(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6574492
(24)【登録日】2019年8月23日
(45)【発行日】2019年9月11日
(54)【発明の名称】物品およびエアロゾル発生装置
(51)【国際特許分類】
A24F 47/00 20060101AFI20190902BHJP
A61M 15/06 20060101ALI20190902BHJP
【FI】
A24F47/00
A61M15/06 A
【請求項の数】24
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-559589(P2017-559589)
(86)(22)【出願日】2016年5月12日
(65)【公表番号】特表2018-516560(P2018-516560A)
(43)【公表日】2018年6月28日
(86)【国際出願番号】EP2016060752
(87)【国際公開番号】WO2016184783
(87)【国際公開日】20161124
【審査請求日】2017年12月7日
(31)【優先権主張番号】1508405.6
(32)【優先日】2015年5月15日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】500252844
【氏名又は名称】ブリティッシュ アメリカン タバコ (インヴェストメンツ) リミテッド
【氏名又は名称原語表記】BRITISH AMERICAN TOBACCO (INVESTMENTS) LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100103285
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 順之
(74)【代理人】
【識別番号】100183782
【弁理士】
【氏名又は名称】轟木 哲
(72)【発明者】
【氏名】フロビシャー、ポール
【審査官】
黒田 正法
(56)【参考文献】
【文献】
特表2014−520542(JP,A)
【文献】
特表2014−519850(JP,A)
【文献】
中国実用新案第203563690(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 47/00
A61M 15/06
A61M 11/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
照射光源を使用してエアロゾルを発生させる装置に使用するための物品であって、装置は使用の際に照射光源により発せられる光を受け、その中でエアロゾルを発生させる受け部を有し、物品は受け部内に収容されるように構成及び配置されており、
物品は、喫煙材と光が通過できる透明窓との組み合わせを含み、
物品は、照射光源を含む装置のその照射光源を使用してエアロゾルを発生させるための装置の受け部内に物品が収容された際に透明窓が喫煙材と装置の照射光源との間に位置し、それにより、使用の際に喫煙材の加熱により受け部内に発生するエアロゾルにより照射光源の汚染が防止されるように構成、配置されている物品。
【請求項2】
喫煙材は透明窓に取り付けられることを特徴とする請求項1記載の物品。
【請求項3】
喫煙材は、少なくとも1つのクリップで透明窓に取り付けられることを特徴とする請求項2記載の物品。
【請求項4】
喫煙材は透明窓に取り外し自在に取り付けられることを特徴とする請求項2または3記載の物品。
【請求項5】
喫煙材は透明窓に接着されることを特徴とする請求項1記載の物品。
【請求項6】
照射光源を使用してエアロゾルを発生させる装置に使用するための物品であって、装置は使用の際に照射光源により発せられる光を受け、その中でエアロゾルを発生させる受け部を有し、物品は受け部内に収容されるように構成及び配置されており、
この物品は、喫煙材を保持するための保持器を含み、この保持器は、使用の際にこの保持器によって保持される喫煙材の少なくとも一部を覆うための少なくとも1つの透明壁または窓を有し、物品が受け部内に収容される際に当該透明壁または窓を通過して照射光が喫煙材に到達し、該受け部内にエアロゾルを発生させ、
保持器は、物品が照射光源を含む装置の受け部内に収容される際に当該保持器の透明壁または窓は照射光源と使用の際に保持器によって保持される喫煙材との間に配置されるように、構成及び配置されている物品。
【請求項7】
保持器は物品が使用される装置の照射光源の照射光に対して不透明な少なくとも1つの壁を有することを特徴とする請求項6記載の物品。
【請求項8】
保持器は、透明な壁が喫煙材の一方の側に配され、不透明な壁が喫煙材の反対側に配されるように喫煙材を収容するためのチェンバーを画定することを特徴とする請求項7記載の物品。
【請求項9】
チェンバーに取り外し可能に収容された喫煙材を含むことを特徴とする請求項8記載の物品。
【請求項10】
保持器の壁に固定された喫煙材を含むことを特徴とする請求項6乃至9いずれか1項記載の物品。
【請求項11】
エアロゾル発生装置と請求項6乃至10いずれか1項記載の物品との組み合わせであって、この装置は、
装置内に配置された照射光源と、
使用の際に照射光源によって発せられる光を操作するための少なくとも1つの光学部品とを含み、
装置は、本発明の物品を収容し、使用の際に照射光源によって発せられる光を受けるための受け部を有し、
装置は、本発明の物品が収容された際に照射光源によって使用時に発せられた光が保持器の透明壁を通過できるようにするおよび保持器の透明壁が、使用の際に照射光源によって発せられた光を使用して喫煙材を加熱することによって使用時に受け部内に発生するエアロゾルによって少なくとも1つの光学部品および照射光源が汚れないようにするためにその少なくとも1つの光学部品と使用時に保持器によって保持された喫煙材の間に配置されるように構成され、配置される組み合わせ。
【請求項12】
少なくとも1つの光学部品はレンズであることを特徴とする請求項11記載の組み合わせ。
【請求項13】
物品は受け部に取り外し可能に収容されることを特徴とする請求項11または12記載の組み合わせ。
【請求項14】
物品と喫煙材の両方は全体として受け部内に取り外し可能に収容されていることを特徴とする請求項9又は10に従属する請求項13記載の組み合わせ。
【請求項15】
装置は、物品が受け部に挿入されているまたは受け部から外されている間は照射光源が光を発しないように構成、配置された制御回路を含むことを特徴とする請求項13または14記載の組み合わせ。
【請求項16】
物品は受け部に固定され、喫煙材は物品のチェンバーに取り外し可能に収容されることを特徴とする請求項11記載の組み合わせ。
【請求項17】
装置は、喫煙材が物品のチェンバーに挿入されているまたはチェンバーから外されている間は照射光源が光を発しないように構成、配置された制御回路を含むことを特徴とする請求項16記載の組み合わせ。
【請求項18】
エアロゾル発生装置であって、この装置は、
装置内に配置された照射光源と、
使用の際に照射光源によって発せられる光を操作するための少なくとも1つの光学部品と、
喫煙材を収容し、照射光源によって使用の際に発せられる光を受けるための装置内の受け部と、
受け部と少なくとも1つの光学部品との間に配され、使用の際に照射光源によって発せられる光が受け部内に到達する際に通過し、使用の際に照射光源によって発せられた光を使用して喫煙材を加熱することによって使用時に発生するエアロゾルが少なくとも1つの光学部品および照射光源の少なくとも1つを汚さないように配置された透明窓とを含む装置。
【請求項19】
少なくとも1つの光学部品はレンズであることを特徴とする請求項18記載の装置。
【請求項20】
装置は少なくとも2つのサブハウジングを含み、これらサブハウジングは、受け部に触れられるように1つのハウジングをもう一方のハウジングに対してスライドすることによって開口可能に構成、配置されていることを特徴とする請求項18または19記載の装置。
【請求項21】
装置は、照射光源が、サブハウジングが開いている途中または開いて受け部を触れられるようにしている間、光を発しないように構成、配置された制御回路を含むことを特徴とする請求項20記載の装置。
【請求項22】
少なくとも1つの空気入り口と、少なくとも1つの空気流経路とを含み、これらは使用の際に空気が装置に入り、空気流経路を介し、喫煙材を収容する受け部を介しまたは亘って装置の出口へと少なくとも1つの照射光源およびその少なくとも1つの光学部材を通過しないで案内されるように構成、配置されていることを特徴とする請求項18乃至21いずれか1項記載の装置。
【請求項23】
受け部に収容される喫煙材を含み、喫煙材は、透明窓に固定され、喫煙材と透明窓は装置に取り外し可能に収容されることを特徴とする請求項18乃至22いずれか1項記載の装置。
【請求項24】
喫煙材は透明窓に取り外し自在に取り付けられることを特徴とする請求項23記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は2015年5月15日に出願された英国特許出願第1508405.6号に対する35U.S.C§119および37CFR§1.55に従って利益を主張するものであり、この特許出願の開示内容は、参照することによって本願に組み込まれるものとする。
【0002】
本発明は、エアロゾル発生装置およびエアロゾル発生装置に使用するための物品に関する。
【背景技術】
【0003】
紙巻きタバコ、シガーなどの物品は、使用時にタバコを燃やして煙を発生させる。燃焼させずに化合物を放出する製品を創ることによってこれら喫煙品に代わるものが提供されている。そのような製品の例として材料を燃やさずに加熱することによって化合物を放出するタバコ加熱製品またはタバコ加熱装置としても知られている所謂、非燃焼加熱製品が挙げられる。その材料は、例えばタバコまたは他の非タバコ製品またはブレンドミックスなどの組み合わせであってもよく、これはタバコを含んでも含まなくてもよい。またこれらに類似する電子タバコ装置と言われるものもあり、これは通常ニコチンを含むまたは含まない液体を気化させる。
【発明の概要】
【0004】
本発明の第1の態様では照射光源を使用してエアロゾルを発生させる装置に使用するための物品が提供され、この物品は、
喫煙材と光が通過できる透明窓との組み合わせを含み、
物品は、照射光源を含み、その照射光源を使用してエアロゾルを発生させるための装置に物品が収容された際に透明窓が喫煙材と装置の照射光源の間に位置するように構成、配置される。
【0005】
ある実施態様では喫煙材は透明窓に取り付けられる。
【0006】
ある実施態様では喫煙材は、少なくとも1つのクリップで透明窓に取り付けられる。
【0007】
ある実施態様では喫煙材は、透明窓に取り外し自在に取り付けられる。
【0008】
ある実施態様では喫煙材は、透明窓に接着される。
【0009】
本発明の第2の態様では照射光源を使用してエアロゾルを発生させるための装置に使用するための物品が提供され、この物品は、
喫煙材を保持するための保持器を含み、この保持器は、使用の際にこの保持器によって保持される喫煙材の少なくとも一部を覆うための少なくとも1つの透明壁を有し、これを通過して照射光が喫煙材に到達し、エアロゾルを発生させる。
【0010】
透明壁を有する保持器は、本発明の物品が使用される装置の照射光源を加熱された喫煙材が汚すことを妨げるまたは妨げるのに役立つ。
【0011】
ある実施態様では保持器は、本発明の物品が使用される装置の照射光源の照射光に対して不透明な少なくとも1つの壁を有する。これは本発明の物品が使用される装置の特定の部品を照射光源によって発せられる光からの保護に役立つ。
【0012】
ある実施態様では保持器は、透明な壁が上記喫煙材の一方の側に配され、不透明な壁が上記喫煙材の反対側に配されるように喫煙材を収容するためのチェンバーを画定する。この例ではユーザーは、喫煙材を取り外し、使用後必要に応じて未使用の喫煙材を挿入することができる。なお、使用の際に喫煙材は、喫煙材を完全に使い切ったときのみ取り外す前の複数回の喫煙サイクル時には装置にそのままの状態で残される。
【0013】
ある実施態様では物品は、保持器の壁に固定された喫煙材を含む。この例ではユーザーは、使用後に物品全体として廃棄し、必要に応じて未使用の喫煙材が入った新しい物品を使用することができる。これは新しくきれいな透明な壁が毎回使用されるという特定の利点を有する。
【0014】
エアロゾル発生装置と上述の物品との組み合わせを提供してもよく、この装置は、
装置内に配置された照射光源と、
使用の際に照射光源によって発せられる光を操作するための少なくとも1つの光学部品とを含み、
装置は、本発明の物品を収容し、使用の際に照射光源によって発せられる光を受けるための受け部を有し、
装置は、本発明の物品が収容された際に照射光源によって使用時に発せられた光が保持器の透明壁を通過できるようにするおよび保持器の透明壁が、使用の際に照射光源によって発せられた光を使用して喫煙材を加熱することによって使用時に発生するエアロゾルによって少なくとも1つの光学部品および照射光源が汚れないようにするためにその少なくとも1つの光学部品と使用時に保持器によって保持された喫煙材の間に配置されるように構成され、配置される。
【0015】
ある実施態様では少なくとも1つの光学部品は、レンズである。
【0016】
ある実施態様では物品は、受け部に取り外し可能に収容される。ある実施態様では喫煙材は、保持器の壁に固定される。
【0017】
ある実施態様では本発明の装置は、物品が受け部に挿入されるまたは受け部から外される間は照射光源が光を発しないように構成、配置された制御回路を含む。
【0018】
ある実施態様では本発明の物品は、受け部に固定され、喫煙材は、物品のチェンバーに取り外し可能に収容される。
【0019】
ある実施態様では本発明の装置は、喫煙材が物品のチェンバーに挿入されるまたはチェンバーから外される間は照射光源が光を発しないように構成、配置された制御回路を含む。
【0020】
本発明の第3の態様ではエアロゾル発生装置が提供され、この装置は、
装置内に配置された照射光源と、
使用の際に照射光源によって発せられる光を操作するための少なくとも1つの光学部品と、
喫煙材を収容し、照射光源によって使用の際に発せされる光を受けるための装置内の受け部と、
受け部と少なくとも1つの光学部品との間に配され、使用の際に照射光源によって発せられる光が受け部内に到達する際に通過し、使用の際に照射光源によって発せられた光を使用して喫煙材を加熱することによって使用時に発生するエアロゾルが少なくとも1つの光学部品および照射光源の少なくとも1つを汚さないように配置された透明窓とを含む。
【0021】
ある実施態様では少なくとも1つの光学部品はレンズである。
【0022】
ある実施態様では本発明の装置は少なくとも2つのサブハウジングを含み、これらサブハウジングは、受け部に触れられるように1つのハウジングをもう一方のハウジングに対してスライドすることによって開口可能に構成、配置されている。
【0023】
ある実施態様では本発明の装置は、照射光源がサブハウジングが開いている途中または開いて受け部を触れられるようにしている間、光を発しないように構成、配置された制御回路を含む。
【0024】
ある実施態様では本発明の装置は、少なくとも1つの空気入り口と、少なくとも1つの空気流経路とを含み、これらは使用の際に空気が装置に入り、空気流経路を介し、喫煙材を収容する受け部を介しまたは亘って装置の出口へと少なくとも1つの照射光源およびその少なくとも1つの光学部材を通過しないで案内されるように構成、配置されている。
【0025】
ある実施態様では本発明の装置は、受け部に収容される喫煙材を含み、喫煙材は、透明窓に固定され、喫煙材と透明窓は装置に取り外し可能に収容される。
【0026】
ある実施態様では喫煙材は、透明窓に取り外し自在に取り付けられる
【0027】
本発明のさらなる特徴および利点は、添付図面を参照して単に一例として挙げられる本発明の好ましい実施態様の以下の説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】喫煙材を加熱するように構成された装置の一例の長手方向断面を略式に示す。
【
図2】サブハウジングが引き抜かれている
図1の装置の長手方向断面を略式に示す。
【
図3】
図1および2の装置のレーザーダイオードハウジングの端面を示す。
【
図4】エアロゾル発生装置に使用するのに適した物品の一例の略式斜視図である。
【
図6】喫煙材を加熱するように構成された装置の別の例の長手方向断面を略式に示す。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本明細書中で使用する「喫煙材」なる用語は、加熱すると揮発成分を典型的にはエアロゾルの形体で供する材料を含む。「喫煙材」は、あらゆるタバコ含有材を含み、例えばタバコ、タバコ派生物、膨張タバコ、再生タバコまたはタバコ代替え品の1つ以上を含む。「喫煙材」は製品によってニコチンを含むまたは含まない他の非タバコ製品を含んでもよい。「喫煙材」は、例えば固体、液体、ゲルまたはワックスなどの形体であってもよい。「喫煙材」は、例えばまた材料の組み合わせまたはブレンドであってもよい。
【0030】
通常は喫煙材を燃やさずにまたは燃焼させずに喫煙材を加熱し、喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させて吸い込み可能なエアロゾルを形成する喫煙材が知られている。そのような装置は、「非燃焼加熱」装置または「タバコ加熱製品」または「タバコ加熱装置」またはそれに類似するものとして説明される場合がある。同様に典型的にはニコチンを含むまたは含まない液状の喫煙材を揮発させる電子タバコと呼ばれているものもある。喫煙材は、装置に挿入できるカートリッジまたはカセットなどの形体であってもよく、またはその一部として提供されてもよい。喫煙材を加熱し、揮発させるためのヒーターは、装置の「永久」部分として提供されてもよく、または使用後に廃棄され、交換される喫煙品または消耗品の一部として提供されてもよい。本文脈において「喫煙品」は、使用の際に加熱して揮発させる喫煙材および任意に他の成分を使用の際に含有または含む装置または物品または他の部品である。
【0031】
図1を参照すると、喫煙材を燃やさずに喫煙材を加熱してその喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させて、典型的には吸引可能なエアロゾルを形成するように構成された装置10の一例の長手方向断面を略式に示している。この例では装置10は、通常、断面が円形の長尺の円筒である。装置10は、開口部12があるマウスピース11を有する。
【0032】
装置10内には装置10に給電する電源20および装置の機能を調整する電気制御回路22が含まれる。電源20は、バッテリーであってもよく、これは充電可能なバッテリーまたは充電不可のバッテリーであってもよい。適したバッテリーの例としては、例えばリチウムイオンバッテリー、ニッケルバッテリー(ニッケル−カドミウムバッテリーなどの)、アルカリバッテリー等が挙げられる。これとは別に電源20としてあらゆる好適な化学または電気的エネルギー源、例えばコンデンサも使用可能である。また装置10内には装置10に含まれる喫煙材を使用時に照射するための照射光源30も含まれる。また装置10は、使用の際に照射光源によって発せられる光を操作するための少なくとも1つの光学部品30を含む。光を操作するためのその少なくとも1つの光学部品が、鏡、ビームスプリッター、コリメーターまたは光を操作できるあらゆる他の光学部品であってもよい。図示の例では照射光源30によって使用の際に発せられる光を操作するためのレンズ32も装置10内に含まれる。レンズ32による光の操作は、光を集中させるおよび/または光を導く/曲げるの内、1つ以上を含んでもよい。さらに装置10は、喫煙材50を収容し、使用の際に照射光源30によって発せられる光を受けるための受け部40を有する。
【0033】
照射光源30は、使用の際に受け部40に含まれる喫煙材50を加熱するために使用される光を発する。ここで言う「光」なる語は、通常広義に解釈されるべきであり、例えば赤外光、可視光および紫外光のいずれかを含む。光の適した波長は、150nm〜1mmの範囲の波長である。光は、レーザー光であってもよい。例えば、照射光源30は、光を発生させるレーザーダイオード36を含んでもよい。レーザーダイオード36は、レーザーマウント38に配置され、これに支持されてもよい。
【0034】
装置10は、使用の際に照射光源30によって発せられる光を使用して受け部内に収容または配置された喫煙材50を加熱する。照射光源30によって発せられる光は、喫煙材50に当たるようにレンズ32によって操作、即ち集中および/または案内される。光は喫煙材50によって吸収され、喫煙材50を加熱し、揮発させる。装置10は、レンズ32と受け部40の間に配された透明な壁または窓65をさらに含む。透明窓65は、光を通過させるが、喫煙材50を加熱することによって使用の際に製せられる物質がレンズ32および照射光源30の少なくとも1つ、好ましくは両方を汚さないようにするまたは汚さないようにすることを補助する。なお、透明窓65は、最小限、照射光源30によって発せられる光の波長に対して透明であればよく、当然のことながら喫煙材を加熱するために充分な光を通過させるのに充分に透明であればよく、他の波長に対して不透明または透明であってもよい。当然のことながら透明窓65は、単に保護機能を有する窓であり、レンズ32が行うレンズの機能を有するものではない。透明窓65は硬質または実質的に硬質であってもよい。透明窓65に適した材料は、例えば多くの異なる種類がこの用途に適しているガラスまたは同じく多くの異なる種類がこの用途に適しているプラスチック、例えば実質的に硬質な透明フィルム窓などが挙げられる。透明窓65は、例えば適したレベルの光を透過できるようにするための薄膜コーティングを有してもよい。例えば、非ブルームコーティングは、窓を通過する光の透過率を向上させる。別の例ではセルフクリーニングコーティングは、使用中に窓を通過する光の透過率を確実に一定にする。さらに別の例では透明窓65は、硬質でなくてもよく、例えば非硬質フィルムなどの形体であってもよい。
【0035】
喫煙材を装置内に挿入させ、装置から取り外すための種々の構成が可能である。例えば、装置10は装置内部に触れられるようにするスライドまたはヒンジ式ドア(図示せず)を有してもよい。別の例では装置10は、少なくとも2つのサブハウジングで形成されてもよく、
図1に示す具体例では2つのサブハウジングは、レーザーダイオードハウジング15であり、これはレンズ32、レーザーダイオード36およびレーザーマウント38および電源20と電気制御回路22を含むバッテリー/制御ハウジング16を含む。
図1に略式に示す具体例では、レーザーダイオードハウジング15とバッテリー/制御ハウジング16は、受け部40を触れられるように操作可能に構成されている。これは、例えば1つのサブハウジングがスライドしてもう一方のサブハウジングから離れるスライド装置を介したものであってもよく、または1つのサブハウジングを回して一方のサブハウジングから外すものであってもよい。使用前にユーザーは、サブハウジングを開けて、喫煙材50を受け部40に挿入してからサブハウジングを閉じることができる。同様に使用後はユーザーが使い切った喫煙材50を受け部40から取りはずことができる。その例が
図2に略式に示されており、これはバッテリー/制御ハウジング16がレーザーダイオードハウジング15から僅かに引き離され、喫煙材50を挿入し、取り外せるように受け部40に触れられる状態を示している。サブハウジング15、16は、サブハウジング15、16を閉じた際に確実にぴったりと嵌るようにサブハウジングの裂け目に亘ってシールされてもよい。そのようなシールは、例えばO字状リングの形体であってもよく、あるいは表面干渉を合わせることによるもの等であってもよい。
【0036】
装置10は、使用の際に装置10内に空気を入らせるための少なくとも1つの空気入り口オリフィス70を装置10の表面に有する。図示の例では装置10は、装置10の周囲で円周方向に喫煙材50の受け部40の近くに配置された8つの空気入り口オリフィス70を有する。装置10は、流入空気流路72をさらに有し、使用の際に入り込む空気が空気入り口オリフィス70から流入空気の流路72を介してそして受け部40を介してまたは亘って流れることができるようになっている。装置10は、流出空気流路74をさらに有し、これは受け部40を介してまたは亘って通過した空気がマウスピース11の方へと流れ、マウスピース11の開口部12を介して装置10から出られるように構成されている。
【0037】
図1に示す例では流入空気流路72は、それぞれ中空の流路の形体であり、それぞれの装置10の空気入り口オリフィス70から受け部40の方へと通じている。使用時、空気が空気入り口オリフィス70に入り、その後流入空気流路72を通ってから受け部40に入るまたはそれに亘って流れ、喫煙材50が加熱された際に製せられる揮発した材料を同伴する。揮発した材料を同伴する空気は、その後受け部40を介してまたは亘って流れた後、流出空気流路74内に流れる。透明な壁または窓65は、レーザーダイオードハウジング15の内部内および照射光源30およびレンズ32に亘って空気および揮発した材料流れないようにレーザーダイオードハウジング15に対して配置される。
図3に示すレーザーダイオードハウジング15の端面を見ると、この例では流出空気流路74は、レーザーダイオードハウジング15を通り、レーザーダイオードハウジング15の長手方向軸の周囲に配された弓状の流路の形体であり、4つの流出空気流路74がこの特定の例では設けられている。空気および同伴する揮発した物質がレーザーダイオード15の内部に流れないようにすることは、物質をレンズ32およびレーザーダイオード36から離し、従って、レンズ32およびレーザーダイオード36を汚染物質がなくきれいな状態に保ち、これは装置10および照射光源30および光学部品の寿命を確実に長くするために重要である。
【0038】
一例では該または各空気入り口オリフィス70は、バルブ76によって覆われている。バルブ76は、装置10が使用中の時、選択的に装置10内に空気を入らせることができる。一例ではバルブ76は、ユーザーがマウスピース11で吸引している時は開き、そうでない時は確実に空気が装置10に入れないようにする逆止めラバースリットバルブである。
【0039】
一部の例では喫煙材50は、そのままで個別の製品として装置10の受け部40内に挿入でき、受け部から取り外すことができる。他の例では、喫煙材50は、喫煙材50のためのキャリアーまたはマウントとして機能する別個の物品の一部として装置10の受け部40に挿入し、受け部から取り外すようにしてもよい。この場合、装置10は、喫煙材を有する別個の物品を収容する溝を画定するために互いに向き合った内部保持壁42を有する。
【0040】
図4および5を参照すると、照射光源を使用するエアロゾル発生装置に使用するのに特に適しており、喫煙材のキャリアーまたはマウントとして機能する物品60の一例の略式斜視図および長手方向断面図が示されている。装置は、
図1〜3を参照して上述したような装置10であってもよいが、他の構成の装置も可能である。
【0041】
図4および5に示すように物品60は、喫煙材を保持するための保持器62を有するまたは供する。保持器62は、物品60が使用される装置10の光源30の照射光に対して透過性である少なくとも1つの透明壁または窓65を有する。この少なくとも1つの透明壁65は、保持器62によって使用の際に保持される喫煙材50の少なくとも一部を覆うためのものである。透明壁65は、透明壁65を介して喫煙材50へと照射光を通過させる。透明な部分は、それ以外の部分は不透明の壁の小さな透明な窓であってもよく、またはこの例で示すように完全に透明な壁65であってもよい。なお、透明壁65は、最小限物品60が使用される装置10の照射光源30によって発せられる光の波長に対して透明であればよく、当然のことながら喫煙材を充分加熱するために光を通過させるのに充分透明であればよく、他の波長に対して不透明または透明であってもよい。透明壁または窓65に適した材料は、例えば多くの異なる種類がこの用途に適しているガラスまたは同じく多くの異なる種類がこの用途に適しているプラスチックなどが挙げられる。
【0042】
保持器62は、物品60が使用される装置10の光源30の照射光に対して不透明な少なくとも1つの壁66を有する。保持器62は喫煙材50を収容するためのチェンバー68を画定している。この例ではチェンバー68は、 喫煙材50の一方の側に配された透明壁65および喫煙材50の反対側に配された不透明な壁66によって少なくとも形成されている。チェンバー68の形状によっては他の壁があってもよい。側壁67および底壁69などの他の壁が存在する場合、それらもこの例では不透明である。なお、不透明な後壁66は、最小限照射光源30によって発せられる光の波長に対してのみ不透明である必要があり、他の波長に対して不透明または透明であってもよい。不透明な壁66に好適な材料は、例えば金属、特定のプラスチックなどが挙げられる。
【0043】
一部の例の不透明壁66、67、69は、物品60が使用される装置10の照射光源30からの光が使用時に物品60の後に位置する装置10の部材、例えば装置10の電源20および電気制御回路22を確実に通過しないようにする。チェンバー68は、開いており、1つの側(
図4の上側)に開口部を有し、喫煙材50が加熱されると発生する揮発物質がチェンバー68から逃げ、物品60が使用される装置10を流れる空気と同伴される。
【0044】
1つの例では喫煙材50は、チェンバー68に取り外し可能に収容され、ユーザーは、物品60を使用する前にチェンバー68内に喫煙材50を挿入することができ、物品60の使用後に使い切った喫煙材50をチェンバー68から取り除くことができる。別の例では喫煙材50は、保持器62の壁に接着剤またはいくつかの他の装置を使用して固定されてもよく、図示の例では喫煙材50は、保持器62の後壁66に固定されている。別の例では喫煙材50は、透明窓65に取り付けられる。一例では喫煙材50は、少なくとも1つのクリップによって透明窓65に取り付けられる。一例では喫煙材50は、例えば少なくとも1つのクリップを使用することによって透明窓65に取り外し可能に取り付けられる。例えば2つのそのようなクリップがあってもよい。該または各クリップは、例えば透明窓65の一部または別個の製品であってもよい。さらに別の例では喫煙材50は、例えば好適な糊を使用して透明窓に接着してもよい。この例では喫煙材50は、永久的に窓に固定される。またこの例では使用後、ユーザーは、物品60と使い切った喫煙材の両方を全体として装置10から取り除き、それらを新鮮な喫煙材50が入った新しい物品60と交換してもよい。喫煙材50を使い切った後物品全体を交換することの利点は、新しい物品60の透明壁65がきれいになるということである。キレイな透明壁65は、揮発した喫煙材が何度も流れた後の壁と比較して光の透過率を上げることになる。透過率を上げることで装置10の効率が改善され、従って少ない電力でエアロゾルを発生させる。これは装置10が特定の電源を使用して長く作動でき、使用時に少ない充電ですむことを意味する。喫煙材が使い切られる度に新しい物品60を挿入することはまたユーザーが喫煙材50に簡単に接触することを避けることになる。
【0045】
図6を参照すると、喫煙材150を加熱してその喫煙材150の少なくとも1つの成分を揮発させて、典型的には喫煙材150を燃やさずに吸引できるエアロゾルを形成するように構成された別の例の装置110の長手方向断面を略式に示している。
図6の装置110は、
図1〜3を参照して上述した装置10の例に殆ど類似しており、対応する部品には同じ参照番号に100を加えて示している。同じまたは対応する部品の詳細な説明は、簡潔にするためにここではせず、当然のことながら上述の説明がこの例にも適用可能である。それでも説明すると、
図6の装置110は、一端に開口部112を有するマウスピース111、電源120、電気制御回路122、照射光源130、レンズ13とを有する。この例では照射光源130は、レーザー光を発生させるためのレーザーダイオード136(状況次第で上述のように非レーザー光を発生させる他の光源も使用してもよいが)を含む。レーザーダイオード136は、レーザーマウント138に配置され、支持されている。装置100は、ここでも上述したように喫煙材150を別個の製品としてまたは喫煙材150のキャリアーまたはマウントとしての役割を果たす別個の物品の一部として収容するための受け部140を有する。透明な壁または窓165は、喫煙材150をレーザーダイオード136およびレンズ132から隔てる。透明な壁または窓165は、装置110に固定してもよく、または喫煙材150のキャリアーまたはマウントとしての役割を果たし、全体が装置110に挿入でき、装置110から取り外せる別個の物品の一部であってもよい。
【0046】
図6の装置では、電源120と電気制御回路122は、 ほぼ装置110の近傍または吸い口端の方にあり、照射光源130は、それとは反対の遠位端の方にある。空気入り口オリフィス170が装置110の遠位端に設けられている。複数の空気入り口オリフィス170を設けてもよい。空気入り口オリフィス170に入り込む空気は、受け部140を介してまたは亘って流れ、喫煙材150が加熱されると発生する揮発した材料を同伴する。揮発した材料を同伴する空気は、それから受け部140を介してまたは亘って流れた後、1つ以上の流出空気流路174内に流れる。流出空気流路174は、空気流を装置110の長さに沿ってマウスピース111の方に案内する。特に
図3を参照して上述したレーザーダイオードハウジング15の例と同様に装置110のこの例では流出空気流路174は、レーザーダイオードハウジング115およびバッテリー/制御ハウジング116を通る弓状流路の形体であってもよい。
図1〜3に示した例より装置110のこの例の比較的長い空気流経路は、空気流を装置110から出る前に冷却することが可能になる。
【0047】
ここで説明した種々の実施態様は、特許請求された特徴の理解と教示の単なる補助に提供されている。これらの実施態様は単なる代表的な具体例であり、包括的でも排他的でもない。当然だが、本開示の利点、実施形態、具体例、機能、特徴、構造、および/または他の側面は本開示を特許請求の範囲に規定されたとおりに限定するあるいは特許請求の範囲の均等物に限定すると考えるべきではなく、本開示の範囲および/または思想から乖離することなく他の実施形態を利用しても改変してもよいと考えるべきである。種々の実施形態は、開示された構成要素、成分、特徴、部品、工程、手段他の組合せを適切に備えても、これらで構成されても、基本的にこれらで構成されてもよい。また本開示は、現在は特許請求されていないが将来特許請求される可能性がある他の発明を含む。