(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6574555
(24)【登録日】2019年8月23日
(45)【発行日】2019年9月11日
(54)【発明の名称】横方向除塵装置
(51)【国際特許分類】
B08B 5/00 20060101AFI20190902BHJP
【FI】
B08B5/00 A
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-160083(P2014-160083)
(22)【出願日】2014年8月6日
(65)【公開番号】特開2016-36752(P2016-36752A)
(43)【公開日】2016年3月22日
【審査請求日】2017年7月31日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】391038475
【氏名又は名称】株式会社TRINC
(74)【代理人】
【識別番号】100079832
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 誠
(72)【発明者】
【氏名】高柳 真
【審査官】
新井 浩士
(56)【参考文献】
【文献】
特開2005−305537(JP,A)
【文献】
特開昭57−163504(JP,A)
【文献】
米国特許第04364147(US,A)
【文献】
特開平06−039420(JP,A)
【文献】
特開2007−301442(JP,A)
【文献】
特開2008−000659(JP,A)
【文献】
特開2009−106843(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B08B 5/00
B08B 11/00
H05K 3/26
G02F 1/13
A47L 5/14
H02S 40/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動する平面状の被除塵物体の表面に、斜め上方から、前記被除塵物体の進行方向に対して右方向のやや上流方向に向かってエアブローを吹き付けて前記表面に付着した異物を剥離する複数の第1吹出し孔であって、前記進行方向に対して横方向に直線的に配列された第1吹出し孔を有し、前記エアブローによって前記表面に略平行なエア流によって前記異物を前記表面から除去する第1のホコリ払い器と、前記第1のホコリ払い器によって前記表面から除去された異物を、前記被除塵物体表面の側方の前記エア流の下流側で、集塵する第1の集塵器と、前記被除塵物体の表面に、斜め上方から、前記被除塵物体の進行方向に対して左方向のやや上流方向に向かってエアブローを吹き付けて前記表面に付着した異物を剥離する複数の第2吹出し孔であって、前記進行方向に対して横方向に直線的に配列された第2吹出し孔を有し、前記エアブローによって前記表面に略平行なエア流によって前記異物を前記表面から除去する第2のホコリ払い器と、前記第2のホコリ払い器によって前記表面から除去された異物を、前記被除塵物体表面の側方の前記エア流の下流側で、集塵する第2の集塵器と、 を備え、 前記第1のホコリ払い器と前記第2のホコリ払い器との間には隙間が設けられ、前記第1のホコリ払い器は、エア流が被除塵物体の左側縁を煽ることなく、被除塵物体の左側縁近傍から被除塵物体の左右中央を超える範囲までエア流が生じるように、被除塵物体表面にエアブローを吹き付け、前記第2のホコリ払い器は、エア流が被除塵物体の右側縁を煽ることなく、被除塵物体の右側縁近傍から被除塵物体の左右中央を超える範囲までエア流が生じるように、被除塵物体表面にエアブローを吹き付ける、除塵装置。
【請求項2】
前記ホコリ払い器は、前記被除塵物体を横切る棒状に形成され、前記ホコリ払い器には、複数の吹出し孔が長手方向に配列され、内部の圧縮空気を前記吹出し孔から吹き出すことによってエアブローを発生することを特徴とする請求項1に記載の除塵装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の除塵装置において、エアブローは除塵装置全域において行うことを特徴とする除塵装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の除塵装置はエアブローした異物を回収する集塵フードを有し、該フードはエアブロー上流側の断面積が下流側の断面積より小さいことを特徴とする除塵装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の除塵装置において、被除塵物体の表裏面を同時に除塵することを特徴とする除塵装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の除塵装置において、除塵装置の上流と下流に空気イオンを満たして被除塵物体の静電気を中和することを特徴とする除塵装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルムやパネルなど平面状のワーク等の被除塵物体(以下、ワークということもある)に付着した異物を除去する横方向除塵装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来はフィルムやパネルなど平面状の被除塵物体に付着した異物を除去するためにエアナイフなどを用い、被除塵物体の斜め上方から鋭角にエアブローしていた。エアブローの方向は被除塵物体の進行方向に対し180度すなわち進行方向に対して逆方向にエアブローしていた。エアブローにより被除塵物体から剥離された異物を真空吸引してすくい上げ集塵していた。これらの従来技術を
図8〜13を参照して以下に具体的に説明する。
【0003】
図8は従来の除塵方式の1つを示し、移動する平面状の被除塵物体(ワーク)10に付着した異物12を除去するために、エアブロー14でもって被除塵物体10の表面を吹き、被除塵物体10の進行方向に対し180度すなわち進行方向と逆方向に異物を押し戻している。このように、異物を押し戻すだけでは、異物は、エアブロー14の下流からは排除されるが、上流側に堆積し、除去されることはないので、堆積した異物が下流に流入する可能性が高い。すなわち、エアナイフにより異物を吹き飛ばして除去することは容易ではなかった。
【0004】
図9は同じく従来の除塵方式の1つを示し、被除塵物体10に付着した異物12を除去するために、エアブロー14でもって斜め上方より鋭角度に被除塵物体10を吹き、異物12を剥離して吹き飛ばしている。吹き飛ばした異物12を集塵機16ですくい上げて回収している。しかし、このすくい上げがうまく機能しないと言う問題があった。
【0005】
図10は
図9の異物のすくい上げがうまく機能しない理由を説明する図である。斜め上方よりエアブローすると反射したエア流18とワーク(被除塵物体)10の間に渦流ができ負圧が発生する。
図11はこの負圧により、エア流18はワーク10に引き寄せられて離れない状況を示す。もしワークにテンションがかかっていない場合は、ワークがエア流に吸い上げられて、同様にエア流はワークから離れない(図示せず)。このようにワーク表面に沿ったエア流18は、異物を搬送方向の上流に押し戻すのみで、集塵機16に誘導しないので、異物はワーク上に堆積する。
【0006】
図11に示すように、反射したエア流18に含まれる(被除塵物体から剥離された)異物12は、ワーク10から少ししか浮き上がらないため、集塵機(
図10参照)で吸い上げても回収できずにいくらかは残ってしまう状況を示す。残った異物は上流のワーク上に乗って再度流れて来て、再びエアブローされるが、やはり完全には回収されないため、除塵できなかった残留異物として残ってしまう。
【0007】
図12に示すように、異物12の一部が集塵機16で集塵されない場合がある。このことを避けるために、
図13に示すように、残留異物を少なくするための集塵器16をワーク10に近付け真空吸引した場合、それによりワーク10と集塵器16が接触する恐れがある。接触によりワーク10に傷を付け不良品化する。以上のように、従来例では完全な異物除去は難しく異物が残り易かった。
【0008】
その他、公開されている従来技術には、パネル体の除塵装置(実録2567191号明細書)、除塵ヘッド(特開平11−235559号公報)、除塵洗浄方法及び装置(特開2010−162445号公報)がある。
【0009】
パネル体の除塵装置は、移動するパネルに進行方向からエアを吐出し、逆方向から集塵する技術である。この技術では、異物の集塵残りは防げない。除塵ヘッドは移動するパネルに進行方向からエアを吐出し、両方向から集塵する技術である。やはり、異物の集塵残りは防げない。除塵洗浄方法および装置は移動するパネルの進行方向と逆方向にエアを中央から吐出し、両方向から直角方向に集塵する。あるいはエアを両側から吐出し、中央で直角方向に集塵する。除塵した塵の集塵残りは防げない。いずれもワークと平行方向に走る異物を垂直方向に吸い上げようとするが、異物、すなわち、エアの流速が早ければ早いほど吸い上げ残りが発生し、集塵残りが発生する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】実録2567191号明細書
【0011】
【特許文献2】特開平11−235559号公報
【0012】
【特許文献3】特開2010−162445号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、前述の従来技術に伴う諸欠点を解決することを課題とし、フィルムやパネルなど平面状の被除塵物体(ワーク)に付着した異物を効率よく除去して残留異物を少なくする除塵装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明に係る除塵装置は、
移動する平面状の被除塵物体の表面に、斜め上方から、前記被除塵物体の進行方向に対して右方向のやや上流方向に向かってエアブローを吹き付けて前記表面に付着した異物を剥離する複数の第1吹出し孔であって、前記進行方向に対して横方向に直線的に配列された第1吹出し孔を有し、前記エアブローによって前記表面に略平行なエア流によって前記異物を前記表面から除去する第1のホコリ払い器と、前記第1のホコリ払い器によって前記表面から除去された異物を、前記被除塵物体表面の側方の前記エア流の下流側で、集塵する第1の集塵器と、前記被除塵物体の表面に、斜め上方から、前記被除塵物体の進行方向に対して左方向のやや上流方向に向かってエアブローを吹き付けて前記表面に付着した異物を剥離する複数の第2吹出し孔であって、前記進行方向に対して横方向に直線的に配列された第2吹出し孔を有し、前記エアブローによって前記表面に略平行なエア流によって前記異物を前記表面から除去する第2のホコリ払い器と、前記第2のホコリ払い器によって前記表面から除去された異物を、前記被除塵物体表面の側方の前記エア流の下流側で、集塵する第2の集塵器と、を備え、前記第1のホコリ払い器と前記第2のホコリ払い器との間には隙間が設けられ、前記第1のホコリ払い器は、エア流が左側縁にあたらず、左側縁近傍から被除塵物体の左右中央を超える範囲までエア流が生じるように、左側縁よりも右寄りの位置から左右中央の右寄りの範囲に、エア流が生じるようにエアブローを吹き付け、前記第1のホコリ払い器は、エア流が右側縁を煽ることなく、被除塵物体の右側縁近傍から被除塵物体の左右中央を超える範囲までエア流が生じるように、被除塵物体表面にエアブローを吹き付け、前記第2のホコリ払い器は、エア流が左側縁を煽ることなく、被除塵物体の左側縁近傍から被除塵物体の左右中央を超える範囲までエア流が生じるように、被除塵物体表面にエアブローを吹き付ける。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、第1、第2のホコリ払い器によって、平面状被除塵物体の表面に斜め上方からエアブローを吹いて異物を表面から剥離し、エアブローによって、表面に対して略平行に流れるエア流を生じさせ、このエア流によって、異物を被除塵物体表面側方に排除し、表面側方でエア流下流に配置された集塵装置で、集塵するので、異物を効率よく除去し得る。そして、被除塵物体表面側方で集塵するため、集塵装置が被除塵物体表面に接触する恐れはない。また、本発明によれば、フィルムやパネルなど平面状の被除塵物体に付着した異物をも効率よく除去して残留異物を少なくできる。
また、第1のホコリ払い器では、被除塵物体の進行方向に対して、右方向のやや上流方向に向かって、被除塵物体表面にエアブローを吹き付け、第2のホコリ払い器では、被除塵物体の進行方向に対して、左方向のやや上流方向に向かって、被除塵物体表面にエアブローを吹き付けるので、異物を上流に戻す作用があり、より効果的かつ確実に異物除去でき、第1ホコリ払い器は、エア流が右側縁を煽ることなく、被除塵物体の右側縁近傍から被除塵物体の左右中央を超える範囲までエア流が生じるように、被除塵物体表面にエアブローを吹き付け、第2のホコリ払い器は、エア流が左側縁を煽ることなく、被除塵物体の左側縁近傍から被除塵物体の左右中央を超える範囲までエア流が生じるように、被除塵物体表面にエアブローを吹き付けるので、被除塵物体のバタつきを防止しつつその全幅を確実に除塵し得る。さらに、第1、第2のホコリ払い器は、それぞれ複数の第1、第2吹出し孔からエアブローを除塵物体表面に吹き付け、第1、第2吹出し孔は、除塵物体進行方向に対して横方向に直線的に配列されているので、第1、第2ホコリ払い器全体の設置面積を最小限に抑え得る。さらに、第1、第2ホコリ払い器は隙間を空けて配置されているので、両者のエア流によって渦気流が発生することはない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図10】従来の除塵方式を説明するための図である。
【
図11】従来の除塵方式を説明するための図である。
【
図12】従来の除塵方式を説明するための図である。
【
図13】従来の除塵方式を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
フィルムやパネルなど平面状の被除塵物体に付着した異物を効率よく除去して残留異物を少なくするために被除塵物体の面に平行なエア流が生じるように、横方向ないしやや上流に向かって、斜め上方からエアブローを発生し、エアブローは除塵装置全域において行い、エアブロー下流側横位置において集塵する。除塵装置はエアブローした異物を回収する集塵フードを有し、該フードはエアブロー上流側の断面積を下流側の断面積より小さくする。被除塵物体の進行方向に対し左右の中央を超えてエアブローし、集塵する側と反対側の先端側エアブロー風が被除塵物体の先端側の端をエアブローしないようにし
て、被除塵物体の側縁を煽ることを防止し、被除塵物体の表裏面を同時に除塵し、被除塵物体を進行方向に向かって左右両方向に同時に除塵し、左方向の除塵装置と右方向の除塵装置間に隙間を設け、除塵装置の上流と下流に空気イオンを満たして被除塵物体の静電気を中和するのが好ましい。
【実施例1】
【0018】
実施例1を、
図1を参照して説明する。
図1は本発明の除塵方式を説明する図である。フィルムやパネルなど平面状の被除塵物体(ワーク)10に付着した異物12を横方向にエアブロー14して除去する。エアブロー14は、斜め上方から被除塵物体表面に吹き付けられて異物を表面から剥離し、さらに被除塵物体の進行方向に対して横方向ないしやや上流方向に向かって、表面に平行なエア流を生じさせ、このエア流により異物12を表面に沿って押送し、排除する。
【実施例2】
【0019】
実施例2を
、図2を参照して説明する。
図2aが正面図であり、
図2bが側面図である。
図2は本発明の被除塵物体に付着した異物をエアブロー14して除去する方法と装置の構造を示す。ホコリ払い器20にはエアが供給され、ワーク10と対峙した面に多くの吹出し孔
(図示省略)があり、至近距離からワーク10に向かって、斜め上方からエアブロー14を吹き付け、エアブロー14によって、ワーク10の表面10Sに平行で、ワーク10の進行方向に対して横方向のエア流Aが発生する。ワーク10に付着して流れてきた異物12はこのエアブローにより横方向に払われて除去される。
図2a、2bから明らかなように、ホコリ払い器20は、ワーク10を横切る棒状に形成され、エアブロー14を吹き出す吹出し孔は、
ホコリ払い器20の長手方向
、すなわち被除塵物体進行方向に対して横方向に直線的に複数配列されている。実施例2では、除塵装置は、移動する被除塵物体10の表面
10Sに向かって、斜め上方から表面10Sに吹き付けられて異物を表面から剥離し、さらに前記被除塵物体の進行方向に対して横方向にエアブロー14を発生し、表面10Sに略平行(
図2における表面に平行な矢印)なエア流Aを生じさせ、このエア流Aにより、表面10Sに付着した異物12を表面10Sから除去するホコリ払い器20を備える。
【実施例3】
【0020】
実施例3を、
図3を参照して説明する。
図3aが平面図で、
図3bが側面図である。
図3はホコリ払い器と集塵器を表わし、さらにホコリ払い機20のエアブロー方向の別の案を示す。この場合、ワーク10の進行方向に対し、右側(側方)に集塵装置22がある。前述の実施例1,2ではワークの進行方向に対して、横方向かつ真下にエアブローしていたが、この実施例3ではワークの進行方向に対し、右方向120度かつ下方向110度に向かってエアブローしている。
すなわち、エアブローは斜め上方から、やや上流方向に向かってワーク10に吹き付けられる。この方が異物を実施例1,2よりより上流に戻す作用があるため、より高速に動くワークに対してより効果的かつ安全に異物除去ができる。
そして、エアブローを吹き付ける吹出し孔は実施例2と同様、横方向に直線的に配列されている。
【実施例4】
【0021】
実施例4を、
図4を参照して説明する。
図4aが正面図であり、
図4bが側面図である。
図4は本案の集塵の方法と構造を示す。ワーク10の表面側にホコリ払い器20が対峙し、ワーク10の進行方向に対して右側に集塵器22がある。ワーク10に付着して流れてきた異物12はホコリ払い器20で
斜め上方からエアブローされて、エア流Aによって右方向に払われ、集塵器22により回収される。
そして、エアブローを吹き付ける吹出し孔は実施例2、3と同様、横方向に直線的に配列されている。
【実施例5】
【0022】
実施例5を、
図5を参照して説明する。
図5aが平面図で、
図5bが正面図で、
図5cが側面断面図である。
図5はワークの表面と裏面で同時に
斜め上方からエアブローする構造を示す。ホコリ払い器20が表裏両面にあり、ワーク10の進行方向に対し右側
、すなわちエア流の下流側に集塵器22がある。ワーク10の表裏を同時にエアブローすることにより、ワーク10を支持するロールなど機構物が不要になり、完全非接触な除塵動作が可能になる。
そして、エアブローを吹き付ける吹出し孔は実施例2、3と同様、横方向に直線的に配列されている。
【0023】
上下のホコリ払い器20はそれぞれフード20aを有し、払ったホコリを辺りに飛散させることなく回収する。このフード20aの断面積は集塵機側が先端側より大きい。それは集塵器側の方が先端側より中を通る風量が大きいからである。またホコリ払い器20ないしフード20aの上流と下流に除電器24を配置してワーク10にイオン30をふりかけ静電気を除去することが好ましい。
【実施例6】
【0024】
実施例6を、
図6を参照して説明する。
図6は左右両方向のホコリ払いを同時に行う方式を示す。これによりワークの端の除塵を完全に行えるため異物残留を防ぐ。さらにワーク10が片方向のエアブローにより片側へ斜行するのを防止する。
【実施例7】
【0025】
実施例7を、
図7を参照して説明する。
図7は平面図である。
図7は
第1のホコリ払い器20R、第2のホコリ払い器20Lによって、左右両方向のホコリ払いを同時に行う方式を表わす。
ホコリ払い器20R、20Lは、実施例3〜5と同様に、斜め上方から被除塵物体10にエアブローを吹き付けるが、第1のホコリ払い器20Rは、進行方向に対して右方向のやや上流方向に向かって前記表面にエアブローを吹き付け、第2のホコリ払い器20Lは、進行方向に対して左方向のやや上流方向に向かって前記表面にエアブローを吹き付ける。ホコリ払い器20R、20Lは被除塵物体10の前記進行方向に対して横方向に直線的に配列された第1、第2の吹出し孔をそれぞれ有し、エアブローによって被除塵物体10表面に付着した異物を剥離する。そして、エアブローによって前記表面に略平行なエア流を発生し、異物を前記表面から左右に除去し、除去された異物を、エア流の下流側で、第1、第2の集塵器22R、22Lによって集塵する。左右どちらかの片側のみのエアブローをするとワーク10は片側へ斜行するため、左右両方向同時にエアブローするのが好ましい。またエアブローはワーク10の進行方向に対し(1)ワークの左右中央を超えて行い、(2)エアブロー風がワーク先端を超えないことが好ましい。(1)の条件を満たさない場合、即ち左右中央を超えない場合には中央に異物が残る。(2)の条件を満たさない場合には
、ワーク左右側縁RS、LSに当たるエアブローによって、側縁RS、LSが煽られ、ワーク10がバタついて、ホコリ払い器20と接触事故を起こす。また左右のホコリ払い器
20R、20L(フードを含む)間の間隔が十分にある事が好ましい。近すぎると両者の間に渦気流が発生するため、払った異物が回収できなくて残留する可能性がある。
なお、第1、第2の吹出し孔がいずれも被除塵物体10進行方向の横方向に配列されているので、ホコリ払い器20R、20Lの占有面積は、被除塵物体10の幅に略比例する。
【符号の説明】
【0026】
A エア流10 被除塵物体(ワーク)10S 表面 12 異物 14 エアブロー 20 ホコリ払い器 22 集塵器 24 イオナイザー 30 イオン