特許第6574496号(P6574496)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6574496
(24)【登録日】2019年8月23日
(45)【発行日】2019年9月11日
(54)【発明の名称】高波浪対応消波ブロック
(51)【国際特許分類】
   E02B 3/14 20060101AFI20190902BHJP
【FI】
   E02B3/14 303
【請求項の数】9
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-566681(P2017-566681)
(86)(22)【出願日】2015年7月13日
(65)【公表番号】特表2018-519443(P2018-519443A)
(43)【公表日】2018年7月19日
(86)【国際出願番号】KR2015007231
(87)【国際公開番号】WO2017010580
(87)【国際公開日】20170119
【審査請求日】2018年1月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】513107735
【氏名又は名称】コリア インスティチュート オブ オーシャン サイエンス アンド テクノロジー
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パク、ヨン ヒョン
(72)【発明者】
【氏名】オ、ヨン ミン
(72)【発明者】
【氏名】ウォン、トク ヒ
【審査官】 湯本 照基
(56)【参考文献】
【文献】 特表2006−503200(JP,A)
【文献】 実開昭49−061304(JP,U)
【文献】 特公昭51−032892(JP,B1)
【文献】 特公昭33−010085(JP,B1)
【文献】 実開昭49−036724(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0214075(US,A1)
【文献】 特開平07−247526(JP,A)
【文献】 実公昭40−001636(JP,Y1)
【文献】 実公昭46−014845(JP,Y1)
【文献】 米国特許第03210944(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0132057(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02B 3/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
防波堤や沿岸構造物に設置されて波浪を砕波する消波ブロックにおいて、多角柱からなるブロック本体と、
前記ブロック本体を構成するそれぞれの垂直面にそれぞれ突出形成され、前記ブロック本体の中央に行くほど突出幅が大きくなる複数のエンタシス形状突起と、および、
前記エンタシス形状突起のそれぞれに対して突出した方向に沿って延長形成され、前記ブロック本体を中心に放射状の脚をなし、他の消波ブロックの脚とインターロッキングされる複数の放射脚と、
前記放射脚の端部にくさび形でそれぞれ突出形成され、前記エンタシス形状突起と同じ方向の傾斜で突出するウェッジ部と、を含み、
前記ブロック本体は、正多角形の柱で形成され、前記正多角形をなす一辺の長さは、前記放射脚の幅および高さと同一であり、
前記放射脚の長さは、前記ブロック本体の前記正多角形をなす一辺の長さおよび前記エンタシス形状突起の突出長さの和よりも短く形成される、ことを特徴とする、消波ブロック。
【請求項2】
前記エンタシス形状突起は、
前記ブロック本体の中央から最大幅で突出され、前記放射脚の延長部をなす脚延長部と、および、
前記脚延長部の両端部と前記ブロック本体の両端部をそれぞれ平面や曲面の傾斜で連結するハンチ部と、を含むことを特徴とする、請求項1に記載の消波ブロック。
【請求項3】
前記消波ブロックは、
前記エンタシス形状突起のうち互いに隣接するエンタシス形状突起の前記脚延長部を連結する形態で突出形成され、前記放射脚の前記エンタシス形状突起側の端部を傾斜面の形態で連結し、前記ブロック本体の断面積を円周方向に拡張させる脚ハンチ部と、をさらに含むことを特徴とする、請求項2に記載の消波ブロック。
【請求項4】
前記消波ブロックは、
前記脚ハンチ部の両端部を、前記ブロック本体の両端部とそれぞれの平面や曲面の傾斜で連結し、前記脚ハンチ部とともに前記エンタシス形状突起の形態の断面をなす追加ハンチ部と、をさらに含むことを特徴とする、請求項3に記載の消波ブロック。
【請求項5】
前記エンタシス形状突起の最大突出長さは、
前記ブロック本体の前記正多角形をなす一辺の長さよりも短く形成されることを特徴とする、請求項に記載の消波ブロック。
【請求項6】
防波堤や沿岸構造物に設置されて波浪を砕波する消波ブロックにおいて、多角柱からなるブロック本体と、
前記ブロック本体を構成するそれぞれの垂直面にそれぞれ突出形成され、前記ブロック本体の中央に行くほど突出幅が大きくなる複数のエンタシス形状突起と、および、
前記エンタシス形状突起のそれぞれに対して突出した方向に沿って延長形成され、前記ブロック本体を中心に放射状の脚をなし、他の消波ブロックの脚とインターロッキングされる複数の放射脚と、
前記放射脚の端部にくさび形でそれぞれ突出形成され、前記エンタシス形状突起と同じ方向の傾斜で突出するウェッジ部と、を含み、
前記エンタシス形状突起は、前記ブロック本体の中央から最大幅で突出され、前記放射脚の延長部をなす脚延長部と、および、前記脚延長部の両端部と前記ブロック本体の上端部および下端部をそれぞれ平面や曲面の傾斜で連結するハンチ部と、を含む、ことを特徴とする消波ブロック。
【請求項7】
前記ブロック本体は、正多角形の柱で形成され、
前記正多角形をなす一辺の長さは、前記放射脚の幅および高さと同一であることを特徴とする、請求項に記載の消波ブロック。
【請求項8】
前記放射脚の長さは、
前記ブロック本体の前記正多角形をなす一辺の長さおよび前記エンタシス形状突起の突出長さの和よりも短く形成されることを特徴とする、請求項に記載の消波ブロック。
【請求項9】
前記エンタシス形状突起の最大突出長さは、
前記ブロック本体の前記正多角形をなす一辺の長さよりも短く形成されることを特徴とする、請求項に記載の消波ブロック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、消波ブロックに関し、より詳細には、外海から海岸に入射する波浪から沿岸を保護する防波堤に設置されて入射波浪の波高および防波堤から発生する反射波を低減させる高波浪対応型消波ブロックに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、消波ブロックは防波堤、護岸など港湾構造物に設置されて海上で大波浪の来襲時に波浪を砕波して、波の勢力を減少させ、かつ、設置された消波ブロックの間の空隙に波浪を透過して構造物にぶつかって反射される波および波のはい上がりを少なくすることで防波堤、護岸など港湾構造物の破損防止と内海側に波が越えることを防ぐ機能がある。
【0003】
このような通常の消波ブロックは、設置された消波ブロックの間の空隙が多く確保されてこそ一時に大量の波浪を減衰させるのに有利なので、大部分設置が容易でありながら空隙が多いように多数の柱または脚を有する様々な形態で製作して設置することにより、多数の柱や脚によって波浪を砕波しながら、他の消波ブロックとの空隙の中で、波浪が再び放射されないように弱化させる。
【0004】
したがって、可能な消波ブロックの表面に波浪の接触面が多くあってこそ波浪が接する面積が多くなり、抵抗を受けて細かく砕かれ、波の勢いを急激に弱化させて反射波および波のはい上がりと波越えを防ぐなどの消波効果が大きくなる。
【0005】
しかし、従来の消波ブロックは正方形の角形状を突出する円柱で構成され、柱の表面が円形断面を有するため、表面にぶつかった波浪があまり抵抗を受けずに跳ね上がったり、柱の正面から少しだけ横にはずれてそのまま滑って出ていくことによって波浪がスムーズに粉砕されない問題がある。
また、従来の消波ブロックは、最近の急激な気候変化により頻繁に発生する10m以上の高波浪に対応しにくく、このような高波浪の衝撃によって柱の一部が折れたり、構造物自体が破損する問題がある。
【0006】
一方、先行技術の消波ブロックとして特許文献1に提案された消波ブロックがある。
先行技術の消波ブロックは、図1に示すように、中心体110と、複数が中心体から放射状に延長形成され、中心体と一体をなす第1連結部120と、第1連結部の端部に形成される第1ブロック135と、中心体から上下、左右、前後に延長形成されて中心体と一体をなす第2連結部140と、第2連結部の端部に形成される第2ブロック155とから構成される。
【0007】
ところで、先行技術の消波ブロックは、中心体から延長された連結部120、140およびブロック135、155が略六面体をなすため、他の消波ブロックと自然に結束することができず、他の締結部材を介して連結しなければならないという限界点がある。
【0008】
また一方で、他の先行技術として特許文献2に提案された多角形消波ブロックがある。
【0009】
先行技術は、連結柱と、連結柱の両側に3方向の下部支持脚が構成されて全体的に六角をなす構成である。
【0010】
このような先行技術は、脚が円柱状に形成されて波浪を粉砕するには不足であり、それぞれの脚に突起部が形成されて製作が面倒な問題がある。
【0011】
また、先行技術の消波ブロックは、それぞれの脚の連結部分が補強される構成が欠如していて、脚が破損に対して脆弱な問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】大韓民国登録特許第10−1399812号公報
【特許文献2】大韓民国登録特許第10−1214463号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、前記のような従来技術の問題点を改善するために創出され、その目的は、ブロック本体の外周面に沿ってエンタシス形状構造で突出するエンタシス形状突起部のそれぞれに脚を放射状に延長形成することにより、安定性が改善され、高入射波浪の対応に適合するとともに、消波ブロック間や周辺の海岸構造物との結束力が向上され、結束された消波ブロックとの空隙を形成することができる消波ブロックを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記のような目的を達成するための本発明に係る消波ブロックは、防波堤や沿岸構造物に設置されて波浪を砕波する消波ブロックにおいて、多角柱からなるブロック本体と、前記ブロック本体を構成するそれぞれの垂直面にそれぞれ突出形成され、前記ブロック本体の中央に行くほど突出幅が大きくなる複数のエンタシス形状突起と、および前記エンタシス形状突起のそれぞれに対して突出した方向に沿って延長形成されて前記ブロック本体を中心に放射状の脚をなし、他の消波ブロックの脚とインターロッキングされる複数の放射脚とを含んで構成することができる。
【0015】
例えば、前記エンタシス形状突起は、前記ブロック本体の中央から最大幅で突出され、前記放射脚の延長部をなす脚延長部と、および前記脚延長部の両端部と前記ブロック本体の両端部をそれぞれ平面や曲面の傾斜で連結するハンチ部とを含んで構成することができる。
【0016】
また、本発明は、前記エンタシス形状突起のうち互いに隣接するエンタシス形状突起の前記脚延長部を連結する形で突出形成され、前記放射脚の前記エンタシス形状突起側の端部を傾斜面の形態で連結し、前記ブロック本体の断面積を円周方向に拡張させる脚ハンチ部とをさらに含んで構成することができる。
【0017】
さらに、本発明は、前記脚ハンチ部の両端部を、前記ブロック本体の両端部とそれぞれ平面や曲面の傾斜で連結し、前記脚ハンチ部とともに前記エンタシス形状突起形態の断面をなす追加ハンチ部とをさらに含んで構成することができる。
【0018】
そして、本発明は、前記放射脚の端部にくさび形で、それぞれ突出形成され、前記エンタシス形状突起と同じ方向の傾斜で突出するウェッジ部とをさらに含んで構成することができる。
【0019】
また、前記ブロック本体は、正多角形の柱で形成され、前記正多角形をなす一辺の長さは、前記放射脚の幅および高さと同一に形成することができる。
【0020】
また、前記放射脚の長さは、前記ブロック本体の前記正多角形をなす一辺の長さおよび前記エンタシス形状突起の突出長さの和よりも短く形成することができる。
【0021】
また、前記エンタシス形状突起の最大突出長さは、前記ブロック本体の前記正多角形をなす一辺の長さよりも短く形成することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係る消波ブロックによれば、多角柱をなすブロック本体のそれぞれの垂直面にエンタシス形状突起が突出形成され、それぞれのエンタシス形状突起に放射脚が延長形成されることにより放射脚の連結部位がエンタシス形状突起によって補強されるため、剛性が向上し、高入射波浪にも容易に破損されず、放射脚が破損される場合にも、エンタシス形状突起が突出した状態で残存するので、構造的な安定性を維持することができる。
【0023】
具体的には、本発明は、エンタシス形状突起の最大突出部をなす脚延長部にそれぞれの放射脚が延長形成され、脚延長部の両端部に傾斜面をなすハンチ部が形成されることによって放射脚が直角ではなく、傾斜状に連結されるため、断面積が拡張され、放射脚に加わる力とモーメントに対する抵抗力が向上されうる。
【0024】
また、本発明は、放射脚の端部にウェッジ部が形成されて周辺の他の消波ブロックとの空間に容易に食い込むことができるため、消波ブロックと容易にインターロッキングされ強固に結束することができる。
【0025】
また、本発明は、ブロック本体が正多角形の柱で構成されることにより放射脚がブロック本体の垂直面の数量に応じて、それぞれ対応しながら形成されるので現場の状況に応じて放射脚の数量を異なるように製作することができる。
【0026】
また、本発明は、放射脚の幅および高さがブロック本体の一辺の長さと同一に形成されるので、設計および製作が容易である。
【0027】
また、本発明は、放射脚の長さがブロック本体およびエンタシス形状突起の突出長さの和よりも短く形成されることによって放射脚が容易に破損されず、放射脚がすべて切断された場合でも、ブロック本体およびエンタシス形状突起の重量を通じて安定性を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】先行技術による消波ブロックを示す斜視図である。
図2】本発明による消波ブロックを示す斜視図である。
図3図2に示された放射脚を切開した状態を示す切開斜視図である。
図4】本発明による消波ブロックを示す縦断面図である。
図5】本発明のエンタシス形状突起に脚ハンチ部が追加された状態を示す斜視図である。
図6図5に示された脚ハンチ部の両端部に追加ハンチ部が追加された状態を示す斜視図である。
図7】本発明の他の実施形態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下で添付図面を参照して、本発明の実施形態について、さらに詳細に説明する。本発明を説明するにあたって、関連する公知の汎用的な機能または構成に関する詳細な説明は省略する。
【0030】
本発明の概念による実施形態は、様々な変更を加えることができ、様々な形態を有することができるため、特定の実施形態を図面に例示し、本明細書または出願に詳細に説明する。しかしながら、これは本発明の概念による実施形態を特定の開示形態について限定しようとするものではなく、本発明の思想および技術範囲に含まれるすべての変更、均等物ないし代替物を含むものと理解されるべきである。
【0031】
ある構成要素が他の構成要素に「連結されて」いる、「接続されて」いると言及されたときは、その他の構成要素に直接連結または接続されていることもあるが、中間に他の構成要素が存在することもあると理解されるべきある。一方、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結されて」いる、「直接接続されて」いると言及されたときは、中間に他の構成要素が存在しないと理解されるべきである。構成要素間の関係を説明する他の表現、つまり「〜の間に」と「すぐ〜の間に」または「〜に隣接する」と「〜に直接隣接する」なども同様に解釈されるべきである。
【0032】
本明細書で使用される用語は、単に特定の実施形態を説明するために使用されたものであり、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は、文脈上明らかに異なる意味でない限り、複数の表現を含む。本明細書で、「含む」または「有する」などの用語は、説示された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部分品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするのであって、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部分品またはこれらを組み合わせたものの存在または付加可能性を予め排除しないものと理解されるべきである。
【0033】
本発明に係る消波ブロックは、他の消波ブロックとインターロッキングされて防波堤の外海側に設置されて海岸に入射する波浪を破砕して低減させるものであり、図2に示されたように、ブロック本体100、複数のエンタシス形状突起200および複数の放射脚300を含んで構成することができる。
【0034】
ブロック本体100は、消波ブロックの中心をなす部分である。
【0035】
このようなブロック本体100は、コンクリート構造物からなり多角の柱により形成されて重量を提供する。
【0036】
ここで、ブロック本体100は、図3および図4に示すように、正方形の柱、すなわち直方体状に形成されて周囲に沿って4つの垂直面を提供することができ、図7に示すように、正六角形の柱に形成されて周囲に沿って6つの垂直面を提供することができる。
【0037】
もちろん、ブロック本体100は、図示されたものと異なり、三角柱や五角柱または六角以上の柱により構成されてもよい。
【0038】
エンタシス形状突起200は、ブロック本体100の周囲に沿って突出形成され、後述される放射脚300の延長部位を提供し、ブロック本体100と放射脚300の連結部位を補強する構成要素である。
【0039】
このようなエンタシス形状突起200は、ブロック本体100を構成する垂直面のそれぞれにエンタシス形状構造をなして突出形成される。
つまり、エンタシス形状突起200は、ブロック本体100を構成する垂直面に長さ方向に沿って突出形成され、ブロック本体100の中央部に行くほど突出幅が大きくなる構造を有する。
【0040】
したがって、エンタシス形状突起200は、放射脚300の連結部位を補強する機能をするとともに、放射脚300が破損された場合でも、ブロック本体100の周囲に沿って突出した状態で残りながら安定性を維持する。
【0041】
より具体的には、エンタシス形状突起200は、図3に示すように、脚延長部210およびハンチ部220を含んで構成することができる。
脚延長部210は、ブロック本体100のそれぞれの垂直面中央部に最大突出長さをなして、後述される放射脚300の延長部位を提供する。
【0042】
ここで、脚延長部210によるエンタシス形状突起200の突出長さ(L3)は、図4に示されたように、ブロック本体100の正多角をなす一辺の長さ(L2)より短く突出されてもよい。
【0043】
ハンチ部220は、脚延長部210の両端部、すなわち、図面上の上端部および下端部とブロック本体100の上端部および下端部をそれぞれ傾斜により連結する形で突出される。
【0044】
このようなハンチ部220は、図3および図4に示すように、平面の傾斜面をなして形成することができ、図示されたものと異なり、凸曲面または凹曲面をなして脚延長部210の両端部に形成することもできる。
【0045】
放射脚300は、前述したエンタシス形状突起200のそれぞれに延長形成されてブロック本体100を中心に放射状の脚をなして、他の消波ブロックの脚とインターロッキングされて結束力を提供する構成要素である。
【0046】
このような放射脚300は、図3に示すように、エンタシス形状突起200を構成する脚延長部210に突出方向に沿って突出する。
【0047】
ここで、放射脚300は、図7に示すように、ブロック本体100が六角柱により形成された場合には、6つの垂直面にそれぞれ延長され、6つの数量をなす。
【0048】
一方、放射脚300は、図3に示すように、ブロック本体100の正多角形をなす一辺の長さと同じ幅および高さを有する直方体状をなして延長形成することができる。
【0049】
また、放射脚300の長さ(L1)は、図4に示すように、ブロック本体100の正多角形をなす一辺の長さ(L2)およびエンタシス形状突起200の突出長さ(L3)の和よりも短く形成することができる。
【0050】
これにより、放射脚300は、ブロック本体100との連結部位がエンタシス形状突起200によって補強された形態で延長形成されるため、剛性が補強され、高入射波浪によっても容易に破損されない。
【0051】
また、放射脚300が破損される場合にも、ブロック本体100およびエンタシス形状突起200が残りながら重量を提供するため、安定性を維持することができ、エンタシス形状突起200が突出した状態で残ることにより、他の消波ブロックとの結束力も維持させることができる。
【0052】
一方、放射脚300は、図示されたものと異なり、円柱形や六角柱または八角柱の形態で延長形成することもできる。
【0053】
また、放射脚300は、図3および図4に示すように、端部にくさび形をなすウェッジ部350が形成されてもよい。
【0054】
ウェッジ部350は、図示したように、前述したエンタシス形状突起200のハンチ部220の傾斜方向と同じ方向の傾斜をなして放射脚300の末端部に形成される。
【0055】
これにより、放射脚300は、ウェッジ部350を介して他の消波ブロックとの空間に容易に食い込んでインターロッキングされて結束することができる。
【0056】
また、本発明の消波ブロックは、図5に示すように、脚ハンチ部400をさらに含んで構成することができる。
【0057】
脚ハンチ部400は、前述したエンタシス形状突起200のうち、互いに隣接するエンタシス形状突起200の脚延長部210を連結する形態で突出形成される。
【0058】
すなわち、脚ハンチ部400は、隣接する放射脚300のエンタシス形状突起200側の端部を傾斜面の形態で連結し、ブロック本体100の断面積を円周方向に拡張させることで放射脚300の連結部位を補強する。
【0059】
これにより、放射脚300は、ブロック本体100との連結部位が縦方向にハンチ部220によって補強されるとともに、横方向に脚ハンチ部400によって補強されるため、入射波浪に対する構造安定性がさらに大きくなりうる。
【0060】
また、本発明の消波ブロックは、図6に示すように、追加ハンチ部450をさらに含んで構成することができる。
【0061】
追加ハンチ部450は、前述した脚ハンチ部400とともにエンタシス形状突起200構造の断面を形成するものであり、脚ハンチ部400の両端部、すなわち上端部および下端部にブロック本体100の上端部、下端部をそれぞれ傾斜面の形態で連結するように突出形成される。
【0062】
すなわち、追加ハンチ部450は、脚ハンチ部400とともに、互いに隣接するエンタシス形状突起200の間に突出形成されて放射脚300の連結部位を補強する。
【0063】
前記のような構成要素を含む本発明の消波ブロックは、入射波浪を砕波し、波の力を減少させることができるように防波堤や沿岸構造物の長さ方向に沿って設置される。
【0064】
このとき、本発明の消波ブロックは、放射脚300の端部に形成されたウェッジ350を介して他の消波ブロックの空間に食い込んでインターロッキングされて結束された状態で設置される。
【0065】
また、本発明の消波ブロックは、多角からなるエンタシス形状突起200の表面や放射脚300の表面により入射波浪と接触して波浪を砕波し、他の消波ブロックとの空隙により波浪の反射波を砕波する。
【0066】
このとき、放射脚200は、連結部位がエンタシス形状突起200のハンチ部220によって補強されることにより波浪によって破損されることなく結束力を維持しながら、波浪を砕波する。
【0067】
以上のように、本発明に係る消波ブロックは、多角柱をなすブロック本体100のそれぞれの垂直面にエンタシス形状突起200が突出形成され、それぞれのエンタシス形状突起200に放射脚300が延長形成されることにより放射脚300の連結部位がエンタシス形状突起200によって補強されるため、強度が向上され、高入射波浪にも容易に破損されず、放射脚300が破損される場合でも、エンタシス形状突起200が突出した状態でブロック本体100に残存するので、構造的な安定性を維持することができる。
【0068】
以上で、本発明の具体的な実施形態を説明したが、これらはただ説明の目的のためのものであり、本発明の保護範囲を制限しようとするものではない。本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で様々な置換、変形および変更が可能であることは、本発明が属する技術分野の通常の知識を有する者に自明なことである。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明の消波ブロックは放射脚の連結部位がエンタシス形状突起によって補強されて剛性および安定性が向上されるため、防波堤や護岸構造物またはこれと類似の分野に適用されて使用することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7