御デバイス10を含む。単一制御デバイス10が、デバイスDの全てを制御するのに使用される場合があるが、追加の制御デバイス(
図1に破線で図示)も、望ましい場合に含めることができる。望ましい場合に、個別の制御デバイス10が、各デバイスDのために提供される場合があり、又は単一制御デバイス10が、複数のデバイスを制御することができる。制御デバイス10は、特定のデバイスDに組み込むこと又はデバイスDから切り離すことが可能である。実施形態では、制御デバイス10は、遠隔制御ユニット12に組み込むことができる。制御デバイス10から切り離された遠隔制御ユニット12は、制御デバイス10と通信し、デバイスDを制御するための命令を提供する。制御デバイス10は、デバイスDと通信することができ、したがって、それぞれのデバイスDによって認識することができる指令又は命令を含むことができる。これらの指令は、制御デバイス10のメモリに格納され、又は制御デバイス10によって取り出し可能である場合がある。
【0019】
デバイスDは、以下に限定されるものではないが、テレビジョン、ケーブル又は衛星システムのためのセットトップボックス、DVDプレーヤ、Blu−Rayプレーヤ、ラジオ受信機又はチューナ、サラウンド音響システム、スピーカ、他の手持ち式又は携帯式デバイス、ラップトップ又はデスクトップコンピュータのようなAVデバイス、並びに照明のような他のデバイス、窓、シェード、ドレープ、サーモスタット、ドアロックのようなSPD、更に冷蔵庫、コーヒーマシン、電話機、暖房システム、空調システムのような家庭用電気製品を含むあらゆる制御可能なデバイスとすることができる。
図1は、ある一定の例示的デバイスを識別しているが、制御システム1は、実質的にあらゆる電子デバイス又は電子家電を制御することに使用するのに適している。
【0020】
遠隔制御ユニット12は、スマートフォンとして具現化することができる。
図2の例示的ブロック図に見ることができるように、そのようなデバイスは、典型的に、コンピュータ可読命令を処理するためのプロセッサ127と、命令及び他のデータを格納するためのメモリ125と、ユーザへの情報を表示するためのディスプレイ129と、キーボード又は他のボタン又はダイヤルのような入力要素123とを含む。一部の場合に、ディスプレイ129は、タッチスクリーンとすることができるので、同じく入力要素である。これに加えて、スマートフォンは、典型的に、このスマートフォンが、画像データを撮影するのに適する撮像要素122を含むようにカメラ機能を含む。また、スマートフォンは、典型的に、マイクロホン124又は他の音声ピックアップデバイス及び少なくとも1つのスピーカ126を含んで音を生成する。これに加えて、スマートフォンは、無線通信信号を送受信するための少なくとも1つの送受信機120(送信機/受信機)を含む。この送受信機120は、好ましくは、セルラーネットワーク電話システム、WiFiシステム、Bluetooth(登録商標)システム、及びGPSシステムと共に使用するのに適している。望ましい場合に、各システムに個別の送受信機を使用することができる。これに加えて、一部のスマートフォンは、赤外線(IR)送信システムを含むか又は超音波送信システムを含むことができる。送受信機120は、好ましくは、他のあらゆる好ましい無線通信システムと共に使用するのにも適している。
【0021】
スマートフォンは、典型的に、WiFi及び/又はセルラーシステムを使用してインターネットに接続するので、様々な事柄に関する情報を受信する。これらの情報は、スマートフォンの位置が、例えば、WiFi又はセルラーネットワーク内のスマートフォンの位置に基づいて決定される場合があるので、位置情報とすることができる。また、位置情報は、GPSを通して得ることができる。これに加えて、ある位置における温度のようなより一般的な情報を取り出すことができる。これに加えて、ほとんどのスマートフォンは、クロックを含むが、ある位置における時刻は、望ましい場合に、日付と共にインターネットを通して取り出すことができる。これに加えて、ある位置における天気に関する情報を取り出すことができる。
【0022】
撮像要素122は、画像情報を撮影するのに使用することができるが、より一般的には、スマートフォンのエリア内の全体的な光レベルを決定するのに使用することができる。また、スマートフォンは、多くの場合に、特定の時間でのスマートフォンの相対的な運動に関する情報を提供するための運動感知機器を含む。この運動感知情報は、GPS情報のような位置情報を利用することができ、また、スマートフォンの正確な位置を決定するのを支援するのに使用することができる。一部のスマートフォンは、スマートフォンの近くの温度に関する情報を提供するための温度計又は他の温度感知要素を含むことができる。プロセッサ127は、図示のようにメモリ125に結合されて、スマートフォン遠隔制御ユニット12の他の要素の作動を制御する。追加のメモリを含むことができる。デバイスの制御は、好ましくは、メモリ125からプロセッサに提供されるか又はそれ以外の方法でプロセッサ127に提供される命令に基づいている。オペレーティングシステムを含む上記及び本明細書に説明するハードウエア構造を制御するために無線通信、アンテナ、マザーボード、及びソフトウエアを制御するチップを含む他の多くの要素も含めることができることが理解されるであろう。
【0023】
本明細書では、遠隔制御デバイス及びスマートフォンという用語は、置き替えられるように使用される。スマートフォンが好ましいが、タブレット、更にラップトップコンピュータのような他の類似のデバイスを本明細書に説明するシステム内の遠隔制御ユニット12として使用することができる。
【0024】
好ましい実施形態では、遠隔制御ユニット12は、ユーザからの情報入力と、本明細書に含まれる追加のデバイスから又はそれ以外に例えば撮像要素122及び/又はインターネットなどからの本明細書で一般的に環境情報と呼ぶ追加情報とに基づいて、命令を制御デバイス10に送信する。制御デバイス10に送られる命令は、複数のデバイスDに関連することができる。
図1は、いくつかのデバイスDの各々に直接命令を送信する制御デバイス10を示している。上述のように、システム1では、1又は2以上の制御デバイス10が使用され、これらのデバイスの各々は、デバイスDの全てを制御するか又はデバイスDの部分集合を制御することができる。望ましい場合に、デバイスDの各々に個別の制御デバイス10を使用することができる。この個別の制御デバイス10は、望ましい場合に、この制御デバイスが制御するそれぞれのデバイスDに組み込むことができる。典型的には、遠隔制御ユニットは、制御デバイス10に命令を提供するが、遠隔制御デバイス12は、単に上述の画像情報のような情報を制御デバイス10に送信し、制御デバイスがこの情報を処理して制御信号をデバイスDに提供することができる。
【0025】
図3は、遠隔制御ユニット12のものを含むシステム1の作動を示す例示的流れ図である。好ましい実施形態では、遠隔制御ユニット12は、段階S100において、この遠隔制御ユニットの位置を決定する。これは、GPS、WiFi、又はセルラーネットワークシステムを含むあらゆる望ましい方法又は他のあらゆる好ましい方法で行うことができる。位置が決定された後、段階S102において、遠隔制御ユニット12が「家庭にある」、すなわち、ユーザの家庭に存在するか否かに関する判断が行われる。そうでない場合に、段階S104において、遠隔制御ユニット12が、ユーザの乗用車に存在するか否かに関する判断が行われる。そうでない場合に、段階S106において、ユーザがユーザのオフィスに存在するか否かに関する判断が行われる。そうでない場合に、システム1は、段階S100に戻る。望ましい場合に、段階S100に戻る前に遅延を実施することができる。
【0026】
段階S102において、ユーザが家庭にいるという決定が行われた場合に、システムは、
図4A及び4Bに示されている段階に進む。段階S402において、遠隔制御ユニット12は、テキスト、電子メール、又は他のあらゆる好ましいプロトコルを通してユーザが家庭にいることを示すメッセージを様々な家族メンバに送信することができる。ユーザは、使用前にメッセージの受信者を識別することができ、この情報は、遠隔制御ユニット12内の例えばメモリ125に格納することができる。段階S403において、システム1が家庭におけるプリファランスを与えられているか否かに関する決定が行われる。システム1が、プリファランスを有する場合に(段階S403において、Y)、これは、ユーザが、このユーザが家庭にいる場合にシステム1が常に作動するようなシステム1に関するプリファランスを示したことを意味する。すなわち、システム1は、家庭内の様々なデバイスDを制御する。このプリファランスは、ユーザによって入力され、好ましくは、メモリ125に格納される。システム1が優先権を持たな場合に(段階S403において、N)、ユーザは、システム1が、デバイスDに対する制御を提供すべきではないことを示したので、本方法は終了する。
【0027】
段階S404において、遠隔制御ユニット12は、家庭内の光レベルに関する決定を行う。これは、例えば、遠隔制御ユニット12(スマートフォン)の撮像要素122を使用して行うことができ、又はこの情報は、例えば、ローカルに位置決めされた固定位置の光センサのような別のデバイスから受信することができる。段階S405において、光レベルは、望ましい光レベルと比較される。好ましくは、この望ましい光レベルは、例えば、ユーザによって設定されてメモリ125に格納される。これに代えて、デフォルトの望ましい光レベルが、設定されてメモリ125に格納される場合がある。光レベルが、望ましい光レベルよりも低い場合に、家庭内のユーザの近くの光を増大するための命令が送信される。この命令は、遠隔制御ユニット12によって提供されるか又は遠隔制御ユニット12に提供される他の環境情報に応じて異なるものとすることができる。また、様々な命令が、遠隔制御ユニット12内の例えばメモリ125に格納される。この他の情報は、例えば、時刻を含むことができる。遠隔制御ユニット12は、上述のクロックを含むか又は望ましい場合にこの情報を別のデバイスから又はインターネット又は他のあらゆる好ましいコンピュータシステム又は通信システムから取り出すことができる。段階S406において、時刻に基づいて、日中であるか又は夜間であるかに関する決定が行われる。スマートフォンは、日の出/日の入り情報を取り出すことができ、また、典型的には、スマートフォン上のカレンダー機能が利用可能である。日中である場合に、光を増大するための命令は、シェードを開ける及び/又はSPD窓の透明度を高くするための命令を含むことができる。他方で、時刻が、日中ではないことを示す場合に、光を増大するための命令は、家庭内の1又は2以上の照明をオンにするためのものである。これらの照明は、単に制御デバイス10によって制御される追加のデバイスDとすることができる。この命令は、段階S407において送信される。段階S405において、光レベルが望ましい光レベルに等しい場合に、システムは、以下に説明する段階S410に移る。
【0028】
段階S405において、光レベルが望ましい光レベルを超える場合に、光を低減するための命令を提供することができる。この場合も同じく、段階S406において、時刻に関する決定が行われる。日中である場合に、段階S407において、ブラインドを閉じ及び/又はSPD窓の透明度を低くして、室内の光レベルを低くするための命令を提供する。夜間である場合に、段階S407において、ユーザが存在する室内の1又は2以上の照明をオフにするための命令を提供する。夜間であるので、SPDの透明度を変更することは、室内の光レベルに対する影響がほとんどないか又はこの影響がない。
【0029】
段階S403において、システム1が優先権を有すると決定された場合に、他のアクションを実施することができる。段階S410において、遠隔制御ユニット12の近くの現在の温度に関する決定が行われる。現在の温度は、温度計、又は遠隔制御ユニット12内の他の温度感知デバイス、又は別のソースから提供される情報に基づく場合がある。家で使用される一部のサーモスタットは、無線で又はインターネットを通して単独で温度情報を送信することができ、遠隔制御ユニット12が、この情報を受信することができる。これに加えて又はこれに代えて、現地の温度情報は、インターネットから取り出すことができる。段階S411において、現在の温度が望ましい温度に等しいか否かに関する決定が行われる。望ましい情報は、好ましくは、ユーザによって事前設定され、遠隔制御ユニット12内のメモリ125又は他のメモリ要素に格納される。また、デフォルトの望ましい温度をシステム1において設定することができる。温度が望ましい温度を超える場合に、温度を下げるための命令が送信される。温度が望ましい温度よりも低い場合に、温度を上げるための命令が送信される。特定の命令は、時刻に依存することになる。上述のように、段階S406において、時刻に関する決定が行われる。この情報は、送信される命令を生成することに使用することができる。時間を決定する個別の段階(段階S412)が
図4に示されているが、段階S406において提供される情報を望ましい場合には使用することができる。段階S412において夜間である場合に、遠隔制御ユニット12は、適切な場合に暖房を弱めるか又は空調をオンにするための命令を家庭内のサーモスタットに送る。段階S412における暖房を弱めるか又は空調をオンにするための命令を提供するか否かに関する決定は、時節(time of year)又は季節に基づくものである。この情報は、一般的に、インターネットを通して利用可能であり、及び/又は一般的に段階S406又はS412に使用される現在時刻情報の一部としてスマートフォン上で設定されて追跡又は取り出されるか、又はスマートフォン上のカレンダーを通じたものである。家庭の位置及び月情報は、どの季節であるかを示すのに使用することができる。
【0030】
現在の温度が望ましい温度よりも低い場合に、温度を上げるための命令が提供されるが、この命令は、時刻にも依存する場合がある。夜間である場合に、段階S413において、遠隔制御ユニット12が、適切な場合に暖房を強くするか又は空調を停止するための命令を家庭内のサーモスタットに送る。段階S413において暖房を強くするか又は空調を停止するための命令を提供するか否かに関する決定は、時節に基づいている。これに加えて、段階S406又はS412において、時刻が、日中であることを示す場合に、遠隔制御ユニット12は、より多くの光が家庭内に入って温度を上げるか又はより少ない光が温度を下げることを可能にするための命令をブラインド又はSPD窓に送る。現在の温度が望ましい温度と同じ場合に(段階S411において、Y)、システムは、段階S420に進む。
【0031】
ユーザは、本発明のシステムを使用して様々なAV機器を制御することを望む場合がある。例えば、段階S420において、現在時刻が、TVショー又は映画を視聴することになるショータイムに対応するか否かに関する決定が行われる。ショータイムは、好ましくは、ユーザによって事前設定されて遠隔制御ユニット12に格納される。現在時刻が、スケジュールに組み込まれたショータイムに等しい場合に、遠隔制御ユニット12は、段階S422においてTVをオンにし、好ましくは、望ましいチャネルにするための命令を送信する。チャネル情報は、好ましくは、ショータイムと共に格納される。これらの命令は、好ましくは、TVショーを視聴するのに必要な他のあらゆる命令を含み、例えば、ケーブル又は衛星システムのためのセットトップボックス、サラウンド音響システム、又は他の音響システムのような他の音声/視覚(AV)デバイスへの命令を含む。これらの追加のデバイスは、単にシステム1によって制御することができる追加のデバイスDである。段階S420において示されるショータイムは、ラジオ番組のためのショータイムを反映することができ、又は単にユーザが望ましい時間に音楽を聴取することを望むことを示すものとすることができる。段階S422において送られる命令は、ラジオ受信機を望ましい放送局に変更するための命令、又は特定のトラックを再生するようにCD/MP3プレーヤを設定するための命令を含むことができる。また、望ましい場合に、ボリューム制御命令を含むことができる。この情報は、関係するショー、すなわち、TVショー、DVD映画、CD、又は更にラジオショーに基づいてユーザによって設定するか又はデフォルトに設定することができる。
【0032】
これに加えて、システム1は、ホームセキュリティを提供するのに使用することができる。例えば、段階S430(
図4Bを参照)において、現在時刻が、ある一定の夜間時間(警報時間)を過ぎた場合に、例えば、真夜中を過ぎた後で、遠隔制御ユニット12のマイクロホン124は、不審な音をモニタするのに使用することができる。段階S431において、例えば、マイクロホン124によって検出された音が、音閾値レベルを超えるか否かに関する決定が行われる。この音閾値レベルは、ユーザによって事前設定され、遠隔制御ユニット12に格納することができる。これに代えて、遠隔制御ユニット12内に保存されたデフォルトの音閾値レベルが存在することができる。この音閾値レベルは、例えば、壊れる窓又は強制的に開けられたドアを示すことができる。そうである場合に、遠隔制御ユニット12は、好ましくは、段階S432において、家内の照明の全てをオンにし、利用可能な場合に、典型的なホームセキュリティシステムにおけるような可聴警報をアクティブにするための命令を送信する。また、遠隔制御ユニット12は、段階S433において、ユーザに警察又は救急隊員と連絡を取るか否かを示すように促すことができる。このプロンプトは、デバイスのディスプレイ12上に視覚的に表示するか又は可聴式のものとすることができる。ユーザがイエスと言った場合又はそれ以外に同意する入力を提供した場合に、又は定められた時間(例えば、2分より長い)内に応答が受信されない場合に、遠隔制御ユニット12は、段階S434において、直接に又は電話機に接続することができる制御デバイス10を通して警察と連絡を取る。ユーザが、関係機関を呼ぶことにならないことを示す場合に、段階S435において、照明及び警報をオフにするオプションがユーザに提供される。実施形態では、段階S431において、遠隔制御ユニット12は、単にユーザによって話されたセキュリティコードワードを聞くことができる。このコードワードが検出された場合に、段階S432において、照明及び警報をアクティブにすることができる。セキュリティコードワードは、好ましくは、ユーザによっても設定される。段階S433において、ユーザは、関係機関と連絡を取るオプションも与えられることになる。
【0033】
段階S104において、遠隔制御ユニット12がユーザの自動車又は乗用車に存在すると決定された場合に(段階S104において、Y)、遠隔制御ユニット12は、好ましくは、段階S500において、この乗用車内のSPD窓を調節するための指令を送信する(
図5を参照)。
図4Aの段階S404からS406と類似の光レベルを決定してこの光レベルを望ましいレベルと比較する段階は、S500に先行することができる。これに加えて、遠隔制御ユニット12は、段階S502において、望ましい場合に、望ましいラジオ放送局、格納された音楽、又はCDトラックを設定するための命令を送信することができる。
図4Aの段階S420と類似の現在時刻がショータイムであるか否かを決定する段階は、この段階に先行することができる。命令は、例えば、ユーザによって設定され、メモリ125に格納することができる。段階S504において、望ましい場合に、乗用車内の望ましい温度を設定するための命令を送ることができる。
図4Aの段階S410から412と類似の温度を決定してこの温度を望ましい温度と比較する段階は、この段階に先行することができる。望ましい場合に、命令の全ては、例えば、単一段階、すなわち、段階S500で送信することができる。乗用車のSPD窓、乗用車のラジオ、CDプレーヤ、及び暖房/AC制御は、単に追加のデバイスDと見なすことができる。乗用車は、制御デバイス10又は複数の制御デバイスを含むことができる。
【0034】
段階S106において、遠隔制御ユニット12がユーザのオフィスに存在すると決定された場合に(段階S106において、Y)、遠隔制御ユニットは、好ましくは、段階S600において、オフィス内のSPD窓を望ましい半透明に調節するための指令及び/又は1又は2以上の照明をオンにするための指令を送信する(
図6を参照)。
図4Aの段階S404からS406と類似の光レベルを決定してこの光レベルを望ましいレベルと比較する段階は、この段階に先行することができる。段階S602において、望ましい場合に、ユーザのコンピュータをオンにするための命令を提供することができる。段階S604において、コーヒーマシン、コピー機のようなオフィス内の他のデバイスをオンにするための命令を提供することができる。
図4Aにおける段階S420と類似の現在時刻がショータイムであるか否かを検査する段階と類似の段階は、この段階に先行することができる。これらの命令は、望ましい場合に、段階S600において同時に送信することができる。また、他のデバイスは、TV又はラジオ受信機などを含むことができ、例えば、
図4に関して上述したものと類似の方法で制御することができる。明確に示されていないが、段階S600の前に、段階S403において家庭に関して上述したものと類似の方法で、遠隔制御ユニット12がオフィスにおいて優先権を有するか否かを決定するための決定を行うことができる。遠隔制御ユニット12が優先権を持たない場合に、システムは、S100に戻る。それ以外の場合に、システムは、上述の段階S600に進む。
【0035】
システムは、位置に関係なくある一定の制御機能を提供することができる。実施形態では、例えば、段階S700(
図7を参照)において、遠隔制御ユニット12は、ユーザの心拍又は脈拍をモニタすることができる。例えば、スマートフォンがバイオメトリックモニタ機能を含むことは一般的である。段階S702において、ユーザの心拍又は脈拍が下側閾値レベルを下回って低下した又は上側閾値レベルを上回って上昇したか否かに関する決定が行われる。そうである場合に、ユーザは、段階S704において、医療的配慮が必要であるか否かについて尋ねられる。そうである場合に又は応答なく定められた期間(例えば、2分より長い)が経過した場合に、遠隔制御ユニット12は、段階S706において、家庭、乗用車、又はオフィス内で直接に又は制御ユニット10を通して電話により医療支援と連絡を取る。これに加えて、ユーザが家庭にいる場合に、警報と共に家庭の全ての照明をオフにするための命令を提供する。ユーザが乗用車内にいる場合に、照明を点滅させることができ、注意を引きつけるためにクラクションが鳴らされる。オフィス内では、注意を引きつけるために照明を点滅させることができる。ユーザが、医療的配慮が必要ではないことを示す場合に、段階S700におけるモニタが継続し、ユーザの心拍が閾値を上回った又は下回ったままであるか否かに関する繰り返される問い合わせが行われる。これに加えて、1又は2以上の人物へのスマートフォンのテキストメッセージをこれらの人物に医療的状況を警告するために自動的に送ることができる。
【0036】
上述のように、制御システム1は、様々な環境で様々なデバイス又は家電を制御するのに使用することができる。スマートフォンを遠隔制御デバイスとして使用する利点は、本発明のシステムが、ユーザ入力と、遠隔制御デバイスに内蔵のセンサによって及び/又は例えばインターネットのような他のソースを通して遠隔制御ユニット12外部から得られる情報によって収集される他の情報とに基づいて様々なデバイスを制御することをスマートフォンが可能にする点にある。これは、様々なデバイスを制御することにおける更なる柔軟性を提供し、必要なユーザ介入量を低減する。
【0037】
上述のように、システム1は、乗用車又は他の自動車に実施することができる。この場合に、制御デバイス10は、独立したデバイスとするか、又は自動車、システム、又はシステムのデバイスに組み込むことができる。
図8は、自動車200に実施されたシステム1の例示的ブロック図である。自動車200は、窓の色調を変化させるように制御することができるSPD窓201を含むことができる。制御デバイス10は、SPD窓の色調を制御するために、これらの窓に組み込むか又は単に有線接続又は無線接続のいずれかを通してこれらの窓に接続することができる。単一制御デバイス10が
図8に示されているが、追加の制御デバイス10を
図1に関して上述したように提供することができる。実施形態では、ヘッドライト202は、SPDレンズ又は他のSPD要素を利用してこのヘッドライトの出力の明るさを制御することができ、したがって、本明細書ではSPDヘッドライトと呼ぶ。制御デバイス10は、ヘッドライト202の明るさを変化させるために、ヘッドライト202に組み込むか又は有線又は無線接続を通してこのヘッドライトに接続することができる。また、上述のように、制御デバイス10は、望ましい場合に、クラクション、ラジオ、又は暖房/ACシステムのような自動車内部の他のデバイスに接続するか、又はこれらのデバイスと一体化することができる。したがって、SPD窓201及びSPDヘッドライト202は、例えば、
図1に関して上述した追加のデバイスDと考えられる。
【0038】
実施形態では、上述のように、遠隔制御ユニット12は、例えば、デバイスDを制御するための命令を制御デバイス10に提供するのに使用することができる。また、
図8には明確に示されていないが、遠隔制御ユニット12は、
図8の実施形態における制御デバイス10に命令又は他の情報を提供するのに使用することができる。これに加えて、上述のように、遠隔制御ユニット12は、望ましい場合に、スマートフォン又は他のモバイルデバイスとすることができる。
【0039】
しかし、
図8における制御デバイス10は、同じく他のソース又はデバイスから命令又は他の情報を受信する場合がある。実施形態では、窓201の色調は、自動車200の位置に基づいて変化する場合がある。異なる管轄区域は、窓に色付けすることができる範囲に関して異なる法律を有する場合がある。上述のように、システム1は、デバイスDを制御するために位置情報を使用することができる。同様に、
図8の実施形態では、自動車200は、GPSシステム203を含むことができる。また、このGPSシステム203及び/又は制御デバイス10は、様々な管轄区域における色付けに対する制限に関する情報を含むことができる。これに代えて、この情報は、遠隔制御ユニット12(スマートフォン)を通して又はそれ以外の方法でダウンロードすることができる。例えば、ここ数年、自動車に利用可能なモバイル接続性が急速に高まっており、多くの新しい自動車が、インターネット又は他の通信ネットワークへの接続を提供するようになっている。自動車は、それ自体、スマートフォン及びタブレットのような他のモバイルデバイスのためのWiFi接続点として作用することができる。そのようなWiFi接続を通じたインターネットへのアクセスは、自動車がいずれの管轄区域に偶然に存在しようとも、自動車200が色付け制限に関する情報にアクセスすることを可能にする。制御デバイス10は、GPSシステムによって提供される位置情報に基づいてこの情報にアクセス可能である。次に、制御デバイス10は、現地の法律に準拠するように窓201の色付けを制御することができる。この調節は、好ましくは自動的に行われる。
【0040】
これに代えて、ユーザ/運転者は、現地の法令との不一致を通知され、色調変更を承認するためのオプションを与えられる。これは、遠隔制御ユニット12を通して又は好ましくは制御デバイス10に接続した自動車10のコンピュータシステム210を通して行うことができる。ほとんどの最新の自動車は、中央コンピュータシステムを含み、この中央コンピュータシステムは、自動車の様々なシステムの作動をモニタかつ制御し、ボタン及びスイッチ、又はタッチスクリーンディスプレイのいずれかを通じたユーザによる入力を可能にする。制御デバイス10は、単にコンピュータシステム210によってモニタかつ制御される別のシステムとすることができる。これに代えて、制御デバイス10は、望ましい場合に、コンピュータシステム210に組み込むことができる。コンピュータシステム210は、インターネット又は他のあらゆる通信システムからの上述の窓の色付けに関する情報にアクセスし、かつこの情報を提供するのに使用することができる。コンピュータシステム210は、単にこの情報を制御デバイス10に渡すか又はGPSシステム103からの位置情報に加えてこの情報を使用して現地の法律に準拠するのに窓201の色調の変更が必要であるか否かを決定し、かつ命令を制御デバイス10に送ることができる。これは、現在の色調レベルを位置情報に示す位置での法律によって設定された必要な又は最大の色調レベルと比較することによって行うことができる。色付けにおける変更を受け入れるか又はそれを拒絶する機会がユーザに与えられていない場合に、コンピュータシステム210は、色調の変更が必要であるか否かを決定し、かつ命令を制御デバイス10に通信するのに使用することができる。
【0041】
実施形態では、位置情報は、望ましい場合に、別の自動車から自動車200に提供することができる。自動車は、インターネットに接続する自動車の機能に関して改良されているだけでなく、自動車は、互いに通信する自動車の機能に関しても改良されている。例えば、米国特許第8,280,592号明細書、第9,165,198号明細書、及び第7,672,270号明細書は、移動する自動車間の通信を可能にする通信システム及び方法に関するものである。また同様に、米国特許公開第2014/0104077号明細書及び第2014/0035774号明細書は、自動車間で通信するための通信システム及び自動車間での協働について説明している。これに加えて、以下に限定されるものではないが、IEEE 802.11p、IEEE 1609、及び欧州電気通信標準化機構TC ITS(高度道路交通システム)規格を含む様々な通信規格が開発され、自動車間の通信に使用されている。これらの通信システム又は規格のいずれか、並びに他のあらゆる好ましいそのような規格又はシステムは、本発明の開示の自動車200に使用することができる。したがって、自動車間の通信は、自動車が情報を互いに共有することを可能にし、これらの情報は、上述のGPSシステムによって提供されるような位置情報を含むことができる。別の自動車は、望ましい場合に、特定の管轄区域における色付け制限に関する情報を提供することができる。以下で更に説明するように、自動車間で他の情報も提供することができる。
【0042】
望ましい場合に、遠隔制御ユニット12は、ユーザ/運転者のスマートフォンとする必要がなく、例えば、警察官のような第三者に属するものとすることができる。警察官は、彼らに未知であり、かつ潜在的に危険である乗用車に接近することが多い。いずれの窓の色付けも、比較的僅かである場合でさえ、警察官が自らの安全を保護するために認識すべきである自動車内の危険な活動を隠す場合がある。実施形態では、警察官は、例えば、自らのスマートフォンを通してあらゆる自動車の色付けを制御する機能を含むことができる。この場合に、警察官のスマートフォン又は他のモバイルデバイスは、ユーザの自動車200内の制御デバイス10に命令を提供するのに使用される。プライバシーの権利の点で、スマートフォン12aは、自動車200の他のいずれの作動にも影響を与えることができず、窓201における全ての色調を取り除く命令を送ることに制限することができる。
【0043】
実施形態では、命令は、警察官の自動車から直接に制御デバイス10に提供することができる。上述のように、最新の自動車は、一般的に、互いの間で直接に通信する機能を含む。この場合に、警察の自動車は、直接に自動車200と通信して、窓201の色調を取り除くことができる。別の実施形態では、命令は、例えば、警察本部のような集中位置から提供することができる。上述のように、自動車200は、インターネット又は別の通信ネットワークに接続するように構成することができる。制御デバイス10への又はそれ以外の場合は自動車200への命令は、窓の色調を取り除くことができるように、例えば、警察本部のような遠隔地からのそのような接続を通して提供することができる。
【0044】
実施形態では、自動車100は、他の自動車のヘッドライトから投射される光の強度を検出するのに使用することができる1又は2以上の光センサ220を含むことができる。この光強度情報は、望ましい場合に、色調を増大又は低減してグレアを防止し、運転者が、運転中に好ましい視界を維持することを保証するための命令を窓201に提供するのに使用することができる。これは、光センサ220から検出された光強度と閾値レベルの単純な比較によって行うことができる。検出された光レベルが閾値を超える場合に、窓201の色調を低減してグレア及び/又は運転者の一時的な盲目を防止するための命令が提供される。センサ220からの光情報は、制御デバイス10に提供されてこの制御デバイス10がこの情報を処理して(この情報を閾値と比較する)制御信号をヘッドライト201に提供することができ、又はコンピュータシステム210又は限定ではないが遠隔制御デバイス212(スマートフォン)を含む他の処理デバイスに提供されて命令を制御デバイス10に提供することができる。上述のように、制御デバイス10は、望ましい場合に、コンピュータシステム210に組み込むことができる。
【0045】
実施形態では、別の自動車のヘッドライトの強度は、この自動車からの情報によって決定することができる。上述のように、自動車がこれらの自動車間で情報を通信することは一般的である。そのような情報は、望ましい場合に、ヘッドライト強度情報を含むことができる。この情報は、接近する自動車からの位置情報と共に、例えば、グレア又は盲目を防止することができるように、他の自動車のヘッドライトが認識することができる前でさえも自動車200が窓201の色調を変更することを可能にする。この情報は、制御デバイス10において又はコンピュータ210又は上述の遠隔制御ユニット12(スマートフォン)によって受信されて処理することができる。また、GPSシステムから又はそれ以外の方法で得られた自動車200に関する位置情報は、自動車200と接近する自動車との間の相対的な距離を決定するのに使用することができる。実施形態では、窓の色付けに加えて、自動車200のヘッドライト202は、接近する車両の運転者を盲目にすることを防止するように一時的に暗くするか又は薄暗くすることができる。また、自動車200は、情報を別の車両に提供することができる。例えば、自動車200は、上述のヘッドライト強度情報及び位置情報を別の車両に提供することができる。
【0046】
実施形態では、SPD窓201は、事故の際に自動的にあらゆる色調を取り除くことができる。自動車200が事故にあった場合に、最初の応答者が車両の中を明確に認識することができること、及び乗員が外部を認識して最初の応答者と連絡することが重要である場合がある。したがって、実施形態では、制御デバイス10は、事故の際に全ての色調を取り除くように窓201を制御する。実施形態では、制御デバイス10は、エアバッグが展開されたことに関する情報を受信して、事故が起きたことを信号で伝えることができる。ほとんどの最新の車両は、少なくとも1つのエアバッグを含み、コンピュータシステム210は、典型的に、エアバッグが展開されたことに関する情報を受信する。この情報は、制御デバイス10に提供するか、又は制御デバイス10がコンピュータ210に組み込まれている場合に、単に色調を取り除くための制御信号を窓201に提供するように処理することができる。実施形態では、窓201は、この窓が事故の際に自動車の電力系統から切り離されている場合に、窓201の色調を取り除くのに使用することができる補助電源を含むことができる。別の実施形態では、事故は、他の情報に基づいて検出することができ、例えば、スマートフォンは、様々な方向の移動を追跡するジャイロデバイスを含むことができる。遠隔制御ユニット12(スマートフォン)は、事故が起きたことを示すものとして使用される複数の方向での突然の方向変化を検出することができる。別の実施形態では、例えば、GPSシステム203によって提供される位置情報は、事故が起きたことを示すことができる速度又は方向の突然の停止又は変化を示すことができる。
【0047】
自動車200はまた、好ましくは、情報を送受信するための送受信機206(送信機及び受信機)を含む。上述のように、インターネットアクセス、並びに他の自動車との通信を可能にすることは、最新の自動車に対して一般的である。GPSシステム206は、典型的に、GPS衛星と通信するための送受信機を含む。送受信機206は、望ましい場合に、GPSシステム203に組み込むこと又は独立した要素とすることができる。送受信機は、好ましくは、無線通信を提供し、かつ情報を送受信するための1又は2以上のアンテナを含むことができる。送受信機206は、望ましい場合に、セルラー電話ネットワーク及び/又はWiFiネットワークのような地上波通信ネットワークと通信するか、又は衛星を通して通信することができる。送受信機206は、情報を送受信するのに使用することができ、同じくレーダー信号を送受信するのに使用することができ、このレーダー信号は、位置情報及び/又は他の自動車の位置に関する情報を補完又は提供するのに使用することができる。レーダー情報はまた、同じく事故の表示を提供することができる。
【0048】
本発明をその特定の実施形態に関連して説明したが、多くの他の変形及び修正、並びに他の使用が当業者には明らかになるであろう。したがって、本発明は、本明細書の具体的な開示ではなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されることが好ましい。