特許第6574546号(P6574546)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6574546-多層管 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6574546
(24)【登録日】2019年8月23日
(45)【発行日】2019年9月11日
(54)【発明の名称】多層管
(51)【国際特許分類】
   F16L 11/08 20060101AFI20190902BHJP
   B32B 1/08 20060101ALI20190902BHJP
   B32B 27/12 20060101ALI20190902BHJP
【FI】
   F16L11/08 B
   B32B1/08 Z
   B32B27/12
【請求項の数】6
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-241955(P2013-241955)
(22)【出願日】2013年11月22日
(65)【公開番号】特開2015-102128(P2015-102128A)
(43)【公開日】2015年6月4日
【審査請求日】2016年7月12日
【審判番号】不服2017-15033(P2017-15033/J1)
【審判請求日】2017年10月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002174
【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001232
【氏名又は名称】特許業務法人 宮▲崎▼・目次特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三二 敏文
(72)【発明者】
【氏名】寺地 信治
(72)【発明者】
【氏名】星野 雄亮
(72)【発明者】
【氏名】泉 健二
【合議体】
【審判長】 山崎 勝司
【審判官】 田村 嘉章
【審判官】 窪田 治彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開平9−72462(JP,A)
【文献】 国際公開第2006/078078(WO,A1)
【文献】 特開2009−92095(JP,A)
【文献】 特開平5−60276(JP,A)
【文献】 特開平5−138751(JP,A)
【文献】 特開2004−84701(JP,A)
【文献】 特開2009−178967(JP,A)
【文献】 特開2007−55058(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 9/00 - 11/26
B32B 1/00 - 43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
管状の複数の層を備える多層管であって、
管状であり、かつポリエチレン樹脂を含む第1のポリオレフィン樹脂層(但し、ポリブテンが含まれている層を除く)と、
管状であり、ポリエチレン樹脂を含み、かつシランカップリング剤により表面処理されているガラス繊維を含むポリオレフィン樹脂/ガラス繊維層(但し、前記ガラス繊維が、シート状繊維複合体として含まれている層を除く)と、
管状であり、かつポリエチレン樹脂を含む第2のポリオレフィン樹脂層と
を備え、
前記第1のポリオレフィン樹脂層の外側に、前記ポリオレフィン樹脂/ガラス繊維層が配置されており、
前記ポリオレフィン樹脂/ガラス繊維層の外側に、前記第2のポリオレフィン樹脂層が配置されており、
前記ガラス繊維の繊維長が、0.05mm以上、5mm以下である、多層管。
【請求項2】
前記ガラス繊維の繊維径が、1μm以上、20μm以下である、請求項1に記載の多層管。
【請求項3】
ガスバリア層をさらに備える、請求項1又は2に記載の多層管。
【請求項4】
前記第2のポリオレフィン樹脂層の外側に、前記ガスバリア層が配置されている、請求項3に記載の多層管。
【請求項5】
接着層をさらに備え、
前記第2のポリオレフィン樹脂層の外側に、接着層が配置されており、
前記接着層の外側に、前記ガスバリア層が配置されている、請求項4に記載の多層管。
【請求項6】
前記ポリオレフィン樹脂/ガラス繊維層が、相溶化剤をさらに含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の多層管。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管状の複数の層を備えており、少なくとも2層がポリオレフィン樹脂を用いて形成されている多層管に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、空調用の冷温水配管として、耐熱性及び耐圧性に優れている鋼管が用いられている。しかし、上記鋼管は重く、施工性が悪い。また、上記鋼管は腐食しやすいという問題がある。
【0003】
そこで、各種の樹脂を用いた樹脂管が、冷温水配管として用いられてきている。上記樹脂管は、軽く、耐腐食性にも優れている。しかし、上記樹脂管を冷温水配管として用いると、熱収縮が生じたり、ガスバリア性に劣ったりするという問題がある。
【0004】
一方で、ポリオレフィン樹脂は、比較的安価であり、かつ成形性、耐熱性、耐溶剤性、機械的特性及び外観等に優れている樹脂として知られている。このため、ポリオレフィン樹脂は、各種の成形体に加工されており、多くの分野で使用されている。例えば、上記ポリオレフィン樹脂は、耐震特性にも優れていることから、近年、ガス管及び配水管等としての使用が増大している。
【0005】
ポリオレフィン樹脂を用いた樹脂管の一例として、下記の特許文献1には、内側層と中間層と外側層とを備えるパイプが開示されている。上記内側層、上記中間層及び上記外側層はそれぞれ、ポリマー材料により形成されている。上記中間層は、上記内側層から上記外側層への添加剤の移動を抑える遮断材料として、充填材及び/又は添加剤を含む。特許文献1では、上記中間層の具体例として、可塑化されたポリプロピレン・ランダム共重合体又は半流動性のポリプロピレン・ランダム共重合体と、初期長さが0.1−6ミリの短切断ガラス繊維とを用いる構成が記載されている。
【0006】
また、強度を高めるために、樹脂管において、ガラス繊維が用いられることがある。ガラス繊維を用いた樹脂管の一例として、下記の特許文献2では、筒形状を有する繊維強化合成樹脂パイプが開示されている。このパイプは、繊維強化樹脂層を複数有し、該複数の繊維強化樹脂層は筒形状の周方向に積層されている。上記繊維強化樹脂層は、ガラス繊維及び合成樹脂を用いて形成されたガラス繊維強化樹脂層と、有機不織布及び合成樹脂を用いて形成された有機不織布層とを有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−355767号公報
【特許文献2】特開2007−216555号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1,2に記載のような従来の樹脂管では、寸法安定性を充分に低くすることが困難なことがある。
【0009】
本発明の目的は、高い寸法安定性を有する多層管を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の広い局面によれば、管状の複数の層を備える多層管であって、管状であり、かつポリオレフィン樹脂とガラス繊維とを含むポリオレフィン樹脂/ガラス繊維層と、管状であり、かつポリオレフィン樹脂を含むポリオレフィン樹脂層とを備える、多層管が提供される。
【0011】
本発明に係る多層管のある特定の局面では、前記多層管は、前記ポリオレフィン樹脂層として、第1のポリオレフィン樹脂層と第2のポリオレフィン樹脂層とを備え、前記第1のポリオレフィン樹脂層の外側に、前記ポリオレフィン樹脂/ガラス繊維層が配置されており、前記ポリオレフィン樹脂/ガラス繊維層の外側に、前記第2のポリオレフィン樹脂層が配置されている。
【0012】
本発明に係る多層管のある特定の局面では、前記多層管は、ガスバリア層をさらに備える。
【0013】
本発明に係る多層管のある特定の局面では、前記ポリオレフィン樹脂/ガラス繊維層の外側に、前記ポリオレフィン樹脂層が配置されており、前記ポリオレフィン樹脂/ガラス繊維層の外側に配置された前記ポリオレフィン樹脂層の外側に、前記ガスバリア層が配置されている。
【0014】
本発明に係る多層管のある特定の局面では、前記多層管は、接着層をさらに備え、前記ポリオレフィン樹脂/ガラス繊維層の外側に配置された前記ポリオレフィン樹脂層の外側に、接着層が配置されており、前記接着層の外側に、前記ガスバリア層が配置されている。
【0015】
本発明に係る多層管のある特定の局面では、前記ポリオレフィン樹脂/ガラス繊維層が、相溶化剤をさらに含む。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る多層管は、管状であり、かつポリオレフィン樹脂とガラス繊維とを含むポリオレフィン樹脂/ガラス繊維層と、管状であり、かつポリオレフィン樹脂を含むポリオレフィン樹脂層とを備えるので、高い寸法安定性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、本発明の第1の実施形態に係る多層管を模式的に示す断面図である。
図2図2は、本発明の第2の実施形態に係る多層管を模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0019】
本発明に係る多層管は、管状の複数の層を備える。複数の層は、周方向に内側から外側に向かって並んで配置されている。本発明に係る多層管は、管状であり、かつポリオレフィン樹脂とガラス繊維とを含むポリオレフィン樹脂/ガラス繊維層と、管状であり、かつポリオレフィン樹脂を含むポリオレフィン樹脂層とを備える。本発明に係る多層管は、上記ポリオレフィン樹脂/ガラス繊維層を少なくとも1つ備える。本発明に係る多層管は、上記ポリオレフィン樹脂層を少なくとも1つ備える。本発明に係る多層管は、上記ポリオレフィン樹脂/ガラス繊維層と、上記ポリオレフィン樹脂層との少なくとも2つの層を備える。
【0020】
本発明に係る多層管は、上述した構成を備えているので、高い寸法安定性を有する。本発明に係る多層管では、温度変化に晒されても、寸法が変化し難い。本発明に係る多層管では、ポリオレフィン樹脂を用いた多層管において、寸法安定性を高めることができる。さらに、本発明に係る多層管では、寸法安定性を高めることができることに加えて、耐衝撃性、耐震性及び長期クリープ特性を高めることもできる。さらに、本発明に係る多層管は、高いガスバリア性も有する。
【0021】
上記ポリオレフィン樹脂層は、多層管の耐衝撃強度を高めるために大きく寄与する。例えば、上記ポリオレフィン樹脂/ガラス繊維層とともに上記ポリオレフィン樹脂層を用いることで、耐衝撃強度を高く維持することができる。また、上記ポリオレフィン樹脂/ガラス繊維層とともに上記ポリオレフィン樹脂層を用いることで、外観が良好になり、更にEF融着も可能になる。一方で、上記ポリオレフィン樹脂/ガラス繊維層は、多層管の寸法変化を小さくすることに大きく寄与する。
【0022】
本発明では、耐衝撃強度と高い寸法安定性との双方を高いレベルで両立することができる。
【0023】
本発明に係る多層管は、上記ポリオレフィン樹脂層を少なくとも2つ備えることが好ましい。本発明に係る多層管は、上記ポリオレフィン樹脂層として、第1のポリオレフィン樹脂層と、第2のポリオレフィン樹脂層とを備えることが好ましい。上記第1,第2のポリオレフィン樹脂層はそれぞれ、管状であり、かつポリオレフィン樹脂を含む。
【0024】
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態及び実施例を説明することにより、本発明を明らかにする。
【0025】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る多層管を模式的に示す断面図である。
【0026】
図1に示す多層管11は、第1のポリオレフィン樹脂層1と、ポリオレフィン樹脂/ガラス繊維層2と、第2のポリオレフィン樹脂層3と、接着層4と、ガスバリア層5とを備える。第1のポリオレフィン樹脂層1と、ポリオレフィン樹脂/ガラス繊維層2と、第2のポリオレフィン樹脂層3と、接着層4と、ガスバリア層5とはそれぞれ、管状である。
【0027】
第1,第2のポリオレフィン樹脂層1,3は、ポリオレフィン樹脂を含む。ポリオレフィン樹脂/ガラス繊維層2は、ポリオレフィン樹脂とガラス繊維とを含む。ガスバリア層5はガスバリア性を有する。
【0028】
第1のポリオレフィン樹脂層1の外側に、ポリオレフィン樹脂/ガラス繊維層2が配置されている。第1のポリオレフィン樹脂層1の外側の表面が、ポリオレフィン樹脂/ガラス繊維層2により覆われている。ポリオレフィン樹脂/ガラス繊維層2の外側に、第2のポリオレフィン樹脂層3が配置されている。ポリオレフィン樹脂/ガラス繊維層2の外側の表面が、第2のポリオレフィン樹脂層3により覆われている。第1のポリオレフィン樹脂層1と第2のポリオレフィン樹脂層3との間に、ポリオレフィン樹脂/ガラス繊維層2が配置されている。
【0029】
なお、上記多層管は、ポリオレフィン樹脂/ガラス繊維層の内側にポリオレフィン樹脂層(第1のポリオレフィン樹脂層)を備える場合に、ポリオレフィン樹脂/ガラス繊維層の外側にポリオレフィン樹脂層(第2のポリオレフィン樹脂層)を備えていなくてもよい。また、上記多層管は、ポリオレフィン樹脂/ガラス繊維層の外側にポリオレフィン樹脂層(第2のポリオレフィン樹脂層)を備える場合に、ポリオレフィン樹脂/ガラス繊維層の内側にポリオレフィン樹脂層(第1のポリオレフィン樹脂層)を備えていなくてもよい。但し、多層管の耐衝撃強度、寸法安定性及びガスバリア性を効果的に高める観点からは、上記多層管は、第1,第2のポリオレフィン樹脂層を備えることが好ましく、第1のポリオレフィン樹脂層と第2のポリオレフィン樹脂層との間に、ポリオレフィン樹脂/ガラス繊維層が配置されていることが好ましい。第1のポリオレフィン樹脂層と第2のポリオレフィン樹脂層との材料は同一であってもよく、異なっていてもよい。
【0030】
第2のポリオレフィン樹脂層3の外側に、接着層4及びガスバリア層5が配置されている。第2のポリオレフィン樹脂層3の外側に、接着層4を介して、ガスバリア層5が配置されている。接着層4の外側にガスバリア層5が配置されている。第2のポリオレフィン樹脂層3とガスバリア層5との間に接着層4が配置されている。接着層4の外側の表面がガスバリア層5により覆われている。第2のポリオレフィン樹脂層3の外側の表面が接着層4により覆われている。
【0031】
上記多層管は、接着層を備えていなくてもよく、ガスバリア層を備えていなくてもよい。すなわち、図2に、本発明の第2の実施形態に係る多層管を示すように、多層管11Aは、第1のポリオレフィン樹脂層1と、ポリオレフィン樹脂/ガラス繊維層2と、第2のポリオレフィン樹脂層3とを備えており、接着層とガスバリア層とを備えていなくてもよい。また、ガスバリア層は、第1のオレフィン樹脂層の内側に配置されていてもよく、第1のオレフィン樹脂層とポリオレフィン樹脂/ガラス繊維層との間に配置されていてもよく、ポリオレフィン樹脂/ガラス繊維層と第2のオレフィン樹脂層との間に配置されていてもよく、第2のオレフィン樹脂層の外側に配置されていてもよい。また、接着層を配置せずに、各層間を接着してもよい。
【0032】
多層管の耐衝撃強度、寸法安定性及びガスバリア性を効果的に高める観点からは、上記多層管は、接着層を備えることが好ましく、ガスバリア層を備えることが好ましい。また、ガスバリア層によって、多層管のガスバリア性をより一層効果的に高めることができる。
【0033】
多層管の耐衝撃強度、寸法安定性及びガスバリア性を効果的に高める観点からは、ポリオレフィン樹脂層の厚み(第1,第2のポリオレフィン樹脂層のそれぞれの厚み)は、好ましくは0.1mm以上、より好ましくは0.3mm以上、更に好ましくは0.5mm以上、好ましくは40mm以下、より好ましくは25mm以下、更に好ましくは10mm以下である。
【0034】
多層管の耐衝撃強度、寸法安定性及びガスバリア性を効果的に高める観点からは、ポリオレフィン樹脂/ガラス繊維層の厚みは、好ましくは0.1mm以上、より好ましくは0.3mm以上、更に好ましくは0.5mm以上、好ましくは40mm以下、より好ましくは25mm以下、更に好ましくは10mm以下である。
【0035】
多層管の耐衝撃強度、寸法安定性及びガスバリア性を効果的に高める観点からは、接着層の厚みは、好ましくは10μm以上、より好ましくは30μm以上、更に好ましくは50μm以上、好ましくは1mm以下、より好ましくは500μm以下、更に好ましくは100μm以下である。
【0036】
多層管の強度、寸法安定性及びガスバリア性を効果的に高める観点からは、ガスバリア層の厚みは、好ましくは10μm以上、より好ましくは30μm以上、更に好ましくは50μm以上、好ましくは1mm以下、より好ましくは500μm以下、更に好ましくは100μm以下である。
【0037】
上記多層管は、配水管及び給湯管として好適に用いられる。多層管は60℃以下の水が流れる冷温水配管としてより好適に用いられる。
【0038】
以下、上記多層管における各層に用いられる成分を具体的に説明する。
【0039】
(ポリオレフィン樹脂)
上記ポリオレフィン樹脂層(上記第1,第2のポリオレフィン樹脂層)及び上記ポリオレフィン樹脂/ガラス繊維層に含まれている各ポリオレフィン樹脂は特に限定されない。上記ポリオレフィン樹脂として従来公知のポリオレフィン樹脂を用いることができる。上記ポリオレフィン樹脂は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0040】
上記ポリオレフィン樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びエチレン−α−オレフィン共重合体等が挙げられる。多層管の強度、寸法安定性及び高温での伸びをより一層効果的に高める観点からは、ポリエチレン又はポリプロピレンが好ましく、ポリエチレンがより好ましい。また、ポリエチレンの場合には、耐衝撃性、耐震性及び長期クリープ特性を効果的に高めることができる。
【0041】
上記ポリエチレン(PE)としては、LDPE、LLDPE及びHDPE等が挙げられる。上記ポリプロピレン(PP)としては、ホモPP、ブロックPP及びランダムPP等が挙げられる。上記ポリブテンとしては、ポリブテン−1等が挙げられる。
【0042】
上記エチレン−α−オレフィン共重合体は、エチレンに対して、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン又は1−オクテン等のα−オレフィンを数モル%程度の割合で共重合させた共重合体であることが特に好ましい。
【0043】
上記ポリオレフィン樹脂層と上記ポリオレフィン樹脂/ガラス繊維層とに含まれるポリオレフィン樹脂は同一であってもよく、異なっていてもよい。上記第1のポリオレフィン樹脂層と上記第2のポリオレフィン樹脂層とに含まれるポリオレフィン樹脂は同一であってもよく、異なっていてもよい。
【0044】
(ガラス繊維)
上記ポリオレフィン樹脂/ガラス繊維層は、ガラス繊維を含む。上記ポリオレフィン樹脂層(上記第1,第2のポリオレフィン樹脂層)は、少量であればガラス繊維を含んでいてもよく、ガラス繊維を含んでいなくてもよい。上記ポリオレフィン樹脂/ガラス繊維層がポリオレフィン樹脂100重量部に対してガラス繊維を10重量部以上含む場合に、上記ポリオレフィン樹脂層は、ポリオレフィン樹脂100重量部に対してガラス繊維を10重量部未満で含むことが好ましい。この場合に、上記ポリオレフィン樹脂/ガラス繊維層と上記ポリオレフィン樹脂層とは異なる。多層管の耐衝撃強度をより一層高める観点からは、上記ポリオレフィン樹脂層において、ガラス繊維の含有量は少ないほどよい。上記ポリオレフィン樹脂層において、ポリオレフィン樹脂100重量部に対するガラス繊維の含有量はより好ましくは10重量部以下、更に好ましくは5重量部以下、最も好ましくは0重量部(未使用)である。
【0045】
上記ガラス繊維の繊維長は好ましくは0.05mm以上、より好ましくは1mm以上、好ましくは10mm以下、より好ましくは5mm以下である。上記ガラス繊維の繊維長が上記下限以上及び上記上限以下であると、多層管の耐衝撃強度、寸法安定性及びガスバリア性がより一層高くなる。
【0046】
上記繊維長は、複数のガラス繊維の長さの平均を意味する。
【0047】
上記ガラス繊維の繊維径は、好ましくは1μm以上、より好ましくは5μm以上、好ましくは30μm以下、より好ましくは20μm以下である。上記ガラス繊維の繊維径が上記下限以上及び上記上限以下であると、多層管の耐衝撃強度、寸法安定性及びガスバリア性がより一層高くなる。
【0048】
上記繊維径は、1つのガラス繊維の最大径を求め、複数のガラス繊維の最大径を平均することにより求められる。
【0049】
多層管の耐衝撃強度、寸法安定性及びガスバリア性を効果的に高める観点からは、上記ガラス繊維は表面処理剤により表面処理されていることが好ましい。上記表面処理剤はシランカップリング剤であることが好ましい。上記表面処理剤としては、メタクリルシラン、アクリルシラン、アミノシラン、イミダゾールシラン、ビニルシラン及びエポキシシラン等が挙げられる。多層管の耐衝撃強度、寸法安定性及びガスバリア性を効果的に高める観点からは、上記ガラス繊維はアミノシランにより表面処理されていることが好ましい。
【0050】
上記ガラス繊維がアミノシランにより表面処理されていることで、ガラス繊維が表面処理されていなかったり、ガラス繊維がアミノシラン以外の表面処理剤により表面処理されていたりする場合と比べて、多層管の耐衝撃強度、寸法安定性及びガスバリア性がより一層高くなる。
【0051】
上記ポリオレフィン樹脂/ガラス繊維層において、上記ポリオレフィン樹脂100重量部に対して、上記ガラス繊維の含有量は好ましくは1重量部以上、より好ましくは5重量部以上、更に好ましくは10重量部以上、好ましくは200重量部以下、より好ましくは150重量部以下、更に好ましくは70重量部以下である。上記ガラス繊維の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、多層管の耐衝撃強度、寸法安定性及びガスバリア性がより一層高くなる。
【0052】
(相溶化剤)
多層管の耐衝撃強度、寸法安定性及びガスバリア性を効果的に高める観点からは、上記ポリオレフィン樹脂/ガラス繊維層は相溶化剤を含むことが好ましい。上記相溶化剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0053】
上記相溶化剤としては、例えば、マレイン酸変性ポリオレフィン、シラン変性ポリオレフィン、及び塩素化ポリオレフィン等が挙げられる。なお、これらの相溶化剤は、上記ポリオレフィン樹脂に含まれない。上記相溶化剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0054】
多層管の耐衝撃強度、寸法安定性及びガスバリア性を効果的に高める観点からは、上記相溶化剤は、マレイン酸変性ポリオレフィン又はシラン変性ポリオレフィンであることが好ましく、シラン変性ポリオレフィンであることがより好ましい。
【0055】
上記ポリオレフィン樹脂/ガラス繊維層において、上記ポリオレフィン樹脂100重量部に対して、上記相溶化剤の含有量は好ましくは0.1重量部以上、より好ましくは0.5重量部以上、更に好ましくは1重量部以上、好ましくは50重量部以下、より好ましくは30重量部以下、更に好ましくは15重量部以下である。上記相溶化剤の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、多層管の耐衝撃強度、寸法安定性及びガスバリア性がより一層高くなる。
【0056】
(ガスバリア層の材料)
上記ガスバリア層はガスバリア性を有していればよく、ガスバリア性を発現する適宜の材料により形成される。上記ガスバリア層の材料としては、エチレン−ビニルアルコール樹脂、ポリビニルアルコール、ポリアミド及びポリエチレンテレフタレート等が挙げられる。上記ガスバリア層の材料は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0057】
多層管のガスバリア性をより一層高める観点からは、上記ガスバリア層は、エチレン−ビニルアルコール樹脂を含むことが好ましく、上記ガスバリア層の材料は、エチレン−ビニルアルコール樹脂であることが好ましい。エチレン−ビニルアルコール樹脂におけるエチレン含量は好ましくは20モル%以上、より好ましくは30モル%以上、好ましくは50モル%以下、より好ましくは40モル%以下である。上記エチレン含量が上記下限以上であると、ガスバリア層を成形する際の成形性、及びガスバリア層の耐水性がより一層高くなる。上記エチレン含量が上記上限以下であると、ガスバリア層及び多層管のガスバリア性がより一層高くなる。
【0058】
(接着層の材料)
上記接着層は積層される層を接着する性質を有していればよく、接着性を発現する適宜の材料により形成される。
【0059】
上記接着層の材料としては、公知の接着剤を適用可能である。上記接着剤としては、変性ポリオレフィン系接着剤、アクリル系接着剤、特殊合成ゴム系接着剤、合成樹脂系接着剤及びゴム系接着剤等が挙げられる。
【0060】
(他の成分)
上記ポリオレフィン樹脂層(上記第1,第2のポリオレフィン樹脂層)及び上記ポリオレフィン樹脂/ガラス繊維層はそれぞれ、上記ポリオレフィン樹脂以外の熱可塑性樹脂を含んでいてもよい。但し、上記ポリオレフィン樹脂以外の熱可塑性樹脂を用いる場合には、層における上記ポリオレフィン樹脂以外の熱可塑性樹脂の含有量は、層における上記ポリオレフィン樹脂の含有量よりも少ないことが好ましい。
【0061】
上記ポリオレフィン樹脂以外の熱可塑性樹脂を用いる場合に、ポリオレフィン樹脂と上記ポリオレフィン樹脂以外の熱可塑性樹脂との合計100重量%中、ポリオレフィン樹脂の含有量は、好ましくは80重量%以上、より好ましくは90重量%以上、更に好ましくは95重量%以上である。ポリオレフィン樹脂と上記ポリオレフィン樹脂以外の熱可塑性樹脂との合計100重量%中、ポリオレフィン樹脂の含有量は、100重量%以下であってもよく(全量を含む)、99.99重量%以下であってもよく、99.9重量%以下であってもよい。
【0062】
多層管の高温下での耐久性をより一層高めたり、銅などの金属による耐久性の低下を抑えたりする観点からは、上記多層管における各層は、酸化防止剤を含むことが好ましい。上記酸化防止剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0063】
上記酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤及びラクトン系酸化防止剤等が挙げられる。
【0064】
上記ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオンアミド]、ベンゼンプロパン酸、3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ、C7−C9側鎖アルキルエステル、3,3’,3’’,5,5’,5’’−ヘキサ−tert−ブチル−a,a’,a’’−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール、4,6−ビス(ドデシルチオメチル)−o−クレゾール、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o―クレゾール、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−tert―ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート]、ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、1,3,5−トリス[(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−キシリル)メチル]−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、2,6−ジ−tert−ブチル−4−[4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン2−イルアミノ]フェノール、及びジエチル[{3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル}メチル]ホスフォネート等が挙げられる。
【0065】
上記リン系酸化防止剤としては、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)フォスファイト、トリス[2−[[2,4,8,10−テトラ−tert−ブチルジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサフォスフェフィン−6−イル]オキシ]エチル]アミン、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、ビス[2,4−ビス(1,1−ジメチルエチル)−6−メチルフェニル]エチルエステル亜リン酸、及びテトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)(1,1−ビフェニル)−4,4’−ジイルビスホスフォナイト等が挙げられる。
【0066】
上記ラクトン系酸化防止剤としては、3−ヒドロキシ−5,7−ジ−tert−ブチル−フラン−2−オンとo−キシレンとの反応生成物等が挙げられる。
【0067】
多層管の高温下での耐久性をさらに一層高めたり、銅などの金属による耐久性の低下を抑えたりする観点からは、上記酸化防止剤は、フェノール系酸化防止剤であることが好ましく、ヒンダードフェノール系酸化防止剤であることがより好ましい。上記フェノール系酸化防止剤及び上記ヒンダードフェノール系酸化防止剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0068】
多層管の高温下での耐久性をさらに一層高めたり、銅などの金属による耐久性の低下を抑えたりする観点からは、上記酸化防止剤は、3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸ステアリル又は2,4,6−トリス(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシベンシル)メシチレンであることが好ましく、酸化防止剤を含む層は、3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸ステアリル又は2,4,6−トリス(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシベンシル)メシチレンを含むことが好ましい。
【0069】
酸化防止剤を含む層100重量%中、上記酸化防止剤、上記フェノール系酸化防止剤、及び上記ヒンダードフェノール系酸化防止剤の含有量はそれぞれ、好ましくは0.01重量%以上、より好ましくは0.1重量%以上、好ましくは5重量%以下、より好ましくは1重量%以下、更に好ましくは0.5重量%以下である。上記酸化防止剤、上記フェノール系酸化防止剤、及び上記ヒンダードフェノール系酸化防止剤の含有量が、上記下限以上であると、多層管の高温下での耐久性がより一層高くなり、上記上限を超える含有量では、多層管の高温下での耐久性は変わらないため、過剰な酸化防止剤の使用が抑えられる。
【0070】
上記多層管における各層は、必要に応じて、架橋剤、銅害防止剤、滑剤、光安定剤及び顔料等の添加剤を含んでいてもよい。
【0071】
上記架橋剤としては、有機過酸化物等が挙げられる。上記有機過酸化物としては、ジクミルパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、及び2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン等が挙げられる。上記架橋剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0072】
上記有機過酸化物の使用量は特に限定されない。上記有機過酸化物を用いる場合に、上記有機過酸化物を含む層において、上記ポリオレフィン樹脂100重量部に対して、上記有機過酸化物の含有量は、好ましくは0.01重量部以上、好ましくは2重量部以下、より好ましくは1重量部以下である。
【0073】
上記滑剤としては特に限定されず、例えば、フッ素系滑剤、パラフィンワックス系滑剤及びステアリン酸系滑剤等が挙げられる。上記滑剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0074】
上記滑剤の使用量は特に限定されない。上記滑剤を含む層において、上記ポリオレフィン樹脂100重量部に対して、上記滑剤の含有量は好ましくは0.01重量部以上、好ましくは3重量部以下である。
【0075】
上記光安定剤としては特に限定されず、例えば、サリチル酸エステル系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系及びシアノアクリレート系等の紫外線吸収剤、並びにヒンダードアミン系の光安定剤等が挙げられる。上記光安定剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0076】
上記顔料としては特に限定されず、例えば、アゾ系、フタロシアニン系、スレン系及び染料レーキ系等の有機顔料、並びに酸化物系、クロム酸モリブデン系、硫化物−セレン化物系及びフェロシアン化物系等の無機顔料等が挙げられる。上記顔料は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0077】
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明する。本発明は以下の実施例のみに限定されない。
【0078】
(実施例1)
実施例1では、図2に示す積層構造を有する多層管を作製した。
【0079】
第1,第2のポリオレフィン樹脂層を形成するために、ポリオレフィン樹脂(ポリエチレン、密度:0.95g/cm)を用いた。
【0080】
ポリオレフィン樹脂/ガラス繊維層を形成するために、ポリオレフィン樹脂(ポリエチレン、密度:0.95g/cm)100重量部(75重量%)と、ガラス繊維(繊維長3mm、繊維径13μm、アミノシラン表面処理)26.7重量部(20重量%)と、相溶化剤(変性ポリエチレン、密度:0.95g/cm)6.7重量部(5重量%)とを混合した組成物を用いた。
【0081】
第1のポリオレフィン樹脂層(厚み1mm)と、ポリオレフィン樹脂/ガラス繊維層(厚み4mm)と、第2のポリオレフィン樹脂層(厚み1mm)とがこの順で積層された多層管を得た。
【0082】
(実施例2)
第1,第2のポリオレフィン樹脂層の厚みを2mmに変更したこと、並びに、ポリオレフィン樹脂/ガラス繊維層の厚みを2mmに変更したこと以外は実施例1と同様にして、多層管を得た。
【0083】
(実施例3)
ポリオレフィン樹脂/ガラス繊維層を形成するために、ポリオレフィン樹脂(ポリエチレン、密度:0.95g/cm)100重量部(55重量%)と、ガラス繊維(繊維長3mm、繊維径13μm、アミノシラン表面処理)72.7重量部(40重量%)と、相溶化剤(変性ポリエチレン、密度:0.95g/cm)9.1重量部(5重量%)とを混合した組成物を用いた。
【0084】
ポリオレフィン樹脂/ガラス繊維層の材料を上記のように変更したこと以外は実施例1と同様にして、多層管を得た。
【0085】
(実施例4)
ポリオレフィン樹脂/ガラス繊維層を形成するために、ポリオレフィン樹脂(ポリエチレン、密度:0.95g/cm)100重量部(55重量%)と、ガラス繊維(繊維長3mm、繊維径13μm、アミノシラン表面処理)72.7重量部(40重量%)と、相溶化剤(変性ポリエチレン、密度:0.95g/cm)9.1重量部(5重量%)とを混合した組成物を用いた。
【0086】
第1,第2のポリオレフィン樹脂層の厚みを2mmに変更したこと、並びに、ポリオレフィン樹脂/ガラス繊維層の厚みを2mmに変更したこと、並びに、ポリオレフィン樹脂/ガラス繊維層の材料を上記のように変更したこと以外は実施例1と同様にして、多層管を得た。
【0087】
(比較例1)
ポリオレフィン樹脂(ポリエチレン、密度:0.95g/cm)を用いて、厚みが6mmである単層管を得た。
【0088】
(評価)
寸法安定性:
得られた多層管において、寸法安定性を評価するために、熱線膨張係数を測定した。熱機械分析(TMA)装置を用いて、昇温速度5℃/min、測定範囲−20℃から120℃の条件で測定した。
【0089】
実施例及び比較例の詳細と結果とを下記の表1に示す。
【0090】
【表1】
【0091】
なお、各実施例において、第2のポリオレフィン樹脂層の外側に接着層及びガスバリア層を形成した多層管を作製した。接着層とガスバリア層とを備える多層管では、各実施例と同様に寸法安定性に優れており、かつガスバリア性により一層優れていた。
【符号の説明】
【0092】
1…ポリオレフィン樹脂層
2…ポリオレフィン樹脂/ガラス繊維層
3…ポリオレフィン樹脂層
4…接着層
5…ガスバリア層
11,11A…多層管
図1
図2