(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6574536
(24)【登録日】2019年8月23日
(45)【発行日】2019年9月11日
(54)【発明の名称】縦型水耕栽培システム及び縦型水耕栽培方法
(51)【国際特許分類】
A01G 31/00 20180101AFI20190902BHJP
A01G 24/44 20180101ALI20190902BHJP
【FI】
A01G31/00 601B
A01G24/44
【請求項の数】10
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2019-70557(P2019-70557)
(22)【出願日】2019年4月2日
【審査請求日】2019年4月3日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514308483
【氏名又は名称】グリーンリバーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002549
【氏名又は名称】特許業務法人綾田事務所
(72)【発明者】
【氏名】長瀬 勝義
【審査官】
佐々木 創太郎
(56)【参考文献】
【文献】
特許第6463525(JP,B1)
【文献】
特開平05−095735(JP,A)
【文献】
特開平04−144611(JP,A)
【文献】
実開平01−178348(JP,U)
【文献】
特開2016−034243(JP,A)
【文献】
実開平01−134443(JP,U)
【文献】
特公昭47−016769(JP,B1)
【文献】
国際公開第2011/145619(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01G 31/00−31/06
A01G 24/00−24/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
保水性シートとその両面を挟み込んだ通気性素材とで構成される縦長の培地と、保水性シートと両通気性素材とを着脱可能な状態で一体に密着固定する固定手段と、養液収容タンクと、養液収容タンクから保水性シートに養液を供給する養液供給手段とを備え、前記養液供給手段から保水性シートに養液を滴下させるように構成された縦型水耕栽培システムであって、
前記両通気性素材は、少なくとも保水性シートと接する内側に植物の根が張ることができる低密度の通気性素材を配置し、その外側に保形性を有する通気性素材を配置する2層以上の複数層構造であることを特徴とする縦型水耕栽培システム。
【請求項2】
請求項1記載の縦型水耕栽培システムにおいて、
前記両通気性素材は、両通気性素材の4つの外周側面のうち、保水性シートと接する面を除く3つの側面が遮光フィルムで覆われていることを特徴とする縦型水耕栽培システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の縦型水耕栽培システムにおいて、
前記固定手段が結束バンドであることを特徴とする縦型水耕栽培システム。
【請求項4】
請求項3に記載の縦型水耕栽培システムにおいて、
前記結束バンドが熱溶融性バンドであることを特徴とする縦型水耕栽培システム。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の縦型水耕栽培システムにおいて、
前記固定手段が平面視略コ字状で開口側を窄め開口側両先端部に内向きに突出する係合突起を有する弾性素材よりなる弾性固定具であることを特徴とする縦型水耕栽培システム。
【請求項6】
保水性シートとその両面を挟み込んだ通気性素材とで構成される縦長の培地と、保水性シートと両通気性素材とを着脱可能な状態で一体に密着固定する固定手段と、養液収容タンクと、養液収容タンクから保水性シートに養液を供給する養液供給手段とを備え、前記養液供給手段から保水性シートに養液を滴下させるように構成された縦型水耕栽培方法であって、
前記両通気性素材は、少なくとも保水性シートと接する内側に植物の根が張ることができる低密度の通気性素材を配置し、その外側に保形性を有する通気性素材を配置する2層以上の複数層構造にすることを特徴とする縦型水耕栽培方法。
【請求項7】
請求項6記載の縦型水耕栽培方法において、
前記両通気性素材は、両通気性素材の4つの外周側面のうち、保水性シートと接する面を除く3つの側面を遮光フィルムで覆うことを特徴とする縦型水耕栽培方法。
【請求項8】
請求項6又は7に記載の縦型水耕栽培方法において
前記固定手段として結束バンドを用いることを特徴とする縦型水耕栽培方法。
【請求項9】
請求項8に記載の縦型水耕栽培方法において、
前記結束バンドとして熱溶融性バンドを用いることを特徴とする縦型水耕栽培方法。
【請求項10】
請求項6又は7に記載の縦型水耕栽培方法において、
前記固定手段として平面視略コ字状で開口側を窄め開口側両先端部に内向きに突出する係合突起を有する弾性素材よりなる弾性固定具を用いることを特徴とする縦型水耕栽培方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、縦型水耕栽培システム及び縦型水耕栽培方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、縦型水耕栽培システムとしては、特許文献1に記載の物が知られている。
特許文献1の縦型水耕栽培システムは、ハウスの天井に吊るし又は床面に立設した複数の縦型水耕栽培筒と、縦型水耕栽培筒内に抜き差し可能に収容した培地と、養液収容タンクから培地に養液を供給する養液供給手段と、縦型水耕栽培筒の下部から滴下した養液を収集し、養液収容タンクに回収する養液回収手段と、を備えた縦型水耕栽培システムであって、前記縦型水耕栽培筒は、その一側面に植物の苗を植え込むための垂直方向のスリットを備え、前記培地は、保水性シートとその両面を挟み込んだ通気性素材とで構成されたものである。
【0003】
すなわち、従来例の縦型水耕栽培システムでは、上述のように、縦型水耕栽培筒内に抜き差し可能に収容した培地を、植物の苗を植え込む保水性シートと、その両面を挟み込んだ通気性素材とで構成し、養液を保水性シート上端部に滴下させるようにしたことで、保水性シートと通気性素材との間に挟み込んだ植物の苗の根に確実に酸素が供給されるため、栽培植物の根腐れを防止することができ、また、培地として保水性シートと通気性素材の2部構成にし、役割分担することにより、保水性は低いが通気性に優れて安価なものや供給容易なもの・通気性は低いが保水性に優れて安価なものや供給容易なものであれば広く使用でき、材料の選択の幅を広げることができる、という効果を有するものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018−13927号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来例の縦型水耕栽培システムでは、保水性シートとその両面を挟み込んだ通気性素材とで構成される培地を、縦型水耕栽培筒内に抜き差し可能に収容した構造であるため、以下に述べるような問題点があった。
すなわち、従来例の縦型水耕栽培システムでは、保水性シートと通気性素材との間に植物の苗又は種を挟んだ状態の培地を縦型水耕栽培筒内に引き入れる作業が必要であるが、その際、特に苗の地下部の大き目な植物を定植する場合、大きな力が必要であるという問題があった。
また、植物の苗の地上部が挟む部分近くまで茂っている場合には引き入れる際にスリットのヘリで植物がこすれてしまう場合があり、それを避けるために慎重に時間をかけて引き入れ作業をしたり、複数の人員を割いて地上部保護と培地の引き入れ作業の分担作業にしなければならなかった。
また、同様に植物の栽培が終了した縦型水耕栽培筒を片付ける際にも、栽培中に肥大した植物の地下部が挟まれた培地を引き出すには大きな力が必要である。
また、繰り返し使用するために縦型水耕栽培筒を洗浄する際に、狭いスリット状の空き部分しかないので洗いづらく、きちんと洗えたか確認する作業も難しかった。
さらに、通気性素材・保水シートを封入した栽培筒の合計重量は重く、定植作業で複数本を運搬すると重労働であった。
以上のように、従来技術は作業性に種々の課題があった。
さらに、フック等でひっかけて抜き差しをするために、フックをひっかける部分が繰り返し使用すると伸びたりちぎれたりし、耐久性にも問題があった。
【0006】
本発明の解決しようとする課題は、そもそも外枠を必要とせずに従来品より圧倒的に重量が軽く、植物の苗又は種の定植等の栽培のための準備作業から栽培期間中・栽培終了後の撤去・撤去後の外枠の洗浄作業など一連の作業を少ない労力で簡単に行なえ、なおかつ 耐久性が良く長く使用でき、高いコストをかけずに実施可能な縦型水耕栽培システム及び縦型水耕栽培方法を提供することにある。
さらに、外枠をなくした際、植物の根部分に直接光が当たらないようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため請求項1記載の縦型水耕栽培システムは、保水性シートとその両面を挟み込んだ通気性素材とで構成される縦長の培地と、保水性シートと両通気性素材とを着脱可能な状態で一体に密着固定する固定手段と、養液収容タンクと、養液収容タンクから保水性シートに養液を供給する養液供給手段とを備え、前記養液供給手段から保水性シートに養液を滴下させるように構成された縦型水耕栽培システムであって、
前記両通気性素材は、少なくとも保水性シートと接する内側に植物の根が張ることができる低密度の通気性素材を配置し、その外側に保形性を有する通気性素材を配置する2層以上の複数層構造であることを特徴とする。
【0008】
請求項2記載の縦型水耕栽培システムは、請求項1記載の縦型水耕栽培システムにおいて、
前記両通気性素材は、両通気性素材の4つの外周側面のうち、保水性シートと接する面を除く3つの側面が遮光フィルムで覆われていることを特徴とする。
【0009】
請求項3記載の縦型水耕栽培システムは、請求項1又は2に記載の縦型水耕栽培システムにおいて、
前記固定手段が結束バンドであることを特徴とする。
【0010】
請求項4記載の縦型水耕栽培システムは、請求項3に記載の縦型水耕栽培システムにおいて、
前記結束バンドが熱溶融性バンドであることを特徴とする。
【0011】
請求項5記載の縦型水耕栽培システムは、請求項1又は2に記載の縦型水耕栽培システムにおいて、
前記固定手段が平面視略コ字状で開口側を窄め開口側両先端部に内向きに突出する係合突起を有する弾性素材よりなる弾性固定具であることを特徴とする。
【0012】
請求項6記載の縦型水耕栽培方法は、保水性シートとその両面を挟み込んだ通気性素材とで構成される縦長の培地と、保水性シートと両通気性素材とを着脱可能な状態で一体に密着固定する固定手段と、養液収容タンクと、養液収容タンクから保水性シートに養液を供給する養液供給手段とを備え、前記養液供給手段から保水性シートに養液を滴下させるように構成された縦型水耕栽培方法であって、
前記両通気性素材は、少なくとも保水性シートと接する内側に植物の根が張ることができる低密度の通気性素材を配置し、その外側に保形性を有する通気性素材を配置する2層以上の複数層構造にすることを特徴とする。
【0013】
請求項7記載の縦型水耕栽培方法は、請求項6記載の縦型水耕栽培方法において、
前記両通気性素材は、両通気性素材の4つの外周側面のうち、保水性シートと接する面を除く3つの側面を遮光フィルムで覆うことを特徴とする。
【0014】
請求項8記載の縦型水耕栽培方法は、請求項6又は7に記載の縦型水耕栽培方法において、
前記固定手段として結束バンドを用いることを特徴とする。
【0015】
請求項9記載の縦型水耕栽培方法は、請求項8に記載の縦型水耕栽培方法において、
前記結束バンドとして熱溶融性バンドを用いることを特徴とする。
【0016】
請求項10記載の縦型水耕栽培方法は、請求項6又は7に記載の縦型水耕栽培方法において、
前記固定手段として平面視略コ字状で開口側を窄め開口側両先端部に内向きに突出する係合突起を有する弾性素材よりなる弾性固定具を用いることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明では、上述のように、前記両通気性素材として、少なくとも保水性シートと接する内側に植物の根が張ることができる低密度の通気性素材を配置し、その外側に保形性を有する通気性素材を配置する2層以上の複数層構造にすることで、従来用いられた重い外枠を省略することができ、これにより、植物の苗又は種の定植等の栽培のための準備作業から栽培期間中・栽培終了後の撤去・撤去後の外枠の洗浄作業など一連の作業を少ない労力で簡単に行なえるようになる。
【0018】
また、前記両通気性素材の外周側面を遮光フィルムで覆うことで、植物の根に光が当たることを防止することができる。
また、養液が通気性素材の外に漏れ出るのを阻止することで、培地の乾燥を防止することができる。
【0019】
また、前記固定手段として結束バンドを用いることで、簡易な紐等を用いて結束及び解体作業を簡単に行えるようになる。
【0020】
また、前記結束バンドとして熱溶融性バンドを用いることで、熱溶着により培地の結束作業を簡略化することができる。
【0021】
また、前記固定手段として弾性固定具を用いることで、培地に対する弾性固定具の着脱作業を弾性を利用して簡単に行えるようになると共に、弾性固定具の再利用が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】実施例1の縦型水耕栽培システムを示す全体説明図である。
【
図2】
図1のA−A線における拡大横断断面図である。
【
図3】実施例1の縦型水耕栽培システムを示す要部拡大縦断正面図である。
【
図6】実施例2の固定手段の使用状態を示す横断平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下にこの発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0024】
まず、この実施例1の縦型水耕栽培システムを図面に基づいて説明する。
この実施例1の縦型水耕栽培システムは、
図1〜3に示すように、保水性シート2とその両面を挟み込んだ通気性素材3、3とで構成される縦長の培地1と、培地1の外周を着脱可能に結束する結束バンド41(固定手段4)と、両通気性素材3、3の外周側面を覆う遮光性フィルム5と、溶液収容タンク6と、溶液収容タンク6から保水性シート2に養液7を供給する養液供給手段8と、養液回収手段9とを備え、前記養液供給手段8から保水性シート2に養液7を滴下させるように構成されている。
【0025】
さらに詳述すると、前記両通気性素材3は、保水性シート1と接する内側に植物の根が張ることができる低密度の通気性素材31を配置し、その外側に保形性を有する通気性素材32を配置する2層構造となっている。
【0026】
前記遮光性フィルム5は、両通気性素材31、32の4つの外周側面のうち、保水性シート2と接する面を除く3つの側面に対し接着剤や、熱溶着等により接着して一体化させている。
なお、熱溶着させる場合は、通気性素材31、32、と遮光フィルム5の素材として熱溶融性素材が用いられる。
【0027】
前記結束バンド41は、この実施例1では熱溶融性バンドが用いられている。
【0028】
前記培地1は、ハウス等の天井に沿って備えた吊下げパイプ9aに吊下部材(針金又は紐)9bを介して吊下げた状態で備えられている。
【0029】
前記養液供給手段8は、
図1、3に示すように、養液供給ポンプ8aを備え、養液収容タンク6から養液供給パイプ8bを介して保水性シート2の上端部に養液7を滴下させる。
なお、保水性シート2はその上端部を両通気性素材3、3の上端面に沿わせることで、通気性素材3、3側への養液7の漏れを阻止し、これにより養液7全てを保水性シート2に吸収させるようにしている。
【0030】
前記養液回収手段9は、保水性シート2の下端部から滴下する養液7を受け止めるドレンパン91と、養液回収循環ポンプ92とを備え、ドレンパン91に溜まった養液7を養液回収循環ポンプ92で養液収容タンク6に回収循環させる。
【0031】
なお、保水性シート2は、1枚のシートである必要は必ずしもなく、複数枚のシートを重ねて使用してもよい。
例えば、厚さ1mmのシートを2枚以上重ねて通気性素材3、3に挟んで使用してもよい。
【0032】
次に、この実施例1の作用を説明する。
この実施例1の縦型水耕栽培システムでは、上述のように構成されるため、
図3に示すように、保水性シート2と両通気性素材31、31のいずれか一方との相互間に植物の苗又は種子10を植え込んだ状態で、養液供給ポンプ8aで養液7を保水性シート2の上端部に滴下させると、保水性シート2と接した苗又は種子10は、保水性シート2から養液7を吸収して成長する。
【0033】
次に、この実施例1の効果を説明する。
この実施例1の縦型水耕栽培システムでは、上述のように、前記両通気性素材3、3として、保水性シート2と接する内側に植物の根が張ることができる低密度の通気性素材31を配置し、その外側に保形性を有する通気性素材32を配置する2層構造にすることで、従来用いられた重い外枠を省略することができ、これにより、植物の苗又は種10の定植等の栽培のための準備作業から栽培期間中・栽培終了後の撤去・撤去後の外枠の洗浄作業など一連の作業を少ない労力で簡単に行なえるようになる。
【0034】
また、前記両通気性素材の外周側面を遮光フィルム5で覆うことで、植物の根に光が当たることを防止することができる。
また、養液7が通気性素材3、3の外に漏れ出るのを阻止することで、培地1の乾燥を防止することができる。
【0035】
また、前記固定手段4として結束バンドを用いることで、簡易な紐等を用いて結束及び解体作業を簡単に行えるようになる。
【0036】
次に、他の実施例について説明する。この他の実施例の説明にあたっては、前記実施例1と同様の構成部分については図示を省略し、もしくは同一の符号を付けてその説明を省略し、相違点についてのみ説明する。
【実施例2】
【0037】
この実施例2の縦型水耕栽培システムは、
図4〜6に示すように、固定手段4として、略コ字状で開口側を窄め開口側両先端部に内向きに突出する係合突起4aを有する弾性素材よりなる弾性固定具42を用いるようにした点が前記実施例1と相違するものである。
【0038】
この実施例2の固定手段4では、上述のように構成されるため、
図6に示すように、培地1における遮光フルムで覆った両通気性素材31、31の側面に沿わせて差し込むことにより、弾性固定具42の弾性反発力により両係合突起4aが培地1の反対側両端部に係合し、取り付け状態を完了する。
この実施例2によれば、培地1に対する弾性固定具42の着脱作業が弾性を利用して簡単に行えるようになると共に、弾性固定具42の再利用が可能となる。
【0039】
以上本実施例を説明してきたが、本発明は上述の実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても、本発明に含まれる。
【0040】
例えば、実施例では、培地1をハウスの天井等に吊下げた状態で備えた例を示したが、床面に立設した状態で備えるようにしてもよい。
【0041】
また、実施例1では、固定手段4として結束バンド41を用いたが、ワイヤー、紐、テープ等簡易なものを用いることができる。
【0042】
また、実施例では、両通気性素材3、3を低密度の通気性素材31と保形性を有する通気性素材32との2層構造としたが、2層以上であってもよい。
【0043】
また、縦型水耕栽培システム又は方法の光源としては、太陽光の他にLED等の人工光を用いることができる。
【符号の説明】
【0044】
1 培地
2 保水性シート
3 通気性素材
31 低密度の通気性素材
32 保形性を有する通気性素材
4 固定手段
4a 係合突起
41 結束バンド
42 弾性固定具
5 遮光フィルム
6 養液収容タンク
7 養液
8 養液供給手段
8a 養液供給ポンプ
8b 養液供給パイプ
9 養液回収手段
91 ドレンパン
92 養液回収循環ポンプ
9a 吊下げパイプ
9b 吊下部材
10 植物の苗又は種子
【要約】 (修正有)
【課題】外枠を必要とせずに従来品より圧倒的に重量が軽く、一連の作業を少ない労力で簡単に行なえ、なおかつ耐久性が良く長く使用でき、高いコストをかけずに実施可能な縦型水耕栽培システム及び縦型水耕栽培方法の提供。
【解決手段】保水性シート2とその両面を挟み込んだ通気性素材3、3とで構成される縦長の培地と、培地の外周を着脱可能に結束する結束バンド41(固定手段4)と、両通気性素材3、3の外周側面を覆う遮光性フィルム5と、溶液収容タンクと、溶液収容タンクから保水性シート2に養液を供給する養液供給手段と、養液回収手段とを備え、前記養液供給手段から保水性シート2に養液を滴下させるように構成され、両通気性素材3、3は、保水性シート2と接する内側に植物の根が張ることができる低密度の通気性素材31を配置し、その外側に保形性を有する通気性素材32を配置する2層構造となっている。
【選択図】
図3