(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第一圧送装置及び前記第二圧送装置が、流動体の圧送目標量が所定の安定領域内であることを条件として、前記圧送目標量に対する実際の圧送量の乖離が所定の範囲内に収まるものであり、
前記制御装置が、前記第一圧送装置及び前記第二圧送装置をそれぞれ前記安定領域内において流動体を圧送するように動作させることを特徴とする請求項1に記載の流動体供給システム。
前記小流量モードにおいて、前記第一圧送装置の出力に対する前記第二圧送装置の出力を低く設定することにより、前記第一圧送装置及び前記第二圧送装置の出力差に相当する流量で流動体を前記中間部から前記副流路側に接続された供給先に向けて圧送可能であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の流動体供給システム。
前記第一圧送装置及び前記第二圧送装置が、流動体の圧送目標量が所定の安定領域内であることを条件として、前記圧送目標量に対する実際の圧送量の乖離が所定の範囲内に収まるものであり、
前記供給先への流動体の供給要求量が、前記第一圧送装置により流動体を安定供給可能な前記安定領域を下回ることを条件として、前記制御装置が、前記第一圧送装置について前記安定領域内の流量Rgで前記中間部に向けて流動体が流れるように動作制御しつつ、前記第二圧送装置について前記安定領域内の流量Rbで前記中間部から前記第二主流路構成部に向かう方向に流動体が流れるように動作制御することを特徴とする請求項4に記載の流動体供給システム。
前記小流量モードにおいて、前記第一圧送装置の出力に対する前記第二圧送装置の出力を高く設定することにより、前記第一圧送装置及び前記第二圧送装置の出力差に相当する流量で流動体を前記中間部を介して前記副流路側から前記主流路側に流動体を合流させうることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の流動体供給システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した一軸偏心ねじポンプは、流動体の圧送目標量が所定の安定領域内であることを条件として、圧送目標量に対する実際の圧送量の乖離が所定の範囲内に収まるように圧送量を精度良く調整できる。しかしながら、流動体の圧送目標量が前述した安定領域を外れたものである場合には、圧送量の制御精度が低下してしまう懸念があった。そのため、流動体の圧送目標量が広範囲に亘る用途等に対応するためには、前述した安定領域が相違する複数種の一軸偏心ねじポンプを準備する等せねばならなかった。
【0005】
そこで本発明は、広範囲に亘る圧送目標量に対して高精度に流量調整可能な流動体供給システムの提供を目的とした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決すべく提供される本発明の流動体供給システムは、流動体が流れる主流路と、前記主流路の中間部に接続された副流路と、流動体の供給制御を行う制御装置とを有し、前記主流路において前記中間部を境界として一方側をなす第一主流路構成部に流動体を圧送可能な第一圧送装置が設けられ、他方側をなす第二主流路構成部に流動体を圧送可能な第二圧送装置が設けられており、前記第一圧送装置及び前記第二圧送装置のいずれか一方により流動体を前記副流路に向けて圧送する通常モードによる運転と、前記第一圧送装置により前記中間部に向かう方向に流動体を圧送しつつ、前記第二圧送装置により前記中間部から前記第二主流路構成部側に向かう方向に流動体を圧送させることにより、前記第一主流路構成部側から圧送されてきた流動体の一部又は全部が前記中間部を経由して前記第二主流路構成部側に至る流れを形成するように流動体を圧送することにより、前記副流路における流動体の流量を前記通常モードよりも小流量の流量範囲内で制御する小流量モードによる運転と、前記第一圧送装置及び前記第二圧送装置により流動体を圧送させることにより、前記副流路における流動体の流量を前記通常モードよりも大流量の流量範囲内で制御する大流量モードによる運転とが可能であり、前記小流量モードによる運転に際し、前記制御装置が、前記第一圧送装置の出力に対する前記第二圧送装置の出力を調整することにより、前記副流路における流動体の流れ方向を制御可能なものである。
【0007】
本発明の流動体供給システムにおいては、第一圧送装置及び第二圧送装置のいずれか一方により流動体を副流路に向けて圧送する通常モードだけでなく、大流量モードや小流量モードにより流動体の流れを制御できる。大流量モードにおいては、第一圧送装置及び第二圧送装置により圧送された流動体を合流させることにより、第一圧送装置あるいは第二圧送装置の一方だけでは達し得ない大流量で安定的に流動体を圧送できる。また、小流量モードにおいては、第一圧送装置及び第二圧送装置の出力調整を行うことにより、主流路を流れる流動体に対する副流路における流動体の流れ方向を制御しつつ、副流路を流れる流動体の流量を第一圧送装置あるいは第二圧送装置の一方だけでは達し得ない小流量とした状態で安定的に流動体を圧送できる。従って、本発明によれば、広範囲に亘る圧送目標量に対して高精度に流量調整可能な流動体供給システムを提供できる。
【0008】
上述した本発明の流動体供給システムは、前記第一圧送装置及び前記第二圧送装置が、流動体の圧送目標量が所定の安定領域内であることを条件として、前記圧送目標量に対する実際の圧送量の乖離が所定の範囲内に収まるものであり、前記制御装置が、前記第一圧送装置及び前記第二圧送装置をそれぞれ前記安定領域内において流動体を圧送するように動作させるものであることが好ましい。
【0009】
本発明のように前記第一圧送装置及び前記第二圧送装置を安定領域内において作動させることにより、いずれの運転モードによって運転する場合であっても圧送目標量に対して高精度に流量調整可能となる。
【0010】
上述した本発明の流動体供給システムは、前記第一圧送装置及び前記第二圧送装置が、筒状で内周面が雌ねじ形状に形成されたステータと、前記ステータの内周面によって囲まれた貫通孔と、雄ねじ形状に形成され、前記貫通孔内において前記内周面に対して内接しながら回転可能なロータと、前記貫通孔内に前記ロータを挿通することにより前記ロータの外周面と前記ステータの内周面との間に形成された流体搬送路とを備え、前記ロータを回転させることにより前記ステータの一端側に設けられた吸込口から前記流体搬送路内に流動体を吸い込み、前記ステータの他端側に設けられた吐出口から前記流動体を吐出可能なものであることが好ましい。
【0011】
本発明の流動体供給システムは、第一圧送装置及び第二圧送装置として、ロータ及びステータを備えた、いわゆる一軸偏心ねじポンプを採用している。そのため、本発明の流動体供給システムは、第一圧送装置及び第二圧送装置においてステータに対するロータの回転量を調整することにより流動物の流量を高精度に調整できる。従って、本発明によれば、より一層流量制御精度の高い流動体供給システムを提供できる。
【0012】
上述した本発明の流動体供給システムは、前記小流量モードにおいて、前記第一圧送装置の出力に対する前記第二圧送装置の出力を低く設定することにより、前記第一圧送装置及び前記第二圧送装置の出力差に相当する流量で流動体を前記中間部から前記副流路側に接続された供給先に向けて圧送可能であることが望ましい。
【0013】
かかる構成によれば、副流路に接続された供給先に対する流動体の供給を小流量の範囲において高精度に制御できる。
【0014】
上述した本発明の流動体供給システムは、前記第一圧送装置及び前記第二圧送装置が、流動体の圧送目標量が所定の安定領域内であることを条件として、前記圧送目標量に対する実際の圧送量の乖離が所定の範囲内に収まるものであり、前記供給先への流動体の供給要求量が、前記第一圧送装置により流動体を安定供給可能な前記安定領域を下回ることを条件として、前記制御装置が、前記第一圧送装置について前記安定領域内の流量Rgで前記中間部に向けて流動体が流れるように動作制御しつつ、前記第二圧送装置について前記安定領域内の流量Rbで前記中間部から前記第二主流路構成部に向かう方向に流動体が流れるように動作制御するものであることが好ましい。
【0015】
本発明の流動体供給システムにおいては、第一圧送装置についての安定領域を下回る流量範囲において流動体を圧送しようとする際であっても、第一圧送装置及び第二圧送装置の双方が安定領域内の流量Rg,Rbで動作するように制御される。そのため、本発明の流動体供給システムによれば、第一圧送装置についての安定領域を下回る流量範囲において高精度に流動体を圧送できる。
【0016】
上述した本発明の流動体供給システムは、前記小流量モードにおいて、前記第一圧送装置の出力に対する前記第二圧送装置の出力を高く設定することにより、前記第一圧送装置及び前記第二圧送装置の出力差に相当する流量で流動体を前記中間部を介して前記副流路側から前記主流路側に流動体を合流させうるものであっても良い。
【0017】
本発明の流動体供給システムにおいては、小流量モードにおいて第一圧送装置の出力に対する第二圧送装置の出力を高く設定することにより、第一圧送装置及び第二圧送装置の出力差に相当する流量で副流路側から主流路側に流動体を合流させることができる。そのため、第一圧送装置あるいは第二圧送装置を単独で作動させるだけでは達しえない小流量の範囲において高精度に副流路側から主流路側に流動体を合流させることができる。
【0018】
上述した本発明の流動体供給システムは、前記第一圧送装置及び前記第二圧送装置の圧送能力が同等のものとすることができる。
【0019】
本発明によれば、安定領域が相違する圧送装置を準備することなく、流動体の圧送目標量を広範囲に亘って調整できる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、広範囲に亘る圧送目標量に対して高精度に流量調整可能な流動体供給システムを提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の一実施形態に係る流動体供給システム10について、図面を参照しつつ詳細に説明する。流動体供給システム10は、流動体の流量を精度良く調整して供給先に供給するためのものである。
図1に示すように、流動体供給システム10は、貯留部20と、主流路30と、副流路40と、第一圧送装置50と、第二圧送装置60と、制御装置70とを備えている。
【0023】
貯留部20は、流動体を貯留しておくためのタンク等によって構成されている。貯留部20には、主流路30が配管接続されており、主流路30を介して流動体を流出入させることができる。具体的には、貯留部20には、第一接続口22及び第二接続口24が設けられており、それぞれに主流路30をなす配管が接続されている。
【0024】
主流路30は、流動体が通過可能な配管によって構成された流路である。主流路30は、中間に設けられた中間部32を境界として一方側が第一主流路構成部34とされ、他方側が第二主流路構成部36とされている。第一主流路構成部34の端部は貯留部20の第一接続口22に接続され、第二主流路構成部36の端部は第二接続口24に接続されている。また、第一主流路構成部34には後述の第一圧送装置50が設けられ、第二主流路構成部36には後述の第二圧送装置60が設けられている。
【0025】
副流路40は、主流路30と同様に、流動体が通過可能な配管によって構成された流路である。副流路40は、一端側が中間部32において主流路30に接続されており、主流路30との間で流動体を流出入させうる。
【0026】
第一圧送装置50及び第二圧送装置60は、流動体を圧送するための圧送装置である。第一圧送装置50及び第二圧送装置60には、それぞれ流動体の圧送目標量が所定の安定領域内であることを条件として、圧送目標量に対する実際の圧送量fの乖離が所定の範囲内に収まる特性を有するものが採用されている。また、第一圧送装置50及び第二圧送装置60は、圧送に際して単位容積L分の流動体が流出入する空間(後述の流出入部175に相当)を有する。第一圧送装置50及び第二圧送装置60は、後に詳述するように、所定の低流量域と高流量域を除いて安定した圧送量fで流動体を移送できるという特性を有する。第一圧送装置50及び第二圧送装置60には、圧送能力が同等のものが採用されている。
【0027】
第一圧送装置50及び第二圧送装置60は、例えばいわゆる回転容積型のポンプなど、上述した特性を備えたものであればいかなるものであっても良い。本実施形態では、
図2に示した一軸偏心ねじポンプ100が第一圧送装置50及び第二圧送装置60として採用されている。
【0028】
図2に示すように、一軸偏心ねじポンプ100は、一軸偏心ねじポンプ機構110を主要部として構成される、いわゆる回転容積型のポンプである。
図2に示すように、一軸偏心ねじポンプ100は、ケーシング152の内部にステータ166、ロータ172、及び動力伝達機構178等を収容した構成とされている。ケーシング152は、金属製で筒状の部材であり、長手方向一端側に第一開口部154が設けられている。また、ケーシング152の外周部分には、第二開口部164が設けられている。第二開口部164は、ケーシング152の長手方向中間部分に位置する中間部160においてケーシング152の内部空間に連通している。
【0029】
第一開口部154及び第二開口部164は、それぞれ吸込口および吐出口として機能する部分である。一軸偏心ねじポンプ100は、ロータ172を正方向に回転させることにより、第一開口部154を吐出口、第二開口部164を吸込口として機能させることができる。また、ロータ172を逆方向に回転させることにより、第一開口部154を吸込口、第二開口部164を吐出口として機能させることができる。
【0030】
ステータ166は、ゴム等の弾性体、又は樹脂等によって形成された略円筒形の外観形状を有する部材である。ステータ166の内周面170は、n条で単段あるいは多段の雌ネジ形状とされている。本実施形態においては、ステータ166は、2条で多段の雌ねじ形状とされている。また、ステータ166の貫通孔168は、ステータ166の長手方向のいずれの位置において断面視しても、その断面形状(開口形状)が略長円形となるように形成されている。
【0031】
ロータ172は、金属製の軸体であり、n−1条で単段あるいは多段の雄ねじ形状とされている。本実施形態においては、ロータ172は、1条で偏心した雄ねじ形状とされている。ロータ172は、長手方向のいずれの位置で断面視しても、その断面形状が略真円形となるように形成されている。ロータ172は、上述したステータ166に形成された貫通孔168に挿通され、貫通孔168の内部において自由に偏心回転可能とされている。
【0032】
ロータ172をステータ166に対して挿通すると、ロータ172の外周壁174とステータ166の内周面170とが両者の接線で密接した状態になり、ステータ166の内周面170とロータ172の外周壁174との間に流体搬送路176が形成される。流体搬送路176は、単位容積L分の流動体が流出入する流出入部175が複数連なったものであり、ステータ166やロータ172の長手方向に向けて螺旋状に伸びるように形成されている。
【0033】
流体搬送路176は、ロータ172をステータ166の貫通孔168内において回転させると、ステータ166内を回転しながらステータ166の長手方向に進む。そのため、ロータ172を回転させると、ステータ166の一端側から流体搬送路176内に流動体を吸い込むと共に、この流動体を流体搬送路176内に閉じこめた状態でステータ166の他端側に向けて移送し、ステータ166の他端側において吐出させることが可能である。本実施形態のポンプ機構110は、ロータ172を正方向に回転させることにより使用され、第二開口部164から吸い込んだ粘性液を圧送し、第一開口部154から吐出可能とされている。
【0034】
動力伝達機構178は、駆動機196から上述したロータ172に対して動力を伝達するためのものである。動力伝達機構178は、動力伝達部180と偏心回転部182とを有する。動力伝達部180は、ケーシング152の長手方向の一端側に設けられている。また、偏心回転部182は、動力伝達部180とステータ取付部156との間に形成された中間部160に設けられている。偏心回転部182は、動力伝達部180とロータ172とを動力伝達可能なように接続する部分である。偏心回転部182は、従来公知のカップリングロッドや、スクリューロッドなどによって構成された連結軸188を備えている。そのため、偏心回転部182は、駆動機196を作動させることにより発生した回転動力をロータ172に伝達させ、ロータ172を偏心回転させることが可能である。
【0035】
図3に示すように、一軸偏心ねじポンプ100(第一圧送装置50,第二圧送装置60)は、流動体の圧送目標量Fが所定の安定領域内であることを条件として、圧送目標量Fに対する実際の圧送量(実圧送量f)の乖離が所定の範囲内に収まる特性を有する。すなわち、一軸偏心ねじポンプ100は、理想的には
図3(a)のようにロータ172の回転量に比例して流動体の実圧送量fが増大する特性を有する。しかしながら、
図3(b)のように、圧送目標量Fが安定領域を外れて低流量である領域(低流量領域)や高流量である領域(高流量領域)においては、圧送目標量Fに対する実圧送量fの乖離が所定範囲を超えて大きくなる懸念がある。このように、安定領域や、実圧送量fの乖離が所定量以上に大きくなる懸念のある不安定領域が発生する要因は種々想定されるが、概ね以下の理由によるものと想定される。
【0036】
具体的には、低流量領域において実圧送量fが不安定となる第一の理由として、一般的に、駆動機196には回転ムラがあり、特に低回転数域(低流量領域)において顕著であることが考えられる。駆動機196がこのような特性を有するため、駆動機196を低回転数で作動させねばならない低流量領域においては、実圧送量fが不安定になる懸念がある。また、第二の理由として、駆動機196が低回転数で作動する状況においては、動力伝達機構178に設けられたユニバーサルジョイントのガタや、フレキシブルロッドのねじれにより、駆動機196の動きにロータ172がうまく追従しないことが考えられる。これにより、特に一軸偏心ねじポンプ100の起動時においては、実圧送量fを精度良く調整できない懸念がある。
【0037】
第三の理由として、駆動機196の回転数が低回転数である領域(低流量領域)においては、動力伝達機構178に設けられたジョイントが潤滑不十分な状態になりがちであることが考えられる。すなわち、動力伝達機構178に設けられたジョイントが、潤滑剤の存在あるいは流動体が存在することにより潤滑が図られるものである場合には、潤滑作用を促進するための潤滑剤等がうまくジョイントに回らなければスムーズに動作しない。しかしながら、駆動機196が低速回転する領域(低流量領域)においては、潤滑剤等の回り込みが不十分であり、ジョイントの摩擦係数が下がらず、流動体の移送が不安定化する原因となりうる。第四の理由として、低流量領域においては、ステータ166とロータ172との摩擦係数が下がらず、ステータ166に対してロータ172が引っかかりつつ回転するような状態になることが考えられる。ステータ166に対してロータ172がなめらかに回らなければ、流動体の移送が不安定化する原因となりうる。
【0038】
また、高流量領域において実圧送量fが不安定となる理由としては、流動体の吸込不足(キャビテーション)等の原因が考えられる。
【0039】
一軸偏心ねじポンプ100においては、概ね上述したような理由から低流量領域及び高流量領域において実圧送量fが不安定になる可能性がある。その反面、低流量領域及び高流量領域の中間においては、上述した実圧送量fを不安定なものとする要因の影響が殆どなく、流動体の実圧送量fが安定する。このように、一軸偏心ねじポンプ100は、低流量領域及び高流量領域の中間に、流動体の実圧送量fを精度良く制御可能な安定領域を有する。
【0040】
制御装置70は、流動体供給システム10における流動体の供給制御を行うためのものである。制御装置70は、第一圧送装置50及び第二圧送装置60をそれぞれ安定領域内において流動体を圧送するように動作させることにより、複数の運転モードで流動体を供給することができる。本実施形態では、制御装置70による制御の下、通常モード、大流量モード、及び小流量モードを含む複数の運転モードで流動体供給システム10を動作させることができる。以下、各モードについて説明する。
【0041】
通常運転モードは、副流路40を通過する流動体の流量(圧送目標量)が第一圧送装置50あるいは第二圧送装置60が圧送能力を安定して発揮できる流量範囲内である場合に選択される運転モードである。通常モードにおいては、第一圧送装置50及び第二圧送装置60のいずれか一方をなす一軸偏心ねじポンプ100が作動する。
【0042】
例えば
図4(a)に示す例のように、第二圧送装置60を停止状態としつつ、第一圧送装置50を作動させる。これにより、
図4(a)でハッチングを付して示すように、貯留部20、主流路30の第一主流路構成部34、及び副流路40を流動物が流れる。一軸偏心ねじポンプ100のロータ172を正方向に回転させた場合には、
図4(a)において矢印xで示したように流動体が貯留部20側から副流路40に向けて圧送される。また、ロータ172を逆方向に回転させた場合には、
図4(a)において矢印yで示したように、流動体が副流路40側から貯留部20側に向けて圧送される。これにより、第一圧送装置50あるいは第二圧送装置60が安定して流量制御可能な範囲内(安定領域内)の流量で、副流路40に流動体を通過させることができる。
【0043】
大流量モードは、副流路40を通過する流動体の流量(圧送目標量)が第一圧送装置50あるいは第二圧送装置60が圧送能力を安定して発揮できる流量範囲を越える場合に選択される運転モードである。すなわち、大流量モードは、通常運転モードのように第一圧送装置50あるいは第二圧送装置60の一方を単体で作動させただけでは安定供給できない大流量で流動体を圧送する必要がある場合に選択される運転モードである。
【0044】
図4(b)に矢印で示すように、大流量モードにおいては、第一圧送装置50及び第二圧送装置60の双方を同一方向に流動体を圧送するように作動させる。第一圧送装置50及び第二圧送装置60を、それぞれ貯留部20側から中間部32側に向かう方向に流動体を圧送するように作動させると、
図4(b)に矢印x1,x2で示すように第一主流路構成部34及び第二主流路構成部36を流動体が流れ、中間部32において合流する。中間部32において合流した流動体は、
図4(b)に矢印Xで示すように副流路40に向けて圧送される。
【0045】
一方、第一圧送装置50及び第二圧送装置60を、それぞれ中間部32側から貯留部20側に向かう方向に流動体を圧送するように作動させると、
図4(b)に矢印Yで示すように、副流路40から中間部32に向けて流動体が流れる。その後、
図4(b)に矢印y1,y2で示すように、流動体の流れが中間部32において第一主流路構成部34及び第二主流路構成部36に分岐され、貯留部20に向けて圧送される。いずれの方向に流動体を圧送した場合についても、第一圧送装置50あるいは第二圧送装置60を単体で作動させた場合には達し得ない大流量で精度良く副流路40に流動体を通過させることができる。
【0046】
小流量モードは、副流路40を通過する流動体の流量(圧送目標量)が第一圧送装置50あるいは第二圧送装置60が圧送能力を安定して発揮できる流量範囲を下回る場合に選択される運転モードである。すなわち、小流量モードは、通常運転モードのように第一圧送装置50あるいは第二圧送装置60の一方を単体で作動させただけでは安定供給できない小流量で流動体を圧送する必要がある場合に選択される運転モードである。
【0047】
図5(a),(b)に矢印で示すように、小流量モードにおいては、第一圧送装置50により中間部32に向かう方向に流動体を圧送しつつ、第二圧送装置60により中間部32から第二主流路構成部36側に向かう方向に流動体を圧送させる。これにより、第一主流路構成部34側から圧送されてきた流動体の一部又は全部が中間部32を経由し、第二主流路構成部36側に至る流れを形成する。小流量モードにおいては、第一圧送装置50の出力に対する第二圧送装置60の出力を調整することにより、副流路40を流れる流動体の流れ方向を制御可能である。
【0048】
具体的には、第一圧送装置50の出力(圧送能力)に対し、第二圧送装置60の出力(圧送能力)を低く設定することにより、
図5(a)に矢印Z1で示すように第一圧送装置50及び第二圧送装置60の出力差に相当する流量で流動体が中間部32から副流路40側に向かう方向に流れるように流動体の流れを制御できる。さらに詳細には、副流路40に接続された供給先に向けて流動体を供給すべき場合であって、流動体の供給要求量が、第一圧送装置50により流動体を安定供給可能な安定領域を下回る場合には、
図5(a)において矢印xで示すように、第一主流路構成部34において中間部32に向けて安定領域内の流量Rgで流動体が流れるように第一圧送装置50が動作制御される。
【0049】
その一方で、第二圧送装置60については、
図5(a)において矢印yで示すように、第二主流路構成部36において中間部32から遠ざかる方向(貯留部20側)に向けて安定領域内の流量Rbで流動体が流れるように動作制御される。ここで、第一主流路構成部34における流量Rgに対し、第二主流路構成部36における流量Rbが小さく(Rb<Rg)なるように流量調整がなされる。これにより、
図5(a)に矢印Z1で示すように、副流路40において主流路30(中間部32)側から遠ざかる方向に、流量Rgと流量Rbの差に相当する流量(Rg−Rb)で流動体が流れる。
【0050】
一方、第一圧送装置50の出力に対し、第二圧送装置60の出力を高く設定することにより、第一圧送装置50及び第二圧送装置60の出力差に相当する流量で流動体を中間部32を介して副流路40側から主流路30側に流動体を合流させうる。さらに詳細には、副流路40側から主流路30側に向けて流動体を供給すべき場合であって、流動体の供給要求量が第一圧送装置50により流動体を安定供給可能な安定領域を下回る場合には、
図5(b)において矢印xで示すように、第一主流路構成部34において中間部32に向けて安定領域内の流量Rgで流動体が流れるように第一圧送装置50が動作制御される。
【0051】
その一方で、第二圧送装置60については、
図5(b)に矢印yで示すように、第二主流路構成部36において中間部32から遠ざかる方向に安定領域内の流量Rbで流動体が流れるように動作制御される。ここで、第一主流路構成部34における流量Rgに対し、第二主流路構成部36における流量Rbが大きく(Rb>Rg)なるように流量調整がなされる。これにより、
図5(b)に矢印Z2で示すように、副流路40において、流量Rbと流量Rgの差に相当する流量(Rb−Rg)で主流路30(中間部32)側に向かう方向に流動体が供給される。
【0052】
上述したように、本実施形態の流動体供給システム10においては、通常モードだけでなく、大流量モードや小流量モードにより流動体の流れを制御できる。大流量モードにおいては、第一圧送装置50あるいは第二圧送装置60の一方だけでは達し得ない大流量で安定的に流動体を圧送できる。また、小流量モードにおいては、第一圧送装置50あるいは第二圧送装置60の一方だけでは達し得ない小流量で安定的に流動体を圧送できる。さらに、小流量モードにおいては、第一圧送装置50及び第二圧送装置60の出力バランスを調整することにより、副流路40における流動体の流れ方向を制御できる。従って、本実施形態の流動体供給システム10によれば、広範囲に亘る圧送目標量に対して高精度に流動体の流量を調整できる。
【0053】
また、上述したように小流量モードにおいて、副流路40を通過する流動体の流れ方向を主流路30側に向かう方向とすることにより、主流路30を流れる流動体に対して副流路40を介して供給された流動体を混合させることができる。そのため、例えば2液混合型の接着剤などのように複数の流動体を混合する用途に流動体供給システム10を有効利用できる。具体的には、副流路40の端部に混合用の流動体の供給源を別途設け、小流量モードにおいて副流路40を主流路30側に向けて流動体が流れるように動作させることにより複数種の流動体を混合する用途に流動体供給システム10を利用できる。また、流動体供給システム10は、主流路30を流れる流動体と同種のものを、副流路40を介して微少量合流させる用途にも利用できる。これにより、
図3(b)に示した安定領域内において、より一層少ない流量単位での流動体の流量調整が可能となる。
【0054】
また、本実施形態の流動体供給システム10は、第一圧送装置50及び第二圧送装置60を安定して流量を制御可能な作動領域(安定領域)内で作動させつつ、大流量モードや小流量モードによる運転を行うことができる。そのため、流動体吐出システム10によれば、いずれの運転モードによって運転する場合であっても圧送目標量に対して高精度に流量調整できる。
【0055】
本実施形態の流動体供給システム10では、第一圧送装置50及び第二圧送装置60の圧送能力が略同等とされている。このように、流動体供給システム10においては、安定領域が相違する圧送装置を準備することなく、流動体の圧送目標量を広範囲に亘って調整できる。