(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6574516
(24)【登録日】2019年8月23日
(45)【発行日】2019年9月11日
(54)【発明の名称】タバコを乾燥させるまたは他の類似する処理に使用するためのヒーター
(51)【国際特許分類】
F26B 23/02 20060101AFI20190902BHJP
A24B 3/04 20060101ALI20190902BHJP
F26B 3/06 20060101ALI20190902BHJP
【FI】
F26B23/02 Z
A24B3/04
F26B3/06
【請求項の数】20
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2018-501352(P2018-501352)
(86)(22)【出願日】2016年4月12日
(65)【公表番号】特表2018-527542(P2018-527542A)
(43)【公表日】2018年9月20日
(86)【国際出願番号】GB2016051020
(87)【国際公開番号】WO2017009594
(87)【国際公開日】20170119
【審査請求日】2018年1月24日
(31)【優先権主張番号】1512343.3
(32)【優先日】2015年7月15日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】500252844
【氏名又は名称】ブリティッシュ アメリカン タバコ (インヴェストメンツ) リミテッド
【氏名又は名称原語表記】BRITISH AMERICAN TOBACCO (INVESTMENTS) LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100103285
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 順之
(74)【代理人】
【識別番号】100183782
【弁理士】
【氏名又は名称】轟木 哲
(72)【発明者】
【氏名】バーガー、アーヴィング ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】ミラック、ヴァルディール
(72)【発明者】
【氏名】スクレミン、ジェロニモ
(72)【発明者】
【氏名】リット、ダニエル アウグスト
(72)【発明者】
【氏名】オリヴェイラ、ヴァンド ブラス デ
(72)【発明者】
【氏名】マーティンズ、パウラ ファビアン
【審査官】
根本 徳子
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭59−232082(JP,A)
【文献】
米国特許第04482315(US,A)
【文献】
韓国登録実用新案第20−0365710(KR,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24B
F26B
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タバコの乾燥または他の類似する工程に使用するヒーターであって、このヒーターは、
燃料を燃やして熱を発生させるチェンバーを有する炉と、
タバコの乾燥または他の類似する工程に使用するための空気流にヒーターから熱を移行させるための熱交換器とを含み、空気流はヒーターの外側を通過し、熱交換器は炉のチェンバー内に接続する複数のパイプを有し、これら複数のパイプは2列のパイプを含み、各列は複数のパイプを含み、炉の両側にそれぞれ1列ずつ配置されており、熱交換器はさらにプレナムを含み、各パイプは炉のチェンバーとの各溶接接合部から上方にプレナムへと通じており、各列ではその列のパイプはヒーターの外側を通過する空気流がパイプの間を流れるようにするために互いに離れているヒーター。
【請求項2】
前記複数のパイプの数は、6〜24の範囲内であることを特徴とする請求項1記載のヒーター。
【請求項3】
前記複数のパイプの数は、10〜20の範囲内であることを特徴とする請求項2記載のヒーター。
【請求項4】
パイプは垂直から離れるように傾斜していることを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項記載のヒーター。
【請求項5】
第1の列のパイプは全て垂直に対して第1の傾斜を有し、第2の列のパイプは全て垂直に対して第2の傾斜を有することを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項記載のヒーター。
【請求項6】
第1の傾斜は、第1および第2の列が互いに離れるように上方に枝分かれするように第2の傾斜に等しく、反対に位置することを特徴とする請求項5記載のヒーター。
【請求項7】
パイプは、垂直から離れて10〜60度の範囲内の角度で傾斜していることを特徴とする請求項5または6記載のヒーター。
【請求項8】
パイプは、垂直から離れて20〜40度の範囲内の角度で傾斜していることを特徴とする請求項7記載のヒーター。
【請求項9】
パイプ間の間隔はほぼ均一であり、パイプの直径と同じ大きさであることを特徴とする請求項1乃至8いずれか1項記載のヒーター。
【請求項10】
各パイプは、上方端部でプレナムへの溶接接合部を有することを特徴とする請求項1乃至9いずれか1項記載のヒーター。
【請求項11】
プレナムは複数のパイプのそれぞれから排気管への共通の経路を供することを特徴とする請求項1乃至10いずれか1項記載のヒーター。
【請求項12】
プレナムは第1および第2の列のパイプにそれぞれ接続されている第1および第2腕部と、第1および第2腕部の間を横断する橋渡し部分とを含む実質的にH字形状の構造を有することを特徴とする請求項1乃至11いずれか1項記載のヒーター。
【請求項13】
プレナムはプレナム内を監視するための少なくとも1つの監視窓を含むことを特徴とする請求項1乃至12いずれか1項記載のヒーター。
【請求項14】
少なくとも1つの監視窓は、プレナムから灰または他の残渣を除去することによっておよび/または炉のチェンバー内に灰を戻すことによってヒーターを清掃するために使用することができることを特徴とする請求項13記載のヒーター。
【請求項15】
炉のチェンバーの下に配置された灰皿をさらに含むことを特徴とする請求項1乃至14いずれか1項記載のヒーター。
【請求項16】
炉のチェンバーは炉のチェンバー内に燃料を補充するためのヒーターの前方に位置するドアを含み、プレナムのドアおよび/または灰皿のドアの内の少なくとも1つはヒーターの前方に位置することを特徴とする請求項1乃至15いずれか1項記載のヒーター。
【請求項17】
ヒーターは燃焼生成物が炉のチェンバーからタバコを乾燥させるまたは他の類似の工程に使用するための空気流内に漏れることを防ぐのに役立つように構成されていることを特徴とする請求項1乃至16いずれか1項記載のヒーター。
【請求項18】
タバコを乾燥させるための請求項1乃至17いずれか1項記載のヒーターの使用方法であって、この方法は、
乾燥させるタバコが中に位置する乾燥チェンバーから壁によって分けられているヒーターが中に位置する加熱室を含む小屋を設けることと、
空気を加熱室内でヒーターの方へそして通過するように押し、熱がヒーターから空気流へと伝わるようにして加熱された空気流を製することと、
加熱された空気流を加熱室から乾燥チェンバー内へと移動させてタバコに浸透して、乾燥させることとを含み、
空気流を製することは、ヒーターのパイプの各列に対して空気流をパイプ間の間隔を通過させることを含む方法。
【請求項19】
さらに空気を小屋内で再循環することを含み、これによって空気流が乾燥チェンバーの上部に到達した後、加熱室内に再度移動することを特徴とする請求項18記載の方法。
【請求項20】
ヒーターは燃料に薪を使用することを特徴とする請求項18または19記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示はタバコの乾燥または種々の植物材料を乾燥させるなどの別の類似の処理に使用するためのヒーターに関する。
【背景技術】
【0002】
タバコ葉の収穫後の処理は、通常、タバコ葉から水分を除去し、官能的品質の所望の特性を得るための乾燥工程を含む。乾燥工程の一部としてタバコ葉は、乾燥小屋(barn)の棚上に置かれる(またはそこから吊される)。この小屋に含まれるのは加熱室であり、これはファン、熱交換器および炉を含む。ファンは小屋から加熱室内に空気を移動させ、そこで空気は炉と熱交換器によって加熱され、小屋の主領域に戻される。タバコの乾燥に使用されるこのような小屋の一例が下記特許文献1に開示されている。
【0003】
このようなシステムでは炉からの温風(通常30〜80℃の範囲の)が加熱室を出て、小屋に入る。小屋内では温風は、乾燥工程の一部としてタバコ葉から水分を蒸発させ、これにより温風は、蒸発した水分によって幾分冷まされる。冷めた空気は、それから加熱室に引き戻され、炉によって再度加熱される。
【0004】
従って、空気は加熱室と乾燥させるタバコを収容する小屋の間を再循環させられる。この再循環は、小屋から加熱室内に戻る冷めた空気は、通常はそれでも周囲(外部)空気温度より温かいので、乾燥工程の効率を向上させるのに役立つ。従って、乾燥に必要とされる温度に再循環された空気を加熱するためのエネルギー投入量は、外気をこの温度に加熱するためのエネルギー投入量より少なくてすむ。
【0005】
多くの実行例では炉はその燃料源として木材燃焼を使用している。このようなシステムでは(または他の種類の炉の場合も)、再循環空気が炉内での木材の燃焼から生じる煙によって確実に汚染されないようにすることはそのような汚染がタバコの乾燥に影響を与える可能性が高いことから重要である。
【発明の概要】
【0006】
本開示は添付の特許請求の範囲に規定されている。
【0007】
一部の実施態様はタバコの乾燥または他の類似する工程に使用するヒーターを提供し、このヒーターは、熱を発生させるために燃料を燃焼するチェンバーを有する炉とヒーターからの熱をタバコの乾燥または他の類似の工程に使用するための空気流に伝える熱交換器とを含む。空気流はヒーターの外側を通過する。熱交換器は、炉のチェンバー内に接続する一本以上のパイプを有し、炉に組み込まれている。
【0008】
一部の実施態様はタバコの乾燥または他の類似する工程に使用するヒーターを提供する。ヒーターは熱を発生させるために燃料を燃焼するチェンバーを有する炉とヒーターからの熱をタバコの乾燥または他の類似の工程に使用するための空気流に伝える熱交換器とを含み、空気流はヒーターの外側を通過する。熱交換器は炉のチェンバー内に接続する複数のパイプを有し、これら複数のパイプは2列のパイプを含み、炉の両側にそれぞれ1列配置されている。熱交換器はさらにプレナムを含み、各パイプは炉のチェンバーから上方にプレナムへと延びている。
【0009】
熱交換器は、1つ以上の溶接接合またはそれに変わる他の封止方法または材料を使用して炉に組み込まれてもよい。ヒーターの接合部または継ぎ目(例えば、炉の本体、プレナム、交換器接合部、管壁など)を封止することは煙の漏れを防ぐのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0010】
ここで本発明の種々の実施態様を添付の図面を参照し例示として詳しく説明する。
【0011】
【
図1】本発明の一部の実施態様によるタバコ乾燥工程に使用するヒーターの略図である。
【
図2】本発明の一部の実施態様による
図1のタバコ乾燥工程に使用するヒーターの略式全体図である。
【
図3】本発明の一部の実施態様による
図2のヒーターの上面図である。
【
図4】本発明の一部の実施態様による
図2のヒーターの前面図である。
【
図5】本発明の一部の実施態様による
図2のヒーターの側面図である。
【
図6】本発明の一部の実施態様によるクリーニング工程を例示するための
図5と同じ側からの
図2のヒーターの略式断面図である。
【
図7】本発明の一部の実施態様による従来の熱交換器と比較した
図2〜6のヒーターを使用した結果の葉の汚れの減少を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は本発明の一部の実施態様によるタバコの乾燥工程の略図である。タバコの乾燥工程は、小屋100内で行われ、これは壁140によって主乾燥チェンバー120と加熱室130とに分割されている。加熱室内に配置されているのはファン150とヒーター160である。乾燥チェンバー内に配置されているのは乾燥させるタバコ葉の複数の棚122A、122B、122Cである。
【0013】
動作している間ファン150が小屋100内で空気を再循環させるために使用される。特にファンは、加熱室130内の空気を矢印Aで示すようにヒーター160の方にそしてそれを通過するように押して、熱がヒーターから空気流に伝わる。これにより分割壁140の下方部分の好適な開口部141Cを介して乾燥チェンバー120の下方部分内に矢印Bで示すように移動する熱せられた空気流が製せられる。加熱された空気は、ここで矢印Cで示すように上昇し、タバコ棚122A、122Bおよび122Cに浸透する(この空気流はタバコ棚122A、122Bおよび122Cと混ざり合うことを表すために破線で示されている)。このように進行することによって矢印Cで示す空気流がタバコからの水分を吸い込むようにし、その結果空気流が僅かに冷やされ、かつ、タバコを乾燥させる。
【0014】
空気流が乾燥チェンバー120の上方部分に到達したら、空気流は矢印Dで示すように分割壁140の上部の好適な開口部141Bを介して移動し、加熱室130内に戻る。その後空気流は矢印Eで示すようにファン150内に引き込まれ、それから空気が小屋100内を再循環するように別のサイクルが始まる。
【0015】
当然のことながら
図1は略図であり、例えば加熱室120内のタバコ棚の数および/または構造、小屋100内の(または隣接する)加熱室の構造および配置などに関し、ある実行例は他の実行例とは異なる点がある。
【0016】
さらに小屋100は、空気中の水分量が極めて多くなったら(または飽和したら)、空気がタバコ葉から水分を引き出す効果が小さくなるので、再循環空気の一部を放出することもできる。熱い水分の多い空気が小屋100から放出されると、水分の少ない空気が代わって小屋の中に引き込まれる。この新しく導入された空気は、それからタバコ葉を乾燥させるための小屋の運転温度に加熱される(ここで留意すべきは簡潔にするために小屋100から空気を放出するための出口および小屋100内に外気を導入するための入り口は
図1から省略されているということである)。
【0017】
図2〜5は、
図1のヒーター160をより詳しく例示している。特に
図2は、本発明の一部の実施態様によるヒーター160の略式全体図であり、
図3は、本発明の一部の実施態様による
図2のヒーターの上面図であり、
図4は、本発明の一部の実施態様による
図2のヒーターの前面図であり、
図5は、本発明の一部の実施態様による
図2のヒーターの側面図である。
【0018】
図2〜5のヒーター160は、2つの主機能を有する。第1にヒーター160は熱源を供給する燃料を燃やすためのストーブまたは炉として機能する。第2にヒーター160は、(気体から気体への)熱交換器として機能し、
図1に示す循環空気流に炉からの熱を効率よく伝えるのに役立ち、これにより乾燥工程に必要な小屋100の内側の温度を上昇させるまたは維持するのに役立つ。
【0019】
図2〜5に示すようにヒーター160は、炉またはストーブ210および炉の上に位置する熱交換器を含む。炉210(および従ってヒーター160全体)は、4本の脚270によって支持され、
図2では片側に2本の脚270B−1および270B−2が配置されている。これらの脚270は、炉を所定の位置に確実に保持するために小屋100の床に例えばネジによって固定される。
【0020】
炉は、燃料、例えば木材を燃やして熱を発生させるチェンバー211を含む。チェンバーは、ほぼ円筒状の形状を有し、円筒状形状の中央軸は、ほぼ水平に延びている。円筒状形状の中央軸に平行な方向に定められるチェンバーの一端(ここでは前部という)にドア215がある。このドアは、燃料をチェンバー211内に入れられるように開けることができる。
【0021】
チェンバー211内で燃やされた燃料の残渣、例えば灰は、炉チェンバー211の下に配置された灰皿216内に落下する。灰皿はほぼ円筒状形状であり、その円筒形状の中央軸は、チェンバー211の円筒軸にほぼ平行にほぼ水平に延びている。灰皿の長さ(円筒軸に沿って測定した)は、チェンバーの長さ(同じく円筒軸に沿って測定した)にほぼ対応し、言い換えればチェンバーと灰皿は、互いにほぼ同延である。
【0022】
灰皿216には灰皿から灰を取り除くために使用できるドア218が設けられている。灰皿のこのドア218は、チェンバー211へのドア215の真下に位置している。この構造により簡単に利用できる構造を可能にし、例えばヒーター160をその前方から確実に利用可能にすることで燃料をドア215を介してチェンバー211内に入れることができ、またドア218を介して灰皿216から灰を取り除くことが可能になる。
【0023】
脚270は、灰皿216が小屋の床上に保持されるようにチェンバー211を支持している。後者の構成はヒーターの周囲での空気の循環を良好にし、また灰皿216が、熱くなったときに小屋の床を過熱するのを妨げるのに役立つ。
【0024】
熱交換器は、ヒーターの各側に1列ずつ2列のパイプ220A−1、220A−2、220A−3および220B−1、220B−2および温風プレナム230を含む。温風プレナムは、水平に配されたほぼ「H」形状の構造を有し、桟232によって接合された2本の平行(対向する)な腕部で形成され、腕部はヒーター160の主円筒軸に平行な方向に延びている。両列のパイプは、同じ大きさ、形状であり、実質的に円形の断面を有する。
【0025】
各列のパイプ220A、220Bは、チェンバー211から上方にプレナム230の対応する腕部231A、231Bへと延びている。このようにしてパイプは、炉210を出て上昇し、プレナム内に移動する温風のための経路を提供する。炉210の両側にパイプが一列ずつあり、各列は垂直に対して約30度の角度で外方に延びている(即ち、他の列およびヒーターの中央からから離れて)。各列220A、220B内で、パイプはヒーター160の主円筒軸に実質的に平行な方向に水平に間隔をおいて配されている。
【0026】
1つの列の連続するパイプ、例えば220A−1、220A−2間の間隔は、個々のパイプの幅(直径)にほぼ等しく、これによりパイプ自体によって画定される面において一列のパイプの上面が(i)パイプ自体および(ii)パイプ間の間隔または隙間のほぼ等しい部分を有する。
【0027】
熱せられた気体は、実際にはプレナムの2本の腕部231A、231Bを橋渡しをする桟232の延長部を形成している排気管250を介してプレナム230から出ることができる。
図2〜5の実行例では排気管は、プレナムの腕部231Bに対応する側にあり、よって桟232は、反対の腕部231Aから排気管250を介して出るようにする温風のルートを供する。プレナムの両腕部は桟232を越えてヒーター160の前方、即ち炉のドア215と灰皿218と同じ方向に延びている。プレナムの各腕部231A、231Bの前方端は、対応する窓235A、235Bが嵌められ、オペレーターがヒーター160内部の動作を監視することができ、および/または炉内のパイプ清掃を支持できるようになっている。ここでも炉のドア215と灰皿のドア218の両方と同じ方向にあるこれらの窓235A、235Bを有することは、操作およびメインテナンスのためにヒーター160内を簡単に点検するという点で役立つ。
【0028】
大まかな寸法表示としてヒーター160が、灰皿216で約0.35mと、プレナム230で0.35mと、炉210で0.8mとで約1.5mの全長を有する。パイプ220A、220Bの各列は、7本のパイプを含み、それぞれの直径は約0.1mである。しかしながら、当然のことながらこれらの寸法は、あくまでも表示上であり、加熱用の小屋の大きさ、さらには多くの他のパラメータによって実行例ごとに異なる。
【0029】
灰皿には小屋の外側に続くパイプに接続する小型のファンも設けられている(この小型のファンとパイプは簡潔にするために図面から除かれている)。ファンはパイプを介して外気を引き込み、この外気は、それから最初に灰皿216内に移動し、そこから炉チェンバー内に移動する。ここで留意すべきはこの空気入り口を介した燃焼物の漏れのリスクは比較的小さい、なぜなら漏れる気体がファンによって発生する圧力差(および入り込む空気流)に対して流れる必要があるからである。
【0030】
動作している間、炉からの気体または蒸気燃焼物(および温風)は、パイプ220を上方にプレナム内に移動し、そこから排気口250内に移動する。より具体的には灰皿内への空気入り口のように排気口は、パイプ、煙突またはなんらかの他の形体の通気口(図には示されていない)を介して小屋の外側に接続され、従って熱い気体および蒸気は、小屋の内部にではなく外に放出される。ここで留意すべきは換気孔の位置は、小屋内の再循環のための空気を供するための(例えば、水分で飽和した空気を変えるために)任意の外気吸入口からかなりの距離をおく必要があるということである。これを達成するために役立つ1つの方法は、排ガスが極めて広い領域に亘って(そして任意の空気吸入口から離れて)分散されるまたは消散されるのに充分な高さの煙突に排気管250を接続することである。
【0031】
タバコを乾燥させるために使用される空気は、ほぼ
図1の矢印A、B、C、DおよびEに示すように小屋の内部を再循環する。この空気の再循環は、主乾燥チェンバー120から空気を引き抜き、加熱室130内に引き入れるファン150によって送られる。加熱室は、例えば
図1の矢印Aで示す空気流が強制的に比較的ヒーター160の近くを通るような分割壁140を適当に配置して得られる大きさである。これにより確実に熱が炉210から(再)循環する空気流内に効率良く移動し、次に主加熱室120内のタバコを加熱する(乾燥させる)。
【0032】
当然のことながら熱交換器、特にパイプの列220A、220Bは、この熱移動の効率を良くするのに役立つように構成されている。例えば、パイプ220の傾斜角(即ち、垂直から離れる)は、
図1の矢印Aで示すように再循環ファン150によって再循環空気が下方に押される際の再循環空気用に高表面積目標を供する。実際にはこの高表面積は、パイプ220および再循環空気の間の熱移動を増加させる。さらに所定の列のパイプ間の間隔によって再循環空気はそれでも所定の列220A、220Bのパイプ220間の隙間または間隔を通過できるのでこれらパイプの外面に多く到達することができる。言い換えれば再循環空気は、パイプに亘ってそしてパイプ間を通過することができ、これは熱交換器の全体の効率を上げることに役立つ。
【0033】
図2〜5のヒーター160は、従って接合部または継ぎ目なしに単独のユニットまたは胴体として炉210上に熱交換器を保持する。炉210は、2つの対抗する列220A、220Bに配置されている熱交換器の管220の内側で熱い気体の流れを発生させる。管220は、ファン150からの空気流に伝えられるように確実に熱交換器の表面に亘って熱が均一になるように炉210をプレナム230に接続する。
【0034】
例えば上述の特許文献1に例示されている典型的な小屋構成の場合、ヒーター160は、換気システム、即ちファン150と実質的に同じ位置に小屋100の前方領域に配置される。特にヒーター160は通風装置のちょうど真下に置かれる。これは空気流が熱移動を最小限にする領域において炉210と熱交換器のパイプ220の本体を集中させるのに役立つ。この構造は各パイプ列220A、220Bの均一に配分されたパイプによって支持され、これは熱交換器中で気体が確実に均一に流れるようにする(そして熱交換器を通過する空気流をより均一に加熱する)のに役立つ。
【0035】
上記したようにタバコを乾燥させるために薪燃料を使用する小屋では、パイプまたは炉のひび割れを介してまたはパイプの誤った設置によって煙が漏れるリスクがある。このような漏れはタバコ葉を汚染する可能性があり、小屋内で葉の品質を低下させ、タバコの知覚特性を阻害し、これはタバコの品質特性の一部の損失を意味する。しかしながら、本明細書で説明したヒーター160は、継ぎ目無しの接合によって熱交換器に接合された(一体化された)炉210を供するワンピース(一体)設計を有する。そのような構造は炉と熱交換器間の接続からの漏れの機会を最小限にするのに役立つ。従って、ヒーター160はタバコの品質を向上させつつ、かなりの数の国々で現在採用されているエネルギー源(薪)を使用する能力を維持する効率の良い方法を提供する。
【0036】
本明細書中で説明したようにヒーター160は炉210にリンクした気体〜気体の熱交換器として機能する。熱交換器は炉の上に位置し、2組または2列のパイプ220A、220Bを含み、各列は炉210の各側に位置している。両方の組のパイプは温風プレナム230に接続され、これは排気施設250に繋がっている。
【0037】
傾斜させて、即ち水平と垂直の間に配置されたパイプ220A、220Bを有することで熱せられた気体が炉からパイプ220A、220Bを介して上昇して出てプレナムに入りやすくし、同時にヒーター160の周囲を流れる空気への熱移動のための良好な表面積を提供する。さらにパイプ220A、220Bの傾斜した向きはパイプに灰が堆積するのを防ぐのにも役立つ。炉およびヒーターのこの構造は、例えばパイプ220と加熱チェンバー211およびプレナム230間の溶接された継ぎ目で形成され、煙の漏れを防いでいる。これはこのような漏れが乾燥工程中にタバコを汚染または劣化させる可能性があるので、炉210からの燃焼生成物が確実にヒーター160から小屋の乾燥室120内の再循環空気内に逃げないようにするのに役立つ。
【0038】
またパイプ220の傾斜構造は、
図6に示すように灰の堆積を防ぐのに役立ち、清掃をしやすくするように構成されている。特に
図6は本発明の一部の実施態様による
図5と同じ側からの
図2のヒーターの略式断面図である(分かりやすくするために排気口250は
図6では省略されている)。
【0039】
図6は灰および他の類似する堆積物の小さな山601B−1、601B−3がプレナムの腕部231A、231Bに堆積していることを示している。これらの山は、それらは大きくなり過ぎると、灰はその山の両側から落下して管220Bの1つから落下し、炉のチェンバー211に戻るので大きさに限度がある。
【0040】
図6は炉チェンバー211の床上の灰および/または類似の残渣のさらなる山603を示している。ここで留意すべきは炉のチェンバーの床は、燃焼チェンバー内で未燃燃料(木材などの)を支持するが、灰および/または類似の残渣を灰皿216内に落下させる格子状のもの、格子または類似の構造で形成してもよいということである。炉210の底部の灰皿216の灰などの山605は、必要に応じて灰皿のドア218を介して取り除いてもよい。プレナム230および炉211から出て灰皿216に入る灰のこの経路は、受動的清掃の形体とみなしてもよい。
【0041】
能動的清掃をしやすくするためにプレナム230の腕部231A、231Bそれぞれの前部にある窓235Aおよび235Bは、
図6に示すように取り外し可能である。これは矢印616で示すように吹き込まれる空気のための各腕部内への開口部を供する(およびあらゆる所望の清掃道具を挿入するための開口部を供する)。矢印616によって示されるこの空気流は、プレナム231A、231Bに沿って移動し、穴220を通り炉のチェンバー211内へと下方に移動する。空気流は、従って灰をプレナムから炉のチェンバー内に下方へと、そしてそこから炉のチェンバーの床を介して灰皿216内に搬送する。最後に堆積した灰の山605は、矢印618で示すようにドア218(開いているとき)を介して灰皿から取り除かれる。ここで留意すべきはこの構成は、601B−1、601B−3などそして603または605の灰の山をドア218の方へそして最終的にそこから出るように搬送するのに役立ち、これによりヒーター160の内部をきれいにすることができるということである。
【0042】
従って、前方窓235によって監視および簡単な清掃の両方ができる。
図6に示すようにこのような清掃(能動的および受動的清掃の両方)、特にパイプ220を清掃するためにパイプをばらす必要がない(従ってパイプを炉210とプレナム230の間で溶接することができる)。このような清掃をその場でパイプに行えるようにすることは、そうでなければ清掃のために必要とされる分解時に起こり得る損傷からパイプの接合部を保護することに役立つ。また以前のようにこれは乾燥中のタバコ葉を汚染する可能性のあるヒーターから漏れを妨げることに役立つ。さらに炉211を出るための灰および他の残渣用の効果的なルートを設けることによる能動および受動的清掃は、炉210および熱交換器の燃費の向上にも役立つ。
【0043】
上述したようなヒーター160の構造および作動は、小屋100内のタバコ葉の汚染の減少に繋がるが、これらの作用を煙が換気孔を介して小屋100に入らないようにするのに役立つ他の手段で補完することも考えられる。従って、適当なフィルターをあらゆるそのような換気孔、ベンチレーター、ダクトまたは乾燥小屋100に必要とされるその他の空気循環システムに設置してあらゆる起こり得る汚染をさらに減少させるようにしてもよい。
【0044】
あらゆる汚染を減少させるさらなる要因は、タバコ乾燥工程中の炉の管理である。燃料を補充するために炉チェンバーのドア215を開けることは、外部に煙を放出する可能性があり、次に換気孔を介して小屋内に入る可能性がある。ヒーター160は、従って自動的に燃料を投入するシステム(図には示していない)を使用して作動させることができ、これは炉のドア215が乾燥工程中に開けられる回数を減らすのに役立つ。このような自動投入システムは、煙の漏れを減らすのに役立ち、燃費の向上の可能性を提供する。
【0045】
従って、本明細書で説明したヒーターは、とりわけ乾燥させたタバコの品質の向上(汚染物の少ない)、煙突または他の外部の通気口に簡単に接続するための排気管1つだけ、および薪の消費の減少を提供するのに役立つ組み合わされた炉と熱交換器の改良された設計を供する。さらには監視窓によって熱交換器の内部に完全に進入することができるので、パイプ22および熱交換器の他の部品を清掃のために分解する必要がなく、清掃がやりやすくなる。さらに熱交換器の灰の堆積物は、水平なパイプの数を減らすことによって減少し、特にパイプ220は、その水平から大きく傾斜することによって灰の堆積をほぼ防いでいる。
【0046】
ヒーター160はタバコの熱風乾燥に使用される従来の炉および熱交換器に較べてパイプ間の接合部の数を減少させる。特に炉210と熱交換器間の設置で行われる(内部)接続がなく(従来のシステム用のものとは異なり)、ヒーター160のための唯一の外部接続または接合部は排気口250を外部の通気口へまたは外部の通気口を介して接続することである。(灰皿内への空気入り口のための接続部もあるが、上記の通りこれはヒーター160内への流れだけのために構成されているので漏れのリスクを最小限にする。)
【0047】
一部の実施例ではプレナムの横木232は、排気管250(ヒーター160に溶接されている)が別個のコンパートメントまたは室または直接外部の通気口に移動するように充分に延びてもよい。この場合、排気管250の端部の周囲のあらゆる接合または封止部は、再循環空気流の外側に配置され、そこから離される。このような構成は、再循環空気内への燃焼生成物の漏れのリスクをさらに減少させるのに役立つ。
【0048】
図7は本発明の一部の実施態様による
図2〜6に示したもののようなヒーター160を使用してタバコを乾燥させた際に得られたいくつかの実験結果を示している。特に
図7は(a)典型的な従来の熱交換器(左側の柱)および(b)
図2〜6に示したもののようなヒーター160(右側の柱)を使用した際のタバコ乾燥工程の結果生じた葉の汚染物質B[a]P(ベンゾ[a]ピレン)の量を示している。このB[a]Pの量は、乾燥タバコ葉の煙による汚染の一般的な指標として使用できる。
図7から分かるように本明細書で説明したヒーター160を使用した場合、従来の熱交換器を有する小屋の中で乾燥させたタバコに見られるB[a]Pの量と比較してB[a]Pを極めて顕著に減少させることができる(例えば90%以下までに)。
【0049】
上記の説明はヒーター160の特定の実施態様に着目しているが、当業者はあらゆる既知の実行例の条件によって種々の可能な変性、向上、単純化について知るはずである。例えば、プレナムの構造および接続は、必要に応じて変更してもよい(例えば、H形状である必要はなく、パイプの数およびレイアウトなどは異なってもよい)。さらに炉210は、木材ではなく液化石油ガス(LPG)、石炭、バイオマスなどの異なる熱(燃焼)源を使用してもよい。さらにヒーターは、熱がいかにして炉から加熱される材料へと移動されるかによって例えば気体から液体用の異なる種類の熱交換器を含んでもよい。さらに煙の漏れを減少させるまたは最小限にする他の技術も上述のヒーター160を変更することによって採用してもよく、あるいはフランジおよびクランプによるパイプ接合(例えば排気口250のための)、熱交換器用の単独の連続したパイプ(接合部のない、例えば元の溶接された接合部)および/または自動車業界で使用されているような合成ポリマーなどの封止材の使用などの既に市販されている従来のシステムに適用してもよい。
【0050】
本明細書で説明したヒーターは、異なる種類の植物の部分および/または食物(タバコだけでなく)、例えば穀類および茶などを乾燥させるために使用できる。さらに上述のヒーター160は溶接接合で金属から形成されるが、他の実行例は煉瓦またはコンクリートなどの他の材料(少なくとも部分的に)も利用してもよい。さらに溶接接合を例えばパイプと炉および/またはプレナム間の接合を使用することによって適当なレベルの封止を供する他の接合に置き換えてもよく(少なくとも部分的に)、その接合はその接合部での所望のレベルの封止を得るためのフランジおよび/またはクランプが設けられる。
【0051】
結論として種々の問題の対処と技術の発展のため、本開示全体は種々の実施形態を例示的に示しており、これらの実施形態では特許請求された発明が実践される。本開示の利点および特徴は実施形態の単なる代表的な具体例であり、包括的でも排他的でもない。これらは特許請求された特徴の理解と教示の単なる補助に提供されている。当然だが、本開示の利点、実施形態、具体例、機能、特徴、構造、および/または他の側面は本開示を特許請求の範囲に規定されたとおりに限定するあるいは特許請求の範囲の均等物に限定すると考えるべきではなく、本開示の範囲および/または思想から乖離することなく他の実施形態を利用しても改変してもよいと考えるべきである。種々の実施形態は、開示された構成要素、成分、特徴、部品、工程、手段他の組合せを適切に備えても、これらで構成されても、基本的にこれらで構成されてもよい。また本開示は、現在は特許請求されていないが将来特許請求される可能性がある他の発明を含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0052】
【特許文献1】ブラジル特許出願第8201451号公報