(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
所定の長さの多角柱状または円柱状の中心軸と、当該中心軸の軸方向に流れる水を受けるとき当該中心軸を回転させる羽根と、当該中心軸の一方の端部から当該中心軸と同軸になるように延びる第1の回転軸と、当該中心軸の他方の端部から当該中心軸と同軸となるように延びる第2の回転軸とを有する羽根車と、
前記第1の回転軸を回転自在に保持する第1の支柱と、
前記第2の回転軸を回転自在に保持する第2の支柱と、
水の流れに対して前記羽根車より上流側に配置されており、複数のU字状の部材が凸側を上流側に向けて水の流れと略垂直な方向において等間隔に配置されたガードと、
円形の外周に多数の突起を有する円盤状の複数の排除盤と、当該各排除盤の主面の中心部を貫通する第3の回転軸とを有し、当該各排除盤が前記ガードと前記羽根車の間に配置されており、当該第3の回転軸が回転するとき、前記各排除盤が前記ガードにおける隣り合ったU字状の部材の間から前記外周の一部を上流側に突き出しながら回転する排除装置と、
前記羽根車と前記ガードと前記排除装置に含まれる全ての排除盤との上に位置し、前記第1の支柱の上端と前記第2の支柱の上端とが底部に固定されており、発電機を内部に格納するケースと、
前記第1の回転軸または前記第2の回転軸の回転を前記ケース内の発電機の回転子と前記第3の回転軸に伝達し、前記発電機に発電させるとともに前記排除装置に含まれる各排除盤を回転させる回転伝達部と、
を備えることを特徴とする水力発電装置。
前記排除装置として、水の流れよって運ばれてくる漂流物を前記U字状の部材の一方の端部に向けて流す方向に前記各排除盤が回転する第1の排除装置と、当該第1の排除装置と回転の向きが逆であって、当該漂流物を前記U字状の部材の他方の端部に向けて流す方向に前記各排除盤が回転する第2の排除装置とを備えることを特徴とする請求項1に記載の水力発電装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、川では、上流より流木等の様々な漂流物が流れてくる。これらの漂流物が羽根車に衝突すると、羽根車が破損するおそれがある。
本発明の目的は、流木等の漂流物から羽根車を保護することができる水力発電装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明の水力発電装置は、
所定の長さの多角柱状または円柱状の中心軸と、当該中心軸の軸方向に流れる水を受けるとき当該中心軸を回転させる羽根と、当該中心軸の一方の端部から当該中心軸と同軸になるように延びる第1の回転軸と、当該中心軸の他方の端部から当該中心軸と同軸となるように延びる第2の回転軸とを有する羽根車と、
前記第1の回転軸を回転自在に保持する第1の支柱と、
前記第2の回転軸を回転自在に保持する第2の支柱と、
水の流れに対して前記羽根車より上流側に配置されており、複数のU字状の部材が凸側を上流側に向けて水の流れと略垂直な方向において等間隔に配置されたガードと、
円形の外周に多数の突起を有する円盤状の複数の排除盤と、当該各排除盤の主面の中心部を貫通する第3の回転軸とを有し、当該各排除盤が前記ガードと前記羽根車の間に配置されており、当該第3の回転軸が回転するとき、前記各排除盤が前記ガードにおける隣り合ったU字状の部材の間から前記外周の一部を上流側に突き出しながら回転する排除装置と、
前記羽根車と前記ガードと前記排除装置に含まれる全ての排除盤との上に位置し、前記第1の支柱の上端と前記第2の支柱の上端とが底部に固定されており、発電機を内部に格納するケースと、
前記第1の回転軸または前記第2の回転軸の回転を前記ケース内の発電機の回転子と前記第3の回転軸に伝達し、前記発電機に発電させるとともに前記排除装置に含まれる各排除盤を回転させる回転伝達部と、
を備えることを特徴とする。
【0006】
好ましくは、本発明の水力発電装置は、
前記排除装置として、水の流れよって運ばれてくる漂流物を前記U字状の部材の一方の端部に向けて流す方向に前記各排除盤が回転する第1の排除装置と、当該第1の排除装置と回転の向きが逆であって、当該漂流物を前記U字状の部材の他方の端部に向けて流す方向に前記各排除盤が回転する第2の排除装置とを備えることを特徴とする。
【0007】
好ましくは、本発明の水力発電装置は、
前記中心軸が多角柱状であり、
前記羽根が、主面が前記中心軸の側面に固定された平板である第1の側部と、当該第1の側部に対して垂直であって前記中心軸の軸方向と所定の角度をなす平板である主部と、当該主部と直角よりも大きな所定の角度をなす平板である第2の側部とを有し、前記第1の側部と当該第2の側部の間隔が水の流れの上流側から下流側に向けて徐々に狭くなる、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、流木等の漂流物から羽根車を保護することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態に係る水力発電装置について詳細に説明する。なお、実施形態を説明する全図において共通の構成要素には同一の符号を付し、繰り返しの説明を省略する。
【0011】
図1〜
図3は、本発明の第1の実施形態に係る水力発電装置1の構造の一例を示す。
図1は一部破断正面図であり、
図2は一部破断平面図であり、
図3は一部破断側面図である。
図4は、発電装置100と排除装置400とケース450の構造の一例を示す。
図5は、架台500とガード550の構造の一例を示す。
水力発電装置1は、発電装置100と、排除装置400と、ケース450と、架台500と、ガード550とを有する。なお、本実施形態では、水力発電装置1が、2台の発電装置200(発電装置200Aと発電装置200B)および2台の排除装置400(排除装置400Aと排除装置400B)とを有する例を示す。
ケース450は、上面が開放された籠状の直方体であって、四角形の底面とその底面から上方に立設する四つの側面とで構成される。
図4に示すように、発電装置100と排除装置400は、ケース450に取り付けられる。発電装置100と排除装置400の構成部分のうち、水に濡れるのが望ましくない部分はケース450の内部に配置される。
【0012】
図5に示すように、架台500は、直方体状のフレーム510と、脚となる4本のジャッキ520とで構成される。ケース450は、フレーム510の上に設置される。
フレーム510の上面511、底面512、左側面513、および右側面514は、方形状の断面を有する部材が連結されて構成されており、頑丈な構造を有する。フレーム510の前面と背面は空いている。平板の軸受板530が底面512の前面側(川の上流側)に固定されている。軸受板530には、排除装置400の下端が取り付けられる。4つのジャッキ520がフレーム510の4隅に取り付けられている。
フレーム510は、
図2と
図3に矢印で示すように、水が前面から背面に向けて流れるように川底600等に設置される。ジャッキ520の接地部522は川底600等に接する。フレーム510は、上部に設けられた手動ハンドル521を操作することにより、水平及び水位に対する高さを調整することができる。接地部522は、鍔(つば)と杭(くい)とを併用したタイプであるが、鍔のみのタイプ、杭のみのタイプであってもよい。
【0013】
図5に示すように、ガード550は、複数のU字状の部材551と複数の棒状の部材552とで構成される。ガード550は、フレーム510の内部において軸受板530の上に取り付けられる。従って、ガード550は、水の流れに対して羽根車110より上流側に配置される。
複数のU字状の部材551は、凸側を上流側に向けてフレーム510の底面512と垂直な方向(水の流れと略垂直な方向)において等間隔に配置される。棒状の部材552はU字状の部材551を縦に連結する。各U字状の部材551の両端はフレーム510の左側面513と右側面514において縦向きの部材に固定され、一部の棒状の部材552の下端は軸受板530に固定される。
【0014】
図4に示すように、発電装置100は、羽根車110と、発電機200とを有する。羽根車110は、ケース450の下方で支柱310と支柱330によって回転自在に支持される。発電機200はケース450の中に設置される。
図6に示すように、排除装置400は複数の排除盤401を有する。排除盤401は、円盤状である。排除盤401における円形の外周には、歯車のように多数の突起が等間隔に配置されている。複数の排除盤401における主面の中心部を回転軸402が貫通している。排除盤401は回転軸402とともに回転する。
なお、回転軸402は、本発明における第3の回転軸の例である。
【0015】
図3に示すように、羽根車110と排除盤401とガード550とは、フレーム510の内部に格納される。排除盤401は、ガード550と羽根車110の間に配置される。
図2に示すように、排除盤401の外周の一部は、ガード550のU字状の部材551の間から川の上流側に突き出している。
ジャッキ520の高さを調整して、羽根車110と排除盤401とガード550とを水面601の下、すなわち水中に位置させると、羽根車110は水の流れを受けて回転する。この回転が発電機200と排除装置400とに伝えられて発電機200が発電するとともに排除盤401が回転する。
【0016】
ケース450の底部は、フレーム510の上面511を構成する方形状の部材と適宜な位置でボルトとナット等を用いて連結される。
図2に示すように、支柱310は、内部が空洞で楕円形の断面を有するパイプである。支柱310は、楕円形であるため、円形の支柱よりも水の流れの乱れが少ない。
図4に示すように、支柱310は、上端に正方形のフランジ311、下端に羽根車上流側保持部312を有する。羽根車保持部312の側面には円形の穴313が開いており、その穴313に対向してキャップ314が取り付けられている。羽根車上流側保持部312の内部の空洞には軸受315が配置されている。軸受315は、羽根車110の上流回転軸113を回転自在に保持する。
支柱310のフランジ311と正方形の固定板316は、ケース450の前面側でケース450の底面を挟んでボルトとナット等を用いて固定される。これにより、支柱310はケース450に取り付けられる。
【0017】
図4に示すように、支柱330は、内部が空洞の円筒であり、上端にフランジ331、下端にフランジ332を有する。羽根車下流側保持部333はフランジ332にボルトとナット等を用いて固定されている。フランジ331の中央には軸受338が配置されており、フランジ332の中央には軸受339が配置されている。
羽根車下流側保持部333の側面には円形の穴334が開いており、穴334に対向して円形の板335が取り付けられている。羽根車下流側保持部333の内部には中間に空隙を有する軸受336が配置されている。軸受336は、羽根車110の下流回転軸115を回転自在に保持する。軸受336の中間の空隙において下流回転軸115にギア337が取り付けられている。羽根車110が回転するとき、ギア337が回転する。
なお、支柱310と支柱330は本発明における第1の支柱と第2の支柱の例であり、上流回転軸113と下流回転軸115は本発明における第1の回転軸と第2の回転軸の例である。
【0018】
図4に示すように、支柱350がケース450の内部に設置されている。支柱350は、内部が空洞の円筒であり、下端にフランジ351を有する。支柱350の側面中央には円形の穴352が開いている。側面中央の穴352には軸受354が取り付けられている。支柱350の底部と上部にはそれぞれ軸受353と軸受355が取り付けられている。
支柱330のフランジ331と支柱350のフランジ351とは、ケース450の底面を挟んでボルトとナット等を用いて固定される。これにより、支柱330と支柱350はケース450に取り付けられる。
支柱330と支柱350の内部の空洞には垂直回転軸340が配置される。ケース450の底部には、垂直回転軸340が通る穴が開いている。垂直回転軸340は、支柱330の上端の軸受338と下端の軸受339、および支柱350の底部の軸受353と上部の軸受355で回転自在に保持されている。垂直回転軸340には、支柱350内の空洞の底面近傍にギア341が固定されており、その下端にギア342が固定されている。下端のギア342は、羽根車下流側保持部333の内部で、下流回転軸115に固定されたギア337と噛み合っている。羽根車110が回転すると、その回転はギア337とギア342によって垂直回転軸340に伝えられる。
羽根車上流側保持部312の内部の軸受315と羽根車下流側保持部333の内部の軸受336には水の浸入を防止するシールが装着されている。
【0019】
図4に示すように、支柱350の側面中央の軸受354は水平回転軸211を回転自在に保持する。水平回転軸211には、支柱350の空洞内において一端にギア212が固定されており、他端にギア210が固定されている。ギア212は、支柱350内の空洞に配置された垂直回転軸340のギア341と噛み合っている。垂直回転軸340が回転すると、その回転がギア341とギア212によって水平回転軸211に伝えられ、ギア210が回転する。
図2に示すように、ケース450には発電機200Aと発電機200Bとが取り付けられている。発電機200Aと発電機200Bの回転子の端部にはそれぞれギア201Aとギア201Bが取り付けられている。ギア201Aとギア201Bは、ギア210と噛みあっている。このため、水平回転軸211が回転すると、発電機200Aと発電機200Bの回転子が回転する。
【0020】
図7は、垂直回転軸340の上端のスプロケット356とスプロケット357から排除装置400Aと排除装置400Bへの動力伝達の一例を示す。
垂直回転軸340の上端は、支柱350から外部に突き出している。垂直回転軸340の上端には、スプロケット356とスプロケット357が固定されている。
図2に示すように、排除装置400Aと排除装置400Bは、前面(川の上流)から見てそれぞれ左側と右側に配置されている。
排除装置400Aと排除装置400Bは同一の構造である。以下では、排除装置400Aと排除装置400Bの構成要素に同一の符号を付け、排除装置400として排除装置400Aと排除装置400Bの構造を説明する。排除装置400は支柱404を有する。支柱404は、内部が空洞の円筒であり、下端がケース450の底部に固定されている。支柱404の下端と上端にはそれぞれ軸受405と軸受406が取り付けられている。また、フレーム510の底面512に設置された軸受板530には、軸受403が取り付けられている。回転軸402は、軸受405と軸受406と軸受403で回転自在に保持されている。回転軸402の先端は支柱404の上部から突き出している。回転軸402の先端には、スプロケット407が固定されている。
【0021】
支柱350の左側には支柱410が配置されている。支柱410は、内部が空洞の円筒であり、下端がケース450の底部に固定されている。支柱410の下端と上端にはそれぞれ軸受411と軸受412が取り付けられている。軸受411と軸受412は回転軸413を回転自在に保持する。回転軸413の先端は支柱410の上部から突き出している。回転軸410の先端には、スプロケット414とスプロケット415が固定されている。このため、スプロケット414とスプロケット415は同時に回転する。スプロケット414には、チェーン416を介してスプロケット356の回転力が伝達される。これにより、羽根車110が回転するとき、スプロケット414とスプロケット415は例えば右周りに回転する。スプロケット415の回転力は、チェーン417を介して排除装置400Aのスプロケット407に伝達される。これにより、排除装置400Aのスプロケット407は右周りに回転する。このとき、排除装置400Aの排除盤401も右回りに回転する。例えば流木のような漂流物が上流から流れてきて排除装置400Aの各排除盤401に衝突すると、その漂流物はガード550に含まれる各U字状の部材551の左側の端部に向けて流れる。
【0022】
一方、支柱350の右側には支柱420と支柱430が配置されている。支柱420と支柱430は、内部が空洞の円筒であり、下端がケース450の底部に固定されている。支柱420の下端と上端にはそれぞれ軸受421と軸受422が取り付けられている。軸受421と軸受422は回転軸423を回転自在に保持する。回転軸423の先端は支柱420の上部から突き出している。回転軸420の先端には、ギア424とスプロケット425が固定されている。このため、ギア424とスプロケット425は同時に回転する。支柱430の下端と上端にはそれぞれ軸受431と軸受432が取り付けられている。軸受431と軸受432は回転軸433を回転自在に保持する。回転軸433の先端は支柱430の上部から突き出している。回転軸430の先端には、ギア434とスプロケット435が固定されている。このため、ギア434とスプロケット435は同時に回転する。
【0023】
スプロケット425には、チェーン426を介してスプロケット357の回転力が伝達される。これにより、羽根車110が回転するとき、スプロケット425は例えば右周りに回転する。ギア424とギア434は噛み合っており、このとき、ギア434は左周りに回転する。スプロケット435の回転力は、チェーン436を介して排除装置400Bのスプロケット407に伝達される。これにより、排除装置400Bのスプロケット407は左周りに回転する。このとき、排除装置400Bの排除盤401も左回りに回転する。例えば流木のような漂流物が上流から流れてきて排除装置400Bの各排除盤401に衝突すると、その漂流物はガード550に含まれる各U字状の部材551の右側の端部に向けて流れる。
排除装置400Aの各排除盤401と排除装置400Bの各排除盤401とは逆向きに回転する。川の上流より流木等の漂流物が流れてきて排除装置400Aと排除装置400Bの排除盤401に当たると、それは流れの向きを左または右に変えられてガード550に沿って下流に流れる。これにより、羽根車110が漂流物から保護される。
【0024】
なお、上述したギア337と、ギア342と、垂直回転軸340と、ギア341と、ギア212と、水平回転軸211と、ギア210と、ギア201Aと、ギア201Bと、スプロケット356と、チェーン416と、スプロケット414と、スプロケット415と、チェーン417と、排除装置400Aのスプロケット407と、スプロケット357と、チェーン426と、スプロケット425と、ギア424と、ギア434と、スプロケット435と、チェーン436と、排除装置400Bのスプロケット407とは回転伝達部を構成する。回転伝達部は、羽根車110の下流回転軸115の回転を発電機200Aの回転子と発電機200Bの回転子および排除装置400Aの回転軸402と排除装置400Bの回転軸402に伝達し、発電機200Aと発電機200Bに発電させるとともに、排除装置400Aに含まれる各排除盤401と排除装置400Bに含まれる各排除盤401を回転させる。
【0025】
図8は、羽根車110の構造の一例を示す。
図8(A)は羽根車110の左側面図であり、
図8(B)は羽根車110の正面図である。
図9は、羽根車110の中心軸111と1枚の羽根116(5枚の羽根は省略)を示す。
羽根車110は、所定の長さの六角柱状の中心軸111と、6枚の羽根116とを有する。
中心軸111は、一方の端部に六角形の上流側板112を有し、他方の端部に六角形の下流側板114を有する。上流側板112から中心軸111と同軸になるように上流回転軸113が延びる(すなわち、中心軸111と上流回転軸113とは同軸である。)。同様に、下流側板114から中心軸111と同軸になるように下流回転軸115が延びる(すなわち、中心軸111と下流回転軸115は同軸である。)。
羽根車110は、中心軸111が水の流れの方向を向くように水平に配置される。
【0026】
図10は、羽根116の構造の一例を示す。
図10(A)は、羽根116の平面図である。
図10(B)は、羽根116の左側面図である。
図10(C)は、羽根116の正面図である。
個々の羽根116は、主部1161と、右側部1162と、左側部1163を有する。
右側部1162は、長方形の平板である。右側部1162は、その主面が中心軸111の1つの側面に固定されている。
主部1161は、平板である。
図10(B)に示すように、主部1161は右側部1162に対して垂直である。ただし、この角度は必ずしも直角でなくてもよい。
図10(A)に示すように、主部1161は、中心軸111の軸方向に流れる水を受けるとき中心軸111を回転させるように、中心軸111の軸方向と所定の角度(例えば、20°〜25°)をなす。
図10(C)に示すように、主部1161において、上流側の辺1161Aと右側部1162に接する辺1161Bのなす角度、および下流側の辺1161Cと右側部1162に接する辺1161Bのなす角度は、直角である。そして、下流側の辺1161Cと左側部1163に接する辺1161Dのなす角度は、例えば94°〜97°である。従って、上流側の辺1161Aは下流側の辺1161Cよりも長い。すなわち、右側部1162と左側部1163の間隔は、水の流れの上流側から下流側に向けて徐々に狭くなる。
また、左側部1163は、長方形の平板である。
図10(B)に示すように、左側部1163は、主部1161と直角よりも大きい所定の角度(例えば、130°〜140°)をなす。
【0027】
図9に示す矢印の向き(中心軸111の長手方向)に水が流れると、その水は個々の羽根116において主部1161と左側部1163にぶつかって方向を変え、羽根116の長手方向に沿って流れる。このため、羽根車110は、
図9中に矢印で示すように左回転する。
【0028】
図11は、本発明の第2の実施形態に係る水力発電装置2の構造の一例を示す。
水力発電装置2は、発電装置100と、排除装置400と、ケース450と、架台501と、ガード550とを有する。発電装置100と、排除装置400と、ケース450と、ガード550とは第1の実施形態に係る水力発電装置1のものと同一である。
架台501は、フレーム510と、脚となる4本のモータジャッキ560とで構成される。フレーム510は第1の実施形態に係る水力発電装置1のものと同一である。架台501は、第1の実施形態に係る水力発電装置1の架台500と異なり、フレーム510の4隅に減速機モータ561の付いたモータジャッキ560を有する。また、フレーム510の左側面513または右側面514に、水位検知装置570が取り付けられている。水位検知装置570は水位の上昇または下降を検知する。
ケース450の底部にはコントローラ565が設置されている。コントローラ565はバッテリー566と制御盤567とで構成される。2つの発電機200で発電された電力の一部はコントローラ565に供給され、バッテリー566に蓄えられる。水位検知装置570が水位の上昇または下降を検知すると、コントローラ565は、減速機モータ561を制御し、モータジャッキ560を伸ばし、または縮めて、発電装置100とフレーム510とを上昇または下降させる。
コントローラ565は、ケース450が常に水面より上に位置するように制御する。
【0029】
水位検知装置570は、
図12に示すように、中空のセンサー取付パイプ571の外周面上にセンサー572とセンサー573とが所定の間隔を空けて配置されている。センサー取付パイプ571の穴の中にはガイド576があり、水面601に応じてガイド576に沿ってフロート577が上下する。フロート577には、要素574と要素575とが取り付けられている。センサー572またはセンサー573は、要素574または要素575と略同じ高さになるとそれらを検知して検知信号を出力し、その検知信号をコントローラ565に送る。例えば、センサー572とセンサー573はリードスイッチで構成し、要素574と要素575は磁石で構成することができる。
【0030】
図13は、水位検知装置570が水位の上昇を検知する例を示す。
図13(A)に示す初期状態では、センサー572とセンサー573はそれぞれ要素574と要素575を検知し、検知信号を出力している。水位が上昇すると、センサー572とセンサー573は両方とも要素574と要素575を検知しなくなる。更に水位が上昇し、
図13(B)に示すように、センサー573が要素574を検知して検知信号を出力し、センサー572が何も検知せず、検知信号を出力しない状態になると、コントローラ565はモータジャッキ560が伸びるように減速機モータ561を制御する。このとき、発電装置100とフレーム510は上昇する。
図13(C)に示すように、センサー572とセンサー573が再び要素574と要素575を検知すると、コントローラ565は減速機モータ561を止め、モータジャッキ560を停止させる。
【0031】
図14は、水位検知装置570が水位の下降を検知する例を示す。
図14(A)に示す初期状態では、センサー572とセンサー573はそれぞれ要素574と要素575を検知し、検知信号を出力している。水位が下降すると、センサー572とセンサー573は両方とも要素574と要素575を検知しなくなる。更に水位が下降し、
図14(B)に示すように、センサー572が要素575を検知して検知信号を出力し、センサー573が何も検知せず、検知信号を出力しない状態になると、コントローラ565はモータジャッキ560が縮むように減速機モータ561を制御する。このとき、発電装置100とフレーム510は下降する。
図14(C)に示すように、センサー572とセンサー573が再び要素574と要素575を検知すると、コントローラ565は減速機モータ561を止め、モータジャッキ560を停止させる。
【0032】
なお、上述した実施形態では、中心軸111が六角柱状である例を示したが、中心軸111は八角柱状等他の多角柱状であってもよいし、円柱状であってもよい。
また、上述した実施形態では、羽根116の右側部1162と左側部1163は長方形である例を示したが、これに限らず、台形等他の形状であってもよい。
また、上述した実施形態では、回転伝達部の一部である垂直回転軸340が下流側の支柱330内に配置された例を示したが、垂直回転軸340を上流側の支柱310内に配置し、回転伝達部は上流回転軸113の回転を発電機200の回転子と排除装置400のスプロケット407に伝達する構成とすることもできる。
また、ケース450は、上面に蓋を有していてもよい。
【0033】
以上説明したように、本発明によれば、流木等の漂流物から羽根車を保護することができる。